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特許7148630電気自動車充電ネットワークにおけるエネルギー消費量を監視するための方法、装置、およびコンピュータプログラム製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】電気自動車充電ネットワークにおけるエネルギー消費量を監視するための方法、装置、およびコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20220928BHJP
【FI】
G06Q50/30
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020556253
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 FI2020050278
(87)【国際公開番号】W WO2020221959
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】20195345
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】520391653
【氏名又は名称】リイケネビルタ オユ/ビルタ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100072604
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 軍一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140501
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 栄一郎
(72)【発明者】
【氏名】ユッシ アーティカリ
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/140664(WO,A1)
【文献】特開2010-081722(JP,A)
【文献】特開2013-037640(JP,A)
【文献】特開2012-210039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00- 3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
G06Q 10/00-99/00
H02H 7/00
H02H 7/10- 7/20
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車(EV)充電ネットワーク(100)におけるエネルギー消費量を監視する方法(300)であって、前記EV充電ネットワーク(100)は、それぞれにエネルギーメータを備えた複数のEV充電ステーション(102、104、106、108)を含んで構成されており、
前記方法(300)は、少なくとも1つのプロセッサ(204)によって実行されるものであり、
a)前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、少なくとも1つの前記EV充電ステーション(102、104、106、108)からのタイムスタンプ、ステーション識別子(ID)、各充電セッションに固有の充電セッションID、およびエネルギーメータの読み取り値を含む新しいメッセージを受信するステップ(S302)と、
b)前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、前記EV充電ステーション(102、104、106、108)からの古いメッセージを含むデータベース(208)に前記新しいメッセージを格納するステップ(S304)と、
c)前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、前記データベース(208)に、前記新しいメッセージと同じステーションIDと充電セッションIDを含む古いメッセージが含まれているかどうかをチェックするステップ(S306)と、
d)前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、前記古いメッセージが前記データベース(208)に存在する場合は、前記新しいメッセージと前記古いメッセージの間の時間差とエネルギー差を計算するステップ(S308)と、
e)前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、前記計算された時間差に基づいて時間粒度レベルを選択するステップ(S310)と、
f)前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、前記時間粒度レベルと前記エネルギー差に基づいて、新しいメッセージと古いメッセージのタイムスタンプの間のエネルギー消費量分布を取得するステップ(S312)、および
g)前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、ステーションのオペレーターに前記エネルギー消費量分布を提供するステップを含んで構成されることを特徴とする。
【請求項2】
前記ステーションIDは、前記EV充電ステーションの名前、製造者情報、および/または地理的位置を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法(300)。
【請求項3】
前記充電セッションIDは、1つ以上の文字および/またはデジタル文字で表されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の方法(300)。
【請求項4】
前記タイムスタンプは、ISO8601規格に従って表示されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法(300)。
【請求項5】
さらに、前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、前記エネルギー消費量分布を前記データベース(208)に格納するステップを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の方法(300)。
