(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】画面情報処理装置並びにその制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20220929BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20220929BHJP
G06F 3/04883 20220101ALI20220929BHJP
【FI】
G06F3/0482
G06F3/04842
G06F3/04883
(21)【出願番号】P 2020182103
(22)【出願日】2020-10-30
(62)【分割の表示】P 2017249063の分割
【原出願日】2017-12-26
【審査請求日】2020-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(72)【発明者】
【氏名】楠井 大地
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0016390(US,A1)
【文献】特開2017-072944(JP,A)
【文献】特開2008-250620(JP,A)
【文献】特開2017-162371(JP,A)
【文献】特開2005-267390(JP,A)
【文献】特開2004-326189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0482
G06F 3/04842
G06F 3/04883
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スライド操作の軌跡に基づいてメニューを表示するための第1領域を配置する第1配置手段と、
メニューに含まれる複数の要素のうち、前記第1領域のサイズに応じた数の要素を前記第1領域に配置する第2配置手段と、を備え、
前記第2配置手段は、
第2スライド操作に基づいて前記第1領域に配置する要素を変更し、
前記第1配置手段は、
前記第1領域内の何れかの要素を選択する操作を受け付けると、選択された要素に関連付けられた関連要素を表示するための第2領域を、選択された要素に少なくとも一部が重なるように設定し、
前記第2配置手段は、
前記第2領域に、関連要素を配置し、
前記第2領域が配置された状態で、前記第1領域を対象とする第3スライド操作を受け付けると、前記第3スライド操作に基づいて前記第1領域内に配置する要素を変更し、且つ、前記第2領域に配置する関連要素を変更する、
情報処理装置。
【請求項2】
第1スライド操作の軌跡に基づいてメニューを表示するための第1領域を配置し、前記第1領域内の何れかの要素を選択する操作を受け付けると、選択された要素に関連付けられた関連要素を表示するための第2領域を、選択された要素に少なくとも一部が重なるように設定する第1配置手段と、
前記第2領域に、関連要素を配置する第2配置手段と、を備え、
前記第2配置手段は、前記第2領域が配置された状態で、前記第1領域を対象とする第3スライド操作を受け付けると、前記第3スライド操作に基づいて変更した後の前記第1領域内の要素のうち、前記第2領域と重畳して配置されている要素に関連付けられた関連要素を前記第2領域に配置する、
情報処理装置。
【請求項3】
第1スライド操作の軌跡に基づいてメニューを表示するための第1領域をコンピュータが配置し、
メニューに含まれる複数の要素のうち、前記第1領域のサイズに応じた数の要素を前記第1領域にコンピュータが配置し、
第2スライド操作に基づいて前記第1領域に配置する要素をコンピュータが変更し、
前記第1領域内の何れかの要素を選択する操作を受け付けると、選択された要素に関連付けられた関連要素を表示するための第2領域を、選択された要素に少なくとも一部が重なるようにコンピュータが設定し、
前記第2領域に、関連要素をコンピュータが配置し、
前記第2領域が配置された状態で、前記第1領域を対象とする第3スライド操作を受け付けると、前記第3スライド操作に基づいて前記第1領域内に配置する要素を変更し、且つ、前記第2領域に配置する関連要素をコンピュータが変更する、
情報処理方法。
【請求項4】
第1スライド操作の軌跡に基づいてメニューを表示するための第1領域を配置し、前記第1領域内の何れかの要素を選択する操作を受け付けると、選択された要素に関連付けられた関連要素を表示するための第2領域を、選択された要素に少なくとも一部が重なるようにコンピュータが設定し、
