(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】減量中に除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するための方法及び組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/17 20160101AFI20220929BHJP
A23K 20/147 20160101ALI20220929BHJP
A23K 20/158 20160101ALI20220929BHJP
A23K 20/163 20160101ALI20220929BHJP
A23K 40/25 20160101ALI20220929BHJP
A23K 50/40 20160101ALI20220929BHJP
A23L 33/115 20160101ALI20220929BHJP
A23L 33/125 20160101ALI20220929BHJP
【FI】
A23L33/17
A23K20/147
A23K20/158
A23K20/163
A23K40/25
A23K50/40
A23L33/115
A23L33/125
(21)【出願番号】P 2017523851
(86)(22)【出願日】2015-11-19
(86)【国際出願番号】 IB2015058983
(87)【国際公開番号】W WO2016083960
(87)【国際公開日】2016-06-02
【審査請求日】2018-11-08
【審判番号】
【審判請求日】2020-07-31
(32)【優先日】2014-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100167597
【氏名又は名称】福山 尚志
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【氏名又は名称】阿部 寛
(72)【発明者】
【氏名】パン, ユアンロン
(72)【発明者】
【氏名】シュー, フイ
(72)【発明者】
【氏名】バトナーゲル, サンディープ
【合議体】
【審判長】森井 隆信
【審判官】冨永 みどり
【審判官】馬場 亮人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-210115(JP,A)
【文献】特表2006-526417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L33/00-33/29
A23K20/00-20/28
CAplus/MEDLINE/EMBASE/ BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDream III)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
減量中に除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するための方法であって、肥満又は過体重の
ネコを特定することと、前記
ネコに、食品組成物を、前記
ネコのベースライン維持エネルギー必要量(MER)未満の量で投与することと、を含み、
除脂肪体重を維持することが、前記ネコの前記除脂肪体重を前記減量前に測定し、かつ前記除脂肪体重を前記減量後に測定することによって測定され、減量後の除脂肪体重の低下が5%未満であり、
前記食品組成物は、
タンパク質を30%~65%、
炭水化物
(ただし、食物繊維を除いた部分。)を10%~20%、かつ
脂肪を10%~25%含み、
前記食品組成物の量が、前記MERの50%~90%であり、
前記タンパク質対
前記炭水化物
の比率が4:1~6:1の範囲であ
り、
前記MERは、下記式で求められるものである、方法。
MER(kcal/日)=60×(体重kg)
【請求項2】
前記食品組成物が、前記
ネコに定期的に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タンパク質が前記食品組成物の45%~55%を占め、前記炭水化物が前記食品組成物の10%~20%を占め、かつ前記脂肪が前記食品組成物の10%~20%を占める、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記食品組成物がペットフード組成物である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
減量中に除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するための食品組成物であって、
除脂肪体重を維持することが、ネコの前記除脂肪体重を前記減量前に測定し、かつ前記除脂肪体重を前記減量後に測定することによって測定され、減量後の除脂肪体重の低下が5%未満であり、
タンパク質を30%~65%、
炭水化物
(ただし、食物繊維を除いた部分。)を10%~20%、かつ
脂肪を10%~25%含み、
前記食品組成物は、投与に際して前記
ネコのベースライン維持エネルギー必要量(MER)の50%~90%のエネルギーを提供するものであり、
前記タンパク質対
前記炭水化物
の比率が4:1~6:1の範囲であ
り、
前記MERは、下記式で求められるものである、食品組成物。
MER(kcal/日)=60×(体重kg)
【請求項6】
前記食品組成物が押出成形された乾燥食品組成物である、請求項
5に記載の食品組成物。
【請求項7】
前記タンパク質が前記食品組成物の45%~55%を占め、前記炭水化物が前記食品組成物の10%~20%を占め、かつ前記脂肪が前記食品組成物の10%~20%を占める、請求項
5に記載の食品組成物。
【請求項8】
前記食品組成物がペットフード組成物である、請求項
5に記載の食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2014年11月25日に出願された、米国特許仮出願第62/084,132号に対する優先権を主張するものであり、この開示は、本参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の分野)
