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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】小鼓状ウォーム軸加工装置
(51)【国際特許分類】
   B23F 13/06 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
B23F13/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022096244
(22)【出願日】2022-06-15
【審査請求日】2022-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0150614
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522236327
【氏名又は名称】ソンジン テック カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】522238804
【氏名又は名称】ハン、ギュ ボン
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ギュ ボン
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-057920(JP,A)
【文献】特開平04-093109(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0000189(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0008717(KR,A)
【文献】特開昭63-127867(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第01005230(GB,A)
【文献】中国特許出願公開第104607701(CN,A)
【文献】米国特許第06467374(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23F 13/06
B23Q 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小鼓状ボディ(2a)を有する被加工物(2)を回転させる主軸(11)と、前記被加工物(2)を前記主軸(11)に固定させる心押台(12)を具備したベッド(10);
左右に回転可能であり、上面に前記ベッド(10)が装着される回転テーブル(21)を具備した回転ユニット(20);
前記小鼓状ボディ(2a)の曲率半径を計算して前記被加工物(2)が前記回転テーブル(21)の中心点から同一の半径距離で離隔して合わせられるように前記ベッド(10)を前後左右に移動させる整列手段(30);
前記小鼓状ボディ(2a)の円弧切削面を向くように前記回転テーブル(21)の中心側に固定されるカッター;を含んで、
前記回転テーブル(21)の中心点を基準として前記小鼓状ボディ(2a)の円弧切削面が前記回転テーブル(21)の回転経路と同心円構造を有した状態で前記被加工物(2)が前記カッターに接して回転移動しながら前記小鼓状ボディ(2a)の円弧切削面に小鼓状ウォーム軸(1)のねじ山加工がなされる
ことを特徴とする小鼓状ウォーム軸加工装置。
【請求項2】
前記回転ユニット(20)は、モータによって回転するウォーム軸(23)、前記回転テーブル(21)に結合され前記ウォーム軸(23)に噛み合ったウォームホイール(24)を含む
請求項1に記載の小鼓状ウォーム軸加工装置。
【請求項3】
前記回転ユニット(20)の下部に備えられ、前記カッターに対して前記回転ユニット(20)を前記回転テーブル(21)の回転方向と同じ方向へ回動させて前記被加工物(2)の装着角度を変更する角度変更ユニット(40);を含む
請求項1に記載の小鼓状ウォーム軸加工装置。
【請求項4】
前記角度変更ユニット(40)は、ォームホイール部(41a)を具備したベース(41)と、前記ベース(41)に軸結合されて回動し、上面に前記回転ユニット(20)が結合されており、前記ォームホイール部(41a)に噛み合うウォーム軸部(42aを具備した回動ブロック(42)を含む
