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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】防犯サムターン
(51)【国際特許分類】
   E05B 13/08 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
E05B13/08 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019035969
(22)【出願日】2019-02-28
(65)【公開番号】P2020139335
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000131511
【氏名又は名称】株式会社シブタニ
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100127340
【弁理士】
【氏名又は名称】飛永 充啓
(72)【発明者】
【氏名】福井 昭浩
(72)【発明者】
【氏名】中 利友
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-23761(JP,A)
【文献】特開2005-171750(JP,A)
【文献】特開2013-32619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 13/00
E05B 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押釦を待機位置から所定のプッシュ位置まで押し込んだ状態で摘みに入力トルクを与える正規操作が行われる場合、固定筒に対する前記摘みとサムターン軸の回転を許し、前記押釦を前記プッシュ位置まで押し込んでいない状態で前記摘みに入力トルクを与える不正操作が行われる場合、前記固定筒に対する前記摘みと前記サムターン軸の回転を阻止する防犯サムターンにおいて、
前記不正操作の場合に前記固定筒と周方向に係合可能な状態に支持され、前記正規操作の場合に前記固定筒と周方向に係合不可な解除位置への移動が許されるように配置された係合子を備え、
前記固定筒と前記係合子の係合によって前記摘みと前記サムターン軸の回転が阻止されるようになっており、
前記固定筒と前記係合子が、前記入力トルクを変換して前記係合を解く方向の押し力を前記係合子に与える形状であり、
前記不正操作による前記入力トルクに抗して前記係合が成立している状態から前記押釦を前記プッシュ位置まで押し込む操作が行われる場合、前記押し力によって前記係合子が前記解除位置へ移動させられることを特徴とする防犯サムターン。
【請求項2】
前記摘みの回動軸になる摘み軸と、前記押釦を前記待機位置に向けて付勢する弾性体と、
を備え、
前記押釦が、前記摘み軸に揺動可能に支持され、その揺動中心に対して前記固定筒側に揺動脚部を有するものであり、
前記押釦が前記待機位置にある場合、前記揺動脚部が、前記係合子を前記解除位置に移動させるために要する作動空間に位置し、前記押釦が前記プッシュ位置に押し込まれることにより、前記揺動脚部が前記作動空間から外れた位置まで移動させられる請求項1に記載の防犯サムターン。
【請求項3】
前記摘み軸が前記入力トルクで回転させられる場合、前記サムターン軸に対する前記摘み軸の回転量が所定量になってから前記摘み軸と前記サムターン軸を連結し、前記サムターン軸に与えられた逆入力トルクで前記サムターン軸が回転させられる場合、前記摘み軸に対する前記サムターン軸の位相を所定位相に保てるように前記サムターン軸と前記摘み軸を連結するクラッチを備え、
前記摘み軸が、可動片及び復帰ばねを保持すると共に前記可動片を直線方向に案内する収容部を有し、前記可動片が、前記揺動脚部と前記直線方向に突き合うロック位置と、前記ロック位置から後退したロック解除位置との間を移動可能に配置されており、前記復帰ばねが、前記可動片を前記ロック位置に向けて付勢するものであり、
前記固定筒が、前記不正操作の場合に前記係合子と係合する係合凹部を有し、
前記サムターン軸が、前記係合子を周方向に保持するポケット部を有し、
前記ポケット部と前記ロック位置の前記可動片が、前記所定位相の場合に前記係合子を前記解除位置に収容可能な空間を形成し、前記摘み軸の前記所定量への回転の際に前記ロック位置の前記可動片が前記係合子を前記係合凹部に入り込ませた状態に支持するようになっている請求項2に記載の防犯サムターン。
【請求項4】
前記揺動脚部が、前記直線方向と直交する方向に揺動するようになっている請求項3に記載の防犯サムターン。
【請求項5】
前記クラッチが、前記摘み軸と前記サムターン軸の一方に設けられた伝達キーと、前記一方と反対の他方に設けられたキー溝と、を有し、
