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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/06 20060101AFI20220928BHJP
   F25D 17/08 20060101ALI20220928BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20220928BHJP
   F25D 21/06 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
F25D17/06 304
F25D17/06 315
F25D17/08 308
F25D11/00 101B
F25D21/06 N
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021076115
(22)【出願日】2021-04-28
(62)【分割の表示】P 2019169353の分割
【原出願日】2015-06-02
(65)【公開番号】P2021156571
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】P 2014167699
(32)【優先日】2014-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2014218266
(32)【優先日】2014-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】福岡 純一
(72)【発明者】
【氏名】東中 悠二
(72)【発明者】
【氏名】水野 敏之
(72)【発明者】
【氏名】野口 好文
(72)【発明者】
【氏名】野口 明裕
(72)【発明者】
【氏名】林 秀竹
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-167383(JP,A)
【文献】特開平05-018650(JP,A)
【文献】特開2016-075465(JP,A)
【文献】特開平06-117743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/06
F25D 17/08
F25D 11/00
F25D 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷気の吹出し口が形成された少なくとも1つの貯蔵室と、
前記貯蔵室を冷却するための冷却器と、
前記冷却器で冷却された冷気を、その冷気の供給ダクトを通して前記吹出し口から前記貯蔵室内へ供給する送風手段と、を備え、
1つの前記冷却器に対して、当該冷却器用の前記送風手段を2つ以上有するとともに、当該2つ以上の送風手段を制御する制御手段を備えた構成とし、
前記2つ以上の送風手段に共通の前記供給ダクトを通して供給する冷気の流路を開状態と閉状態とにする開手段が設けられ、
前記制御手段は、前記開手段の制御による閉状態で、前記2つ以上の送風手段のうち少なくとも1つについての回転数を、当該開手段の状態での回転数に比して低くする冷蔵庫。
【請求項2】
記冷却器に供給する冷媒を圧縮する圧縮機を備え、
記制御手段は、
前記圧縮機の運転速度を低下させた状態で前記2つ以上の送風手段のうち少なくとも1つを駆動させて前記冷却器の除霜を行う除霜運転として第一除霜運転と第二除霜運転との実行が可能に構成され、
前記第二除霜運転では、前記第一除霜運転よりも前記送風手段の駆動により送風する空気の量が少なくなるように当該送風手段を駆動させる請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第一除霜運転と前記第二除霜運転とを交互に繰り返し行う請求項2記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第二除霜運転の際に駆動する送風手段の駆動時間を、前記第一除霜運転の際に駆動する送風手段の駆動時間に比して短くなるように制御する請求項2または3記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第二除霜運転の際に駆動する送風手段の回転数を、前記第一除霜運転の際に駆動する送風手段の回転数に比して低く制御する請求項2または3記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第二除霜運転の際に駆動する送風手段の数を、前記第一除霜運転の際に駆動する送風手段の数に比して少なくなるように、前記2つ以上の送風手段を制御する請求項2または3記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記第二除霜運転の際の目標温度は、前記第一除霜運転の際の目標温度に比して低い値に設定されている請求項2または3記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、家庭用の冷蔵庫は、冷蔵室、野菜室、冷凍室等の貯蔵室を備えており、貯蔵室の背壁部には、冷却器を収容した冷却器室が設けられている(例えば、特許文献1参照)。また、貯蔵室の背壁部において、冷却器室に連なるダクトは吹出し口を有し、冷却器で冷却された冷気は、ファン装置の送風作用により前記吹出し口から、貯蔵室内へ供給されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-127345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した冷蔵庫は、冷却効率或いは冷却器の熱交換効率を高めるべくファン装置と冷却器との間で所定の距離を確保した配置形態とるが、そのために貯蔵室の容積が小さくなって食品の収納性を損なわせる傾向にある。
【0005】
そこで、省エネルギー化を図ることができるとともに貯蔵室の収納容積を充分に確保することが可能な冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の冷蔵庫は、冷気の吹出し口が形成された少なくとも1つの貯蔵室と、前記貯蔵室を冷却するための冷却器と、前記冷却器で冷却された冷気を、その冷気の供給ダクトを通して前記吹出し口から前記貯蔵室内へ供給する送風手段と、を備え、1つの前記冷却器に対して、当該冷却器用の前記送風手段を2つ以上有するとともに、当該2つ以上の送風手段を制御する制御手段を備えた構成とし、前記2つ以上の送風手段に共通の前記供給ダクトを通して供給する冷気の流路を開状態と閉状態とにする開手段が設けられ、前記制御手段は、前記開手段の制御による閉状態で、前記2つ以上の送風手段のうち少なくとも1つについての回転数を、当該開手段の状態での回転数に比して低くする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態について、冷却器及びファン装置を組付けた状態で示す背面側からの斜視図
図2】冷蔵庫全体の概略構成を示す縦断側面図
図3】冷凍サイクルの構成図
図4】電気的構成を示すブロック図
図5】冷却器及びファン装置の近傍を拡大して示す縦断側面図
図6】一対のファン装置と保持部材を拡大して示す分解斜視図
図7】ファンユニットと冷却室の前カバーを示す斜視図
図8】冷蔵除霜運転時の制御手順を示すフローチャート
図9】冷蔵冷却運転時の制御手順を示すフローチャート
図10】第2実施形態を示す図2相当図
図11】第3実施形態について、ファン装置と吹出し口との位置関係を表わす正面図
図12図9相当図
図13】第4実施形態を示すファン装置と冷却器の模式図
図14】第5実施形態について、ファン装置と冷却器を示す拡大縦断側面図
図15】冷却器の右端部分を示す拡大正面図
図16】冷却器の他の変更形態を示す縦断側面図
図17】第6実施形態について、冷蔵冷却運転時と冷凍冷却運転時の各ファン装置の通断電状態を示すタイムチャート
図18】第7実施形態を示す図17相当図
図19】第8実施形態を示す図17相当図
図20】第9実施形態を示す図17相当図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態について、図1図9を参照して説明する。図2に示すように、冷蔵庫1の断熱箱体2は、鋼板製の外箱3aと合成樹脂製の内箱3bとの間の空間部に断熱材10を有して構成されており、内部に複数の貯蔵室が設けられている。複数の貯蔵室として、例えば断熱箱体2内の上段から順に、冷蔵室4、野菜室5が設けられ、その下方に製氷室6と小冷凍室(図示せず)が左右に並べて設けられ、これらの下方に冷凍室7が設けられている。製氷室6内には、自動製氷装置8が設けられている。
【0009】
冷蔵室4および野菜室5は何れも冷蔵温度帯であって、例えば冷蔵室4は1~5℃、野菜室5は2~6℃のプラス温度帯)の貯蔵室であり、それらの間は、合成樹脂製の仕切壁9により上下に仕切られている。冷蔵室4の前面開口部には、ヒンジ開閉式の断熱扉4aが設けられ、野菜室5の前面開口部には、引出し式の断熱扉5aが設けられている。この断熱扉5aの背面部には、貯蔵容器を構成する下部ケース11が連結されている。下部ケース11の上部には、下部ケース11よりも小型の上部ケース11aが設けられている。冷蔵室4内の最下部(仕切壁9の上部)には、チルド室12が設けられている。このチルド室12内には、チルドケース13が出し入れ可能に設けられている。
