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特許7148950サーバー装置、商業施設内情報システムおよび行動履歴の提示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】サーバー装置、商業施設内情報システムおよび行動履歴の提示方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 90/00 20060101AFI20220929BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220929BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220929BHJP
【FI】
G06Q90/00 300
G06Q30/06
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018047680
(22)【出願日】2018-03-15
(65)【公開番号】P2019159998
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2019-07-01
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】長澤 麻理奈
【合議体】
【審判長】溝本 安展
【審判官】高瀬 勤
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-062523(JP,A)
【文献】国際公開第2015/033577(WO,A1)
【文献】特開2010-277256(JP,A)
【文献】特開2008-257487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一ユーザーに割り当てられた携帯端末、及び、複数の店舗を収容する商業施設に収容された前記複数の店舗のそれぞれに少なくともひとつ設置され、当該店舗の店内画像を撮影して、前記店内画像を送信するための店内カメラと通信可能なサーバー装置であって、
予め登録された、前記携帯端末を割り当てられたユーザーのユーザー画像に基づいて、前記店内画像に含まれる人物を登録ユーザーとして判定する判定手段と、
前記登録ユーザーの前記複数の店舗のそれぞれにおける行動履歴を記録する記録手段と、
前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、
を備え、
前記記録手段は、前記複数の店舗のそれぞれに対して、前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれに入店した入店時刻、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれから退店した退店時刻、および前記登録ユーザーが前記複数の店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記複数の店舗における前記行動履歴として記録し、
前記送信手段は、前記携帯端末からの前記第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記入店時刻および前記退店時刻を含む情報を、前記携帯端末に送信
前記送信手段は、前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックした商品の情報を、前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とするサーバー装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記携帯端末からの第3の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックの対象となった商品の商品詳細情報をも前記携帯端末に送信する、請求項1に記載のサーバー装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記携帯端末からの第4の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックの対象となった商品に類似した商品の情報をも前記携帯端末に送信する、請求項2に記載のサーバー装置。
【請求項4】
一ユーザーに割り当てられた携帯端末と、
複数の店舗を収容する商業施設に収容された前記複数の店舗のそれぞれに少なくともひとつ設置され、当該店舗の店内画像を撮影して、前記店内画像を送信するための店内カメラと、
前記携帯端末及び前記店内カメラと通信可能な管理サーバーとを備え、
前記管理サーバーは、
予め登録された、前記携帯端末を割り当てられたユーザーのユーザー画像に基づいて、前記店内画像に含まれる人物を登録ユーザーとして判定する判定手段と、
前記登録ユーザーの前記複数の店舗のそれぞれにおける行動履歴を記録する記録手段と、
前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、
を備え、
前記記録手段は、前記複数の店舗のそれぞれに対して、前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれに入店した入店時刻、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれから退店した退店時刻、および前記登録ユーザーが前記複数の店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記複数の店舗における前記行動履歴として記録し、
前記送信手段は、前記携帯端末からの前記第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記入店時刻および前記退店時刻を含む情報を、前記携帯端末に送信
前記送信手段は、前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックした商品の情報を、前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする、商業施設内情報システム。
【請求項5】
前記管理サーバーの前記送信手段は、前記携帯端末からの第3の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックの対象となった商品の商品詳細情報をも前記携帯端末に送信する、請求項4に記載の商業施設内情報システム。
【請求項6】
前記管理サーバーの前記送信手段は、前記携帯端末からの第4の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックの対象となった商品に類似した商品の情報をも前記携帯端末に送信する、請求項5に記載の商業施設内情報システム。
【請求項7】
一ユーザーに割り当てられた携帯端末、及び、複数の店舗を収容する商業施設に収容された前記複数の店舗のそれぞれに少なくともひとつ設置され、当該店舗の店内画像を撮影して、前記店内画像を送信するための店内カメラと通信可能な管理サーバーで実行されて、
予め登録された、前記携帯端末を割り当てられたユーザーのユーザー画像に基づいて、前記店内画像に含まれる人物を登録ユーザーとして判定する判定手段と、
前記登録ユーザーの前記複数の店舗のそれぞれにおける行動履歴を記録する記録手段と、
前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、
して前記管理サーバーを機能させるためのプログラムであって、
前記記録手段は、前記複数の店舗のそれぞれに対して、前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれに入店した入店時刻、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれから退店した退店時刻、および前記登録ユーザーが前記複数の店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記複数の店舗における前記行動履歴として記録し、
前記送信手段は、前記携帯端末からの前記第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記入店時刻および前記退店時刻を含む情報を、前記携帯端末に送信
前記送信手段は、前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックした商品の情報を、前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
管理サーバーに予め登録された、携帯端末のユーザー画像に基づいて、複数の店舗を収容する商業施設に収容された前記複数の店舗のそれぞれに設置された店内カメラで撮影した店内画像に含まれる人物を、前記管理サーバーが登録ユーザーとして判定する判定段階と、
前記登録ユーザーの前記複数の店舗のそれぞれにおける行動履歴を、前記管理サーバーが記録する記録段階と、
前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を前記管理サーバーが前記携帯端末に送信する送信段階と、
を含む、行動履歴の提示方法であって、
