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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】パネル受け台、及びパネル取り出し方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/10 20060101AFI20220929BHJP
   B65D 19/44 20060101ALI20220929BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B65D19/10
B65D19/44 D
E04G21/16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017209482
(22)【出願日】2017-10-30
(65)【公開番号】P2019081569
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2020-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000207436
【氏名又は名称】日鉄鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 純
(72)【発明者】
【氏名】後藤 昌司
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-160699(JP,A)
【文献】特開平11-292128(JP,A)
【文献】特開平10-278934(JP,A)
【文献】特開2015-042563(JP,A)
【文献】特開2003-175932(JP,A)
【文献】国際公開第2011/101733(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/00-19/44
E04G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に対して平行な起立姿勢のパネルが厚み方向に複数枚並んだ状態で載せられたラックから、前記パネルを取り出す際に用いられ、フォークを備えるリフト装置に取り付けられるパネル受け台であって、
前記起立姿勢の前記パネルが前記厚み方向と平行な前後方向に複数枚並んだ状態で載せられる受け部と、
前記受け部に載せられた複数枚の前記パネルを後方から支持する支持部とを備え、
前記受け部は、前記厚み方向に対して平行な長手方向を有し、
前記支持部から前記受け部の前端までの前後方向の寸法が、変更可能であり、
前記受け部は、
前後方向に並んで配置され、前記複数枚のパネルが載せられる複数の分割体で構成され、
前記複数の分割体は、前後方向に隣り合う分割体の間隔が変更可能であり、
前記複数の分割体のそれぞれは、前記フォークに取り付けられるベースに対して前後方向にスライド可能に設置されていることを特徴とするパネル受け台。
【請求項2】
前記複数の分割体のそれぞれの前後方向の寸法は、前記パネルの厚みを整数倍した寸法であることを特徴とする請求項1に記載のパネル受け台。
【請求項3】
前記支持部の前記受け部に対する前後方向の位置が、変更可能であることを特徴とする請求項に記載のパネル受け台。
【請求項4】
起立姿勢のパネルが厚み方向に複数枚並んだ状態で載せられたラックから、請求項1~3のいずれか1項に記載のパネル受け台を用いて、任意枚数の前記パネルを取り出す取り出し方法であって、
前記支持部から前記受け部の前端までの前後方向の寸法を、前記任意枚数のパネルの総厚みに応じた寸法に調節する調節工程と、
前記調節工程の後に行われ、前記ラックに載せられた前記任意枚数のパネルを前記受け部に起立姿勢でまとめて載せる載置工程と、
前記載置工程の後に行われ、前記受け部を当該受け部に載せられた前記任意枚数のパネルと共に移動する移動工程とを備えたことを特徴とするパネル取り出し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル受け台、及びパネル取り出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建築用パネルが立て起こされた状態で複数枚並べて置かれたラックから、吊り上げ装置によって1枚の建築用パネルを取り出すことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-52561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように建築用パネルが立て起こされた状態で複数枚並べて置かれたラックから建築用パネルを1枚ずつ取り出すと、複数枚の建築用パネルを取り出す場合に、手間を要する。