(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】メカトロニックアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/00 20060101AFI20220929BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
H02K5/00 A
H02K7/116
(21)【出願番号】P 2019533317
(86)(22)【出願日】2017-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2017084051
(87)【国際公開番号】W WO2018115259
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-11-10
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520430848
【氏名又は名称】ソンセボ オートモティブ エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ワトゥラン,マチュ
(72)【発明者】
【氏名】メレール,アントニ
【審査官】柏崎 翔
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-165512(JP,A)
【文献】特開平4-178141(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102011054958(DE,A1)
【文献】特開2012-180818(JP,A)
【文献】特開2015-23761(JP,A)
【文献】特開2011-167054(JP,A)
【文献】特開2016-52148(JP,A)
【文献】特開2015-196212(JP,A)
【文献】特表2017-523462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/00
H02K 7/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェル(1)を内蔵したハウジングと、電気コイルによって励起される固定子(32)および磁化された回転子(71)によって形成された三相電気モータと、から構成され、
出力ホイール(17)を、ギア列、前記回転子(71)の軸、前記出力ホイールの軸、および平行な中間歯車(18~20)の軸によって駆動し、
前記固定子(32)は、3つの捲回されたポール(41~43)が星形の3つの分岐を形成し、互いに隣り合う捲回されたポールの対称軸が120°の機械角度を形成するように、放射状三角星形形状を有し、
また前記ハウジングは、電気信号をフィルタリングするためのコンデンサ(51)を含む電子回路(22)も内蔵しており、
前記シェル(1)が長手方向軸(L)を有する、メカトロニックアクチュエータであり、
前記固定子(32)は、3つの捲回された前記ポール(41~43)のうちの1つの対称軸(46)が前記長手方向軸(L)に対して70°~110°の間の角度を形成するように、前記ハウジング内に配置されることを特徴とするメカトロニックアクチュエータ。
【請求項2】
前記固定子(32)は、3つの捲回された前記ポール(41~43)のうちの1つの対称軸が前記長手方向軸(L)に対して90°の角度を形成するように、前記ハウジング内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【請求項3】
前記固定子(32)は、前記シェル(1)の側壁(47)に最も近い領域に面取り部(48)を有するように、前記ハウジング内に配置されることを特徴とする請求項1に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【請求項4】
前記コンデンサ(51)は、前記電子回路(22)の平面に対し垂直に取り付けられた管状部品によって構成され、
前記コンデンサ(51)は、
前記長手方向軸(L)に対して70°~110°の間に配置されたポールを含む2つの隣り合うポール(42、43)と、前記2つのポール(42、43)と向かい合うように配置されたハウジングの角(50)とによって規定された空間(49)内に配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【請求項5】
電子部品の全ては、前記固定子(32)に面する前記電子回路(22)の表面に、はんだ付けされており、
前記電子回路(22)は、前記回転子の軸を通すための孔と、3つの前記電気コイルの接続スタッド、ならびに電気コネクタのピンを挿入するためのスズめっきされた孔(27~31、23~26)とを有し、