[0002]本発明は、概して、肥満又は過体重の動物において、減量中に除脂肪体重を維持し、脂肪の低減を促進するための方法及び組成物に関する。
【0003】
(関連技術の説明)
[0003]肥満及び過体重の動物では、心臓疾患、糖尿病、高血圧、脳卒中、脂質異常症、特定の種類の癌、無呼吸及び変形性関節症等の多くの慢性疾患のリスクが増大する。したがって、ヒト及びペットを含む過体重及び肥満の動物にとって、過剰な体脂肪を低減することは、健康及び生活の質を維持するために必須である。残念ながら、動物が過剰な体脂肪を低減するために維持必要量よりも少ないカロリーを摂取する場合、動物はまた、正常な代謝、身体パフォーマンス及び健康に重要な除脂肪体重をも低下させてしまう。
【0004】
[0004]肥満症はヒト及びペットにおいて最も重篤な健康問題の1つで、主要な、予防可能な死因であると考えられている。除脂肪体重を維持することは、至適な代謝、正常な身体的活動及び良好な健康にとって非常に重要である。したがって、減量中に除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進することによって、動物の健康及びウェルネスを増進させ、生活の質を改善するのに有用な方法及び組成物が必要である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]したがって、本発明の目的は、減量中に除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するのに有用な方法及び組成物を提供することである。
【0006】
[0006]本発明の他の目的は、動物の健康及びウェルネスを増進させるための方法を提供することである。
【0007】
[0007]本発明の他の目的は、動物の一生のうちの盛時期を延長する方法を提供することである。
【0008】
[0008]これら又は他の目的の1つ以上が、食品組成物を、肥満又は過体重の動物に、減量中に除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するのに治療的に有効な量で投与することによって達成することができる。
【0009】
[0009]一実施形態において、減量中に除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するための方法は、肥満又は過体重である動物を特定することと、この動物に食品組成物を動物のベースライン維持エネルギー必要量(MER)未満の量で投与することと、を含むことができ、食品組成物は、タンパク質を約30%~約65%、炭水化物を約10%~約20%、かつ脂肪を約10%~約25%含む。タンパク質及び炭水化物は、食品組成物の動物への投与中、除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するのに有効な比率とすることができる。
【0010】
[0010]他の一実施形態において、減量中に除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するための食品組成物は、タンパク質を約30%~約65%、炭水化物を約10%~約20%、かつ脂肪を約10%~約25%含むことができる。タンパク質及び炭水化物は、食品組成物の肥満又は過体重の動物への投与中、除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するのに有効な比率とすることができる。
【0011】
[0011]本発明のその他並びに更なる目的、特徴及び利点は、当業者には容易に明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(定義)
[0012]用語「動物」は、減量中に除脂肪体重を維持する必要がある任意の動物を意味し、ヒト、トリ、ウシ属の動物、イヌ科の動物、ウマ科の動物、ネコ科の動物、ヤギのような動物、オオカミのような動物、ネズミ科の動物、ヒツジのような動物又はブタのような動物を含む。一態様において、動物は哺乳動物であってもよい。
【0013】
[0013]用語「コンパニオンアニマル」は、ネコ、イヌ、ウサギ、モルモット、フェレット、ハムスター、マウス、スナネズミ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ブタ等の家畜化された動物を意味する。一態様において、コンパニオンアニマルはイヌ科の動物であってもよい。他の一態様において、コンパニオンアニマルはネコ科の動物であってもよい。
【0014】
[0014]用語「治療的に有効な量」は、本明細書に記載される(i)特定の疾患、状態若しくは障害を治療若しくは予防し、(ii)特定の疾患、状態若しくは障害の1つ以上の症状を減弱、寛解若しくは解消し、又は(iii)特定の疾患、状態若しくは障害の1つ以上の症状の発現を予防若しくは遅延させる、本発明の化合物の量を意味する。
【0015】
[0015]用語「維持エネルギー必要量(maintenance energy requirement)」又は「MER」又は「ベースライン維持エネルギー必要量(baseline maintenance energy requirement)」は、動物の体重を維持するのに必要な食品組成物の最小量を意味する。一実施形態において、MERは1~12週間の期間にわたり、飼養試験、又は間接熱量測定法若しくは直接熱量測定法を用いて測定することができる。非熱量測定法もまた、用いることができる。
【0016】
[0016]用語「治療する(treating)」、「治療する(treat)」及び「治療(treatment)」は、予防の(preventative)、すなわち、予防的治療(prophylactic treatment)及び緩和的治療(palliativetreatment)の両方を包含する。
【0017】
[0017]用語「動物の健康及び/又はウェルネス」は、単に疾患又は衰弱がないだけでなく、動物の完全な肉体的、精神的及び社会的な幸福を意味する。