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、起立姿勢のパネルが厚み方向に複数枚並んだ状態で載せられたラックから、複数枚のパネルを容易に取り出すことができるパネル受け台及びパネル取り出し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明に係る一態様のパネル受け台は、起立姿勢のパネルが厚み方向に複数枚並んだ状態で載せられたラックから、前記パネルを取り出す際に用いられるパネル受け台であって、起立姿勢の前記パネルが前記厚み方向と平行な前後方向に複数枚並んだ状態で載せられる受け部と、前記受け部に載せられた複数枚の前記パネルを後方から支持する支持部とを備え、前記支持部から前記受け部の前端までの前後方向の寸法が、変更可能であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る一態様のパネル取り出し方法は、起立姿勢のパネルが厚み方向に複数枚並んだ状態で載せられたラックから、前記パネル受け台を用いて、任意枚数の前記パネルを取り出す取り出し方法であって、前記支持部から前記受け部の前端までの前後方向の寸法を、前記任意枚数のパネルの総厚みに応じた寸法に調節する調節工程と、前記調節工程の後に行われ、前記ラックに載せられた前記任意枚数のパネルを前記受け部に起立姿勢でまとめて載せる載置工程と、前記載置工程の後に行われ、前記受け部を当該受け部に載せられた前記任意枚数のパネルと共に移動する移動工程とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る一態様のパネル受け台及びパネル取り出し方法にあっては、パネル受け台を用いて、起立姿勢のパネルが厚み方向に複数枚並んだ状態で載せられたラックから、複数枚のパネルを容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明に係る第1実施形態のパネル受け台をリフト装置に取り付けた状態を示した側面図である。
図2図2A図2Cは、同上のパネル受け台を用いて、ラックから複数枚のパネルを取り出す様子を順に示した側面図である。
図3図3は、同上のパネル受け台に複数枚のパネルが載せられた状態を示した斜視図である。
図4図4A及び図4Bは、同上のリフト装置に取り付けられたパネル受け台の受け部が、ラックに載せられたパネルの下方を移動する様子を順に示した要部拡大側面図である。
図5図5Aは同上のラックの斜視図である。図5Bは同上のラックにパネルを載せる際に用いられる緩衝材の斜視図である。
図6図6A図6Cは、同上のラックに平積みされた複数枚のパネルを起立姿勢にする様子を順に示した側面図である。
図7図7は、同上のパネル受け台のストッパーの斜視図である。
図8図8は、同上のラックに複数枚のパネルを平積みした状態を示した側面図である。
図9図9は、第2実施形態のパネル受け台を用いてラックからパネルを取り出す様子を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に示す実施形態は、パネル受け台、及びパネル取り出し方法に関し、詳しくは、起立姿勢のパネルが厚み方向に複数枚並んだ状態で載せられたラックからパネルを取り出す際に用いられるパネル受け台、及びこのパネル受け台を用いたパネル取り出し方法に関する。
【0011】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態のパネル受け台1について説明する。
【0012】
(パネル受け台)
本実施形態のパネル受け台1は、図1に示すリフト装置60に取り付けられて用いられる。リフト装置60は、例えばフォークリフトであり、同一方向に突出した水平な一対のフォーク61を備えている。なお、リフト装置60が備えるフォーク61の数は限定されず、例えば4本であってもよい。また、リフト装置60は、フォークリフトに限られず、例えばハンドリフトであってもよい。
【0013】
パネル受け台1は、図2A図2Cに示すように、起立(立て置き)姿勢のパネル7が厚み方向に複数枚並んだ状態で載せられたラック8から、任意枚数のパネル7を取り出す際に利用される。以下の説明では、パネル受け台1がリフト装置60に取り付けられた状態を基準としたときの方向を用いて説明する。具体的には、リフト装置60における一対のフォーク61の突出方向を前方とし、フォーク61及びパネル受け台1を前方から見たときを基準に左右方向を定義する。
【0014】
パネル受け台1は、図3に示すように、起立姿勢のパネル7が厚み方向と平行な前後方向に複数枚並んだ状態で載せられる受け部材2と、受け部材2に載せられた複数枚のパネル7を後方から支持する支持部材3とを備えている。
【0015】
(ベース)
本実施形態のパネル受け台1は、リフト装置60に取り付けられるベース4を備えている。ベース4は、一対のフォーク61にそれぞれ取り付けられる一対の取付部40を有している。
【0016】
各取付部40は、例えば金属製であり、金属板を曲げ加工することにより形成される。各取付部40は、長手方向が前後方向と平行な部材であり、前後方向と直交する断面形状が下向きに開口したコ字状である。各取付部40には、下方に開口した嵌込溝部41が前後方向の全長に亘って形成されている。各取付部40は、嵌込溝部41に対応するフォーク61が嵌め込まれた状態で当該フォーク61に対して固定される。
