(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】喫煙製品およびヴェポライザー用物品および製剤
(51)【国際特許分類】
A24B 15/30 20060101AFI20220928BHJP
A24B 15/14 20060101ALI20220928BHJP
A24D 1/18 20060101ALI20220928BHJP
A24B 15/16 20200101ALI20220928BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20220928BHJP
【FI】
A24B15/30
A24B15/14
A24D1/18
A24B15/16
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2022516206
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 US2020050128
(87)【国際公開番号】W WO2021050682
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-04-06
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521038485
【氏名又は名称】キャブベイシス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】CABBACIS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パンドルフィーノ,ジョセフ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0015382(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0331913(US,A1)
【文献】特表2021-518134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/30
A24B 15/14
A24D 1/18
A24B 15/16
A24F 40/20
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙者が電子たばこもしくはタバコ加熱製品に移行すること、またはたばこおよびニコチン製品を完全やめることを補助する、禁煙療法としてヴェポライザーと共に使用するための、使い捨て式のベイピング準備の整った精密ポッドであって、前記ベイピング準備の整った精密ポッドが、
ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも2mgに等しい一つまたは複数の化合物;
超低THC大麻少なくとも5mg;
低ニコチンたばこ少なくとも5mg;
前記一つまたは複数の化合物、前記超低THC大麻、および前記低ニコチンたばこを収容する区画;ならびに
エアおよび前記区画内および外への蒸気の換気のための一つまたは複数の通気口を含み、
前記ベイピング準備の整った精密ポッドが、オーブンチャンバー内への設置用に、前記ヴェポライザーの前記オーブンチャンバーのために構成され、
前記超低THC大麻少なくとも5mgが、3mg/g以下の集合的THCA/THC含有量を含み、
前記低ニコチンたばこ少なくとも5mgが、3mg/g以下のニコチン含有量を含む、使い捨て式のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項2】
前記一つまたは複数の化合物が、メントールを含むフレーバーである、請求項1に記載
のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項3】
前記一つまたは複数の化合物が、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)である、請求項1に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項4】
前記一つまたは複数の化合物が、アナタビンである、請求項1に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項5】
前記一つまたは複数の化合物が、カンナビジオール酸〈CBDA〉である、請求項1に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項6】
シチシニン少なくとも2mgをさらに含む、請求項5に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項7】
禁煙治療としての使用のため、喫煙者が電子たばこもしくはタバコ加熱製品に移行すること、またはたばこ
及びニコチン製品を完全にやめることを補助する、ドライハーブまたは植物抽出物から蒸気を生成するように構成された
ヴェポライザーと共に使用するためのベイピング準備の整った精密ポッドであって、前記ベイピング準備の整った精密ポッドが、
ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、THCA/THC、CBDA/CBD、CBCA/CBC、CBGA/CBG、THCVA/THCV、CBDVA/CBDV、CBCVA/CBCV、CBGVA/CBGV、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも2mgに等しい
一つまたは複数の化合物;
超低THC大麻少なくとも5mg;
低ニコチンたばこ少なくとも5mg;
前記一つまたは複数の化合物、前記超低THC大麻、および前記低ニコチンたばこを収容する区画;ならびに
エアおよび前記区画内および外への前記蒸気の換気のための一つまたは複数の通気口を含み、
前記超低THC大麻少なくとも5mgが、3mg/g以下の集合的THCA/THC含有量を含み、
前記低ニコチンたばこ少なくとも5mgが、3mg/g以下のニコチン含有量を含む、ベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項8】
前記一つまたは複数の化合物が、アナタビンである、請求項7に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項9】
前記一つまたは複数の化合物が、アナバシンである、請求項7に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項10】
前記一つまたは複数の化合物が、CBCA/CBCである、請求項7に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項11】
前記一つまたは複数の化合物が、CBCVA/CBCVである、請求項7に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項12】
前記一つまたは複数の化合物が、CBDA/CBDである、請求項7に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項13】
前記一つまたは複数の化合物が、CBDVA/CBDVである、請求項7に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項14】
前記一つまたは複数の化合物が、CBGA/CBGである、請求項7に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項15】
前記一つまたは複数の化合物が、CBGVA/CBGVである、請求項7に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項16】
前記一つまたは複数の化合物が、THCVA/THCVである、請求項7に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項17】
前記一つまたは複数の化合物が、メントールを含むフレーバーである、請求項7に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項18】
禁煙治療としての使用のため、喫煙者が電子たばこもしくはタバコ加熱製品に移行すること、またはたばこおよびニコチン製品を完全にやめることを補助する、ドライハーブまたは植物抽出物から蒸気を生成するように構成された
ヴェポライザーと共に使用するためのベイピング準備の整った精密ポッドであって、前記ベイピング準備の整った精密ポッドが、
ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、THCA/THC、CBDA/CBD、CBCA/CBC、CBGA/CBG、THCVA/THCV、CBDVA/CBDV、CBCVA/CBCV、CBGVA/CBGV、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも2mgに等しい
一つまたは複数の化合物;
大麻少なくとも5mg;
低ニコチンたばこ少なくとも5mg;
前記一つまたは複数の化合物、前記大麻および前記低ニコチンたばこ
を収容する区画;ならびに、
エアおよび前記区画内および外への前記蒸気の換気のための一つまたは複数の通気口を含み、
前記低ニコチンたばこ少なくとも5mgが、3mg/g以下のニコチン含有量を含む、ベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項19】
前記一つまたは複数の化合物が、アナタビンである、請求項18に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項20】
前記一つまたは複数の化合物が、アナバシンである、請求項18に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項21】
前記一つまたは複数の化合物が、メントールを含むフレーバーである、請求項18に記載のベイピング準備の整った精密ポッド。
【請求項22】
禁煙療法として、喫煙者が電子たばこもしくはタバコ加熱製品へ移行すること、またはたばこおよびニコチン製品を完全にやめることを補助する、主流煙の吸入のための喫煙製品と共に使用するための喫煙準備の整った精密ポッドであって、前記喫煙準備の整った精密ポッドが、
ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、THCA/THC、CBDA/CBD、CBCA/CBC、CBGA/CBG、THCVA/THCV、CBDVA/CBDV、CBCVA/CBCV、CBGVA/CBGV、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも2mgに等しい一つまたは複数の化合物;
低ニコチンたばこ少なくとも5mg;
超低THC大麻少なくとも5mg;
前記一つまたは複数の化合物、前記低ニコチンたばこ;および前記超低THC大麻
を収容する区画;ならびに、
エアおよび前記区画内および外への
煙の換気のための一つまたは複数の通気口を含み、
前記喫煙製品が、パイプ、ボールまたは水パイプを含み、
前記喫煙準備の整った精密ポッドが、パイプ、ボールまたは水パイプのタバコまたは大麻
チャンバーのために構成され、
前記超低THC大麻少なくとも5mgが、3mg/g以下の集合的THCA/THC含有量を含み、
前記低ニコチンたばこ少なくとも5mgが、3mg/g以下のニコチン含有量を含む、喫煙準備の整った精密ポッド。
【請求項23】
前記一つまたは複数の化合物が、アナバシンである、請求項22に記載の喫煙準備の整った精密ポッド。
【請求項24】
前記一つまたは複数の化合物が、アナタビンである、請求項22に記載の喫煙準備の整った精密ポッド。
【請求項25】
前記一つまたは複数の化合物が、メントールを含むフレーバーである、請求項22に記載の喫煙準備の整った精密ポッド。
【請求項26】
前記一つまたは複数の化合物が、THCVA/THCVである、請求項22に記載の喫煙準備の整った精密ポッド。
【請求項27】
前記一つまたは複数の化合物が、CBDA/CBDである、請求項22に記載の喫煙準備の整った精密ポッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許商標庁において2019年9月12日に出願された米国特許出願第16/569,318号の優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、タバコおよび大麻製品に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
タバコ製品の製造業者は、広範囲のニコチン含有量およびアルカロイドプロファイルを含む製品を生産する方法およびノウハウを有する。例えば、彼らは、巻たばこ1本当たりニコチンおよそ0.20mg~巻たばこ1本当たり少なくとも30mgの範囲にある巻たばこを生産することができる。非常に低いニコチンの巻たばこおよび少ないニコチンに対するタール生成量の巻たばこは、両方とも、異なる目的のための、タバコの害の低減に有用であり、前者は、喫煙とタバコの使用を完全に中止するか、または喫煙者を無煙タバコ製品に移行させることであり、後者は、無煙にすることである。タバコ製品の製造業者の方法およびノウハウには、タバコ植物におけるニコチン含有量を減少させるか、または増加させる遺伝子操作技術および植物育種技術が含まれる。ニコチンをまた、タバコから抽出して、非常に低いニコチンの巻たばこを生産することができるか、またはニコチンは、少ないニコチンに対するタール生成量の巻たばこの生産のため加えることができる。例えば、米国特許第3,612,066号、第9,738,622号、第9,814,258号および第10,113,174号を参照されたく、これは、工場でタバコ製品を生産するタバコ製品の製造業者が利用する方法を記載している。一方で、タバコのエンドユーザーは、これらの方法またはノウハウ力を有しておらず、彼らが有するデバイスにもなく、巻たばこ、葉巻およびマリファナ巻たばこを含む、彼らの喫煙製品に、アルカロイド、カンナビノイド、フレーバー、または他の添加剤を便宜的かつ経済的に加えるための、適切な製剤におけるアルカロイドも有していない。
【0004】
タバコのニコチンと大麻のカンナビノイドの組み合わせからの相互的かつ強化する効果があるので、タバコを吸わない人を含めて、タバコと大麻を同時に喫煙するか、またはベイピングする人もいる。タバコまたは大麻が、別々または同時に喫煙されるか、または煙を吸われるかどうかにかかわらず、煙または蒸気を吸入することは、これらの化合物の効果を経験する最も効率的かつ迅速な方法である。タバコと大麻のブレンドを喫煙するか、または蒸気を吸うことの主な問題は、多くの非ニコチン化合物および非カンナビノイド化合物を、ニコチンおよびカンナビノイドと共に吸入しなければならないことである。これは、特に、タバコと大麻のブレンドを喫煙する場合、または追加されたカンナビノイドを含む巻たばこを喫煙する場合であり、どちらの場合も、多くの発癌性タバコ化合物を、ニコチンおよびカンナビノイドと同時に吸入しなければならないからである。マイケル・ラッセルは、タバコの害の削減の父と称され、有名なところでは、「人は、ニコチンのため喫煙するが、彼らは、タールのために死亡する」と断言していた。しかしながら、タバコは、発癌性であり、N-ニトロソノルニコチン(NNN)、4-N-ニトロソメチルアミノ-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン(NNK)、N-ニトロソアナタビン(NAT)、およびN-ニトロソアナバシン(NAB)を含む、タバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)を含有するので、無煙のタバコ製品中のものを含む、任意の形態のタバコの使用は、リスクなしではない。米国特許第10,369,178号は、添加されたカンナビノイドを含むタバコ製品を開示していが、この開示は、ニコチンとカンナビノイドを同時に摂取するという楽しい効果を享受するために、TSNAを含む多くのタバコ発癌物質に喫煙者が曝露される問題を解決するものではない。開示は、消費者が工場で製造された巻たばこを改変することを容易にするいかなるデバイスも提案していない。
【0005】
したがって、消費者が、(i)彼らの工場で製造された喫煙製品のニコチン、他のアルカロイド、および/またはフレーバー含有物を便宜的、経済的、および正確に注文に応じて作ること、ならびに(ii)他のタバコ化合物に曝露されることなく、ベイピング準備の整った精密ポッドおよび喫煙する準備の整った精密ポッドを通じてニコチン、カンナビノイドおよび他の化合物の組み合わせの楽しい組み合わせ効果を享受することを可能にする、適切な製剤を含む製品のニーズがある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態によると、喫煙製品の主流煙に一つまたは複数の化合物を運ぶための、喫煙製品上、周囲または内部に適用するためのオンサートが提供され、オンサートは、セルロースラッパー、オンサートを喫煙製品に接着するための、セルロースラッパーに配置された接着剤、ならびにセルロースラッパーに配置された一つまたは複数の化合物を含み、一つまたは複数の化合物は、個々に、ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも1mgに等しい。
【0007】
オンサートについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、ニコチンであってもよい。
【0008】
オンサートにおいて、ニコチンは、ニコチン塩を含んでいてもよい。
【0009】
オンサートについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、アナタビンであってもよい。
【0010】
オンサートについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)であってもよい。
【0011】
オンサートについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、カンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0012】
オンサートについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、合わせると少なくとも5mgに等しいΔ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)およびカンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0013】
オンサートについて、喫煙製品は、タバコであってもよく、一つまたは複数の化合物は、ニコチンであってもよい。
【0014】
オンサートについて、喫煙製品は、タバコであってもよく、一つまたは複数の化合物は、アナタビンであってもよい。
【0015】
オンサートについて、喫煙製品は、タバコであってもよく、一つまたは複数の化合物は、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)であってもよい。
【0016】
オンサートについて、喫煙製品は、タバコであってもよく、一つまたは複数の化合物は、カンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0017】
オンサートについて、喫煙製品は、大麻であってもよく、一つまたは複数の化合物は、ニコチンであってもよい。
【0018】
オンサートについて、喫煙製品は、大麻であってもよく、一つまたは複数の化合物は、アナタビンであってもよい。
【0019】
オンサートについて、喫煙製品は、大麻であってもよく、一つまたは複数の化合物は、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)であってもよい。
【0020】
オンサートについて、喫煙製品は、大麻であってもよく、一つまたは複数の化合物は、CBDAであってもよい。
【0021】
オンサートについて、喫煙製品は、大麻であってもよく、一つまたは複数の化合物は、合わせると少なくとも5mgに等しいTHCAおよびCBDAであってもよい。
【0022】
オンサートについて、喫煙製品は、マリファナ巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、ニコチンであってもよい。
【0023】
オンサートについて、喫煙製品は、マリファナ巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、アナタビンであってもよい。
【0024】
オンサートにおいて、接着剤は、自己粘着性であってもよい。
【0025】
オンサートにおいて、接着剤は、水分活性化されていてもよい。
【0026】
本開示の実施形態によると、喫煙製品の主流煙に一つまたは複数の化合物を運ぶための、喫煙製品への挿入のための精密ロッドが提供され、精密ロッドは、個々に、ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバロール酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも1mgに等しい一つまたは複数の化合物を含み、セルロースロッドは、一つまたは複数の化合物が、セルロースロッドに接着され得るか、または収容され得る、350セルシウス度未満の発火温度を有する。
