(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】自動化生産ラインのためのコンベヤ装置、コンベヤ装置用部品搬送台車、およびコンベヤ装置の操作方法
(51)【国際特許分類】
B23P 21/00 20060101AFI20220928BHJP
B62D 65/18 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
B23P21/00 303B
B62D65/18 B
(21)【出願番号】P 2020505969
(86)(22)【出願日】2018-04-10
(86)【国際出願番号】 EP2018059119
(87)【国際公開番号】W WO2018189156
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2021-02-26
(31)【優先権主張番号】102017107822.3
(32)【優先日】2017-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519365458
【氏名又は名称】エーベーツェット ジステック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュタッドラー ライナー
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-166935(JP,A)
【文献】特開平06-339822(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106516552(CN,A)
【文献】国際公開第2016/150543(WO,A1)
【文献】独国実用新案第202007009016(DE,U1)
【文献】特開平01-275257(JP,A)
【文献】欧州特許第02560861(EP,B1)
【文献】特開2014-097855(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0272519(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/00 - 21/00
B62D 41/00 - 67/00
B65G 13/00 - 13/12
B65G 39/00 - 39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化生産ラインのためのコンベヤ装置(1;201;301)であって、
前記生産ラインの進行方向に沿った少なくとも1つのコンベヤ軌道(2;102;202;302)と、
前記生産ライン上で、部品または部品アセンブリ、具体的には車両ボディを移送するための少なくとも1つの部品搬送台車(3;103;203;303)と、を備え、
前記生産ラインは、移動部(215)およびワークステーション(4;304)を含み、
それらは前記生産ラインの前記進行方向に沿って、前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)により通過する自動化生産ラインのためのコンベヤ装置(1;201;301)であって、
前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)は、モノレール(7)とし
て構成され、
前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)は、少なくとも一部において、駆動部(13;213)を用いて駆動される複数のローラ(11;111;211)を備え、
前記部品搬送台車(3;103;203;303)は、少なくとも1つの摩擦面(22;122)を備え、該摩擦面により前記部品搬送台車(3;103;203;303)が前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)の前記ローラ(11;111;211)によって駆動可能である、具体的には、前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)に沿って動的に移動可能であることを特徴とする、自動化生産ラインのためのコンベヤ装置。
【請求項2】
コンベヤ装置であって、
位置決め手段(30;50;151、152)は、前記部品搬送台車(3;103;203;303)に設けられ、
基準手段(42、43;60;155、156;242、243、244)は、少なくともワークステーション(4;304)
の領域の前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)に設けられ、
前記部品搬送台車(3;103;203;303)の前記位置決め手段(30;50;151、152)と、前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)の前記基準手段(42、43;60;155、156;242、243、244)とは、前記部品搬送台車(3;103;203;303)が作業位置(190)に明瞭に配置されるように相互作用し、該作業位置にて、前記部品または部品アセンブリ(191)の加工
が3つの空間方向(X;Y;Z)
の内の少なくとも1つにおける前記ワークステーション(4;304)に関連した、少なくとも1つの操作装置により行われることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤ装置。
【請求項3】
ガイドユニット(12;212)が設けられ、前記コンベヤ装置(1;201;301)の前記ローラ(11;111;211)は、少なくとも一部では個々のガイドユニット(12;212)の部品パーツであり、ガイドユニット(12)の前記ローラ又は複数のローラ(11;111)がばね式又は加圧型サスペンションを含む、若しくは、ガイドユニット(212)の前記ローラ又は複数のローラ(211)が、非ばね式又はリジッドサスペンションを含み、前記ガイドユニット(12)は
、ワークステーション(4;304)
の領域に配置されることが提供されることを特徴とする、請求項2に記載のコンベヤ装置。
【請求項4】
前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)の前記進行方向(X方向)に沿った位置決めが、少なくとも1つのロックピン(80;403)により行われ、前記ロックピン(80;403)
は、前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)の外へ突出し、前記部品搬送台車(3;103;203;303)上の受取手段にポジティブロック方式にて係止する
請求項2または3に記載のコンベヤ装置。
【請求項5】
前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)の前記進行方向(Z方向)の垂直方向の位置決めが、少なくとも2つの位置決め手段(50)により、具体的には少なくとも2つの基準手段(60)と相互作用する前記部品搬送台車(3;103;203;303)のZパック(51~54;151、152)により、具体的には2つのZ停止部又はZローラ(55~58、60;155、156)により行われ、