【0017】
本実施形態のベース4は、一対の取付部40にそれぞれ取り付けられた一対のガイド部42をさらに有している。
【0018】
各ガイド部42は、例えば金属製であり、金属板を曲げ加工することにより形成される。各ガイド部42は、長手方向が前後方向と平行な部材であり、前後方向と直交する断面形状が上向きに開口したコ字状である。
【0019】
各ガイド部42は、対応する取付部40上に配置され、当該取付部40に対して固定されている。各ガイド部42には、上方に開口したガイド溝部43が前後方向の全長に亘って形成されている。
【0020】
(支持部材)
ベース4には支持部材3が取り付けられている。本実施形態の支持部材3は、複数枚のパネル7を後方から支持する支持部30と、支持部30の下端部に設けられた左右一対の固定部31とを備えている。
【0021】
左右の固定部31は、各々が支持部30の下端部から左右方向における外側に向かって突出している。左右の固定部31は、左右の取付部40の後端部にそれぞれ連結されている。
【0022】
本実施形態の支持部30は、長手方向が上下方向と平行な柱状に形成されており、左右の固定部31から上方に突出している。本実施形態の支持部30は、角形鋼管で構成されている。
【0023】
支持部30の前面は、起立姿勢で前後方向に並んだ複数枚のパネル7を後方から支持する支持面32を構成している。支持面32は、前後方向において、各ガイド部42の後端と同位置に配置される。
【0024】
(受け部材)
ベース4上には受け部材2が設置される。本実施形態の受け部材2は、一対のガイド部42にそれぞれ設置される一対の受け部20で構成されている。一対の受け部20は、起立姿勢で前後方向に並んだ複数枚のパネル7を下方から支持する。
【0025】
各受け部20は、前後方向に並んだ状態で配置される複数の分割体21で構成されている。各分割体21は、例えば金属製であって、直方体状に形成されている。各分割体21は、前方から見て形状及び大きさが同じである。各分割体21は、対応するガイド部42のガイド溝部43に前後方向にスライド可能に嵌め込まれる。
【0026】
各受け部20の前後方向の長さは、分割体21の数、分割体21の前後方向の長さ、あるいはその両方を変更することで、変更可能である。
【0027】
本実施形態では、前後方向の寸法が異なる複数種類の分割体21が用意されている。これら用意された分割体21の各々の前後方向の寸法は、パネル7の厚みを整数倍した寸法となる。そして、これら複数種類の分割体21の中から複数の分割体21が選択されることで、各受け部20の前後方向の長さが変更される。
【0028】
なお、各受け部20の前後方向の長さは、受け部20を構成する分割体の数のみを変更することによって、変更されてもよい。また、各受け部20は、前後方向の長さが異なる複数種類の分割体の中から選択された一つの分割体だけで、構成されてもよい。
【0029】
複数の分割体21で構成された受け部20の全体形状は、長手方向が前後方向と平行な略直方体状となる。各受け部20の後端は、当該受け部20の最後の分割体21bの後端で構成され、各受け部20の前端は、当該受け部20の最前の分割体21aの前端で構成される。
【0030】
各受け部20の最後の分割体21bは、後方への移動が規制された状態でガイド溝部43に嵌め込まれる。最後の分割体21bは、例えば、対応する固定部31に前方から接することで、後方への移動が規制される。
【0031】
各受け部20の最後の分割体21b以外の分割体21は、対応するガイド溝部43に対して前後方向にスライド可能に嵌め込まれる。これにより、各受け部20を構成する複数の分割体21は、前後方向に隣り合う分割体21の間隔が変更可能となる。
【0032】
(倒れ抑制部材)
図2Cに示すように、本実施形態のパネル受け台1は、受け部材2で受けられた複数枚のパネル7の中の最前のパネル7が前方に倒れることを抑制する倒れ抑制部材10をさらに備えている。
【0033】
本実施形態の倒れ抑制部材10は、下方に開口した嵌込凹部12を有している。最前のパネル7の上端部は、嵌込凹部12に嵌め込まれて保持される。これにより、最前のパネル7は、前方に倒れることが抑制される。
【0034】
倒れ抑制部材10は、索11を介して、支持部材3に連結される。索11は、例えばワイヤー、ロープ又はチェーン等である。なお、なお、索11は支持部材3以外の部材に連結されてもよい。
【0035】
倒れ抑制部材10の前後方向の位置は、例えば索11の長さが受け部材2で受けられるパネル7の枚数に応じて変更されることで、変更できる。
【0036】
(パネル)
パネル7は、建築用パネルである。本実施形態のパネル7は、図3に示すように、芯材70と、芯材70を挟んだ2枚の金属板71とを備えたサンドイッチパネルであり、外壁材として用いられる。なお、パネル7は、サンドイッチパネルに限られず、ALC板等の他のパネルでもよい。また、パネル7の用途も外壁材に限られず、例えば屋根材であってもよい。
【0037】
