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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】リールシート及びサポートグリップ
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/08 20060101AFI20220929BHJP
   A01K 87/06 20060101ALI20220929BHJP
   A01K 87/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
A01K87/08 B
A01K87/06 B
A01K87/00 630E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018034294
(22)【出願日】2018-02-28
(65)【公開番号】P2019146536
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2021-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(72)【発明者】
【氏名】谷口 一真
(72)【発明者】
【氏名】山中 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】恐田 欣幸
(72)【発明者】
【氏名】岩田 壮司
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】実開平5-67257(JP,U)
【文献】特開平2-39838(JP,A)
【文献】特開昭52-98182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 87/08
A01K 87/06
A01K 87/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣竿を構成するブランクが軸方向に沿って挿入される筒状本体と、
当該筒状本体の外周面に上記軸方向に沿って形成され、釣用リールの脚が載置されるシート面と、
上記筒状本体の上記シート面より上記軸方向後側に形成され、上記軸方向を中心として上記シート面が形成された側にのみ上記筒状本体の径方向に放射状に拡がり、後ろ斜め上方へ凸となりつつ前側に向かって漸次せり上がる球面状のサポート面とを備えたリールシート。
【請求項2】
上記サポート面は、
上記径方向に拡がりつつ上記シート面の上方へ張り出す湾曲面をさらに備えている請求項1に記載のリールシート。
【請求項3】
上記湾曲面の中央部が上記軸方向に欠損するように切り欠かれている請求項2に記載のリールシート。
【請求項4】
釣竿を構成するブランクが軸方向に沿って挿入される筒状本体と、
当該筒状本体の外周面に上記軸方向に沿って形成され、釣用リールの脚が載置されるシート面とを有するリールシートに適用され、
上記筒状本体の後端部に取り付けられる主軸部と、
当該主軸部に設けられ、上記シート面より上記軸方向後側で上記軸方向を中心として上記筒状本体の径方向に放射状に拡がり、後ろ斜め上方へ凸となりつつ前側に向かって漸次せり上がる球面状のサポート面を有する当接部とを備えたサポートグリップ。
【請求項5】
上記サポート面は、
上記径方向に拡がりつつ上記シート面の上方へ張り出す湾曲面をさらに備えている請求項4に記載のサポートグリップ。
【請求項6】
上記当接部の中央部に、上記湾曲面の中央部が上記軸方向に欠損するように切欠部が設けられている請求項5に記載のサポートグリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、釣用リールを保持するリールシート及びこのリールシートに適用されるサポートグリップの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばベイトリールを使用したジギングの場合、釣人は、釣竿の後端部を脇に挟むと共にリールシート及びベイトリールを把持し、その状態でベイトリール及びロッドを操作する。このような釣りでは、いわゆるパーミングは非常に重要である一方、良好なパーミングを実現しにくく、タックルの操作が不安定となりやすい。そのような状況でも、釣果を上げるためには、釣り場の状況に応じてジグのアクションをコントロールする必要があり、釣人は、タックルに特殊な動きをさせなければならないときがある。
【0003】
