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特許7148615マルチウェイスイッチ、無線周波数システム及び無線通信装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】マルチウェイスイッチ、無線周波数システム及び無線通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/40 20150101AFI20220928BHJP
   H04B 1/00 20060101ALI20220928BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
H04B1/40
H04B1/00 250
H04M1/00 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020536136
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 CN2018112708
(87)【国際公開番号】W WO2019174251
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】201810220932.5
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】バイ、ジャン
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-209932(JP,A)
【文献】特開2010-118738(JP,A)
【文献】特開2017-163188(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103856226(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0105079(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101867402(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38-1/58
H04B 1/00
H04B 1/30
H04B 1/59
H04B 1/72
H04B 11/00-13/02
H04M 1/00
H04M 1/24-1/82
H04M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチウェイスイッチ10であって、
6つのTポート及び2個のPポートを含み、前記6つのTポートは2つの第一Tポートを含み、前記2つの第一Tポートのそれぞれは前記2個のPポートに同時に全部結合され、nは整数であり、
であり、
前記マルチウェイスイッチは、デュアル周波数シングル送信モードで動作可能な無線通信装置の無線周波数回路20及びアンテナシステム30に結合されて、前記無線通信装置のプリセット機能を実現するために用いられ、前記アンテナシステムは前記2個のPポートに対応する2個のアンテナを含み、前記プリセット機能は、前記2個のアンテナによってサウンディングリファレンス信号(SRS)を順番に送信する機能であり、
前記6つのTポートは4つの第二Tポートをさらに含み、
前記4つの第二Tポートのそれぞれは前記2個のPポートのうちの1つのPポートに結合され、前記4つの第二Tポートのうちの同じ周波数帯域のTポートは異なるPポートに結合され、
前記2個のPポートのそれぞれは、前記2個のアンテナのうちの対応するアンテナに結合され、
前記2つの第一Tポートは少なくとも送信機能をサポートし、
前記4つの第二Tポートは受信機能のみをサポートする、
ことを特徴とするマルチウェイスイッチ。
【請求項2】
前記無線周波数回路は論理的に2つの送信回路と2n+1個の受信回路を含み、
前記無線周波数回路は物理的に少なくとも1つの独立回路モジュールを含み、
前記少なくとも1つの独立回路モジュールは第一ポート及び第二ポートを含み、
前記第一ポートは2つの第一Tポートに1対1で対応して結合され、前記第二ポートは4つの第二Tポートに1対1で対応して結合される、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチウェイスイッチ。
【請求項3】
n=2であり、前記少なくとも1つの独立回路モジュールは1つの独立回路モジュールとして具現され、前記独立回路モジュールは、2の送信回路、4つの受信集積回路、2つの第一ポート及び4つの第二ポートを含み、
前記2つの送信回路は異なる周波数帯域で動作することができ、各送信回路は前記独立回路モジュールの2つの第一ポートのうちの1つの第一ポートに結合された送信ポートを有し、
各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ前記独立回路モジュールの4つの第二ポートのうちの1つの第二ポート結合された受信ポートを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のマルチウェイスイッチ。
【請求項4】
各送信回路はパワーアンプ(PA)、フィルタ及びパワーカプラを含み、前記PAは前記フィルタに結合され、前記フィルタは前記パワーカプラ結合され、前記パワーカプラは前記マルチウェイスイッチの1つの第一Tポートに結合され、前記PAは無線周波数トランシーバに結合され、
各受信回路は、低雑音増幅器(LNA)及びフィルタを含み、前記LNAは前記フィルタに結合され、前記フィルタは前記マルチウェイスイッチの1つの第二Tポートに結合されるために用いられ、前記LNAは無線周波数トランシーバに結合されるために用いられる、
ことを特徴とする請求項3に記載のマルチウェイスイッチ。
【請求項5】
n=2であり、前記少なくとも1つの独立回路モジュールは、第一独立回路モジュール及び第二独立回路モジュールを含む2つの独立回路モジュールとして具現され、
前記第一独立回路モジュールは2つの送信回路及び2つの第一ポートを含み、前記2つの送信回路は異なる周波数帯域で動作可能であり、各送信回路は前記第一独立回路モジュールの2つの第一ポートのうちの1つの第一ポートに結合された送信ポートを有し、
前記第二独立回路モジュールは4つの受信集積回路及び4つの第二ポートを含み、各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ前記第二独立回路モジュールの4つの第二ポートのうちの1つの第二ポートに結合された受信ポートを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のマルチウェイスイッチ。
【請求項6】
n=2であり、前記少なくとも1つの独立回路モジュールは、第一独立回路モジュール及び第二独立回路モジュールを含む2つの独立回路モジュールとして具現され、
前記第一独立回路モジュール及び前記第二独立回路モジュールは、両方とも1つの送信回路、2つの受信集積回路、1つの第一ポート及び2つの第二ポートを含み、
前記送信回路は、前記送信回路が属する独立回路モジュールの第一ポートに結合された送信ポートを有し、
各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ前記受信集積回路が属する独立回路モジュールの2つの第二ポートのうちの1つの第二ポートに結合された受信ポートを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のマルチウェイスイッチ。
【請求項7】
n=2であり、前記少なくとも1つの独立回路モジュールは、第一独立回路モジュール、第二独立回路モジュール及び第三独立回路モジュールを含む3つの独立回路モジュールとして具現され、
前記第一独立回路モジュール及び前記第二独立回路モジュールは、両方とも1つの送信回路及び1つの第一ポートを含み、前記送信回路は、前記送信回路が属する独立回路モジュールの第一ポートに結合された送信ポートを有し、
前記第三独立回路モジュールは4つの受信集積回路及び4つの第二ポートを含み、各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ前記第三独立回路モジュールの4つの第二ポートのうちの1つの第二ポートに結合された受信ポートを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のマルチウェイスイッチ。
【請求項8】
n=2であり、前記少なくとも1つの独立回路モジュールは、第一独立回路モジュール、第二独立回路モジュール及び第三独立回路モジュールを含む3つの独立回路モジュールとして具現され、
前記第一独立回路モジュール及び前記第二独立回路モジュールは、両方とも1つの送信回路、1つの受信集積回路、1つの第一ポート及び1つの第二ポートを含み、前記受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ前記受信集積回路が属する独立回路モジュールの第二ポートに結合された受信ポートを有し、前記送信回路は、前記送信回路が属する独立回路モジュールの第一ポートに結合された送信ポートを有し、