パネル7の芯材70としては、例えば樹脂発泡体、繊維状無機材あるいはこれらを組み合わせたものが用いられる。また、金属板71としては、例えば、塗装鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、エスジーエル(登録商標)鋼板等が用いられる。
【0038】
パネル7は、矩形板状に形成されている。パネル7は、その短手方向に複数枚並んだ状態で建物の躯体に取り付けられる。パネル7は、短手方向の一方の端面に形成された凹部72と、凹部72とは反対側の端面に形成された凸部73とを有している。パネル7は、凸部73が隣接するパネル7の凹部72に嵌め込まれた状態で、躯体に取り付けられる。
【0039】
パネル7は、凹部72側の端部に形成された凹段部74と、凸部73側の端部に形成された突部75(図4A参照)とをさらに有している。凹段部74は、パネル7の表面における凹部72側の端部に形成され、パネル7の裏面側に凹んだ部分である。パネル7は、凹段部74から打ち込まれた釘等の固着具が、パネル7を厚み方向に貫通して躯体に固着されることにより、躯体に取り付けられる。
【0040】
突部75は、パネル7の凸部73側の端面におけるパネル7表面側の端部に形成されており、凸部73と同一方向に突出している。突部75は、パネル7が躯体に取り付けられたときに、隣接するパネル7の凹段部74に収まり、前述した釘を覆う。
【0041】
(ラック)
本実施形態のパネル7は、例えば施工現場において、図5Aに示すラック8に載せられる。本実施形態のラック8は、第1支持材81と、第1支持材81の端部から突出し第1支持材81と直角に交わる第2支持材82とを備えている。
【0042】
以下、ラック8の各構成について、第1支持材81が水平となり、かつ第2支持材82が第1支持材81から上方に突出した姿勢にされたときの方向を用いて説明する。具体的には、第1支持材81において第2支持材82とは反対側から第2支持材82側に向かう方向を前方とし、ラック8を前方から見たときを基準にして左右方向を定義する。
【0043】
本実施形態の第1支持材81は、平面視において前方に開口したコ字状に形成されている。第1支持材81は、左右一対の下支持部83と、左右の下支持部83の前端部同士を繋いだ下接続部84とを有している。
【0044】
各下支持部83は、前後方向に延びた直線状に形成されており、下接続部84は左右方向に延びた直線状に形成されている。本実施形態の左右の下支持部83及び下接続部84の各々は、角形鋼管である。
【0045】
本実施形態の第2支持材82は、前方から見て下方に開口したコ字状に形成されている。第2支持材82は、左右の下支持部83の前端部又は下接続部84の左右両端部から上方に突出した左右一対の前支持部85と、左右の前支持部85の上端部同士を繋いだ上接続部86とを有している。
【0046】
各前支持部85は、上下方向に延びた直線状に形成されており、上接続部86は左右方向に延びた直線状に形成されている。本実施形態の左右の前支持部85及び上接続部86の各々は、角形鋼管である。
【0047】
本実施形態のラック8は、クレーン又はウインチ等の吊り上げ装置(図示せず)を連結するための複数の連結部91,92を有している。具体的に、ラック8は、複数の連結部91,92として、第1支持材81に設けられた左右一対の第1連結部91と、第2支持材82に設けられた左右一対の第2連結部92とを有している。
【0048】
本実施形態では、左右の第1連結部91が、左右の下支持部83の後端部にそれぞれ取り付けられており、左右の第2連結部92が、左右の前支持部85の上端部にそれぞれ取り付けられている。本実施形態の各連結部91,92は、アイボルトである。なお、各連結部91,92は、アイボルトに限らず、フック等の他の部材や、貫通孔等であってもよい。
【0049】
(緩衝部材)
本実施形態の複数のパネル7は、図6Cに示すように、複数の緩衝部材93を介してラック8の第1支持材81に受けられる。
【0050】
図5Bに示すように、各緩衝部材93は、長手方向が左右方向と平行な略直方体状に形成されている。各緩衝部材93は、例えば発泡スチロールから形成されている。各緩衝部材93の後部の上面には、左右方向の全長に亘る溝部94が形成されている。
【0051】
複数の緩衝部材93は、図6Cに示すように第1支持材81上に前後方向に並んだ状態で載せられ、複数枚のパネル7は、これら複数の緩衝部材93を介して第1支持材81に下方から支持される。
【0052】
本実施形態では、左右の下支持部83の各々に、複数の緩衝部材93が前後方向に並んだ状態で配置される。各緩衝部材93は左右方向の両端部が、下支持部83よりも左右方向の外側に突出した状態で、対応する下支持部83上に配置される。
【0053】
複数枚のパネル7の各々は、図4Aに示すように、突部75が溝部94(図5B)に嵌め込まれた状態で、対応する緩衝部材93に載せられる。このとき、各パネル7の前面は、対応する緩衝部材93の前面よりも僅かに前方に位置する。
【0054】
(ストッパー)
本実施形態のパネル受け台1は、ストッパー5を備えている。ストッパー5は、ラック8に起立姿勢で載せられた複数枚のパネル7の中の任意の一枚のパネル7に前後方向において対応する位置に位置決めされる。
【0055】
