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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】有機窒素排水処理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/12 20060101AFI20220929BHJP
   C02F 3/34 20060101ALI20220929BHJP
   C02F 1/28 20060101ALI20220929BHJP
   B01D 21/01 20060101ALI20220929BHJP
   C02F 1/52 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
C02F3/12 A
C02F3/12 N
C02F3/12 H
C02F3/34 101B
C02F3/34 101C
C02F1/28 D
B01D21/01 102
B01D21/01 107
C02F1/52 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021162746
(22)【出願日】2021-10-01
(65)【公開番号】P2022001368
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】202110727236.5
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515190906
【氏名又は名称】南京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】胡海冬
(72)【発明者】
【氏名】施元基
(72)【発明者】
【氏名】任洪強
(72)【発明者】
【氏名】張徐祥
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111138047(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111268799(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104230114(CN,A)
【文献】特開2004-097856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/28、1/52、3/12、3/28-3/34
B01D21/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に直列に接続した微量酸素加水分解酸性化池(1)、2段A/O泥膜混合池(2)、高効率沈殿池(3)、脱窒ろ過池(4)及び活性炭吸着タンク(5)を含み、
前記微量酸素加水分解酸性化池(1)は底部に曝気装置(11)及び多孔式配水・排泥システム(12)があり、中央に汚泥が充填される汚泥床(13)があり、頂部に三角堰(14)の集水溝(15)及び排気管(16)があり、前記集水溝(15)に前記2段A/O泥膜混合池(2)に接続した導流管 一(17)があり、
前記2段A/O泥膜混合池(2)は、A1段(21)、O1段(22)、A2段(23)及びO2段(24)からなり、段ごとに2格子に分けられていて、格子の間及び段の間が隔壁(25)に隔てられていて、隔壁の一側に導水通道としての排水孔(26)、前記A1段(21)及びA2段(23)の池壁の両側に撹拌機(27)、A1段(21)の池壁の上部に導流管 一(17)とつながる入水管 一(28)、池壁の底部に汚泥回流管(29)、前記O1段(22)及びO2段(24)の底部に微孔曝気盤(210)の曝気管道(211)、O2段(24)に浮遊充填材(212)、中央にA1段(21)に接続した内回流管(213)、二次沈殿池に接続した導流管 二(214)、導流管 二(214)の内側にろ過カバー(215)があり、
前記高効率沈殿池(3)は混合ゾーン(31)、凝集ゾーン(32)及び沈殿ゾーン(33)からなり、前記混合ゾーン(31)にポリ硫酸第二鉄投与管(34)及び二次沈殿池の排水口と接続した入水口(35)、中間に撹拌機(36)、底部に凝集ゾーン(32)と接続した導水通道(37)、前記凝集ゾーン(32)にポリアクリルアミド投与管(38)、中央に撹拌機の導流筒(39)があり、導流筒(39)が混合ゾーン(31)と通じている導流管(310)と連接していて、底部に汚泥回流管(311)、前記沈殿ゾーン(33)に傾斜管ユニット(312)、三角堰(14)及び導流管 三(314)の集水溝(315)、底部削泥機(316)及び汚泥濃縮溝(317)、前記汚泥濃縮溝(317)に凝集ゾーン(32)に接続した汚泥回流管(318)及び排泥管(319)があり、
前記脱窒ろ過池(4)の頂部に平行設置した三角堰(14)の逆洗排水溝(42)及び三角堰(14)の排水タンク(44)、逆洗排水溝(42)の底部に逆洗排水管(45)、排水タンク(44)の底部に活性炭吸着タンク(5)と接続した導流管 四(46)、脱窒ろ過池(4)中央に上から下まで順に、ろ過材層(47)、支持層(48)及びろ過板(410)、底部に入水路(411)、前記入水路(411)の両側に逆洗入気管(412)、入水管 二(413)、逆洗入水管(414)及び放空管(415)があり、
