(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】表示装置及び検査方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20220929BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G02F1/13 101
G02F1/1345
(21)【出願番号】P 2019050333
(22)【出願日】2019-03-18
【審査請求日】2022-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩司
(72)【発明者】
【氏名】小日向 直之
(72)【発明者】
【氏名】白神 謙吾
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-158707(JP,A)
【文献】特開2015-225144(JP,A)
【文献】特開平11-142887(JP,A)
【文献】特開2019-191403(JP,A)
【文献】特開2010-10285(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0133004(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13,1/1343-1/1345
G02F 1/135-1/141
G09F 9/30-9/46
G01N 21/84-21/958
G01M 11/00-11/08
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバICが接続可能なドライバ端子に接続されて第1方向に沿って複数設けられ、前記第1方向に直交する第2方向に向かうに従って、前記第1方向における外側に向けて広がるように延在する配線と、
複数の前記配線よりも前記第1方向における一方の外側及び他方の外側において前記配線に沿って設けられ、前記ドライバ端子及び前記配線に非接続なダミー配線と、
を備え、
前記一方の外側の前記ダミー配線と、前記他方の外側の前記ダミー配線とは、それぞれ3本以上設けられて
おり、
前記ダミー配線は、前記配線と平行に延在しており、かつ、前記ダミー配線の幅は、前記配線の幅と等しい、
表示装置。
【請求項2】
前記配線に接続されるスイッチと、
前記スイッチと前記配線とに接続され、複数の画素に信号を供給する信号線と、
をさらに有する、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記配線、前記ダミー配線、前記スイッチ及び前記信号線が設けられる第1基板と、第2基板と、を有し、
前記配線及び前記ダミー配線は、少なくとも一部が、前記第1基板と前記第2基板とが重畳しない領域に設けられ、前記スイッチ及び前記信号線は、前記第1基板と前記第2基板とが重畳する領域に設けられる、請求項
2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記配線及び前記ダミー配線は、前記信号線よりも下層に設けられる、請求項
2又は請求項
3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記信号線よりも前記第1方向における一方の外側及び他方の外側において前記信号線に沿って設けられ、前記信号線に非接続なダミー信号線をさらに有し、
前記ダミー配線の数は、前記ダミー信号線の数より多い、請求項
2から請求項
4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2方向に向かうに従って、前記第1方向における外側に向けて広がるように延在する複数の配線で構成される第1配線群及び第2配線群を有し、前記第1配線群と前記第2配線群とは、前記第1方向において隣り合い、
前記第1配線群の前記第2配線群側に設けられる前記ダミー配線の数は、前記第1配線群の前記第2配線群とは反対側に設けられる前記ダミー配線の数より多く、
前記第2配線群の前記第1配線群側に設けられる前記ダミー配線の数は、前記第2配線群の前記第1配線群とは反対側に設けられる前記ダミー配線の数より多い、請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の表示装置の検査方法であって、
前記配線及び前記ダミー配線が含まれる領域を撮像することで、前記配線を検査する、検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の信頼性を確保するために、表示装置を検査する技術が種々検討されている。例えば特許文献1には、表示装置に、画素に接続された信号線に接続される検査用端子を設ける旨が記載されている。特許文献1によると、検査用端子から検査用データ信号を入力することで、画素に検査用データ信号に応じた発色を行わせて、発色状態の検査を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、表示装置の高精細化に伴い、配線の本数が増加し各配線が細線化される傾向にあり、局所的に線幅が細くなる配線が製造されることが考えられる。このような表示装置は、駆動時間の経過に伴い駆動電流が流れる積算時間が長くなると、配線の局所的に線幅が細くなる箇所が、駆動電流のストレスに起因して断線するおそれがある。また、このように局所的に線幅が細くなる箇所以外にも、断線のおそれがあったり断線したりしている箇所を検出することも求められる。従って、断線のおそれがある箇所などがあるかを検出可能にしておくことで、信頼性の低下を抑制することが求められている。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、信頼性の低下を抑制することが可能な表示装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による表示装置は、ドライバICが接続可能なドライバ端子に接続されて第1方向に沿って複数設けられ、前記第1方向に直交する第2方向に向かうに従って、前記第1方向における外側に向けて広がるように延在する配線と、複数の前記配線よりも前記第1方向における一方の外側及び他方の外側において前記配線に沿って設けられ、前記ドライバ端子及び前記配線に非接続なダミー配線と、を備え、前記一方の外側の前記ダミー配線と、前記他方の外側の前記ダミー配線とは、それぞれ3本以上設けられている。
【0007】
本発明の一態様による検査方法は、前記表示装置の検査方法であって、前記配線及び前記ダミー配線が含まれる領域を撮像することで、前記配線を検査する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る表示装置を模式的に示す平面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る表示装置の画素配列を示す模式図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る表示装置の模式的な断面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る表示装置の構成の模式的な回路図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る表示装置の構成の模式図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る配線及びダミー配線の模式的な一部拡大図である。
【
図7】
図7は、接続線及びダミー接続線と、配線及びダミー配線との模式的な断面図である。
【
図8】
図8は、エージング処理の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、配線の検査の一例を示す模式図である。