前記キー溝が、周方向の中間部に位置する溝底から周方向両側に向かって深さを次第に浅くした中間底面部を有し、
前記伝達キーが、前記中間底面部との間に連結体及びクラッチばねを保持する中凹部を有し、前記連結体が、前記中間底面部との接触を維持できるように前記クラッチばねによって付勢されており、
前記摘み軸が前記入力トルクで回転させられる場合、前記クラッチが、前記伝達キーの周方向端部と前記キー溝の係合によって前記摘み軸と前記サムターン軸を連結し、前記逆入力トルクで前記サムターン軸が回転させられる場合、前記クラッチが、前記連結体と前記中間底面部の係合によって前記サムターン軸と前記摘み軸を連結するようになっている請求項3又は4に記載の防犯サムターン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防犯サムターンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、住宅の屋内と屋外を仕切るドアは、ドア内に設置された箱錠と、ドアに対して室外側から操作されるシリンダ錠と、ドアに対して室内側から操作されるサムターンとを備え、シリンダ錠のキー溝に挿入されるキーの回転操作、又は、サムターンの摘みの回転操作、又は、電動モータによって、箱錠のデッドボルトを施錠位置と解錠位置との間で進退させられるようになっている。
【0003】
従来、家屋への侵入手口として、サムターン回しと呼ばれる不正解錠方法が使用されている。サムターン回しは、ドリルによってドアに貫通孔を形成し、その貫通孔に針金を挿入し、針金の先端に設けられた折曲片をサムターンの摘みに係合させ、その針金を引くことにより、摘みを回転させて箱錠の解錠を図る手口である。
【0004】
サムターン回しを防ぐため、押釦のプッシュ操作を行ってから摘みの回転操作を行うように構成された防犯サムターンが利用されている。防犯サムターンは、摘みの釦窓に配置された押釦を待機位置から所定のプッシュ位置まで押し込んだ状態で摘みに入力トルクを与える正規操作が行われる場合、入力トルクによる摘みとサムターン軸の回転を許し、押釦をプッシュ位置まで押し込んでいない状態で摘みに入力トルクを与える不正操作が行われる場合、固定筒と係合子の係合によって摘みとサムターン軸の回転を阻止するようになっている。一般に、サムターン軸は、箱錠のシリンダカムに直接的に、又は電動モータのロータを介して間接的に接続される。
【0005】
例えば、特許文献1の防犯サムターンは、固定筒内に挿通されてシリンダカムに一端部が連結され、他端部が固定筒より外部に位置する回転可能なサムターン軸と、そのサムターン軸を中心として回転可能なトルク伝達筒と、そのトルク伝達筒に連結された摘みと、その摘みに形成された釦挿入孔内にスライド自在に挿入され、押し込みによってサムターン軸に連結される押釦と、トルク伝達筒とサムターン軸の相対回転時に、固定筒にサムターン軸を連結するクラッチと、サムターン軸とトルク伝達筒の相対的な回転量を制限する規制手段とを備える。押釦を所定のプッシュ位置まで押し込まずにサムターンの摘みを回転させると、トルク伝達筒がサムターン軸に対して相対回転する。その相対回転によってクラッチがサムターン軸と固定筒を連結する。このため、サムターン軸が回り止めされ、箱錠のシリンダカムまでトルクが伝達されず、デッドボルトが施錠位置又は解錠位置に保持される。また、サムターン軸に対してトルク伝達筒が所定角度相対回転すると、規制手段が作動してトルク伝達筒が回り止めされる。一方、押釦をプッシュ位置まで押し込んで摘みを回転させると、その回転がサムターン軸に伝達される。このとき、サムターン軸とトルク伝達筒が共に回転するため、クラッチが連結解除状態を維持し、サムターン軸によりシリンダカムが回転させられる。このため、デッドボルトが施錠位置又は解錠位置に移動させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-23761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、居住者が屋内側から急いでサムターンを操作することがある。このとき、焦る居住者が押釦を不十分に押し込んだ状態から摘みに入力トルクを与えてしまい、誤って不正操作を行う場合が起こり得る。この場合であっても、特許文献1の防犯サムターンは、トルク伝達筒がサムターン軸に対して回転し、クラッチがサムターン軸と固定筒を連結することになる。この連結状態になると、居住者は、摘みを回せないため、誤操作に気付く。ここで、押釦をプッシュ位置まで押し込む操作を行っても、押釦を介してサムターン軸とトルク伝達軸が連結されるだけであり、入力トルクに抵抗している固定筒とサムターン軸の連結は解除されない。このため、居住者は、摘みの回転を一旦戻して固定筒とサムターン軸の連結を解除する破目になり、操作性に不満をもってしまう。
