(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】放射線放出装置
(51)【国際特許分類】
H01J 35/10 20060101AFI20220928BHJP
H01J 35/16 20060101ALI20220928BHJP
H01J 35/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
H01J35/10 N
H01J35/10 B
H01J35/16
H01J35/00 A
(21)【出願番号】P 2020511965
(86)(22)【出願日】2017-08-31
(86)【国際出願番号】 CN2017099940
(87)【国際公開番号】W WO2019041233
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】514190349
【氏名又は名称】シャンハイ・ユナイテッド・イメージング・ヘルスケア・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】リー ドゥン
(72)【発明者】
【氏名】チャイ ミンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ファン シャオ
(72)【発明者】
【氏名】バオ グァンチョン
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-069153(JP,U)
【文献】特開2008-124039(JP,A)
【文献】米国特許第06778635(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 35/10
H01J 35/16
H01J 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ビームを放出するように構成されたカソードと、
シャフト上で回転するように構成されたアノードであって、前記アノードは、前記電子ビームを受信するように位置される、アノードと、
前記アノードを回転駆動するように構成されたロータであって、前記ロータは、前記シャフトに機械的に接続される、ロータと、
少なくとも1つのベアリングを介して前記シャフトを支持するように構成されたスリーブと、
前記カソード、前記アノード、および前記ロータを囲むように構成されたエンクロージャであって、前記エンクロージャは、前記スリーブに接続され、前記スリーブの少なくとも一部は、前記エンクロージャ外部に存在する、エンクロージャと、
を備え、
前記エンクロージャと前記スリーブの両方は、第1の冷却媒体に浸され、
前記少なくとも1つのベアリングは、前記第1の冷却媒体と接触する前記スリーブを通じて前記第1の冷却媒体に熱を伝達することができる、放射線放出装置。
【請求項2】
円錐固定子と、
前記円錐固定子に取り付けられたコイルと、
をさらに備え、前記円錐固定子と前記コイルにより生成された磁界は、前記ロータを回転駆動させる、請求項1に記載の放射線放出装置。
【請求項3】
前記ロータは、前記アノードと前記少なくとも1つのベアリングとの間に存在する、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の放射線放出装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのベアリングは、2つのベアリングを含み、前記2つのベアリングの各々は、内輪と外輪を有し
、前記内輪と前記外輪との間の間隔は、調整リングを介して調整可能である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の放射線放出装置。
【請求項5】
前記調整リングの第1の側面は、前記スリーブに取り付けられ
る、請求項4に記載の放射線放出装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのベアリングは、バッフルリングに当接し、前記バッフルリングの少なくとも一部は、前記スリーブと係合され、前記シャフトの軸方向に沿った前記少なくとも
1つのベアリングの動きが制限される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の放射線放出装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのベアリングは、前記少なくとも1つのベアリングの一方側でスプリングと当接し、前記スプリングは、前記シャフトの軸方向に沿って前記少なくとも
1つのベアリングに圧縮応力を与える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の放射線放出装置。
【請求項8】
前記シャフトは、中空コアを有し、前記中空コアは、第1のチャネルと第2のチャネルを収納し、前記第1のチャネルは、前記第2のチャネルと流体連通し、
第2の冷却媒体が前記第1のチャネルに流入し、前記第2のチャネルから流出するとき、前記第2の冷却媒体が前記シャフトと熱連通している、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の放射線放出装置。
【請求項9】
前記ロータは、少なくとも1つのフランジを介して前記シャフトに接続され、前記少なくとも1つのフランジは、空洞を有し、前記第2の冷却媒体の少なくとも一部は、前記空洞を介して流れる、請求項8に記載の放射線放出装置。
【請求項10】
前記空洞は、前記第1のチャネルと前記第2のチャネルから分離している、請求項9に記載の放射線放出装置。
【請求項11】
前記中空コアは、前記第1のチャネルと前記第2のチャネルを形成する少なくとも1つのパイプを収納する、請求項8に記載の放射線放出装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのパイプは、第1のチューブを含み、前記第1のチューブは、保持器に取り付けられ、前記保持器は、前記スリーブに取り付けられる、請求項11に記載の放射線放出装置。
【請求項13】
前記エンクロージャは、第1の波状面を介して第1の冷却媒体と熱連通している、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の放射線放出装置。
【請求項14】