請求項3に記載の小鼓状ウォーム軸加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小鼓状ウォーム軸加工装置に関し、より詳細には、中心部が凹んだ円弧状外周面で形成された小鼓状ボディを有する被加工物にねじ山を切削加工する小鼓状ウォーム軸加工装置において、加工される小鼓状ウォーム軸の歯形が常にウォームホイールの中心軸を向いて均一な深さで切削して小鼓状ウォーム軸の加工精度を高めて後加工を必要としないようにする小鼓状ウォーム軸加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウォームギアとは、大部分の一般ギアとは異なって、ウォームホイールの歯表面をウォーム軸が回転して滑りながら力を伝達するものであり、2個の軸が互いに直交する場合に使われる。
【0003】
このようなウォームギアは10:1以上の大きなギア比を出すことができるため、多様なギアボックスを使わなければならない装置の設計を単純化でき、多様な装置の動力伝達手段(減速機)として使われているが、従来の一般的なウォームギアの場合、ウォーム軸のねじ部が円筒形の構造であるため、ウォームホイールとの小さな歯面接触による発熱と低効率という短所がある。
【0004】
前記問題点を解決するために開発されたものとして、小鼓状ウォーム軸ギアがある。
【0005】
小鼓状ウォーム軸ギアとは、従来の円筒形ねじ部に代って小鼓状ねじ部が形成されたウォーム軸が使われることをいう。
【0006】
具体的には、小鼓状ウォーム軸は図1aに図示された通り、長さ方向の中央部分に行くほど外径が次第に減少する凹んだ形態の小鼓状ボディにねじ山1aの歯形が形成されたものであって、点または先接触する一般的な円筒形ウォーム軸とは異なり、小鼓状ウォーム軸1のねじ山1aがウォームホイール3のギア部を囲む構造で構成され、一般的な円筒形ウォーム軸に比べてウォームホイールのギア部に対する接触面積が顕著に増大されることによって、力の分散を通じて潤滑性を高め、発熱を減らし、騒音と振動を最小化してエネルギー消費を減らすとともに、優れた耐久性を保障する。
【0007】
前記長所により小鼓状ウォーム軸(ウォームギア)に対する需要が増加している趨勢であるが、従来の小鼓状ウォームギア加工方式の場合、図1bのように、回転する被加工物に対してカッターが移動しながら切削がなされて小鼓状ウォーム軸1が加工されるため、歯形の方向がウォームホイールの中心を向かなくなってウォームホイールとの接触面が一定でないか、または接触面を一定にするために追加的な後加工が進行されなければならない問題点がある。
【0008】
このような問題点を解決するために、小鼓状ウォーム軸加工のための装置として、特許文献1-2:公開特許第10-2016-0028198号、公開特許第10-2020-0034181号のように被加工物に対してカッターが円弧を描きながら回動して小鼓状ねじ部を切削、加工する技術(以下、従来技術という。)がある。
【0009】
前記従来技術は図1cのように、カッターが装着された回転体が中心軸C1を中心に回転することによってカッターが円弧を描きながら回動して小鼓状ボディの外周面にねじ部を切削、加工する。
【0010】
ところで、小鼓状ウォーム軸はウォームホイールとのギア比などによりそのサイズが非常に多様である。
【0011】
したがって、従来技術のように回動型カッターで小鼓状ウォーム軸を加工することになると、小鼓状ウォーム軸の曲率にかかわらず歯形の方向がすべて回動型カッターの回転半径に合わせられて加工されるため、実際にウォームホイールに噛み合ったときに小鼓状ウォーム軸とウォームホイールの歯面接触が一定とならず、小鼓状ウォーム軸ギアとしての長所が低下したりまたはこれを防止するために後加工が追加されなければならない問題点がある。
【0012】
すなわち、ウォームホイールの大きさ(半径)によって図1cでのように小鼓状ねじ部の曲率が変わるが、従来技術はカッターの回動半径が常に同一であるためその中心が常に一定であり、小鼓状ねじ部の曲率とカッターの回動半径の差によって歯形の方向がウォームホイールの中心に合わせられなくなる短所がある。
【0013】
