IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アトリウム メディカル コーポレーションの特許一覧

特許7149243拡張可能領域を備えたグラフトならびにそれを作製および使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】拡張可能領域を備えたグラフトならびにそれを作製および使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/07 20130101AFI20220929BHJP
【FI】
A61F2/07
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019169175
(22)【出願日】2019-09-18
(62)【分割の表示】P 2018078414の分割
【原出願日】2014-07-22
(65)【公開番号】P2020011085
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2019-10-16
(31)【優先権主張番号】61/857,181
(32)【優先日】2013-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506087004
【氏名又は名称】アトリウム メディカル コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ATRIUM MEDICAL CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ジェイ. スカッティ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジー. カルプ
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム イー. ダゲル
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ダブリュー. ペン
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-158968(JP,A)
【文献】特開2006-297128(JP,A)
【文献】特表2002-531219(JP,A)
【文献】特表2002-501779(JP,A)
【文献】国際公開第2013/074663(WO,A2)
【文献】特表2008-512209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフトであって、前記グラフトは、拡張可能流出領域を有する支持構造と、第1の形状から第2の形状まで構成可能な生体適合性層とを備え、前記第2の形状は、前記拡張可能流出領域の長さの少なくとも一部分に沿った拡張された直径を有する拡開形状であり、前記生体適合性層が、連続半径方向内向き圧縮応力下で前記拡張可能流出領域に沿った前記支持構造を拘束するために、前記第1の形状は、前記拡張された直径よりも小さい拘束された直径を有し、
前記拡張可能流出領域に沿った前記支持構造は、前記生体適合性層と組み合わせて壁を形成するのに先立って、前記拡開形状をとり、前記拡開形状は、複数の有効外径寸法を有し、前記拡張可能流出領域に沿った前記支持構造は、前記第1の形状を有する前記生体適合性層と組み合わせて前記壁を形成した後でかつ移植前に、前記第1の形状をとり、前記第1の形状の前記拘束された直径は、略均一有効外径であり、前記拡張可能流出領域に沿った前記支持構造は、前記生体適合性層と組み合わせて前記壁を形成した後、前記第1の形状から前記拡開形状まで構成可能であり、
前記支持構造が前記第1の形状にあるときに、前記拡張可能流出領域内の前記生体適合性層によって印加される前記連続半径方向内向き圧縮応力は、前記拡張可能流出領域内の前記支持構造の弾性変形を生じさせる、グラフト。
【請求項2】
前記複数の有効外径寸法は、前記支持構造の前記流出領域に沿った各区画において徐々により大きくなる有効外径寸法を備える、請求項1に記載のグラフト。
【請求項3】
前記支持構造は、本体領域を有し、前記支持構造が前記第1の形状にあるときに、前記流出領域に沿った前記支持構造の前記略均一有効外径は、前記本体領域に沿った前記支持構造の一定有効外径にほぼ等しい、請求項に記載のグラフト。
【請求項4】
前記流出領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記拘束された直径から、前記支持構造の前記流出領域の少なくとも一部分に沿った前記拡張された直径まで、前記流出領域に沿った前記支持構造を再構成する、請求項に記載のグラフト。
【請求項5】
前記支持構造は、形状記憶合金から構築される、請求項1~のいずれか一項に記載のグラフト。
【請求項6】
前記形状記憶合金は、アルミニウム、コバルト、クロム、銅、金、鉄、ニッケル、白金、タンタルまたはチタンのうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載のグラフト。
【請求項7】
前記支持構造は、ニチノールから構築される、請求項1~のいずれか一項に記載のグラフト。
【請求項8】
前記生体適合性層は、拡張可能ポリマーを備える、請求項1~のいずれか一項に記載のグラフト。
【請求項9】
前記生体適合性層は、ePTFEを備える、請求項1~のいずれか一項に記載のグラフト。
【請求項10】
前記支持構造は、ジグザグワイヤ形状を備える、請求項1~のいずれか一項に記載のグラフト。
【請求項11】
前記生体適合性層は、前記支持構造を封入する、請求項1~のいずれか一項に記載のグラフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2013年7月22日に出願された米国仮特許出願番号第61/857,181号に基づく優先権の利益を主張しており、その内容は、それら全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明および開示は、移植のために好適な血管グラフト(そのようなグラフトの製造および使用を含む)の種々の実施形態に関する。本開示のある実施形態では、1つまたはそれを上回る拡張可能な第1の領域が、身体管腔の中への移植後、グラフトの開存性を回復するために提供される。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
血管疾患は、世界中に蔓延している。人工または自家のいずれかである導管が、脈管の罹患部分を迂回する、または遮断もしくは損傷血管の周囲の血流を回復するために、既存の脈管の中に移植される、バイパス外科手術は、そのような疾患のための最も一般的治療のうちの1つである。
【0004】
血管グラフトはまた、透析患者における進入部位としても使用される。グラフトは、患者の身体内の動脈と静脈を接続する、またはその間に橋架する。針が、グラフトの中に挿入され、血液が、採取され、血液透析機械を通して通過され、グラフトの中に挿入される第2の針を通して患者に戻されることを可能にする。
【0005】
有意な数のバイパスグラフトは、5~7年以内に故障する。血液透析グラフトの平均寿命は、多くの場合、2年未満とさらに短い。グラフト故障の主要原因は、組織内部成長と、最終的血栓症形成とに起因する、グラフトの閉鎖である。グラフト直径が小さいほど、グラフト故障率が高くなる。グラフト閉鎖または圧潰から生じる損失された開存性は、特に、グラフトの流出端が脈管に触れる流出部位において問題になる。
【0006】
しかしながら、本問題は、典型的には、そうでなければグラフト故障に寄与し得る、内部成長組織または凝固を除去するための外科手術手技(例えば、血栓除去術または経皮的血栓除去術)または化学介入技法(例えば、チクロピジン、アスピリン、ジピリジモール、またはクロピドグレル等の抗凝固または抗血小板薬物の投与)を含む、開存性を回復するための従来の技法によって適正に対処されていない。特に、外科手術および化学介入は、不必要なリスク(例えば、感染症、出血等)を導入し得、多くの場合、より長い時間周期にわたって開存性を維持するに有効であるには不適正である。
【0007】
したがって、危険かつ有効でない化学または外科手術介入を要求せずに、移植後、開存性が容易に回復され得る、グラフトの必要性がある。また、本明細書に開示されるグラフト技術の種々の特徴を利用する、異なるグラフト構造の必要性もある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(要旨)
危険かつ有効でない化学または外科手術介入を要求せず、移植後、開存性が容易に回復されることを可能にする拡張可能流出領域を有する、血管グラフトの必要性がある。本開示および発明の実施形態は、他の望ましい特性を有することに加え、前述の必要性に対処するためのさらなる解決策を対象とする。
【0009】
本発明のある実施形態によると、グラフトが、提供される。グラフトは、壁を有する導管を含む。導管は、本体領域の流入端における少なくとも1つの流入開口と、少なくとも1つの流入開口とは反対の流出領域の流出端における流出開口とを含む。壁は、支持構造と、生体適合性層とを含む。流出領域に沿った支持構造は、支持構造に対する生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じる連続的圧縮応力下にある。
【0010】
本発明の側面によると、流出領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、本体領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力を上回る。本発明の側面によると、流出領域内の連続的印加荷重から生じる支持構造によって被られる圧縮応力は、少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる支持構造に沿った各区画において徐々に大きくなる。流出領域内の連続的印加荷重から生じる支持構造によって被られる圧縮応力は、流出領域内の支持構造の弾性変形を生じさせる。本発明の側面によると、流出領域内の支持構造の弾性変形は、少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる支持構造に沿って各区画において徐々により大きくなる。流出領域内の支持構造の弾性変形は、可逆的である。本体領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、本体領域内の支持構造を弾性的に変形させない。
【0011】
本発明の側面によると、支持構造は、生体適合性層と組み合わせ、壁を形成するのに先立って、複数の有効外径寸法を有し、支持構造は、生体適合性層と組み合わせて、壁を形成した後、略均一有効外径寸法を有する。本体領域に沿った複数の有効外径寸法は、一定である有効外径寸法であり得る。流出領域に沿った複数の有効外径寸法は、少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる支持構造に沿った各区画において徐々に大きくなる、有効外径寸法であることができる。略均一有効外径寸法は、本体領域に沿った一定有効外径寸法と、流出領域に沿った拘束された有効外径寸法とを有することができる。拘束された有効外径寸法は、一定有効外径寸法にほぼ等しい。連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、流出領域に沿った支持構造を拘束された有効外径寸法に維持する。
【0012】
本発明の側面によると、流出領域に沿った支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、生体適合性層の塑性変形を生じさせる。流出領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、支持構造によって被られる圧縮応力の減少を生じさせる。流出領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、グラフトは、塑性的に変形された生体適合性層と、反力の印加に先立って支持構造によって被られる圧縮応力未満である、支持構造によって被られる圧縮応力とをもたらすように再構成する。流出領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、グラフトは、塑性的に変形された生体適合性層をもたらすように再構成する。流出領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、グラフトは、反力の印加に先立って支持構造によって被られる連続的圧縮応力が以前にあった場合、残留圧縮応力を被る支持構造をもたらすように再構成する。
【0013】
本発明の側面によると、流出領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、拘束された有効外径寸法から、流出領域内の少なくとも支持構造の一部分に沿う拘束された有効外径寸法を上回る拡張された有効外径寸法に、流出領域に沿った支持構造を再構成する。本発明の側面によると、拡張された有効外径寸法は、流出領域内の少なくとも支持構造の一部分に沿って、拘束された有効外径寸法を少なくとも1mm上回る。本発明の側面によると、流出領域に沿った支持構造の拡張された有効外径寸法は、再構成された後、流出領域内の支持構造の全体部分に沿って、拘束された有効外径寸法を少なくとも1mm上回る。
【0014】
本発明のさらなる側面によると、導管は、第2の流入開口を含むことができる。第2の流入開口の長手軸は、非平行角度において、少なくとも1つの流入開口の長手軸に交差する。本発明の側面によると、非平行角度は、角度約25°~45°を備える。本発明の一側面によると、非平行角度は、約35°である。
【0015】
本発明の側面によると、支持構造は、形状記憶合金から構築される。本発明の一側面によると、支持構造は、ニチノールから構築される。支持構造は、ジグザグワイヤ形状を有することができる。
【0016】
本発明の側面によると、生体適合性層は、拡張可能ポリマーを備える。生体適合性層は、ePTFEを含むことができる。生体適合性は、生体適合性外側層を含むことができる。生体適合性層は、生体適合性内側層を含むことができる。生体適合性外側層および生体適合性内側層は、支持構造を封入する。本発明の一側面によると、生体適合性層は、表面修飾コーティングではない。
【0017】
一例示的実施形態によると、血管グラフトが、提供される。血管グラフトは、壁を有する導管を含む。壁は、本体領域の流入端における少なくとも1つの流入開口と、少なくとも1つの流入開口とは反対の流出領域の流出端における流出開口とを含む。壁は、支持構造と、生体適合性層とを含む。生体適合性層と組み合わせ、壁を形成するのに先立って、支持構造は、その長さに沿って複数の有効外径寸法を含む。複数の有効外径寸法は、本体領域に沿った一定有効外径寸法と、少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる支持構造に沿った各区画において徐々に大きくなる、流出領域に沿った有効外径寸法とを含む。生体適合性層と組み合わせて、壁を形成した後、流出領域内の支持構造は、流出領域に沿った支持構造を、少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる支持構造に沿った各区画において徐々に大きくならない拘束された有効外径寸法に維持する、生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じる圧縮応力下にある。流出領域内の支持構造への反力の印加後、流出領域内の支持構造は、拘束された有効外径寸法から、その少なくとも一部分が拘束された有効外径寸法を少なくとも1ミリメートル上回る、拡張された有効外径寸法に再構成される。
【0018】
本発明の例示的実施形態によると、移植されたグラフトの流出端を拡張させる方法が、提供される。この方法は、(a)移植されたグラフトを識別するステップと、(b)反力を印加するステップとを含む。血管グラフトは、壁を有する導管を含む。導管は、本体領域の流入端における少なくとも1つの流入開口と、少なくとも1つの流入開口とは反対の流出領域の流出端における流出開口とを含む。壁は、支持構造と、生体適合性層とを含む。生体適合性層と組み合わせ、壁を形成するのに先立って、支持構造は、本体領域に沿った一定有効外径寸法と、少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる支持構造に沿った各区画において徐々に大きくなる、流出領域に沿った有効外径寸法とを備える、複数の有効外径寸法を備える。生体適合性層と組み合わせて、壁を形成した後、流出領域内の支持構造は、流出領域内の支持構造を、少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる支持構造に沿った各区画において徐々に大きくならない拘束された有効外径寸法に維持する、生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じる圧縮応力下にある。流出領域内の支持構造への反力の印加は、拘束された有効外径寸法から、拘束された有効外径寸法を上回る拡張された有効外径寸法に流出領域に沿った支持構造を再構成し、それによって、移植されたグラフトの流出領域を拡張させる。
【0019】
本発明の側面によると、流出領域は、圧潰しているか、狭窄しているか、または持続性内膜肥厚を有する、流出端を備える。圧潰しているか、狭窄しているか、または持続性内膜肥厚端を有する、流出端は、グラフトが移植された脈管の開存性を損なわせる。
【0020】
本発明の側面によると、反力を印加するステップは、移植されたグラフトの流出領域内の拡張可能デバイスを拡張させるステップを含む。拡張可能デバイスの拡張に先立って、拡張可能デバイスは、流出領域に前進される。流出領域への拡張可能デバイスの前進に先立って、拡張可能デバイスは、移植されたグラフトの中に経皮的に導入される。
【0021】
本発明の側面によると、拡張された有効外径寸法は、拘束された有効外径寸法を少なくとも1ミリメートル上回る。本発明の側面によると、拡張された有効外径寸法は、流出領域内の支持構造の任意の部分に沿って、拘束された有効外径寸法を少なくとも1ミリメートル上回る。
【0022】
一例示的実施形態によると、移植されたグラフトの流出領域を拡張させる方法が、提供される。この方法は、(a)拡張可能流出領域を有する、移植されたグラフトを提供するステップと、(b)反力を流出領域に印加するステップとを含む。移植されたグラフトは、壁を有する導管を含む。導管は、本体領域の流入端における少なくとも1つの流入開口と、少なくとも1つの流入開口とは反対の流出領域の流出端における流出開口とを含む。壁は、支持構造と、生体適合性層とを含む。流出領域内の支持構造は、生体適合性層によって生じる印加荷重から生じる圧縮応力下にある。反力を流出領域内の支持構造に印加するステップは、拘束された有効外径寸法から、拘束された有効外径寸法を上回る拡張された有効外径寸法に、流出領域に沿った支持構造を再構成し、それによって、移植されたグラフトの流出端を拡張させる。
【0023】