【請求項6】
前記エネルギー消費量分布を取得するステップ(S312)は、
前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、前記新しいメッセージと前記古いメッセージとの間の時間差を、前記時間粒度レベルに従っていくつかの等しい時間間隔に分割するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、前記エネルギー差を等しい時間間隔の数で割ることにより、各時間間隔の平均エネルギー消費量を計算するステップと、を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の方法(300)。
【請求項7】
前記エネルギーメータの読み取り値および前記平均エネルギー消費量は、ワット時またはワット時の倍数で与えられることを特徴とする請求項6に記載の方法(300)。
【請求項8】
さらに、前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、ワット時またはワット時の倍数で表される前記平均エネルギー消費量をワットに変換することにより、各時間間隔の平均消費電力を計算するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、前記時間粒度レベルおよび前記平均消費電力に基づいて、前記新しいメッセージのタイムスタンプと前記古いメッセージのタイムスタンプの間の消費電力分布を取得するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、前記消費電力分布を前記データベース(208)に格納するステップと、を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法(300)。
【請求項9】
前記ステップa)~g)は、前記少なくとも1つのプロセッサ(204)によって、他のEV充電ステーション(102、104、106、108)から受信した前記新しいメッセージに対して繰り返され、
さらに、前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、前記EV充電ステーション(102、104、106、108)について得られたエネルギー消費量の分布を比較することによって、所定の時間における前記EV充電ネットワーク(100)内の総エネルギー消費量を計算するステップを含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の方法(300)。
【請求項10】
電気自動車(EV)充電ネットワーク(100)のエネルギー消費量を監視するための装置(200)であって、EV充電ネットワーク(100)は、それぞれにエネルギーメータを備えた複数のEV充電ステーション(102、104、106、108)を含んで構成されており、装置(200)は、
少なくとも1つのプロセッサ(204)と、
少なくとも1つのプロセッサ(204)に結合されたメモリ(202)を含んで構成され、
前記メモリ(202)は、EV充電ステーション(102、104、106、108)からの古いメッセージを含むデータベース(208)を格納し、
それぞれの前記古いメッセージは、タイムスタンプ、ステーション識別子(ID)、各充電セッションに固有の充電セッションID、エネルギーメータの読み取り値を含んで構成され、
前記メモリはさらに、前記少なくとも1つのプロセッサ(204)によって実行されるに際して、前記少なくとも1つのプロセッサに以下のa)~g)を実行させるプロセッサ実行可能命令(206)を格納する。
a)前記少なくとも1つのEV充電ステーションから新しいメッセージを受信する(S302)。
b)前記新しいメッセージ前記をデータベース(208)に格納する(S304)。
c)前記データベース(208)に、新しいメッセージと同じステーションIDおよび充電セッションIDを含む古いメッセージが存在するかどうかをチェックする(S306)。
d)前記古いメッセージが前記データベース(208)に存在する場合、前記新しいメッセージと前記古いメッセージとの間の時間差およびエネルギー差を計算する(S308)。
e)前記計算された時間差に基づいて時間粒度レベルを選択する(S310)。
f)前記時間粒度レベルと前記エネルギー差に基づいて、前記新しいメッセージと前記古いメッセージのタイムスタンプ間のエネルギー消費分布を取得する(S312)。
g)ステーションのオペレーターに前記エネルギー消費量分布を提供する。
【請求項11】
前記ステーションIDは、前記EV充電ステーションの名前、製造者情報および/または地理的位置を含んで構成される請求項10に記載の装置(200)。
【請求項12】
前記充電セッションIDは、1つ以上の文字および/またはデジタル文字で表されることを特徴とする請求項10または請求項11のいずれか1項に記載の装置(200)。
【請求項13】
前記タイムスタンプは、ISO8601規格に従って表示されることを特徴とする請求項10~12のいずれか1項に記載の装置(200)。
【請求項14】
前記メモリ(202)はさらに、コンピュータ実行可能命令(206)を含み、少なくとも1つの前記プロセッサに、エネルギー消費量分布をメモリ(202)またはデータベース(208)に格納させることを特徴とする請求項10~13のいずれか1項に記載の装置(200)。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、
前記新しいメッセージと前記古いメッセージとの間の時間差を、前記時間粒度レベルに従っていくつかの等しい時間間隔に分割し、
前記エネルギー差を等しい時間間隔の数で割ることにより、各時間間隔の平均エネルギー消費量を計算することで、
エネルギー消費量の分布を取得するように構成されることを特徴とする請求項10~14のいずれか1項に記載の装置(200)。
【請求項16】
前記エネルギーメータの読み取り値および前記平均エネルギー消費量は、ワット時またはワット時の倍数で与えられることを特徴とする請求項15に記載の装置(200)。
【請求項17】
前記メモリ(202)はさらに、コンピュータ実行可能命令(206)を含み、少なくとも1つの前記プロセッサに、
