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特許7149010ゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置
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  • 特許-ゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置 図1
  • 特許-ゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置 図2
  • 特許-ゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】ゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/01 20060101AFI20220929BHJP
   B01D 24/00 20060101ALI20220929BHJP
   B01D 29/00 20060101ALI20220929BHJP
   B01D 29/66 20060101ALI20220929BHJP
   B01D 29/96 20060101ALI20220929BHJP
   B29C 48/694 20190101ALI20220929BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B01D29/04 520B
B01D29/00
B01D29/38 510C
B01D29/04 510B
B01D29/02 D
B29C48/694
B29C45/17
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021080511
(22)【出願日】2021-05-11
【審査請求日】2021-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】521202271
【氏名又は名称】劉 議新
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】劉 議新
【審査官】谷本 怜美
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-37/04
B29C 48/694
B29C 45/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムまたはプラスチックの押出しまたは射出成形機に用いられ、非連続に回転してフィルター上の不純物を逆洗する濾過装置であって、
少なくとも1つの軌道が架設された機台と、
前記機台の軌道に架設され、少なくとも1層のフィルタースクリーンに接続する回転フィルタースクリーンピストンが配設された回転フィルタースクリーンピストンシートと、
前記機台に設けられ、流路圧力センサを有するダイヘッドと、
を備え、
前記回転フィルタースクリーンピストンは、ダイヘッド内の流路に押進されることを特徴とするゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置。
【請求項2】
前記機台は、フィルタースクリーン交換伸縮シリンダーを有し、
前記フィルタースクリーン交換伸縮シリンダーの伸縮アームは、前記回転フィルタースクリーンピストンシートに接続され、伸縮して前記回転フィルタースクリーンピストンを押進し、前記ダイヘッド内の流路に出入りさせることを特徴とする請求項1に記載のゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置。
【請求項3】
前記ダイヘッドは、圧力調整弁および残渣排出弁を有することを特徴とする請求項1に記載のゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置。
【請求項4】
前記回転フィルタースクリーンピストンは、回転フィルタースクリーン駆動ユニットにより回転することを特徴とする請求項1に記載のゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置。
【請求項5】
前記回転フィルタースクリーン駆動ユニットは、圧力モータであることを特徴とする請求項4に記載のゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム・プラスチック押出し造粒/射出装置の分野に関し、特に、ゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム・プラスチック押出し造粒/射出の製造工程において、溶融して液状になった原料フローが含む新しい材料又は回収材料は、混入されている不純物を濾過して取り除く必要があった。実際の経験から分かるように、従来の濾過作業では、フィルタースクリーンを一定時間使用すると、不純物が蓄積して詰まってしまう。それにより圧力が失われると、装置の使用を止めてフィルタースクリーンを交換しなければ濾過作業を続けることはできなかった。そのため、生産効率に悪影響を与えた。
【0003】
従来のフィルタースクリーンは、濾過面積が小さくて詰まり易かったため、フィルタースクリーンの交換頻度が高かった。また、一部のメーカは、濾過面積を増やすために、連続回転式フィルタースクリーン構造を開発した。しかし、実際の使用状況を見ると分かるように、このような連続回転式フィルタースクリーン構造は、常態で連続駆動されるため、エネルギーが多く消費され、原料とフィルター残渣との混合により濾過が困難となり易いという問題があった。そのため、理想的な解決策とは言えなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした現状に鑑み、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、従来技術の問題点を改善し、本発明を完成させた。
本発明の目的は、フィルタースクリーンの濾過面積を増やし、フィルタースクリーンの交換頻度を減らすことができるゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、
ゴムまたはプラスチックの押出しまたは射出成形機に用いられ、非連続に回転してフィルター上の不純物を逆洗する濾過装置であって、
少なくとも1つの軌道が架設された機台と、
前記機台の軌道に架設され、少なくとも1層のフィルタースクリーンに接続する回転フィルタースクリーンピストンが配設された回転フィルタースクリーンピストンシートと、
前記機台に設けられ、流路圧力センサを有するダイヘッドと、
を備え、
前記回転フィルタースクリーンピストンは、ダイヘッド内の流路に押進されることを特徴とする、ゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明のゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置は、以下(1)および(2)の効果を有する。