換言すると、図1cで小鼓状ねじ部の各曲率(R1、R2、R3)によってその中心(C1、C2、C3)の位置が互いに異なるが、従来技術はカッターの回動半径の中心C1が常に一定であるため、小鼓状ねじ部の加工精度が落ちたり最初から不可能となり、したがって、従来技術では小鼓状ねじ部の曲率に合わせてカッターの位置を前後に調節してその差を補償しているが、この場合にもカッターの実際の回動半径は常に同一であるため歯形の方向がウォームホイールの中心ではなくカッターの回動中心に合わせられることによって、切削深さが変わって加工精度が落ちざるを得なくなるため、実際の小鼓状ウォーム軸ギア加工業者では後加工を通じて小鼓状ウォーム軸がウォームホイールに正確に噛み合うようにしており、加工精度および生産性が落ちる短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0028198号
【文献】韓国公開特許第10-2020-0034181号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、本発明は前記のような問題点を解決するために案出されたもので、
【0016】
小鼓状ウォーム軸加工時に歯形の方向がウォームホイールの中心を向いてすべて一定に形成されるとともに切削深さを均一に形成して加工精度を高めることにより、後加工の追加作業なしに生産性を向上させ得る小鼓状ウォーム軸加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記のような目的を達成するために、本発明に係る小鼓状ウォーム軸加工装置は、
小鼓状ボディを有する被加工物を回転させる主軸と、前記被加工物を前記主軸に固定させる心押台を具備したベッド;
左右回転可能で上面に前記ベッドが装着される回転板を具備した回転ユニット;
前記回転板の中心点を基準として前記小鼓状ボディの円弧切削面が前記回転板の回転経路と同心円構造で配置されるように前記ベッドを前後左右に移動させる整列手段;
前記小鼓状ボディの円弧切削面を向くように前記回転板の中心側に固定されるカッター;を含み、
前記被加工物が前記カッターの外郭で空転しながら前記小鼓状ボディの円弧切削面に小鼓状ウォーム軸のねじ山加工がなされることを特徴とする。
【0018】
そして本発明に係る小鼓状ウォーム軸加工装置で、
前記回転ユニットはモータによって回転するウォーム軸、前記回転板に結合され前記ウォーム軸に噛み合ったウォームホイールを含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る小鼓状ウォーム軸加工装置は、
前記回転ユニットの下部に備えられ、前記カッターに対して前記回転ユニットを左右に回動させて前記被加工物の装着角度を変更する角度変更ユニット;を含むことを特徴とする。
【0020】
併せて、本発明に係る小鼓状ウォーム軸加工装置において、
前記角度変更ユニットは半球状ウォームホイール部を具備したベースと、前記ベースに軸結合されて回動し、上面に前記回転ユニットが結合されており、前記半球状ウォームホイール部に噛み合うウォーム軸部を具備した回動ブロックを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る小鼓状ウォーム軸加工装置は、
従来の回転移動型カッター切削方式とは異なり、カッターが固定された状態で被加工物自体がウォームホイールの曲率に合わせて空転しながら小鼓状ウォーム軸の切削加工がなされることにより、小鼓状ウォーム軸の歯形の方向が常にウォームホイールの中心に合わせられて均一な深さで切削されるため加工精度を高め、これに伴い、追加的な後加工が不要であるため生産性が優れ、
ウォームギアを利用して被加工物の回転移動(空転)を精密に制御することができ、
被加工物自体の角度変更によって小鼓状ウォーム軸のねじ部のリード角(ねじれ角)を多様に変更して加工することができ、
半球状ウォームギアを利用した回転ユニットの角度変更を通じて小鼓状ウォーム軸のリード角を精密に調整することができ、
一つのモータで主軸と回転板の回転減速比を調整して被加工物の回転移動(空転)と被加工物自体の回転(自転)を連動して精密制御することができ、
クラッチを利用して主軸と回転板の回転を個別制御して小鼓状ウォーム軸のねじの条数によって切削加工を遂行できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1a】小鼓状ウォーム軸を説明するための要部断面図である。
図1b】従来の小鼓状ウォーム軸加工装置を説明するための図面である。
図1c】従来の小鼓状ウォーム軸加工装置を説明するための図面である。
図2a】本発明に係る小鼓状ウォーム軸加工装置のサンプル写真である。
図2b】本発明に係る小鼓状ウォーム軸加工装置のサンプル写真である。