【0018】
[0018]用語「盛時を延長する」とは、動物が生存する年数を単に延長するのではなく、動物が健康な生活を送る年数を延長するという意味であり、例えば、動物はその一生の相対的により長期間の盛時において健康であるということである。
【0019】
[0019]用語「と共に(in conjunction)」とは、本発明の食品組成物、その構成成分、若しくは他の組成物が、動物に、(1)単一の食品組成物中で共に、又は(2)別々に、同一若しくは異なる頻度で、同一若しくは異なる投与経路を使用し、ほぼ同時に若しくは定期的に、投与されるという意味である。「定期的に(Periodically)」とは、食品組成物、その構成成分又は他の組成物が、特定の化合物又は組成物に対して許容できるスケジュールで投与されるという意味である。「ほぼ同時に(About the same time)」とは、概して、食品組成物、その構成成分又は他の組成物が、同一の時間又は互いに約72時間以内に投与されるという意味である。
【0020】
[0020]用語「肥満」は、過剰な体脂肪が、健康に有害作用を及ぼし得る程度まで蓄積した医学的状態を意味する。体格指数(BMI)は体重と身長を比較する測定値で、この値が30kg/m2を超える場合に、個体は肥満であると定義される。イヌ及びネコは、これらの体重がこれらの理想体重よりも30%超高い場合に、肥満に分類される。
【0021】
[0021]用語「過体重」とは、至適に健康であるよりも、より多くの体脂肪を有するという意味である。個体は、BMIが25kg/m2~30kg/m2の場合に過体重とみなされる。過体重は前肥満であるとみなされる。イヌ及びネコは、これらの体重がこれらの理想体重よりも15~29%高い場合に、過体重に分類される。
【0022】
[0022]用語「食品」又は「食品製品」又は「食品組成物」は、ヒトを含む動物によって摂取されることを意図し、動物に栄養素を提供する製品又は組成物を意味する。
【0023】
[0023]用語「定期的(regular basis)」とは、少なくとも月に1回の投与、また、一態様において、少なくとも週に1回の投与という意味である。週に2回又は3回等の、より頻回の投与又は摂取が、特定の実施形態において実施可能である。一態様において、投与計画は少なくとも1日1回の摂取を含むことができる。
【0024】
[0024]用語「単一パッケージ」とは、キットの構成要素が1つ以上の容器と物理的に関連付けられており、製造、流通、販売又は使用のための1単位とみなされるという意味である。容器としては、これらに限定されるものではないが、袋、箱、カートン、瓶、収縮包装等のパッケージ、ステープル若しくは別の方法で添付された構成要素又はこれらの組み合わせが挙げられる。単一パッケージは、製造、流通、販売又は使用のための1単位とみなされるように、物理的に関連付けられた、食品組成物又はその構成成分の容器であり得る。
【0025】
[0025]用語「仮想パッケージ」とは、キットの構成要素が、1つ以上の物理的又は仮想的なキットの構成要素に関する説明書によって関連付けられているという意味である。この説明書はユーザーに対し、例えば、1つの構成要素及び説明書を含む袋又は他の容器中の他の構成要素を得る方法について指示する。その内容は、ユーザーに対し、ウェブサイトを見るか、録音メッセージ若しくはファックス返信サービスにコンタクトするか、視覚的メッセージを見るか、又は介護者若しくはインストラクターに連絡をとるかして、キットの使用方法、又はキットの1つ以上の構成要素に関する安全情報若しくは技術的情報を取得するよう指示するものである。
【0026】
[0026]用語「約」は、プラス又はマイナス20%を意味し、一態様においてプラス又はマイナス10%を意味し、他の一態様においてはプラス又はマイナス5%を意味し、特定の一態様においてはプラス又はマイナス2%を意味する。
【0027】
[0027]本明細書で使用する、「含む(comprising)」という用語又は他のオープンエンドの用語を用いた実施形態、態様及び実施例は、実施形態「から実質的になる(consisting essentially of)」及び実施形態「からなる(consistingof)」によって置き換えることができる。
【0028】
[0028]用語「完全かつバランスのとれた」は、食品組成物について言及する場合、動物栄養学の分野において認知された当局の推奨に基づいて、全ての既知の必須栄養素を適切な量及び比率で含み、したがって、補助的な栄養源を追加することなく、生命維持又は生産促進のための唯一の食事摂取源として供給することができる食品組成物を意味する。栄養バランスのとれたペットフード及び動物食品組成物は、当該技術分野において周知で広く使用され、例えば、米国飼料検査官協会(AAFCO)によって確立された基準に従って配合された、完全かつバランスのとれた食品組成物がある。
【0029】
[0029]本明細書に表記されている全ての百分率は、特に記載がない限り、乾燥物に対する組成の重量百分率である。当業者であれば、用語「乾燥物に対する(dry matter basis)」とは、組成物中の成分の濃度又は百分率は、組成物中の全ての自由水分が除去された後に測定又は求められたという意味であることを理解するであろう。
【0030】
[0030]本明細書で使用する場合、範囲は、範囲内のそれぞれの値及び全ての値を掲載及び記述することを回避すべく、簡略的に用いられる。範囲内の任意の適切な値が、範囲の上限値、下限値又は末端値として、適宜、選択可能である。
【0031】
[0031]本明細書で使用する場合、文脈からそうでない旨を明確に判断できない限り、単語の単数形には複数形が包含され、逆に複数形には単数形が包含される。したがって、「a」、「an」及び「the」の言及には、概してそれぞれの用語の複数形が包含される。例えば、「栄養補助食品(a supplement)」、「方法(a method)」又は「食品(a food)」という言及には、これらの複数形「栄養補助食品(supplements)」、「方法(methods)」又は「食品(foods)」が包含される。同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」という単語は、排他的ではなく、包含的に解釈されるものとする。同様に、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限り、全て包括的なものと解釈される。同様に、用語「例(examples)」は、特に用語の掲載が後続する場合、単に例示的かつ説明のためのものであり、排他的又は包括的なものであると判断すべきではない。