前記第2領域に、関連要素をコンピュータが配置し、
前記第2領域が配置された状態で、前記第1領域を対象とする第3スライド操作を受け付けると、前記第3スライド操作に基づいて変更した後の前記第1領域内の要素のうち、前記第2領域と重畳して配置されている要素に関連付けられた関連要素を前記第2領域にコンピュータが配置する、
情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータを、
第1配置手段と第2配置手段として機能させるためのプログラムであって、
前記第1配置手段は、第1スライド操作の軌跡に基づいてメニューを表示するための第1領域を配置し、
前記第2配置手段は、メニューに含まれる複数の要素のうち、前記第1領域のサイズに応じた数の要素を前記第1領域に配置し、第2スライド操作に基づいて前記第1領域に配置する要素を変更し、
前記第1配置手段は、前記第1領域内の何れかの要素を選択する操作を受け付けると、選択された要素に関連付けられた関連要素を表示するための第2領域を、選択された要素に少なくとも一部が重なるように設定し、
前記第2配置手段は、前記第2領域に、関連要素を配置し、前記第2領域が配置された状態で、前記第1領域を対象とする第3スライド操作を受け付けると、前記第3スライド操作に基づいて前記第1領域内に配置する要素を変更し、且つ、前記第2領域に配置する関連要素を変更する、
プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
第1配置手段と第2配置手段として機能させるためのプログラムであって、
前記第1配置手段は、第1スライド操作の軌跡に基づいてメニューを表示するための第1領域を配置し、前記第1領域内の何れかの要素を選択する操作を受け付けると、選択された要素に関連付けられた関連要素を表示するための第2領域を、選択された要素に少なくとも一部が重なるように設定し、
前記第2配置手段は、
前記第2領域に、関連要素を配置し、
前記第2領域が配置された状態で、前記第1領域を対象とする第3スライド操作を受け付けると、前記第3スライド操作に基づいて変更した後の前記第1領域内の要素のうち、前記第2領域と重畳して配置されている要素に関連付けられた関連要素を前記第2領域に配置する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフィカルユーザインタフェースに基づく相互作用技術に関する。
本発明は、特に、タッチ入力画面に選択メニューを表示させ当該選択メニューを介して選択を受け付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルに対するスライド操作の軌跡に沿って複数のアイコンを含む選択メニューを表示させる仕組みが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の表示処理装置は、選択メニュー内のいずれかのアイコンがタップされた場合に、上記軌跡の形状に相似する軌跡を自動的に形成し、タップされたアイコンに対応する機能のサブ機能に対応する複数のアイコンを含む新たな選択メニューを当該新たな軌跡に沿って配置する(同文献の
図6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の表示処理装置は、サブ機能に対応するアイコンを表示させる新たな選択メニューを画面内に自動的に配置する。そのため、当初の選択メニューが空きスペースに配置されたとしても、新たな選択メニューが意図しない位置に配置されてしまう可能性がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、画面内の空きスペースを有効に活用しユーザに効率よく選択操作を行わせることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔A〕上記課題を解決するため、本発明の一態様である「画面情報処理装置」は、上位領域に部分的に重畳するスライド操作の軌跡に沿うように下位領域を配置する領域配置手段と、前記上位領域内の前記下位領域と重畳する重畳要素に関連付けられた関連要素を該下位領域に配置する要素配置手段と、を備える。