前記記録段階では、前記管理サーバーが、前記複数の店舗のそれぞれに対して、前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれに入店した入店時刻、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれから退店した退店時刻、および前記登録ユーザーが前記複数の店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記複数の店舗における前記行動履歴として記録し、
前記送信段階では、前記携帯端末からの前記第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記入店時刻および前記退店時刻を含む情報を、前記管理サーバーが前記携帯端末に送信し、
前記送信段階では、前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックした商品の情報を、前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする、行動履歴の提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店内における買物客の行動履歴の記録に関する。また、本発明は、買物客に対する店内における自身の行動履歴の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、デパート、ショッピングセンター、ショッピングモール、更に、ショッピングセンターに飲食施設、映画館、遊技場等を併設した複合商業施設は、複数の店舗を収容する。これらの商業施設をここではまとめて単に商業施設と呼ぶものとする。一般に商業施設は単独の店舗と比較して広大である。また、商業施設では、類似の商品を複数の売り場、店舗で扱うことが多く、売り場や店舗を混同しやすい傾向がある。
【0003】
一方で、買物をする際に、店内を一巡して気になる商品をチェックし、その後、チェックした商品の中で購入する商品を検討する、といった手順を踏む買物客が存在する。
【0004】
このような検討を行う買物客は、チェックした商品をどこで見たのかを記憶しておく必要がある。現代では、多くの買物客が、スマートフォンや携帯電話のようなカメラを内蔵した携帯端末を携帯している。このため、携帯端末のカメラで撮影することにより、気になる商品を記録することが考えられる。しかし、商品の撮影は必ずしも許可されるものではなく、撮影を禁止する店舗もある。このため、買物客自身が携帯端末のカメラで撮影して記録するといった手法は、必ずしも利用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2015/033575号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明に関連した技術が特許文献1に開示されている。特許文献1によれば、買物客が現に手に取っている商品に関連した情報を、その場に設置した情報提示装置を用いて、その買物客に通知することが記載されている。
【0007】
また、特許文献1によれば、情報提示装置を用いて買物客に商品に関する情報を提示する。情報提示装置は、買物客が視認可能(聞き取り可能)な位置に設置される、据置型の装置である。
【0008】
しかし、特許文献1には、買物客が手に取った商品を記録することや、その記録を後から買物客が閲覧することについては記載されていない。
【0009】
また、特許文献1によれば、特許文献1によれば、買物客は、情報提示装置から離れた場所では、情報を閲覧することができない。例えば、商品に関連する情報を、その商品を扱う店舗から離れたカフェ、レストラン、休憩所等で買物客が閲覧することはできない。
【0010】
また、特許文献1によれば、据置型の情報提示装置を用いるため、特定の買物客個人を宛先とする情報の通知に用いることが難しい。例えば、店舗や複合商業施設が、買物客の購入実績に応じて異なる割引率を提示するサービスを提供する場合がある。このような場合、ある一人の買物客に対して提示する割引率を、他の買物客も閲覧可能な据置型の情報提示装置に表示するのは難しい。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、店内の買物客に対して、自身の行動履歴を提示するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するため、本発明は、その一態様として、一ユーザーに割り当てられた携帯端末、及び、複数の店舗を収容する商業施設に収容された前記複数の店舗のそれぞれに少なくともひとつ設置され、当該店舗の店内画像を撮影して、前記店内画像を送信するための店内カメラと通信可能なサーバー装置であって、予め登録された、前記携帯端末を割り当てられたユーザーのユーザー画像に基づいて、前記店内画像に含まれる人物を登録ユーザーとして判定する判定手段と、前記登録ユーザーの前記複数の店舗のそれぞれにおける行動履歴を記録する記録手段と、前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、を備え、前記記録手段は、前記複数の店舗のそれぞれに対して、前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれに入店した入店時刻、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれから退店した退店時刻、および前記登録ユーザーが前記複数の店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記複数の店舗における前記行動履歴として記録し、前記送信手段は、前記携帯端末からの前記第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記入店時刻および前記退店時刻を含む情報を、前記携帯端末に送信前記送信手段は、前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックした商品の情報を、前記携帯端末に送信する、ことを特徴とするサーバー装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、他の一態様として、一ユーザーに割り当てられた携帯端末と、複数の店舗を収容する商業施設に収容された前記複数の店舗のそれぞれに少なくともひとつ設置され、当該店舗の店内画像を撮影して、前記店内画像を送信するための店内カメラと、前記携帯端末及び前記店内カメラと通信可能な管理サーバーとを備え、前記管理サーバーは、予め登録された、前記携帯端末を割り当てられたユーザーのユーザー画像に基づいて、前記店内画像に含まれる人物を登録ユーザーとして判定する判定手段と、前記登録ユーザーの前記複数の店舗のそれぞれにおける行動履歴を記録する記録手段と、前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、を備え、前記記録手段は、前記複数の店舗のそれぞれに対して、前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれに入店した入店時刻、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれから退店した退店時刻、および前記登録ユーザーが前記複数の店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記複数の店舗における前記行動履歴として記録し、前記送信手段は、前記携帯端末からの前記第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記入店時刻および前記退店時刻を含む情報を、前記携帯端末に送信前記送信手段は、前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックした商品の情報を、前記携帯端末に送信する、ことを特徴とする、商業施設内情報システムを提供する。
【0014】
また、本発明は、他の一態様として、一ユーザーに割り当てられた携帯端末、及び、複数の店舗を収容する商業施設に収容された前記複数の店舗のそれぞれに少なくともひとつ設置され、当該店舗の店内画像を撮影して、前記店内画像を送信するための店内カメラと通信可能な管理サーバーで実行されて、予め登録された、前記携帯端末を割り当てられたユーザーのユーザー画像に基づいて、前記店内画像に含まれる人物を登録ユーザーとして判定する判定手段と、前記登録ユーザーの前記複数の店舗のそれぞれにおける行動履歴を記録する記録手段と、前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を前記携帯端末に送信する送信手段と、して前記管理サーバーを機能させるためのプログラムであって、前記記録手段は、前記複数の店舗のそれぞれに対して、前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれに入店した入店時刻、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれから退店した退店時刻、および前記登録ユーザーが前記複数の店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記複数の店舗における前記行動履歴として記録し、前記送信手段は、前記携帯端末からの前記第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記入店時刻および前記退店時刻を含む情報を、前記携帯端末に送信する前記送信手段は、前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックした商品の情報を、前記携帯端末に送信する、ことを特徴とするプログラムを提供する。