【0008】
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、防犯サムターンを屋内側から誤って不正操作を行った場合の操作性を良くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、この発明は、押釦を待機位置から所定のプッシュ位置まで押し込んだ状態で摘みに入力トルクを与える正規操作が行われる場合、固定筒に対する前記摘みとサムターン軸の回転を許し、前記押釦を前記プッシュ位置まで押し込んでいない状態で前記摘みに入力トルクを与える不正操作が行われる場合、前記固定筒に対する前記摘みと前記サムターン軸の回転を阻止する防犯サムターンにおいて、前記不正操作の場合に前記固定筒と周方向に係合可能な状態に支持され、前記正規操作の場合に前記固定筒と周方向に係合不可な解除位置への移動が許されるように配置された係合子を備え、前記固定筒と前記係合子の係合によって前記摘みと前記サムターン軸の回転が阻止されるようになっており、前記固定筒と前記係合子が、前記入力トルクを変換して前記係合を解く方向の押し力を前記係合子に与える形状であり、前記不正操作による前記入力トルクに抗して前記係合が成立している状態から前記押釦を前記プッシュ位置まで押し込む操作が行われる場合、前記押し力によって前記係合子が前記解除位置へ移動させられる構成を採用した。
【0010】
上記構成によれば、不正操作を行った場合、摘みに与える入力トルクで固定筒と係合子の係合が成立しているとき、その係合箇所で入力トルクの一部が変換されて、当該係合を解く方向の押し力が係合子に与えられる。この状態から押釦をプッシュ位置まで押し込めば、押し力で係合子が解除位置に移動させられて、固定筒に係合できなくなる。したがって、固定筒と係合子の係合を解除するために摘みの回転を一旦戻す操作は、不要である。このため、屋内側から誤って不正操作を行った場合の操作性が良くなる。
【0011】
具体的には、前記摘みの回動軸になる摘み軸と、前記押釦を前記待機位置に向けて付勢する弾性体と、を備え、前記押釦が、前記摘み軸に揺動可能に支持され、その揺動中心に対して前記固定筒側に揺動脚部を有するものであり、前記押釦が前記待機位置にある場合、前記揺動脚部が、前記係合子を前記解除位置に移動させるために要する作動空間に位置し、前記押釦が前記プッシュ位置に押し込まれることにより、前記揺動脚部が前記作動空間から外れた位置まで移動させられるとよい。このようにすると、押釦を利用して係合子の解除位置への移動を阻止することできる一方、押釦をプッシュ位置まで押し込むと、係合子の解除位置への移動を許すことができる。
【0012】
より具体的には、前記摘み軸が前記入力トルクで回転させられる場合、前記サムターン軸に対する前記摘み軸の回転量が所定量になってから前記摘み軸と前記サムターン軸を連結し、前記サムターン軸に与えられた逆入力トルクで前記サムターン軸が回転させられる場合、前記摘み軸に対する前記サムターン軸の位相を所定位相に保てるように前記サムターン軸と前記摘み軸を連結するクラッチを備え、前記摘み軸が、可動片及び復帰ばねを保持すると共に前記可動片を直線方向に案内する収容部を有し、前記可動片が、前記揺動脚部と前記直線方向に突き合うロック位置と、前記ロック位置から後退したロック解除位置との間を移動可能に配置されており、前記復帰ばねが、前記可動片を前記ロック位置に向けて付勢するものであり、前記固定筒が、前記不正操作の場合に前記係合子と係合する係合凹部を有し、前記サムターン軸が、前記係合子を周方向に保持するポケット部を有し、前記ポケット部と前記ロック位置の前記可動片が、前記所定位相の場合に前記係合子を前記解除位置に収容可能な空間を形成し、前記摘み軸の前記所定量への回転の際に前記ロック位置の前記可動片が前記係合子を前記係合凹部に入り込ませた状態に支持するようになっているとよい。このようにすると、正規操作の場合には、入力トルクによる摘みの所定量回転の際、押し力で可動片がロック解除位置へ後退させられると共に係合子が解除位置に収容されるので、クラッチで連結された摘みとサムターン軸の回転を許すことができる。また、不正操作の場合には、入力トルクによる摘みの所定量回転の際、ロック位置に制限された可動片で係合子と係合凹部の係合を実現し、摘みとサムターン軸の回転を阻止することができ、押釦をプッシュ位置まで押し込めば、摘みとサムターン軸の回転を許すことができる。また、逆入力トルクでサムターン軸が回転させられる場合には、クラッチで連結されたサムターン軸と摘みが所定位相に保たれ、可動片がロック位置に制限された状態であっても係合子が解除位置に収容されるので、サムターン軸と摘みの回転を許すことができる。