〔B〕上記課題を解決するため、本発明の一態様である「画面情報処理装置の制御方法」は、上位領域に部分的に重畳するスライド操作の軌跡に沿うように下位領域を配置する領域配置ステップと、前記上位領域内の前記下位領域と重畳する重畳要素に関連付けられた関連要素を該下位領域に配置する要素配置ステップと、を含む。
〔C〕上記課題を解決するため、本発明の一態様である「制御プログラム」は、上位領域に部分的に重畳するスライド操作の軌跡に沿うように下位領域を配置する領域配置機能と、前記上位領域内の前記下位領域と重畳する重畳要素に関連付けられた関連要素を該下位領域に配置する要素配置機能と、を画面情報処理装置のコンピュータに実現させる。
〔D〕上記課題を解決するため、本発明の一態様である「コンピュータ読取り可能な記録媒体」に記録される制御プログラムは、上位領域に部分的に重畳するスライド操作の軌跡に沿うように下位領域を配置する領域配置機能と、前記上位領域内の前記下位領域と重畳する重畳要素に関連付けられた関連要素を該下位領域に配置する要素配置機能と、を画面情報処理装置のコンピュータに実現させる。
【0007】
上記〔A〕の「画面情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、上記〔B〕の「制御方法」,上記〔C〕の「制御プログラム」及び上記〔D〕の「記録媒体」が記録する制御プログラムに加えてもよい。
・前記上位領域に要素を配置する前記要素配置手段が、該上位領域に配置される要素の組合せと並び順の少なくともいずれかを、該上位領域を対象とする更新指示操作に応じて変更する。
・前記領域配置手段が、前記下位領域に部分的に重畳する新たなスライド操作の軌跡に沿うようにさらに下位領域を配置し、前記要素配置手段が、前記更新指示操作の対象が最下位領域の直近の上位領域である場合に限り、該直近の上位領域に配置される要素の組合せと並び順の少なくともいずれかを変更する。
・前記要素配置手段が、前記更新指示操作により前記重畳要素が変更される度に、前記最下位領域に配置される要素を該変更後の重畳要素に関連付けられた関連要素に変更する。
・前記要素配置手段が、関連要素の有無を識別可能な特定形態の要素を配置する。
・前記要素配置手段が、新たな下位領域を表示させるスライド操作が開始されてから終了されるまでの間に限り、最下位領域内の要素を前記特定形態の要素に変更する。
・前記領域配置手段が、最下位領域の削除を指示する削除指示操作に応じて該最下位領域を削除する。
・前記要素配置手段が、前記削除指示操作に対応する削除指示要素を最下位領域にさらに配置するとともに、最下位領域でなくなった領域内の該削除指示要素を消去し又は無効化する。
・前記要素配置手段が、前記削除指示操作に対応する削除指示要素を最下位領域にさらに配置し、前記領域配置手段が、最下位領域でなくなった領域内の該削除指示要素に対する削除指示操作に応じて該領域と該領域に対して新たに配置された最下位領域の両方を削除する。
【0008】
本明細書では、下記のように用語を用いる。
・「上位領域」とは、基準とする領域より相対的に上位の領域をいう。
・「下位領域」とは、基準とする領域より相対的に下位の領域をいう。
・「最上位領域」とは、全ての領域の中で相対的に最上位の領域をいう。
・「最下位領域」とは、全ての領域の中で相対的に最下位の領域をいう。
・「直近の上位領域」とは、ある領域より相対的に1階層だけ上位の領域をいう。
・「直近の下位領域」とは、ある領域より相対的に1階層だけ下位の領域をいう。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る画面情報処理装置は、上位領域に部分的に重畳するスライド操作の軌跡に沿うように配置される下位領域に当該上位領域内の重畳要素に関連付けられた関連要素を配置する。つまり、上位領域内の要素に関連する関連要素が配置される下位領域が、画面内においてユーザが意図する位置にユーザが意図する形態で配置される。
よって、本発明によれば、画面内の空きスペースを有効に活用しユーザに効率よく選択操作を行わせることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】ユーザ装置のハードウェア的機能構成例を示す。(実施例)
【
図4】ユーザ端末のソフトウェア的機能構成例を示す。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1.実施形態]
[1-1.概要]
本実施形態は、タッチ入力画面に選択メニューを表示させ当該選択メニューを介して選択操作を受け付ける画面情報処理装置に関する。