前記スリーブは、第2の波状面を介して前記第1の冷却媒体と熱連通している、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の放射線放出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は一般に放射線放出装置に関し、特に、熱放散構造を有したCTデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線学では、電子は 、カソードから生成され、アノードに向かって加速することができる。放射線(例えば、X線)は、電子がアノードに衝突すると、生成することができる。アノードは、ベアリングを介してスリーブに取り付けられたシャフト上で回転することができる。大量の熱が、例えば、シャフト、または熱放射を介してアノードからベアリングへ伝達される場合がある。過度の熱は、ベアリングに悪影響を及ぼし、ベアリングの寿命を縮める可能性がある。それゆえ、ベアリングから熱を放散する効率的な方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
開示した主題のいくつかの実施形態に従って、熱放散構造を有する放射線放出装置が提供される。この開示の一態様は、放射線放出装置に関する。放射線放出装置は、電子ビームを放射するように構成されたカソードと、シャフト上で回転するように構成されたアノードを含むことができる。アノードは、電子ビームを受信するように配置することができる。放射線放出装置はさらに、アノードを回転駆動するように構成されたロータを含むことができる。ロータは、機械的にシャフトに接続することができる。放射線放出装置は、さらに、少なくとも1つのベアリングを介してシャフトをサポートするように構成されたスリーブを含むことができる。エンクロージャは、カソード、アノード、およびロータを含む(enclose)ことができる。エンクロージャは、スリーブに接続することができる。スリーブの少なくとも一部は、エンクロージャ外部に存在(reside)し得る。
【0004】
いくつかの実施形態において、エンクロージャとスリーブは、第1の冷却媒体に浸すことができる。いくつかの実施形態において、放射線放出装置は、円錐ステータ(conical stator)、および円錐ステータに取り付けられたコイルを含むことができる。円錐ステータとコイルにより生成された磁界は、ロータを回転させるように駆動することができる。いくつかの実施形態において、ロータは、アノードと少なくとも1つのベアリングとの間に存在し得る。いくつかの実施形態において、ロータは、少なくとも1つのフランジを介してシャフトに接続することができ、少なくとも1つのフランジの1つまたは複数は、アノードをサポートするように構成することができる。いくつかの実施形態において、エンクロージャは、溶接によりスリーブに接続することができる。
【0005】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのベアリングは、2つのベアリングを含むことができる。2つのベアリングの各々は、内輪と外輪を有することができる。内輪(inner race)は、内部リング(inner ring)に接続することができ、外輪(outer race)は、外部リング(outer ring)に接続することができる。内輪と外輪との間の間隔は、調整リングを介して調節可能である。いくつかの実施形態において、調整リングの第1の側面は、スリーブに取り付けられ、調整リングの第2の側面は、内部リングに取り付けることができる。
【0006】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのベアリングはバッフルリング(baffle ring)に接してもよく、バッフルリングの少なくとも一部はスリーブと係合して、シャフトの軸方向に沿った少なくとも1つのベアリングの動きを制限することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのベアリングは、少なくとも1つのベアリングの片側でスプリングに当接することができる。スプリングは、シャフトの軸方向に沿って少なくともベアリングに圧縮応力(a compressive stress)を与えることができる。いくつかの実施形態において、シャフトは、中空コア(hollow core)を有することができる。中空コアは、第1のチャネルと第2のチャネルを収容することができる。第1のチャネルは、第2のチャネルと流体連通(in fluid communication with)することができる。
【0007】
いくつかの実施形態において、第2の冷却媒体は、第1のチャネルに流入することができ、第2のチャネルから流出することができ、第2の冷却媒体は、シャフトと、熱連通(in thermal communication with)することができる。いくつかの実施形態において、第2の冷却媒体は、液体の状態またはガスの状態であり得る。いくつかの実施形態において、ロータは、少なくとも1つのフランジを介してシャフトに接続することができる。少なくとも1つのフランジは空洞を有することができる。第2の冷却媒体の少なくとも一部は、空洞を介して流れることができる。
【0008】
いくつかの実施形態において、空洞は、第1のチャネルおよび第2のチャネルから絶縁することができる、独立チャネルを形成することができる。いくつかの実施形態において、空洞コアは、第1のチャネルと第2のチャネルを形成する少なくとも1つのパイプを収容することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのパイプは、第1のチューブを含むことができる。第1のチューブは、保持器に取り付けることができる。保持器は、スリーブに取り付けることができる。いくつかの実施形態において、保持器は、十字型の形状を有することができる。いくつかの実施形態において、エンクロージャは、第1の波状面を介して第1の冷却媒体と熱連通することができる。
【0009】
いくつかの実施形態において、スリーブは、第2の波状面を介して第1の冷却媒体と熱連通することができる。追加の特徴は、一部は、以下の説明に記載され、一部は、以下および添付の図面を検討することにより当業者に明らかになるか、または実施例の生産または操作により習得することができる。本開示の特徴は、以下で議論される詳細な例に記載される方法論、手段および組み合わせの様々な態様の実践または使用によって、実現および達成され得る。この開示はさらに、例示実施形態の観点から記載される。例示実施形態は、図面を参照して詳細に記載される。これらの実施形態は、非限定的な例であり、図面のいくつかの図を通して、同様の参照番号は同様の構造を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、この開示のいくつかの実施形態に従う例示放射線放出装置の断面図である。
【
図2】
図2は、この開示のいくつかの実施形態に従う、放射線放出装置の一部の拡大図である。
【
図3】
図3は、この開示のいくつかの実施形態に従う放射線放出装置の一部の拡大図である。
【
図4】
図4は、この開示のいくつかの実施形態に従う例示放射線放出装置の断面図である。
【
図5】
図5は、この開示のいくつかの実施形態に従う放射線放出装置の一部の拡大図である。
【