【0027】
精密ロッドについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、ニコチンであってもよい。
【0028】
精密ロッドにおいて、ニコチンは、ニコチン塩であってもよい。
【0029】
精密ロッドについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)であってもよい。
【0030】
精密ロッドについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、カンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0031】
精密ロッドについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、合わせると少なくとも5mgに等しいΔ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)およびカンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0032】
精密ロッドについて、喫煙製品は、マリファナ巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、ニコチンであってもよい。
【0033】
精密ロッドについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、アナタビンであってもよい。
【0034】
本開示の実施形態によると、喫煙製品の主流煙に一つまたは複数の化合物を運ぶための、喫煙製品への挿入のための精密ロッドが提供され、精密ロッドは、個々に、ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも1mgに等しい一つまたは複数の化合物、一つまたは複数の化合物を収容する内部チャンバー、一つまたは複数の化合物が配置され得る、350セルシウス度より高い発火温度を有する内部チャンバー周囲の耐炎性硬質材料、ならびに精密ロッドへの内向きのエアと精密ロッド外への外向きの煙の換気のための少なくとも一つの通気口を含む。
【0035】
精密ロッドについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、ニコチンであってもよい。
【0036】
精密ロッドにおいて、ニコチンは、ニコチン塩であってもよい。
【0037】
精密ロッドについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)であってもよい。
【0038】
精密ロッドについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、カンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0039】
精密ロッドについて、喫煙製品は、巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)およびカンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0040】
精密ロッドについて、喫煙製品は、マリファナ巻たばこであってもよく、一つまたは複数の化合物は、ニコチンであってもよい。
【0041】
本開示の実施形態によると、二つ以上の化合物の同時吸入のための、ドライハーブまたは濃縮植物抽出物から蒸気を生成するよう構成されたヴェポライザーと共に使用するための、ベイピング準備の整った精密ポッドが提供され、ベイピング準備の整った精密ポッドは、それぞれ、ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも1mgに等しい二つ以上のブレンドされた化合物、二つ以上のブレンドされた化合物を収容する区画、ならびに区画への内向きのエアと区画外への外向きの蒸気の換気のための一つまたは複数の通気口を含み、ベイピング準備の整った精密ポッドは、ヴェポライザーのオーブンチャンバーへの設置用に設定されてもよい。
【0042】
ベイピング準備の整った精密ロッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、ニコチンおよびΔ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)であってもよい。
【0043】
ベイピング準備の整った精密ロッドにおいて、ニコチンは、ニコチン塩であってもよい。
【0044】
ベイピング準備の整った精密ロッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、ニコチン、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、およびカンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0045】
ベイピング準備の整った精密ロッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、ニコチン、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、およびカンナビクロメン酸(CBCA)であってもよい。
【0046】
ベイピング準備の整った精密ロッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、ニコチンおよびアナタビンであってもよい。
【0047】
ベイピング準備の整った精密ロッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、アナタビンおよびΔ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)であってもよい。
【0048】
ベイピング準備の整った精密ロッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、アナタビンおよびカンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0049】
ベイピング準備の整った精密ロッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、アナタビン、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、およびカンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0050】
本開示の実施形態によると、ヴェポライザーと共に使用するための、ベイピング準備の整った精密ポッドが提供され、ベイピング準備の整った精密ポッドは、ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも1mgに等しい一つまたは複数の化合物、少なくとも5mgに等しいマリファナ、一つまたは複数の化合物およびマリファナを収容する区画、ならびに区画への内向きのエアと区画外への外向きの蒸気の換気のための一つまたは複数の通気口を含み、ベイピング準備の整った精密ポッドは、ヴェポライザーのオーブンチャンバーへの設置用に構成されてもよい。
【0051】
ベイピング準備の整った精密ロッドにおいて、一つまたは複数の化合物は、ニコチンであってもよい。
【0052】
ベイピング準備の整った精密ロッドにおいて、一つまたは複数の化合物は、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)であってもよい。
【0053】
ベイピング準備の整った精密ロッドにおいて、一つまたは複数の化合物は、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)であってもよい。
【0054】
本開示の実施形態によると、喫煙製品の主流煙に一つまたは複数の化合物を運ぶための、喫煙製品に一つまたは複数の化合物を吹き込むためのフレーバー注入システムが提供され、フレーバー注入システムは、プランジャ機構、喫煙製品への挿入のための精密ロッド、ならびに個々に、ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも1mgに等しい一つまたは複数の化合物を含み、プランジャ機構は、精密ロッドに連結され、精密ロッドは、一つまたは複数の穴および一つまたは複数の化合物を収容する内部チャンバーを含み、プランジャは、精密ロッド内の一つまたは複数の穴を通って喫煙製品の主流煙に化合物を押し込むことにより、一つまたは複数の化合物を含む喫煙製品の主流煙を吹き込むよう構成される。
【0055】
本開示の実施形態によると、工場で製造された巻たばこのニコチン煙生成量を増加させる方法が提供され、方法は、ニコチンの塩を含むオンサートを用意する工程を含み、オンサートは、工場で製造された巻たばこへの挿入用であり得る。
【0056】
本開示の実施形態によると、工場で製造された巻たばこのニコチン煙生成量を増加させる方法が提供され、方法は、ニコチンの塩を含む精密ロッドを用意する工程を含み、精密ロッドは、工場で製造された巻たばこへの挿入用であり得る。
【0057】
本開示の実施形態によると、巻たばこおよび巻たばこに連結されたか、または挿入されたニコチンの補助源を含むニコチン強化巻たばこが提供され、ニコチンの補助源が、巻たばこのニコチン生成量を少なくとも10パーセント増加させる。
【0058】
ニコチンの補助源は、巻たばこに連結されたオンサートであってもよい。
【0059】
ニコチンの補助源は、巻たばこに挿入された精密ロッドであってもよい。
【0060】
本開示の実施形態によると、二つ以上の化合物の同時吸入のための喫煙製品と共に使用するための、喫煙する準備の整った精密ポッドが提供され、喫煙する準備の整った精密ポッドは、それぞれ、ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも1mgに等しい二つ以上のブレンドされた化合物、二つ以上のブレンドされた化合物を収容する区画、ならびに区画への内向きのエアと区画外への外向きの煙の換気のための一つまたは複数の通気口を含み、喫煙製品は、パイプ、ボールまたは水パイプを含み、喫煙する準備の整った精密ポッドは、喫煙製品のチャンバーへの設置用に構成されてもよい。
【0061】
喫煙する準備の整った精密ポッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、ニコチンおよびΔ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)であってもよい。
【0062】
喫煙する準備の整った精密ポッドにおいて、ニコチンは、ニコチン塩であってもよい。
【0063】
喫煙する準備の整った精密ポッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、ニコチン、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、およびカンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0064】
喫煙する準備の整った精密ポッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、ニコチン、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、およびカンナビクロメン酸(CBCA)であってもよい。
【0065】
喫煙する準備の整った精密ポッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、ニコチン塩およびアナタビンであってもよい。
【0066】
喫煙する準備の整った精密ポッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、アナタビンおよびΔ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)であってもよい。
【0067】
喫煙する準備の整った精密ポッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、アナタビンおよびカンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0068】
喫煙する準備の整った精密ポッドにおいて、二つ以上のブレンドされた化合物は、アナタビン、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、およびカンナビジオール酸(CBDA)であってもよい。
【0069】
本開示の実施形態によると、喫煙製品と共に使用するための喫煙する準備の整った精密ポッドが提供され、喫煙する準備の整った精密ポッドは、ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される少なくとも1mgに等しい一つまたは複数の化合物、少なくとも5mgに等しい非常に少ないニコチンタバコ、一つまたは複数の化合物および非常に少ないニコチンタバコを収容する区画、ならびに区画への内向きのエアと区画外への外向きの煙の換気のための一つまたは複数の通気口を含み、喫煙製品は、パイプ、ボール、または水パイプを含み、非常に少ないニコチンタバコは、3mg/g未満のニコチンを含み、喫煙する準備の整った精密ポッドは、喫煙製品のチャンバーへの設置用に構成されてもよい。
【0070】
喫煙する準備の整った精密ポッドにおいて、一つまたは複数の化合物は、アナタビンであってもよい。
【0071】
喫煙する準備の整った精密ポッドにおいて、一つまたは複数の化合物は、カンナビジオール酸であってもよい。
【0072】
本開示における上記のおよび/または他の態様は、添付図面を参照して本開示の特定の実施形態を説明することにより、より明瞭となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】
図1Aは、巻たばこ用の自己粘着オンサートの例示的な実施形態の上面図である。
図1Bは、巻たばこの周りに部分的に巻かれた
図1Aの自己粘着オンサートの透視図である。
図1Cは、巻たばこ周囲に完全に巻かれ、貼り付けられた
図1Aおよび1Bの自己粘着オンサートの上面図である。
図1Dは、自己粘着オンサートの二つの例示的な実施形態の上面図である。
図1Eは、自己粘着オンサートの例示的な実施形態の上面図である。
図1Fは、自己粘着オンサートの例示的な実施形態の上面図である。
【
図2】
図2Aは、精密ロッドの例示的な実施形態の正面展開図および組み立てられた精密ロッドの図である。
図2Bは、それぞれが異なるサイズを有する精密ロッドの例示的な実施形態の透視図である。
図2Cは、巻たばこに挿入された精密ロッドの例示的な実施形態の上面図である。
図2Dは、フレーバー注入システムの例示的な実施形態の透視図である。
【
図3】
図3Aは、ボールまたはパイプのための、喫煙する準備の整った精密ポッドの例示的な実施形態の透視図である。
図3Bは、喫煙製品、すなわち、ボールに入れられた
図3Aの喫煙する準備の整った精密ポッドの透視図である。
図3Cは、オーブンが、保持されている先行技術のヴェポライザーの透視図であり、ここで、オーブンカバーは、取り除かれて、オーブンチャンバーを晒している。
図3Dは、
図3Cの先行技術のヴェポライザーのオーブンチャンバー内に入れられたベイピング準備の整った精密ポッドの例示的な実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
本明細書に開示されるデバイスおよび製剤により、タバコおよび大麻のエンドユーザーが、巻たばこなどの彼らの喫煙製品からの主流煙中および彼らのヴェポライザーからの主流蒸気中のニコチン、カンナビノイド、フレーバーおよび/または他の添加剤の含有量を便宜的、経済的かつ正確に注文に応じて作り、特定の市場における製造業者の製品提供にかかわらず、好ましい製品および味覚の嗜好を満たすことが可能になる。非常に少ないニコチンの巻たばこは、喫煙者を電子たばこまたはタバコ加熱製品に移行させる重要なツールであり、喫煙者にタバコおよびニコチン製品を完全にやめさせるのに重要なツールであり、それ故、非常に少ないニコチンの巻たばこは、電子たばこおよびタバコ加熱製品と共に、タバコの害を低減する大きな可能性がある。ニコチンを代謝する速度は、異なる集団の喫煙者間で大きく異なるため、例えば、彼ら自身の非常に少ないニコチンの巻たばこのニコチン含有量をわずかに増加させる能力を有する消費者が、重要である。本明細書に開示されるデバイスおよび製剤により、消費者が、喫煙製品からの煙中の化合物を改変し、ヴェポライザーからの蒸気中の化合物を彼らの嗜好に正確にカスタマイズすることができるようになる。
【0075】
非常に少ないニコチンの巻たばこに関しては、これらの改変により、より高いパーセンテージの喫煙者が、タバコおよびニコチン製品を完全にやめるか、または固有のブレンドの化合物を含む電子たばこもしくはベイピング準備の整った精密ポッドなどの害の少ない製品に切り替えようとしながら、これらの巻たばこを許容し、それらをもっぱら喫煙する(従来の巻たばこを喫煙することなく)。電子たばこもしくはタバコ加熱デバイスへの移行において喫煙者を支援するか、またはタバコおよびニコチンを完全にやめることにおいて喫煙者を支援する方法およびそのための、様々なタイプの非常に少ないニコチンの巻たばこおよび他の製品については、米国特許出願第16/047,948号を参照のこと。
【0076】
巻たばこのニコチン含有量をすぐに低減することと徐々に低減することとの間で煙曝露のバイオマーカーに違いがあるかどうかを決定するための、The Journal of the American Medical Associationにおいて公開された第III相臨床試験では、ニコチンの即時低減は、より大きな離脱症状、研究対象ではない従来の巻たばこをより多く使用すること、およびより高い脱落率を引き起こした。これらの試験対象について、1グラム当たりニコチン0.4mgを含むタバコを含有する非常に少ない非常に少ないニコチンの巻たばこ(巻たばこ1本当たりのニコチン含有量はおよそ0.3mgである)への即時低減は、ニコチンの低減が少ないほど早くなるようであった。JAMA September 4,2018,Volume 320,Number 9,pages 880-891を参照されたい。この試験(および非常に少ないニコチンの巻たばこを使用する他の試験)から脱落したこれらの被験者の一部は、喫煙者が必要に応じて、彼らの非常に少ないニコチンの巻たばこに簡単に連結し、主流煙に運ばれるニコチンの補助源をもたらしたデバイスにアクセスできる場合、試験を完了した可能性が高いと思われる。主流煙は、吸入される煙であり、喫煙者の口から出る煙または喫煙者が喫煙製品を喫煙する結果として喫煙製品の口端(例えば、フィルター付き巻たばこのフィルター端)から出る煙を含む。この目的のために提供されるニコチンの量は、非常に少ない。
【0077】
喫煙行動、毒性物質への曝露、依存性および禁酒に対する低減したニコチンの巻たばこの効果を調べるための第II相治験では、3種の介入:6週間の(i)0.05mgのニコチン生成量の巻たばこ(非常に少ないニコチン含有量の巻たばこ)、(ii)0.3mgのニコチン生成量の巻たばこ(非常に少ないニコチンの巻たばこのおよそ6倍のニコチン含有量を有する少量のニコチン含有量の巻たばこ)、および(iii)4mgのニコチン口内錠であった。脱落率は、ニコチン口内錠群について最も高く、48パーセントであったが、0.05mgのニコチン生成量の巻たばこ群についての脱落率が、二番目に高く、40%であり、続いて、0.3mgのニコチン生成量の巻たばこ群について25パーセントであった。非常に少ないニコチンの巻たばこを使用する者の間で脱落率を低減することは、非常に少ないニコチンの巻たばこ群が3つの介入の中で治療後の禁欲率が最も高かったため有益であった。Hatsukami et al.2010,Addiction,105(2):343-55を参照のこと。試験の非常に少ないニコチンの巻たばこ群の人が、必要に応じて、非常に少ないニコチンの巻たばこに容易に連結して、主流煙中のニコチンをわずかに増加させる製品にアクセスできた場合、脱落率はより低く、中止率がより高いようであった。
【0078】
喫煙または無煙製品への切り替えの意図がない喫煙者については、従来の巻たばこのニコチン含有量を増加させることは、少ないニコチンに対するタール生成量の巻たばこをもたらし、増加した濃度のニコチンに起因して煙吸引を減少させる。およそ8以下のないニコチンに対するタール生成量(ISO法または他の方法であり得るニコチン機械生成量で割った「タール」機械生成量)を有する巻たばこは、現在、タバコ会社によって販売されていないため、彼らの工場で製造された従来の巻たばこのニコチン生成量を強化している消費者は、喫煙からのそれらの害を低減することを望む人に有利であるが、巻たばこを吸うことをやめることができないか、または巻たばこを吸うことをやめる意思がない。従来の巻たばこは、典型的には、10~14のニコチンに対するタールの生成量比(例えば、ISOの「タール」生成量13mgおよびニコチン生成量1mg)を有し、この例では、1ミリグラムのニコチン毎に、喫煙者は、約13ミリグラムの「タール」を吸入しなければならないことを意味する。人は、ニコチンのため喫煙するが、喫煙に関連する疾患は、「タール」を含む煙から生じることに留意することが重要である。煙の量を低減することは、害を低減する。
