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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】大デニール不織布繊維ウェブ
(51)【国際特許分類】
   B24D 11/00 20060101AFI20220929BHJP
   B24D 3/00 20060101ALI20220929BHJP
   B24D 3/02 20060101ALI20220929BHJP
   D04H 1/413 20120101ALI20220929BHJP
【FI】
B24D11/00 D
B24D3/00 320A
B24D3/00 330A
B24D3/00 330E
B24D3/00 320B
B24D3/02 310E
B24D3/02 310A
B24D3/00 340
D04H1/413
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019557825
(86)(22)【出願日】2018-04-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 IB2018052774
(87)【国際公開番号】W WO2018198004
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】62/491,619
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/555,870
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】モレン,ルイス エス.
(72)【発明者】
【氏名】メヴィセン,スコット エム.
(72)【発明者】
【氏名】メーシコマー,グレゴリー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ベル,シャウン シー.
(72)【発明者】
【氏名】ストラム,ギャリー ティー.
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-278766(JP,A)
【文献】特表平08-500642(JP,A)
【文献】特表2014-516817(JP,A)
【文献】特表2002-532274(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0092746(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D3/00-99/00
D04H1/00-18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布ウェブであって、
第1の不規則な主面及び反対側の第2の不規則な主面と、
約50デニール~約2000デニールの範囲の線密度及び約15%~約60%の範囲のクリンプ指数値を有する短繊維を含む繊維成分と、
前記繊維成分上に分配されたバインダーと、
前記不織布ウェブを通じて分散した研磨粒子と、を含む、不織布ウェブ
を含み、
前記短繊維が、50デニール~500デニールの範囲の線密度を有する第1の複数の短繊維と、500デニール~2000デニールの範囲の線密度を有する第2の複数の短繊維とを含み、前記第1の不規則な主面及び前記第2の不規則な主面のうちの少なくとも1つが、前記繊維の平面的アグロメレーションを含まない、研磨物品。
【請求項2】
前記繊維成分が、前記研磨物品の約5重量%~約30重量%の範囲である、請求項1に記載の研磨物品。
【請求項3】
前記繊維成分が、前記研磨物品の約10重量%~約25重量%の範囲である、請求項1又は2に記載の研磨物品。
【請求項4】
前記短繊維が、前記繊維成分の約70重量%~約100重量%の範囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨物品。
【請求項5】
前記短繊維が、約35mm~約155mmの範囲の長さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の研磨物品
【請求項6】
前記短繊維のクリンプ指数値が、約20%~約40%の範囲である、請求項1~のいずれか一項に記載の研磨物品。
【請求項7】
前記第1の複数の短繊維のクリンプ指数、及び長さのうちの少なくとも1つが、前記第2の複数の短繊維のクリンプ指数、及び長さとは異なる、
請求項1~のいずれか一項に記載の研磨物品。
【請求項8】
前記繊維が互いに交絡している、請求項1~のいずれか一項に記載の研磨物品。
【請求項9】
前記短繊維が、ランダムに方向付けられ、かつ相互接触点で接着されている、請求項1~のいずれか一項に記載の研磨物品。
【請求項10】
前記複数の研磨粒子が、個々の研磨粒子及び研磨粒子のアグロメレートのうちの少なくとも1つである、請求項1~のいずれか一項に記載の研磨物品
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の研磨物品の製造方法であって、
前記短繊維のウェブを形成することと、
前記ウェブを穿孔することと、
前記研磨粒子及び前記バインダーを、前記穿孔されたウェブに適用することと、
前記バインダーを硬化させて、前記研磨物品を提供することと、を含む、製造方法。
【請求項12】
前記研磨粒子が、前記第1及び第2主面に適用される、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第2の複数の短繊維が、約500デニール~約1000デニールの範囲の線密度を有し、前記研磨粒子が、炭化ケイ素研磨粒子である、請求項1に記載の研磨物品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
不織布研磨物品は、概ね、不織布ウェブ(例えば、嵩高で目の粗い繊維ウェブ)と、研磨粒子と、バインダー剤(通常、「バインダー」と呼ばれる)とを有し、このバインダー剤は、不織布ウェブ内の繊維を互いに結合させて、研磨粒子を不織布ウェブに固定する。物品の研磨能力を向上させ、物品の製造を効率化するために、繊維の特性を変えることができる。
【発明の概要】
【0002】
本開示の様々な実施形態による物品及び方法に関連するいくつかの予想外の利点が存在する。例えば、一部の実施形態によると、比較的小さいデニールの繊維(例えば、200デニール未満)、比較的大きいデニールの繊維(例えば、500デニール超)、又は特定の繊維の長さ及び繊維クリンプを選択せずに50~2000デニールの繊維で作製された不織布ウェブからは、通常のウェブ移送点及びコーティングプロセスに耐えるのに十分な強度を有さないウェブが製造される。一部の実施形態によると、開示された繊維サイズ、長さ、及び/又はクリンプ指数のうちの少なくとも1つを有する不織布ウェブは、スケール除去、塗料剥離、及び錆除去に好適な強靭な研磨ウェブの製造を可能にし得る。一部の例によると、本明細書に記載の長さ、クリンプ指数、及び線密度値を有する繊維は、これらの特徴(dimension)のいずれか1つが異なる繊維と比較して、研磨物品の形成中にウェブ形成機械の繊維詰まりを最小限にすることができる。機械内の詰まりの低減は、研磨物品を調製する際の時間及びコストの節約につながる。
【0003】
本開示は研磨物品を提供する。研磨物品は、不織布ウェブを含む。不織布ウェブは、第1の不規則な主面及び反対側の第2の不規則な主面を含む。不織布ウェブは、約50デニール~約2000デニールの範囲の線密度及び約15%~約60%の範囲のクリンプ指数値を有する短繊維を有する、繊維成分を更に含む。不織布ウェブは、繊維成分上に分配されたバインダーと、不織布ウェブを通じて分散した研磨粒子と、を更に含む。