【0015】
また、本発明は、他の一態様として、管理サーバーに予め登録された、携帯端末のユーザー画像に基づいて、複数の店舗を収容する商業施設に収容された前記複数の店舗のそれぞれに設置された店内カメラで撮影した店内画像に含まれる人物を、前記管理サーバーが登録ユーザーとして判定する判定段階と、前記登録ユーザーの前記複数の店舗のそれぞれにおける行動履歴を、前記管理サーバーが記録する記録段階と、前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を前記管理サーバーが前記携帯端末に送信する送信段階と、を含む、行動履歴の提示方法であって、前記記録段階では、前記管理サーバーが、前記複数の店舗のそれぞれに対して、前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれに入店した入店時刻、前記登録ユーザーが前記複数の店舗のそれぞれから退店した退店時刻、および前記登録ユーザーが前記複数の店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記複数の店舗における前記行動履歴として記録し、前記送信段階では、前記携帯端末からの前記第1の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記入店時刻および前記退店時刻を含む情報を、前記管理サーバーが前記携帯端末に送信し、前記送信段階では、前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報として、前記チェックした商品の情報を、前記携帯端末に送信することを特徴とする、行動履歴の提示方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、店内の買物客に対して、自身の行動履歴を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態である商業施設内情報システムについて説明するためのブロック図である。
図2】店内カメラについて説明するためのブロック図である。
図3】携帯端末について説明するためのブロック図である。
図4】携帯端末で実行するユーザーアプリについて説明するためのブロック図である。
図5】ユーザーアプリのメニュー画面の一例である。
図6】ユーザーアプリが入退店履歴を表示するときの画面の一例である。
図7】ユーザーアプリがチェック商品履歴を表示するときの画面の一例である。
図8】ユーザーアプリが商品詳細を表示するときの画面の一例である。
図9】ユーザーアプリが類似商品の一覧を表示するときの画面の一例である。
図10】携帯端末のユーザー画面を管理サーバーに登録する際の商業施設内情報システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図11】携帯端末のユーザーが店舗に入退店したことを記録する際の商業施設内情報システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図12】携帯端末のユーザーが店舗内でチェックした商品を記録する際の商業施設内情報システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図13】携帯端末のユーザーが自身の行動履歴を閲覧する際の商業施設内情報システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図14】携帯端末のユーザーがある店舗でチェックした商品の一覧を閲覧する際の商業施設内情報システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図15】携帯端末のユーザーがある店舗でチェックした商品の商品詳細情報と、その商品に類似した商品の商品詳細情報とを閲覧する際の商業施設内情報システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施の形態である商業施設内情報システム100について図1を参照して説明する。商業施設内情報システム100は、商業施設200や、商業施設200に収容されている店舗200A、200B、200C、…が、来店した買物客に対して情報を提供するためのシステムである。
【0019】
商業施設200は、類似の商品を扱う店舗を複数収容した商業施設である。商業施設200には、例えば、ショッピングセンター、ショッピングモール、デパート、ショッピングビル、駅ビル、ファッションビル等がある。商業施設200は、レストラン、映画館、遊技場等を併設した複合商業施設であってもよい。尚、本明細書にいう類似の商品は同一の商品も含むものとする。
【0020】
商業施設200は複数の店舗200A、200B、200C、…を収容している。店舗200A、200B、200C、…の中には、同一或いは類似の商品を扱う店舗が含まれている。本実施形態では、複合商業施設200は、女性服を扱う店舗を複数収容している。
【0021】
商業施設内情報システム100は、管理サーバー1、店内カメラ2、携帯端末3を備える。
【0022】
管理サーバー1は、ユーザー情報11、店舗情報12、商品情報13を管理する。管理サーバー1はこれら情報を格納するための読み書き可能な記憶装置を備える。記憶装置は例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)である。
【0023】
ユーザー情報11は、ユーザー、即ち、買物客それぞれに係る情報である。ユーザー情報はユーザーの顔の画像11Aを含む。画像11Aをユーザー画像と呼ぶ。ユーザー画像11Aは任意のフォーマットの画像データである。後述するように、ユーザー画像11Aは、携帯端末3から管理サーバー1にアップロードされる。
【0024】
また、ユーザー情報11は行動履歴11Bを含む。行動履歴11Bは、そのユーザーが商業施設200内で行った行動の履歴情報である。
【0025】
店舗情報12は、商業施設200が収容する各店舗に係る情報である。店舗情報12は、その店舗を識別するための識別情報(店舗識別情報)、その店舗が扱う商品に関する情報(取扱商品情報)、その店舗に設置された店内カメラ2を識別するための識別情報(店内カメラ識別情報)を含む。
【0026】
店舗識別情報は、例えばその店舗の名称、商業施設200内におけるその店舗の位置(例えば、商業施設200のビル内において3階のAブロックにあるとき3-A等)、その他、各店舗を個々に識別可能であるように店舗毎に予め付与した識別情報である。
【0027】
取扱商品情報は、その店舗が扱う商品に関する情報である。取扱商品情報は、その店舗が扱う商品の商品識別情報(後述)、その商品の価格、その商品の在庫数を含む。
【0028】
店内カメラ識別情報は例えばその店内カメラ2のIPアドレスである。
【0029】
商品情報13は、商業施設200の全店舗が扱う商品に関する情報である。店舗200A、200B、200C、…の各店舗が扱う、全ての商品についての情報が商品情報13に含まれる。商品情報13は、商品の名称、その商品の識別情報(商品識別情報)、その商品の価格、その商品を扱う店舗の店舗識別情報、その商品の属性を示す情報(商品属性情報)等を含む。また、商品情報13は、その商品の画像13A、即ち、商品画像13Aを含む。
【0030】
商品識別情報は、各商品を他の商品から識別可能に予め付与される識別情報である。例えば、EAN(European Article Number)コード、JAN(Japanese Article Number)コードを商品識別情報として用いることとしてもよい。また、JANコードと、商業施設200内、或いは、その店舗内で発行したインストアコードとを組み合わせたものを、商品識別情報として用いてもよい。
【0031】
商品属性情報としては、その商品のサイズ、色、柄、材質、ブランド名や、これらの組み合わせが考えられる。また、その商品を含む商品のカテゴリを商品属性情報として含むこととしてもよい。
【0032】
また、管理サーバー1はデータ収集部14を備える。データ収集部14は店内カメラ2、携帯端末3とデータ通信を行う通信装置を含む。
【0033】
データ収集部14と店内カメラ2とを接続するデータ通信回線は有線であっても無線であってもよい。例えば、データ収集部14はLAN(Local Area Network)ケーブル、USB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して店内カメラ2と接続されてもよいし、無線LAN回線を介して接続されてもよい。
【0034】
データ収集部14は店内カメラ2とデータ通信を行い、店内カメラ2から画像を受信する。店内カメラ2の画像を店内画像と呼ぶものとする。データ収集部14は、店内画像の送信元である店内カメラ2の店内カメラ識別情報を、その店内画像と共に、データ抽出部15に出力する。