前記第三独立回路モジュールは2つの受信集積回路及び2つの第二ポートを含み、各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ前記第三独立回路モジュールの2つの第二ポートのうちの1つの第二ポートに結合された受信ポートを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のマルチウェイスイッチ。
【請求項9】
n=2であり、前記少なくとも1つの独立回路モジュールは、第一独立回路モジュール、第二独立回路モジュール、第三独立回路モジュール及び第四独立回路モジュールを含む4の独立回路モジュールとして具現され、
前記第一独立回路モジュール及び前記第二独立回路モジュールは、両方とも1つの送信回路及び1つの第一ポートを含み、前記送信回路は、前記送信回路が属する独立回路モジュールの第一ポートに結合された送信ポートを有し、
前記第三独立回路モジュール及び前記第四独立回路モジュールは、両方とも2つの受信集積回路及び2つの第二ポートを含み、各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ前記受信集積回路が属する独立回路モジュールの2つの第二ポートのうちの1つの第二ポートに結合された受信ポートを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のマルチウェイスイッチ。
【請求項10】
n=2であり、前記少なくとも1つの独立回路モジュールは、第一独立回路モジュール、第二独立回路モジュール、第三独立回路モジュール、第四独立回路モジュール及び第五独立回路モジュールを含む5つの独立回路モジュールとして具現され、
前記第一独立回路モジュールは2つの送信回路及び2つの第一ポートを含み、前記2つの送信回路は異なる周波数帯域で動作可能であり、各送信回路は前記第一独立回路モジュールの2つの第一ポートのうちの1つの第一ポートに結合された送信ポートを有し、
前記第二独立回路モジュール、前記第三独立回路モジュール、前記第四独立回路モジュール及び前記第五独立回路モジュールは、四方とも1つの受信集積回路及び1つの第二ポートを含み、前記受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ前記受信集積回路が属する独立回路モジュールの第二ポートに結合された受信ポートを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のマルチウェイスイッチ。
【請求項11】
n=2であり、前記少なくとも1つの独立回路モジュールは、第一独立回路モジュール、第二独立回路モジュール、第三独立回路モジュール、第四独立回路モジュール、第五独立回路モジュール及び第六独立回路モジュールを含む6つの独立回路モジュールとして具現され、
前記第一独立回路モジュール及び前記第二独立回路モジュールは、両方とも1つの送信回路及び1つの第一ポートを含み、前記送信回路は、前記送信回路が属する独立回路モジュールの第一ポートに結合された送信ポートを有し、
前記第三独立回路モジュール、前記第四独立回路モジュール、前記第五独立回路モジュール及び前記第六独立回路モジュールは、四方とも1つの受信集積回路及び1つの第二ポートを含み、前記受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ前記受信集積回路が属する独立回路モジュールの第二ポートに結合された受信ポートを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のマルチウェイスイッチ。
【請求項12】
n=2であり、前記マルチウェイスイッチは46個の電界効果トランジスタを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチウェイスイッチ。
【請求項13】
無線周波数システムであって、
アンテナシステムと、無線周波数回路と、請求項1~12のいずれか一項に記載のマルチウェイスイッチと、を含む、
ことを特徴とする無線周波数システム。
【請求項14】
無線通信装置であって、
アンテナシステムと、無線周波数トランシーバと、前記無線周波数トランシーバに結合された無線周波数回路と、請求項1~12のいずれか一項に記載のマルチウェイスイッチと、を含む、
ことを特徴とする無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末の技術分野に関し、さらに具体的に、マルチウェイスイッチ、無線周波数システム及び無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの電子装置が広く使用されることに伴って、スマートフォンがサポートすることができるアプリケーションはだんだん多くなり、且つ機能も強力になっている。スマートフォンは、多様化、パーソナライズされた方向に向かって発展し、ユーザーの生活に不可欠な電子製品になっている。第四世代(the 4th Generation,4G)の移動通信システムにおいて、電子装置は一般的にシングルアンテナ又は二重アンテナの無線周波数(RF)システムアーキテクチャを採用している。現在、第五世代(the 5th Generation,5G)の移動通信システムの新しい無線(New Radio,NR)システムにおいて、4アンテナ無線周波数システムアーキテクチャをサポートする電子装置が提案されている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、マルチウェイスイッチ、無線周波数システム及び無線通信装置を提供して、第5世代の新しい無線(5G NR)において、無線通信装置の2個のポートに対応する2個のアンテナによってサウンディングリファレンス信号(sounding reference signals、SRS)を順番に送信する機能(即ち、2ポートSRS)を実現する。
【0004】
第一態様において、本発明の実施形態は、マルチウェイスイッチを提供する。マルチウェイスイッチは、6つのTポート及び2個のPポートを含む。6つのTポートは2つの第一Tポートを含み、2つの第一Tポートのそれぞれは2個のPポートに全部結合される。nは整数であり、
である。
【0005】
マルチウェイスイッチは、デュアル周波数シングル送信モードで動作可能な無線通信装置の無線周波数回路及びアンテナシステムに結合されて、無線通信装置のプリセット機能を実現するために用いられる。アンテナシステムは、2個のPポートに対応する2個のアンテナを含む。プリセット機能は、2個のアンテナによってサウンディングリファレンス信号(SRS)を順番に送信する機能である。
【0006】
第二態様において、本発明の実施形態は、無線周波数システムを提供する。無線周波数システムは、アンテナシステムと、無線周波数回路と、無線周波数回路及びアンテナシステムに結合されたマルチウェイスイッチと、を含む。
【0007】
マルチウェイスイッチは、6つのTポート及び2個のPポートを含む。6つのTポートは、少なくとも送信機能をサポートする2つの第一Tポートと、受信機能のみをサポートする4つの第二Tポートを含み、2つの第一Tポートのそれぞれは2個のPポートに全部接続される。アンテナシステムは、2個のPポートに対応する2個のアンテナを含む。nは整数であり、
である。マルチウェイスイッチは、2個のアンテナによってSRSを順番に送信するプリセット機能を実現するために用いられる。
【0008】
第三態様において、本発明の実施形態は、無線通信装置を提供する。無線通信装置は、アンテナシステムと、無線周波数トランシーバと、無線周波数トランシーバに結合された無線周波数回路と、無線周波数回路及びアンテナシステムに結合されたマルチウェイスイッチと、を含む。
【0009】
マルチウェイスイッチは6つのTポート及び2個のPポートを含み、6つのTポートは2つの第一Tポートを含み、2つの第一Tポートのそれぞれは2個のPポートに全部結合される。アンテナシステムは、2個のPポートに対応する2個のアンテナを含む。nは整数であり、
である。
【0010】
マルチウェイスイッチは、2個のアンテナによってSRSを順番に送信するプリセット機能を実現するために用いられる。
【0011】
本発明の実施例において、デュアル周波数シングル送信モードで動作可能な無線通信装置は、アンテナシステムと、無線周波数回路と、マルチウェイスイッチと、を含む。アンテナシステムは、2個のアンテナを含む。マルチウェイスイッチは、6つのTポート及び2個のPポートを含む。マルチウェイスイッチは無線周波数回路及びアンテナシステムに結合されて無線通信装置のプリセット機能を実現し、プリセット機能は2個のPポートに対応する2個のアンテナによってSRSを順番に送信する機能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下、本発明の実施形態又は従来の技術の技術方案をより明確に説明するために、本発明の実施形態又は従来の技術の説明に使用される図面について簡単に説明する。
図1A図1Aは、本発明の実施形態に係わるマルチウェイスイッチの構造を示す概略図である。