【0004】
本開示は、研磨物品の製造方法を更に提供する。研磨物品は、不織布ウェブを含む。不織布ウェブは、第1の不規則な主面及び反対側の第2の不規則な主面を含む。不織布ウェブは、約50デニール~約2000デニールの範囲の線密度及び約15%~約60%の範囲のクリンプ指数値を有する短繊維を含む、繊維成分を更に含む。不織布ウェブは、繊維成分上に分配されたバインダーと、不織布ウェブを通じて分散した研磨粒子と、を更に含む。方法は、短繊維のウェブを形成することを含む。方法は、ウェブを穿孔すること及び穿孔されたウェブに研磨粒子を適用することを更に含む。方法は、研磨粒子を含むバインダーを硬化させて研磨物品を提供することを更に含む。
【0005】
本開示は、ワークピースの表面から材料を除去するための方法を更に提供する。方法は、研磨物品をワークピースに接触させることを含む。研磨物品は、不織布ウェブを含む。不織布ウェブは、第1の不規則な主面及び反対側の第2の不規則な主面を含む。不織布ウェブは、約50デニール~約2000デニールの範囲の線密度及び約15%~約60%の範囲のクリンプ指数値を有する短繊維を有する、繊維成分を更に含む。不織布ウェブは、繊維成分上に分配され、当該成分に入っていくバインダーを更に含む。不織布ウェブは、不織布ウェブを通じて均質又は不均質に分散された研磨粒子を更に含む。物品の製造方法は、短繊維のウェブを形成することを含む。方法は、ウェブを穿孔すること及び穿孔されたウェブに研磨粒子を適用することを更に含む。方法は、研磨粒子を含むウェブのバインダーを硬化させて研磨物品を提供することを更に含む。材料を除去する方法は、研磨物品とワークピース表面との間の圧力を維持しながら、研磨物品をワークピースに対して移動させて、そこから材料を除去することを更に含む。
【0006】
本開示は、研磨物品を更に含む。研磨物品は、不織布ウェブを含む。不織布ウェブは、第1の不規則な主面及び反対側の第2の不規則な主面を含む。不織布ウェブは、約50デニール~約600デニールの範囲の線密度を有する第1の短繊維と、約400デニール~約1000デニールの範囲の線密度を有する第2の短繊維とのブレンドを含む繊維成分を含む。不織布ウェブは、繊維成分上に分布した研磨粒子を更に含む。不織布ウェブは、繊維成分上に分布したバインダーを更に含む。
【0007】
一部の実施形態によると、不織布ウェブは、非常に目が粗く、大きなグリットの無機物質を不織布ウェブの厚さ全体に浸透させることができる。好適なグリットサイズの例は、約16グリット~約80グリット、約20グリット~約70グリット、約16グリット、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、又は80グリットの値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい範囲であり得る。一部の実施形態によると、線密度、長さ、及び/又はクリンプ指数のうちの少なくとも1つが異なる繊維で形成された不織布ウェブは、加工中に著しく又は完全に分解する又は製造中にもつれる可能性があり、その結果、装置内での繊維の交絡又は詰まりによる製造機器の停止を招き得る。一部の実施形態によると、研磨物品は、使用中に材料の詰まりを実質的に防止することができる、ある度合の多孔率を有する。
【0008】
一部の実施形態によると、研磨物品は、物品に高い引裂強度値を付与し、それにより物品の耐久性を向上させる、伸長性(tensilized)ナイロン繊維を含むことができる。一部の実施形態によると、繊維のクリンプ指数は、研磨物品に嵩高い構造を与える。
【0009】
一部の実施形態によると、研磨物品は、製造過程において硬化中に不可逆的に圧縮されない。この結果、研磨物品の互いに反対側にある(例えば、最大の)主面が、不規則又は実質的に非平面状の外形を有し得る。一部の実施形態によると、これは、研磨物品とワークピースとの間の接触面積を増大させ得る。これが可能なのは、当該研磨物品は、実質的に同じ寸法を有するが製造中に不可逆的に圧縮されている対応する研磨物品とは対照的に、可逆的に圧縮されることで、作業面と接触したときに面積が拡大できるからである。更に、一部の実施形態によると、バインダーの硬化中又は硬化後に研磨物品を不可逆的に圧縮しないことにより、主面は、圧縮中の繊維の融合によって形成される繊維の平面的アグロメレーションを実質的に含まない。これらの平面的アグロメレーションを実質的に含まないことにより、非アグロメレーション繊維上の無機物質露出を増加させることができ、その結果、物品の性能を向上させることができる。一部の実施形態によると、主面の不規則な外形は、平坦表面を有する対応する研磨物品と比較して、それらの表面の表面粗さを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、例示的ではあるが限定的ではなく、本明細書で論じられる様々な実施形態を全般的に示す。
図1】研磨物品の斜視図である。
図2】切断線2-2に沿った図1の研磨物品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、開示された主題のいくつかの実施形態について細部にわたって言及する。実施形態の諸例は部分的に添付の図面に示されている。開示されている主題は、列挙された請求項に関連して記述されるが、例示されている主題は、これらの請求項を開示されている主題に限定することを意図しないことが理解される。
【0012】
この文書全体にわたって、範囲の形式で表される値は、その範囲の限界として明示的に記載されている数値を含むだけでなく、その範囲内に含まれる全ての個々の数値又は部分範囲も、各数値範囲及び部分範囲が明示的に記載されている場合と同様に含むように、柔軟に解釈すべきである。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」という範囲は、約0.1%~約5%だけでなく、示された範囲内の各値(例えば、1%、2%、3%、及び4%)及び部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈すべきである。「約X~Y」という記述は、特に断りのない限り、「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、又は約Z」という記述は、特に断りのない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味を有する。
【0013】
本文書において、「1つの(a)」、「1つの(an)」、又は「その(the)」という用語は、文脈上明確な別段の指示がない限り、1つ以上を含めるために使用される。「又は」という用語は、特に断りのない限り非排他的な(nonexclusive)「又は」を指すために使用される。「A及びBのうちの少なくとも1つ」という記述は、「A、B、又はA及びB」と同じ意味を有する。加えて、本明細書で用いられている特に定義されていない表現又は用語は、説明のみを目的としており、限定するためではないと理解されるべきである。節の見出しの使用はいずれも、本文書の読み取りを補助することを意図しており、限定と解釈すべきではなく、節の見出しに関連する情報は、その特定の節の中又は外に存在し得る。
【0014】
本明細書に記載の方法において、行為は、時間的又は操作上の順序が明示的に記載されている場合を除いて、本開示の原理を逸脱することなく任意の順序で行うことができる。更に、特定の行為が別個に行われることが請求項で明示的に記載されていない限り、それらの行為は同時に行うことができる。例えば、Xするという特許請求されている行為及びYするという特許請求されている行為は、単一の操作で同時に行うことができ、結果として生じるプロセスは特許請求されているプロセスの文言上の範囲内に入る。