【0079】
従来の巻たばこと比較した、代償的な喫煙行動について、有害な「タール」およびガスへの曝露は、ニコチン強化巻たばこ(以下で定義される)で減少する一方、ニコチンへの曝露は、ほぼ同じままである。変動はするが、喫煙者は、一般的に、巻たばこ1本当たりおよそ1mgのニコチンを欲しがり、喫煙者が欲するよりも巻たばこ1本当たりのニコチンがより多くなると、不快な体験となる。喫煙者は、ニコチン強化巻たばこを吸うとき、巻たばこ1本当たりより小さなパフとより少ないパフを摂取することで、彼らの煙への曝露を容易に軽減する。本明細書の実施形態により、主流煙におけるニコチン生成量が強化されている従来の巻たばこにより、喫煙者が、ニコチン生成量が強化されていない従来の巻たばこと比較して、巻たばこ1本当たりおよそ1mgのニコチン(または喫煙者が許容できると認める巻たばこ1本当たりの他の任意の量)をより効率的に得ることを可能にし、喫煙者は、ほとんど煙を吸わない。例えば、Armitage et al.1998,Psychopharmacology,96:447-453;Fagerstrom 1982,Pharmacology,77:164-167;Russell M.A.,Nicotine and Public Health,Chapter 15,American Public Health Organization,2000;およびPandolfino 2005,Presentation on October 19,2005 at Life Science Research Organization (LSRO),Reducing the Adverse Health Impact of Cigarettes on Smokers Who Will Not or Cannot Abstain Through Modification of Leaf Nicotine Contentを参照されたく、これらは、LSROウェブサイトでダウンロード可能である。
【0080】
13のニコチンに対するタール生成量比を有する従来の巻たばこは、ここで、十分な補助ニコチン源を備え(例えば、巻たばこに挿入されたニコチン18mgを含む精密ロッド)、8未満のニコチンに対するタール生成量比を有するニコチン強化巻たばこをもたらす。その結果、喫煙者は、「タール」を少なめに含む煙を著しく少なく吸い込むことになる。正確なニコチンに対するタールの生成量比は、全体的な換気、フィルターのタイプ、添加剤のレベルなどを含む、強化されている巻たばこの特性に依存する。
【0081】
需要があるにもかかわらず、製造業者が、特定の製品を消費者に利用可能にしない様々な理由(例えば、8以下の少ないニコチンに対するタール生成量の巻たばこ)がある。これらには、市場での既存製品の販売を解体しないという企業決定、テクノロジーまたは知的財産の欠如、原材料の高コストまたは限定された入手可能性、製造業者による製品の販売を禁止する法律もしくは規制(ただし、消費者が工場で製造された製品の製造もしくは改変を禁止しない)、および/あるいは製品を市場に持ち込むのに必要な多額の資本支出(例えば、必要な機械)を正当化しない市場での需要レベルが含まれる。
【0082】
「約」または「およそ」という用語のそれぞれは、本明細書では、大体、その周囲、ほぼ、またはその領域内を意味するために使用される。「約」または「およそ」という用語が、数値または範囲と一緒に使用された場合、それは、記載された数値の上下の境界を合理的に拡張することによって、その数値または範囲を変更する。
【0083】
「アルカロイド」は、典型的には植物由来の窒素化合物のグループである。例えば、ニコチンは、タバコの種類(例えば、黄色種、バーレー種およびオリエンタル種)および品種(例えば、K326)に応じて、タバコの葉に含まれる総アルカロイドの約95%を占め、商業化された巻たばこのタバコに見られる主要なアルカロイドである。アナタビン、ノルニコチン、アナバシンおよび他のアルカロイドは、総アルカロイドの残部を占める。アルカロイドプロファイルは、全アルカロイドの総含有量に対するそれぞれのアルカロイドのパーセンテージまたは寄与度であり、タバコのタイプ、タバコの種類、および巻たばこブランドの充填剤の間で異なる。タバコのタイプおよび種類に応じて、アナタビンは、約1%~約4%を占め、ノルニコチンは、約1%~約3%を占め、アナバシンは、約0.02%~約0.4%を占める。本明細書において使用される場合、「ニコチン」、「アナタビン」および「アナバシン」は、ニコチアナ属の任意の種を含む任意の植物種に由来することができ、これらのアルカロイドは、いずれも、また、合成することができ、または類似体とすることができ、または有機酸の塩の形態で作製することができる。例えば、Sisson et al.1990,Beitragezur Tabakforschung International,Volume 14,No.6,June-Julyを参照されたい。合成ニコチン、合成ニコチン由来のニコチン塩、合成アナタビン、合成アナタビン由来のアナタビン塩、合成アナバシン、合成アナバシン由来のアナバシン塩、ニコチンの類似体、アナタビンの類似体、アナバシンの類似体、有機酸のニコチン塩、有機酸のアナタビン塩、および有機酸のアナバシン塩は、それぞれ、ニコチン、アナタビンおよびアナバシンの意味で含まれる。ニコチン塩、ニコチン共結晶、およびニコチン塩共結晶はすべて、本明細書においてニコチンの意味に含まれ、組み合わせを含むこれらのいずれも、本明細書の任意の実施形態で使用され得る。
【0084】
ニコチンは、吸湿性の油性液体であり、その形態で本明細書の実施形態で利用され得るが、固体または半固体としてニコチンを含む最終タバコ製品におけるニコチンの送達を強化しているエンドユーザーは、液体形態のニコチンと比較して、増加した安定性およびエンドユーザーにとってよりクリーンでより容易に適用できるため、本明細書の実施形態が好ましい。例えば、米国特許第9,738,622号を参照されたく、これは、固体または半固体形態であるニコチン塩、ニコチン共結晶、およびニコチン塩共結晶を開示するが、消費者が、ニコチンの補助源として、最終タバコ製品または工場で製造された巻たばこなどの喫煙製品に組み込むための方法またはデバイスは開示していない。電子液体または電子ジュースなどの液体形態のニコチンは、喫煙製品の点火および燃焼を阻害して、煙を生産し、ニコチン含有量は、有意かつ有効な補助ニコチン源であるよう希釈される。本明細書の実施形態に対して多量すぎることに加えて、これらの液体および希釈形態のニコチンは、多量のエアロゾルが、所与の用量のニコチンのため生成されることが必要であるため、ヴェポライザーについての本明細書のエアロゾル実施形態の一部の目的をくじく。煙または蒸気にかかわらず、吸入が少ないほど良好であり、これは、本明細書の実施形態でのニコチンおよびカンナビノイドを濃縮するという利点である。
【0085】
固体または半固体形態のニコチンに加えて、オンサート、精密ロッド、および精密ポッドのため本明細書の製剤で利用される他の化合物は、好ましくは、固体または半固体形態である。固体は、もちろん、基本的であり、一般的に、物質の状態(他は、液体、ガス、およびプラズマである)を指す。半固体は、その状態が、固体と液体の間にあるものの物理的用語である。半固体材料は、それ自体の重量を支持し、それ自体の形状を保持する能力などのいくつかの特徴において固体に類似している。半固体の例は、ピーナッツバター、歯磨き粉および黄色ワセリンである。オンサート、精密ロッド、または精密ポッド内、上または内の製剤のための化合物および成分のブレンドは、固体、半固体および液体を含んでもよいが、最終ブレンド製剤は、好ましくは、固体または半固体(電子液体などの液体ではない)である。例えば、精密ポッドの区画における成分のブレンドには、結晶性ニコチン塩、濃縮大麻のワックス、および液体グリセリンが含まれてもよく、液体が、(適切なレベルの水分を加えるために)利用されたが、これにより、固体または半固体(使用される3つの成分のそれぞれの割合に依存する)である最終ブレンド製剤をもたらす。
【0086】
ニコチン塩は、イオン形態のニコチンと、コフォーマードナーからニコチンアクセプターへの一つまたは複数のプロトンの移送による酸などのイオン形態のコフォーマーとの相互作用によって特徴付けられる、ニコチンの形態である。ニコチンの構造は、コフォーマーからプロトンを受容することができる二つの窒素原子を有するため、これは、非プロトン化、単プロトン化または二プロトン化の形態で存在することができる。ニコチン塩の例としては、以下の:ニコチン4-アセタミド安息香酸塩、ニコチンアスコルビン酸塩、ニコチンアスパラギン酸塩、ニコチン安息香酸塩、ニコチン酒石酸水素塩、ニコチン二塩酸塩およびニコチン塩酸塩などのニコチン塩化物、ニコチンクエン酸塩、ニコチン2,3-ジヒドロキシ安息香酸塩、ニコチン3,5-ジヒドロキシ安息香酸塩、ニコチンフマル酸塩、ニコチンゲンチジン酸塩(2,5-ヒドロキシ安息香酸塩)、ニコチングルタミン酸塩、ニコチンl-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、ニコチン3-ヒドロキシ安息香酸塩、ニコチン乳酸塩、ニコチンレブリン酸塩、ニコチンリンゴ酸塩、ニコチンモノピルビン酸塩、ニコチンムチン酸塩、ニコチン過塩素酸塩、ニコチンピルビン酸塩、ニコチンサリチル酸塩、ニコチンコハク酸塩、ニコチン硫酸塩、ニコチン酒石酸塩およびニコチン塩化亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
ニコチン共結晶は、両方が中性形態である、ニコチンおよび少なくとも一つの他の成分(コフォーマー)を包含するニコチンの形態である。共結晶は通常、結晶構造によって特徴付けられ、一般的に、自由に可逆的な非共有結合性相互作用によって一緒に保持される。共結晶は、典型的には、ニコチンおよび定義された化学量論比の少なくとも一つの他の成分から構成され、水和物、溶媒和物および包接物を含み得る。共結晶は、有機成分および/または無機成分と組み合わせてニコチンを含むことができ、共結晶中の成分(ニコチンおよび一つまたは複数のコフォーマー)間のプロトン移動の不存在によって塩と一般的に区別される。対照的に、ニコチン塩共結晶は、塩と共結晶の両方の特徴を有するハイブリッド構造の一種である。典型的には、塩共結晶内のニコチン分子は、少なくとも二つのコフォーマー(同一であっても異なっていてもよい)と関連付けられ、一つのコフォーマーは、酸などのイオン形態であり、プロトンをニコチン分子に輸送し、第二のコフォーマーは、プロトンをニコチン分子に輸送しない。ニコチン塩、ニコチン共結晶、および/またはニコチン塩共結晶を含む、任意の形態のニコチンは、任意のオンサート、精密ロッドまたは精密ポッドの実施形態について本明細書で利用され得る。
【0088】
本明細書において使用される場合、「巻たばこ」とは、火をつけると燃焼して煙を生成する、紙に包まれた、非タバコ材料を含み得る、任意のロール状のタバコを意味する。巻たばこには、通常、フィルター、プラグラップ(フィルター材料を拘束する)、およびティップペーパー(巻たばこペーパーをフィルターおよびプラグラップに対して保持する)も含まれる。接着剤が、巻たばこペーパーどうしをシールし、巻たばこが、フィルターを有している場合には、接着剤は、このような他の構成要素も一緒に保持する。巻たばこという用語は、また、その外観に基づいて、使用されているタバコの種類に基づいて、またはそのパッケージやラベルに基づいて、消費者に対して巻たばことして提供される可能性があるような、あるいは消費者が巻たばことして購入する可能性があるような、タバコを含有した任意の物質に包まれた任意のロール状のタバコを含むものとする。一例としては、フィルターを含み得る「小さな葉巻」があり、巻たばこに対して全体的に非常に似ている。工場で製造された巻たばこは、タバコ製造業者によって製造され、工場で巻かれる巻たばこを意味し、研究用巻たばことして喫煙者に提供されない限り、工場で製造された巻たばこは、典型的には、エンドユーザーによって小売店で購入される。工場で製造された巻たばこは、通常、20本の巻たばこのパックである。本明細書で使用される場合、「マリファナ巻たばこ」は、紙で包まれた大麻の任意のロールまたは燃焼し、吸入のための煙を生産する任意の他の非タバコ材料を意味する。マリファナ巻たばこ(すなわち、ジョイント)は、タバコを含有しないが、本明細書に開示される、オンサートまたは精密ロッドが、マリファナ巻たばこに接着しているか、または内部に挿入されている場合、ニコチンまたは他のタバコアルカロイドを生成し得る。マリファナ巻たばこは、大麻エンドユーザーによって巻かれるか、または大麻製造業者によって工場で製造され得る。マリファナ巻たばことは異なり、ブラントは、タバコの葉またはタバコを含む葉巻ラッパーに巻かれたマリファナであり、スプリフは、タバコも含有するマリファナの巻たばこである。
【0089】
工場で製造された巻たばことは対照的に、ロール・ユア・オウン(RYO)巻たばこまたはメイク・ユア・オウン(MYO)巻たばこは、タバコエンドユーザーによって組み立てられる。RYO巻たばこは、タバコおよびローリングペーパーで作られる。巻たばこローラーをまた利用して、タバコをローリングペーパーに巻いてもよい。MYO巻たばこは、一般的に、タバコおよびタバコが空の巻たばこチューブ(フィルター付きまたはフィルターなし)に挿入される、機械式MYO機械を用いて製造される。機械が、タバコをチューブに挿入し、その結果、典型的な市販の工場で巻かれた巻たばこと非常に類似している巻たばこになる。RYO(タバコおよびローリングペーパー)またはMYO(タバコおよびチューブ)巻たばこは、一般に、工場で製造された巻たばこより、消費者が購入するのにそれぞれ安価であるが、RYOおよびMYO巻たばこは、組み立てに時間と手間を要し、通常、工場で製造された巻たばこの均一性または品質を有さない。RYOタバコおよびMYOタバコは、本質的に同じであり、工場で製造された巻たばこの充填剤によく似ている。RYOタバコ、MYOタバコ、およびパイプタバコはすべて、タバコエンドユーザーが、喫煙のために購入する、最終タバコ製品(以下で定義される)である。
【0090】
本明細書において使用される場合、「フィラー」とは、巻たばこのロッド内に包まれた、あるいはタバコ加熱デバイスのタバコスティック内に包まれた(または タバコ加熱製品において別個のホルダーがない場合、タバコ加熱ロッド[例えば、TEEPS(登録商標)]内に包まれた)累積喫煙可能な材料(巻たばこペーパー以外)を意味し、カットされたタバコの葉(カットラグ)、タバコの茎、再構成タバコ、膨張タバコ、大麻、ケーシング、フレーバーならびにカンナビノイドなどの他の添加剤もしくは成分またはアナタビンなどの追加のアルカロイドからなる群から選択される。再構成タバコは、通常、工場で製造された巻たばこのフィラーにおいて含まれ、カットラグタバコに似ている。膨張タバコもまた、通常、工場で製造された巻たばこのフィラー内に含まれており、適切なガスの膨張によって処理されるため、タバコは「膨らみ」、その結果、タバコロッドの密度が減少して充填能力が向上する。膨張タバコは、巻たばこにおいて使用されるタバコの重量を低減する。
【0091】
本明細書において使用される場合、Reconとしても知られる「再構成タバコ」は、タバコダストを巻き込むか、または投げ込むことによって生産されるタバコシートを意味し、予め細かく粉砕された茎および/または副産物は、次いで、凝集剤または結合剤と混合され、典型的には、保水剤、フレーバーおよび保存剤が含まれる。本質的にリサイクルされたタバコであるペーパー様可鍛性シートが得られる。当技術分野で公知の2種類の再構成タバコは、バンドキャストおよびペーパーキャストである。これらそれぞれについて、すべての生産者が、わずかに異なるプロセスを有する。Reconプロセスにより、実質的に任意の化合物または植物画分を加えることができる。再構成タバコシートが製造されると、これは、次いで、小さなストリップにカットされる。ストリップのサイズおよび形状は、典型的には、カットラグタバコのサイズと類似しており、再構成タバコは、巻たばこのフィラーにブレンドされてもよいが、大きなシートのReconは、任意のサイズにカットされてもよい。例えば、米国特許第4,270,552号および米国特許第5,724,998号ならびにChapter 11,377-379,Tobacco:Production,Chemistry and Technology,1999を参照のこと。ニコチン、アナタビン、アナバシン、THCA、CBDA、CBCA、CBGA、THCVA、CBDVA、CBCVA、CBGVA、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよび/またはフムレンが、シートが製造される前に、Recon生産プロセス中にさらに組み込まれてもよい。本明細書の一部の例示的な実施形態では、再構成タバコシートは、オンサート用ラッパーの生産のために利用され、Reconシートは、したがってカットされるか、または再構成タバコシートは、非常に微細にカットされ、粉砕され、精密ポッドまたは精密ロッドに組み込まれてもよい。他の例示的な実施形態では、非常に少ないニコチンタバコが再構成され、オンサート、精密ロッドまたは精密ポッドのため利用される。
【0092】
本明細書で使用される場合、「再構成大麻」は、予め細かく粉砕された大麻の花、葉、ダスト、茎および/または副産物が、次いで、巻かれるか、形作られ、通常、保水剤、フレーバーおよび保存剤を含む凝集剤または結合剤と混合される、再構成タバコシートと同じ様式で生産された大麻シートを意味する。再構成大麻シートは、タバコ部分を必要とせず、故に、タバコを含まないで作製することができ、ニコチンが必要とされない場合、これは、ニコチンを含まないで作製することができ、再構成タバコと類似の再構成シートに容易に作製される。再構成大麻シートの大麻部分は、およそ70パーセント~およそ90パーセントの大麻植物部から作製されてもよい。。製造されると、再構成大麻シートは、所望の任意のサイズにカットされる。一部の例示的な実施形態では、再構成大麻は、オンサート用ラッパーの生産のため利用されるか、または非常に細かくカットされ、精密ポッドまたは精密ロッドに組み込まれる。ニコチン、アナタビン、アナバシン、THCA、CBDA、CBCA、CBGA、THCVA、CBDVA、CBCVA、CBGVA、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよび/またはフムレンが、再構成大麻シートが製造される前に、Recon生産プロセス中にさらに取り込まれてもよい。非常に少ないTHC大麻またはTHCを含まない大麻は、ヘンプ株もしくは種類、または非常に少ないTHC含有量のため遺伝子操作され、再構成大麻のため利用される大麻の株もしくは種から生産され得る。非常に少ないTHC大麻および少ないニコチン(またはゼロのニコチン)タバコは共に、同じ再構成シートにおいて利用されてもよい。
【0093】
他の例示的な実施形態では、再構成植物材料(例えば、葉および茎)は、オンサート用ラッパーの生産のため、または精密ポッドもしくは精密ロッドにおける使用のため利用され、再構成シートは、タバコまたは大麻を含まない。ジャスミンおよびチョウセンニンジンなどのハーブは、例えば、「再構成ハーブシート」の生産のため利用される。再構成タバコ、再構成大麻および/または再構成ジャスミンに関わらず、例えば、ニコチン、アナタビン、アナバシン、THCA、CBDA、CBCA、CBGA、THCVA、CBDVA、CBCVA、CBGVA、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよび/またはフムレンが、再構成シートが製造される前に、Recon生産プロセス中に取り込まれる(吹き込まれる)。
【0094】
本明細書で使用される場合。「最終タバコ製品」は、消費者が使用するか、または消費する準備ができているタバコ製品を意味し、巻たばこ、葉巻、小葉巻、シガリロ、ロール・ユア・オウン(RYO)タバコ(彼ら自身の巻たばこもしくはマリファナ巻たばこを巻くために、ローリングペーパーと共にエンドユーザーにより使用される)、メイク・ユア・オウン(MYO)タバコ(タバコまたは大麻が、機械によって空の巻たばこチューブに挿入される、彼ら自身の巻たばこまたはマリファナ巻たばこを作製するために、典型的には、エンドユーザーにより、巻たばこチューブおよび機械式MYO機械を用いて使用される)、大麻、パイプタバコ、タバコ加熱製品(例えば、IQOS(登録商標))、かぎタバコ、スヌース、ならびにディップタバコなどの噛みタバコを含むが、これらに限定されない。電子たばこは、これらが含有するタバコの画分のみが、ニコチンであるため、これらは、タバコ製品ではない。RYOタバコまたはMYOタバコは、いずれかのパッケージ上に指定されなくてもよく、これは、RYOタバコまたはMYOタバコとして使用することができるため、「タバコ」と呼ばれてもよい。
【0095】
