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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】木製シート付きカード及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/02 20060101AFI20220929BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20220929BHJP
   B42D 15/00 20060101ALI20220929BHJP
   B42D 25/305 20140101ALI20220929BHJP
【FI】
G06K19/02
G06K19/077 144
G06K19/077 196
G06K19/077 212
G06K19/077 244
G06K19/077 264
B42D15/00 341B
B42D25/305 100
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020542872
(86)(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 KR2019009330
(87)【国際公開番号】W WO2021020596
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2020-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】516102186
【氏名又は名称】コナ アイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シン ソクス
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンジェ
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106991466(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0012296(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1376222(KR,B1)
【文献】特表平11-510625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/00-19/18
B42D 15/00-25/305
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの製造方法であって、
原木から木製シート加工するステップと、
COB(チップオンボード)接続されるアンテナを有するインレイシートの上部に前記木製シートを積層するステップと、
前記木製シートの上部における、前記COBに対応する領域をミーリングするが、前記木製シートの厚さよりも薄い残層を形成するステップと、
前記木製シートの残層の下部に位置する前記インレイシートから、前記残層を貫通して前記アンテナの一方の端部を露出させるステップと、
前記COBとアンテナの一方の端部とを電気的に接続するステップと、を含み、
前記残層を形成するステップ前に、前記残層を貫通して前記インレイシートの上部に露出する前記アンテナの一方の端部を保護し、前記残層との粘着及び結合を防止する、離型スクリーンインキ層を前記インレイシートのCOBに対応する領域に予め形成するステップをさらに含み、
前記露出させるステップは、
前記ミーリングにより、前記残層の下端に存在する、前記残層の形状に合わせて保護変形された前記離型スクリーンインキ層を貫通して、前記アンテナの一方の端部を引き出すステップをさらに含む
ことを特徴とする、木製カードの製造方法。
【請求項2】
前記離型スクリーンインキ層は、前記残層との粘着を防止し、且つ、木製シートをミーリングする際に前記アンテナを保護するために一定の厚さに形成されることを特徴とする、請求項に記載の、木製カードの製造方法。
【請求項3】
前記離型スクリーンインキ層は、0.015mm~0.02mmの厚さに形成されることを特徴とする、請求項に記載の木製カードの製造方法。
【請求項4】
前記電気的に接続するステップは、
前記露出されたアンテナの一方の端部を引き出すステップと、
前記引き出したアンテナの一方の端部と前記COBの接点とをスポット溶接(SPOT WELDING)するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の木製カードの製造方法。
【請求項5】
前記ンレイシートのコア、バイオコポリエステル(Copolyester)素材からなることを特徴とする、請求項1に記載の木製カードの製造方法。
【請求項6】
カードであって、
有線・無線インタフェースを提供して接触および非接触通信が可能なCOB(Chip on Board)
原木から加工された木製シートと、
前記木製シートの下部に積層され、アンテナを有するインレイシートと、を含み、
前記木製シートの上部は、前記COBに対応する領域がミーリングされて形成されるチップ収容溝を含み、前記チップ収容溝は、下端に前記木製シートの厚さよりも薄い残層を含み、
前記木製シートの残層の下部に位置する前記インレイシートから、前記残層を貫通して露出される前記アンテナの一方の端部と、前記COB接点とを電気的に接続し、
