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<図1>
  • 特許-乗物の運転パラメータの検出装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】乗物の運転パラメータの検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20220929BHJP
   B62J 45/40 20200101ALI20220929BHJP
   B62M 6/50 20100101ALI20220929BHJP
   G01B 7/30 20060101ALI20220929BHJP
   G01P 3/42 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G01L3/10 301A
B62J45/40
B62M6/50
G01B7/30 H
G01P3/42 E
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2020511853
(86)(22)【出願日】2018-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 CN2018085594
(87)【国際公開番号】W WO2018202124
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2019-12-27
(31)【優先権主張番号】201710312424.5
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201720493909.4
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710312886.7
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201720493344.X
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510178149
【氏名又は名称】捷安特電動車(昆山)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】徐 世偉
(72)【発明者】
【氏名】魯 ▲チュン▼田
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 守新
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/045181(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105015692(CN,A)
【文献】特開2011-217542(JP,A)
【文献】特開2003-106807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/00- 3/26
G01B 7/00- 7/34
G01P 3/00- 3/80
G01D 5/00- 5/252
G01D 5/39- 5/62
B62J45/40-45/423
B62M 6/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物のボトムブラケット内に配置される中心軸と、
それぞれ前記中心軸の対向する両端に固定される左クランク及び右クランクと、
前記中心軸に外嵌されるチューブと、
接着剤を利用せずに前記チューブに巻き付けられて、パターン化された形状を形成する磁性材料と、
前記磁性材料に巻き付けられて、前記磁性材料の磁気変化を検出するためのコイルと、
前記中心軸に固定される磁気リングと、
前記磁気リングに対応し、前記磁気リングの表面の磁束密度の数値と変化を検出する第1のホールセンサと、
前記コイル及び前記第1のホールセンサに電気的に接続されて、関連する電気信号を受発信し、また演算する電気信号処理ユニットと、
を含み、
前記左クランク及び前記右クランクがそれぞれ前記中心軸に対してトルクを発生させ、前記チューブを変形させるように連動することで、前記磁性材料の透磁率を変えて、前記コイルに対応する誘導起電力を発生させ、電圧値を生成させ、前記電気信号処理ユニットが前記電圧値を分析してトルク値を得、
前記磁気リングが前記中心軸の回転によって駆動されて、磁束密度分布を変更させ、前記第1のホールセンサから出力した電圧に対応する変化を生じ、前記電気信号処理ユニットが前記電圧の変化を分析して前記中心軸の回転角度値を得、
前記電気信号処理ユニットが単位時間当たりの前記回転角度値の変化量を計算して前記中心軸の回転速度値を得ることを特徴とする乗物の運転パラメータの検出装置。
【請求項2】
前記磁性材料は、溶射、ブラスト、ローレット成形加工、ローレット切削加工、粉末冶金又は埋め込みプロセスによって前記パターン化された形状を形成する請求項1に記載の検出装置。
【請求項5】
前記パターン化された形状はZ字状になり、それぞれ平行である複数のストライプを含む3つの領域に分割でき、且つ前記3つの領域において、中央領域内に位置する前記ストライプとその隣接する2つの領域内の前記ストライプとの平行方向が異なり、各前記領域内の前記ストライプのエッジが互いに接続又は分離できる請求項2に記載の検出装置。
【請求項6】
