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  • 特許-空き部屋トイレの消臭方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】空き部屋トイレの消臭方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/00 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
A61L9/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019084838
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020178951
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】300026926
【氏名又は名称】株式会社 ハル・インダストリ
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】松 浦 令 一
【審査官】長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-167248(JP,A)
【文献】特開平08-000678(JP,A)
【文献】特開2009-127355(JP,A)
【文献】特開2015-109938(JP,A)
【文献】特開2006-125129(JP,A)
【文献】実開昭61-015374(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00-9/22
E03D 9/00-9/16
E03C 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物と、内部に前記吸水性樹脂粒状物を複数閉じ込めた柔軟性を有する通気性の袋体とを備え、
この袋体を空き部屋のトイレのトラップ水(溜まり水)に滴下し、前記滴下前又は前記滴下後又は前記滴下と同時に、前記トラップ水(溜まり水)に消臭剤を落とし、滴下された柔軟性を有する前記袋体内の液体を吸収していない前記吸水性樹脂粒状物は前記トラップ水(溜まり水)及び前記消臭剤を吸収して前記トイレの排水口を前記袋体内の液体を吸収した前記吸水性樹脂粒状物で閉じるようにする
ことを特徴とする空き部屋トイレの消臭方法。
【請求項2】
液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物と、内部に前記吸水性樹脂粒状物を複数閉じ込めた柔軟性を有する通気性の袋体とを備え、
この袋体を空き部屋のトイレのトラップ水(溜まり水)に滴下し、滴下された柔軟性を有する前記袋体内の液体を吸収していない前記吸水性樹脂粒状物は前記トラップ水(溜まり水)を吸収して前記トイレの排水口を前記袋体内の液体を吸収した前記吸水性樹脂粒状物で閉じるようにする
ことを特徴とする空き部屋トイレの消臭方法。
【請求項3】
袋体は紐の一端に接続され、前記紐の他端又は前記紐の中途を便器本体、又は、便器の蓋に接続されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空き部屋トイレの消臭方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空き部屋トイレの消臭方に係り、特に、空き部屋のトイレからの臭いを防ぐようにした空き部屋トイレの消臭方に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空き部屋のトイレにトラップ水(溜まり水)を設けることにより、下水管とトイレ内を遮断し、所謂「水蓋」により、臭気が上がってくるのを防ぐようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、空き部屋が長期に亘ると、空き部屋のトイレのトラップ水(溜まり水)が蒸発し、上記「水蓋」が消失するため、下水管からの臭気が空き部屋のトイレ内に漂うという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記問題点を考慮してなされたもので、空き部屋のトイレからの臭いを防ぐようにした空き部屋トイレの消臭方を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の空き部屋トイレの消臭方法は、液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物と、内部に前記吸水性樹脂粒状物を複数閉じ込めた柔軟性を有する通気性の袋体とを備え、この袋体を空き部屋のトイレのトラップ水(溜まり水)に滴下し、前記滴下前又は前記滴下後又は前記滴下と同時に、前記トラップ水(溜まり水)に消臭剤を落とし、滴下された柔軟性を有する前記袋体内の液体を吸収していない前記吸水性樹脂粒状物は前記トラップ水(溜まり水)及び前記消臭剤を吸収して前記トイレの排水口を前記袋体内の液体を吸収した前記吸水性樹脂粒状物で閉じるようにするものである。
【0006】
また、請求項2記載の空き部屋トイレの消臭方法は、液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物と、内部に前記吸水性樹脂粒状物を複数閉じ込めた柔軟性を有する通気性の袋体とを備え、この袋体を空き部屋のトイレのトラップ水(溜まり水)に滴下し、滴下された柔軟性を有する前記袋体内の液体を吸収していない前記吸水性樹脂粒状物は前記トラップ水(溜まり水)を吸収して前記トイレの排水口を前記袋体内の液体を吸収した前記吸水性樹脂粒状物で閉じるようにするものである。
【0007】
また、請求項3記載の空き部屋トイレの消臭方法は、請求項1又は請求項2記載の空き部屋トイレの消臭方法において、袋体は紐の一端に接続され、前記紐の他端又は前記紐の中途を便器本体、又は、便器の蓋に接続されているものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の空き部屋トイレの消臭方法によれば、液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物と、内部に前記吸水性樹脂粒状物を複数閉じ込めた柔軟性を有する通気性の袋体とを備え、この袋体を空き部屋のトイレのトラップ水(溜まり水)に滴下し、前記滴下前又は前記滴下後又は前記滴下と同時に、前記トラップ水(溜まり水)に消臭剤を落とし、滴下された柔軟性を有する前記袋体内の液体を吸収していない前記吸水性樹脂粒状物は前記トラップ水(溜まり水)及び前記消臭剤を吸収して前記トイレの排水口を閉じるようにするため、トイレのトラップ水(溜まり水)及び消臭剤は、吸収していない吸水性樹脂粒状物に吸収され、蒸発しにくくなると共に、空き部屋のトイレのトラップ水(溜まり水)を吸収した吸水性樹脂粒状物により前記トイレの排水口を閉じて、空き部屋のトイレからの臭いを防ぐと共に、消臭剤によりトイレの消臭効果をも発揮させることができる。
