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特許7149302車両軌跡の予測方法、装置、端末デバイス、記憶媒体、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】車両軌跡の予測方法、装置、端末デバイス、記憶媒体、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
G08G1/16 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020029954
(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公開番号】P2020149678
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2020-02-26
(31)【優先権主張番号】201910185821.X
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イフォン パヌ
(72)【発明者】
【氏名】シュイグァン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】フェイイ ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョォンタオ チェヌ
(72)【発明者】
【氏名】イシエヌ リ
【審査官】菅家 裕輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-207016(JP,A)
【文献】特開2006-284254(JP,A)
【文献】特開2019-032708(JP,A)
【文献】特開2014-203168(JP,A)
【文献】米国特許第09669827(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両軌跡の予測装置の1つ以上のプロセッサにより実行される車両軌跡の予測方法であって、
自動運転車両が交差点エリアに進入した場合、前記交差点エリアに進入した障害車両を確定することと、
前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得することと、
前記障害車両の走行履歴データ及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測することと、
前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡及び前記自動運転車両の現在の走行状態に基づいて、前記自動運転車両の前記交差点エリアでの走行軌跡を予測することと、を含み、
前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得することは、
前記障害車両のプレート番号を取得することと、
前記交差点エリアでの撮像装置を利用して運転手の画像を取得することと、
取得された前記運転手の画像を顔認識技術で認識して、前記運転手の身分情報を取得することと、
前記障害車両のプレート番号及び前記運転手の身分情報に基づいて、走行履歴データを取得することと、を含み、
前記障害車両の走行履歴データ及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測することは、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口及び現在の走行方向に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記障害車両の選択可能な出口を確定することと、
前記選択可能な出口が少なくとも2つの出口を含む場合、前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データに基づいて、各前記選択可能な出口の選択確率を確定することと、
各前記選択可能な出口の選択確率に基づいて、前記障害車両が選択する可能性のある出口を確定することと、
前記障害車両が選択する可能性のある出口及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測することと、を含む、
ことを特徴とする車両軌跡の予測方法。
【請求項2】
前記選択可能な出口が1つの出口を含む場合、前記出口及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両軌跡の予測方法。
【請求項3】
記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得することは、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記入口に対応する車線を取得することと、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口及び前記障害車両の現在の走行方向に基づいて、前記障害車両が前記車線に従って走行しているか否かを判定することと、
前記障害車両が前記車線に従って走行していないと判定された場合に、前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得することと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両軌跡の予測方法。
【請求項4】
前記障害車両が前記車線に従って走行していると判定された場合に、前記走行履歴データを取得せず、前記車線及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を確定することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の車両軌跡の予測方法。
【請求項5】
自動運転車両が交差点エリアに進入した場合、前記交差点エリアに進入した障害車両を確定する障害車両確定モジュールと、
前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得する走行データ取得モジュールと、