図6】
図6は、この開示のいくつかの実施形態に従うシャフトの軸方向に沿った放射線放出装置の一部の断面図である。
【
図7】
図7は、この開示のいくつかの実施形態に従うシャフトの内側の例示流体連通と放射線放出装置の一部の断面図である。
【
図8】
図8は、この開示のいくつかの実施形態に従う例示放射線放出装置の斜視図を説明する。
【
図9】
図9は、この開示のいくつかの実施形態に従うエンクロージャの例示外面の断面図である。
【
図10】
図10は、この開示のいくつかの実施形態に従うスリーブの例示外面の断面を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な記述において、関連する開示の完全な理解を提供するために、例示として、多くの特定の詳細を記載する。しかしながら、この開示は、そのような詳細が無くても実施可能であることは当業者には明白である。他のインスタンスにおいて、よく知られた方法、手続、システム、コンポーネントおよび/または回路は、この開示の態様を不必要にあいまいにすることを避けるため、詳細を伴わない、相対的に高いレベルで記載した。開示した実施形態に対する種々の変更は、当業者には容易に明白であり、ここに定義された一般的原理は、この開示の精神と範囲を逸脱することなく他の実施形態およびアプリケーションに適用することができる。したがって、この開示は図示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【0012】
本明細書で使用される「システム」、「ユニット」、「モジュール」、および/または「ブロック」という用語は、異なるレベルの異なるコンポーネント、要素、部品、セクションまたはアセンブリを昇順で(in ascending order) 区別する1つの方法であることが理解されよう。ただし、同じ目的を達成できる場合、用語は別の表現によって置き換えることができる。
【0013】
ユニット、モジュール、またはブロックが別のユニット、モジュール、またはブロックに「オン」、「接続」、または「接続」されていると呼ばれる場合、他のユニット、モジュール、またはブロックに直接接続、接続、または結合されることが理解される コンテキストで明確に示されていない限り、ユニット、モジュール、またはブロック、または介在するユニット、モジュール、またはブロックが存在する(present)場合があることが理解される。
本明細書で使用される「および/または」という用語は、列挙された関連するアイテムの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0014】
本明細書で使用される用語は、特定の例および実施形態を記載する目的のためにのみ使用され、限定することを意図していない。本明細書で使用するように、単一の形態「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、コンテキストが明瞭にそうでないことを示していない限り、複数形も含むことを意図することができる。本開示で使用される場合、用語「含む」および/または「含む」は、整数、デバイス、挙動、規定された機能、ステップ、要素、操作、および/またはコンポーネントの存在を指定することがさらに理解されるだろうが、 1つまたは複数の他の整数、デバイス、動作、機能、ステップ、要素、操作、コンポーネント、および/またはグループの存在または追加を排除しない。
【0015】
図1は、この開示のいくつかの実施形態に従う例示放射線放出装置の断面図である。以下に記載する放射線放出装置は、単に例示目的のためだけに提供され、この開示の範囲を限定することを意図したものではないことに留意する必要がある。放射線放出装置は、ヘルスケア産業(例えば、医療応用)、セキュリティアプリケーション、産業アプリケーション等のような種々の分野にアプリケーションを見出すことができる。例えば、放射線放出装置100は、例えば、欠陥検出、セキュリティスキャン、故障分析、計測、アセンブリ分析、ボイド分析(void analysis)、壁厚分析など、またはその組み合わせを含むコンポーネントの内部検査に使用されるX線を生成し得る。放射線放出装置100は、コンピュータ断層撮影(CT)システム、デジタル放射線撮影(DR)システム、計算放射線撮影(CR)システム、マルチモーダルシステム(multi-modal system)など、またはそれらの組み合わせで実施することができる。例示的なマルチモダリティシステムには、コンピュータ断層撮影-ポジトロン放出断層撮影(CT-PET)スキャナ、コンピュータ断層撮影-磁気共鳴画像(CT-MRI)スキャナなどが含まれ得る。放射線放出装置100は、放射線ビームを生成し、オブジェクト(例えば、人体)に向けて放射することができる。放射線ビームは、光子線を含むことができる。光子線は、X線、γ線、紫外線、レーザ、等またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0016】
放射線放出装置100は、スリーブ110、シャフト112、少なくとも1つのベアリング114、円錐固定子116、ロータフランジ118、ロータ120、アノード122、エンクロージャ124、およびカソード126を含むことができる。アノード122は、カソード126に面するように配置することができる。カソード126に電力が供給されると、カソード126から電子が生成され、カソード126とアノード122との間の電界の影響下でアノード122に向かって加速され得る。電子がアノード122に衝突すると、アノード122は、X線を放射することができる。アノード122は、X線を生成している間軸の周りを回転することができるので、アノード122に衝突する電子により生じた熱が、アノード122の異なる領域に分散して局部加熱を低減または回避することができる。図示するように、アノード122は、ロータフランジ118上に取り付けることができる。ロータフランジ118は、機械的にロータ120に接続することができる。ロータ120は、円錐固定子116により回転するように駆動することができる。ロータ120の回転は、さらにアノード122を回転させることができる。アノード122、ロータフランジ118、およびロータ120は、シャフト112により支持することができる。シャフト112は、例えば、シャフトフランジを介してロータフランジ118に接続することができる。いくつかの実施形態において、シャフトフランジとロータフランジ118は、たとえばボルト構造により一緒に固定することができる。
【0017】
スリーブ110は、シャフト112を保持することができる。スリーブ110は、シャフト112の軸方向に沿ってシャフト112の動きを制限することができ、シャフト112をその軸の周りに回転可能にする。さらに、スリーブ110は、例えば、少なくとも1つのベアリング114を介してシャフト112の軸方向に垂直な方向に沿ったシャフト112の動きを制限することができる。少なくとも1つのベアリング114、シャフト112、およびスリーブ110の間の接続に関する詳細は、この開示のどこかに見出すことができる。例えば、