図2c】本発明に係る小鼓状ウォーム軸加工装置のサンプル写真である。
図3】本発明を概略的に図示した平面図である。
図4】本発明に係る回転ユニットのウォームギアを図示した要部断面図である。
図5】本発明に係るカッターの角度変更を概略的に図示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるところ、具現例(態様、aspect)(または実施例)を本文に詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明を特定の掲示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含む。
各図面で同一の参照符号、特に十の位および一の位の数、または十の位、一の位およびアルファベットが同一の参照符号は同一または類似する機能を有する部材を表し、特に言及されない場合、図面の各参照符号が指し示す部材はこのような基準に準ずる部材として把握すればよい。
また各図面で構成要素は理解の便宜などを考慮して、大きさや厚さを誇張して大きいか(または厚く)小さく(または薄く)表現したり、単純化して表現しているが、これによって本発明の保護範囲が制限されない。
本明細書で使った用語は単に特定の具現例(態様、aspect)(または実施例)を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
本出願で、「~含む」または「~からなる」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しない。
異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含んでここで使われるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有し、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味でない。
本明細書で記載した~第1、~第2などは、互いに異なる構成要素であることを区分するために指称しただけであり、製造された順序に拘らないものであり、発明の詳細な説明と特許請求の範囲でその名称が一致しなくてもよい。
【0024】
本発明に係る小鼓状ウォーム軸加工装置を説明するにあたって、便宜のために厳密でない概略の方向基準を図1を参照して特定すれば、重力が作用する方向を下側にして見える方向そのままで上下左右を定め、他の図面に関連した発明の詳細な説明および特許請求の範囲においても特に言及されない限り、この基準により方向を特定して記述する。
【0025】
以下では、本発明に係る小鼓状ウォーム軸加工装置を添付された図面を参照して説明することにする。
【0026】
本発明は小鼓状ウォーム軸加工装置に関し、図2a~図5に図示された通り、ベッド10、回転ユニット20、整列手段30、カッター、角度変更ユニット40を含む。
【0027】
具体的に本発明は、
小鼓状ボディ2aを有する被加工物2を回転させる主軸11と、前記被加工物2を前記主軸11に固定させる心押台12を具備したベッド10;
左右回転可能であり、上面に前記ベッド10が装着される回転テーブル21を具備した回転ユニット20;
前記回転テーブル21の中心点を基準として前記小鼓状ボディ2aの円弧切削面が前記回転テーブル21の回転経路と同心円構造で配置されるように前記ベッド10を前後左右に移動させる整列手段30;
前記小鼓状ボディ2aの円弧切削面を向くように前記回転テーブル21の中心側に固定されるカッター;を含み、
前記被加工物2が前記カッターの外郭で空転しながら前記小鼓状ボディ2aの円弧切削面に小鼓状ウォーム軸1のねじ山加工がなされることを特徴とする。
【0028】
前記被加工物2は、予めミーリング加工を通じて小鼓状の初期形状を有するように一定の曲率を有する小鼓状ボディ2aが加工されている。
【0029】
前記ベッド10は前記回転ユニット20の上面で前後左右に移動可能なものであって、前記被加工物2を回転させる主軸11と、前記主軸11に対応して被加工物2を固定させる心押台12がベッド10の上面の両側に備えられる。
【0030】
前記主軸11は被加工物2の一側端をクランピングして被加工物2を長さ方向軸を中心に回転(自転)させ、図面で省略されたモータが前記主軸11とギアで連動された入力軸13に連結されて主軸11が回転する。