具体的には、前記位置決め手段(50、51~54)が上方向き面を用いて、下方向き面、又は前記基準手段(60)のローラ(55~58;155、156)と相互作用する、請求項2~4のいずれか1項に記載のコンベア装置。
【請求項6】
位置決めが、少なくとも2つのロックピンによって、前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)の前記進行方向の横断方向(Y方向)に行われ、前記ロックピンは、互いに離れており
、前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)から突出し、前記部品搬送台車(3;103;203;303)上の受取手段にポジティブロック方式にて係止する、請求項2~5のいずれか1項に記載のコンベア装置。
【請求項7】
位置決めが、前記コンベヤ軌道(2;102)の横断方向(Y方向)に、少なくとも2つの位置決め手段(30)により、具体的には少なくとも2つの基準手段と相互作用する前記部品搬送台車(3;103)のYパック(40、41)により、具体的には2つのY停止部又はYローラ(42、43)により行われることを特徴とする、請求項2~6のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項8】
前記ワークステーション(4;304)に関連する前記部品搬送台車(3;103;203;303)の前記位置決めは
、3つの空間方向(X;Y;Z)
の内の少なくとも1つにおいてポジティブロック方式にて実現され、具体的には、前記部品搬送台車(3;103;203;303)がコンベヤ軌道(2;102;202;302)から浮き上がることを防ぐことを特徴とする、請求項2~7のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項9】
少なくとも1つのプロファイル(73)、好ましくは2つの又は複数のプロファイル(73)は、前記長手方向(5、6)に延びる前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)で実現され、
少なくとも1つのローラ(72)は
、前記部品搬送台車(3;103;203;303)のローラ配置方法にて、前記プロファイル(73)にポジティブロック方式にて係止して、前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)からの前記部品搬送台車(3;103;203;303)の浮き上がり、および/または、前記コンベヤ軌道(2;102;202;302)に対して前記部品搬送台車(3;103;203;303)が横方向にずれることを防止することを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項10】
前記コンベヤ軌道(202)の前記移動部(215)および/または前記ワークステーション(304)は、複数の押さえ装置(290、291)を含み、各押さえ装置(290、291)は、押さえローラ(290a、291a)およびローラキャリア(290b、291b)を備え、前記押さえローラ(290a、291a)は、前記ローラキャリア(290b、291b)を用いて前記コンベヤ軌道(202)のプロファイル(210)に配置され、前記押さえローラ(290a、291a)は、前記コンベヤ軌道(202)の前記ローラ(211)に対して整列され、前記コンベヤ軌道(202)に沿って移動する部品搬送台車(203)が複数押さえローラ(290a、291a)および複数ローラ(211)の間で常に案内可能であり、具体的には、各々の場合において、2つの押さえ装置(290、291)が前記コンベヤ軌道(202)の前記プロファイル(210)上で互いに対向して配置されることが提供されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項11】
前記押さえ装置(290、291)はバネ(290c、291c)を備え、前記押さえローラ(290a、291a)は、前記バネ(290c、291c)を用いてコンベヤ軌道(202)に沿って移動する部品搬送台車(203)の面(203a)を押圧可能であり、前記部品搬送台車(203)は、前記部品搬送台車(203)が載る前記ローラ(211)に押し付けられ、
具体的には、前記押さえ装置(290、291)がレバー(290d、291d)を備え、前記押さえローラ(290a、291a)が、前記コンベヤ軌道(202)の前記プロファイル(210)上の前記レバー(290d、291d)により、旋回可能に取り付けられ、前記Y方向(Y)に水平方向に延びる旋回軸(290e、291e)回りに旋回可能であり、前記バネ(290c、291c)が前記レバー(290d、291d)を前記プロファイル(210)に前記旋回軸(290e、291e)回りにトルクを発生するように接合されることが提供され、
具体的には、互いに対向して配置される2つの押さえ装置(290、291)が接合手段(293)によって前記旋回軸(290e、291e)の前記領域で接合され、具体的には、前記2つのレバー(290d、291d)が、前記旋回軸(290e、291e)回りに互いに独立して旋回するように前記接合手段(293)に接合されることも提供されることを特徴とする、請求項10に記載のコンベヤ装置。
【請求項12】
前記コンベヤ装置(201;301)はロックピン装置(401)を備え、前記ロックピン装置(401)は、具体的にはソード(402)として実現されるロックピン(403)と、前記ロックピン(403)を受取るためのシース(404)とを含むことが提供され、前記シース(404)が、係止方向(X方向)の横断方向、具体的にはZ方向(Z)の解放位置から前記ロックピン(403)が前記シース(404)によって受取られる係止位置(S404)へ移動可能であり、
具体的には、前記シース(404)が2つの対向して配置された回転体(405、406)を含み、具体的には、前記回転体(405、406)の回転軸(D405、D406)が前記移動方向(X)に横断するように配置されることが提供され、前記係止位置(S404)に移動する場合、前記ロックピン(403)が前記シース(404)により低摩擦で受取られ、具体的には、前記ロックピン(403)が前記コンベヤ軌道(202;302)に沿って移動可能である部品搬送台車(203;303)に取り付け可能であることが提供されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項13】
前記コンベヤ装置(201;301)は、少なくとも1つの連結装置(451)を含み、