本明細書で使用される場合、「喫煙製品」は、それ自体(例えば、巻たばこ)使用されるか、または相互依存の喫煙製品と共に使用される(例えば、パイプおよびパイプタバコは、互いに相互依存である)とき、火をつけたとき、吸入のための主流煙を生産する(特定の葉巻からの煙が、口から吸収されるニコチンをもたらす煙の多いニコチン含有量および高いpHに起因して、一部の葉巻喫煙者により吸入されるべきでない場合を除く)、消費者が使用するか、または消費する準備ができている任意の製品を意味し、巻たばこ、葉巻、ロール・ユア・オウン(RYO)タバコ、大麻、RYOタバコもしくは大麻用のローリングペーパー、メイク・ユア・オウン(MYO)タバコ、MYOタバコもしくは大麻用の巻たばこチューブ、パイプ、ボール、水パイプ、タバコ、再構成タバコ、スプリフ、ブラント、およびマリファナ巻たばこを含むが、これらに限定されない。RYOタバコおよびMYOタバコは、個別に、または合わせて、「タバコ」または「最終タバコ」と本明細書において呼ばれてもよい。ボールは、典型的にはより短いステムを有するパイプの一種である。タバコチャンバー、「大麻チャンバー」または「チャンバー」は、タバコまたは大麻が、パイプ、ボールおよび水パイプにおいて燃やされる場所である。オンサート、精密ロッドおよび特定の精密ポッド(ヴェポライザーのためのものではない)はまた、喫煙製品である。
【0096】
本明細書において使用される場合、「従来の巻たばこ」とは、巻たばこ1本当たり少なくとも9mgという従来のニコチン含有量を有する巻たばこを意味する。従来の市販の巻たばこのブランドの平均ニコチン含有量は、巻たばこ1本当たりおよそ14mgのニコチンであるが、巻たばこ1本当たりおよそ9mg~20mgを超えるニコチンの範囲であり得る。Morton et al.2008,Regul Toxicol Pharmacol.doi:10.1016/j.yrtph.2008.03.001.を参照されたい。
【0097】
本明細書において使用される場合、「非常に少ないニコチン巻たばこ」とは、巻たばこ1本当たりのニコチン含有量が、0.05mg未満、0.10mg未満、0.15mg未満、0.20mg未満、0.25mg未満、0.30mg未満、0.35未満、0.40mg未満、0.45mg未満、0.50mg未満、0.55mg未満、0.60mg未満、0.65mg未満、0.70mg未満、0.75mg未満、0.80mg未満、0.85mg未満、0.90mg未満、0.95mg未満、1.00mg未満、1.05mg未満、1.10mg未満、1.15mg未満、1.20mg未満、1.25mg未満、1.30mg未満、1.35mg未満、1.40mg未満、1.45mg未満、1.50mg未満、1.55mg未満、1.60mg未満、1.65mg未満、1.70mg未満、1.75mg未満、1.80mg未満、1.85mg未満、1.90mg未満、または1.95mg未満などの、巻たばこ1本当たりニコチン2.0ミリグラム(mg)以下を含有する巻たばこを意味する。巻たばこ当たりのニコチン含有量は、巻たばこロッド内のフィラーの重量に対して巻たばこのロッド内のフィラーのニコチン含有量を掛け算することによって、計算される。例えば、巻たばこのフィラー重量が、0.666グラムであり、3mg/gのニコチン含有量を有する場合、巻たばこのニコチン含有量は、約2mgである。3mg/gというニコチン含有量を有したフィラーは、およそ20mg/gである従来の巻たばこブランドにおけるタバコの平均ニコチン含有量のおよそ85%の低減に等しい。
【0098】
非常に少ないニコチンの巻たばこは、数十年にわたり様々な時期にタバコ産業によって製造されてきた。例えば、ジョン・アルデン・タバコ・カンパニーは、1950年代にジョン・アルデンの非常に少ないニコチンの巻たばこのブランドを製造し、このブランドを「二つの主要なフィルターチップブランドよりも少なくとも85%少ないニコチン」と宣伝した。ジョン・アルデンの非常に少ないニコチンの巻たばこに使用される少ないニコチンのタバコは、米国農務省によって31-V型に分類された。すでに非常に少ないニコチンを有するタバコの成長に加えて、他のプロセスが開発されている。例えば、Philip Morris USAは、商業用超臨界圧CO2プロセスを開発し、フィラーからニコチンの97%を除去し、様々なブランドの非常に少ないニコチンの巻たばこを販売した。
【0099】
本明細書で使用される場合、「ニコチン強化巻たばこ」は、ニコチンの補助源(例えば、オンサートまたは精密ポッドから)を備え、これにより、同じ検査方法により測定された、ニコチンの補助源を備えない巻たばこのニコチン煙生成量と比較して、産業上許容される標準的な喫煙機械検査方法(例えば、国際標準化機構[ISO]喫煙機械検査4387:2000[巻たばこ-慣習的分析喫煙機械を使用した総乾燥粒子状物質およびニコチンフリー乾燥粒子状物質の測定])により測定された、7パーセント以上増加した巻たばこのニコチン煙生成量をもたらす、巻たばこを意味する。非常に少ないニコチンの巻たばこまたは従来の巻たばこのニコチン生成量は、ニコチンの補助源により強化されてもよい。産業上許容される標準的な喫煙機械検査方法の他の例は、カナダの極端な方法、マサチューセッツ州の方法、および連邦取引委員会(FTC)の方法である。ニコチンの補助源に加えて、ニコチン強化巻たばこはまた、巻たばこホルダーなどのニコチンの補助源と共に使用されるデバイスも利用してもよい。
【0100】
巻たばこの換気レベルを含む、補助ニコチン源と共に吹き込まれた巻たばこの設計に応じて、ニコチン煙生成量の増加は、所与の量の補助ニコチンについて巻たばこのタイプから巻たばこのタイプで変動する(例えば、ニコチン10mgを含む精密ロッド)。巻たばこのフィラーにおけるニコチンのごく低いパーセンテージ(巻たばこの平均ニコチン含有量は、約14mgである)は、主流煙に移動し(喫煙機械により測定され得る)、高度に通気された巻たばこについてのおよそ1パーセントのニコチン含有量から、事実上通気されていない巻たばこについてのおよそ10パーセントのニコチン含有量までの範囲にあり、同様に低いパーセンテージのニコチンが、オンサートまたは精密ロッドから主流煙に移動される。このニコチン移動速度は、巻たばこのフィラーにおけるニコチン含有量(および/またはニコチンのオンサートのニコチン含有量)が、喫煙機械により測定される、主流煙に移動する速度であり、これはまた、任意の燃焼促進剤または灰調整剤(またはそのレベル)が、巻たばこペーパーおよび/または補助ニコチン供給源(例えば、オンサート)に含まれるかどうかに依存する。巻たばこを含む喫煙製品が喫煙される方法(すなわち、強くは、大きくて頻繁なパフを吸うことによるか、または吸わないことによる)もまた、補助ニコチン源を備えた、または備えていない巻たばこのニコチン移動速度に影響を及ぼす。ISO、カナダの極端な方法、またはマサチューセッツ州の方法などの特定の喫煙制度は、それぞれ、オンサートもしくは精密ロッドの有無に関わらず、ニコチン生成量を標準化する。
【0101】
ニコチン強化巻たばこの煙の増加したニコチン生成量は、例えば、ニコチン少なくとも0.002mg、0.003mg、0.004mg、0.005mg、0.006mg、0.007mg、0.008mg、0.009mg、0.010mg、0.011mg、0.012mg、0.013mg、0.014mg、0.015mg、0.016mg、0.017mg、0.018mg、0.019mg、0.020mg、0.025mg、0.030mg、0.035mg、0.040mg、0.045mg、0.050mg、0.055mg、0.060mg、0.065mg、0.070mg、0.075mg、0.080mg、0.085mg、0.090mg、0.095mg、0.100mg、0.125mg、0.150mg、0.175mg、0.200mg、0.225mg、0.250mg、0.275mg、0.300mg、0.325mg、0.350mg、0.375mg、0.400mg、0.425mg、0.450mg、0.475mg、0.500mg、0.525mg、0.550mg、0.575mg、0.600mg、0.625mg、0.650mg、0.675mg、0.700mg、0.725mg、0.750mg、0.775mg、0.800mg、0.825mg、0.850mg、0.875mg、0.900mg、0.925mg、0.950mg、0.975mgまたは1.000mgなどと等しくてもよい。例えば、ニコチン強化巻たばこは、ニコチン生成量が、0.03mgから0.05mgに増加した、非常に少ないニコチンの巻たばこであってもよい。
【0102】
本明細書で使用される場合、「アナタビン強化巻たばこ」は、アナタビンの補助源を備え、これにより、同じ検査方法で測定された、アナタビンの当該補助源を備えないあるタイプの工場で製造された巻たばこと比較して、煙中のアナタビンを定量することができる検査方法により測定され、7パーセント以上の増加したアナタビン生成量を有する巻たばこをもたらす、巻たばこを意味する。このような検査方法の例については、Zhang et al.2018,Rapid Commun Mass Spectrom.,32:1791-1798(DOI:10.1002/rcm.8222)を参照のこと。非常に少ないニコチンの巻たばこまたは従来の巻たばこのアナタビン生成量は、オンサートからなどの、アナタビンの補助源により強化されてもよい。
【0103】
このアナタビン供給源は、アナタビン含有量の大きなタバコ植物を含む植物とすることができ、アナタビンは、例えば超臨界CO2抽出プロセスによって抽出される。アナタビン含有量は、また、有機酸のアナタビン塩、アナタビン類似体または合成されたアナタビンによって、強化することもできる。アナタビン強化巻たばこの煙の増加したアナタビン生成量は、例えば、巻たばこ1本当たりアナタビン少なくとも0.10μg、0.15μg、0.20μg、0.25μg、0.30μg、0.35μg、0.40μg、0.45μg、0.50μg、0.55μg、0.60μg、0.65μg、0.70μg、0.75μg、0.80μg、0.85μg、0.90μg、0.95μg、1.00μg、1.10μg、1.20μg、1.30μg、1.40μg、1.50μg、1.60μg、1.70μg、1.80μg、1.90μg、2.0μg、2.25μg、2.50μg、2.75μg、3.0μg、3.25μg、3.50μg、3.75μg、4.0μg、4.25μg、4.50μg、4.75μg、5.0μg、5.25μg、5.50μg、5.75μg、6.0μg、6.25μg、6.50μg、6.75μg、7.0μg、7.25μg、7.50μg、7.75μg、8.0μg、8.25μg、8.50μg、8.75μg、9.0μg、9.25μg、9.50μg、9.75μg、10μg、11μg、12μg、13μg、14μg、15μg、16μg、17μg、18μg、19μg、20μg、21μg、22μg、23μg、24μg、25μg、30μg、35μg、40μg、45μgまたは50μgと等しくてもよい。アナタビン強化の非常に少ないニコチンの巻たばこの利点は、このタイプの巻たばこが、強化したアナタビンを含まない非常に少ないニコチンの巻たばこより有効に、従来の巻たばこの離脱および渇望を低減することである。アナタビン強化の非常に少ないニコチンの巻たばこは、電子たばこまたはタバコ加熱デバイスへの移行になる喫煙者を支援するため、またはタバコおよびニコチン使用を完全にやめようとする喫煙者を支援するために使用されるとき、特に有用である。
【0104】
本明細書で使用される場合、「アナバシン強化巻たばこ」は、アナバシンの補助源を備え、これにより、同じ検査方法で測定された、アナバシンの当該補助源を備えないあるタイプの工場で製造された巻たばこと比較して、煙中のアナバシンを定量することができる検査方法により測定され、7パーセント以上の増加したアナバシン煙生成量を有する巻たばこをもたらす、巻たばこを意味する。このような検査方法の例については、Zhang et al.2018,Rapid Commun Mass Spectrom.,32:1791-1798(DOI:10.1002/rcm.8222)を参照のこと。非常に少ないニコチンの巻たばこまたは従来の巻たばこのアナバシン生成量は、オンサートまたは精密ロッドからなどの、アナバシンの補助源により強化されてもよい。
【0105】
このアナバシン供給源は、タバコ植物を含む植物であるか、または優勢的なアルカロイドが、ニコチアナ・グラウカ(Nicotiana glauca)植物、ニコチア・ナノクチフローラ(Nicotiana noctiflora)植物、ニコチアナ・ペツニオイデス(Nicotiana petunioides)植物、および/またはニコチアナ・デブネイ(Nicotiana debneyi)植物などのアナバシンである植物であってもよい。アナバシンは、任意の種類のタバコから、例えば、超臨界CO2抽出プロセスによって抽出することができる。アナバシン含有量は、また、有機酸のアナバシン塩、アナバシン類似体、又は合成されたアナバシンによって、強化することもできる。アナバシン強化巻たばこの増加したアナバシン生成量は、巻たばこ1本当たりアナバシン例えば、少なくとも0.01μg、0.02μg、0.03μg、0.04μg、0.05μg、0.06μg、0.07μg、0.08μg、0.09μg、0.10μg、0.15μg、0.20μg、0.25μg、0.30μg、0.35μg、0.40μg、0.45μg、0.50μg、0.55μg、0.60μg、0.65μg、0.70μg、0.75μg、0.80μg、0.85μg、0.90μg、0.95μg、1.00μg、1.10μg、1.20μg、1.30μg、1.40μg、1.50μg、1.60μg、1.70μg、1.80μg、1.90μg、2.0μg、2.25μg、2.50μg、2.75μg、3.0μg、3.25μg、3.50μg、3.75μg、4.0μg、4.25μg、4.50μg、4.75μg、5.0μg、5.25μg、5.50μg、5.75μg、6.0μg、6.25μg、6.50μg、6.75μg、7.0μg、7.25μg、7.50μg、7.75μg、8.0μg、8.25μg、8.50μg、8.75μg、9.0μg、9.25μg、9.50μg、9.75μg、10μg、11μg、12μg、13μg、14μg、15μg、16μg、17μg、18μg、19μg、20μg、21μg、22μg、23μg、24μg、25μg、26μg、27μg、28μg、29μgまたは30μgと等しくてもよい。アナバシン強化の非常に少ないニコチンの巻たばこの利点は、このタイプの巻たばこが、強化したアナバシンを含まない非常に少ないニコチンの巻たばこより有効に、従来の巻たばこの離脱および渇望を低減することである。アナバシン強化の非常に少ないニコチンの巻たばこは、電子たばこまたはタバコ加熱デバイスへの移行になる喫煙者を支援するため、またはタバコおよびニコチン使用を完全にやめようとする喫煙者を支援するために使用されるとき、特に有用である。
【0106】
タバコまたはフィラーにおけるニコチン、アナタビンまたはアナバシンのレベルなどの総アルカロイドレベルまたは個々のアルカロイドレベルは、当該技術分野において公知のいくつかの方法によって測定することができる。例としては、ガスクロマトグラフィ(GC)および高速液体クロマトグラフィに基づく定量が挙げられる。例えば、Lisko et al.2013,Anal Chem.March 19;85(6):3380-3384を参照されたく、これは、巻たばこブランドのフィラー内およびタバコタイプ(例えば、バーレイタバコ)内のアルカロイドの量を測定するために使用される以下の方法を提供する。アナタビンまたはアナバシンなどのマイナーアルカロイドの分析は、水素炎イオン化型検出器(FID)、窒素-リン検出(NPD)、及び質量分析(MS)を含む幅広い検出技術と組み合わせたガスクロマトグラフィ(GC)を使用して行われてきた。他の分析アプローチは、高速液体クロマトグラフィ-紫外線検出法(HPLC-UV)、キャピラリゾーン電気泳動-紫外線検出法(CZE-UV)、ミセル電気泳動キャピラリクロマトグラフィ-紫外線検出法(MECC-UV)、窒素化学発光検出法(NCD)、及び、マイクロエマルジョン電気泳動クロマトグラフィ-紫外線検出法(MEEKC-UV)を含む。多重反応モード(MRM)でのガスクロマトグラフィ-タンデム質量分析法(GC-MS/MS)を利用することにより、同じ親質量を共有するが正しい遷移イオンを欠いている他の化合物に由来するマトリクスイオンを除去することによって、バックグラウンドの干渉を大幅に減少させて検出限界を下げることができ、化合物の特異性を高めることができる。精密ロッドまたは精密ポッドにおける電子液体またはブレンド中のニコチン(ならびにプロピレングリコールおよびグリセロール)の量は、ガスクロマトグラフィ方法であるISO/DIS 20714、または当該技術分野において公知の任意の他の方法により決定されてもよい。特段に明記されない限り、分析物の測定値(例えば、ニコチン)は、乾燥重量ベースである。
【0107】
本明細書の任意の例示的な実施形態について、ニコチンは、まず、多いニコチンのニコチアナ・ルスティカ(N.rustica)植物などのコチアナ植物から、ニコチン、アナタビン、およびアナバシンを抽出し、次いで、抽出物を精製するための当技術分野で公知の様々な方法のいずれかによってもたらされる。これらの方法は、ニコチントローチやニコチンパッチなどのニコチン補充療法の製品のため利用される。あるいは、他の実施形態では、合成ニコチン、合成アナタビンまたは合成アナバシンがまず提供され、これは、タバコから抽出されていないという利点を提供する。例えば、米国特許第9,556,142号およびAyers et al.2005 The AAPS Journal;7(3)Article 75,E752-E758(http://www.aapsj.org)を参照のこと。次いで、ニコチンは、当該技術分野で公知の方法のいずれかによって、好ましくは、固体または半固体形態で調製される。これらは、結晶形態および/または非結晶形態であってもよい。
【0108】
結晶化または固化の際、ニコチン塩をカットするか、または粉砕して、適用に応じて任意の形状またはサイズを形成させてもよい。ニコチン粉末の適用のため、サイズは、25ミクロンと小さくてもよく、他の適用のため、サイズは、5mmであってもよい。あるいは、ニコチン塩は、市販されている。例えば、粉末形態の、ニコチン口内錠およびガムの生産のため使用されるニコチンの純粋な水溶性結晶塩である無水ニコチン酒石酸水素塩が、Alchem International SAから市販されている。
【0109】
電子ニコチン送達システム(末端)
多くのタイプのENDSが、過去10年間にわたり開発され、市販されている。例えば、タバコ加熱製品は、ホルダー、タバコスティックおよび充電器から構成される。IQOS(登録商標)タバコスティック(HeatStick(登録商標))が、例えば、電子制御された加熱ブレードを使用してタバコ材料を加熱するIQOS(登録商標)ホルダー内へと、挿入される。HeatStick(登録商標)は、多くの点で巻たばこと相違する。例えば、IQOS(登録商標)製品用のHeatStick(登録商標)内のタバコは、燃えず、タバコの粉末から作られており、独自に処理されているとともに、ホルダーと一緒に機能してエアロゾルを生成するように詳細に設計されている。他の例示的な構成では、タバコ加熱デバイスは、従来の巻たばこと同様に点火される。ホルダー、充電器またはバッテリはなくてもよく、タバコは、タバコ加熱ロッド内において直接加熱することができる。例えば、点火されたカーボン熱源は、タバコを加熱し(燃焼させることなく)、別個のタバコスティックからなるタバコ加熱デバイスと同様のエアロゾルを生産する。カーボン熱源を有するこのタイプのタバコ加熱デバイスは、例えば、典型的な巻たばこに対して物理的に非常に似ているものの、燃焼させるものではない。使い捨ての加熱要素は、吸入対象をなすエアロゾルを生産する各ロッド内に含まれており、本明細書では「タバコ加熱ロッド」または「加熱ロッド」として知られている。一例は、Philip Morris Internationalによって開発されているTEEPS(登録商標)である。他の例は、以前は米国で販売されていたもののもはや市場に出回っていないEclipse(登録商標)およびRevo(登録商標)を含む。別の構成では、タバコ加熱デバイスは、ホルダーまたは充電器を有しておらず、すべての加熱ロッド内にバッテリを含み、各加熱ロッドは、使い捨て可能とすることができる。したがって、タバコ(又は、タバコ抽出物または再構成タバコなどのタバコの形態)を燃焼未満に加熱して(タバコを燃焼させずに)エアロゾルを生産する任意のデバイスが、ホルダーまたは加熱要素とは別個のタバコスティックが存在するかどうかにかかわらず、バッテリの充電が必要かどうかとかバッテリがさらに必要かどうかとかにかかわらず、カーボン熱源の端部などの点火対象をなす対象物が必要であるかどうかにかかわらず、および/または任意の電子機器が含まれるかどうかにかかわらず、タバコ加熱デバイスであることは、理解されよう。本明細書において使用されるタバコ加熱デバイス、タバコ加熱製品、加熱式タバコデバイス、および加熱式タバコ製品という用語は、同義である。
【0110】
電子たばこは、加熱コイル、電子液体(電子ジュースとしても知られる)をエアロゾルに変換する噴霧器、電子液体を含有するカートリッジなど(スティックまたはポッド)、マウスピース、およびデバイスを充填するためのバッテリを備えた、充電式デバイスである。様々なステップを包含し得る多くの外観および設計が存在するが、それらは、一般的に、電子たばこを利用し、加熱要素を活性化して電子液体をエアロゾル化し、これにより、エアロゾルを吸入することを可能にすることにより、作動する。電子液体は、典型的には、ニコチン、水、フレーバーおよび保水剤を含む。保湿剤は、ニコチンおよびフレーバーを溶解させるキャリア溶媒であって、電子たばこの噴霧器上における特定の温度でエアロゾル化するキャリア溶媒として、機能する。典型的には、プロピレングリコールおよび/またはグリセロールが、電子液体に使用される溶媒である。カートリッジ内に収容されている電子たばこの電子液体は、例えば、ブランドおよびブランドスタイルによって大きく異なるニコチン含有量を有する。