【
図11】
図11は、変形例に係る表示装置の構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
(表示装置の構成)
図1は、本実施形態に係る表示装置を模式的に示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る表示装置1は、アレイ基板である第1基板SUB1と、対向基板である第2基板SUB2とを備えている。以下、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の表面に平行な方向を、第1方向Xとする。また、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の表面に平行な方向であって、第1方向Xと交差する方向、ここでは第1方向Xと直交する方向を、第2方向Yとする。また、第1方向Xのうちの一方側に向かう方向を、方向X1とし、第1方向Xのうちの他方側に向かう方向、すなわち方向X1と反対方向を、方向X2とする。また、第2方向Yのうちの一方側に向かう方向を、方向Y1とし、第2方向Yのうちの他方側に向かう方向、すなわち方向Y1と反対方向を、方向Y2とする。また、第1方向X及び第2方向Yに直交する方向、すなわち第1基板SUB1及び第2基板SUB2の表面に直交する方向を、方向Zとする。
【0011】
第1基板SUB1と第2基板SUB2とは、方向Zに積層されている。第1基板SUB1は、第2基板SUB2よりも面積が広い。第1基板SUB1は、方向Zから見て、方向Y1側の部分が、第2基板SUB2よりも方向Y1側に突出するように積層されている。すなわち、表示装置1は、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する重畳領域AR1と、第2基板SUB2が設けられず第1基板SUB1のみが設けられる張出領域AR2とを有している。張出領域AR2は、重畳領域AR1の方向Y1側に隣接する。
【0012】
表示装置1は、表示領域Aと周辺領域Bとを有する。表示領域Aは、複数の画素が配置されて画像が表示される領域である。周辺領域Bは、画素が配置されずに画像が表示されない領域である。周辺領域Bは、方向Zから見た表示領域Aの外側の領域である。本実施形態では、周辺領域Bは、表示領域Aを囲う枠状であり、額縁領域ともいえる。表示領域Aは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する重畳領域AR1内に設けられている。周辺領域Bは、第1基板SUB1内の領域である。さらに言えば、周辺領域Bは、一部が重畳領域AR1内に設けられ、他の一部が張出領域AR2に設けられている。すなわち、周辺領域Bは、重畳領域AR1から張出領域AR2にわたって設けられている。従って、第1基板SUB1は、表示領域Aと周辺領域Bとを有するといえ、さらに言えば、表示領域Aと周辺領域Bとに区分けされているといえる。
【0013】
周辺領域Bは、第1周辺領域B1と、第2周辺領域B2と、第3周辺領域B3と、第4周辺領域B4とを含む。第1周辺領域B1は、表示領域Aの方向Y1側の周辺領域Bである。第2周辺領域B2は、表示領域Aの方向Y2側の周辺領域Bであり、言い換えれば、表示領域Aを隔てて第1周辺領域B1の反対側にある周辺領域Bである。第3周辺領域B3は、表示領域Aの方向X1側の周辺領域Bである。第4周辺領域B4は、表示領域Aの方向X2側の周辺領域Bであり、言い換えれば、表示領域Aを隔てて第3周辺領域B3の反対側にある周辺領域Bである。
【0014】
第1周辺領域B1は、重畳領域AR1から、重畳領域AR1より方向Y1側の張出領域AR2にわたって設けられている。すなわち、第1周辺領域B1は、重畳領域AR1内に位置する内側周辺領域B1aと、張出領域AR2内に位置する外側周辺領域B1bとを含んでいる。第2周辺領域B2、第3周辺領域B3、及び第4周辺領域B4は、重畳領域AR1内に位置している。すなわち、重畳領域AR1は、表示領域A、内側周辺領域B1a、第2周辺領域B2、第3周辺領域B3、及び第4周辺領域B4によって占められており、張出領域AR2は、外側周辺領域B1bによって占められている。
【0015】
第1周辺領域B1の外側周辺領域B1bには、配線基板101が設けられている。配線基板101は、例えばフレキシブル配線基板(FPC:Flexible Printed Circuits)によって構成される。配線基板101には、ドライバIC(Integrated Circuit)110が設けられている。ドライバIC110は、表示装置1の表示を制御する制御回路、検出回路、アナログフロントエンド等を含む。なお、表示装置1は、配線基板101及びドライバIC110に接続可能な構成であればよく、配線基板101及びドライバIC110を含まない構成を表示装置1としてよい。また、配線基板101及びドライバIC110を含めて、表示装置1としてもよい。
【0016】
表示装置1は、さらに、周辺領域Bに設けられた複数のドライバ端子Eと、周辺領域Bに設けられた複数の検査端子Tとを有する。本実施形態では、ドライバ端子E及び検査端子Tは、第1周辺領域B1に設けられ、さらに言えば、第1周辺領域B1の外側周辺領域B1bに設けられている。検査端子Tは、
図1の例ではドライバ端子Eの方向X2側に設けられているが、それに限られない。
【0017】
ドライバ端子Eは、ドライバIC110に接続可能な端子である。ドライバ端子Eは、接続されたドライバIC110から出力された各種信号を、表示装置1の配線に供給するための端子である。検査端子Tは、配線の検査、ここではエージング処理を行うための端子である。エージング処理については後述する。
【0018】
図2は、本実施形態に係る表示装置の画素配列を示す模式図である。
図2に示すように、表示装置1は、表示領域Aにおいて、複数の画素PXを備えている。複数の画素PXは、第1方向X及び第2方向Yにおいて、マトリクス状に並んで配置されている。また、表示装置1は、表示領域Aにおいて、複数の配線を有している。表示装置1は、表示領域Aに設けられる配線として、m本の走査線G(G1~Gm)と、n本の信号線S(S1~Sn)と、コモン線CLと、を備えている。なお、m及びnは、いずれの2以上の整数である。走査線Gは、ゲートドライバGDに接続されている。ゲートドライバGDの動作に必要な信号は、ドライバIC110から供給される。信号線S及びコモン線CLは、ドライバIC110に接続されている。走査線G、ゲートドライバGD、信号線S、及び、コモン線CLは、
図1に示した第1基板SUB1に形成されている。
【0019】
画素PXは、スイッチング素子W、画素電極PE、共通電極CE、及び液晶層LCを備えている。スイッチング素子Wは、例えば薄膜トランジスタ(TFT;Tin Film Transistor)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子Wと電気的に接続されている。共通電極CEは、コモン線CLと電気的に接続されている。
【0020】
ゲートドライバGDは、走査線Gに接続されたスイッチング素子Wを導通状態とする制御信号を、走査線Gに出力する。ドライバIC110は、スイッチング素子Wが導通状態の期間に、信号線Sに映像信号を出力する。これにより、画素電極PEには、所望の画素電位が書き込まれる。また、ドライバIC110は、コモン線CLにコモン電位を供給する。これにより、共通電極CEは、コモン電位となる。各画素PXにおいて、画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向しており、液晶層LCは、画素電極PEの画素電位と共通電極CEのコモン電位との電位差によって生じる電界によって駆動される。保持容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0021】