前記連結装置(451)は、前記コンベヤ装置(201;301)の前記ワークステーションの1つに配置される少なくとも1つの連結片(452)と、部品搬送台車(203;303)に取り付け可能な1つの反対の連結片(453)とを備え、前記ワークステーション(304)の作業位置にある前記部品搬送台車(203;303)の前記反対の連結片(453)と前記連結片(452)が連結可能であるように、前記連結片(452)は、具体的には、ロックピン装置(404)のシース(404)と共に移動可能であり、記連結装置(451)は、具体的には、前記部品搬送台車(203;303)に圧縮空気および/または電気を好ましく供給可能である中間連結装置(454)を備えることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のコンベヤ装置(1;201;301)用の部品搬送台車(3;103;203;303)であって、前記部品搬送台車は、
部品または部品アセンブリ(191)のための搬送構造および受取手段(24)を備え、
前記搬送構造が少なくとも1つの長手方向搬送部と、前記長手方向搬送部(23、25)よりも横方向に突出する
、少なくとも2つの横材とを含み、
前記受取手段(24)は、前記部品または部品アセンブリ(191)、具体的には、前記搬送構造に対して明瞭に配置された車両ボディを受取り、
前記搬送構造は、前記横材(23、25)を、選択位置(好ましくは、前記X方向)に配置されて締結された固定格子(26;28)を含む、部品搬送台車。
【請求項15】
前記横材(23、25)は、前記受取手段が少なくとも1つの空間方
向の選択位置に配置および締結する固定格子(29)を含むことを特徴とする、請求項14に記載の部品搬送台車。
【請求項16】
前記固定格子(26;28)は、少なくとも60%を
超える前記搬送構造で実現されることを特徴とする、請求項14または15に記載の部品搬送台車。
【請求項17】
前記部品または部品アセンブリ(191)のための少なくとも1つの受取手段(24)と、前記ワークステーション(4;304)に対して前記部品搬送台車(3;103)を整列するための少なくとも1つの位置決め手段(30;50)との両方が、少なくとも1つの横材(23、25)に配置されることを特徴とする、請求項14~16のいずれか1項に記載の部品搬送台車。
【請求項18】
部品搬送台車であって、
前記長手方向搬送部は、具体的には、中空プロファイル(20)と、好ましくは、その下に配置される平坦プロファイル(21)とから形成される上下逆さまTのような断面で実現され、
前記平坦プロファイル(21)は、前記中空プロファイル(20)よりも、両側に突出し、具体的には、対称に突出し、
前記中空プロファイル(20)に対向して位置する前記平坦プロファイル(21)の前記側面は、摩擦面(22)、またはコンベヤ装置(1)の複数のローラ(11)によって駆動可能な駆動面を形成することを特徴とする、請求項14~17のいずれか1項に記載の部品搬送台車。
【請求項19】
請求項1~13のいずれか1項に記載のコンベヤ装置(1;201;301)の操作方法であって、
コンベヤ軌道(2;102;202;302)上の部品搬送台車(3;103;203;303)は、到達すべき作業位置までワークステーション(4;304)に移動し、この場合、
少なくとも2つのワークステーション(4;304)間の前記移動が行われる水平移送面(192)から、前記部品または部品アセンブリ(191)、具体的には車ボディの加工が、前記部品搬送台車(3;103)で行われる前記移送面(192)より下に位置する位置決め面(190)に、押し込みが行われることを特徴とする、コンベヤ装置の操作方法。
【請求項20】
動的移動が、12秒未
満で、前記ワークステーション(4;304)の2つの位置決め状態の間で変更を実行することを特徴とする、請求項19に記載の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、独立クレーム1、又は11、又は15に記載した、自動化生産ラインのためのコンベヤ装置と、コンベヤ装置用部品搬送台車と、コンベヤ装置の操作方法とに関する。
【0002】
コンベヤ装置および部品搬送台車は、先行技術、例えば、国際公開番号WO16/150543A1又は欧州特許第2560861B1号に開示されている。
具体的には、いわゆる車両ボディの骨組み構造体では、複数のワークステーションにて、ロボットを用いて、ほとんど場合はスポット溶接または他の結合方法により、様々なボディパーツが一体接合される。この場合、ロボットは、それらの接合を正確に規定された空間座標で行うようにプログラムされている。コンベヤ装置の作業は、ワークステーションにて個々の部品または部品アセンブリを提供し、ロボット用に予め規定された座標と、部品又は部品アセンブリから製造されたワークの位置とが、可能なかぎり正確に一致するように、部品または部品アセンブリを、多くの場合において、数分の1ミリメートルの正確さで、高精度な方法で正確な位置に案内することである。この場合、ワークの位置決めは、X,Y,Z空間の3方向に沿って、コンベヤ装置の部品部材として整列された部品搬送台車により行われる。これに関して、部品搬送台車は、ワークステーションに移動してから、移動方向(X)と、X方向を横断する移動方向(Y)と、垂直方向(Z)とに沿って整列されなければならない。
【0003】
一般的に、プロセス・オートメーション、具体的には産業用ロボットのためにできるだけ広い空間を提供するためにコンパクト化する設計という結果の一方、他方では、個々のワークステーションでの位置決め工程中で必要な精度という結果により、考慮すべき課題が挙げられる。
【0004】
従って、本発明の目的は、設置空間および高精度な位置決めという点において、公知のコンベヤ装置を改良することである。
よって、本発明は、自動化生産ラインのためのコンベヤ装置に関するものであり、該コンベヤ装置は、
- 生産ラインの進行方向に沿った少なくとも1つのコンベヤ軌道と、
- 生産ライン上で、部品または部品アセンブリ、具体的には車両ボディを移送するための少なくとも1つの部品搬送台車と、を備え、
- 生産ラインは、移動部およびワークステーションを含み、移動部は生産ラインの進行方向に沿って、コンベヤ軌道により通過する。
【0005】
本発明は、
- コンベヤ軌道は、モノレールとして、好ましくは、部品搬送台車の中心長手軸に沿って延びるモノレールとして構成され、
- コンベヤ軌道は、少なくとも一部において、駆動部を用いて駆動される複数のローラを備え、
- 部品搬送台車は、少なくとも1つの摩擦面を備え、該摩擦面を用いて部品搬送台車がコンベヤ軌道の複数のローラによって駆動可能である、具体的には、コンベヤ軌道に沿って動的に移動可能であることを特徴とする。
【0006】
モノレールとしての設計したことにより、該モノレールは、好ましくは部品搬送台車の長手軸に沿って進み、その軌道方向で生産ラインの方向を規定し、軌道の設計に必要な空間がかなり小さくなるので、ワークステーション、具体的にはロボットの設置スペースがより広くなる。また、コンベヤ軌道から複数のローラによる摩擦面を用いた部品搬送台車の駆動は、コンベヤ軌道における駆動技術を高め、部品搬送台車をコンパクト化する可能性を提供すると共に、ロボットが加工する部品又は部品アセンブリ、具体的には車体、へのアクセス性を向上する。
【0007】
本発明にかかるコンベヤ装置の有利な更なる発展は、