図4とその説明を参照することができる。
【0018】
エンクロージャ124は、ロータフランジ118、ロータ120、アノード122、およびカソード126を含むことができる。エンクロージャ124は、エンクロージャ124内部の真空状態を維持するために封止または気密にすることができる。いくつかの実施形態において、エンクロージャ124は、ガラス、セラミック、陶性合金(cermet)等から作ることができる。
【0019】
エンクロージャ124とスリーブ110は、異なる方法で構造的完全性(structural integrity)を形成することができる。例えば、エンクロージャ124は、溶接、機械的エレメント等、またはそれらの組み合わせによりスリーブ110に接続することができる。例示的な溶接方法には、シールド金属アーク溶接(SMAW)、金属活性ガス溶接(MAGW)、金属不活性ガス溶接(MIGW)、ガスタングステンアーク溶接(GTAW)、抵抗溶接など、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。例示機械的エレメントは、ボルト、ネジ、ナット、ガスケット、気密性接着剤、気密性粘着テープ等を含むことができる。いくつかの実施形態において、スリーブ110の第1の端部と、エンクロージャ124の一方の端部は、一緒に溶接することができる。第1の端部に対向するスリーブ110の第2の端部は、エンクロージャ124外部に存在することができる。
【0020】
エンクロージャ124とスリーブ110の両方 は、第1の冷却媒体中に浸すことができる。第1の冷却媒体は、ガス媒体、液体媒体等を含むことができる。例示ガス媒体は、空気、不活性ガス等、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。例示液体媒体は、水、ポリエステル(POE)、ポリアルキレングリコール(PAG)等、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。第1の冷却媒体は、エンクロージャ124とスリーブ110に熱連通することができる。第1の冷却媒体とエンクロージャ124との間の熱連通は、エンクロージャ124とスリーブ110からの熱の放散を容易にすることができる。それにより、エンクロージャ124及び/又はスリーブ110内部のコンポーネントは、過度に高い温度から保護することができる。例えば、少なくとも1つのベアリング114は、
図2に示すようにスリーブ110を介して第1の冷却媒体に熱を伝達することができる。いくつかの実施形態において、第1の冷却媒体とエンクロージャ124および/またはスリーブ110との間の熱伝導の効率は、少なくとも部分的に、エンクロージャ124および/またはスリーブ110の構造に依存することができる。例えば、適切に設計されたエンクロージャ124またはスリーブ110の外面は、第1の冷却媒体とエンクロージャ124及び/又はスリーブ110との間の熱伝導の効率を改善することができる。エンクロージャ124とスリーブ110の例示構造は、例えば、
図9および10において説明することができる。
【0021】
図1に示すように、ロータ120は、アノードと、スリーブ110内に囲まれたコンポーネント(例えば、少なくとも1つのベアリング114)との間に存在することができる。ロータ120は、アノードからスリーブ110またはスリーブ110内に囲われたコンポーネントへの熱放散の少なくとも一部をブロックし、スリーブ110またはスリーブ110に囲まれたコンポーネントの温度を低減するように構成することができる。例えば、
図3に説明されたロータ120の例示構成を参照。円錐固定子116は、ロータ120の位置に磁界を提供することにより、ロータ120を回転させるように駆動することができる。円錐固定子116は、円錐形上を有することができる。円錐固定子116に取り付けられたコイルは、シャフト112の軸方向と斜角を形成する磁界を生成することができる。ここに使用されるように、斜角は、0度から90度の範囲、または10度から80度の範囲、または20度から60度の範囲、または30度から50度の範囲であり得る。円錐固定子116は、エンクロージャ124の外面、またはエンクロージャ124に固定された保持器に取り付けることができる。
【0022】
この記述は説明することを意図したものであり、この開示の範囲を限定することを意図したものではない。多くの代替、修正、および変形が当業者には明らかであろう。ここに記載した例示実施形態の特徴、構造、方法、および他の特性は、種々の方法で組み合わせることができ、さらなる及び/または代替例示実施形態を取得するために、種々の方法で組み合わせることができる。例えば、ロータフランジ118は、放射線放出装置100から取り除くことができる。シャフト112とロータ120は、一緒に溶接するか、又は機械的エレメント(例えば、ボルト、ネジ、ナット、ガスケット、気密接着剤、および気密粘着テープ)により一緒に固定することができる。他の例として、円錐固定子116は、ロータ120を回転することができる他の固定子を交換することができる。しかしながら、これらの変形および修正は、この開示の範囲を逸脱しない。
【0023】
図2は、この開示のいくつかの実施形態に従う、放射線放出装置100の一部の拡大図である。少なくとも一部のベアリング114は、スリーブ110とシャフト112との間に存在することができる。スリーブ110は、第1の冷却媒体に浸すことができる。第1の冷却媒体は、スリーブ110の外面を通してスリーブ110と熱を交換する液体状態または気体状態であり得る。X線を生成するために、放射線放出装置100に電力が供給されると、例えば、シャフト112又は熱放散を介して、大量の熱を、アノード122から少なくとも1つのベアリング114に伝達することができる。さらに、シャフト112の高速回転は、少なくとも1つのベアリング114(例えば、ベアリングボールとボールトラックとの間で)内に、大きな摩擦をもたらす可能性がある。大きな摩擦は、ベアリング114に余分な熱を生じる可能性がある。それゆえ、少なくとも1つのベアリング114は、第1の冷却媒体の温度よりも高い温度を有する可能性がある。、説明の目的のために、熱は、
図2の矢印202および204に示す方向に沿って、少なくとも1つのベアリング14から第1の冷却媒体へ伝達することができる。
【0024】
この記述は、説明することを意図したものであり、この開示の範囲を限定することを意図したものではない。多くの代替、修正および変形が当業者には明らかである。ここに記載した例示実施形態の特徴、構造、及び他の特性は、種々の方法で組み合わせることにより、さらなるおよび/または代替例示実施形態を取得することができる。例えば、円錐固定子116は、ロータ120を回転させることができる他の固定子と交換することができる。しかしながら、これらの変形および修正は、この開示の範囲を逸脱しない。
