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特許7149101スロープの連結構造及びそれを用いた携帯用スロープ
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  • 特許-スロープの連結構造及びそれを用いた携帯用スロープ 図1
  • 特許-スロープの連結構造及びそれを用いた携帯用スロープ 図2
  • 特許-スロープの連結構造及びそれを用いた携帯用スロープ 図3
  • 特許-スロープの連結構造及びそれを用いた携帯用スロープ 図4
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  • 特許-スロープの連結構造及びそれを用いた携帯用スロープ 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】スロープの連結構造及びそれを用いた携帯用スロープ
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/00 20060101AFI20220929BHJP
   A61G 3/06 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
E04F11/00 100
A61G3/06 711
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018095067
(22)【出願日】2018-05-17
(65)【公開番号】P2019199751
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】川口 聡
(72)【発明者】
【氏名】黒田 定信
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-007441(JP,A)
【文献】特開2003-230597(JP,A)
【文献】特開2015-113699(JP,A)
【文献】特開2001-279898(JP,A)
【文献】特開2004-346661(JP,A)
【文献】特開2000-270967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/00
A61G 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがスロープ面を形成し、側部が互いに対向する複数のスロープを、折り畳み可能に前記側部で連結する連結部の連結構造であって、
一方のスロープに固定した第1連結部材と他方のスロープに固定した第2連結部材とからなり、
第1連結部材と第2連結部材のうち、水平方向に展開時に一方の連結部材側他方の連結部材の上面当接する規制部を有し、前記一方の連結部材に設けた前記規制部の根元部と他方の連結部材の先端部にて回動可能に連結してあり、逆折れ防止機能を備えたことを特徴とするスロープの連結構造。
【請求項2】
請求項1記載のスロープの連結構造を用いたことを特徴とする携帯用スロープ。
【請求項3】
前記規制部に折り畳み操作及び携帯のための持手部を有することを特徴とする請求項2記載の携帯用スロープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折り畳み可能なスロープの連結構造、及びそれを用いた携帯用スロープに関する。
【背景技術】
【0002】
段差部や溝部等に架け渡して、歩行面や車椅子等の走行面を形成するのに、折り畳み可能な携帯用スロープが提案されている。
例えば特許文献1には、複数のスロープをシート材で連結した折り畳み構造を開示する。
しかし、シート材には剛性が無く、個々のスロープにて剛性を確保しなければならないので、個々のスロープの厚みが厚くなる等、携帯性や収納性が低下する。
特許文献2には、複数のスロープ同士を突き合せるようにして、蝶番で連結した構造を開示する。
これは蝶番が逆方向に折れるのを防止するために、スロープ同士の端面部を突き合せたものであり、その力に耐えるだけの剛性が必要となることから、枠材等が必要になり、その分重くなるので携帯性が低下する。
また、スロープの構造が複雑になり高コストとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-162818号公報
【文献】特開2015-150328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数のスロープを折り畳み可能に連結する際に、連結部材に逆折れ防止機能を備えた連結構造及びそれを用いた携帯用スロープの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るスロープの連結構造は、複数のスロープを折り畳み可能に連結する連結部の連結構造であって、第1連結部材と第2連結部材とを相互に折り畳み可能に連結してあるとともに、水平方向に展開した状態で一方の連結部材から他方の連結部材の側面に向けて突設した規制部を有することを特徴とする。
【0006】