【0035】
データ収集部14と携帯端末3とを接続するデータ通信回線は基本的には無線回線である。この無線回線は、例えばLTE(Long Term Evolution)回線のような携帯電話網を介したものであってもよい。或いは、この無線回線は、商業施設200に設置された無線LANによるものであってもよい。
【0036】
データ収集部14は携帯端末3とデータ通信を行い、携帯端末3から、その携帯端末3のユーザーの顔を撮影した画像を受信する。この画像を、データ収集部14は、送信元の携帯端末3のユーザーと関連付けて、ユーザー画像11Aとしてユーザー情報11に記録する。
【0037】
データ収集部14は、特定の携帯端末3を宛先としたデータをデータ抽出部15から受け取って、その宛先の携帯端末3に送信する。
【0038】
更に、管理サーバー1はデータ抽出部15を備える。データ抽出部15はデータ処理装置及び画像処理装置を備える。データ抽出部15は、店舗情報12に基づいて、店内カメラ識別情報が示す店内カメラ2を特定する。その際、データ抽出部15は、店舗情報12に基づいて、その店内カメラ2が設置されている店舗を識別する。
【0039】
また、データ抽出部15は、ユーザー画像11Aに基づいて、店内画像に含まれるユーザーを識別する。
【0040】
また、データ抽出部15は、その店内カメラ2が設置されている店舗の商品情報13に含まれる商品画像13Aに基づいて、店内画像に含まれる商品を識別する。
【0041】
また、データ抽出部15は、特定したユーザーの行動履歴11Bを更新する。例えば、そのユーザーの行動履歴11Bに、ユーザーが入店した店舗の店舗識別情報、その店舗への入店とその時刻、その店舗でユーザーがチェックした商品の商品識別情報、その店舗からの退店とその時刻を追加する。
【0042】
また、データ抽出部15は、データ収集部14を介して、特定した人物の行動履歴11Bの一部或いは全体をその人物の携帯端末3に送信する。
【0043】
更に、データ抽出部15は、行動履歴11Bにそのユーザーがチェックしたと記録された商品に基づいて、その商品に関連する商品についての情報を商品情報13から取得する。データ抽出部15は取得した情報をデータ収集部14を介してその行動履歴11Bのユーザーの携帯端末3に送信する。
【0044】
図2を参照して説明する。店内カメラ2A、2B、2C、…は同じ構造を有する。これらをまとめて店内カメラ2と呼ぶ。店内カメラ2は、カメラ21、画像処理部22、通信部23を備える。尚、店内カメラ2は、店舗200A、200B、200C、…の各店舗に少なくとも一台設置する。
【0045】
各店舗に設置する店内カメラ2の台数は、店舗毎に定められ、店舗の規模、取扱商品の品数、商品の大きさ等によって異なる。店舗の出入口を撮影する店内カメラ2を各店舗に設置する。また、その店舗の中に陳列した全商品が撮影可能となる台数の店内カメラ2を店舗毎に設置する。
【0046】
カメラ21は固体撮像素子である。例えば、CCD(Charge-Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal-Oxcide-Semiconductor)イメージセンサをカメラ21として用いることができる。カメラ21は店内カメラ2を設置した店舗内を撮影して、その店舗の店内画像を出力するカメラである。例えば、店内カメラ2Aは店舗200Aの店内画像を出力する。カメラ21は十分に短い時間毎に所定の枚数の店内画像を出力する。これによりカメラ21は実質的にリアルタイムの画像を出力する。
【0047】
画像処理部22は、カメラ21が出力する画像データに対して画像処理を行う。画像認識処理は顔認識処理、物体認識処理を含む。
【0048】
画像処理部22は、店内画像に対して顔認識処理を行い、人間の入退店を検出する。人間の入退店を検出すると、画像処理部22は、その時刻を示す時刻情報と共に、その店内画像を、通信部23を介して管理サーバー1に送信する。
【0049】
また、画像処理部22は、店舗内の人間が商品をチェックしているか否かを判定する。チェックしていると判定した場合、画像処理部22は、その店内画像を、通信部23を介して管理サーバー1に送信する。
【0050】
店舗内の人間が商品をチェックしているか否かの判定は例えば次のようにして行う。画像処理部22は、店内画像Pに基づいて、店舗内の人間が商品に触れていると判定すると、その時刻tを記録する。以後の店内画像P~Px-1(Xは自然数)に基づいても同様の判定を行う。店内画像Pに基づいて同様の判定をしたとき、その人間がその商品に触れていないと判定したとする。このとき、画像処理部22は、その時刻tと時刻tとの差分tを求め、差分tと予め定められた閾値tと比較する。差分tが閾値tよりも大きいとき、画像処理部22は、その人物がその商品をチェックしたと判定する。この判定に応じて、画像処理部22は、店内画像P~Pの一部乃至全部を、通信部23を介して管理サーバー1に送信する。
【0051】
通信部23は管理サーバー1のデータ収集部14と通信を行う通信装置である。上述のように、データ収集部14と通信部23とを接続するデータ通信回線は有線であっても無線であってもよい。例えば、通信部23はLANケーブル、USBケーブルを介して管理サーバー1と接続されてもよいし、無線LAN回線を介して接続されてもよい。
【0052】
通信部23はデータ収集部14とデータ通信を行い、店内カメラ2から画像を受信する。店内カメラ2の画像を店内画像と呼ぶものとする。データ収集部14は、店内画像の送信元である店内カメラ2の店内カメラ識別情報を、その店内画像と共に、データ抽出部15に出力する。
【0053】
携帯端末3は携帯可能かつ無線通信可能な情報処理装置である。商業施設200を訪れる買物客は、それぞれ、携帯端末3を携帯して商業施設200内を移動する。例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、PDA(Personal Data Assistant)等を携帯端末3として用いることができる。携帯端末3の典型的な例は、買物客自身が所有するスマートフォン、タブレットである。
【0054】
携帯端末3は、制御部31、表示部32、入力部33、カメラ34、記録部35、無線通信部36を備える。
【0055】
制御部31はCPU(Central Processing Unit)を備え、携帯端末3の各部の動作を制御する。また、制御部31は、オペレーティングシステム(Operating System, OS)を実行し、その上でアプリケーションプログラムを実行する。オペレーティングシステムの種類は任意であり、例えば、グーグルのアンドロイド、アップルのiOS、マイクロソフトのMicrosoft Windows 10 Mobileが考えられる。
【0056】
表示部32は液晶ディスプレイ装置、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ装置等のディスプレイ装置である。
【0057】
入力部33はキーボード、ポインティングデバイス等の入力装置である。タッチディスプレイ装置として、表示部32と入力部33を一体に構成することとしてもよい。
【0058】
カメラ34は固体撮像素子である。カメラ21と同様に、例えば、CCDカメラ、CMOSイメージセンサをカメラ34として用いることができる。
【0059】
記録部35はストレージデバイスである。記録部35は、制御部31上で実行するOSが生成する各種のデータを格納する。また、記録部35は、外部からダウンロードしたアプリケーションプログラムを格納する。また、記録部35は、制御部31及びOSの上で実行するアプリケーションプログラムが生成する各種のデータを格納する。また、記録部35は、カメラ34が生成した画像を格納する。
【0060】
特に、記録部35は、管理サーバー1と連携して動作する専用のアプリケーションプログラムを格納している。以下、このアプリケーションプログラムをユーザーアプリ37と呼ぶ。図4に示すように、ユーザーアプリ37は、ユーザー登録処理41、行動履歴処理42、商品情報処理43、お気に入り処理44、ポイント処理45を含み、これらの処理を制御部31に実行させる。尚、ここでは、表示部32、入力部33はタッチディスプレイとして携帯端末3に実装されているものとして説明する。
【0061】
ユーザーアプリ37を実行すると、制御部31は、表示部32に、例えば図5のようなメニュー画面50を表示させる。「顔を登録する」51、「行動履歴を表示する」52、「お気に入りを表示する」53、「ポイントを表示する」54は、それぞれ、タッチディスプレイ上に表示されたボタンである。「顔を登録する」51のタップに応じてユーザー登録処理41に移行する。「行動履歴を表示する」52のタップに応じて行動履歴処理42に移行する。「お気に入りを表示する」53のタップに応じてお気に入り処理44に移行する。「ポイントを表示する」54のタップに応じてポイント処理45に移行する。
【0062】
ユーザー登録処理41は、携帯端末3のユーザーを管理サーバー1に登録する処理である。ユーザー登録処理41では、制御部31は、入力部33、カメラ34を用いて入力されるユーザー情報を受け付けて、無線通信部36によって管理サーバー1に送信する。
【0063】
入力部33を用いて入力されるユーザー情報としては、例えば自分の名前、性別、年齢、住所、電話番号、メールアドレス、クレジットカード番号、商業施設200が発行した会員番号等が考えられる。また、カメラ34を用いて入力されるユーザー情報としては、ユーザー自身の顔を撮影して生成した顔画像がある。