各前記ストライプの接線と前記チューブの回転軸中心線の垂直線との間に夾角が形成される請求項第4又は5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記夾角は、20度~70度又は110度~160度の範囲にある請求項6に記載の検出装置。
【請求項8】
前記中心軸に外嵌されるチェーンホイールを更に含み、前記チューブは、一端が前記中心軸に接続され、他端が直接又はアダプターによって前記チェーンホイールに接続される請求項1に記載の検出装置。
【請求項9】
前記コイルは、1組、又は巻線方向が逆である2組、又は巻線方向が同じである2組、又は巻線方向が同じである3組である請求項1に記載の検出装置。
【請求項11】
前記磁気リングの表面の前記磁束密度分布は、同じ極性領域で一部が狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数の波形である請求項10に記載の検出装置。
【請求項12】
前記狭義単調増加関数又は前記狭義単調減少関数の前記波形は、正弦波又は三角波である請求項11に記載の検出装置。
【請求項15】
前記波形は、正弦波又は三角波である請求項14に記載の検出装置。
【請求項16】
前記磁気リングは、前記第1のホールセンサから出力した前記電圧を、前記電圧の前記波形の勾配に合わせて、前記磁気リングの位置角度値に一意対応させる2つの磁極を含む請求項11又は14に記載の検出装置。
【請求項17】
前記磁気リングは前記左クランク又は前記右クランクとある角度で固定的に組み立てられ、前記第1のホールセンサは前記左クランク又は前記右クランクの位置角度に対応して、1組の唯一の電圧値及び前記電圧値での波形の前記勾配を出力する請求項16に記載の検出装置。
【請求項18】
前記磁気リングの表面の前記磁束密度分布は、凹波形又は階段波形になる請求項1に記載の検出装置。
【請求項19】
前記第1のホールセンサとして、スイッチタイプを採用する請求項1に記載の検出装置。
【請求項20】
第2のホールセンサを更に含み、前記第2のホールセンサと前記第1のホールセンサが前記磁気リングに沿って円周方向にある円周角で間隔をあけて配列され、又は前記第1のホールセンサと前記第2のホールセンサとがある位相角でずれた電圧波形を出力するように配列される請求項1に記載の検出装置。
【請求項21】
前記第1のホールセンサと前記第2のホールセンサとが円周方向に90度の円周角で間隔を空けて配列される請求項20に記載の検出装置。
【請求項22】
前記第1のホールセンサと前記第2のホールセンサとが90度の位相角でずれた電圧波形を出力するように配列される請求項20に記載の検出装置。
【請求項23】
前記第2のホールセンサとしては、リニア出力タイプ又はスイッチタイプを採用する請求項20に記載の検出装置。
【請求項24】
前記磁気リングは、接着又は射出成形によって前記中心軸の表面に形成される請求項1に記載の検出装置。
【請求項25】
前記中心軸と前記チューブとの間にプラスチック製のホルダが配置される請求項1に記載の検出装置。
【請求項26】
前記コイルの周りに電磁干渉を防ぐためのシールドが設けられる請求項1に記載の検出装置。
【請求項27】
前記中心軸は、一端に左軸受が設けられ、他端に右軸受が設けられ、前記左軸受に左ワンが外嵌され、前記右軸受に右ワンが外嵌され、前記中心軸が前記左軸受、前記左ワン、前記右軸受及び前記右ワンによって前記ボトムブラケット内に固定される請求項1に記載の検出装置。
【請求項30】
前記磁性材料は、溶射、ブラスト、ローレット成形加工、ローレット切削加工、粉末冶金又は埋め込みプロセスによって前記パターン化された形状を形成する請求項29に記載の検出装置。
【請求項32】
前記ホールセンサは、対応する前記磁気リングの同じ極性領域内で一部が狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数となるように組み合わされる複数の電圧値を出力する請求項29に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物の運転パラメータの検出装置に関し、特に、オートバイ、又は自転車、又は三輪車の中心軸のトルク、位置角度、回転角度回転速度及びパワーの検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車、又はオートバイ、又は三輪車に乗ることは、その環境保護、省エネ、低コスト、及び実施しやすいという特徴に基づいて、現代人に益々重視される輸送、通勤、レジャー、又は競技スポーツ用の重要なツールになっている。
様々な自転車、オートバイ、三輪車があるが、電動化、電動パワステ化、又はスマート化した製品は、環境に優しく汚染がなく、モータアシスト効率を向上させ、踏み込み効率を向上させるようにインテリジェントにガイドすることができるという特性により、広く好まれている。
従来の電動アシスト車や自転車用のパワーメータ等の製品は、主に、踏み込みトルク又はクランク回転速度を検出することで、乗車効率や快適性をインテリジェントに向上させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例として、上記トルク検出型の電動自転車においては、多くの場合、ホールセンサによって中心軸回転速度及び踏み込みトルクを検出する。