本実施形態に係る画面情報処理装置は、画面内の空きスペースを有効に活用しユーザに効率よく選択操作を行わせるため、上位領域内の要素に関連する関連要素が配置される下位領域が、画面内においてユーザが意図する位置にユーザが意図する形態で配置されるように構成されている。
【0012】
[1-2.画面情報処理装置]
図1は、画面情報の更新例を示す。
本実施形態に係る画面情報処理装置(例えば、ユーザ端末10)は、上位領域110に部分的に重畳するスライド操作の軌跡120に沿うように下位領域130を配置する領域配置手段(例えば、領域配置部441)と、上位領域110内の下位領域130と重畳する重畳要素111に関連付けられた関連要素を下位領域130に配置する要素配置手段(例えば、要素配置部442)と、を備える。
【実施例】
【0013】
[2.実施例]
[2-1.概要]
本実施例は、タッチ入力画面に選択メニューを表示させ当該選択メニューに対するタッチ操作により選択操作を受け付けるユーザ端末に関する。
ユーザ端末は、画面内の空きスペースを有効に活用しユーザに効率よく選択操作を行わせるため、上位領域内の要素に関連する関連要素が配置される下位領域が、画面内においてユーザが意図する位置にユーザが意図する形態で配置されるように構成されている。
【0014】
図2は、画面情報の更新例を示す。
ユーザ端末10は、スライド操作の軌跡210に沿うように領域220を配置し、領域220に部分的に重畳するスライド操作の軌跡230に沿うように領域240を配置し、領域240に部分的に重畳するスライド操作の軌跡250に沿うように領域260を配置する。
また、ユーザ端末10は、領域220内の領域240と重畳する重畳要素221に関連付けられた関連要素を領域240に配置し、領域240内の領域260と重畳する重畳要素241に関連付けられた関連要素を領域260に配置する。
【0015】
[2-2.ユーザ端末]
ユーザ端末10は、所定のプログラム(例えば、ゲームプログラム)がインストールされたユーザ装置(コンピュータ)である。
本実施例では、ユーザ装置として、プログラムをインストール可能な汎用の携帯装置(例えば、携帯電話,スマートフォン(smartphone),タブレット(tablet)端末,タブレットPC(personal computer),ウェアラブルデバイス(wearable device)など)や汎用の処理装置(例えば、PC(personal computer)など)を用いることができる。
【0016】
[2-2-1.ハードウェア的機能]
図3は、ユーザ装置のハードウェア的機能構成例を示す。
典型的なユーザ装置は、制御処理部を構成するMPU(Micro-Processing Unit)311と、主記憶部を構成するRAM(Random Access Memory)321と、補助記憶部を構成するROM(Read Only Memory)322及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)323と、入力部及び表示部を構成するタッチパネルディスプレイ331と、音声出力部を構成するスピーカ332と、通信制御部を構成するNIC(Network Interface Controller)341及び無線LAN(Local Area Network)チップ342と、を少なくとも有する。
【0017】
RAM321と、ROM322と、EEPROM323と、タッチパネルディスプレイ331と、スピーカ332と、NIC341と、無線LANチップ342とは、バスラインを介してMPU311と接続される。
MPU311は、(1)ROM322又はEEPROM323に記憶されたプログラムをRAM321上に読み込み、(2)プログラムの指示に従ってタッチパネルディスプレイ331とEEPROM323とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータをEEPROM323とタッチパネルディスプレイ331とスピーカ332とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかに提供する。
【0018】
[2-2-2.ソフトウェア的機能]
図4は、ユーザ端末のソフトウェア的機能構成例を示す。
図4に例示されるように、ユーザ端末10は、表示部410と、検出部420と、入力解析部430と、配置部440と、表示制御部450と、記憶部460と、を含む。配置部440は、領域配置部441と要素配置部442を含む。