前記ピンは全て、前記中間歯車(18~20)の軸に平行に前記電子回路の表面に向って伸びていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【請求項6】
前記電子回路(22)が、前記中間歯車のうちの1つの機械軸を通すための少なくとも1つの孔またはノッチを有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【請求項7】
前記電子回路(22)は、電気コネクタ(14)の接続に対応する前記電子回路(22)の後部を除いて、横断面上への投影が、前記固定子に外接する円の前記横断面上への投影に内接するような大きさを有し、
前記電子回路(22)は、前記ハウジングの両側の側面に対して、前記ハウジングの内法幅の10%よりも大きい幅のスペースを維持するように、前記ハウジングに対して配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【請求項8】
前記固定子のヨークの非絶縁区域と前記電子回路(22)の導電性グランドトラックとの間に圧縮状態で配置された金属バネ(52)を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【請求項9】
前記固定子(32)は、前記金属バネ(52)の下部を収容する非絶縁性の孔(53)を有し、
前記金属バネ(52)の周面は、前記金属バネ(52)が前記電子回路(22)によって圧縮されると、前記孔(53)の非絶縁性の内面と接触することを特徴とする、請求項8に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【請求項10】
前記ハウジングは、相補的な前記シェル(1)と閉鎖カバー(2)とから成り、
前記シェル(1)の側面の1つは、前記出力ホイール(17)と前記中間歯車(18~20)のうちの1つの中間歯車(19)の間に配置された貫通キャビティ(39)によって貫通された内側突起(36)と、キャビティ(40)によって貫通された第2の突起(37)とを有し、
前記閉鎖カバー(2)は、
前記貫通キャビティ及び前記キャビティに適合し、前記中間歯車それぞれの端部を位置決めしかつ案内するための案内軸受(62~65)よりも長い長さの、2つのスタッド(60、61)を有し、
前記案内軸受(62~65)は、前記閉鎖カバー(2)の内面に伸びていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【請求項11】
前記閉鎖カバー(2)はまた、前記電子回路(22)のためのストッパを形成する少なくとも1つのスタッド(66~69)を有し、
前記ストッパは、前記電子回路(22)がその公称位置にあるときに、前記電子回路(22)と接触しないことを特徴とする、請求項10に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【請求項12】
前記閉鎖カバーはまた、前記固定子(32)のためのストッパを形成する少なくとも1つのスタッド(70)を有し、
前記ストッパは、前記固定子(32)がその公称位置にあるときに、前記固定子(32)と接触しないことを特徴とする、請求項10または11に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記ハウジングの3つの隅に配置された3つの固定延伸部(3~5)を有し、
前記固定延伸部(3~5)の各々は、孔(6~8)によって横断され、
前記孔の軸は、前記三相電気モータおよび前記中間歯車の機械軸に平行であり、
或る前記固定延伸部(5)は、前記ハウジング内に位置決めタブ(9)を有し、
別の前記固定延伸部(4)は、前記ハウジングが前記位置決めタブ(9)に対して旋回されるときのクリップ爪(11)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のメカトロニックアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、エアベント、空調フラップ、または、より一般的にはバルブシャッタといった自動車の機械部品の制御のためのメカトロニクスアクチュエータの分野に関する。これらは、非常に狭いスペース要件の上に、数十度の変位および5度未満の典型的な位置決め精度を伴う比較的高いトルクが要求される部品である。
【背景技術】
【0002】
電気モータ、特に、固定子と少なくとも1つの中間ホイールを備えたギア列(gear train)に運動を伝達する駆動ピニオンを備えた回転体とを備えたブラシレスDCモータを備えたアクチュエータとを記載した特許出願DE102014107900は、最新技術として知られている。