前記活性炭吸着タンク(5)の頂部に導流管 四(46)と接続した入水管 三(51)、入水管 三(51)に篩管配水器(52)、中央に吸着層(53)及びろ過板(55)、タンク本体の側面にサンプリング孔(56)及び炭素排出管(57)、底部に排水管(58)がある、
ことを特徴とする有機窒素廃水処理システム
【請求項2】
前記A1段(21)は容積がO1段(22)の43~90%、A2段(23)の容積がO2段(24)の30~56%、A2とO2段の合計容積は、総容積の49~64%に当たることを特徴とする請求項1に記載の有機窒素水処理システム。
【請求項3】
前記傾斜管ユニット(312)の傾斜配管は径が50~100mm、傾きが60°、長さが600~1500mmあることを特徴とする請求項1に記載の有機窒素廃水処理システム。
【請求項4】
前記吸着層(53)に用いられる活性炭顆粒は粒径が0.8~2mm、比表面積が1000~1500m2/g、ヨウ素価が800~1000あることを特徴とする請求項1に記載の有機窒素廃水処理システム。
【請求項5】
下記のステップ
ステップS1:有機窒素廃水に対する1次前処理を行い、1次有機窒素廃水は前処理されてから水質特徴として、COD=300~3000mg/L、全窒素=100~500mg/L、有機窒素の濃度=50~300mg/Lあり、多孔式配水・排泥システム(12)から微量酸素加水分解酸性化池(1)に入り、微量酸素加水分解酸性化池(1)におけるpHが5.0~9.0、汚泥濃度が4.0~8.0g/Lとなるようにし、非溶解性CODが60%以上ある場合、水力の停留時間が2~6hとなり、非溶解性CODが60%以下ある場合、水力の停留時間が4~12h、溶解酸素の濃度が0.2~0.4mg/L、排水の上昇速度が0.5~2m/hとなり、排水が水力及び気泡に推動されて、汚泥床(13)を流れ、活性汚泥と接触して汚染物を分解させ、併せて浮遊顆粒を処理してから、廃水は三角堰(14)を通じて集水溝(15)に入り、集められてから導流管 一(17)を経て流出するようにし、
ステップS2:導流管(17)からの排水が入水管 一(28)を経て2段A/O泥膜混合池(2)のA1段(21)に入るようにし、2段A/O泥膜混合池(2)にある汚泥の濃度が3.5~4.5g/L、汚泥の停留時間が15~20dとなるように調整を行い、水力の停留時間が6~9h、溶解酸素の濃度が0.2~0.5mg/LとなるようにA1段(21)及びA2段(23)を調整し、水力の停留時間が10~14h、溶解酸素の濃度が2.5~4.0mg/LとなるようにO1段(22)を調整し、水力の停留時間が16~20h、溶解酸素の濃度が3.0~6.0mg/LとなるようにO2段(24)を調整するとともに、O2段(24)にある泥水混合液は内回流管(213)を経てA1段(21)まで回流し、内回流比が200~400%となり、排水は処理されてからO2段(24)にある導流管 二(212)から二次沈殿池に入り、泥と水との分離を行い、沈殿後、汚泥の一部が汚泥回流管(28)を経てA1段(21)まで回流し、汚泥回流比が60~100%あり、残った分が排泥管を経て排出するようにし、
ステップS3:二次沈殿池にある排水が入水口(35)を経て高効率沈殿池(3)に入り、混合ゾーン(31)における水力の停留時間が2.0~3.5min、撹拌機(36)の速度段階が300~500L/s、ポリ硫酸第二鉄の濃度が50~120mg/L、凝集ゾーン(32)の水力の停留時間が7~10min、導流筒(39)における速度が0.4~1.2m/s、導流筒以外における速度が0.1~0.3m/s、撹拌機の速度段階が75~250L/s、ポリアクリルアミドの濃度が0.6~2.0mg/L、沈殿ゾーン(33)における汚泥の濃縮時間が5~10h、傾斜管ユニット(312)の表面負荷が12~25m3/(m2・h)となるように調整し、それと同時に、濃縮タンク(317)にある汚泥は汚泥回流管(311及び318)を経て凝集ゾーン(32)まで回流し、回流比が2~10%あり、排水は傾斜管ユニット(312)を経て浅層沈殿を行ってから集水溝(315)に入り、最後に導流管 三(314)を経て流出するようにし、
ステップS4:導流管 三(314)にある排水が入水管 二(413)を経て脱窒ろ過池(4)の入水路(411)に入り、脱窒ろ過池(4)の容積負荷が0.5~3.0kg/(m3・d)、水力の停留時間が15~20min、ろ過速度が10~15m/hとなるように調整し、ろ過材層(47)により排水の生分解及びろ過が行われてから、逆洗排水溝(42)に入り、排水の一部が逆洗排水管(45)を経て入水路(411)に入るようにして、それに対する逆洗を行い、逆洗周期が24~48h、水による流洗強さが15~25m3/(m2・h)、空気による流洗強さが90~150m3/(m2・h)、逆洗時間が10~20minとなるように調整し、残った排水が排水タンク(44)の導流管 四(46)を経て排出するようにし、
ステップS5:導流管 四(46)にある排水が入水管 三(51)を経て活性炭吸着タンク(5)に入り、活性炭吸着タンク(5)におけるろ過速度が5~10m/h、操作圧力が0.1~0.3MPaとなり、廃水が吸着層(53)に吸着、ろ過されてから排水管(58)を経て排出、或いは、リサイクルされるようにする