つまり、ベイトリールを使用する釣りの場合は、良好なパーミングが実現されることがきわめて重要であり、そのために、従来、リールシートに様々な改良が加えられている(たとえば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3866509号公報
【文献】特許第6000107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、良好なパーミングとは、釣人の手がベイトリールが装着されたリールシートの外縁に馴染んで当接すること(握り易いこと)であり、換言すれば、釣人の手のひらと、ベイトリール及びリールシートとの間に余計な隙間が形成されない状態である。ジギングでは、たとえばロッドの後端側から先端側へ(すなわち釣人にとって手前側から竿先側へ)タックルを操作する場合があり、かかる操作を安定的に行うには、単にリールシートが握り易いだけでは不十分である。
【0006】
本発明はかかる背景のもとになされたものであって、その目的は、ベイトリールを使用したジギングにおいて、良好なパーミングを実現し、タックルを自在に操作することができるリールシート及びこれに適用されるサポートグリップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係るリールシートは、釣竿を構成するブランクが軸方向に沿って挿入される筒状本体と、当該筒状本体の外周面に上記軸方向に沿って形成され、釣用リールの脚が載置されるシート面と、上記筒状本体の上記シート面より上記軸方向後側に形成され、上記軸方向を中心として上記筒状本体の径方向に放射状に拡がり、パーミングの際に母指球ないし手根が当接するサポート面とを備えている。
【0008】
この構成によれば、釣人は、たとえばベイトリールをリールシートに装着し、当該リールシートと共にベイトリールのボディを握り込む。このとき、当該ベイトリールの後方に上記サポート面が配置され、しかも、このサポート面は、軸方向を中心として放射状に拡がっているから、釣人の母指球乃至手根が上記サポート面に当接する。これにより、容易にフルパーミングが実現される。
【0009】
(2) 上記サポート面は、上記径方向に拡がりつつ上記シート面の上方へ張り出す湾曲面をさらに備えているのが好ましい。
【0010】
この構成では、釣人がリールシートと共にベイトリールを握り込んだとき、母指球から親指までが上記湾曲面に自然に沿うように当接する。これにより、より確実なフルパーミングが実現される。
【0011】
(3) 上記湾曲面の中央部が上記軸方向に欠損するように切り欠かれているのが好ましい。
【0012】
この構成では、釣人の指がベイトリールのクラッチに掛かりやすい。
【0013】
(4) 本発明に係るサポートグリップは、釣竿を構成するブランクが軸方向に沿って挿入される筒状本体と、当該筒状本体の外周面に上記軸方向に沿って形成され、釣用リールの脚が載置されるシート面とを有するリールシートに適用される。このサポートグリップは、上記筒状本体の後端部に設けられる主軸部と、当該主軸部に設けられ、上記シート面より上記軸方向後側で上記軸方向を中心として上記筒状本体の径方向に放射状に拡がり、パーミングの際に母指球ないし手根が当接するサポート面を有する当接部とを備えている。
【0014】
この構成によれば、釣人は、たとえばベイトリールをリールシートに装着し、当該リールシートと共にベイトリールのボディを握り込む。サポートグリップの主軸部がリールシートのシート本体に設けられているので、上記ベイトリールの後方に上記サポート面が配置されることになる。このサポート面は、軸方向を中心として放射状に拡がっているから、釣人の母指球乃至手根が当該サポート面に当接し、容易にフルパーミングが実現される。
【0015】
(5) 上記サポート面は、上記径方向に拡がりつつ上記シート面の上方へ張り出す湾曲面をさらに備えているのが好ましい。
【0016】
この構成では、釣人がリールシートと共にベイトリールを握り込んだとき、母指球から親指までが上記湾曲面に自然に沿うように当接する。これにより、より確実なフルパーミングが実現される。
【0017】
(6) 上記当接部の中央部に、上記湾曲面の中央部が上記軸方向に欠損するように切欠部が設けられているのが好ましい。
【0018】
この構成では、釣人の指が切欠部を通してベイトリールのクラッチに掛かりやすい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、釣人は、容易にフルパーミングを実現することができりので、釣竿及びべートリールを自在に操作することができる。その結果、たとえば、ジギングにおいてジグの特殊なアクションを実現するために、釣竿及びべートリールを後ろから前側へ押し出すような操作も簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るリールシートの正面図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係るリールシートの斜視図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係るリールシートの斜視図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態に係るリールシートの断面図である。