前記障害車両の走行履歴データ及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測する障害車両軌跡予測モジュールと、
前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡及び前記自動運転車両の現在の走行状態に基づいて、前記自動運転車両の前記交差点エリアでの走行軌跡を予測する自動運転車両軌跡予測モジュールと、を含み、
前記走行データ取得モジュールが前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得することは、
前記障害車両のプレート番号を取得することと、
前記交差点エリアでの撮像装置を利用して運転手の画像を取得することと、
取得された前記運転手の画像を顔認識技術で認識して、前記運転手の身分情報を取得することと、
前記障害車両のプレート番号及び前記運転手の身分情報に基づいて、走行履歴データを取得することと、を含み、
前記障害車両軌跡予測モジュールは、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口及び現在の走行方向に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記障害車両の選択可能な出口を確定する第1出口確定ユニットと、
前記選択可能な出口が少なくとも2つの出口を含む場合、前記障害車両が前記交差点エリアで走行した走行履歴データに基づいて、各前記選択可能な出口の選択確率を確定する出口確率確定ユニットと、
各前記選択可能な出口の選択確率に基づいて、前記障害車両が選択する可能性のある出口を確定する第2出口確定ユニットと、
前記障害車両が選択する可能性のある出口及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測する第1軌跡予測ユニットと、を含む、
ことを特徴とする車両軌跡の予測装置。
【請求項6】
前記選択可能な出口が1つの出口を含む場合、前記出口及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測する第2軌跡予測ユニットをさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両軌跡の予測装置。
【請求項7】
記走行データ取得モジュールは、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記入口に対応する車線を取得する車線取得ユニットと、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口及び前記障害車両の現在の走行方向に基づいて、前記障害車両が前記車線に従って走行しているか否かを判定する走行判定ユニットと、
前記障害車両が前記車線に従って走行していないと判定された場合に、前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得する履歴データ取得ユニットと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両軌跡の予測装置。
【請求項8】
前記障害車両軌跡予測モジュールは、さらに、前記障害車両が前記車線に従って走行していると判定された場合に、前記走行履歴データを取得せず、前記車線及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を確定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の車両軌跡の予測装置。
【請求項9】
1つ又は複数のプロセッサと、
プログラムを記憶した記憶装置とを含み、
前記プログラムは、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は複数のプロセッサに請求項1~4のいずれか1項に記載の車両軌跡の予測方法を実行させる、
ことを特徴とする車両軌跡を予測する端末デバイス。
【請求項10】
プログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記プログラムは、プロセッサによって実行されるときに、該プロセッサに請求項1~4のいずれか1項に記載の車両軌跡の予測方法を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータのプロセッサによって実行されるときに、該プロセッサに請求項1~4のいずれか1項に記載の車両軌跡の予測方法を実行させる、ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ技術分野に関し、特に、車両軌跡の予測方法、装置、端末デバイス、記憶媒体、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、走行過程において、地図に表示される車線に従って運転策定を行うことで、自動運転モードで走行することができる。
しかしながら、ある交差点においては、自動運転モードを採用せずに走行している他の車両が存在し、かつこれらの車両は必ず車線に従って走行するとは限らない。さらに、交差点における車線は、地図に完全に表示されないこともある。この場合、自動運転車両がそのまま地図に表示される道路車線に従って運転策定を行うと、交通事故が発生する可能性があり、運転リスクが高くなる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、従来技術における上記の1つ又は複数の技術課題を解決するための車両軌跡の予測方法、装置、記憶媒体及び端末デバイスを提供する。
【0004】
本発明の第1態様は、車両軌跡の予測方法を提供する。当該車両軌跡の予測方法は、
自動運転車両が交差点エリアに進入した場合、前記交差点エリアに進入した障害車両を確定することと、
前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得することと、