【0032】
[0032]本明細書で開示される方法及び組成物及び他の進歩は、当業者により認識される通り変更可能であるので、本明細書に記載の特定の方法、手順及び試薬に限定されるものではない。更に、本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を記載することのみを目的とし、開示又は請求の範囲の限定を意図せず、かつ限定しない。
【0033】
[0033]別途定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語及び科学用語、専門用語並びに頭字語は、本発明分野の当業者により又は用語が用いられている分野において、共通の理解がなされるという意味を有している。本明細書に記載のものに類似又は等価の任意の組成物、方法、製造物品又は他の手段若しくは材料を本発明の実施に使用できるが、特定の組成物、方法、製造物品又は他の手段若しくは材料を本明細書に記載する。
【0034】
[0034]本明細書において引用又は参照される全ての特許、特許出願、出版物、技術的及び/又は学術的論文並びにその他の参考文献は、その全体が参照により、法によって許容される範囲で本明細書に援用される。これらの参照についての論考は、これらにおいてなされる主張を要約することを意図するにすぎない。このようないかなる特許、特許出願、出版物若しくは参考文献についても、又はこれらの任意部分についても、関連性があり、材料であり、又は先行技術であると認めるものではない。このような特許、特許出願、出版物及びその他の参考文献について、関連性があり、材料であり、又は先行技術であるといういかなる断定に対しても、その正確性及び適切性について異議を申し立てる権利を明確に留保するものである。
【0035】
(本発明)
[0035]本方法及び組成物は、特定の食品組成物が、肥満又は過体重の動物において、除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進することが判明したという発見に基づいている。このような食品組成物は、除脂肪体重を維持しながら減量をもたらすための、減量補助剤又は他の添加物を必要としない。しかしながら、このような添加物又は補助剤は、本明細書に記載の実施形態から排除されない。具体的には、減量は、本明細書に記載の食品組成物を、肥満又は過体重の動物に、動物のベースライン維持エネルギー必要量(MER)未満で給餌することによって除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進している間に観察された。このような食品組成物は、一般的な食品組成物と比較して、減量中に除脂肪体重を維持し、又は除脂肪体重の低下を最小化し、かつ脂肪の低減を促進する、タンパク質対炭水化物の比率を利用する。
【0036】
[0036]これらの発見に従い、一実施形態において、減量中に除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するための方法は、肥満又は過体重である動物を特定することと、この動物に食品組成物を動物のベースライン維持エネルギー必要量(MER)未満の量で投与することと、を含むことができ、食品組成物は、タンパク質を約30%~約65%、炭水化物を約10%~約20%、かつ脂肪を約10%~約25%含み、タンパク質及び炭水化物は、食品組成物の動物への投与中、除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するのに有効な比率とすることができる。
【0037】
[0037]このようなタンパク質対炭水化物の比率は、約4:1~約10:1の範囲とすることができる。一実施形態において、タンパク質対炭水化物の比率は、約4:1~約6:1の範囲である。一態様において、タンパク質対炭水化物の比率は、約5:1とすることができる。
【0038】
[0038]概して、本明細書に記載の方法は、過体重又は肥満の動物を特定することと、動物のMERを測定することと、本食品組成物をMER未満の量で投与し、除脂肪体重を維持しながらも、効果的な減量を提供することと、を含むことができる。一実施形態において、動物のMERを測定する工程は、現在の体重を維持することができるカロリーの最小量を間接熱量測定法又は直接熱量測定法によって測定することにより、達成できる。他の一実施形態において、MERは、種、性別、品種、年齢等によって得ることができる。一態様において、動物はヒトとすることができ、MERは性別、年齢及び身長から求めることができる。例えば、ヒト男性の場合、MER(kcal/日)=[662-(9.53X年齢)]+(15.91X体重kg)+(539.6X身長メートル)、ヒト女性の場合、MER(kcal/日)=[(354-(6.91X年齢)]+(9.36X体重kg)+(726X身長メートル)である。他の一態様において、動物はコンパニオンアニマルとすることができ、MERは品種及び年齢から求めることができる。例えば、イヌのMER(kcal/日)=139*(体重kg)0.75及びネコのMER(kcal/日)=60*(体重kg)。本方法は、除脂肪体重の低下を維持又は最小化しながらも、動物が体重を低減する上で効果的な減量を提供する。除脂肪体重を維持すること又は除脂肪体重の低下を最小化することは、動物の除脂肪体重を減量前に測定し、除脂肪体重を減量後に測定することによって確認することができ、除脂肪体重の低下は5%未満である。一態様において、この除脂肪体重の低下は4%、3%、2%又は1%未満となる場合がある。特定の一態様において、除脂肪体重の低下の防止を達成でき、他の一態様においては、除脂肪体重の増加を達成できる。このように除脂肪体重を維持すること又は除脂肪体重の低下を最小化することは、体脂肪の顕著な低減によって達成することができる。一実施形態において、減量は動物の体重の少なくとも10%となる場合がある。一態様においては、減量は少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%又は50%となる場合がある。たとえそうであっても、効果的な減量は、10%未満、5%未満、3%未満又は1%未満等の、より少ない量の減量においても見ることができる。