【0003】
ドイツ特許出願DE102011054955には、このような従来技術のアクチュエータの別の例が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の解決策は、スペース要件に関して最適化されていない。ハウジングの内部容積の充填は、最大化されず、その結果、過度の寸法および空間要件が生じる。
【0005】
さらに、耐振動性および耐衝撃性は、自動車用途にとって完全に満足のいくものではなく、振動によって、プリント回路が予期せずにその支持体から離れたり、または特定の機械部品または電磁部品の偶発的な分解が引き起こされたりすることがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの欠点を改善する本発明は、その最も広い意味で、メカトロニックアクチュエータに関し、当該メカトロニックアクチュエータは、シェルを内蔵したハウジングと、電気コイルによって励起される固定子および磁気回転子によって形成された三相電気モータと、から構成され、出力シャフトを、ギア列、前記回転子の軸、前記出力シャフトの軸、および平行な中間歯車の軸によって駆動し、前記固定子は、3つの捲回されたポールが星形の3つの分岐を形成し、互いに隣り合う捲回されたポールの対称軸が120°の機械角度を形成するように、放射状三角星形形状を有し、また前記ハウジングは、電気信号をフィルタリングするためのコンデンサを含む電子回路も内蔵しており、前記シェルが長手方向軸(L)を有している、メカトロニックアクチュエータであって、
前記固定子は、3つの捲回された前記ポールのうちの1つの対称軸が前記長手方向軸(L)に対して70°~110°の間の角度を形成するように、前記ハウジング内に配置されることを特徴とする。
【0007】
好ましくは、前記固定子は、3つの捲回されたポールのうちの1つの対称軸が前記長手方向軸(L)に対して90°の角度を形成するように、前記ハウジング内に配置される。
【0008】
代替的な解決策によれば、前記固定子は、前記長手方向軸(L)に対して70°~110°の間の角度を形成する3つの捲回されたポールのうちの前記1つの対称軸が、側壁に最も近い領域に面取り部を有するように、前記ハウジング内に配置される。
【0009】
特定の実施形態によれば、前記フィルタリングコンデンサは、前記プリント回路の平面に対し垂直に取り付けられた管状部品によって構成され、前記コンデンサは、一方が、中央平面に対して70°~110°の間に配置されたポールを含む2つの隣り合う固定子ポール42、43によって、他方が前記2つの相補的な固定子ポールと向かい合うように配置されたハウジングの角によって規定された空間内に配置され、2つの隣り合う前記固定子ポール(42,43)の一方は、中央平面に対して70°~110°の間に配置されたポールである。
【0010】
好ましくは、電子部品の全ては、前記固定子に面する前記プリント回路の表面にはんだ付けされており、前記プリント回路は、前記回転子の軸を通すための孔と、3つの前記電気コイルの接続スタッド、ならびに電気コネクタのピンを挿入するためのスズめっきされた孔とを有し、前記ピンは全て、機械軸に平行に前記プリント回路の表面に向かって延びる。
【0011】
有利には、前記プリント回路は、前記歯車のうちの1つの機械軸を通すための少なくとも1つの孔またはノッチを有する。
【0012】
好ましくは、プリント回路は、電気コネクタの接続に対応する前記プリント回路の後部を除いて、横断面上への投影が、前記固定子に外接する円の前記横断面上への投影に内接するような大きさを有し、前記プリント回路は、前記ハウジングの両側の側面に関して、前記ハウジングの内法幅の10%よりも大きい幅を有するスペースを維持するように前記ハウジングに対して配置される。
【0013】
本発明によるアクチュエータは、特定の実施方法によれば、前記固定子のシリンダヘッドの非絶縁区域とプリント回路の導電性グランドトラックとの間に圧縮状態で配置された金属バネを含む。
【0014】
有利には、前記固定子は、前記バネの下部を収容する非絶縁性の孔を有し、前記バネの周面は、前記バネが前記プリント回路によって圧縮されると、前記孔の非絶縁性の内面と接触する。
【0015】
特定の別の解決策によれば、前記ハウジングは、相補的なシェルと閉鎖カバーとから成り、前記シェルの側面の1つは、2つの歯車の間に配置された貫通キャビティによって貫通された内側突起と、非円形断面を有するキャビティによって貫通された第2の突起とを有し、前記カバーは、前記キャビティに適合し、他の接続スタッドよりも長い長さの2つのスタッドを有し、前記カバーは、機械軸の上端を案内する軸受も有する。
【0016】