【0015】
本明細書で使用される「約」という用語は、値又は範囲のある程度の変動性、例えば、記述されている値の又は記述されている範囲の限界の10%以内、5%以内、又は1%以内を許容することができ、かつ正確な記述されている値又は範囲を含む。
【0016】
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、若しくは少なくとも約99.999%以上等の大部分若しくはほとんど又は100%を指す。
【0017】
本明細書で使用するとき、「形成研磨粒子」は、所定の形状又は非ランダムな形状を有する研磨粒子を意味する。形成セラミック研磨粒子などの形成研磨粒子を作製するための1つのプロセスは、前駆体セラミック研磨粒子を、所定の形状を有する成形型内で成形して、セラミック成形研磨粒子を作製することを含む。成形型内で形成されたセラミック成形研磨粒子は、形成セラミック研磨粒子の属内の1つの種である。他の種の形成セラミック研磨粒子を作製するための他のプロセスとしては、所定の形状を有するオリフィスから前駆体セラミック研磨粒子を押し出すこと、所定の形状を有する印刷スクリーンの開口部を通して前駆体セラミック研磨粒子を印刷すること、又は前駆体セラミック研磨粒子を所定の形状若しくはパターンにエンボス加工することが挙げられる。他の例では、形成セラミック研磨粒子は、シートから個々の粒子へと切断することができる。好適な切断方法の例としては、機械的切断、レーザー切断、又はウォータージェット切断が挙げられる。形成セラミック研磨粒子の非限定的な例としては、三角形のプレート、又は細長いセラミックロッド/フィラメントなどの成形研磨粒子が挙げられる。形成セラミック研磨粒子は、概ね均質又は実質的に均一であり、より小さい研磨粒子を結合してアグロメレーション構造にし、ランダムなサイズ及び形状の研磨粒子を作製する粉砕又は破砕プロセスによって得られる研磨粒子を除外する有機バインダー又は無機バインダーなどのバインダーを使用することなく、その焼結形状を維持する。多くの実施形態において、形成セラミック研磨粒子は、焼結αアルミナの均質構造を有するか、又は焼結αアルミナから本質的になる。
【0018】
図1は、研磨物品10の斜視図である。図2は、切断線2-2に沿った図1の研磨物品の断面図である。図1及び図2は、実質的に同じ成分を示しており、同時に説明される。図1及び図2に示すように、研磨物品は不織布ウェブ12を含む。不織布ウェブは、第1主面14及び反対側の第2主面16を含む。第1主面及び第2主面の各々は、不規則又は実質的に非平面状のプロファイルを有する。不織布ウェブは、繊維成分18を含み、繊維成分は個々の繊維20を含む。研磨粒子22は、不織布ウェブを通じて分散され、バインダー24は研磨粒子を個々の繊維に接着する。
【0019】
限定するものではないが、繊維成分は、研磨物品の約5重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%、約10重量%~約20重量%、約12重量%~約15重量%、約5重量%、10、15、20、25、又は30重量%の値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい範囲であり得る。繊維成分は、互いに対してランダムな方向を向き、交絡した複数の個々の繊維を含むことができる。個々の繊維は、相互接触点で互いに結合される。個々の繊維は、短繊維又は連続繊維であり得る。概ね理解されるように、「短繊維」は、個別の長さの繊維を指し、「連続繊維」は、合成フィラメントであり得る繊維を指す。個々の繊維は、繊維成分の約70重量%~約100重量%、約80重量%~約90重量%、繊維成分の約70重量%、75、80、85、90、95、又は100重量%未満の値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい範囲であり得る。
【0020】
個々の短繊維は、約35mm~155mm、50mm~約105mm、約70mm~約80mm、約35mm、40、45、50、55、60、65、70、75、76、80、85、90、95、100、102、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、又は155mm未満の値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい範囲の長さを有することができる。個々の短繊維のクリンプ指数値は、約15%~約60%、約20%~約50%、約15%、20、25、30、35、40、45、50、55、又は60%の値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい範囲であり得る。クリンプ指数は、生成したクリンプの尺度であり、例えば、感知可能なクリンプが繊維内に誘発される前のものである。クリンプ指数は、伸びた繊維の長さから、弛緩(例えば、短縮)した繊維の長さを引いた長さの差を、伸びた繊維の長さで除算したものとして表される。短繊維は、約50デニール~約2000デニール、約50デニール~約700デニール、約50デニール~約600デニール、約200デニール、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000デニールの値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい範囲の繊度又は線密度を有し得る。
【0021】
一部の例では、繊維成分は、短繊維のブレンドを含むことができる。例えば、繊維成分は、第1の複数の個々の繊維及び第2の複数の個々の短繊維を含み得る。ブレンドの第1及び第2の複数の短繊維は、線密度値、クリンプ指数、又は長さのうちの少なくとも1つに関して異なり得る。例えば、第1の複数の個々の繊維の個々の短繊維の線密度は、約20デニール~約120デニール、約40デニール~約100デニール、又は約50~約90の範囲であり得る。第2の複数の個々の繊維の個々の短繊維の線密度は、約300デニール~約2000デニール、約400デニール~約1000デニール、又は約400デニール~約600デニールの範囲であり得る。異なる線密度を有する個々の短繊維のブレンドもまた、例えば、使用時に所望の表面仕上がりをもたらす研磨物品を提供するために、有用となり得る。個々の繊維のうちのいずれかの長さ又はクリンプ指数は、本明細書に記載される値に従い得る。
【0022】
個々の短繊維のブレンドを含む研磨物品の例では、第1及び第2の複数の個々の短繊維は、繊維成分のうちの異なる部分を占め得る。例えば、第1の複数の個々の繊維は、繊維成分の約5重量%~約80重量%、約5重量%~約40重量%、20重量%、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は80重量%の値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい範囲であり得る。第2の複数の個々の繊維は、繊維成分の約40重量%~約95重量%、約60重量%~約95重量%、約20重量%、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は80重量%未満の値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい範囲であり得る。2種の複数の個々の短繊維が本明細書で論じられるが、線密度値、クリンプ指数、及び/又は第1及び第2の複数の個々の繊維の長さのうちの少なくとも1つに関して異なる、第3の複数の個々の短繊維などの、追加の複数の個々の短繊維を含むことは、本開示の範囲内である。
