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特許7148592繊維強化複合材料、そのための方法、及び同一のものを含む物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】繊維強化複合材料、そのための方法、及び同一のものを含む物品
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/02 20060101AFI20220928BHJP
   B29C 70/14 20060101ALI20220928BHJP
   B29C 70/16 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
B29C70/02
B29C70/14
B29C70/16
【請求項の数】 69
(21)【出願番号】P 2020500780
(86)(22)【出願日】2018-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-02
(86)【国際出願番号】 US2018021975
(87)【国際公開番号】W WO2018175134
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-09
(31)【優先権主張番号】62/475,667
(32)【優先日】2017-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519342415
【氏名又は名称】ボストン・マテリアルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Boston Materials, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122297
【弁理士】
【氏名又は名称】西下 正石
(72)【発明者】
【氏名】アンベシュ・グリジャラ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・シーガル
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-063664(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0145647(US,A1)
【文献】特開2016-044302(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0252497(US,A1)
【文献】特開平07-331358(JP,A)
【文献】特開2016-064648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/00 - 70/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材を定める複数の連続繊維、及び該基材のうちの少なくとも一部に含まれる複数の不連続体を含む複合材料であって、
該複数の不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、不連続体に吸着された複数の磁性粒子を有する、複合材料
を含む、物品。
【請求項2】
前記複数の不連続体が、前記基材に含まれ及び前記基材に対して実質的に直交して配置されている、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記複数の連続繊維が布地を定める、請求項1又は2のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項4】
前記複数の連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、トウを定める、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記複数の連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、フィラメント、糸、より糸、ベール、又はマットを定める、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記複数の連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、前記基材を定めるためにともに集められている、請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記複数の連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、前記基材を定めるためにともに編み込まれている、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記複数の連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、二方向性である、請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記複数の連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、多方向性である、請求項7又は8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記複数の連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、準等方性である、請求項7~9のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記複数の連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、織り合わされていない、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項12】
前記複数の連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、単一方向性である、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項13】
前記連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、天然繊維を含む、請求項1~12のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
前記連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、合成繊維を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の物品。
【請求項15】
前記連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、炭素、玄武岩、シリコンカーバイド、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、ムライト、及び/又はコットンを含む、請求項1~14のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項16】
前記連続繊維のうちの少なくともいくつかのものが、実質的に平行である、請求項1~15のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
前記連続繊維が、少なくとも5ミリメートルの平均長を有する、請求項1~16のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項18】
前記連続繊維が、10マイクロメートルと100マイクロメートルの間の平均径を有する、請求項1~17のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項19】
前記連続繊維が、100より大きいか又は等しい、直径に対する長さの平均アスペクト比を有する、請求項1~18のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項20】
前記不連続繊維が、5ミリメートル未満の平均長を有する、請求項1~19のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項21】
前記不連続繊維が、10マイクロメートルと100マイクロメートルの間の平均径を有する、請求項1~20のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項22】
前記基材が、10cm未満の平均厚さを有する、請求項1~21のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項23】
前記複数の不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、ランダムに配向している、請求項1~22のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項24】
前記複数の不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、実質的に整列している、請求項1~23のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項25】
前記複数の不連続体が、前記複合材料の少なくとも3質量%を含む、請求項1~24のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項26】
前記複数の不連続体が、前記複合材料の97質量%以下を含む、請求項1~25のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項27】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、不連続繊維を含む、請求項1~26のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項28】
前記不連続繊維が、5nmと15mmの間の平均長を有する、請求項27に記載の物品。
【請求項29】
前記不連続繊維が、5mmと15mmの間の平均長を有する、請求項27又は28のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項30】
前記不連続繊維が、少なくとも5である、直径に対する長さの平均アスペクト比を有する、請求項27~29のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項31】
前記不連続繊維が、100,000未満である、直径に対する長さの平均アスペクト比を有する、請求項27~30のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項32】
前記不連続繊維が、100未満である、直径に対する長さの平均アスペクト比を有する、請求項27~31のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項33】
前記不連続繊維のうちのいくつかのものが、実質的に前記基材の厚さに及ぶ平均長を有する、請求項1~32のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項34】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、楕円体を含む、請求項1~33のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項35】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、プレートレットを含む、請求項1~34のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項36】
前記プレートレットが、5nmと15mmの間の特性寸法を有する、請求項35に記載の物品。
【請求項37】
前記プレートレットが、5mmと15mmの間の特性寸法を有する、請求項35又は36のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項38】
前記プレートレットが、1mm未満の最大寸法を有する、請求項35又は36のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項39】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、天然素材を含む、請求項1~38のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項40】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、合成素材を含む、請求項1~39のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項41】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、ガラスを含む、請求項1~40のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項42】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、炭素繊維を含む、請求項1~41のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項43】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、非磁性である、請求項1~42のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項44】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、磁性である、請求項1~43のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項45】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、玄武岩、シリコンカーバイド、ケイ素窒化物、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、ムライト、窒化ホウ素、及び/又は黒鉛を含む、請求項1~44のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項46】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、被覆されていない、請求項1~45のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項47】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、塗膜で被覆されている、請求項1~46のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項48】