図1B図1Bは、本発明の実施形態に係わるマルチウェイスイッチの構造を示す概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係わる全部結合された4P6Tスイッチの構造を示す概略図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係わる簡略化された4P6Tスイッチの構造を示す概略図である。
図4A図4Aは、本発明の実施形態に係わる電子装置の無線周波数回路の構造を示す概略図である。
図4B図4Bは、本発明の実施形態に係わる電子装置のマルチウェイスイッチの構造を示す概略図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係わる電子装置の構造を示す概略図である。
図6A図6Aは、本発明の実施形態に係わる電子装置の無線周波数回路の構造を示す概略図である。
図6B図6Bは、本発明の実施形態に係わる電子装置のマルチウェイスイッチの構造を示す概略図である。
図7A図7Aは、本発明の実施形態に係わる電子装置の別の無線周波数回路の構造を示す概略図である。
図7B図7Bは、本発明の実施形態に係わる電子装置の別のマルチウェイスイッチの構造を示す概略図である。
図8A図8Aは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別の無線周波数回路の構造を示す概略図である。
図8B図8Bは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別のマルチウェイスイッチの構造を示す概略図である。
図9A図9Aは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別の無線周波数回路の構造を示す概略図である。
図9B図9Bは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別のマルチウェイスイッチの構造を示す概略図である。
図10A図10Aは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別の無線周波数回路の構造を示す概略図である。
図10B図10Bは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別のマルチウェイスイッチの構造を示す概略図である。
図11A図11Aは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別の無線周波数回路の構造を示す概略図である。
図11B図11Bは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別のマルチウェイスイッチの構造を示す概略図である。
図12A図12Aは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別の無線周波数回路の構造を示す概略図である。
図12B図12Bは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別のマルチウェイスイッチの構造を示す概略図である。
図13A図13Aは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別の無線周波数回路の構造を示す概略図である。
図13B図13Bは、本発明の実施形態に係わる電子装置のさらに別のマルチウェイスイッチの構造を示す概略図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係わる電子装置のアンテナシステムの構造を示す概略図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係わる電子装置の別のアンテナシステムの構造を示す概略図である。
図16図16は、本発明の別の実施形態に係わる無線周波数システムの構造を示す概略図である。
図17図17は、本発明の実施形態に係わる無線通信装置の構造を示す概略図である。
図18図18は、本発明の実施形態に係わる無線通信装置のアンテナを再利用するための無線充電受信機を示す概略図である。
図19図19は、本発明の実施形態に係わる4つのアンテナを含むループアレイアンテナの構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態の技術的方案を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本発明の一部の実施形態だけのものであり、全ての実施形態ではない。本明細書に説明される実施形態から創造的な努力なしに当業者が得ることができるすべての別の実施形態は、本発明の範囲に属する。
【0014】
本願の明細書、特許請求の範囲及び図面で使用される用語「第一」、「第二」などは、特定の順序を説明するために用いられなく、異なる対象を区別するために用いられる。用語「備える」、「含む」、「有する」及びそれらの変形は、非排他的包含を網羅することを意図する。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、又は装置は、リストされたステップ又はユニットに限定されず、選択的に、リストされていない他のステップ又はユニットを含むことができ、又は、選択的に、これらのプロセス、方法、製品、又はデバイスに固有する他のステップ又はユニットを含むことができる。
【0015】
本明細書で言及される「実施例」又は「実施形態」という用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が本願の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の各々の場所に現れるこの用語は、必ず同じ実施形態を指すものではなく、他の実施形態と相互に排他的な独立した又は代替実施形態を指すものでもない。本明細書に記載された実施形態は他の実施形態と組み合わせることができることは、当業者によって明示的及び暗黙的に理解される。
【0016】
本開示の実施形態によれば、マルチウェイスイッチが提供される。図1Aに示されたように、マルチウェイスイッチは、6つのTポート及び2個のPポートを含む。6つのTポートは2つの第一Tポートを含み、2つの第一Tポートのそれぞれは2個のPポートに全部結合される。nは整数であり、
である。マルチウェイスイッチは、デュアル周波数シングル送信モードで動作可能な無線通信装置の無線周波数回路及びアンテナシステムに結合されて、無線通信装置のプリセット機能を実現するために用いられる。アンテナシステムは、2個のPポートに対応する2個のアンテナを含む。プリセット機能は、2個のアンテナによってサウンディングリファレンス信号(SRS)を順番に送信する機能である。
【0017】
1つの実施形態において、6つのTポートはさらに4つの第二Tポートを含み、4つの第二Tポートのそれぞれは2個のPポートのうちの1つのPポートに結合され、4つの第二Tポートのうちの同じ周波数帯域のTポートは異なるPポートに結合される。2個のPポートのそれぞれは、2n個のアンテナのうちの対応するアンテナに結合される。2つの第一Tポートは少なくとも送信機能をサポートし、4つの第二Tポートは受信機能のみをサポートする。
【0018】
1つの実施形態において、無線周波数回路は論理的に2つのトランシーバ回路と2n+1個の受信回路を含み、無線周波数回路は物理的に少なくとも1つの独立回路モジュールを含む。少なくとも1つの独立回路モジュールは、第一ポート及び第二ポートを含む。第一ポートは2つの第一Tポートに1対1で対応して結合され、第二ポートは4つの第二Tポートに1対1で対応して結合される。
【0019】
本開示の実施形態によれば、無線周波数システムが提供される。無線周波数システムは、アンテナシステムと、無線周波数回路と、無線周波数回路及びアンテナシステムに結合されたマルチウェイスイッチと、を含む。
【0020】
マルチウェイスイッチは、6つのTポート及び2個のPポートを含む。6つのTポートは、少なくとも送信機能をサポートする2つの第一Tポートと、受信機能のみをサポートする4つの第二Tポートを含み、2つの第一Tポートのそれぞれは2個のPポートに全部結合される。nは整数であり、
である。アンテナシステムは、2個のPポートに対応する2個のアンテナを含む。マルチウェイスイッチは、2個のアンテナによってSRSを順番に送信するプリセット機能を実現するために用いられる。
【0021】
1つの実施形態において、4つの第二Tポートのそれぞれは2個のPポートのうちの1つのPポートに結合され、4つの第二Tポートのうちの同じ周波数帯域のTポートは異なるPポートに結合される。2個のPポートのそれぞれは、2個のアンテナのうちの対応するアンテナに結合される。
【0022】
本開示の実施形態によれば、無線通信装置が提供される。無線通信装置は、アンテナシステムと、無線周波数トランシーバと、無線周波数トランシーバに結合された無線周波数回路と、無線周波数回路及びアンテナシステムに結合されたマルチウェイスイッチと、を含む。
【0023】
マルチウェイスイッチは、6つのTポート及び2個のPポートを含む。6つのTポートは2つの第一Tポートを含み、2つの第一Tポートのそれぞれは2個のPポートに全部結合される。nは整数であり、
である。アンテナシステムは、2個のPポートに対応する2個のアンテナを含む。マルチウェイスイッチは、2個のアンテナによってSRSを順番に送信するプリセット機能を実現するために用いられる。