ワット時またはワット時の倍数で表される前記平均エネルギー消費量をワットに変換することにより、各時間間隔の平均消費電力を計算させ、
前記時間粒度レベルおよび前記平均消費電力に基づいて、前記新しいメッセージのタイムスタンプと前記古いメッセージのタイムスタンプの間の消費電力分布を取得させ、
前記消費電力分布を前記メモリまたは前記データベース(208)に格納させることを特徴とする請求項16に記載の装置(200)。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサ(204)が、他のEV充電ステーション(102、104、106、108)から受信した新しいメッセージに対して操作a)~g)を繰り返すように構成され、
前記メモリ(202)はさらにコンピュータ実行可能命令(206)を含み、少なくとも1つのプロセッサ(204)に、すべての前記EV充電ステーション(102、104、106、108)について得られたエネルギー消費量の分布を比較することによって、所定の時間における前記EV充電ネットワーク(100)内の総エネルギー消費量を計算させることを特徴とする請求項10~17のいずれか1項に記載の装置(200)。
【請求項19】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含んで構成されるコンピュータプログラム製品であって、
前記記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサ(204)によって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサ(204)に請求項1から9のいずれか1項に記載の方法(300)を実行させるコンピュータ実行可能命令を格納している、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電気自動車に関し、より具体的には、電気自動車(EV)充電ネットワークにおけるエネルギー消費量を監視するための方法、装置、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電気自動車は、陸路、海路、空路での移動に使用されることが多くなってきている。しかし、電気自動車はバッテリー容量が限られているため、目的地に向かう途中にあるEV充電ステーションで1回以上の充電が必要となることが多い。EV充電ステーションの位置や密度は、対象となる地域内の電気自動車の利用率に直接依存する。そのため、EV充電ステーションでのEV充電とエネルギー生産を最適化するためには、EV所有者が日中にどのくらいの頻度で特定のEV充電ステーションを利用しているかを知ることが重要である。
【0003】
上記を考えると、各EV充電ステーションは、通常、所定の時間にエネルギー測定を行い、さらなる処理のためにエネルギー測定に関する情報を専門のデータセンターに送信するように構成されたエネルギーメータを備えている。しかしながら、異なるEV充電ステーションは、異なる通信プロトコルおよび時間間隔を使用してそのような情報を送信することがある。さらに、データ通信の不具合などのエラーが発生し、EV充電ステーションが上記情報をデータセンターに送信し損ねてしまうことがある。いずれも、時間内にエネルギー消費量分布の適切な精度を得ることができず、ある時点における対象となるEV充電ステーションで電気自動車が消費したエネルギーの合計平均値を算出することが困難であるか、あるいは不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本要約は、以下の詳細な説明においてさらに説明される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供される。この要約は、請求された主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、請求された主題の範囲を限定するために使用されることを意図したものでもない。
【0005】
本開示の目的は、対象となるEV充電ステーションのそれぞれにおける時間内のより正確なエネルギー消費分布を得ることができ、それに基づいて、対象となるEV充電ステーションにおける電気自動車がある時間に消費した総平均エネルギーの計算を提供することを可能にする技術的解決策を提供することである。
【0006】
上記の目的は、添付の特許請求の範囲の独立請求項の特徴によって達成される。さらなる実施形態および例は、従属請求項、詳細な説明および添付の図面から明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、電気自動車(EV)充電ネットワークにおけるエネルギー消費量を監視する方法が提供される。前記EV充電ネットワークは、それぞれにエネルギーメータを備えた複数のEV充電ステーションを含んで構成されている。前記方法は、少なくとも1つの前記EV充電ステーションから新しいメッセージを受信するステップから始まります。新しいメッセージは、タイムスタンプ、ステーション識別子(ID)、各充電セッションに固有の充電セッションID、およびエネルギーメータの読み取り値を含んで構成される。次に、この方法は、前記EV充電ステーションからの類似した古いメッセージを含むデータベースに前記新しいメッセージを格納するステップに進む。この方法はさらに、前記データベースに前記新しいメッセージと同じステーションIDと充電セッションIDを含む古いメッセージが含まれているかどうかをチェックするステップを含む。前記古いメッセージが前記データベースに存在する場合は、この方法は、前記新しいメッセージと前記古いメッセージの間の時間差およびエネルギー差を計算するステップに進む。前記方法はさらに、前記計算された時間差に基づいて時間粒度レベルを選択するステップと、前記時間粒度レベルと前記エネルギー差に基づいて、新しいメッセージと古いメッセージのタイムスタンプ間のエネルギー消費量分布を取得するステップとを含む。これにより、EV充電ステーションでのエネルギー消費量の経時変化に関する情報を得ることができ、EV充電やEV充電ステーションでのエネルギー生産の最適化に役立てることができる。
【0008】
第1の態様の一実施形態では、前記ステーションIDは、前記EV充電ステーションの名前、製造業者情報、および/または地理的位置を含んで構成される。これにより、対象となるEV充電ステーションに関するより詳細な情報を取得できる。