本実施形態のパネル受け台1は、左右の下支持部83上にそれぞれ配置される左右一対のストッパー5を備えている。各ストッパー5は、例えば金属製であり、金属板を曲げ加工することにより形成される。
【0056】
各ストッパー5は、図7に示すように、縦板部50と、縦板部50から前方に突出した横板部51とを有している。縦板部50は、前方から見て下方に開口したコ字状に形成されている。縦板部50は、左右一対のストッパー部52と、左右のストッパー部52の間に位置して左右のストッパー部52の上部同士を繋いだ繋ぎ部53とを有している。左右のストッパー部52の下部は、繋ぎ部53よりも下方に突出している。
【0057】
横板部51は縦板部50に対して垂直な板状に形成されており、繋ぎ部53の下縁から前方に突出している。
【0058】
各ストッパー5は、図4Aに示すように、横板部51が対応する下支持部83上に載せられて、下支持部83と緩衝部材93との間に挟まれ、繋ぎ部53及び各ストッパー部52の上部が、横板部51上の緩衝部材93とこの緩衝部材93の一段後の緩衝部材93との間に挟まれる。
【0059】
これにより、ストッパー5の各ストッパー部52の後面は、横板部51上の緩衝部材93よりも一段後の緩衝部材93の前面と前後方向において同位置に配置され、任意のパネル7(当該緩衝部材93上のパネル)の前端部と前後方向において同位置に位置決めされる。このように下支持部83上に配置されたストッパー5の各ストッパー部52は、下部が下支持部83の上面よりも下方に突出する。なお、各ストッパー部52の横板部51は、繋ぎ部53の下縁から後方に突出してもよい。また、横板部51は省略可能である。
【0060】
本実施形態の各パネル7は、前面が対応する緩衝部材93の前面よりも前方に位置するため、各ストッパー部52は、任意のパネル7の前面よりもやや後方に位置する。しかし、各パネル7が、例えば、その前面と対応する緩衝部材93の前面とを前後方向において同じ位置に位置するように緩衝部材93に載せられるようにすることで、各ストッパー部52が、任意のパネル7の前面と前後方向において同じ位置に位置決めされるようにしても構わない。
【0061】
(ラック積載)
複数枚のパネル7は、例えば以下に示すようにラック8に載せられる。まず、ラック8が、図6Aに示すように、第2支持材82が水平となり、かつ第1支持材81が第2支持材82から上方に突出した姿勢にされて、第2支持材82が地面や床に置かれる。
【0062】
次に、例えばスキッド材上に平積みされた複数枚のパネル7が、ラック8の第2支持材82上に平積みされる。なお、第2支持材82上には、複数枚のパネル7がまとめて載せられてもよいし、1枚ずつ載せられてもよい。また、ラック8の第2支持材82上には、複数枚のパネル7が直接載せられてもよいし、前記スキッド材を介して載せられてもよい。
【0063】
複数枚のパネル7が第2支持材82上に平積みされるとき、各パネル7と第1支持材81との間に左右一対の緩衝部材93が配置される。各パネル7に対応する左右の緩衝部材93は、左右の下支持部83に対向する位置にそれぞれ配置される。
【0064】
各緩衝部材93は、例えば、複数枚のパネル7が第2支持材82上に平積みされた後、パネル7と下支持部83との間に配置される。このとき、各パネル7の突部75は、図8に示すように対応する緩衝部材93の溝部94に嵌め込まれる。これにより各緩衝部材93は対応するパネル7に対して位置決めされる。
【0065】
次に、図6Aに示すようにラック8の各連結部91,92に、ワイヤー62を介して吊り上げ装置が連結される。
【0066】
次に、図6Bに示すように、ラック8が吊り上げ装置によって吊り上げられ、この後、ラック8が90°回されて、図6Cに示すように、第1支持材81が水平になり、かつ第2支持材82が第1支持材81から上方に突出した姿勢で、地面や床に置かれる。
【0067】
上記のようにラック8が90度回転することで、ラック8に平積みされた複数枚のパネル7は、ラック8の第1支持材81上に起立姿勢で載せられた状態となる。このラック8の回転の際、複数のパネル7と第1支持材81との間には、複数の緩衝部材93が配置されているため、各パネル7の突部75側の端部が、第1支持材81に衝突して変形することが抑制される。
【0068】
(パネル取り出し)
パネル受け台1は、図6Cに示すようにラック8に起立姿勢で載せられた複数枚のパネル7のうち、任意枚数のパネル7を取り出す際に用いられる。図2A図2Cに示す本実施形態のパネル7の取り出し方法では、2台のリフト装置60と、2台のリフト装置60にそれぞれ取り付けられた2つのパネル受け台1とが用いられる。
【0069】
本実施形態のパネル取り出し方法は、ストッパー配置工程と、調節工程と、微調節工程と、載置工程と、移動工程とを備える。
【0070】
(ストッパー配置工程)
ストッパー配置工程は、ストッパー5が、ラック8に載せられた複数枚のパネル7の中の任意のパネル7に対応する位置に位置決めされる工程である。前記任意のパネル7は、ラック8から取り出されるパネル7の枚数をn枚(nは2以上の整数)としたとき、ラック8に載せられた複数枚のパネル7の中の最後に位置するパネル7から数えてn番目のパネル7である。本実施形態では、ラック8に載せられた複数枚のパネル7のうち、前記任意のパネル7と、この任意のパネル7よりも後方に位置する全てのパネル7とが、ラック8からまとめて取り出される。