図3は、本実施形態に係る表示装置の模式的な断面図である。
図3に示すように、表示装置1は、方向Zにおいて第1基板SUB1と第2基板SUB2とが積層されている。第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁層11、12、13、14、15、下側遮光層US、半導体層SC、走査線G、信号線S、接続電極RE、共通電極CE、画素電極PE、及び、配向膜AL1を備えている。絶縁基板10は、ガラス基板や樹脂基板などの透明基板である。下側遮光層USは、絶縁基板10と絶縁層11との間に位置している。下側遮光層USは、
図3の例では、両ゲート電極に跨って重畳するように形成されているが、ゲート電極毎に離間して形成されていてもよい。半導体層SCは、絶縁層11と絶縁層12との間に位置している。半導体層SCは、例えば、多結晶シリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンや酸化物半導体によって形成されていてもよい。走査線Gの一部である2つのゲート電極GEは、絶縁層12と絶縁層13との間に位置している。信号線S及び接続電極REは、絶縁層13と絶縁層14との間に位置している。信号線S及び接続電極REは、それぞれ半導体層SCにコンタクトしている。共通電極CEは、絶縁層14と絶縁層15との間に位置している。画素電極PEは、絶縁層15と配向膜AL1との間に位置している。画素電極PEの一部は、絶縁層15を介して共通電極CEと対向している。共通電極CE及び画素電極PEは、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性を有する導電材料によって形成されている。画素電極PEは、共通電極CEの開口部APと重畳する位置において、絶縁層14及び15を貫通するコンタクトホールCHを介して接続電極REに接触している。 なお、絶縁層11乃至13、及び、絶縁層15は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの透明な無機絶縁層であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。絶縁層14は、アクリル樹脂などの透明な有機絶縁層である。
【0022】
第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタ層CF、オーバーコート層OC、及び、配向膜AL2を備えている。絶縁基板20は、ガラス基板や樹脂基板などの透明基板である。遮光層BM及びカラーフィルタ層CFは、絶縁基板20とオーバーコート層OCとの間に位置している。配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。
【0023】
液晶層LCは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に位置し、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。液晶層LCは、ポジ型(誘電率異方性が正)の液晶材料、あるいは、ネガ型(誘電率異方性が負)の液晶材料によって構成されている。偏光板PL1は、第1基板SUB1の下方(第2基板SUB2と反対側)に配置されている。偏光板PL2は、第2基板SUB2の上方(第1基板SUB1と反対側)に配置されている。なお、偏光板PL1、PL2の他に、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層などを含んでいてもよい。照明装置ILは、偏光板PL1の下方(第1基板SUB1と反対側)に位置している。
【0024】
このように、
図3の例では、表示装置1は、横電界モード、さらに言えばFFS(Fringe Field Switching)モードの液晶表示装置である。ただし、表示装置1は、FFSモードに限られず、縦電界モードなど、任意の表示装置であってよい。
【0025】
表示装置1は、配線の検査を行うための構成を有している。以下、配線の検査を行うための構成について説明する。
【0026】
図4は、本実施形態に係る表示装置の構成の模式的な回路図である。最初に、
図4に基づき、配線の検査を行うための構成同士がどのように接続されているかについて説明する。
図4に示すように、表示装置1が有するドライバ端子Eは、ビデオ線である配線Vと、接続線Rと、接続回路MUとを介して、信号線Sに接続されている。すなわち、配線Vは、ドライバ端子Eと接続線Rとに接続されている。そして、接続線Rは、接続回路MUに接続されている。なお、
図4は、説明の便宜上、ドライバ端子Eとして、2つのドライバ端子E1、E2を示しているが、実際のドライバ端子Eの数は2つより多くてよい。ドライバ端子E1は、配線V1及び接続線R1を介して、接続回路MUに接続されている。ドライバ端子E2は、配線V2及び接続線R2を介して、接続回路MUに接続されている。接続回路MUは、ドライバ端子Eの方向Y2側に設けられており、第1周辺領域B1の内側周辺領域B1aに位置している。配線V1、V2は、ドライバ端子E1、E2側の外側周辺領域B1bから、接続線R1、R2側の内側周辺領域B1aまでにわたって設けられている。接続線R1、R2は、内側周辺領域B1a内に設けられている。すなわち、配線Vは、少なくとも一部が、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳しない外側周辺領域B1bに設けられる。一方、接続線Rは、全区間において、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する内側周辺領域B1aに設けられる。
【0027】
なお、配線Vと接続線Rとは、後述の第1スイッチSWAに接続されている。配線Vは、第1スイッチSWAとドライバ端子Eとの間の配線であり、接続線Rは、第1スイッチSWAと信号線S(又は接続回路MU)との間の配線であるといえる。
【0028】
接続回路MUは、接続線Rと信号線Sとに接続されており、接続線Rと信号線Sとの接続を切り替える。接続線Rは、配線Vに接続されているため、接続回路MUは、配線Vと信号線Sとに接続されており、配線Vと信号線Sとの接続を切り替えると言い換えることもできる。さらに言えば、接続配線MUは、複数の信号線Sのうち選択された少なくとも1つの信号線Sと、接続線R(配線V)とを接続する。本実施形態では、接続回路MUは、接続線R1(配線V1)、すなわちドライバ端子E1に対し、信号線S1と、他の信号線S(
図4では図示略)との、少なくともいずれか1つを接続する。また、接続回路MUは、接続線R2(配線V2)、すなわちドライバ端子E2に対し、信号線S2と、他の信号線S(
図4では図示略)との、少なくともいずれか1つを接続する。
【0029】
このように、表示装置1は、ドライバ端子Eが、配線V、接続線R、及び接続回路MUを介して、信号線Sに接続されている。すなわち、配線Vと信号線Sとは、接続線及び接続回路MUとを介して接続されている。従って、ドライバ端子EがドライバIC110に接続された状態でドライバIC110から信号が出力されると、ドライバIC110からの信号は、ドライバ端子E、配線V、接続線R、及び接続回路MUを介して、映像信号として、信号線Sに出力される。
【0030】
また、表示装置1は、第1基板SUB1内に、第1スイッチSW
A及び第2スイッチSW
Bを有する。第1スイッチSW
A及び第2スイッチSW
Bは、スイッチング素子、ここではトランジスタである。また、表示装置1は、検査端子Tとして、スイッチ端子T
A、T
Bと、出力端子T1、T2とを有する。スイッチ端子T
A、T
Bは、第1スイッチSW
A及び第2スイッチSW
Bにゲート信号を出力するための端子である。出力端子T1、T2は、信号線Sにエージング処理用の電流を出力するための端子である。出力端子T1、T2の数は、