前記障害車両の走行履歴データ及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測することと、
前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡及び前記自動運転車両の現在の走行状態に基づいて、前記自動運転車両の前記交差点エリアでの走行軌跡を予測することと、を含む。
【0005】
1つの実施形態において、前記障害車両の走行履歴データ及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測することは、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口及び現在の走行方向に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記障害車両の選択可能な出口を確定することと、
前記選択可能な出口が少なくとも2つの出口を含む場合、前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データに基づいて、各前記選択可能な出口の選択確率を確定することと、
各前記選択可能な出口の選択確率に基づいて、前記障害車両が選択する可能性のある出口を確定することと、
前記障害車両が選択する可能性のある出口及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測することと、を含む。
【0006】
1つの実施形態において、前記方法は、
前記選択可能な出口が1つの出口を含む場合、前記出口及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測することをさらに含む。
【0007】
1つの実施形態において、前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得することは、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記入口に対応する車線を取得することと、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口及び前記障害車両の現在の走行方向に基づいて、前記障害車両が前記車線に従って走行しているか否かを判定することと、
前記障害車両が前記車線に従って走行していないと判定された場合に、前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得することと、を含む。
【0008】
1つの実施形態において、前記方法は、
前記障害車両が前記車線に従って走行していると判定された場合に、前記走行履歴データを取得せず、前記車線及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を確定することをさらに含む。
【0009】
本発明の第2態様は、車両軌跡の予測装置を提供する。当該車両軌跡の予測装置は、
自動運転車両が交差点エリアに進入した場合、前記交差点エリアに進入した障害車両を確定する障害車両確定モジュールと、
前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得する走行データ取得モジュールと、
前記障害車両の走行履歴データ及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測する障害車両軌跡予測モジュールと、
前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡及び前記自動運転車両の現在の走行状態に基づいて、前記自動運転車両の前記交差点エリアでの走行軌跡を予測する自動運転車両軌跡予測モジュールと、を含む。
【0010】
1つの実施形態において、前記障害車両軌跡予測モジュールは、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口及び現在の走行方向に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記障害車両の選択可能な出口を確定する第1出口確定ユニットと、
前記選択可能な出口が少なくとも2つの出口を含む場合、前記障害車両が前記交差点エリアで走行した走行履歴データに基づいて、各前記選択可能な出口の選択確率を確定する出口確率確定ユニットと、
各前記選択可能な出口の選択確率に基づいて、前記障害車両が選択する可能性のある出口を確定する第2出口確定ユニットと、
前記障害車両が選択する可能性のある出口及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測する第1軌跡予測ユニットと、を含む。
【0011】
1つの実施形態において、前記装置は、
前記選択可能な出口が1つの出口を含む場合、前記出口及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測する第2軌跡予測ユニットをさらに含む。
【0012】
1つの実施形態において、前記走行データ取得モジュールは、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記入口に対応する車線を取得する車線取得ユニットと、
前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口及び前記障害車両の現在の走行方向に基づいて、前記障害車両が前記車線に従って走行しているか否かを判定する走行判定ユニットと、
前記障害車両が前記車線に従って走行していないと判定された場合に、前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得する履歴データ取得ユニットと、を含む。
【0013】
1つの実施形態において、前記障害車両軌跡予測モジュールは、さらに、前記障害車両が前記車線に従って走行していると判定された場合、前記走行履歴データを取得せず、前記車線及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を確定する。
【0014】