有利には、前記カバーはまた、前記プリント回路のためのストッパを形成する少なくとも1つのスタッドを有し、前記ストッパは、前記プリント回路がその公称位置にあるときに、前記プリント回路と接触しない。
【0017】
特定の実施形態によれば、前記カバーはまた、前記固定子のためのストッパを形成する少なくとも1つのスタッドを有し、前記ストッパは、前記固定子がその公称位置にあるときに前記固定子と接触しない。
【0018】
別の特定の実施形態によれば、前記ハウジングは、前記ハウジングの3つの隅に配置された3つの取付け延伸部を有し、前記延伸部の各々は、孔によって横断され、前記穴の孔の軸は、前記モータおよび前記歯車の機械軸に平行であり、前記延伸部の1つは、適合ハウジング内に位置決めタブを有し、前記延伸部の別の1つは、前記ハウジングが前記位置決めタブに対して旋回されるときのクリップ爪を有する。
【0019】
本発明は、添付の図面を参照しながら、非限定的な例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読むことによって最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係るアクチュエータの斜め上方からの上面斜視図である。
【
図2】カバー及びプリント回路が取り外された状態の、本発明にかかるアクチュエータの中央断面図である。
【
図3】カバーが取り外された状態の、本発明に係るアクチュエータの中央断面図である。
【
図4】固定子とプリント回路との間の電気接続の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、カバー2によって閉じられたシェル1からなる例示的なアクチュエータの外観図である。
【0022】
シェル1は、その隅の3つに3つの延伸部3、4、5を有する。延伸部の各々には、それぞれ1つの孔6、7、8が設けられている。
【0023】
2つの延伸部4、5は、孔7、8を介したねじ止めかリベット止めによるによる二重取り付け機能、または、クリップ止めによる二重取り付け機能を有する。
【0024】
クリップ止め取り付けを可能にするために、1つの延伸部5は、収容構造に設けられたハウジングに嵌合することができるタブ9を有する。
【0025】
タブを有する延伸部5と同じ側面10に設けられた延伸部4は、収容構造の適合部分と協働するフック11を有する。取付けは、タブ9を収容構造の領域に係合させることによりアクチュエータを位置決めし、次いで、フック11が収容構造の適合部分に係合するまで当該タブの下エッジ12に対してタブ9を傾斜させることによって、することによって行われる。
【0026】
横断面13の一つは、接続ケーブルに設けられた雄コネクタを挿入するための中空スリーブ14によって延長されている。
【0027】
カバー2には、出力ホイールを案内するための軸受16が内部に配置される開口部15が設けられている。
【0028】
任意選択的に、ハウジングは、伝達軸の貫通または2つの伝達軸のアクチュエータへの接続を可能にするように対称的に穿孔されていてもよい。
【0029】
出力ホイールは、異なる断面の複数の軸を接続するために、一方の側と他方の側で異なる断面を有することができる。
【0030】
図2は、カバー2が取り外された状態のアクチュエータの上面図を示す。
【0031】
出力ホイール17は、カバー2とシェル1との間を連結する平面に対して垂直な、互いに平行複数の軸に取り付けられた一連の歯車17~21からなるギア列によって駆動される。
【0032】
電気モータの回転子71は、当該ギア列を駆動するホイール21を駆動する。
【0033】
当該回転子の軸は、プリント回路22に設けられた穴を通過する。
【0034】
プリント回路22の上側には電子部品は取り付けられていないため、ウェーブソルダリング処理を単一の機械パスで実行することができる。
【0035】
プリント回路22は、正中面に対して垂直に延びるコネクタピンに接続するための一連のスズメッキされた孔23~26を有する。
【0036】
プリント回路22には、電気コイルの電源スタッドを接続するためのスズメッキされた孔27~31(
図2では6つ目のスズメッキされた孔は歯車20によって隠れている)も設けられている。これらのスタッドは、例えば、プリント回路22の表面に垂直な方向に直立したスタッドの上でプリント回路22を単に前方に押すことによって、プリント回路22のはんだなし電気接続を行うことを可能にする圧入スタッドである。
【0037】
プリント回路22の表面は、固定子32の周囲表面を覆わない。
【0038】
固定子32に外接する円の横断面上への投影は、コネクタと接続するプリント回路22の部分33を除いて、同じ平面上のプリント回路22の投影面を完全に覆う。
【0039】