【0111】
ヴェポライザー(ベイプ)は、物質を燃やすことなく吸入するため、物質、典型的には、大麻などの植物材料を蒸発させる。これらには、ドライハーブヴェポライザー(例えば、大麻の花用)と濃縮物またはワックス抽出物などの植物抽出物のために構成されたヴェポライザーの両方が含まれる。一部のヴェポライザーは、ドライハーブとPAX 3(登録商標)などの濃縮抽出物の両方について構成される。ドライハーブおよび/または濃縮物のため構成されたヴェポライザーは、典型的には、オープンシステムであり、これにより、加熱されることを望むものは何であれ、使用者がオーブンチャンバーに入れ、次いで、オーブンチャンバーが、カバーなどで閉じられることが可能になる。PAX 2(登録商標)などのこれらのタイプのオープンシステムヴェポライザーは、タバコスティックを使用するglo(登録商標)およびIQOS(登録商標)などのクローズドシステムヴェポライザーとは異なり、タバコはアクセスできないが、オープンシステムヴェポライザーは、同様のオープンシステムはまた、典型的には、約10パーセント~約17パーセントの水分レベルを有する煙を出すことが可能な植物材料(例えば、大麻)から蒸気を生成するので、glo(登録商標)およびIQOS(登録商標)と同様に機能する。本明細書に開示されるベイピング準備の整った精密ポッドは、ドライハーブヴェポライザーおよび濃縮物用のヴェポライザーと共に機能することができ、これは、有利である。また、オープンシステムヴェポライザーはまた、電子たばこが電子液体を利用し、オープンシステムヴェポライザーは利用しない、電子たばことは異なる。濃縮された形態のニコチンを含むベイピング準備の整った精密ポッドの本明細書の例示的な実施形態と比較して、電子たばこは、電子液体中のニコチンが、5重量%のニコチンに等しい、一般的に体積が0.7ml未満の濃度まで大幅に希釈されるので、使用者は、満足のいく用量のニコチン(例えば、1mg)に対してはるかに大量の蒸気を吸入する。一部の他のベイプデバイスは、より高い濃度で電子液体を提供するが、例えば、結晶性カンナビノイドおよびニコチンの結晶性塩を含む、ベイピング準備の整った精密ポッドのブレンドにおけるニコチンの濃度に近いものはない。
【0112】
ヴェポライザーは、温度調節器を有する電子ヒーター、オーブンまたは気化チャンバー(加熱されるべき材料が入れられる場所)、オーブンチャンバー用のカバー、マウスピース、センサおよび再充電可能な電池を含む。概して、喫煙製品からの大麻の燃焼と比較して、カンナビノイドの有意に多い抽出が、燃焼の欠如に起因して、ヴェポライザーが大麻を加熱すると共に生じる。オーブンチャンバー内のヴェポライザーの典型的な温度は、約160℃~約230℃の範囲にあり、これにより、吸入用の蒸気が生じるが、濃縮物にはより高い温度が必要となるため、範囲はより広い(例えば、100℃~265℃)場合がある。主流蒸気は、吸入される蒸気であり、ヴェポライザーを使用して人の口から出るか、またはヴェポライザーの口端から出る蒸気を含む。
【0113】
大麻および大麻製剤
本明細書で使用される場合、「大麻」は、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)およびカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)を含む。マリファナとヘンプ株または栽培種の両方が、大麻である。ヘンプは、サティバ株よりも、インディカタイプのマリファナに遺伝的に類似している。カンナビノイドは、主に大麻植物の雌花(つぼみとして知られる)内に蓄積される100超の天然化学化合物のグループである。これらは、脳内の神経伝達物質の放出を変化させる細胞内のカンナビノイド受容体に対して作用する。THCA/THCは、大麻植物内に存在する数十種類のカンナビノイドのうちの一つである。カンナビノイドは、遺伝子操作されたタバコ植物によって本質的に生産されてもよく、合成的に生産されてもよく(例えば、米国特許第9,587,212号を参照)、またはオンサート、精密ロッドおよび精密ポッドを使用するために大麻植物から抽出されてもよい。喫煙者が従来の巻たばこの喫煙をやめたとき、不安およびうつ病の彼らのレベルは、通常は増加し、したがって、最小量の結晶性CBDAを含むオンサートまたは精密ロッドと組み合わせた非常に少ないニコチンの巻たばこは、喫煙者が、電子たばこもしくはタバコ加熱デバイスに切り替えること、またはタバコおよびニコチンの使用を完全にやめることを支援するのに有益である。これらの適用のため、オンサートまたは精密ロッドの非THCカンナビノイドを含有する非常に少ないニコチンの巻たばこからの煙は、カンナビノイドを含まない非常に少ないニコチンの巻たばこからの煙よりも、改良されている。喫煙者が、米国特許第16/047,948号に開示される、非常に少ないニコチンの巻たばこをもっぱら喫煙することができる(一方、従来の巻たばこは喫煙しない)過渡期の期間が長いほど、電子たばこもしくはタバコ加熱製品に切り替えるか、またはタバコおよびニコチンの使用を完全にやめる確率が高くなる。
【0114】
THCの精神活性作用は、主に、身体全体に位置していて気分および食欲などの様々な生理学的プロセスに関与するエンドカンナビノイドシステムの一部であるカンナビノイド受容体の活性化によって媒介される。THCの精神活性作用は、喫煙者の肉体的制御性および精神的制御性を低下させることとなるという点で、喫煙者の日常生活に支障をきたすため、電子たばこまたはタバコ加熱デバイスに切り替える際に喫煙者を支援するための非常に少ないニコチンの巻たばこに含まれるヘンプ株(有意なTHCA含有量を含有する)またはマリファナ株もしくは変種の利用は、問題がある。例えば、電子たばこまたはタバコ加熱デバイスへと切り替えることを試みている喫煙者は、職場での昼休みに、有意なレベルのTHCAを含む非常に少ないニコチンの巻たばこを喫煙することができないため、陶酔状態になることがなく、したがって、職場に戻った時に正常に機能し得ない可能性があり、同僚にとって危険となる可能性がある。その上、従業員は、非常に少ないニコチンの巻たばこが、THCAを含有する大麻を含む場合、薬物検査に不合格となる可能性がある。したがって、非常に少ないニコチンの巻たばこもしくは従来の巻たばこと組み合わせたオンサートまたは精密ロッドからの、またはヴェポライザーと組み合わせた精密ポッドからの結晶性CBDA(大麻ではない)を含み、CBD利点を保持しながら、THCの精神活性作用を妨げることが有用かつ有利である。99.5%純粋である結晶性CBDAは、THCのいかなる中毒作用を有さない。
【0115】
カンナビス・サティバにおけるカンナビノイド生合成経路は、解明されている。カンナビゲロール酸(CBGA)は、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、およびカンナビクロメン酸(CBCA)、という三つの主要なカンナビノイド系統に関する前駆体である。植物材料の乾燥時および硬化時に起こるならびに/またはカンナビノイド酸に対する熱の適用時(例えば、喫煙時)に生じる脱炭酸中に、CBGA(カンナビゲロール酸)、THCA(Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸)、CBDA(カンナビジオール酸)、CBCA(カンナビクロメン酸)、CBGVA(カンナビゲロバリン酸)、THCVA(テトラヒドロカンナビバリン酸)、CBDVA(カンナビジバリン酸)、およびCBCVA(カンナビクロメバリン酸)、という8つのカンナビノイド酸のそれぞれは、CBG(カンナビゲロール)、THC(Δ9-テトラヒドロカンナビノール)、CBD(カンナビジオール)、CBC(カンナビクロメン)、CBGV(カンナビゲリバリン)、THCV(テトラヒドロカンナビバリン)、CBDV(カンナビジバリン)およびCBCV(カンナビクロメバリン)という8つのカンナビノイド化合物に変換され、それらを生成する。大麻が硬化して水分が減少するにつれて、酸性形態のカンナビノイド化合物は、熟成して、ゆっくりと関連化合物へと(例えば、THCAからTHCへと)変換される。時間をかけて大麻を硬化させ、それを保存すると、部分的な脱炭酸が生じるだけであり、このことが、大麻の花が一般的に、例えば、THCAとTHCの両方(本明細書では、THCA/THCとして表記される)で陽性となる理由である。大麻を喫煙するとあるいは気化させると、高温が存在することのために瞬時に酸形態のカンナビノイドが脱炭酸される(例えば、THCAからTHCに)こととなり、吸入による吸収が即座に利用可能となる。
【0116】
CBDなどのオンサート、精密ロッドまたは精密ポッドの本明細書の例示的な実施形態のカンナビノイド酸含有量は、部分的な脱カルボキシ化が、CBDへのCBDAなどのカンナビノイド酸に対して生じ得るため、対応するカンナビノイドを含む。例えば、オンサート、精密ロッド、精密ポッド、大麻植物、大麻株および大麻変種のカンナビノイド酸およびカンナビノイドの分析試験中に、CBDA24mgおよびCBD1mgを含有すると定量される品目は、CBDA25mgとして本明細書に記載される品目と同等である。したがって、カンナビノイド酸のカンナビノイドへの部分的脱炭酸の可能性に起因して、カンナビノイド酸およびカンナビノイドは、ときおり互換的に使用され、この場合、CBDA25mg、CBD25mgまたはCBDA/CBD25mgと発わされてもよく、それらすべてが同等の意味を有する。
【0117】
カンナビスの各系統または変種は、固有のカンナビノイドプロファイルを有し、これは、パーセントで測定される、全てのカンナビノイド総含有量で割った、大麻のバッチもしくはブレンド中のそれぞれのカンナビノイドの含有量、または一つまたは複数の他のカンナビノイドに対する一つまたは複数のカンナビノイドの比である。大麻の10ポンドバッチ中のカンナビノイドプロファイルの例は、THCA/THC含有量が、全てのカンナビノイドの総含有量の65パーセントであり、残りのカンナビノイドが、残りの35パーセントを含むことである。非THCA/THCカンナビノイドは、さらに特徴付けられてもよい。CBDAに対するTHCAの比はまた、カンナビノイドプロファイルの例である。複数の試料が、バッチまたは植物から採取され、試験目的のためにブレンドされ、複数回反復され得る。大麻系統または変種に関わらず、CBDA/CBDおよびTHCA/THCは、典型的には、大麻において最もよく見られる二つのカンナビノイドである。通常は、大麻系統および種類にわたるTHCAとCBDAとの間に逆の関係がある。THCA/THC含有量が多いほど、CBDA/CBD含有量が小さくなり、CBDA/CBD含有量が多いほど、THCA/THC含有量が少なくなる。CBDA/CBDは、一般的に、ヘンプの系統または種類の中で最も豊富なカンナビノイドの組み合せである。THCA/THCは、一般的に、マリファナ系統において最も多く含まれるカンナビノイドの組み合せであり、典型的には、大麻の花のおよそ10~20重量パーセントであり得る。ヘンプとマリファナのこのCBDA-CBD/THCA-THC関係は、何世紀にもわたって、ヘンプが種子とバイオマスのために交配され、したがって、より多くのCBDA/CBDを含有し、一方で、マリファナは、楽しい効果のために交配され、より多くのTHCA/THCを含有するという事実によるものである。THCAは、脱炭酸されていない大麻の花に関するより正確なラベルである一方、加熱により残りのTHCAがTHCに変換されるため、花が何らかの方法で喫煙されるか、気化されるか、または加熱される場合、THCAまたはTHCは、互換的に使用され、実質的に同等である。
【0118】
本明細書に記載されるように、本明細書に開示されるデバイス(オンサート、精密ロッドおよび精密ポッド)と共に使用されるニコチンの一つまたは複数の結晶塩と一つまたは複数の結晶性カンナビノイドのブレンドの正確な用量の製剤は、多くの種類の害を低減した製品、特に、タバコおよびマリファナを同時に使用する喫煙者のための害を低減した製品を提示する。タバコは、両方を同時に喫煙したとき、またはマリファナを喫煙した直後に、タバコを喫煙したとき、マリファナの楽しい効果を強化する。この相乗効果は、部分的には、心拍数の増加などのニコチンの刺激特性によるものである。一部の喫煙者は、タバコおよびマリファナをブラントまたはスプリフにおいて合わせる。ブラントは、タバコの葉またはタバコを含む葉巻ラッパーに巻かれたマリファナであり、スプリフは、タバコも含有するジョイントである。ブラントおよびスプリフが燃焼され、それゆえ、「タール」および何千もの化学物質を含有する有害なガスを生産する。結晶性CBDAまたはTHCAの非常に純粋な形態の燃焼からの煙を吸入することは、これらの純粋またはほぼ純粋な結晶のブレンドが、所与のレベルのカンナビノイドおよびニコチンについて主流煙の有意な低減をもたらすため、例えば、大麻およびタバコ植物材料を含まない、ニコチンの結晶性塩を燃焼することと併せて、ブラントまたはスプリフからの煙を吸入することよりも有害ではない。さらに、例えば、プロピレングリコールおよびグリセリンを含まない、または非常に少量(電子たばこと比較して)含む、精密ポッドにおける結晶性THCAおよび結晶性ニコチン塩の非常に純粋なブレンド形態を蒸気注入することは、ブラントまたはスプリフを喫煙するよりも有害ではない。プロピレングリコールおよび植物性グリセリンは、高い割合で電子液体中にあり、食品添加物として安全かつ許容可能な物質とみなされるが、これらの化合物を長期間吸入するためにはデータが不十分である。2019年夏に、THCおよびビタミンEアセテートを含有するオイルを含む蒸気状の電子液体から刺激され、炎症した肺に関する報告が浮上し始めた。別途、ある研究は、ニコチンを含まない電子たばこエアロゾルを吸入することが、健康な非喫煙者の内皮機能に一時的に影響を与えたことを示した。Caporale et al.2019,doi:10.1148/radiol.2019190562を参照のこと。これらは、プロピレングリコールおよびグリセリンなどの担体のレベルを排除または最小化しながら濃縮される有効成分(例えば、ニコチンおよびカンナビノイド)の製剤を送達する、本明細書に開示されるデバイスの有用性を強調するものである。喫煙または蒸気吸引されたかどうかに関わらず、所与の用量のニコチンまたはTHCAについて、例えば、THCAおよび/またはニコチンの塩の高度に純粋な形態は、ブラントまたはスプリフと比較して、吸入される煙が少なく、大麻の花(蕾)と比較して、吸入される蒸気が少ない。
【0119】
当技術分野で公知の任意の抽出方法は、結晶形態またはほぼ結晶形態のカンナビノイド酸を産生し得る。これらの抽出されたカンナビノイド酸は、高速液体クロマトグラフィによって測定され、好ましくは、少なくとも90パーセント純粋、より好ましくは少なくとも95パーセント純粋、より好ましくは少なくとも98パーセント純粋、より好ましくは少なくとも99パーセント純粋、最も好ましくは少なくとも99.5パーセント純粋である。これらの抽出方法には、超臨界または臨界未満の条件下で液体二酸化炭素(CO2)を有するものを含み、植物ワックス、ワックスエステルおよびグリセリド、テルペン、カロテン、フラボノイドならびに不飽和脂肪酸残基などの任意の残りの非カンナビノイド材料の実質的な部分を除去するためのエタノール沈殿法などの少なくとも一つの他のさらなる抽出が続く。例えば、米国特許第7,700,368号および第8,846,409号を参照されたい。
【0120】
一つまたは複数のカンナビノイド酸および/または一つまたは複数のニコチンの塩の組み合わせは、オンサート、精密ロッド、または精密ポッドの本明細書の任意の例示的な実施形態において含まれ得る。以下:CBGA(カンナビゲロール酸)、THCA(Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸)、CBDA(カンナビジオール酸)、CBCA(カンナビクロメン酸)、CBGVA(カンナビゲロバリン酸)、THCVA(テトラヒドロカンナビバリン酸)、CBDVA(カンナビジバリン酸)およびCBCVA(カンナビクロメバリン酸)から選択される一つまたは複数のカンナビノイド酸を含む、結晶またはほぼ結晶形のものを含む任意のカンナビノイド酸が利用されてもよい。結晶形、ほぼ結晶形、多形結晶形、および/または無定形形態に関わらず、以下の:ニコチン4-アセタミド安息香酸塩、ニコチンアスコルビン酸塩、ニコチンアスパラギン酸塩、ニコチン安息香酸塩、ニコチン酒石酸水素塩、ニコチン塩化物 such as ニコチン二塩酸塩 and ニコチン塩酸塩、ニコチンクエン酸塩、ニコチン2,3-ジヒドロキシ安息香酸塩、ニコチン3,5-ジヒドロキシ安息香酸塩、ニコチンフマル酸塩、ニコチンゲンチジン酸塩(2,5-ヒドロキシ安息香酸塩)、ニコチングルタミン酸塩、ニコチンl-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、ニコチン 3-ヒドロキシ安息香酸塩、ニコチン乳酸塩、ニコチンレブリン酸塩、ニコチンリンゴ酸塩、ニコチンモノピルビン酸塩、ニコチンムチン酸塩、ニコチン過塩素酸塩、ニコチンピルビン酸塩、ニコチンサリチル酸塩、ニコチンコハク酸塩、ニコチン硫酸塩、ニコチン酒石酸塩およびニコチン塩化亜鉛から選択される一つまたは複数を含む、ニコチンの塩(ニコチン塩)が利用されてもよい。
【0121】
フレーバーおよび添加剤
本明細書に開示されるオンサート、精密ロッドおよび精密ポッドは、アルカロイドおよびカンナビノイドに加えて、任意のフレーバーおよび/または添加剤を含有してもよい。米国特許出願第16/047,948号に開示される、喫煙者が電子たばこまたはタバコ加熱製品への切り替えを容易にする方法の処置期間中、添加剤または特徴付けるフレーバーを含む彼らの非常に少ないニコチンの巻たばこをカスタマイズすることができる喫煙者は、これらの従来ではない巻たばこをよりよく許容するために重要である。例えば、ペパーミントオイルまたは他のミントのオイル由来の天然メントール結晶が、本明細書の任意の実施形態に含まれてもよい。結晶性メントールは、透明または白色であり、タバコの煙が精密ロッドの結晶を通過するとき、または精密ポッドがヴェポライザーで加熱されるとき、蒸気になり、これにより、メントールエッセンスが主流の蒸気を透過する。固体としてのメントール結晶は、ニコチン製剤の結晶性カンナビノイド酸および結晶性塩とよく混合される。結晶形態であるか否かにかかわらず、任意のタイプのフレーバーが、オンサート、精密ロッドまたは精密ポッドに含まれてもよく、特徴付けるフレーバーの他の例には、バニラ(例えば、バニリン)、チェリー、ブドウ、マンゴー、オレンジ、クローブ、ブルーベリー、桃、シナモン、ココナッツ、甘草、チョコレート、フルーツ、コーヒー、イチゴ、パイナップル、キュウリ、レモン、ライム、ミントおよびトフィーが含まれる。特徴付けられ、「メントール」と標識された市販の巻たばこは、メントール約2mg~20mgあたりを含有する。任意のオンサート、精密ロッドまたは精密ポッドは、少なくとも1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、50mgなどの前述の特徴付けるフレーバーの量を含んでもよい。
【0122】
添加剤はまた、本明細書のオンサート、精密ロッドおよび精密ポッドの実施形態の製剤の一部を強化するために重要である。例えば、結晶性カンナビノイドおよびニコチンの塩の製剤は、植物テルペンの全てが、抽出されたか、または合成されている化合物の場合、決して存在しないため、フレーバーおよび芳香を欠く。テルペンは、大麻にその独特の芳香および嗜好を与える刺激オイルである。各系統は、別個のテルペンプロファイルを有する。これらの大麻テルペンを、オンサート、精密ロッドおよび精密ポッドの製剤に再導入して、煙または蒸気に嗜好および芳香などの特徴を追加してもよい。100種を超えるテルペンが特定されているが、大麻で最もよく見られるテルペンには、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンが含まれる。
【0123】
添加剤をまた、オンサート、精密ロッド、または精密ポッドの例示的な実施形態において利用して、結晶性ニコチン塩、他の結晶性アルカロイド、結晶性カンナビノイド、および/または他の結晶性化合物の任意の角を改善してもよい。オンサート、精密ロッドおよび精密ポッドの製剤から生産される煙または蒸気のpHが、分析され、煙または蒸気のpHをシフトさせるための成分の添加によってそれに応じて調整される。例えば、開発中の精密ポッドの製剤から生成される煙のpHが、約5.5よりも大きい場合、糖類、クエン酸または脂肪酸などの緩酸が、精密ポッド、精密ロッドまたはオンサート中のブレンドに加えられてもよい。植物材料または他の構成成分はまた、植物部分、植物画分、またはハーブ(例えば、ジャスミンもしくはチョウセンニンジン)、大麻、タバコおよび/他の植物由来の植物構成成分を含む、本明細書の製剤に加えられてもよい。
【0124】
保存剤などの他の機能性添加剤またはシチシニンとしても知られるシチシンなどの非タバコアルカロイドが、有用である。シチシンは、シチスおよびラブラーヌム(例えば、シチス・ラボリヌム(Cytisus laborinum)またはゴールデンレイン・アカシア)などの、多くの植物属に存在する植物系アルカロイドである。シチシニンは、ニコチン性アセチルコリン受容体と高い結合親和性を有する。これは、一部のヨーロッパの国においてピルの形態の禁煙治療として使用されている。一部の例示的な実施形態では、オンサート、精密ロッドまたは精密ポッドにおいてシチシニシン少なくとも2mgを含むことにより、従来の巻たばこを吸う衝動を低減させ、喫煙者が電子たばこもしくはタバコ加熱製品に移行するか、またはタバコおよびニコチンの使用を完全にやめるのを支援する。
