(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 6/30 20200101AFI20220929BHJP
A61C 7/08 20060101ALI20220929BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
A61K6/30
A61C7/08
C08F290/06
(21)【出願番号】P 2021509195
(86)(22)【出願日】2019-07-05
(86)【国際出願番号】 KR2019008255
(87)【国際公開番号】W WO2020080643
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】10-2018-0123132
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520456114
【氏名又は名称】株式会社グラフィー
【氏名又は名称原語表記】GRAPHY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】シム ウンソブ
【審査官】石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/038056(WO,A1)
【文献】特開平11-079925(JP,A)
【文献】特開昭63-233905(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0342024(US,A1)
【文献】国際公開第2017/223084(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108276948(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 6/00- 6/90
A61C 7/00- 7/36
C08F 290/00-290/14
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式
4で表されるUV硬化ポリウレタンオリゴマーと、
光開始剤と、
シランカップリング剤と、
オリゴマーと、
安定剤とを含
み、
前記安定剤は、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ジエチルエタノールアミン、トリヘキシルアミン、ヒンダードアミン、有機リン酸塩、ヒンダードフェノール、およびこれらの混合物からなる群より選択される、
透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物:
【化1】
【化2】
ここで、
AおよびA’は前記化学式2で表される置換基であり、
n’、m’、o’、p’、q’およびr’は互いに同一または異なり、それぞれ独立して1~100の整数であり、
R
12
およびR
13
は互いに同一または異なり、それぞれ独立して炭素数1~30のアルキルシリル基、炭素数6~30のアリールシリル基、炭素数1~30のアルコキシ基、および炭素数1~20のシクロアルキル基からなる群より選択される。
【請求項2】
前記3Dプリンタ用光硬化型組成物を用いた透明矯正装置は、弾性係数1500N/m
2~2000N/m
2、引張強度40N/m
2~50N/m
2、および曲げ強度45N/m
2~55N/m
2である、
請求項1に記載の透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物。
【請求項3】
前記3Dプリンタ用光硬化型組成物を用いた透明矯正装置は、40℃~80℃の範囲で元の形状に復元が可能である、
請求項1に記載の透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物。
【請求項4】
前記UV硬化ポリウレタンオリゴマーは、重量平均分子量10000~1000000である、
請求項1に記載の透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物。
【請求項5】
前記光開始剤は下記化学式3で表される化合物である、
請求項1に記載の透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物:
【化3】
ここで、
X1はS、OまたはN(R11)であり、
R9~R11は互いに同一または異なり、それぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換または非置換の炭素数1~30のアルキル基および置換または非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基であり、