【0023】
不織布ウェブの繊維は、多くの好適な材料を含むことができる。材料の選択に影響する要因としては、材料が接着バインダー及び研磨粒子と好適に適合すると同時に、研磨物品の他の成分と組み合わせて加工可能でもあるか否か、及び材料がバインダーの適用及び硬化中に用いられる加工条件(例えば、温度)に耐えられること、が挙げられる。繊維の材料は、例えば、可撓性、弾性、耐久性又は耐用寿命、磨耗性、及び仕上がり特性等の研磨物品の特性に作用するように選択することもできる。好適であり得る繊維の例としては、天然繊維、合成繊維、並びに天然繊維及び/又は合成繊維の混合物が挙げられる。合成繊維の例としては、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ナイロン(例えば、ナイロン-6,6、ポリカプロラクタム)、ポリプロピレン、アクリロニトリル(例えば、アクリル)、レーヨン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン-塩化ビニルコポリマー、及び塩化ビニル-アクリロニトリルコポリマーから製造されるものが挙げられる。好適な天然繊維の例としては、綿、羊毛、黄麻、及び麻布が挙げられる。繊維は、未使用材料によるものであっても、又は例えば衣類裁断、カーペット製造、繊維製造若しくは繊維品加工から再生されたリサイクル材料若しくは屑材料によるものであってもよい。繊維は、均質であってもよく、又は2成分繊維(例えば、共紡糸芯鞘型繊維)等の複合体であってもよい。繊維は、伸長され、クリンプされた短繊維であり得る。
【0024】
一部の例では、個々の繊維は、非円形の断面形状を有することができ、又は円形又は非円形の断面形状(例えば、三角形、デルタ、H字形、三葉形、矩形、正方形、ドッグボーン形、リボン形、又は楕円形)を有する個々の繊維のブレンドであることができる。
【0025】
研磨物品は、個々の繊維に接着された研磨成分を含む。研磨粒子は、研磨物品の約5重量%~約70重量%、約40重量%~約60重量%、約5重量%、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、若しくは70重量%未満の値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい範囲であり得る。研磨成分は、個々の研磨粒子を含むことができる。
【0026】
研磨物品に含まれ得る有用な研磨粒子には、形成セラミック研磨粒子(形成セラミック研磨粒子を含む)及び従来の研磨粒子などの多くの種類が存在する。研磨成分は、形成研磨粒子又は従来の研磨粒子のみを含んでもよい。研磨成分は、形成研磨粒子又は従来の研磨粒子のブレンドも含むことができる。例えば、研磨成分は、約5重量%~約95重量%の形成研磨粒子、約10重量%~約50重量%の形成研磨粒子、約5重量%、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95重量%の値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい、形成研磨粒子と、残部である従来の研磨粒子とのブレンドを含むことができる。別の例として、研磨成分は、約5重量%~約95重量%の従来の研磨粒子、約30重量%~約70重量%の従来の研磨粒子、約5重量%、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95重量%の値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい、従来の研磨粒子と、残部である形成研磨粒子とのブレンドを含むことができる。
【0027】
研磨粒子は、個々の研磨粒子(例えば、バインダーでまとめられないで、繊維に適用された粒子)として、又はアグロメレート(例えば、バインダーでまとめられて、繊維に適用された粒子)として繊維に適用することができる。
【0028】
形成研磨粒子又は成形研磨粒子は、例えば、正三角形のポリプロピレン成形型のキャビティからアルミナゾルゲルを成形することによって、調製することができる。乾燥及び焼成後、このような得られる成形研磨粒子は、約100μm~約2500μm、約100μm~約1400μm、約300μm~約1400μm、約100μm、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、又は2400μmの値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい、長い寸法を有する三角形の形状を有し得る。
【0029】
一部の例では、三角形の成形研磨粒子は、第1面と、側壁によって第1面に接続された反対側の第2面とを含み、各面の外辺部は三角形(例えば、正三角形)である。一部の実施形態では、側壁は、両面に対して90度の角度を有するのではなく、第2面と傾斜側壁との間に約95度~約130度の抜け勾配を有する傾斜側壁であり、これは、三角形の成形研磨粒子の切削速度をより高めることが明らかにされている。
【0030】
研磨物品はまた、従来の(例えば、粉砕された)研磨粒子を含むことができる。有用な従来の研磨粒子の例としては、研磨材分野において公知である任意の研磨粒子が挙げられる。有用な研磨粒子の例としては、酸化アルミニウム、セラミック酸化アルミニウム(1種以上の金属酸化物変性剤及び/又は種剤若しくは核形成剤を含み得る)、及び熱処理酸化アルミニウムなどの溶融酸化アルミニウム系材料、炭化ケイ素、共溶融アルミナ-ジルコニア、ダイヤモンド、セリア、二ホウ化チタン、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、ガーネット、フリント、エメリー、ゾルゲル誘導研磨粒子、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0031】
従来の研磨粒子は、例えば、約10μm~約2000μm、約20μm~約1300μm、約50μm~約1000μm、約10μm、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、又は2000μmの値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きい範囲の平均粒径を有し得る。例えば、従来の研磨粒子は、研磨材業界が仕様を定めた名目上の等級を有し得る。かかる研磨材業界に認められた等級分け規格としては、アメリカ規格協会(ANSI)規格、欧州砥粒製造協会(FEPA)規格、及び日本工業規格(HS)規格として知られているものが挙げられる。例示的なANSI等級表記(すなわち、規定された名目上の等級)としては、ANSI 12(1842μm)、ANSI 16(1320μm)、ANSI 20(905μm)、ANSI 24(728μm)、ANSI 36(530μm)、ANSI 40(420μm)、ANSI 50(351μm)、ANSI 60(264μm)、ANSI 80(195μm)、ANSI 100(141μm)、ANSI 120(116μm)、ANSI 150(93μm)、ANSI 180(78μm)、ANSI 220(66μm)、ANSI 240(53μm)、ANSI 280(44μm)、ANSI 320(46μm)、ANSI 360(30μm)、ANSI 400(24μm)、及びANSI 600(16μm)が挙げられる。例示的なFEPA等級表記としては、P12(1746μm)、P16(1320μm)、P20(984μm)、P24(728μm)、P30(630μm)、P36(530μm)、P40(420μm)、P50(326μm)、P60(264μm)、P80(195μm)、P100(156μm)、P120(127μm)、P120(127μm)、P150(97μm)、P180(78μm)、P220(66μm)、P240(60μm)、P280(53μm)、P320(46μm)、P360(41μm)、P400(36μm)、P500(30μm)、P600(26μm)、及びP800(22μm)が挙げられる。各等級(reach grade)のおおよその平均粒径は、それぞれの等級表記に続いて括弧内に列挙されている。