前記塗膜が、界面活性剤、シランカップリング剤、エポキシ、グリセリン、ポリウレタン、及び/又は有機金属カップリング剤を含む、請求項47に記載の物品。
【請求項49】
前記複合材料のうちの少なくとも1体積%が、不連続体を含む、請求項1~48のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項50】
前記複合材料のうちの少なくとも5体積%が、不連続体を含む、請求項1~49のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項51】
前記複合材料のうちの少なくとも20体積%が、不連続体を含む、請求項1~50のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項52】
前記複合材料の85%以下が、不連続体を含む、請求項1~51のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項53】
前記磁性粒子のうちの少なくともいくつかのものが、強磁性材料、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、又はレアアース金属を含むアロイを含む、請求項1~52のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項54】
前記磁性粒子が、10マイクロメートル未満の平均径を有する、請求項1~53のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項55】
前記複合材料が、複数の連続繊維と複数の不連続体とを結合するバインダーをさらに含む、請求項1~54のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項56】
前記バインダーが樹脂を含む、請求項55に記載の物品。
【請求項57】
前記バインダーが、熱可塑性物質を含む、請求項55又は56のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項58】
前記バインダーが、熱可塑性溶融物を含む、請求項55~57のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項59】
前記バインダーが、熱可塑性樹脂を含む、請求項55~58のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項60】
前記バインダーが、熱硬化性樹脂を含む、請求項55~59のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項61】
前記バインダーが、揮発性化合物を含む、請求項55~60のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項62】
前記バインダーが、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタラート、ポリカルボナート、ポリ(メチルメタクリラート)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、シリコーンゴム、ポリフッ化ビニリデン、及び/又はスチレンブタジエンゴムを含む、請求項55~61のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項63】
前記バインダーが、プレセラミックモノマーを含む、請求項55~62のうちのいずれか一項に記載の物品。
【請求項64】
前記プレセラミックモノマーが、シロキサン、シラザン、及び/又はカルボシランを含む、請求項63に記載の物品。
【請求項65】
複数の連続繊維により定められる布地、及び布地内の細孔に含まれる複数の整列した不連続体を含む、複合材料であって、
該複数の不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、不連続体に吸着された複数の磁性粒子を有する、複合材料
を含む、物品。
【請求項66】
複数のプライ、基材を定める複数の連続繊維を含む少なくとも1つのプライ、及び該基材に含まれる複数の不連続体を含む、層状複合材料であって、複数の不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、不連続体に吸着された複数の磁性粒子を有する層状複合材料
を含む、物品。
【請求項67】
複数の不連続体が、基材に含まれ及び基材に対して直交して配置される、請求項66に記載の物品。
【請求項68】
基材を定める複数の連続繊維、及び該基材に含まれる複数の不連続体であって、該複数の不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、不連続体に吸着された複数の磁性粒子を有する、不連続体
を含む複合材料であって、
該複合材料のうちの少なくとも20体積%が前記不連続体を含む、複合材料
を含む、物品。
【請求項69】
基材を定める複数の連続繊維、及び該基材のうちの少なくとも一部に含まれる複数の不連続体を含む複合材料であって、複数の不連続体のうちの少なくともいくつかのものが、不連続体に吸着された複数の磁性粒子を有する複合材料
を含む、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年3月23日に出願された、『繊維強化複合材料、そのための方法及び同一のものを含む物品』という表題の、米国特許仮出願第62/475,667号の利益を主張し、参照により本明細書にそのまま組み入れられる。
【0002】
本明細書に開示されているのは、繊維強化複合材料である。これらの材料は、機械システム、及び他のアプリケーションのための耐荷重コンポーネントに有用である。また本明細書に開示されているのは、かかる複合材料、同一のものを含む物品、などを製造及び使用する方法である。
【背景技術】
【0003】
機械システム、例えば、航空機、宇宙船、自動車、電車、風力タービン、保護具、スポーツ用品、医療用プラント、などは、ますます薄く、軽量化されてきている。増加するかかる機械システムの性能要求は、コンポーネント上での高応力となっている。機械システムにおけるセンシティブな要素は、重大な性能低下又は破局故障さえ回避するために、規定の変形限界内に維持されることが必要であり得る。
【0004】
本文脈において、繊維強化複合材料(FRC)を、最小限の塑性変形で効果的に高応力に対処するために開発した。一般に、これらのFRCsは、強化繊維を含む熱硬化性樹脂ポリマーを含むポリマーを基にしている。例えば、エポキシ樹脂は、その良好な粘着性及び加工性から、当該技術分野において最も一般的なもののうちのあるものである。エポキシ樹脂自体は、しかしながら、比較的弱い機械的強度を有し、それゆえ、高性能機械システムにおいては効果的に応力を運ぶものではない。その結果、機械的強化繊維材料、例えば、炭素、ガラス、アラミド、玄武岩、又はホウ素が、通常、効果的な機械的強度を達成するためにポリマーに組み入れられている。
【0005】
一般に、比較的高い充填剤搭載、典型的には40体積パーセントより大きいもの、が、所望の機械的強度を達成するために必要とされる。一般に、高密度繊維搭載は、織物(textile)への長強化繊維の配向を通じて達成される。長繊維強化複合材料(LFRC)は、連続繊維の形態の分散層により強化されたポリマーマトリクスを使用する。LFRCsは、平面方向に並外れた機械的強度を与える。代わりに、高密度繊維搭載は、短強化繊維で達成することもできる。短繊維強化複合材料(SFRC)は、不連続繊維の形態の分散層により強化されたポリマーマトリクスを使用する。不連続繊維は、10と60の間の繊維径に対する繊維長の比で定義される、一般的なアスペクト比により分類される。不連続繊維は、種々の機械的性質を指向して与えるよう、ランダムに又は選択的に配向させることができる。
【0006】
繊維を強化する高充填剤搭載が、機械的強度の顕著な増加を観測するために必要とされる。LFRCs中の連続繊維は、ポリマーマトリクス中への分散に先立ち、配向され、構築される。逆に、SFRCs中の不連続繊維の配向は、ポリマーマトリクスへの分散後に調節される。結果、不連続繊維の高充填剤搭載は、材料の加工性を低下させる。というのは、複合材料の粘度が、充填剤の体積率とともに増加するからである。
【0007】
前記に鑑み、加工が容易で、改善された均一及び多方向性、又は等方性の材料特性を有する機械システム、又はその中で、改善された機械的強度が高応力環境下における塑性変形及び破局故障に対する耐性を増加させることができるもの、のための繊維強化複合材料に関する要求は残ったままである。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に開示されているのは、繊維強化複合材料である。これらの材料は、機械システム、及び他のアプリケーションのための耐荷重コンポーネントに有用である。また本明細書に開示されているのは、かかる複合材料、同一のものを含む物品、などを製造及び使用する方法である。本発明の主題は、ある場合において、関連する製品、特定の問題への代替の解決策、及び/又は複数の異なる1つ以上のシステム及び/又は物品の用途を含む。
【0009】
1つの態様において、本発明は、一般に、物品に関する。例えば、該物品は、ある実施形態において、繊維強化複合材料であってよい。
【0010】
前記物品は、1セットの実施形態において、基材を定める複数の連続繊維を含む複合材料、及び該基材の少なくとも一部に含まれる複数の不連続体を含む。1つの実施形態において、複数の不連続体のうちの少なくともいくつかのものは、不連続体に吸着された複数の磁性粒子を有する。
【0011】
前記物品は、別のセットの実施形態によると、一般に、複数の連続繊維により定められる布地、及び該布地内の細孔に含まれる複数の並んだ不連続体を含む、複合材料に関する。
【0012】
さらに別の実施形態において、前記物品は、複数のプライ、基材を定める複数の連続繊維を含む少なくとも1つのプライ、及び該基材に含まれる複数の不連続体を含む、層状の複合材料を含む。
【0013】
さらに別の実施形態によると、前記物品は、基材を定める複数の連続繊維、及び該基材に含まれる複数の不連続体を含む、複合材料を含む。ある場合において、複数の不連続体のうちの少なくともいくつかのものは、不連続体に吸着された複数の磁性粒子を有する。ある実施形態において、該複合材料のうちの少なくとも20体積%が不連続体を含む。
【0014】
前記物品は、さらに別の実施形態において、基材を定める複数の連続繊維、及び該基材の少なくとも一部に含まれる複数の不連続体を含む、複合材料を含む。
【0015】
別の態様において、本発明は、一般に、方法に関する。ある場合において、該方法は、不連続体に吸着された複数の磁性粒子を有する、複数の不連続体を含む液体を提供する工程、該液体を基材を定める複数の連続繊維に曝す工程、磁場を該液体に印加して複数の連続繊維内の複数の不連続体のうちの少なくともいくつかのものの整列を起こす工程、及び要すれば、該液体を硬化して複合材料を形成する工程を含む。
【0016】
別の態様において、本発明は、本明細書に述べられている実施形態、例えば、繊維強化複合材料、の1つ以上を製造する方法を含む。さらに別の態様において、本発明は、本明細書に述べられている実施形態、例えば、繊維強化複合材料、の1つ以上を使用する方法を含む。
【0017】
本発明の他の利点及び新規特徴は、添付の図とともに考慮した際、以降の本発明の種々の限定されない実施形態の詳細な説明より明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の限定されない実施形態は、添付の図を参照して、実施例を経由して述べられることとなるが、添付の図は略図であり、正確な比率であることを目的としていない。図において、示される各同一の又はほぼ同一の要素は、一般に、1つの数字で示される。明確のため、すべての要素を各図において符号付けすることはしておらず、本発明の各実施形態の各要素も、当業者に発明を必ずしも理解させる必要がない箇所には、示していない。図において:
図1図1A-1Bは、本発明のある実施形態による複合材料を示し、
図2図2は、本発明のある実施形態による略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に開示されているのは、繊維強化複合材料である。これらの材料は、機械システム、及び他のアプリケーションのための耐荷重コンポーネントに有用である。また本明細書に開示されているのは、かかる複合材料、同一のものを含む物品、などを製造及び使用する方法である。例えば、本発明のある実施形態は、一般に、不連続体、例えば、基材、例えば、複数の連続繊維から形成され他基材、に配置される繊維又はプレートレットを含む、複合材料に関する。ある場合において、該不連続体は、例えば、磁性粒子を不連続体上に取り付け、磁場を使用して不連続体を操作することにより、実質的に整列され得る。他の実施形態は、一般に、かかる複合材料、かかる複合材料を含むキット、などを製造又は使用するためのシステム及び方法に関する。
【0020】
例えば、本発明のある態様は、一般に、バインダーで適所に固定され及び連続繊維の平面上布地を組み込む面外方向に並んだ、不連続繊維のマトリクスを備えた、繊維強化複合材料プライに関する。平面上布地に対して横方向に粒子を並べることで、横方向に及びプライ間の内層領域で、機械的、電気的、及び/又は熱的特性を強化させることができる。不連続繊維及び同様のサイズの粒子が、非磁性である不連続体を磁性粒子で表面を覆う、磁気的整列法を使用して並び、元来非磁性の粒子を磁場に対して物理的応答を示させる。当面の焦点は、不連続炭素繊維でこの整列方法を実行することである。しかしながら、繊維、プレートレット、及び楕円形、などの素材を含む(がこれらに限定されない)他の不連続体もまた整列させることができる。
【0021】
本発明の種々の実施形態は、一般に、配向性にかかわらず、連続繊維の平面状布地を組み込む、不連続繊維マトリクスを備えた、複合材料プライに関する。他の実施形態は、一般に、配向した、磁気的に機能化された粒子を含まない、繊維強化複合材料プライに関する。
【0022】
複合材料に典型的に使用される粒子は、反磁性であり、整列のためにきわめて高磁場(1テスラより大きい)を必要とする。しかしながら、ある実施形態において、不連続炭素繊維及び他の同様のサイズの粒子は、磁性ナノ粒子で表面を覆い、磁場に対してより応答性にすることができる。
【0023】