【0071】
本実施形態のストッパー配置工程では、前述したように、複数の緩衝部材93が、複数枚のパネル7と左右の下支持部83との間に配置されるとき、左右一対のストッパー5の各々が、図8に示すように対応する下支持部83に沿って配置される。
【0072】
各ストッパー5は、横板部51が緩衝部材93と下支持部83との間に挟まれ、かつ繋ぎ部53及び各ストッパー部52の上部が、当該緩衝部材93と一段上の緩衝部材93との間に挟まれることにより、前記任意のパネル7に対して位置決めされる。ラック8は、このように各ストッパー5が対応する下支持部83に配置された後、前述したように吊り上げ装置を用いて図6Cに示すように地面や床に置かれる。このようにラック8が地面や床に置かれたとき、各ストッパー部52は、図4Aに示すようにラック8に起立姿勢で載せられた複数枚のパネル7の中の任意のパネル7に前後方向において対応する位置に配置される。
【0073】
(調節工程)
調節工程は、例えばストッパー配置工程の後に行われる。なお、調節工程は、ストッパー配置工程以前に行われてもよい。
【0074】
調節工程は、各リフト装置60に取り付けられたパネル受け台1の支持部30の支持面32から各受け部20の前端までの前後方向の寸法L1(図2A参照)を、n枚のパネル7の総厚みに応じた寸法に調節する工程である。
【0075】
調節工程では、まず、前後方向の寸法が異なる複数種類の分割体21の中から、各受け部20として利用される複数の分割体21が選択される。この選択は、前述したようにラック8から取り出されるパネル7の枚数に応じて行われる。
【0076】
次に、図2Aに示すように各リフト装置60に取り付けられたパネル受け台1の各ガイド溝部43に、選択された複数の分割体21が前後方向に並んだ状態で嵌め込まれる。
【0077】
このとき、各受け部20の最後の分割体21bの後端は、前後方向において支持部30の支持面32と一致する位置に配置される。また、各受け部20の最前の分割体21aは、当該最前の分割体21aの一段後の分割体21との間に間隔をあけて配置され、最前の分割体21aとこの一段後の分割体21との間には隙間22が形成される。また、各受け部20の最前の分割体21aと最後の分割体21bとを除く他の分割体21は、一段後方に位置する分割体21と接した状態で配置される。
【0078】
従って、支持部30の支持面32から各受け部20の前端までの前後方向の寸法L1は、n枚のパネル7の総厚みに、隙間22の前後方向の寸法を加えた寸法と略同じ寸法となる。
【0079】
なお、調節工程において、前後方向に並んでその間に隙間22が形成される一対の分割体21のうちの前側の分割体21は、最前の分割体21a以外の分割体21であってもよい。また、各受け部20を構成する複数の分割体21は、前後方向に並んでその間に隙間22が形成された一対の分割体21の組が、複数組存在するように配置されてもよい。
【0080】
(微調節工程)
調節工程の後に微調節工程が行われる。微調節工程では、まず、図2Aに示すようにラック8の各下支持部83の後方にリフト装置60が配置される。この後、各リフト装置60は、一対のフォーク61の間に対応する下支持部83が通り、かつ各受け部20がラック8に載せられた複数枚のパネル7の下方を通るように前方に動かされる。このとき、各リフト装置60は、パネル受け台1の支持部30の支持面32が、最後の緩衝部材93の後面に接触する位置まで、前方に動かされる。
【0081】
このように各リフト装置60が前方に動かされると、パネル受け台1の各受け部20は、図4Aに示すように前方に移動し、この後、各受け部20の前端が、図4Bに示すように対応するストッパー5のストッパー部52に接触する。
【0082】
これにより、各受け部20の最前の分割体21aは、対応するストッパー5の両ストッパー部52によって前方への移動が規制されて、一段後方の分割体21に近づき、この分割体21と最前の分割体21aとの間に形成された隙間22が小さくなる。この結果、図2Bに示すように、パネル受け台1の支持部30の支持面32から、各受け部20の前端までの前後方向の寸法L1は、ラック8から取り出されるn枚のパネル7の中の最後のパネル7の後面から最前のパネル7の前面までの前後方向の寸法L2と略同じ寸法となる。
【0083】
なお、微調節工程は省略可能である。この場合、調節工程では、各受け部20を構成する複数の分割体21は、前後方向に隣り合う分割体21同士が接した状態で、対応するガイド溝部43に嵌め込まれる。また、ストッパー5は用いられない。
【0084】
(載置工程)
微調節工程の後に載置工程が行われる。載置工程は、ラック8に載せられた複数枚のパネル7のうち、任意枚数(n枚)のパネル7(最後に位置するパネル7から数えてn番目のパネル7と、このパネル7よりも後方に位置する全てのパネル7)をまとめて載せる工程である。
【0085】