ここで、一方の連結部材から他方の連結部材の側面に向けて突設した規制部は、折り畳み方向と逆方向に折れ曲がろうとすると、この他方の連結部材の側面に当たり、それ以上折れ曲がる(逆折れ)のを防止する。
【0007】
このような連結構造は、折り畳み可能な携帯用スロープに適用するのが好適であり、その場合に、前記規制部に折り畳み操作及び携帯のための持手部を有するようにすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、複数のスロープを折り畳み可能に連結する場合の連結部自体に逆折れ防止機構を備えているので、連結するスロープ本体同士の端面を突き合せる必要がなくなる。
それによりスロープ本体の構造が簡単になり、その分だけ軽量化を図ることができる。
また、本発明においては、スロープを展開した際に第1連結部材と第2連結部材とが規制部を介して重なり合うので高剛性であり、スロープ全体の軽量化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る携帯用スロープの例を示す。(a)は展開して段差部に架け渡した状態、(b),(c)は折り畳み操作を示す。
図2】(a)は携帯用スロープの平面図、(b)は斜視図を示す。
図3】(a)は第1連結部材及び第2連結部材の平面図、(b)は(a)の断面図を示す。(c)はスロープに取り付けた状態の断面図を示す。
図4】(a)は持手部を取り付けた平面図、(b)はその断面図を示す。
図5】第2の実施例を示す。
図6】第1連結部材と第2連結部材にそれぞれ回動連結用のヒンジ部を形成した例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るスロープの連結構造及び、それを用いた携帯用スロープの例を以下、図に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0011】
図1に携帯用スロープ10及びそれを折り畳む流れを示す。
図2に携帯用スロープ10の平面図、(b)に斜視図を示す。
本発明は、複数のスロープを折り畳み可能に連結した連結部の構造に特徴があり、その構造を図3,4に示す。
本実施例は2枚のスロープを折り畳み可能に連結した例になっているが、スロープの枚数に限定はない。
【0012】
携帯用スロープ10は図1,2に示すように、第1スロープ11に第1連結部材13を固定し、第2スロープ12に第2連結部材14を固定し、この第1連結部材13と第2連結部材14とを一方向のみに折り畳み可能に連結してある。
【0013】
第1連結部材13と第2連結部材14との連結構造を図3,4にて説明する。
図3に示すように第1連結部材13は、第1スロープ11のパネル11aと嵌合連結するための上下一対のフランジ部13cと、スロープの水平展開時に第2連結部材14の連結側の側面(重ね部)14aに当接する規制部13aを有する。
本実施例では、第1連結部材13に中空部13bを形成することで剛性を確保しつつ、軽量化を図った例となっている。
第2連結部材14は、第2スロープ12のパネル12aと嵌合連結するための上下一対のフランジ部14cを有し、展開時には第1連結部材13の規制部13aの背面側に位置する重ね部14aを有する。
第1連結部材13の規制部13aの根元側(中空部の端部下面)と、第2連結部材14の重ね部14aの先端側に形成した中空部14dとで、回動自在の枢着部材16にて連結してある。
図3は、別部品となる枢着部材16にて、第1連結部材13と第2連結部材14を連結した例になっているが、図6に示すように押出形材等で製作した第1,第2連結部材13,14に、それぞれ第1ヒンジ13eと第2ヒンジ14eを直接的に形成し、相互に部分的に切り欠き、シャフト部材18にて直接回動自在に連結してもよい。
これにより第1及び第2連結部材は、規制部13aと重ね部14aとが離間する方向に折り畳むことはできるが、図3(c)では下側に逆折れする方向には、規制部13aが重ね部14aに干渉するので連結部の剛性が向上する。
本実施例では、第1連結部材13の先端側の中央部略コ字形状に切り欠いてある。
この部分に図4に示すように、両側の規制部13aの先端側に設けた取付孔13dを介して、シャフト状の持手部15を取り付けた例になっている。
【0014】
上記の連結部材にて第1スロープ11と第2スロープ12を連結したのが、図1,2に示した携帯用スロープ10である。
本実施例は、パネル11a,12aの外側に脱輪防止のためのサイドレール11b,12bを設けた例になっている。
これにより、図1に示すように携帯用スロープ10を使用後には持手部15を持ち上げるだけで図1(c)のように折り畳むことができ、そのまま持ち運べる。
【0015】
図5に第2の実施例を示す。
第1連結部材13と第2連結部材14は、先端部同士で蝶番のようにシャフト17を用いて連結してあり、第1連結部材13から第2連結部材14に向けて蝶番のシャフト部分を乗り越えるように規制部13aを設けた例である。
本実施例では、図5に示すようにスロープの長手方向に沿って2ヶ所に連結部材を設け、その間に持手部15aを取り付けた例になっている。
【符号の説明】
【0016】
10 携帯用スロープ
11 第1スロープ
12 第2スロープ
13 第1連結部材
13a 規制部
14 第2連結部材
15 持手部
図1
図2
図3
図4
図5
図6