前記置換されたアルキル基および置換されたシクロアルキル基は、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~20のシクロアルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~24のアルキニル基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数6~30のアリール基、核原子数5~60のヘテロアリール基、炭素数6~30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1~30のアルコキシ基、炭素数1~30のアルキルアミノ基、炭素数6~30のアリールアミノ基、炭素数6~30のアラルキルアミノ基、炭素数2~24のヘテロアリールアミノ基、炭素数1~30のアルキルシリル基、炭素数6~30のアリールシリル基、および炭素数6~30のアリールオキシ基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一または異なる。
【請求項6】
前記オリゴマーは、エポキシアクリレートオリゴマー、H12ジアンジグリシジルエーテル(4,4’-(1-メチルエチリデン)ビス(シクロヘキサノール)、(クロロメチル)オキシランを有するポリマー)およびこれらの混合物からなる群より選択される、
請求項1に記載の透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか1項に記載の3Dプリンタ用光硬化型組成物を含む、
透明矯正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物に関するもので、より具体的には、3Dプリンタ用光硬化型組成物として、矯正装置が透明材質で構成され外部から容易に視認されず、熱によって元の形状に復元され、使用による状態変化にも容易に元の形状に復元して再利用できる透明矯正装置の製造が可能な3Dプリンタ用光硬化型組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、不均一な歯列、不正咬合、および顔面突出は、歯や顎骨の発育異常、歯に影響を与える悪しき習慣または遺伝などが原因で、歯および口腔顎顔面部位が定位置で正しく成育できずして発生する。歯列および口腔の構造は、人の印象を決める要因として作用し、食物の粉砕機能を低下させる原因となるので、歯の矯正への関心は日々増加している。
【0003】
歯の矯正治療は、歯が、ある力を受けると移動する性質を利用する。歯の矯正のために最も広く使用されているのは、ブラケットを歯に付けて矯正用ワイヤとゴム紐などの弾力を利用して歯を移動させる固定式治療方法である。ブラケットは、金属製のものが一般的であるが、治療期間中に目立つという欠点がある。
【0004】
このような欠点を解決するために、透明矯正方法が提案されている。透明矯正は、矯正前の歯の状態から望ましい歯の状態へと矯正を段階的に変化する透明な歯の矯正装置を製作し、これを歯に付け替えながら歯列を矯正する施術である。
【0005】
具体的に、透明矯正装置による施術は、1997年に開発されたものとして、「Invisalign(登録商標)システム」という名前で、米国の「Align Technology」社が開発した歯の矯正装置であり、特許文献2と特許文献3などにその技術内容が開示されている。
【0006】
「Invisalign(登録商標)システム」は、歯に対する三次元スキャンデータを特殊なプログラムを使用してコンピュータ上で歯を一つずつ切り、仮想シミュレーションにより、最終的に歯が移動するべき位置まで段階別に20対~30対の模型を作成して、それぞれの模型別に歯の移動が可能な透明なプラスチック枠を製作して、患者に分け与えるものである。
【0007】
「Invisalign(登録商標)システム」の特徴としては、用意された一連のプラスチック枠状の歯の矯正装置を段階別に歯に嵌め込むことにより、矯正されるべき歯を少しずつ最終目標点に移動させ、前記プラスチック枠が透明な材質で作られ外部から容易に視認されないため、矯正患者の日常的な社会生活に大きく役立てることができ、また、患者が必要に応じて矯正装置を着脱できることが挙げられる。
【0008】
しかし、透明矯正装置は、前述のブラケットによる固定式矯正装置に比べて、前記のような利点があるにもかかわらず、患者に加えられる痛みが少なくないのが実情である。
【0009】
つまり、このような透明矯正治療は、審美性を担保するための材料の特性上、硬質のシートを用いて歯の配列を誘導することとなるので、硬質材料の特性上、透明矯正装置が硬いので患者に加えられる痛みが少なくない。
【0010】
また、透明矯正装置が有する多くの利点にもかかわらず、固定式矯正装置より劣る点は、歯の移動時に装置が上手く合わないと、装置が上手く安着できず望ましい歯の移動が難しい。特に、透明矯正装置を用いて歯を矯正する場合、意図せずに歯が傾く現象が発生するようになる。
【0011】
歯が傾く現象が続くと、歯はますます傾いたり、ひどい場合、隣接する歯根とぶつかって歯根吸収を起こしたりもして、最初に製作した透明矯正器具が合わなくなり、しまいには透明矯正器具を再製作する手間と、コストの発生および矯正治療期間の増加につながるという問題がある。
【0012】
一方、従来の透明矯正器具を用いて歯を回転させたり、挺出、押下、そして歯軸を正しく立たせたりするときは、透明矯正器具にそれぞれの矯正効果を向上させ得る付加的なアタッチメントを歯面に付けて使用する。
【0013】
この場合、アタッチメントは見た目もきれいではないが、歯に2つの矯正作用、例えば回転と押下をともにしたり、回転と挺出をともにしたりして矯正するとなると、アタッチメントを1つの歯に複数付ける必要がある。このように複数のアタッチメントが歯に付着した状態では、透明矯正器具を着脱するのがさらに難しいという欠点がある。また、歯への着脱時に変形を誘発しやすく、アタッチメントが外れやすくなる。