本発明の一例示的実施形態によると、拡張可能流出端を有するグラフトを作製する方法が、提供される。この方法は、(a)本体領域の流入端における少なくとも1つの流入開口と、少なくとも1つの流入開口とは反対の流出領域の流出端における流出開口とを有する、支持構造を提供するステップを含む。支持構造は、支持構造の本体領域に沿った一定有効外径寸法と、支持構造の流出領域に沿った徐々に増加する有効外径寸法とを備える、複数の有効外径寸法を有する。この方法はさらに、(b)支持構造と少なくとも1つの生体適合性層を組み合わせ、支持構造および少なくとも1つの生体適合性層を備える、壁を形成するステップを含む。この方法はさらに、(c)マンドレルを支持構造の流出端の近位の流出開口の中に挿入するステップを含む。この方法はさらに、(d)連続的圧縮応力が、生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じ、流出領域に沿った支持構造を一定有効外径寸法と均一な拘束された有効外径寸法に維持するように、圧縮巻着を用いて、支持構造の流出領域の近位の徐々に増加する有効外径寸法を拘束するステップを含む。この方法はさらに、(e)流出領域内のある区画における少なくとも1つの生体適合性層を焼結するステップを含む。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
グラフトであって、
壁を有する導管を備え、前記導管は、
第1の脈管挿入領域、第2の脈管挿入領域、およびそれらの間に流体連通を提供する連結領域を備え、前記第1および第2の脈管挿入領域は、それぞれ、
第1の流体流動領域、および前記第1の流体流動領域と反対の拡張可能な第3の流体流動領域と流体連通する、接合部においてともに合流する、第2の流体流動領域と、
前記第1の流体流動領域の最外端に配置される第1の開口、前記第2の流体流動領域の最外端に配置される第2の開口、および前記第3の流体流動領域の最外端に配置される第3の開口であって、前記第1および第2の脈管挿入領域のそれぞれの第2の開口は、それらの間に流体連通を可能にする様式において、前記連結領域を介して相互に連結される、第1の開口、第2の開口、および第3の開口と、
を備え、
ここで、前記壁は、支持構造および生体適合性層を備え、そして、
少なくとも前記第1の脈管挿入領域の第3の流体流動領域の少なくとも一部分に沿った支持構造は、前記支持構造に対する前記生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じる連続的圧縮応力下にある、グラフト。
(項目2)
前記第2の脈管挿入領域の第3の流体流動領域の少なくとも一部分に沿った支持構造は、前記支持構造に対する前記生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じる連続的圧縮応力下にある、項目1に記載のグラフト。
(項目3)
前記第3の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記第1の流体流動領域または前記第2の流体流動領域のいずれかにおける連続的印加荷重から生じる圧縮応力を上回る、項目1-2に記載のグラフト。
(項目4)
前記第3の流体流動領域における連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記接合部に接近して実質的に一定であるまで、前記支持構造に沿った各区画において徐々に減少する、項目1-2に記載のグラフト。
(項目5)
前記第3の流体流動領域における連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記第3の流体流動領域内に、実質的に一定であって、次いで、前記第1の開口から徐々により遠位になる前記支持構造に沿った各区画において、徐々により大きくなる、前記支持構造の弾性変形を生じさせる、項目1-2に記載のグラフト。
(項目6)
前記第3の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形は、前記第3の流体流動領域内に前記支持構造の弾性変形を逆戻りさせることが、前記第3の流体流動領域内の前記支持構造の直径を、前記第3の流体流動領域内の前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力下にない、前記支持構造の非圧縮直径未満の直径に拡張させるように可逆的である、項目5に記載のグラフト。
(項目7)
前記第1の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力に起因する、前記第1の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形は、大きくても無視可能である、項目1-2に記載のグラフト。
(項目8)
前記第2の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力に起因する、前記第2の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形は、大きくても無視可能である、項目1-2に記載のグラフト。
(項目9)
前記生体適合性層と組み合わせ、前記壁を形成するのに先立って、前記第1の流体流動領域に沿った前記支持構造は、一定有効内径寸法を有し、前記第3の流体流動領域に沿った前記支持構造は、前記第1の開口から徐々により遠位になる前記支持構造に沿った各区画において徐々により大きくなる前に、実質的に一定である有効内径寸法を備える、項目1-2に記載のグラフト。
(項目10)
前記生体適合性層と組み合わせて、前記壁を形成した後、前記支持構造は、前記第1の流体流動領域に沿った一定有効内径寸法と、前記第3の流体流動領域に沿った拘束された有効内径寸法とを備える、略均一有効内径寸法を有する、項目9に記載のグラフト。
(項目11)
前記拘束された有効内径寸法は、前記一定有効内径寸法にほぼ等しい、項目10に記載のグラフト。
(項目12)
前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記第3の流体流動領域に沿った前記支持構造を前記拘束された有効内径寸法に維持する、項目11に記載のグラフト。
(項目13)
前記第3の流体流動領域に沿った前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記生体適合性層の恒久的変形を生じさせる、項目12に記載のグラフト。
(項目14)
前記第3の流体流動領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少を生じさせる、項目13に記載のグラフト。
(項目15)
前記第3の流体流動領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、恒久的に変形された生体適合性層と、前記反力の印加に先立って前記支持構造によって被られる圧縮応力未満である、前記支持構造によって被られる圧縮応力とをもたらすように再構成する、項目14に記載のグラフト。
(項目16)
前記第3の流体流動領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、前記支持構造が、前記反力の印加に先立って、以前はより大きかった前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少した圧縮応力を被る結果をもたらすように再構成する、項目15に記載のグラフト。
(項目17)
前記第3の流体流動領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記拘束された有効内径寸法から、前記第3の流体流動領域内の支持構造の少なくとも一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を上回る拡張された有効内径寸法に前記第3の流体流動領域に沿った前記支持構造を再構成する、項目16に記載のグラフト。
(項目18)
前記拡張された有効内径寸法は、前記第3の流体流動領域内の支持構造の少なくとも一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目17に記載のグラフト。
(項目19)
前記第3の流体流動領域に沿った前記支持構造の有効内径寸法は、前記第3の流体流動領域内の支持構造の隣接部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法より大きい、項目18に記載のグラフト。
(項目20)
少なくとも前記第1の脈管挿入領域内の前記拡張可能な第3の流体流動領域は、細長い拡張可能な第3の流体流動領域を備える、項目1-2に記載のグラフト。
(項目21)
前記第2の脈管挿入領域内の前記拡張可能な第3の流体流動領域は、細長い拡張可能な第3の流体流動領域を備える、項目1または20に記載のグラフト。
(項目22)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域は、前記第1の流体流動領域または前記第2の流体流動領域のいずれかの長さの約5倍を上回る長さを有する、項目20-21に記載のグラフト。
(項目23)
前記接合部と前記第3の流体流動領域の最外端との間の前記導管の長さは、前記第1の流体流動領域および前記第2の流体流動領域の組み合わせられた長さを上回る、項目20-21に記載のグラフト。
(項目24)
前記接合部と前記第3の流体流動領域の最外端との間の前記導管の長さは、少なくとも約50ミリメートルである、項目20-21に記載のグラフト。
(項目25)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記第3の流体流動領域から徐々により遠位になる各区画を横断して実質的に一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において徐々に減少する、項目20-21に記載のグラフト。
(項目26)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記第3の流体流動領域から徐々により遠位になる各区画を横断して実質的に一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において徐々に増加する、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内に前記支持構造の弾性変形を生じさせる、項目20-21に記載のグラフト。
(項目65)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形は、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形を逆戻りさせることが、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の直径を前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力下にない前記支持構造の非圧縮直径未満の直径に拡張させるように可逆的である、項目58または59に記載のグラフト。
(項目27)
前記第1および第2の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力に起因する、前記第1および第2の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形は、大きくても無視可能である、項目20-21に記載のグラフト。
(項目28)
前記生体適合性層と組み合わせ、前記壁を形成するのに先立って、前記第1の脈管挿入領域内の前記支持構造は、前記第1の流体流動領域に沿った一定有効内径寸法と、前記1つまたはそれを上回る初期区画から徐々により遠位になる各区画を横断して一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において徐々に減少する、前記第3の流体流動領域に沿った有効内径寸法とを有する、項目20-21に記載のグラフト。
(項目29)
前記生体適合性層と組み合わせ、前記壁を形成するのに先立って、前記第2の脈管挿入領域内の支持構造は、前記第1の流体流動領域に沿った一定有効内径寸法と、前記1つまたはそれを上回る初期区画から徐々により遠位になる各区画を横断して一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において徐々に減少する、前記第3の流体流動領域に沿った有効内径寸法とを有する、項目20-21に記載のグラフト。
(項目30)
前記生体適合性層と組み合わせて、前記壁を形成した後、前記第1の脈管挿入領域内の前記支持構造は、前記第1の流体流動領域に沿った一定有効内径寸法と、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域に沿った拘束された有効内径寸法とを備える、略均一有効内径寸法を有する、項目20-21に記載のグラフト。
(項目31)
前記生体適合性層と組み合わせて、前記壁を形成した後、前記第2の脈管挿入領域内の支持構造は、前記第1の流体流動領域に沿った一定有効内径寸法と、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域に沿った拘束された有効内径寸法とを備える、略均一有効内径寸法を有する、項目20-21に記載のグラフト。
(項目32)
前記拘束された有効内径寸法は、前記一定有効内径寸法にほぼ等しい、項目30-31に記載のグラフト。
(項目33)
前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域に沿った前記支持構造を前記拘束された有効内径寸法に維持する、項目32に記載のグラフト。
(項目34)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域に沿った前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記生体適合性層の恒久的変形を生じさせる、項目33に記載のグラフト。
(項目35)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少を生じさせる、項目34に記載のグラフト。
(項目36)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、恒久的に変形された生体適合性層と、前記反力の印加に先立って前記支持構造によって被られる圧縮応力未満である、前記支持構造によって被られる圧縮応力とをもたらすように再構成する、項目35に記載のグラフト。
(項目37)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、前記反力の印加に先立って以前はより大きかった前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少した圧縮応力を被る支持構造をもたらすように再構成する、項目36に記載のグラフト。
(項目38)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記拘束された有効内径寸法から、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の少なくとも一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を上回る拡張された有効内径寸法に前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域に沿った前記支持構造を再構成する、項目37に記載のグラフト。
(項目39)
前記拡張された有効内径寸法は、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の少なくとも一部分に沿った前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目38に記載のグラフト。
(項目40)
再構成された後、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域に沿った前記支持構造の拡張された有効内径寸法は、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の大部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目39に記載のグラフト。
(項目41)
前記第2の流体流動領域の長手軸は、非平行角度において、前記第1の流体流動領域の長手軸に交差する、項目1に記載のグラフト。
(項目42)
前記非平行角度は、角度約25°~45°を備える、項目41に記載のグラフト。
(項目43)
前記非平行角度は、角度約35°を備える、項目41に記載のグラフト。
(項目44)
前記第2の流体流動領域は、前記第1の流体流動領域および前記第2の流体流動領域が相互に垂直ではないように、前記第1の流体流動領域との接合部において、ともに合流する、項目1に記載のグラフト。
(項目45)
前記支持構造は、形状記憶合金から構築される、項目1に記載のグラフト。
(項目46)
前記支持構造は、ニチノールから構築される、項目1に記載のグラフト。
(項目47)
前記生体適合性層は、拡張可能ポリマーを備える、項目1に記載のグラフト。
(項目48)
前記生体適合性層は、ePTFEを含む、項目1に記載のグラフト。
(項目49)
前記生体適合性層はさらに、生体適合性外側層を備える、項目1に記載のグラフト。
(項目50)
前記生体適合性層はさらに、生体適合性内側層を備える、項目49に記載のグラフト。
(項目51)
前記生体適合性外側層および前記生体適合性内側層は、前記支持構造を封入する、項目50に記載のグラフト。
(項目52)
前記生体適合性層は、表面修飾コーティングではない、項目1に記載のグラフト。
(項目53)
グラフトであって、
壁を有する導管を備え、前記導管は、
第1の流入端を有する第1の流入領域および第2の流入端を有する第2の流入領域であって、前記第1および第2の流入領域は、前記第1の流入領域と反対の細長い拡張可能流出領域と流体連通する流入接合部においてともに合流し、前記流出領域は、流出端を有する、第1および第2の流入領域と、
前記第1の流入領域の第1の流入端に配置される第1の流入開口、前記第2の流入領域の第2の流入端に配置される第2の流入開口、および前記流出領域の流出端に配置される流出開口と、
を備え、
ここで、前記壁は、支持構造および生体適合性層を備え、
前記細長い拡張可能流出領域の少なくとも一部分に沿った前記支持構造は、前記支持構造に対する前記生体適合性層によって生じる印加荷重から生じる圧縮応力下にあって、そして
前記細長い拡張可能流出領域の長さは、前記第1の流入領域または前記第2の流入領域のいずれかの長さの2倍を上回る、グラフト。
(項目54)
前記細長い拡張可能流出領域は、前記第1の流入領域または前記第2の流入領域のいずれかの長さを上回る長さを有する、項目53に記載のグラフト。
(項目55)
前記流入接合部と前記流出端との間の前記導管の長さは、少なくとも約100ミリメートルである、項目53に記載のグラフト。
(項目56)
前記細長い拡張可能流出領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記第1の流入領域または前記第2の流入領域のいずれか内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力を上回る、項目53に記載のグラフト。
(項目57)
前記細長い拡張可能流出領域内の連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記1つまたはそれを上回る初期区画から徐々により遠位になる各区画を横断して実質的に一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において徐々に増加する、項目53に記載のグラフト。
(項目58)
前記細長い拡張可能流出領域内の連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記細長い拡張可能流出領域内に前記支持構造の弾性変形を生じさせる、項目53に記載のグラフト。
(項目59)