【0064】
制御部31は、これらのユーザー情報を、無線通信部36を用いて管理サーバー1に送信する。管理サーバー1では、データ収集部14がユーザー情報を受信すると、データ抽出部15が、そのユーザー情報を、そのユーザーに対して予め付与されたユーザー識別情報と関連付けて、ユーザー情報11に格納する。特に、顔画像はユーザー画像11Aとして格納する。
【0065】
行動履歴処理42は、管理サーバー1に予め記録されている、その携帯端末3のユーザーの行動履歴を取得して、表示部32に表示する処理である。「行動履歴を表示する」52をタップすると、制御部31は、無線通信部36を用いて、管理サーバー1に行動履歴を問い合わせる。管理サーバー1は、ユーザー情報11を参照して、その携帯端末3のユーザーの行動履歴11Bを読み出して、携帯端末3に送信する。無線通信部36が行動履歴11Bを受信すると、制御部31は、表示部32を用いて入退店履歴を表示する。
【0066】
入退店履歴の画面の一例を図6に示す。図6のテーブルにおいて、「IN」の列にあるセルには、その携帯端末3のユーザーがある店舗に入店した入店時刻を示す値が記載されている。「OUT」の列にあるセルには、その携帯端末3のユーザーがその店舗から退店した退店時刻を示す値が記載されている。「店舗名」の列にあるセルには、その店舗の名称を示す文字列が記載されている。店舗名「○○」、「△△」、「□□」はそれぞれ順に、店舗200A、200B、200Cの店舗名である。「チェックした商品」の列にあるセルには、その携帯端末3のユーザーがその店舗でチェックした商品の品数を示す値と、文字列「詳細を表示」が記載されている。文字列「詳細を表示」はリンクである。ユーザーが入力部33でリンク「詳細を表示」を選択する(例えばタッチディスプレイをタップする)と、制御部31は、表示部32に表示する画面を、図6の入退店履歴から後述する図7のチェック商品履歴に切り替える。
【0067】
図6に例示した入退店履歴には、携帯端末3のユーザーが、10時40分から11時まで店舗名「○○」(店舗200A)に滞在し、3点の商品をチェックしたことが記録されている。また、同じユーザーが、11時13分から11時20分まで店舗名「△△」(店舗200B)に滞在し、1点の商品をチェックしたことが記録されている。また、同じユーザーが、11時30分から12時5分まで店舗名「□□」(店舗200C)に滞在し、3点の商品をチェックしたことが記録されている。
【0068】
既に述べたように、入退店履歴でリンク「詳細を表示」をタップすると、携帯端末3のユーザーがその店舗でチェックした商品の一覧を表示する画面、即ち、チェック商品履歴を表示する。図7を参照すると、画面上部には、「○○店でチェックした商品」との見出しが表示されている。その見出しの下に、携帯端末3のユーザーが、店舗名「○○」(店舗200A)でチェックした商品の一覧が表示されている。「No」の列にあるセルには、ユーザーがその商品をチェックした順番を示す数字が記載されている。「商品名」の列にあるセルには、ユーザーがチェックした商品の名称と、リンク「詳細を表示」が記載されている。ユーザーが例えばリンク「詳細を表示」をタッチディスプレイ上でタップすると、制御部31は、対応する商品を対象として指定した商品情報処理43を行う。商品情報処理43については後述する。
【0069】
図7に例示したチェック商品履歴には、店舗名「○○」(店舗200A)において、携帯端末3のユーザーが、1番目に「長袖ブラウス」をチェックしたことが記録されている。以下、同様に、2-5番目に「鞄」、「靴」、「帽子」、「ジーンズ」をチェックしたことが記録されている。
【0070】
商品情報処理43を実行すると、制御部31は、指定された商品についての商品詳細情報を管理サーバー1に要求する。これに応答して、管理サーバー1は、商品情報13から指定された商品の商品詳細情報を取得して、携帯端末3に送信する。商品詳細情報は、商品の画像、チェックした店舗名、商品名、金額、カラー、サイズ、在庫を含む。
【0071】
ここでは、図7のチェック商品履歴に記載のリンク「詳細を表示」をタップしたときに表示される画面を例に挙げて説明する。図8の商品詳細は、図7、1番目の「長袖ブラウス」と共に記載のリンク「詳細を表示」のタップ等に応答して表示される画面である。「商品詳細」の見出しの下に、商品詳細情報が表示されている。商品詳細情報の下には、「類似商品を見る」ボタン81が表示されている。「類似商品を見る」ボタン81の下には、「お気に入りに登録する」ボタン82、「戻る」ボタン83が表示されている。「お気に入りに登録する」ボタン82をユーザーがタップ等すると、後述するお気に入り処理44に移行する。「戻る」ボタン82をユーザーがタップ等すると、図7のチェック商品履歴画面に戻る。
【0072】
ユーザーが「類似商品を見る」ボタン81をタップ等すると、制御部31は、商品情報処理43に従って、図7、1番目の「長袖ブラウス」に類似した商品の商品詳細情報を、無線通信部36を介して管理サーバー1に要求する。
【0073】
管理サーバー1では、データ収集部14がこの要求を受信する。この要求に応じて、データ抽出部15は、商品情報13から該当する商品の商品詳細情報を取得して、データ収集部14を介して携帯端末3に送信する。
【0074】
このとき、データ抽出部15は、携帯端末3から指定された商品に類似した商品を、商品情報13から検索する。商品間の類似については商品情報13に予め定めておいてもよい。例えば、各商品の商品詳細情報として、その商品に類似した商品の商品識別情報を予め記録しておくことが考えられる。この場合、データ抽出部15は、携帯端末3から指定された商品が、類似商品として記録されている商品詳細情報を、商品情報13から検索する。
【0075】
また、例えば、商品情報13に含まれる各商品に、一乃至複数の属性情報を予め付与しておき、各商品の商品詳細情報として、その商品の属性情報を記録しておくこととしてもよい。この場合、データ抽出部15は、携帯端末3から指定された商品に付与されたものと同じ属性情報を、一乃至複数記録された商品詳細情報を、商品情報13から検索する。
【0076】
図9の類似商品の一覧画面には、4つの矩形領域91~94が記載され、それぞれにひとつの商品の商品詳細情報が記載されている。矩形領域91には図8の商品が記載されている。矩形領域92~94にはそれぞれ図8の商品に類似した別商品の商品詳細情報が記載されている。矩形領域95の「戻る」ボタンをユーザーがタップ等すると、制御部31は表示部32の表示を図8の商品詳細に戻す。
【0077】
矩形領域92~94に記載の店舗名が、どれも矩形領域91の店舗名「○○店」とは異なる点に注意されたい。この画面を見ることにより、携帯端末3のユーザーは、自分が「○○店」でチェックした商品と類似した商品が、商業施設200内の他店にあると知ることができる。また、その際に、各店舗での金額、在庫数を知ることができる。
【0078】
矩形領域91では、「クーポン」の文字が反転表示されている。この反転表示は、携帯端末3のユーザーが、矩形領域91の店舗「○○店」で使用可能なクーポンを持っていることを示す。クーポンは店舗毎に電子的に発行されて、例えば、ユーザー情報11として管理サーバー1に格納されている。このようにして、類似商品の一覧画面にて、ユーザーがクーポンを所持する店舗を表示することにより、ユーザーに対して商品購入の際の判断材料を提供することができる。
【0079】
管理サーバー1は行動履歴11Bに応じてユーザーにクーポンを発行することとしてもよい。例えば、管理サーバー1は、ユーザーが各店舗に入店した回数、商品をチェックした回数、時間を行動履歴11Bから抽出し、これらの値に基づいてクーポンに関する決定を行うことが考えられる。即ち、そのユーザーにクーポンを発行するか否かや、発行するクーポンの種類、数等を管理サーバー1が決定する。更に、店舗のPOS(Point Of Sales)システムと連携して、そのユーザーの購入実績と、行動履歴11Bとに基づいて、管理サーバー1がクーポンを発行することとしてもよい。
【0080】
図8の「お気に入りに登録する」ボタン82をユーザーがタップ等すると、制御部31はお気に入り処理44を実行する。お気に入り処理44に従って、制御部31は、商品詳細画面に表示されている商品を、お気に入りの商品として登録する。このとき、制御部31は、この商品の商品識別情報を指定して、この商品をお気に入りに登録する旨の要求を、無線通信部36を介して管理サーバー1に対して送信する。管理サーバー1では、データ収集部14がこの要求を受信すると、データ抽出部15がユーザー情報11を更新して、そのユーザーのお気に入り11Cにその商品識別情報を追加する。
【0081】
図5のメニュー画面において、「お気に入りを表示する」ボタン53をユーザーがタップ等すると、制御部31は、無線通信部36を介して、管理サーバー1にお気に入りに登録された商品を要求する。管理サーバー1では、データ収集部14がこの要求を受信すると、データ抽出部15は、そのユーザーのお気に入り11Cとして記録されている商品識別情報を読み出す。データ抽出部15は、商品情報13からその商品識別情報に該当する商品詳細情報を読み出して、データ収集部14を介して、要求の送信元である携帯端末3に送信する。無線通信部36が商品詳細情報を受信すると、制御部31は、その商品詳細情報を表示部32に表示する。