を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のシステムで有機窒素廃水処理を行うための有機窒素廃水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は下水処理技術分野、具体的に、有機窒素排水処理システム及び方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
有機窒素排水とは製薬、紡績のような工業生産の過程に生じた排水及び廃液を指し、生産の過程に生じた中間産出物、副産出物及び水と伴って流失する工業原料及び製品などの窒素含有の有機汚染物を含み、主な特徴が有機窒素成分の高い割合にある。従来、主に「嫌気性法+好気性法」のような従来の生物法で有機窒素排水を処理してきたが、その方法は嫌気段で分解し難い汚染物を分解させてその生化学の性質を向上させてから好気性段で大部分の汚染物及び栄養物質を除去し、最終に汚染物の一部の削減及び排出に達成するものであるが、有機窒素の成分が様々であり、生物的利用可能性が低いので、有機窒素排水にある有機窒素分子の除去力が有限であり、排水CODが一般的に150~300mg/L、全窒素が一般的に50~60mg/Lにあり、水汚染物の排出に対する業界の需要を満たすことができない上、更に工業用再生水の標準を満たすこともできない。よって、有機窒素除去は有機窒素排水の認可排出及びリサイクルを制約する要因の一となっている。
【0003】
なお、高極性・高不飽度の溶解性有機窒素分子がたくさんあるので、有機窒素排水に高い生物学的毒性があり、これらの溶解性有機窒素分子に対する現状の生物処理技術による削減力が有限であり、有機窒素排水に高い生態学的リスクがある。近年、健康的生活意識の向上に伴って、排水の生態学的毒性に対する規制は汚染物規制政策の重点となってきて、有機窒素排水の包括的な毒性に対する規制も注目されてきた。例えば、中国規格の「発酵系製薬工業水汚染物排出規格」(GB21903-2008)では初めて排水の急性毒性を規制項目にし、その発光細菌の急性毒性(HgCl2毒性等価)を0.07mg/Lまでにした。2019年、「紡績工業水汚染物排出規格(意見聴取稿)」では大型ノミ及び発光細菌急性毒性に関する規制項目を規格に入れた。2021年、中国生態環境省が最近に公布した「電子工業水汚染物排出規格」(GB39731-2020)に2024年からすべての電子工業下水の集中処理施設はゼブラフィッシュの卵に対する急性毒性に関する指標をモニタリングすることと規定した。よって、現在、高い排出規格及びリサイクルの要求に応じて、機窒素排水に関する新規処理技術を開発して有機窒素処理及び毒性削減の効率に関する排水処理技術を向上させ、有機窒素排水の資源化利用の進展を進めることは緊迫なこととなっている。
【0004】
近年、海内外で、多くの学者は有機窒素排水処理技術の開発及び最適化に関する研究を行ってきて、一連の新規技術が発展、応用されてきた。出願番号201811147297.9の中国発明特許は高濃度有機窒素排水の処理技術を開示した。当該技術は嫌気反応により高分子有機物が小分子有機物に分解し、有機窒素がアンモニア態窒素に変わるようにして、排水が第一沈殿池に入りから浮遊物を除去し、上澄みが低酸素池に入る同時に、好気性池で硝化反応による上澄みが低酸素池に回流する。この技術は脱窒により炭素源を利用し、後継ぎの硝化反応によるCOD負荷を軽減できる上、硝化反応による硝酸態窒素も利用できるが、生物学的脱窒効果のみを強化するものであり、生分解し難い大量の有機窒素成分に対する効果を顕著に強化するものではなく、有機窒素排水の毒性削減及び資源化利用に達成できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】中国特許出願番号201811147297.9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
毒性削減、排水の認可排出及びリサイクルの需要に達成できないというような現状の有機窒素排水処理技術に関する課題を解決するために、本発明による有機窒素排水処理システム及び技術は有機窒素排水の高標準排出及びリサイクルに関する需要を満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は下記のことを特徴とする有機窒素排水処理システムを提供する。順序に直列に接続した微量酸素複合式加水分解酸性化反応器、2段A/O泥膜混合池、高効率沈殿池、脱窒ろ過池及び活性炭吸着タンクを含み、
【0008】
微量酸素加水分解酸性化池は底部に曝気装置及び多孔式配水・排泥システム、頂部に三角堰の集水溝及び排気管、集水溝に前記の2段A/O泥膜混合池までに接続した導水管 一がある。
【0009】
2段A/O泥膜混合池はA1段、O1段、A2段、O2段からなり、段ごとに2格子に分けられていて、格子の間及び段の間が隔壁に隔てられていて、隔壁の一側に導水通道としての排水孔、A1段及びA2段池壁の両側に撹拌機、A1段池壁の上部に導水管 一とつながる入水管 一、池壁の底部に汚泥回流管、O1段及びO2段の底部に微孔曝気盤の曝気管道、O2段に浮遊充填材、池壁の上部にA1段までに接続した内回流管及び二次沈殿池までに接続した導流管 二、導流管 二の内側にフィルターがある。ここでいう「A/O」は、「Anoxic/Oxic」、すなわち「嫌気/好気」を意味し、「/」は、「A(嫌気)」と「O(好気)」が組み合わされたことを意味する。
【0010】