【0024】
1つの実施形態において、6つのTポートはさらに4つの第二Tポートを含み、4つの第二Tポートのそれぞれは2個のPポートのうちの1つのPポートに結合され、4つの第二Tポートのうちの同じ周波数帯域のTポートは異なるPポートに結合される。2個のPポートのそれぞれは、2個のアンテナのうちの対応するアンテナに結合される。2つの第一Tポートは少なくとも送信機能をサポートし、4つの第二Tポートは受信機能のみをサポートする。
【0025】
本発明の実施形態に係わる無線通信装置は、電子装置又はネットワークデバイスを含むことができる。電子装置は、無線通信機能を有する様々なハンドヘルドデバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、コンピューティングデバイス又はワイヤレスモデムに接続された他の処理デバイス、及び様々な形態のユーザ装置(User Equipment,UE)、モバイルステーション(Mobile Station,MS)、端末装置(terminal device)などを含むことができる。便利に説明するために、上記のデバイスを総称して電子装置と呼ぶ。
【0026】
ネットワークデバイスは基地局であることができ、基地局は1つ以上の電子装置と通信するために用いられるか、又は部分的な電子装置機能を有する1つ以上の基地局と通信するために用いられる(例えば、マクロ基地局、マイクロ基地局、アクセスポイント間の通信である)。基地局は、TD-SCDMA(time division synchronous code division multiple access)システムにおけるBTS(base transceiver station)であることができ、長期進化(long term evolution,LTE)システムの進化ノードB(evolutional node B,eNB)であることもでき、又は第五世代の新しい無線(5G NR)システムの基地局であることができる。さらに、基地局は、アクセスポイント(access point,AP)、送信ノード(Trans TRP)、中央ユニット(CU)、又は他のネットワークエンティティであることができ、且つ上記のネットワークエンティティの機能の一部又は全部を含むこともできる。
【0027】
以下、無線通信装置について、電子装置を一例として説明する。n=2であり、即ち、4つのアンテナと4つのPポートを含む場合を例として説明する。なお、本発明の実施形態において、アンテナ及びPポートの数量は4つに限定されず、その数量は2(nは整数であり、n≧2である)まで拡張可能である。2個のアンテナと2個のPポートを含む場合、無線周波数回路の論理構成、無線周波数回路の物理構成、独立回路モジュールとTポートとの間の結合、TポートとPポートとの間の結合、Pポートとアンテナとの間の結合などは、以下の実施形態を参照することができる。2個のアンテナによってSRSを順番に送信する原理及び簡略化されたスイッチの構造について、以下の実施形態の関連する説明を参照することができる。
【0028】
現在、携帯電話の4つのアンテナを切り替えてサウンディングリファレンス信号(sounding reference signals、SRS)を送信する機能は、中国移動通信グループ(China Mobile Communications Group Co.,Ltd,CMCC)が「中国移動5G規模試験技術白書-端末」における必須オプションであり、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project,3GPP)ではオプションであり、SRS送信の主な目的は、基地局が携帯電話の4つのアンテナのアップリンク信号を測定することにより、4つのチャネルの品質とパラメータを確認し、チャネルの相互関係に応じて4つのチャネルに対してダウンリンク大規模多入力多出力(Multiple-Input Multiple-Output,MIMO)アンテナアレイのビームフォーミングを実行して、最後にダウンリンク4×4MIMOが最適なデータ伝送性能を獲得するようにすることである。ここで、4×4MIMOは、基地局にデータを送信する4つのアンテナがあり、端末装置にデータを受信する4つのアンテナがあることを指す。
【0029】
4つのアンテナでのSRSスイッチングの要件を満たすために、本発明の実施形態は、簡略化された4P6Tアンテナスイッチに基づく無線周波数アーキテクチャを提供する。3P3T/DPDT/マルチウェイ小型スイッチスイッチングスキームと比較すると、本開示のスイッチングスキームは、各経路の直列に接続されたスイッチの数を減らすことができ(全部又は一部のスイッチを4P6Tスイッチに統合する)、リンク損失を減らして、端末装置全体の送信及び受信性能を最適化する。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0030】
図1Bは、本発明の実施形態に係わるマルチウェイスイッチ10の構造を示す概略図である。マルチウェイスイッチ10は、6つのTポート及び4つのPポートを含む。6つのTポートは2つの第一Tポートを含み、2つの第一Tポートのそれぞれはすべての4つのPポートに結合される(即ち、全部結合される(fully-coupled))。残りの4つのTポートと4つのPポートは1対1で対応して結合され、従って残りの4つのTポートのうちの任意の2つのTポートは異なるPポートに結合される。マルチウェイスイッチ10は、デュアル周波数シングル送信モードで動作可能な電子装置100に適用可能である。電子装置100は、無線周波数回路20及びアンテナシステム30を含む。アンテナシステム30は、4つのアンテナを含む。4つのアンテナは、4つのPポートに対応する。具体的には、4つのアンテナと4つのPポートは1対1で対応される。
【0031】
マルチウェイスイッチ10は、無線周波数回路20及びアンテナシステム30に結合されて、電子装置100のプリセット機能を実現するために用いられる。プリセット機能は、4つのアンテナによってSRSを順番に送信する機能であり、4ポートSRS機能であると理解できる。
【0032】
本発明の「Pポート」は、「極ポート(pole port)」の略語であり、アンテナに結合されたポートを指す。本発明の「Tポート」は、「スローポート(throw port)」の略語であり、無線周波数回路に結合されたポートを指す。本開示の実施形態によれば、4つのPポート及び6つのTポートが提供され、マルチウェイスイッチ10の構造を直感的に理解するために、マルチウェイスイッチ10は「4P6Tスイッチ」と呼ばれることもできる。図2に示されたように、4つのPポートは、Pポート1、Pポート2、Pポート3、Pポート4である。
【0033】
本発明の実施形態で説明するマルチウェイスイッチ10のTポートとPポートの間の結合(coupling)、分離結合(separate-coupling)、全部結合(fully-coupling)、又は他の種類の結合の概念は、Tポートが第一スイッチトランジスタによってPポートに結合されることを指す。第一スイッチトランジスタは、TポートとPポートとの間の単方向導通状態(TポートからPポートへの単方向導通状態及びPポートからTポートへの単方向導通状態を含む)を制御するするために用いられる。第一スイッチトランジスタは、例えば、3つの電界効果トランジスタ(例えば、金属酸化物半導体(MOS)トランジスタ)からなるスイッチアレイであることができる。第一スイッチトランジスタが切断され且つ接地されていない場合、寄生パラメータ(寄生容量や寄生インダクタンスなど)は、導通されている他のポートの性能に影響を与える。従って、第一スイッチトランジスタは3つのMOSトランジスタで構成され、3つのMOSトランジスタは共通のソース(common source)に接続され、つまり共通のソースに結合されることができる。第一スイッチトランジスタが切断されると、両側のMOSトランジスタが切断され、中央の1つのMOSトランジスタが接地される。マルチウェイスイッチ10は、TポートとPポートとの間の第一スイッチトランジスタに加えて、Tポート側とPポート側の第二スイッチトランジスタをさらに含む。第二スイッチトランジスタは、接地スイッチトランジスタと呼ばれることもある。各Tポートに接地スイッチトランジスタを設置することができ、各Pポートにも接地スイッチトランジスタを設置することができる。Tポート又はPポートが信号を送信及び受信しない場合、それに設置されている接地スイッチトランジスタはオンになる。Tポート又はPポートが信号を受信又は送信すると、それに設置されている接地スイッチトランジスタはオフになる。第二スイッチトランジスタは、対応するポート(Tポート又はPポート)を有効にするために用いられる。第二スイッチトランジスタは、例えば、MOSトランジスタであることができる。ここで、第一スイッチトランジスタ及び第二スイッチトランジスタの具体的な形態は限定されない。1つの実施形態において、電子装置100は、第一スイッチトランジスタによって、TポートとPポートとの間の経路の伝導を制御することができる。1つの実施形態において、電子装置100は、マルチウェイスイッチ10のスイッチトランジスタに結合される専用のコントローラを設置することができる。
【0034】