前記流出領域内の前記支持構造の弾性変形は、前記1つまたはそれを上回る初期区画から徐々により遠位になる各区画を横断して実質的に一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において増加する、項目58に記載のグラフト。
(項目60)
前記細長い拡張可能流出領域内の前記支持構造の弾性変形は、可逆的である、項目58に記載のグラフト。
(項目61)
前記細長い拡張可能流出領域内の前記支持構造の弾性変形を逆戻りさせることは、前記細長い拡張可能流出領域内の前記支持構造の直径を前記細長い拡張可能流出領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力下にない前記支持構造の非圧縮直径を上回る直径に拡張させる、項目53に記載のグラフト。
(項目62)
前記第2の流入領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力に起因する前記第2の流入領域内の前記支持構造の弾性変形は、大きくても無視可能である、項目53に記載のグラフト。
(項目63)
前記第1の流入領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力に起因する前記第1の流入領域内の前記支持構造の弾性変形は、大きくても無視可能である、項目53に記載のグラフト。
(項目64)
前記支持構造は、前記生体適合性層と組み合わせ、前記壁を形成するのに先立って、複数の有効内径寸法を有し、前記支持構造は、前記生体適合性層と組み合わせて、前記壁を形成した後、略均一有効内径寸法を有する、項目53に記載のグラフト。
(項目65)
前記第1の流入領域に沿った有効内径寸法は、一定有効内径寸法を備える、項目64に記載のグラフト。
(項目66)
前記細長い拡張可能流出領域に沿った前記生体適合性層との組み合わせに先立った前記有効内径寸法は、前記1つまたはそれを上回る初期区画から徐々により遠位になる各区画を横断して一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画に沿って、増加する、有効内径寸法を備える、項目64に記載のグラフト。
(項目67)
前記生体適合性層と組み合わせた後の略均一有効内径寸法は、前記第1の流入領域に沿った一定有効内径寸法と、前記細長い拡張可能流出領域に沿った拘束された有効内径寸法とを備える、項目64に記載のグラフト。
(項目68)
前記拘束された有効内径寸法は、前記一定有効内径寸法にほぼ等しい、項目67に記載のグラフト。
(項目69)
前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記細長い拡張可能流出領域に沿った前記支持構造を前記拘束された有効内径寸法に維持する、項目67に記載のグラフト。
(項目70)
前記細長い拡張可能流出領域に沿った前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記生体適合性層の恒久的変形を生じさせる、項目67に記載のグラフト。
(項目71)
前記細長い拡張可能流出領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少を生じさせる、項目67に記載のグラフト。
(項目72)
前記細長い拡張可能流出領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、恒久的に変形された生体適合性層と、前記反力の印加に先立って前記支持構造によって被られる圧縮応力未満である、前記支持構造によって被られる圧縮応力とをもたらすように再構成する、項目67に記載のグラフト。
(項目73)
前記細長い拡張可能流出領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、恒久的に変形された生体適合性層をもたらすように再構成する、項目67に記載のグラフト。
(項目74)
前記細長い拡張可能流出領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、前記反力の印加に先立って以前はより大きかった前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少した圧縮応力を被る支持構造をもたらすように再構成する、項目67に記載のグラフト。
(項目75)
前記細長い拡張可能流出領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記拘束された有効内径寸法から、前記細長い拡張可能流出領域内の前記支持構造の少なくとも一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を上回る拡張された有効内径寸法に前記細長い拡張可能流出領域に沿った前記支持構造を再構成する、項目67に記載のグラフト。
(項目76)
前記拡張された有効内径寸法は、前記細長い拡張可能流出領域内の前記支持構造の少なくとも一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目75に記載のグラフト。
(項目77)
前記細長い拡張可能流出領域に沿った前記支持構造の前記拡張された有効内径寸法は、再構成された後、前記細長い拡張可能流出領域内の前記支持構造の大部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目75に記載のグラフト。
(項目78)
前記第2の流入領域の長手軸は、非平行角度において、前記第1の流入領域の長手軸に交差する、項目53に記載のグラフト。
(項目79)
前記非平行角度は、角度約25°~45°を備える、項目78に記載のグラフト。
(項目80)
前記非平行角度は、角度約35°を備える、項目78に記載のグラフト。
(項目81)
前記第2の流入領域は、前記第1の流入領域および前記第2の流入領域が相互に垂直ではないように、前記第1の流入領域との前記流入接合部においてともに合流する、項目78に記載のグラフト。
(項目82)
前記支持構造は、形状記憶合金から構築される、項目53に記載のグラフト。
(項目83)
前記支持構造は、ニチノールから構築される、項目53に記載のグラフト。
(項目84)
前記生体適合性層は、拡張可能ポリマーを備える、項目53に記載のグラフト。
(項目85)
前記生体適合性層は、ePTFEを含む、項目53に記載のグラフト。
(項目86)
前記生体適合性層はさらに、生体適合性外側層を備える、項目53に記載のグラフト。
(項目87)
前記生体適合性層はさらに、生体適合性内側層を備える、項目86に記載のグラフト。
(項目88)
前記生体適合性外側層および前記生体適合性内側層は、前記支持構造を封入する、項目87に記載のグラフト。
(項目89)
前記生体適合性層は、表面修飾コーティングではない、項目88に記載のグラフト。
(項目90)
前記支持構造は、形状記憶合金から構築される、項目88に記載のグラフト。
(項目91)
前記支持構造は、ニチノールから構築される、項目88に記載のグラフト。
(項目92)
グラフトであって、
壁を有する導管を備え、前記導管は、
第1の脈管挿入領域、第2の脈管挿入領域、およびそれらの間に流体連通を提供する連結領域を備え、
前記第1の脈管挿入領域は、
第1の流体流動領域と、前記第1の流体流動領域と反対の第3の流体流動領域と流体連通する、接合部においてともに合流する、第1の流体流動領域および第2の流体流動領域と、
前記第1の流体流動領域の最外端に配置される第1の開口、前記第2の流体流動領域の最外端に配置される第2の開口、および前記第3の流体流動領域の最外端に配置される第3の開口と、
を備え、
前記第2の脈管挿入領域は、
前記連結領域に隣接して配置される第4の開口から前記第2の脈管挿入領域の終端部分に隣接して配置される反対の第5の開口に延在する、第4の流体流動領域であって、前記第1の脈管挿入領域の第2の開口は、それらの間に流体連通を可能にする様式において、前記連結領域を介して、前記第2の脈管挿入領域の前記第4の開口に連結される、第4の流体流動領域、
を備え、
ここで、前記壁は、支持構造および生体適合性層を備え、そして
前記第3の流体流動領域の少なくとも一部分に沿った前記支持構造は、前記支持構造に対する前記生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じる連続的圧縮応力下にある、グラフト。
(項目93)
前記第3の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記第1の流体流動領域または前記第2の流体流動領域のいずれかにおける連続的印加荷重から生じる圧縮応力を上回る、項目92に記載のグラフト。
(項目94)
前記第3の流体流動領域における連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記第1の開口から徐々により遠位になる前記支持構造に沿った各区画において徐々により大きくなり、前記応力は、前記接合部の近位では実質的に一定になる、項目92に記載のグラフト。
(項目95)
前記第3の流体流動領域における連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記接合部から徐々により遠位になる前記支持構造に沿った各区画において、前記第3の流体流動領域に向かって徐々により大きくなる、前記第3の流体流動領域内に前記支持構造の弾性変形を生じさせる、項目92に記載のグラフト。
(項目96)
前記第3の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形は、前記第3の流体流動領域内に前記支持構造の弾性変形を逆戻りさせることが、前記第3の流体流動領域内の前記支持構造の直径を、前記第3の流体流動領域内の前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力下にない、前記支持構造の非圧縮直径未満の直径に拡張させるように可逆的である、項目95に記載のグラフト。
(項目97)
前記第1の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力に起因する、前記第1の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形は、大きくても無視可能である、項目92に記載のグラフト。
(項目98)
前記第2の流体流動領域内の印加荷重から生じる圧縮応力に起因する、前記第2の流体流動領域の中心部分に沿った前記支持構造の弾性変形は、大きくても無視可能である、項目92に記載のグラフト。
(項目99)
前記生体適合性層と組み合わせ、前記壁を形成するのに先立って、前記第1の流体流動領域に沿った前記支持構造は、一定有効内径寸法を有し、前記第3の流体流動領域に沿った前記支持構造は、前記接合部から徐々により遠位になる前記支持構造に沿った各区画において、前記第3の開口に向かって徐々により大きくなる、有効内径寸法を備える、項目92に記載のグラフト。
(項目100)
前記生体適合性層と組み合わせて、前記壁を形成した後、前記支持構造は、前記第1の流体流動領域に沿った一定有効内径寸法と、前記第3の流体流動領域に沿った拘束された有効内径寸法とを備える、略均一有効内径寸法を有する、項目99に記載のグラフト。
(項目101)
前記拘束された有効内径寸法は、前記一定有効内径寸法にほぼ等しい、項目100に記載のグラフト。
(項目102)
前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記第3の流体流動領域に沿った前記支持構造を前記拘束された有効内径寸法に維持する、項目101に記載のグラフト。
(項目103)
前記第3の流体流動領域に沿った前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記生体適合性層の恒久的変形を生じさせる、項目102に記載のグラフト。
(項目104)
前記第3の流体流動領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少を生じさせる、項目103に記載のグラフト。
(項目105)
前記第3の流体流動領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、恒久的に変形された生体適合性層と、前記反力の印加に先立って前記支持構造によって被られる圧縮応力未満である、前記支持構造によって被られる圧縮応力とをもたらすように再構成する、項目104に記載のグラフト。
(項目106)
前記第3の流体流動領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、前記反力の印加に先立って以前はより大きかった前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少した圧縮応力を被る支持構造をもたらすように再構成する、項目105に記載のグラフト。
(項目107)
前記第3の流体流動領域内の支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記拘束された有効内径寸法から、前記第3の流体流動領域内の支持構造の少なくとも一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を上回る拡張された有効内径寸法に前記第3の流体流動領域に沿った前記支持構造を再構成する、項目106に記載のグラフト。
(項目108)
前記拡張された有効内径寸法は、前記第3の流体流動領域内の支持構造の少なくとも一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目107に記載のグラフト。
(項目109)
前記第3の流体流動領域に沿った前記支持構造の前記拡張された有効内径寸法は、再構成された後、前記第3の流体流動領域内の前記半径方向支持デバイス構造の前記拡張可能部分の全体に沿って、前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目108に記載のグラフト。
(項目110)
前記拡張可能な第3の流体流動領域は、細長い拡張可能な第3の流体流動領域を備える、項目92に記載のグラフト。
(項目111)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域は、前記第1の流体流動領域または前記第2の流体流動領域のいずれかの長さの約5倍を上回る長さを有する、項目110に記載のグラフト。
(項目112)
前記接合部と前記第3の流体流動領域の最外端との間の前記導管の長さは、前記第1の流体流動領域および前記第2の流体流動領域の組み合わせられた長さを上回る、項目110に記載のグラフト。
(項目113)
前記接合部と前記第3の流体流動領域の最外端との間の前記導管の長さは、少なくとも約50ミリメートルである、項目110に記載のグラフト。
(項目114)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記1つまたはそれを上回る初期区画から徐々により遠位になる各区画を横断して一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において徐々に減少する、項目110に記載のグラフト。
(項目115)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記1つまたはそれを上回る初期区画から徐々により遠位になる各区画を横断して一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において徐々に減少する、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内に前記支持構造の弾性変形を生じさせる、項目110に記載のグラフト。
(項目116)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形は、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形を逆戻りさせることが、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の直径を、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力下にない前記支持構造の非圧縮直径未満の直径に拡張させるように可逆的である、項目115に記載のグラフト。(項目117)
前記第1および第2の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力に起因する前記第1および第2の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形は、大きくても無視可能である、項目116に記載のグラフト。
(項目118)
前記生体適合性層と組み合わせ、前記壁を形成するのに先立って、前記第1の脈管挿入領域内の前記支持構造は、前記第1の流体流動領域に沿った一定有効内径寸法と、前記1つまたはそれを上回る初期区画から徐々により遠位になる各区画を横断して一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において徐々に減少する、前記第3の流体流動領域に沿った有効内径寸法とを有する、項目117に記載のグラフト。
(項目119)
前記生体適合性層と組み合わせて、前記壁を形成した後、前記第1の脈管挿入領域内の前記支持構造は、前記第1の流体流動領域に沿った一定有効内径寸法と、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域に沿った拘束された有効内径寸法とを備える、略均一有効内径寸法を有する、項目118に記載のグラフト。
(項目120)
前記拘束された有効内径寸法は、前記一定有効内径寸法にほぼ等しい、項目119に記載のグラフト。
(項目121)
前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域に沿った前記支持構造を前記拘束された有効内径寸法に維持する、項目120に記載のグラフト。
(項目122)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域に沿った前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記生体適合性層の恒久的変形を生じさせる、項目121に記載のグラフト。
(項目123)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少を生じさせる、項目122に記載のグラフト。
(項目124)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、恒久的に変形された生体適合性層と、前記反力の印加に先立って、前記支持構造によって被られる圧縮応力未満である、前記支持構造によって被られる圧縮応力とをもたらすように再構成する、項目123に記載のグラフト。
(項目125)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、前記反力の印加に先立って、以前はより大きかった前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少した圧縮応力を被る支持構造をもたらすように再構成する、項目124に記載のグラフト。
(項目126)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造に印加される、半径方向拡張力を備える反力は、前記拘束された有効内径寸法から、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の少なくとも一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を上回る、拡張された有効内径寸法に前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域に沿った前記支持構造を再構成する、項目125に記載のグラフト。