【0009】
第1の態様の一実施形態では、前記充電セッションIDは、1つ以上の文字および/またはデジタル文字で表される。これにより、各EV充電ステーションにおける充電セッションの区別が単純化される。
【0010】
第1の態様の一実施形態では、前記タイムスタンプは、ISO8601規格に従って表示される。これにより、この方法は、より柔軟に使用することができる。
【0011】
第1の態様の一実施形態では、この方法はさらに、前記エネルギー消費量分布を前記データベースに格納することを含む。これにより、特定のEV充電ステーションにおけるエネルギー消費の時間履歴をより簡単かつ効率的に監視することができる。
【0012】
第1の態様の一実施形態では、前記エネルギー消費分布を取得するステップは、以下を含む。前記新しいメッセージと前記古いメッセージとの間の時間差を、前記時間粒度レベルに従っていくつかの等しい時間間隔に分割する。 前記エネルギー差を等しい時間間隔の数で割ることにより、各時間間隔の平均エネルギー消費量を計算する。これにより、平均エネルギー消費量が経時的にどのように変化するかを制御することができる。
【0013】
第1の態様の一実施形態では、前記エネルギーメータの読み取り値および前記平均エネルギー消費量は、ワット時またはワット時の倍数で与えられる。これにより、この方法は、より柔軟に使用することができる。
【0014】
第1の態様の一実施形態では、この方法はさらに、次のステップを含む。ワット時またはワット時の倍数で表される前記平均エネルギー消費量をワットに変換することにより、各時間間隔の平均消費電力を計算するステップと、前記時間粒度レベルおよび前記平均消費電力に基づいて、前記新しいメッセージと前記古いメッセージとの間の時間内の消費電力分布を取得するステップと、前記消費電力分布を前記データベースに格納するステップとを含む。この消費電力分布は、特定のEV充電ステーションにおけるEV充電とエネルギー生産の最適化をより効率的に行うのに役立つ可能性がある。
【0015】
第1の態様の一実施形態では、この方法の上述のステップは、他のEV充電ステーションから受信した前記新しいメッセージに対して繰り返される。この場合、この方法は、他のEV充電ステーションについて得られたエネルギー消費量分布を比較することによって、所定の時間における前記EV充電ネットワーク内の総エネルギー消費量を計算するステップをさらに含む。これは、対象となるEV充電ステーションにおけるEV充電およびエネルギー生産をより効率的に最適化するのに役立つ可能性がある。
【0016】
第2の態様によれば、電気自動車(EV)充電ネットワークにおけるエネルギー消費量を監視するための装置が提供される。EV充電ネットワークは、それぞれにエネルギーメータを備えた複数のEV充電ステーションを含んで構成されている。この装置は、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサに結合され、EV充電ステーションからの古いメッセージを含むデータベースを格納するメモリを含んで構成されている。それぞれの前記古いメッセージは、タイムスタンプ、ステーション識別子(ID)、各充電セッションに固有の充電セッションID、エネルギーメータの読み取り値を含んで構成されている。前記メモリはさらに、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるに際して、前記少なくとも1つのプロセッサに以下を実行させるプロセッサ実行可能命令を格納する。前記少なくとも1つのEV充電ステーションから新しいメッセージを受信する、前記新しいメッセージを前記データベースに格納する、前記データベースに新しいメッセージと同じステーションIDおよび充電セッションIDを含む古いメッセージが存在するかどうかをチェックする、前記古いメッセージが前記データベースに存在する場合、前記新しいメッセージと前記古いメッセージとの間の時間差およびエネルギー差を計算する、前記計算された時間差に基づいて時間粒度レベルを選択する、そして前記時間粒度レベルと前記エネルギー差に基づいて、前記新しいメッセージと前記古いメッセージのタイムスタンプ間のエネルギー消費分布を取得する。これにより、EV充電ステーションでのエネルギー消費量の経時変化に関する情報を得ることができ、EV充電やEV充電ステーションでのエネルギー生産の最適化に役立てることができる。
【0017】
第2の態様の一実施形態では、前記ステーションIDは、前記EV充電ステーションの名前、製造者情報および/または地理的位置を含んで構成される。これにより、対象となるEV充電ステーションに関するより詳細な情報を得ることができる。
【0018】
第2の態様の一実施形態では、前記充電セッションIDは、1つ以上の文字および/またはデジタル文字で表される。これにより、各EV充電ステーションにおける充電セッションの区別が単純化される。
【0019】
第2の態様の一実施形態では、前記タイムスタンプは、ISO8601規格に従って表示される。これにより、この装置は、より柔軟に使用することができる。
【0020】
第2の態様の一実施形態では、前記メモリはさらに、コンピュータ実行可能命令を格納し、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記エネルギー消費量分布を前記データベースに格納させる。これにより、特定のEV充電ステーションにおけるエネルギー消費の時間履歴をより簡単かつ効率的に監視することができる。
【0021】
第2の態様の一実施形態では、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記新しいメッセージと前記古いメッセージとの間の時間差を、前記時間粒度レベルに従っていくつかの等しい時間間隔に分割し、前記エネルギー差を等しい時間間隔の数で割ることにより、各時間間隔の平均エネルギー消費量を計算することで、エネルギー消費量の分布を取得するように構成される。これにより、平均エネルギー消費量が経時的にどのように変化するかを把握することができる。
【0022】
第2の態様の一実施形態では、前記エネルギーメータの読み取り値および前記平均エネルギー消費量は、ワット時またはワット時の倍数で与えられる。これにより、この装置は、より柔軟に使用することができる。