【0025】
図3は、この開示のいくつかの実施形態に従う、放射線放出装置100の一部の拡大図である。
図3に示すように、ロータ120は、アノード122と少なくとも一部のベアリング114との間に存在することができる。アノード122と対向するロータ120の面は、平面または凹面であり得る。アノード122が、衝突する電子によって加熱されるとき、アノード122からの熱放射の少なくとも一部をブロックすることができる。説明の目的のために、アノード122からの熱放散の方向は、
図3に示す矢印302と304により示される。
【0026】
この記述は、説明することを意図したものであり、この開示の範囲を限定することを意図したものではない。多くの代替、修正および変形は、当業者には明白である。ここに記載した例示実施形態の特徴、構造、方法、および他の特性は、種々の方法で組み合わせることができ、さらなるおよび/または代替の例示実施形態を取得することができる。たとえば、1つまたは複数のエレメントが、アノード122と少なくとも1つのベアリング114との間に存在することができ、アノード122からの熱放散をさらにブロックすることができる。例えば、耐熱パッドを、アノード122と少なくとも1つのベアリング114との間に存在させることができる。しかしながら、これらの変形および修正は、この開示の範囲を逸脱しない。
【0027】
図4は、この開示のいくつかの実施形態に従う、例示放射線放出装置200の断面図である。放射線放出装置200(例えば、X線管)は、アノード、230、アノード230を支持するロータフランジ232、ロータフランジ232に機械的に接続されたシャフト220、少なくとも1つのベアリング234、および少なくとも1つのベアリング234を支持するように構成されたスリーブ236を含むことができる。アノード230は、
図1に示すアノード122と同様であり、ここでは、説明を省略する。シャフト220は、ロータフランジ232に機械的に接続されたショルダ220-1を有することができる。ショルダ2201-は、シャフト220の端部(例えば、
図4に説明されるシャフト220の左端)に存在する余分の厚みにより形成することができる。いくつかの実施形態において、ロータフランジ232は、シャフト220のショルダ220-1を受け入れるように構成された凹型キャビティ(recessed cavity)を有することができる。凹型キャビティがショルダ220-1を受け入れると、ロータフランジ232とシャフト220は、ボルト構造により一緒に固定することができる。いくつかの実施形態において、貫通孔は、シャフト220のショルダ220-1とロータフランジ232を通過させることができる。ロータフランジ232とシャフト220は、1つまたは複数の貫通孔に介挿される少なくとも1つのネジにより一緒に固定することができる。
【0028】
少なくとも1つの熱絶縁パッド222は、ロータフランジ232と、シャフト220のショルダ2201-との間に存在することができる。少なくとも1つの熱絶縁パッド222は、ロータフランジ232がアノード230により加熱されると、 ロータフランジ232とシャフト220との間の熱流を妨げることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの熱絶縁パッド222は、リング形状を有することができ、シャフト220の周りにセットすることができる。少なくとも1つの熱絶縁パッド222は、例えば、ファイバグラス、セルロース、岩綿、発泡スチロール、ウレタンフォーム、バーミキュライト、パーライト、コルク等から作ることができる。
【0029】
シャフト220は、少なくとも1つのベアリング234を介してスリーブ236により支持することができる。少なくとも1つのベアリング234は、シャフト220の周りにセットしてシャフト220を保持することができる。いくつかの実施形態において、シャフト220は、2以上のベアリングにより支持することができる。2以上のベアリングは、互いに離間して配置して、シャフト220の異なるパーツを保持することができ、シャフト220の高速回転により生じた応力を共有することができる。
【0030】
少なくとも1つのベアリング234の各々は、内輪、外輪、および内輪と外輪との間に位置するベアリングボールを有することができる。内輪は、シャフトの軸方向に沿って延伸する内輪224に固定して接続することができる。外輪は、シャフト220の軸方向に沿って延伸する外輪228に固定して接続することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのベアリング234と内部リング224の各々の内輪は、シャフト220と共に回転することができる。少なくとも1つのベアリング234の外輪は、スリーブ236に取り付けてベアリング234の他のパーツを支持することができる。
【0031】
調整リング216は、少なくとも1つのベアリング234の内輪と外輪との間の間隔を調整するように構成することができる。調整リング216の一方側は、スリーブ236に取り付けることができ、調整リング216の他方側は、内部リング226に取り付けることができる。いくつかの実施形態において、調整リング216は、少なくとも1つのベアリング234の内輪と外輪との間の相対的に大きな間隔を支持する(sustain)ことができる。従って、ベアリング234の温度が増加すると、相対的に大きな間隔によって、ベアリングボールの膨張により動けなくなることを防止することができる。
【0032】
ベアリング234は、ベアリング234の一方側でスプリング214に当接することができる。スプリング214は、シャフト220の軸方向に沿ってベアリング234に圧縮応力を与えることができる。さらに、ベアリング234は、ベアリング234の他方の側でバッフルリング218に当接することができる。バッフルリング218の少なくとも一部は、スリーブ236と係合し、シャフト220の軸方向に沿ったベアリングの動きを制限または防止することができる。
【0033】
シャフト220は、中空コアを有することができる。中空コアは、第1のパイプ210と第2のパイプ226を収納することができる。第1のパイプ210は、保持器212を介してスリーブ236に取り付けることができる。例えば、第1のパイプ210は、保持器212に溶接または結合することができ、保持器212は、次に、スリーブ236の端部(例えば、
図4に説明されるスリーブ236の右端)に溶接または結合することができる。第2のパイプ226は、スリーブ236に直接溶接または結合することができる。