図4では説明の便宜上2つであるが、実際の数は任意であり、例えば6つであってよい。
【0031】
出力端子T1、T2は、それぞれ、接続線L1、L2に接続されている。接続線L1、L2は、出力端子T1、T2に接続されている外側周辺領域B1b内の箇所から、内側周辺領域B1aまで延在し、内側周辺領域B1a内を、方向X1に延在している。以下、出力端子T1、T2を区別しない場合は、出力端子T0と記載し、接続線L1、L2を区別しない場合は、接続線L0と記載する。すなわち、出力端子T0は、接続線L0に接続されているといえる。
【0032】
スイッチとしての第1スイッチSWAは、第1周辺領域B1内に設けられ、第1周辺領域B1内において、ドライバ端子Eよりも表示領域A側(ドライバ端子Eの方向Y2側)に設けられる。本実施形態では、第1スイッチSWAは、内側周辺領域B1aに設けられる。さらに言えば、第1スイッチSWAは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する内側周辺領域B1aにおいて、方向Zから見てカラーフィルタ層CFに重畳する位置に設けられていてもよい。第1スイッチSWAは、接続線L0に接続される。すなわち、第1スイッチSWAは、接続線L0を介して出力端子T0に接続されている。また、第1スイッチSWAは、配線V及び接続線Rにも接続されている。すなわち、第1スイッチSWAは、配線Vを介してドライバ端子Eに接続され、接続線Rを介して信号線Sに接続されているともいえる。具体的には、第1スイッチSWAは、ドレイン電極Drが、接続線L0に接続されている。また、第1スイッチSWAは、ソース電極Soが、配線V及び接続線Rに接続されている。
【0033】
第1スイッチSW
Aは、複数設けられており、
図4の例では、第1スイッチSW
A1、SW
A2が設けられている。第1スイッチSW
A1は、ドレイン電極Drが接続線L1に接続され、ソース電極Soが配線V1及び接続線R1に接続されている。第1スイッチSW
A2は、ドレイン電極Drが接続線L2に接続され、ソース電極Soが配線V2及び接続線R2に接続されている。すなわち、第1スイッチSW
Aは、ドレイン電極Drが複数の接続線L0のうちいずれかに接続され、ソース電極Soが複数の配線Vのいずれかと複数の接続線Rのうちいずれかに接続されている。なお、第1スイッチSW
Aの数は任意であるが、信号線Sと同じ数だけあることが好ましい。
【0034】
スイッチ端子T
Aは、接続線L
Aに接続されている。接続線L
Aは、スイッチ端子T
Aに接続されている外側周辺領域B1b内の箇所から、内側周辺領域B1aまで延在し、内側周辺領域B1a内を、方向X1に延在している。接続線L
Aは、内側周辺領域B1a内において、第1スイッチSW
Aに接続されている。より詳しくは、接続線L
Aは、第1スイッチSW
Aのゲート電極Gaに接続されている。すなわち、第1スイッチSW
Aは、ゲート電極Gaが、接続線L
Aを介してスイッチ端子T
Aに接続されている。接続線L
Aは、複数の第1スイッチSW
Aのゲート電極Gaのそれぞれに、
図4では第1スイッチSW
A1、SW
A2のゲート電極Gaのそれぞれに、接続されている。すなわち、一本の接続線L
Aが、複数の第1スイッチSW
Aのそれぞれに接続されている。
【0035】
このように、第1スイッチSWAは、ドレイン電極Drが接続線L0に接続され、ソース電極Soが配線V及び接続線Rに接続され、ゲート電極Gaが接続線LAに接続されている。従って、第1スイッチSWAは、スイッチ端子TAから接続線LAを介してゲート電極Gaに電流(ゲート信号)が入力されると、接続線L0と接続線Rとを、すなわち出力端子T0と信号線Sとを、電気的に接続する。一方、第1スイッチSWAは、ゲート電極Gaに電流(ゲート信号)が入力されていない状態では、接続線L0と接続線Rとを、すなわち出力端子T0と信号線Sとを、電気的に遮断(非接続に)する。このように、第1スイッチSWAは、出力端子T0と信号線Sとの接続及び遮断を切り替え可能に構成される。さらに言えば、第1スイッチSWAは、スイッチ端子TAからのゲート信号により、出力端子T0と信号線Sとの接続及び遮断を切り替える。
【0036】
第2スイッチSWBは、第2周辺領域B2に設けられている。すなわち、第2スイッチSWBは、第1周辺領域B1に設けられる第1スイッチSWA、及び、表示領域A内に設けられる信号線Sよりも、方向Y2側に設けられている。第2スイッチSWBは、複数の信号線Sに接続されており、本実施形態では、2つの信号線Sに接続されている。具体的には、第2スイッチSWBは、ドレイン電極Drが、2つの信号線Sのうちの一方の信号線Sに接続され、ソース電極Soが、2つの信号線Sのうちの他方の信号線Sに接続されている。なお、第2スイッチSWBは、それぞれの信号線Sの、方向Y2側の端部に接続されることが好ましい。
【0037】
第2スイッチSW
Bは、複数設けられているが、
図4では説明の便宜上1つのみを記載している。
図4の例では、第2スイッチSW
Bは、ドレイン電極Drが信号線S1に接続され、ソース電極Soが信号線S2に接続されている。なお、第2スイッチSW
Bは、ソース電極Soとドレイン電極Drとが逆に設けられていてもよい。なお、第2スイッチSW
Bの数は任意であるが、信号線Sの数の半分の数だけあることが好ましい。
【0038】
スイッチ端子TBは、接続線LBに接続されている。接続線LBは、スイッチ端子TBに接続されている外側周辺領域B1b内の箇所から、内側周辺領域B1a、第4周辺領域B4(又は第3周辺領域B3)を経て、第2周辺領域B2まで延在し、第2周辺領域B2内を、方向X1に延在している。接続線LBは、第2周辺領域B2内において、第2スイッチSWBに接続されている。より詳しくは、接続線LBは、第2スイッチSWBのゲート電極Gaに接続されている。すなわち、第2スイッチSWBは、ゲート電極Gaが、接続線LBを介してスイッチ端子TBに接続されている。接続線LBは、複数の第2スイッチSWBのゲート電極Gaのそれぞれに接続されている。すなわち、一本の接続線LBが、複数の第2スイッチSWBのそれぞれに接続されている。
【0039】
このように、第2スイッチSWBは、ドレイン電極Drが2つの信号線Sのうちの一方に接続され、ソース電極Soが2つの信号線Sのうちの他方に接続され、ゲート電極Gaが接続線LBを介してスイッチ端子TBに接続されている。従って、第2スイッチSWBは、スイッチ端子TBを介してゲート電極Gaに電流(ゲート信号)が入力されると、2つの信号線S同士を、電気的に接続する。一方、第2スイッチSWBは、ゲート電極Gaに電流(ゲート信号)が入力されていない状態では、2つの信号線S同士を、電気的に遮断(非接続に)する。このように、第2スイッチSWBは、スイッチ端子TB及び信号線Sに接続され、スイッチ端子TBからのゲート信号により、複数の信号線S同士の接続と遮断とを切り替え可能に構成される。
【0040】
次に、配線Vの構成などについてより詳細に説明する。
図5は、本実施形態に係る表示装置の構成の模式図である。
図5に示すように、配線Vは、第1方向Xに沿って複数設けられている。配線Vは、ドライバ端子Eに接続された箇所から、方向Y2に向けて、すなわち表示領域Aに向けて延在している。さらに言えば、配線Vは、方向Y2に向かうに従って、第1方向Xにおける外側に向けて広がるように延在している。第1方向Xにおける外側とは、方向X1側、又は、方向X2側を指す。すなわち、複数の配線Vのうち、第1方向Xにおける中央に位置する配線Vを、配線V0とすると、配線V0よりも方向X1側の配線Vは、方向Y2に向かうに従って方向X1側に向かうように(方向X1側に傾斜するように)延在している。また、配線V0よりも方向X2側の配線Vは、方向Y2に向かうに従って方向X2側に向かうように(方向X2側に傾斜するように)延在している。なお、方向X1側を、第1方向Xにおける一方の外側、方向X2側を、第1方向Xにおける他方の外側ということもできる。また、第1方向Xにおける中央の配線V0は、方向Y2に沿って延在して、方向X1及び方向X2のいずれの方向にも傾斜していない。ただし、配線V0も、方向Y2に向かうに従って方向X1又は方向X2に傾斜してもよい。