ある実施形態において、適切な粒子の形状を選択することにより、整列のために必要とされる磁場強度を100倍より多く減らし得る磁気的応答となる。例えば、サブミリメーターの不連続炭素繊維は、うまく磁化することで好適な磁気的応答を示す。生み出された磁気応答性粒子は、例えば、図1に示すように、磁場で制御して、調節可能な配向性及び粒子の配分を備えた複合材料を生み出すことができる。
【0024】
本発明の他の態様は、一般に、複数の不連続体、例えば、繊維又はプレートレット、を有する基材を含む、複合材料に関する。不連続体は、ある実施形態において、一般に、基材内に実質的に並んだもの、例えば、実質的に直交して並んだもの、であってよい。基材自体は、一般に、連続繊維で定められるものであってよく、連続繊維は基材を形成するために織られていても織られていなくてもよい。ある例において、連続繊維により造られた穴又は細孔のうちのいくつかのものは、不連続体で満たされ得る。さらに、ある実施形態において、複合材料は、バインダー又は他の材料、例えば、本明細書で説明されているようなもの、をさらに含んでよい。
【0025】
ある実施形態において、磁性粒子は不連続体に取り付けることができ、磁場を、磁性粒子を操作するのに使用してよい。例えば、磁場は磁性粒子を基材に移動させ、及び/又は不連続体を基材内に並べるのに使用され得る。磁場は、例えば、本明細書で説明されるように、一定又は時間変動(例えば、振動)であってよい。例えば、印加される磁場は、1Hz~500Hzの周波数及び0.01T~10Tの強度を有していてよい。磁場の他の例は、下記により詳細に説明される。磁性粒子を操作するのに使用される磁性粒子の体積は、ある場合において、かなりのものであり得る。
【0026】
例示的な限定されない例として、図2において、複合材料10は、複数の連続繊維15を含み得る(この例においては、織り合わされて基材を形成している)。繊維間の間隔25は、空であってよく、又は不連続体30で満たされていてもよい。不連続体は、例えば、繊維35及び/又はプレートレット40であってよく、及び/又は他の形状、例えば、本明細書に説明されているもの、を有していてよい。ある実施形態において、不連続体は、例えば、繊維35で示されているように、また並び得る。不連続体のうちのあるものは、不連続体30に吸着された又はそれでなければ取り付けられた磁性粒子50を含み得る。印加した磁場55は、ある実施形態において、磁性粒子を操作、例えば、不連続体を並べさせるのに、及び/又は不連続体を基材内の1つ以上の間隔に移動させるのに使用してよい。
【0027】
かかる複合材料は、広範なアプリケーションに、用途を見つけ得る。限定されない例として、かかる複合材料は、エネルギー貯蔵アプリケーションのためのコンポ―ネントとして、又は炭素繊維又はセラミックマトリクスのためのコンポーネントとして、材料内の応力集中又は層間剥離を除き又は軽減し、材料を剛直にし、表面の摩耗を除き又は軽減し、電気的ショックを分散し、電気信号を伝搬し、電磁波を軽減し又は伝搬し、熱的ショックを分散し、熱勾配を除き又は軽減するのに、有用であり得る。さらなる例は、下記により詳細に説明される。
【0028】
前記説明は、一般に、連続繊維及び不連続体、例えば、好適な磁場中で磁性粒子を使用して操作することができるもの、を含む複合材料に関する、本発明のある実施形態の限定されない例である。しかしながら、他の実施形態もまた可能である。したがって、より一般に、本発明の種々の態様は、繊維強化複合材料、並びにかかる繊維強化複合材料を生産するための種々のシステム及び方法に関する。
【0029】
本発明のある実施形態は、一般に、基材を定める複数の連続繊維、及び該基材に含まれる複数の不連続体を含む、複合材料に関する。例えば、複数の不連続体のうちの少なくともいくつかのものは、基材の、例えば、基材を定める連続繊維間の間隔により造られる穴又は細孔内に含まれ得る。ある場合において、不連続体は、穴又は細孔内に実質的に並んだものであり得る。複合材料は、ある場合において、複数の粒子、例えば、連続繊維及び/又は不連続体に吸着された磁性粒子をまた含み、例えば、印加した磁場で、該不連続体を操作するのに使用され得る。ある場合において、バインダーが、例えば、複合材料内に連続繊維及び/又は不連続体を結合するために存在してよい。
【0030】
ある場合において、前記複合材料は、一般に、平面である。しかしながら、かかる基材は、数学的に完全な平面構造である必要はないと解すべきである(そうあり得るが);例えば、基材は、また変形可能なもの、湾曲したもの、屈曲したもの、折りたたんだもの、巻いたもの、くたびれたもの、などであってよい。例として、基材は、少なくともおよそ0.1マイクロメートル、少なくともおよそ0.2マイクロメートル、少なくともおよそ0.3マイクロメートル、少なくともおよそ0.5マイクロメートル、少なくともおよそ1マイクロメートル、少なくともおよそ2マイクロメートル、少なくともおよそ3マイクロメートル、少なくともおよそ5マイクロメートル、少なくともおよそ10マイクロメートル、少なくともおよそ30マイクロメートル、少なくともおよそ50マイクロメートル、少なくともおよそ100マイクロメートル、少なくともおよそ300マイクロメートル、少なくともおよそ500マイクロメートル、少なくともおよそ1mm、少なくともおよそ2mm、少なくともおよそ3mm、少なくともおよそ5mm、少なくともおよそ1cm、少なくともおよそ3cm、少なくともおよそ5cm、少なくともおよそ10cm、少なくともおよそ30cm、少なくともおよそ50cm、少なくともおよそ100cm、などの平均厚さを有していてよい。ある例において、平均厚さは、100cm未満、50cm未満、30cm未満、10cm未満、5cm未満、3cm未満、1cm未満、5mm未満、2mm未満、3mm未満、1mm未満、500マイクロメートル未満、300マイクロメートル未満、100マイクロメートル未満、50マイクロメートル未満、30マイクロメートル未満、10マイクロメートル未満、5マイクロメートル未満、3マイクロメートル未満、1マイクロメートル未満、0.5マイクロメートル未満、0.3マイクロメートル、又は0.1マイクロメートル未満であってよい。ある実施形態において、これらの任意の組み合わせがまた可能である。例えば、平均厚さは、0.1と5,000ミクロンの間、10と2,000ミクロンの間、50と1,000ミクロンの間、などであってよい。厚さは、基材に沿って均一であってよく又は不均一であってよい。また、基材は、ある場合において、剛直なものであってよく(例えば、本明細書に説明されるように)、変形可能なものであってよい。
【0031】
ある場合において、連続繊維により造られる細孔又は穴は、比較的小さいものであり得る。細孔又は穴のうちのいくつかのもの又はすべては、不連続体を含み得る。ある場合において、不連続体は並んだものであり得る。細孔又は穴は、10cmに過ぎない、5cmに過ぎない、3cmに過ぎない、2cmに過ぎない、1cmに過ぎない、5mmに過ぎない、3mmに過ぎない、2mmに過ぎない、1mmに過ぎない、500マイクロメートルに過ぎない、300マイクロメートルに過ぎない、200マイクロメートルに過ぎない、100マイクロメートルに過ぎない、50マイクロメートルに過ぎない、30マイクロメートルに過ぎない、20マイクロメートルに過ぎない、10マイクロメートルに過ぎない、などの平均サイズ又は断面寸法を有し得る。
【0032】
複合材料は、本明細書により詳細に説明されるものを含む、広範なアプリケーションに使用され得る。限定されない例として、複合材料は、多様なアプリケーション、例えば、圧力容器の強化、風力タービン用のコンポーネント、重い構造物を引き上げる際に使用するシム、スポーツ用品、建築又は建設材料、電子装置用の積層板又はカプセル材料、乗り物、例えば、自動車、航空機、海上船舶、又は宇宙船、用のバッテリーコンポーネント、又はパネルに使用され得る。
【0033】
前記のように、本発明の1セットの実施形態は、一般に、連続繊維から形成された基材を含み、複数の不連続体、例えば、繊維又はプレートレット、を含む、複合材料に関する。連続繊維は、一般に、平均で、実質的に不連続体の特性寸法より長い長さを有する。例えば、連続繊維は、不連続体の特性寸法の10倍より大きく、30倍より大きく、50倍より大きく、100倍より大きく、300倍より大きく、500、又は1000倍より大きい、平均長を有し得る。ある実施形態において、連続繊維は、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも300、少なくとも500、少なくとも1,000、などの(例えば、直径又は平均断面寸法に対する長さの)平均アスペクト比を有する。さらに、ある場合において、連続繊維は、少なくとも1nm、少なくとも3nm、少なくとも5nm、少なくとも10nm、少なくとも30nm、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも300nm、少なくとも500nm、少なくとも1マイクロメートル、少なくとも3マイクロメートル、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、又は少なくとも10cmの、平均長を有し得る。より長い平均長もまた、ある場合において、可能である。
【0034】
連続繊維は、織り合わせたもの、(例えば、二方向性、多方向性、準等方性、など)、及び/又は織られていない(例えば、単一方向性、ベール、マット、など)ものであってよい。ある実施形態において、連続繊維のうちの少なくともいくつかのものは、互いに実質的に平行、及び/又は直交して配向しているが、他の連続繊維の構造もまた可能である。ある実施形態において、連続繊維は、ともに布地又は他の基材、例えば、織物、トウ、フィラメント、糸、より糸、などを定め得る。ある場合において、基材は、実質的に他の直交寸法未満の1つの直交寸法を有していてよい(すなわち、基材は厚さを有していてよい)。
【0035】
基材を形成する連続繊維は、広範な材料のうちの任意のものを含んでよく、1種又は1種より多くの繊維が基材に存在してよい。限定されない例は、炭素、玄武岩、シリコンカーバイド、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、ムライト、コットン、又は任意の他の天然又は合成繊維を含む。
【0036】
連続繊維は、任意の好適な平均径を有していてよい。例えば、連続繊維は、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも10cm、などの平均径を有していてよい。ある実施形態において、連続繊維は、10cmに過ぎない、5cmに過ぎない、3cmに過ぎない、2cmに過ぎない、1cmに過ぎない、5mmに過ぎない、3mmに過ぎない、2mmに過ぎない、1mmに過ぎない、500マイクロメートルに過ぎない、300マイクロメートルに過ぎない、200マイクロメートルに過ぎない、100マイクロメートルに過ぎない、50マイクロメートルに過ぎない、30マイクロメートルに過ぎない、20マイクロメートルに過ぎない、10マイクロメートルに過ぎない、などの平均径を有していてよい。これらの任意の組み合わせがまた可能である。例えば、連続繊維は、10マイクロメートルと100マイクロメートルの間、50マイクロメートルと500マイクロメートルの間、100マイクロメートルと5mmの間、などの平均径を有していてよい。
【0037】
連続繊維は、任意の好適な平均長を有していてよい。例えば、連続繊維は、少なくともおよそ0.5cm、少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも10cm、などの平均長を有していてよい。ある実施形態において、連続繊維は、10cmに過ぎない、5cmに過ぎない、3cmに過ぎない、2cmに過ぎない、1cmに過ぎない、0.5cm、などの平均径を有していてよい。これらの任意の組み合わせがまた可能である;例えば、連続繊維は、1cmと10cmの間、10cmと100cmの間、などの平均長を有していてよい。
【0038】
ある例において、連続繊維は、複合材料の比較的大部分を含んでいてよい。例えば、ある実施形態において、連続繊維は、複合材料の質量の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%を含んでいてよい。ある場合において、連続繊維は、複合材料の質量の97%に過ぎない、95%に過ぎない、90%に過ぎない、85%に過ぎない、80%に過ぎない、70%に過ぎない、60%に過ぎない、50%に過ぎない、40%に過ぎない、30%に過ぎない、20%に過ぎない、又は10%に過ぎない質量を有していてよい。これらの任意の組み合わせがまた可能である。
【0039】
複合材料は、ある実施形態において、1つ以上の不連続体をまた含んでいてよい。不連続体は、塊状の不連続体又は個々の不連続体を含んでいてよい。不連続体は、不連続繊維又はプレートレットを含む、種々の形状を有するものであってよい。他の形状は、ナノチューブ、ナノファイバー、ナノシート、などを含むが、これらに限定されない。1セットの実施形態において、不連続体は、球状ではない。典型的には、繊維は、1つの直交寸法(例えば、その長さ)が、実質的にその他の2つの直交寸法(例えば、その幅又は厚さ)より大きいものであるよう、形状を有する。繊維は、ある場合において、実質的にシリンダー状であってよい。同様に、プレートレットは、2つの直交寸法(例えば、その直径)が、実質的にその他の直交寸法(例えば、その幅又は厚さ)より大きいものであるよう、形状を有していてよい。プレートレットは、ある場合において、実質的にシリンダー状又はディスク状であってよいが、同様に他の形状を有していてよい。さらに、プレートレット及び繊維のいずれもが、ある場合において、存在していてよく、及び/又はプレートレット及び/又は繊維に加えて(例えば、プレートレット及び/又は繊維ではなく又はプレートレット及び/又は繊維に加えて)、他の形状が、ある実施形態において、存在していてよいと解すべきである。
【0040】
不連続体、例えば、プレートレット及び/又は繊維は、比較的剛直なものであってよく、又はある場合において湾曲した又は柔軟なものであってよく、又は他の形状を採用してよいと解すべきである。例えば、繊維は完全に真っ直ぐである必要はない(例えば、その長さは、湾曲していようとも繊維それ自体に沿ってなお決定される)。同様に、プレートレットは、完全にディスク形状である必要はない。
【0041】
1セットの実施形態において、不連続体は、基材の厚さと実質的に同一、又は基材の厚さよりも小さい、寸法(例えば、特性寸法)を有し得る。例えば、複合材料内の少なくともいくつかの不連続体は、実質的に基材の厚さに及ぶ平均長を有し得る。しかしながら、他の場合において、該寸法は、その厚さより大きいものであり得る。
【0042】