さらに、プリント回路22は、シェル1のエッジと接触せず、いずれの側にも、シェル1の内法幅の10%を超える幅を有するスペース34、35を維持する。
【0040】
シェル1の側壁38の内面は、第1の内側突起36および第2の内側突起37を有する。
【0041】
第1の内側突起36は、出口ホイール17と中間歯車19との間の利用可能なスペースに配置される。第1の内側突起36は、カバー2に設けられ、
図5で見ることができる円形部60を有する位置決めピンを受け入れるための六角形部を有したキャビティ39を有する。
【0042】
第2の内側突起37は、外側突起が無いシェル1の隅部に配置される。第2の内側突起37は、記載例では、シェル1に対するカバー2の位置決めを容易にするために、側面38に平行な主軸を有する長円形の貫通キャビティ40を有する。
【0043】
この貫通キャビティ40は、
図5に断面形状で見ることができ、カバー2の内面に垂直に延びる回転防止ピン61を受け入れるようになっている。
【0044】
図3は、カバー2及びプリント回路22を取り外した後のアクチュエータの内部を示す図である。
【0045】
固定子32は、放射状に延びる3つの捲回されたポール41~43を有し、積層されたシートの構造によって形成されている。各ポール41~43は、コイルに囲まれた中心歯を有する。
【0046】
それぞれ捲回されたポール41~43の中心軸44~46は、互いに120°の機械的角度を形成する。従って、固定子は、星形分岐を有する放射状三角星形を有する。
【0047】
シェル1は、コネクタ14を出力ホイール17に接続する長手方向軸線Lを有する。この長手方向軸線は、それぞれ長手方向に延びているシェル1の2つの側面に平行である。
【0048】
固定子32は、ポール43の1つがシェル1の長手方向軸線Lに対して約90°の角度を形成するように配向されるように、シェル1内に配置される。この配置は、シェルの幅を減少させ、したがってアクチュエータの全体寸法を減少させ、シェル1の内部スペースの占有率を最適化する。
【0049】
スペース要件への影響は、この角度変化の余弦の影響のために最小であるので、±20°、好ましくは±10°の公差が可能である。最適な90°位置からのわずかな角度オフセットの影響は、側面47に接触する固定子の角に面取り部48を設けることによって、さらに低減することができる。
【0050】
回転子32のこの配置はまた、固定子の2つのポール42、43とシェルの角50との間にスペース49を形成することを可能にする。このスペースは、プリント回路22にはんだ付けされた、典型的には化学的で円筒形のフィルタコンデンサ51を配置することを可能にする。
【0051】
(固定子接地)
図4は、固定子32及びプリント回路22の部分拡大図を示す。
【0052】
固定子32の電気的接地を達成するために、アクチュエータは、固定子ヨークに形成された貫通孔53に挿入された金属バネ52を有する。シェル1の底部は、この孔53に対向する側に段付き又は傾斜した表面を有し、横断面に平行でないばねの下端54を収容するための区域を形成する。この構成は、応力が加えられると、ばねの座屈をもたらし、バネ巻52(spring wound)と孔53の内面との間の機械的接触、したがって電気的接触を強制する。
【0053】
反対側では、バネ52は、グランドに接続されたプリント回路22の導電性トラックと接触する。
【0054】
プリント回路が位置決めされると、プリント回路はバネ52上に位置し、バネ52を圧縮し、したがって、固定子ヨーク22と接地に接続された導電性トラックとの間の良好な電気的および機械的接続を確実にする。
【0055】
【0056】
カバーは、出力ホイール17を位置決めしかつ案内するための軸受16と、歯車軸18~21のそれぞれの端部を位置決めしかつ案内するための軸受62~65とを有する。
【0057】
カバー2はまた、2つの接続ピン60、61を有する。2つの接続ピン60、61は、カバー2がシェル1および機械的要素、特に中間歯車、出力ホイールおよび回転子71の軸に対して正確に位置決めされることを可能にするように、軸受62~65よりも長い長さを有する。その結果、カバー2がシェル1に近づくように移動されると、軸の端部が対応する軸受に容易に係合する。
【0058】
さらに、カバーは、振動に起因するプリント回路22の意図しない動きを制限するために、4つのストッパ66~69を有する。これらのストッパ66~69は、プリント回路22がその公称位置にあるときには、プリント回路22の表面と接触しないが、衝撃または振動の場合には、接続スタッドを係合解除し得る過度な動きを防止する。
【0059】
スタッド70は、同様に、固定子32がその公称位置にあるときには、固定子32と接触することなく、固定子32の変位を制限する。