【0041】
さらに言えば、
図5の例における配線Vは、ドライバ端子Eに接続される箇所Vaから箇所Vbまでが、方向Y2(第2方向Y)に沿って延在している。そして、配線Vは、箇所Vbから箇所Vcまでが、方向Y2に向かうに従って第1方向Xにおける外側に向けて広がるように延在している。そして、配線Vは、箇所Vcから、第1スイッチSW
A及び接続線Rに接続される箇所Vdまでが、方向Y2(第2方向Y)に沿って延在している。すなわち、配線V0よりも方向X1側の配線Vは、箇所Vaから箇所Vbまでが、方向Y2に沿って延在し、箇所Vbから箇所Vcまでが、方向Y2に向かうに従って方向X1側に向かうように延在し、箇所Vcから箇所Vdまでが、方向Y2に沿って延在している。同様に、配線V0よりも方向X2側の配線Vは、箇所Vaから箇所Vbまでが、方向Y2に沿って延在し、箇所Vbから箇所Vcまでが、方向Y2に向かうに従って方向X2側に向かうように延在し、箇所Vcから箇所Vdまでが、方向Y2に沿って延在している。すなわち、配線Vは、一部の区間である箇所Vbから箇所Vcまでにおいて、方向Y2に向かうに従って、第1方向Xにおける外側に向けて広がるように延在している。ただし、配線Vは、少なくとも一部の区間において、方向Y2に向かうに従って第1方向Xにおける外側に向けて広がるように延在していればよく、例えば、全区間において、方向Y2に向かうに従って第1方向Xにおける外側に向けて広がるように延在してもよい。
【0042】
表示装置1は、第1基板SUBに、ダミー配線Dを有している。ダミー配線Dは、撮像によって配線Vを検査するために利用される配線である。ダミー配線Dは、複数の配線Vよりも、第1方向Xにおける両外側に設けられている。すなわち、ダミー配線Dは、複数の配線Vよりも、方向X1側(第1方向Xにおける一方の外側)及び方向X2側(第1方向Xにおける他方の外側)に設けられる。言い換えれば、ダミー配線Dは、複数の配線Vのうちの最も方向X1側の配線Vよりも方向X1側の領域と、複数の配線Vのうちの最も方向X2側の配線Vよりも方向X2側の領域と、に設けられる。ダミー配線Dは、配線Vと同様に、外側周辺領域B1bから内側周辺領域B1aにわたって延在しており、少なくとも一部が、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳しない外側周辺領域B1bに設けられているといえる。
【0043】
ダミー配線Dは、配線Vに沿って設けられており、配線Vと平行に延在している。従って、ダミー配線Dは、配線Vと同様に、方向Y2に向かうに従って、第1方向Xにおける外側に向けて広がるように延在している。すなわち、方向X1側(最も方向X1側の配線Vよりも方向X1側)のダミー配線Dは、方向Y2に向かうに従って方向X1側に向かうように延在している。
図5の例では、方向X1側のダミー配線Dは、箇所Daから箇所Dbまでが、方向Y2に沿って延在し、箇所Dbから箇所Dcまでが、方向Y2に向かうに従って方向X1側に向かうように延在している。一方、方向X2側(最も方向X2側の配線Vよりも方向X2側)のダミー配線Dは、方向Y2に向かうに従って方向X2側に向かうように延在している。
図5の例では、方向X2側のダミー配線Dは、箇所Daから箇所Dbまでが、方向Y2に沿って延在し、箇所Dbから箇所Dcまでが、方向Y2に向かうに従って方向X2側に向かうように延在している。
【0044】
ダミー配線Dは、第1方向Xに沿って複数設けられている。
図5の例では、方向X1側のダミー配線Dが5本であり、方向X2側のダミー配線Dの数も5本である。ただし、5本は一例であり、方向X1側のダミー配線Dと、方向X2側のダミー配線Dとは、それぞれ3本以上設けられていればよい。また、方向X1側のダミー配線Dと、方向X2側のダミー配線Dとは、それぞれ30本以下であることが好ましいが、30本以下であることに限られない。すなわち、方向X1側のダミー配線Dと方向X2側のダミー配線Dとは、他の配線や回路などとの距離が適切に保たれていれば、上限の本数は任意であってよい。また、方向X1側のダミー配線Dの数と、方向X2側のダミー配線Dの数とは、同じであってもよいし異なってもよい。
【0045】
図6は、本実施形態に係る配線及びダミー配線の模式的な一部拡大図である。
図6に示すように、ダミー配線Dの幅P
D1は、配線Vの幅P
V1と等しい。幅P
D1及び幅P
V1は、3μm以上10μm以下であることが好ましい。なお、ここでの幅とは、配線の長軸方向(延在方向)に直交する方向の長さである。また、隣り合うダミー配線D同士の間の距離(ピッチ)P
D2は、隣り合う配線V同士の間の距離(ピッチ)P
V2と等しい。距離P
D2及び距離P
V2は、6μm以上10μm以下であることが好ましい。また、隣り合う配線Vとダミー配線Dとの間の距離P
0も、距離P
D2及び距離P
V2に等しい。
【0046】
また、
図6に示すように、複数のダミー配線Dが設けられる領域の幅を、幅P
D3とする。幅P
D3は、150μm以上300μm以下であることが好ましい。なお、幅P
D3は、複数のダミー配線Dが設けられる領域の、ダミー配線Dの延在方向(長軸方向)に直交する方向における長さということもできる。すなわち、幅P
D3は、配線Vよりも方向X2側の複数のダミー配線Dが設けられる領域の、ダミー配線Dの延在方向に直交する方向における長さであり、また、配線Vよりも方向X1側の複数のダミー配線Dが設けられる領域の、ダミー配線Dの延在方向に直交する方向における長さであるといえる。さらにいえば、幅P
D3は、第1方向Xにおいて最も内側のダミー配線Dの内側の辺と、最も外側のダミー配線Dの外側の辺との間の長さということもできる。すなわち、
図6では、最も方向X2側の配線Vに対し方向X2側に隣接するダミー配線Dの方向X1側の辺と、最も方向X2側にあるダミー配線Dの方向X2側の辺との間の距離が、幅P
D3といえる。また、最も方向X1側の配線Vに対し方向X1側に隣接するダミー配線Dの方向X2側の辺と、最も方向X1側にあるダミー配線Dの方向X1側の辺との間の距離も、幅P
D3といえる。
【0047】
また、複数の配線Vが設けられる領域の幅を、幅PV3とする。幅PV3は、複数の配線Vが設けられる領域の、配線Vの延在方向(長軸方向)に直交する方向における長さということもできる。すなわち、幅PV3は、最も方向X1側の配線Vの方向X1側の辺と、最も方向X2側の配線Vの方向X2側の辺との間の長さともいえる。この場合、幅PD3は、幅PV3に対し、2%以上5%以下であることが好ましい。
【0048】
以上のように配置されるダミー配線Dは、ドライバ端子Eに非接続であり、配線Vにも非接続となっている。さらに言えば、ダミー配線Dは、接続線R及び信号線Sにも非接続である。すなわち、ダミー配線Dは、表示装置1の他の導電部材に接続されておらず、フローティングとなっている。ただし、
図6に示すように、最も配線V側にあるダミー配線Dは、隣り合う配線Vに接続されていてよい。この場合でも、最も配線V側以外のダミー配線Dは、フローティングとなっている。
【0049】
図5に示すように、接続線Rは、第1基板SUB1に設けられ、第1方向Xに沿って複数設けられている。複数の接続線Rは、配線Vのそれぞれに接続されており、配線Vに接続された箇所、
図5では第1スイッチSW