前記のように、本発明のある実施形態は、一般に、不連続繊維を含む複合材料に関する。ある場合において、複合材料内の不連続繊維は、少なくとも1nm、少なくとも3nm、少なくとも5nm、少なくとも10nm、少なくとも30nm、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも300nm、少なくとも500nm、少なくとも1マイクロメートル、少なくとも3マイクロメートル、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも1.5cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも10cm、などの平均長、又は特性寸法を有し得る。ある実施形態において、不連続繊維は、10cmに過ぎない、5cmに過ぎない、3cmに過ぎない、2cmに過ぎない、1.5cmに過ぎない、1cmに過ぎない、5mmに過ぎない、3mmに過ぎない、2mmに過ぎない、1mmに過ぎない、500マイクロメートルに過ぎない、300マイクロメートルに過ぎない、200マイクロメートルに過ぎない、100マイクロメートルに過ぎない、50マイクロメートルに過ぎない、30マイクロメートルに過ぎない、20マイクロメートルに過ぎない、10マイクロメートルに過ぎない、5マイクロメートルに過ぎない、3マイクロメートルに過ぎない、1マイクロメートルに過ぎない、500nmに過ぎない、300nmに過ぎない、100nmに過ぎない、50nmに過ぎない、30nmに過ぎない、10nmに過ぎない、5nmに過ぎない、などの平均長、又は特性寸法を有し得る。これらの任意の組み合わせがまた可能である。例えば、複合材料内の不連続繊維は、5mmと15mmの間、又は1mmと5mmの間、1mmと1cmの間、などの平均長を有し得る。
【0043】
さらに、不連続繊維は、また任意の好適な平均径を有していてよい。例えば、不連続繊維は、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも10cm、などの平均径を有し得る。ある実施形態において、不連続繊維は、10cmに過ぎない、5cmに過ぎない、3cmに過ぎない、2cmに過ぎない、1cmに過ぎない、5mmに過ぎない、3mmに過ぎない、2mmに過ぎない、1mmに過ぎない、500マイクロメートルに過ぎない、300マイクロメートルに過ぎない、200マイクロメートルに過ぎない、100マイクロメートルに過ぎない、50マイクロメートルに過ぎない、30マイクロメートルに過ぎない、20マイクロメートルに過ぎない、10マイクロメートルに過ぎない、などの平均径を有していてよい。これらの任意の組み合わせがまた可能である。例えば、不連続繊維は、10マイクロメートルと100マイクロメートルの間、50マイクロメートルと500マイクロメートルの間、100マイクロメートルと5mmの間、などの平均径を有していてよい。
【0044】
ある実施形態において、不連続繊維は、平均でその厚さ又は直径の少なくとも10倍又は50倍の長さを有し得る。ある場合において、複合材料内の繊維は、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも300、少なくとも500、少なくとも1,000、少なくとも3,000、少なくとも5,000、少なくとも10,000、少なくとも30,000、少なくとも50,000、又は少なくとも100,000の平均アスペクト比(直径又は厚さに対する繊維長の比)を有し得る。ある場合において、平均アスペクト比 は、100,000未満、50,000未満、30,000未満、10,000未満、5,000未満、3,000未満、1,000未満、500未満、300未満、100未満、50未満、30未満、10未満、5未満、などであり得る。ある場合において、これらの任意の組み合わせがまた可能である。;例えば、アスペクト比は、5,と100,000との間であり得る。
【0045】
前記のように、複合材料は、不連続繊維のみに限定されるものでない。ある実施形態において、複合材料は、例えば、不連続繊維ではなく又は不連続繊維に加えて、プレートレットを含み得る。典型的には、プレートレットはディスク状であり得るが、他の形状も同様に可能であり得る。
【0046】
ある場合において、プレートレットは、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも1.5cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも10cm、などの最大寸法又は特性寸法を有し得る。ある実施形態において、プレートレットは、10cmに過ぎない、5cmに過ぎない、3cmに過ぎない、2cmに過ぎない、1.5cmに過ぎない、1cmに過ぎない、5mmに過ぎない、3mmに過ぎない、2mmに過ぎない、1mmに過ぎない、500マイクロメートルに過ぎない、300マイクロメートルに過ぎない、200マイクロメートルに過ぎない、100マイクロメートルに過ぎない、50マイクロメートルに過ぎない、30マイクロメートルに過ぎない、20マイクロメートルに過ぎない、10マイクロメートルに過ぎない、などの最大寸法又は特性寸法を有する。プレートレットが実質的に円形の表面を有さない場合(例えば、プレートレットが長方形又は不規則な面を有する場合)、特性寸法は、プレートレットの面と同一の面積を有する完全な円の直径とみなされる。これらの寸法の任意の組み合わせがまた可能である。例えば、最大寸法又は特性寸法は、5mmと15mmの間、又は1mmと5mmの間、1mmと1cmの間、などであり得る。
【0047】
ある実施形態において、プレートレットは、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも300、少なくとも500、少なくとも1,000、などの平均アスペクト比(最小寸法又は厚さに対する最大寸法の比)を有し得る。ある場合において、平均アスペクト比は、1,000未満、500未満、300未満、100未満、50未満、30未満、10未満、5未満、などであり得る。ある場合において、これらの任意の組み合わせがまた可能である。;例えば、アスペクト比は、5と1,000との間であり得る。
【0048】
不連続体は、形成されてよく又は広範な材料のうちの任意のものを含んでいてよく、1つ又は1つより多くの材料が存在していてよい。例えば、不連続体は、材料、例えば、炭素(例えば、炭素繊維)、玄武岩、シリコンカーバイド、ケイ素窒化物、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、ムライト、窒化物、窒化ホウ素、黒鉛、ガラス、などを含んでよい。不連続体は、任意の天然及び/又は合成材料を含んでいてよく、及び磁性及び/又は非磁性であってよい。
【0049】
ある例において、不連続体は、複合材料のうちの比較的大部分を含んでいてよい。例えば、ある実施形態において、不連続体は、複合材料の質量の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%を含んでいてよい。ある場合において、不連続体は、複合材料の質量の97%に過ぎない、95%に過ぎない、90%に過ぎない、85%に過ぎない、80%に過ぎない、70%に過ぎない、60%に過ぎない、50%に過ぎない、40%に過ぎない、30%に過ぎない、20%、又は10%に過ぎないものを含み得る。これらの任意の組み合わせがまた可能である。
【0050】
不連続体は、ある実施形態において、複合材料内に少なくとも実質的に並んだものであってよい。不連続体、例えば、繊維、を並べるための方法は、本明細書により詳細に説明されている。例えば、図1Bに示されるように、種々の並びが可能であり、ある場合において、光学的に又は顕微鏡的に決定することができる。それゆえ、ある場合において、並びは定性的に決定され得る。しかしながら、並びは完全である必要はないと解すべきである。ある場合において、複合材料内の不連続体のうちの少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%が、例えば、複合材料内のサンプル内で、複数の不連続体の平均整列の20内、15内、10内、又は5内である整列を示し得る。
【0051】
ある例において、不連続粒子の並びは、実質的に基材と直交している。例えば、平均整列は、配向して、その位置で基材の平面に対して、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも85、又は少なくとも87であり得る。前記のように、基材自体は必ずしも平面である必要はなく、湾曲している、などであってもよい。
【0052】
任意の理論に拘束されるのを望むわけではないが、基材に実質的に直交した不連続粒子の並びは基材の強化を提供するのに役立ち得るとされる。これにより、例えば、種々の方向に力を受けた際、基材の強度が改善され得る。例えば、基材内の繊維は、実質的に3次元に直交方向に走っていてよく、それにより、加えられた力の方向にかかわらず、基材へ強度を提供する。不連続粒子は、例えば、層間マイクロクラック、プライを通しての亀裂などを伴う表面の劣化を制限し得る。さらに、ある実施形態において、不連続粒子は、基材の他の特性、例えば、その機械的性質に加えて又はその機械的性質ではなく、複合材料内の電気的及び/又は熱的特性、を強化し得る。
【0053】
前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものは、被覆されていないものであってよい。ある場合において、しかしながら、不連続体のうちのいくつかのものは又はすべては、被覆されていてよい。塗料が、粒子、例えば、磁性粒子の不連続体への吸着又は結合を促進するために使用され得る。限定されない例として、不連続体は、界面活性剤、シランカップリング剤、エポキシ、グリセリン、ポリウレタン、有機金属カップリング剤、などで被覆され得る。界面活性剤の限定されない例は、オレイン酸、ドデシル硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、などを含む。シランカップリング剤の限定されない例は、アミノ-、ベンジルアミノ-、クロロプロピル-、ジスルフィド-、エポキシ-、エポキシ/メラミン-、メルカプト-、メタクリラート-、テトラスルフィド-、ウレイド-、ビニル-、イソシアナート-、及びビニル-ベンジル-アミノ-系シランカップリング剤を含む。有機金属カップリング剤の限定されない例は、アリール-及びビニル-系有機金属カップリング剤を含む。
【0054】
粒子、例えば、磁性粒子は、前記不連続体のうちの少なくともいくつかのものに吸着され又はそうでなければ結合され得る。ある場合において、該粒子は不連続体及び/又は連続繊維のうちのいくつかのもの又はすべてを被覆し得る。これは、前記のように、材料の被覆により促進され得るが、塗膜は必ずしも粒子の吸着を促進するために必要とされるものではない。
【0055】
前記粒子が磁性を帯びたものである場合、粒子は広範な磁気感受性材料のうちの任意のものを含む。例えば、該磁性材料は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、アルニコ、鉄の酸化物、ニッケル、コバルト、レアアース金属、又はこれらのうちの2つ以上及び/又は他の好適な強磁性材料を含むアロイを含む、1つ以上の強磁性材料を含み得る。ある場合において、磁性粒子は、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも500、少なくとも1,000、少なくとも2,000、少なくとも5,000、又は少なくとも10,000の相対浸透率を有し得る。
【0056】
しかしながら、前記粒子のすべてが必ずしも磁性を帯びている必要はないと解すべきである。ある場合において、非磁性粒子を、例えば、磁性粒子に加えて及び/又は磁性粒子ではなく使用してよい。非磁性粒子の限定されない例は、ガラス、ポリマー、金属、などを含む。
【0057】
前記粒子は球状又は非球状であってよく、任意の好適な形状又はサイズであってよい。粒子は比較的単分散のものであってよく又はあるサイズの範囲のものになってよい。ある場合において、粒子は、平均で、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも1.5cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも10cm、などの特性寸法を有し得る。複合材料内の粒子は、10cmに過ぎない、5cmに過ぎない、3cmに過ぎない、2cmに過ぎない、1.5cmに過ぎない、1cmに過ぎない、5mmに過ぎない、3mmに過ぎない、2mmに過ぎない、1mmに過ぎない、500マイクロメートルに過ぎない、300マイクロメートルに過ぎない、200マイクロメートルに過ぎない、100マイクロメートルに過ぎない、50マイクロメートルに過ぎない、30マイクロメートルに過ぎない、20マイクロメートルに過ぎない、10マイクロメートルに過ぎない、などの平均特性寸法をまた有し得る。これらの任意の組み合わせがまた可能である。例えば、粒子は、100マイクロメートルと1mmの間、10マイクロメートルと10マイクロメートルの間、などの特性寸法を示し得る。非球状粒子の特性寸法は、非球状粒子として、同一の体積を有する完全な球の直径とみなしてよい。
【0058】
ある実施形態において、前記粒子(磁性及び/又は非磁性粒子を含む)は、複合材料の比較的大部分を含み得る。例えば、ある実施形態において、粒子は、複合材料の体積の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%を含み得る。ある場合において、粒子は、複合材料の体積の97%に過ぎない、95%に過ぎない、90%に過ぎない、85%に過ぎない、80%に過ぎない、70%に過ぎない、60%に過ぎない、50%に過ぎない、45%に過ぎない、40%に過ぎない、35%に過ぎない、30%に過ぎない、25%に過ぎない、20%に過ぎない、15%に過ぎない、10%に過ぎない、7%に過ぎない、5%に過ぎない、4%に過ぎない、3%に過ぎない、2%に過ぎない、又は1%にすぎないものを含む。これらの任意の組み合わせがまた可能である。
【0059】
ある実施形態において、例えば、例えば、複合材料内で、連続繊維と不連続体とを結合するのに使用され得るバインダーが、また複合材料内に存在してもよい。例えば、該バインダーは、複合材料内で適切な位置に連続及び不連続体を固定するのを促進し得る。しかしながら、バインダーは任意選択的であり、すべての場合においては必要とされないと解すべきである。ある場合において、バインダーは、樹脂を含んでいてよい。バインダーは、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含み得る。ある実施形態において、バインダーは、熱可塑性溶液、熱可塑性樹脂溶融物、熱可塑性ペレット、熱硬化性樹脂樹脂、揮発性化合物、例えば、揮発性有機化合物、水、又はオイルを含み得る。バインダーのさらなる限定されない例は、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタラート、ポリカルボナート、ポリ(メチルメタクリラート)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、シリコーンゴム、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、又はプレセラミックモノマー、例えば、シロキサン、シラザン、又はカルボシランを含む。バインダーは、ある実施形態において、これらの材料及び/又は他の材料のうちの任意の1つ以上を含む混合物をまた含み得る。