(項目127)
前記拡張された有効内径寸法は、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の少なくとも一部分に沿った前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目126に記載のグラフト。
(項目128)
前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域に沿った、前記支持構造の拡張された有効内径寸法は、再構成された後、前記細長い拡張可能な第3の流体流動領域内の前記支持構造の大部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目127に記載のグラフト。
(項目129)
前記第4の流体流動領域の一部分は、拡張可能である、項目92または110に記載のグラフト。
(項目130)
前記第4の流体流動領域に沿った前記支持構造の拡張可能部分は、前記支持構造に対する前記生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じる連続的圧縮応力下にある、項目129に記載のグラフト。
(項目131)
前記拡張可能な第4の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる前記支持構造の一部分によって被られる圧縮応力は、前記第4の流体流動領域の拡張可能半径方向支持デバイス部分内の前記支持構造の弾性変形を生じさせる、項目130に記載のグラフト。
(項目132)
前記拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形は、前記弾性変形を逆戻りさせることが、前記支持構造の直径を前記拡張可能な第4の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力下にない、前記支持構造の非圧縮直径未満の直径に拡張させるように可逆的である、項目131に記載のグラフト。
(項目133)
前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記拡張可能な第4の流体流動領域に沿った前記支持構造を拘束された有効内径寸法に維持する、項目132に記載のグラフト。
(項目134)
前記拡張可能な第4の流体流動領域に沿った前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記生体適合性層の恒久的変形を生じさせる、項目133に記載のグラフト。
(項目135)
前記拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少を生じさせる、項目134に記載のグラフト。
(項目136)
前記拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造に印加される、半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、恒久的に変形された生体適合性層と、前記反力の印加に先立って、前記支持構造によって被られる圧縮応力未満である前記拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造によって被られる圧縮応力とをもたらすように再構成する、項目135に記載のグラフト。
(項目137)
前記拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、恒久的に変形された生体適合性層をもたらすように再構成する、項目136に記載のグラフト。
(項目138)
前記拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、前記反力の印加に先立って、以前はより大きかった前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少した圧縮応力を被る支持構造をもたらすように再構成する、項目137に記載のグラフト。
(項目139)
前記拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記拘束された有効内径寸法から、前記拡張可能な第4の流体流動領域内の少なくとも前記支持構造の一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を上回る、拡張された有効内径寸法に前記拡張可能な第4の流体流動領域に沿った前記支持構造を再構成する、項目138に記載のグラフト。
(項目140)
前記拡張された有効内径寸法は、前記第4の流体流動領域内の前記拡張可能支持構造の少なくとも一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目139に記載のグラフト。
(項目141)
前記第4の流体流動領域に沿った前記支持構造の前記拡張された有効内径寸法は、再構成された後、前記第4の流体流動領域全体内の前記拡張可能支持構造に沿って、前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目140に記載のグラフト。
(項目142)
前記第4の流体流動領域は、細長い拡張可能な第4の流体流動領域を備える、項目92または110に記載のグラフト。
(項目143)
前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域は、約70ミリメートルを上回る長さを有する、項目142に記載のグラフト。
(項目144)
前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記第5の流体流動領域から徐々により遠位になる各区画を横断して一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において徐々に減少する項目143に記載のグラフト。
(項目145)
前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記第5の流体流動領域から徐々により遠位になる各区画を横断して一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において徐々に減少する、前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形を生じさせる、項目144に記載のグラフト。
(項目146)
前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造の弾性変形は、前記弾性変形を逆戻りさせることが、前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造の直径を、前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力下にない前記支持構造の非圧縮直径未満の直径に拡張させるように可逆的である、項目145に記載のグラフト。
(項目147)
前記生体適合性層と組み合わせ、前記壁を形成するのに先立って、前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造は、前記1つまたはそれを上回る初期区画から徐々により遠位になる各区画を横断して一定になる前に、前記支持構造に沿った1つまたはそれを上回る初期区画において徐々に減少する、有効内径寸法を有する、項目146に記載のグラフト。
(項目148)
前記生体適合性層と組み合わせて、前記壁を形成した後、前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造は、拘束された有効内径寸法を有する、項目147に記載のグラフト。
(項目149)
前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域に沿った前記支持構造を前記拘束された有効内径寸法に維持する、項目148に記載のグラフト。
(項目150)
前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域に沿った前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記生体適合性層の恒久的変形を生じさせる、項目149に記載のグラフト。
(項目151)
前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少を生じさせる、項目150に記載のグラフト。
(項目152)
前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、恒久的に変形された生体適合性層と、前記反力の印加に先立って前記支持構造によって被られる圧縮応力未満である、前記支持構造によって被られる圧縮応力とをもたらすように再構成する、項目151に記載のグラフト。
(項目153)
前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、前記反力の印加に先立って、以前はより大きかった前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少した圧縮応力を被る支持構造をもたらすように再構成する、項目152に記載のグラフト。
(項目154)
前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記拘束された有効内径寸法から、前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の少なくとも前記支持構造の一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を上回る拡張された有効内径寸法に前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域に沿った前記支持構造を再構成する、項目153に記載のグラフト。
(項目155)
前記拡張された有効内径寸法は、前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の少なくとも前記支持構造の一部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目154に記載のグラフト。
(項目156)
前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域に沿った前記支持構造の前記拡張された有効内径寸法は、再構成された後、前記細長い拡張可能な第4の流体流動領域内の前記支持構造の大部分に沿って、前記拘束された有効内径寸法を少なくとも1mm上回る、項目155に記載のグラフト。
(項目157)
前記第2の流体流動領域の長手軸は、非平行角度において、前記第1の流体流動領域の長手軸に交差する、項目92に記載のグラフト。
(項目158)
前記非平行角度は、角度約25°~45°を備える、項目157に記載のグラフト。
(項目159)
前記非平行角度は、角度約35°を備える、項目157に記載のグラフト。
(項目160)
前記第2の流体流動領域は、前記第1の流体流動領域および前記第2の流体流動領域が相互に垂直ではないように、前記第1の流体流動領域との接合部において、ともに合流する、項目92に記載のグラフト。
(項目161)
前記支持構造は、形状記憶合金から構築される、項目92に記載のグラフト。
(項目162)
前記支持構造は、ニチノールから構築される、項目92に記載のグラフト。
(項目163)
前記生体適合性層は、拡張可能ポリマーを備える、項目92に記載のグラフト。
(項目164)
前記生体適合性層は、ePTFEを含む、項目92に記載のグラフト。
(項目165)
前記生体適合性層はさらに、生体適合性外側層を備える、項目92に記載のグラフト。
(項目166)
前記生体適合性層はさらに、生体適合性内側層を備える、項目165に記載のグラフト。
(項目167)
前記生体適合性外側層および前記生体適合性内側層は、前記支持構造を封入する、項目166に記載のグラフト。
(項目168)
前記生体適合性層は、表面修飾コーティングではない、項目92に記載のグラフト。
(項目169)
グラフトであって、
壁を有する導管を備え、前記導管は、
本体領域の流入端における少なくとも1つの流入開口と、
前記少なくとも1つの流入開口とは反対の流出領域の流出端における流出開口と、
を備え、
ここで、前記壁は、支持構造および生体適合性層を備え、そして
前記流出領域に沿った前記支持構造は、前記支持構造に対する前記生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じる連続的圧縮応力下にある、グラフト。
(項目170)
前記流出領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記本体領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力を上回る、項目169に記載のグラフト。
(項目171)
前記流出領域内の連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる前記支持構造に沿った各区画において徐々により大きくなる、項目169または170のいずれかに記載のグラフト。
(項目172)
前記流出領域内の連続的印加荷重から生じる前記支持構造によって被られる圧縮応力は、前記流出領域内の前記支持構造の弾性変形を生じさせる、項目169-171のいずれかに記載のグラフト。
(項目173)
前記流出領域内の前記支持構造の弾性変形は、前記少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる前記支持構造に沿った各区画において徐々により大きくなる、項目169-172のいずれかに記載のグラフト。
(項目174)
前記流出領域内の前記支持構造の弾性変形は、可逆的である、項目169-173のいずれかに記載のグラフト。
(項目175)
前記本体領域内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記本体領域内の支持構造を弾性的に変形させない、項目169-174のいずれかに記載のグラフト。
(項目176)
前記支持構造は、前記生体適合性層と組み合わせ、前記壁を形成するのに先立って、複数の有効外径寸法を有し、前記支持構造は、前記生体適合性層と組み合わせて、前記壁を形成した後、略均一有効外径寸法を有する、項目169-175のいずれかに記載のグラフト。
(項目177)
前記本体領域に沿った複数の有効外径寸法は、一定有効外径寸法を備える、項目176に記載のグラフト。
(項目178)
前記流出領域に沿った複数の有効外径寸法は、前記少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる前記支持構造に沿った各区画において徐々により大きくなる、有効外径寸法を備える、項目177に記載のグラフト。
(項目179)
前記略均一有効外径寸法は、前記本体領域に沿った一定有効外径寸法と、前記流出領域に沿った拘束された有効外径寸法とを備える、項目178に記載のグラフト。
(項目180)
前記拘束された有効外径寸法は、前記一定有効外径寸法にほぼ等しい、項目179に記載のグラフト。
(項目181)
前記連続的印加荷重から生じる圧縮応力は、前記流出領域に沿った前記支持構造を前記拘束された有効外径寸法に維持する、項目179に記載のグラフト。
(項目182)
前記流出領域に沿った前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記生体適合性層の塑性変形を生じさせる、項目179に記載のグラフト。
(項目183)
前記流出領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記支持構造によって被られる圧縮応力の減少を生じさせる、項目179に記載のグラフト。
(項目184)
前記流出領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、塑性的に変形された生体適合性層と、前記反力の印加に先立って、前記支持構造によって被られる圧縮応力未満である、前記支持構造によって被られる圧縮応力とをもたらすように再構成する、項目179に記載のグラフト。
(項目185)
前記流出領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、塑性的に変形された生体適合性層をもたらすように再構成する、項目179に記載のグラフト。
(項目186)
前記流出領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、前記グラフトは、前記支持構造が、前記反力の印加に先立って、前記支持構造によって被られる連続的圧縮応力が以前にあった場合、残留圧縮応力を被ることをもたらすように再構成する、項目179に記載のグラフト。
(項目187)
前記流出領域内の前記支持構造に印加される半径方向拡張力を備える反力は、前記拘束された有効外径寸法から、前記流出領域内の少なくとも前記支持構造の一部分に沿った前記拘束された有効外径寸法を上回る、拡張された有効外径寸法に前記流出領域に沿った前記支持構造を再構成する、項目179に記載のグラフト。
(項目188)
前記拡張された有効外径寸法は、前記流出領域内の少なくとも前記支持構造の一部分に沿って、前記拘束された有効外径寸法を少なくとも1mm上回る、項目187に記載のグラフト。
(項目189)
前記流出領域に沿った前記支持構造の前記拡張された有効外径寸法は、再構成された後、前記流出領域内の前記支持構造の全体部分に沿って、前記拘束された有効外径寸法を少なくとも1mm上回る、項目187に記載のグラフト。
(項目190)
前記導管はさらに、第2の流入開口を備える、項目169-189のいずれかに記載のグラフト。
(項目191)
前記第2の流入開口の長手軸は、非平行角度において、前記少なくとも1つの流入開口の長手軸に交差する、項目169-190のいずれかに記載のグラフト。
(項目192)
前記非平行角度は、角度約25°~45°を備える、項目191に記載のグラフト。
(項目193)
前記非平行角度は、角度約35°を備える、項目191に記載のグラフト。
(項目194)
前記支持構造は、形状記憶合金から構築される、項目169-193のいずれかに記載のグラフト。
(項目195)
前記支持構造は、ニチノールから構築される、項目169-194のいずれかに記載のグラフト。
(項目196)
前記支持構造は、ジグザグワイヤ形状を備える、項目169-195のいずれかに記載のグラフト。
(項目197)
前記生体適合性層は、拡張可能ポリマーを備える、項目169-196のいずれかに記載のグラフト。
(項目198)
前記生体適合性層は、ePTFEを含む、項目169-197のいずれかに記載のグラフト。
(項目199)
前記生体適合性層はさらに、生体適合性外側層を備える、項目169-198のいずれかに記載のグラフト。
(項目200)
前記生体適合性層はさらに、生体適合性内側層を備える、項目169-199のいずれかに記載のグラフト。
(項目201)
前記生体適合性外側層および前記生体適合性内側層は、前記支持構造を封入する、項目169-200のいずれかに記載のグラフト。
(項目202)
前記生体適合性層は、表面修飾コーティングではない、項目169-201のいずれかに記載のグラフト。
(項目203)
血管グラフトであって、
壁を有する導管を備え、前記導管は、