【0125】
本発明の一部の態様では、製品および製剤は、工場で製造された非常に少ないニコチンの巻たばこなどの喫煙製品のニコチン、アナタビンおよび/またはアナバシン煙生成量(すなわち、レベル)を強化して、タバコおよびニコチン製品を完全にやめることに関心のない喫煙者が、従来の巻たばこの喫煙から、電子たばこまたはタバコ加熱デバイスの使用に切り替えるのを促進するため、喫煙者に提供される。この方法論では、非常に少ないニコチンの巻たばこが、喫煙者の普段の巻たばこブランドと電子たばこの間にわたっての、あるいは、喫煙者の普段の巻たばこブランドとタバコ加熱製品との間にわたっての、橋渡しとして利用されてもよい。
【0126】
他の態様では、製品および製剤は、彼らの工場で製造された従来の巻たばこのニコチン煙生成量を強化して、「タール」および一酸化炭素を含む巻たばこの煙への喫煙者の曝露を低減するため、喫煙者に提供される。
【0127】
他の態様では、製品は、新たな特徴付けるフレーバーを加えるか、または巻たばこなどの喫煙製品の煙におけるフレーバーを強化するため、喫煙者に提供される。
【0128】
他の態様では、製品は、ニコチン、アナタビンおよび/またはアナバシンをマリファナ巻たばこに加えるため、喫煙者に提供される。
【0129】
他の態様では、製品は、カンナビノイドまたは他の添加剤もしくは構成成分を彼らの喫煙製品に含ませるために、喫煙者に提供される。
【0130】
他の態様では、製品および製剤は、喫煙者が、非ニコチンタバコ化合物に曝露されることなく、カンナビノイドおよびニコチンの効果を楽しむためことを可能にするために提供される。
【実施例】
【0131】
実施例1
喫煙製品用オンサート
ニコチン煙生成量を強化するために、ニコチンは、消費者が、巻たばこなどの喫煙製品上、周囲または内にオンサートを適用するため、オンサートと組み合わされる。オンサートに接着されるか、吹き込まれたニコチンは、好ましくは、ニコチンの塩の形態である。セルロースから作製された、またはセルロースを含むラッパーを含む、オンサート(例えば、再構成大麻)は、葉巻などの喫煙製品と同じくらい長くてもよく、巻たばこの周りを包むのに十分な幅を含む任意の形状またはサイズであってもよい。
図1A~1Cの例示的な実施形態において示すとおり、セルロースラッパー2を備えたオンサート1を、工場で製造した巻たばこの巻たばこロッド3の外周全体周囲を包むよう構成する。オンサート1のセルロースラッパー2の幅は、巻たばこの外周よりも大きく、その結果、オンサートの両面4、5が、巻たばこロッドに重なり、巻たばこを十分にシールする。オンサート1の自己接着性(自己粘着性)面6は、オンサートの全周囲(四面すべて)7の周囲に自己粘着性接着剤を有し、オンサートを巻たばこロッド3に押し付けながら、巻たばこロッド3の周りに巻かれる。
図1Aおよび
図1Bに示す通り、ニコチン塩8または任意の他の形態のニコチン(任意の他の化合物または構成成分と共に、オンサートが含み得る)は、オンサートのセルロースラッパー2に接着され、この例示的な実施形態では、オンサート1の反対面9にニコチンは存在しない。あるいは、一部の例示的な実施形態では、ニコチンおよび任意の他の化合物または構成成分を、植物材料を再構成するためのもの(例えば、再構成タバコシートまたは再構成大麻シート)などの、当該技術分野で公知の方法によって、生産プロセス中にセルロースラッパー内に吹き込む。他の例示的な実施形態では、ニコチンを、糖パケットまたはシリカゲルパケットを生産するための当該技術分野で公知の方法によって、対向するシートの閉ポケット(すなわち、内包または閉パウチ)の間に入れて、収容する。
【0132】
巻たばこロッド3全体を、
図1Cに示す通り、ここで、オンサート1内に包む。オンサート1および巻たばこを互いに接着し、喫煙者が、巻線10でニコチン強化巻たばこの長さに沿って押すことによりシールを改善する。自己粘着オンサートを、非粘着性シート(押紙)上などの任意の形態で流通のために包装してもよく、それぞれのシートは、非粘着性シートから剥がす、少なくとも一つのオンサートを含むか、または自己粘着オンサートは、非粘着性の押紙から一度にロールからはがす、一連の複数のオンサートの連続するロールであってもよい。自己粘着オンサートが好ましいが、粘着するために湿らせた(例えば、なめた)とき、活性化する接着剤を利用してもよい。当技術分野で公知の任意の水分活性化接着剤を、オンサート上で利用してもよい。
【0133】
巻たばこに火をつけ、喫煙すると、オンサートのニコチンの部分が、主流煙に移動し、主流煙の一部となる。オンサートは、紙巻紙またはストリップの形態の任意のセルロース材料を含んでもよく、これは、機械で作製した葉巻を巻くために使用する形態を含む再構成タバコシート、再構成大麻シート、ヘンプペーパーなどのヘンプの製剤、および/またはハーブ植物(例えば、チョウセンニンジンまたはジャスミン)などの他の植物から作製したセルロース材料などの、燃焼可能であり、喫煙可能である。
図1A~1Cにおけるオンサートの配置の利点は、他の成分を、オンサート(オンサートと巻たばこの間)に容易に加え、その後、オンサートを、巻たばこ周囲に完全に巻く点である。
【0134】
一部の例示的な実施形態では、当技術分野で公知の結合剤、安定剤および/または接着剤と合わせて、オンサートをニコチン塩で被覆することによって、オンサートを作製する。この方法論では、例えば、アラビアゴム(アカシアツリー由来であり、アラビアゴムまたはアカシアゴムとしても知られる)約3重量部を、グリセリン約1重量部および水約1/6重量部と、容器内で15分間混合し、ニコチン塩をオンサートに保持するための接着剤を得る。結合剤、安定剤または接着剤の薄い被覆を、形成後に、巻たばこ上にオンサートを貼り付けるための、自己接着側の同じ面および/または反対の面上にカットしていないシート(例えば、ヘンプペーパー)に適用してもよい。ニコチン塩を、自己接着面に適用する場合、
図1Aに示す通り、オンサートの周囲7の周囲などの、接着剤が存在する場所に適用しない。次いで、粉末またはフレーク形態のニコチン塩被覆を、結合剤、安定剤または接着剤の適用の直後に、シートの一面または両面に所望の割合で適用し、ニコチン塩コーティングをシートに貼り付ける。乾燥後、結合剤、安定剤または接着剤およびニコチン塩の続くコーティングを、シートに適用してもよい。結合剤、安定剤または接着剤を、最終コーティングとして適用して、これにより、シート上にニコチンを良好にトラップさせてもよい。次に、カットしていないシートを、所望の形状およびサイズの複数のオンサートにカットする。喫煙製品の全周を包むように設定したオンサートは、例えば、葉巻または100mmの巻たばこ周囲を完全に巻くためのそれらのサイズなどの任意のサイズであってもよい。したがって、喫煙製品のサイズおよびタイプは、部分的に、オンサートのサイズおよび配置を左右する。オンサートに適用するニコチン塩(および/または他の化合物)の量はまた、喫煙製品のタイプおよび特徴(例えば、換気レベル)、ならびに所望のニコチン生成量の増加のレベル(または所望の任意の他の化合物の生成量の増加のレベル)に基づく。したがって、ニコチン生成量(または他の化合物の生成量)の増加は、喫煙製品のタイプおよび特徴ならびにオンサート内または上に含む化合物レベルを含む、利用しているオンサートのタイプおよびサイズの関数である。
【0135】
他の例示的な実施形態では、ニコチン塩を、他の化合物と共に、二つのオンサートシートの間または二つより多くのオンサートシートの間に吹き込んでもよく、オンサートシートは、それぞれのシートの外側部分上をニコチン塩で覆っていても、または覆っていなくてもよい。この製造配置では、シートを、パッケージングのため複数のオンサートに続いてカットした後、上記(または利用している任意の他の結合剤、安定剤または接着剤製剤)のアラビアゴム製剤を使用して、二つ以上のシートまたはオンサートの端をシールしてもよい。自己粘着オンサートを、消費者がニコチンオンサートを剥がして、巻たばこまたは他の喫煙製品に貼り付けるため、好ましくは、この実施形態で利用する。オンサートシートをニコチンで覆い、貼り付けないことで、この製造配置のニコチンは、よりきちんとした消費者適用のためシート間の内包に本質的にはとどまる。
【0136】
本明細書に開示するニコチンオンサート(および以下で開示および記載する精密ロッドおよび精密ポッド)はまた、他のアルカロイド、フレーバー、カンナビノイド、テルペンおよび/または他の添加剤もしくは構成成分を含んでもよい。例えば、本明細書の例示的な実施形態のいずれかを、ニコチン塩フォーマット、ニコチン共結晶フォーマット、またはニコチン塩共結晶フォーマットであるかに関わらず、
図1A~1Fの例示的なオンサートを含む、ニコチンの代わりまたはニコチンと組み合わせてアナタビンまたはアナバシンを用いて実施してもよい。アナタビンとアナバシンの両方が、ニコチンと類似したアルカロイドであり、ニコチンの塩を生産する代わりに、アナタビンの塩またはアナバシンの塩を、アナタビン強化タバコおよびアナバシン強化タバコのため生産してもよい。ニコチンの塩を、アナタビンの塩および/またはアナバシンの塩とブレンドしてもよく、アナタビンの塩を、強化ニコチン、強化アナタビンまたは強化アナバシンの任意のレベルまたは組み合わせで、巻たばこのためまたはマリファナ巻たばこのためアナバシンの塩とブレンドしてもよい。これらのアルカロイドの合成バージョンも利用してよい。
【0137】
それぞれのオンサートは、どのタイプかに関わらず、ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択する一つまたは複数の化合物を含んでもよい。それぞれのオンサートは、少なくとも、上述の化合物のそれぞれの以下の量:0.10mg、0.20mg、0.30mg、0.40mg、0.50mg、0.60mg、0.70mg、0.80mg、0.90mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg、79mg、80mg、81mg、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、88mg、89mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、250mgなどを含んでもよい。例えば、オンサートは、ニコチン少なくとも30mgを含有してもよく、上で挙げた任意の他の成分を含有せず、または例えば、ニコチン少なくとも10mg、THCA少なくとも10mgおよびCBCA少なくとも10mgを含有してもよい。オンサートは、一つより多くのアルカロイド、化合物または添加剤を含有してもよい。一部の例示的な実施形態では、
図1Aに示すタイプのオンサートなどのオンサートを特に利用して、オンサートへのMYOまたはRYO最終タバコブレンを含む、大麻および/またはタバコを直接巻いてもよい。他の例示的な実施形態、オンサートは、上述の量のいずれかの(すなわち、少なくとも0.10mg~少なくとも250mg)従来のタバコ、少ないニコチンのタバコ、従来の大麻(すなわち、マリファナ)および/または少ない量のTHC大麻を、上述の一つまたは複数の化合物のいずれかと共に、またはなしで含んでもよい。
【0138】
一部の例示的な実施形態では、自己粘着性または水分活性化接着剤は、一つまたは複数の化合物と同じ面のセルロースラッパー上にあり、他の実施形態では、接着剤は、一つまたは複数の化合物と反対面のセルロースラッパー上にある。さらに他の実施形態では、一つまたは複数の化合物は、内包内にあり、内包は、セルロースラッパーの中央にあってもよい。オンサートは、化合物が、セルロースラッパー内の内包にあるか、またはセルロースラッパーに張り付いているかに関わらず、合成ニコチン、アナタビンまたはアナバシンであるニコチアナ植物から抽出していない上記の量(すなわち、少なくとも0.10mg~少なくとも250mg)のいずれかのニコチン、アナタビンまたはアナバシンを含む、任意の化合物または化合物の組み合わせを含んでもよく、オンサートは、上記の量(すなわち、少なくとも0.10mg~少なくとも250mg)のいずれかの以下のカンナビノイド酸: THCA、CBDA、CBCA、CBGA、CBGVA、THCVA、CBDVAおよびCBCVAの一つまたは複数を含んでもよく、これらは、合成され、すなわち、大麻植物外から生産される。
【0139】
大麻の任意の系統、種類またはブレンドを、マリファナ系統、種類またはブレンドof 大麻の花または他の植物部分を、
図1Aに示すタイプのオンサートなどのオンサートに巻くため、一つまたは複数のカンナビノイドを含むオンサートで強化してもよい。同じマリファナ系統の花のTHCA/CBDA比および含有量を含む、カンナビノイドの数十のカンナビノイドプロファイルは、特に、異なる成長条件で成長させたとき、一つの収穫物から別の収穫物で有意に異なり得るため、これはときに必要である。これらのオンサートは、ニコチンを含まず、タバコを含まず、大麻の花の追加の系統、種類またはブレンドを必要とせず、大麻の花の任意の系統、種類またはブレンドからの煙のカンナビノイドプロファイルを改変する理想的な方法である。例えば、オンサートは、大麻使用者が、彼らのマリファナ巻たばこ、ブラントもしくはスプリフを強化するか、または所望の効果を達成するために、大麻の任意の系統、種類またはブレンドからの煙のカンナビノイドプロファイルを改変するめに、THCA、CBDA、CBGA、および/または任意の他のカンナビノイドを含んでもよい。
【0140】
化合物を、喫煙製品に存在しない新しい化合物として含むか、または喫煙製品に既に存在する化合物の補助として提供する、オンサート上に存在する任意の化合物の利点に加えて、大麻および/またはタバコをオンサートに直接巻くための、
図1Aに示すオンサートの設計は、典型的なRYO巻たばこまたはRYOマリファナ巻たばこより他の重要な利点を有する。例えば、オンサートは、特に、自己粘着オンサートとして実装したとき、より便宜的であり、あまり乱雑ではなく、オンサートは、全四つの面上にシールを提供し、これにより、緩いロールが引き起こす望ましくない空気流からの煙の希釈を低減する。また、特に、オンサートと共に含むニコチンおよび/またはカンナビノイドが、純粋または半純粋(例えば、90以上純粋)である場合、少ないタバコまたは大麻を使用することができる。事実、タバコ約650mg(任意のカンナビノイドの重量を加えた)の平均である、巻たばこ(加えたカンナビノイドの有無に関わらず)と比較して、オンサートに巻いた、例えば、THCA20mg、ニコチン塩10mg、および植物材料(これは、タバコ、大麻または二つのブレンドであるかに関わらず)200mgを含む喫煙製品用のオンサートは、約69パーセント未満の植物材料を含む喫煙製品に直す。これは、順に、平均的な巻たばこ(加えたカンナビノイドの有無に関わらず)と比較して、オンサートからの「タール」吸入を含む、煙吸入の大幅な減少が存在することを意味する。また、より少ないタバコをオンサートと組み合わせて使用するため、発癌性TSNAにおける大幅な低減も存在する。
【0141】
一部の例示的な実施形態では、大麻使用者が、彼らの大麻を含むニコチン(タバコから抽出していない)の効果を享受できるように、合成ニコチンは、オンサート(または精密ロッド)共に含む唯一の有効成分であってもよい。ニコチアナ植物から抽出した合成ニコチンまたはニコチンを利用するかどうかに関わらず、マリファナ巻たばこ(例えば、
図1A~1Cにおけるオンサートなどのオンサートと共に巻いた大麻)から主流煙にニコチンをもたらすオンサート(またはニコチンを含む精密ロッド)は、任意のタバコを含む必要性を有効に取り除き、タバコは、そのニコチン含有量のため必要とせず、これにより、煙吸引を低減し、TSNAなどのタバコ発癌物質を除去するので、植物材料を燃焼する必要はタバコ発癌物質ないため、結果は、スプリフト比較して、あまり有害でない喫煙製品である。
【0142】
本明細書のオンサートは、任意の形状または形態であってもよく、オンサート上の任意の自己粘着接着剤(または活性化するために水分を必要とするものなどの他の接着剤)は、連続的または任意のパターンであってもよいことは、理解される。例えば、自己粘着接着剤は、
図1Aにおけるオンサート1のニコチン塩8を囲む全四面7上にある。改変した例示的な実施形態では、オンサートの一つ、二つまたは三つの面は、自己粘着接着剤(または活性化するために水分を必要とするものなどの他の接着剤)を含んでもよいか、または接着剤の一つまたは複数の追加のストリップを、例えば、オンサートの対称軸のいずれかを通して加えてもよい。オンサートのいずれの面の任意のパーセンテージも、接着剤からなってもよい。
図1A~1Fのオンサートを含むオンサートはまた、オンサートの一端に張り付いた、フィルターを含有してもよい。熱傷促進剤または灰調整剤を、オンサート内または上に含んでもよい。オンサートを、「インサート」の一部として実際に使用してもよく、ここで、ロール・ユア・オウン(RYO)ローリングペーパー内部に付着し得るか、または空のメイク・ユア・オウン(MYO)巻たばこチューブの内部に収容し得る(もしくはRYOまたはMYOのためのばらばらのタバコまたは大麻に混合してもよい)後、喫煙製品を、喫煙者が巻くか、作製する(すなわち、RYO喫煙製品を巻いた後か、またはMYO喫煙製品を作製した後に、オンサートを隠す)ことは、理解される。この様式で使用するとき、一つまたは複数のアルカロイド、フレーバー、カンナビノイド、テルペン、および/または他の添加剤の、喫煙製品の主流煙への移動速度は、典型的には、喫煙製品の外側の同一のオンサートを置くこと(例えば、充填MYO巻たばこの上に収容する)と比較して、典型的には高い。当然のことながら、RYOまたはMYOの喫煙製品の内部に収容するように特別に作製したオンサートについて、自己粘着接着剤特性は、喫煙製品に貼り付けるために湿らせた(例えば、なめる)ときに活性化する任意の他の接着剤であるように、任意選択である。喫煙製品に挿入し得るオンサートのこれらの例示的な実施形態は、喫煙製品に貼り付けるための任意の接着剤を含まない場合がある。
【0143】
図1D~1Fは、
図1A~1Cにおけるオンサートと形が異なるセルロースラッパーを含む自己接着性(自己粘着性)オンサートの例示的な配置を示す。
図1Dに示す通り、第一のタイプのオンサートは、二つのウィング12または四つのウィング13のいずれかと共に円形のウィンドウ11を備え、一つまたは複数のアルカロイド、フレーバー、カンナビノイド、テルペン、および/または他の添加剤を含む。これらのオンサートのそれぞれは、巻たばこ、葉巻またはマリファナ巻たばこなどの喫煙製品の円形のチップ周囲に位置し、任意の長さであってもよいウィングを、拡大し、喫煙製品に貼り付ける。別のタイプは、
図1Eに示す伸長オンサート14であり、これは、例えば、両方が葉巻などの喫煙製品の面に沿って平行に、または一方または両方のオンサートを、喫煙製品の周りに巻いてもよい。
図1D~Eの例示的な実施形態のオンサートのアルカロイド、フレーバー、カンナビノイド、テルペン、および/または他の添加剤を、オンサートの反対のシートの閉鎖ポケット間に包むか、接着剤によりオンサートのいずれかの面に貼り付けるか、またはオンサートの生産プロセス中にオンサート内に吹き込んでもよい。
【0144】
別のタイプのオンサート配置は、
図1Fの例示的な実施形態に示すウェブパターンのオンサートであり、オンサートを、巻たばこなどの喫煙製品周囲に巻き、タバコおよび/または大麻と組み合わせて、巻たばこ、マリファナ巻たばこ、ブラントもしくはスプリフを巻く(RYO)のに使用するか、または相互依存の喫煙製品なしで、それ自体を単に巻き、喫煙し得るため、これが、機能するのに関与するのと類似の
図1A~1Cのオンサートである。オンサート15の自己粘着接着面上に、ウェビング16周囲の接着剤の一つ、二つ、三つまたは四つの面が存在し、これは、バックシート17の前にあるウェビングに内包したアルカロイド、フレーバー、カンナビノイド、テルペンおよび/または他の添加剤を含む。これらのタイプの非連続(すなわち、クモの巣状)のオンサートは、任意の形状またはサイズであってもよく、喫煙製品の任意の部分をカバーしてもよい。
【0145】
一部の例示的な実施形態では、オンサートは、工場で製造された巻たばこのパックの内側に含まれてもよく、または一緒に束ねられ(例えば、20)、パッケージオンサートとして巻たばこパックまたはローリングペーパーボックスの外側に接着されてもよい。米国特許出願第16/047,948号に概説される、従来の巻たばこの喫煙から電子たばこまたはタバコ加熱デバイスへの排他的に切り替えるために非常に少ないニコチンの巻たばこを使用するとき、補助量のニコチンが、一部の喫煙者により必要とされうるとき、工場で製造された巻たばこパック内または上にニコチンオンサートをパッケージングする利点は、利便性である。喫煙者が、治療期間中に従来の巻たばこを作製し、喫煙しないように、これらのニコチン強化巻たばこ(例えば、ニコチンオンサートおよび非常に少ないニコチンの巻たばこ)は、喫煙者が、プロトコールによって指示される通り、治療期間中に非常に少ないニコチンの巻たばこを排他的に使用することを補助する。ニコチンオンサートによって提供される補助量のニコチンは、例えば、巻たばこ1本当たり0.04mgから0.10mgにニコチン煙生成量を増加させてもよい。この実施例ではニコチン煙生成量は2倍以上であったが、0.10mgのニコチン生成量は、従来の巻たばこの典型的な1mgのニコチン生成量より依然として劇的に少ない。補助量のニコチンを工場で製造される従来の巻たばこに提供するニコチンオンサートは、それぞれの巻たばこの喫煙量を減らす目的で、彼らの巻たばこをカスタマイズする喫煙者に多大な柔軟性をもたらす。ニコチンを含むオンサートが従来の巻たばこに接着した、ニコチン強化巻たばこは、ニコチンに対するタールの比の低減をもたらす。