表示部410及び検出部420は、タッチパネルディスプレイ331を含んで構成される。記憶部460は、EEPROM323を含んで構成される。その他の機能は、MPU311を含んで構成される。
【0019】
ユーザ端末10のソフトウェア的機能は、ユーザ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するプログラムとがユーザ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
ユーザ装置にインストールされるべきOSは、出荷当初からユーザ装置にインストールされているのが一般的である。また、ユーザ装置にインストールされるべきプログラムは、通信ネットワークを介し搬送波に重畳させてユーザ装置に供給されるのが一般的である。なお、当該OSや当該プログラムは、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)などの記録媒体に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に読み込まれてもよい。
【0020】
表示部410は、表示制御部450による制御の下で、ディスプレイに選択メニューを表示する。検出部420は、タッチパネルに対する指又はタッチペンの接触位置を検出する。
入力解析部430は、検出部420により検出される接触位置からユーザ操作の軌跡を特定する。配置部440は、領域や要素が表示部410のディスプレイに配置されるよう表示制御部450に指示する。表示制御部450は、表示部410を制御する。記憶部460は、選択メニューに関するデータを記憶する。
【0021】
領域配置部441は、次のように領域を配置・削除する。
・スライド操作の軌跡に沿うように各領域を配置する。特に、直近の上位領域に部分的に重畳するスライド操作の軌跡に沿うように下位領域を配置する。
・領域の削除を指示する削除指示操作に応じて当該領域を削除する。本実施例では、領域内に配置される削除指示要素を対象とする削除指示操作に応じて、当該領域を削除する。
【0022】
要素配置部442は、次のように要素を配置・削除する。
・各領域のサイズに応じた数の要素を「表示優先度」が高い順に選択し、「表示優先度」の順に並べて当該領域に配置する。特に、上位領域内の下位領域と重畳する重畳要素に関連付けられた関連要素を下位領域に配置する。
・最下位領域及び最下位領域の直近の上位領域に配置される要素の組合せと並び順の少なくともいずれかを、当該直近の上位領域を対象とする更新指示操作に応じて変更する。本実施例では、最下位領域及び最下位領域の直近の上位領域を対象とするスライド操作を更新指示操作として入力し、当該更新指示操作に応じて当該領域内に表示される要素をスクロールさせる。
・直近の上位領域内の最下位領域に重畳する重畳要素が変更される度に、最下位領域に配置される要素を当該変更後の重畳要素に関連付けられた関連要素に変更する。例えば、他の要素を配置する場合と同様に、最下位領域のサイズに応じた数の関連要素を「表示優先度」が高い順に選択し、「表示優先度」の順に並べて最下位領域に配置するとよい。
【0023】
・新たな下位領域を表示させるスライド操作が開始されてから終了されるまでの間に限り、最下位領域内の要素の形態を、関連要素の有無を視覚的に識別可能な特定形態に変更する。
・上記削除指示操作に対応する削除指示要素を最下位領域に配置する。そして、最下位領域でなくなった領域内の削除指示要素を無効化する。なお、最下位領域でなくなった領域内の削除指示要素を消去してもよい。
【0024】
[2-2-3.要素情報]
図5(a)は、最上位要素情報の項目例を示す。最上位要素情報は、最上位領域に配置されるべき要素に関する情報である。
図5(a)に例示されるように、最上位要素情報は、キー項目である「要素ID」と、「表示優先度」と、「下位要素有無フラグ」と、「起動モジュールパス」と、「デフォルトアイコンパス」と、「特定形態アイコンパス」と、を含む。
「表示優先度」は、使用頻度に相当する数値である。「下位要素有無フラグ」は、有意のとき下位要素(関連要素)が存在することを示す。「起動モジュールパス」は、当該要素を対象とする起動指示操作(タップ操作)がなされた場合に起動させる機能モジュールを特定する文字列である。「デフォルトアイコンパス」は、通常形態のアイコン画像データを特定する文字列である。「特定形態アイコンパス」は、下位要素(関連要素)が存在することが視覚的に識別可能な特定形態のアイコン画像データを特定する文字列である。