【0031】
前記心押台12は前記主軸11に対して被加工物2の長さ方向に前進および後進が可能であり、前記被加工物2の他側端の中心点を支持する。
【0032】
図面では前記心押台12が前記主軸11と同一線上から外れた位置にあるブロックに備えられた実施例を確認できるが、従来のホビングマシンなどの金属加工設備に適用される心押台のように、主軸11と心押台12が備えられたブロックが同一線上に配列され得ることは言うまでもない。
【0033】
この時、図面に図示されてはいないが、前記主軸11および心押台12は前記ベッドで前記被加工物2の長さ方向にそれぞれ前進および後進可能に備えられることが好ましい。
【0034】
前記回転ユニット20は前記回転テーブル21が固定テーブル22の上部で左右の水平方向に回転するように結合されており、前記回転テーブル21の内部に備えられたウォームギアを含む。
【0035】
前記ウォームギアはモータによって回転するウォーム軸23、前記回転テーブル21に結合されて前記ウォーム軸23に噛み合ったウォームホイール24を含む。
【0036】
図面では前記入力軸13とウォーム軸23の間にスパーギア25aで構成された減速ギア部25が備えられて、前記入力軸13に供給されるモータの回転力で主軸11と回転テーブル21が互いに連動制御されて回転する実施例を確認できるが、図面とは異なって主軸11(入力軸13)とウォーム軸23それぞれに別途のサーボモータを連結して数値制御式で主軸11とウォーム軸23の回転を個別制御してもよい。
【0037】
ただし、小鼓状ウォーム軸1のリード値により被加工物2の自体回転(自転)と回転移動(空転)速度が互いに一定の割合で合わせられなければならないので、減速ギア部25のギア比の変更を通じて主軸11と回転テーブル21の回転速度を同時制御することがより好ましい。
【0038】
この時、前記減速ギア部25は小鼓状ウォーム軸ギアの減速比率に合わせてギア比が調整される。
【0039】
例えば、20:1の減速比を有する小鼓状ウォーム軸ギアを加工するとき、回転テーブル21のウォームギアの減速比が90:1であれば、前記減速ギア部25は4.5:1の減速比を有するようにセッティングされて主軸11と回転テーブル21が連動回転するように連結される。
【0040】
また、前記主軸11の入力軸13に連結されたギアには分割クラッチ(図示されず)を適用して、小鼓状ウォーム軸1のねじ山の条数によって主軸11と回転テーブル21の連動回転を個別制御する。
【0041】
例えば、小鼓状ウォーム軸1が1条ねじ山であるときにクラッチを使わず、小鼓状ウォーム軸1が2条ねじ山であるときにクラッチを180度分割して主軸11のみ回転するようにすることができ、
【0042】
それ以外に小鼓状ウォーム軸1が3条や4条ねじ山であるときに分割クラッチの作動を応用して構成することができる。
【0043】
併せて、前記入力軸13には手動回転用ハンドルが備えられて、加工前のセッティング時に回転テーブル21を所定の位置に回転移動させるのに使うことができる。
【0044】
前記整列手段30は、前記ベッド10を前後左右に移動させた後に固定させることができればよく、その方式に制限はない。
【0045】
すなわち、図2a~図2cは本発明をマシンなどに適用する前に試験作動のためのサンプルの写真であり、クランプ方式の固定ブロックで構成された整列手段30が代表的に図示されているが、これに限定されない(例えばマシン自体の座標移動テーブルを活用してベッド10の位置調節および固定がなされ得る。)。
【0046】
この時、図3に図示された通り、前記ベッド10は前記小鼓状ボディ2aの曲率半径を計算して前記被加工物2が前記回転テーブル21の中心から同一半径の距離で離隔して合わせられるようにセッティングされる。
【0047】
前記カッターは前記小鼓状ボディ2aの外周面を切削加工してねじ山を形成するものであり、公知になっている金属切削用カッターが使われ、図面では円形鋸刃状カッターSが代表的に図示されている。
【0048】
円形鋸刃状カッターSの場合、別途の固定軸に軸設されてモータによって回転して切削がなされるようにし、この時、円形鋸刃状カッターSは前記回転テーブル21の中心に合わせて立てられるように装着されることによって、円形鋸刃状カッターSの終端が前記被加工物2の回転経路上に位置するように固定されるが、カッターの正確なセッティング位置は小鼓状ウォーム軸のねじ山の谷の深さにより調整される。