【0010】
前記製氷室6、小冷凍室、並びに冷凍室7は、何れも冷凍温度帯(例えば、-10~-20℃のマイナス温度帯)の貯蔵室であり、前記野菜室5と製氷室6および小冷凍室との間は、断熱仕切壁14により上下に仕切られている。製氷室6の前面開口部には、引出し式の断熱扉6aが設けられており、その断熱扉6aの背面部に貯氷容器15が連結されている。小冷凍室の前面開口部にも、図示はしないが、貯蔵容器が連結された引出し式の断熱扉が設けられている。冷凍室7の前面開口部にも、下側の貯蔵容器7bおよび上側の貯蔵容器7cが連結された引出し式の断熱扉7aが設けられている。
【0011】
断熱箱体2内には、各貯蔵室を冷却するための冷凍サイクル16(図3参照)が組み込まれている。詳しくは後述するように、冷凍サイクル16は、冷蔵用冷却器17、冷凍用冷却器18、圧縮機20、凝縮器21等を有して構成されている。また、図2に示すように、断熱箱体2の背面側の下端部には機械室19が設けられており、この機械室19内に、圧縮機20や凝縮器21、除霜水蒸発皿35等が配設されている。
【0012】
そして、冷蔵温度帯の貯蔵室4,5の奥部には、冷蔵用冷却器17を収容する冷蔵側冷却器室32と、この冷却器室32の上方に連なる冷気供給ダクト30が配設されている。即ち、断熱箱体2の背部断熱壁には、冷蔵室4の最下段のチルド室12の後方に位置して、送風ダクト兼用の冷蔵側冷却器室32が設けられている。冷蔵側冷却器室32の前側下部には、冷蔵室4の下端部(野菜室5の上方)に臨む吸込み口37が設けられており、冷蔵側冷却器室32の後側上部には、冷気供給ダクト30が連通接続されている。尚、冷蔵用冷却器17からの除霜水は、後述する冷蔵側冷却器室32の水受部33で受けられた後、排水ホース34を介して機械室19内の除霜水蒸発皿35に導かれて蒸発する。
【0013】
冷気供給ダクト30は、左右方向(図2の紙面に直交する方向)に所定の幅寸法を有し、冷蔵室4の背部断熱壁に沿って冷却器室32側から上方へ延びるように形成されている。冷気供給ダクト30には、冷蔵室4内で開口する複数の吹出し口30aが設けられている。詳しくは後述するように、冷蔵側冷却器室32内には、例えば2つの冷蔵側ファン装置31L,31Rが配設されており、それらファン装置31L,31Rによって、冷却器17で生成された冷気を供給ダクト30の各吹出し口30aから冷蔵室4側へ供給するようになっている。尚、図示は省略するが、仕切壁9(冷蔵室4の底板)には、その後側の左右の両隅部に位置して、冷蔵室4と野菜室5とを連通させる連通口が設けられている。
【0014】
詳しくは後述するように、ファン装置31L、Rは軸流ファンであり、内蔵するボールベアリングについて、その内部がオイルで満された状態で密閉された密閉型のものを採用している。このボールベアリングは、その密閉状態が維持されることから、どの様な角度にファン装置31L,Rを設置してもベアリング内部のオイルが漏れ出す心配がない。
【0015】
冷蔵側ファン装置31L,31Rが駆動されると、当該ファン装置31L,31Rの送風作用により、冷蔵室4下端側(野菜室5上端側)の吸込み口37から、空気が冷蔵側冷却器室32内に吸い込まれる。そして、その空気は、冷蔵用冷却器17を通過して冷気となって、冷気供給ダクト30の吹出し口30aから冷蔵室4内へ供給される(図2図5の矢印参照)。冷蔵室4内へ供給された冷気は、冷蔵室4内を冷却した後、その一部が前記連通口を通して野菜室5内に流入して野菜室5を冷却する。冷蔵室4や野菜室5を冷却した冷気は、再び吸込み口37から冷蔵側冷却器室32内に吸い込まれる。このようにして冷気が循環し、冷蔵室4及び野菜室5が冷却される。
【0016】
断熱箱体2の冷凍温度帯の貯蔵室6,7の奥部には、送風ダクト兼用の冷凍側冷却器室38が設けられている。冷凍用冷却器室38は、その下部に冷凍用冷却器18、冷凍側除霜ヒータ57等が配設され、上部に冷凍側ファン装置39が配設されている。冷凍側冷却器室38の前面側には、中間部に位置して冷気吹出し口38aが設けられ、下端部に位置して吸込み口38bが設けられている。冷凍用冷却器18の下方には、冷凍用冷却器18の除霜時の除霜水を受ける冷凍側水受部40が設けられている。冷凍側水受部40で受けられた除霜水は、断熱箱体2の底部断熱壁を通る冷凍側排水ホース41を介し除霜水蒸発皿35へ導かれて蒸発する。
【0017】
ここで、冷凍側ファン装置39が駆動されると、当該ファン装置39の送風作用により、下段の冷凍室7内の空気が吸込み口38bから冷凍側冷却器室38内へ吸い込まれる。そして、その空気は、冷凍用冷却器18を通過して冷却され、冷気となって、吹出し口38aから製氷室6、小冷凍室、冷凍室7へ供給される。その冷気は、当該製氷室6、小冷凍室、冷凍室7を冷却した後、再び吸込み口38bから冷凍側冷却器室38内へ吸い込まれる。このようにして冷気が循環し、製氷室6、小冷凍室及び冷凍室7が冷却される。
【0018】
図3に示すように、前記冷凍サイクル16は、圧縮機20の吐出側から三方弁23までを、分岐の無い一本の流れで構成している。そして、三方弁23によって冷蔵用冷却器17側と冷凍用冷却器18との二本の流れに分岐され、その後合流して圧縮機20の吸入側に接続されている。
【0019】
圧縮機20の吐出側には、凝縮器21とドライヤ22とが順に接続パイプ26を介して接続されている。ドライヤ22の吐出側に接続された三方弁23は、2つの出口を有している。三方弁23の2つの出口のうち一方の出口には、冷蔵側キャピラリチューブ24と冷蔵用冷却器(エバポレータ)17とアキュームレータA1が順に接続され、その後、冷蔵側サクションパイプ27を介して圧縮機20の吸入側に接続されている。三方弁23の2つの出口のうち他方の出口には、冷凍側キャピラリチューブ25と冷凍用冷却器18とアキュームレータA2とが順に接続され、その後、冷凍側サクションパイプ28及び逆止弁29を介して圧縮機20に接続されている。
【0020】
尚、上記した断熱箱体2は、断熱材10として例えばウレタン10aとともに真空断熱材10b,10c,10d(図2参照)を用いている。真空断熱材10b~10dは、金属製の箔部材(例えばアルミ箔)と例えば合成樹脂製のフィルム部材とを貼り合わせてラミネート加工したフィルムでガラス繊維等の芯材を包むことで、例えば長方形の薄板状に形成した構成にある。真空断熱材10b~10dは、前記断熱壁として箱体2の上部、背部、及び底部に配設されるとともに、箱体2の左右の両側部にも図示しない真空断熱材が配設されている。
【0021】
また、冷蔵室4、野菜室5、及び冷凍室7には、夫々の室内温度を検知するための温度センサとして、図4に示す冷蔵用温度センサ(Rセンサ46)、野菜室用温度センサ(Vセンサ47)、及び冷凍室用温度(Fセンサ48)が設けられている。
【0022】
さて、本実施形態の冷蔵庫1は、1つの冷蔵用冷却器17に対し、当該冷却器17用のファン装置31L,31Rを複数(例えば2つ)有する構成とされている。これら冷蔵側ファン装置31L,31Rについて、以下では「第1ファン装置31L、第2ファン装置31R」と称し或いは単にファン装置31L,31Rと称し、図5図7も参照しながら詳述する。また、第1ファン装置31L及び第2ファン装置31Rは、何れも構成要素を同じくする送風機であることから、第1ファン装置31Lの構成要素にLを、第2ファン装置31Rの構成要素にRを付し、或いは適宜同一符号を付して一括して説明する。
【0023】
第1、第2ファン装置31L,31Rは、図6に示す軸流ファン51L,51R及びケーシング53L,53Rを備えるとともに、図4に示す第1、第2ファンモータ52L,52Rを備える。ケーシング53L,53Rは、図6に示すように正方形筒状をなす外周壁を有する矩形枠体53aと、その枠体53a隅部から中央部に向かう4つの上フレーム部53bを介して中央部に設けられたモータケース53cとを有する。ケーシング53Lのモータケース53cには第1ファンモータ52Lが収容され、ケーシング53Rのモータケース53cには第2ファンモータ52Rが収容されている。
【0024】
軸流ファン51L,51Rは、ケーシング53L,53Rにおける筒状の内壁部53d(図6参照)の内方に位置する。軸流ファン51L,51Rは、円筒状の回転筒部51aと、この回転筒部51aの周りに所定のねじり角度を持って一体形成された例えば3枚の羽根(インペラ)51bとからなる。軸流ファン51L,51Rの回転筒部51aは、対応するファンモータ52L,52Rの回転軸80(図5参照)に取付けられている。
【0025】
図5で模式的に示すファンモータ52L,52Rは、軸部としての回転軸80と、この回転軸80を回転可能に支持する軸受(図示略)とを備える。前記軸受は例えば、内輪と外輪との間に配される複数のボールを有するボールベアリングからなる。このボールベアリングは、例えば内輪と外輪との間に掛け渡されるようにして設けられたシール(或いはシールド材)により、予めオイル(グリース等の油)が封入された内部の軸受空間を閉塞している。このような密閉型のボールベアリングは、周知構成のものを採用することができ、その詳細な説明を省略する。尚、軸受は、転動体としてボールに代えてコロを用い、或いはシール以外の油漏れ防止手段を用いた他のベアリングで構成してもよい。
【0026】