- 位置決め手段は、部品搬送台車に設けられ、
- 基準手段は、少なくともワークステーションの領域のコンベヤ軌道に設けられ、
- 部品搬送台車の位置決め手段と、コンベヤ軌道の基準手段とは、部品搬送台車が作業位置に明瞭に配置されるように相互作用し、部品または部品アセンブリの加工は、該作業位置にて、1つの、好ましくは2つの、具体的には3つの空間方向におけるワークステーションに関連した少なくとも1つの操作装置により行われることを特徴とする。
【0008】
ワークステーションでの部品搬送台車の高精度な位置決めにより、操作装置、具体的には産業用ロボットが、加工タスクを果たすために、高精度に規定された座標に向かうことが可能となる。少なくとも1つの、好ましくは3つの全ての空間方向における位置決めは、位置決めおよび基準手段との間の相互作用により行われ、該位置決めおよび基準手段は、具体的には、一旦コンベヤ装置が組み立てられると、各ワークステーションにおける要求される許容範囲に作業場で変更且つ調整可能である。これに関して、1つまたは2つの接面の複数の基準ローラに対して移動し、正確な位置に到達した際にそれらと当接する位置決め面又は位置決めブロックは、特に好ましくは、設けられる。ここでは、他の種類の機械的停止部も想到可能である。
【0009】
また、コンベヤ装置の更なる発展では、ガイドユニットを備え、コンベヤ装置のローラは、少なくとも一部では個々のガイドユニットの部品パーツであり、ガイドユニットのローラが、ばね式、又は非ばね式、又はリジッドサスペンションを含み、ガイドユニットは、好ましくはワークステーションの領域に配置される。
【0010】
摩擦面によって駆動される部品搬送台車は、ワークステーションを通過、およびワークステーション間をコンベヤ経路に沿って移動するために、駆動ローラと相互作用する。この場合、駆動ローラは、ガイドユニットで一部受取られ、該ガイドユニットは、部品搬送台車をコンベヤ軌道に沿って移動させ、少なくともコンベヤ軌道(X軸)に沿って部品搬送台車がガイドユニット上を進む。前記ガイドユニットには、少なくとも部分的にローラのサスペンション用のばねシステムが設けられていて、これにより一方で、移動方向(X軸)からと、それに対して直角および水平方向の横断軸(Y軸)とから形成される移送面における変更が可能となり、他方では、摩擦面での駆動ローラの予圧および接触圧が調整可能であり、その動作力は、そこに配置された部品または部品アセンブリを備えた部品搬送台車の重量を超える。
【0011】
加えて、コンベヤ装置の有利な実施形態では、コンベヤ軌道の進行方向(X方向)に沿った位置決めが、少なくとも1つのロックピンにより行われ、該ロックピンは、好ましくはコンベヤ軌道の外へ突出し、部品搬送台車の受取手段にポジティブロック方式にて係止する。
【0012】
そのようなロックピンは、部品搬送台車を捕らえ、その先端を対応する円錐形にて実現したことにより、所望の位置に移動する。ロックピンは素早く作動し、該当箇所にて、挿入状態で大きな力を吸収可能である。
【0013】
さらに、好ましい態様では、コンベヤ軌道の進行方向の垂直方向(Z方向)の位置決めが、少なくとも2つの位置決め手段により行われることが提供される。少なくとも2つの位置決め手段は、特に、少なくとも2つの基準手段と相互作用する部品搬送台車のZパックであり、少なくとも2つの基準手段は、特に、2つのZ停止部又はZローラである。
【0014】
Z方向位置決め、つまり、垂直方向(Z軸)における位置決めは、部品搬送台車の位置決め面/位置決めパックを用いて、又は、機械的当接の結果として、それぞれに他の部品の基準手段と相互作用するワークステーションにて行われる。
【0015】
この場合、好ましい態様では、位置決め手段が上向き面を用いて、下向き面又は基準手段のローラと相互作用する。下方にずれて対向して配置された面の対又は位置決め面と、下方にずれたローラとの間の相互作用の結果としての端部における沈み込みにより、具体的には、ばね装着駆動ローラの動作に対して、垂直軸(Z方向)に対する高精度な位置決めが可能になる。前記位置決めは、特に、有利には、持ち上げる際の取り付け面位置決め、例えば、操作装置により作られるものと比べて、精密な位置が危険にさらされることなく補償可能である。部品搬送台車は、Z方向にクランプする方法で保持される。
【0016】
さらには、好ましくは、位置決めは、コンベヤ軌道の進行方向に対して横断方向(Y方向)に、少なくとも2つのロックピンによって行われ、ロックピンは、互いに離れて配置され、好ましくは、コンベヤ軌道から突出し、部品搬送台車の受取手段にポジティブロック方式で係止することが提供される。
【0017】
ロックピンの利点は上述した。部品搬送台車は、ロックピンの2つの点により、X方向およびY方向に明瞭に配向可能である。これらは、部品搬送台車に同時又は連続して作用する。
【0018】
さらには、好ましくは、位置決めは、コンベヤ軌道の横断方向(Y方向)に、少なくとも2つの位置決め手段により行われる。少なくとも2つの位置決め手段は、特に、少なくとも2つの基準手段と相互作用する部品搬送台車のYパックであり、少なくとも2つの基準手段は、特に、2つのY停止部又はYローラである。
【0019】
Z位置決めに対応して、Y軸位置決めも、複数のローラ面に対して又はローラ対に対して移動する対応する位置決めパックにより行うことが可能であり、その結果、Y軸に沿った空間の高精度な位置とすることが可能となる。
【0020】
本発明にかかるコンベヤ装置の別の実施形態では、ワークステーションに関連する部品搬送台車の位置決めは、1つの、好ましくは2つの、具体的には3つの空間方向に沿ってポジティブロック方式で構成され、具体的には部品搬送台車がコンベヤ軌道から浮き上がることが防止されることが提供される。
【0021】
ポジティブロック全封止を実現する位置決め手段の達成は、部品搬送台車が、ワークステーションで移動不能に保持されること、具体的には、操作装置、例えば産業用ロボット、により部品搬送台車に力がかかる。結果として、加工時の精度がさらに向上され、故障又は欠陥率の低減が達成される。
【0022】
具体的には、少なくとも3つの、および好ましくは4つの位置決めおよび基準手段は、Z方向にワークステーションの部品搬送台車を固定するために相互作用することが提供される。
【0023】
具体的には、少なくとも3つの、および好ましくは4つの位置決めおよび基準手段は、Y方向にワークステーションの部品搬送台車を固定するために相互作用することも提供される。
【0024】
また、本発明において、コンベヤ装置は、少なくとも1つのプロファイル、好ましくは2つ以上のプロファイルは、長手方向に延びるコンベヤ軌道上で実現され、少なくとも1つのローラは、好ましくは部品搬送台車のローラ配置方法にて、プロファイルのポジティブロック方式で係止して、コンベヤ軌道からの部品搬送台車の浮き上がり、および/または、コンベヤ軌道に対して部品搬送台車が横方向にずれることが防止されることが提供される。
【0025】
プロファイル、例えば、押し出しプロファイル、又は複数のローラによって包含される、若しくはローラが係止するCレールが、部品搬送台車の搬送のためにポジティブロック封止し、それにより部品搬送台車の傾斜又は解放を防ぐ。