本体領域の流入端における少なくとも1つの流入開口と、
前記少なくとも1つの流入開口とは反対の流出領域の流出端における流出開口と、
を備え、
前記壁は、支持構造および生体適合性層を備え、
前記生体適合性層と組み合わせ、前記壁を形成するのに先立って、前記支持構造は、前記本体領域に沿った一定有効外径寸法と、前記少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる前記支持構造に沿った各区画において徐々により大きくなる、前記流出領域に沿った有効外径寸法とを備える、その長さに沿って複数の有効外径寸法を備え、
前記生体適合性層と組み合わせて、前記壁を形成した後、前記流出領域内の支持構造は、前記流出領域に沿った前記支持構造を、前記少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる前記支持構造に沿った、各区画において徐々に大きくならない拘束された有効外径寸法に維持する、前記生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じる圧縮応力下にあって、
前記流出領域内の支持構造への反力の印加後、前記流出領域内の支持構造は、前記拘束された有効外径寸法から、その少なくとも一部分が前記拘束された有効外径寸法を少なくとも1ミリメートル上回る、拡張された有効外径寸法に再構成される、血管グラフト。
(項目204)
移植されたグラフトの流出端を拡張させる方法であって、
(a)壁を有する導管を備え、前記導管は、
本体領域の流入端における少なくとも1つの流入開口と、
前記少なくとも1つの流入開口とは反対の流出領域の流出端における流出開口と、
を備え、
ここで、前記壁は、支持構造および生体適合性層を備え、
前記生体適合性層と組み合わせ、前記壁を形成するのに先立って、前記支持構造は、前記本体領域に沿った一定有効外径寸法と、前記流出領域に沿った、前記少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる前記支持構造に沿った各区画において徐々により大きくなる、有効外径寸法とを備える、複数の有効外径寸法を備え、
前記生体適合性層と組み合わせて、前記壁を形成した後、前記流出領域内の支持構造は、前記流出領域内の支持構造を、前記少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる、前記支持構造に沿った各区画において徐々に大きくならない拘束された有効外径寸法に維持する、前記生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じる圧縮応力下にある、
導管を備える、移植されたグラフトを識別するステップと、
(b)反力を前記流出領域内の支持構造に印加するステップであって、前記流出領域内の支持構造への前記反力の印加は、前記拘束された有効外径寸法から、前記拘束された有効外径寸法を上回る、拡張された有効外径寸法に前記流出領域に沿った前記支持構造を再構成し、それによって、前記移植されたグラフトの流出領域を拡張させる、ステップと、
を含む、方法。
(項目205)
前記流出領域は、圧潰している、狭窄している、または持続性内膜肥厚を有する、流出端を備える、項目204に記載の方法。
(項目206)
前記圧潰している、狭窄している、または持続性内膜肥厚端を有する、流出端は、前記グラフトが移植された脈管の開存性を損なわせる、項目204-205のいずれかに記載の方法。
(項目207)
前記反力を印加するステップは、前記移植されたグラフトの流出領域内の拡張可能デバイスを拡張させるステップを含む、項目204-206のいずれかに記載の方法。
(項目208)
前記拡張可能デバイスの拡張に先立って、前記拡張可能デバイスは、前記流出領域に前進される、項目204-207のいずれかに記載の方法。
(項目209)
前記流出領域への前記拡張可能デバイスの前進に先立って、前記拡張可能デバイスは、前記移植されたグラフトの中に経皮的に導入される、項目204-208のいずれかに記載の方法。
(項目210)
前記拡張された有効外径寸法は、前記拘束された有効外径寸法を少なくとも1ミリメートル上回る、項目204-209のいずれかに記載の方法。
(項目211)
前記拡張された有効外径寸法は、前記流出領域内の支持構造の任意の部分に沿って、前記拘束された有効外径寸法を少なくとも1ミリメートル上回る、項目204-210のいずれかに記載の方法。
(項目212)
移植されたグラフトの流出領域を拡張させる方法であって、
(a)壁を有する導管であって、前記導管は、
本体領域の流入端における少なくとも1つの流入開口と、
前記少なくとも1つの流入開口とは反対の流出領域の流出端における流出開口と、
を備え、前記壁は、支持構造および生体適合性層を備え、
ここで、前記流出領域内の支持構造は、前記生体適合性層によって生じる印加荷重から生じる圧縮応力下にある、
導管を備える、移植されたグラフトを提供するステップと、
(b)拘束された有効外径寸法から、前記拘束された有効外径寸法を上回る、拡張された有効外径寸法に前記流出領域に沿った前記支持構造を再構成し、それによって、前記移植されたグラフトの流出端を拡張させる、反力を前記流出領域内の支持構造に印加するステップと、
を含む、方法。
(項目213)
拡張可能流出端を有するグラフトを作製する方法であって、
(a)本体領域の流入端における少なくとも1つの流入開口と、前記少なくとも1つの流入開口とは反対の流出領域の流出端における流出開口とを備える、支持構造を提供するステップであって、前記支持構造は、前記支持構造の本体領域に沿った一定有効外径寸法と、前記支持構造の流出領域に沿った、徐々に増加する有効外径寸法とを備える、複数の有効外径寸法を有する、ステップと、
(b)前記支持構造と少なくとも1つの生体適合性層を組み合わせるステップであって、前記支持構造および前記少なくとも1つの生体適合性層を備える壁を有する導管を形成する、ステップと、
(c)マンドレルを前記支持構造の流出端の近位の前記流出開口の中に挿入するステップと、
(d)連続的圧縮応力が、前記流出領域に沿った前記支持構造を前記一定有効外径寸法と均一な拘束された有効外径寸法に維持する、前記生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じるように、圧縮巻着を用いて、前記支持構造の流出領域の近位の前記徐々に増加する有効外径寸法を拘束するステップと、
(e)前記流出領域内のある区画における前記少なくとも1つの生体適合性層を焼結するステップと、
を含む、方法。
(項目214)
支持構造であって、図面に示されるような設計および構成を有する、拡張可能支持体を備える、支持構造。
(項目215)
支持構造であって、図8Eに示されるような設計および構成を有する、拡張可能支持体を備える、支持構造。
(項目216)
支持構造であって、図9Dに示されるような設計および構成を有する、拡張可能支持体を備える、支持構造。
(項目217)
支持構造であって、
複数のリングRからRを備える、本体であって、nは、整数であって、各リングRからRは、図4に示されるようなパターンを有する、本体と、
複数のリングRn+1、Rn+2、Rn+3を備える、拡張可能部分であって、nは、整数であって、各リングRn+1、Rn+2、Rn+3は、図4に示されるようなパターンを有し、前のリングより大きい長さ寸法D1、D2、およびD3を有する、拡張可能部分と、
を備える、支持構造。
(項目218)
各リングRからRは、それぞれ図4に示されるパターンを有する複数の支柱を介して、隣接するリングに接続される、項目217に記載の支持構造。
(項目219)
リングRn+1、Rn+2、Rn+3はそれぞれ、それぞれ図4に示されるパターンを有する複数の支柱を介して、隣接するリングに接続される、項目217-218のいずれかに記載の支持構造。
(項目220)
前記複数のリングRn+1、Rn+2、Rn+3は、前記拡張可能部分に、図3Aに示される形状、図3Bに示される形状、図3Cに示される形状、図3Dに示される形状、図3Eに示される形状、図3Fに示される形状、図3Gに示される形状、図3Hに示される形状、図3Iに示される形状、図3Jに示される形状、図3Kに示される形状、図3Lに示される形状、図3Mに示される形状、図3Nに示される形状、図3Oに示される形状、ならびにその組み合わせおよび変形例から成る群から選択される、形状を与えるように構成される、項目217-219のいずれかに記載の支持構造。
(項目221)
支持構造であって、
複数のリングRからRを備える、本体であって、nは、整数であって、各リングRからRは、図11に示されるようなパターンを有する、本体と、
リングRおよびRを備える、拡張可能部分であって、各リングは、図11に示されるようなパターンを有し、リングRは、Rの長さ寸法D1を上回る、長さ寸法D2を有し、リングRは、各リングRからRの長さ寸法を上回る、長さ寸法D1を有する、拡張可能部分と、
を備える、支持構造
(項目222)
各リングRからRは、それぞれ図11に示されるパターンを有する複数の支柱各を介して、隣接するリングに接続される、項目221に記載の支持構造。
(項目223)
リングRおよびRは、それぞれ図11に示されるパターンを有する複数の支柱を介して、隣接するリングに接続される、項目221-222のいずれかに記載の支持構造。(項目224)
拡張可能流出領域を有する、支持構造と、前記拡張可能流出領域を、前記流出領域が、前記流出領域への半径方向外向き反力の印加に応じて拡張することを可能にする、連続半径方向内向き圧縮応力下に拘束する、生体適合性層とを備える、グラフト。
(項目225)
移植されたグラフトの流出領域を拡張させる方法であって、
(a)壁を有する導管であって、
本体領域の流入端における少なくとも1つの流入開口と、
前記少なくとも1つの流入開口とは反対の流出領域の流出端における流出開口と、
を備え、
ここで、前記壁は、支持構造および生体適合性層を備え、
前記流出領域内の支持構造は、前記生体適合性層によって生じる印加荷重から生じる圧縮応力下にある、
導管を備える、移植されたグラフトを提供するステップと、
(b)拘束された有効外径寸法から、前記拘束された有効外径寸法を上回る、拡張された有効外径寸法に前記流出領域に沿った前記支持構造を再構成するステップであって、それによって、前記移植されたグラフトの流出端を拡張させる反力を前記流出領域内の支持構造に印加するステップと、
を含む、方法。
【0024】
本特許または出願書は、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含有する。カラーの図面を伴う本特許または特許出願刊行物のコピーは、要請および必要料金の支払に応じて、特許庁によって提供されるであろう。
【0025】
本発明のこれらおよび他の特性は、添付の図面と併せて、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1Aは、本発明のある実施形態による、血管グラフトの概略図である。図1Bは、本発明の別の実施形態による、血管グラフトの概略図である。
図2図2Aは、本発明の一側面による、図1Aに示される血管グラフトの支持構造の実施形態の側面図であって、生体適合性層との組み合わせに先立った支持構造を図示する。図2Bは、本発明の一側面による、図2Aに示される支持構造と生体適合性層を組み合わせた後の図1Aに示される血管グラフトの実施形態の概略図である。図2Cは、本発明の一側面による、図2Bに示される血管グラフトの支持構造の流出領域を拡張させた後の図1Aに示される血管グラフトの実施形態の概略図である。
図3図3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G、3H、3I、3J、3K、3L、3M、3N、および3Oは、本発明の側面による、支持構造の「拡開」流出領域の種々の実施形態を示す、ワイヤフレーム図である。
図4図4Aは、図4Bの線68を通して得られた支持構造の概略断面図である。図4Bは、本発明の一側面による、図1Aおよび1Bに示される血管グラフトの第1の領域の近位の領域を構築するために有用な支持構造の実施形態の概略図である。
図5図5Aは、図1Aの断面線5-5を通して得られた図1Aに示されるものに類似する血管グラフトの断面図である。図5Bは、本発明の一側面による、図5Aの境界82を中心として得られた詳細図である。図5Cは、本発明の一側面による、図1Aの断面線5-5を通して得られた図1Aに示されるものに類似する血管グラフトの断面図である。図5Dは、本発明の一側面による、図1Aの断面線5-5を通して得られた図1Aに示されるものに類似する血管グラフトの断面図である
図6図6Aは、本発明の一側面による、図1Bに示される血管グラフトの支持構造の実施形態の側面図であって、生体適合性層と組み合わせるのに先立った支持構造を図示する。図6Bは、本発明の一側面による、図6Aに示される支持構造と生体適合性層を組み合わせた後の図1Bに示される血管グラフトの実施形態の概略図である。図6Cは、本発明の一側面による、図6Bに示される血管グラフトの支持構造の流出領域を拡張させた後の図1Bに示される血管グラフトの実施形態の概略図である。
図7図7Aは、図1Bに示される血管グラフトの支持構造の実施形態の上面図である。図7Bは、図7Aに示される血管グラフトの支持構造の上面ワイヤフレーム図である。図7Cは、図7Bに示される血管グラフトの支持構造の側面ワイヤフレーム図である。
図8A図8Aは、本発明の一側面による、図1Aに示される血管グラフトに類似する支持構造の実施形態の側面図であって、生体適合性層と組み合わせるのに先立った支持構造を図示する。
図8B図8Bは、本発明の一側面による、図8Aに示される支持構造と生体適合性層を組み合わせた後の図8Aに示される血管グラフトの実施形態の概略図である。
図8C図8Cは、本発明の一側面による、図8Bに示される支持構造の流出領域を拡張させた後の図8Bに示される血管グラフトの実施形態の概略図である。
図8D図8Dは、本発明の一側面による、図8Cに示される支持構造の側面ワイヤフレーム図である。
図8E図8Eは、本発明の一側面による、図8Aから8Dに示される支持構造の実施形態の写真である。
図8F図8Fは、本発明の一側面による、図8A、8D、および8Eに示される血管グラフトの流入領域の近位の支持構造の実施形態の概略図である。
図9A図9Aは、本発明の一側面による、図1Bに示される実施形態に類似する血管グラフトの支持構造の実施形態の側面図であって、生体適合性層と組み合わせるのに先立った支持構造を図示する。
図9B図9Bは、本発明の一側面による、図9Aに示される支持構造と生体適合性層を組み合わせた後の図1Bに示される血管グラフトの実施形態の概略図である。
図9C図9Cは、本発明の一側面による、図9Bに示される血管グラフトの支持構造の流出領域を拡張させた後の図1Bに示される血管グラフトに類似する実施形態の概略図である。
図9D図9Dは、本発明の一側面による、図9Aに示される支持構造の実施形態の写真である。
図9E図9Eは、本発明の一側面による、図9Bに示される血管グラフトの実施形態の写真である。
図9F図9Fは、本発明の一側面による、分岐から延在する延在管腔を伴う、図9Cに示される血管グラフトの実施形態の写真である。
図9G図9Gは、本発明の一側面による、図9Fに類似する写真であって、さらに、分岐においてグラフトの一部分を囲む境界84を図示する。
図9H図9Hは、本発明のある側面による、図9Gの境界84を中心として得られた図9Bおよび9Cの実施形態の概略の代表的詳細断面図である。
図10図10Aは、本発明の一側面による、血管グラフトの流出領域を拡張させるために使用される、図9Fの実施形態に類似する拡張可能デバイスの略図である。図10Bは、本発明の一側面による、図10Bの境界86を中心として得られた詳細図である。
図11図11は、本発明の一側面による、血管グラフトの流出領域を拡張させるために使用される、拡張可能デバイスを実証する写真である。
図12図12は、本発明の一側面による、血管グラフトの流出領域を拡張させる方法を描写する、フロー図である。
図13図13は、本発明の一側面による、血管グラフトを作製する方法を描写するフロー図である。
図14図14Aは、本発明の一側面による、血管グラフトを作製する方法のステップを図示する、写真である。図14Bは、本発明の一側面による、血管グラフトを作製する方法のステップを図示する、写真である。
図15A図15Aは、本発明の一側面による、本発明の別の実施形態による、血管グラフトの概略図であって、生体適合性層との組み合わせに先立った支持構造を図示する。
図15B図15Bは、本発明の一側面による、生体適合性層が支持構造に追加された後の図15Aの支持構造の実施形態の概略図である。
図15C図15Cは、本発明の一側面による、1つまたはそれを上回る脈管の中に移植された図15Bの血管グラフトの実施形態の概略図である。
図16A図16Aは、本発明の一側面による、本発明の別の実施形態による、血管グラフトの概略図であって、生体適合性層との組み合わせに先立った支持構造を図示する。
図16B図16Bは、本発明の一側面による、生体適合性層が支持構造に追加された後の図16Aの支持構造の実施形態の概略図である。
図16C図16Cは、本発明の一側面による、1つまたはそれを上回る脈管の中に移植された図16Bの血管グラフトの実施形態の概略図である。
図17A図17Aは、本発明の一側面による、本発明の別の実施形態による、血管グラフトの概略図であって、生体適合性層との組み合わせに先立った支持構造を図示する。
図17B図17Bは、本発明の一側面による、生体適合性層が支持構造に追加された後の図17Aの支持構造の実施形態の概略図である。
図17C図17Cは、本発明の一側面による、1つまたはそれを上回る脈管の中に移植された図17Bの血管グラフトの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(詳細な説明)
本発明は、限定ではないが、血管バイパス用途における血管アクセスの促進、アテローム性動脈硬化症の治療の促進、および透析治療のための動静脈アクセスの促進を含む、種々の血管アクセス用途のために有用な半径方向支持グラフトデバイスおよび/またはステントグラフトの種々の実施形態を対象とする。例示的実施形態では、本発明のデバイスは、血管アクセスおよび患者の血管系の中へのデバイスの実質的に無縫合かつ確実な移植を促進するように構成される、拡張可能拡開端、分岐設計、および/またはステント(すなわち、半径方向支持構造)パターンを有する。本発明は、図を参照して説明されるが、多くの代替形態が本発明を具現化し得ることを理解されるべきである。当業者は、加えて、依然として、本発明の精神および範囲を保つ様式において、サイズ、形状、または要素もしくは材料のタイプ等、開示されるパラメータを改変する異なる方法を理解し得る。
【0028】
ここで図1Aから17Cに示される例示的実施形態を参照すると、類似部分は、全体を通して類似参照番号によって指定され、これらの図は、本発明による、血管グラフトならびにその生産および使用方法の例示的実施形態を図示する。特に、これらの実施形態は、開存性を回復するために、例えば、身体通路(例えば、血管)の中への移植後、拡張可能な流出領域を有する、血管グラフト(例えば、吻合のための)ならびにその生産および使用方法を示す。
【0029】