【0039】
[0039]本方法は、効果的な減量をもたらす量で存在する構成成分を有する食品組成物を投与することを含む。本明細書で説明したように、本食品組成物は、概して動物のMER未満の量で投与される。一実施形態において、投与される食品組成物の量は、MERの約50%~90%とすることができる。一態様において、投与量は、MERの約70%~約80%とすることができる。その他の量が適切な場合もあり、動物の初期体重及び、種、性差、品種、年齢、所望の体重減少等の他の変数に基づいて決定することができる。
【0040】
[0040]投与は、必要に応じ、所望により、定期的に又は間欠的に実施することができる。一態様において、食品組成物は、定期的に動物に投与することができる。一態様において、少なくとも1週間ごとの投与を実施することができる。週に2回又は3回等の、より頻回の投与又は摂取が、特定の実施形態において実施可能である。一態様において、投与計画は少なくとも1日1回の摂取を含むことができる。
【0041】
[0041]本発明の方法によれば、投与は、食餌療法の一部としての投与を含め、動物の出産から成体期に及ぶ期間にわたってもよい。様々な実施形態において、動物はヒト又はイヌ若しくはネコ等のコンパニオンアニマルであってもよい。ある特定の実施形態において、動物は若齢又は成長期の動物であってもよい。他の実施形態において、投与は、例えば、動物がその推定寿命又は予測寿命の約10%、20%、30%、40%又は50%超に達したときに、定期的に又は長期にわたって定期的に開始することができる。いくつかの実施形態において、動物は、その予測寿命の40、45又は50%に達している場合がある。更に他の実施形態において、動物はより老齢であってもよく、その見込まれる寿命の60、66、70、75又は80%に達している。寿命の決定は、保険統計の表、計算、推定等に基づくことができ、並びに、寿命に好影響又は悪影響を及ぼすことが知られている、過去、現在及び未来の影響又は要因を考慮してもよい。種、性別、大きさ、遺伝的要因、環境要因、環境ストレス要因、現在及び過去の健康状態、過去及び現在の栄養状態、ストレス要因等の考慮もまた、寿命を決定する際に影響する場合があり、又はこれらを考慮に入れてもよい。
【0042】
[0042]このような投与は、例えば、動物における減量中に除脂肪体重を維持すること、生活の質を改善すること、並びに動物において健康及びウェルネスを増進させることといった、本発明の1つ以上の目的を達成するのに必要な期間にわたって実施することができる。
【0043】
[0043]概して、減量中に除脂肪体重を維持するための食品組成物は、タンパク質を約30%~約65%、炭水化物を約10%~約20%、かつ脂肪を約10%~約25%含むことができる。このような構成成分は、合計%が100%を超えない範囲で比例させることができ、かつこのような組成物は、例えば本明細書で説明されている他の構成成分を含むものと理解される。更に、タンパク質及び炭水化物は、食品組成物の肥満又は過体重の動物への投与中、除脂肪体重を維持し、かつ脂肪の低減を促進するのに有効な比率とすることができる。
【0044】
[0044]タンパク質は粗タンパク質材料であってもよく、ダイズ油粕、ダイズタンパク質濃縮物、トウモロコシグルテンミール、小麦グルテン、綿実及びピーナッツ油粕等の植物性タンパク質又はカゼイン、アルブミン、及び食肉タンパク質等の動物性タンパク質であってもよい。本明細書で有用な食肉タンパク質の例としては、牛肉、豚肉、ラム肉、馬肉、鶏肉、魚肉及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態において、タンパク質は食品組成物の約45%~約55%を占める。
【0045】
[0045]概して、任意の種類の炭水化物を食品組成物に使用することができる。好適な炭水化物の例としては、コメ、トウモロコシ、キビ、ソルガム、アルファルファ、大麦、ダイズ、キャノーラ、エンバク、小麦、ライ麦、ライ小麦及びこれらの混合物等の穀物又はシリアルが挙げられる。組成物はまた、任意選択的に、乾燥ホエイ及び他の乳製品の副生成物等の他の材料を含んでもよい。一実施形態において、炭水化物は食品組成物の約10%~約20%を占める。
【0046】
[0046]概して、食品組成物は脂肪を含む。好適な脂肪の例としては、動物性脂肪及び植物性脂肪が挙げられる。一態様において、脂肪源は獣脂又は家禽油等の動物性脂肪源とすることができる。トウモロコシ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ブドウ種油、ダイズ油、オリーブ油並びに単不飽和脂肪酸及び多価不飽和脂肪酸が豊富なその他の植物油もまた使用することができる。一実施形態において、脂肪は食品組成物の約10%~約20%を占める。
【0047】
[0047]このような食品組成物の含水率は、食品組成物の性質に応じて変動する。食品組成物は乾燥組成物(例えば、キブル)、半湿潤組成物、湿潤組成物、又はこれらの任意の混合物であってもよい。一実施形態において、組成物はペットフード組成物であってもよく、一態様においては、完全かつ栄養バランスのとれたペットフードであってもよい。この実施形態において、ペットフードは、「湿潤食品」、「乾燥食品」又は「中間含水」率の食品であってもよい。「湿潤食品」は、典型的には缶又はホイルバッグに入れて販売され、典型的には約70%~約90%の範囲の含水率を有するペットフードを表す。「乾燥食品」は、湿潤食品と同様の組成であるが、典型的には約5%~約15%又は20%の限定された水分量を含むペットフード(典型的には小さなビスケットのようなキブルの形態)を表す。一実施形態において、組成物の含水率は約5%~約20%の含水率である。乾燥食品製品には様々な含水率の種々の食品が含まれ、これらは比較的貯蔵安定性がよく、微生物又は真菌による劣化又は汚染に抵抗性がある。また、一態様において、乾燥食品組成物は、押出成形された、ヒト又は動物用の食品製品であってもよい。