高効率沈殿池は混合ゾーン、凝集ゾーン及び沈殿ゾーンからなり、混合ゾーンの上部にポリ硫酸第二鉄投与管及び二次沈殿池の排水口と接続した入水口、中間格子に撹拌機、底部に凝集ゾーンと接続した導水通道、凝集ゾーンの上部にポリアクリルアミド投与管、中央に撹拌機の導流筒があり、導流筒が導水配管により混合ゾーン及び底部汚泥回流管と接続し、沈殿ゾーンの上部に傾斜管ユニット、三角堰及び導水管 三の集水溝、底部削泥機及び汚泥濃縮溝、濃縮タンクに凝集ゾーンに接続した汚泥回流管及び排泥管がある。
【0011】
脱窒ろ過池は頂部に平行した三角堰の逆洗排水溝及び三角堰の排水タンク、逆洗排水溝の底部に逆洗排水管、排水タンクの底部に活性炭吸着タンクと接続した導流管 四、中央に上から下まで順序にろ過材層、支持層及び長柄ろ過頭のろ過板、底部に入水路、入水路の両側に逆洗入気管、入水管 二、逆洗入水管及び放空管がある。
【0012】
活性炭吸着タンクは頂部にマンホール及び導水配管と接続した入水管 三、入水管 三に多孔配水器、中央に吸着層及び短柄ろ過頭のろ過板、タンク本体の側面にサンプリング孔及び炭素排出管、底部に排水管がある。
【0013】
更に、A1段は容積がO1段の43~90%、A2段は容積がO2段の30~56%、A2+O2段は総容積の49~64%に当たる。
【0014】
本発明による有機窒素排水処理システムは有機窒素工業排水有機窒素の濃度が高く、生分解性が弱いと言うような特徴に応じて設計したものであり、容積パーセンテージにより適切に異なる段階における排水の停留時間を分配し、各段階における2段A/O各段階による処理効果及び有機窒素分子に対する合同除去の働きを確保する。
【0015】
更に、浮遊充填材は三層の中空円筒体であり、全体でプリーツ状を呈し、同心円の格子がブレード格子に支持されて充填材は横断面が梯形の斜面を呈し、比表面積が500~1000m2/m3、外円筒径が20~30mm、充填率が30~50%となるようにする。
【0016】
浮遊充填材の比表面積及び含有量を設置するのは活性汚泥とバイオフィルムとの充分な接触及び硝化細菌グループの濃縮効果を確保してO2段における同期硝化・生物学的脱窒の進展の順調な展開に達成するためからである。
【0017】
更に、傾斜管ユニットは傾斜配管径が50~100mm、傾きが60°、長さが600~1500mmにあるので、凝集剤の充分な沈殿を確保できる。
【0018】
更に、ろ過材層はセラムサイト製ろ過材、粒径が3~5mm、比表面積が4×104~6×104cm2/g、気孔率が少なくとも40%、充填高さが2.5~4m、支持層48は砂利、密度が2.5~2.7g/cm3、厚さが300mmまでにある。
【0019】
ろ過材に関する規定は主にセラムサイトの表面に充分に微生物付着ポジションがあること及び脱窒菌の濃縮効果を確保するためである。支持層は主に水とガスの配分及びろ過材流失の防止に役に立つものである。
【0020】
更に、吸着層に用いられる活性炭顆粒は径が0.8~2mm、比表面積が1000~1500m2/g、ヨウ素価が800~1000にある。
【0021】
この設計は主に活性炭微の孔のパーセンテージ及び小分子有機物に対する除去力を確保するためである。有機窒素工業排水にある小分子有機窒素が前のプロセスで除去され難いので、活性炭吸着は主にそれを処理するためのものである。活性炭の比表面積及びヨウ素価に関する規定は活性炭微孔のパーセンテージ、小分子有機物に対する除去力及び小分子有機窒素に対する活性炭の除去力を確保するためである。
【0022】
本発明は上記のシステムで有機窒素排水処理を行うための下記のステップを含む技術も開示する。
【0023】
ステップS1:有機窒素排水に対する1次前処理を行い、有機窒素排水は前処理されてから水質特徴がCOD=300~3000mg/L、全窒素=100~500mg/L、有機窒素の濃度=50~300mg/Lとなり、多孔式配水・排泥システムから微量酸素加水分解酸性化池に入り、反応器におけるpHが5.0~9.0、汚泥濃度が4.0~8.0g/Lであり、非溶解性CODが60%以上にある場合、水力の停留時間が2~6hとなり、非溶解性CODが60%以下にある場合、水力の停留時間が4~12h、溶解酸素の濃度が0.2~0.4mg/L、排水の上昇速度が0.5~2m/hとなり、排水が水力及びバブルに進められて汚泥床(13)を流れ、活性汚泥と接触して汚染物を分解させ、浮遊顆粒を止め、処理されてから三角堰を通じて集水溝に入り、集められてから導水管 一を経て流出するようにする。
【0024】
ステップS2:導水管 一からの排水が水管を経て2段A/O泥膜混合池のA1段に入るようにし、2段A/O泥膜混合池にある汚泥の濃度が3.5~4.5g/L、汚泥の停留時間が15~20d、A1段及びA2段における水力停留時間が6~9h、溶解酸素の濃度が0.2~0.5mg/L、水力の停留時間が10~14hとなるように調整し、溶解酸素の濃度が2.5~4.0mg/LとなるようにO1段、水力の停留時間が16~20h、溶解酸素の濃度が3.0~6.0mg/LとなるようにO2段を調整する。それと同時に、O2段にある泥水混合液は内回流管を経てA1段まで回流し、内回流比が200~400%となる。排水は処理されてからはO2段の上部導流管 二を経て二次沈殿池に入り泥と水との分離を行い、沈殿してから汚泥の一部が汚泥回流管を経てA1段まで回流し、汚泥回流比が60~100%あり、残った分が排泥管を経て排出するようにする。
【0025】