このタイプのセンサーは、一般に、電動自転車の中心軸又はチェーンホイール等の回転部材の表面に配置される。電動自転車が踏み込まれると、中心軸又はチェーンホイールはトルクを受けて対応してねじれ変形して、ホールセンサはねじれ変形に応じて電気信号が変化し、分析処理した後で、モーターのアシストの出力を制御することができる。
ただし、このような検知装置は、そのセンサーの設置位置及びデジタル出力した後で分析する方法に基づいているため、精度が悪く、その結果、乗り心地が不良になる。
【0004】
従って、市場では、自転車、電動自転車、非電動自転車、電気オートバイ、非電気オートバイ、電動三輪車又は非電動三輪車等の乗物の様々な重要な運転パラメータを同時に正確に測定できる検出装置の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、中心軸の両側のトルク、位置角度、回転速度及びパワーを同時に検出することができ、且つ高信頼性及び測定の一貫性を有し、測定したデータが高分解能及び良い精度を有する乗物検出装置を提供することにある。
【0006】
本発明は、チューブが力を受けて変形することで、チューブの表面の磁性材料のパターン化された形状を変え、更に透磁率を変化させ、コイルに対応する誘導起電力を発生させるように誘導し、コイル電圧値を測定することで対応する中心軸トルク値を得る乗物の運転パラメータの検出装置を提供する。
また、中心軸に固定される磁気リングは、その表面の磁束密度分布が同じ極性領域でその一部が単調増加関数又は単調減少関数である特性を有することで、中心軸の位置角度値に対応できるように、第1の又は第2のホールセンサから対応するアナログ型電圧値を出力させる。
なお、磁気リングが中心軸の回転によって駆動されて、空間磁束密度分布を変更させ、第1の又は第2のホールセンサから出力した電圧を対応的に変化させ、電圧変化を分析して中心軸に対応する回転角度値を得、また回転角度値の時間に伴う変化する値を取って中心軸に対応する回転速度値を得る。
【0007】
これにより、本発明に係る技術は、電動乗物又は非電動乗物の運転時の重要パラメータを正確に得、更に補助電源出力を正確に制御し、乗り心地を改善することができる。
【0008】
一実施形態において、乗物の運転パラメータの検出装置は、乗物のボトムブラケット内に配置される中心軸と、それぞれ中心軸の対向する両端に固定される左クランク及び右クランクと、中心軸に外嵌されるチューブと、接着剤を利用せずにチューブに巻き付けられて、パターン化された形状を形成する磁性材料と、磁性材料に巻き付けられて、磁性材料の磁気変化を検出するためのコイルと、中心軸に固定される磁気リングと、磁気リングに対応し、磁気リングの表面の磁束密度の数値と変化を検出する第1のホールセンサと、コイル及び第1のホールセンサに電気的に接続されて、関連する電気信号を受発信しまた演算する電気信号処理ユニットと、を含み、左クランク及び右クランクがそれぞれ中心軸にトルクを発生させ、チューブを変形させるように連動することで、磁性材料の透磁率を変えて、コイルに対応する誘導起電力を発生させ、電圧値を生成させ、電気信号処理ユニットが電圧値を分析してトルク値を得、磁気リングが中心軸の回転によって駆動されて、磁束密度分布を変更させ、第1のホールセンサから出力した電圧に対応する変化を生じ、電気信号処理ユニットが電圧の変化を分析して中心軸の回転角度値を得、電気信号処理ユニットが単位時間当たりの回転角度値変化量を計算して中心軸回転速度値を得る。
【0009】
前記検出装置において、磁性材料は、溶射、ブラスト、ローレット成形加工、ローレット切削加工、粉末冶金又は埋め込みプロセスによってパターン化された形状を形成してよい。
【0010】
前記検出装置において、パターン化された形状は、V字状又はZ字状になってよい。パターン化された形状はV字状になり、それぞれ平行である複数のストライプを含む2つの領域に分割でき、且つ2つの領域内のストライプの平行方向が異なり、各領域内のストライプのエッジが互いに接続又は分離できる。パターン化された形状はZ字状になり、それぞれ平行である複数のストライプを含む3つの領域に分割でき、且つ3つの領域において、中央領域内に位置するストライプとその隣接する2つの領域内のストライプの平行方向が異なり、各領域内のストライプのエッジが互いに接続又は分離できる。
【0011】
前記検出装置において、各ストライプの接線とチューブの回転軸の中心線の垂直線との間に夾角が形成される。夾角は、20度~70度又は110度~160度の範囲にあってよい。
【0012】
前記検出装置は、中心軸に外嵌されるチェーンホイールを更に含んでよい。チューブは、一端が中心軸に接続され、他端が直接又はアダプターによってチェーンホイールに接続される。
【0013】
前記検出装置において、コイルは、1組、巻線方向が逆である2組、巻線方向が同じである2組、又は3組であってよい。
【0014】
前記検出装置において、磁気リングの表面の磁束密度分布は、一部が広義単調増加関数又は広義単調減少関数である。より好ましくは、磁気リングの表面の磁束密度分布は、同じ極性領域で一部が狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数の波形である。前記狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数の前記波形は、正弦波又は三角波であってよい。
【0015】