【0082】
次に、商業施設内情報システム100の動作について説明する。ある一個人のユーザーUが携帯端末3を所持しているものとする。最初に、ユーザーUのユーザー登録について図10を参照して説明する。
【0083】
ユーザーUは、携帯端末3の入力部33を操作して、ユーザーアプリ37を起動する。この操作に応じて、制御部31はユーザーアプリ37を記録部35から読み出して実行する。ユーザーアプリ37に従って、制御部31は表示部32でメニュー画面50を表示する。ユーザーUが入力部33で「顔を登録する」ボタン51を選択すると、制御部31は、ユーザー登録処理41を実行する(ステップS1)。
【0084】
ユーザーUは、携帯端末3のカメラ34を用いて自分の顔を撮影する操作を行う。この操作により、カメラ34は、ユーザーUの顔画像を生成する(ステップS2)。
【0085】
制御部31は、無線通信部36を用いて管理サーバー1に顔画像を送信する(ステップS3)。尚、このときの顔画像の伝送経路は、携帯電話網を介するものであってもよいし、商業施設200に設けた無線LAN経由であってもよい。
【0086】
管理サーバー1において、データ収集部14が顔画像を受信する(ステップS4)と、データ抽出部15は、送信元である携帯端末3のユーザーUのユーザー画像11Aとしてその顔画像を記録する(ステップS5)。このようにして顔画像をユーザー画像11Aとして管理サーバー1に登録したユーザーを登録ユーザーと呼ぶものとする。
【0087】
次に、図11を参照して、登録ユーザーUが商業施設200に入り、店舗200A、200B、200C、…のいずれかに入店したときの商業施設内情報システム100の動作について説明する。入店した店舗がどれであっても動作は同じなので、ここでは、ユーザーUは、店内カメラ2が設置された店舗200に入店したものとして説明する。
【0088】
店内カメラ2のカメラ21は、十分に短い時間間隔(例えば5秒に一回)で店舗200の中を繰り返し撮影し、画像処理部22に画像を出力する。画像処理部22は、画像に人物が含まれているか否かの判定を各画像について行う。
【0089】
画像処理部22が画像に人物が含まれていると判定する(ステップS11)と、画像処理部22は、その画像と、その画像の撮影時刻とを、通信部23を用いて管理サーバー1に送信する(ステップS12)。
【0090】
管理サーバー1では、データ収集部14が画像と撮影時刻とを受信する(ステップS13)。この受信に応じて、データ抽出部15が、受信した画像をユーザー画像11Aと比較して、その画像に含まれる人物が登録ユーザーか判定する(ステップS14)。
【0091】
ここで、データ抽出部15がその画像に含まれるユーザーを登録ユーザーUと判定したとする。このとき、データ抽出部15は、その画像の送信元である店内カメラ2を設置した店舗、即ち、店舗200にユーザーUが入店したことを、ユーザーUの行動履歴11Bとして記録する。その際、その画像の撮影時刻を、ユーザーUが店舗200に入店した入店時刻として記録する(ステップS15)。ここで記録される入店時刻が、図6の「IN」セル内の時刻に対応する。
【0092】
店舗200から人物が退店する場合の動作も基本的には同様である。退店の場合、ここで記録される退店時刻が、図6の「OUT」セル内の時刻に対応する。
【0093】
店内カメラ2のカメラ21は、十分に短い時間間隔(例えば5秒に一回)で店舗200の中を繰り返し撮影し、画像を生成する。ステップS11で人物の存在を検出後、店内カメラ2は撮影、生成した画像を撮影時刻と共に管理サーバー1に送信する(ステップS11、S12)。
【0094】
管理サーバー1では、データ収集部14が画像と撮影時刻とを受信する(ステップS13)。この受信に応じて、データ抽出部15が、受信した画像をユーザー画像11Aと比較して、その画像に含まれる人物が登録ユーザーか判定する(ステップS14)。
【0095】
ここで、データ抽出部15が、その画像に含まれると判定した登録ユーザーの中に登録ユーザーUが含まれていなかったとする。即ち、データ抽出部15が、その画像には登録ユーザーが誰も含まれていないと判定したとする。或いは、データ抽出部15が、行動履歴11Bにおいて入店時刻のみが記録され、退店時刻が記録されていない登録ユーザーUが、その画像に含まれていないと判定したとする。
【0096】
このとき、データ抽出部15は、その画像の送信元である店内カメラ2を設置した店舗、即ち、店舗200からユーザーUが退店したことを、ユーザーUの行動履歴11Bとして記録する。その際、その画像の撮影時刻を、ユーザーUが店舗200から退店した退店時刻として記録する(ステップS15)。ここで記録される退店時刻が、図6の「OUT」セル内の時刻に対応する。
【0097】
次に、図12を参照して、登録ユーザーUが店舗200の任意の商品Zをチェックしたことを行動履歴11Bに記録するときの商業施設内情報システム100の動作について説明する。
【0098】
カメラ21が出力する画像に基づいて、ユーザーUが店舗200の商品Zに触れたことを画像処理部22が検出したとする(ステップS21)。このとき、画像処理部22は、その画像の撮影時刻t1を記録する(ステップS22)。
【0099】
次に、カメラ21が出力する別の画像に基づいて、ユーザーUが商品Zから手を離したことを画像処理部22が検出したとする(ステップS23)。このとき、画像処理部22は、その画像の撮影時刻t2を記録する(ステップS24)。
【0100】
次に、画像処理部22は、差t2-t1を求めて、予め定められた閾値tdと比較する(ステップS25)。差t2-t1が閾値tdよりも大きい場合、画像処理部22は、ユーザーUが商品Zをチェックしたと判定する。そして、画像処理部22は、通信部23を介して、ユーザーUが商品をチェックした旨のメッセージと共に、商品Zを含む画像を管理サーバー1に送信する(ステップS26)。
【0101】
管理サーバー1において、データ収集部14が画像を受信する(ステップS27)と、データ抽出部15が、受信した画像に基づいて、ユーザーUがチェックした商品、即ち、商品Zを識別する(ステップS28)。即ち、データ抽出部15は、受信した画像と、その画像の送信元である店舗200の商品の商品画像13Aとを比較することにより、商品Zを特定する。
【0102】
この識別結果を受けて、データ抽出部15は、ユーザーUが店舗200で商品Zをチェックしたことを、行動履歴11Bとして記録する(ステップS29)。
【0103】
以後、ユーザーUが店舗200に滞在する間、ステップS21~S29を繰り返す。ここで記録される商品Zが、図7において「商品名」セルに記載されている5点の商品、即ち、「長袖ブラウス」、「鞄」、「靴」、「帽子」、「ジーンズ」それぞれに対応する。図6図7の例では、ユーザーは、店舗○○に入店(10時40分)してから退店(11時)するまでの間に、これら5点の商品をチェックしたと行動履歴11Cに記録されたことになる。
【0104】
次に、ユーザーUが携帯端末3で自分の行動履歴を確認するときの商業施設内情報システム100の動作について図13を参照して説明する。
【0105】
携帯端末3において、ユーザーUが入力部33を操作して、ユーザーアプリ37を起動すると、以後、制御部31はユーザーアプリ37に従って動作する。まず、制御部31は、表示部32にメニュー画面50を表示する(ステップS31)。次に、ユーザーUが、入力部33により「行動履歴を表示する」ボタン52を選択する操作を行うと、制御部31は、行動履歴処理42に移行する(ステップS32)。行動履歴処理42では、制御部31は、ユーザーUの行動履歴の送信を求める要求を、無線通信部36を用いて管理サーバー1に送信する(ステップS33)。
【0106】
管理サーバー1において、データ収集部14が携帯端末3から要求を受信する(ステップS34)と、データ抽出部15がユーザーUの行動履歴を行動履歴11Bから取得する(ステップS35)。より具体的には、商業施設200内の店舗のうち、ユーザーUがその日に入退店した各店舗への入店時刻、退店時刻、店舗名、チェックした商品の点数を含む情報(以下、この情報を入退店履歴と記す)を行動履歴11Bから取得する。行動履歴11Bから取得した、ユーザーUの入退店履歴をデータ収集部14が携帯端末3に送信する(ステップS36)。
【0107】
携帯端末3に戻って、無線通信部36がユーザーUの入退店履歴を受信する(ステップS37)と、制御部31は、その受信した入退店履歴を表示部32に表示する(ステップS38)。このときの画面の例が図6である。この画面を見ることにより、ユーザーUは、自分が商業施設200内のどの店舗に何時から何時までいたのかを確認することができる。
【0108】
入退店履歴の表示後、ユーザーUが希望する場合には、各店舗で自分がチェックした商品を確認することができる。このときの商業施設内情報システム100の動作について図14を参照して説明する。
【0109】
ステップS38と同様に、表示部32が入退店履歴を表示している(ステップS41)。この状態から、ユーザーUが、入力部33を用いて、チェックした商品の履歴を確認したい店舗の「チェックした商品」セルに記載されている、リンク「詳細を表示」を指定する操作を行う。この操作に応じて、制御部31は、指定した店舗においてユーザーUがチェックした商品の情報(以下、この情報をチェック商品履歴と記す)を、無線通信部36を介して管理サーバー1に要求する(ステップS42)。