【0060】
ある実施形態において、前記バインダーは、複合材料の質量のうちの少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、又は少なくとも25%、及び/又は複合材料の質量のうちの25%に過ぎない、20%に過ぎない、15%に過ぎない、10%に過ぎない、7%に過ぎない、5%に過ぎない、4%に過ぎない、3%に過ぎない、2%、又は1%に過ぎないものを含み得る。
【0061】
本発明の他の態様は、一般に、例えば、本明細書に説明されているような、複合材料を製造するためのシステム及び方法に関する。1セットの実施形態において、複合材料は、液体、例えば、複数の不連続体及び複数の磁性粒子を含む、スラリーから調製することができ、好適な基材がそれに曝される。不連続体は、例えば、本明細書に説明されているように、繊維、プレートレット、などを含む。磁場を磁性粒子及び不連続体を操作するのに、例えば、磁性粒子を基材に移動させるのに、及び/又は不連続体を整列させるのに印加することができる。過剰の材料は除くことができる。ある場合において、複合材料は、例えば、基材内で不連続体を動かないように又は固定化するために使用され得るバインダーとともに、配置し又は硬化することができる、バインダーは、ある実施形態において、基材に注入され又は含浸されてよい。
【0062】
ある場合において、液体、例えば、スラリー、が形成され得る。該スラリーは、不連続体及び/又は磁性粒子を含んでいてよい。液相は、例えば、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、例えば、熱可塑性溶液、熱可塑性樹脂溶融物、熱可塑性樹脂、揮発性有機化合物、水、又はオイルを含み得る。熱硬化性樹脂の限定されない例は、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタラート、ポリカルボナート、ポリ(メチルメタクリラート)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン、フェノール類、エポキシ、ビスマレイミド、シアナートエステル、ポリイミド、などを含む。エラストマーの限定されない例は、シリコーンゴム及びスチレンブタジエンゴム、などを含む。熱可塑性樹脂の限定されない例は、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリカルボナート、ポリアミド(例えば、ナイロン、PA-6、PA-12、など)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、などを含む。セラミックモノマーの限定されない例は、シロキサン、シラザン、又はカルボシラン、などを含む。ある場合において、例えば、これらのうちの1つ以上が、液体内で不連続体及び/又は磁性粒子を均一に分散する際に補助するよう、添加され得る。揮発性有機化合物の例は、イソプロパノール、ブタノール、エタノール、アセトン、トルエン、又はキシレンを含むが、これらに限定されない。
【0063】
ある場合において、磁性粒子は、前記液体内で不連続体に吸着し又はそうでなければ結合し得る。限定されない例として、磁性粒子は、液体への導入に先出ち不連続体に添加されてよく、又は不連続体及び磁性粒子は別個に液体に添加されてよく、磁性粒子のうちの少なくともいくつかのものは、同時に不連続体に吸着され得る。
【0064】
不連続体及び/又は磁性粒子の任意の好適な量が、スラリー又は他の液体に存在し得る。例えば、スラリーの体積のうちの、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、又は少なくとも80%が、不連続体及び/又は磁性粒子であり得る。ある場合において、85%に過ぎない、80%に過ぎない、75%に過ぎない、70%に過ぎない、65%に過ぎない、60%に過ぎない、55%に過ぎない、50%に過ぎない、45%に過ぎない、40%に過ぎない、35%に過ぎない、30%に過ぎない、25%に過ぎない、20%に過ぎない、15%、又は10%に過ぎないものが、不連続体及び/又は磁性粒子であり得る。ある場合において、これらの任意の組み合わせがまた可能である。例えば、スラリー又は他の液体は、70%と80%の間、75%と85%の間、50%と90%の間、などの不連続体及び/又は磁性粒子を含み得る。
【0065】
スラリー又は他の液体を調製した後、それを、例えば、連続繊維を含む基材に適用又は曝してよい。ある場合において、基材は、例えば、液体、磁場、機械的振動、加熱、及び/又は例えば、本明細書に説明されているようなものと同様のものの適用のために、表面、例えば、ポリマーホイル、金属ホイル、又は紙上に置いてよい。
【0066】
任意の好適な方法が、スラリー又は他の液体を基材に適用するのに使用され得る。限定されない例として、液体は、注いでよく、被覆してよく、噴霧してよく、又は基材の上に塗工してよく、又は基材を部分的に又は完全に液体に浸してよい。液体は、連続繊維を濡らし、被覆し、及び/又は取り囲むのに使用してよい。
【0067】
磁場を磁性粒子を操作するのに印加してよい。任意の理論に拘束されるのを望むわけではないが、磁場は、例えば、不連続体に吸着し又はそうでなければ結合する磁性粒子により、不連続粒子を操作するのに使用してよいとされる。例えば、磁場は磁性粒子を基材に、例えば、基材内の細孔又は穴に移動するのに使用され得る。さらに、ある場合において、磁場は、例えば、本明細書に説明されているように、基材内に不連続体を少なくとも実質的に並べるのに使用され得る。例えば、磁場は、不連続体の少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%を平均整列の20内に、15内に、10内に、又は5内に並べるのに使用され得る。磁場は、ある実施形態において、磁性粒子及び/又はThe不連続体を基材内に、例えば、磁場の方向に、及び/又は基材内に面外方向に並べるのに、使用され得る。
【0068】
任意の好適な磁場を印加してよい。ある場合において、磁場は定常磁場である。他の場合において、磁場は時間変動であり得る;例えば、磁場は振動し又は周期的に強度及び/又は方向が、例えば、不連続体の操作を促進するために変化するものであってよい。振動は、正弦関数又は他の繰り返し波形(例えば、四角波又はノコギリ波)であってよい。周波数は、例えば、少なくとも0.1Hz、少なくとも0.3Hz、少なくとも0.5Hz、少なくとも1Hz、少なくとも3Hz、少なくとも5Hz、少なくとも10Hz、少なくとも30Hz、少なくとも50Hz、少なくとも100Hz、少なくとも300Hz、少なくとも500Hz、など、及び/又は1000Hzに過ぎない、500Hzに過ぎない、300Hzに過ぎない、100Hzに過ぎない、50Hzに過ぎない、30Hzに過ぎない、10Hzに過ぎない、5Hzに過ぎない、3Hzに過ぎないもの、などであってよい。例えば、周波数は、1Hzと500Hzの間、10Hzと30Hzの間、50HzとHzの間、などであり得る。さらに、周波数は、実質的に一定に保持されてよく、又は周波数は、ある場合において、変化してよい。
【0069】
前記磁場は、一定のものであろうと振動するものであろうと、任意の好適な強度を有していてよい。例えば、強度は、少なくとも0.001T、少なくとも0.003T、少なくとも0.005T、少なくとも0.01T、少なくとも0.03T、少なくとも0.05T、少なくとも0.1T、少なくとも0.3T、少なくとも0.5T、少なくとも1T、少なくとも3T、少なくとも5T、少なくとも10T、などであり得る。強度は、ある場合において、20Tに過ぎない、10Tに過ぎない、5Tに過ぎない、3Tに過ぎない、1Tに過ぎない、0.5Tに過ぎない、0.3Tに過ぎない、0.1Tに過ぎない、0.05Tに過ぎない、0.03Tに過ぎない、0.01Tに過ぎない、0.005Tに過ぎない、0.003Tに過ぎない、などのものであり得る。強度はこれらの値の任意の組み合わせ内にまた落としてもよい。例えば、強度は、0.01Tと10Tの間、1Tと3Tの間、0.5Tと1Tの間、などであってよい。強度は、実質的に一定であってよく、又はある実施形態において、例えば、これらの値の任意のうちの任意の範囲内で変化してよい。
【0070】
ある実施形態において、磁場方向(すなわち、最大強度の方向)は、正味の方向について、+/-90、+/-85、+/-80、+/-75、+/-70、+/-65、+/-60、+/-55、+/-50、+/-45、+/-40、+/-35、+/-30、+/-25、+/-20、+/-15、+/-10、+/-5で変化してよい。
【0071】
好適な磁場を生み出すための種々の異なる装置は商業的に得ることができ、永久磁石又は電磁石を含む。ある場合において、振動磁場は、磁石を回転ディスクに取り付け、ディスクを適切な速度又は周波数で回転させることにより生み出され得る。永久磁石の限定されない例は、鉄磁石、アルニコ磁石、レアアース磁石、などを含む。
【0072】
さらに、1セットの実施形態において、機械的振動を、例えば、磁性操作に加え及び/又は磁性操作ではなく、粒子を操作するのに使用してよい。例えば、機械的振動は、粒子を基材に、例えば、基材の細孔又は穴に移動させるのに、及び/又は、例えば、本明細書に説明されているように、不連続体を基材内に少なくとも実質的に並べるのに使用することができる。ある場合において、該振動は、基材内に粒子を並べるのに及び/又は基材内の穴又は細孔に粒子を移動させるのに使用してよく、例えば、対応して不連続体を操作し及び/又は空隙を除くのに使用され得る。
【0073】
1セットの実施形態において、機械的振動は、少なくとも1マイクロメートル、少なくとも2マイクロメートル、少なくとも3マイクロメートル、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1,000マイクロメートル、少なくとも2,000マイクロメートル、少なくとも3,000マイクロメートル、少なくとも5,000マイクロメートル、又は少なくとも10,000マイクロメートルの粒子及び/又は不連続体の移動を起こすのに、使用され得る。
【0074】
さらに、ある場合において、前記機械的振動は時間変動であってよい;例えば、機械的振動は、不連続体の操作を促進するために、強度及び/又は方向が周期的に変化してよい。振動は正弦関数又は別の繰り返し波形(例えば、四角波又はノコギリ波)であってよい。周波数は、例えば、少なくとも0.1Hz、少なくとも0.3Hz、少なくとも0.5Hz、少なくとも1Hz、少なくとも3Hz、少なくとも5Hz、少なくとも10Hz、少なくとも30Hz、少なくとも50Hz、少なくとも100Hz、少なくとも300Hz、少なくとも500Hz、など、及び/又は1000Hzに過ぎない、500Hzに過ぎない、300Hzに過ぎない、100Hzに過ぎない、50Hzに過ぎない、30Hzに過ぎない、10Hzに過ぎない、5Hzに過ぎない、3Hzに過ぎない、などのものであってよい。例えば、周波数は、1Hzと500Hzの間、10Hzと30Hzの間、50HzとHzの間、などであってよい。さらに、周波数は実質的に一定に保持されてよく、又は周波数は、ある場合において、変化してよい。振動磁場とともに適用された場合には、それらの周波数は独立して同一又は異なったものであり得る。
【0075】
整列の間及び/又は整列後、基材内の不連続体は、ある実施形態において、例えば、不連続体の次の動きを抑制又は制限するのに及び比較的固い複合材料を形成するのに、設置又は固定されてよい。複合材料を形成する方法の限定されない例は、液体又はスラリーを固化、硬化、ゲル化、溶融、真空蒸発、凍結、又は凍結乾燥する工程を含むが、これらに限定されない。他のセットの実施形態において、材料、例えば、熱硬化性ポリマー、は、硬化して複合材料を硬化し得る。基材は、それゆえ、固体、ゲル、などである、複合材料を形成し得る。
【0076】
ある場合において、前記液体は、比較的揮発性の溶媒を含んでいてよく、それらは加熱及び/又は真空蒸発により(例えば、ドラフト又は他の換気エリアで、例えば、適度な量の時間待つことにより、又は溶媒を蒸発させることにより)除くことができる。揮発性溶媒の限定されない例は、イソプロパノール、ブタノール、エタノール、アセトン、トルエン、又はキシレンを含む。溶媒を除く方法の他の例は、真空、凍結乾燥、機械的振とう、などの適用を含む。
【0077】
1セットの実施形態において、加熱を、例えば、溶媒の一部を除くのに、基材に適用してよい。例えば、基材は、少なくともおよそ30C、少なくともおよそ35C、少なくともおよそ40C、少なくともおよそ45C、少なくともおよそ50C、少なくともおよそ55C、少なくともおよそ60C、少なくともおよそ65C、少なくともおよそ70C、少なくともおよそ75C、少なくともおよそ80C、少なくともおよそ90C、少なくともおよそ100C、少なくともおよそ125C、少なくともおよそ150C、少なくともおよそ175C、少なくともおよそ200C、少なくともおよそ250C、少なくともおよそ300C、少なくともおよそ350C、少なくともおよそ400C、少なくともおよそ450C、少なくともおよそ500C、などの温度まで加熱してよい。熱を適用する任意の好適な方法、例えば、熱電トランスデューサー、オーミックヒーター、ペルチェ装置、燃焼ヒーター、などを使用してよい。ある場合において、液体の粘度は、加熱の結果、減少し得る。加熱は、例えば、磁場及び/又は機械的振動の適用に先立ち、適用と同時に、適用の後に、適用してよい。ある場合において、加熱は、熱硬化性プレポリマーの架橋又は硬化を抑制又は開始するのに使用され得る。
【0078】
バインダーを、1セットの実施形態において、例えば、複合材料の硬化及び/又は前記液体の少なくとも一部を除く前に、間に、及び/又は後に、また適用してもよい。ある実施形態において、バインダーは、例えば、乾燥したプライ材料を濡らすことにより、あらかじめ含浸させた複合材料プライ材料を造るのに使用してよい。バインダーは、ある場合において、液体であってよく、複合材料への適用の後に硬化させられ得る。ある場合において、バインダーは、複合材料の少なくとも一部に浸透される。浸透法の限定されない例は、圧力をバインダーに適用して複合材料に入れさせることによる、重力及び毛細管力の使用を含む。他の例は、ホットプレス、カレンダリング(calendaring)、又は真空吸引を含むが、これらに限定されない。しかしながら、ある場合において、バインダーは、例えば、必ずしも浸透を必要とすることなく、基材のすべて、又は一部のみを被覆するのに使用される。好適なバインダーの限定されない例は、樹脂又は他の材料、例えば、本明細書に説明されているようなもの、を含む。
【0079】