Tポートに対して、「全部結合(fully coupled)」という概念を定義し、「全部結合」とは、1つのTポートがすべてのPポートに結合されることを意味する。「第一Tポートは全部結合されたポートである」とは、2つの第一Tポートのそれぞれはすべての4つのPポートに結合されることを意味する。
【0035】
次に、4つのPポートに対応する4つのアンテナによってSRSを順番に送信する機能は、電子装置はポーリングメカニズムに基づいて基地局と対話して各アンテナに対応するアップリンクチャネルの品質を確定する過程を示す。
【0036】
電子装置は、5G NRをサポートする携帯電話又は他の端末装置であることができ、例えば、CPE(Customer Premise Equipment)又はMIFI(Mobile Wifi)である。
【0037】
「デュアル周波数シングル送信モード」は、電子装置がデュアル周波数帯域-1アップリンク(UL)送信経路又はデュアル周波数帯域-4ダウンリンク(DL)受信経路をサポートすることができる動作モードを指す。
【0038】
マルチウェイスイッチ10は、電界効果トランジスタを含む。6つのTポートのうちの2つのTポートは4つのPポートに全部結合され、他の各Tポートは1つのアンテナのみに固定的に結合されて、信号を受信するために用いられるので、4P6Tスイッチの内蔵電界効果トランジスタ(FET)の数量、体積及びコストを削減でき、性能を向上させる。以下、詳細に説明する。
【0039】
例えば、マルチウェイスイッチは、6つのTポート、即ち、図2に示されたTポート1、Tポート2、Tポート3、Tポート4、Tポート5及びTポート6を含み、電界効果トランジスタをさらに含むと仮定する。6つのTポートのそれぞれは4つのPポートに全部結合される場合、図2に示されたマルチウェイスイッチの構造を示す概略図のように、マルチウェイスイッチの電界効果トランジスタの数量は、6+6*4*3+4=82である。2つのTポートのみが4つのPポートに全部結合される場合、図3に示されたマルチウェイスイッチの構造を示す概略図のように、マルチウェイスイッチの電界効果トランジスタの数量は、6+(2*4+(6-2)*1)*3+4=46である。
【0040】
1つの実施形態において、電子装置100は、無線周波数トランシーバをさらに含むことができる。無線周波数トランシーバは、無線周波数回路20に結合される。
【0041】
4つのPポートに全部結合されるTポートの数量(即ち、全部結合されるTポート)を制限することにより、電子装置100の無線周波数システムのスイッチの数量を効果的に減少することができる。全部結合されるTポートの数量は、無線周波数システムの性能に大きな影響を与える。
【0042】
見て分かるように、本開示の実施形態によれば、提供されるマルチウェイスイッチは、デュアル周波数シングル送信モードで動作可能な電子装置100に適用可能である。電子装置100は、アンテナシステム30、無線周波数回路20及びマルチウェイスイッチ10を含む。アンテナシステム30は、4つのアンテナを含む。マルチウェイスイッチ10は6つのTポート及び4つのPポートを含み、6つのTポートのうちの2つのTポートは4つのPポートに全部結合される。マルチウェイスイッチ10は無線周波数回路20及びアンテナシステム30に結合されて電子装置100のプリセット機能を実現し、プリセット機能は4つのPポートに対応する4つのアンテナによってSRSを順番に送信する機能である。
【0043】
1つの可能な実施形態において、2つの第一Tポートに加えて、6つのTポートは4つの第二Tポートをさらに含む。4つの第二Tポートのそれぞれは、4つのPポートのうちの1つのPポートに結合され、4つの第二Tポートにおいて、同じ周波数帯域の任意の2つの第二Tポートは異なるPポートに結合される。4つのPポートのそれぞれは、4つのアンテナのうちの対応するアンテナに結合される。具体的には、1つのPポートは1つのアンテナに結合され、任意の2つのPポートは異なるアンテナに結合される。2つの第一Tポートは少なくとも送信機能(即ち、信号送信機能)をサポートし、4つの第二Tポートは受信機能(即ち、信号受信機能)のみをサポートする。
【0044】
1つの実施形態において、4つの第二Tポートは、第一周波数帯域で信号を受信するか、又は第二周波数帯域で信号を受信するために用いられ、第一周波数帯域と第二周波数帯域は重ならない。
【0045】
1つの実施形態において、「4つの第二Tポートにおいて、同じ周波数帯域の任意の2つの第二Tポートは異なるPポートに結合される」という表現は、4つの第二Tポートにおける同じ周波数帯域で動作可能な第二Tポートは異なるPポートに結合されることを意味する。例えば、第二Tポート1が第一周波数帯域で動作し、第二Tポート2も第一周波数帯域で動作する場合、第二Tポート1はPポート1に結合され、第二Tポート2はPポート2に結合され、Pポート1とPポート2は異なる。
【0046】
1つの可能な実施形態において、マルチウェイスイッチ10は46個の電界効果トランジスタを含む。
【0047】
電子装置100がデュアル周波数シングル送信モードで動作可能である場合、電子装置100は、論理的に8つの受信回路(信号を受信及び/又は処理するために用いられる回路であると理解することができる)及び2つの送信回路(信号を送信及び/又は処理するために用いられる回路であると理解することができる)を含む。マルチウェイスイッチ10は6つのTポートを含み、6つのTポートは2つの第一Tポートを含むので、マルチウェイスイッチ10の電界効果トランジスタの数量は6+(2*4+(6-2)*1)*3+4=46である。2つの送信回路のうちの1つの送信回路は送信機能をサポートする1つの第一ポート(合計で2つの第一ポートがある)に対応され、第一ポートはマルチウェイスイッチ10の2つの第一Tポートのうちの対応する第一Tポートに結合される。さらに、8つの受信回路のうちの2つの受信回路は受信機能のみをサポートする1つの第二ポート(合計で4つの第二ポートがある)に対応され、各第二ポートはマルチウェイスイッチ10の対応する第二Tポートに結合される。この場合、図4Aは対応する無線周波数回路20の構造を示し、図4Bは対応するマルチウェイスイッチ10の構造を示す。送信回路及び受信回路の具体的な構成及びマルチウェイスイッチ10に関連する用語の定義は、上述した実施形態と同様であるので、ここでは再び説明しない。さらに、無線周波数回路20とマルチウェイスイッチ10整合形態は図面の構造を含むが、これに限定されなく、これはただ例示であることを理解されるべきである。
【0048】
見て分かるように、本発明の実施形態に係わるマルチウェイスイッチ10によって、電子装置100はデュアル周波数シングル送信モードで動作可能である。5GNRで4ポートSRSスイッチングをサポートする端末の無線周波数アーキテクチャを簡素化することに有利であり、送信経路と受信経路のスイッチの数を減らし、経路損失を減らすことにより、送信電力/感度を向上させ、5GNRのデータ伝送速度を改善し、携帯電話のアップリンク及びダウンリンクのカバレッジを改善し、消費電力を削減する。
【0049】
1つの可能な実施形態において、電子装置100の無線周波数回路20は、物理的に少なくとも1つの独立回路モジュールを含む。少なくとも1つの独立回路モジュールは、第一ポート及び第二ポートを含む。第一ポートは送信ポートを含み、送信ポートは2つの第一Tポートに1対1で対応して結合されるように構成される。具体的には、少なくとも1つの独立回路モジュールは、1つ又は複数の送信ポートを有することができる。第二ポートは受信ポートを含み、受信ポートは4つの第二Tポートに1対1で対応して結合されるように構成される。具体的には、少なくとも1つの独立回路モジュールは、1つ又は複数の受信ポートを有することができる。「送信ポート」は、対応する送信機能を実現し、1つの送信回路の経路上に位置するポート(1つ又はは複数のコンポーネントから構成されることができる)を指す。「受信ポート」は、対応する受信機能を実現し、受信回路を統合した後の経路上に位置するポート(1つ又はは複数のコンポーネントから構成されることができる)を指す。図面に示されたポート(送信ポート及び受信ポートなど)は例示的なものであり、ポートの正確な位置を示し且つ限定することを意図しないことに留意されたい。
【0050】
無線周波数回路20は、論理的に2つの送信回路と8つの受信回路を含む。
【0051】
低電力及び低消費電力であるので、8つの受信回路の低雑音増幅器(LNA)は同時に動作することができ、設計によって相互の影響を回避することができる。従って同じ周波数帯域の複数の受信回路の複数のLNAは同じ回路モジュールに配置することができる。しかし、同じ周波数帯域の2つのパワーアンプ(PA)が同時に動作すると(UL MIMOモードに対応する)、送信電力が高くなり、2つの信号が互いに干渉する。さらに、2つのPAが同時に動作すると、放熱効率を影響する。本実施形態において、異なる周波数帯域の2つの送信回路が存在するので、1つの独立回路モジュール又は1つ以上の独立回路モジュールを提供する必要がある。
【0052】
無線周波数回路20が物理的に1つの独立回路モジュールを含む場合、対応する電子装置100の概略構造は図5に示される。独立回路モジュールは、2つの送信回路と8つの受信回路を含む。
【0053】