【0026】
具体的には、摩擦面上の部品搬送台車に押し付けるばね荷重ローラの場合、特に、浮き上がりや傾斜から守るしっかりとした案内がCレールの少なくとも1つのローラのポジティブロック受取によって行われ、移動の際にローラがCレールの上部斜面と当接して転動する。
【0027】
好ましい実施形態では、モノレールは部品搬送台車の下、具体的には部品搬送台車の中央下で延びている。しかしながら、横方向ずれが得策である実施形態も想到できる。具体的には、操作装置にアクセスし続けられる場所により、コンベヤ装置の部品の配置が決定される。
【0028】
また、コンベヤ軌道の移動部および/またはワークステーションは、複数の押さえ装置を備え、各押さえ装置は押さえローラおよびローラキャリアを備え、押さえローラは、ローラキャリアを用いてコンベヤ軌道のプロファイルに対して配置され、押さえローラは、コンベヤ軌道に沿って移動する部品搬送台車が複数押さえローラおよび複数ローラの間で常に案内可能であるように、コンベヤ軌道のローラに整列されることが提供される。具体的には、各々の場合において、2つの押さえ装置がコンベヤ軌道のプロファイル上で互いに対向して配置されることが提供される。結果として、ほとんど費用をかけずに、部品搬送台車の駆動が非ばね式又は固定して取り付けられたローラを備える場合であっても、部品搬送台車およびローラ間において充分な摩擦係止させることが可能であり、部品搬送台車が、駆動ローラにより確実に加速および制動可能であり、加えて横方向への傾斜を防ぐことができる。
【0029】
また、押さえ装置にはバネが取り付けられ、押さえローラは、バネを用いて、コンベヤ軌道に沿って移動する部品搬送台車の面を押圧可能であり、部品搬送台車は、部品搬送台車が載るローラに押し付けられることが提供される。具体的には、押さえ装置がレバーと、押さえローラとを備え、押さえ装置は、コンベヤ軌道のプロファイル上のレバーにより旋回可能に取り付けられ、Y方向(Y)に水平方向に延びる旋回軸回りに旋回可能であることが提供されることが提供される。バネは、レバーをプロファイルに旋回軸回りにトルクを発生するように接合し、具体的には、互いに対向して配置される2つの押さえ装置が接合手段によって旋回軸の領域で接合され、具体的には、2つのレバーが、旋回軸回りに互いに独立して旋回するように接合手段に接合されることが提供される。
【0030】
各押さえ装置のバネを用いることにより、ずれが補正されて振動が減衰され、部品搬送台車は静かに移動可能である。ローラキャリアとしてレバーを用いることにより、たとえ弱いバネであっても充分な力が生じさせることが可能となり、費用効果のあるバネを使用可能であり、バネの取替えも簡便に行える。具体的には、ねじり力がロバストな設計は、対向する位置にある押さえ装置と接合したことにより、最小の材料使用で達成される。
【0031】
加えて、コンベヤ装置は、ロックピン装置を備え、ロックピン装置は、具体的にはソードとして実現されるロックピンと、ロックピンを受取るためのシースとを含み、シースが、係止方向(X方向)の横断方向、具体的にはZ方向(Z)に、解放位置からロックピンがシースによって受取られる係止位置へ移動可能であることが提供される。具体的には、シースが2つの対向して配置された回転体を含むことが提供され、具体的には、回転体の回転軸が移動方向(X)に横断するように配置されて、係止位置に移動する場合、ロックピンがシースにより低摩擦で受取られることが提供され、具体的には、ロックピンがコンベヤ軌道(20)に沿って移動可能である部品搬送台車に取り付けられることが提供される。そのようなロックピン装置が、コンベヤ軌道のプロファイルに容易に一体化可能である。加えて、摩擦力が回転体により減少するので、そのようなロックピン装置は、より小さい駆動力で操作可能であることが提供される。
【0032】
最後に、先述のコンベヤ装置に少なくとも1つの連結装置を取り付けたコンベヤ装置の場合では、連結装置は、コンベヤ装置のワークステーションの1つに配置される少なくとも1つの連結片と、部品搬送台車に取り付け可能な1つの反対の連結片とを備え、連結片は、具体的には、ロックピン装置のシースと共に移動可能であり、ワークステーションの作業位置にある部品搬送台車の反対の連結片と連結片が連結可能であり、連結装置は、具体的には、部品搬送台車に圧縮空気および/または電気を好ましく供給可能である中間連結装置を備えることが提供される。これにより、最低限の費用にて、部品搬送台車が必要な作動部品のための追加的機能が、具体的には各ワークステーションにて、部品搬送台車で実現可能である。
【0033】
本発明によれば、部品搬送台車も上述したコンベヤ装置のために設けられる。該部品搬送台車は、
- 部品または部品アセンブリのための搬送構造および受取手段を備え、
- 搬送構造が少なくとも1つの長手方向搬送部と、長手方向搬送部よりも横方向に突出する、好ましくはロレーヌ十字の形状で対称である少なくとも2つの横材とを含み、
- 受取手段は、部品または部品アセンブリ、具体的には、搬送構造に対して明瞭に位置する車ボディを受取る。
【0034】
本発明にかかる部品搬送台車は、
- 搬送構造は、横材が、選択位置に(好ましくはX方向)配置されて締結された固定格子を含む、
および/または
- 横材は、受取手段が少なくとも1つの空間方向(好ましくはY方向)、具体的には、2つの空間方向(YおよびZ方向)の選択位置に配置および締結する固定格子を含むことを特徴とする。
【0035】
構成される部品または部品アセンブリは変更可能であるので、具体的には、車両車体形状は、モデル範囲又はモデル維持の結果として、受取る予定の部品または部品アセンブリへの部品搬送台車の柔軟性のある適用が費用節約となる。この場合、特に有利には、X方向および他の空間方向の両方により、部品搬送台車の部品を柔軟に配置できる。締結可能な格子は、部品搬送台車のシステムの柔軟性を高め、使用者に高い技術利点を与え、変更費用を低下させた結果、適用可能であれば、若しくは、全く新しく設計された部品搬送台車によって実現されるものである。
【0036】
好ましい実施形態では、固定格子は、搬送構造で、少なくとも60%を超えて、好ましくは、搬送構造の長さの80%を超える搬送構造で実現される。
受取る予定の部品または部品アセンブリのために必要な配置のほぼすべて、具体的には車両ボディ、を前記長さで覆うことが可能である。
【0037】
部品搬送台車の具体的な実施形態では、部品または部品アセンブリのための少なくとも1つの受取手段と、ワークステーションに対して部品搬送台車を整列するための少なくとも1つの位置決め手段との両方が、少なくとも1つの横材に配置される。
【0038】
部品搬送台車のための位置決め手段と、受取り予定の部品または部品アセンブリの受取手段との組み合わせ配置により横材の数が減り、その結果、操作装置、具体的には、産業用ロボットの適用のためにより広い空間を開放する。具体的に、さらに、より正確に、部品または部品アセンブリのより空間的に固定された配置は、上述のクランプ、ポジティブロック位置決めの結果として達成される。