本発明の第3態様は、車両軌跡の予測設備を提供する。前記設備の機能は、ハードウェアによって実現されてもよく、ハードウェアをもって対応するソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。前記ハードウェア又はソフトウェアは、上記機能に対応する1つ又は複数のモジュールを含む。
【0015】
1つの可能な実施形態において、車両軌跡の予測設備には、プロセッサとメモリが含まれ、前記メモリには、車両軌跡の予測装置が上記の車両軌跡の予測方法を実行するためのプログラムが記憶され、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムを実行するように構成される。前記車両軌跡の予測設備は、他のデバイス又は通信ネットワークと通信するための通信インターフェースをさらに含む。
【0016】
本発明の第4態様は、車両軌跡の予測装置に使用される、上記車両軌跡の予測方法を実行するためのプログラムを含むコンピュータソフトウェアコマンドを記憶するコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0017】
上記の技術案のうちの少なくとも1つの技術案は、下記のメリットと有益的な効果を有する。
本発明によれば、自動運転車両が交差点エリア内に進入した場合、障害車両の走行履歴データに基づいて、障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測することができ、さらに障害車両の走行軌跡及び自動運転車両の現在の走行状態に基づいて、自動運転車両の走行軌跡を予測することができる。これにより、交差点で運転策定を行う自動運転車両は、車線に依存せず、障害車両の走行軌跡を予測することができ、運転策定の正確度を向上させ、運転リスクを低減させることができる。
【0018】
上記の略述は、単に説明のために過ぎず、いかなる限定をも目的としない。上記に記載されている例示的な様態、実施形態、及び特徴以外に、図面及び下記の詳細説明を参照することによって、本発明のさらなる様態、実施形態、及び特徴の理解を促す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る車両軌跡の予測方法の一実施形態のフローチャートである。
図2】本発明に係る交差点エリアの運転環境の模式図である。
図3】本発明に係る障害車両の軌跡予測過程における一実施形態のフローチャートである。
図4】本発明に係る走行履歴データの取得過程における一実施形態のフローチャートである。
図5】本発明に係る車両軌跡の予測装置の一実施形態の構成図である。
図6】本発明に係る端末デバイスの一実施形態の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面において特に規定されない限り、複数の図面において同様の図面符号は、同様又は類似的な部材又はエレメントを示す。これらの図面は必ずしも実際の比例に従って製図されたものではない。これらの図面は本発明に基づいて開示された幾つかの実施形態を描いたものに過ぎず、本発明の範囲に対する制限としてはならないことを理解すべきである。
【0021】
下記において、幾つかの例示的実施形態を簡単に説明する。当業者が把握出来るよう、本発明の主旨又は範囲を逸脱しない限り、様々な方式により説明された実施形態に変更可能である。従って、図面と説明は制限を加えるものでなく、本質的には例示的なものである。
【0022】
図1に示すように、本発明の実施形態は、車両軌跡の予測方法を提供する。この実施形態は、電動自転車、オートバイ等の二輪自動車、電気、ハイブリッド又はガソリン四輪自動車、及び飛行機、船などの交通機器により実行される。この実施形態は、下記のステップS100~S400を含む。
S100において、自動運転車両が交差点エリアに進入した場合、交差点エリアに進入した障害車両を確定する。
ある実施形態において、交差点エリアは、交差点とも言われ、図2に示すように、各出口/入口の停止線を基準として囲まれているエリアを含む。交差点は、T字型の通路、十字の交差点、米字型の交差点等であっても良い。図2を例とし、交差点エリアに進入した車両は、車両L1~L6を含む。車両L6を自動運転車両であると想定する場合、交差点エリア内の車両L1~L5は障害車両となる。
【0023】
ある実施形態において、交差点エリアにおいて、自動運転車両以外の他の全ての車両をフィルタリングして障害車両を確定することができる。具体的に、自動運転車両の交差点での予定走行軌跡と、例えば、交差点エリアにおいて他の車両から自動運転車両までの距離、速度、向き等の交差点内の全ての車両の状態とに基づいて、それらの車両が自動運転車両の走行に影響を与えるか否かを確定する。影響を与える場合、この車両を自動運転車両の障害車両とする。図2に示すように、この交差点エリアから出る車両L2は、現在の状態が直行であり、且つ、自動運転車両L6までの距離が遠い。この場合、車両L2は、自動運転車両L6の障害車両ではない。また、例えば、交差点エリアでの車両L5は、自動運転車両L6と同じ走行車道に位置し、且つ、自動運転車両L6までの距離が近い。この場合、車両L5を自動運転車両L6の障害車両とする。また、交差点エリア内の他の車両も同様に、それを自動運転車両L6の障害車両とするか否かを確定する。ここでは、その説明を省略する。
この実施形態において、自動運転車両は、自動運転モードで走行する車両である。
【0024】
S200において、障害車両が交差点エリアで走行した走行履歴データを取得する。
ある実施形態において、車両は、走行する過程において、走行のデータをデータメンテナンスプラットフォームにリアルタイム又は周期的にアップロードすることができる。又は、データメンテナンスプラットフォームからの要求を受信した場合、予め保存又は記録された走行データをデータメンテナンスプラットフォームにアップロードすることができる。データのアップロード過程において、車両の識別情報を、アップロードしたデータと関連付けて記憶することで、車両の識別情報に基づくデータ検索を容易にする。ここで、車両の識別情報は、車両のプレート番号、その車両に登録される所有者の身分情報等であっても良い。
【0025】