【0048】
[0048]食品組成物はまた、1種以上の繊維源を含んでもよい。用語「繊維」は、可消化性か非消化性か、可溶性か不溶性か、発酵性か非発酵性かに関わらず、食品中の「繊維質(bulk)」の全ての供給源を含む。このような繊維は海洋植物等の植物源由来であってもよいが、微生物の繊維の供給源もまた使用することができる。当業者には知られるように、様々な可溶性又は不溶性の繊維を利用することができる。繊維源はビートパルプ(テンサイ由来)、アラビアゴム、タルハガム、オオバコ、米糠、イナゴマメゴム、シトラスパルプ、ペクチン、フラクトオリゴ糖、短鎖オリゴフルクトース、マンナンオリゴフルクトース、ダイズ繊維、アラビノガラクタン、ガラクトオリゴ糖、アラビノキシラン又はこれらの混合物であってもよい。
【0049】
[0049]あるいは、繊維源は発酵性繊維であってもよい。発酵性繊維がコンパニオンアニマルの免疫系に効果をもたらすとの報告が、以前にされている。当業者に既知の、プレバイオティクスを提供して腸内のプロバイオティクスの増殖を促進する発酵性繊維又はその他の組成物もまた、組成物に組み込み、本発明によって提供される動物の免疫系に対する利益の増強を補助することができる。
【0050】
[0050]いくつかの実施形態において、食品組成物の灰分は1%未満~約15%の範囲である。一態様において、灰分は約5%~約10%であってもよい。
【0051】
[0051]概して、食品組成物は、ヒト並びにイヌ及びネコ等のコンパニオンアニマルを含む動物による摂取のために、食事として又は食事、スナック若しくはトリート(a treat)の構成成分として好適であり得る。このような組成物としては、動物に求められる栄養必要量を供給することを目的とした完全な食品を挙げることができる。このような食品組成物の例としては、これらに限定されるものではないが、乾燥食品、湿潤食品、飲み物、バー、冷凍調理食品、保存用調理食品(shelf prepared foods)及び冷蔵調理食品等が挙げられる。
【0052】
[0052]食品組成物は、ビタミン、ミネラル、抗酸化剤、プロバイオティクス、プレバイオティクス、塩並びにパラタント(palatants)、着色剤、乳化剤及び抗菌剤又は他の保存剤等の機能性添加物等の1つ以上の物質を更に含んでもよい。このような組成物において有用となり得るミネラルとしては、例えば、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、鉄、塩化物、ホウ素、銅、亜鉛、マグネシウム、マンガン、ヨウ素、セレン等が挙げられる。本明細書で有用な追加のビタミンの例としては、A、D、E及びK等の脂溶性ビタミンが挙げられる。イヌリン、アミノ酸、酵素、補酵素等は、様々な実施形態において、含むのに有用であり得る。
【0053】
[0053]様々な実施形態において、食品組成物は、(1)1種以上のプロバイオティクス、(2)1種以上の不活化プロバイオティクス、(3)例えば、タンパク質、脂質、糖タンパク質等の、プロバイオティクスに類似又は同一の健康上の利益を増進させる、不活化プロバイオティクスの1種以上の構成成分、(4)1種以上のプレバイオティクス及び(5)これらの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む。プロバイオティクス又はこれらの構成成分は、食品組成物中に組み込むことができ(例えば、組成物中に均一又は不均一に分配される)、又は食品組成物に適用することができる(例えば、担体を用いるか又は担体なしに局所的に適用される)。このような方法は当業者には既知であり、例えば米国特許第5968569号及び関連の特許に記載されている。
【0054】
[0054]典型的なプロバイオティクスとしては、これらに限定されるものではないが、乳酸杆菌、ビフィドバクテリウム又は腸球菌、例えば、Lactobacillus reuteii、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus animalis、Lactobacillus ruminis、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus casei、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus fermentum及びBifidobacterium sp.、Enterococcus faecium及びEnterococcus sp.から選択されるプロバイオティクス株が挙げられる。いくつかの実施形態において、プロバイオティクス株は、Lactobacillus reuteri(NCC2581;CNCM I-2448)、Lactobacillus reuteri(NCC2592;CNCM I-2450)、Lactobacillus rhamnosus(NCC2583;CNCM I-2449)、Lactobacillus reuteri(NCC2603;CNCM I-2451)、Lactobacillus reuteri(NCC2613;CNCM I-2452)、Lactobacillus acidophilus(NCC2628;CNCM I-2453)、Bifidobacterium adolescentis(例えば、NCC2627)、Bifidobacterium sp. NCC2657又はEnterococcus faecium SF68(NCIMB 10415)からなる群から選択することができる。