ステップS3:二次沈殿池にある排水が入水口を経て高効率沈殿池に入るようにし、水力の停留時間が2.0~3.5min、撹拌機の速度階段が300~500L/s、ポリ硫酸第二鉄の濃度が50~120mg/Lとなるように混合ゾーン、凝集ゾーン水力の停留時間が7~10min、導流筒における速度が0.4~1.2m/s、導流筒以外における速度が0.1~0.3m/s、撹拌機の速度階段が75~250L/s、ポリアクリルアミドの濃度が0.6~2.0mg/L、汚泥の濃縮時間が5~10h、傾斜管ユニットの表面負荷が12~25m3/(m2・h)となるように沈殿ゾーンを制御する。それと同時に、濃縮タンクにある汚泥は汚泥回流管を経て凝集ゾーンまでに回流し、回流比が2~10%にあり、排水は傾斜管ユニットを経て浅層沈殿を行ってから集水溝に入り、最後に導水管 三を経て流出するようにする。
【0026】
ステップS4:導水管 三にある排水が入水管 二を経て脱窒ろ過池の入水路に入り、脱窒ろ過池の容積負荷が0.5~3.0kg/(m3・d)、水力の停留時間が15~20min、ろ過速度が10~15m/hとなり、排水がろ過材層により生分解及びろ過を行われてから逆洗排水溝に入り、排水の一部が逆洗排水管を経て入水路に入るようにしてそれに対する逆洗を行い、逆洗周期が24~48h、水による流れ洗い強さが15~25m3/(m2・h)、空気による流れ洗い強さが90~150m3/(m2・h)、逆洗時間が10~20minとなり、残った排水が排水タンクの導流管 四を経て排出するようにする。
【0027】
ステップS5:導流管 四にある排水が入水管 三を経て活性炭吸着タンクに入り、活性炭吸着タンクにおけるろ過速度が5~10m/h、操作圧力が0.1~0.3MPaとなり、排水が吸着層に吸着、ろ過されてから排水管を経て排出、リサイクルされるようにする。
【発明の効果】
【0028】
従来の技術相と比べてみると、本発明は有益な効果が次のとおりである。
(1)本発明による有機窒素排水処理システム及び技術は効率的に有機窒素排水にある有機窒素分子を除去したり、排水の毒性を軽減したりすることができ、毒性削減力に乏しく、排水が認可排出及びリサイクルに達成できないという従来の処理技術缺にある課題を解決したものである。
【0029】
(2)本発明は微量酸素加水分解酸性化池を利用し、従来の加水分解酸性化池の内部に曝気装置を追加し、加水分解酸性化の周囲が微量酸素の状態(溶解酸素の濃度0.2~0.4mg/L)にあるようにする。前期の実験と研究に証明されたように、微量酸素条件は加水分解酸性化池中細菌の代謝機能を強化したり、細胞外酵素の発生を促したりして有機窒素排水にある有機窒素分子に対するアンモニア化力を強化したり、有機窒素排水の生分解性を向上させたりすることができる。なお、進入する酸素ガスは水利条件を改善して有機窒素排水が汚泥床にある活性汚泥と充分に混合し、有機窒素分子に対する汚泥の加水分解と吸着の働きを強化するようにすることもできる。
【0030】
(3)本発明は2段A/O泥膜混合池を利用するので、処理効率が高く、脱窒性能が良く、稼働が安定であり、負荷に強い。なお、O2段に浮遊充填材を入れて泥膜混合技術を形成して顕著に反応池にある生物量及び微生物の種類を多くし、充填材の表面で硝化菌を濃縮させ、より一歩に生分解・脱窒機能を強化したものである。
【0031】
(4)本発明は高度な処理段で高効率沈殿池、脱窒ろ過池及び活性炭吸着タンクなど一連の組合せ処理技術を利用し、硝酸態窒素及び有機窒素などの有機汚染物に対して高度な処理を行い、有機窒素排水の毒性削減、認可排出及びリサイクルの目標に達成したものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明実施形態の有機窒素排水の処理システムのプロセスチャートである。
図2】本発明実施形態の微量酸素加水分解酸性化池の断面図である。
図3】本発明実施形態の2段A/O泥膜混合池の平面図である。
図4】本発明実施形態の高効率沈殿池の断面図である。
図5】本発明実施形態の脱窒ろ過池の断面図である。
図6】本発明実施形態の活性炭吸着タンクの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に実施形態と結び合わせて本発明について更に説明する。但し、本発明の請求項はこれに限るものではない。
【実施例1】
【0034】
この実施形態ではある農薬化工団地にある排水処理工場にある実際な処理装置を利用した。当該処理装置は処理量が20000m3/dであり、水質特徴として、COD平均値が329mg/L、全窒素平均値が121mg/L、有機窒素の濃度平均値が56mg/L、発光菌の急性毒性(HgCl2毒性等価)が0.16mg/Lにあり、毒性区分標準に従う高毒廃水に適する。
【0035】
この廃水処理システムは、その構成が図1のとおりであり、順序に直列に接続した、微量酸素加水分解酸性化池1、2段A/O泥膜混合池2、高効率沈殿池3、脱窒ろ過池4及び活性炭吸着タンク5を含む。
【0036】
図2に示すとおりに、微量酸素加水分解酸性化池1の底部に曝気装置11及び多孔式配水・排泥システム12があり、中央に汚泥が充填され形成される汚泥床13が設けられ、頂部に三角堰14の集水溝15及び排気管16、集水溝15に前記2段A/O泥膜混合池2までに接続した導水管 一(17)がある。
【0037】