前記残層を貫通して前記インレイシートの上部に露出する前記アンテナの一方の端部を保護し、前記残層との粘着及び結合を防止する、離型スクリーンインキ層が、前記残層形成前に、前記インレイシートのCOBに対応する領域に予め形成され、
前記アンテナの一方の端部は、前記ミーリングにより、前記残層の下端に存在する、前記残層の形状に合わせて保護変形された前記離型スクリーンインキ層を貫通して、引き出された後、前記COBの接点と電気的に接続することを特徴とする、木製カード。
【請求項7】
前記ンレイシートのコア、バイオコポリエステル(Copolyester)素材からなることを特徴とする、請求項に記載の木製カード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木製シート付きカード及びその製造方法に係り、さらに詳しくは、木製シートをカードに内蔵して豪華で品格のある木の質感を感じることができながらも、有線・無線インタフェースが可能な木製シート付きカード及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プラスチックカードは、クレジットカード(credit card)、現金カード(cash card)、交通カードのように現金の代わりに使用することができ、大容量の情報を記録できる集積回路チップが内蔵されたカードは、病院の診療カード、各種メンバーカードなどで利用されているものであって、現代には、様々な用途のプラスチックカードが広く使用されている。
【0003】
プラスチックカードは、カードの外観を装飾し、様々な情報を示すために、オフセット印刷やシルクスクリーン印刷を介して、様々な色を示す模様や文字などを印刷した印刷紙が使用される。
【0004】
しかし、印刷によりカードの外観を装飾する場合には、特異な質感を醸し出すことでカードの外観の高級化を図るか高品位を感じさせる効果を期待することができなかった。
【0005】
そこで、上記の問題に鑑み、金属やセラミックスなどの貴金属素材の装飾部材をシートに含ませたり、熱接着、圧着させたりするカードが提案されている。
【0006】
しかしながら、このような金属片の装飾は、その特性により冷感を与えるので、柔らかな質感や自然美を感じるのは難しいという問題がある。
【0007】
これらの問題をすべて解決するために、最近では、原木などの木又は繊維材質の装飾やシートが入る木製カードが提案されている。
【0008】
ところが、木製カードの場合、原木などをシート状に加工してプラスチックカードに加熱圧着してミーリングによりチップを挿入する工程を伴うが、木材(木の素材)の特性上、木目模様などの不規則な表面パターンのために、金属のような均一な表面加工ができない問題があり、それに応じて精密加工が非常に難しく、且つ、生産性が非常に低い。
【0009】
特に、ミーリング工程では、木製シートが切削屑、おがくずなどの粉末状に飛ばして隙間に差し込まれたり、思わぬ部分に溜まったりする場合が発生する。
【0010】
また、圧着及び加熱工程により、木製シートの内部空間及び水分などが除去されるため、必然的に誤差が発生する。そのため、ミーリング時に初期設定の厚さよりも薄くなったり、曲がって変形した状態でミーリングされることにより、意外なシート層までミーリングされてしまったり、不均一にミーリングされたりするという問題が発生している。
【0011】
このような問題は、有線・無線インタフェースが可能なコンビ(Combi)カードの製造時に発生する可能性がより高いので、木製シートの不均一、木の屑、おがくずの存在および変形などは、アンテナインレイ層とチップとの間の精密接続工程を妨げ、特に、多くの場合、アンテナコイル自体が切れてしまう要因として作用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題を解決するために案出されたものであり、有線・無線インタフェースを提供するチップカードの精密工程及び加工の容易性を提供しながらも、不良率を最小化する構造及び工法を用いて、暖かく高級感のある自然な木の質感を提供する木製カードを生産的かつ効率的に製造することができる製造方法及び木製シート付きカードを提供することをその目的とする。
【0013】
また、本発明は、環境にやさしい素材及び木製シートを、その木目や変形又は屑などによる干渉なしで正確に積層結合することにより、より自然に近く使用者の健康を保護することができる、環境にやさしい木製カードを効率的かつ生産的に提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための本発明の実施形態によるカードの製造方法は、木製シート状に加工するステップと、COB(チップオンボード:Chip on