食品組成物は、プロバイオティクスを約104~約1012cfu/動物/日、一態様においては105~約1011cfu/動物/日、特定の一態様においては107~1010cfu/動物/日供給するのに十分な量で含む。プロバイオティクスが殺菌又は不活化されている場合、殺菌又は不活化されたプロバイオティクス又はこれらの構成成分の量は、微生物の生菌と同様の有益な効果を引き起こすはずである。多くのこのようなプロバイオティクス及びこれらの効果は当業者には既知であり、例えば、欧州特許第1213970(B1)号、同第1143806(B1)号、同第7189390号、同第1482811(B1)号、同第1296565(B1)号及び米国特許第6929793号に記載されている。一実施形態において、プロバイオティクスはEnterococcus faecium SF68(NCIMB 10415)とすることができる。他の一実施形態において、プロバイオティクスは、当業者に既知の方法及び材料を使用し、担体に封入することができる。
【0055】
[0055]前述のとおり、食品組成物は1つ以上のプレバイオティクス、例えば、フラクトオリゴ糖、グルコオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ラクトスクロース、ラクツロース及びイソマルツロースを含んでもよい。一実施形態において、プレバイオティクスはチコリの根、チコリの根の抽出物、イヌリン又はこれらの組み合わせとすることができる。概して、プレバイオティクスは、腸内の健全な微生物相を確実に刺激し、これらの「善玉」菌を繁殖させるのに十分な量で投与することができる。典型的な量は1給餌当たり約1~約10g又は動物に対する食物繊維の推奨1日量の約5%~約40%の範囲である。プロバイオティクス及びプレバイオティクスは、任意の好適な手段によって、組成物の一部とすることができる。概して、これらの作用要素は、組成物と混合するか、組成物の表面に、例えば散布又は噴霧によって適用することができる。これらの作用要素がキットの一部である場合、これらの作用要素は他の材料と混合するか、これらの作用要素自体のパッケージ中にあってもよい。典型的には、食品組成物は乾燥物に対し、プレバイオティクスを約0.1~約10%、一態様においては約0.3~約7%、また特定の一態様においては約0.5~5%含む。プレバイオティクスは、例えば、米国特許第5952033号等の当業者に既知の方法を使用して組成物中に埋め込むことができる。
【0056】
[0056]当業者であれば、特定の動物に投与される特定の組成物を製造するのに使用される、食品原材料、ビタミン、ミネラル、プロバイオティクス、プレバイオティクス、抗酸化剤又は他の原材料の適量を決定することができる。このような当業者は、このような原材料を含む特定の組成物の最適な配合方法を決定する際、動物の種、年齢、大きさ、体重、健康状態等を考慮する。考慮され得るその他の要因としては、各構成成分の所望の用量、異なる動物による特定の種類の組成物の平均摂取量(例えば、種、体重、活動/エネルギー要求量等に基づく)、及び組成物の製造要件が挙げられる。
【0057】
[0057]更なる一態様において、本発明は、食品組成物を動物に投与するのに好適なキットを提供する。キットは、単一パッケージ中の個別の容器中に又は仮想パッケージ中の個別容器中に、キットの構成要素に応じて適宜、(1)動物による摂取に好適な1種以上の原材料、(2)減量中に除脂肪体重を維持するのに有用な組成物を調製するための、原材料と他のキットの構成要素との組み合わせ方法に関する説明、(3)減量中に除脂肪体重を維持するための食品組成物の使用方法に関する説明、(4)1種以上のプロバイオティクス、(5)1種以上の不活化プロバイオティクス、(6)例えば、タンパク質、脂質、糖タンパク質等の、プロバイオティクスに類似又は同一の健康上の利益を増進させる、不活化プロバイオティクスの1種以上の構成成分、(7)1種以上のプレバイオティクス、(8)キットの構成要素を調製又は組み合わせ、動物への投与に好適な組成物を調製するためのデバイス、並びに(9)組み合わされたキットの構成要素又は調製されたキットの構成要素を動物に投与するためのデバイス、のうちの1つ以上を含む。一実施形態において、キットは、動物による摂取に好適な1種以上の原材料を含む。他の一実施形態において、キットは、減量中に除脂肪体重を維持するのに有用な組成物を調製するための、原材料の組み合わせ方法に関する説明を含む。
【0058】
[0058]キットが仮想パッケージを含む場合、キットは、1つ以上の物理的なキットの構成要素と組み合わせた、仮想環境における説明に限定される。キットは、構成要素を、減量中に除脂肪体重を維持するのに十分な量で含む。典型的には、キットの構成要素は、動物による摂取の直前に混合することができる。キットは、キットの構成要素を、様々な組み合わせ及び/又は混合物のいずれかで含む。一実施形態において、キットは、動物による摂取のための食品の容器を含む。キットは、原材料を混合するためのデバイス又は混合物を入れるデバイス、例えば、食品用のボール等の、追加の品目を含んでもよい。他の一実施形態において、食品組成物は、動物において良好な健康を増進させるビタミン及びミネラル等の追加の栄養補助食品と混合することができる。構成要素は、それぞれ単一パッケージ中の個別容器に入れるか、又は異なるパッケージ中の様々な構成要素の混合物として提供することができる。いくつかの実施形態において、キットは、動物による摂取に好適な1種以上の他の原材料を含む。一態様において、このようなキットは、動物による摂取のための食品組成物を形成するための、原材料の組み合わせ方法を記述した説明を含むことができ、この方法は、概して、原材料を混合すること、又は任意選択の添加物を他の原材料に適用すること、例えば、栄養補助食品を食品組成物上に散布することによるものである。
【0059】