【0032】
充填剤粒子もまた、研磨成分に含まれてもよい。有用な充填剤の例としては、金属炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸カルシウムマグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウムなど)、シリカ(石英、ガラスビーズ、グラスバブルズ及びガラスファイバーなど)、ケイ酸塩(タルク、粘土、モンモリロナイト、長石、雲母、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムなど)、金属硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウムなど)、石膏、バーミキュライト、糖、木粉、アルミニウム三水和物、カーボンブラック、金属酸化物(例えば、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化スズ、二酸化チタンなど)、金属亜硫酸塩(亜硫酸カルシウムなど)、熱可塑性粒子(ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリスルホン、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、ポリプロピレン、アセタールポリマー、ポリウレタン、ナイロン粒子など)及び熱硬化性粒子(フェノールバブル、フェノールビーズ、ポリウレタンフォーム粒子など)が挙げられる。充填剤はまた、ハロゲン化物塩などの塩であってもよい。ハロゲン化物塩の例としては、塩化ナトリウム、カリウム氷晶石、ナトリウム氷晶石、アンモニウム氷晶石、テトラフルオロホウ酸カリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、フッ化ケイ素、塩化カリウム、塩化マグネシウムが挙げられる。金属充填剤の例としては、スズ、鉛、ビスマス、コバルト、アンチモン、カドミウム、鉄、及びチタンが挙げられる。他の各種充填剤としては、イオウ、有機イオウ化合物、黒鉛、リチウムステアレート及び金属硫化物が挙げられる。
【0033】
研磨物品は、不織布ウェブを形成し、接着剤を繊維に適用することによって製造することができる。メイクコートを不織布ウェブに適用することができる。不織布ウェブは、圧延して、ウェブから突出する少なくともいくつかの繊維を実質的に平坦に敷くことができる。研磨粒子をメイクコートに適用して、不織布研磨ウェブを形成することができる。メイクコートを硬化させ、サイズコートをメイクコート上に適用し、その後硬化させて研磨物品を形成する。
【0034】
不織布ウェブは、例えば、従来のエアレイド、カード、ステッチボンド、スパンボンド、ウェットレイド、及び/又はメルトブローン法により製造することができる。エアレイド不織布ウェブは、例えば、Rando Machine Company(Macedon,N.Y.)から市販されている商品名「RANDO WEBBER」として入手可能なウェブ形成機械を用いて調製することができる。ウェブはまた、穿孔されてもよい。一部の例では、ウェブを穿孔することは、ウェブをニードルパンチすることを含み得る。
【0035】
不織布研磨ウェブは、硬化性の第2のバインダーで研磨粒子を不織布ウェブに接着することによって調製される。研磨粒子を不織布ウェブに接着するのに有用なバインダーは、最終製品の要件に従って選択することができる。バインダーの例としては、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アクリレート樹脂、及びフェノール樹脂とアクリレート樹脂とのブレンドを含むものが挙げられる。研磨粒子のコーティング重量は、例えば、使用した特定のバインダー、研磨粒子を適用するプロセス(例えば、ドロップコーティング)、及び研磨粒子のサイズに依存し得る。例えば、不織布ウェブ上の研磨粒子のコーティング重量は、100グラム/平方メートル(g/m)~約5000g/m、約1500g/m~約5000g/m約2000g/m~約4000g/m、約100g/m、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、又は5000g/mの値について、これ未満、これと同じ、又はこれより大きくてもよい。研磨粒子は、不織布ウェブの第1主面及び第2主面のいずれか又は両方にコーティングされ得る。研磨粒子は、ウェブを通じて研磨粒子の実質的に均一な分布を達成するようにコーティングすることができる。
【0036】
いくつかの研磨物品は、バインダーの硬化中に、少なくとも1つのプレート(例えば、金属プレート)をウェブに押し付けることによって形成される。圧縮の尺度は、圧縮比の形態であり得る。圧縮比は、1-(d(圧縮)/d(非圧縮))の結果で、百分率で表され、式中、d(圧縮)及びd(非圧縮)は、圧縮された又は圧縮されていない研磨物品の厚さ又は密度(g/cm)を表す。本開示の研磨不織布ウェブは、バインダーの硬化中又は硬化後に、ウェブに対してプレートを押し付けることによって圧縮されないか、又は少なくとも研磨不織布ウェブに付与される任意の圧縮比が10%を超えない。
【0037】
バインダーの硬化中又は硬化後の研磨不織布の圧縮は、非圧縮状態と比較して厚みが低下した研磨物品をもたらし得る。これは、実質的に平面的な(例えば、平坦な)プロファイルを有する研磨物品の外面も生じ得る。更に、圧縮は、外面に形成されている繊維の複数の平面的アグロメレーションをもたらし得る。繊維の平面的アグロメレーションは、結合する複数の繊維が一緒に融合され、圧縮されて、平面的アグロメレートを形成する、繊維間の会合である。
【0038】
これは、物品がバインダーの硬化中又は硬化後に圧縮されない本開示の非圧縮不織布ウェブの繊維間では、個々の接触点がより分離しているのとは異なる。繊維が一緒に融合されて平面的アグロメレートを形成する場合、繊維のアグロメレーション部分は、ワークピースの表面を研磨するために利用できない。加えて、これらの平面的アグロメレーションは、研磨された材料が研磨物品に入るのを困難にする可能性があり、これにより、物品上により多くの研磨製品が配置され、繊維の一部がワークピースの表面と接触するのを潜在的に防止することができる。加えて、これらの平面的アグロメレート及び平面的の表面の実質的な欠如は、圧縮研磨物品と比較して、本開示の研磨物品の表面粗さ及び研磨部分露出を増大させる。加えて、バインダーの硬化中又は硬化後の圧縮は、研磨物品が圧縮前の厚さに逆戻りするのを実質的に防止することができる。本開示の物品は、可逆的に圧縮可能であり、それにより、作業面と接触したときに拡大することができ、したがって、バインダーの硬化中又は硬化後に圧縮される対応する物品よりも大きな表面積を有する。これらの特性の全ては、バインダーの硬化中又は硬化後に圧縮された対応する研磨物品よりも高い切削を有する、本開示の研磨物品をもたらすことができる。
【0039】