図4に示すように、第2のパイプ226がスリーブ236に溶接または結合されるポイントは、シャフト220の右端に近接して位置することができる。いくつかの実施形態において、第2のパイプ226の側壁は、シャフト220の半径方向に沿ったシャフト220の内面からある距離だけ離間することができる。第2のパイプ226の側壁とシャフト220の内面との間の間隔は、真空状態を維持することができ、または空気を充填することができる。
【0034】
第1のパイプ210の少なくとも一部は、第2のパイプ226内部に位置することができる。第1のパイプ210と第2のパイプ26は、シャフト220の中空コア内部に複数のチャネルを形成することができる。例えば、第1のパイプ210内部の空間は、第1のチャネルを形成することができ、第1のパイプ210と第2のパイプ226との間の間隔は、第2のチャネルを形成することができる。第1のチャネルは、第2のチャネルと流体連通(例えば、液体またはガス)するので、第2の冷却媒体は、第1のチャネルに流入し、第2のチャネルから流出し、または、第2のチャネルに流入し、第1のチャネルから流出することができる。第1のチャネルと第2のチャネルとの間の例示流体連通は、例えば、
図7に見出すことができる。
【0035】
第2の冷却媒体は液体状態またはガス状態であり、第2のパイプ226、および第2のパイプ226とシャフト220(もしあれば)の内面との間の間隔を介して熱をシャフト220と交換することができる。例示第2冷却媒体は、空気、不活性ガス、水、ポリエステル(POE)、ポリアルキレングリコール(PAG)等、またはそれらの組み合わせを含むことができる。チャネルのより複雑な構成は、より多くのパイプをシャフト220の中空コアに介挿することにより、またはストレートの中ーブ形状よりはむしろ、特別に設計された形状または構成を有するパイプを用いて達成することができる。例えば、迷路のようなチャネルを適用することができる。第2の冷却媒体は、第2の冷却媒体のための少なくとも1つの入り口と少なくとも1つの出口を介して迷路のようなチャネルから流入および流出することができる。
【0036】
ロータフランジ232は、第2のパイプ226の少なくとも一部を収納する空洞を有することができる。従って、第2の冷却媒体の少なくとも一部は、空洞を介して流れることができ、ロータフランジ232から少なくとも多少の熱を取り去ることができる。ロータフランジ232と、ロータフランジ232の空洞を介して流れる第2の冷却媒体との間の熱交換は、ロータフランジ232を過熱から保護することができる。
【0037】
スリーブ236は、
図1に関連して説明した第1の冷却媒体に浸すことができる。第1の冷却媒体は、第2の冷却媒体と同じであってもよいし、異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第1の冷却媒体と第2の冷却媒体は、同じストレージタンクに合流することができる。いくつかの実施形態において、第1の冷却媒体と第2の冷却媒体は、同じまたは異なるポンプでくみ上げることができる。
【0038】
この記述は、説明することを意図しており、この開示の範囲を制限することを意図していない。多くの代替、修正、変形は当業者には明らかであろう。ここに記載した例示実施形態の特徴、構造、方法および他の特性は種々の方法で組み合わせて、さらなる、および/または代替例示実施形態を取得することができる。例えば、ロータフランジ118の空洞は、第1のチャネルと第2のチャネルから絶縁された独立チャネルを形成することができる。熱は、ロータフランジ118から、独立チャネルに流入し、独立チャネルから流出する冷却媒体に伝達することができる。他の例として、放射線放出装置200は、
図1に関連して説明したロータ120と同様なロータを含むことができる。しかしながら、これらの変形および修正は、この開示の範囲を逸脱しない。
【0039】
図5は、この開示のいくつかの実施形態に従う放射線放出装置200の一部の拡大図である。第1のパイプ210の右端は、スリーブ236外部に存在することができる。第1のパイプ210は、保持器212により保持することができる。保持器212は、第1の部分212-1と第2の部分212-2を有することができる。第1の部分212-1は、第1のパイプ210の軸方向に垂直であり得、第2の部分212-2は、第1のパイプの軸方向に平行であり得る。第1の部分212-1は、例えば、溶接、1つまたは複数の機械的エレメント(例えば、ボルト、ネジ、ナット、ガスケット、気密接着剤、気密接着テープ等)、等またはそれらの組みあわせを介してスリーブ236の右端に取り付けるか結合することができる。第2の部分212-2は、例えば、溶接、1つまたは複数の機械的エレメント(例えば、ボルト、ネジ、ナット、ガスケット、気密接着剤、気密接着テープ等)等、またはそれらの組み合わせにより、第2のパイプ226に取り付けるか、結合することができる。第2のパイプ226は、次にスリーブ236に溶接または結合することができる。コンポーネント510は、第2のパイプ226とスリーブ236との間の接続(例えば、溶接、結合等)を容易にするために、スリーブ236の一部を除去することにより形成されたギャップ(例えば、溝)であり得る。
【0040】
この記述は、説明することを意図しており、この開示の範囲を制限することを意図していない。多くの代替、修正、変形は当業者には明白である。ここに記載した例示実施形態の特徴、構造、方法、および特性は、種々の方法で組み合わせて、さらなる、および/または代替例示実施形態を取得することができる。例えば、第1の部分212-1と第2の部分212-2とにより形成された角度は、90度と異なる値であり得る。しかしながら、これらの変形および修正は、この開示の範囲を逸脱しない。
【0041】
図6は、この開示のいくつかの実施形態に従うシャフト220の軸方向に沿った放射線放出装置200の一部の側面図である。保持器212の第1の部分212-1は、十字型の形状を有することができる。十字型内部のリングは、第1のパイプ210の側面図を表すことができる。十字型外部の異なるリングは、保持器の第2の部分212-2、第2のパイプ226、コンポーネント510、及びスリーブ236の側面図を表すことができる。第2のパイプ226は、第1のパイプ210よりも大きい直径を有する。いくつかの実施形態において、第2のパイプ226の直径は、第1のパイプ210の直径の1.5倍、2倍、2.5倍、3倍等である。
【0042】
この記述は、説明することを意図しており、この開示の範囲を制限することを意図していない。多くの代替、修正、変形は、当業者には明らかである。ここに記載した例示実施形態の特徴、構造、方法、および特性は、種々の方法で結合し、さらなるおよび/または代替例示実施形態を取得することができる。例えば、保持器212は、任意の他の形状、例えば、星形形状、雪の結晶等を有することができる。しかしながら、これらの変形、および修正は、この開示の範囲を逸脱していない。
【0043】
図7は、この開示のいくつかの実施形態に従う、放射線放出装置の一部とシャフト220内部の例示流体連通の断面図である。