[0059]更なる一態様において、本発明は、(1)減量中に除脂肪体重を維持するための食品組成物を使用すること、(2)本発明の方法及び組成物に関して質問がある場合に消費者が使用するための連絡先情報、並びに(3)食品組成物に関する栄養学的情報、のうちの1つ以上に関する情報又は説明を伝達するための手段を提供する。伝達手段は、本発明を使用する利益について説明するため、また食品組成物を動物に投与するための承認された方法を伝達するために有用であり得る。この手段には、物理的な文書若しくは電子文書、デジタル記録媒体、光学的記憶媒体、オーディオ再生、視聴覚機器又は情報若しくは説明を含む表示装置が含まれる。一態様において、手段は、表示されたウェブサイト、表示装置キオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、配布資料、公示、録音テープ、ビデオテープ、DVD、CD-ROM、コンピュータにより読み取り可能なチップ、コンピュータにより読み取り可能なカード、コンピュータにより読み取り可能なディスク、USB装置、FireWire装置、コンピュータメモリ及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。
【0060】
[0060]他の一態様において、本発明は、動物による摂取に好適な1種以上の他の原料成分、例えば、タンパク質、脂肪、炭水化物、繊維、ビタミン、ミネラル、プロバイオティクス、プレバイオティクス等の1種以上を含む、食品組成物を製造するための方法を提供する。この方法は、動物による摂取に好適な1種以上の原材料を混合することを含む。組成物は、当該技術分野において好適な任意の方法によって製造することができる。
【0061】
[0061]他の一態様において、本発明は、本発明の組成物を収納するのに有用なパッケージを提供する。パッケージは、食品組成物の収納に好適な少なくとも1種の材料と、パッケージに貼付され、単数又は複数の単語、画像、意匠、頭字語、標語、フレーズ若しくは他の仕組み又はこれらの組み合わせを含み、パッケージの内容物が食品組成物を含むことを示すラベルを含む。いくつかの実施形態において、パッケージに貼付されたラベルは、パッケージの内容物が、減量中に除脂肪体重を維持することに関して有益な特性を有する食品組成物を含むことを示す、単数又は複数の単語、画像、意匠、頭字語、標語、フレーズ若しくは他の仕組み又はこれらの組み合わせを含む。典型的には、このような仕組みは、パッケージ上に印刷された、「減量中の除脂肪体重を維持する」といった言葉、又は同等の表現を含む。組成物の収納に好適な任意のパッケージの形状及びパッケージ材料、例えば、紙、プラスチック、ホイル、金属等から製造される袋、箱、瓶、缶、パウチ等が本発明において有用である。一実施形態において、パッケージは、ラベルに応じて適宜、ヒト、イヌ科の動物、又はネコ科の動物等の特定の動物に適した食品組成物を含み、一実施形態において、イヌ又はネコ用のコンパニオンアニマルの食品組成物を含む。一実施形態において、パッケージは、本発明の食品組成物を含む缶又はパウチとすることができる。様々な実施形態において、パッケージは、パッケージを開封せずにパッケージの内容物を見ることを可能とする、少なくとも1つの窓を更に含む。いくつかの実施形態において、この窓はパッケージ材料の透明部分であってもよい。他の実施形態においては、この窓はパッケージ材料の欠落部分であってもよい。
【実施例】
【0062】
[0062]本発明は、下記の実施例によって更に例示することができるが、この実施例は例示目的でのみ含まれるものであり、特に記載がない限り、本発明の範囲の限定を意図するものではないことを理解されたい。
【0063】
実施例1
[0063]食品組成物投与の生理作用について精査した。食品組成物をネコに与え、体重の減少及び身体組成に対する効果を調べた。
【0064】
[0064]このネコの試験において、30匹の過体重のネコを、ベースライン維持エネルギー必要量(MER)、体重、体脂肪、年齢及び性別に基づき、2群に無作為に割り付けた。試験中、全てのネコに、これらのベースラインMER
よりも25%
低く給餌した。投与した食餌を、表1に列挙する。ネコにそれぞれの食餌を6箇月間投与した。体重を毎週記録し、身体組成を定量的磁気共鳴(QMR)法によって毎月測定した。
【表1】
【0065】
[0065]6箇月間の試験の終了時、試験群のネコは、対照食を給餌されたネコよりも体重が減少した(645.54g対513.50g)。更に、驚くべきことに、試験食を給餌されたネコは、除脂肪体重の減少量が顕著に低かった(43%低い)[ベースラインと比較して、対照群のネコ(-151.0g)に対し、-105.92]。更に、試験群のネコは、対照食を給餌されたネコよりも、著しく体脂肪率を低下させた(7.60%対3.58%)。データを表2に示す。データによると、高タンパク質、低炭水化物及び低繊維の食餌は、従来の食餌に対し、過体重のネコにおける減量中に除脂肪体重の低下を防止し、体脂肪の低減を促進する上で著しく優れている。
【表2】
【0066】
実施例2
[0066]イヌの試験において、30匹の成犬(2~12歳)を、ベースライン維持エネルギー必要量(MER)、体重、体脂肪、年齢及び性別に基づき、2群に無作為に割り付けた。試験中、全てのイヌに、これらのベースラインMERよりも25%多く給餌した。投与した食餌を、表3に列挙する。イヌにそれぞれの食餌を6箇月間投与した。体重を毎週記録し、身体組成をDEXA法によって2箇月ごとに測定した。
【表3】
【0067】
[0067]6箇月間の試験の終了時、試験群のイヌは、対照食と比較して、同一量の体重(32.28kg対32.27kg)及び体脂肪%(29.56%対29.52%)だった。データを表4に示す。データによると、動物のMERを上回る量を給餌した場合に、タンパク質対炭水化物の比率が3.5:1の食餌では、体重増加の防止及び体脂肪増加の最小化ができなかった。
【表4】
【0068】
[0068]本明細書において、本発明の特定の実施形態を開示した。具体的な用語が使用されているが、これらは包括的に、かつ説明目的でのみ使用されるものであり、限定を目的とするものではない。本発明の範囲は、「特許請求の範囲」において規定する。上記の技術を考慮すれば、本発明には多くの改変及び変形が可能であることは明らかである。したがって、具体的に記載されたもの以外であっても、添付の特許請求の範囲内で、本発明が実施可能であると理解するものとする。