Aに接続された箇所から、方向Y2に向けて延在している。さらに言えば、接続線Rは、方向Y2に向かうに従って、第1方向Xにおける外側に向けて広がるように延在している。すなわち、複数の接続線Rのうち、第1方向Xにおける中央に位置する接続線Rを、接続線R0とすると、接続線R0よりも方向X1側の接続線Rは、方向Y2に向かうに従って方向X1側に向かうように延在している。また、接続線R0よりも方向X2側の接続線Rは、方向Y2に向かうに従って方向X2側に向かうように延在している。また、第1方向Xにおける中央の接続線R0は、方向Y2に沿って延在して、方向X1及び方向X2のいずれの方向にも傾斜していない。ただし、接続線R0も、方向Y2に向かうに従って方向X1又は方向X2に傾斜してもよい。
【0050】
表示装置1は、さらに、第1基板SUBに、ダミー接続線DRを有している。ダミー接続線DRは、接続線Rの製造欠陥を抑制するために設けられる配線である。ダミー接続線DRは、複数の接続線Rよりも、第1方向Xにおける外側に設けられている。すなわち、ダミー接続線DRは、複数の接続線Rよりも、方向X1側(第1方向Xにおける一方の外側)及び方向X2側(第1方向Xにおける他方の外側)に設けられる。言い換えれば、ダミー接続線DRは、複数の接続線Rのうちの最も方向X1側の接続線Rよりも方向X1側の領域と、複数の接続線Rのうちの最も方向X2側の接続線Rよりも方向X2側の領域と、に設けられる。ダミー接続線DRは、接続線Rと同様に、全区間において、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する内側周辺領域B1aに設けられる。
【0051】
ダミー接続線DRは、接続線Rに沿って設けられており、接続線Rと同様に、方向Y2に向かうに従って、第1方向Xにおける外側に向けて広がるように延在している。すなわち、方向X1側(最も方向X1側の接続線Rよりも方向X1側)のダミー接続線DRは、方向Y2に向かうに従って方向X1側に向かうように延在している。また、方向X2側(最も方向X2側の接続線Rよりも方向X2側)のダミー接続線DRは、方向Y2に向かうに従って方向X2側に向かうように延在している。
【0052】
ダミー接続線D
Rは、第1方向Xに沿って複数設けられている。
図5の例では、方向X1側のダミー接続線D
Rが2本であり、方向X2側のダミー接続線D
Rの数も2本である。ただし、ダミー接続線D
Rの数は
図5のような2本ずつに限られず、ダミー配線Dの数より少なければよい。すなわち、方向X1側のダミー接続線D
Rの数及び方向X2側のダミー接続線D
Rの数は、方向X1側のダミー配線Dの数及び方向X2側のダミー配線Dの数より少ない。
【0053】
以上のように配置されるダミー接続線DRは、接続線R、信号線S、配線V、及びダミー配線Dに非接続である。さらに言えば、ダミー接続線DRは、表示装置1の他の導電部材に接続されておらず、フローティングとなっている。ただし、最も接続線R側にあるダミー接続線DRは、隣り合う接続線Rに接続されていてもよい。
【0054】
なお、接続線R及びダミー接続線D
Rと、配線V及びダミー配線Dとは、方向Zにおいて異なる層に設けられている。
図7は、接続線及びダミー接続線と、配線及びダミー配線との模式的な断面図である。
図7は、接続線Rと、ダミー接続線D
Rと、配線Vと、ダミー配線Dと、第1スイッチSW
Aの半導体層SC1との積層状態を、模式的に記載している。
図7に示すように、第1スイッチSW
Aの半導体層SC1は、絶縁層11上に設けられている。また、配線Vは、絶縁層13上に設けられ、一部が絶縁層13、12を貫通することで、半導体層SC1の上面(方向Z側の面)に接触している。ダミー配線Dは、絶縁層12上に設けられる。また、接続線Rは、絶縁層13上に設けられ、一部が絶縁層13、12を貫通することで、半導体層SC1の上面(方向Z側の面)に接触している。ダミー接続線D
Rは、絶縁層13上に設けられる。なお、
図7では記載を省略しているが、後述の信号線S及びダミー信号線D
Sも、接続線Rと同層に、すなわち絶縁層13上に設けられる。このように、配線V及びダミー配線Dは、接続線R、ダミー接続線D
R、信号線S、及びダミー信号線D
Sよりも、下層に設けられる。ここでの下層とは、Z方向において、照明装置ILが設けられる側の層であり、液晶層LCやカラーフィルタ層CFが設けられる側と反対側の層を指す。
【0055】
図5に示すように、信号線Sは、第1方向Xに沿って複数設けられている。複数の信号線Sは、接続回路MUを介して接続線Rのそれぞれに接続され、方向Y2に沿って、表示領域A内に延在している。表示装置1は、さらに、第1基板SUB1に、ダミー信号線D
Sを有している。ダミー信号線D
Sは、信号線Sの製造欠陥を抑制するために設けられる配線である。ダミー信号線D
Sは、複数の信号線Sよりも、第1方向Xにおける外側に設けられている。すなわち、ダミー信号線D
Sは、複数の信号線Sよりも、方向X1側(第1方向Xにおける一方の外側)及び方向X2側(第1方向Xにおける他方の外側)に設けられる。言い換えれば、ダミー信号線D
Sは、複数の信号線Sのうちの最も方向X1側の信号線Sよりも方向X1側の領域と、複数の信号線Sのうちの最も方向X2側の信号線Sよりも方向X2側の領域と、に設けられる。ダミー信号線D
Sは、信号線Sに沿って設けられており、信号線Sと同様に、方向Y2に沿って延在している。
【0056】
ダミー信号線D
Sは、第1方向Xに沿って複数設けられている。
図5の例では、方向X1側(最も方向X1側の信号線Sよりも方向X1側)のダミー信号線D
Sが2本であり、方向X2側(最も方向X2側の信号線Sよりも方向X2側)のダミー信号線D
Sの数も2本である。ただし、ダミー信号線D
Sの数は
図5のような2本ずつに限られず、ダミー配線Dの数より少なければよい。すなわち、方向X1側のダミー信号線D
Sの数及び方向X2側のダミー信号線D
Sの数は、方向X1側のダミー配線Dの数及び方向X2側のダミー配線Dの数より少ない。なお、
図5では、ダミー信号線D
Sの数は、ダミー接続線D
Rの数と等しいが、数が異なってもよい。
【0057】
以上のように配置されるダミー信号線DSは、信号線S、接続線R、配線V、ダミー接続線DR、及びダミー配線Dに非接続である。さらに言えば、ダミー信号線DSは、表示装置1の他の導電部材に接続されておらず、フローティングとなっている。ただし、最も信号線S側にあるダミー信号線DSは、隣り合う信号線Sに接続されていてもよい。
【0058】
(検査方法)
表示装置1は、以上のような構成になっている。次に、表示装置1の配線の検査方法、について説明する。表示装置1は、配線として、信号線S、接続線R、及び配線Vを備える。本実施形態に係る検査方法では、エージング処理により、信号線S及び接続線Rの検査を行い、撮像によって、配線Vの検査を行う。ここでの検査とは、例えば、信号線S、接続線R、及び配線Vの、欠陥箇所を検出するものである。欠陥箇所とは、亜断線箇所、すなわち局所的に線幅が細くなっている箇所などを指す。エージング処理とは、表示装置1の出荷前に行う処理であり、配線に電流を流すことで、配線の局所的に線幅が細くなる箇所を断線させて、配線の欠陥箇所を予め検出する処理である。撮像による検査とは、表示装置1の出荷前に行う検査であり、配線Vを撮像して、撮像した画像を確認することで、配線Vの亜断線箇所などの欠陥箇所を検出する検査である。
【0059】
最初に、エージング処理について説明する。
図8は、エージング処理の一例を示す模式図である。エージング処理を行う場合、ドライバIC110がドライバ端子Eに接続されておらず、ドライバIC110からの信号がドライバ端子Eに入力されない。ただし、ドライバIC110からの信号がドライバ端子Eに入力されていなければ、ドライバIC110がドライバ端子Eに接続されていてもよい。
【0060】
図8に示すように、エージング処理を行う場合、検査端子Tに検査装置200が接続される。検査装置200の機能の一部は、ドライバIC110(
図1参照)が有していてもよい。
【0061】
エージング処理を行う場合、検査装置200は、スイッチ端子T
Aと、スイッチ端子T
Bと、出力端子T0とに接続される。検査装置200は、スイッチ端子T