【0014】
透明矯正装置は、外部から容易に視認されないため、矯正患者の日常的な社会生活に大きく役立てることができ、また、患者が必要に応じて矯正装置を着脱できるという点で利点があるが、前記のように、硬質である材料特性上、透明矯正装置が硬いため、患者に加えられる痛みが大きいという問題があり、装置が上手く安着できず望ましい歯の移動が難しく、透明矯正装置が合わなくなると、透明矯正装置を再製作しなければならないという問題が提起された。
【0015】
このような問題を解決するために、透明矯正装置の製造のための材料の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】韓国登録特許第10-1822151号公報
【文献】米国特許第5,975,893号明細書
【文献】米国特許第6,217,325号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物を提供するものである。
【0018】
本発明の他の目的は、熱的性質、強度、弾性率、および伸び率のような物理的特性に優れ、患者カスタムメイド透明矯正装置として利用する際、患者の苦痛を低減し、歯の構造に安着され歯の矯正効果を高め得る3Dプリンタ用光硬化型組成物を提供するものである。
【0019】
本発明のまた他の目的は、使用により元の形状が変形されても、形状復元が可能な3Dプリント透明矯正装置を製造し得る3Dプリンタ用光硬化型高分子組成物に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記目的を達成するために、本発明の一実施例による透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物は、下記化学式1で表されるUV硬化ポリウレタンオリゴマーと、光開始剤と、シランカップリング剤と、オリゴマーと、安定剤とを含む。
【0021】
【0022】
ここで、
AおよびA’は前記化学式2で表される置換基であり、
n、m、o、p、qおよびrは互いに同一または異なり、それぞれ独立して1~100の整数である。
【0023】
また、L1およびL2は互いに同一または異なり、それぞれ独立して置換または非置換の炭素数1~200のアルキレン基、置換または非置換の炭素数6~200のアリーレン基、置換または非置換の核原子数5~200のヘテロアリーレン基および置換または非置換の炭素数3~200のシクロアルキレン基である。
【0024】
また、R1~R8は互いに同一または異なり、それぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換または非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換または非置換の炭素数1~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2~24のアルキニル基、置換または非置換の炭素数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素数5~60のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数6~30のヘテロアリールアルキル基、置換または非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1~30のアルキルアミノ基、置換または非置換の炭素数6~30のアリールアミノ基、置換または非置換の炭素数6~30のアラルキルアミノ基、置換または非置換の炭素数2~24のヘテロアリールアミノ基、置換または非置換の炭素数1~30のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素数6~30のアリールシリル基、および置換または非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基からなる群より選択される。
【0025】
前記置換されたアルキレン基、置換されたアリーレン基、置換されたヘテロアリーレン基、置換されたシクロアルキレン基、置換されたアルキル基、置換されたシクロアルキル基、置換されたアルケニル基、置換されたアルキニル基、置換されたアラルキル基、置換されたアリール基、置換されたヘテロアリール基、置換されたヘテロアリールアルキル基、置換されたアルコキシ基、置換されたアルキルアミノ基、置換されたアリールアミノ基、置換されたアラルキルアミノ基、置換されたヘテロアリールアミノ基、置換されたアルキルシリル基、置換されたアリールシリル基、および置換されたアリールオキシ基は、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~20のシクロアルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~24のアルキニル基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数6~30のアリール基、核原子数5~60のヘテロアリール基、炭素数6~30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1~30のアルコキシ基、炭素数1~30のアルキルアミノ基、炭素数6~30のアリールアミノ基、炭素数6~30のアラルキルアミノ基、炭素数2~24のヘテロアリールアミノ基、炭素数1~30のアルキルシリル基、炭素数6~30のアリールシリル基、および炭素数6~30のアリールオキシ基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一または異なる。