【0013】
前記揺動脚部が、前記直線方向と直交する方向に揺動するようになっているとよい。このようにすると、ロック位置の可動片をロック解除位置へ後退させる力が揺動脚部を揺動させる方向に作用しない。このため、弾性体の付勢力による揺動脚部の移動阻止が容易になり、押釦の押し込みが重くなることを避けることができる。
【0014】
前記クラッチが、前記摘み軸と前記サムターン軸の一方に設けられた伝達キーと、前記一方と反対の他方に設けられたキー溝と、を有し、前記キー溝が、周方向の中間部に位置する溝底から周方向両側に向かって深さを次第に浅くした中間底面部を有し、前記伝達キーが、前記中間底面部との間に連結体及びクラッチばねを保持する中凹部を有し、前記連結体が、前記中間底面部との接触を維持できるように前記クラッチばねによって付勢されており、前記摘み軸が前記入力トルクで回転させられる場合、前記クラッチが、前記伝達キーの周方向端部と前記キー溝の係合によって前記摘み軸と前記サムターン軸を連結し、前記逆入力トルクで前記サムターン軸が回転させられる場合、前記クラッチが、前記連結体と前記中間底面部の係合によって前記サムターン軸と前記摘み軸を連結するようになっているとよい。このようにすると、摘み軸の入力回転の際、箱錠側に接続されているサムターン軸の回転負荷が大きいことを利用して、サムターン軸に対する摘み軸の回転を起こし、その回転量を所定量にしてから摘み軸とサムターン軸を連結することができる一方、サムターン軸の逆入力回転の際、摘み軸の回転負荷が小さいことを利用して、クラッチばねの抵抗で連結体と中間底面部の係合を起こし、摘み軸に対するサムターン軸の位相を所定位相に保てるようにサムターン軸と摘み軸を連結することができる。
【発明の効果】
【0015】
このように、この発明は、上記構成の採用により、防犯サムターンを屋内側から誤って不正操作を行った場合の操作性を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)はこの発明の実施形態に係る防犯サムターンを示す縦断面図、(b)は同(a)のI-I線の断面図
図2図1の摘み軸と摘み板を示す斜視図
図3図1の防犯サムターンの外観を示す正面図
図4図1のサムターン軸を示す斜視図
図5】(a)は図1の押釦を押し込んだ状態を示す縦断面図、(b)は同(a)のIII-III線の断面図
図6図1の防犯サムターンが室内側から不正操作された状態を示す断面図
図7図6の状態から押釦が押し込まれた場合を示す断面図
図8図7の状態から摘み軸が回転させられた場合を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の一例としての実施形態に係る防犯サムターンを添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1に示す防犯サムターンは、摘み10と、ドア側に固定される固定筒20と、摘み10と連結されるサムターン軸30と、サムターン軸30と摘み10間の回転伝達経路に設けられたクラッチとを備える。摘み10とサムターン軸30は、固定筒20に対して同一軸線回りに回動可能に配置されている。以下、その軸線回りの円周方向を周方向といい、その軸線に沿った方向を軸方向といい、その軸線に直交する方向を径方向という。
【0019】
この防犯サムターンは、図1に示す状態のとき、ドアが施錠された状態(図示省略)に対応し、この状態から摘み10を90°時計回りに回す操作により、ドアが解錠された状態になることを想定している。
【0020】
固定筒20は、ドア側に固定される台座21と、台座21に固定されたガイド筒22とを有する。台座21、ガイド筒22は、それぞれ軸方向に貫通する筒状である。台座21は、一般に、ドア内に設置された箱錠の錠ケース(図示省略)又は錠ケースに固定された電動モータユニットのケーシング(図示省略)に固定される。ガイド筒22は、台座21と同心に嵌合された状態で台座21にねじ止めされている。
【0021】
摘み10は、固定筒20に対する摘み10の回動軸となる摘み軸11と、摘み軸11に固定された一対の摘み板12と、摘み軸11に揺動可能に支持された一対の押釦13と、一対の押釦13の揺動中心となる揺動軸14と、一対の押釦13を付勢する弾性体15とを有する。摘み10は、その全体が固定筒20に対して一体に回動可能である。
【0022】
サムターン軸30は、台座21の内側に挿入された接続軸部31と、接続軸部31の軸方向一端側(図1(a)中右側)に連なる有底筒状のフランジ部32とを有する。サムターン軸30は、その全体が固定筒20に対して一体に回動可能である。サムターン軸30は、その接続軸部31において、前述の箱錠のシリンダカム(図示省略)又は電動モータユニットのロータ(図示省略)に接続される。