A及びスイッチ端子T
Bに、ゲート信号を出力する。ゲート信号は、所定の電位を有する電流であり、一定の固定電位であることが好ましい。検査装置200は、所定の期間、すなわちエージング処理を行う期間、スイッチ端子T
A及びスイッチ端子T
Bにゲート信号を出力し続ける。スイッチ端子T
Aに出力されたゲート信号は、接続線L
Aを介して第1スイッチSW
Aのゲート電極Gaに入力される。第1スイッチSW
Aは、ゲート電極Gaにゲート信号が入力されることで、接続線L0と接続線Rとを、すなわち出力端子T0と信号線Sとを、接続する。
図8の例では、第1スイッチSW
A1が、接続線L1と接続線R1とを接続し、第1スイッチSW
A2が、接続線L2と接続線R2とを接続する。一方、スイッチ端子T
Bに出力されたゲート信号は、接続線L
Bを介して第2スイッチSW
Bのゲート電極Gaに入力される。第2スイッチSW
Bは、ゲート電極Gaにゲート信号が入力されることで、信号線S同士を、
図8の例では信号線S1と信号線S2とを、接続する。これにより、検査装置200と、出力端子T1と、接続線L1と、第1スイッチSW
A1と、接続線R1と、信号線S1と、第2スイッチSW
Bと、信号線S2と、接続線R2と、第1スイッチSW
A2と、接続線L2と、出力端子T2との間で、閉回路が形成される。
【0062】
さらに、検査装置200は、出力端子T0に検査信号を出力する。検査信号は、所定の電位の電流である。検査装置200は、対になる出力端子T0に、異なる電位の検査信号を出力する。検査装置200は、対になる出力端子T0に、互いに逆極性の電位の検査信号を出力することが好ましい。対になる出力端子T0とは、同じ第2スイッチSW
Bが接続されている2つの信号線Sのそれぞれに接続される2つの出力端子T0を指し、
図8の例では、出力端子T1及び出力端子T2である。
図8の例では、検査装置200は、出力端子T1にプラス極性の電位の検査信号を出力し、出力端子T2にマイナス極性の電位の検査信号を出力する。上述のように、第1スイッチSW
A及び第2スイッチSW
Bにより閉回路が形成されるため、出力端子T1における検査信号と出力端子T2における検査信号との電位差により、出力端子T1から、接続線L1、第1スイッチSW
A1、接続線R1、信号線S1、第2スイッチSW
B、信号線S2、接続線R2、第1スイッチSW
A2、接続線L2、及び出力端子T2の流れで、電流Iが流れる。検査装置200は、出力端子T1と出力端子T2との間の電位差を、例えば数十ボルトなど高く設定することで、高電圧の電流Iを流す。電流Iの電圧値は、少なくとも、ドライバIC110からの映像信号の電圧よりも高く設定される。なお、検査装置200は、所定時間経過毎に、出力端子T1と出力端子T2とに出力する検査信号の極性を入れ替えてもよい。これにより、所定時間毎に流す電流Iの方向を逆にすることができる。
【0063】
図8に示すエージング処理においては、このようにして、信号線S及び接続線Rに電流Iを流すことにより、信号線S又は接続線Rの亜断線箇所があった場合に、その箇所を断線させることができる。出荷前に破断させておいて破断を検出することで、出荷後の断線を抑制して、信頼性を向上させることができる。なお、エージング処理において信号線S又は接続線Rが断線した場合、電流が流れなくなるため、検査装置200によって電流や電圧が流れていないことを検出して、信号線S又は接続線Rが断線したかを検出することが可能となる。また例えば、エージング処理後の点灯検査などで信号線Sに映像信号を出力した場合に、断線した箇所は色表示されないため、それを検出することで信号線S又は接続線Rが断線したかを検出することもできる。
【0064】
なお、エージング処理が終了したら、表示装置1を出荷する前に、検査端子Tは閉塞しておくことが好ましい。また、エージング処理が終了したら、表示装置1を出荷する前に、第1スイッチSWA及び第2スイッチSWBが駆動しないように、ゲート電極Gaに電流が流れないように処理しておくことが好ましい。
【0065】
このように、エージング処理を行うことで、第1スイッチSWAと第2スイッチSWBとの間にある信号線S及び接続線Rに対しては、電流Iを流すことが可能なので、検査を行うことができる。しかし、配線Vは、第1スイッチSWAと第2スイッチSWBとの間になく、電流Iが流れないため、エージング処理によって検査することができない。それに対し、本実施形態に係る検査方法においては、配線Vを撮像することで、配線Vの検査を行う。
【0066】
図9は、配線の検査の一例を示す模式図である。
図10は、撮像領域の拡大図である。
図9に示すように、配線Vの検査を行う場合、図示しない撮像装置で、方向Zから、第1基板SUB1の配線Vが設けられた領域を撮像する。すなわち、撮像装置は、第1方向X及び第2方向Yに位置を移動させながら、配線Vが設けられた領域を撮像する。
図9に示すように、撮像装置が撮像する範囲である撮像領域Kには、複数の配線Vが含まれる。
【0067】
配線Vの検査においては、撮像した画像内の配線V同士を、すなわち撮像領域K内の配線V同士を比較する。そして、例えば隣の配線Vなどの他の配線Vに対して、パターン異常がある配線Vを、欠陥がある配線Vとして、例えば亜断線している配線Vであるとして、検出する。1つの撮像領域K内で他の配線Vと比較して検査を行うため、1つの撮像領域K内には、検出精度を向上するように、例えば4本以上など複数の配線Vが含まれることが好ましい。しかし、配線Vは、方向Y2に向かうに従って第1方向Xにおける外側に広がるように、すなわち斜め方向に延在している。従って、外側の配線Vを撮像する場合、例えば
図9に示す撮像領域K1のように、1つの配線Vしか含まれなくなる場合がある。この場合、配線V同士の比較ができなくなり、配線Vの検査を適切に実施できなくなる。それに対し、本実施形態に係る表示装置1は、配線Vの外側に、ダミー配線Dを設けている。従って、外側の配線Vを撮像する場合であっても、例えば
図10の撮像領域K1に示すように、配線Vと共に、ダミー配線Dが写る。そのため、例えば1つの撮像領域K内に1つの配線Vしか写らない場合にも、ダミー配線Dと配線Vとを比較することで、配線Vの検査を好適に実施することができる。また、本実施形態では、ダミー配線Dが3本以上設けられるため、1つの撮像領域Kに1つの配線Vしか写らない場合にも、3本のダミー配線Dを撮像領域Kに写すことが可能となり、合計4本以上の配線を比較することが可能となり、好適に検査を行うことができる。
【0068】
なお、撮像装置は、配線Vの箇所Vbから箇所Vcまでの区間を撮像領域Kに含むように、撮像する。すなわち、撮像領域Kには、配線Vの、方向Y2に向かうに従って第1方向Xの外側に向かって広がるように延在する箇所が、含まれる。ここで、配線Vは、第1方向Xの外側のものほど、亜断線の可能性が高くなる。また、配線Vは、第1方向Xの外側のものほど、箇所Vbから箇所Vcまでの長さが長くなる。従って、撮像領域Kに箇所Vbから箇所Vcまでの区間を含ませることで、亜断線が生じやすい外側の配線Vに対し、箇所Vbから箇所Vcまでの長い区間にわたる検査を行うことができる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置1は、配線Vと、ダミー配線Dとを備える。配線Vは、ドライバIC110が接続可能なドライバ端子Eに接続されて第1方向Xに沿って複数設けられる。配線Vは、第1方向Xに直交する第2方向Y(方向Y2)に向かうに従って、第1方向Xにおける外側に向けて広がるように延在する。ダミー配線Dは、複数の配線Vよりも第1方向Xにおける一方の外側及び他方の外側において配線Vに沿って設けられる。ダミー配線Dは、ドライバ端子E及び配線Vに非接続である。また、一方の外側、すなわち方向X1側のダミー配線Dと、他方の外側、すなわち方向X2側のダミー配線Dとは、それぞれ3本以上設けられている。