本実施形態の載置工程では、図2Bに示すように複数枚のパネル7の下方に配置された、各リフト装置60の一対のフォーク61が上方に動かされることで、n枚のパネル7が各パネル受け台1の一対の受け部20上に対応する緩衝部材93を介して載せられる。
【0086】
複数枚のパネル7が起立姿勢でラック8に載せられた場合、ラック8から取り出されるn枚のパネル7の中の最後のパネル7の後面から最前のパネル7の前面までの前後方向の寸法L2は、各パネル7の寸法誤差や若干の姿勢の違い等を要因として、変化しやすい。しかし、本実施形態の微調節工程では、前述したように各受け部20の最前の分割体21aが、対応するストッパー5に接触することで、パネル受け台1の支持部30の支持面32から各受け部20の前端までの前後方向の寸法L1が、寸法L2に近づく。このため、載置工程では、n枚のパネル7が、パネル受け台1の一対の受け部20上に確実に支持されやすい。
【0087】
(移動工程)
載置工程の後に移動工程が行われる。移動工程では、図2Cに示すように、各リフト装置60が後方に動かされる。これにより、載置工程でn枚のパネル7が載せられた各受け部材2(各受け部20)が、これらn枚のパネル7と共に後方に動かされ、ラック8からn枚のパネル7が取り出される。
【0088】
なお、本実施形態では、移動工程よりも前において、前述した倒れ抑制部材10が、受け部材2で受けられる複数枚のパネル7の中の最前のパネル7の上端部に取り付けられる。これにより、移動工程において、受け部材2で受けられた任意枚数のパネル7が、前方に倒れることが抑制される。なお、倒れ抑制部材10は、載置工程後に最前のパネル7に取り付けられてもよいし、載置工程よりも前でかつ微調節工程よりも後にパネル7に取り付けられてもよい。
【0089】
(第2実施形態)
次に第2実施形態のパネル受け台1について説明する。なお、以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0090】
図9に示す本実施形態のパネル受け台1は、支持部材3の受け部材2に対する前後方向の位置が変更可能である。
【0091】
本実施形態の受け部材2が備える一対の受け部20は、長手方向が前後方向と平行な直方体状に形成されている。一対の受け部20は、一対の取付部40にそれぞれ直接取り付けられて固定されている。なお、本実施形態のベース4は、第1実施形態のガイド部42を有していない。
【0092】
本実施形態のベース4は、左右の取付部40の後端部から上方に突出した縦材13と、縦材13から前方に突出した横材14とを有している。
【0093】
縦材13は例えば角形鋼管で構成される。縦材13の下端部は、左右の取付部40の後端部に固定されている。
【0094】
横材14は例えばアングル材で構成される。横材14の長手方向は、前後方向と平行である。横材14の後端部は、縦材13の上部に連結されている。横材14には、前後方向に一列に並んだ複数の孔15が形成されている。複数の孔15のピッチは、一枚のパネル7の厚みと略同じである。
【0095】
本実施形態の支持部材3は、一対の取付部40に対して取り外し可能に嵌め込まれる下嵌込部16と、横材14に対して取り外し可能に連結される上連結部17とを有している。
【0096】
下嵌込部16は、支持部30の下端部に取り付けられており、下方に開口した嵌合凹部72を有している。嵌合凹部72には、一対の取付部40が嵌め込まれる。このように嵌合凹部72に一対の取付部40が嵌め込まれた状態では、嵌合凹部7は一対の取付部40に対してスライド可能である。
【0097】
上連結部17は、支持部30の上部であり、ねじ孔(図示せず)を有している。前記ねじ孔には、横材14の任意の孔15に通したボルト18がねじ込まれる。これにより、上連結部17は横材14に対して固定される。
【0098】
本実施形態の倒れ抑制部材10は、横材14の前端部に取り外し可能に取り付けられる。なお、本実施形態のパネル受け台1は、ストッパー5を備えていない。
【0099】
本実施形態の調節工程では、まず、ラック8から取り出されるパネル7の枚数に応じて、横材14の複数の孔15の中から支持部材3の上連結部17を横材14に連結するためのボルト18が通される孔15が選択される。
【0100】
次に、支持部材3の嵌合凹部72に一対の取付部40が嵌め込まれ、この後、嵌合凹部72が一対の取付部40に対して前後方向にスライドされることで、支持部材3は前記ねじ孔が前記選択された孔15と重なる位置まで動かされる。
【0101】
次に、選択された孔15にボルト18が通され、このボルト18が前記ねじ孔にねじ込まれて、支持部材3がベース4に固定される。このように支持部材3がベース4に固定されることで、支持部30の支持面32から各受け部20の前端までの前後方向の寸法L1が、n枚のパネル7の総厚みと略同じ寸法となる。
【0102】
本実施形態の載置工程では、ラック8の後方に配置された各リフト装置60が、横材14から倒れ抑制部材10が取り外された状態で、前方に動かされ、この後、各リフト装置60の一対のフォーク61が上方に動かされることで、任意枚数のパネル7が各パネル受け台1の一対の受け部20上に対応する緩衝部材93を介して載せられる。