【0110】
管理サーバー1では、データ収集部14がこの要求を受信する(ステップS43)と、選択した店舗におけるユーザーUのチェック商品履歴を、データ抽出部15が行動履歴11Bから取得する(ステップS44)。データ収集部14は、チェック商品履歴を携帯端末3に送信する(ステップS45)。
【0111】
携帯端末3に戻って、チェック商品履歴を無線通信部36が受信する(ステップS46)と、制御部31は、例えば図7のようなチェック商品履歴を表示部32に表示する(ステップS47)。
【0112】
チェック商品履歴を表示した後、ユーザーUが希望する場合、チェック商品履歴に表示した商品や、その商品に類似した商品の情報を閲覧することができる。このときの商業施設内情報システム100の動作について図15を参照して説明する。
【0113】
ステップS48と同様に、表示部32がチェック商品履歴を表示している(ステップS51)。この状態から、ユーザーUが、入力部33を用いて、商品詳細情報を閲覧したい商品の「商品名」セルに記載されている、リンク「詳細を表示」を指定する操作を行う。ここで、ユーザーUが商品Dを指定したとする。この操作に応じて、制御部31は、商品Dの商品詳細情報を、無線通信部36を介して管理サーバー1に要求する(ステップS52)。ここでは、商品詳細情報とは、その商品を販売している店舗名、商品名、金額、カラー、サイズ、在庫数を含む。
【0114】
管理サーバー1では、データ収集部14がこの要求を受信する(ステップS53)と、商品Dの商品詳細情報を、データ抽出部15が商品情報13から取得する(ステップS54)。データ収集部14は、その商品詳細情報を携帯端末3に送信する(ステップS55)。
【0115】
携帯端末3に戻って、商品詳細情報を無線通信部36が受信する(ステップS56)と、制御部31は、例えば図8のような商品詳細情報を表示部32に表示する(ステップS57)。
【0116】
この状態から、ユーザーUが、商品Dに類似した商品の閲覧を希望したとする。このとき、ユーザーUは、入力部33を用いて「類似商品を見る」ボタン81を操作する。この操作に応じて、制御部31は、商品Dに類似する各商品の商品詳細情報(以下、類似商品情報と記す)を管理サーバー1に要求する(ステップS58)。
【0117】
管理サーバー1では、データ収集部14がこの要求を受信する(ステップS59)と、商品Dに類似した商品の商品詳細情報を、データ抽出部15が商品情報13から取得する(ステップS60)。商品Dに類似した商品はひとつとは限らず、複数存在していてもよい。類否判定の手法としては、上述のように、各商品の商品詳細情報にその商品に類似した商品の商品識別番号を関連付けて記録しておくことが考えられる。
【0118】
ここでは、商品R1、R2、R3が類似していたとする。このとき、データ抽出部15は商品情報13から商品R1、R2、R3の商品詳細情報を取得する。データ収集部14は、商品R1、R2、R3の商品詳細情報を携帯端末3に送信する(ステップS61)。
【0119】
携帯端末3に戻って、無線通信部36が管理サーバー1から商品R1、R2、R3の商品詳細情報を受信する(ステップS62)。これに応じて、表示部32が、例えば図9のように、商品D、R1、R2、R3の商品詳細情報をまとめて表示する(ステップS63)。図9では、矩形領域91が商品Dの商品詳細情報を表示している。矩形領域92~94がそれぞれ商品R1~R3の商品詳細情報を表示している。
【0120】
このようにして、ユーザーUは、自分が入店した店舗で実際にチェックした商品の商品詳細情報を、その店舗を離れた後で確認することができる。
【0121】
また、チェックした商品だけではなく、チェックした商品に類似した別商品が商業施設200内にあることも、ユーザーUは知ることができる。商品間の類否判定は、ユーザーUが入店した店舗か否かとは基本的に無関係に行われる。このため、商業施設200においてユーザーUが未訪問の店舗が販売している商品についても、その存在をユーザーUに伝えることができる。例えば、図9の矩形領域93に表示されている商品の店舗「××店」は、図6の入退店履歴によればユーザーUは行ったことがない。しかし、「類似商品を見る」ボタン81を操作することにより、ユーザーUは「××店」がこの商品を販売していることに気付くことができる。
【0122】
以上、本実施の形態によれば、商業施設200の買物客は、携帯端末3を用いて、商業施設200内での自分の行動履歴を後から確認することができる。即ち、買物客は、自分が入退店した店舗を、その店舗を離れた後で確認することができる。その際、買物客は、その店舗への入店時刻、退店時刻、チェックした商品の点数を確認することができる。
【0123】
特に、多数の店舗を収容する大型の商業施設において、様々な店舗を渡り歩くと、買物客は自分が訪れた店舗がどれであったかを忘れてしまう場合がある。こうした場合であっても、本実施の形態によれば、買物客は自分が訪れた店舗を確認することができる。
【0124】
また、買物客は、携帯端末3を用いて、チェックした商品の詳細情報を閲覧することができる。これにより、買物客は、気になった商品を見た店舗がどの店舗であったかを容易に確認することができる。このため、買物客は、気になった商品があった店舗を容易に特定することができる。また、買物客は、各店舗で気になる商品をチェックした後、例えばカフェ、レストラン、休憩所等に移動して、チェックした商品についてゆっくり検討することができる。
【0125】
また、本実施の形態によれば、チェックした商品そのものの商品詳細情報だけではなく、その商品に類似した商品の商品詳細情報をも、買物客は容易に閲覧することができる。買物客が訪れた店舗でチェックしなかった商品や、買物客が訪れていない店舗の商品であっても、類似商品として買物客の携帯端末3に提示する。このため、買物客は商業施設200内で好みの商品を見落とす恐れが低くなる。
【0126】
更に、本実施の形態によれば、買物客の入退店履歴、チェック商品履歴が行動履歴11Bとして管理サーバー1に蓄積される。このため、管理サーバー1の管理者は、行動履歴11Bに基づいて買物客の行動を分析することができる。例えば、管理者は、店舗の配置、商品の配列を決定する際の材料として行動履歴11Bを用いることができる。結果として、管理者は、行動履歴11Bに基づいて、商業施設200全体としての売り上げ増に繋がる様々な施策を検討することができる。
【0127】
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0128】
例えば、商業施設内情報システム100では、店内カメラ2で人物の存在を検知すると、その画像を管理サーバー1に送信して、管理サーバー1で画像内の人物を識別した。
【0129】
このような構成に代わって、店内カメラ2で撮影した画像を全て管理サーバー1に送信し、管理サーバー1で人物の存在の検知及び識別の両方を行うこととしてもよい。このような構成によれば、店内カメラ2の構成を簡素化することができる。
【0130】
或いは、店内カメラ2それぞれで人物の検知及び識別の両方を行うこととしてもよい。このように構成すれば、管理サーバー1の処理負荷を低減し、構成を簡素化することができる。
【0131】
同様に、商業施設内情報システム100では、ユーザーがチェックした商品の識別を管理サーバー1で行った。これに代わって、店内カメラ2で商品の識別を行うこととしてもよい。例えば、各店舗にその店舗の商品の商品画像13Aを格納した記憶装置を配置し、画像処理部22は、カメラ21で撮影した画像と、この記憶装置に格納した商品画像13Aとを比較して、商品を識別することが考えられる。
【0132】
また、商業施設内情報システム100では、ユーザーがチェックした商品を識別する際、予め撮影しておいた商品画像13Aと、店内カメラ2で撮影した画像とを比較して、その比較結果に基づいて識別を行った。
【0133】
このような手法に代わって、別の手法を用いることとしてもよい。例えば次のような手法が考えられる。店舗情報12或いは商品情報13の一部として、商品が店舗内のどの位置に陳列されているのかを予め記録しておく。店内カメラ2で撮影した画像に基づいて、ユーザーの視線方向を推定する。ある商品の陳列位置にユーザーの視線方向が向けられた時間を測定する。測定時間と予め定められた閾値とを比較して、測定時間が閾値を超えた場合、ユーザーはその商品をチェックしたと判定する。
【0134】
また、ユーザーの購入金額に応じたポイントをユーザーに付与する、所謂ポイントプログラムとユーザーアプリ37とを連携させることとしてもよい。ユーザーアプリ37は、個々の携帯端末3を宛先として情報を通知する。このため、第三者に知られることなく、宛先ユーザーのみにポイントを通知することができる。また、ポイントプログラムの運用者からユーザーへの通知、例えば販促クーポンを、ユーザーアプリ37を介してユーザーに送信することとしてもよい。
【0135】
また、上述の商業施設内情報システム100では、ユーザーアプリ37は、管理サーバー1に記録した入退店履歴、チェック商品履歴をそのまま表示した。しかし、ユーザーアプリ37は、入退店履歴に記録された店舗の一部、チェック商品履歴に記録された商品の一部を、表示部32で非表示に設定することができるように構成してもよい。例えば、ユーザーが購入した商品については、図7のチェック商品履歴画面として表示部32に表示する必要性が低い。また、チェック商品履歴画面の閲覧性を良好に保つ上で、表示すべき点数が少ない方が好ましい。