(1)回転フィルタースクリーンピストンが常態で回転しておらず、ダイヘッドの流路の圧力が所定値に達したときに回転し、フィルタースクリーンに詰まった不純物を逆洗し、圧力が所定値まで低下したときに、回転を停止させてから濾過作業を再び行う。そのため、フィルタースクリーンの濾過面積を増やすとともに、非連続式回転によりエネルギーが無駄に消費されることを防ぐ。
(2)機台は、フィルタースクリーン交換伸縮シリンダーを有し、フィルタースクリーン交換伸縮シリンダーの伸縮アームは、回転フィルタースクリーンピストンシートに接続され、伸縮して回転フィルタースクリーンピストンを押進し、ダイヘッドの流路に出入りさせる。そのため、フィルタースクリーンの交換作業を簡便かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置を示す側面図(1)である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置を示す側面図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1および図2を参照する。図1および図2に示すように、本発明の一実施形態に係るゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置は、少なくとも機台1、回転フィルタースクリーンピストンシート2、フィルタースクリーン交換伸縮シリンダー3およびダイヘッド4から構成されてなる。
【0009】
機台1には、少なくとも1つの軌道11が架設される。
【0010】
回転フィルタースクリーンピストンシート2は、機台1の軌道11に架設される。
【0011】
回転フィルタースクリーンピストンシート2には、少なくとも1層のフィルタースクリーン211に接続する回転フィルタースクリーンピストン21が配設される。
【0012】
フィルタースクリーン211は、濾過する原料に応じて網目のサイズおよび層数を選択することができる。
【0013】
回転フィルタースクリーンピストン21は、回転フィルタースクリーン駆動ユニット22により回転される。回転フィルタースクリーン駆動ユニット22は、圧力モータでもよい。
【0014】
回転フィルタースクリーン駆動ユニット22は、回転フィルタースクリーンピストンシート2に配設されてもよい。
【0015】
フィルタースクリーン交換伸縮シリンダー3は、機台1に設けられる。フィルタースクリーン交換伸縮シリンダー3の伸縮アーム31は、回転フィルタースクリーンピストンシート2に接続される。
【0016】
ダイヘッド4は、機台1の一端に設けられる。
【0017】
ダイヘッド4は、圧力調整弁41および残渣排出弁42を有する。ダイヘッド4は、流路圧力センサ43を有する。
【0018】
回転フィルタースクリーンピストン21は、フィルタースクリーン交換伸縮シリンダー3に接続されて伸縮可能であり、回転フィルタースクリーンピストンシート2を押進し、ダイヘッド4の流路44に出入り可能である。
【0019】
図2および図3を参照する。図2および図3に示すように、回転フィルタースクリーンピストン21は、フィルタースクリーン交換伸縮シリンダー3によりダイヘッド4内の流路44に押進されて濾過するが、このとき回転フィルタースクリーンピストン21は回転しない。
【0020】
ダイヘッド4の圧力調整弁41は、開かれて減圧されるとともに、残渣排出弁42を閉じて原料が漏れることを防ぐことができる。
【0021】
濾過を一定時間行い、フィルタースクリーン211が濾過された不純物により詰まり、圧力値が所定値まで上昇したことを、ダイヘッド4内の流路圧力センサ43が検知すると、回転フィルタースクリーンピストン21が回転し始めて、フィルター上の不純物を逆洗する。このとき、ダイヘッド4の残渣排出弁42を開いて圧力調整弁41を閉じるため、ダイヘッド4内の流路44の圧力が高まり、残渣排出弁42からフィルター残渣を排出させる。
【0022】
流路44の圧力が所定値まで下がったことを流路圧力センサ43が検出すると、正常な原料濾過状態に回復し、回転フィルタースクリーンピストン21の回転が停止し、ダイヘッド4の圧力調整弁41を再び開いて減圧するとともに、残渣排出弁42を閉じて原料が漏れることを防ぐ。
【0023】
また、フィルタースクリーン211に対して濾過、逆洗、濾過、逆洗を繰り返しても、流路44内の圧力値が高すぎる状態が続き、上述したステップによっても圧力を下げることができない場合、フィルタースクリーン交換伸縮シリンダー3により回転フィルタースクリーンピストン21をダイヘッド4の流路44から外すだけで、フィルタースクリーンの交換作業を容易かつ迅速に行うことができる。従来の装置のようにフィルタースクリーンを交換する際に装置を分解する必要はない。このとき、ダイヘッド4の圧力調整弁41を開いて減圧し、残渣排出弁42を閉じて原料が漏れることを防ぐことができる。
【0024】
上述したことから分かるように、本発明のゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置は、以下(A)~(E)の長所を有する。
(A)フィルタースクリーンを回転させることにより、フィルタースクリーンの濾過面積を効果的に増やし、フィルタースクリーンの交換頻度を減らし、作業効率を高めることができる。
(B)フィルタースクリーンが詰まったときに自動的に回転させて逆洗することにより、フィルタースクリーンの交換回数を減らすことができる。
(C)非連続式にフィルターを回転させ、逆洗するときだけ回転させることにより消費エネルギーを減らす。
(D)フィルタースクリーンを多層にすることにより、原料の違いに応じてフィルタースクリーンの網目サイズおよび層数を設定し、濾過効果を高める。
(E)回転フィルタースクリーンピストンは、フィルタースクリーン交換伸縮シリンダーの作動により流路に出し入れすることができるため、フィルタースクリーンの交換を容易かつ迅速に行うことができる。
【符号の説明】
【0025】
1 機台
2 回転フィルタースクリーンピストンシート
3 フィルタースクリーン交換伸縮シリンダー
4 ダイヘッド
11 軌道
21 回転フィルタースクリーンピストン
22 回転フィルタースクリーン駆動ユニット
31 伸縮アーム
41 圧力調整弁
42 残渣排出弁
43 流路圧力センサ
44 流路
211 フィルタースクリーン
【要約】
【課題】フィルタースクリーンの濾過面積を増やし、フィルタースクリーンの交換頻度を減らすことができるゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置を提供する。
【解決手段】ゴム・プラスチック押出し射出成形機の非連続回転逆洗濾過装置は、ゴムまたはプラスチックの押出しまたは射出成形機に用いられ、非連続に回転してフィルター上の不純物を逆洗する濾過装置であって、少なくとも1つの軌道11が架設された機台1と、機台1の軌道に架設され、少なくとも1層のフィルタースクリーンを覆う回転フィルタースクリーンピストン21が配設された回転フィルタースクリーンピストンシート2と、機台1に設けられ、流路圧力センサ43を有するダイヘッド4と、を備える。回転フィルタースクリーンピストン21は、ダイヘッド4内の流路44に押進される。
【選択図】図1
図1
図2
図3