浸透の後、バインダーを硬化させてよい。ある場合において、バインダーは、例えば、溶媒の真空蒸発時に、自然に硬化し得る。ある実施形態において、例えば、複合材料を、例えば、前記のような温度に曝すことにより、熱を適用してバインダーを硬化させてもよい。ある実施形態において、例えば、化学又は重合反応を容易に又は促進してバインダーに重合させるために、バインダーを、光又は触媒に曝して硬化してもよい。例えば、熱硬化性ポリマーは、好適な温度に曝すことで硬化し得る。別の例において、ポリマーを紫外光に曝して重合を起こさせてよい。
【0080】
本明細書に説明されているような複合材料は、種々の態様で、広範なアプリケーションに使用され得る。本明細書に説明されているような複合材料は、本発明の種々の実施形態において、広範な異なる特徴を示し得る。
【0081】
例えば、本明細書で説明されているような複合材料は、応力集中を軽減し又は除くのに、層間剥離を軽減し又は除くのに、平面強度及び/又は剛性を増加させるのに、表面摩耗を軽減し又は除くのに、電気を分散するのに(例えば、電気的ショックにおいて)、電気信号を伝搬するのに、電磁波を軽減するのに、電磁波を伝搬するのに、熱を分散するのに(例えば、熱的ショックにおいて)、熱勾配を軽減し又は除くのに、エネルギーを貯蔵するのに、ex-PAN炭素繊維を合成するのに、セラミックマトリクス複合材料(CMC)を合成するのに、などのために、有用であり得る。
【0082】
例えば、1セットの実施形態において、少なくとも3つの軸の繊維配向性を有する複合材料プライが作られ得る。この繊維構造により、複合材料プライに次の層と隣接するコンポーネントとの間の応力を分散させ、それにより応力集中が軽減又は除かれる。これにより、例えば、積層複合材料構造が、劇的に異なる剛性を備えた材料(例えば、金属アロイ又はプラスチック)で小さな特徴とともに形成された際、力学的荷重の下、積層複合材料の強度が顕著に向上し得る。
【0083】
別のセットの実施形態は、一般に、層間領域の面外強化された複合材料プライに関する。この繊維強化により、複合材料プライが効率的に隣接する層間の応力を分散させ、クラックの形成を妨げ、クラックが層間領内で伝搬することを抑制することが可能となる。層間領域の目的とした強化により、衝撃及び循環式荷重の下で、積層複合材料構造の強度を著しく向上させることができる。本処方は、例えば、プライ間の層間領域における1つのクラックが潜在的に構造全体の構造的完全性を譲歩できる箇所で、積層複合材料構造が複合材料プライの長いシートで形成された際、有用であり得る。
【0084】
さらに別のセットの実施形態は、一般に、面外強化された、例えば、面外単一方向性布地を備えた、複合材料プライに関する。この繊維強化は面外荷重(例えば、点荷重及び高圧荷重)が目的とし得る。目的の面外強化により、予測された面外力学的荷重の下、積層複合材料構造の強度及び剛性を著しく向上させることができる。これは、積層複合材料構造のための外殻を形成する一方、硬化されていない状態で扱っている間は容易に変形可能な、面外強化された複合材料プライを効果的に扱うのに有用であり得る。
【0085】
さらに別のセットの実施形態は、一般に、硬度及び/又は化学的安定性を備えた面外配向粒子を備えた複合材料層に関する。ある場合において、面外強化により、ポリマーマトリクスの力学的摩耗(例えば、擦傷)及び/又は化学的腐食(例えば、酸化)由来の損傷に対する耐性を著しく向上させることが可能である。本処方は、例えば、力学的及び化学的摩耗から構造物を保護する表面を形成するのに有用であり得る。
【0086】
1セットの実施形態において、面外電気伝導性が増強した複合材料プライが提供される。これにより、迅速な電気エネルギーの放電(例えば、雷)時に、蓄電により誘起される局所的な熱の発生により生じる損傷に対する耐性を著しく向上させることができる。本処方は、電気放電由来の損傷から構造物を保護する表面を形成するのに、特に有用である。他のセットの実施形態において、近等方性の電気伝導性が増強した複合材料プライが提供される。これは、効果的に電気信号を伝導し得る。さらに別の実施形態において、等方性の電気伝導性が増強した複合材料プライが提供される。本材料は、効果的に電磁波事象を軽減させ得る。さらに別のセットの実施形態において、低ラジオ周波数干渉を有し、及び過熱なく効果的に電磁波を伝搬する面外熱伝導性が増強した複合材料プライが提供される。
【0087】
別のセットの実施形態は、一般に、加熱下で、十分な構造完全性のための面外熱伝導性が増強した複合材料プライに関する。これは、ある実施形態において、迅速な温度変動の下で、構造完全性を増加させるのに有用であり得る。さらに別のセットの実施形態は、一般に、面外熱伝導性及び低電気伝導性を備えた複合材料プライに関する。本処方は、例えば、電子機器中で効果的に熱束を移動し及び分配するのに有用であり得る。
【0088】
さらに別のセットの実施形態は、一般に、面外電気伝導性を備えた炭素系複合材料プライに関する。これは、電解質からイオン化学種を吸収するのに及び電荷を効率的に分散させるのに有用であり得る。
【0089】
1セットの実施形態は、一般に、面外炭素繊維触媒を備えた複合材料プライに関する。適切な温度で、PAN(ポリアクリロニトリル)マトリクスは酸化及び炭化されて、炭素マトリクスを形成し得る。別のセットの実施形態は、一般に、面外炭素繊維又はシリコンカーバイド触媒を備えた複合材料プライに関する。適切な温度で、ポリマーマトリクスは酸化されてセラミックマトリクスを形成し得る。
【0090】
さらに、ある態様において、本発明は、一般に、以下のものに関する:
1.連続繊維、又は前記のもののうちの少なくとも1つを含む組み合わせを提供する工程:連続繊維、又は不連続繊維内の分散相における、前記のもののうちの少なくとも1つを含む組み合わせ、無機結晶又は、被覆されていないもの、シランカップリング剤で被覆したもの、有機金属カップリング剤で被覆したもの、具体的には鉄の酸化物、ニッケル、コバルト、レアアース金属のアロイ、を含む強磁性材料、を含むがこれらに限定されない、前記粒子状充填剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせ、又は前記被覆した不連続繊維のうちの少なくとも1つと無機結晶及び化合物とを含む組み合わせと、熱硬化性プレポリマー及び任意選択的な揮発性有機化合物と、を組み合わせて硬化性混合物を提供する工程;連続繊維、又は前記のもののうちの少なくとも1つを含む組み合わせの形状の分散相を有する硬化性混合物を、正反対の第1及び第2の層表面を含む層材料に成形する工程;及び静電磁石の存在下、磁場を該層材料に印加する工程;該層材料を、正反対の層表面の面に対して平行に、直交に、又は前記方向のうちの少なくとも1つを含む組み合わせに機械的に振動させる工程;該層材料を、要すれば均一に、加熱する工程;及び該層材料を部分的に又は完全に硬化して可撓性の又は剛性の繊維強化複合材料を形成する工程、
を含む、繊維強化複合材料を製造するための方法。
2.前記磁場及び/又は機械的振動の適用が、連続繊維マトリクスの空隙内に粒子状充填剤を分散させる工程を含む、文1に記載の方法。
3.前記磁場及び/又は機械的振動の適用が、粒子状充填剤を連続繊維マトリクスの平面配向に直交する方向にきわめて整列させる工程を含む、文1又は2のうちのいずれか1つに記載の方法。
4.前記磁場及び/又は機械的振動の適用が、粒子充填剤を正反対の層表面の直交方向にきわめて整列させる工程を含む、文1~3のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
5.磁場の印加が、機械的振動の適用と同時又は適用に続く、好ましくは同時である、文1~4のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
6.磁場の印加が、1~5000ミリテスラの磁場強度を伴うものである、文1~5のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
7.磁場の印加が、0°~30°の磁場線の標準偏角を伴うものである、文1~6のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
8.機械的振動の適用が、周波数1~500ヘルツの往復運動を含む、文1~7のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
9.機械的振動の適用が、強度1~5,000ミクロンの往復運動を含む、文1~8のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
10.限定することなく、オーミックヒーター、ペルチェ装置、又は前記のもののうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む熱電トランスデューサーの存在下、硬化性混合物内の分散相における連続繊維マトリクスの層材料の均一な加熱が、硬化性混合物の粘度を減少させる、文1~9のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
11.層材料及び硬化性混合物への均一な加熱の適用が、磁場の印加及び/又は機械的振動の適用に先立つ、同時の又は続くものである、文1~10のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
12.層材料及び硬化性混合物への均一な加熱の適用が、プレポリマー(例えば、熱硬化性プレポリマー)の架橋又は硬化を抑制又は開始させる、文1~11のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
13.均一な加熱の適用が、10°C~300°Cの温度からなる、文1~12のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
14.硬化性混合物内の分散相における連続繊維マトリクスの層材料に対する磁場の印加、機械的振動、及び/又は均一な加熱が、限定されることなく、柔軟なポリマーホイル、柔軟な金属ホイル、柔軟な紙又は前記のもののうちの少なくとも1つを含む組み合わせ、を含む基材上で行われる、文1~13のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
15.層材料の硬化性混合物内の分散相における連続繊維マトリクスが、単一方向性、二方向性、又は前記のもののうちの少なくとも1つを含む組み合わせのパターン形状である、文1~14のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
16.硬化性混合物の粒子状充填剤が、不連続繊維、プレートレット、ナノチューブ、ナノファイバー、ナノシート、又は前記のもののうちの少なくとも1つを含む組み合わせの形態である、文1~15のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
17.層材料の硬化性混合物の粒子状充填剤が、0.1~500ミクロンの平均粒子径を有する、文1~16のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
18.層材料の硬化性混合物の粒子状充填剤が、凝集粒子又は個々の一次粒子である、文1~17のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
19.層材料の硬化性混合物の粒子状充填剤が、5と100,000の間の、繊維径に対する繊維長の比として定義される、一般的なアスペクト比を有する、文1~18のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
20.層材料の硬化性混合物内の分散相における連続繊維マトリクスが、文1~19のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
21.層材料の硬化性混合物の粒子状充填剤が、文1~20のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
22.層材料の硬化性混合物の粒子状充填剤が、電磁場に対して物理的応答を示す、文1~21のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
23.粒子状充填剤が、連続繊維マトリクスの平面配向に対してかなりの程度、直交して並んでいる、文1~22のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
24.層材料の平均厚さが、0.1~5,000ミクロン、好ましくは10~2,000ミクロン、非常に好ましくは50~1,000ミクロンである、文1~23のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
25.層材料の硬化性混合物内の分散相における連続繊維マトリクスが、層材料の全体積の5~75体積パーセントを含む、文1~24のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
26.層材料の硬化性混合物の粒子状充填剤が、層材料の全体積の5~82体積パーセントを含む、文1~25のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
27.層材料の硬化性混合物が、有機揮発性化合物を含む、文1~26のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
28.層材料の硬化性混合物が、硬化剤及び硬化触媒を含む、文1~27のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
29.層材料の硬化性混合物の熱硬化性プレポリマーが、文1~28のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
30.文1~29のうちのいずれか1つ以上に記載の方法により製造された繊維強化複合材料層材料。
31.連続繊維を提供する工程;不連続繊維内の分散相における、連続繊維、無機結晶又は、限定されることなく、被覆していないもの、シランカップリング剤で被覆したもの、有機金属カップリング剤で被覆したもの、具体的には鉄の酸化物、ニッケル、コバルト、レアアース金属のアロイを含む強磁性材料、又は前記被覆した不連続繊維のうちの少なくとも1つと無機結晶及び化合物との組み合わせを含む、前記粒子充填剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせと、熱硬化性プレポリマー及び任意選択的な揮発性有機化合物と、を組み合わせて、硬化性混合物を提供する工程;連続繊維の形態で分散相を有する硬化性混合物を、正反対の第1及び第2の層表面を含む層材料に成形する工程;静電磁石の存在下、磁場を層材料に印加する工程;層材料を、正反対の層表面の面に対して平行に、直交して、又は前記方向のうちの少なくとも1つを含む組み合わせの方向に、機械的に振動させる工程;層材料を均一に加熱する工程;及び層材料を部分的に又は完全に硬化して可撓性又は剛性の繊維強化複合材料を形成する工程、
を含む、繊維強化複合材料の単層又は多層からなる機械システム部分組み立て品。
【0091】