前記検出装置において、第1のホールセンサは、リニア出力タイプであり且つ磁気リングに対応し、第1のホールセンサから出力した電圧の波形は、一部が広義単調増加関数又は広義単調減少関数になってよい。より好ましくは、第1のホールセンサは、対応する磁気リングの同じ極性領域から出力した電圧の波形の一部が狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数である。前記波形は、正弦波又は三角波であってよい。
【0016】
前記検出装置において、磁気リングは、第1のホールセンサから出力した電圧を、電圧の波形の勾配に合わせて、磁気リングの位置角度値に一意対応させる2つの磁極を含む。
【0017】
前記検出装置において、磁気リングは、左クランク又は右クランクとある角度で固定的に組み立てられ、第1のホールセンサは左クランク又は右クランクの位置角度に対応して、1組の唯一の電圧値及び電圧値に対応する波形の勾配を出力する。
【0018】
前記検出装置において、磁気リングの表面の磁束密度分布は、凹波形又は階段波形になってよい。
【0019】
前記検出装置において、第1のホールセンサとしては、スイッチタイプを採用する。
【0020】
前記検出装置において、第2のホールセンサを更に含んでよい。第2のホールセンサと第1のホールセンサが前記磁気リングに沿って円周方向にある円周角で間隔を空けて配列され、又は第1のホールセンサと第2のホールセンサとがある位相角でずれた電圧波形を出力するように配列される。前記円周角又は位相角は、90度であってよい。第2のホールセンサとしては、スイッチタイプ又はリニア出力タイプを採用してよい。
【0021】
前記検出装置において、磁気リングは、接着又は射出成形によって中心軸表面に形成されてよい。
【0022】
前記検出装置において、中心軸とチューブとの間にプラスチック製のホルダが配置されてよい。コイルの周辺に電磁干渉を防ぐためのシールドが配置されてよい。
【0023】
前記検出装置において、中心軸は、一端に左軸受が設けられ、他端に右軸受が設けられ、左軸受に左ワンが外嵌され、右軸受に右ワンが外嵌され、中心軸が左軸受、左ワン、右軸受及び右ワンによってボトムブラケット内に固定される。チューブの右側又は左側と中心軸との間には、ガスケットが配置されてよい。
【0024】
別の実施形態において、乗物の運転パラメータの検出装置は、乗物のボトムブラケット内に配置される中心軸と、それぞれ中心軸の対向する両端に固定される左クランク及び右クランクと、中心軸に外嵌されるチューブと、接着剤を利用せずにチューブに巻き付けられて、パターン化された形状を形成する磁性材料と、磁性材料に巻き付けられて、磁性材料の磁気変化を検出するためのコイルと、中心軸と同期に回転し、その表面の2次元空間又は3次元空間での磁束密度分布が少なくとも1つの曲線軌跡になり、曲線軌跡の対応する磁束密度変化の一部が広義単調増加関数又は広義単調減少関数となる磁気リングと、磁気リングに対応し、磁気リングの表面の2次元空間又は3次元空間の磁束密度値と変化を検出し、位置が異なり、又は位置が同じであるが互いに配置方向が異なる少なくとも2つのホールセンサと、コイル及びホールセンサに電気的に接続されて、関連する電気信号を受発信し、また演算する電気信号処理ユニットと、左クランク及び右クランクがそれぞれ中心軸にトルクを発生させ、チューブを変形させるように連動することで、磁性材料の透磁率を変え、コイルに対応する誘導起電力を発生させ、電圧値を生成させ、電気信号処理ユニットが電圧値を分析してトルク値を得、磁気リングが中心軸の回転によって駆動され、磁束密度分布を変更させ、ホールセンサが、一部が広義単調増加関数又は広義単調減少関数となるように組み合わされる複数の電圧値を出力して、1次元、2次元又は3次元の磁束密度を増幅検出し、電気信号処理ユニットが電圧値と変化量を分析して中心軸の位置角度値又は回転角度値を得、電気信号処理ユニットが単位時間当たりの回転角度値変化量を計算して中心軸回転速度値を得る。
【0025】
前記検出装置において、磁性材料は、溶射、ブラスト、ローレット成形加工、ローレット切削加工、粉末冶金又は埋め込みプロセスによってパターン化された形状を形成してよい。
【0026】
前記検出装置において、磁束密度変化は、対応する磁気リングの同じ極性領域内で、一部が狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数である。
【0027】
前記検出装置において、これらのホールセンサは、対応する磁気リングの同じ極性領域内で一部が狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数となるように組み合わされる複数の電圧値を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例に係る自転車運転パラメータの検出装置構造を模式的に示す分解図である。
図2図1における検出装置に適用された組立状態を示す図である。
図3図2における検出装置の一部を示す断面図である。
図4】本発明の検出装置のチューブ及びその上における磁性材料のパターン化された形状を示す斜視図である。
図5】本発明の検出装置のチューブ及びその上における磁性材料のパターン化された形状を示す正面図である。
図6図5における磁性材料のパターン化された形状のストライプと垂直線との間に夾角が形成される様子を模式的に示す図である。
図7図5における磁性材料の別のパターン化された形状のストライプと垂直線との間に別の夾角が形成される様子を模式的に示す図である。
図8】本発明のV字状にパターン化された形状を示す配列形態である。