図3に示すとおりに、2段A/O泥膜混合池2はA1段21、O1段22、A2段23、O2段24からなり、段ごとに2格子に分けられていて、格子の間及び段の間が隔壁25に隔てられていて、隔壁の一側に導水通道としての排水孔26があり、前記のA1段21及びA2段22の池壁の両側に撹拌機27、A1段21の池壁の上部に導水管 一(17)と接続した入水管 一(28)、池壁の底部に汚泥回流管29、前記のO1段22及びO2段24の底部に微孔曝気盤210の曝気管道211、O2段24に浮遊充填材212、中央にA1段21に至るまで接続した内回流管213、二次沈殿池まで接続した導流管 二(214)、導流管 二(214)の内側にろ過網カバー215がある。浮遊充填材212は三層の中空円筒体であり、全体でプリーツ皺を呈し、同心円の格子がブレード格子に支持されて充填材は横断面が梯形の斜面を呈し、比表面積が560m2/m3、外円柱径が20mm、充填率が30%であり、従来の技術を採用したK3浮遊充填材を利用したものである。
【0038】
図4に示すとおりに、高効率沈殿池3は混合ゾーン31、凝集ゾーン32及び沈殿ゾーン33からなり、混合ゾーン31の上部にポリ硫酸第二鉄投与管34及び二次沈殿池の排水口と接続した入水口35、中間に撹拌機36、底部に凝集ゾーン32と接続した導水通道37、凝集ゾーン32の上部にポリアクリルアミド投与管38、中央に撹拌機の導流筒39があり、導流筒39が混合ゾーン31と通じている導流管310と連接していて、底部に汚泥回流管311、沈殿ゾーン33の上部に傾斜管ユニット312、三角堰14及び導水管 三(314)の集水溝315があり、傾斜管ユニット312は斜管直径が50mm、斜管傾角が60°、斜管斜長が600mmである。沈殿ゾーンの底部に削泥機316及び汚泥濃縮溝317、前記の汚泥濃縮溝317に凝集ゾーン32に接続した汚泥回流管318及び排泥管319がある。
【0039】
図5に示すとおりに、脱窒ろ過池4の頂部に平行設置した三角堰14の逆洗排水溝42及び三角堰14の排水タンク44、逆洗排水溝42の底部に逆洗排水管45、排水タンク44底部に活性炭吸着タンク5と接続した導流管 四(46)、脱窒ろ過池4の中央に上から下まで順序にろ過材層47、支持層48及び長柄ろ過頭49のろ過板410があり、ろ過材層47はセラムサイト製ろ過材であり、粒径が3~5mm、比表面積が5.4×104cm2/g、気孔率が62%、充填高さが2.5mであり、支持層48は砂利であり、密度が2.5g/cm3、厚さが150mmである。脱窒ろ過池4は底部に入水路411、入水路411の両側に逆洗入気管412、入水管 二(413)、逆洗入水管414及び放空管415がある。
【0040】
図6に示すとおりに、活性炭吸着タンク5の頂部に導流管 四(46)と接続した入水管 三(51)、入水管 三(51)に篩管配水器52、中央に吸着層53及び短柄ろ過頭54のろ過板55、タンク本体の側面にサンプリング孔56及び炭素排出管57、底部に排水管58がある。
【0041】
上記のシステムで農薬化工排水処理を行うための技術は下記のステップを含む。
【0042】
ステップS1:凝固池沈殿により農薬化工廃水に対する1次前処理を行い、前処理された農薬化工廃水が多孔式配水・排泥システム12から微量酸素加水分解酸性化池1に入るようにし、微量酸素加水分解酸性化池1におけるpHが9.0、汚泥濃度が4.0~6.0g/L、水力の停留時間が5h(非溶解性CODが65%である)、溶解酸素の濃度が0.2~0.3mg/L、廃水の上昇速度が2m/hとなるようにし、廃水が水力及び気泡に推動されて、廃水が汚泥床13を流れ、活性汚泥と接触して汚染物を分解させ、併せて浮遊顆粒を処理してから、廃水は三角堰14を通じて集水溝15に入り、集められてから導水管 一(17)を経て流出するようにする。
【0043】
ステップS2:導水管 一(17)からの廃水が入水管 一(28)を経て2段A/O泥膜混合池2のA1段21に入るようにし、2段A/O泥膜混合池2にある汚泥の濃度が3.5~4.5g/L、汚泥の停留時間が20d、A1段21及びA2段23における水力の停留時間が9h及び6h、溶解酸素の濃度が0.3~0.5mg/L、O1段22における水力の停留時間が10h、溶解酸素の濃度が2.5~4.0mg/L、O2段24における水力の停留時間が20h、溶解酸素の濃度が3.0~5.0mg/Lとなるように調整する同時に、O2段24にある泥水混合液が内回流管213を経てA1段21までに回流し、内回流比が200%である。廃水は処理されてからはO2段24の上部導流管 二(212)から二次沈殿池に入り泥と水との分離を行い、沈殿後、汚泥の一部が汚泥回流管28を経てA1段21まで回流し、汚泥回流比が60%であり、残った分が排泥管を経て排出するようにする。
【0044】
ステップS3:二次沈殿池排水が入水口35を経て高効率沈殿池3に入り、混合ゾーン31における水力の停留時間が2.0min、撹拌機36の速度段階が300L/s、ポリ硫酸第二鉄の濃度が50mg/L、凝集ゾーン32における水力の停留時間が7min、導流筒39における流速が0.4m/s、導流筒以外における速度が0.1m/s、撹拌機の速度段階が75L/s、ポリアクリルアミドの濃度が0.6mg/L、沈殿ゾーン33における汚泥の濃縮時間が5h、傾斜管ユニット312の表面負荷が12m3/(m2・h)となるように調整する同時に、濃縮タンク317内の汚泥が汚泥回流管311及び318を回流し、凝集ゾーン32までに至る。回流比が2%となり、廃水は傾斜管ユニット312を経て浅層沈殿を行った後、集水溝に入り、最後に導水管 三(314)を経て流出するようにする。