図5図6に示すように、各ファン装置31L,31Rは、回転軸80が上下方向(符号OL,ORを付した縦方向の回転中心軸線参照)を指向するように配置される。ここで、各ファン装置31L,31Rにおいて外郭をなすケーシング53L,53Rの奥行き寸法(前後方向寸法)Mf1は、当該ケーシング53L,53Rの左右方向寸法Mf3と一致し、且つ冷蔵用冷却器17の奥行き寸法Me1と略一致するように設定されている(Mf1=Mf3≒Me1)。尚、ファン装置31L,31Rの奥行き寸法Mf1と冷蔵用冷却器17の奥行き寸法Me1とを一致させてもよい。
【0027】
各ファン装置31L,31Rは、冷蔵側冷却器室32に対して、保持手段である保持部材60により取付け固定される。保持部材60は、例えば合成樹脂材料からなり、図6に示すように全体として左右方向延びる横長な矩形枠状をなしている。保持部材60は、ファン装置31L,31Rを冷蔵用冷却器17の長手方向に相互に離間させた状態で保持する。具体的には、保持部材60は、第1ファン装置31Lを収容する第1収容枠61Lと、第2ファン装置31Rを収容する第2収容枠61Rと、両者61L,61Rを左右方向に並ぶように繋ぐ接続部62とを一体に有する。また、保持部材60の左右両端部には、掛止め部63L,63Rが一体に設けられている。各収容枠61L,61Rは、ケーシング53L,53Rの収容が可能な矩形筒状をなし、左右の両端側に上側嵌合片61aが設けられるとともに、底側内縁部に載置部61bが設けられている。
【0028】
また、第1収容枠61Lは、接続部62側つまりファン装置31L,31R間のスペース側の壁部に一対の第1係合部65L,65Lを有する。第1係合部65L,65Lは、何れも第1収容枠61Lにおける側壁部の上端から下方へ切込みを入れるようにして形成された短冊状をなす。また、第1係合部65L,65Lは、上方へ延びるように突設されており、その上端部に、ケーシング53Lの上縁部に対して側方から嵌合する係合爪65aL,65aLが設けられている。同様に、第2収容枠61Rは、接続部62側の壁部に一対の第2係合部65R,65Rを有する。第2係合部65R,65Rも短冊状をなし、その上端部には、ケーシング53Rの上縁部に対して側方から嵌合する係合爪65aR,65aRが設けられている。こうして、係合部65L,65L,65R,65Rは、保持部材60の長手方向にファン装置31L,31Rと隣合う位置で係合する。また、各ファン装置31L,31Rは、収容枠61L,61Rの上側嵌合片61aと載置部61bとの間で保持されるとともに、係合爪65aL,65aRにより係止されることで(図7参照)、保持部材60とユニット化される(以下、ファンユニット70と称す)。
【0029】
図7は、冷蔵庫1の背面側からのファンユニット70の組付時の様子を示している。保持部材60(ファンユニット70)において、左方(図7では右方)の掛止め部63L並びに右方の掛止め部63Rは、夫々逆U字状をなす部分が、冷蔵側冷却器室32の被掛止め部(図7で右方の被掛止め部32aのみ図示)に取付けられる。上記した掛止め部63L,63R並びに係合爪65aL,65aRは、何れもファン装置31L,31Rに対し左右方向の側に位置し、ファンユニット70は、冷蔵側冷却器室32の収容空間において前後方向へ嵩張ることはない。
【0030】
ここで、冷蔵用冷却器17の構成について詳述しておく。図1図5に示すように、冷蔵用冷却器17は、少なくとも冷媒流通パイプ170と、多数の冷却フィン(伝熱フィン)171とを一体的に有し、全体として略直方体形状をなす。具体的には、冷蔵用冷却器17は、蛇行状に屈曲形成された冷媒流通パイプ170を主体として、当該パイプ170に薄板短冊状の冷却フィン171(図14図15参照)を多数嵌着した構成にある。冷媒流通パイプ170のU字部分側には、冷却フィン171群の左右両端側に位置するやや肉厚の端板172が配設され、以って略直方体形状が保持されている。これら冷却器17における各部材170~172は、例えば何れもアルミニウム材から形成されている。冷蔵用冷却器17における前後の外面側には、蛇行状をなす冷蔵側除霜ヒータ56(図14参照)が配設されている。
【0031】
冷蔵用冷却器17は、奥行き寸法Me1と上下方向寸法Me2とが略一致し、左右方向寸法Me3は、それらの寸法Me1,Me2より大きく設定されている(Me1≒Me2<Me3)。つまり、本実施形態の冷蔵用冷却器17は、その周辺のうち奥行き方向と上下方向とに夫々沿う辺が短辺、左右方向に沿う辺が長辺であり、当該冷却器17の長手方向は左右方向となる。
【0032】
前記冷蔵用冷却器17においてファン装置31L,31Rが並ぶ側の上面と直交する方向から見て(つまり図1の上側から見て)、ファンユニット70のファン装置31L,31Rは、当該冷却器17の右縁17a(図1では左の端板172)から左縁17b(同図で右の端板172)の間に収まる。また、図1では説明の便宜上、冷却器17の右縁17aから第2ファン装置31Rの右端までの第1距離W1と、ファン装置31L,31R相互間のファン間距離W0と、冷却器17の左縁17bから第1ファン装置31Lの左端までの第2距離W2とを、同図の下側で同一直線上に示している。このように、ファンユニット70は、図1の上側から見て冷蔵用冷却器17に対しファン装置31L,31Rが当該冷却器17の長手方向へ所定の距離W0,W1,W2をとって並ぶ配置形態をとる。尚、同図では、ファン間距離W0が左右のスペースW1,W2よりも若干大きくなっているが(W0>W1=W2、或いはW0≒W1=W2)、これらの距離W0,W1,W2相互間で同じ寸法、或いは略同じ寸法となるように設定してもよい。
【0033】
また、図5に示すように、ファンユニット70におけるファン装置31L,31Rは、冷蔵用冷却器17に対して所定間隔W3隔てた真上の位置に配置される。例えば、間隔W3は、ファン装置31L,31Rの外形寸法Mf1の略1/2とされ、冷蔵用冷却器17の近傍にファン装置31L,31Rが設けられている。或いは、間隔W3は、軸流ファン51L,51Rの直径の1/2の長さでもよい。
【0034】
図7に示す冷蔵側冷却器室32の前カバー32bは、その上部側に左右一対の前記被掛止め部32aが形成されるとともに、上下方向の中間部に、左右方向に延びる前記吸込み口37が形成されている。冷蔵側冷却器室32の下部には、冷蔵用冷却器17の下側を囲う前記水受部33が収容されている。
【0035】
図5に示すように、前カバー32bは、その後側上部に前記冷気供給ダクト30に連通接続される接続部32cが設けられている。つまり、前カバー32bは、冷気供給ダクト30に連なり前記背部断熱壁とともに空気の流路を構成するダクト部材であり、前カバー32b内を、ファン装置31L,31Rで生成された空気が流通する。前カバー32bの上面壁(天井部32d)は、前面側から接続部32cに向かうに従い次第に高くなり、又、後方且つ上方へ緩やかに湾曲するように形成されている(矢印32r参照)。換言すれば、前カバー32bの天井部32d及び接続部32cは全体として、ベルマウス形状をなすベルマウス部とされており、ファン装置31L,31Rの送風の上流となる下側ほど拡開している。
【0036】
この天井部32dによって、冷蔵側冷却器室32は、ファンユニット70の上方において、接続部32cに向かう冷気の流れについて淀みを抑制し、圧力損失を低減させることが可能となる。また、天井部32dは、図5に示すにように、ファン装置31L,31Rの前端側から後端側へ向けて当該モータ52L,52R上方を覆う位置まで延設されており、冷蔵室4側から飲料水等が零れ落ちてきたとしても、その液体からファンモータ52L,52Rを保護する。尚、天井部32dに代えて、液体からファンモータ52L,52Rを保護する庇部(図示略)を、ファン装置31L,31Rの上方に設けるようにしてもよい。
【0037】
冷蔵庫1の製造工程において、各ファン装置31L,31Rは、保持部材60に保持されることで、ファンユニット70として一体に組込まれる。即ち、先ずファン装置31L,31Rは、保持部材60の収容枠61L,61Rに対して、夫々上側から嵌め込むようにして装着される(図6参照)。このとき、第1係合部65L,65Lは、その可撓性により第1ファン装置31Lに対して一対の係合爪65aL,65aLが上側から嵌合するため、第1ファン装置31Lが確実に保持される。同様に、第2係合部65R,65Rは、その可撓性により第2ファン装置31Rに対して一対の係合爪65aR,65aRが上側から嵌合するため、第2ファン装置31Rが確実に保持される。
【0038】
これにより、ユニット化されたファンユニット70は、左右両端の掛止め部63L,63Rを冷蔵側冷却器室32(前カバー32b)の被掛止め部32a,32aに掛渡すようにして取付けられる(図7参照)。これにより、ファン装置31L,31Rは、回転中心軸線OL,ORが上下方向を指向し、且つ前述した冷蔵用冷却器17に対する所定の位置関係となるように位置決めされる(図1参照)。このため、2つのファン装置31L,31Rは、簡単且つ正確に冷却器室32の所定位置に組付けることができる。こうして、冷蔵側冷却器室32内には、組付けられたファン装置31L,31Rの駆動により、その軸方向(つまり下から上の方向)へ向かう冷気の流れが形成される(図5参照)。また、冷蔵側冷却器室32では、上記した天井部32dとファン装置31L,31Rとの間に所定の空間が確保され、冷気の流れは、淀みなく冷気供給ダクト30側へ導かれる。
【0039】