図9】本発明のZ字状にパターン化された形状を示す配列形態である。
図10】本発明のV字状にパターン化された形状を示す別の配列形態である。
図11】本発明のZ字状にパターン化された形状を示す別の配列形態である。
図12】本発明のZ字状にパターン化された形状を示すさらに別の配列形態である。
図13A図1における検出装置の磁気リング、中心軸及び第1のホールセンサの相対位置を示す左側面図である。
図13B図13Aにおける磁気リング、中心軸及び第1のホールセンサの相対位置を示す正面図である。
図14A】本発明の別の実施例における磁気リング、中心軸、第1のホールセンサ及び第2のホールセンサの相対位置を示す左側面図である。
図14B図14Aにおける磁気リング、中心軸、第1のホールセンサ及び第2のホールセンサの相対位置を示す正面図である。
図15】本発明における左、右クランクの回転角度に対応する磁気リングの表面の磁束密度が正弦波形状となることを模式的に示すグラフである。
図16】本発明における左、右クランクの回転角度に対応する正弦波形状となる第1のホールセンサから出力した電圧を模式的に示すグラフである。
図17】本発明における左、右クランク位置角度に対応する磁気リングの表面が2極正弦波形状となる磁束密度を模式的に示すグラフである。
図18】本発明における左、右クランク位置角度に対応する2極正弦波形状となる第1のホールセンサから出力した電圧を模式的に示すグラフである。
図19】本発明における左、右クランク位置角度に対応するそれぞれ正弦波と方形波形状となる第1のホールセンサ、第2のホールセンサから出力した電圧を模式的に示すグラフである。
図20】本発明における左、右クランク位置角度に対応する2つの直交し且つ正弦波形状となる第1のホールセンサ、第2のホールセンサから出力した電圧を模式的に示すグラフである。
図21】本発明における左、右クランクの回転角度に対応する磁気リングの表面が凹波形になる磁束密度を模式的に示すグラフである。
図22】本発明における左、右クランクの回転角度に対応する磁気リングの表面が階段波形になる磁束密度を模式的に示すグラフである。
図23】本発明における左、右クランクの回転角度に対応する方形波形状となる第1のホールセンサから出力した電圧を模式的に示すグラフである。
図24】本発明における左、右クランクの回転角度に対応する2つの直交し且つ方形波形状となる第1のホールセンサ、第2のホールセンサから出力した電圧を模式的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、図面で本発明の複数の実施形態を明確に説明するために、数多くの実際の細部を以下の説明と併せて説明する。しかしながら、理解すべきなのは、これらの実際の細部が、本発明を制限するためのものではないことである。つまり、本発明の実施形態の一部において、これらの実際の細部は、必ずしも必要ないものである。また、図面を簡略化するために、従来慣用の構造及び素子は、図面において簡単且つ模式的に示される。このとき、重複した素子を同じ番号で示すことがある。
【0030】
図1図5を合わせて参照されたい。
図1は、本発明の一実施例に係る乗物の運転パラメータの検出装置構造を示す模式的に示す分解図である。
図2は、図1における検出装置に適用された組立状態を示す図である。
図3は、図2における検出装置の一部を示す断面図であり、チューブ2が直接チェーンホイール21に接続されている。
図4は、本発明の検出装置のチューブ2及びその上における磁性材料3のパターン化された形状を示す斜視図である。
図5は、本発明の検出装置のチューブ2及びその上における磁性材料3のパターン化された形状を示す正面図である。本発明に開示される乗物の運転パラメータの検出装置は、電動又は非電動の、自転車、オートバイ又は三輪車等に適用することができるが、これらに特に制限される訳ではない。以下、自転車を例として説明する。
【0031】
一実施例によれば、本発明の自転車運転パラメータの検出装置は、少なくとも、中心軸1、左クランク11、右クランク12、チューブ2、磁性材料3、コイル4、電気信号処理ユニット7、第1のホールセンサ6及び磁気リング5を含む。
【0032】
以下、上記の各素子の組合せ関係を、引き続き説明する。
中心軸1が自転車のボトムブラケット(未図示)内に配置される。左クランク11及び右クランク12は、それぞれ中心軸1の対向する両端に固定され、且つそれぞれ中心軸1に対して向かい合って外方に延びてトルクを発生し、この異なる位置設計によって左クランク11又は右クランク12の異なるデータを識別することができる。
チューブ2が中心軸1に外嵌される。磁性材料3は、チューブ2の表面に巻き付けられ、且つパターン化された形状を形成する。コイル4は、磁性材料3に巻き付けられ、磁性材料3の磁気変化を検出することに用いられる。電気信号処理ユニット7がコイル4及び第1のホールセンサ6に電気的に接続される。磁気リング5は、第1のホールセンサ6に対応し、中心軸1に連動するように接着又は射出成形によって中心軸1の表面に固定されてよい。
別に、チェーンホイール21が中心軸1に外嵌される。チューブ2は、一端が中心軸1に接続され、他端が直接又はアダプター(未図示)を介してチェーンホイール21に接続される。使用者が踏み込んで左クランク11及び右クランク12を駆動した後で、更にチェーンホイール21を回転させ、最後にチェーン及びフライホイールによって後輪を回転させ、走行動力を提供する。
【0033】