【0136】
上記の実施形態の一部又は全部は以下の付記のようにも記載されうるが、これらに限定されるものではない。
【0137】
(付記1)
一ユーザーに割り当てられた携帯端末、及び、一店舗に少なくともひとつ設置され、当該店舗の店内画像を撮影して、前記店内画像を送信するための店内カメラと通信可能であって、
予め登録された、前記携帯端末を割り当てられたユーザーのユーザー画像に基づいて、前記店内画像に含まれる人物を登録ユーザーとして判定する手段と、
前記登録ユーザーの前記店舗における行動履歴を記録する手段と、
前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記行動履歴に関する情報を前記携帯端末に送信する手段と
を備えるサーバー装置。
【0138】
(付記2)
前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記店舗における前記行動履歴として記録する手段と、
前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記商品のチェックに関する情報を、前記携帯端末に送信する手段と、
を更に備える付記1に記載のサーバー装置。
【0139】
(付記3)
前記携帯端末からの第3の要求に応じて、前記チェックの対象となった商品の商品詳細情報を前記携帯端末に送信する手段を更に備える、付記2に記載のサーバー装置。
【0140】
(付記4)
前記携帯端末からの第4の要求に応じて、前記チェックの対象となった商品に類似した商品の情報を前記携帯端末に送信する手段を更に備える、付記3に記載のサーバー装置。
【0141】
(付記5)
前記店舗は、複数の店舗を収容する商業施設に収容された店舗のひとつであり、
前記複数の店舗のそれぞれに、少なくとも一台の前記店内カメラが設置され、
前記複数の店舗のそれぞれにおける、前記登録ユーザーの前記行動履歴を記録する手段と、
前記携帯端末からの第5の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を前記携帯端末に送信する手段と
を更に備える、付記1乃至付記4のいずれか一項に記載のサーバー装置。
【0142】
(付記6)
一ユーザーに割り当てられた携帯端末と、
一店舗に少なくともひとつ設置され、当該店舗の店内画像を撮影して、前記店内画像を送信するための店内カメラと、
前記携帯端末及び前記店内カメラと通信可能な管理サーバーとを備え、
前記管理サーバーは、
予め登録された、前記携帯端末を割り当てられたユーザーのユーザー画像に基づいて、前記店内画像に含まれる人物を登録ユーザーとして判定する手段と、
前記登録ユーザーの前記店舗における行動履歴を記録する手段と、
前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記行動履歴に関する情報を前記携帯端末に送信する手段と、
を備える、商業施設内情報システム。
【0143】
(付記7)
前記管理サーバーは、
前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記店舗における前記行動履歴として記録し、
前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記商品のチェックに関する情報を、前記携帯端末に送信する、
付記6に記載の商業施設内情報システム。
【0144】
(付記8)
前記管理サーバーは、前記携帯端末からの第3の要求に応じて、前記チェックの対象となった商品の商品詳細情報を前記携帯端末に送信する、付記7に記載の商業施設内情報システム。
【0145】
(付記9)
前記管理サーバーは、前記携帯端末からの第4の要求に応じて、前記チェックの対象となった商品に類似した商品の情報を前記携帯端末に送信する、付記8に記載の商業施設内情報システム。
【0146】
(付記10)
前記店舗は、複数の店舗を収容する商業施設に収容された店舗のひとつであり、
前記複数の店舗のそれぞれに、少なくとも一台の前記店内カメラが設置され、
前記管理サーバーは、前記複数の店舗のそれぞれにおける、前記登録ユーザーの前記行動履歴を記録し、
前記携帯端末からの第5の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を、前記管理サーバーが前記携帯端末に送信する、
付記6乃至付記9のいずれか一項に記載の商業施設内情報システム。
【0147】
(付記11)
一ユーザーに割り当てられた携帯端末、及び、一店舗に少なくともひとつ設置され、当該店舗の店内画像を撮影して、前記店内画像を送信するための店内カメラと通信可能な管理サーバーで実行されて、
予め登録された、前記携帯端末を割り当てられたユーザーのユーザー画像に基づいて、前記店内画像に含まれる人物を登録ユーザーとして判定する手段と、
前記登録ユーザーの前記店舗における行動履歴を記録する手段と、
前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記行動履歴に関する情報を前記携帯端末に送信する手段と
して前記管理サーバーを機能させるためのプログラム。
【0148】
(付記12)
前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記店舗における前記行動履歴として記録する手段と、
前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記商品のチェックに関する情報を、前記携帯端末に送信する手段と、
して前記管理サーバーを更に機能させる、付記11に記載のプログラム。
【0149】
(付記13)
前記携帯端末からの第3の要求に応じて、前記チェックの対象となった商品の商品詳細情報を前記携帯端末に送信する手段として前記管理サーバーを更に機能させる、付記12に記載のプログラム。
【0150】
(付記14)
前記携帯端末からの第4の要求に応じて、前記チェックの対象となった商品に類似した商品の情報を前記携帯端末に送信する手段として前記管理サーバーを更に機能させる、付記13に記載のプログラム。
【0151】
(付記15)
前記店舗は、複数の店舗を収容する商業施設に収容された店舗のひとつであり、
前記複数の店舗のそれぞれに、少なくとも一台の前記店内カメラが設置され、
前記複数の店舗のそれぞれにおける、前記登録ユーザーの前記行動履歴を記録する手段として前記管理サーバーを更に機能させ、
前記携帯端末からの第5の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を前記携帯端末に送信する手段として、前記管理サーバーを更に機能させる、
付記11乃至付記14のいずれか一項に記載のプログラム。
【0152】
(付記16)
管理サーバーに予め登録された、携帯端末のユーザー画像に基づいて、店舗に設置された店内カメラで撮影した店内画像に含まれる人物を、前記管理サーバーが登録ユーザーとして判定し、前記登録ユーザーの前記店舗における行動履歴を、前記管理サーバーが記録する段階と、
前記携帯端末からの第1の要求に応じて、前記行動履歴に関する情報を前記管理サーバーが前記携帯端末に送信する段階と
を含む、行動履歴の提示方法。
【0153】
(付記17)
前記管理サーバーは、前記店内画像に基づいて、前記登録ユーザーが前記店舗内で行った商品のチェックに関する情報を、前記登録ユーザーの前記店舗における前記行動履歴として記録する段階と、
前記携帯端末からの第2の要求に応じて、前記商品のチェックに関する情報を、前記管理サーバーが前記携帯端末に送信する段階と
を更に含む、付記16に記載の行動履歴の提示方法。
【0154】
(付記18)
前記携帯端末からの第3の要求に応じて、前記チェックの対象となった商品の商品詳細情報を、前記管理サーバーが前記携帯端末に送信する段階
を更に含む、付記17に記載の行動履歴の提示方法。
【0155】
(付記19)
前記携帯端末からの第4の要求に応じて、前記チェックの対象となった商品に類似した商品の情報を、前記管理サーバーが前記携帯端末に送信する段階
を更に含む、付記18に記載の行動履歴の提示方法。
【0156】
(付記20)
前記店舗は、複数の店舗を収容する商業施設に収容された店舗のひとつであり、
前記複数の店舗のそれぞれに、少なくとも一台の前記店内カメラが設置され、
前記管理サーバーは、前記複数の店舗のそれぞれにおける、前記登録ユーザーの前記行動履歴を記録し、
前記携帯端末からの第5の要求に応じて、前記複数の店舗における前記登録ユーザーの前記行動履歴に関する情報を、前記管理サーバーが前記携帯端末に送信する、
付記16乃至付記19のいずれか一項に記載の行動履歴の提示方法。
【符号の説明】
【0157】
1 管理サーバー
2 店内カメラ
3 携帯端末
11 ユーザー情報
11A ユーザー画像
11B 行動履歴
12 店舗情報
13 商品情報
13A 商品画像
14 データ収集部
15 データ抽出部
21、34 カメラ
22 画像処理部
23 通信部
31 制御部
32 表示部
33 入力部
35 記録部
36 無線通信部
37 ユーザーアプリ
41 ユーザー登録処理
42 行動履歴処理
43 商品情報処理
44 お気に入り処理
45 ポイント処理
100 商業施設内情報システム
200 商業施設
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15