ある実施形態において、障害車両の走行履歴データを取得すると確定した場合、自動運転車両のカメラを起動し、カメラを利用して障害車両のプレート番号を撮影しても良い。次に、撮影されたプレート番号をその障害車両の識別情報とする。さらに、障害車両の識別情報に基づいて、データメンテナンスプラットフォームから障害車両に対応する走行履歴データを取得することができる。ここで、走行履歴データは、過去のある時間帯における走行データであり、例えば、過去一週間、過去一か月又は過去三か月などの走行データである。
しかしながら、障害車両の識別情報のみに基づいて走行データを取得する場合、実際に取得された走行データには、識別情報に関連する複数のデータが含まれるという問題がある可能性がある。これは、車両が普通の家庭用車両であり、家族の異なるメンバーがこの車両を運転するためである。車両の識別情報に基づいてデータを取得する場合、このデータは、その車両を運転する1人以上の走行データを含む。さらに、多くの場合、家族のメンバーでも、走行する経路は相異する。そのため、プレート番号を取得した後、交差点の交通状況を監視するための撮像装置を利用して運転手の画像を取得することができる。そして、顔認識技術で取得された運転手の画像を認識して、運転手の身分情報を取得する。さらに、障害車両のプレート番号及び運転手の身分情報に基づいて、それ以降の走行軌跡予測の正確度を向上させるよう、走行履歴データを正確に取得するができる。
【0026】
S300において、前記障害車両の走行履歴データ及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測する。
この実施形態において、車両の走行状態は、車両の位置、走行速度、向き、交差点エリアに進入した入口等の情報を含む。車両の走行軌跡は、ある時間帯における車両の走行経路、この走行経路の各位置点における車両の走行速度等を含む。
【0027】
S400において、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡及び前記自動運転車両の現在の走行状態に基づいて、前記自動運転車両の前記交差点エリアでの走行軌跡を予測する。
ある実施形態において、自動運転車両と障害車両との安全距離を予め設定しても良い。障害車両が走行する可能性のある走行軌跡及び安全距離に基づいて、自動運転車両の交差点エリアでの走行経路を確定しても良い。最後に、自動運転車両の現在の走行速度等のデータを参照し、自動運転車両の交差点エリアでの走行軌跡を確定する。
【0028】
本発明の実施形態は、自動運転車両が交差点エリアに進入した場合、障害車両の走行履歴データに基づいて、障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測することができる。そして、障害車両の走行軌跡及び自動運転車両の現在の走行状態に基づいて、自動運転車両の走行軌跡を予測する。このように、交差点で運転策定を行う自動運転車両は、車線に依存せず、障害車両の走行軌跡を予測することができ、策定の正確性を向上させ、運転リスクを低減させることができる。
【0029】
ある実施形態において、図3に示すように、上記のステップS300における障害車両の走行可能な軌跡の予測ステップは、以下のステップS310~ステップS340を含む。
S310において、前記障害車両が前記交差点エリアに進入した入口及び現在の走行方向に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記障害車両の選択可能な出口を確定する。図2に示すように、入口は、車両が交差点エリアに進入できるポートである。出口は、車両が交差点エリアから出ることができるポートである。
S320において、前記選択可能な出口が少なくとも2つの出口を含む場合、前記障害車両が前記交差点エリアで走行した走行履歴データに基づいて、前記各選択可能な出口の選択確率を確定する。
S330において、前記各選択可能な出口の選択確率に基づいて、前記障害車両が選択する可能性のある出口を確定する。
S340において、前記障害車両が選択する可能性のある出口及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測する。
【0030】
例として、車両L6が自動運転車両である場合、この時、障害車両L3の可能な走行軌跡の確定について、図2に示すように(、障害車両L3は、)現在の走行方向は直行であり、交差点エリアに進入した入口は入口C3であり、入口C3に対する車道は直行又は左回り車道であり、この車道は、実際の道路において車線がマークされない。そして、車線に基づいて障害車両の走行軌跡を予測することができない。この時、障害車両L3の走行履歴データに基づいて予測することができる。
【0031】
例として、障害車両L3は、交差点エリアに進入する前の車道は直行又は左回り車道であり、且つ、現在の走行方向は直行であるが、入口までの距離が近いので、この時、直行に対応する出口を選択しても良いし、左回りに対応する出口を選択しても良い。例えば、図3において、出口C1及びC2である。
そして、取得された走行履歴データに基づいて、障害車両L3に対し、入口C3に対応するデータを抽出し、障害車両L3の入口C3から出口C1までの回数及び入口C3から出口C2までの回数を取得する。そして、障害車両の出口C1及び出口C2の選択確率を算出する。ここで、出口C1の選択確率はC1/(C1+C2)、出口C2の選択確率はC2/(C1+C2)である。
選択確率が予め定められた確率閾値より大きい場合、その選択確率に対応する出口を、障害車両が選択する可能性のある出口とする。例えば、予め定められた確率閾値が95%、出口C1の選択確率が98%、出口C2の選択確率が2%である場合、出口C1を、障害車両L3の選択する可能性のある出口とする。
選択確率が予め定められた確率閾値より大きい出口がない場合、確率値が大きい出口を障害車両が選択する可能性のある出口とする。例えば、予め定められた確率閾値が95%、出口C1の選択確率が56%、出口C2の選択確率が40%、他の出口の選択確率が4%である場合、出口C1を障害車両が選択する可能性のある出口とする。
【0032】