【0023】
第2の態様の一実施形態では、前記メモリは、さらに少なくとも1つのプロセッサにワット時またはワット時の倍数で表される平均エネルギー消費量をワットに変換することにより、各時間間隔の平均消費電力を計算させ、時間粒度レベルおよび平均消費電力に基づいて、新しいメッセージと古いメッセージとの間の時間内の消費電力分布を取得させ、前記消費電力分布を前記メモリまたは前記データベースに格納させる命令をさらに格納している。この消費電力分布は、特定のEV充電ステーションにおけるEV充電およびエネルギー生産をより効率的に最適化するのに役立つ可能性がある。
【0024】
第2の態様の一実施形態では、前記少なくとも1つのプロセッサは、他のEV充電ステーションから受信した新たなメッセージに対して上述した操作を繰り返すように構成されている。この場合、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサに他のEV充電ステーションについて得られたエネルギー消費量の分布を比較することにより、所定の時間におけるEV充電ネットワーク内の総エネルギー消費量を計算するように指示する命令をさらに格納する。これにより、対象となるEV充電ステーションにおけるEV充電およびエネルギー生産をより効率的に最適化するのに役立つ可能性がある。
【0025】
第3の態様では、コンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含んで構成されるコンピュータプログラム製品が提供される。前記コンピュータプログラムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されることにより、前記少なくとも1つのプロセッサに第1の態様に従った方法を実行させる。このように、第1の態様に従った方法は、コンピュータプログラムの形態で具現化することができ、これにより、それ自体の使用の柔軟性を提供することができる。
【0026】
本開示の他の特徴および有利な点は、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を検討すると明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
添付の図面を参照して、本開示の本質を以下に説明する。
図1】代表的なEV充電ネットワークの一例を示す。
図2】本開示の1つの態様に従って、EV充電ネットワークにおけるエネルギー消費量を監視するための装置のブロック図を示している。
図3】本開示の別の態様に従って、EV充電ネットワークにおけるエネルギー消費量を監視する方法のブロック図を示す。
図4図3の方法で得られたEV充電ステーションにおける日中の消費電力の依存性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の様々な実施形態は、添付の図面を参照してさらに詳細に説明される。しかしながら、本開示は、多くの他の形態で具現化することができ、以下の説明で開示されている任意の特定の構造または機能に限定されるものと解釈されるべきではない。対照的に、これらの実施形態は、本開示の説明を詳細かつ完全なものにするために提供される。
【0029】
本開示によれば、本開示の範囲は、この実施形態が独立して実施されるか、または本開示の他の実施形態と協調して実施されるかにかかわらず、本明細書に開示される任意の実施形態をカバーすることが、当業者には明らかであろう。例えば、本明細書に開示された装置および方法は、本明細書に提供された任意の数の実施形態を使用して実施することができる。さらに、本開示の任意の実施形態は、添付の特許請求の範囲に提示された要素またはステップのうちの1つまたは複数を用いて実施することができることが理解されるべきである。
【0030】
本明細書で使用されるように、「エネルギー」という用語は、EV充電ステーションまたは遠隔地の電気プラントのいずれかに配置された1つ以上の発電機によって生成される電気エネルギーに関連している。後者の場合、電気エネルギーは、ケーブルを介して、または取り外し可能な電池として、EV充電ステーションに提供されてもよい。これに対応して、「エネルギー消費」とは、EV充電ステーションで生産・蓄積された電気エネルギーの消費を指す。
【0031】
図1は、対象となる地理的地域に典型的に配備された例示的なEV充電ネットワーク100を示す。特に、EV充電ネットワーク100は、4つのEV充電ステーション102、104、106、108、およびデータセンター110を含んで構成される。次に、対象となる地理的領域は、3つの道路112、114、および116によって例示され、4つの電気自動車118、120、122、および124がその上を移動する。各EV充電ステーションの位置は、図1において実線の円で模式的に示されている。このように、EV充電ステーション102は道路112に沿って配置され、EV充電ステーション104は道路114と道路116との交差点に配置され、EV充電ステーション106は道路112と道路116との交差点に配置され、EV充電ステーション108は道路116に沿って配置されている。さらに、EV充電ステーション102、104、106、108の各々は、図1の破線矢印で模式的に示されるように、ある時点でエネルギー測定を行い、エネルギー測定に関するメッセージをデータセンター110に送信するように構成されたエネルギーメータを備えることが意図されている。このメッセージは、データセンター110がEV充電ステーション102、104、106、108から送信されたメッセージを適切に区別できるように、タイムスタンプ、ステーション識別子(ID)、各充電セッションに固有の充電セッションID、およびエネルギーメータの読み取り値を含んで構成されてもよい。
【0032】
ここで、車両118がEV充電ステーション102で充電されている状況、車両120がEV充電ステーション104で充電されている状況、車両122がEV充電ステーション108で充電されている状況、車両124がEV充電ステーション106で充電されている状況を考えてみよう。この状況では、EV充電ステーション102、104、106、108のエネルギーメータは、以下のテキストメッセージをデータセンター110に送信してもよい。
・2018-05-10 11:00:05 - ステーション102 - チャージID 10 - メータの読み取り値:1100 Wh