【0026】
前記3Dプリンタ用光硬化型組成物を用いた透明矯正装置は、弾性係数1500N/m2~2000N/m2、引張強度40N/m2~50N/m2、および曲げ強度45N/m2~55N/m2である。
【0027】
前記3Dプリンタ用光硬化型組成物を用いた透明矯正装置は、40℃~80℃の範囲で元の形状に復元が可能である。
【0028】
前記UV硬化ポリウレタンオリゴマーは、重量平均分子量10000~1000000である。
【0029】
前記光開始剤は、下記化学式3で表される化合物である。
【0030】
【0031】
ここで、
X1は、S、OまたはN(R11)であり、
R9~R11は互いに同一または異なり、それぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換または非置換の炭素数1~30のアルキル基、および置換または非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基である。
【0032】
前記置換されたアルキル基および置換されたシクロアルキル基は、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~20のシクロアルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~24のアルキニル基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数6~30のアリール基、核原子数5~60のヘテロアリール基、炭素数6~30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1~30のアルコキシ基、炭素数1~30のアルキルアミノ基、炭素数6~30のアリールアミノ基、炭素数6~30のアラルキルアミノ基、炭素数2~24のヘテロアリールアミノ基、炭素数1~30のアルキルシリル基、炭素数6~30のアリールシリル基、および炭素数6~30のアリールオキシ基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一または異なる。
【0033】
前記オリゴマーは、エポキシアクリレートオリゴマー、H12ジアンジグリシジルエーテル(4,4’-(1-メチルエチリデン)ビス(シクロヘキサノール)、(クロロメチル)オキシランを有するポリマー)およびこれらの混合物からなる群より選択され得る。
【0034】
前記安定剤は、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ジエチルエタノールアミン、トリヘキシルアミン、ヒンダードアミン、有機リン酸塩、ヒンダードフェノール、およびこれらの混合物からなる群より選択され得る。
【0035】
本発明の他の一実施例による透明矯正装置は、前記3Dプリンタ用光硬化型組成物を含み得る。
【0036】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0037】
本発明の3Dプリントは、3Dデジタルデータを利用して、素材を積層して3次元物体を製造するプロセスのことを指す。本明細書では、3Dプリント技術として、DLP(Digital Light Processing)、SLA(Stereo Lithography Apparatus)、およびPolyJet方式を中心に記述するが、他の3Dプリント技術にも適用可能なものとして理解され得る。
【0038】
本発明の光硬化型組成物は、光照射により硬化される物質として、架橋されてポリマー網状構造に重合される高分子のことを言う。本明細書では、UV光を中心に記述するが、UV光に限定されず、他の光に対しても適用可能である。
【0039】
本発明の一実施例による透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物は、下記化学式1で表されるUV硬化ポリウレタンオリゴマーと、光開始剤と、シランカップリング剤と、オリゴマーと、安定剤とを含み得る。
【0040】
【0041】
ここで、
AおよびA’は前記化学式2で表される置換基であり、
n、m、o、p、q、およびrは互いに同一または異なり、それぞれ独立して1~100の整数である。
【0042】
また、L1およびL2は互いに同一または異なり、それぞれ独立して置換または非置換の炭素数1~200のアルキレン基、置換または非置換の炭素数6~200のアリーレン基、置換または非置換の核原子数5~200のヘテロアリーレン基、および置換または非置換の炭素数3~200のシクロアルキレン基である。
【0043】