【0025】
図5(b)は、下位要素情報の項目例を示す。下位要素情報は、最上位領域以外の領域(下位領域)に配置されるべき要素に関する情報である。
図5(b)に例示されるように、下位要素情報は、キー項目である「上位要素ID」及び「要素ID」と、「表示優先度」と、「下位要素有無フラグ」と、「起動モジュールパス」と、「デフォルトアイコンパス」と、「特定形態アイコンパス」と、を含む。
「表示優先度」,「下位要素有無フラグ」,「起動モジュールパス」,「デフォルトアイコンパス」,「特定形態アイコンパス」は、上記(a)最上位要素情報における項目と同じである。
【0026】
[2-3.画面情報更新手順]
図6は、ユーザ端末10による画面情報更新手順を例示する。
S610:検出部420がタッチパネルに対する接触操作(タッチ操作)を検出した場合に、S620に進む。
S620:入力解析部430が、ユーザ操作の種類を解析する。ユーザ操作がスライド操作(スワイプ操作又はフリック操作)であればS630に進み、ユーザ操作がタップ操作であればS670に進む。ユーザ操作がスライド操作でもタップ操作でもない場合は、S610に戻る。
【0027】
S630:ユーザ操作がスライド操作であると判定された場合に、入力解析部430がさらにスライド操作の対象エリアを特定する。本実施例では、スライド操作の軌跡が始点から終点まで特定の領域内に収まっている場合に、当該領域を対象エリアとして特定する。対象エリアが領域外であればS640に進み、対象エリアが最下位領域の直近の上位領域であればS650に進み、対象エリアが最下位領域であればS660に進む。
【0028】
S640:領域配置部441が、スライド操作の軌跡に沿うように領域を配置し、S645に進む(
図2(a)~(f))。
S645:要素配置部442が、領域のサイズに応じた数の要素を「表示優先度」が高い順に選択し、「表示優先度」の順に並べて当該領域に配置し(
図2(b),(d),(f))、S610に戻る。本実施例では、S640で配置される領域が最上位領域であれば、最上位要素情報(
図5(a))に対応する要素の中から要素を選択する。一方、S640で配置される領域が下位領域であれば、直近の上位領域内の下位領域と重畳する重畳要素に関連付けられた下位要素情報(
図5(b))に対応する関連要素の中から要素を選択する。なお、各領域(本実施例では、最上位領域以外の領域)には、領域の削除を指示する削除指示操作に対応する削除指示要素が配置されるものとする。
【0029】
S650:要素配置部442が、最下位領域の直近の上位領域内に表示される要素を更新し、S655に進む。本実施例では、スライド操作の方向及び大きさに応じて、当該領域内に表示される要素をスクロールさせる(
図8(a)→(b))。
S655:最下位領域に配置される要素を、直近の上位領域内の最下位領域に重畳する重畳要素に関連付けられた関連要素の少なくともいずれかに変更する。具体的には、変更後の重畳要素に関連付けられた下位要素情報(
図5(b))に対応する関連要素の中から最下位領域のサイズに応じた数の要素を「表示優先度」が高い順に選択し、「表示優先度」の順に並べて当該領域に配置する(
図8(b)→(c))。
S660:要素配置部442が、最下位領域に表示される要素を更新し、S610に戻る。本実施例では、スライド操作の方向及び大きさに応じて、当該領域内に表示される要素をスクロールさせる(
図7(a)→(b),
図7(c)→(d))。
【0030】
S670:ユーザ操作がタップ操作であると判定された場合に、入力解析部430がさらにユーザ操作の対象要素を特定する。対象要素が削除指示要素であればS680に進み、対象要素が通常要素であればS690に進む。
S680:領域内に配置される削除指示要素を対象とする削除指示操作に応じて、当該領域を削除する(
図9(a)→(b),
図9(c)→(d))。
S690:領域内に配置される起動指示要素(「下位要素有無フラグ」(
図5(a)(b))が有意でない要素)を対象とする起動指示操作に応じて、当該要素に対応する機能を起動させる。
【0031】
[2-4.画面情報更新例]
[2-4-1.領域の追加]
図2は、領域が追加される場合の画面情報更新例を示す。
図2(a)→