尚、図示は省略するが、1つの冷蔵用冷却器17に対して、その長手方向に3つ以上のファン装置を配置してもよい。同様に、1つの冷凍用冷却器室38に対してその長手方向に2つ以上のファン装置を配置してもよい。
【0040】
上記した冷蔵用冷却器17には、その左部の第1ファン装置31Lと対応する位置に、エバ用第1温度センサ55Lが設けられ、右部の第2ファン装置31Rと対応する位置に、エバ用第2温度センサ55Rが設けられている。図1では説明の便宜上、各温度センサ55L,55Rについて、その検出位置を、点で表している。同図に例示するように、各温度センサ55L,55Rは、冷却器17の上面部において、各ファン装置31L,31Rの軸線OL,ORに合わせて配置されている。各温度センサ55L,55Rは、各ファン装置31L,31Rに対応する位置であれば、冷却器17における上下方向の中間部や下面部に配置してもよいし、冷却器17の前面側或いは後面側へずらして配置してもよい。
【0041】
続いて、冷蔵庫1の電気的構成について、図4を参照しながら説明する。冷蔵庫1の制御装置50には、第1ファンモータ52L、第2ファンモータ52R、冷凍側ファン装置39のファンモータ45、三方弁23、圧縮機20、除霜ヒータ56,57、Rセンサ46、Vセンサ47、Fセンサ48、エバ用第1温度センサ55L、エバ用第2温度センサ55Rが接続されている。制御装置50は、マイクロコンピュータを主体に構成されており、ROMやRAM等の記憶手段を有する。また、冷蔵庫1には、温度設定或いは運転設定等を行うための操作部49(図4にのみ図示)が設けられており、制御装置50には、操作部49からの設定等の入力信号も受け付ける。
【0042】
前記制御装置50は、ROM等に予め記憶されている制御プログラムの実行により、冷蔵庫1全体の制御を司る制御手段として構成されている。そして、制御装置50は、各センサ46~48,55L,55Rの入力信号や前記温度設定等に基づいて、各ファン装置31L,31R,39が夫々独立して動作を行うように、各ファンモータ52L,52R,45の起動及び停止並びに回転数を各別に制御する。尚、制御装置50の基板は、冷蔵庫1の機械室19に搭載されている。また、後述する目標温度の値(或いは温度の判定に係る閾値)は、予め制御プログラムに含ませる(前記記憶手段に予め記憶される)ものとする。
【0043】
続いて、上記構成の作用について、図8図9も参照しながら説明する。ここで、図8は、冷凍サイクル16による冷却運転として、上記した冷蔵室4及び野菜室5を冷却する冷蔵冷却運転と、製氷室6、小冷凍室及び冷凍室7を冷却する冷凍冷却運転とのうち、前者の冷蔵冷却運転について、ファン装置31L,31Rに係る制御のフローチャートを示している。
【0044】
制御装置50は、冷蔵冷却運転の開始に際し、除霜ヒータ56を断電するとともに、冷凍サイクル16の三方弁23を冷蔵用冷却器17へ冷媒を供給するように切換えて、圧縮機20に通電する(ステップS1)。また、制御装置50は、各ファン装置31L,31R(モータ52L,52R)を、夫々正回転駆動させる(ステップS2)。この場合、ファン装置31L,31R毎に、インバータによるパルス幅変調(PWM)方式によって回転数の制御がなされ、例えば何れも1000[rpm]で駆動される。尚、後述するように、共鳴が生じないように各ファン装置31L,31Rの回転数を相互に異ならせてもよい。
【0045】
こうして、ファン装置31L,31Rの送風作用により、前述したように冷蔵室4及び野菜室5を冷却する冷気の循環が生じる(図2図5の矢印参照)。この冷却運転中、制御装置50は、フィードバック信号によりファン装置31L,31Rの夫々について故障の有無を判定する(ステップS3)。即ち、ファン装置31L,31Rについて、磁束に対応した電流成分であるd軸電流とトルクに対応した電流成分であるq軸電流Iqとに基づいて回転速度を検知し、その回転速度と速度指令信号とから故障を判定する。ここで、制御装置50は、例えば一方のファン装置31Lが故障したと判定すると(ステップS3にてYES)、当該ファン装置31Lの通電を停止し、他方のファン装置31Rの回転数を増加させる(ステップS4)。この場合、他方のファン装置31Rの回転数は、一方のファン装置31Lが1000[rpm]から0[rpm]となるため(駆動不能な停止状態となるため)、その風量を補完するように2000[rpm]に設定される。これにより、一方のファン装置31Lが故障しても、風量の低下を補うことができる。
【0046】
このような冷却運転(通常運転)は、圧縮機20の運転積算時間が所定時間に達すると終了し(ステップS5にてYES)、除霜運転に移行する。ここで、図9は、制御装置50が実行する除霜運転の処理の流れを示している。
【0047】
除霜運転では、制御装置50により圧縮機20が断電されるとともに、除霜ヒータ56が通電される(ステップS11)。これにより、冷蔵用冷却器17が加熱されて霜が溶け、エバ用第1温度センサ55L、エバ用第2温度センサ55Rによる検出温度(以下、冷却器左部温度T1、冷却器右部温度T2とする)が上昇する。また、制御装置50は、各ファン装置31L,31Rを、夫々逆回転駆動させ、各回転数を例えば1000[rpm]に設定する(ステップS12)。これにより、冷蔵室4や野菜室5内のプラス温度の空気が、吹出し口30aから冷気供給ダクト30を通って、冷蔵側冷却器室32内に流れ込むことで、冷蔵用冷却器17の霜を溶かす。また、除霜によって生じた湿気が、吸込み口37から野菜室5上端側(冷蔵室4下端側)に供給されることで(つまり図2図5の矢印とは逆向きの流れが生成されることで)、野菜室5にうるおいを与える。
【0048】
制御装置50は、Rセンサ46及びVセンサ47の検出温度に基づき、冷蔵室温度Rが野菜室温度Vよりも高いと判定したとき(ステップS13にてYES)、ファン装置31L,31Rを、夫々正回転駆動させる(ステップS17)。即ち、冷蔵室4は、野菜室5よりも若干低い温度に設定されているが、例えば冷蔵室4内に温度の高い貯蔵物が貯蔵されたとき、冷蔵室4の温度が上昇する。そのため、ファン装置31L,31Rを、正回転に切換えることにより、冷蔵室4の優先的な冷却を図っている。
【0049】
また、制御装置50は、冷却器左部温度T1及び冷却器右部温度T2が何れも0℃を超えたと判定したとき(ステップS14にてYES)、ファン装置31L,31Rを、夫々正回転に切換える(ステップS17)。即ち、ファン装置31L,31Rの逆回転時、エバ用第1、第2温度センサ55L,55Rは、何れも冷蔵用冷却器17の風上に位置する。従って、冷却器17の温度T1,T2上昇に伴い、風向きを変更することで、冷却器17の霜を極力偏りなく溶かすべく、正確な温度検出を行うようになっている。
【0050】
上記したファン装置31L,31Rの逆回転駆動中(ステップS13にてNO且つS14にてNO)、制御装置50は、冷却器17における左部の温度T1と右部の温度T2とに応じて、夫々のファン装置31L,31Rの回転数を増減させる(ステップS15)。即ち、仮に冷却器17において左右で霜の溶け具合に差が生じ、左部の温度T1がより低くなっていれば、制御装置50は、ファン装置31Lの回転数をより高い値に設定することで除霜を促進する。或いは、他方のファン装置31Rについて、回転数をより低い値に設定したり、その駆動を停止してもよい。これにより、制御装置50は、冷却器17における温度分布、つまり温度T1,T2のバランスをとるように制御し、冷却器17の霜が偏りなく溶かされる。尚、前述したように、冷却器17の上方にファン装置31L,31Rが配置されているため、冷却器17で溶けた水は、ファン装置31L,31Rにかかることはない。
【0051】
こうして、ファン装置31L,31Rについて、その逆回転駆動が例えば10分間継続して行われると(ステップS16にてYES)、制御装置50は、ファン装置31L,31Rを夫々正回転に切換える(ステップS17)。
【0052】
ステップS17でのファン装置31L,31Rの正回転駆動は、上記した1000[rpm]或いはステップS15で増減した後の回転数に設定される。そして、制御装置50は、冷却器17における左部の温度T1と右部の温度T2との何れかが除霜終了推定温度を超えたと判定した場合(ステップS18にてYES)、その温度に到達した温度センサに対応するファン装置31L,31Rの駆動を停止する。具体的には例えば、冷却器17の温度検出位置において霜が溶けたと推定される所定温度を3℃とし、左部の温度T1が当該温度を超えた時点でファン装置31Lの駆動を停止する(ステップS19)。或いは、当該ファン装置31Lについて、回転数をより低い値に設定してもよい。これにより、除霜運転の省エネルギー化を図ることができる一方、ファン装置31Rの正回転駆動が継続され、霜を確実に溶かすことが可能となる。
【0053】
その後、制御装置50は、冷却器17における左部の温度T1が3℃を超え且つ右部の温度T2も3℃を超えたと判定した場合(ステップS20にてYES)、除霜運転を終了する。尚、除霜運転の終了に際して、圧縮機20に通電するとともに、除霜ヒータ56を断電する(図8のステップS1参照)。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の冷蔵庫1は、冷気の吹出し口30aが形成された貯蔵室と、貯蔵室を冷却するための冷却器17と、冷却器17で冷却された冷気を吹出し口30aから貯蔵室内へ供給するファン装置31L,31Rとを備え、1つの冷却器17に対して、当該冷却器17用のファン装置31L,31Rを2つ以上有する構成とした。これによれば、1つの冷却器17に対し1つのファン装置を有する構成に比して風量が増し、冷却力を増大させることができるとともに、冷却器17の熱交換効率を向上させることができ、省エネルギー化を図ることができる。また、風量を増加させるために、2つのファン装置31L,31Rを用いることで、ファン装置31L,31Rのファン径を大きくせずに済み、貯蔵室の収納容積を充分に確保することが可能となる。