【0023】
図1図2に示すように、摘み10の摘み軸11は、その軸方向他端側(図1(a)中左側)において固定筒20の内側に挿入され、軸方向一端側(図1(a)中右側)において固定筒20の外に突出している。摘み軸11は、軸方向一端側に突出した一対の脚部11aを有する。一対の脚部11aには、一対の摘み板12の固定に用いる穴11bが形成されている。一対の脚部11aに固定された一対の摘み板12の合せ目は、一対の摘み板12に係止された摘みカバー16によって覆い隠されている。
【0024】
また、一対の脚部11aには、一対の押釦13の支持に用いる軸支穴11cが形成されている。軸支穴11cと、一対の押釦13に形成された貫通孔とに揺動軸14を挿入することにより、一対の押釦13は、摘み軸11に対して所定の待機位置とプッシュ位置との間を揺動可能に支持されている。
【0025】
図1図3に示すように、押釦13は、摘み板12の釦窓12aから露出する操作部13aと、揺動軸14に対して固定筒20側に延びる揺動脚部13bとを有する。摘み軸11のうち、一対の脚部11aを繋ぐ基部には、一対の揺動脚部13bを揺動させるための空間11dが形成されている。
【0026】
一対の押釦13の操作部13a間に弾性体15が配置されている。弾性体15は、圧縮コイルばねからなる。弾性体15は、一対の押釦13を待機位置に向けて付勢する。待機位置は、一対の操作部13aが一対の釦窓12aから突出し、かつ一対の揺動脚部13bが閉じ合った状態となる位置に設定されている。プッシュ位置は、一対の操作部13aが最大限に押し込まれ、一対の揺動脚部13bが最大限に開いた状態となる位置に設定されている。
【0027】
図1図4に示すようにサムターン軸30のフランジ部32は、固定筒20と、摘み軸11の座部との間に配置されている。フランジ部32は、ガイド筒22によって径方向に案内される。フランジ部32のうち、ガイド筒22と径方向に対向する環状壁の内側には、一対のキー溝32aが形成されている。キー溝32aは、径方向に深さをもって軸方向に延びている。キー溝32aは、周方向の中間部に位置する溝底から周方向両側に向かって深さを次第に浅くした中間底面部32bを有する。キー溝32aの溝底は、キー溝32aの最深部である。中間底面部32bは、V溝状になっており、キー溝32aの周方向の溝幅の中央部に位置する。キー溝32aの溝幅を規定する周方向両端部は、径方向に段差を成している。キー溝32aの周方向両端部と中間底面部32bとの間は、周方向に沿った表面になっており、摘み軸11を径方向に案内する部位となる。
【0028】
図1図2に示すように、摘み軸11の基部には、一対の伝達キー11eが形成されている。伝達キー11eは、径方向に高さをもって軸方向に延びており、キー溝32aに挿入されている。伝達キー11eの周方向両端部は、径方向に段差を成している。伝達キー11eは、中間底面部32bとの間に連結体40及びクラッチばね41を保持する中凹部11fを有する。連結体40は、球状体からなる。中凹部11fは、連結体40を径方向に案内する。クラッチばね41は、連結体40を径方向に付勢するコイルばねからなる。連結体40は、中間底面部32bとの接触を維持できるようにクラッチばね41によって付勢されている。
【0029】
前述のクラッチは、一対の伝達キー11eと、一対のキー溝32aと、一対の連結体40と、一対のクラッチばね41とで構成されている。摘み軸11が摘み板12に与えられた入力トルクで回転させられる場合、伝達キー11eの中凹部11fに保持された連結体40は、クラッチばね41の付勢により、キー溝32aの中間底面部32bに接触させられている。このとき、箱錠側に接続されているサムターン軸の回転負荷(箱錠側からの抵抗)が大きいため、クラッチばね41が負けて、連結体40が中間底面部32bに対して周方向に滑る。摘み軸11の入力回転量が所定量になると、伝達キー11eの周方向端部がキー溝32aの周方向端部に係合する。この係合により、摘み軸11とサムターン軸30が連結される。
【0030】
一方、サムターン軸30が逆入力トルクで回転させられる場合、中間底面部32bに対して連結体40が周方向に滑っても、中間底面部32bの深さ変化形状と連結体40の球状に基づき、逆入力トルクは、連結体40と中間底面部32bの接触部で中凹部11fに押し込む力に変換される。連結体40が中凹部11fに押し込まれる分、クラッチばね41の付勢力(抵抗)が大きくなる。また、摘み軸11の回転負荷が小さい。これらのことから、摘み軸11に対するサムターン軸30の逆入力回転量が前述の所定量相当になる前の時点で、クラッチばね41の抵抗で連結体40と中間底面部32bが係合する。この係合により、サムターン軸30と摘み軸11が連結される。この係合は、サムターン軸30の逆入力回転に対して摘み軸11の従動回転が殆ど遅れない時点で起こるため、摘み軸11に対するサムターン軸30の位相を所定位相に保つことが可能である。サムターン軸30の逆入力回転が停止した時点で摘み軸11とサムターン軸30の位相が図1(a)の中立位相からずれている場合、クラッチばね41の付勢力は、連結体40と中間底面部32bの接触部において連結体40を中間底面部32bに対して位相ずれを解消する方向に滑らせる力に変換されるため、摘み軸11とサムターン軸30の位相が自ずと中立位相に戻される。