本発明の例示的実施形態による、血管グラフト10が、図1Aに図示される。血管グラフト10は、壁30によって形成される内部管腔21を伴う中空本体領域43を有する、導管20として構成される。導管20は、流入端35における少なくとも1つの流入開口32と、少なくとも1つの流入開口32とは反対の流出領域42の流出端36における流出開口34とを備える。導管20の流入端35および流出端36は、画定された導管20である内部管腔21を介して相互に流体連通し、少なくとも1つの流入開口32と流出開口34との間に延在する。導管20の壁30は、支持構造40と、生体適合性層50とによって形成される。支持構造40は、脈管の開存性を維持するように構成される、任意のデバイスであってもよい。例示的支持構造40として、ステントが挙げられ得る。一実施形態では、支持構造40は、拡張可能構造であって、ニチノール等の形状記憶合金から構築されてもよい。例示的実施形態では、カバー、シース、またはスリーブとして構成され得る生体適合性層50は、少なくとも部分的または完全に、支持構造40の外部表面を被覆してもよい。支持構造40は、生体適合性層50から分離され、生体適合性層50に接着され、少なくとも部分的に、生体適合性層50の材料内に埋め込まれ、または前述の任意の順列であってもよい。流出領域42に沿った支持構造40は、支持構造40に対する連続的印加荷重によって生じる生体適合性層50から生じる連続的圧縮応力(S)下にある。例えば、支持構造40は、連続半径方向外向きに指向される力を生体適合性層50に対してばねによるか、または弾性的に付与し、生体適合性層50が、対応して、連続的圧縮応力を支持構造40に付与するように配列されてもよい。
【0030】
図2A、2B、および2Cは、図1Aに示される血管グラフト10の支持構造40の図を示し、生体適合性層50と組み合わせ、壁30を形成するのに先立った(図2A)、図2Aに示される支持構造40と生体適合性層50を組み合わせ、壁30を形成した後(図2B)、図2Bに示される血管グラフト10の支持構造40の流出領域42を拡張させた後(図2C)の支持構造40を図示する。
【0031】
図2Aでは、生体適合性層50と組み合わせ、導管20の壁30を形成するのに先立った支持構造40は、支持構造40の長さに沿って可変外径を有する。示されるように、支持構造40は、さらに以下に論じられるように、本体領域43に沿った一定有効外径寸法Dと、流出領域42の少なくとも一部分に沿って流出開口34に向かって増加し、流出領域に「拡開」形状または外観を与える、半径方向および外向きに拡開する有効外径寸法Dincとを有する。支持構造40のこの外向き拡開構成は、患者の血管系内へのステントグラフト10の実質的に無縫合の取り付けおよび保定を可能にする。図2Aに示されるように、生体適合性層50との支持構造40の被覆に応じて、拡開流出領域42は、図2Bに示されるように、導管20が本体領域43および流出領域42の長さに沿って一定有効外径寸法Dを有するように再成形されるように収縮される。例示的実施形態では、流出領域42は、バルーンカテーテル拡張等の拡張力の印加に応じて、拡開構成を達成および維持するために、その拘束された状態から拡張可能なニチノール等の形状記憶合金から構築される。この形状記憶支持構造40は、自己拡張式であってもよいが、生体適合性層50によって印加される圧縮応力に起因して、バルーン拡張を伴わずにその拡開状態をとることができない。2Cは、外部拡張力が図2Bにおける支持構造40の流出領域42に印加された後の支持構造40の拡張された有効外径寸法Dexpを示す。
【0032】
図3A-3Oは、支持構造40の流出領域42の種々の例示的実施形態を示し、種々の拡開構成を描写する。これらの例証は、その支柱パターンを描写せずに、支持構造40のワイヤフレームプロフィールを表す。当業者は、いくつかの異なる支柱パターンが利用されることができ、全てのそのようなパターンが、描写されるプロフィールの範囲内にあると見なされることを認識し得る。図3K-3Oに関して、当業者は、加えて、流出領域42内の支持構造40に沿った各支持構造区画の直径が、特定の実装に応じて異なり得ることを認識し得る。図3Kおよび3Mの例示的実施形態では、支持構造区画はそれぞれ、概して、支持構造区画が、流出開口34に接近するにつれて直径が増加する、段階的増分を有する導管を形成するように、単一ジグザグリング(以下に説明されるように)から構築される。別の例示的実施形態では、支持構造40は、流出領域42の一部分、すなわち、流出領域42の近位端と遠位端との間の部分が、直径の実質的に均一な線形変化(例えば、図3A)、または代替として、直径の段階的変化ではなく、直径の曲線変化(例えば、図3Fおよび3I)を有するように現れるように、十分な頻度の間隔において、複数のこれらの段階的増分を含んでもよい。さらに別の例示的実施形態では、増分は、有効外径が、流出領域42内の支持構造40に沿った少なくとも1つの区画に沿って変化しないように生じることができる(例えば、図3B、3C、3G、3J、3L、3M、3N、および3O)。ある例示的実施形態では、増分は、前述の構成のいずれかを組み合わせるように生じることができる(例えば、図3L、3N)。当業者は、本発明の範囲内にあると見なされ得る、他の好適な拡開構成を容易に想起することができる。
【0033】
ここで図4を参照すると、流出領域42の例示的支持構造40構造体を形成するワイヤフレーム設計が、図示される。図4は、支持構造40の適切に縮尺された例証を示し、平坦配向における、その中に描写される支持構造パターンの精密な相対的割合を示す。示されるように、支持構造40は、一連の相互接続されるリング(例えば、R、R、Rn+1、Rn+2、Rn+3、ここで、n=整数代表値)から構築され、それぞれ、一連の山および谷を備える、実質的ジグザグ形状を備える。いったん平坦化されたワイヤフレームが、3次元円筒形構成に巻回されると、各リングの山または最高部は、直接、隣接リングの対応する谷に面し、それと整合され、逆も同様である。この山と谷の配列は、支持構造40の長さ全体を通して存在し、可撓性構造を生成し、ステント20が、移植されると、屈曲および向きを変えることを可能にする。図4は、支持構造40の例示的支柱またはステントパターンを図示する。
【0034】
図4に示される実施例では、流出領域42内の支持構造40は、少なくとも1つの流入開口32から少なくとも1つの流出開口34に延在する徐々により遠位の部分または区画毎に、支持構造40に沿った各区画(D、D、D、D)において徐々に大きくなる、有効外径寸法Dincを有する。本非限定的実施例では、支持構造40は、それぞれ、実質的ジグザグ形状を備える、一連の相互接続されるリング(例えば、R、R、Rn+1、Rn+2、Rn+3、ここで、n=整数代表値)から構築されることができる。一例として、一実施形態では、支持構造40のリングRおよびRは、流出領域42の近位の本体領域43内に位置する一方、リングR、R、およびRは、流出領域42内に位置し、Rは、流出開口34の縁を形成する。本体領域43のリングRおよびRは、同一サイズおよび寸法Dを有してもよい。一方、本体領域43内のリングは、概して、同一サイズおよび寸法を有し、リングR、R、およびRは、リングの徐々に増加する幅(すなわち、山および谷の長さ)D1、D2、およびD3を有する。支持構造40の有効外径寸法は、各リング区画Dの幅が増加するにつれて、各リング区画Rにおいて増加する。例えば、リング区画R3の幅D1は、リング区画Rの幅Dを上回り、それによって、リング区画Rに対して、リング区画Rにおける支持構造40の有効外径寸法を増加させ、リング区画Rの幅Dは、リング区画Rの幅Dを上回り、それによって、リング区画Rに対して、リング区画Rにおける支持構造40の有効外径寸法を増加させ、リング区画Rの幅Dは、リング区画Rの幅Dを上回り、それによって、リング区画Rにおける支持構造40の有効外径寸法を増加させる。流出領域42内の支持構造40の本実施形態の有効外径寸法は、したがって、少なくとも1つの流入開口32から徐々により遠位になる支持構造40に沿った各区画において徐々に大きくなる。それぞれ、徐々に増加する寸法D1、D2、およびD3を伴う、3つのみのリング区画Rn+1、Rn+2、およびRn+3が示されるが、支持構造40の流出領域42は、当業者によって認識され得るように、特定の用途に応じて、より多い(例えば、4、5、6つ等)またはより少ない(例えば、2つ)リング区画Rを具備することができることが理解されるべきである
【0035】
図3A-3Oに図示される実施形態(前述)に示されるように、幅D(D、D、D)を有する任意の特定の区画R(Rn+1、Rn+2、Rn+3)は、一定有効外径寸法Dを具備することができる。そのような実施形態では、支持構造40は、有効外径寸法が増加する流出領域42内の各場所において拡開し、有効外径寸法が一定のままである各場所においては拡開しない。いくつかの実施形態では、支持構造40は、最初に、Rの幅Dに対して徐々に大きくなる幅D1に起因して、例えば、区画Rn+1において拡開し、次いで、例えば、区画Rn+1およびRn+2における支持構造に起因する一定有効外径寸法に起因して、流出端36において水平になる(すなわち、図3B-3C)。当業者は、初期拡開または流出領域42の水平区分の長さが、幅D1、またはそれぞれ、D2およびD3を増加させることによって、所望に応じて変動することができることを容易に認識し得る。図3Aから3Oに図示されるある実施形態(前述)では、幅D(D1、D2、D3)を有する任意の特定の区画R(Rn+1、Rn+2、Rn+3)は、前の区画Rに対してより大きな率で増加する、有効外径寸法を具備することができる。図3Aから3Oに図示されるある実施形態(前述)では、幅D(D1、D2、D3)を有する任意の特定の区画R(Rn+1、Rn+2、Rn+3)は、前の区画Rに対してより少ない率で増加する、有効外径寸法を具備することができる。拡開流出領域42は、生体適合性層50と組み合わせ、壁30を形成するのに先立った支持構造40の有効外径寸法が、流出領域42の少なくとも一部分に沿って増加する限り、その拡開外観のサイズおよび/または形状を改変するように構成されることができることが、当業者によって理解されるはずである。当業者は、流出領域42内の拡開する外観(例えば、サイズ、形状、または角度)が、部分的に、それぞれ、各リング区画Rn+1、Rn+2、Rn+3の幅D1、D2、D3に依存することを認識し得る。
【0036】
リング区画R(例えば、R、R、Rn+1、Rn+2、Rn+3)のための種々の寸法D(例えば、D、D1、D2、D3)が、支持構造40のために企図される。以下の表1は、流出領域42内に徐々に増加する有効外径寸法Dincを有する支持構造40を製造するための寸法の非限定的実施例を提供する。
【0037】
【表1】
【0038】
図8A-8Gに示される例示的実施形態では、出口領域42は、図1A-2Cに示されるように、かつ概して前述で論じられるように、同一拡開可能構成を有する。本代替ステントグラフト10の入口領域44は、図8A-8Gに示されるように、移植に先立って、事前に加工され、事前に延在された拡開構成を有してもよい。本ステントグラフト実施形態の種々の図では、支持構造40は、流入領域44に沿ってグラフトの開存性を維持または改善するために、事前に加工され、事前に延在された外向きに拡開する流入領域44を有する。これらの実施例では、拡開形状または外観は、流出端36における拡開形状または外観と反対方向に配向される。流入領域44の本事前に加工され、事前に延在された拡開構成は、血管系内への摩擦嵌合取着および位置決めを促進する。
【0039】
図8Aは、図1Aに示される直線血管グラフトの側面図を示し、生体適合性層50と組み合わせ、壁30を形成するのに先立った支持構造40の流入領域44の拡開構成を図示する。図8Bは、図1Aに示される直線血管グラフトの概略図を示し、図8Aに示される支持構造40と生体適合性層50を組み合わせ、壁30を形成した後の流入領域44および拡張可能流出領域42に沿った支持構造40の事前に加工され、事前に延在された拡開構成を図示する。図8Bは、流入領域44が拡張された後の血管グラフトを示す。図8Cは、図1Aに示される直線血管グラフトの概略図を示し、流出領域42に沿った支持構造40の拡張された有効外径寸法Dexpを図示する。図8Dは、図8Aおよび8Dに示される支持構造40の側面ワイヤフレーム図を示す。図8Eは、図8Aに示される支持構造40の実際の構造体を示す写真である。
【0040】
特に、図8Eを参照すると、流入領域44の事前に加工され、事前に拡張された拡開形状または外観が、支持構造40のリング区画RおよびRが、それぞれ、相互と異なる幅D2、D1、ならびにリング区画RからR(n=整数)と異なる幅Dを具備する、図4に説明されるものと類似設計方法論によって達成されることが証明される。リング区画R(例えば、R、R、RからR、ここで、n=整数)の異なる幅D(例えば、D2、D1、D)は、流出領域42に沿った支持構造40に拡開外観を提供する、有効外径寸法Dincを付与する。
【0041】
支持構造40の流出領域42は、前述および図4Bに示されるものと同一様式で構成されてもよい。図8Fは、例示的構造体による、流入領域44に有用な支持構造40の概略図を示す。この構造体は、少なくとも2つの目的のために利用されることができる。第1の実施形態では、拡開流入領域44は、移植に先立って、事前に加工され、事前に拡張された拡開構成を生成する。別の実施形態では、事前に拡張されたおよび拡開構成は、生体適合性層50と別であるが、可能性として、生体適合性層50と同一ベース材料から構築される、管腔を受容する(例えば、ソケットにおけるように)ための空間を提供する、局所的に増加された内径を提供する。例えば、層50より厚い壁厚を有する延在管腔51が、延在管腔51の内側管腔表面が、導管本体部分43の内側管腔表面と実質的に同一平面にあるか、または少なくとも同一近似直径であるように構築されるソケットの中に挿入されてもよい。
【0042】
図8Fは、その中に描写される支持構造パターンの精密な相対的割合を示す、支持構造40の縮尺された例証を示す。導管本体部分43を形成する各リングは、図8FにおいてRおよびRとして最良に示される、一連の山および谷を備える。これらのリングのそれぞれの山または最高部は、直接、隣接リングの対応する谷に面し、それと整合され、隣接リングを接続する支柱が、グラフトの中に可撓性を組み込み、原位置屈曲を促進する。支持構造40の近位流入領域35は、リングRの山または最高部が隣接リングRの山および最高部に面する一方、リングRの谷が、直接、隣接リングRの谷に面し、それと整合し、流入領域35における付加的剛度を提供する、複数のリングを含む。
【0043】
図8Fに示されるように、支持構造40の流入領域44の流入端35の近位に位置する、リング区画RおよびRは、それぞれ、支持構造40の本体領域43内に位置する、リング区画RからR(n=整数)より広い幅D、Dを具備する。リング区画Rに、リング区画Rの幅Dより大きい幅Dを提供することは、図8Dに示される角度付けられたR区画によって図示されるように、リング区画Rに隣接する壁30を外方に拡開させる。本実施例に示される流入領域44の有効外径寸法Dincは、図8Dに示されるリング区画R1の長手方向幅に沿って延在する線によって図示されるように、その幅Dに沿って一定有効外径寸法を備える、リング区画Rから成る。しかしながら、流入領域44の近位の支持構造40は、血管グラフト10が身体管腔内に移植される間、流入領域の開存性を最大限にする、任意の望ましい様式において形成されることができることが、当業者によって理解されるはずである。
【0044】
ここで図2Bおよび8Bを参照すると、図1Aおよび8Aに示される血管グラフト10の実施形態の概略図が示され、図2Aおよび8Aに示される支持構造40と生体適合性層50を組み合わせ、壁30を形成した後の支持構造40の略均一有効外径寸法を描写する。壁30を形成するような支持構造40の外部表面への生体適合性層50の適用は、生体適合性層50を支持構造40に対して圧縮することによる支持構造40への連続的印加荷重から生じる連続圧縮半径方向応力S(例えば、半径方向圧縮応力)の下に、流出領域42内の支持構造40を置く。概して、流出領域42内の連続的印加荷重から生じる圧縮応力Sは、本体領域43内の印加荷重から生じる圧縮応力Sを上回る。当業者は、流出領域42内の連続半径方向印加荷重から生じる圧縮応力Sが、概して、流出領域42内の支持構造40の有効外径が変化するにつれて、流出領域42の長さに沿って変化することを認識し得る。図2Bおよび8Bに示されるように、例えば、流出領域42内の連続的印加荷重から生じる支持構造40によって被られる圧縮応力Sは、流出開口34に接近するにつれて、支持構造40の長さに沿って徐々に増加する、すなわち、圧縮応力Sは、流入端35における少なくとも1つの流入開口32から徐々により遠位になる、支持構造40に沿った各区画においてより大きくなる。本実施例では、圧縮応力Sは、流出領域42の近位面積において最小Sminであって、支持構造40の有効外径が流出端36の近位の最大圧縮応力Smaxへ増加するにつれて(壁30を形成するのに生体適合性層50と組み合わせるのに先立って)、増加する。
【0045】
圧縮応力Sは、流出領域42内の支持構造40の弾性変形を生じさせる。当業者によって理解されるように、弾性変形の程度は、生体適合性層50によって生じる印加荷重から生じる圧縮応力Sの関数である。図2Bおよび8Bに示される実施例では、流出領域42内の支持構造40の弾性変形は、最小圧縮応力Sminから最大圧縮応力Smaxに増加する圧縮応力によって図示されるように、少なくとも1つの流入開口32から徐々により遠位になる支持構造40に沿った各区画において徐々に大きくなる。
【0046】
流出領域42に沿って圧縮応力Sを誘発する変形とは対照的に、流入遠位端35および本体領域43における生体適合性層50による印加荷重から生じる圧縮応力Sは、本体領域43に沿った支持構造40の無視可能な弾性変形のみを生じさせる。明確にするために、支持構造40に対する生体適合性層50によって生じる印加荷重から生じる本体領域43内の支持構造40によって被られる無視可能な圧縮応力Sは、支持構造40に対する生体適合性層50によって生じる印加荷重から生じる流出領域42内の支持構造40によって被られる圧縮応力S(SminからSmax)の量に対して無視可能なものであることが、当業者によって理解されるべきである。本明細書で使用されるように、無視可能な圧縮応力Sとは、当業者によって理解されるように、圧縮応力Sを被る支持構造40の部分または領域の有効外径の変化に付随しないか、もしくはそれと関連付けられないか、または有効外径の変化の非常にわずかな量のみが付随するか、もしくはそれと関連付けられる、圧縮応力の量をいう。生体適合性層50と組み合わせて、壁30を形成した後、本体領域43内の支持構造40によって被られる無視可能な圧縮応力Sとは対照的に、生体適合性層50と組み合わせて、壁30を形成した後、流出領域42内の支持構造40は、概して、生体適合性層50と組み合わせて、壁30を形成するのに先立った、支持構造40の有効外径寸法が変化するにつれて変化する、実質的量の圧縮応力を被る。本明細書で使用されるように、「実質的圧縮応力」および「連続的圧縮応力」は、当業者によって理解されるように、本明細書では、同じ意味で使用され、半径方向に圧縮応力Sを被る支持構造40の部分または領域の有効外径の変化に付随するか、またはそれと関連付けられる、圧縮応力の量を意味する。
【0047】
流出領域42に沿った支持構造40の徐々に大きくなる弾性変形と本体領域43に沿った支持構造40の弾性変形の不在の組み合わせは、図2Bおよび8Bに図示されるように、導管20に均一有効外径寸法を付与する。この有効外径寸法は、本体領域43に沿った一定有効外径寸法Dと、流出領域42に沿った拘束された有効外径寸法Dconとを備える。本明細書で使用されるように、「拘束された」とは、「有効外径寸法」と併せて、支持構造40と生体適合性層50を組み合わせて、壁30を形成するのに先立った圧縮応力Sの不在下の流出領域42に沿った支持構造40の有効外径寸法に対して、圧縮応力S下にある流出領域42に沿った支持構造40の有効外径寸法を指す。拘束された有効外径寸法Dconは、一定有効外径寸法Dにほぼ等しい。着目すべきこととして、連続的印加荷重から生じる圧縮応力Sは、流出領域42に沿った支持構造40を拘束された有効外径寸法Dconに維持する。
【0048】