【0055】
前記冷却器17は、水平方向または垂直方向に長辺と短辺とを有する略直方体形状をなすとともに、当該冷却器17の周辺のうち前記短辺以外の辺に沿う方向を長手方向とし、2つ以上のファン装置31L,31Rは、冷却器17の長手方向へ並ぶように配置した。これによれば、冷却器17に対して2つ以上のファン装置31L,31Rを嵩張らないように配置することができる。
【0056】
前記2つ以上のファン装置31L,31Rは、何れの回転軸80も縦方向を指向するように配置されている。これによれば、ファン装置31L,31Rと冷却器17との間隔W3を狭めて、よりコンパクト化なファン装置31L,31Rのレイアウトにすることができ、スペース効率を向上させることができる。
【0057】
この場合の間隔W3を、例えば軸流ファン51L,51Rの直径の1/2以下にすることで、上記した効果に加え、冷却器室32の縦寸法を極力小さくすることが可能となる。
前記2つ以上のファン装置31L,31Rは、何れも冷却器17の近傍に設けられているため、それらファン装置31L,31R及び冷却器17がとるスペースを抑制し、貯蔵室の収納容積を充分に確保することができる。
【0058】
前記2つ以上のファン装置31L,31Rは、夫々の奥行き寸法が冷却器17の奥行き寸法と略一致するように形成されている。これによれば、スペース効率を向上させる上で、冷却器17に対するファン装置31L,31Rの大きさを、より好適なものとすることができ、総じて冷却器17とファン装置31L,31Rとのコンパクトなレイアウトを実現することができる。
【0059】
また、例えば、ファン装置31L,31Rは上記寸法に限らず、例えばその奥行き寸法Mf1(或いは軸流ファン51L,51Rの直径の寸法)を冷却器17の奥行き寸法Me1(短辺に沿う方向の寸法)に対して0.5倍~1.5倍にしてもよい。これによれば、ファン装置31L,31Rが冷却器17に対して、それほど嵩張ることがなく、両者1L,31R,17の近接配置によるコンパクト化を図ることができる。また、これによれば、冷却器17における所期の熱交換効率を確保しながらも軸流ファン51L,51Rの直径に応じた風量を得ることができるとともに、無駄にファン装置31L,31Rを大型化せずに済む。
【0060】
冷蔵庫1は、2つ以上のファン装置31L,31Rのうち一方のファン装置31Lに係合可能な第1係合部65Lと、他方のファン装置31Rに係合可能な第2係合部65Rとを有する保持部材60を備え、保持部材60は、第1係合部65Lと一方のファン装置31Lとが前記長手方向に隣合う位置で係合し、第2係合部65Rと他方のファン装置31Rとが前記長手方向に隣合う位置で係合することで、各ファン装置31L,31Rの保持が可能に構成されている。これによれば、第1係合部65L及び第2係合部65Rが各ファン装置31L,31Rと前記長手方向に隣合う位置にあるため、保持部材60における前記長手方向と直交する方向の幅寸法を抑え、2つ以上のファン装置31L,31Rの取付け構造をスリムにすることができる。
【0061】
前記2つ以上のファン装置31L,31Rは、冷却器17の前記長手方向に相互に離間し、且つ冷却器17においてファン装置31L,31Rが並ぶ側の面と直交する方向から見て当該冷却器17の一方の縁から他方の縁の間に収まるように配置されるとともに、冷却器17の一方の縁から当該縁側のファン装置31Rまでの第1距離W1と、ファン装置31L,31R相互間の距離W0と、前記冷却器17の他方の縁から当該縁側のファン装置31Lまでの第2距離W2とが何れも略同じ距離または所定距離となる配置形態にした。これによれば、冷却器17との関係で良好な送風特性が得られ、熱交換効率を一層向上させることができる。
【0062】
前記2つ以上のファン装置31L,31Rについて、夫々独立して動作を行うように各別に制御する制御装置50を備える。これによれば、2つ以上のファン装置31L,31Rを駆動する場合でも、夫々の回転数を異ならせるように制御することで、共鳴を防止することができる。また、例えば全部のファン装置31L,31Rの回転数を高めることで、より大きな風量と冷却力を得ることができる一方、1つのファン装置31Lのみ駆動させて回転数抑える等、省エネルギー化を図ることができる。
【0063】
制御装置50は、2つ以上のファン装置31L,31Rのうち一方のファン装置の駆動不能な停止状態で、他方のファン装置の駆動により貯蔵室内へ冷気を供給する制御の実行が可能に構成されている。これによれば、仮に一方のファン装置が故障等により駆動不能となっても、他方のファン装置の駆動により貯蔵室に冷気を供給する機能を維持することができる。尚、係る制御は、上記した冷却運転時(図8のステップS3,S4)に実行するだけでなく、除霜運転において当該ステップS3,S4を実行してもよい。
【0064】
制御装置50は、前記2つ以上のファン装置31L,31Rのうち一方のファン装置の駆動不能により、その風量の低下を補完するように他方のファン装置の回転数を増加させる。これによれば、仮に一方のファン装置が駆動不能となっても、他方のファン装置の駆動により、送風量を維持し或いは風量の低下を補うことができる。
【0065】
制御装置50は、一方の温度センサ55Lと他方の温度センサ55Rとの各検出温度に応じて、一方のファン装置31Lと他方のファン装置31Rとの各回転数を増減させ又は何れかの駆動を停止させる。これによれば、冷却器17において温度を検出する位置に応じて風量を適切に調整し、冷却器17の冷却効率を高めることができる。また、適宜ファン装置の駆動を停止することで、省エネルギー化を図ることができる。
【0066】
制御装置50は、冷却器17を除霜ヒータ56により加熱して除霜を行う除霜運転中に、一方の温度センサ55Lと他方の温度センサ55Rとの何れかの検出温度が所定温度に到達したと判断した場合、その所定温度に到達した温度センサに対応するファン装置の駆動を停止させる。これによれば、除霜運転におけるファン装置の駆動停止により省エネルギー化を図ることができるとともに、他のファン装置の駆動を継続により、霜を確実に溶かすことが可能となる。
【0067】
また、複数回の除霜運転を繰り返す場合に、ファン装置からの風の量を適宜調整してもよい。すなわち、霜を確実に除霜できるようにファン装置の運転時間あるいは回転数を高く制御して除霜運転時の風の量を多く確保する第一除霜運転と、第一除霜運転よりも少ない風の量でファン装置を運転する第二除霜運転とを交互に繰り返すような制御を行ってもよい。ここで、「風の量」とは「ファン装置の駆動により送風する空気の量」であり、上記した風量つまりファン装置で送風する単位時間当たりの空気の量(貯蔵室への単位時間当たりの冷気の供給量)の意味と、第一除霜運転中(又は第二除霜運転中)にファン装置で送風する空気の量の意味を含む。
【0068】
従って例えば、第一除霜運転、前記冷却運転、第二除霜運転、前記冷却運転というように、第一除霜運転と第二除霜運転とを交互に実行することで、第一除霜運転のみを繰り返し実行する場合に比べて、除霜運転時間を短くし或いはファン装置の回転数を低く抑えることができるためファン装置での消費電力を低減することが可能となる。この場合複数のファン装置のうち、一部のファン装置のみを運転させるなどして風の量を少なくしてもよい。
【0069】
より具体的には、冷却器17の除霜を行う場合にファン装置31L、31Rを1500[rpm]で回転させ、温度センサ55L、55Rが第一の目標温度である第一除霜温度(例えば+3℃)まで上昇したことを検知するまで送風を維持することで第一除霜運転を行う。第一除霜運転後、前記冷却運転を行い、再び冷却器17の除霜が必要となった場合にはファン装置31L、31Rを1000[rpm]で回転させ、温度センサ55L,55Rが第一除霜温度よりも低い第二の目標温度である第二除霜温度(例えば-2℃)まで上昇したことを検知するまで送風を維持することで第二除霜運転を行う。
【0070】
また、第一除霜運転時及び第二除霜運転時の送風は通常冷却時とは逆向きにファン装置31L、31Rを回転させて、冷却器17の霜が溶け出し高湿度となった冷気を野菜室104に向けて送風する。このような第一除霜運転及び第二除霜運転は、前記ステップS13~S20に代えて実行させることができる。また、この場合、第一除霜運転及び第二除霜運転は、前記冷却運転を挟んで交互に実行されることとなる。
【0071】
これによれば、冷却器17の除霜を行う度にファン装置31L、31Rによる大きな電力消費を必要としないため、消費電力を低減することができる。すなわち、消費電力量の多い第一除霜運転を繰り返すのではなく、消費電力量の少ない第二除霜運転と第一除霜運転を交互に繰り返すため、一連の除霜運転において消費電力を低減しつつ、かつ、冷却器17の除霜を確実に行うことができる。
【0072】