図5図5は、本発明の第1実施形態に係るリールシートの平面図である。
図6図6は、本発明の第1実施形態に係るリールシートの底面図である。
図7図7は、本発明の第1実施形態に係るリールシートの左側面図である。
図8図8は、本発明の第1実施形態に係るリールシートの右側面図である。
図9図9は、本発明の第1実施形態に係るサポートグリップの正面図である。
図10図10は、本発明の第1実施形態に係るサポートグリップの平面図である。
図11図11は、本発明の第1実施形態に係るサポートグリップの底面図である。
図12図12は、本発明の第1実施形態に係るサポートグリップの左側面図である。
図13図13は、本発明の第1実施形態に係るサポートグリップの右側面図である。
図14図14は、本発明の第2実施形態に係るリールシートの正面図である。
図15図15は、本発明の第2実施形態に係るリールシートの斜視図である。
図16図16は、本発明の第2実施形態に係るリールシートの斜視図である。
図17図17は、本発明の第2実施形態に係るリールシートの断面図である。
図18図18は、本発明の第2実施形態に係るリールシートの平面図である。
図19図19は、本発明の第2実施形態に係るリールシートの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されながら説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係るリールシートの一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
【0022】
<リールシートの構成>
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係るリールシート10の正面図であり、図2及び図3は、それぞれ、リールシート10を右前上方及び右後上方から見た斜視図である。
【0024】
図1図4が示すように、このリールシート10は、全体として筒状を呈する。釣竿本体11(特許請求の範囲に記載された「ブランク」に相当)は、リールシート10の内側に嵌め込まれて固定される。図示されていない釣用リール(本実施形態ではベイトリール)は、リールシート10に装着されるようになっている。本実施形態において、図中矢印12は釣竿本体11の軸方向であり、矢印13、14がそれぞれ前側及び後側、矢印15、16がそれぞれ上側及び下側、矢印17、18がそれぞれ左側及び右側を示す。
【0025】
リールシート10は、シート本体21(特許請求の範囲に記載された「筒状本体」に相当)と、サポートグリップ22とを有する。これらは、ポリアミド(PA)、ポリオキシメチレン(POM)のほか、炭素繊維等の繊維により強化された樹脂からなる。本実施形態では、これらは別々の部材として構成され、接着剤等により結合されているが、一体的に形成されていてもよい。本実施形態の特徴とするところは、サポートグリップ22がシート本体21に設けられており、後に詳述される外形形状に成形されることにより、実釣において、特にジギングにおいていわゆるフルパーミングが容易に実現され、釣人は自在にタックルを操作することができるようになっている。
【0026】
図1及び図4が示すように、シート本体21は円筒状を呈し、釣竿本体11がシート本体21の内側に挿通されている。シート本体21は、既知の手段(たとえば接着剤等)により釣竿本体11の所定の位置に固定される。
【0027】
図1図6が示すように、シート本体21は、前側13から後側14に向かって順に、締付パイプ部23及びリール保持部24を有している。なお、図示されていないが、一般に、リール保持部24の後方にリヤグリップが設けられる。これらは既知の構造であり、締付パイプ部23及びリール保持部24は一体的に形成されている。
【0028】
締付パイプ部23の外周面に雄ネジ27が形成されている。図示されていないが、締付ナットが締付パイプ部23の雄ネジ27と螺合するようになっている。この締付ナットの構造は既知であり、この締付ナットはフードを備えている。このフードにベイトリールの脚が嵌め込まれるようになっている。
【0029】