流出領域42に沿った支持構造40の弾性変形は、可逆的である。流出領域42に沿った支持構造40の弾性変形が可逆的であり得る範囲は、当業者によって理解されるように、各リング区画R(例えば、Rn+1、Rn+2、Rn+3)の長さD(例えば、D1、D2、D3)および流出領域42内の支持構造40に印加される反力の量を含む、種々の要因に依存する。この点において、流出領域42内の支持構造40に印加される半径方向拡張力を備える反力は、生体適合性層50の塑性変形を生じさせる。そのような反力は、支持構造40によって被られる圧縮応力Sの減少を生じさせる。言い換えると、反力が、生体適合性層50の塑性変形を増加させるにつれて、支持構造40によって被られる圧縮応力Sは、減少し、支持構造40の塑性変形を逆戻りさせる。
【0049】
ここで図2Cおよび8Cに焦点を当てると、1図1Aおよび8Aに示される血管グラフト10の実施形態の概略図が示され、支持構造40の流出領域42を拡張させた後の図2Bおよび8Bに示される血管グラフトの支持構造40の拡張された有効外径寸法Dexpを描写する。前述のように、流出領域42に沿った支持構造40の拡張された有効外径寸法Dexpは、半径方向拡張力を備える反力の印加に応じて生じる。本発明は、例えば、半径方向に拡張可能デバイス(例えば、バルーンカテーテル98)を導管20の内部管腔に沿って少なくとも1つの流入開口32から流出開口34に向かって前進させ、半径方向に拡張可能要素を拡張させることによって、そのような半径方向拡張力を印加するための任意の好適な手段の使用を企図する。そのような半径方向拡張力を印加するための他の好適な手段は、当業者に明白である。
【0050】
当業者はさらに、本発明が、生体適合性層50によって寄与される連続的印加荷重を克服可能であって、したがって、流出領域42を拡張させることを可能にする、半径方向拡張力を備える任意の量の反力の使用を企図していることを認識し得る。好ましくは、使用される半径方向拡張力を備える反力の量は、身体管腔内における流出領域42の非外傷性拡張をもたらす量である。そのような反力の例示的範囲は、当業者に明白であり得る。しかしながら、明確にするために、インビボまたは原位置で流出領域42の非外傷性拡張をもたらし得る、反力の例示的範囲として、流出領域42の有効外径寸法にわたって、2.5mmを越えない(より好ましくは、2.0mmを越えない)の半伸展性バルーンを使用することから生じるそれらの反力が挙げられる。
【0051】
流出領域42内の支持構造40に印加される半径方向拡張力を備える反力の印加に続き、グラフトは、塑性的に変形された生体適合性層50をもたらすように再構成する。いくつかの事例では、反力の印加に続き、血管グラフト10は、塑性的に変形された生体適合性層50と、反力の印加に先立って支持構造40によって被られる圧縮応力S未満の支持構造40によって被られる圧縮応力Sとをもたらすように再構成する。いくつかの事例では、反力の印加に続き、グラフトは、反力の印加に先立って支持構造40によって被られる以前に連続的圧縮応力S(例えば、実質的圧縮応力)が存在した場合、支持構造40が残留圧縮応力Sを被ることをもたらすように再構成する。本明細書で使用されるように、「残留圧縮応力」とは、半径方向拡張力を備える反力の印加に応じて、生体適合性層50の塑性変形に付随する反跳の結果として部分的に残る、圧縮応力Sの量を意味する。当業者は、そのような残留圧縮応力の量が、例えば、半径方向拡張力の大きさと、反力の印加の前に支持構造40に対する生体適合性層によって生じる連続的印加荷重50に起因する、支持構造40によって被られる圧縮応力Sの量とを含む、種々の要因に依存することを認識し得る。
【0052】
依然として、図2Cおよび8Cを参照すると、流出領域42内の支持構造40に印加される半径方向拡張力を備える反力が、図2Bおよび8Bに示される拘束された有効外径寸法Dconから、流出領域42内の支持構造40の少なくとも一部分に沿って拘束された有効外径寸法Dconを上回る、図2Cおよび8Cに示される拡張された有効外径寸法Dexpに流出領域42内の支持構造40を再構成することが明白である。一実施形態では、拘束された有効外径寸法Dconと拡張された有効外径寸法Dexpとの間の直径の変化は、約0.5mm~約2.5mmまたは約1mm~約2mm、さらには、1mm~1.5mmである。別の例示的実施形態によると、拡張された有効外径寸法Dexpは、流出領域42内の支持構造40の少なくとも一部分に沿った拘束された有効外径寸法Dconを少なくとも1mm上回る。当然ながら、拡張された有効外径寸法Dexpは、当業者によって理解されるように、半径方向拡張力の大きさおよび持続時間ならびにリング区画R(例えば、Rn+1、Rn+2、n+3等)の長さD(例えば、D1、D2、D3等)または量等の種々の要因に応じて、流出領域42中への支持構造40の少なくとも一部分に沿った拘束された有効外径寸法Dconより少なくとも1.10mm、少なくとも1.20mm、少なくとも1.30mm、少なくとも1.40mm、少なくとも1.50mm、少なくとも1.60mm、少なくとも1.70mm、少なくとも1.80mm、少なくとも1.90mm、少なくとも2.0mm、少なくとも2.10mm、少なくとも2.20mm、少なくとも2.30mm、少なくとも2.40mm、少なくとも2.50mm、少なくとも2.60mm、少なくとも2.70mm、少なくとも2.80mm、少なくとも2.90mm、少なくとも3.0mm、少なくとも3.10mm、少なくとも3.20mm、少なくとも3.30mm、少なくとも3.40mm、少なくとも3.50mm、少なくとも3.60mm、少なくとも3.70mm、少なくとも3.80mm、少なくとも3.90mm、少なくとも4.0mm、少なくとも4.10mm、少なくとも4.20mm、少なくとも4.30mm、少なくとも4.40mm、少なくとも4.50mm、少なくとも4.60mm、少なくとも4.70mm、少なくとも4.80mm、少なくとも4.90mm、または5.0mmまたはそれを上回って大きくあることができる。別の例示的実施形態によると、流出領域42に沿った支持構造40の拡張された有効外径寸法Dexpは、再構成された後、流出領域42内の支持構造40の全体部分に沿って、拘束された有効外径寸法Dconを少なくとも1.0mm上回る。ある例示的実施形態では、拡張された有効外径寸法Dexpは、当業者によって理解されるように、流出領域42内の支持構造40の全体部分に沿って、拘束された有効外径寸法Dconより少なくとも1.10mm、少なくとも1.20mm、少なくとも1.30mm、少なくとも1.40mm、少なくとも1.50mm、少なくとも1.60mm、少なくとも1.70mm、少なくとも1.80mm、少なくとも1.90mm、少なくとも2.0mm、少なくとも2.10mm、少なくとも2.20mm、少なくとも2.30mm、少なくとも2.40mm、少なくとも2.50mm、少なくとも2.60mm、少なくとも2.70mm、少なくとも2.80mm、少なくとも2.90mm、少なくとも3.0mm、少なくとも3.10mm、少なくとも3.20mm、少なくとも3.30mm、少なくとも3.40mm、少なくとも3.50mm、少なくとも3.60mm、少なくとも3.70mm、少なくとも3.80mm、少なくとも3.90mm、少なくとも4.0mm、少なくとも4.10mm、少なくとも4.20mm、少なくとも4.30mm、少なくとも4.40mm、少なくとも4.50mm、少なくとも4.60mm、少なくとも4.70mm、少なくとも4.80mm、少なくとも4.90mm、または5.0mmまたはそれを上回って大きくあることができる。
【0053】
支持構造40は、流出領域42内の支持構造40が、反力の印加に応じて、拘束された有効外径寸法Dconから、拡張された有効外径寸法Dexpに再構成することを可能にする、任意の材料から構築されることができる。一例示的実施形態によると、支持構造40は、形状記憶合金から構築される。例示的形状記憶合金は、限定ではないが、アルミニウム、コバルト、クロム、銅、金、鉄、ニッケル、白金、タンタル、およびチタンを含む、金属の組み合わせから形成されることができる。一例示的実施形態によると、支持構造40は、ニチノールから構築される。支持構造40を構築するために使用され得る、他の形状記憶合金または他の材料は、当業者に明白である。
【0054】
当業者は、支持構造40が、より大きいまたはより小さい拡張可能部分を用いて構築されることができることを認識し得る。当業者はまた、流出領域42が拡張可能であることを可能にする、図3に関して前述のものと同一方法論が、適用され、支持構造40の他の部分(例えば、本体領域)を拡張可能にすることができることを認識し得る。
【0055】
生体適合性層50は、任意の生体適合性材料から構築されることができる。材料はさらに、ある実施形態では、流体に実質的に不浸透性であってもよい。材料は、支持構造40と生体適合性層50を組み合わせ、壁30を形成した後の流出領域42に沿った支持構造40の拘束された有効外径寸法Dconを維持するために、支持構造40を十分な連続的圧縮応力(例えば、本明細書に定義されるような実質的圧縮応力)下に置くように、連続的印加荷重を生じさせることが可能である。例示的実施形態によると、生体適合性層50は、拡張可能ポリマーを備える。例示的実施形態によると、生体適合性層50は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む。
【0056】
概して、図2B-2Cおよび8B-8Cに示されるように、生体適合性層50は、少なくとも、支持構造40の長手方向長さ全体に沿って、流入端35から流出端36に延在する。当業者によって理解されるように、生体適合性層50は、容認可能製造仕様に従って、少なくとも部分的に、流入端35および流出端36を越えて、またはその手前まで延在してもよい。一例示的実施形態によると、生体適合性層50は、流入端35および流出端36の縁を越えて延在し、カフの形態において、支持構造40の内部表面の少なくとも一部分の周囲に巻着することができる。
【0057】
図5A、5B、5C、および5Dを参照すると、図1Aおよび8Aに示される血管グラフト10の例示的断面が示され、生体適合性層50が構成され得る種々の方法を描写する。図5Aおよび5Cの例示的実施形態から分かるように、生体適合性層50は、生体適合性外側層54と、外側層54および内側層55が支持構造40の両側に位置付けられるように、そこから離間される別個の生体適合性内側層55とを備えることができる。図5Aおよび5Bに示されるように、生体適合性外側層54および生体適合性内側層55は、支持構造40の端部の周囲に継続的に巻着された同一基質の別々の層として、または代わりに、支持構造40の両側に位置付けられる、2つの別個の基質(すなわち、非連続)として構成されることができる。本実施例では、生体適合性外側層54または生体適合性内側層55のいずれかは、少なくとも部分的に、流入端35および流出端36の縁を越えて延在し、それらの周囲に巻着し、カフを形成し、例えば、血管グラフト10の展開の間、周囲組織への損傷を最小限にしてもよい。図5Aの円形部分は、図5Bとして表され、生体適合性層50の一部分の分解図を示し、これらの層が、支持構造40上またはそれに適用、加熱、焼結、または別様に接着され得る方法(その方法は、当業者に公知である)の結果、生体適合性外側層54および生体適合性内側層55が、どのように相互および支持構造40に順応するのかを示す。図5Bにおける例示的実施形態に示されるように、生体適合性層50は、生体適合性内側層55を伴わずに、生体適合性外側層54を備えることができる。しかしながら、当業者は、生体適合性内側層は、血管グラフト10の導管20内の狭窄または閉塞の可能性を低下させるか、または壁30の流体不浸透性を改変するのに役立ち得ることを認識し得る。図5A-5Dは、生体適合性層50が、生体適合性外側層54および生体適合性内側層55を用いて、支持構造40を封入する、血管グラフト10の例示的実施形態を示す。本実施例では、生体適合性外側層54および生体適合性内側層55は、支持構造40を封入するように構成されることができる。本明細書に説明されるもの等の生体適合性層の適用または使用に関する全ての公知の方法および構造は、本発明と併用することが予期され、支持構造の層の形成は、本明細書に提供される特定の例証的実施例によって限定されない。
【0058】
例示的実施形態では、生体適合性層50は、結合し、圧縮応力を支持構造40に印加する、シース、スリーブ、または他のカバー類として構成される。例示的実施形態では、生体適合性層50、特に、生体適合性外側層54は、支持構造40の外部表面に接着結合され、支持構造40にわたって収縮かつ連続するカバー類を形成する。カバー類は、圧縮力を支持構造40に対して印加するように処理される、任意の好適な生体適合性材料、特に、ePTFEから構築されてもよい。例示的実施形態では、生体適合性外側層54および/または生体適合性内側55を含む生体適合性層50は、組織および/または血液に係合するために構成および/または適合される血液適合性カバー類を形成する。本明細書に説明される生体適合性層50は、従来、治療用薬剤を送達するか、または医療デバイスの表面特性を変化させる目的のために、医療デバイスに塗布される単なる表面修飾コーティング、例えば、親水性コーティングとは区別されることを理解されたい。なお、そのような表面修飾コーティング、例えば、米国特許第8,124,127号(参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるような生物学的油または脂肪を含むコーティングは、当業者に明白であろう理由から、支持構造40または生体適合性外側54および内側55層の表面の少なくとも一部分をコーティングするために使用されることができることが企図される。例えば、支持構造40または生体適合性内側層55の内部表面の少なくとも一部分を抗凝固治療用薬剤を含有する硬化された魚油コーティングでコーティングし、移植されたグラフトの閉塞を防止または最小限にすることが望ましくあり得る。
【0059】
ここで図1Bを参照すると、血管グラフト10′の代替実施形態が、示される。図1Aに示される実施例は、直線状血管グラフト10を描写するが、図1Bの血管グラフト10′は、図1Bに示される実施例に描写されるように、第2の流入開口33を含み、分岐または略T-形状血管グラフト10′を提供するように設計されてもよい。グラフト10および10′の両方に共通する構成要素(すなわち、同一参照番号で識別されるそれらの構成要素)に関して与えられる任意の説明は、概して、別様に示されない限り、実施形態の両方に適用可能であることを理解されたい。図1Bに示されるように、第2の流入開口33の長手軸は、非平行角度において、少なくとも1つの流入開口32の長手軸に交差する。本明細書で使用されるように、「非平行角度」とは、少なくとも1つの流入開口32の長手軸が、第2の流入開口33の長手軸と平行ではない角度(例えば、0°を上回る)を意味する。非平行角度は、グラフト移植のために必要とされる特定の配列に応じて、0°を上回り、かつ180°未満の任意の非平行角度であることができる。好ましくは、第2の流入開口33の長手軸が少なくとも1つの流入開口32の長手軸に交差する非平行角度は、約25°~約45°である。一例示的実施形態によると、第2の流入開口33の長手軸が少なくとも1つの流入開口32の長手軸に交差する非平行角度は、約35°である。
【0060】
図6A、6B、および6Cは、図1Bに示される分岐血管グラフト110構造体の支持構造40の実施形態の種々の図を示し、生体適合性層50と組み合わせ、壁30を形成するのに先立った(図6A)、図6Aに示される支持構造40と生体適合性層50を組み合わせ、壁30を形成した後(図6B)、および図6Bに示される血管グラフト110の生体適合性層50で被覆された支持構造40の流出領域42を拡張させた後(図6C)の支持構造40を図示する。当業者は、図2A-5Cに関して前述の直線状血管グラフト110の構造、機能、および構成要素の説明は、図6A-6Cに示される分岐血管グラフト110にも等しく適用可能であることを理解し得る。
【0061】
ここで図7A-7Cを参照すると、図1B、6A-6Cに示される血管グラフトの支持構造の実施形態の上面図(図7A)、上面ワイヤフレーム図(図7B)、および側面ワイヤフレーム図(図7C)が示され、第2の流入開口33が、グラフト本体に取着され、図1Bおよび6A-6Cに示される分岐血管グラフト10′を形成する前に、少なくとも1つの流入開口32(例えば、図5A参照)および流出開口34(例えば、図5C参照)のみを伴う支持構造を描写する。当業者によって理解されるように、図7A-7Cに特徴付けられる支持構造40は、図6A-6Cに示される血管グラフト10′の関連特徴の全てを含む。図7Aは、支持構造およびその支柱/ステントパターンの精密な相対的割合を示す、支持構造40の適切に縮尺された例証を示す。図7A-7Bにおける例示的実施形態に示されるように、支持構造はまた、中空分岐導管99が接続される、接合部開口37を含む。分岐導管99の接合部開口37および第2の流入開口33は、少なくとも1つの流入開口32および流出開口34と流体連通する。図7Aにおける実施例に示されるように、支持構造40は、1つまたはそれを上回る鈍的端部41で終端し、例えば、支持構造40によって生じる生体適合性層50への損傷を防止または最小限にすることができる。鈍的端部41は、図7Aに示されるような鍵穴状形状、または鈍的端部41が支持構造40による生体適合性層50への損傷を防止または最小限にすることを可能にする任意の他の形状に形成されることができる。
【0062】
接合部開口37における分岐導管99およびその第2の流入開口33と支持構造40の本体領域43の取着を促進するために、くぼみ39が、図7Cに図示される例示的実施形態におけるように、支持構造40の本体領域43の輪郭に提供される。分岐導管は、次いで、くぼみ39において、本体領域43に縫着、焼結、または別様に取着されてもよい。
【0063】
ここで図9A-9Hを参照すると、図1B、6A-6Cに示されるものに類似し、移植に先立って、分岐導管99の第2の流入開口33に事前に加工され、事前に拡張された拡開構成を伴う分岐導管99を有する、分岐血管グラフト410の別の実施形態の種々の図が、示される。本拡開構成を除き、血管グラフト410は、図1Bおよび6A-6Cの血管グラフト110のものと同一構造、構成要素、および構成を有してもよい。この事前に加工され、事前に拡張された拡開構成は、隣接導管本体43に係留し、剛性および構造を提供する。拡開端はまた、血管取着および移植を促進してもよい。図9Aは、図1B、6A-6Cに示される分岐血管グラフト110の支持構造40の実施形態の側面図を示し、生体適合性層50と組み合わせ、壁30を形成するのに先立った支持構造40を図示する。図9Bは、図9Aに示される支持構造40と生体適合性層50を組み合わせ、壁30を形成した後の図1B、6A-6Cに示される分岐血管グラフト110の実施形態の概略図を示す。図9Cは、図9Bに示される分岐血管グラフト410の支持構造40の流出端36を拡張させた後の図1Bおよび6A-6Cに示される分岐血管グラフト410構造体の実施形態の概略図を示す。図9Dは、図9Aに示される支持構造40の実施形態の実施例のプロトタイプを示す写真である。図9Eは、図9Bに示される分岐血管グラフトの実施形態の実施例のプロトタイプの写真であって、流出領域42に沿った支持構造40の拘束された有効外径寸法Dconを描写する。図9Fは、図9Cに示される分岐血管グラフトの実施形態の実施例のプロトタイプの写真であって、流出領域42に沿った支持構造40の拡張された有効外径寸法Dexpと、第2の流入開口33の近位の流入領域44に沿った拡張された有効外径寸法Dexpとを描写する。図9Gは、図9Fに類似する別の写真であって、さらに、図9Bおよび9Cの実施形態の代表的断面の詳細図として図式的に示すために図9Hにおいて使用される、境界94を図示する。
【0064】