研磨物品は、ワークピースの表面から材料を除去するために使用することができる。これは、研磨物品の表面をワークピースに接触させることによって達成することができる。ワークピースは、例えば、約1ニュートン~約40ニュートンの範囲の力で接触させることができる。次いで、研磨物品を、研磨物品とワークピース表面との間の圧力を維持しながら、ワークピースに対して移動(例えば、回転)し得る。研磨物品は多くの好適な形状を有することができるが、好適な形状の例はディスクである。研磨物品は、多くの異なる種類の材料を除去するように適応され得る。このような材料の例としては、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、又はワークピースのポリマー表面コーティングなどのポリマー材料が挙げられる。
【実施例
【0040】
本開示の目的及び利点を以下の非限定的な実施例で更に例示する。ただし、これらの実施例において列挙される特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限すると解釈されるべきではない。
【0041】
実施例の記載にあたり以下の略語を用いる。
℃:摂氏温度
cm:センチメートル
g/m:グラム/平方メートル
インチ:1インチ=2.54センチメートル
mm:ミリメートル
【0042】
別段の記載がない限り、全ての試薬は、Sigma-Aldrich Company(St.Louis,Missouri)などの化学ベンダから得られたか、入手可能であるか、公知の方法で合成することができる。特記がない限り、全ての比及び百分率は重量による。
【0043】
以下の実施例では、材料は以下のように称される。
【表1】
【0044】
実施例1
40%のF1と60%のF2とのブレンドを有する嵩高なランダムエアレイドウェブを、約695g/mの重量で、Rando Machine Company(Macedon,New York)から商品名「RANDO WEBBER」で市販されている装置を使用して形成した。ウェブを更に、ニードル織機内でニードルパンチし、圧延し、表1に記載の組成を有するプレボンドコーティングをエアレイド加工した布地に適用して、乾燥アドオン重量251g/mを得た。次いで、プレボンドをオーブン内で硬化させた。表1に記載の組成を有するメイクコート前駆体を、プレボンドエアレイドウェブに649g/mの乾燥アドオン重量で適用した。研磨粒子MIN1を、未硬化メイクコート前駆体に、メイクコーティングされたウェブの両側のアドオン重量1435g/mで、粒子ドロッパーを介して適用した。次いで、研磨コーティングされたウェブをオーブン内で硬化させた。表1に示す組成のサイズコート前駆体を、研磨コーティングされたウェブに適用して、732g/mの乾燥サイズコートアドオン重量をもたらし、サイズコート前駆体をオーブン内で最終硬化に供した。
【表2】
【0045】
実施例2
40%のF1と60%のF2とのブレンドを有する嵩高なランダムエアレイドウェブを、約695g/mの重量で、「RANDO WEBBER」装置を使用して形成した。ウェブを更に、ニードル織機内でニードルパンチし、圧延し、表1に記載の組成を有するプレボンドコーティングをエアレイド加工した布地に適用して、251g/mの乾燥アドオン重量を得た。次いで、プレボンドをオーブン内で硬化させた。表1に記載の組成を有するメイクコート前駆体を、プレボンドエアレイドウェブに645g/mの乾燥アドオン重量で適用した。25%のMIN1、50%のMIN2及び25%のMIN3からなる研磨粒子を、未硬化メイクコート前駆体に、メイクコーティングされたウェブの両側のアドオン重量1812g/mで、粒子ドロッパーを介して、適用した。次いで、研磨コーティングされたウェブをオーブン内で硬化させた。表1に示す組成のサイズコート前駆体を研磨コーティングされたウェブに適用して、879g/mの乾燥サイズコートアドオン重量をもたらし、サイズコート前駆体をオーブン内で最終硬化に供した。
【0046】
比較例A
比較例Aは、Minnesota Mining and Manufacturing Company(St.Paul,Minnesota)から入手可能な商品名「SCOTCH-BRITE CLEAN AND STRIP DISC」の市販の不織布洗浄及びストリッピング材料であった。この製品は、機能研磨材として炭化ケイ素を含有する。
【0047】
比較例B
比較例Bは、Saint-Gobain Norton Abrasives(Worchester,Massachusetts)から入手可能な商品名「NORTON BLAZE RAPID STRIP DISC XCRS SG」を有する市販の不織布洗浄及びストリッピング材料であった。この製品は、機能研磨材としてセラミック無機物質を含有する。
【0048】
縁部の切削及び摩耗に関する試験手順:
ワークピースとして作用する、0.25インチ(6.35mm)の中心上に千鳥状に0.187インチ(4.75mm)円形穿孔を有する、予め秤量した4インチ(10.16cm)×11インチ(27.94cm)の304ステンレス鋼製16ゲージスクリーンを、可動台に取り付けた。22.2ニュートン(5ポンド力)の力でディスクが試験片に接触するように、可動台を、203mm(8インチ)の回転試験ディスクに対して水平に移動させた。可動台を、152mm(6インチ)のストローク長さ及び76mm(3.0インチ)/秒のストローク速度で、接線方向に上下に振動させた。回転試験ディスクとスクリーンワークピースとの間の接触を10秒間維持し、その後接触を10秒間外した。このシーケンスを試験シーケンス中に12回繰り返し、その後、ディスク試験片及びワークピースの重量損失を決定した。ディスクとワークピースとの間の合計接触時間が10分となるように、試験シーケンスを6回繰り返した。8インチディスクの外縁で2500rpm(又は5230表面フィート/分)の試験速度を生成するように、機械駆動式の可変速旋盤のアーバーを調整した。直径約203mm(8インチ)、中央孔31.75mm(1.25インチ)、厚さ16.5mm(0.650インチ)のディスク1枚を、アーバー上に取り付けた。ディスクの重量損失の合計を計算し、元のディスク重量で除算して、磨耗率として報告した。スクリーンの重量損失の合計を計算し、切削として報告した。
【0049】
実施例1、2及び比較例A、Bを試験した。結果を表2に示す。
【0050】
面部の切削及び摩耗に関する試験手順:
試験対象の直径4.5インチ(11.43cm)の不織布研磨ディスクを、15インチ×21インチ×1インチ(381mm×356mm×25.4mm)のフェノールパネルが固定されたX-Yテーブル上に配置された電動回転工具に取り付けた。フェノールパネルは、商品名「XXC-1-S」でPlastics International(Eden Prairie,Minnesota)から入手した。工具を、パネルの長さに沿ってY方向に14インチ/秒(355.6mm/秒)の速度で横断し、パネルの幅に沿って5インチ/秒(127mm/秒)の速度で横断するように設定した。合計4サイクルで、各サイクルにおいてパネルの長さに沿ったこうした14回の通過を完了した。回転工具を作動させ、荷重なしで10000rpmで回転させた。次いで、研磨物品を、パネルに対して5度の角度で、6ポンド(2.73キログラム)の荷重で押し付けた。次いで、工具を作動させて、所定の経路を通って移動させた。パネルの質量を各サイクルの前後で測定して、各サイクル後のグラム単位の合計質量損失、並びに4サイクルの終わりの累積質量損失を求め、切削として報告した。摩耗を判定するために、試験(4サイクル)の完了の前後でディスクを秤量した。
【0051】
実施例1、2及び比較例A、Bを試験した。結果を表2に列挙する。
【表3】
【0052】
表2は、3インチ(6.93cm)の円形ディスクに10ポンド及び100ポンドの力を適用したときの研磨材のたわみの測定値、ステンレス鋼スクリーン上の製品縁部上の対応する切削及び摩耗、並びに製品面上のリネンフェノール上での切削及び摩耗を示す。実施例1は、炭化ケイ素含有サンプルであり、比較例Aと比較して、高いたわみ、低い摩耗率を示し、縁部の切削速度は低いが、面上の切削速度は高かった。同様に、実施例2は、酸化アルミニウム含有サンプルであり、比較例Bと比較して、高いたわみ、縁部で同程度の切削速度を示し、面上では磨耗率は低いが切削速度は高かった。