【0146】
実施例2
製品を喫煙するための精密ロッド
正確な量の一つまたは複数のフレーバー、アルカロイド、カンナビノイド、テルペンおよび/もしくは他の添加剤、または構成成分を含む精密ロッドは、喫煙製品に挿入されるよう製造され、一つまたは複数のフレーバー、アルカロイド、カンナビノイド、テルペンおよび/もしくは他の添加剤、または構成成分を喫煙製品により生成される主流煙に移す目的で、喫煙製品の燃焼中に喫煙製品に留まらせる。精密ロッドは、対象の化合物の正確に定量された製剤を、喫煙製品に既に含まれる一つまたは複数の化合物の固有の含有量の補助として、または一つまたは複数の新規の化合物として提供する。3種類の精密ロッドが存在する。第一のタイプの精密ロッドは、葉巻などの喫煙製品が燃え尽きるにつれて、燃焼し、燃え尽きる材料からなる。これらのタイプの精密ロッドの適切なセルロース材料は、350セルシウス度以下の発火温度を有するものである。発火温度は、物質が燃焼を開始する最低温度である。これらの材料はまた、例えば、フィルターの付いた巻たばこのタバコの端に挿入されるのに十分に堅くなければならず(または設計により、十分に堅くなるように作製することができる)、喫煙製品の主流煙に許容できないレベルの毒素を呈さずに、喫煙製品と共に燃焼され得る。セルロース精密ロッドに適した材料の例には、繊維板、紙、ボール紙または他のセルロースもしくは木質材料が挙げられるが、これらに限定されず、これらは、ヘンプもしくは再構成ヘンプ、タバコもしくは再構成タバコ、あるいはフレーバー、アルカロイド、カンナビノイド、テルペン、および/もしくは他の添加剤、または対象の構成成分が、精密ロッドにおけるチャンバーまたは空間部に接着されているか、または収容される(含有される)他の植物から好ましくは生産される。精密ロッド(および精密ポッド)の一部の例示的な実施形態では、化合物および構成成分は、再構成ヘンプ、再構成タバコ、または再構成された植物材料に含まれ、次いで、精密ロッドの空間または内部チャンバー(または精密ロッドの区画内)に含まれる。
【0147】
図2Aの例示的な実施形態に示される通り、セルロース精密ロッド18は、多層のボール紙の各層が、例えば、ニコチン塩(および/または任意の他の化合物)によりカバーされ、次いで、全ての層が、米国食品医薬品局(FDA)によって、安全であると正に認識された(GRAS)、結合剤または接着剤により一緒に結合される、多層ボール紙19の6つの層からなる。セルロース精密ロッドは、セルロース材料の一つまたは複数の層を含み得る。追加の結合剤または接着剤を必要とならないように、セルロース精密ロッドの一つまたは複数の層は、層の製造プロセス中に一緒に結合される。化合物が精密ロッド上にシールされ、それらが、使用者の手に付かなくなるように、組み立てられた精密ロッド全体が、薄いGRASコーティングまたはフィルムでカバーされてもよい。他の例示的な実施形態では、一つまたは二つの厚い層が、セルロース精密ロッドに利用されてもよく、厚い層を利用するこれらのタイプのセルロース精密ロッドは、より多くの量のニコチン塩および/または他の化合物を収容するための少なくとも一つのチャンバーまたは空間部も含んでもよい。
【0148】
他の例示的な実施形態における第二のタイプの精密ロッドは、喫煙製品が燃え尽きるにつれ、燃焼するか、または燃え尽きない材料からなり、350セルシウス度を超える発火温度を有する。これらの精密ロッドは、一つまたは複数のフレーバー、アルカロイド、カンナビノイド、テルペン、および/もしくは他の添加剤、または対象の構成成分からなり、これらの化合物または構成成分を、喫煙製品により生成される主流煙に移す目的で、喫煙製品の燃焼中に喫煙製品にとどまるように喫煙製品のいずれかの端に挿入されるよう製造される。適切な耐炎性硬質材料の例としては、融合石英もしくはシリカ、土器もしくは磁器などのセラミック、または非毒性の超高温セラミックが挙げられるが、これらに限定されない。精密ロッドが、喫煙製品から漏れ出て、喫煙者を燃やすことがないように、数個のパフのみを使用する実施形態では、非毒性の金属またはチタンもしくは食品グレードのステンレス鋼などの金属合金が用いられ得る。
【0149】
図2Bに示す通り、第一の精密ロッド20を含む、喫煙製品が燃え尽きるにつれ、燃焼しないか、または燃え尽きない、様々なサイズの円筒形精密ロッドの三つの例示的な実施形態がある。これら三つの精密ロッドは、化合物および/または植物材料を収容するための内部チャンバーを含む。内部チャンバー21は、第一の精密ロッド20の端部の開口部で始まり、約1.25mmの直径および約13mmの長さを有する。第一の精密ロッド20は、内部チャンバー21内の粉末形態(密度約900kg/m3)のニコチンの塩約15mg含む。それぞれの精密ロッドの一端は、工場で製造された巻たばこなどの任意の喫煙製品への容易な挿入のため向けられてもよい。精密ロッドは、内部チャンバー21にもつながる、一つまたは複数の穴または通気口を備える。
図2Bにおいて、それぞれの精密ロッドの様々な穴22が存在する(それらの一部のみに標識を付す)。穴または通気口の数は、喫煙製品のタイプ、精密ロッドに含まれる化合物または構成成分のタイプ、およびそれらの沸点、精密ロッドにおけるそれぞれの化合物の量、および精密ロッドにおける含有物の総重量に依存する。穴または通気口および精密ロッドの端部開口部は、それらすべてが内部チャンバーにつながり、空気、熱および煙の流れが、精密ロッドに出入りするのを容易にする。精密ロッドの端部開口部および穴または通気口は、アラビアゴムまたは加熱された際に容易に融解する任意のGRAS材料でシールされていてもよい。穴または通気口は、シールされずに維持されてもよく、その場合、化合物の粒子サイズは、穴または通気口よりも大きくなり、生産中に、化合物は、端開口部を通して挿入される。端部開口部は、消費者が精密ロッドを喫煙製品に挿入する前に取り外すピールオフタブでカバーされていてもよい。消費者が使用前に剥がすため、精密ロッド全体が、プラスチックでシールされていてもよい。
【0150】
図2Cに示す通り、
図2Bの精密ロッド20は、巻たばこ23に挿入されている。現時点では、精密ロッドを含むニコチン強化巻たばこが喫煙されると、穴は、空気、熱および煙が、ロッド内に含有されるニコチン(および/または他の例示的な実施形態における他の化合物)として精密ロッドに入り、蒸発し、主流煙に充満することを可能にする。ニコチン強化巻たばこ23(または他の実施形態では他の喫煙製品)が、部分的に喫煙されると、巻たばこは、消されてもよいか、または精密ロッドは、巻たばこの灰とともに放出されてもよい。喫煙者は、15mgの精密ロッドにおける補助ニコチンにより、喫煙されるニコチン強化巻たばこの一部(例えば、40%)のみで満足する可能性が高い。喫煙者は、部分的に喫煙されたタバコを廃棄してもよいか、または別の精密ロッドが、巻たばこの残りの部分に挿入され得るとき、後のための非喫煙部分を保存してもよい。いずれの場合も、喫煙者は、精密ロッドを含まない同じ巻たばこを喫煙することと比較して、「タール」を含む煙の約半分を吸う。平均的な巻たばこは、精密ロッドにおけるのと同じ量である、ニコチン約15mgを含有するため、ニコチン吸入の量は、精密ロッドを含まない同じ巻たばこを喫煙した場合とほぼ同じである。害の低減に加えて、喫煙者はまた、それぞれの巻たばこの残りの半分を節約すれば、購入する巻たばこを減らすことにより、経済的な利益を得ることもできる。
【0151】
第一の二つのタイプの精密ロッドはまた、喫煙製品の口端に挿入されてもよく、これは、フィルター付き巻たばこまたはフィルター付き葉巻などの喫煙製品のフィルターであってもよい。例えば、メントール結晶8mgを含む精密ロッドは、巻たばこの口端(例えば、フィルター端)に挿入されてもよい。精密ロッドの穴または通気口により、メントール結晶の本質が主流煙に入り、メントール感および満足感を喫煙者に送達することが可能になる。非常に少ないニコチンの巻たばこの喫煙は、従来の巻たばこを喫煙することと比較して、重大な喉の影響をもたらさないため、精密ロッドにおけるメントールまたは他のフレーバーは、非常に少ないニコチンの巻たばこの許容性が増加し、これにより、喫煙者が、タバコ製品を完全にやめることを容易にし、喫煙者が電子たばこまたはタバコ加熱デバイスに切り替えることを容易にする(米国特許出願第16/047,948号において開示される)。巻たばこを喫煙するよりもはるかに有害ではない電子たばこおよびタバコ加熱デバイスは両方とも、一般的に受け入れられている。電子たばこを吸うことは、例えば、巻たばこを喫煙するよりおよそ90パーセント害が少ないと考えられている。
【0152】
第三のタイプの精密ロッドは、フレーバー注入システムと共に使用される。このタイプの精密ロッドはまた、一つまたは複数のフレーバー、アルカロイド、カンナビノイド、テルペンおよび/もしくは他の添加剤、または構成成分を含み、一つまたは複数の巻たばこまたは葉巻などの喫煙製品に挿入される。内部チャンバー内の化合物は、喫煙製品に注入され、次いで、精密ロッドは、喫煙製品から取り除かれる。
図2Dに示される通り、フレーバー注入システムは、精密ロッド24およびプランジャ機構25を含む。プランジャ機構25は、プランジャを含み、これは、
図2Dに示していない。精密ロッド24は、一端に締結機構を含み、これは、この例示的な実施形態では、精密ロッドがプランジャ機構25のスレッド27内にねじ込まれ得るように、スレッド26である。精密ロッドは、エンドホール28を含み、これは、喫煙製品に注入される前に、化合物または構成成分を収容する内部チャンバーの始まりである。精密ロッド24が喫煙製品に挿入され、次いで、精密ロッドおよびプランジャ機構25が、接続されると(または順序が逆であってもよい)、プランジャ機構に接続されたプランジャが、プランジャ機構25内に押し込まれ、精密ロッド内の含有物が、喫煙製品に排出される。喫煙製品が点火されると、喫煙製品の主流煙は、現在、喫煙製品に含まれる一つまたは複数の化合物(および任意の構成成分)が注入される。
【0153】
一部の例示的な実施形態では、フレーバー注入システムおよび精密ロッドは、一つのピースであり、接続される必要はない。フレーバー、アルカロイド、カンナビノイド、テルペンおよび/もしくは他の添加剤または構成成分は、様々な方法によってプランジャ機構または精密ロッドに直接装填されてもよい。例えば、プランジャは、プランジャ機構から取り除かれてもよく、化合物および構成成分は、空にされるか、または精密ロッドを通過するプランジャ機構に配置される。次いで、プランジャは、再取り付けされる。フレーバー注入システムは、ここで、フレーバー注入システム内の含有物と共に喫煙製品に吹き込む準備ができている。フレーバー注入システムの前述の例示的な実施形態のいずれかは、一つまたは複数の喫煙製品、すなわち、一つまたは複数の巻たばこが、例えば、一度にまたは連続して化合物を注入される、任意のタイプの機械で自動化されてもよい。
【0154】
それぞれの精密ロッドは、三つのタイプのいずれかに関わらず、ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される一つまたは複数の化合物を含み得る。三つのタイプの精密ロッドのそれぞれは、少なくとも、前述の化合物の一つまたは複数の以下の量:0.10mg、0.20mg、0.30mg、0.40mg、0.50mg、0.60mg、0.70mg、0.80mg、0.90mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg、79mg、80mg、81mg、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、88mg、89mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mgなどを含んでもよい。例えば、精密ロッドは、アナタビン少なくとも30mgを含有してもよく、上で挙げた任意の他の成分を含有せず、またはニコチン少なくとも10mg、THCA少なくとも10mgおよびCBGVA少なくとも10mgを含有してもよい。精密ロッドは、一つより多くのアルカロイド、化合物または添加剤を含有してもよい。一部の例示的な実施形態では、精密ロッドの三つのタイプのそれぞれは、上述の量のいずれかの、すなわち、少なくとも0.10mg~少なくとも200mgの従来のタバコ、少ないニコチンのタバコ、従来の大麻(すなわち、マリファナ)および/または少ない量のTHC大麻を、上述の一つまたは複数の化合物のいずれかと共に、またはなしで含んでもよい。
【0155】
他の例示的な実施形態では、精密ロッドは、前述の量(すなわち、少なくとも0.10mg~少なくとも200mg)のニコチン、アナタビンまたはアナバシンのいずれかを含むことができ、これらは、ニコチン植物から抽出されず、合成されたニコチン、アナタビンまたはアナバシンであり、これらは、前述の量(すなわち、少なくとも0.10mg~少なくとも200mg)の以下のカンナビノイド酸: THCA、CBDA、CBCA、CBGA、CBGVA、THCVA、CBDVAおよびCBCVAの一つまたは複数を含んでもよく、これらは、合成され、すなわち、大麻植物外から生産される。例えば、精密ロッドは、THCA30mgを含有してもよく、上で挙げた他の成分を含有しないか、またはニコチン10mg、THCA10mgおよびCBCA10mgを含有してもよい。精密ロッドはmata、一つより多くのアルカロイド、フレーバーまたは他の添加剤を含有してもよい。
【0156】
精密ロッドは、任意の形状または長さであってもよく、主流煙に移されることが望まれるフレーバー、アルカロイド、カンナビノイドおよび/または他の添加剤の量に部分的に依存する。尖った端部を有する細長い形状が、葉巻などの喫煙製品への挿入を容易にするために一般的に好ましい。例えば、CBD結晶(例えば、20mg)を含む精密ロッドが、作製されてもよく、これは「純粋」CBDであり、糖に類似している。結晶性CBDAまたは任意の他の結晶性カンナビノイドは、例えば、超臨界CO2抽出プロセスなどの当該技術分野で公知の任意の方法によって提供されてもよく、続いて、例えば、CBDAが約99%純粋になるまで、残留する不純物を取り除くために、エタノール沈殿による様々な精製を通る。次いで、調製物を、約100ミクロン以上のサイズに粉砕し、他の化合物または構成成分と混合して、次いで、精密ロッドに組み込んでもよい。これらの精密ロッドは、電子たばこもしくはタバコ加熱製品への以降するため、またはタバコおよびニコチン製品を完全にやめるため、非常に少ないニコチンの巻たばこを使用する喫煙者により利用されてもよく、これらの方法および製品は、米国特許出願第16/047,948号に開示されている。精密ロッドは、フレーバー、アルカロイド、カンナビノイドおよび/もしくは他の添加剤、または構成成分の任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、およびリクリエーション目的のため、精密ロッドは、ニコチン10mg、CBDA結晶10mg、THCA結晶20mg、およびメントール結晶10mgを含有してもよい。
【0157】
本明細書に開示される任意のオンサート、インサート、または精密ロッドは、補助ニコチン源が、タバコをチューブに充填する前に、空の巻たばこチューブ内側に位置し得る、メイク・ユア・オウン(MYO)巻たばこ、およびタバコが巻かれる前に、平らなローリングペーパーの内側に位置し得るロール・ユア・オウン(RYO)巻たばこを含む任意のタイプの巻たばこに適用されてもよい。そうでなければ、オンサート、インサート、または精密ロッドは、それらが工場で製造された巻たばことともに使用される方法と同様に、MYOおよびRYO巻たばこ(既にタバコが充填されている)とともに使用されてもよい。本明細書に開示される任意のオンサート、インサート、または精密ロッドは、これらの喫煙製品が、消費者によって工場で製造されたか、または手作りされたかにかかわらず、葉巻またはマリファナ喫煙製品(例えば、ジョイント)などの任意の他のタイプの喫煙製品に適用されてもよい。例えば、工場で製造された巻たばこのタバコ端部から一部のタバコを取り除いた後、オンサートまたは精密ロッドが、そのタバコ端部内に配置されてもよく、取り除かれたタバコの一部分が、巻たばこを光らす前に、巻たばこに戻されてもよい。
【0158】
実施例3
ヴェポライザーおよび喫煙製品のための精密ポッド
製品デバイスおよび製剤を含むタバコおよび大麻の使用者は、一つまたは複数の結晶性アルカロイドと共に正確に定量した量の、固体または半固体形態の一つまたは複数の結晶性カンナビノイド酸(テルペン、フレーバーおよび他の添加剤、または植物構成成分の有無に関わらず)などのニコチンまたはカンナビノイドを便宜的に吸うか、または喫煙する能力を欠く。ベイピング準備の整ったまたは喫煙する準備の整った精密ポッドは、固体または半固体形態のカンナビノイドとアルカロイドの両方と共に、カンナビノイドおよびアルカロイドなどの、精密ポッドが含む、予め測定され、混ぜられた量の一つまたは複数の化合物を吸うか、または喫煙する目的のため、ヴェポライザー、パイプ、水パイプ、ボールなどとの使用のため構成される。一部の例示的な実施形態では、混合された結晶性カンナビノイド酸およびニコチンの結晶性塩の正確な製剤が、精密ポッドにおいて提供される。精密ポッドは、多くの面で有利であり、特に、タバコおよび大麻を同時に喫煙するか、もしくは吸うもの、または必ずしもタバコや大麻を同時に吸わないが、タバコおよび大麻の二重使用者であるものにとって有利である。
【0159】
害の低減の観点から、ベイピング準備の整った精密ポッドにおける結晶性カンナビノイド酸およびニコチンの結晶性塩を吸うことは、マリファナの蕾およびタバコを一緒に吸うこと、または電子たばこおよびマリファナの蕾を別々に吸うことより害が少ない。ヴェポライザーについての例示的な精密ポッドの実施形態では、有効成分は、精密ポッドに含まれる固体または半固体フォーマット(例えば、結晶性化合物)においてはるかに濃縮されるため、少ない蒸気が、タバコおよび大麻を一緒または別々に吸うことと比較して、所定用量の固体または半固体フォーマットのニコチンまたはカンナビノイドを吸入するために必要とされる。例えば、電子たばこの電子液体は、6%未満のニコチン(約95%を超える非有効成分)を含有し、医療用ベイプペンの電子液体は、典型的には、結晶性ではない50%未満のカンナビノイドの濃縮物を含有する。対照的に、精密ポッドは、プロピレングリコールまたはグリセリンなどの担体を含まないか、またはこれらは、タバコ製品または大麻の蕾に見られる水分レベルを模倣するのに十分な程度(約10~約17パーセント)を含有する。結果は、有効成分が、はるかに濃縮され、これにより、所与の用量のニコチンまたは所与の用量のカンナビノイドのため吸入される必要のある蒸気が少ないため、精密ポッド内の化合物のベイピング準備の整った結晶混合物が、害が少ないということである。
【0160】
プロピレングリコールおよび植物性グリセリンは、食品添加物としての摂取についてであるが、吸入についてではない、FDAにより安全であると一般に認識されるよう指定されるが、電子たばこの使用は、巻たばこの喫煙よりも有害ではないと広く考えられているが(煙が生産されず、吸入されないため)、大量のプロピレングリコールまたは植物性グリセリンを電子たばこから吸入するための長期データが不十分である。例えば、プロピレングリコールもしくはグリセリンを含まないか、または少量のこれらの担体(例えば、精密ポッド内の総混合物の5~15重量パーセント)を含む、高純度の結晶性ニコチン塩を結晶性カンナビノイド酸製剤の混合物とともに吸うことは、非常に多い重量部のプロピレングリコールおよび/もしくはグリセリン(例えば、90%)を含有する電子液体を吸うこと、または大麻の花全体を吸うこと、または低濃縮型のカンナビノイドを吸うことと比較して、肺への害が少ない主流蒸気が少なくなる。
【0161】
同様に、喫煙するが、吸うことを好まないもののため、喫煙する準備の整った精密ポッドにより、喫煙者が高純度の形態のカンナビノイドおよびニコチンからのベイピングことが可能になる。精密ポッドの区画に含有され、パイプまたはボールにおいて喫煙される、固体または半固体の結晶性カンナビノイド酸(例えば、CBDAおよび/またはTHCA)、ならびにニコチンの塩(テルペン、フレーバー、および/または他の添加剤を含むかどうかに関わらず)の混合物を含む喫煙する準備の整った精密ポッドは、カンナビノイドを含むブラント、スプリフ、または工場で製造された巻たばこを喫煙すること比較して、所定のレベルのカンナビノイドおよび所定のレベルのニコチンについて生成され、吸入される煙の有意な低減をもたらす。タバコに関連する疾患は、タバコの煙の累積レベルに依存する用量であるため、煙摂取量の低減は害を低減する。実際に、従来の工場で製造された巻たばこのフィラーにおいて非タバコ材料(例えば、カンナビノイド)が多いほど、喫煙者は、1日当たりより大きなパフ、巻たばこ1本当たりより多いパフ、またはより多くの巻たばこを含む、低減したレベルのニコチンを代償する可能性が高い。フィラーにおけるカンナビノイドの任意の有意な部分からなる従来の巻たばこは、実際には、タバコの一部分、すなわちmニコチンが還元されているため、喫煙者への害を増加させ得る。その点で、巻たばこは機能しないため、タバコの80~90パーセントをカンナビノイドで置き換えることによる代償が生じない、従来の巻たばこのニコチンレベルを、非常に少ないニコチンの巻たばこのレベルまで低減することは不可能である。
【0162】