2017年3月23日に出願された、『繊維強化複合材料、そのための方法及び同一のものを含む物品、』という表題の米国特許仮出願第62/475,667号は、参照によりそのまま本明細書に組み入れられる。
【0092】
以降の実施例は、本発明のある実施形態を示すことを目的としているが、本発明のすべての範囲を説明するわけではない。
【実施例1】
【0093】
繊維強化複合材料(例えば、炭素繊維複合材料)は、典型的に、トウに束ねられ、織られた又は織られていない布地に集められ、及び樹脂マトリクスに固められた連続繊維で構築される。特に、層又はプライに成形された炭素繊維複合材料は、炭素繊維の強軸の方向に(例えば、面内)並外れた強度を与えるが、荷重が繊維に対して垂直に(例えば、面外)適用された際には、劇的に弱い。これらの複合材料プライは、積層されて優れたバルク面内特性を備えた構造を生み出すが、厚さを通じての強化が不足しているため、とりわけ層間マイクロクラック及びプライを通した亀裂の傾向がある積層複合材料となる。これらのクラック及び亀裂は、構成要素の完全性を低下させ、その結果、炭素繊維複合材料構造の層間剥離及び破局故障がとなる。
【実施例2】
【0094】
本予言的実施例は、本発明のある実施形態による複合材料を製造するために有用な溶媒分散法を示す。磁化粒子(例えば、炭素、玄武岩、シリコンカーバイド、ケイ素窒化物、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、又はムライトの不連続繊維、又は少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する、アルミナ、窒化ホウ素、又は黒鉛のプレートレット)は、揮発性有機化合物(例えば、イソプロパノール、ブタノール、エタノール、アセトン、トルエン、又はキシレン)の液相溶媒、及び/又は水に分散してスラリーを形成することができる。磁化粒子は、本実施例において、最大でスラリーの85体積パーセントを占める。
【0095】
スラリーは、炭素、玄武岩、シリコンカーバイド、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、ムライト、コットン、又は任意の天然又は合成長繊維の織られた(例えば、二方向性、多方向性、又は準等方性の)又は織られていない(例えば、単一方向性、ベール、又はマット)布地上に堆積している。スラリーは、布地の連続繊維を濡らし、覆い、及び/又は取り囲む。
【0096】
本実施例において、スラリーを含む布地は、最大10テスラの磁場強度で磁場に曝される。磁場は、布地内の磁化粒子を磁場の方向に並べる。並べた後、布地を加熱して、スラリーのバルク溶媒を蒸発させると、布地を組み込む/覆う面外に並んだ粒子を有する乾燥したプライ材料が得られる。
【0097】
次に、乾燥したプライ材料を、液相バインダー(例えば、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタラート、ポリカルボナート、ポリ(メチルメタクリラート)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、シリコーンゴム、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、又はプレセラミックポリマー)で被覆する。液相バインダーは、効果的に乾燥したプライ材料を濡らして前含浸複合材料プライ材料を生み出す。
【0098】
本方法により、高い整列粒子含有量が得られ得る(全複合材料プライ体積の85%まで)。さらに、スラリーの溶媒は液相バインダーの適用に先立ち、除くことができ、バインダーと溶媒との化学的不和合性に関する問題を回避し得る。ある場合において、及び本方法は、液相バインダーの適用に先立ち、弱い及び脆弱なある種の前駆体乾燥プライ材料に有用であり得る。
【実施例3】
【0099】
本予言的実施例は、本発明のある実施形態による複合材料を製造するために有用な樹脂分散法を示す。磁化粒子(例えば、炭素、玄武岩、シリコンカーバイド、ケイ素窒化物、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、又はムライトの不連続繊維、又は少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する、アルミナ、窒化ホウ素、又は黒鉛のプレートレット)が、液相バインダー(例えば、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタラート、ポリカルボナート、ポリ(メチルメタクリラート)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ナイロン、シリコーンゴム、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、又はプレセラミックポリマー)に分散している。磁化粒子は、本実施例において、最大でスラリーの80体積パーセントを占める。
【0100】
スラリーの体積の10%を超える磁性粒子含有量を有するスラリーについては、揮発性有機化合物(例えば、イソプロパノール、ブタノール、エタノール、アセトン、トルエン、又はキシレン)、オイル及び/又は水の液相からなる、さらなる溶媒希釈剤を、磁化粒子を液相バインダーに均一に分散するのを補助するためにスラリーに導入することができる。
【0101】
スラリーは、炭素、玄武岩、シリコンカーバイド、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、ムライト、コットン、又は任意の天然又は合成長繊維の織られた(例えば、二方向性、多方向性、又は準等方性の)又は織られていない(例えば、単一方向性、ベール、又はマット)布地上に堆積している。スラリーは、布地の連続繊維を濡らし、覆い、及び取り囲む。
【0102】
スラリーを含む布地は、本実施例において、最大で10テスラの磁場強度で磁場に曝される。磁場は布地内の磁化粒子を面外方向に並べる。
【0103】
整列の間及び/又は後に、布地を加熱してバルクの溶媒希釈剤を蒸発させることで、液相バインダーを有する複合材料プライ材料が得られる。複合材料プライ材料は、液相バインダーを固化し、硬化し、ゲル化し、又は凍結して前含浸複合材料プライ材料を造ることにより、さらに加熱又は冷却され、複合材料プライ材料を強固なものする。
【0104】
本方法により、低い整列粒子含有量が得られる(全複合材料プライの体積の20%まで)。さらに、低粒子搭載スラリーの方法の間の溶媒がないことが、最小限の溶媒蒸気管理及びより低放出での合理的な製造を可能とさせる。溶媒希釈剤を粒子を液相バインダーに分散するのに使用してよい。本方法は、また液相バインダーを、溶媒を除くのに添加した後、製造した材料の加熱を使用してもよい。
【実施例4】
【0105】
本予言的実施例は、応力集中を除き又は軽減するための種々の処方を示す。粒子(例えば、少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する、炭素、ボロシリカート、又はナイロンの不連続繊維)は、炭素、ボロシリカート、又はナイロンからなり及びエポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、又はナイロンのマトリクスに組み込まれた、織られた(例えば、二方向性、多方向性、又は準等方性の)布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の連続繊維に対して横方向に配向している。
【0106】
本処方は、少なくとも3つの軸の繊維配向性を有する複合材料プライを提供するために使用され得る。この繊維構造により、複合材料プライが効果的に次の層と隣接するコンポーネントとの間の応力を分散することが可能となり、応力集中の蓄積を軽減又は除き得る。応力集中の軽減又は除去により、力学的荷重の下で、積層複合材料構造の強度を著しく向上させることができる。本処方は、積層複合材料構造が、大幅に異なる剛性(例えば、金属アロイ又はプラスチック)を有する材料で形成された際、有用であり得る。例となるアプリケーションは、III、IV、及びV型圧力容器のためのドーム補強、翼の先端及び風力タービン用の主緑/従緑、海洋船舶用の水中翼、自動車用の空力ウィングレット、及び航空機用の航空機構造のボルト/リベット締結具、を含む。
【実施例5】
【0107】
本予言的実施例は、層間剥離を除く又は軽減するための種々の処方を示す。粒子(例えば、少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する、炭素、ボロシリカート、又はナイロンの不連続繊維)は、炭素、ボロシリカート、又はナイロンからなり及びエポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、又はナイロンのマトリクスに組み込まれた、織られていない(例えば、単一方向性、ベール、又はマット)布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の連続繊維に対して横方向に配向している。
【0108】
本処方は、層間領域の面外強化された複合材料プライを提供し得る。この繊維強化により、複合材料プライが効率的に隣接する層間の応力を分散し、クラックの形成を妨げること及び層間領域においてクラックの伝搬を抑止することが可能となる。層間領域の目的とした強化により、衝撃及び繰り返し荷重の下で、積層複合材料構造の強度を著しく向上させることができる。本処方は、積層複合材料構造が、複合材料プライの長いシートで形成された際、例えば、プライ間の層間領域における1つのクラックが構造全体の構造完全性を妥協できる箇所で、有用であり得る。例となるアプリケーションは、III、IV、及びV型圧力容器用の上包み、風力タービン用のスパー、海上船舶用のハル、自動車用のシャシーパネル、及び航空機用の翼、及びタービンファンブレードを含む。
【実施例6】
【0109】
本予言的実施例は、面外強度及び剛性のための種々の処方を示す。粒子(例えば、少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する炭素又はボロシリカートの不連続繊維)は、ボロシリカート又はナイロンからなり及びエポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、又はナイロンのマトリクスに組み込まれた、織られた(例えば、二方向性スクリム)布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は、本実施例において、複合材料全体の体積の50%より多くを含み、布地の連続繊維の横方向に配向している。
【0110】
本処方は、例えば、面外単一方向性布地として、面外強化された複合材料プライを提供する。この繊維強化は、面外荷重(例えば、点荷重及び高圧荷重)を目的としており、スクリム布地は、最小限の面内強化を提供する。目的の面外強化により、期待した面外力学的荷重の下で、積層複合材料構造の強度及び合成を著しく向上させることができる。
【0111】
本処方は、積層複合材料構造のための外殻を形成している一方、硬化していない状態で扱う間、容易に変形することが可能な、面外強化された複合材料プライを効果的に扱うのに有用であり得る。例となるアプリケーションは、注入成形用の工具の内部機能、重い構造物を引き上げる際に使用されるシム、及びスポーツ用のバット及び棒の表面、の補修を含む。
【実施例7】
【0112】
本予言的実施例は、表面摩耗を除く又は軽減するための種々の処方を示す。粒子(例えば、シリコンカーバイド、ケイ素窒化物、ジルコニア、ホウ素、アルミナ、シリカ、又は少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する、アルミナ、窒化ホウ素のマイクロプレートレットの不連続繊維)は、炭素、ボロシリカート、又はナイロンからなり及びエポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、又はナイロンのマトリクスに組み込まれた、織られた(例えば、二方向性、多方向性、又は準等方性の)布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の連続繊維に対して横方向に配向している。
【0113】
本処方は、優れた硬度及び/又は化学的安定性を備えた、面外配向粒子を有する複合材料プライを提供する。面外強化は、ポリマーマトリクスの力学的摩耗(例えば擦傷)及び/又は化学的腐食(例えば、酸化)由来の損傷に対する耐性を著しく向上させることができる。本処方は、力学的及び化学的摩耗から構造物を保護する表面を形成するのに有用であり得る。例となるアプリケーションは、自動車用のクラスAの膜、航空機用の膜、建造物用のパネルを含む。
【実施例8】
【0114】
本予言的実施例は、電気的ショックを分散させるための種々の処方を示す。粒子(例えば、炭素又は少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する黒鉛のマイクロプレートレットの不連続繊維)は、炭素からなり及びエポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、又はナイロンのマトリクスに組み込まれた、織られた(例えば、二方向性、多方向性、又は準等方性の)布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の繊維に対して横方向に配向している。粒子は、複合材料全体の体積の50%より多くを含み、布地の連続繊維に対して横方向に配向している。
【0115】
本処方は、面外電気伝導性が増強した複合材料プライを提供し、迅速な電気エネルギーの放電(例えば、雷)の際、蓄電により誘起される局所的な熱の発生により引き起こされる損傷に対する耐性を著しく向上させる。本処方は、電気放電由来の損傷から構造物を保護する表面を形成するのに有用であり得る。例となるアプリケーションは、航空機及び風力タービン用の膜及び前緑/後縁である。
【実施例9】
【0116】
本予言的実施例は、電気信号を伝達するための種々の処方を示す。粒子(例えば、炭素又は少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する黒鉛のマイクロプレートレットの不連続繊維)は、炭素からなり及びエポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、又はナイロンのマトリクスに組み込まれた、織られていない(例えば、単一方向、ベール、又はマット)布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の連続繊維に対して横方向に配向している。
【0117】
本処方は、近等方性の電気伝導性が増強した複合材料プライを提供し、長い複合材料に沿って及び厚い複合材料構造を通して、効果的に電気信号を実行することができる。例となるアプリケーションは、氷の蓄積を抑制するためにオーミック加熱を実行する航空機及び風力タービン除氷システム、厚い及び/又は長い積層複合材料構造物内の層間剥離を検出するために電気信号を実行する複合材料ヘルスモニタリングシステムを含む。