上記構造において、チューブ2は、左クランク11及び右クランク12のそれぞれの中心軸1へのトルクを受けて伝送して変形(剪断歪み)を発生する。このトルクの影響により、ピエゾ磁気効果に基づいて、磁性材料3のパターン化された形状における透磁率がそれぞれ応じて増減され、更に、その結果として、磁性材料3のパターン化された形状領域周辺のコイル4が対応する誘導起電力を発生し、電圧値を発生する。
また、使用者が乗って踏み込んだ後で、左クランク11及び右クランク12を対向して回転するように駆動し、更に中心軸1を回転駆動する。この時、中心軸1と連動する磁気リング5は、一部が単調増加関数又は単調減少関数となる表面磁束密度分布を有し、より好ましくは、同じ極性領域内の表面磁束密度分布の一部が単調増加関数又は単調減少関数である特性を有し、磁気リング5も中心軸1の回転角度に伴って変化し、更に、その結果として、その周辺の第1のホールセンサ6の位置の磁束密度分布に対応する変化が発生し、単調増加関数又は単調減少関数となる。
より好ましくは、狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数となり、これにより、第1のホールセンサ6の出力する対応のアナログ型の電圧変化が広義単調増加関数又は広義単調減少関数となってもよく、更に好ましくは、狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数(例えば、正弦波、三角波又は可能性のある他の波形)となる。
コイル4及び第1のホールセンサ6が共に電気信号処理ユニット7に電気的に接続される。この時、電気信号処理ユニット7によってコイル4及び第1のホールセンサ6の各々のアナログ型の正弦波形状となる電圧値とその変化を分析することで、それぞれ中心軸1のトルク値及び中心軸1の位置角度値又は回転角度値を正確に取得することができる。
更に、電気信号処理ユニット7は、アナログ型の正弦波形状となる電圧変化によって単位時間当たりの回転角度値の変化量を正確に計算し、つまり中心軸1の回転速度値を取得することができる。これにより、本発明の検出装置は、即時的なフィードバックを取得し、踏み込みやモーターブーストの効率を高めるために、トルク値、位置角度値、回転角度値及び回転速度値のような、自転車の中心軸1の運転パラメータを同時に迅速、安全、信頼的に測定することができる。
【0034】
コイル4は、1組、又は2組、又は3組以上であってよく、且つその巻線方向が同じ又は反対であってよい。これにより、コモンモードノイズを除去することができる。
【0035】
一実施例において、中心軸1とチューブ2との間にプラスチック製のホルダ41が配置されてよい。コイルの周辺には、電磁干渉を防ぐためのシールド210が配置されてよい。また、中心軸1は、一端に左軸受220が設けられ、他端に右軸受250が設けられる。左軸受220に左ワン230が外嵌され、右軸受250に右ワン260が外嵌されてよい。中心軸1が左軸受220、左ワン230、右軸受250及び右ワン260によって自転車のボトムブラケット内に固定される。また、チューブ2と中心軸1との間のスムーズな回転を確保するように、チューブ2の右側又は左側と中心軸1との間にガスケット240が配置されてよい。
【0036】
図4図5に続いて、図6及び図7を参照されたい。
図6は、図5における磁性材料3のパターン化された形状のストライプ300と垂直線L1との間に夾角700が形成される様子を模式的に示す図である。
図7は、図5における磁性材料3の別のパターン化された形状のストライプ33と垂直線L1との間に別の夾角701を形成する様子を模式的に示す図である。
本発明において、磁性材料3は、接着剤を利用せずに、溶射、ブラスト、ローレット成形加工、ローレット切削加工、粉末冶金又は埋め込みプロセス等の方法によって形成されたパターン化された形状であってよい。磁性材料3がチューブ2の表面に一体化されるので、瞬時フィードバックパラメータの正確性を効果的に向上させる。
本発明において、対応する磁気変化を形成するように、パターン化された形状は、V字状又はZ字状になってよい。
詳しく言えば、図6において、磁性材料3は、V字状のパターン化された形状となる。磁性材料3のパターン化された形状は、チューブ表面200にストライプ300を形成する。ストライプ300の接線L3とチューブ2の回転軸中心線L2の垂直線L1との間に夾角700が形成される。夾角700は、20度~70度又は110度~160度の範囲にあってよい。
図7において、磁性材料3は、Z字状になるパターン化された形状である。磁性材料3のパターン化された形状は、チューブ表面200にストライプ33を形成する。ストライプ33の接線L3とチューブ2の回転軸中心線L2の垂直線L1との間に夾角701が形成される。夾角701は、20度~70度又は110度~160度の範囲にあってよい。これにより、磁性材料3は、そのパターン化された形状によって、中心軸1に伴って回転する途中で、クランクへの踏み込みによるトルク作用を受けて、コイル4の周りに電圧変化を発生させる。
【0037】
本発明の磁性材料3は、様々なパターン化された形状の変化を形成してよい。図8図12を参照されたい。
図8は、本発明のV字状にパターン化された形状を示す配列形態である。
図9は、本発明のZ字状にパターン化された形状を示す配列形態である。
図10は、本発明のV字状にパターン化された形状を示す別の配列形態である。
図11は、本発明のZ字状にパターン化された形状を示す別の配列形態である。