【0053】
この方法により炭化ケイ素無機物質を用いて調製した実施例1は、比較例(全て炭化ケイ素無機物質を含有する)と比較して、高度の柔軟性(conformability)及び目の粗い多孔質表面を呈した。この目の粗い非平面状の表面は、繊維及び多孔質表面に沿って新たな無機物質の露出をもたらし、使用中に不織布研磨材への切屑の負荷を防止する。比較例A及び実施例1は、縁部で同様の性能を有し、実施例1は、目の粗い非平面状の表面を有する研磨表面で優れた性能を提供した。
【0054】
研磨無機物質ブレンドを用いてこの方法によって調製された実施例2は、セラミック無機物質を含有する比較例と比較して、高度の柔軟性及び目の粗い多孔質表面を呈した。この目の粗い非平面状の表面は、繊維及び多孔質表面に沿って新たな鉱物の露出をもたらし、使用中に不織布研磨剤への切屑の負荷を防止する。比較例B及び実施例2は、縁部で同様の性能を有し、実施例2は、目の粗い非平面状の表面を有する研磨材面で優れた性能を提供した。
【0055】
実施例3:ウェブ強度に対する繊維の長さの影響
幅18インチ、605g/mの不織布ウェブを、表3に示す繊維の長さの60%のF1と40%のF2ナイロン短繊維とのブレンドから、「RANDO WEBBER」エアレイ加工機を使用して、5フィート(1.52メートル)/分で調製した。プロセス設定を通常の動作パラメータ内で変更して、不織布ウェブを作製した。ウェブを搬送ベルトの縁部上に通過させ、ウェブの懸垂重量を、表3に指定された条件の破断点で記録した。
【0056】
1インチ当たりのクリンプを、ASTM D3937-12「Crimp Frequency of Manufactured Staple Fibers」に従って測定した。クリンプ指数は、伸びた繊維の長さから弛緩した繊維の長さを引いた差を、伸びた繊維の長さで除算したものとして報告され、表3に百分率として表される。ASTM D5103-07「Length and Length Distribution of Manufactured Staple Fibers」を使用して、伸びた繊維の長さを決定した。弛緩した長さは、弛緩した繊維状態の繊維端間の最長距離として測定した。
【表4】
【0057】
3インチの繊維から作製されたウェブは、2インチの繊維から作製されたウェブよりも著しく高い破断重量強度を示した。ウェブ強度のこの増加は、より長い繊維が不織布ウェブ中でより多くの絡み合いをもたらし、ウェブ強度の増加をもたらすことから生じた。後続のプロセスに必要なのは、ロール、ベルト間の間隙を移動し、不織布コーティングプロセスで使用される典型的なロールコータを通過するのに十分なウェブ強度である。約1000グラム未満のウェブ強度で作製された不織布ウェブは、後続の加工中に伸長し、ばらばらになることが確認された。クリンプ指数の重要性は、48~58%のクリンプ指数を有する、長さ3インチの繊維を加工する試みにおいて確認された。このクリンプレベルでは、繊維の絡み合いの程度は、「RANDO WEBBER」機を通した繊維の供給を妨げ、設備の目詰まり及び予期せぬ停止をもたらした。結果として、更なる不織布研磨加工に十分な強度のウェブは、機械停止を防止するために、2インチ超及び約4インチ未満の繊維の長さ及び約20~40%のクリンプ指数を必要とすることが確認された。
【0058】
用いた用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用したものであり、そのような用語及び表現を使用する際、図示及び記載する特徴又はその一部分の均等物を除外する意図はなく、本開示の実施形態の範囲内で様々な修正形態が可能であることが理解される。したがって、特定の実施形態及び任意選択の特徴によって、本開示を具体的に開示したが、本明細書に開示する概念の修正形態及び変形形態を、当業者であれば用いることができ、そのような修正形態及び変形形態は、本開示の実施形態の範囲内であると見なされることが理解されるべきである。
【0059】
追加の実施形態
以下の例示的な実施形態を示すが、その番号付けは重要度を示すものと解釈されるものではない。
【0060】
実施形態1は、
不織布ウェブであって、
第1の不規則な主面及び反対側の第2の不規則な主面と、
約50デニール~約2000デニールの範囲の線密度及び約15%~約60%の範囲のクリンプ指数値を有する短繊維を含む繊維成分と、
繊維成分上に分配されたバインダーと、
不織布ウェブを通じて分散された研磨粒子と、を含む、不織布ウェブ
を含む、研磨物品を提供する。
【0061】
実施形態2は、繊維成分が、研磨物品の約5重量%~約30重量%の範囲である、実施形態1の研磨物品を提供する。
【0062】
実施形態3は、繊維成分が、研磨物品の約10重量%~約25重量%の範囲である、実施形態1又は2による研磨物品を提供する。
【0063】
実施形態4は、短繊維が、繊維成分の約70重量%~約100重量%の範囲である、実施形態1~3のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0064】
実施形態5は、短繊維が、繊維成分の約90重量%~約100重量%の範囲である、実施形態1~4のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0065】
実施形態6は、短繊維が、約35mm~約155mmの範囲の長さを有する、実施形態1~5のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0066】
実施形態7は、短繊維が、約70mm~約80mmの長さを有する、実施形態1~6のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0067】
実施形態8は、短繊維が、約50デニール~約600デニールの範囲の線密度を有する、実施形態1~7のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0068】
実施形態9は、短繊維が、約400デニール~約1000デニールの範囲の線密度を有する、実施形態1~8のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0069】
実施形態10は、短繊維のクリンプ指数値が約20%~約40%の範囲である、実施形態1~9のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0070】
実施形態11は、繊維成分が、
第1の複数の短繊維と、
第2の複数の短繊維と、を含み、
第1の複数の短繊維の線密度、クリンプ指数、及び長さのうちの少なくとも1つが、第2の複数の短繊維の線密度、クリンプ指数、及び長さとは異なる、
実施形態1~10のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0071】
実施形態12は、第1の複数の短繊維が、繊維成分の約5重量%~約80重量%の範囲である、実施形態11に記載の研磨物品を提供する。
【0072】
実施形態13は、第2の複数の短繊維が、繊維成分の約20重量%~約95重量%の範囲である、実施形態11の研磨物品を提供する。
【0073】
実施形態14は、第1の複数の短繊維の線密度が、約50デニール~約500デニールの範囲である、実施形態11に記載の研磨物品を提供する。
【0074】
実施形態15は、第2の複数の短繊維の線密度が、約500デニール~約2000デニールの範囲である、実施形態11に記載の研磨物品を提供する。