【実施例10】
【0118】
本予言的実施例は、電磁波を軽減するための種々の処方を示す。粒子(例えば、炭素又は少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する黒鉛のマイクロプレートレットの不連続繊維)は、炭素からなり及びエポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、又はナイロンのマトリクスに組み込まれた、織られた(例えば、二方向性、多方向性、又は準等方性の)布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の連続繊維に対して横方向に配向している。
【0119】
本処方は、等方性電気伝導性が増強した複合材料プライを提供し、効果的に電磁波事象を軽減することができる。例となるアプリケーションは、ステルスのためのレーダーシグナルを吸収する航空機用の膜である。
【実施例11】
【0120】
本予言的実施例は、電磁波を伝搬するための種々の処方を示す。粒子(例えば、少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する、アルミナ又は窒化ホウ素のマイクロプレートレット)は、ボロシリカートからなり及びポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)のマトリクスに組み込まれた、織られた(例えば、二方向性、多方向性、又は準等方性の)布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の連続繊維に対して横方向に配向している。
【0121】
本処方は、低ラジオ周波数干渉及び過熱なく電磁波を効果的に伝搬する面外熱伝導性の複合材料プライを提供する。例となるアプリケーションは、通信のためのレードームを含む。
【実施例12】
【0122】
本予言的実施例は、熱的ショックを分散するための種々の処方を示す。粒子(例えば、例えば、炭素、シリコンカーバイド、ケイ素窒化物、アルミナ、又はアルミナ、窒化ホウ素、又は少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する黒鉛のマイクロプレートレットの不連続繊維)は、炭素からなり、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロンのマトリクスに組み込まれた、織られた(例えば、二方向性、多方向性、又は準等方性の)布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の連続繊維に対して横方向に配向している。
【0123】
本処方は、面外熱伝導性十分な構造完全性が増強した複合材料プライを提供する。本処方は、迅速な温度変動の下で、構造完全性を増加させるのに有用であり得る。例となるアプリケーションは、大気最突入の間の宇宙船用の膜及び乗り物用のブレーキディスクである。
【実施例13】
【0124】
本予言的実施例は、熱勾配を除く又は軽減するための種々の処方を示す。粒子(例えば、例えば、少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する、アルミナ又は窒化ホウ素のマイクロプレートレット)は、炭素からなり及びエポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ナイロン、又はシリコーンゴムのマトリクスに組み込まれた、織られた(例えば、二方向性、多方向性、又は準等方性の)布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の連続繊維に対して横方向に配向している。粒子は、複合材料全体の体積の50%より多くを含む。
【0125】
本処方は、優れた面外熱伝導性及び低電気伝導性を備えた複合材料プライを提供する。本処方は、例えば、電子装置内の、熱束を効果的に移動し、分配するのに有用であり得る。例となるアプリケーションは、プリント回路基板積層板、ギャップ充填剤、及び電子装置のためのカプセル化されたものを含む。
【実施例14】
【0126】
本予言的実施例は、エネルギー貯蔵のための種々の処方を示す。粒子(例えば、炭素又は少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する黒鉛のマイクロプレートレットの不連続繊維)は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はスチレンブタジエンゴム(SBR)のマトリクスに組み込まれた炭素からなる織られていない(例えば、単一方向、ベール、又はマット)布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の連続繊維に対して横方向に配向している。粒子は、複合材料全体の体積の50%より多くを含む。
【0127】
本処方は、優れた面外電気伝導性を備えた炭素系複合材料プライを提供する。本処方は、電解質からイオン化学種を吸収するのに及び/又は効率的に電荷を分散させるのに有用であり得る。実施例のアプリケーションは、電気化学的バッテリー(例えば、リチウムイオン及びナトリウムイオンセル)のための陰極及びスーパーキャパシタのための電極を含む。
【実施例15】
【0128】
本予言的実施例は、ex-PAN炭素繊維合成のための処方を示す。粒子(例えば、少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する炭素の不連続繊維)は、ポリアクリロニトリル(PAN)のマトリクスに組み込まれた炭素からなる布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の連続繊維に対して横方向に配向している。
【0129】
本処方は、面外炭素繊維触媒を備えた前複合材料プライを提供する。適切な温度で、PANマトリクスは、炭素マトリクスに酸化及び炭化され得る。本処方は、等方性の木目を有する炭素-炭素複合材料を造るのに有用であり得る。
【実施例16】
【0130】
本予言的実施例は、セラミックマトリクス複合材料(CMCs)のための処方を示す。粒子(例えば、少なくとも1つの1ミリメートル未満の長軸を有する、炭素及びシリコンカーバイドの不連続繊維)は、チオール、ビニル、アクリラート、メタクリラート、又はエポキシR-基を有するプレセラミックモノマー(例えば、シロキサン、シラザン、又はカルボシラン)のマトリクスに組み込まれた炭素又はシリコンカーバイドからなる布地を被覆及び/又は組み込む。粒子は布地の繊維に対して横方向に配向している。
【0131】
本処方は、面外炭素繊維又はシリコンカーバイド触媒を備えた前複合材料プライを提供し得る。適切な温度で、ポリマーマトリクスは酸化されてセラミックマトリクスになることができる。本処方は、等方性の木目を有するセラミックマトリクス複合材料を造るのに有用であり得る。
【0132】
本発明のいくつかの実施形態を本明細書に述べ、示してきたが、当業者は、機能を実行するための及び/又は結果を得るための種々の他の手段及び/又は構造、及び/又は本明細書に述べられている1つ以上の利点を容易に想像するであろう、そしてかかる変形及び/又は修正の各々は、本発明の範囲内にあるとみなされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載されているすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示的であることを意味しており、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は具体的なアプリケーション又は本発明の教示が使用されるアプリケーションに依ることとなることは容易に理解するであろう。当業者は、日常実験に過ぎないものを使用して、多くの本明細書に記載した発明の具体的な実施形態と同一のものを認識し、又は確かめることができるであろう。それゆえ、前記実施形態は、実施例のみを経由して示され、補正された請求項及びそれと同一のものの範囲内で、本発明は、具体的に明細書に記載され、請求されているもの以外でも実施することができると解されたい。本発明は、本明細書に述べられている、各個別の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法に関する。さらに、2つ以上のかかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾するものでなければ、本発明の範囲内に含まれる。
【0133】
本明細書及び参照により組み入れられる文書が衝突する及び/又は矛盾する開示を含む場合には、本明細書が支配するものとする。参照により組み入れられる2つ以上の文書が互いに衝突する及び/又は矛盾する開示を含む場合には、より後の効果的なデータを有する文書が支配するものとする。
【0134】
すべての定義は、本明細書で定義し使用される限り、辞書的定義、参照により組み入れられる文書中での定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を支配するものと解されたい。
【0135】
不定冠詞『a』及び『an,』は、本明細書及び請求項中で使用される限り、明確にそれと反対の趣旨で示されていない限り、『少なくとも1つ。(at least one.)』を意味すると解すべきである。
【0136】
表現『及び/又は、(and/or,)』は、本明細書中及び請求項中で使用される限り、そのように結合した要素、すなわち、ある場合においては非選言的に存在し、他の場合においては選言的に存在する要素の『いずれか一方又は両方(either or both)』であると解すべきである。『及び/又は(and/or)』を伴うリストされた多数の要素は、同様に、すなわち、そのように結合した要素の『1つ以上(one or more)』であると解すべきである。具体的に『and/or(及び/又は)』節で特定される要素以外の要素が、具体的に特定される要素と関係があろうと無関係であろうと、要すれば存在し得る。それゆえ、限定されない例として、『A及び/又はB(A and/or B)への参照は、非限定的な文言、例えば、『含む(comprising)』とともに使用される際、1つの実施形態において、Aのみ(要すればB以外の要素を含む)を参照することができ;他の実施形態において、Bのみ(要すればA以外の要素を含む)を参照することができ;さらに別の実施形態において、A及びBいずれも(要すれば他の要素を含む);などを参照することができる。
【0137】
本明細書中及び請求項中で使用される限り、『又は(or)』は、前記『及び/又は(and/or)』と同一の意味を有すると解すべきである。例えば、リスト中のアイテムを分離する際、『又は(or)』又は『及び/又は(and/or)』は、両立的、すなわち、数又は要素のリスト、及び、要すれば、さらなるリストされてないアイテムのうちの、少なくとも1つの包含であるが、また1つより多くを含む包含である解すべきである。それと反対の意味で明確に示されている用語、例えば、『のうちの1つのみ(only one of)』又は『のうちのちょうど1つ、(exactly one of,)』又は、請求項中で使用される際、『からなる、(consisting of,)』のみが、数又はリストの要素のちょうど1つの包含を参照することとなる。一般に、用語『又は(or)』は、本明細書で使用する限り、排他性の用語、例えば、『いずれか、(either,)』『のうちのひとつ、(one of,)』『のうちの1つのみ、(only one of,)』又は『のうちのちょうど1つ、(exactly one of.)』が先行する際は、排他的選択肢(すなわち『一方又は他方であるがいずれもではない(one or the other but not both)』)を示していると解すのみであるとする。
【0138】
本明細書及び本請求項中で使用される限り、リストの1つ以上の要素を参照した、表現『少なくとも1つ、(at least one,)』は、要素のリスト中の任意の1つ以上の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味するものと解すべきであるが、要素のリストに具体的にリストされた各及びすべての要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリストの要素の任意の組み合わせを排除するものではないことを理解されたい。この定義により、要素は、具体的に特定される要素と関係があろうが無関係であろうが、表現『少なくとも1つ(at least one)』が参照する要素のリストに具体的に特定された要素以外にも要すれば存在し得ることがまた可能となる。それゆえ、限定されない例として、『A及びBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and B)』(又は、等価に、『A又はBのうちの少なくとも1つ、(at least one of A or B,)』又は、等価に『A及び/又はBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and/or B)』)は、1つの実施形態において、少なくとも1つの、要すれば1つより多くを含む、Bが存在しない(及び要すればB以外の要素を含む)Aを参照することができ;他の実施形態において、少なくとも1つの、要すれば1つより多くを含む、Aが存在しない(及び要すればA以外の要素を含む)B;さらに別の実施形態において、少なくとも1つの、要すれば1つより多くを含む、A、及び少なくとも1つの、要すれば1つより多くを含む、B(及び要すれば他の要素を含む);などを参照することができる。
【0139】
用語『およそ(about)』が本明細書中で数を参照して使用される際は、本発明のさらに別の実施形態は、用語『およそ。(about.)』の存在により変更されていない数を含むと解すべきである。
【0140】
明確にそれと反対の趣旨で示されていない限り、本明細書に請求されている、1つ以上の工程又は行動を含む任意の方法において、方法の工程又は行動の順序は、必ずしも方法の工程又は行動が記載されている順序に限定されるものではないと解すべきである。
【0141】
請求項中、並びに前記明細書中において、すべての移行句、例えば、『含む、(comprising,)』『含む、(including,)』『有する、(carrying,)』『有する、(having,)』『含む、(containing,)』『含む、(involving,)』『有する、(holding,)』『からなる、(composed of,)』などは、制約がないものとして、すなわちこれらを含むがこれらに限定されないことを意味するとして、解すべきである。移行句『からなる(consisting of)』及び『原則的にからなる(consisting essentially of)』のみが、米国特許商標庁審査基準、セクション2111.03に規定されているように、各々、制約的又は半制約的な移行句であるものとする。
図1
図2