なお、第一除霜運転と第二除霜運転とは、ファン装置31L、31Rの回転数[rpm]や、温度センサ55L、55Rに係る除霜温度(目標温度)を異ならせるだけでなく、除霜運転の際に駆動するファン装置31L、31Rの数を異ならせることで、風の量に大小関係が生じるようにしてもよい。例えば、第一除霜運転ではファン装置31L、31Rの両方を運転し、第二除霜運転ではファン装置31L、31Rのうち片方のみを運転する、あるいは、2つのファン装置を交互に運転するようにしても良い。
【0073】
また、除霜運転を温度センサ55L、55Rが目標温度に到達するまで行うのではなく、予め設定された時間だけファン装置31L、31Rを運転させることで風の量を制御しても良い。すなわち例えば、第一除霜運転としてファン装置31L、31Rを20分間運転し、第二除霜運転としてファン装置31L、31Rを3分間運転するという制御を除霜運転を行う度に繰り返すことで、第一除霜運転を繰り返す場合に比べて風の量(ファン装置の駆動時間)が少なくなるように制御しても良い。
【0074】
なお、除霜運転での消費電力量の異なる除霜運転は2種類に限られず、さらに多くの種類の除霜運転を備えても良い。すなわち、除霜運転での消費電力の異なる3段階の除霜運転を繰り返す、あるいは、単位時間あたりの扉開閉回数をカウントし、扉開閉が少なく冷却器17への着霜が少ないと推定される場合には第二除霜運転の代わりにさらに消費電力量を抑えた第三除霜運転を行うなどしても良い。
【0075】
また、高湿度の冷気を野菜室104に送風するため、野菜室104内の湿度を高く維持することができ、貯蔵品の乾燥を防ぎ、鮮度良く保存することができる。
なお、除霜運転時の送風方向は野菜室に向かう方向のみに限られず、ファン装置31L、31Rのうち片方を冷蔵室102に向かう正回転で運転し、もう片方を野菜室104に向かう逆回転で運転しても良い。これによれば、冷却器17の近傍で2つのファン装置によって回転するような気流を生み出して、効率的に冷却器17の除霜を行うことができる。
【0076】
ファン装置31L,31Rは、回転軸80及びその軸受と、回転軸80の回りに回転することで軸方向への空気の流れを生成する羽根51bと、を備え、前記軸受は、油漏れを防止する手段を含むベアリングで構成されている。これによれば、ファン装置31L,31Rについて、油漏れを防止しつつ、回転軸80が縦方向を指向するように配置する等、設計の自由度を高めることができる。
【0077】
ファン装置31L,31Rで生成された空気の流路を構成するダクト部材(前カバー32b)を備え、前カバー32bは、ファン装置31L,31Rの上方に位置させて、そのファン装置31L,31Rに対する天井部32dまたは庇部が形成されている。これによれば、仮に冷蔵室4側から飲料水等が零れ落ちてきたとしても、天井部32dまたは庇部によって、その液体がファン装置31L,31Rにかからないようにすることができる。
【0078】
前記ダクト部材は、ファン装置31L,31Rの上方に位置させて、そのファン装置31L,31Rの送風の上流ほど拡開するベルマウス部が形成されている。これによれば、ベルマウス部によって、ダクト部材におけるファン装置31L,31Rの送風の下流側の流れについて淀みを抑制し、圧力損失を低減させることが可能となる。特に本実施形態では、ファン装置31L,31Rは上下方向に送風するように配置されているため、その上方の流れの淀みを抑制する等して、所期の送風作用を得ることができる。
【0079】
<第2実施形態>
図10は、第2実施形態を示すものであり、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、第1実施形態と異なるところを説明する。
第2実施形態の冷蔵庫100は、冷蔵用冷却器と冷凍用冷却器の2つの冷却器を備えたものでなく、且つ、野菜室104を冷凍室103の下側に隣接して配置している。即ち、図10に示すように、冷蔵庫100は、冷蔵温度帯の貯蔵室である冷蔵室102と野菜室104とが上下に離され、これらの間に冷凍室103が配置された構成となっている。また、冷却器114は1個のみであり、この1個の冷却器114で冷凍温度帯の貯蔵室も冷蔵温度帯の貯蔵室も冷却する構成となっている。
【0080】
具体的には、冷蔵庫100の断熱箱体101の内部には、上から順に冷蔵室102、冷凍室103、野菜室104が設けられている。冷蔵室102と冷凍室103との間には断熱仕切壁110が設けられ、冷凍室103と野菜室104との間にも断熱仕切壁111が設けられている。そして、冷凍室103の後部には、冷却器室113を形成するダクト部材112が設けられている。冷却器室113は、冷却器114と、ファン装置31L,31Rとを収容し、その上方において前記冷気供給ダクト30と連通する。冷却器室113のダクト部材112は、上端部に吹出し口117が形成され、下端部に吸込み口118が形成されている。
【0081】
前記冷気供給ダクト30と冷却器室113との接続部分には、当該接続部分を開閉するダンパ122が設けられており、制御装置50によるダンパ122の開閉制御が行われるようになっている。図示は省略するが、冷気供給ダクト30の下方には、野菜室104側へ延びて、冷蔵室102と野菜室104とを連通接続する野菜室用ダクトが設けられている。野菜室104の上側の断熱仕切壁111には、冷却器室113に連通する戻りダクト128が設けられている。また、図示は省略するが、冷蔵室102には、前記Rセンサ46が設けられており、冷凍室103には、前記Fセンサ48が設けられている。
【0082】
尚、本実施形態の冷蔵庫100では、冷凍温度帯の貯蔵室としては冷凍室103のみとなっているが、第1実施形態と同様に、冷凍室103の他に、製氷室と小冷凍室を設けるようにしてもよい。また、図2図10に示すように、冷蔵庫1、100の貯蔵室内の各ケース11,11a,13や容器7b,7c,15類は、その一部を省いたり、貯蔵室に合せて形状を適宜変更することができる。
【0083】
上記構成において、ダンパ122を閉じた状態で、ファン装置31L,31Rが駆動されると、冷却器114で冷却された冷気が吹出し口117から冷凍室103内に供給され、冷凍室103内の冷気は吸込み口118から冷却器室113内に戻されるように循環し、これにより冷凍室103が冷却される。
また、ダンパ122を開いた状態で、ファン装置31L,31Rが駆動された場合には、冷却器114で冷却された冷気の一部が冷気供給ダクト30を通り、各吹出し口30aから冷蔵室102内に供給される。また、冷却器114で冷却された冷気の残り分は、上述したように冷凍室103内へ供給される。冷蔵室102内を冷却した冷気は、前記野菜室用ダクトを下方へ流れて野菜室104内に供給され、野菜室104内を冷却する。野菜室104内を冷却した冷気は、戻りダクト128を通り、冷却器室113に戻される。
【0084】
尚、本第2実施形態の冷却器114の上下方向寸法Me2´は、第1実施形態の冷却器17の上下方向寸法Me2よりも大きく、その余の冷却器114の奥行き寸法Me1´及び左右方向寸法(図示略)は、冷却器17の奥行き寸法Me1及び左右方向寸法Me3と同じに形成してある。従って、後述するように、冷却器114において短辺に沿う奥行き方向に対し、上下方向及び左右方向は何れも長手方向と捉えることができる。また、本第2実施形態では、ダクト部材112と一体に或いは別体として前カバー32bが設けられ、ファン装置31L,31Rは、ファンユニット70として冷却器室113に組込まれる。従って、本第2実施形態のように1個の冷却器114で冷凍温度帯の貯蔵室と冷蔵温度帯の貯蔵室との双方を冷却する構成でも、制御装置50によって、ファン装置31L,31Rを各別に駆動する制御が行わる。このため、冷却器114の熱交換効率を高めて省エネルギー化を図ることができ、貯蔵室の収納容積を充分に確保することができる等、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0085】
<第3実施形態>
図11は、第3実施形態を示すダクト部材112の模式的な正面図であり、第2実施形態と同一部分には同一符号を付し、第2実施形態と異なるところを説明する。
【0086】
ダクト部材112の前カバー32bは、上端部の吹出し口117に代えて、上寄りの左半部側に形成された吹出し口130を有する。吹出し口130は、第1ファン装置31Lと対応する上方の位置にあって、その左半部側を左右の長手方向に沿って帯状に切欠くようにして設けられている。また、吹出し口130は、冷凍室103に臨み、且つ第1ファン装置31Lの近傍に形成されている。本第3実施形態の保持部材60´は、図11に示すように、第1ファン装置31Lを第2ファン装置31Rよりも低い位置で保持するように、接続部62´がクランク状をなしている。或いは、図示は省略するが、第1ファン装置31L及び第2ファン装置31Rを、保持部材60´を用いることなく、冷却器室113に対して夫々取付けるようにしてもよい。
【0087】
上記構成において、制御装置50は、Rセンサ46とFセンサ48の検出信号に基づき、各ファン装置31L,31Rの駆動制御と、ダンパ122の開閉制御とを行うことで、効率的に冷気を各貯蔵室に供給することができる。例えば、ダンパ122を閉じた状態で、第1ファン装置31Lのみを駆動させて、そのファン装置31L近傍の吹出し口130から冷気を冷凍室103内に供給することができる。より具体的なファン装置31L,31Rの制御内容について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