【0039】
さらに好ましい実施形態では、
- 長手方向搬送部は、具体的には、中空プロファイルと、好ましくは、その下に配置される平坦プロファイルとから形成される上下逆さまTのような断面で実現され、
- 平坦プロファイルは、中空プロファイルよりも、好ましくは、両側に突出し、具体的には、対称に突出し、
- 中空プロファイルに対向して位置する平坦プロファイルの側面は、摩擦面、またはコンベヤ装置の複数のローラによって駆動される駆動面を形成することが提供される。
【0040】
摩擦面を用いた駆動では、部品搬送台車の加速および制動時により強力な動力を利用する方法を提供する。また、ほぼ全ての駆動手段が、摩擦面を用いて、コンベヤ軌道に沿って再配置可能である。例えば、走行ローラの設置スペースが部品搬送台車の支持部の領域では必要なく、横材又はそのようなものの装着が可能になる。結果として、部品搬送台車がよりコンパクトになり、操作装置、具体的には産業用ロボットの操作のための空間が広くなる。
【0041】
加えて、本発明は、上述のコンベヤ装置を操作する方法を提案しており、該方法では、
- コンベヤ軌道上の部品搬送台車は、この場合、到達すべき作業位置までワークステーションに移動し、
- 少なくとも2つのワークステーション間の移動が行われる水平移送面から、部品または部品アセンブリ、具体的には車ボディの加工が、部品搬送台車で行われる移送面より下の位置決め面に、押し込みが行われる。
【0042】
本発明にかかる、移送面から、その下に位置する位置決め面への変更によるZ位置決めへの押し込みにより、ガイドユニットのばね荷重駆動ローラに対する位置決め手段のポジティブロック保持が可能となり、その結果、浮き上がりが避けられ、具体的には、正確なZ位置決めが可能になる。
【0043】
前記方法の好ましい実施形態では、動的移動が、12秒未満、好ましくは5秒から10秒の間、具体的には6秒以内にてワークステーションで2つの位置決めされた状態間での変更を行うことを特徴とする。
【0044】
Y位置決めと同じように、位置決め面への進入は移動時に行われ、余計な時間を取らない。X位置決めに対するロックピンの導入により、およそ0.5秒から1秒が必要であり、停止時の部品搬送台車で行わなければならない。移動の起動力(制動)の間に1つの、好ましくは2つの軸空間での位置決めにより、位置決めに関して時間的利点が得られる、つまりこれは、進入成功後のワークステーション内部で一度行われるだけである。時間の短縮により、操作装置、具体的には産業用ロボットにより加工するための時間ができる。
【0045】
本発明の用語において、モノレールはコンベヤ軌道として理解され、該モノレールは、長手方向の範囲において、数珠状につながった複数のプロファイル部から形成される1つのプロファイルのみを備える。モノレールは、少なくとも1つの部品搬送台車が転がるプロファイルに取り付けた複数のローラを含む。これに関連して、2つ以上のローラを横並びに配置することが提供されることも可能である。ローラを平行して配置することにより、部品搬送台車への接触面を容易な方法で広げることが可能となる。
【0046】
本発明を、以下の例示的な実施形態を用いてより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、図示した実施形態に限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図面は、以下のとおりである:
【
図1】本発明にかかるコンベヤ装置の第1実施形態の図を示す。
【
図2】Y-Z面に沿う、
図1にて示す本発明にかかるコンベヤ装置の概略的な部分的断面図を示す。
【
図3】
図3a及び
図3bは、a)位置決め面、およびb)移送面の概略的な断面図を示す。
【
図5】本発明にかかるコンベヤ装置の第2実施形態のコンベヤ軌道の詳細な斜視図を示す。
【
図6】本発明にかかるコンベヤ装置の第3実施形態のコンベヤ軌道の詳細な斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
詳細には、
図1は、コンベヤ軌道2と、中心長手軸L3に部品搬送台車3とを備える、本発明にかかるコンベヤ装置1の第1実施形態を示す。この場合、例として示すコンベヤ装置1では、生産ラインの進路にワークステーション4の領域を示す。部品搬送台車3は、走行方向5からワークステーション4の領域に進入し、次に、生産ラインの連続進行方向6において、該ワークステーションを離れる。
【0049】
この場合、コンベヤ軌道2は、モノレール7として実現され、支持部8、9に配置されるプロファイル10を備え、そこで、複数のローラ又はローラ対11が互いに離れて配置され、ローラ対11は、ばね荷重サスペンション付きのガイドユニット12の少なくとも一部で受取られる。ローラ又はローラ対11は、部品搬送台車3をコンベヤ軌道2に沿って動的に移動するために、駆動部13により駆動回転される。プロファイル10は、コンベヤ軌道2の長さおよび進路に応じて、数珠状につながった複数のプロファイル部を備える。
【0050】
次に、部品搬送台車3は、その下面に平坦プロファイル21を取り付けた中央に配置される中空プロファイル20を備える。平坦プロファイル21は、下面に、部品搬送台車3がローラ又はローラ対11および駆動部13との相互作用で動的に移動を可能にする摩擦面22を実現する。ばね搭載駆動ローラ又はローラ対11を備えた対応するガイドユニット12(
図3a参照)は、部品搬送台車3の駆動性を常に確実とするため、コンベヤ軌道2に沿って一定間隔に配置される。
【0051】
加えて、部品搬送台車3は、部品または部品アセンブリ、具体的には図示しない車両のボディのための受取手段24を順に有する横材23、25を追加的に備える。この場合、横材の一部、即ち、横材25も、受取手段24と共に、Y軸に沿った位置決め移動方向において、部品搬送台車3の左手側の前部に設けられた位置決め手段30を備える。
【0052】
横材23の締結のための通常のねじ孔27から形成される場合の固定格子26は、平坦プロファイル21に沿って設けられる。別の固定格子28は、平坦プロファイル21に設けられ、また、平坦プロファイル21に直接、若しくは、例えば傾斜構成要素のような対応する追加的部材を用いてのいずれかにより、ねじ孔を設けることが可能である。この態様により、横材23は、自在に位置決めを変更可能とし、受取り予定の部材又は部材アセンブリに適応させることが可能となる。また、横材23は、受取手段24を自在に位置決めおよび固定に対応する受取手段29、例えば、プロファイルをクランプする形状のものを備える。
【0053】
部品搬送台車3が、生産ラインの走行方向5からワークステーション4の領域に入ると、
図1に示す作業位置に到達する。この場合、位置決め手段を、以下にてより詳細に説明する対応の基準手段に係止する。
【0054】
位置決め手段30は、生産ラインの走行方向5、6に対して水平方向に横断する位置決めのための移動方向において左手側の前側横材25に設けられ、結果として、Y軸に沿って位置決めされる。この場合、図面では隠れている対応のY軸位置決め手段は、移動方向における右手側に後側横材31に設けられる。Y軸位置決め手段は、縦型自立式回転軸を備えるY基準ローラ42、43に移動し、そこで、Y方向のポジティブロック方式にて正確に受取られる、いわゆるYパック40、41(具体的には