・2018-05-10 11:05:23 - ステーション104 - チャージID 13 - メータの読み取り値:436 Wh
・2018-05-10 11:06:25 - ステーション102 - チャージID 10 - メータの読み取り値:1145 Wh
・2018-05-10 11:10:15 - ステーション106 - チャージID 27 - メータの読み取り値:9923 Wh
・2018-05-10 11:11:45 - ステーション104 - チャージID 13 - メータの読み取り値:550 Wh
・2018-05-10 11:12:30 - ステーション108 - チャージID 30 - メータの読み取り値:12340 Wh
・2018-05-10 11:16:23 - ステーション102 - チャージID 10 - メータの読み取り値:1240 Wh
上記のメッセージから、次の結論を簡単に出すことができます。まず、EV充電ステーション102、104、106、108のエネルギーメータは、異なるタイミングでメッセージを送信してもよい。第2に、各EV充電ステーションのエネルギーメータは、EV充電ステーション102から送信されるメッセージのタイムスタンプから容易に分かるように、不規則な間隔でメッセージを送信してもよい。この不規則性は、データ通信の問題のようなエラーによって引き起こされる可能性がある。その理由は、EV充電ステーション102がメッセージを送信し損ねる可能性があるからである。これらの結論を考えると、ある時点でのEV充電ネットワーク100における総エネルギー消費量を計算することができないことに関連して、一つの問題が露呈している。例えば、上記のメッセージに関連して、2018-05-10 11:10:00の時点での総エネルギー消費量を特定することはできない。
【0033】
別の問題は、EV充電ステーション102、104、106、および108のエネルギーメータがエネルギー読み取り値をデータセンター110に送信するために使用し得る異なるメッセージフォーマットによって引き起こされ得る。例えば、EV充電ステーション102、104のエネルギーメータによって送信されるエネルギー読み取り値は、"enrg=XXX "のように見える可能性があり、EV充電ステーション106、108のエネルギーメータによって送信されるエネルギー読み取り値は、"XXX"と表示される可能性がある。これにより、EV充電ステーションからのメッセージの処理が複雑になる可能性がある。
【0034】
本開示は、電気自動車(EV)充電ネットワークにおけるエネルギー消費量を監視するための技術的解決策を提供し、この技術的解決策は、上記の問題を緩和することができるか、またはさらには排除することができる。本技術的解決策の態様は、電気自動車に関連して以下に論じられるが、これを何ら限定的なものと考えるべきではない。言い換えれば、本明細書に開示された技術的解決策の態様は、電気航空機や電気船舶などの他の種類の電気自動車に関連して等しく使用されてもよい。電気航空機の場合、EV充電ステーション102、104、106、108は、異なる空港に配置されてもよい。電気船舶に適用可能であることから、EV充電ステーション102、104、106、108は、異なる海港に配置され得る。
【0035】
図2は、本開示の一態様に従って、EV充電ネットワークにおけるエネルギー消費量を監視するための装置200のブロック図である。簡単のために、EV充電ネットワークは、図1に示されたものと同じであることが意図されている。この場合、装置200は、EV充電ネットワーク100のデータセンター110内に配置されることが意図されている。図2に示すように、装置200は、ストレージ202と、ストレージ202に結合されたプロセッサ204とを含んで構成されている。ストレージ202は、EV充電ネットワーク100におけるエネルギー消費量を監視するために、少なくとも1つのプロセッサ204によって実行されるプロセッサ実行可能命令206を格納している。ストレージ202はさらに、EV充電ステーション102、104、106、108のエネルギーメータからの古いメッセージを記憶するデータベース208を含んで構成されている。
【0036】
ストレージ202は、現代の電子計算機で使用されている不揮発性または揮発性メモリとして実装されてもよい。一例として、不揮発性メモリは、リードオンリーメモリ(ROM)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的に消去可能なPROM(EEPROM)、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリ、磁気ディスクストレージ(ハードドライブや磁気テープなど)、光ディスクストレージ(CD、DVD、ブルーレイディスクなど)などを含んでよい。揮発性メモリとしては、Dynamic RAM、Synchronous DRAM(SDRAM)、Double Data Rate SDRAM(DDR SDRAM)、Static RAMなどが挙げられる。
【0037】
プロセッサ204は、中央処理装置(CPU)、汎用プロセッサ、単一目的プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複合プログラマブルロジックデバイスなどとして実装されてもよい。プロセッサ204は、前述の任意の組み合わせとして実装され得ることに留意されたい。 一例として、プロセッサ204は、2つ以上のCPU、汎用プロセッサなどの組み合わせでもよい。
【0038】
ストレージ202に格納されたプロセッサ実行可能命令206は、プロセッサ204が本開示の態様を実行させるコンピュータ実行可能コードとして構成されてもよい。本開示の態様に係る操作またはステップを実行するためのコンピュータ実行可能コードは、Java、C、C++、Pythonなどの1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。いくつかの例では、コンピュータ実行可能コードは、高レベル言語の形式または事前にコンパイルされた形式であり得、その場でインタプリタ(これもストレージ202に予め格納されている)によって生成され得る。
【0039】