喫煙する準備の整った精密ポッドにより、喫煙者が、有意に少ない煙で同じニコチン満足度を達成できることを可能にし、重要なことに、カンナビノイドを含まないブラント、スプリフ、または工場で製造された巻たばこを喫煙することか生じる、発癌性タバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)および他のタバコに関連する化合物が存在しない。合成ニコチンの形態が利用される場合、精密ポッドは、100%タバコを含まない。カンナビノイドを含むブラント、スプリフまたは工場で製造された巻たばこなどの他の喫煙製品を喫煙することと比較して、煙曝露を低減することにより害が少ないことに加えて、結晶性THCA/THCからなる喫煙する準備の整った精密ポッドは、製剤が、それらの純度レベルと一貫しているため、所定のレベルおよび比のブレンドされた化合物についての興奮性作用のタイプおよび大きさに関する推測を排除する。フレーバー、テルペン、および他の添加剤、または植物構成成分などの構成成分(例えば、非常に少量のTHC大麻)がまた、最小レベルで精密ポッド製剤に組み込まれてもよい。
【0163】
図3Aの例示的な実施形態で示される通り、六角形プリズムの形状の精密ポッド29は、精密ポッド29の区画内にニコチン塩(前述の列挙したニコチン塩の任意の一つまたは組み合わせを含み得る)、結晶性THCA、結晶性CBDAおよびメントール結晶の混合物を含む。適切なレベルの改善剤を混合物に加えて、煙からかき消し、えぐみを取り除き、混合物が、適切な水分レベルを有するように、プロピレングリコールおよび/またはグリセリンがまた含まれてもよい。約12~約14パーセントが、タバコフィラーおよび大麻の花の理想的な水分レベルである。喫煙する準備の整った精密ポッドの製剤の水分レベルは、製剤中のそれぞれの化合物(および任意の植物構成成分)の沸点温度および量、ならびに混合物の沸点および総量を含む、多くの要因に依存する。異なる製剤は、異なる水分レベルを有し得る。これらの化合物は、一緒に混合され、固体または半固体形態である。精密ポッドは、二つ以上の通気口を含んでもよい。
図3Aにおける精密ポッド29は、多くの通気口を備える(一つのみを標識する)。精密なポッドの通気口は、区画への内向きのエアおよび吸入のための区画からの外向きの煙または蒸気の換気のためである。
【0164】
それぞれのベイピング準備の整ったまたは喫煙する準備の整った精密ポッドは、ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビゲロール酸(CBGA)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよび/またはフムレンからなる群から選択される二つ以上の化合物を含んでもよい。それぞれのベイピング準備の整ったまたは喫煙する準備の整った精密ポッドは、少なくとも、前述の化合物のそれぞれの以下の量:0.10mg、0.20mg、0.30mg、0.40mg、0.50mg、0.60mg、0.70mg、0.80mg、0.90mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg、79mg、80mg、81mg、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、88mg、89mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、250mg、300mgなどを含んでもよい。例えば、精密ポッドは、CBDA少なくとも10mg、ニコチン少なくとも5mgおよびメントール少なくとも5mgを含んでもよい。禁煙治療として、または米国特許出願第16/047,948号に開示されるタバコ加熱製品もしくは電子たばこへの喫煙者の移行を支援するため、前述の量(すなわち、少なくとも0.10mg~少なくとも300mg)のいずれかの少ないニコチンのタバコおよび/または非常に少ないTHC大麻が、ベイピング準備の整ったまたは喫煙する準備の整った精密ポッドのための前述の化合物の少なくとも一つと共に、精密ポッドに含まれてもよい。
【0165】
一部の例示的な実施形態では、精密ポッドは、ニコチアナ植物から抽出されたものではなく、合成ニコチン、アナタビンまたはアナバシンである、いずれかの前述の量(すなわち、少なくとも0.10mg~少なくとも300mg)のニコチン、アナタビンまたはアナバシンを含んでもよく、精密ポッドは、合成される、すなわち、大麻植物から生産される、いずれかの前述の量(すなわち、少なくとも0.10mg~少なくとも300mg)の、以下のカンナビノイド酸: THCA、CBDA、CBCA、CBGA、THCVA、CBDVA、CBCVAおよびCBGVAの二つ以上を含んでもよい。他の例示的な実施形態では、いずれかの前述の量(すなわち、少なくとも0.10mg~少なくとも300mg)の従来のタバコ、少ないニコチンのタバコ、従来の大麻(すなわち、マリファナ)および/または非常に少ないTHC大麻は、以下の化合物:ニコチン、アナタビン、アナバシン、フレーバー、THCA、CBDA、CBCA、CBGA、THCVA、CBDVA、CBCVA and CBGVA、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよび/またはフムレンの少なくとも一つとともに、ベイピング準備の整ったまたは喫煙する準備の整った精密ポッドに含まれてもよい。
【0166】
一部の例示的な実施形態では、ベイピング準備の整ったまたは喫煙する準備の整った精密ポッドは、それぞれ、タバコ(従来または非常に少ないニコチン)少なくとも5mgおよび/または大麻(マリファナまたは非常に少ないTHC大麻)少なくとも5mgならびにTHCVA(テトラヒドロカンナビバリン酸)などの前述の化合物の一つまたは複数少なくとも2mgを含む。本明細書におけるベイピング準備の整ったまたは喫煙する準備の整った精密ポッド(およびオンサートもしくは精密ロッド)について、少ないニコチンのタバコは、3mg/g以下のニコチン含有量を有するタバコを意味し、非常に少ないTHC大麻は、3mg/g以下の集合的THCA/THC含有量を有する大麻を意味する。
【0167】
精密ポッドは、ヴェポライザー、パイプ、ボールまたは水パイプの特定のモデルのため設計されたものを含む、任意のサイズまたは形状であってもよい。精密ポッドは、ヴェポライザーのオーブンチャンバー、またはパイプ、ボールもしくは水パイプのタバコあるいは大麻チャンバーのため構成される。堅い精密ポッドの適切な例としては、融合石英またはシリカ、無毒性の超高音セラミックを含むセラミック、ならびにチタンおよび食品グレードのステンレススチールなどの任意の金属、好ましくは、無毒性の金属または金属合金が、挙げられるが、これらに限定されず、しかしながら、任意の材料が、ヴェポライザーまたはパイプ、ボールもしくは水パイプのため構成されたかどうかに関わらず、精密ポッドのため利用され得る。ヴェポライザーに利用される材料は、金属を含む異なる材料が、異なる速度で加熱するため、ヴェポライザーの能力または温度範囲に依存し得る。一部の例示的な実施形態では、精密ポッドは、既に市販されているヴェポライザーの特定のモデルのため構成され、精密ポッドおよびヴェポライザーは、新しく設計されるヴェポライザーの製品開発段階中に互いに構成される。他の例示的な実施形態では、一般的な精密ポッドは、複数のタイプの喫煙製品または複数のタイプのヴェポライザーのため構成される。
【0168】
喫煙製品ように構成された精密ポッドについて、燃焼または部分燃焼をもたらさない材料が好ましいが、燃焼をもたらす材料も利用されてもよく、再構成タバコまたはヘンプから製造されたものの様な他のセルロース材料の様なペーパー様材料からなってもよい。これらのタイプのあまり堅くない精密ポッドは、低用量の化合物に有用である。同様に、ヴェポライザーのため構成された精密ポッドについて、精密ポッドの区画内の含有物のみが、精密ポッド自体の化合物または構成成分ではなく、主流の蒸気に移されることが好ましい。堅いかどうかに関わらず、使い捨ての喫煙する準備の整ったまたはベイピング準備の整った精密ポッドの主な利点の一つは、正確な比での所望の化合物の正確な混合という利便性であるが、他の例示的な実施形態では、精密ポッドは、再使用可能であってもよく、その場合、使用済み材料を除去し、新鮮な化合物を追加するためのアクセスを提供するために、留め具で開閉するアクセスパネルが存在してもよい。ボール、パイプまたは水パイプにおけるチャンバー内のヴェポライザーまたはドラフト穴のオーブンチャンバーの底部にある空気の通気口が、精密ポッドの床によって塞がれないように、精密ポッドの底部に脚がある場合がある。ベイピング準備の整った精密ポッドの一部の例示的な実施形態では、精密ポッドの底部にある通気口は、ヴェポライザー内のオーブンチャンバーの底部にある通気口と正確に整列するように構成される。喫煙する準備の整った精密ポッドの他の例示的な実施形態では、精密ポッドの底部にある通気口は、ボール、パイプまたは水パイプ内のチャンバーのドラフト穴と正確に整列するように構成される。化合物および任意の構成成分が、区画の床上に留まらないように、精密ポッドの区画内に一つまたは複数の棚があってもよい。これは、精密ポッド内の化合物のタイプおよびその沸点、精密ポッド内の総化合物の量、精密ポッド内に植物材料があるかどうか、および精密ポッドが、ヴェポライザーまたは喫煙製品の特定のモデルのため特別に作製されているかどうかに依存する。
【0169】
図3Bに示す通り、喫煙する準備の整った精密ポッド31は、ボール32内に配置されており、パイプまたは水パイプなどの他の喫煙製品とともに使用され得る。精密ポッドは、所望の化合物および構成成分の正確な混合物を含み、精密ポッドの区画内の混合物が均等に加熱、溶融および燃焼することを可能にする。結晶性ニコチン、結晶性カンナビノイド酸(例えば、THCAおよびCBDA)、メントールおよび改善剤の正確な混合物は、例えば、カンナビノイドを含むスプリフ、ブラフまたは工場で製造された巻たばこを喫煙することと比較して、所定用量のニコチンまたは所定用量のカンナビノイドついての煙の吸入量を劇的に低減する。これは、喫煙者が代償する(すなわち、減量する)、この製剤中のニコチン濃度が高いためである。喫煙する準備の整った精密ポッドの一部の実施形態は、大麻植物材料(結晶性カンナビノイド以外)またはタバコ植物材料(結晶性ニコチン塩以外)を含まないため、より少ない煙および「タール」が生産され、吸入は、より少ない有害生成物をもたらす。他の例示的な実施形態では、精密ポッドは、タバコから抽出または誘導される任意の化合物または構成成分を含まないが、これらは、タバコを含まないおよびニコチンを含まない精密ポッド混合物をもたらす合成ニコチンを含む。
【0170】
図3Cに示される通り、ヴェポライザー33が保持され、オーブンカバー34が、ヴェポライザー33の上部から取り除かれている。オーブンチャンバー35が露出され、これは、正確な量の二つ以上の化合物または一つまたは複数の化合物と、大麻などの植物材料が、吸われる様に、ベイピング準備の整った精密ポッドが配置される場所にある。
図3Dに示される通り、ヴェポライザー33は、ここで、これがとどまっているヴェポライザーのオーブンチャンバー35に配置されているベイピング準備の整った精密ポッド36の例示的な実施形態を含む。ベイピング準備の整った精密ポッドは、その区画内の化合物の正確な製剤を含み、精密ポッドは、パッケージから出てすぐに使用される準備が整っている。精密ポッドの底部にある空気および蒸気の流れを増加させるために、四つの脚37が精密ポッドに含まれる。ヴェポライザーの電源が入れられると、オーブンチャンバー35が加熱し、ニコチンの結晶塩少なくとも5mg、結晶性カンナビジオール酸(CBDA)少なくとも5mgおよび改善剤(蒸気を滑らかにし、粗さを取り除くためにクエン酸の様な一つまたは複数の食品グレードの酸など)を含む精密ポッドの含有物を加熱する。この固体または半固体の製剤は、TSNAなどの発癌性タバコ化合物を含有しないか、または主流の蒸気に移動させない。
図3Dのベイピング準備の整った精密ポッド36は、電子たばこを含有するニコチンを蒸気化するのと比較して、主流の蒸気曝露を低減する。これは、電子液体よりも精密ポッドから主流の蒸気中にはるかに高い濃度のニコチンが存在するため、精密ポッドを吸う人が、ゆえに、あまり蒸気を吸入しないことにより、代償する。同様に、タバコ加熱製品と比較して、精密ポッドからの主流蒸気中により高い濃度のニコチンが存在し、ゆえに、精密ポッドがタバコを含有するため、精密ポッドの主流蒸気が、タバコ発癌物質を含有しないという利点に加えて、望ましいニコチン1mg当たり、より少ない主流蒸気が、吸入される必要がある。
【0171】
もちろん、三つの製品:ベイピング準備の整った精密ポッド、電子たばこ、およびタバコ加熱製品のそれぞれは、これら三つの製品において何も燃やされず、数十種類の発癌物質を含む数千種類の化合物を含有する、生産されたタバコの煙は存在しないため、可燃巻たばこ(添加カンナビノイドを含むか、含まない)と比較して、低減した害をもたらす。ベイピング準備の整った精密ポッドのもう一つの付随的利点は、残った材料の大部分が、精密ポッドに保持され、ヴェポライザーのオーブンチャンバーの底部にある通気口に浸透し、これが、掃除しなければならない頻度が少ないヴェポライザーをもたらすため、精密ポッドを含まないヴェポライザーを使用することと比較して、ヴェポライザーを清潔に保てることである。
【0172】
一部の例示的な実施形態では、精密ポッドは、少なくとも5mgの少ないニコチンのタバコおよび/または少なくとも5mgの非常に少ないTHC大麻を含んで、喫煙者がタバコおよびニコチン製品を完全にやめるか、電子たばこ、タバコ加熱製品または精密ポッドなどの害の少ない製品に切り替えることを支援する。従来の巻たばこ喫煙者を害の少ない製品に移行させる方法および様々な種類の製品については、米国特許出願第16/047,948号を参照のこと。少ないニコチンのタバコおよび/または非常に少ないTHC大麻を含む精密ポッドは、THCA、CBDA、CBCA、CBGA、THCVA、CBDVA、CBCVA、CBGVA、ニコチン、アナタビン、アナバシン、ミルセン、カリオフィレン、ピネン、リモネンおよびフムレンからなる群から選択される一つまたは複数の化合物少なくとも2mgをさらに含んでもよい。例えば、少なくとも50mgの少ないニコチンのタバコ、少なくとも50mgの非常に少ないTHC大麻、および少なくとも5mgのCBDAを含む精密ポッドは、約600mgの少ないニコチンのタバコを含む非常に少ないニコチンの巻たばこよりはるかに少ない煙曝露をもたらす。
【0173】
THCA/THCなどの中毒化合物を含む精密ポッドの製剤について、中毒効果のタイプおよび大きさは、正確に定量されたベイピング準備の整ったまたは喫煙する準備の整った混合物を含む精密ポッドの使用から予測可能である。例えば、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)を含む結晶性またはほぼ結晶性カンナビノイド酸、およびニコチンの結晶性またはほぼ結晶性の塩の混合物(テルペン、フレーバー、および/もしくは他の添加剤、または植物構成成分などの構成成分の有無に関わらず)は、タバコ毒素への曝露および利便性に関して、タバコおよびリクリエーションマリファナの二重使用者にとって有利である。カンナビジオール酸(CBDA)を含む、結晶性またはほぼ結晶性のカンナビノイド酸の混合物を含むベイピング準備の整った精密ポッドは、疼痛からの軽減を求め、ベイプペンから大量の蒸気を吸入することを望まないものにとって有利である。
【0174】
大麻濃縮物の効力が増加するにつれ、正確な投与がより困難になり、THC効果はかなり変動し得る。結晶性カンナビノイド、ワックス、バッファ、オイル、破片または樹液などの大麻濃縮物を消費することは、典型的には、ブロートーチなどによって加熱されるツメなどの非常に高温の金属物体上に濃縮物を位置付け、次いで、蒸気が吸入される、「ダビング」によって達成される。危険で煩雑な手順であるだけでなく、正しい量の濃縮物を得ることは極めて困難であり、これはしばしばl過剰消費および不快な効果につながる。THC混合物の潜在的な安全性問題および潜在的な中毒効果は、大抵知られておらず、実際の中毒効果は、一つの大麻濃縮物生産バッチから別のバッチまでで大きく異なる場合がある。THCパーセンテージは、知られていないか、または正確でない場合があり、様々なカンナビノイドおよび不純物の相互作用からの「取り込み効果」は、予測が困難である。これらの欠点は、ヴェポライザーにおいて使用される濃縮物でも生じる。
【0175】
ダビングと比較した、一つまたは複数の結晶性カンナビノイド酸を含む、喫煙する準備の整ったおよびベイピング準備の整った精密ポッドの利点は、一つまたは複数の結晶性カンナビノイド酸のそれぞれが、調製なしで喫煙する準備が整うか、または吸う準備が整うカンナビノイド酸(最大約99%純粋)の正確に測定された用量を含み、精密ポッドは、同じ人に対して実質的に一貫した効果をもたらすことである。精密ポッドの一部の例示的な実施形態では、前述の量のミリグラム単位のTHCAの量は、THCAの純度レベル(THCA重量を化合物および精密ポッド中の任意の添加剤または成分の総量で割ったもの)と共に、エンドユーザーが、所定のTHCA含有量および混合物のTHCA比についてどのような効果が期待できるかを把握するように、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%などとパッケージング上で明確に伝えられる。例えば、ニコチンの塩5mg、結晶性THCA50mg、および結晶性CBDA20mg、非常に低いTHC大麻17.5mg(>0.30%THCA)、ならびに担体および/または改善剤7.5mgを含む精密ポッドの効果の予測可能性および一貫性は、同時のTHC/ニコチン効果と共に、正確で強力かつ一貫した効果を望む大麻使用者にとって非常に有益である。この100mgの精密ポッド混合物のTHC純度レベルは、50%(50mg/100mg)である。ニコチン/THC比は、10%であり、CBD/THC比は、40%である。カンナビノイド比およびTHCレベルが、すべての生産バッチにおいて知られていないか、または一貫していない他の濃縮物をダビングまたは吸うことと比較して、結晶性カンナビノイドを含むベイピング準備の整ったおよび喫煙する準備の整った精密ポッドは、濃縮物との一貫性を望み、一度に多量のTHCを消費したくない大麻使用者にとって有益である。精密ポッドと組み合わせて、正確に測定された結晶性カンナビノイドの量および比、ならびに結晶性ニコチンの形態の純度は、一貫性をもたらし、害の低減をもたらすだけでなく、喫煙する準備の整ったおよびベイピング準備の整った精密ポッドの利便性も、複数の吸引デバイスをダビングするか、または使用するより有利である。
【0176】
特定の少量のカンナビノイドおよび特定の比のカンナビノイドを本質的に生産する大麻植物の生物学的制約を克服するための精密ポッドの利点が、に容易に明らかになる。例えば、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)に脱炭酸するテトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)は、大部分の大麻株において微量レベルで見られる、少数派のカンナビノイドである。サティバ株は、THCVA含有量が高い傾向がある。THCVは、重要な食欲抑制剤であり、パニック発作を低減するための治療剤であり、ニコチン依存症および場合により他のタイプの依存症の治療のための治療剤である。THCVは少数派のカンナビノイドであるため、少なくとも3/2のTHCAに対するTHCVの比、または少なくとも3/2のCBDAに対するTHCVの比を含む大麻株からの花を吸うか、または喫煙することは、不可能ではないにしても、極めて困難であるであろう。一部の例示的な実施形態では、THCVAは、少なくとも3/2のTHCAに対するTHCVAの比を含む精密ポッド(またはオンサートもしくは精密ロッド)で使用するために抽出され、単離される。他の例示的な実施形態では、THCVAは、少なくとも3/2のCBDAに対するTHCVAの比を含む精密ポッド(またはオンサートもしくは精密ロッド)で使用するために抽出され、単離される。テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)は、精密ポッド、精密ロッドおよびオンサートにおいて合成され、利用されてもよい。
【0177】
本明細書の任意の例示的な実施形態は、純粋に機械式機械、テーブルトップ機械、またはより実質的な電気タイプの機械かどうかに関わらず、機械で自動化され得ることは、理解される。例えば、一部の例示的な実施形態では、機械は、20本の巻たばこの全パックなどの、複数の巻たばこに補助的なニコチン源(例えば、精密ロッド)を一度に提供しうる。
【0178】
結晶性アルカロイドを含む、特定の精密ロッド、オンサート、ベイピング準備の整った精密ポッドおよび喫煙する準備の整った精密ポッドは、他の理由の中でも、タバコ植物に由来するかどうかに関わらず、アルカロイド以外のタバコを含有しないため、一部の管轄区域ではタバコ製品とみなされない場合がある。これらの物品のアルカロイドは、いかなる成分もタバコ植物由来のものではないように合成されてもよい。同様に、一部の例示的な実施形態では、オンサート、精密ロッドまたは精密ポッドに使用されるカンナビノイドは、大麻植物の外側で合成され、製造されてもよい。他の例示的な実施形態では、合成アルカロイドと合成カンナビノイドがブレンドされ、ニコチアナまたは大麻の植物材料を一切含まないオンサート、精密ロッドまたは精密ポッドに使用される製剤が得られる。