また、R1~R8は互いに同一または異なり、それぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換または非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換または非置換の炭素数1~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2~24のアルキニル基、置換または非置換の炭素数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素数5~60のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数6~30のヘテロアリールアルキル基、置換または非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1~30のアルキルアミノ基、置換または非置換の炭素数6~30のアリールアミノ基、置換または非置換の炭素数6~30のアラルキルアミノ基、置換または非置換の炭素数2~24のヘテロアリールアミノ基、置換または非置換の炭素数1~30のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素数6~30のアリールシリル基、および置換または非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基からなる群より選択される。
【0044】
前記置換されたアルキレン基、置換されたアリーレン基、置換されたヘテロアリーレン基、置換されたシクロアルキレン基、置換されたアルキル基、置換されたシクロアルキル基、置換されたアルケニル基、置換されたアルキニル基、置換されたアラルキル基、置換されたアリール基、置換されたヘテロアリール基、置換されたヘテロアリールアルキル基、置換されたアルコキシ基、置換されたアルキルアミノ基、置換されたアリールアミノ基、置換されたアラルキルアミノ基、置換されたヘテロアリールアミノ基、置換されたアルキルシリル基、置換されたアリールシリル基、および置換されたアリールオキシ基は、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~20のシクロアルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~24のアルキニル基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数6~30のアリール基、核原子数5~60のヘテロアリール基、炭素数6~30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1~30のアルコキシ基、炭素数1~30のアルキルアミノ基、炭素数6~30のアリールアミノ基、炭素数6~30のアラルキルアミノ基、炭素数2~24のヘテロアリールアミノ基、炭素数1~30のアルキルシリル基、炭素数6~30のアリールシリル基、および炭素数6~30のアリールオキシ基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一または異なる。
【0045】
前記UV硬化ポリウレタンオリゴマーは、重量平均分子量10000~1000000である高分子である。
【0046】
より好ましく、UV硬化ポリウレタンオリゴマーは、下記化学式4で表される化合物である。
【0047】
【0048】
ここで、
AおよびA’は化学式1において定義した通りであり、
n’、m’、o’、p’、q’およびr’は互いに同一または異なり、それぞれ独立して1~100の整数である。
【0049】
また、R12およびR13は互いに同一または異なり、それぞれ独立して炭素数1~30のアルキルシリル基、炭素数6~30のアリールシリル基、炭素数1~30のアルコキシ基、および炭素数1~20のシクロアルキル基からなる群より選択される。
【0050】
より具体的には、UV硬化のために、ポリウレタンオリゴマーに、光硬化官能基が結合された高分子化合物であり、前記光硬化官能基は前記化学式2で表される置換基である。
【0051】
前記化学式2で表される置換基内における炭素同士の二重結合構造を含んでおり、前記炭素同士の二重結合によって光硬化作用を示し得る。
【0052】
また、前記UV硬化ポリウレタンオリゴマーは、主鎖にポリウレタン構造を含み、前記ポリウレタン構造に光硬化官能基が結合され、前記ポリウレタン構造および光硬化官能基間の結合は、ウレタンリンカーにソフトセグメントを結合したリンカーおよびウレタンリンカーにハードセグメントを結合したリンカーを用いる。
【0053】
前記ウレタンリンカーにソフトセグメントを結合したリンカーの場合、ソフトセグメントのフレキシブルな性質をともに利用することができ、ハードセグメントは熱抵抗性(Heat resistant)を示し得る。
【0054】
つまり、UV硬化ポリウレタンオリゴマーに光硬化官能基を結合させ、リンカーとして、ソフトセグメントおよびハードセグメントを利用することにより、常温にて滑らかな性質を有する炭素骨格を利用して、フレキシブル効果を示し得るだけでなく、常温にてハードな性質を有する炭素骨格を利用して、熱に強い性質をともに示し得る。
【0055】
前記UV硬化ポリウレタンオリゴマーは、ハードな性質を有する炭素骨格を含むことにより、熱的性質、強度、弾性率、および伸び率のような物理的特性に優れた3Dプリント出力物を製造し得る。
【0056】
また、UV硬化ポリウレタンオリゴマーは、ソフトな性質を有する炭素骨格を含むことにより、使用により元の形状が変形されても、形状復元が可能な3Dプリント出力物を製造し得る。