図2(b):領域配置部441は、スライド操作の軌跡210に沿うように領域220を配置する。このとき要素配置部442は、領域220に要素A-Dを配置する。
【0032】
図2(c)→
図2(d):領域配置部441は、領域220に部分的に重畳するスライド操作の軌跡230に沿うように領域240を配置する。スライド操作が開始されると、要素配置部442は、領域220に配置されている要素のうち下位要素(関連要素)が存在する要素(「下位要素有無フラグ」(
図5(a))が有意である要素)を、「デフォルトアイコン」から「特定形態アイコン」に変更する。
図2(c)では、要素B-Dの色が反転している。また、要素配置部442は、領域220内の領域240と重畳する重畳要素221に関連付けられた関連要素b1-b4を領域240に配置する。
【0033】
図2(e)→
図2(f):領域配置部441は、領域240に部分的に重畳するスライド操作の軌跡250に沿うように領域260を配置する。スライド操作が開始されると、要素配置部442は、領域240に配置されている要素のうち下位要素(関連要素)が存在する要素(「下位要素有無フラグ」(
図5(b))が有意である要素)を、「デフォルトアイコン」から「特定形態アイコン」に変更する。
図2(e)の表示例では、要素b1,b2の色が反転している。また、要素配置部442は、領域240内の領域260と重畳する重畳要素241に関連付けられた関連要素b21-b24を領域260に配置する。このとき、要素配置部442は、領域240内の削除指示要素を無効化する。
図2(f)の表示例では、削除指示要素の色が反転している。
【0034】
[2-4-2.要素の変更]
図7及び
図8は、要素が変更される場合の画面情報更新例を示す。
図7(a)→
図7(b):要素配置部442は、領域220を対象とするスライド操作(更新指示操作)の軌跡225の方向及び大きさに応じて、領域220内に表示される要素をA-DからC-Fに変更する。
図7(c)→
図7(d):要素配置部442は、領域240を対象とするスライド操作(更新指示操作)の軌跡245の方向及び大きさに応じて、領域240内に表示される要素をb1-b4からb2-b5に変更する。
【0035】
図8(a)→
図8(b):要素配置部442は、領域220を対象とするスライド操作(更新指示操作)の軌跡226の方向及び大きさに応じて、領域220内に表示される要素をA-DからC-Fに変更する。このとき、重畳要素が要素Bから要素Dに変更される。
図8(b)→
図8(c):重畳要素が要素Bから要素Dに変更されると、要素配置部442は、変更後の重畳要素Dに関連付けられた下位要素情報(
図5(b))に対応する関連要素d1-d4を選択して領域240に配置する。
【0036】
[2-4-3.領域の削除]
図9は、領域が削除される場合の画面情報更新例を示す。
図9(a)→
図9(b):領域配置部441は、領域260内に配置される削除指示要素261を対象とするタップ操作(削除指示操作)がなされると、領域260を削除する。このとき、要素配置部442は、領域240内に配置される削除指示要素242を有効化する。
図9(b)の表示例では、色の反転が復元している。
図9(c)→
図9(d):領域配置部441は、領域240内に配置される削除指示要素242を対象とするタップ操作(削除指示操作)がなされると、領域240を削除する。
【0037】
[3.変形例]
上記実施例では、最下位領域でなくなった領域に配置される削除指示要素が無効化される(
図2(f)等)。また、削除指示操作による削除対象となる領域は、最下位領域に限られる(
図9(a)等)。
これに対し、最下位領域でなくなった領域に配置される削除指示要素を有効のまま残しつつ、削除指示操作の対象となった削除指示要素を含む領域とその全ての下位領域をまとめて削除できるように構成してもよい。
【0038】
図10は、領域がまとめて削除される場合の画面情報更新例を示す。
図10(a)→
図10(b):領域配置部441は、領域240が配置された後にさらに領域260が配置された場合において、領域240内に配置される削除指示要素242を対象とするタップ操作(削除指示操作)がなされると、領域240と領域260をまとめて削除する。
【符号の説明】
【0039】
10 ユーザ端末(「画面情報処理装置」の一例)
410 表示部
420 検出部
430 入力解析部
440 配置部
441 領域配置部
442 要素配置部
450 表示制御部
460 記憶部