データベース208は、表形式で構成されてもよく、各行は、図1に示すようなEV充電ステーションから受信したメッセージのうちの1つに対応し、各列は、タイムスタンプ、ステーションID、充電セッションID、またはエネルギーメータの読み取り値のような、そのメッセージの特定の属性に対応している。他の一実施形態では、データベース208は、テーブルのセットとして構成されてもよく、各テーブルは、同じEV充電ステーションから受信したメッセージに関連付けられている。同時に、プロセッサ204は、任意の適切なプログラミング言語、例えば、構造化照会言語(SQL)を使用して、データベース208を照会および維持するように構成され得る。
【0040】
図3は、本開示の別の態様に従って、EV充電ネットワークにおけるエネルギー消費量を監視するための方法300のフローチャートである。方法300は、プロセッサ204がプロセッサ実行可能命令206を実行させられるときに、装置200のプロセッサ204によって実行されることが意図されている。
【0041】
特に、方法300は、プロセッサ204が、EV充電ステーション102、104、106、および108のうちの少なくとも1つから新しいメッセージを受信するステップS302から開始される。古いメッセージと同様に、新しいメッセージは、タイムスタンプ、ステーションID、充電セッションID、およびエネルギーメータの読み取り値を含んで構成される。前記メッセージ属性の各々は、異なる形で表示されてもよいことに留意すべきである。例えば、ステーションIDは、EV充電ステーションの名称、製造者情報、および/または地理的位置を含んで構成されてもよい。充電セッションIDは、1つ以上の文字および/またはデジタル文字で表されてもよい。充電セッションIDは、次の充電セッション毎に昇順に選択されることが明らかであるべきである。タイムスタンプは、日付と時間に関連したデータの交換をカバーするISO8601規格に従って表示されてもよい。エネルギーメータの読み取り値は、異なるエネルギー単位で表現されてもよいが、例えばキロワット時(kWh)のようなワット時(Wh)とその倍数は、電気的用途のコンテキストでは最も一般的である。
【0042】
新しいメッセージが受信されると、方法300はステップS304に進み、その際、プロセッサ204は、データベース208にアクセスして、そこに新しいメッセージに関する新しいエントリを作成する。つまり、プロセッサ204は、データベース208内に新しい行を作成し、その新しい行に新しいメッセージで示された属性値を記入する。
【0043】
次に、方法300は、ステップS306に進み、ここで、プロセッサ204は、データベース208が、新しいメッセージと同じステーションIDおよび充電セッションIDを含む古いメッセージを含んで構成されているかどうかをチェックする。この目的のために、プロセッサ204は、データベース208からそれぞれのデータを取得するためにSQRクエリを使用してもよい。前記要求されたメッセージ属性を有する古いメッセージが存在しない場合、方法300は終了する。しかし、データベース208がそのような古いメッセージを含んで構成される場合、方法300はさらに進行する。
【0044】
ステップS308において、プロセッサ204は、データベース208内で見つかった新しいメッセージと適当な古いメッセージとの間の時間差およびエネルギー差を計算する。時間差は、新しいメッセージと古いメッセージのタイムスタンプを比較することによって計算される。例えば、1分間に新旧のメッセージを受信した場合、時間差は秒単位で与えられる。また、エネルギー差については、新しいメッセージと古いメッセージのエネルギーメータの読み取り値に基づいて計算される。
【0045】
さらに、方法はステップS310に進み、ここで、プロセッサ204は、計算された時間差に基づいて時間粒度レベルを選択する。次に、方法300のステップS312において、プロセッサ204は、時間粒度レベルに従って、新しいメッセージと古いメッセージの2つのタイムスタンプの間でエネルギー差を均等に分割する。そうすることによって、プロセッサ204は、最終的に、新しいメッセージの2つのタイムスタンプと古いメッセージの2つのタイムスタンプの間のエネルギー消費量の分布を得る。その後、方法300は終了する。
【0046】
ここで、方法300がEV充電ステーションからのメッセージに適用される方法の一例を示す。EV充電ネットワーク100のデータセンター110が、10時5分にエネルギーメータの読み取り値が110Whに等しいことを示す新しいメッセージをEV充電ステーション102から受信したと仮定する。また、装置200のメモリ202に格納されたデータベース108は、新しいメッセージと同じステーションIDおよび充電セッションID、ならびに10時0分で100Whであるエネルギーメータの読み取り値を含む古いメッセージを含むと仮定する。これらの初期データが与えられると、1つは、以下のように方法300を実行するために進行してもよい。最初は、時間差が5分、エネルギー差が10Whであると判断する。この場合、時間粒度レベルとして1分を選択するのが妥当である。このようにして選択された時間粒度レベルでは、新しいメッセージのタイムスタンプと古いメッセージのタイムスタンプの間には、5つの1分間隔がある。次に、5つの1分間隔の間でエネルギー差を均等に分割し、10/5=2Wh/minとする。つまり、この例では、以下の5つのデータフィールドが作成されることになる。10:01 - 2Wh、10:02 - 2Wh、10:03 - 2Wh、10:04 - 2Wh、10:05 - 2Whである。データフィールドは、その後、装置200のメモリ202、特にデータベース208のいずれかに、新しいメッセージの追加属性(すなわち、古いメッセージとの関連付け)として格納されてもよい。このようにして、10:00-10:05の間にエネルギー消費量分布が得られる。このエネルギー消費量分布は、EV充電ステーション102におけるエネルギー消費量の平均値を示すものであるが、ステーションオペレータは、ある時刻におけるEV充電ステーション102の使用率についての手がかりを得ることができる。
【0047】