【0057】
一般に、3Dプリンタ用組成物は、3Dプリント出力物の物理的な特性を高めるために、ハードな性質を有する炭素骨格のみを含んで、出力物の物理的特性を向上させ得るが、逆に、使用によって形状が変形すると、形状復元が不可であるため、多数回の使用が不可能という問題がある。
【0058】
本発明における3Dプリンタ用組成物は、UV硬化ポリウレタンオリゴマーにハードな性質を有する炭素骨格およびソフトな性質を有する炭素骨格を含むことにより、熱的性質、強度、弾性率、および伸び率のような物理的特性に優れるのみならず、ソフトセグメントのフレキシブルな性質をともに利用し得るので、使用により形状が変形する場合には、形状を復元させ、再利用が可能である。
【0059】
従来、歯の透明矯正装置の場合、歯の微細な移動や、歯の矯正装置の使用に伴う変形により、歯の構造に合わせた矯正装置であるにもかかわらず、時間の経過により、歯の構造に合わなくなるという問題が発生し得る。
【0060】
この際、従来の透明矯正装置は再製作せねばならない問題があるため、時間および経済的な面から大きな損害が発生せざるを得なかった。一方、本願発明の場合は、使用により形状が変形しても、40℃~80℃の範囲で加熱すれば、元の形状に復元が可能である。
【0061】
より具体的に、本願発明の場合、使用によって形状が変形された透明矯正装置を40℃~80℃の温水に入れて5秒~10秒程度経過すると、元の形状に復元が可能である。
【0062】
通常、簡単に入手できる浄水器の温水を利用しても、変形された透明矯正装置の元の状態への復元が可能である。
【0063】
また、3Dプリンタ用組成物がソフトな性質を有する炭素骨格のみを含む場合は、出力物の物理的特性が低いので、出力物として使用可能な程度の熱的性質、強度、弾性率、および伸び率を示せないという問題がある。
【0064】
特に、透明矯正装置として使用するためには、3Dプリントの出力物の物理的特性が高いからこそ、矯正装置としての効果を示し得る。従来の透明矯正装置の場合は、物理的特性が高くないため、歯の矯正装置としての歯の矯正効果が微々たる問題があったが、本発明による3Dプリンタ用組成物を利用すると、引張弾性率1500MPa~2500MPa、曲げ弾性率1000MPa~3500MPa、および引張強度45MPa~90Mpaと、物理的な特性に優れて矯正装置としての優れた矯正効果を示し得る。
【0065】
従来の透明矯正装置は、単に透明な材質で構成され、ユーザーの審美的な面ではメリットであったが、前述のように、硬質である材料特性上、透明矯正装置が硬いため、患者に加えられる痛みが大きいという問題があり、装置が上手く安着できず望ましい歯の移動が難しい問題および透明矯正装置が合わなくなる場合、透明矯正装置を再製作しなければならないという問題がある。
【0066】
一方、本願発明の透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物を用いて透明矯正装置をプリントする場合には、透明な材質で構成され、頑丈な材質の特性により、患者に加えられる苦痛が従来の透明矯正装置に比べて小さく、装置の定着が容易で、物理的特性に優れるので望ましい歯の移動が可能であり、透明矯正装置の変形が発生した場合、別途製作を必要とせず、40℃~80℃の範囲における加熱によって元の形状に復元が可能と言える。
【0067】
前記光開始剤は、下記化学式3で表される化合物である。
【0068】
【0069】
ここで、X1は、S、OまたはN(R11)である。
また、R9~R11は互いに同一または異なり、それぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換または非置換の炭素数1~30のアルキル基および置換または非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基である。
【0070】
前記置換されたアルキル基および置換されたシクロアルキル基は、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~20のシクロアルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~24のアルキニル基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数6~30のアリール基、核原子数5~60のヘテロアリール基、炭素数6~30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1~30のアルコキシ基、炭素数1~30のアルキルアミノ基、炭素数6~30のアリールアミノ基、炭素数6~30のアラルキルアミノ基、炭素数2~24のヘテロアリールアミノ基、炭素数1~30のアルキルシリル基、炭素数6~30のアリールシリル基、および炭素数6~30のアリールオキシ基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一または異なる。
【0071】
より好ましくは、下記化学式5で表される化合物である。
【0072】
【0073】
前記オリゴマーは、エポキシアクリレートオリゴマー、H12ジアンジグリシジルエーテル(4,4’-(1-メチルエチリデン)ビス(シクロヘキサノール)、(クロロメチル)オキシランを有するポリマー)およびこれらの混合物からなる群より選択され得る。