この実施形態は、走行履歴データ及び障害車両の入口に基づいて、障害車両が選択する可能性のある出口を確定することができる。そして、出口及び障害車両の現在の走行状態に基づいて、障害車両の走行軌跡を正確に確定することができる。勿論、軌跡の確定において、他の車両がこの障害車両の走行軌跡に与える影響も考慮する。
ある実施形態において、上記のステップS310で確定した出口が1つの出口を含む場合、障害車両の走行軌跡の確定については、障害車両の選択可能な出口及び障害車両の現在の走行状態に基づいて、障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測することができる。
【0033】
ある実施形態において、交差点エリアに進入した障害車両が車線に従って走行する場合、車線に基づいて障害車両の走行軌跡を確定することにより、運転策定の効率を向上させることができる。障害車両が車線に従って走行していない場合、取得された障害車両の交差点エリアでの走行履歴データに基づいて、障害車両の交差点エリアでの可能な走行軌跡を予測することができる。図4に示すように、上記のステップS200の走行履歴データの取得は、下記ステップS210~ステップS230を含む。
S210において、前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記入口に対応する車線を取得する。
S220において、前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口及び前記障害車両の現在の走行方向に基づいて、前記障害車両が前記車線に従って走行しているか否かを判定する。
S230において、前記障害車両が前記車線に従って走行していないと判定した場合に、前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得する。
【0034】
この実施形態において、撮像方式を用いて交通環境内の車線を取得し、障害車両の入口に対応する車道内の又は交差点エリア内の車線を抽出する。ある実施形態においては、車道に車線が含まれ、また、交差点エリア内にも車線が含まれる。
【0035】
図3に示すように、車両L3の所在する車道を例として、実際の道路に車線がマークされていない。この時、撮像方式で入口に対応する車線を取得することができない。これに対し、障害車両の走行軌跡の予測については、障害車両の交差点エリアでの走行履歴データに基づいて予測することができる。具体的に、上記の実施形態によって障害車両の走行軌跡を予測することができる。
障害車両の入口に対応する車線を取得した場合、障害車両の現在の走行方向及び位置等の情報に基づいて、障害車両が車線に従って走行するか否かを判定することができる。車線が2つ以上であり、障害車両がそのうちの1つ車線に従って走行する場合に、障害車両が走行する車線及び障害車両の現在の走行状態に基づいて、障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を確定することができる。障害車両が取得された車線のいずれにも従って走行していない場合に、障害車両の交差点エリアでの走行履歴データを取得することができる。そして、上記の実施形態によって、障害車両の走行履歴データに基づいて、障害車両の走行軌跡を予測することができる。
【0036】
ある実施形態において、障害車両が車線に従って走行する場合に、走行履歴データを取得せず、かつステップS300を実行しなくても良い。そして、障害車両の走行している車線、障害車両の現在の走行状態に基づいて、障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を確定することにより、軌跡予測の正確度を向上させる。
【0037】
図5に示すように、本発明は、車両軌跡の予測装置をさらに提供する。当該車両軌跡の予測装置は、障害車両確定モジュール100、走行データ取得モジュール200、障害車両軌跡予測モジュール300及び自動運転車両軌跡予測モジュール400を含み、
障害車両確定モジュール100は、自動運転車両が交差点エリアに進入した場合、前記交差点エリアに進入した障害車両を確定するように構成され、
走行データ取得モジュール200は、前記障害車両が前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得するように構成され、
障害車両軌跡予測モジュール300は、前記障害車両の走行履歴データ及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測するように構成され、
自動運転車両軌跡予測モジュール400は、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡及び前記自動運転車両の現在の走行状態に基づいて、前記自動運転車両の前記交差点エリアでの走行軌跡を予測するように構成される。
【0038】
1つの実施形態において、前記障害車両軌跡予測モジュール300は、第1出口確定ユニット、出口確率確定ユニット、第2出口確定ユニット及び第1軌跡予測ユニットを含み、
第1出口確定ユニットは、前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口及び現在の走行方向に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記障害車両の選択可能な出口を確定するように構成され、
出口確率確定ユニットは、前記選択可能な出口が少なくとも2つの出口を含む場合、前記障害車両が前記交差点エリアで走行した走行履歴データに基づいて、前記各選択可能な出口の選択確率を確定するように構成され、
第2出口確定ユニットは、各前記選択可能な出口の選択確率に基づいて、前記障害車両が選択する可能性のある出口を確定するように構成され、
第1軌跡予測ユニットは、前記障害車両が選択する可能性のある出口及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測するように構成される。
【0039】
1つの実施形態において、前記装置は、第2軌跡予測ユニットをさらに含み、