EV充電ネットワーク100のデータセンター110が、EV充電ステーション102、104、106、108のすべてから新しいメッセージを受信した場合、方法300は、次に、新しいメッセージのそれぞれに関して実行される。その結果、データベース208が、新しいメッセージのそれぞれに対して適切な古いメッセージを含んで構成していると仮定すると、EV充電ステーション102、104、106、108のそれぞれに関連付けられたエネルギー消費量の分布が存在し、上で説明したように取得される。これにより、ある時点でのEV充電ネットワーク100における平均的な総エネルギー消費量を決定することができる。例えば、EV充電ステーション102の10時3分の平均エネルギー消費量が2Wh、EV充電ステーション104の10時3分の平均エネルギー消費量が4Wh、EV充電ステーション106の10時3分の平均エネルギー消費量が6Wh、EV充電ステーション108の10時3分の平均エネルギー消費量が8Whであるとすると、10時3分のEV充電ネットワーク100の合計平均エネルギー消費量は、2+4+6+8=20Whとなる。
【0048】
一実施形態では、方法300は、ワット時またはワット時の倍数(または任意の他のエネルギー単位)での平均エネルギー消費量を、特定の時間における各EV充電ステーションのワット(W)での平均電力消費量に変換するステップをさらに含んでもよい。よく知られているように、エネルギー(E)は、電力(P)に時間(t)を掛けたもの、すなわち、E=P×tに等しい。上記の例を考えると、これは、EV充電ステーション102での10時3分における平均消費電力がP=2Wh/(1/60h)=120Wに等しいことを意味する。そうすることによって、そのような変換は、EV充電ステーション102から受信した新しいメッセージと古いメッセージのタイムスタンプの間の平均的な消費電力分布を得ることになる。エネルギー消費量分布と同様に、電力消費量分布は、その後、装置200のメモリ202、特にデータベース208に格納されるようにしてもよい。もちろん、必要に応じて、他のEV充電ステーション104、106、108についても同様の消費電力分布が得られるようにしてもよい。
【0049】
同様に、ある時間におけるEV充電ネットワーク100の総平均消費電力は、EV充電ステーション102、104、106、108の消費電力分布を比較することによって計算されるようにしてもよい。これを行うために、装置200のプロセッサ204は、データベース208を適切にクエリしてもよい。例えば、データベースクエリは、以下のように見えてもよい(メッセージ属性「timestamp」が副属性「year」、「month」、「day」、「hour」、「minute」などに分割されている場合)。
【0050】
"次の条件を満たすすべての消費電力値の合計を計算します:
ステーションID 場所 = 'フィンランド'
および、タイムスタンプ 年 = 2018
および、タイムスタンプ 月 =10
および、タイムスタンプ 日 =22
および、タイムスタンプ 時 =13
および、タイムスタンプ 分 = 4"
上記のクエリにより、プロセッサ204は、2018-10-22 13:04:00にフィンランドに位置する全てのEV充電ステーションにおける平均総電力消費量に関する情報を容易に取得することができる。
【0051】
図4は、EV充電ネットワーク内の複数のEV充電ステーションの時間に対する平均消費電力値の複数の依存関係を示す。各依存関係は、1つのEV充電ステーションに対応しており、方法300を使用して得られる。依存関係上の各点は、異なる充電セッションIDに対応する全ての消費電力値の総和を表し、ある時間における同一ステーションIDに対応する全ての消費電力値の総和を表す。このような依存関係を使用することで、利用可能なEV充電ステーションの使用率を把握することができ、利用可能なEV充電ステーションのうちの1つまたはすべての使用率が最も高い時期を特定することができる。この情報は、EV充電ステーションでのEV充電とエネルギー生産を最適化するために使用される。
【0052】
当業者であれば、方法300の各ブロックまたはステップ、またはブロックまたはステップの任意の組み合わせは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアなどの様々な手段によって実装され得ることを理解すべきである。一例として、上述したブロックまたはステップのうちの1つまたは複数は、コンピュータ実行可能命令、データ構造、プログラムモジュール、および他の適切なデータ表現によって具体化され得る。さらに、上述したブロックまたはステップを具体化するコンピュータ実行可能命令は、対応するデータキャリアに格納され、装置200のプロセッサ204のような少なくとも1つのプロセッサによって実行され得る。このデータキャリアは、コンピュータ実行可能命令を実行するために前記少なくとも1つのプロセッサによって読み取り可能に構成された任意のコンピュータ可読記憶媒体として実装することができる。そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、揮発性媒体および不揮発性媒体、取り外し可能な媒体および非取り外し可能な媒体の両方を含むことができる。例示的な方法であり、以下に限定されないが、コンピュータ可読媒体は、情報を格納するのに適した任意の方法または技術で実装された媒体で構成される。より詳細には、コンピュータ可読媒体の実施例としては、情報提供媒体、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多目的ディスク(DVD)、ホログラフィック媒体または他の光ディスク記憶装置、磁気テープ、磁気カセット、磁気ディスク記憶装置、および他の磁気記憶装置が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
本開示の例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、添付の特許請求の範囲によって定義される法的保護の範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態において任意の様々な変更および修正がなされ得ることに留意すべきである。別紙請求項において、「構成する」という語は、他の要素またはステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は、複数の要素を排除するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
図1
図2
図3
図4