1つの可能な実施形態において、 図5に示されたように、少なくとも1つの独立回路モジュールは、1つの独立回路モジュールとして具現される。独立回路モジュールは、2の送信回路、4つの受信集積回路、2つの第一ポート及び4つの第二ポートを含む。第一ポートと第一Tポートは1対1で対応して結合され、第二ポートと第二Tポートは1対1で対応して結合される。2つの送信回路は異なる周波数帯域で動作することができ、各送信回路は独立回路モジュールの2つの第一ポートのうちの1つの第一ポートに結合された送信ポートを有する。各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ独立回路モジュールの4つの第二ポートのうちの1つの第二ポート結合された受信ポートを有する。
【0054】
1つの可能な実施形態において、 図6A及び図6Bに示されたように、少なくとも1つの独立回路モジュールは、2つの独立回路モジュールとして具現され、即ち第一独立回路モジュール及び第二独立回路モジュールである。
【0055】
第一独立回路モジュールは、2つの送信回路及び2つの第一ポートを含む。2つの送信回路は異なる周波数帯域で動作可能であり、各送信回路は第一独立回路モジュールの2つの第一ポートのうちの1つの第一ポートに結合された送信ポートを有する。
【0056】
第二独立回路モジュールは、4つの受信集積回路及び4つの第二ポートを含む。各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ第二独立回路モジュールの4つの第二ポートのうちの1つの第二ポートに結合された受信ポートを有する。
【0057】
第一ポートは2つの第一Tポートに1対1で対応して結合されるように構成され、第二ポートは4つの第二Tポートに1対1で対応して結合されるように構成される。換言すると、各第一ポートは2つの第一Tポートのうちの1つの第一Tポートに結合されるように構成され、各第二ポートは4つの第二Tポートのうちの1つの第二Tポートに結合されるように構成される。
【0058】
1つの可能な実施形態において、 図7A及び図7Bに示されたように、少なくとも1つの独立回路モジュールは、2つの独立回路モジュールとして具現され、即ち第一独立回路モジュール及び第二独立回路モジュールである。
【0059】
第一独立回路モジュール及び第二独立回路モジュールは、両方とも1つの送信回路、2つの受信集積回路、1つの第一ポート及び2つの第二ポートを含む。送信回路は、送信回路が属する独立回路モジュールの第一ポートに結合された送信ポートを有する。各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ受信集積回路が属する独立回路モジュールの2つの第二ポートのうちの1つの第二ポートに結合された受信ポートを有する。
【0060】
第一ポートは2つの第一Tポートに1対1で対応して結合されるように構成され、第二ポートは4つの第二Tポートに1対1で対応して結合されるように構成される。
【0061】
1つの可能な実施形態において、 図8A及び図8Bに示されたように、少なくとも1つの独立回路モジュールは、3つの独立回路モジュールとして具現され、即ち第一独立回路モジュール、第二独立回路モジュール及び第三独立回路モジュールである。
【0062】
第一独立回路モジュール及び第二独立回路モジュールは、両方とも1つの送信回路及び1つの第一ポートを含む。送信回路は、送信回路が属する独立回路モジュールの第一ポートに結合された送信ポートを有する。
【0063】
第三独立回路モジュールは、4つの受信集積回路及び4つの第二ポートを含む。各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ第三独立回路モジュールの4つの第二ポートのうちの1つの第二ポートに結合された受信ポートを有する。
【0064】
第一ポートは2つの第一Tポートに1対1で対応して結合されるように構成され、第二ポートは4つの第二Tポートに1対1で対応して結合されるように構成される。
【0065】
1つの可能な実施形態において、 図9A及び図9Bに示されたように、少なくとも1つの独立回路モジュールは、3つの独立回路モジュールとして具現され、即ち第一独立回路モジュール、第二独立回路モジュール及び第三独立回路モジュールである。
【0066】
第一独立回路モジュール及び第二独立回路モジュールは、両方とも1つの送信回路、1つの受信集積回路、1つの第一ポート及び1つの第二ポートを含む。受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、受信集積回路が属する独立回路モジュールの第二ポートに結合された受信ポートを有する。送信回路は、送信回路が属する独立回路モジュールの第一ポートに結合された送信ポートを有する。
【0067】
第三独立回路モジュールは、2つの受信集積回路及び2つの第二ポートを含む。各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ第三独立回路モジュールの2つの第二ポートのうちの1つの第二ポートに結合された受信ポートを有する。
【0068】
第一ポートは2つの第一Tポートに1対1で対応して結合されるように構成され、第二ポートは4つの第二Tポートに1対1で対応して結合されるように構成される。
【0069】
1つの可能な実施形態において、 図10A及び図10Bに示されたように、少なくとも1つの独立回路モジュールは、4の独立回路モジュールとして具現され、即ち第一独立回路モジュール、第二独立回路モジュール、第三独立回路モジュール及び第四独立回路モジュールである。
【0070】
第一独立回路モジュール及び第二独立回路モジュールは、両方とも1つの送信回路及び1つの第一ポートを含む。送信回路は、送信回路が属する独立回路モジュールの第一ポートに結合された送信ポートを有する。
【0071】
第三独立回路モジュール及び第四独立回路モジュールは、両方とも2つの受信集積回路及び2つの第二ポートを含む。各受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、且つ受信集積回路が属する独立回路モジュールの2つの第二ポートのうちの1つの第二ポートに結合された受信ポートを有する。
【0072】
第一ポートは2つの第一Tポートに1対1で対応して結合されるように構成され、第二ポートは4つの第二Tポートに1対1で対応して結合されるように構成される。
【0073】
1つの可能な実施形態において、 図11A及び図11Bに示されたように、少なくとも1つの独立回路モジュールは、4つの独立回路モジュールとして具現され、即ち第一独立回路モジュール、第二独立回路モジュール、第三独立回路モジュール及び第四独立回路モジュールである。
【0074】
第一独立回路モジュール及び第二独立回路モジュールは、両方とも1つの送信回路、1つの受信集積回路、1つの第一ポート及び1つの第二ポートを含む。送信回路は、送信回路が属する独立回路モジュールの第一ポートに結合された送信ポートを有する。受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、受信集積回路が属する独立回路モジュールの第二ポートに結合された受信ポートを有する。
【0075】
第三独立回路モジュール及び第四独立回路モジュールは、両方とも1つの受信集積回路及び1つの第二ポートを含む。受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、受信集積回路が属する独立回路モジュールの第二ポートに結合された受信ポートを有する。
【0076】
第一ポートは2つの第一Tポートに1対1で対応して結合されるように構成され、第二ポートは4つの第二Tポートに1対1で対応して結合されるように構成される。
【0077】
1つの可能な実施形態において、 図12A及び図12Bに示されたように、少なくとも1つの独立回路モジュールは、5つの独立回路モジュールとして具現され、即ち第一独立回路モジュール、第二独立回路モジュール、第三独立回路モジュール、第四独立回路モジュール及び第五独立回路モジュールである。
【0078】
第一独立回路モジュールは、2つの送信回路及び2つの第一ポートを含む。2つの送信回路は異なる周波数帯域で動作可能であり、各送信回路は第一独立回路モジュールの2つの第一ポートのうちの1つの第一ポートに結合された送信ポートを有する。
【0079】
第二独立回路モジュール、第三独立回路モジュール、第四独立回路モジュール及び第五独立回路モジュールは、四方とも1つの受信集積回路及び1つの第二ポートを含む。受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、受信集積回路が属する独立回路モジュールの第二ポートに結合された受信ポートを有する。
【0080】
第一ポートは2つの第一Tポートに1対1で対応して結合されるように構成され、第二ポートは4つの第二Tポートに1対1で対応して結合されるように構成される。
【0081】
1つの可能な実施形態において、 図13A及び図13Bに示されたように、少なくとも1つの独立回路モジュールは、6つの独立回路モジュールとして具現され、即ち第一独立回路モジュール、第二独立回路モジュール、第三独立回路モジュール、第四独立回路モジュール、第五独立回路モジュール及び第六独立回路モジュールである。