【0103】
そして、上記のように一対の受け部20上に任意枚数のパネル7が載せられた後、倒れ抑制部材10の嵌込凹部12に、受け部材2で受けられた複数枚のパネル7の中の最前のパネル7の上端部が嵌め込まれて保持され、この後、移動工程が行われる。
【0104】
(効果)
以上説明した第1実施形態及び第2実施形態のパネル受け台1は、起立姿勢のパネル7が厚み方向に複数枚並んだ状態で載せられたラック8から、パネル7を取り出す際に用いられるパネル受け台1であって、以下に示す特徴を有する。パネル受け台1は、起立姿勢のパネル7が前記厚み方向と平行な前後方向に複数枚並んだ状態で載せられる受け部20と、受け部20に載せられた複数枚のパネル7を後方から支持する支持部30とを備える。支持部30から受け部20の前端までの前後方向の寸法L1が、変更可能である。以下、この特徴を有するパネル受け台1を第1の態様のパネル受け台1という。
【0105】
第1の態様のパネル受け台1にあっては、ラック8に載せられた複数枚のパネル7の中の任意枚数のパネル7を、受け部20に起立姿勢でまとめて載せて取り出すことができる。また、この場合、受け部20に載せられた複数枚のパネル7を支持部30により後方から支持することができるため、受け部20に載せられた複数枚のパネル7を倒れ難くすることができる。また、支持部30から受け部20の前端までの前後方向の寸法L1を、ラック8から取り出される任意枚数のパネル7の総厚みに応じて変更することで、ラック8に載せられた複数枚のパネル7の中から、任意枚数のパネル7だけを受け部20に容易に載せることができる。従って、ラック8から任意枚数のパネル7を容易に取り出すことができる。
【0106】
また、第1実施形態のパネル受け台1は、第1の態様のパネル受け台1が有する特徴に加えて、以下に示す付加的な特徴を有する。受け部20は、前後方向に並んで配置され、複数枚のパネル7が載せられる複数の分割体21で構成される。以下、この特徴を有するパネル受け台1を第2の態様のパネル受け台1という。
【0107】
第2の態様のパネル受け台1は、複数の分割体21の数又は分割体21の前後方向の長さのうちの少なくとも一方を変更することで、支持部30から受け部20の前端までの前後方向の寸法L1を変更することができる。
【0108】
また、第1実施形態のパネル受け台1は、第2の態様のパネル受け台1が有する特徴に加えて、以下に示す付加的な特徴を有する。複数の分割体21は、前後方向に隣り合う分割体21の間隔が変更可能である。以下、この特徴を有するパネル受け台1を第3の態様のパネル受け台1という。
【0109】
第3の態様のパネル受け台1にあっては、受け部20の前後方向に隣り合う分割体21の間隔を変更することができる。このため、ラック8に載せられた任意枚数のパネル7の中の最後のパネル7の後面から最前のパネル7の前面までの前後方向の寸法L2が、パネル7の寸法誤差等を要因として変化したとしても、この寸法L2に、支持部30から受け部20の最前の分割体21aの前端までの前後方向の寸法L1を近づけることができる。従って、寸法L2が、パネル7の寸法誤差等を要因として変化したとしても、受け部20に任意枚数のパネル7を確実に載せることができる。
【0110】
また、第2実施形態のパネル受け台1は、第2の態様のパネル受け台1が有する特徴に加えて、以下に示す付加的な特徴を有する。支持部30の受け部20に対する前後方向の位置が、変更可能である。以下、この特徴を有するパネル受け台1を、第4の態様のパネル受け台1という。
【0111】
第4の態様のパネル受け台1にあっては、支持部30の受け部20に対する前後方向の位置を変更することで、支持部30から受け部20の前端までの前後方向の寸法L1を変更することができる。
【0112】
また、第1実施形態及び第2実施形態のパネル取り出し方法は、起立姿勢のパネル7が厚み方向に複数枚並んだ状態で載せられたラック8から、第1~第4のいずれかの態様のパネル受け台1を用いて、任意枚数のパネル7を取り出す取り出し方法であって、以下に示す特徴を有する。パネル取り出し方法は、調節工程と、載置工程と、移動工程とを備える。調節工程は、支持部30から受け部20の前端までの前後方向の寸法を、任意枚数のパネル7の総厚みに応じた寸法に調節する。載置工程は、調節工程の後に行われ、ラック8に載せられた任意枚数のパネル7を受け部20に起立姿勢でまとめて載せる。移動工程は、載置工程の後に行われ、受け部20を当該受け部20に載せられた任意枚数のパネル7と共に移動する。以下、このパネル取り出し方法を第1の態様のパネル取り出し方法という。
【0113】
第1の態様のパネル取り出し方法では、第1~第4の態様のパネル受け台1を用いて、ラック8から複数枚のパネル7をまとめて取り出すことができる。
【符号の説明】
【0114】
L1 支持部から受け部の前端までの前後方向の寸法
1 パネル受け台
20 受け部
21 分割体
30 支持部
7 パネル
8 ラック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9