【0045】
ステップS4:導水管 三(314)からの排水が入水管 二(413)を経て、脱窒ろ過池4の入水路411に入り、脱窒ろ過池4の容積負荷が0.5kg/(m3・d)、水力の停留時間が15min、ろ過速度が15m/hとなり、廃水がろ過材層47に生分解、ろ過されてから逆洗排水溝42に入り、排水の一部が逆洗排水管45を経て入水路411に入るようにしてから、それに対する逆洗を行い、逆洗周期が48h、水による流洗強さが15m3/(m2・h)、空気による流洗強さが90m3/(m2・h)、逆洗時間が10min、残った排水が排水タンク44に入り導流管 四(46)を経て排出するようにする。
【0046】
ステップS5:導流管 四(46)からの排水が入水管 三(51)を経て活性炭吸着タンク5に入り、活性炭吸着タンク5におけるろ過速度が10m/h、操作圧力が0.3MPaとなり、廃水が吸着層53に吸着、ろ過されてから排水管58を経て最終に排出・リサイクルされるようにする。
【0047】
上記のステップで処理後、この農薬化工団地の廃水はCODが60mg/L以下、全窒素が20mg/L以下、有機窒素の濃度が5mg/L以下となり、他の指標も工業用水(SL368-2006)に関する「再生水質規格」の規定を満たすものとなる。なお、出水発光菌は急性毒性(HgCl2毒性等価)が0.07mg/L以下にあり、毒性区分標準によると、低毒または無毒の廃水となる。
【実施例2】
【0048】
この実施形態では、ある発酵系製薬会社の廃水処理工場の処理力3000m3/dの実際な処理装置を利用した。廃水は水質特徴として、COD平均値が2950mg/L、全窒素平均値が281mg/L、有機窒素の濃度平均値が74mg/L、発光菌の急性毒性(HgCl2毒性等価)が0.29mg/Lにあり、毒性区分標準によると、劇毒廃水となる。
【0049】
この廃水処理システムは構成図1に示すとおりに、順序に直列に接続した微量酸素加水分解酸性化池1、2段A/O泥膜混合池2、高効率沈殿池3、脱窒ろ過池4及び活性炭吸着タンク5を含む。
【0050】
図2に示すとおりに、微量酸素加水分解酸性化池1の底部に曝気装置11及び多孔式配水・排泥システム12があり、中央が汚泥に充填されて汚泥床13となり、頂部に三角堰14の集水溝15及び排気管16、集水溝15に前記の2段A/O泥膜混合池2までに接続した導水管 一(17)がある。
【0051】
図3に示すとおりに、2段A/O泥膜混合池2はA1段21、O1段22、A2段23、O2段24からなり、段ごとに2格子に分けられていて、格子の間及び段の間が隔壁25に隔てられていて、隔壁の一側に導水通道としての排水孔26があり、前記のA1段21及びA2段22池壁の両側に撹拌機27、A1段21池壁の上部に導水管 一(17)と接続した入水管 一(28)、池壁の底部に汚泥回流管29、前記のO1段22及びO2段24の底部に微孔曝気盤210の曝気管道211、O2段24に浮遊充填材212、中央にA1段21までに接続した内回流管213及び二次沈殿池に接続した導流管 二(214)、導流管 二(214)の内側にろ過網カバー215があり、浮遊充填材212は三層の中空円筒体であり、全体でプリーツ皺を呈し、同心円の格子がブレード格子に支持されて充填材は横断面が梯形の斜面を呈し、比表面積が982m2/m3、外円筒径が30mm、充填率が50%である。
【0052】
図4に示すとおりに、高効率沈殿池3は混合ゾーン31、凝集ゾーン32及び沈殿ゾーン33からなり、混合ゾーン31の上部にポリ硫酸第二鉄投与管34及び二次沈殿池の排水口と接続した入水口35、中間に撹拌機36、底部に凝集ゾーン32と接続した導水通道37、凝集ゾーン32の上部にポリアクリルアミド投与管38、中央に撹拌機の導流筒39があり、導流筒39が凝固ゾーン31と通じている導流管310により連接していて、底部に汚泥回流管311、沈殿ゾーン33の上部に傾斜管ユニット312、三角堰14及び導水管 三(314)の集水溝315があり、傾斜管ユニット312は傾斜直径が100mm、斜管傾角が60°、斜管斜長が1500mmでる。沈殿ゾーンの底部に削泥機316及び汚泥濃縮溝317、前記の汚泥濃縮溝317に凝集ゾーン32に接続した汚泥回流管318及び排泥管319がある。
【0053】
図5に示すとおりに、脱窒ろ過池4頂部に平行した三角堰14の逆洗排水溝42及び三角堰14の排水タンク44、逆洗排水溝42の底部に逆洗排水管45、排水タンク44底部に活性炭吸着タンク5と接続した導流管 四(46)、脱窒ろ過池4の中央に上から下まで順序にろ過材層47、支持層48及び長柄ろ過頭49のろ過板410があり、ろ過材層47はセラムサイト製ろ過材であり、粒径が3~5mm、比表面積が4.2×104cm2/g、気孔率が52%、充填高さが4mであり、支持層48は砂利であり、密度が2.7g/cm3、厚さが280mmである。脱窒ろ過池4の底部に入水路411、入水路411の両側に逆洗入気管412、入水管 二(413)、逆洗入水管414及び放空管415がある。
【0054】
図6に示すとおりに、活性炭吸着タンク5の頂部に導流管 四(46)と接続した入水管 三(51)、入水管 三(51)に篩管配水器52、中央に吸着層53及び短柄ろ過頭54のろ過板55、タンク本体の側面にサンプリング孔56及び炭素排出管57、底部に排水管58がある。
【0055】