第2軌跡予測ユニットは、前記選択可能な出口が1つの出口を含む場合、前記出口及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を予測するように構成される。
【0040】
1つの実施形態において、前記走行データ取得モジュールは、車線取得ユニット、走行判定ユニット及び履歴データ取得ユニットを含み、
車線取得ユニットは、前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口に基づいて、前記交差点エリアにおいて前記入口に対応する車線を取得するように構成され、
走行判定ユニットは、前記障害車両の前記交差点エリアに進入した入口及び前記障害車両の現在の走行方向に基づいて、前記障害車両が前記車線に従って走行しているか否かを判定するように構成され、
履歴データ取得ユニットは、前記障害車両が前記車線に従って走行していないと判定された場合に、前記障害車両の前記交差点エリアで走行した走行履歴データを取得するように構成される。
【0041】
1つの実施形態において、前記障害車両軌跡予測モジュールは、さらに、前記障害車両が前記車線に従って走行していると判定した場合に、前記走行履歴データを取得せず、前記車線及び前記障害車両の現在の走行状態に基づいて、前記障害車両が走行する可能性のある走行軌跡を確定するように構成される。
【0042】
前記装置の機能は、ハードウェアによって実現されてもよく、ハードウェアをもって対応するソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。前記ハードウェア又はソフトウェアは、上記機能に対応する1つ又は複数のモジュールを含む。
【0043】
1つの可能な実施形態において、車両軌跡の予測装置には、プロセッサとメモリが含まれ、前記メモリには、車両軌跡の予測装置が上記の第1態様の車両軌跡の予測方法を実行するためのプログラムが記憶され、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムを実行するように構成される。前記車両軌跡の予測装置は、さらに、他のデバイス又は通信ネットワークと通信するための通信インターフェースを含む。
【0044】
本発明の実施形態は、車両軌跡を予測する端末デバイスをさらに提供する。図6に示すように、当該デバイスには、メモリ21とプロセッサ22が含まれ、メモリ21には、プロセッサ22に実行されるコンピュータプログラムが記憶される。プロセッサ22がコンピュータプログラムを実行すると、上記の実施形態における車両軌跡の予測方法を実現させる。メモリ21及びプロセッサ22の数は、1つ又は複数である。
【0045】
当該デバイスは、プロセッサ22と外部デバイスとの通信を実現する通信インターフェース23をさらに含む。
メモリ21は、高速度RAMメモリを含むことができ、少なくとも1つの磁気メモリのような不揮発性メモリ(non-volatile memory)を含んでもよい。
メモリ21、プロセッサ22、および通信インターフェース23が独立して実現される場合、メモリ21、プロセッサ22、および通信インターフェース23は、バスによって相互接続して相互通信を行うことができる。前記バスは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(ISA、Industry Standard Architecture)バス、外部デバイス相互接続(PCI、Peripheral Component Interconnect)バス、又は拡張インダストリスタンダードアーキテクチャ(EISA、Extended Industry Standard Architecture)バス等であってもよい。前記バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等として分けられることが可能である。表示の便宜上、図6に1本の太線のみで表示するが、バスが1つ又は1種類のみであることを意味しない。
【0046】
任意選択で、具体的な実現において、メモリ21、プロセッサ22及び通信インターフェース23が1つのチップに集積される場合、メモリ21、プロセッサ22、及び通信インターフェース23は、内部インターフェースによって相互通信を行うことができる。
【0047】
本明細書において、「1つの実施形態」、「幾つかの実施形態」、「例」、「具体例」或いは「一部の例」などの用語は、当該実施形態或いは例で説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点を結合して、本発明の少なくとも1つの実施形態或いは実施例に含まれることを意味する。また、説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点は、いずれか1つ或いは複数の実施形態または例において適切に結合することが可能である。また、矛盾しない限り、当業者は、本明細書の異なる実施形態または例、および、異なる実施形態または例における特徴を結合したり、組み合わせたりすることができる。
また、用語「第1」、「第2」は、相対的な重要性を示している又は暗示しているわけではなく、単に説明のためのものであり、示される技術的特徴の数を暗示するわけでもない。そのため、「第1」、「第2」で限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示又は暗示的に含むことが可能である。本出願の記載の中において、「複数」の意味は、明確に限定されていない限り、2つ又は2つ以上を意味する。
【0048】
フローチャート又はその他の方式で説明された、いかなるプロセス又は方法に対する説明も、特定の論理的機能又はプロセスのステップを実現するためのコマンドのコードを実行可能な1つ又はそれ以上のモジュール、断片若しくはセグメントとして理解することが可能であり、さらに、本発明の好ましい実施形態の範囲はその他の実現を含み、示された、又は、記載の順番に従うことなく、係る機能に基づいてほぼ同時にまたは逆の順序に従って機能を実行することを含み、これは当業者が理解すべきことである。