【0088】
制御装置50は、冷却運転において、第1ファン装置31Lを回転数N1で正回転駆動させるとともに、第2ファン装置31Rを回転数N2で正回転駆動させる(ステップS21,S22)。例えば回転数N1は1000[rpm]、回転数N2は1200[rpm]に設定されており、こうした回転数は、前記記憶手段にデフォルト値として記憶されている。尚、回転数N1,N2は、吹出し口130やファン装置31L,31Rの位置関係、並びに各貯蔵室の容積に応じて適宜変更することができる。
【0089】
制御装置50は、冷却運転においてダンパ122が閉状態か否か、つまり冷凍室103のみを冷却する状態か否かを判定する(ステップS23)。ここで、制御装置50は、ダンパ122が閉状態と判定した場合(ステップS23にてYES)、例えば第1ファン装置31Lのみ回転数N1で駆動させ、第2ファン装置31Rの駆動を停止させる(若しくは回転数N2を低下させる)。こうして、冷凍室103を冷却する際には、その容積に合わせて全体としての風量を低下させるとともに、第1ファン装置31Lにより吹出し口130から冷凍室103へ効率的に冷気が供給される。或いは、当該ステップS24において、例えばファン装置31L,31Rの回転数N1,N2を、夫々低下させる。このような、ファン装置31L,31Rの停止或いは回転数の設定を変更する処理は、上記した吹出し口117、130の位置や、ファン装置31L,31Rの配置、或いは、ファン装置31L,31Rの送風能力等に合わせて設定することができる。
【0090】
その後、制御装置50は、ファン装置31L,31Rの回転数が夫々N1,N2より低く、且つダンパ122が開状態と判定すると(ステップS26にてYES)、ファン装置31L,31Rの回転数をN1,N2に戻す(ステップS21、S22)。こうして、ステップS21~S26が繰り返し実行され、圧縮機20の運転積算時間が所定時間に達したと判定されると(ステップS25にてYES)、この冷却運転を終了する。
【0091】
以上のように、本第3実施形態では、2つ以上のファン装置31L,31Rのうち一方のファン装置31Lは、吹出し口130に対応する位置に配置されることで他方のファン装置31Rと段違いになっている。これによれば、一方のファン装置31Lの駆動により、冷気を吹出し口130から効率良く供給することができる。
【0092】
尚、上記した本第3実施形態の吹出し口130と第1ファン装置31Lとの配置構成を、第1実施形態の冷蔵庫1に適用してもよい。即ち、前カバー32bの吹出し口130をチルド室12に臨むように設け、第1ファン装置31Lと第2ファン装置31Rとにより、チルド室12側とその余の冷蔵室4側とで風量の分配を行うことが可能となる。
【0093】
このように、制御装置50は、1つのファン装置31Lとその他のファン装置31Rとの何れかの駆動を停止し又は1つのファン装置31Lとその他のファン装置31Rとで回転数を異ならせて、1つの吹出し口(例えば冷凍室103の吹出し口130やチルド室12の吹出し口30a)とその他の吹出し口30aとで風量分配を行うように制御する。これによれば、送風効率を高めることができるとともに、貯蔵室の容積や温度帯等に応じて風量分配を行うことが可能となる。
【0094】
前記1つの吹出し口以外の吹出し口30aから貯蔵室内へ供給する冷気の流路を開閉するダンパ122が設けられ、制御装置50は、ダンパ122の閉状態で、1つのファン装置31L以外のファン装置31Rについて駆動を停止し又は回転数を当該ダンパ122の開状態時の回転数に比して低くする。これによれば、ダンパ122の開閉に係わらず、効率のよい送風作用が得ることができるとともに、省エネルギーを図ることができる。
【0095】
この点、例えば図10に示すように、冷凍室103の吹出し口117の近傍にファン装置31L,31Rの何れか1つを配置していない第2実施形態の構成でも、本第3実施形態の処理(図12のフローチャート)を適用することができる。このように、貯蔵室内へ供給する冷気の流路を開閉するダンパ122を設けた構成にあって、制御装置50は、ダンパ122の閉状態で、2つ以上のファン装置31L,31Rについて夫々の回転数を当該ダンパ122の開状態時の回転数に比して低くする。これによれば、ダンパ122の開閉に応じた所期の風量を得ることができるとともに、省エネルギーを図ることができる。
【0096】
2つ以上のファン装置31L,31Rは、そのうち一方のファン装置と他方のファン装置とで送風能力の差が有るものを用いてもよい。例えば前記吹出し口117の近傍に配置したファン装置31Lの外形寸法をファン装置31Rの外形寸法に比して小さくしてもよいし、ファンモータ52L,52Rは、相互に定格速度等が異なるものを用いてもよい。このような2つ以上のファン装置を駆動する場合でも、夫々の回転数を異ならせるように制御することで、共鳴を防止することができる等、上記した実施形態と同様の効果を奏する。
【0097】
<第4実施形態>
図13(a)(b)は、第4実施形態のファン装置と冷却器とを模式的に示す斜視図であり、上記した実施形態と異なるところを説明する。同図に示すように、ファン装置31L,31Rの羽根51bの枚数や形状を変更したファン装置31L´,31R´を用いてもよいし、冷蔵庫における冷却器201,202の配置や、冷却器201,202に対するファン装置31L´,31R´の並びや向きも適宜変更してもよい。
【0098】
即ち、図13(a)に示すように、冷却器201が略直方体状をなすとしても、その冷却器201に段落ち部201aがある場合には、段落ち部201aのスペースにファン装置31L´,31R´を並べて配置することで、スペース効率を向上させるようにしてもよい。この冷却器201の具体例は、第5実施形態として後述する。
【0099】
また、上記した「長手方向」とは、略直方体状をなす冷却器の周辺のうち最も短辺となる辺に対して長辺となる辺に沿う方向を称するものとする。例えば、図13(b)に示す冷却器202は、上下方向に沿う短辺202aに対して、左右方向に沿う辺202b及び前後方向に沿う辺202cが長辺となり、同図に示す向きで冷却器室(図示略)に配置される。この場合、冷却器202の長手方向は、左右方向或いは前後方向である。従って、ファン装置31L´,31R´は、冷却器202に対して上下方向に並べず、長手方向である左右方向或いは前後方向に並ぶように配置してもよい。また、同図に例示するように、ファン装置31L,31Rは、冷却器202の前面側に配置してもよい。
【0100】
<第5実施形態>
図14は、第5実施形態の冷却器及びファン装置の近傍を示す拡大縦断側面図であり、上記した実施形態と同一部分には同一符号を付し、上記した実施形態と異なるところを説明する。
第5実施形態の冷凍用冷却器室301は、一対のファン装置31L,31R(他のファン装置31L´,31R´でもよい)と、冷凍用冷却器302とを収容しており、その下部には、水受部303が設けられている。冷却器室301の前カバー300には、前斜め下方に延びる冷気吹出し口300aが設けられ、その下側に位置して吸込み口300b(同図の矢印参照)が設けられている。ファン装置31L,31Rは左右に並び、且つ回転中心軸線OL,ORが前後方向を指向するように配置されている。
【0101】
冷凍用冷却器302は、少なくとも冷媒流通パイプ170と多数の冷却フィン171,171aとを一体的に有するとともに、幅狭部302aを有し全体として段付きの直方体形状をなしている。詳細には、冷凍用冷却器302は、上記した第1実施形態の冷却フィン171に加え、後側上部に冷却フィン171aが設けられ、冷却器302の表面積を増大させてある。この最上段に位置する冷却フィン171aは全て、他の冷却フィン171よりも前後方向に短い。これにより、左右両端の端板172´,172´間には、冷却器302における冷却フィン171aの前方に位置して、他の部材の収容が可能な収容スペースが形成されている。
【0102】
尚、図15では、説明の便宜上、冷却フィン171aを破線で表している。また、本第5実施形態の端板172´は、第1実施形態の端板172を上方へ延設した矩形板状をなすが(図14参照)、冷却フィン171aに合わせて、段付き状に形成してもよい。
【0103】
こうして、冷却器302には、その左端から右端にわたって前側上部を切り欠くようにして、換言すれば略直方体形状の幅を一部狭めるようにして幅狭部302aが形成されている。本実施形態における当該「幅」は、冷却器302の短辺の長さであって図14中、左右方向の長さに相当する。冷却器302の幅狭部302aは、ファン装置31L,31Rに近い側となる部分にあって、当該ファン装置31L,31Rの図示しない取付部(或いは被取付部)が位置する。また、その冷却器302における上部の前記収容スペースには、キャピラリチューブ24や、サクションパイプ28、アキュームレータA2の配管(何れも図3参照)、その他の部材の収容が可能とされている。従って、冷凍用冷却器室301の限られた空間内で、冷却フィン171aにより冷却器302の熱交換効率を高めつつ、冷却器302を含む冷凍サイクル16の大型化を極力抑制したコンパクトな構成とすることができる。
【0104】
以上説明したように本第5実施形態の冷却器302には、略直方体形状の幅を一部狭めるようにして幅狭部302aが設けられている。これによれば、冷却器302の大型化を抑制しながらも、幅狭部302aを生かした空間作りが可能となり、貯蔵室の収納容積を確保することができる。