リール保持部24の上面28(特許請求の範囲に記載された「筒状本体の外周面」に相当)は平坦面となっており、この上面28にシート面29が形成されている。ベイトリールの脚は、このシート面29上に載置される。リール保持部24に固定フード30が一体的に形成されている。固定フード30は、シート面29の後側14に設けられており、当該シート面29に隣接している。ベイトリールの一方の脚が固定フード30に挿入された状態で、上記締付ナットが締付パイプ部23にねじ込まれると、当該締付ナットに設けられたフードにベイトリールの他方の脚が挿入され、これらフード及び固定フード30によりベイトリールの脚が挟持される。
【0030】
図1及び図4が示すように、リール保持部24の下面にトリガ25が設けられている。このトリガ25は、リール保持部24と一体的に形成されており、下方に突出している。釣人は、安定したキャスティングを実現するため、パーミングに際して手をトリガ25に掛ける。なお、トリガ25の外形形状は既知であり、釣人の指が掛かりやすいように成形されている。
【0031】
サポートグリップ22は、リール保持部24の後端に嵌め込まれている(図4参照)。本実施形態では、サポートグリップ22がリール保持部24の後端に取り付けられているが、要するにシート面29よりも後側14に設けられていればよい。
【0032】
図9図13及び図4が示すように、サポートグリップ22は、主軸部55と、略L字状に形成された当接部56(図9及び図4参照)とを有し、これらは一体的に形成されている。
【0033】
主軸部55は、本実施形態では円柱状に形成されており、その外径は、リール保持部24の内径に対応している。この主軸部55がリール保持部24の後端部の内側に挿入され、たとえば接着剤等により固着されている。主軸部55の外形形状は円柱状に限定されるものではなく、リール保持部24の後端部の内壁面形状に対応して形成される。
【0034】
図4が示すように、本実施形態では、この主軸部55と当接部56との境界に嵌合段部57が形成されている。この嵌合段部57は、リール保持部24の後端面に形成された座58と嵌合する。これにより、サポートグリップ22がリール保持部24に安定的に取り付けられる。
【0035】
軸方向12に沿って主軸部55の中心に貫通孔59が設けられている。この貫通孔59は、当接部56を貫き、当接部56の後端に開口60を形成している。上記釣竿本体11は、この貫通孔59に挿通されている。
【0036】
当接部56は、基部61と、当該基部61に連続する湾曲部62とを有し、これらは一体的に形成されている。基部61は、主軸部55に対して直交ないし略直交しており、図7及び図12が示すように、半円形の板状に形成されている。図4図7図9及び図12が示すように、基部61の後端面66(特許請求の範囲に記載された「サポート面」に相当)は、滑らかに後側14へ向かって湾曲する曲面である(図10及び図11参照)。図7図9図11及び図12が示すように、この後端面66の下縁部は、面取加工が施されて、より滑らかな曲面を形成している。基部61の左右方向の寸法Dは、20mm~60mm程度に設定される。寸法Dがかかる範囲に設定されることによる作用効果は後述される。
【0037】
湾曲部62は、基部61の上縁に連続して上側15へ延びると共に前側13に滑らかに湾曲して延びている。図1図4及び図9が示すように、湾曲部62は、リール保持部24の後端部を覆っており、いわゆる庇を形成している。湾曲部62の後端面63(特許請求の範囲に記載された「サポート面」及び「湾曲面」に相当)は、上記基部61の後端面66と連続しており、滑らかに後側14且つ斜め上方へ凸となる曲面である。ただし、湾曲部62は、前側13へも延設されているので、後端面63は、前側13に向かって漸次せり上がり、張り出している。つまり、基部61及び湾曲部62の後端面66、63によって略球面状の面が形成されている。これら後端面66、63は、同図が示すようにシート面29より軸方向12の後側14に位置し、軸方向12を中心としてシート本体21の径方向に放射状に拡がっている。
【0038】
図4図9及び図13が示すように、湾曲部62の前面64に後側14に延びる凹部65が設けられている。この凹部65は、いわゆる肉抜き加工により形成されており、そのサイズについては特に限定されるものではない。この凹部65が設けられることにより、サポートグリップ22の軽量化が図られている。もっとも、この凹部65は省略されてもよい。
【0039】
<作用効果>
【0040】