上記のシステムで発酵系製薬工業廃水の処理を行うための技術は下記のステップを含む。
【0056】
ステップS1:発酵系製薬工業廃水が細い柵及び浮揚タンクを経るようにして1次前処理を行い、前処理された発酵系製薬工業廃水が多孔式配水・排泥システム12を経て微量酸素加水分解酸性化池1に入り、微量酸素加水分解酸性化池1におけるpHが5.0、汚泥濃度が6.0~8.0g/L、水力の停留時間が12d(非溶解性CODが42%である)、溶解酸素の濃度が0.3~0.4mg/L、廃水の上昇速度が0.5m/hとなるようにし、廃水が水力及び気泡に推動され、廃水が汚泥床13を流れ、活性汚泥と接触して汚染物を分解させ、併せて浮遊顆粒処理してから、廃水は、三角堰14を通じて集水溝15に入り、集められてから導水管 一(17)を経て流出するようにする。
【0057】
ステップS2:導水管 一(17)からの排水が入水管 二(28)を経て2段A/O泥膜混合池2のA1段21に入り、2段A/O泥膜混合池2にある汚泥の濃度が3.5~4.5g/L、汚泥の停留時間が15d、A1段21及びA2段23水力の停留時間がそれぞれ6h及び9h、溶解酸素の濃度が0.2~0.4mg/L、O1段22における水力の停留時間が14h、溶解酸素の濃度が2.5~4.0mg/L、O2段24における水力の停留時間が16h、溶解酸素の濃度が4.0~6.0mg/Lとなるように調整する同時に、O2段24にある泥水混合液は内回流管213を経てA1段21まで回流し、内回流比が400%となる。廃水は処理されてからO2段24の上部にある導流管 二(212)から二次沈殿池に入り泥と水との分離を行い、沈殿してから汚泥の一部が汚泥回流管28を経てA1段21まで回流し、汚泥回流比が100%となり、残った分が排泥管を経て排出するようにする。
【0058】
ステップS3:二次沈殿池にある排水が入水口35を経て高効率沈殿池3に入り、混合ゾーン31における水力の停留時間が3.5min、撹拌機36の速度階段が500L/s、ポリ硫酸第二鉄の濃度が120mg/L、凝集ゾーン32における水力の停留時間が10min、導流筒39における速度が1.2m/s、導流筒以外における速度が0.3m/s、撹拌機の速度階段が250L/s、ポリアクリルアミドの濃度が2.0mg/L、沈殿ゾーン33における汚泥の濃縮時間が10h、傾斜管ユニット312の表面負荷が25m3/(m2・h)となるように調整する同時に、濃縮タンクにある汚泥が汚泥回流管311及び318を経て凝集ゾーンまでに回流し、回流比が10%となり、排水が傾斜管ユニット312を経て浅層沈殿を行ってから集水溝315に入り、最後に導水管 三(314)を経て流出するようにする。
【0059】
ステップS4:導水管 三(314)からの排水が入水管 二(413)を経て脱窒ろ過池4の入水路411に入り、脱窒ろ過池4の容積負荷が3.0kg/(m3・d)、水力の停留時間が20min、ろ過速度が10m/hとなり、排水がろ過材層47に生分解、ろ過されてから逆洗排水溝42に入り、排水の一部が逆洗排水管45を経て入水路411に入るようにしてから逆洗を行い、逆洗周期が24h、水による流洗強さが25m3/(m2・h)、空気による流洗強さが150m3/(m2・h)、逆洗時間が20minとなり、残った排水が排水タンク44に入り、導流管 四(46)を経て排出するようにする。
【0060】
ステップS5:導流管 四(46)からの排水が入水管 三(51)を経て活性炭吸着タンク5に入り、活性炭吸着タンク5におけるろ過速度が5m/h、操作圧力が0.1MPaとなり、廃水が吸着層53に吸着、ろ過されてから排水管58を経て最終に排出・リサイクルされるようにする。
【0061】
上記のステップで処理されてから、この発酵系製薬廃水はCODが100mg/L以下、全窒素が50mg/L以下、有機窒素の濃度が10mg/L以下、出水発光菌の急性毒性(HgCl2毒性等価)が0.07mg/L以下となり、各指標が「発酵系製薬工業水汚染物排出規格」(GB21903-2008)の関係規定を満たすものとなる。
【符号の説明】
【0062】
1-微量酸素加水分解酸性化池、11-曝気装置、12-多孔式配水・排泥システム、13-汚泥床、14-三角堰、15-集水溝、16-排気管、17-導流管 一、2-2段A/O泥膜混合池、21-A1段、22-O1段、23-A2段、24-O2段、25-隔壁、26-排水孔、27-撹拌機、28-入水管 一、29-汚泥回流管、210-微孔曝気盤、211-曝気管道、212-浮遊充填材、213-内回流管、214-導流管 二、3-高効率沈殿池、31-混合ゾーン、32-凝集ゾーン、33-沈殿ゾーン、34-ポリ硫酸第二鉄投与管、35-入水口、36-撹拌機、37-導水通道、38-ポリアクリルアミド投与管、39-導流筒、310-導流管 311-汚泥回流管、312-傾斜管ユニット、314-導流管 三、315-集水溝、316-削泥機、317-汚泥濃縮溝、318-汚泥回流管、319-排泥管、4-脱窒ろ過池、42-逆洗排水溝、44-排水タンク、45-逆洗排水管、46-導流管 四、47-ろ過材層、48-支持層、49-長柄ろ過頭、410-ろ過板、411-入水路、412-逆洗入気管、413-入水管 二、414-逆洗入水管、415-放空管、5-活性炭吸着タンク、51-入水管 三、52-篩管配水器、53-吸着層、54-短柄ろ過頭、55-ろ過板、56-サンプリング孔、57-炭素排出管、58-排水管
図1
図2
図3
図4
図5
図6