図7の矢印に示すように、冷却媒体(例えば、第2の冷却媒体)は、第1のパイプ210(すなわち、
図4に関連して説明した第1のチャネル)に流入し、第2のパイプ226(すなわち、
図4に関連して説明した第2のチャネル)から流出することができる。いくつかの実施形態において、第1のパイプ210の右端は、ポンプに接続することができる。ポンプは、連続的に冷却媒体を放射線放出装置200の動作の期間、第1のパイプ210に押し込むことができる。冷却媒体の流動率は、例えば、放射線放出装置200のコンポーネント(例えば、アノード、前記少なくとも1つのベアリング234)の温度に従って、変化することができるポンプのパワーにより決定することができる。
【0044】
この記載は、説明することを意図しており、この開示の範囲を制限することを意図していない。多くの代替、変更、変形は当業者には明らかであろう。ここに記載した例示実施形態の特徴、構造、方法、および他の特性は、種々の方法で、組み合わせて、さらなるおよび/または代替例示実施形態を取得することができる。例えば、冷却場体の流れの方向は、逆にすることができる。他の例として、チャネルは、2以上の入り口または出口と流体連通することができる。しかしながら、これらの変形および変更は、この開示の範囲を逸脱していない。
【0045】
図8は、この開示のいくつかの実施形態に従う、例示放射線放出装置800の斜視図を説明する。図示するように、放射線放出装置800は、複数のコンポーネント(例えば、ロータフランジ118、ロータ120、アノード122、カソード126等)を収納するエンクロージャ810および放射線放出装置800の他のコンポーネント(例えば、シャフト112、少なくともベアリング114等)を収納するスリーブ812を含むことができる。エンクロージャ810とスリーブ812は、この開示のどこかで記載したように溶接または結合することができる。エンクロージャ810とスリーブ812とにより形成された構造的完全性は、放射線放出装置800の動作中、冷却媒体に浸すことができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、
図9に示すようにエンクロージャ810の外面は、第1の波状面を有することができる。第1の波状面は、規則的にまたは不規則にエンクロージャ810の周りに分散させることができる。エンクロージャ810は、第1の波状面を介して冷却媒体と熱連通することができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、
図10に説明するようにスリーブ812の外面は、第2の波状面(例えば、意図した面)を有することができる。第2の波状面は、規則的または不規則にスリーブ812の周りに分散することができる。第1の波状面または第2の波状面は、対応する平滑面(例えば、環状面)よりも大きい面を有することができ、従って、放射線放出装置800と冷却媒体との間の熱伝導の効率を改善することができる。
【0048】
この記載は、説明することを意図しており、この開示の範囲を制限することを意図したものではない。多くの代替、変更、および変形は当業者には明らかであろう。ここに記載した例示実施形態の特徴、構造、方法および他の特性は、種々の方法で結合して、さらなる、および/または代替例示実施形態を取得することができる。例えば、エンクロージャ810の外面またはスリーブ812は、任意の規則的または不規則な形状を有することができる。しかしながら、これらの変形および変更は、この開示の範囲を逸脱しない。
【0049】
この記述は、説明することを意図したものであり、この開示の範囲を制限することを意図したものではない。多くの代替、変更及び変形は、当業者には明らかであろう。ここに記載した例示実施形態の特徴、構造、方法および特性は、種々の方法で組み合わせて、さらなるおよび/または代替例示実施形態を取得することができる。例えば、ピクセルの3つ以上のグループは、同じ信号送信ボードに接続することができる。しかしながら、これらの変形及び変更は、この開示の範囲を逸脱しない。
【0050】
上述の実施形態の記述は、この開示を理解する目的のために提供され、この開示の範囲を制限することを意図していない。当業者には、種々の変形および変更が、この開示の観点から行うことができる。しかしながら、これらの変形および修正は、この開示の範囲から逸脱しない。
【0051】
このように基本概念を説明してきたが、この詳細な開示を読んだ後、当業者には、前述の詳細な開示は単なる例として提示されることを意図し、限定するものではないことは、当業者には、容易に明白であろう。本明細書で明示的に述べられていないが、様々な変更、改善、および修正が発生する可能性があり、それらは当業者に意図されている。これらの変更、改善、および修正は、本開示によって示唆されることを意図しており、本開示の例示的な実施形態の精神および範囲内にある。
【0052】
さらに、本開示の実施形態を説明するために特定の用語が使用されてきた。例えば、「一実施形態」、「実施形態」、および/または「いくつかの実施形態」という用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「実施形態」または「一実施形態」または「代替実施形態」への2つ以上の言及は、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているわけではないことを強調し、理解すべきである。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、本開示の1つ以上の実施形態において適切であるように組み合わされてもよい。
【0053】
さらに、本開示の態様は、本明細書において、新規かつ有用なプロセス、機械、製造、または組成物またはその新しい有用な改善を含む、いくつかの特許性のあるクラスまたは文脈のいずれかで例示および説明され得ることを理解されたい。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェア、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または本明細書で一般に「ブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「コンポーネント」、または「システム」と呼ばれるソフトウェアとハードウェアの組み合わせでインプリメントすることができる。さらに、本開示の態様は、その上に具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する1つまたは複数のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形をとることができる。