【0031】
図1図2に示すように、摘み軸11の基部には、固定筒20のガイド筒22と径方向に対向する部位に一対の収容部11gが形成されている。収容部11gは、可動片42及び復帰ばね43を保持すると共に可動片42を直線方向に案内する。その直線方向は、径方向であって、揺動軸14に沿った方向に設定されている。収容部11gは、その直線方向に空間11dと連通している。また、収容部11gは、フランジ部32の環状壁に向かって開放している。収容部11gは、フランジ部32側の穴径を大きくし、空間11d側の穴径を小さくした段付き穴状になっている。
【0032】
図1に示すように、可動片42は、収容部11gの小径穴内周面に対して直線方向に摺動可能な胴部と、収容部11gの大径穴内周面に対して直線方向に摺動可能な頭部とを有する。復帰ばね43は、可動片42の頭部と、収容部11gの段付き部との間に配置されている。復帰ばね43は、コイルばねからなる。摘み軸11が回転する際、可動片42と復帰ばね43は、収容部11gによって連れ回される。
【0033】
一対の押釦13が待機位置にある場合、可動片42は、復帰ばね43により、収容部11gから空間11dへ突出していない状態に支持される。このとき、一対の揺動脚部13bは、空間11dのうち、一対の可動片42の胴部の後端と直線方向に対向する位置にある。ここで、一対の押釦13が押し込まれると、一対の揺動脚部13bは、直線方向と直交する方向に揺動する。一対の押釦13がプッシュ位置まで押し込まれることにより、図5に示すように、一対の揺動脚部13bは、一対の可動片42の胴部後端間から外れた位置まで移動させられる。これにより、空間11dには、一対の可動片42の後退に必要な作動空間が生じることになる。その作動空間は、空間11dのうち、収容部11gと直線方向に対向する領域である。図5の可動片42は、その胴部が一対の揺動脚部13b間に位置するように作動空間へ後退させることが可能である。すなわち、可動片42は、図1に示すように揺動脚部13bと直線方向に突き合うロック位置と、図5に示す可動片42の後方に形成された空間11dの一部である作動空間に後退したロック解除位置との間を直線方向に移動可能に配置されている。復帰ばね43は、可動片42をロック位置に向けて付勢する。
【0034】
可動片42の頭部は、可動片42の天面を成す。可動片42の天面中央部は、窪み状であり、その窪み状の周縁から天面外周縁までの天面周囲部は、サムターン軸30のフランジ部32に対して周方向に移動できるように周方向に沿った面になっている。収容部11gに対する可動片42の脱け出しは、その天面周囲部とフランジ部32との接触で阻止されている。
【0035】
可動片42は、その天面において係合子44を支持する。係合子44は、球状体からなる。図1図4に示すように、フランジ部32は、一対の係合子44を周方向に保持する一対のポケット部32cを有する。図1図5に示すように、ポケット部32cとロック位置の可動片42は、前述の所定位相の場合に係合子44を完全に収容可能な空間を形成する。ポケット部32cの径方向長さは、係合子44の球径よりも短い。係合子44は、常に、ポケット部32cから可動片42側又は固定筒20のガイド筒22側へ部分的に食み出た状態となる。
【0036】
ガイド筒22は、係合子44と周方向に係合可能な係合凹部22aを有する。係合凹部22aは、径方向に深さをもって周方向に延びる溝状である。係合凹部22aの周方向両端部は、周方向中央側に向かって次第に深くなる形状である。係合凹部22aの周方向端部と係合子44が周方向に係合すると、係合凹部22aの深さ変化形状と係合子44の球状に基づき、そのトルクは、その係合を解く方向の押し力(係合子44を係合凹部22aから脱出させる方向に押す力)に変換される。
【0037】
なお、摘み10、固定筒20、サムターン軸30、一対の可動片42、復帰ばね43、係合子44、クラッチは、いずれも180°回転対称に設けられている。
【0038】