フローチャートに示された、又はその他の方式で説明された論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現させるための実行可能なコマンドのシーケンスリストとして見なされることが可能であり、コマンド実行システム、装置、又はデバイス(プロセッサのシステム、又はコマンド実行システム、装置、デバイスからコマンドを取得して実行することが可能なその他のシステムを含むコンピュータによるシステム)が使用できるように提供し、又はこれらのコマンドを組み合わせて使用するコマンド実行システム、装置、又はデバイスに使用されるために、いかなるコンピュータ読取可能媒体にも具体的に実現されることが可能である。
【0049】
本明細書において、「コンピュータ読取可能媒体」は、コマンド実行システム、装置、デバイス、又はこれらのコマンドを組み合わせて実行するシステム、装置又はデバイスが使用できるように提供するため、プログラムを格納、記憶、通信、伝搬又は伝送する装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)として、1つ又は複数の配線を含む電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスク(磁気装置)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、消去書き込み可能リード・オンリー・メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー装置、及びポータブル読み取り専用メモリ(CDROM)を少なくとも含む。また、コンピュータ読み取り可能媒体は、そのうえで前記プログラムを印字できる紙又はその他の適切な媒体であってもよく、例えば紙又はその他の媒体に対して光学的スキャンを行い、そして編集、解釈又は必要に応じてその他の適切な方式で処理して電子的方式で前記プログラムを得、その後コンピュータメモリに記憶することができるためである。
【0050】
本発明の実施形態において、コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読プログラムコードを搬送するベースバンドでまたはキャリアの一部として伝播するデータ信号を含むことができる。そのような伝播されるデータ信号は、電磁信号、光信号、または前述の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されないさまざまな形態をとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コマンド実行システム、入力方法、またはデバイスに関連して使用するプログラムを送信、伝播、または転送できるコンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体でもよい。コンピュータ可読媒体で実施されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、無線周波数(Radio Frequency:RF)など、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体によって送信できる。
なお、本発明の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせによって実現されることができる。上記実施形態において、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶された、適当なコマンド実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実施されることができる。例えば、ハードウェアによって実現するとした場合、別の実施形態と同様に、データ信号に対して論理機能を実現する論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な混合論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(GPA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などといった本技術分野において公知である技術のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせによって実現される。
当業者は、上記の実施形態における方法に含まれるステップの全部又は一部を実現するのは、プログラムによって対応するハードウェアを指示することによって可能であることを理解することができる。前記プログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記憶されてもよく、当該プログラムが実行されるとき、方法の実施形態に係るステップのうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0051】
また、本発明の各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されてよく、別個の物理的な個体であってもよく、2つ又は3つ以上のユニットが1つのモジュールに統合されてもよい。上記の統合モジュールは、ハードウェアで実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールで実現されてもよい。上記の統合モジュールが、ソフトウェア機能モジュールで実現され、しかも独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよい。前記記憶媒体は読取専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよい。
【0052】
上記の記載は、単なる本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はそれに限定されることなく、当業者が本発明に開示されている範囲内において、容易に想到し得る変形又は置換は、全て本発明の範囲内に含まれるべきである。そのため、本発明の範囲は、記載されている特許請求の範囲に準じるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6