【0075】
実施形態16は、第1の複数の短繊維の線密度の、第2の複数の短繊維の線密度に対する比が、約1:2未満である、実施形態11に記載の研磨物品を提供する。
【0076】
実施形態17は、繊維が互いに交絡している、実施形態1~16のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0077】
実施形態18は、短繊維が、ランダムに方向付けられ、かつ相互接触点で接着されている、実施形態1~17のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0078】
実施形態19は、短繊維が、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、アクリル、レーヨン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン-塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル-アクリロニトリルコポリマー、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態1~18のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0079】
実施形態20は、ナイロンがナイロン-6,6である、実施形態19による研磨物品を提供する。
【0080】
実施形態21は、研磨粒子が研磨物品の約5重量%~約70重量%の範囲である、実施形態1~20のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0081】
実施形態22は、研磨粒子が、形成セラミック研磨粒子である、実施形態1~21のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0082】
実施形態23は、形成研磨粒子が、三角形の成形研磨粒子を含む、実施形態22の研磨物品を提供する。
【0083】
実施形態24は、研磨粒子が、粉砕研磨粒子を含む、実施形態21の研磨物品を提供する。
【0084】
実施形態25は、研磨粒子が、αアルミナ、溶融酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム、セラミック酸化アルミニウム、焼結酸化アルミニウム、炭化ケイ素、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、ガーネット、溶融アルミナ-ジルコニア、ゾルゲル誘導研磨粒子、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、及びこれらの組み合わせから選択される材料を含む、実施形態1~24のいずれか1つに記載の研磨物品を提供する。
【0085】
実施形態26は、研磨粒子が、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、及びこれらの組み合わせから選択される材料を含む、実施形態1~25のいずれか1つに記載の研磨物品を提供する。
【0086】
実施形態27は、複数の研磨粒子が、個々の研磨粒子又は研磨粒子のアグロメレートのうちの少なくとも1つである、実施形態1~26のいずれか1つに記載の研磨物品を提供する。
【0087】
実施形態28は、研磨物品がホイールである、実施形態1~27のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0088】
実施形態29は、第1主面及び第2主面のうちの少なくとも1つが、繊維の平面的アグロメレーションを実質的に含まない、実施形態1~28のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0089】
実施形態30は、研磨物品が、非圧縮研磨物品である、実施形態1~29のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0090】
実施形態31は、バインダーが、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン-尿素樹脂、エポキシ樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態1~30のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0091】
実施形態32は、バインダーが、研磨物品の約10重量%~約70重量%の範囲である、実施形態1~31のいずれか1つによる研磨物品を提供する。
【0092】
実施形態33は、実施形態1~32のうちのいずれか1つの研磨物品の製造方法であって、
短繊維のウェブを形成することと、
ウェブを穿孔することと、
研磨粒子及びバインダーを、穿孔されたウェブに適用することと、
バインダーを硬化させて、研磨物品を提供することと、
を含む、製造方法を提供する。
【0093】
実施形態34は、研磨粒子が、第1及び第2主面に適用される、実施形態33の方法を提供する。
【0094】
実施形態35は、研磨粒子が、第1及び第2主面にドロップコーティングされる、実施形態33又は34のいずれか1つによる方法を提供する。
【0095】
実施形態36は、研磨粒子が、約100g/m~約5000g/mの範囲のアドオン重量でウェブに適用される、実施形態33~35のいずれか1つによる方法を提供する。
【0096】
実施形態37は、研磨粒子が、約2000g/m~約4000g/mの範囲のアドオン重量でウェブに適用される、実施形態33~36のいずれか1つによる方法を提供する。
【0097】
実施形態38は、繊維のウェブを形成することが、短繊維をエアレイ加工することを含む、実施形態33~36のいずれか1つによる方法を提供する。
【0098】
実施形態39は、短繊維が、ウェブ形成機械でエアレイ加工される、実施形態38の方法を提供する。
【0099】
実施形態40は、繊維の一部分がウェブ形成機械に詰まる可能性が、長さ、クリンプ指数、及び線密度のうちの少なくとも1つに関して異なる対応する繊維よりも低い、実施形態39の方法を提供する。
【0100】
実施形態41は、ワークピースの表面から材料を除去するための方法であって、
実施形態1~32のいずれか1つによる研磨物品又は実施形態33~40のいずれか1つによる方法に従って形成された研磨物品を、ワークピースに接触させることと、
研磨物品とワークピース表面との間の圧力を維持しながら、研磨物品をワークピースに対して移動させて、そこから材料を除去することと、
を含む方法を提供する。
【0101】
実施形態42は、研磨物品が中心軸を有するディスクの形状であり、研磨物品をワークピースに対して移動させることが、研磨物品を中心軸の周りに回転させることによって達成される、実施形態41による方法を提供する。
【0102】
実施形態43は、ワークピースから除去される材料が、炭素鋼である、実施形態41又は42による方法を提供する。
【0103】
実施形態44は、ワークピースから除去される材料が、ポリマー表面コーティングである、実施形態41~43のいずれか1つによる方法を提供する。
【0104】
実施形態45は、
第1の不規則な主面及び反対側の第2の不規則な主面と、約50デニール~約600デニールの範囲の線密度を有する第1の短繊維と約500デニール~約1000デニールの範囲の線密度を有する第2の短繊維とのブレンドを含む繊維成分と、
繊維成分上に分布した炭化ケイ素研磨粒子と、
繊維成分上に分布したバインダーと、を含む、不織布ウェブ
を含む、研磨物品を提供する。
図1
図2