【0082】
第一独立回路モジュール及び第二独立回路モジュールは、両方とも1つの送信回路及び1つの第一ポートを含む。送信回路は、送信回路が属する独立回路モジュールの第一ポートに結合された送信ポートを有する。
【0083】
第三独立回路モジュール、第四独立回路モジュール、第五独立回路モジュール及び第六独立回路モジュールは、四方とも1つの受信集積回路及び1つの第二ポートを含む。受信集積回路は、異なる周波数帯域で動作可能な2つの受信回路を含み、受信集積回路が属する独立回路モジュールの第二ポートに結合された受信ポートを有する。
【0084】
第一ポートは2つの第一Tポートに1対1で対応して結合されるように構成され、第二ポートは4つの第二Tポートに1対1で対応して結合されるように構成される。
【0085】
上述した受信回路及び送信回路は、様々な方法で実現できることを理解できる。本発明の実施形態は特に限定しない。
【0086】
本開示の上記の実施形態に係わる各送信回路は、パワーアンプ(PA)、フィルタ及びパワーカプラを含む。PAはフィルタに結合され、フィルタはパワーカプラーに結合される。パワーカプラは、マルチウェイスイッチ10の1つの第一Tポートに結合されるために用いられ、PAは無線周波数トランシーバに結合されるために用いられる。
【0087】
本開示の上記の実施形態に係わる各受信回路は、LNA及びフィルタを含む。LNAはフィルタに結合され、フィルタはマルチウェイスイッチ10の1つの第二Tポートに結合されるために用いられ、LNAは無線周波数トランシーバに結合されるために用いられる。
【0088】
1つの送信回路の送信ポートは、独立回路モジュールの1つの送信ポートに対応し、マルチウェイスイッチ10の対応する第一Tポートに結合される。1つの受信集積回路の受信ポートは、独立回路モジュールの1つの受信ポートに対応し、マルチウェイスイッチ10の対応する第二Tポートに結合される。
【0089】
図5を参照すると、独立回路モジュールは、第一送信回路、第二送信回路、第一受信集積回路、第二受信集積回路、第三受信集積回路及び第四受信集積回路を含む。第一送信回路は、PA、フィルタ及びパワーカプラを含む。PAはフィルタに結合され、フィルタはパワーカプラに結合される。パワーカプラは、マルチウェイスイッチ10の1つの第一Tポート(2つの第一Tポートのうちの第一番目の第一Tポート)に結合される。第一送信回路のPAは、無線周波数トランシーバの「TX-CH0-Ny」ピン(Ny周波数帯域の第一送信ポート)に結合される。第二送信回路は、PA及びマルチウェイスイッチ10の別の第一Tポート(2つの第一Tポートのうちの第二番目の第一Tポート)に結合されたパワーカプラを含む。第二送信回路のPAは、無線周波数トランシーバの「TX-CH0-Nx」ピン(Nx周波数帯域の第一送信ポート)に結合される。第一受信集積回路には、2つのフィルタ、1つの第一単極双投(SPDT)スイッチ及び2つの低雑音増幅器(LNA)を含む。2つのフィルタは第一SPDTスイッチに結合され、第一SPDTスイッチはマルチウェイスイッチ10の1つの第二Tポート(4つの第二Tポートのうちの第一番目の第二Tポート)に結合される。第一受信集積回路の2つのLNAはそれぞれ無線周波数トランシーバの「PRx-Ny」ピン(Ny周波数帯域の第一受信ポート)及び「PRx-Nx」ピン(Nx周波数帯域の第一受信ポート)に結合される。第二受信集積回路は、2つのフィルタ、1つの第二SPDTスイッチおよび2つのLNAを含む。2つのフィルタは第二SPDTスイッチに結合され、第二SPDTスイッチはマルチウェイスイッチ10の別の第二Tポート(4つの第二Tポートのうちの第二番目の第二Tポート)に結合される。第二受信集積回路の2つのLNAはそれぞれ無線周波数トランシーバの「RX1-Ny」ピン(Ny周波数帯域の第二受信ポート)と「RX1-Nx」ピン(Nx周波数帯域の第二受信ポート)に結合される。第三受信集積回路は、2つのフィルタ、1つの第三SPDTスイッチ及び2つのLNAを含む。2つのフィルタは第三SPDTスイッチに結合され、第三SPDTスイッチはマルチウェイスイッチ10の別の第二Tポート(4つの第二Tポートのうちの第三番目の第二Tポート)に結合される。第三受信集積回路の2つのLNAはそれぞれ無線周波数トランシーバの「RX2-Ny」ピン(Ny周波数帯域の第三受信ポート)及び「RX2-Nx」ピン(Nx周波数帯域の第三受信ポート)に結合される。第四受信集積回路は、2つのフィルタ、1つの第四SPDTスイッチ及び2つのLNAを含む。2つのフィルタは第四SPDTスイッチに結合され、第四SPDTスイッチはマルチウェイスイッチ10の残りの1つの第二Tポート(4つの第二Tポートのうちの第四番目の第二Tポート)と結合される。第四受信集積回路の2つのLNAはそれぞれ無線周波数トランシーバの「RX3-Ny」ピン(Ny周波数帯域の第四受信ポート)及び「RX3-Nx」ピン(Nx周波数帯域の第四受信ポート)に結合される。
【0090】
図6A、7A、8A、9A、10A、11A、12A、13Aに示された無線周波数トランシーバ、無線周波数回路20及びマルチウェイスイッチ10の結合方式は、図5に示された無線周波数トランシーバ、無線周波数回路20及びマルチウェイスイッチ10の結合方式と類似であるので、ここでは繰り返さない。
【0091】
以下、図4Bに示されたマルチウェイスイッチ10の注釈(Annotation)について詳細に説明する。「NR Band Nx TX1」は、Nx周波数帯域の送信回路に対応するピンを表す。「NR Band Ny TX2」は、Ny周波数帯域の送信回路に対応するピンを表す。「NR Band Nx+Ny RX1」は、Nx周波数帯域及びNy周波数帯域の第一受信集積回路に対応するピンを表す。「NR Band Nx+Ny RX2」は、Nx周波数帯域及びNy周波数帯域の第二受信集積回路に対応するピンを表す。「NR Band Nx+Ny RX3」は、Nx周波数帯域及びNy周波数帯域の第三受信集積回路に対応するピンを表す。「NR Band Nx+Ny RX4」は、Nx周波数帯域及びNy周波数帯域の第四受信集積回路に対応するピンを表す。
【0092】
図6B、7B、8B、9B、10B、11B、12B、13Bに示されたマルチウェイスイッチ10の注釈は、図4Bに示されたマルチウェイスイッチ10と類似であるので、ここでは繰り返さない。
【0093】
見て分かるように、本開示の実施形態において、電子装置100は、スイッチトランジスタを制御することにより、マルチウェイスイッチ10のTポートとPポートの結合状態を制御することができ、従って電子装置100の4つのPポートに対応する4つのアンテナによってSRSを順番に送信する機能を実現する。
【0094】
1つの可能な実施形態において、4つのアンテナは、第一アンテナ、第二アンテナ、第三アンテナ及び第四アンテナを含む。これらの4つのアンテナは、すべて5G NR周波数帯域で使用することができる。
【0095】
5G NR周波数帯域は、例えば、3.3GHz~3.8GHz及び4.4GHz~5GHzを含むことができる。
【0096】
1つの可能な実施形態において、4つのアンテナは、第一アンテナ、第二アンテナ、第三アンテナ及び第四アンテナを含む。第一アンテナと第四アンテナは、長期進化(Long Term Evolution,LTE)周波数帯域と5G NR周波数帯域で作動可能なアンテナである。第二アンテナ及び第三アンテナは、5G NR周波数帯域のみで作動可能なアンテナである。
【0097】
第一アンテナ及び第四アンテナは、LTE端末上の一部の周波数帯域でDL 4×4 MIMOをサポートすることを目的とする。この2つのアンテナは5G NRと共有される(以下、「共有アンテナ」と呼ぶ)。LTE周波数帯域は、例えば、1880MHz~1920MHz及び2496MHz~2690MHzを含むことができる。
【0098】
1つの可能な実施形態において、図14に示されたように、アンテナシステムは、第一コンバイナ及び第二コンバイナをさらに含む。第一コンバイナは、第一アンテナに結合するために用いられる第一ポートと、電子装置のLTE 4×4 MIMOの第一受信経路に結合するために用いられる第二ポートと、マルチウェイスイッチの対応するPポートに結合するために用いられる第三ポートと、を含む。第二コンバイナは、第四アンテナに結合するために用いられる第一ポートと、電子装置のLTE 4×4 MIMOの第二受信経路に結合するために用いられる第二ポートと、マルチウェイスイッチの対応するPポートに結合するために用いられる第三ポートと、を含む。
【0099】
LTE 4×4 MIMOはダウンリンクLTE受信回路であり、第三受信経路として定義することができる。LTEには、現在2つの受信経路があるので、LTE 4×4 MIMOをサポートするために、第三受信経路と第四受信経路が追加される。
【0100】
電子装置は、4つのアンテナの性能に応じて、回路のPRX(プライマリレシーバー(primary receiver))に良い性能を有するアンテナを配置し、アンテナはスタンバイ状態になる。送信機能と受信機能の両方を備えるスイッチの第一TポートをTXとPRXとして使用することができ、アンテナを任意に切り替えることができ、共有アンテナのポート間の結合を制限することを必要としない。
【0101】