図9Gを参照すると、延在導管51が、拡開ソケット状構造体に組み立てられて示される。拡開された第2の流入開口33を利用して、延在導管は、分岐導管が分岐の支持構造の内部および外部表面の一方または両方上に生体適合性層が被覆されると、分岐導管99の管腔表面に接続することができる。延在導管が、それぞれ、内側生体適合性層55および外側互換性層54の壁厚87および88より厚い壁89を備えるとき、分岐の拡大内径は、延在導管が、分岐導管の内側管腔直径の全部または少なくとも大部分の内径と実質的に同一である直径を有するために十分な空間を提供する。
【0065】
当業者は、図9A-9Gに示される例示的実施形態では、分岐血管グラフト110および支持構造40の種々の特徴が、前述の関連段落に説明されるものと実質的に同一方法で機能することを理解し得る。
【0066】
一例示的実施形態によると、血管グラフト110は、壁30を有する導管20であって、本体領域43における流入端35における少なくとも1つの流入開口32と、少なくとも1つの流入開口32とは反対の流出領域42における流出端36における流出開口43とを備え、壁30は、支持構造40と、生体適合性層50とを備え、ここで、生体適合性層50と組み合わせ、壁30を形成するのに先立って、支持構造40は、本体領域に沿った一定有効外径寸法Dと、少なくとも1つの流入開口32から徐々により遠位になる支持構造40に沿った各区画において徐々に大きくなる、流出領域に沿った有効外径寸法Dincとを備える、その長さに沿って複数の有効外径寸法を備え、ここで、生体適合性層50と組み合わせて、壁30を形成した後、流出領域42内の支持構造40は、流出領域内の支持構造40を、少なくとも1つの流入開口から徐々により遠位になる支持構造に沿った各区画において徐々に大きくならない、拘束された有効外径寸法Dconに維持する、生体適合性層によって生じる連続的印加荷重から生じる連続的圧縮応力S下にあって、そしてここで、流出領域42内の支持構造40への反力の印加後、流出領域42は、拘束された有効外径寸法Dconから、その少なくとも一部分が拘束された有効外径寸法Dconを少なくとも1ミリメートル上回る、拡張された有効外径寸法Dexpに再構成される、導管20を備える。
【0067】
本発明の直線状および分岐またはT-形状血管グラフト(例えば、グラフト10および110)は、当業者に明白であり得るように、例えば、閉塞性または動脈瘤疾患を患う患者において罹患脈管の置換またはバイパスのため、血管置換を要求する外傷患者において、透析アクセスのため、外科手術吻合または医療施術者によって日常的に行われる他の血管手技の間、流動動態を改善し、動脈血化圧力を低下させるためを含む、種々の用途のために使用されることができる。
【0068】
動作時、本教示の血管グラフト(例えば、グラフト10および110)は、身体通路(例えば、血管)の中への移植のために展開される。本発明の実施形態は、身体通路の中への移植のために、血管グラフト10/110を安全かつ効果的に展開する任意の動作可能方法を企図する。好適な方法は、熟練した医療施術者に明白である。例えば、そのようなグラフトを展開する1つの公知の方法は、シースと断裂線または「リップコード(rip code)」の併用である。グラフトは、所望の場所への送達のために、好ましくは、シース(単数または複数)の外径が、グラフト(または、グラフト部分)がその中に移植されるように意図される脈管より2ミリメートルまたはそれを上回って小さくなるような圧縮状態において、1つまたはそれを上回るシース内に含有される。いったん適切に位置すると、コードが引かれ、シースを断裂線に沿って分離し、シースは、次いで、少なくとも部分的に、グラフトの自己拡張品質に起因して、グラフトから解巻および除去され、グラフトを定位置に残す。このように単一シースを使用してグラフトを設置する一般的方法は、当技術分野において周知であって、したがって、さらなる説明を要求しない。
【0069】
いったん身体通路内に移植されると、血管グラフト10の流出領域42は、元々の移植時間から長期の持続時間が経過した(例えば、数週間、数ヶ月、数年)後でも、拡張され、グラフトの開存性を維持または回復することができる。例えば、グラフトの一部分が、圧潰する(例えば、組織内部成長および最終的血栓症形成に起因して)、狭窄するか、または内膜肥厚を持続する場合、開存性は、本明細書に説明される本発明の方法に従って、血管グラフト10の流出領域42を拡張させることによって回復されることができる。
【0070】
図10Aおよび10Bは、分岐構造体を具備する、血管グラフト10の実施形態の流出領域42を拡張させるために使用される拡張可能デバイスの略図であるが、また、非分岐構造体のために採用されてもよい。より具体的には、図10Bは、図10Aの境界86の周りで得られた詳細図である。図10A-10Bに示される実施例では、拡張可能デバイスは、バルーン97を伴うバルーンカテーテル98を備える。しかしながら、当業者は、半径方向拡張力を備える反力を印加可能な任意の拡張可能デバイスが使用され得ることを理解し得る。図10A-10Bはまた、本実施形態に図示されるグラフト110の設置に関しても有益である。
【0071】
図11は、分岐構造体を具備する血管グラフト110の流出領域42を拡張させるために使用される、拡張可能デバイス86を実証する写真である。拡張可能デバイスは、血管グラフト10等の直線状血管グラフトにも等しく適用可能であろう。
【0072】
当業者は、血管グラフト10の流出領域42を拡張させるための種々の方法を容易に想起し得る。
【0073】
例示的実施形態によると、移植された血管グラフト10の流出領域42を拡張させる方法100は、概して、(a)本発明の任意の側面に従って、拡開流出領域42とともに構成される支持構造を有する血管グラフト10を識別または提供するステップ102と、(b)反力108を拡開流出領域42内の支持構造40に印加し、流出領域42を拡張させるステップとを含む。
【0074】
ステップ102では、移植された血管グラフト10は、壁30を有する導管20であって、本体領域43の流入端35における少なくとも1つの流入開口32と、少なくとも1つの流入開口32とは反対の流出領域42の流出端における流出開口とを備え、ここで、壁は、支持構造40と、生体適合性層50とを備え、ここで、流出領域42内の支持構造40は、生体適合性層50によって生じる印加荷重から生じる圧縮応力S下にある、導管20を備える。ステップ108では、反力を流出領域42内の支持構造40に印加するステップは、拘束された有効外径寸法Dconから、拘束された有効外径寸法Dconを上回る拡張された有効外径寸法Dexpに流出領域42内の支持構造40を再構成し、それによって、移植された血管グラフト10の流出領域42を拡張させる。
【0075】
図12は、本発明の一側面による、血管グラフト10の流出領域42を拡張させる方法100の例示的実施形態を描写するフロー図を示す。
【0076】
図12における例示的実施形態に示されるように、移植された血管グラフト10の流出領域42を拡張させる方法は、ステップ102から108を含む。ステップ102は、(a)本明細書に説明される移植された血管グラフト10を識別するステップを含む。ステップ102において識別された移植された血管グラフト10を拡張させるために、ステップ108が、行われる。ステップ108は、(b)本明細書中の詳細な説明に従って、反力を流出領域42内の支持構造40に印加するステップであって、それによって、移植された血管グラフト10の流出領域42を拡張させるステップを含む。
【0077】
拡張可能流出領域42は、移植後、随時拡張されることができるが、実際は、流出領域は、有利には、流出領域42が、圧潰もしくは狭窄したとき、または持続性内膜肥厚を有するときに拡張されることを理解されたい。そのような事例では、圧潰したか、狭窄したか、または持続性内膜肥厚を有する流出領域42は、移植式血管グラフト10が移植された脈管の開存性を損なわせる。
【0078】
例示的実施形態では、反力を印加するステップは、移植された血管グラフト10の流出領域42内の拡張可能デバイスを拡張させるステップを含む。例示的実施形態では、拡張可能デバイスの拡張(ステップ108)に先立って、拡張可能デバイスは、流出端に前進される(ステップ106)。
【0079】
例示的実施形態では、流出領域への拡張可能デバイスの前進(ステップ106)に先立って、拡張可能デバイスは、移植されたグラフトの中に経皮的に導入される(ステップ104)。例示的実施形態では、拡張可能デバイス10を拡張させた後、拡張可能デバイスは、ステップ110に従って除去される。
【0080】
例示的実施形態では、拡張された有効外径寸法Dexpは、拘束された有効外径寸法Dconを少なくとも1ミリメートル上回る。別の例示的実施形態では、拡張された有効外径寸法Dexpは、流出領域42内の支持構造40の任意の部分に沿って、拘束された有効外径寸法Dconを少なくとも1ミリメートル上回る。
【0081】
本明細書に企図されるのは、本明細書に開示される血管グラフト10を作製するための種々の方法である。
【0082】
図13は、本発明の一側面による、血管グラフト10を作製する例示的方法200を描写するフロー図である。
【0083】
例示的実施形態では、拡張可能流出領域を有する血管グラフト10を作製する方法200は、ステップ202から209を含む。図13に示される実施例では、方法200は、(a)本明細書に提供される詳細な説明に従って、本体領域43の流入端35における少なくとも1つの流入開口32と、少なくとも1つの流入開口32とは反対の流出領域42の流出端36における流出開口34とを備える、支持構造を提供するステップ(ステップ202)から始まる。支持構造40は、種々のマンドレルの使用を通して定寸され、支持構造の流出領域42に沿った徐々に増加する有効外径寸法Dincに加え、支持構造40の本体領域43に沿った一定有効外径寸法Dを備える、複数の有効外径寸法を有してもよい。ステップ202において提供される支持構造40は、図3A-3Oに図示される拡開構成を伴う流入領域44または流出領域42または任意のそれらの組み合わせを具備し得る、図2A、5A、7A、および8Aに示される実施形態を含む、本明細書に企図される任意の支持構造40を含むことができることが、当業者によって理解されるはずである。
【0084】
いったん支持構造40が、ステップ202において提供されると、方法200は、(b)支持構造40と少なくとも1つの生体適合性層50を組み合わせ、支持構造40および少なくとも1つの生体適合性層50を備える壁30を有する導管20を形成するステップを含む、ステップ204に進む。
【0085】
ステップ204において、支持構造40と生体適合性層50を組み合わせた後、この方法は、(c)マンドレルを支持構造40の流出端36の近位の流出開口34の中に挿入するステップを含む、ステップ206に進む。
【0086】
マンドレルが流出開口34の中に挿入されると、この方法は、(d)連続的圧縮応力Sが、流出領域42に沿った支持構造40を一定有効外径寸法Dと略均一な拘束された有効外径寸法Dconに維持する、生体適合性層50によって生じる連続的印加荷重から生じるように、例えば、圧縮巻着を用いて、支持構造40の流出領域42に沿った徐々に増加する有効外径寸法Dincを拘束するステップを含む、ステップ208に進む。
【0087】
生体適合性層50を支持構造40に順応するために、この方法は、(e)流出領域42内のある区画において、生体適合性層50を焼結するステップ209を含む。
【0088】
図14Aは、本発明の一側面による、血管グラフト10を作製する方法200のステップ206を図示する写真であって、マンドレルが、圧縮巻着を用いて支持構造の流出端40に沿って有効外径寸法を拘束するのに先立って、血管グラフト10の流出端36の中に挿入される。
【0089】
図14Bは、本発明の一側面による、血管グラフト10を作製する方法200のステップ206を図示する写真であって、圧縮巻着が、支持構造40の流出端に沿って有効外径寸法を拘束するために使用される。
【0090】
本発明の別の例示的実施形態では、血管グラフト510は、図15A-Cに図示されている。グラフト510は、相互に鏡像として配列され、延在導管51によって接続される、一対の分岐グラフトサブアセンブリ302aおよび302b(集合的に、「分岐サブアセンブリ302」)によって形成される。分岐サブアセンブリ302はそれぞれ、分岐血管グラフト110に類似するように、図示されるように配列されてもよい。図16A-16Cおよび17A-17Cに関してより詳細に論じられるように、さらに、血管グラフト実施形態は、分岐サブアセンブリ302の一方または両方とグラフト10に類似するグラフトサブアセンブリを交換することによって形成されることができる。故に、グラフト10および/または110のものに類似するグラフト510の構成要素(例えば、導管20、壁30、支持構造40、生体適合性層50等)は、対応して、グラフト10および110の前述の議論に関して使用されるものと同一参照番号が与えられる。
【0091】
図15Aは、生体適合性層50を伴わない分岐サブアセンブリを図示する一方、図15Bは、分岐サブアセンブリを図示し、生体適合性層50および延在管腔51は両方とも、サブアセンブリ間に連続導管を確立する。種々の実施形態では、延在管腔51は、ePTFEの多層積層構成であって、生体適合性層50の内側層55および外側層54の厚さを上回る厚さ89を有してもよい。
【0092】
図15Cに図示されるように、分岐サブアセンブリ302aおよび302bは、それぞれ、第1の脈管部分306aおよび第2の脈管部分306b(集合的に、脈管部分306)内に挿入可能である。導管区分51は、分岐サブアセンブリ302、したがって、脈管部分306間に、流体連通、例えば、血流を提供する、管腔構造として配列される。サブアセンブリ302の両方の分岐に起因して、血流の少なくとも一部分、すなわち、導管区分51の中に迂回されない血流はまた、サブアセンブリ302を通して、かつそれを越えて継続してもよい。導管区分51の壁30は、補強されない、すなわち、支持構造40は含まず、生体適合性層50のみを含んでもよい。導管区分51は、任意の所望の長さであってもよいことを理解されたい。例えば、比較的により短い長さが、いくつかの実施形態では、使用され、例えば、血管内の閉塞をブリッジまたはバイパスしてもよい一方、比較的により長い長さが、他の実施形態では、使用され、例えば、透析を補助するために、動脈と静脈を接続する。一実施形態では、導管区分51は、約20mm~150mmであるが、他の長さもまた、可能性として考えられる。
【0093】
グラフト510は、脈管306が同一脈管の異なる部分である実施形態、または脈管部分306が異なる脈管の部分である実施形態において使用されてもよいことを理解されたい。例えば、脈管部分306が、同一脈管の部分である場合、グラフト510は、脈管部分306aと306bとの間に位置する脈管の区分のバイパスを生成するために使用されてもよい。例えば、プラーク蓄積等の閉塞は、完全または部分的に、患者の血管内の血流を妨害または遮断し得る。本実施例では、グラフト510は、故に、サブアセンブリ302が閉塞の両側の血管の中に設置されると、導管区分51が閉塞のバイパスを提供するように設置されてもよい。
【0094】
別の実施例として、一実施形態では、脈管部分306(例えば、脈管306a)のうちの1つは、動脈の一部であって、脈管部分の他のもの(例えば、脈管306b)は、静脈の一部である。このように、導管区分51は、動脈を通して静脈の中に流動する血液の一部分を迂回させる。例えば、本実施形態は、導管区分51が、患者が透析を受ける際に補助するための好適な標的を提供し、例えば、血液が、導管区分51から外され、かつその中に再注入される、動脈および静脈間で迂回され、したがって、反復透析治療から生じる得る患者の血管系への不必要な損傷を回避し得るという点において、特に有用であり得る。そのような実施形態では、導管区分51が針穿刺後シールする能力が、導管区分51内で使用されるより薄い材料によって被覆され得る血管グラフト510の特性に対して向上される。
【0095】
血管グラフト610が、図16A-16Cに図示され、概して、例えば、導管区分51によってともに接続される一対のグラフトサブアセンブリ312aおよび312b(集合的に、「サブアセンブリ312」)を含む、グラフト510に類似する。サブアセンブリ302の両方が図1Bの分岐グラフト110に類似する、グラフト510と異なり、グラフト610のサブアセンブリ312bは、概して、図1Aの直線状血管グラフト10に類似する、直線状グラフトサブアセンブリである一方、サブアセンブリ312aは、グラフト110に類似する、分岐グラフトサブアセンブリである。本実施形態におけるサブアセンブリ312bの分岐の欠如に起因して、脈管部分306bを通る血流は、サブアセンブリ312bによって遮断または妨害され得ることに留意されたい。すなわち、サブアセンブリ312bからサブアセンブリ312aの方向に脈管部分306bを通して流動する血流の全部またはほとんどは、脈管部分306bを通して継続する代わりに、導管区分51を通して迂回され得る。したがって、グラフト610は、例えば、脈管部分306が同一脈管の一部であって、閉塞がその間に存在し、したがって、その閉塞のバイパスが所望されるとき等、サブアセンブリ312bの両側の脈管部分306bを通る血流が必要ない実施形態において特に有利である。
【0096】
血管グラフト710が、図17A-17Cに図示される、概して、例えば、導管区分51によってともに接続される一対のグラフトサブアセンブリ322aおよび322b(集合的に、「サブアセンブリ322」)を含む、グラフト510および/または610に類似する。グラフト610のサブアセンブリ312bと同様に、サブアセンブリ322は両方とも、直線状グラフトサブアセンブリであって、分岐を伴わないグラフト10に類似する。この理由から、サブアセンブリ312bと同様に、サブアセンブリ322は両方とも、挿入される個別の脈管部分306を通る血流を遮断または妨害し得る。したがって、グラフト710は、故に、閉塞が脈管部分306間に存在し、したがって、その閉塞のバイパスが所望される実施形態において、特に有用であり得る。
【0097】
サブアセンブリ510、610、および710は、その前述の説明に従って、テーパ状、トランペット状、または拡開された流入および/または流出領域を含んでもよいことを理解されたい。すなわち、サブアセンブリ510、610、および/または710内の支持構造40は、ニチノールまたは他の形状記憶材料から配列よび構築されるか、または別様に、自然に、半径方向に拡張された形状に遷移するように構成されてもよい。加えて、支持構造40は、本明細書の前述の開示と同様に、支持構造40内に挿入される膨張可能バルーン97または他のデバイスの使用によってさらに半径方向に拡張されてもよい。
【0098】
本発明の多数の修正および代替実施形態が、前述の説明に照らして、当業者に明白であり得る。故に、本説明は、例証にすぎないものとして解釈され、当業者に本発明を実施するための最良形態を教示する目的のためのものである。構造の詳細は、本発明の精神から逸脱することなく、実質的に変動し得、添付の請求項の範囲内にある全ての修正の排他的使用が、留保される。本明細書内では、実施形態は、明確かつ簡潔に書かれることを可能にするように説明されているが、実施形態は、本発明から逸脱することなく、多様に組み合わせられるか、または分離されてもよいことが意図され、そのように理解されたい。本発明は、添付の請求項および適用法の規則によって要求される範囲にのみ限定されることが意図される。
【0099】
また、以下の請求項は、本明細書に説明される本発明の全ての一般的および具体的特徴だけではなく、文言上、その中にあると言え得る本発明の範囲の全ての記載を網羅することを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図9H
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C