図2および4参照)により形成される。部品搬送台車3のY位置は、2つの基準ローラ対、即ち、複数のY基準ローラ42(前側左)および複数のY基準ローラ43(後側右)により決定される。Y基準ローラ42およびY基準ローラ43のそれぞれは、Y基準手段44を形成する。
【0055】
実施形態の変更例によれば、記載した基準ローラ対の対角配置の代替として、プロファイル10の左側又は右側で連なってずれた配置でも設けられる。
対応態様では、垂直軸の位置を決定するZ位置決め手段も、対応する基準手段に移動する。Zパック51~54(具体的には
図4参照)の形をしたZ位置決め手段50は、部品搬送台車3の4つの角の領域にて横材25の位置決め手段で配置される。Z軸パック51~54は、対応するZローラ55~58(具体的には
図1参照)に移動し、夫々のZローラにより形成されたZ基準手段60(具体的には
図2参照)によって、ポジティブロック方式にてZ方向にも保持される。
【0056】
位置決め手段と基準手段との相互作用は、
図2にて詳細に記載されている。この場合、Z位置決めパック51~54は、一方側で互いに各々がY方向にずれているので、それぞれのZ基準手段は、部品搬送台車3がワークステーション4の領域を通って移動する場合、通過可能であることが分かる。
【0057】
ローラ又はローラ対11は、駆動部13により駆動され、ばねシステム70(例として示される)によるばねの負荷を受けている。部品搬送台車3は、ローラ又はローラ対11の走行面上の平坦プロファイル21に置かれ、それにより動的に移動される。コンベヤ軌道2の側面でCプロファイルレール73と係止するローラ72は、角付プロファイル71を用いて部品搬送台車3に配置される。両側での係止の結果、YおよびZ方向においてポジティブロック封止され、具体的には、部品搬送台車3が傾いてコンベヤ軌道2より浮き上がることを防止する。
【0058】
X方向の位置決めは、コンベヤ軌道2の外に移動可能であり、部品搬送台車3の下面で対応する孔に係止するロックピン80により行われる。これに関して、ロックピン80の円錐形に形成された先端部により、X方向における位置決めにおいて確実なセルフセンタリングが可能になる。
【0059】
Cプロファイル73に係止しているローラ72により、浮き上がりおよび傾斜の予防をする代わりに、X方向の移動のみが可能な方法により、複数ローラ(この場合では示していない)に、小片又は別に形成されたプロファイルを含めることも可能である。これは、2つの対向する位置にあるZ係止ローラ396a、396bと、2つの対向する位置にあるY係止ローラ397a、397bとにより、
図6に示されるコンベヤ軌道302に例として示される。
【0060】
前記係止ローラそれぞれが1つのローラ対396、397を形成する結果、概略的に図示するだけの部品搬送台車303が、停止時や、コンベヤ軌道302からの浮き上がり、およびコンベヤ軌道302に対する横方向の傾きによる移動にから守られる。さらに、そのようなローラ対が、コンベヤ軌道302の長手方向範囲(X方向)に明瞭に配置されるので、部品搬送台車303は、全体経路に沿って固定される。
【0061】
浮き上がりおよび傾きに対する保護とは別に、部品搬送台車303の位置決めは、各ワークステーション304にて部品搬送台車303のZ位置決め手段およびY位置決め手段と相互作用する
図6では見えないZ基準手段およびY基準手段により行われる。これは、
図1から4と類似の方法にて行われる。
【0062】
部品搬送台車303は、Z係止ローラ396a、396bと、Y係止ローラ397a、397bとから離れるように、ワークステーション304に配置される。Z係止ローラ396a、396bと、Y係止ローラ397a、397bとの当接は、部品搬送台車303が移送面であって、位置決め面にない場合のみ可能となる。
【0063】
図3aおよび3bは、本発明にかかるコンベヤ装置1の位置決めされた状態を移送状態に変更する概略的な図である。これに関して、符号は、
図1、2および4にて用いた符号と類似のものを用いるが、各場合において100ずつ番号が上がる。
【0064】
部品搬送台車103は、ワークステーションの領域では、
図3aの位置にある。コンベヤ軌道102のプロファイル110における駆動ローラ111は、部品搬送台車103、具体的には平坦プロファイル121によって、ばねシステム170に押し付けられ、摩擦面122を位置決め面190に配置する。この押し付けは、Z基準ローラ155、156に移動する横材125に配置されたZ位置決めパック151、152により成され、該Z基準ローラ155、156は、この場合、底部のローラおよび最上部のローラによって形成されている。この態様では、Z位置が明瞭に規定されるので、部品アセンブリ191、具体的には、車体(概略的に示す)の加工が、産業ロボットにより行われることが可能である。
【0065】
図3bは、Z位置決めパック151、152が、Z基準ローラ155、156にまだ移動していない移送状態を対応する態様で図示している。駆動ローラ対111は、ばねシステム170により、より高く突出する位置に配置されるので、摩擦面122の下面を位置決め面190より上の移送面192に案内する。
【0066】
Z方向におけるワークステーションの領域の部品搬送台車を位置決めするため、ワークステーションは、より高い移送面192から、その下に位置する位置決め面190に結果として下がる。
【0067】
図4は、
図1に示す本発明にかかる部品搬送台車3を再度図示する。符号は
図1に記載されたものであり、対応する部材は同一符号である。
図5は、モノレール207として実現されるコンベヤ装置201の第2実施形態のコンベヤ軌道202の詳細な斜視図を示す。コンベヤ軌道202は、移動部215の領域にて図示され、複数の押さえ装置290、291を含み、そのうちの2つのみをここでは例として表して記載する。移動部215は、ワークステーション間に実現され、具体的には、移送ステーション、又はブランク・ステーション、又はブリッジ・ステーションでも、類似の設計にて用いられる。各押さえ装置290、291は、押さえローラ290a、291aおよびローラキャリア290b、291bを備える。押さえローラ290a、291aは、コンベヤ軌道202の進路に沿って延びるプロファイル210上のローラキャリア290b、291bを用いて配置され、押さえローラ290a、291aは、コンベヤ軌道202の複数のローラ211上で、コンベヤ軌道202に沿って移動する概略的に示された部品搬送台車201が、複数の押さえローラ290a、291aおよび複数のローラ211間で、常に案内可能であるように整列される。これに関して、2つの押さえ装置290、291は、コンベヤ軌道201のプロファイル210上で、各場合において、互いに対向する位置に配置される。移動部のローラ211は、先述の図にて示したワークステーションの複数のローラ211に対し、固定および非ばね式にて、ガイドユニット212で受取る。ローラ211は駆動部213により駆動され、図示しない推進手段は、具体的には、歯付きベルト又はチェーンを備え、駆動部213およびプロファイル210の複数のローラ211と連結している。