この防犯サムターンの動作を説明する。今、図1に示すように、一対の押釦13が待機位置にある状態(施錠)で摘み10の摘み板12に入力トルクを与える不正操作(不正解錠操作)が行われる場合を考える。この場合、摘み10の回動軸となる摘み軸11が、図6に示すように、サムターン軸30に対して、入力トルクに対応の周方向に回転する。その回転量が所定量になってから、クラッチが、摘み軸11とサムターン軸30を連結する。この所定量の回転の際、ポケット部32cから可動片42側に食み出た係合子44があるときは、その可動片42が、その係合子44を可動片42の天面中央部の縁付近で係合凹部22a側へ蹴り出し、その係合子44を可動片42の天面周囲部で係合凹部22aに入り込ませた状態に支持することになる。一方、係合子44がポケット部32cから可動片42側に食み出ていないときは、その可動片42の天面周囲部が、その係合子44の内方に滑り込み、その天面周囲部で係合凹部22aに入り込ませた状態に支持することになる。このように一対の可動片42に支持された一対の係合子44が一対の係合凹部22aに周方向に係合し、その係合箇所で入力トルクから変換された押し力が係合子44に与えられる。このため、係合子44が可動片42を後方へ押すことになるが、可動片42がロック位置で一対の揺動脚部13bと直線方向に突き合うため、その押し力に抗してロック位置に維持される。このように係合が成立している状態では、固定筒20の一対の係合凹部22aと、サムターン軸30のポケット部32cに周方向に保持された係合子44と、摘み軸11に周方向に保持された一対の可動片42と、摘み軸11に支持され弾性体15で付勢された一対の揺動脚部13bとが一体的に入力トルクに抵抗するため、摘み軸11とサムターン軸30の回転が阻止される。このように、固定筒20と係合子44の係合によって、摘み10とサムターン軸30の回転が阻止される。
【0039】
図6に示す状態から一対の押釦13が図5に示すプッシュ位置まで押し込まれることにより、図7に示すように、一対の揺動脚部13bが、一対の可動片42の胴部の後方から外れた位置に移動させられる。これにより、一対の可動片42のロック解除位置への後退が許され、ひいては、一対の係合子44の解除位置への移動が許される状態になる。この状態では、前述の押し力が係合子44、可動片42を介して復帰ばね43に伝わるが、復帰ばね43が負ける。このため、図8に示すように、可動片42がロック解除位置へ後退させられて、係合子44が解除位置に収容されて、固定筒20と周方向に係合不可な状態になる。これにより、固定筒20に対する摘み10とサムターン軸30の回転が許され、90°まで回転させられる。
【0040】
押釦13が待機位置から押し込まれているが、プッシュ位置まで押し込まれていない不正操作の場合を考える。この場合も一対の揺動脚部13bと一対の可動片42が直線方向に突き合うことが可能なため、摘み軸11とサムターン軸30の回転が阻止されることになる。
【0041】
押釦13を図5に示すプッシュ位置まで押し込んだ状態から摘み10を回し始める場合を考える。この場合、摘み10を回し始め当初から、図5の状態で摘み板12に入力トルクを与える正規操作が行われることになる。この場合、図5の状態から図7図8の順に移行するだけであり、固定筒20に対する摘み10とサムターン軸30の90°回転が許されることになる。
【0042】
図1の状態からサムターン軸30の接続軸部31に伝達された逆入力トルクでサムターン軸30が回転させられる場合を考える。この場合、一対の揺動脚部13bによって一対の可動片42がロック位置に制限された状態のままであるが、クラッチは、摘み軸11に対するサムターン軸30の位相を所定位相に保てるようにサムターン軸30と摘み軸11を連結する。その所定位相の場合、図1に示すように、ポケット部32cとロック位置の可動片42は、係合子44を解除位置に収容可能な空間を形成している。このため、可動片42が後退できなくとも、所定位相に保たれたサムターン軸30と摘み軸11の連結回転の際に係合子44が係合凹部22aと可動片42間に噛み込むことがない。仮に、係合凹部22aに入り込んだ係合子44があったとしても、その係合子44は、ポケット部32cに連れ回されて、係合凹部22aの周方向端部を滑って自ずと係合凹部22aから脱出し、解除位置に収容されるだけである。
【0043】
また、解錠状態では、図8の状態から一対の係合子44が上下に並ぶ位置(図1の状態に対して90°時計回りに回転した位置)にあり、ガイド筒22の係合凹部22a間の円弧面と対向し、一対の可動片42が図8の後退状態のままとなっている。この状態から摘みを反時計回りに90°回すことにより、図1の摘み10とサムターン軸30の位相(施錠状態)に戻ることになる。
【0044】
この防犯サムターンは、上述のようなものであり、不正操作を行った場合、摘み10に与える入力トルクで固定筒20と係合子44の係合が成立しているとき、その係合箇所で入力トルクの一部が変換されて、当該係合を解く方向の押し力が係合子44に与えられ、この状態から押釦13をプッシュ位置まで押し込めば、その押し力で係合子44が解除位置に移動させられて、固定筒20に係合できなくなるため、固定筒20と係合子44の係合を解除するために摘み10の回転を一旦戻す操作が不要である。このため、この防犯サムターンは、屋内側から誤って不正操作を行った場合の操作性を良くすることができる。