【0012】
また、請求項2記載の空き部屋トイレの消臭方法によれば、液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物と、内部に前記吸水性樹脂粒状物を複数閉じ込めた柔軟性を有する通気性の袋体とを備え、この袋体を空き部屋のトイレのトラップ水(溜まり水)に滴下し、滴下された柔軟性を有する前記袋体内の液体を吸収していない前記吸水性樹脂粒状物は前記トラップ水(溜まり水)を吸収して前記トイレの排水口を閉じるようにするため、トイレのトラップ水(溜まり水)は、液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物に吸収され、蒸発しにくくなると共に、空き部屋のトイレのトラップ水(溜まり水)を吸収した吸水性樹脂粒状物により前記トイレの排水口を閉じて、空き部屋のトイレからの臭いを防ぐことができる。
【0013】
また、請求項3記載の部屋の空き部屋トイレの消臭方法によれば、上述した請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加え、誤って、トイレの水を流しても、袋体は紐により接続されているため、便器内に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施例の空き部屋トイレのトラップ水(溜まり水)に消臭剤を落とし、液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物を内在した通気性の袋体を滴下する前の状態を示す概略的断面図である。
図2図2は、図1の通気性の袋体が滴下された状態を示す概略的断面図である。
図3図3は、図2の通気性の袋体内の吸水性樹脂粒状物がトラップ水(溜まり水)を吸収してトイレの排水口を閉じた状態を示す概略的断面図である。
図4図4は、図1と異なる他の実施例を示すもので、液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物を内在した通気性の袋体を滴下する前の状態を示す概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施例の空き部屋トイレの消臭方図1乃至図3を参照して説明する。
【0019】
図1に示すTは空き部屋のトイレで、1は柔軟性を有する通気性の袋体で、袋体1の内部に液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物2を複数閉じ込めている。吸水性樹脂粒状物2は、例えば、吸水性ポリマ-である。3は、袋体1に接続される紐である。
【0020】
4は便器本体、5は便器本体4の開口部を開閉する蓋、6は排水口、7はせき、8は排水路、9は空き部屋のトイレのトラップ水(溜まり水)である。
袋体1は紐3の一端に接続され、紐3の他端(又は、紐3の中途)を便器の蓋5(又は、便器本体4)に接続(接続は、例えば、両面テープ、接着剤等)されている。誤って、トイレの水を流しても、袋体1は紐3により接続されているため、便器内に保持することができる。
【0021】
袋体1を空き部屋のトイレTのトラップ水(溜まり水)9に滴下前(又は、前記滴下後、又は、前記滴下と同時)に消臭剤10をトラップ水(溜まり水)9に落とす(図1及び図2参照)。
そうすると、滴下された柔軟性を有する袋体1内の液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物2はトラップ水(溜まり水)9及び消臭剤10を吸収してトイレTの排水口を閉じるようにする(図3参照)。
なお、蓋5は、図3のままの開状態にして、消臭剤10の消臭効果をより広く及ぼすようにしても良いし、また、蓋5を閉じるようにしても良い。
【0022】
従って、上述した空き部屋トイレ(空き部屋トイレの消臭方法)によれば、液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物2と、内部に吸水性樹脂粒状物2を複数閉じ込めた柔軟性を有する通気性の袋体1とを備え、この袋体1を空き部屋のトイレTのトラップ水(溜まり水)9に滴下し、前記滴下前(又は前記滴下後又は前記滴下と同時)に、トラップ水(溜まり水)9に消臭剤10を落とし、滴下された柔軟性を有する袋体1内の液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物2はトラップ水(溜まり水)9及び消臭剤10を吸収してトイレTの排水口6を閉じるようにするため、トイレTのトラップ水(溜まり水)9及び消臭剤10は、吸収していない吸水性樹脂粒状物2に吸収され、蒸発しにくくなると共に、空き部屋のトイレTのトラップ水(溜まり水)9を吸収した吸水性樹脂粒状物2によりトイレTの排水口6を閉じて、空き部屋のトイレTからの臭いを防ぐと共に、消臭剤10によりトイレの消臭効果をも発揮させることができる。
【0023】
上記実施例においては、袋体1を空き部屋のトイレTのトラップ水(溜まり水)9に滴下するが、望ましくは、図4に示すように、前記滴下後(又は、前記滴下前、又は、前記滴下と同時)に、トラップ水(溜まり水)9に消臭剤10を落とし、滴下された柔軟性を有する袋体1内の液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物2はトラップ水(溜まり水)9及び消臭剤10を吸収してトイレTの排水口6を閉じるようにしたが、場合により、消臭剤10を使用しなくても良い。
消臭剤10を使用しない場合の空き部屋トイレ(空き部屋トイレの消臭方法)にあっては、液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物2と、内部に吸水性樹脂粒状物2を複数閉じ込めた柔軟性を有する通気性の袋体1とを備え、この袋体1を空き部屋のトイレTのトラップ水(溜まり水)9に滴下し、滴下された柔軟性を有する袋体1内の液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物2はトラップ水(溜まり水)9を吸収してトイレTの排水口6を閉じるようにするため、トイレTのトラップ水(溜まり水)9は、液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物2に吸収され、蒸発しにくくなると共に、空き部屋のトイレTのトラップ水(溜まり水)9を吸収した吸水性樹脂粒状物2’により、例えば、図3に示すように、トイレTの排水口6を閉じて、空き部屋のトイレTからの臭いを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0024】
T 空き部屋のトイレ
1 袋体
2 液体を吸収していない吸水性樹脂粒状物
2’ トラップ水(溜まり水)を吸収した吸水性樹脂粒状物
3 紐
4 便器本体
5 蓋
6 排水口
7 せき
8 排水路
9 トラップ水(溜まり水)
10 消臭剤
図1
図2
図3
図4