【0054】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドで、またはフレーム波の一部として、その中に具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを伴う伝播データ信号を含むことができる。そのような伝搬信号は、電磁、光学など、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含む、さまざまな形のいずれかをとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するプログラムを通信、伝播、または転送できる任意のコンピュータ可読媒体であり得る。コンピュータ可読信号媒体で具現化されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、または前述のものの任意の適切な組み合わせを含む任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
【0055】
本開示の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VB.NET、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語 、「C]プログラミング言語、Visual Basic、Fortran2008、Perl、COBOL2002、PHP、ABAPのような一般的な手続型プログラミング言語、Python、Ruby、Groovyなどの動的プログラミング言語、または他のプログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミングの言語の任意の組み合わせで書くことができる。プログラムコードは、完全にユーザーのコンピュータ上で、一部はユーザーのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はユーザーのコンピュータ上で、一部はリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータまたはサーバー上で実行される。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザーのコンピュータに接続できます。または、外部コンピュータ(たとえば、インターネットサービスプロバイダーを用いたインターネット経由で)、クラウドコンピューティング環境で、またはサービスとしてのソフトウェア(SaaS)などのサービスとして提供される。
【0056】
さらに、処理要素、またはシーケンスの列挙された順序、または数字、文字、または他の指定の使用は、したがって、請求項で指定されている場合を除き、請求されたプロセスおよび方法を任意の順序に限定することを意図していない。上記の開示は、本開示の様々な有用な実施形態であると現在考えられているものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、その目的のためだけであり、添付の特許請求の範囲は、開示された実施形態に限定されないことを理解されたい。それどころか、開示された実施形態の精神および範囲内にある修正および同等の配置をカバーすることを意図している。たとえば、上記のさまざまなコンポーネントのインプリメンテーションは、ハードウェアデバイスで実現できるが、ソフトウェアのみのソリューション、たとえば既存のサーバーまたはモバイルデバイスへのインストールとしてインプリメントすることも可能である。
【0057】
同様に、本開示の実施形態の前述の説明では、1つまたは複数のさまざまな発明の実施形態の理解を支援するために開示を簡素化する目的で、さまざまな特徴が単一の実施形態、図、またはその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかし、この開示方法は、クレームされた主題が各クレームで明示的に列挙されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、発明の実施形態は、前述の単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にある。
【0058】
一部の実施形態では、本出願の特定の実施形態を説明および請求するために使用される量、特性などを表す数字は、「約」、「ほぼ」、または「実質的に」という用語によって変更される場合があると理解されるべきである。例えば、「約」、「およそ」、または「実質的に」は、特に明記しない限り、説明する値の±20%の変動を示す場合があります。したがって、いくつかの実施形態では、記載された説明および添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、特定の実施形態によって得られることが求められる所望の特性に応じて変わり得る近似値である。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、通常の丸め手法を適用することにより解釈されるべきである。本出願のいくつかの実施形態の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは、近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示される数値は、実行可能な限り正確に報告されている。
【0059】
本明細書で参照される特許、特許出願、特許出願の出版物、および記事、書籍、仕様書、出版物、文書、物などのその他の資料のそれぞれは、これに関連する遂行ファイルの履歴、本文書と矛盾または矛盾するもの、または現在または今後関連する請求の最も広い範囲に関して限定的な影響を与える可能性のあるものを除いて、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。例として、説明、定義、および/または組み込まれた資料のいずれかに関連する用語の使用と、本文書、説明、定義、および/または関連する用語の使用との間に矛盾または矛盾がある場合 本書での用語の使用が優先する。
【0060】
本明細書に開示される本出願の実施形態は、本出願の実施形態の原理を例示するものであることを理解されたい。採用され得る他の修正は、本出願の範囲内であり得る。したがって、限定ではなく例として、本願の実施形態の代替構成を本明細書の教示に従って利用することができる。したがって、本出願の実施形態は、示され説明されたものに正確に限定されない。
【0061】
本明細書に開示される本出願の実施形態は、本出願の実施形態の原理を例示するものであることを理解されたい。採用され得る他の変更は、この出願の範囲内であり得る。したがって、限定ではなく例として、本願の実施形態の代替構成を本明細書の教示に従って利用することができる。したがって、本出願の実施形態は、示され説明されたとおりのものに限定されない。