【0045】
また、この防犯サムターンは、摘み10の回動軸になる摘み軸11と、押釦13を待機位置に向けて付勢する弾性体15とを備え、押釦13が摘み軸11に揺動可能に支持され、その揺動中心である揺動軸14に対して固定筒20側に揺動脚部13bを有するものであり、押釦13が待機位置にある場合、揺動脚部13bが係合子44を解除位置に移動させるために要する空間11dの作動空間に位置し、押釦13がプッシュ位置に押し込まれることにより、揺動脚部13bが作動空間から外れた位置まで移動させられるので、押釦13を利用して係合子44の解除位置への移動を阻止することできる一方、押釦13をプッシュ位置まで押し込むと、係合子44の解除位置への移動を許すことができる。
【0046】
また、この防犯サムターンは、正規操作の場合、入力トルクによる摘み10の所定量回転の際、押し力で可動片42がロック解除位置へ後退させられると共に可動片42とポケット部32cで形成された空間に係合子44が解除位置に収容されるので、クラッチで連結された摘み10とサムターン軸30の90°回転を許すことができる。
【0047】
また、この防犯サムターンは、不正操作の場合、入力トルクによる摘み10の所定量回転の際、ロック位置に制限された可動片42で係合子44の係合凹部22aへの突入を確実にして係合子44と係合凹部22aの係合を実現し、摘み10とサムターン軸30の回転を阻止することができ、押釦13をプッシュ位置まで押し込めば、可動片42、係合子44の後退を許して摘み10とサムターン軸30の90°回転を許すことができる。
【0048】
また、この防犯サムターンは、逆入力トルクでサムターン軸30が回転させられる場合、クラッチで連結されたサムターン軸30と摘み10が所定位相に保たれ、可動片42がロック位置に制限された状態であっても係合子44が解除位置に収容されるので、サムターン軸30と摘み10の90°回転を許すことができる。
【0049】
また、この防犯サムターンは、可動片42が往復する直線方向と直交する方向に揺動脚部13bが揺動するため、押し力が作用する際にロック位置の可動片42をロック解除位置へ後退させる力が揺動脚部13bを揺動させる方向に作用しない。このため、この防犯サムターンは、弾性体15の付勢力による揺動脚部13bの移動阻止が容易になり、押釦13の押し込み操作が重くなることを避けることができる。
【0050】
また、この防犯サムターンは、摘み軸11の入力回転の際、箱錠側に接続されているサムターン軸30の回転負荷が大きいことを利用して、キー溝32aの中間底面部32bに対して伝達キー11eの中凹部11fに保持された連結体40を滑らせ、サムターン軸30に対する摘み軸11の回転を起こし、その回転量を所定量にしてからキー溝32aと伝達キー11eの周方向端部同士の係合で摘み軸11とサムターン軸30を連結することができる一方、サムターン軸30の逆入力回転の際、摘み軸11の回転負荷が小さいことを利用して、クラッチばね41の抵抗で連結体40と中間底面部32bの係合を起こし、摘み軸11に対するサムターン軸30の位相を所定位相に保てるようにサムターン軸30と摘み軸11を連結することができる。なお、突形状である伝達キー11eを摘み軸11に設けることは、収容部11gや空間11dを形成する摘み軸11の肉量を多くし、機械的強度を確保することに有利である。
【0051】
また、この防犯サムターンは、係合子44が球状体からなり、係合凹部22aの周方向両端部が周方向中央側に向かって次第に深くなる形状であるので、入力トルクを押し力に変換することができると共に、滑らかに係合子44を係合凹部22aから脱出させることができる。
【0052】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、可動片を省略し、揺動脚部が係合子を直接に受けるようにしてもよい。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0053】
10 摘み
11 摘み軸
11d 空間
11e 伝達キー
11g 収容部
11f 中凹部
13 押釦
13b 揺動脚部
14 揺動軸
15 弾性体
20 固定筒
22a 係合凹部
30 サムターン軸
32a キー溝
32b 中間底面部
32c ポケット部
40 連結体
41 クラッチばね
42 可動片
43 復帰ばね
44 係合子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8