【0049】
引き続き、前記角度変更ユニット40は前記回転ユニット20の下部に備えられ、前記カッターに対して前記回転ユニット20を左右に回動させて前記被加工物2の装着角度を変更する。
【0050】
すなわち、前記角度変更ユニット40は前記カッターに対して前記被加工物2を一側に傾くように角度変更されるようにする。
【0051】
これを通じて、小鼓状ボディ2aに切削されるねじ山のリード角(ねじれ角)を規格に合うように調整することができる。
【0052】
具体的には、前記角度変更ユニット40は半球状ウォームホイール部41aを具備したベース41と、前記ベース41に軸結合されて回動し、上面に前記回転ユニット20が結合されており、前記半球状ウォームホイール部41aに噛み合うウォーム軸部42aを具備した回動ブロック42を含む。
【0053】
前記ベース41は上側に膨らんだ半球状外周面を有し、中心部に半球状ウォームホイール部41aが形成されている。
【0054】
前記回動ブロック42は前後の両側端が前記ベース41に軸設されて左右に回動するものであり、前記半球状ウォームホイール部41aの上部に前記ウォーム軸部42aが交差して噛み合っている。
【0055】
図面ではハンドル43を通じて前記ウォーム軸部42aが回転する実施例を確認できるが、前記ウォーム軸部42aに別途のモータが追加で連結され得ることは言うまでもない。
【0056】
併せて、前記ベース41は前後の両側端にガイド溝41bが備えられ、前記回動ブロック42の左右回動を案内する。
【0057】
また、前記ベース41または回動ブロック42には半球状の角度計41cおよび表示スケール42bが備えられて回動ブロック42、すなわち被加工物2の角度を肉眼で正確に確認して調整できるようにする。
【0058】
このような構成の本発明は従来のウォーム軸加工方式とは異なり、固定されたカッターに対して被加工物2自体が小鼓状ウォーム軸ギアを形成するウォームホイールの曲率に合わせて回転移動(空転)しながらねじ山の切削加工がなされる。
【0059】
したがって、相対的に大きい曲率RLを有する小鼓状ボディ2aや相対的に小さい曲率RSを有する小鼓状ボディ2aにかかわらず、カッターによって切削されるねじ山1aの歯形がウォームホイールの中心Cを向いてすべて正確に合わせられることによって切削深さが均一に形成されるため、加工精度が高く、これに伴い、追加的な後加工が不要であり生産性を向上させることができる。
【0060】
以上、本発明を説明するにおいて添付された図面を参照して小鼓状ウォーム軸加工装置を中心に説明したが、本発明は当業者によって多様な修正、変更および置換が可能であり、このような修正、変更および置換も本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0061】
1:小鼓状ウォーム軸
1a:ねじ
2:被加工物
2a:小鼓状ボディ
10:ベッド
11:主軸
12:心押台
13:入力軸
20:回転ユニット
21:回転テーブル
22:固定テーブル
23:ウォーム軸
24:ウォームホイール
25:減速ギア部
25a:スパーギア
30:整列手段
31:固定ブロック
40:角度変更ユニット
41:ベース
41a:ウォームホイール部
41b:ガイド溝
41c:角度計
42:回動ブロック
42a:ウォーム軸部
42b:表示スケール
43:ハンドル

【要約】      (修正有)
【課題】小鼓状ウォーム軸加工装置を提供すること。
【解決手段】中心部が凹んだ円弧状外周面で形成された小鼓状ボディ2aを有する被加工物2にねじ山を切削加工する小鼓状ウォーム軸加工装置において、小鼓状ボディ2aを有する被加工物2を回転させる主軸11と、被加工物2を主軸11に固定させる心押台12を具備したベッド10、左右回転可能であり、上面に前記ベッドが装着される回転板を具備した回転ユニット20、前記回転板の中心点を基準として小鼓状ボディ2aの円弧切削面が前記回転板の回転経路と同心円構造で配置されるようにベッド10を前後左右に移動させる整列手段30、小鼓状ボディ2aの円弧切削面を向くように前記回転板の中心側に固定されるカッター、を含み、被加工物2が前記カッターの外郭で空転しながら小鼓状ボディ2aの円弧切削面に小鼓状ウォーム軸のねじ山加工がなされることを特徴とする。
【選択図】図2
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5