【0074】
より具体的に、エポキシアクリレートオリゴマーは、フェニルエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ビスフェノールAエポキシジ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族アルキルエポキシジ(メタ)アクリレートオリゴマー、および脂肪族アルキルエポキシトリ(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群より1種以上選択される化合物を使用し得る。前記オリゴマーは、有機溶媒による膨潤(swelling)現象を減らせるのみならず、表面硬度、耐摩耗性、耐熱性などを向上させ得る。
【0075】
前記シランカップリング剤は、より具体的に3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(3-Methacryloxypropyltrimethoxysilane)であるが、前記例示に限定されない。
【0076】
前記安定剤は、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ジエチルエタノールアミン、トリヘキシルアミン、ヒンダードアミン、有機リン酸塩、ヒンダードフェノールおよびこれらの混合物からなる群より選択され、より具体的に2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールである。
【0077】
熱的安定性および酸化安定性、保存安定性、表面特性、流動特性、および工程特性などを向上させるために、例えば、レベリング剤、スリップ剤または安定剤などの通常の添加剤を含み得る。
【0078】
前記透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物は、UV硬化ポリウレタンオリゴマーを含み、前記UV硬化ポリウレタンオリゴマー100重量部に対して、光開始剤1.5重量部~15重量部と、シランカップリング剤0.1重量部~1.5重量部と、オリゴマー15重量部~45重量部と、安定剤0.1重量部~2重量部とを含み得る。前記シランカップリング剤は、前記使用範囲内で使用する場合、顔料やフィラーなどの表面処理に使用することにおいて、樹脂との相溶性および密着強度を向上させ得る。前記オリゴマーは、使用範囲を超えると、表面エネルギーが高くなってモールドと樹脂との離型性が低下することとなり、表面硬度が高くなってモールドのスタンピング後の復元力のような表面特性が低下するおそれがある。前記安定剤の場合、使用範囲内で使用すると、周囲の硬化を減少させ、強度を向上させ得る。
【0079】
本発明の透明矯正装置の製造は、歯の構造に関する3D情報の入力を受ける3D入力段階と、前記3D情報を利用して関心範囲を設定し、歯の構造の中心軸をx軸として複数の領域に分割した複数の3Dモデルを生成する3Dモデル生成段階と、前記複数の3DモデルをDLP(Digital Light Processing)方式で出力する3D出力段階とを含む。
【0080】
3D出力部は、複数の3DモデルをDLP(Digital Light Processing)方式で出力する。3D出力部は、各3Dモデルを同時または異時に出力することにより、早い時間内に矯正装置全体を生成することができる。3D出力部は、ユーザーの設定により、本発明の3Dプリンタ用光硬化型組成物を用いて透明矯正装置を出力することができる。
【0081】
前記透明矯正装置は、3Dモデルを用いて、DLP方式で出力して製造することにより、特定部位の厚さを調整して、矯正効果を増大させ得る。
【0082】
前記透明矯正装置は、歯の内部の対応する部分にアタッチメントを含むように3Dモデルを生成して、前記3DモデルをSLA(Stereo Lithography Apparatus)、DLP(Digital Light Processing)方式で出力し得る。
【0083】
より具体的に、インダイレクトボンディング使用のためのホールを生成することができ、ワイヤおよびインダイレクトボンディングの並行装置でも出力して使用し得る。
【0084】
また、3D出力部は、複数の3Dモデルに対応する複数の3D出力物間の結合が強化されるように、各境界面に表面処理を行っても良い。例えば、各3D出力の境界面にUV処理をしたり、熱処理をしたりしても良いが、必ずしもこれに限定されるものではない。これは、3D出力物間の境界面を粗くして、隣接する3D出力物間の接合を容易にするためである。分割された複数の3D出力物は、境界面に樹脂を塗布した後、熱処理などにより接合させ得る。
【発明の効果】
【0085】
本発明は、熱的性質、強度、弾性率、および伸び率のような物理的特性に優れ、患者カスタムメイド透明矯正装置として利用する際、患者の苦痛を低減し、歯の構造に安着して歯の矯正効果を高め得る、3Dプリンタ用の光硬化型組成物を提供するものである。
【0086】