実釣において釣人は、リールシート10にベイトリールを装着し、サポートグリップ22を握り込んでパーミングを行う。これにより、釣人は、釣竿及びベイトリールを把持し操作することができる。このとき、ベイトリールの後方にサポートグリップ22が配置されており、その後端面66、63は、軸方向12を中心として放射状に拡がっている。したがって、釣人の母指球ないし手根が上記後端面66、63に当接し、容易にフルパーミングが実現される。その結果、釣人は、釣竿及びべートリールを自在に操作することができ、たとえば、ジギングにおいてジグの特殊なアクションを実現するために、釣竿及びべートリールを後ろから前側へ押し出すような操作も簡単に行うことができる。
【0041】
特に、上記後端面63は、上記軸方向12を中心として径方向に拡がりつつシート面29の上方へ張り出す湾曲面であるから、釣人がリールシートと共にベイトリールを握り込んだとき、母指球から親指までが後端面66及び後端面63に自然に沿うように当接する。これにより、より良好なフルパーミングが実現される。
【0042】
本実施形態では、基部61の左右方向の寸法Dが20mm~60mm程度に設定されるから、釣人の手がサポートグリップ22に良好に馴染むことができる。
【0043】
<第2実施形態>
【0044】
図14図19は、本発明の第2実施形態に係るリールシート70を示す。
【0045】
本実施形態に係るリールシート70が上記第1実施形態に係るリールシート10と異なるところは、サポートグリップ82の形状である。具体的には、(1)リールシート10のサポートグリップ22は主軸部55を備えていたのに対し(図4参照)、リールシート70のサポートグリップ82はそのような部材を備えていない点(図17参照)、(2)サポートグリップ22の後端面66及び後端面63は、軸方向12を中心として径方向に拡がり且つ後側14に膨らむ略球面状を呈するのに対し(図1参照)、サポートグリップ82の後端面73は、軸方向12を中心として径方向に拡がりつつ、当該軸方向12を中心とする凹面に形成されている点、(3)サポートグリップ22では、凹部65が設けられているのに対し(図1参照)、サポートグリップ82では、上記後端面73を有する湾曲部72に切欠部83が形成されている点である。なお、リールシート70のその他の構成については、リールシート10と同様である。
【0046】
図17が示すように、サポートグリップ82の前面部に嵌合段部57が形成されており、この嵌合段部57がリール保持部24に設けられた座58に嵌め合わされている。両者は上記第1実施形態と同様に接着剤等により接着固定される。第1実施形態に係る主軸部55が省略されているから、サポートグリップ82の構造が簡略化され、リールシート70が軽量化される。
【0047】
図16図18及び図19が示すように、サポートグリップ82の後端面73は、軸方向12を中心として径方向に拡がっている。ただし、図14及び図15が示すように、この後端面73の中央部分は、軸方向12を中心とする凹面に形成されている。この凹面の曲率半径は特に限定されるものではないが、釣人の手が良好に馴染む程度に設定されるのが好ましい。後端面73が凹面であるから、釣人が釣竿及びベイトリールを後ろから前方へ押し出すような操作をする際に、手がより安定する。
【0048】
サポートグリップ82の後端面73に形成された切欠部83は、図16図18及び図19が示すように、略V字状を呈する。すなわち、湾曲部72の上端部が、軸方向12を基準として後ろから前方に向かって漸次左右対称に拡がるように切り欠かれている。この切欠部83は、軸方向12に沿って湾曲部72を貫通するように形成されており、後端面73の中央部が欠損した状態となっている。
【0049】
この切欠部83が設けられることにより、釣人の指が切欠部83を通してベイトリールのクラッチに掛かる。したがって、釣竿及びベイトリールの操作がより一層容易になる。もっとも、切欠部83の形状は、本実施形態では前述のように略V字状を呈するが、かかる形状に限定されるものではなく、たとえば左右方向に延びる略矩形の切欠き等であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
10・・・リールシート
11・・・釣竿本体
12・・・軸方向
21・・・シート本体
22・・・サポートグリップ
23・・・締付パイプ部
24・・・リール保持部
28・・・上面
29・・・シート面
30・・・固定フード
31・・・第1湾曲部
32・・・第2湾曲部
33・・・第3湾曲部
34・・・鍔部
36・・・下面
37・・・外周面
38・・・外周面
39・・・隙間
40・・・側面
41・・・側面
42・・・上縁
43・・・上縁
44・・・外周面
45・・・上端部
52・・・前面
70・・・リールシート
72・・・湾曲部
73・・・後端面
82・・・サポートグリップ
83・・・切欠部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19