【0068】
押さえ装置290、291は、バネ290c、291cも備え、押さえローラ290a、291aは、バネ290c、291cを用いて、コンベヤ軌道(概略的に示す)に沿って移動する部品搬送台車203の面203aに押し付けられ、部品搬送台車203が、それが置かれる複数のローラ211に押し付けられるので、十分な摩擦係止接続が確実となる。
加えて、押さえ装置290、291は、レバー290d、291dを備え、押さえローラ290a、291aは、レバー290d、291dにより、コンベヤ軌道201のプロファイル210に旋回可能に取り付けられてY方向に水平方向に延びる旋回軸290e、291e回りに旋回可能であり、バネ290c、291cは、それらが旋回軸290e、291e回りにトルクを発生するように、レバー290d、291dをプロファイル210に接続し、これにより押さえローラ290a、291aは部品搬送台車203に押し付けられる。これに関連して、レバー290d、291dは、トグルレバーとして実現される。
【0069】
例として記載した押さえ装置290、291は、記載しない別の押さえ装置と同様に、互いに対向する対でも配置され、旋回軸290e、291eの領域において、プロファイル211を通って延びる接合手段293により接合される。2つのレバー290d、291dは、具体的には、互いに独立して旋回軸290e、291e回りに旋回可能なように接合手段293に接合される。
【0070】
プロファイル210に横方向で、互いに対向して配置したY係止ローラ297a、297bにより、部品搬送台車203も横方向に案内されるので、移動部215のプロファイル211の前進に追従することが確実になる。これに関連して、対向して配置された複数のY係止ローラは、プロファイル211の進行方向上に配置されるので、部品搬送台車203が全体経路に沿って確保される。
【0071】
図6は、第3実施形態のコンベヤ装置301のモノレール307として実現される既に記載したコンベヤ軌道302の詳細な斜視図を示し、以下で説明するロックピン装置401も、
図1から4又は5に図示したコンベヤ装置のうちの1つのワークステーション又は移動部に設置可能である。この場合、コンベヤ装置301は、生産ラインの進路におけるワークステーション304の領域を示し、ばね荷重又は圧力荷重ローラ311をそこに設ける。コンベヤ装置301のコンベヤ軌道302は、前述のロックピン装置401を有し、ロックピン装置401は、ソード402として実現されるロックピン403と、ロックピン403を受取るシース404とを有する。これに関して、ロックピン403は、コンベヤ装置301の部品搬送台車303に締結されるが、概略的にコンベヤ軌道302から離れた位置にあることのみを図示する。シース404は、図示しない開放位置からZ方向のブロック方向(X方向)を横断する方向に移動可能であり、そこではソード402、結果として部品搬送台車303が、ブロック方向(X方向)に自在に移動可能であり、図示するブロック位置S404に上方移動する。そして、ブロック位置S404において、ソード402は、-矢印によって表すように-シース404により受取られる。シース404は、2つの対向して配置される回転体405、406を備え、回転体405、406の回転軸D405、D406を、ブロック方向(X方向)に横断する又は移動方向(X方向)を横断するように配置して、部品搬送台車303をX方向に位置決めするため、部品搬送台車303がプロファイル310外のブロック位置S404に上方移動する場合、ソード402がシース404上で低摩擦で裏面402a、402bにより中心に位置する。
【0072】
選択肢として、コンベヤ装置301も、少なくとも1つの連結装置451を備え、該連結装置451は、コンベヤ装置301のワークステーションのうちの1つに配置される少なくとも1つの連結片452と、部品搬送台車303に取り付け可能であるもう片方の連結片(図示せず)とを含み、連結片452は、ワークステーションの作業位置にある連結片452が部品搬送台車303の片方の連結片と連結可能なようにロックピン装置401のシース404と共に移動可能であり、連結装置451は、中間連結装置454を備え、これにより、部品搬送台車303が、好ましくは、圧縮空気および/または電気を供給可能である。
[符号の説明]
符号一覧:
1…コンベヤ装置、2…コンベヤ軌道、3…部品搬送台車、L3…3の長手軸、4…ワークステーション、5…走行方向、6…走行方向、7…モノレール7、8,9…7~10の支持部、10…7のプロファイル、11…7のばね式ローラ又はローラ対、12…ガイドユニット、13…駆動部、20…中央に配置された3の中空プロファイル、21…3の平坦プロファイル、22…21の摩擦面、23…3の横材、24…23上の3の受取手段、25…横材、26…21上の3の固定格子、27…26のねじ孔、28…別の固定格子、29…23上の受取手段、30…25上の3の位置決め手段、31…後右手側横材、40、41…位置決め手段30としてのYパック、42…4の基準ローラ対(前左)、43…4の基準ローラ対(後右)、44…42又は43によって形成されるY基準手段、50…25上の3のZ位置決め手段、51~54…位置決め手段50としてのZパック、55~58…4のZローラ、60…Zローラ55~58としてのZ基準手段、70…11のばねシステム、71…角付プロファイル、72…3のローラ、73…2のCプロファイルレール、80…ロックピン、102…コンベヤ軌道、103…部品搬送台車、110…プロファイル、111…ばね式駆動ローラ/ローラ、121…平坦プロファイル、122…摩擦面、125…横材、170…ばねシステム、151,152…103のZ位置決めパック、155,156…Z基準ローラ、190…平面/位置決め面、191…部品アセンブリ、192…移送面、201…コンベヤ装置、202…コンベヤ軌道、203…部品搬送台車、203a…203の面、207…モノレール、210…プロファイル、211…リジッドローラ、212…ガイドユニット、213…駆動部、215…移動部、290,291…押さえ装置、290a,291a…押さえローラ、290b,291b…ローラキャリア、290c,291c…バネ、290d,291d…レバー、290e、291e…290d,291dの旋回軸、293…290および291の接合手段、297a,297b…Y係止ローラ、301…コンベヤ装置、302…コンベヤ軌道、303…部品搬送台車、304…ワークステーション、307…モノレール、310…プロファイル、311…ばね式ローラ、396…ローラ対、396a,396b…Z係止ローラ、397…ローラ対、397a,397b…Y係止ローラ、401…ロックピン装置、402…ソード、402a,402b…裏面、403…ロックピン、404…シース、405,406…回転体、D405,D406…回転体の回転軸、S404…係止位置、451…連結装置、452…連結片、454…中間連結装置