1つの可能な実施形態において、図15に示されたように、アンテナシステムは、第一単極双投(SPDT)スイッチ及び第二SPDTスイッチをさらに含む。第一SPDTスイッチは、第一アンテナに結合するために用いられる第一ポートと、電子装置のLTE 4×4 MIMOの第一受信経路に結合するために用いられる第二ポートと、マルチウェイスイッチの対応するPポートに結合するために用いられる第三ポートと、を含む。第二SPDTスイッチは、第四アンテナに結合するために用いられる第一ポートと、電子装置のLTE 4×4 MIMOの第二受信経路に結合するために用いられる第二ポートと、マルチウェイスイッチの対応するPポートに結合するために用いられる第三ポートと、を含む。
【0102】
本発明の方案は、互いに組み合わせるか、又は置き換えることができる。例えば、上記のアンテナシステム及び/又はマルチウェイスイッチは、以下の無線周波数システム及び無線通信装置に使用するか又は組み合わせることができる。なお、本発明の「アンテナシステム及び/又はマルチウェイスイッチ」は、「アンテナシステム」、「マルチウェイスイッチ」、又は「アンテナシステム及びマルチウェイスイッチ」を意味する。
【0103】
1つの可能な実施形態において、図16は、本発明の実施形態に係わる無線周波数システムの構造を示す概略図である。無線周波数システムは、アンテナシステムと、無線周波数回路と、無線周波数回路及びアンテナシステムに結合されたマルチウェイスイッチと、を含む。マルチウェイスイッチは、上述した実施形態及び図面のいずれかに示された構造を有する。1つの実施形態において、マルチウェイスイッチは、6つのTポート及び4つのPポートを含む。6つのTポートは、少なくとも送信機能をサポートする2つの第一Tポートと、受信機能のみをサポートする4つの第二Tポートを含む。2つの第一Tポートのそれぞれは4つのPポートに全部結合される。アンテナシステムは、4つのPポートに対応する4つのアンテナを含む。
【0104】
マルチウェイスイッチは、4つのアンテナによってSRSを順番に送信するプリセット機能を実現するために用いられる。
【0105】
1つの実施形態において、4つの第二Tポートのそれぞれは4つのPポートのうちの1つのPポートに結合され、4つの第二Tポートのうちの同じ周波数帯域のTポートは異なるPポートに結合される。4つのPポートのそれぞれは、4つのアンテナのうちの対応するアンテナに結合される。
【0106】
1つの実施形態において、4つのアンテナは、第一アンテナ、第二アンテナ、第三アンテナ及び第四アンテナを含む。第一アンテナ、第二アンテナ、第三アンテナ及び第四アンテナは、5G NR周波数帯域で動作可能なアンテナである。
【0107】
別の実施形態において、4つのアンテナは、第一アンテナ、第二アンテナ、第三アンテナ及び第四アンテナを含む。第一アンテナと第四アンテナは、LTE周波数帯域及び5G NR周波数帯域で動作可能なアンテナである。第二アンテナ及び第三アンテナは、5G NR周波数帯域のみで動作可能なアンテナである。
【0108】
1つの可能な実施形態において、4つのアンテナに関する上述構造を使用し、アンテナシステムは、第一コンバイナ及び第二コンバイナをさらに含む。第一コンバイナは、第一アンテナに結合された第一ポートと、無線周波数システムのLTE 4×4 MIMOの第一受信経路に結合された第二ポートと、マルチウェイスイッチの対応するPポートに結合された第三ポートと、を含む。第二コンバイナは、第四アンテナに結合された第一ポートと、無線周波数システムのLTE 4×4 MIMOの第二受信経路に結合された第二ポートと、マルチウェイスイッチの対応するPポートに結合された第三ポートと、を含む。
【0109】
1つの可能な実施形態において、4つのアンテナに関する上述構造において、アンテナシステム20は、第一単極双投(SPDT)スイッチ及び第二SPDTスイッチをさらに含む。第一SPDTスイッチは、第一アンテナに結合された第一ポートと、無線周波数システムのLTE 4×4 MIMOの第一受信経路に結合された第二ポートと、マルチウェイスイッチの対応するPポートに結合された第三ポートと、を含む。第二SPDTスイッチは、第四アンテナに結合された第一ポートと、無線周波数システムのLTE 4×4 MIMOの第二受信経路に結合された第二ポートと、マルチウェイスイッチの対応するPポートに結合された第三ポートと、を含む。
【0110】
電子装置の無線周波数システムの送信経路と受信経路に対して、送信経路は1つの独立スイッチ(4P6Tスイッチ)又は2つの独立スイッチ(SPDTスイッチと4P6Tススイッチ)を含むことができ、受信経路は1つの独立スイッチ(4P6Tスイッチ)又は2つの独立スイッチ(SPDTスイッチと4P6Tスイッチ)を含むことができる。即ち、無線周波数システムの送信経路と受信経路のスイッチ機能を4P6Tスイッチに統合することにより、送信経路と受信経路の独立スイッチの数量を効果的に減少することができる。
【0111】
1つの可能な実施形態において、図17は、本発明の実施形態に係わる無線通信装置の構造を示す概略図である。無線通信装置は、例えば、移動端末、基地局などの無線通信装置であることができ、アンテナシステムと、無線周波数トランシーバと、無線周波数トランシーバに結合された無線周波数回路と、無線周波数回路及びアンテナシステムに結合されたマルチウェイスイッチと、を含む。マルチウェイスイッチは、上述した実施形態のいずれかで説明されたスイッチであることができる。
【0112】
マルチウェイスイッチは、6つのTポート及び4つのPポートを含む。6つのTポートは2つの第一Tポートを含み、2つの第一Tポートのそれぞれは4つのPポートに全部結合される。アンテナシステムは、4つのPポートに対応する4つのアンテナを含む。
【0113】
マルチウェイスイッチは、4つのアンテナによってSRSを順番に送信するプリセット機能を実現するために用いられる。
【0114】
1つの実施形態において、6つのTポートは、4つの第二Tポートをさらに含む。4つの第二Tポートのそれぞれは4つのPポートのうちの1つのPポートに結合され、4つの第二Tポートのうちの同じ周波数帯域のTポートは異なるPポートに結合される。4つのPポートのそれぞれは、4つのアンテナのうちの対応するアンテナに結合される。2つの第一Tポートは少なくとも送信機能をサポートし、4つの第二Tポートは受信機能のみをサポートする。
【0115】
さらに、図18に示されるように、本発明の実施形態で説明されるアンテナシステムの4つのアンテナは、電子装置の無線充電受信機(wireless charging receiver)によって再利用することもできる。無線充電受信機は、受信アンテナ及び受信制御回路を含む。受信アンテナは、無線充電送信機(wireless charging transmitter)の送信アンテナと一致する(周波数が同じ又は類似している場合に共振し、放射性共振磁気結合方式でエネルギーを無線伝送方式で伝送する)。受信制御回路は、ループアレイアンテナによってエネルギーを直流(DC)に変換してから出力して、バッテリーを充電する。受信制御回路は、ループアレイアンテナの周波数を動的に調整することにより、ループアレイアンテナの周波数を無線充電送信機の送信アンテナの周波数と一致させて、ペアリングされた充電を達成することができる。あるいは、受信制御回路は、リアルタイムで無線充電送信機と周波数変更範囲について対話して、「排他的な暗号化」無線充電モードを実現することができる。
【0116】
受信アンテナは、4つのアンテナのうちの少なくとも1つのアンテナからなるアンテナであることができる(複数のアンテナの場合、複数のアンテナはスイッチによってストローブされる)。
【0117】
例えば、図19に示されたように、受信アンテナは、上述した4つのアンテナを含むループアレイアンテナである。4つのアンテナは、アンテナ1、アンテナ2、アンテナ3及びアンテナ4を含む。アンテナ1及びアンテナ4は、LTE周波数帯域と5G NR周波数帯域の両方で動作可能であるが、アンテナ2及びアンテナ3は、5G NR周波数帯域のみで動作可能である。アンテナ1のポートとアンテナ4のポートは、ループアレイアンテナのポートとして使用される。隣接するアンテナの間は、絶縁機能を有するゲート回路170によって結合される。ゲート回路170は、スペーサー171及びスイッチ172を含み、スペーサー171は導体であり、スイッチ172はさらにコントローラーに結合される。電子装置は、無線充電モードで各ゲート回路170のスイッチ172を導通させて、エネルギーを受信するループアレイアンテナを形成することができる。アンテナの間にスペーサ171を追加することにより、ゲート回路170は、通常の通信モードにおける電子装置の複数のアンテナの間の相互結合を低減し、複数のアンテナ間の分離を改善し、アンテナの性能を最適化する一方、スイッチ171によって複数のアンテナを直列に結合してループアレイアンテナを形成することにより、送信アンテナとの一致性を高めてエネルギーを伝送することができる。アンテナ1及びアンテナ4の能力はアンテナ2及びアンテナ3の能力よりも強いので、このように配置されたループアレイアンテナは、エネルギー伝送損失を極力低減することができる。


図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19