【0105】
前記冷却器302においてファン装置31L,31Rに近い側となる部分に幅狭部302aを形成した。これによれば、例えばファン装置31L,31Rの一部(取付部等)を幅狭部302aで空いたスペースに位置させることができ、ファン装置31L,31Rとの関係で省スペース化を図ることができる。
【0106】
前記幅狭部302aは、冷却器302とともに冷凍サイクル16を構成する部材や他の部材(冷却器室301の前カバー300の一部等)の収容が可能な幅寸法に設定されている。これによれば、幅狭部302aによって、冷凍サイクル16全体或いは冷却器302周辺の構成をよりコンパクトなものとすることができる。
【0107】
続いて、幅狭部に係る変更形態について、図16(a)(b)を参照しながら説明する。図16(a)に示す冷却器302は、冷却フィン171aの後側上部に更にもう一段、冷却フィン171bを設けている。冷却フィン171bは、冷却フィン171aよりも前後方向に短く、冷却器302における第2の幅狭部302bを形成している。これにより、冷却器302の上部には、上方に向かうに従い幅寸法が小さくなる階段状の幅狭部302a、302bが、左端から右端にわたって冷却フィン171a,171bの前部を切り欠くようにして形成されている。このように、冷却器302は、幅狭部302a、302bにより段付き状をなし、且つその段が複数段となるように幅寸法が異なる複数の幅狭部が形成されている。これによれば、冷却器302の配置スペースや他の部材との関係で、可及的に熱交換効率を高めながらも、よりコンパクトな配置構成とすることが可能となる。
【0108】
図16(b)に示す冷却器302は、冷却フィン171aに代えて、冷却フィン171cを設けている。同図に示すように、冷却フィン171cの前半部は、前斜め下方へ切り欠くようにして傾斜部が形成されている。これにより、冷却器302の上部は、上方へ向かうに従い幅寸法が狭くなる傾斜状の幅狭部302cとされている。この幅狭部302cは、冷却器302の左端から右端にわたって冷却フィン171cの前部を斜めに切り欠くようにして形成されることで、冷却器302上部の幅を狭めている。この冷却器302によっても、幅狭部302cで空いたスペースを利用して、他の部材を収容することが可能となる等、上記した実施形態と同様の効果を奏する。
【0109】
<第6実施形態>
図17は、第6実施形態における各ファン装置31L,31R,45のタイムチャート(通断電状態)を示しており、上記した第1実施形態と異なるところを説明する。同図に示すMr及びMfは、上記した冷蔵冷却運転及び冷凍冷却運転に夫々対応する冷却モードを表しており、制御装置50は、各冷却モード(冷蔵冷却運転Mr及び冷凍冷却運転Mf)を交互に繰り返す制御を実行する。
【0110】
ここで、冷蔵冷却運転Mrでは、第1実施形態の冷蔵冷却運転と同様、冷凍サイクル16の三方弁23を冷蔵用冷却器17へ冷媒が供給されるように切換えて、圧縮機20に通電する。また、制御装置50は、図17に示すように、冷蔵冷却運転Mrにおいて各ファン装置31L,31Rを夫々正回転駆動させる一方、冷凍側ファン装置39の駆動を停止する。尚、図示は省略するが、冷凍用冷却器18の除霜は、定期的に(例えば24時間ことに)圧縮機20が断電されるとともに、冷凍側除霜ヒータ57が通電されることにより行われる。
【0111】
一方、冷凍冷却運転Mfでは、冷凍側除霜ヒータ57を断電し且つ圧縮機20に通電した状態で、三方弁23を冷凍用冷却器18へ冷媒が供給されるように切換え、冷凍側ファン装置39を、制御装置50により正回転駆動させる。また、冷凍冷却運転Mfを実行する場合、同時に冷蔵用冷却器17の除霜を行うものとする。
【0112】
即ち、冷凍冷却運転Mfにおいて、冷蔵用冷却器17側へ冷媒が流れないため、当該冷却器17は冷却されないが、制御装置50は、少なくともファン装置31L,31Rの何れか一方を駆動させる(図17参照)。これにより、前述した冷蔵温度帯の冷蔵室4及び野菜室5の空気が、冷気供給ダクト30を通して循環されることで、冷蔵用冷却器17の温度は上昇してプラスの温度となり、これに伴い冷蔵用冷却器17の除霜が行われる。従って、本第6実施形態では、冷蔵側除霜ヒータ56を省略し、ファン装置31L,31Rの駆動による冷蔵除霜運転を、冷凍冷却運転Mfと並行して行うことができる。
【0113】
より具体的には、図17に示すように、制御装置50は、冷蔵冷却運転Mrから冷凍冷却運転Mfに切換わると同時に一方のファン装置31Rの駆動を停止し、他方のファン装置31Lの駆動を継続する(逆回転駆動でもよい)ことで、冷蔵除霜運転を行う。制御装置50は、例えば温度センサ55L,55Rの検出温度に基づき制御装置50により前記除霜終了推定温度を超えたと判断したとき、ファン装置31Lの駆動を停止する。また、制御装置50は、冷凍冷却運転Mfが終了したと判定するまで冷凍側ファン装置39を駆動するため、冷凍冷却運転Mfにおけるファン装置31Lの駆動時間は、冷凍側ファン装置39の駆動時間に比して短くなっている。
【0114】
以上のように、第6実施形態では、冷却器17に冷媒を流さない状態でファン装置31L,31Rの駆動により冷却器17の除霜を行う除霜運転の実行が可能な構成にあって、その除霜運転と冷却運転Mrとで駆動するファン装置31L,31Rの個数を異ならせる(除霜運転時に駆動するファン装置31L,31Rの個数を減少させる)。これにより、複数のファン装置31L,31Rについて、除霜運転と冷却運転Mfとで必要な送風能力に見合う個数だけ駆動させることにより、着霜劣化を防止しながらも省エネギー化を図ることができる。
【0115】
<その他の実施形態>
図18は、第7実施形態に係るタイムチャートを示しており、上記した第6実施形態と異なるところを説明する。
第7実施形態では冷蔵側除霜ヒータ56を設けて、冷蔵用冷却器17の除霜の際に除霜ヒータ56への通電を行うものとし、ファン装置31Lの回転数は、冷蔵冷却運転Mr時よりも冷凍冷却運転Mf時の方が低くなるように設定してある。このため、冷蔵除霜運転時のファン装置31Lの回転数を予め低い値に設定しても、除霜ヒータ56を発熱させることで、第6実施形態と略同じ時間(或いは短い時間)にファン装置31Lの駆動を終えるようになっている。これにより、ファン装置31Lの回転数を抑制することができ、省エネギー化を図ることができる。
【0116】
図19は、第8実施形態に係るタイムチャートを示しており、上記した第6実施形態と、以下の点で異なる。
即ち、第8実施形態では、冷蔵側除霜ヒータ56を省略しており、一対のファン装置31L,31Rは、何れも冷蔵冷却運転Mrと冷凍冷却運転Mfとにわたって継続して駆動される。もっとも、各ファン装置31L,31Rの冷凍冷却運転Mf時の回転数は、冷蔵冷却運転Mr時の回転数よりも低く、且つ段階的に低くなるように設定してある。このため、冷蔵除霜運転時に両ファン装置31L,31Rを駆動させるとしても、夫々の回転数を抑制することができる等、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0117】
図20は、第9実施形態に係るタイムチャートを示しており、上記した第8実施形態と、以下の点で異なる。
即ち、各ファン装置31L,31Rの冷凍冷却運転Mf時の回転数は、例えば温度センサ55L,55Rによる検出温度(或いは夫々の回転数の前記デフォルト値)に基づき、夫々設定される。このため、図20に示すように、冷凍冷却運転Mfにおいて、一方のファン装置31Lは、回転数を段階的に低くして継続的に駆動され,他方のファン装置31Rは、回転数を段階的に低くして途中で駆動を停止する。このように、ファン装置31L,31R毎に、その送風作用や検出温度等に応じて夫々の回転数を設定することで、冷却器17の除霜を確実に行うことができるとともに、省エネギー化を図ることができる等、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0118】
上記実施形態或いは変更形態として記載した、冷却器の個数や形状、ファン装置の個数や配置形態、制御手段による前記冷却運転や前記除霜運転の制御等について、夫々の構成を選択的に組み合わせて1つの実施形態としてもよい。具体的には例えば、冷却器114が1個の第2実施形態の冷蔵庫100において、第1実施形態中で述べた第一除霜運転と第二除霜運転を実行してもよいし、その第2実施形態の冷却器114に代えて変更形態の冷却器302の形状を採り入れる等、適宜組み合わせるようにしてもよい。
【0119】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0120】
図面中、1,100は冷蔵庫、4,5,6,7,102,103,104は貯蔵室、17,114,201,202,302は冷却器、30a,117,130は吹出し口、31L,31Rはファン装置(送風ファン)、32dは天井部、50は制御手段、51bはインペラ、55L,55Rは温度センサ、60は保持手段、65Lは第1係合部、65Rは第2係合部、80は回転軸、122はダンパ、171,171a,171b,171cは冷却フィン、302a,302b,302cは幅狭部を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20