図12は、本発明のZ字状にパターン化された形状を示すさらに別の配列形態である。
【0038】
図8において、パターン化された形状がV字状になり、且つそれぞれ平行である複数のストライプを含む2つの領域に分割でき、且つ2つの領域内のストライプの平行方向が異なる。
図8において、各領域におけるストライプのエッジが接続されて第1の構成800を形成する。
図9において、パターン化された形状は、Z字状になり、且つそれぞれ平行である複数のストライプを含む3つの領域に分割できる。3つの領域において、中央の領域内に位置するストライプとその隣接する2つの領域内のストライプとの平行方向は異なる。
図9において、各領域内のストライプのエッジが接続されて第2の構成801を形成する。
図10において、各領域におけるストライプのエッジが分離して第3の構成802を形成する。
図11において、各領域内のストライプのエッジが分離して第4の構成803を形成する。
図12において、中央の領域内に位置するストライプとその隣接する領域内のストライプエッジとが接続されて、その隣接する別の領域内のストライプエッジが分離して、第5の構成804を形成する。
異なる構成のパターン化された形状は、異なる機械的加工方法に対応して適用され、且つ異なる剪断歪み効果を発生することができる。
【0039】
注意すべきなのは、磁性材料の設置時に、磁性材料で粉末冶金によってチューブ及びチューブの表面に巻き付けられるパターン化された形状を一体的に製造してもよいことである。これは、粉末冶金の加工技術の別の適用変化である。
【0040】
図13A図14Bを更に参照されたい。
図13Aは、図1における検出装置の磁気リング5、中心軸1及び第1のホールセンサ6の相対位置を示す左側面図である。
図13Bは、図13Aにおける磁気リング5、中心軸1及び第1のホールセンサ6の相対位置を示す正面図である。
図14Aは、本発明の別の実施例における磁気リング5、中心軸1、第1のホールセンサ6及び第2のホールセンサ61の相対位置を示す左側面図である。
図14Bは、図14Aにおける磁気リング5、中心軸1、第1のホールセンサ6及び第2のホールセンサ61の相対位置を示す正面図である。
【0041】
図13A図14Bから分かるように、本発明において、磁気リング5、中心軸1、第1のホールセンサ6及び第2のホールセンサ61の相対位置や数の変化によって、2次元又は3次元の磁束密度を増幅検出することができるだけでなく、より正確な測定効果を得ることもできる。これについては、後の実施例で詳しく説明する。
【0042】
引き続き図15図24を合わせて参照されたい。
この一連の添付図面は、本発明において正弦波形状の一部の図形で示される広義単調増加又は広義単調減少、更に好ましくは、狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数である特性を有する磁気リングの表面空間における磁束密度分布状態を説明することである。
すなわち、対応するホールセンサに正弦波形状に対応して広義単調増加し又は広義単調減少し、更に好ましくは、狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数であるという特性を有するアナログ型電圧変化を出力させ、その上に任意の位置の電圧状況を取得することができ、且つ狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数の呈する波形が迅速、簡易及び正確的な信号分析に用いることができる。このため、本発明は、磁気リング5、第1のホールセンサ6及び第2のホールセンサ61の様々な変化によって、様々な複雑な表面磁束密度分布波形及び対応する電圧変化を発生させて、アナログ型数値分析で、より正確な測定結果を得ることができる。
【0043】
図15において、磁気リング5が中心軸1によって駆動されて回転する場合の第1のホールセンサ6での磁束密度の変化を示す。
この時、第1のホールセンサ6として、リニア出力タイプを採用し、左、右クランク11、12の回転角度に対応する磁気リング5が径方向又は軸方向に沿って着磁されて正弦波形状となる表面磁束密度51となるができる。
図16において、第1のホールセンサ6は、正弦波形状となる電圧510を出力する。これにより、正弦波形状の電圧510の微細な電圧変化を分析することで、磁気リング5、中心軸1、左クランク11及び右クランク12の回転角度値及び対応する回転速度値を得ることができる。
前記正弦波形状は、単に狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数の1つの実施態様だけであり、本実施形態の発生可能な正弦波形状に限定されない。
【0044】
本発明において、磁気リング5は、第1のホールセンサ6の出力した電圧を、電圧の波形の勾配に合わせて、磁気リング5の位置角度値に一意対応させることのできる2つの磁極を含んでよい。且つ、磁気リング5は左クランク11又は右クランク12とある角度で固定的に組み立てられ、第1のホールセンサ6は左クランク11又は右クランク12の位置角度に対応して、1組の唯一の電圧値及び前記電圧値での波形の前記勾配を出力する。
【0045】
図17において、磁気リング5は、軸方向又は径方向に沿って着磁されて2極正弦波形状となる表面磁束密度520を形成する。これにより、中心軸1の周方向に一周する360度の行程範囲内で、磁気リング5の磁束密度とその位置角度との間の対応関係を一意決定することができる。且つ、左クランク11及び右クランク12は、位置合わせるように中心軸1に取り付けられ、2極正弦波形状となる表面磁束密度520に固定的に対応する。