【0070】
本実施形態に係る表示装置1は、第2方向Yに向かうに従って第1方向Xにおける外側に向けて広がるように斜め方向にする複数の配線Vを備える。そして、その配線Vよりも外側に、片側3本以上のダミー配線Dを設ける。従って、配線Vを撮像して検査する場合に、撮像領域Kに十分な数のダミー配線Dを含めることが可能となり、配線Vを好適に検査することができる。この表示装置1は、このように配線Vを好適に検査することが可能な構成であるため、信頼性の低下を抑制することができる。
【0071】
また、ダミー配線Dは、配線Vと平行に延在しており、かつ、ダミー配線Dの幅PD1は、配線Vの幅PV1と等しい。このダミー配線Dは、配線Vと平行であり、幅も等しいため、配線Vとダミー配線Dとを比較した検査を高精度で行うことが可能となる。従って、この表示装置1によると、信頼性の低下を抑制することができる。
【0072】
また、一方の外側、すなわち方向X1側において複数のダミー配線Dが設けられる領域と、他方の外側、すなわち方向X2側において複数のダミー配線Dが設けられる領域との、ダミー配線Dの延在方向に直交する方向における長さ(幅PD3)は、150μm以上300μm以下である。この範囲にダミー配線Dを配置することで、配線Vとダミー配線Dとを比較した検査を高精度で行うことが可能となる。また、この範囲にダミー配線Dを配置することで、撮像装置が移動した際の位置バラつきを吸収することができる。従って、この表示装置1によると、信頼性の低下を抑制することができる。
【0073】
また、表示装置1は、配線Vに接続されるスイッチである第1スイッチSWAと、第1スイッチSWAと配線Vとに接続され、複数の画素PXに信号を供給する信号線Sと、をさらに有する。この表示装置1は、第1スイッチSWAを有することで、信号線Sの検査を好適に行うことが可能となり、信頼性の低下を抑制することができる。
【0074】
また、表示装置1は、配線V、ダミー配線D、第1スイッチSWA及び信号線Sが設けられる第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、を有する。配線V及びダミー配線Dは、少なくとも一部が、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳しない張出領域AR2に設けられる。第1スイッチSWA及び信号線Sは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する重畳領域AR1に設けられる。この表示装置1は、この位置にあるダミー配線Dと第1スイッチSWAとを有することで、配線V及び信号線Sの検査を好適に行うことが可能となり、信頼性の低下を抑制することができる。
【0075】
また、配線V及びダミー配線Dは、信号線Sよりも下層に設けられる。この表示装置1は、この位置にあるダミー配線Dと第1スイッチSWAとを有することで、配線V及び信号線Sの検査を好適に行うことが可能となり、信頼性の低下を抑制することができる。
【0076】
また、表示装置1は、ダミー信号線DSをさらに有する。ダミー信号線DSは、信号線Sよりも第1方向Xにおける一方の外側及び他方の外側において信号線Sに沿って設けられ、信号線Sに非接続である。ダミー配線Dの数は、ダミー信号線DSの数より多い。ダミー信号線DS及びダミー接続線DRは、信号線S及び接続線Rの製造欠陥を抑制するために設けられる。すなわち、外側の配線は、パターニング時に欠陥が生じやすい。それに対し、さらに外側にダミーの配線であるダミー信号線DS及びダミー接続線DRを設けることで、配線の欠陥を抑制する。それに対し、ダミー配線Dは、配線Vの撮像検査に用いるものであり、数が多い方が好ましい。本実施形態では、ダミー配線Dの数を多くし、ダミー信号線DS及びダミー接続線DRの数を少なくすることで、配線Vの検査精度を高くしつつ、外側の配線の欠陥を抑えることができる。
【0077】
また、本実施形態に係る表示装置1の検査方法は、配線V及びダミー配線Dが含まれる撮像領域Kを撮像することで、配線Vを検査する。この検査方法によると、配線Vを好適に検査することが可能となり、信頼性の低下を抑制することができる。
【0078】
(変形例)
次に、変形例について説明する。変形例に係る表示装置1aは、複数の配線Vから構成される配線群を複数有する点で、本実施形態の表示装置1とは異なる。変形例に係る表示装置1aにおいて、本実施形態の表示装置1と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
【0079】
図11は、変形例に係る表示装置の構成の模式図である。
図11に示すように、変形例に係る表示装置1aは、複数の配線Vから構成される第1配線群VAと第2配線群VBとを有する。第1配線群VAは、方向Y2に向かうに従って、第1方向における外側に向けて広がるように延在する複数の配線Vで構成される。同様に、第2配線群VBは、方向Y2に向かうに従って、第1方向における外側に向けて広がるように延在する複数の配線Vで構成される。すなわち、第1配線群VAと第2配線群VBとのそれぞれが、
図5に示す表示装置1が有する複数の配線Vであるといえる。第1配線群VAと第2配線群VBとは、第1方向Xにおいて隣り合う。
図11の例では、第1配線群VAが方向X2側にあり、第2配線群VBが方向X1側にある。
【0080】
第1配線群VAの第1方向Xにおける一方の外側及び他方の外側には、複数のダミー配線Dが設けられる。変形例においては、第1配線群VAの方向X1側にあるダミー配線Dの数は、第1配線群VAの方向X2側にあるダミー配線Dの数より多い。すなわち、第1配線群VAの第2配線群VB側に設けられるダミー配線Dの数は、第1配線群VAの第2配線群VBとは反対側に設けられるダミー配線Dの数より多い。
【0081】
また、第2配線群VBの第1方向Xにおける一方の外側及び他方の外側には、複数のダミー配線Dが設けられる。変形例においては、第2配線群VBの方向X2側にあるダミー配線Dの数は、第2配線群VBの方向X1側にあるダミー配線Dの数より多い。すなわち、第2配線群VBの第1配線群VA側に設けられるダミー配線Dの数は、第2配線群VBの第1配線群VAとは反対側に設けられるダミー配線Dの数より多い。
【0082】
このように、変形例に係る表示装置1aは、第2方向Y(方向Y2)に向かうに従って、第1方向Xにおける外側に向けて広がるように延在する複数の配線Vで構成される第1配線群VA及び第2配線群VBを有し、第1配線群VAと第2配線群VBとは、第1方向Xにおいて隣り合う。そして、第1配線群VAの第2配線群VB側に設けられるダミー配線Dの数は、第1配線群VAの第2配線群VBとは反対側に設けられるダミー配線Dの数より多い。また、第2配線群VBの第1配線群VA側に設けられるダミー配線Dの数は、第2配線群VBの第1配線群VAとは反対側に設けられるダミー配線Dの数より多い。このように、変形例に係る表示装置1aは、第1配線群VAと第2配線群VAとの間にあるダミー配線Dの数が、第1配線群VA及び第2配線群VAの外側にあるダミー配線Dの数より多い。すなわち、変形例においては、第1配線群VAと第2配線群VAとの間の、回路が少なくスペースに余裕がある領域に、多くのダミー配線Dを配置して、検出精度を高くすることができる。
【0083】
なお、
図11では、2つの配線群を有する例を記載したが、3つ以上の配線群がある場合にも、同様に、2つの配線群の間にあるダミー配線Dの数を多くすることができる。
【0084】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0085】
1 表示装置
110 ドライバIC
A 表示領域
B 周辺領域
D ダミー配線
DR ダミー接続線
DS ダミー信号線
E ドライバ端子
PX 画素
R 接続線
S 信号線
SWA 第1スイッチ(スイッチ)
V 配線
X 第1方向
Y 第2方向