また、使用により元の形状が変形されても、形状復元が可能な3Dプリント透明矯正装置を製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による高分子組成物を利用した3Dプリント出力物に関する写真である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例による透明矯正装置の製造のための3Dモデルである。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例による透明矯正装置の3Dモデルであり、ワイヤの代わりに3Dプリンタの構造物が形成された3Dモデルである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施例による透明矯正装置の3Dモデルであり、一部にワイヤのような連結装置を追加し得るように構成した3Dモデルである。
【
図5】
図5は、本発明の一実施例による透明矯正装置の3Dモデルであり、一部にワイヤのような役割をし得る3Dプリンタの構造物が形成された3Dモデルである。
【
図6】
図6は、本発明の一実施例による透明矯正装置の3Dモデルであり、一部位の厚さを厚く形成した3Dモデルに関するものである。
【
図7】
図7は、本発明の一実施例による透明矯正装置の3Dモデルであり、インダイレクトボンディング使用のためのホールが形成された3Dモデルに関するものである。
【
図8】
図8は、本発明の一実施例による透明矯正装置の3Dモデルであり、ワイヤおよびインダイレクトボンディングがいずれも形成された3Dモデルに関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0088】
本発明は、UV硬化ポリウレタンオリゴマーと、光開始剤と、シランカップリング剤と、オリゴマーと、安定剤とを含む、透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物に関するものである。
【実施例】
【0089】
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で実現することができ、ここに説明する実施例に限定されない。
【0090】
[製造例:3Dプリンタ用光硬化型高分子組成物の調製]
下記化学式6または化学式7で表されるUV硬化ポリウレタンオリゴマーと、下記化学式5で表される光開始剤と、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランと、エポキシアクリレートオリゴマーと、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールとを混合して、3Dプリンタ用光硬化型高分子組成物を調製した。前記高分子組成物の調製に使用されたオリゴマーなどは購入して利用しており、構成成分の含有量は下記表1の通りである。
【0091】
【0092】
ここで、
AおよびA’は前記化学式2で表される置換基であり、
n’、m’、o’、p’、q’およびr’は互いに同一または異なり、それぞれ独立して1~100の整数である。
【0093】
【0094】
[実験例:物性評価実験]
1.試験条件
1-1.引張試験
試験方法:ASTM D638
試験機器:万能試験機(Universal Testing Machine)
試験速度:50mm/min
グリップ間の距離:115mm
ロードセル:3000N
弾性区間:(0.05~0.25)%
降伏点:0.2%オフセット
試験環境:(23±2)℃、(50±5)%RH
【0095】
1-2.曲げ試験
試験方法:ASTM D790
試験機器:万能試験機
試験速度:1.4mm/min
支点間距離:55mm
ロードセル:200N
弾性区間:(0.05~0.25)%
試験環境:(23±2)℃、(50±5)%RH
【0096】
1-3.熱変形温度
試験方法:ASTM D648
試験荷重:0.45MPa
昇温速度:2℃/min
【0097】
2.試験結果
前記実験は、韓国高分子試験研究所に依頼して実験を行っており、試験片は前記表1のS10~S80の高分子組成物を、3Dプリンタにより
図1の試験片で出力して提供した。
【0098】
S10~S80について引張試験および曲げ試験を行っており、その結果は下記表2および表3の通りである。また、熱変形温度を測定した。
【0099】
【0100】
【0101】
前記表2および表3の引張試験および曲げ試験の結果によると、本発明の光硬化型組成物の場合、優れた引張強度、曲げ強度、弾性係数、降伏強度、伸び率、および変形率を示すことを確認した。
【0102】
S10~S80に対する熱変形温度測定結果は、下記表4の通りである。
【0103】
【0104】
前記表4によると、熱変形温度範囲においても、通常容易に接近可能な浄水器の温水温度(50℃~70℃)にて変形が起こることを確認し、形状の復元が容易であることを確認した。
【0105】
以上において、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態もまた、本発明の権利範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、透明矯正装置の製造のための3Dプリンタ用光硬化型組成物に関するものであり、より具体的には3Dプリンタ用光硬化型組成物として、矯正装置が透明材質で構成され外部から容易に視認されず、熱によって元の形状に復元され、使用による状態変化にも容易に元の形状に復元して再利用できる、透明矯正装置の製造が可能な3Dプリンタ用光硬化型組成物に関するものである。