図18において、左クランク11及び右クランク12が回転する場合、リニア出力タイプを採用する第1のホールセンサ6は、2極正弦波形状となる電圧530を検知し出力し、2極正弦波形状の電圧530の電圧値と変化量を分析することで磁気リング5、中心軸1及び左、右クランク11、12の所在の位置角度及び対応する回転速度値を得ることができる。
【0046】
本発明において、ホールセンサの数と位置は変わってもよい。
例として、第1のホールセンサ6及び第2のホールセンサ61を同時に使ってもよい。両者同士が円周方向に90度の円周角で間隔をあけて配列され、又は第1のホールセンサ6と第2のホールセンサ61とが90度の相位角でずれた電圧波形を出力するように配列され(又は他の数の偶数対)てもよい。これにより、検知精度を向上させ又は1次元、2次元又は3次元の磁束密度を増幅検出する。
磁気リング5の表面は、2次元空間又は3次元空間での磁束密度分布が少なくとも1つの曲線軌道になる。且つこの曲線軌跡の対応する磁束密度変化は、一部が広義単調増加関数又は広義単調減少関数になり、より好ましくは、磁気リングの同じ極性領域内での分布の一部が狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数である特性を有する。左クランク11及び右クランク12が回転する場合、第1のホールセンサ6及び第2のホールセンサ61は、直交する2つの電圧波形を出力することができるため、検知精度を向上させる。
図19において、第2のホールセンサ61がスイッチタイプを採用し、且つ左クランク11及び右クランク12位置角度に対応する第1のホールセンサ6及び第2のホールセンサ61の2つの直交方形波形状と正弦波形状となる電圧52を示す。
図20において、第2のホールセンサ61がリニア出力タイプになり、且つ2つの直交正弦波形状となる電圧53を示す。
【0047】
図21において、左クランク11及び右クランク12の回転角度に対応する磁気リング5の凹波形になる表面磁束密度54を示し、図22において、磁気リング5の階段波形になる表面磁束密度55を示す。この時、図23に示すように、第1のホールセンサ6として、スイッチタイプを採用してもよく、同様に方形波形状となる電圧540を運用してもよい。
【0048】
図24において、第1のホールセンサ6及び第2のホールセンサ61のスイッチタイプを同時に使う場合の2つの直交方形波形状となる電圧550を示す。
第1のホールセンサ6又は第2のホールセンサ61によって、検出される空間磁束密度の次元を増幅して、1次元の磁束密度から2次元又は3次元の磁束密度にする。これにより、磁気リングのより多くの回転状況を得ることができ、第1のホールセンサ6及び第2のホールセンサ61として正弦波形状の電圧変化タイプを採用する場合、更に測定の精度を向上させ、信頼性を向上させることができる。
【0049】
以上の説明から分かるように、ホールセンサ6及びホールセンサ61を使用する場合、一部が広義単調増加関数又は広義単調減少関数となるように組み合わされる。より好ましくは、対応する磁気リング5の同じ極性領域内で、一部が狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数となるように組み合される複数の電圧値を出力して、1次元、2次元又は3次元の磁束密度を増幅検出し、且つ電気信号処理ユニットによって電圧値とその変化量を分析することにより、中心軸の位置角度値又は回転角度値を得ることができる。
【0050】
以上の説明から、本発明の前記目的及び効果は以下の通りであることが判明する。
一、本発明は、接着剤を利用せずに、チューブの表面に巻き回れる磁性材料によってパターン化された形状を形成することで、信頼性及び測定の精度を向上させる。
二、本発明は、狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数である特性を有する1次元又は多次元の表面磁束密度の磁気リングを使い、中心軸と連動的に回転して空間磁束密度値及び接線勾配を中心軸位置角度に一意対応させ、空間磁束の密度変化量を中心軸の回転角度値に正確に対応させることができる。
三、本発明は、第1のホールセンサ又は第2のホールセンサによって、狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数となる、対応するアナログ型電圧値を出力し、電圧変化の数値を分析して正確な電動乗物の運転パラメータ又は非電動乗物の運転パラメータをフィードバックすることができる。
四、本発明は、位置が異なり、又は位置が同じであるが互いの配置方向が異なる複数のホールセンサが利用され、複数のホールセンサによって、一部が狭義単調増加関数又は狭義単調減少関数となるように組み合わされ、対応する複数の電圧を出力して、1次元、又は2次元、又は3次元の磁束密度を増幅検出することができる。


【0051】
本発明では、実施形態を前述の通りに開示したが、これは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神や領域から逸脱しない限り、多様な変更や修飾を加えることができる。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24