Board)チップに接続されるアンテナを有するインレイシートの上部に前記木製シートを積層するステップと、前記木製シートの上部における、前記チップに対応する領域をミーリングするが、前記木製シートの厚さよりも薄い残層を形成するステップと、前記木製シートの残層の下部に位置する前記インレイシートから、前記残層を貫通して前記アンテナの一方の端部を露出させるステップと、前記チップとアンテナの一方の端部とを電気的に接続するステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するための本発明の実施形態によるカードは、有線・無線インタフェースを提供するCOB(チップオンボード)チップと、加工された木製シートと、前記木製シートの下部に積層され、アンテナを有するインレイシートと、を含み、前記木製シートの上部は、前記チップに対応する領域がミーリングされて形成される溝を含み、前記溝は、下端に前記木製シートの厚さよりも薄い残層を含み、前記木製シートの残層の下部に位置する前記インレイシートから、前記残層を貫通して露出される前記アンテナの一方の端部と、前記COBチップの接点とを電気的に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態によれば、前記木製シートの上部における、前記チップに対応する領域をミーリングするが、前記木製シートの厚さよりも薄い残層を形成し、前記木製シートの残層の下部に位置する前記インレイシートから、前記残層を貫通して前記アンテナの一方の端部を露出させることにより、残層により、木目模様と不均質性に起因する非精密工程を補完することができる。
【0017】
また、木の変形やおがくず、屑などによる影響を大きく受けずに、残層を貫通して、前記チップと前記アンテナの一方の端部とを電気的に接続できるようにする溝を形成するので、本発明は、木製シートに接触および非接触をサポートする有線・無線インタフェースチップを搭載する木製カードの精密工程及び加工の容易性を提供しながらも、不良率を最小化する構造及び工法を提供することができる。
【0018】
したがって、本発明の実施形態によれば、暖かく高級感のある自然な木の質感を提供しながらも、効率的に製造可能な木製シートカード及びその製造方法を提供することができ、特に、環境にやさしい素材及び木製シートを、その木目や変形又は屑などによる干渉なしで正確に積層結合することにより、より自然に近く使用者の健康をも保護することができる、環境にやさしい木製シートカードを効率的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る木製カードの斜視図を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る木製カードに挿入されるCOB及びその接点とアンテナとの間の接続を説明するための図である。
図3】本発明の実施形態により製造された木製カードの断面図である。
図4】本発明の実施形態により製造された木製カードの断面図である。
図5】本発明の実施形態により製造された木製カードの断面図である。
図6】本発明の実施形態により製造された木製カードの断面図である。
図7】本発明の実施形態により製造された木製カードの断面図である。
図8図3の点線部の部分拡大図であり、本発明の実施形態に係る木製カードの製造方法を説明するための工程別断面図である。
図9-14】本発明の他の実施形態に係る木製カードの製造方法を説明するための工程別断面図である。
図15】本発明の実施形態に係る木製カードの製造方法を説明するためのフローチャートである。
図16】本発明の実施形態に係る木製カードの製造方法を説明するためのフローチャートである。
図17】本発明の実施形態に係る木製カードの製造方法を説明するためのフローチャートである。
図18】木製カードを製造するための大面積シートにおけるカードシートの配置及び結合過程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の内容は、単に本発明の原理を例示する。したがって、当業者は、たとえ本明細書に明確に説明または図示されていないが、本発明の原理を実現し、本発明の概念と範囲に含まれている様々な装置を発明することができる筈である。なお、この明細書に列挙されたあらゆる条件付き用語及び実施形態は、原則的に、本発明の概念を理解させるための目的にのみ明確に意図され、このように特別に列挙された実施形態及び状態に制限的ではないものと理解されるべきである。
【0021】
例えば、明細書全体において、ある部分が他の部分と「接続」されているということは、「直接的に接続」されている場合だけでなく、その間に他の部材を介在して「間接的に接続」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」ということは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0022】
また、本発明の原理、観点及び実施形態だけではなく、特定の実施形態を列挙するあらゆる詳細な説明は、このような事項の構造的及び機能的な均等物を含むように意図されるものと理解されるべきである。なお、このような均等物は現在公知の均等物だけではなく、将来に開発される均等物、すなわち、構造とは無関係に同じ機能を行うように発明されたあらゆる素子を含むものと理解されるべきである。
【0023】
上述した目的、特徴及び利点は、添付図面に関する次の詳細な説明から一層明らかになり、これにより、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる筈である。また、本発明を説明するに当たって、本発明に関する公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする虞があると判断される場合に、その詳細な説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る木製シート付き木製カード100の斜視図を示す図である。図2は、本発明の実施形態に係る木製カードに挿入されるCOBチップ200及びその接点とアンテナとの間の接続を説明するための図である。
【0025】
木製カード100は、1つ以上のシートまたはレイヤー(層)を含み得、有線および無線インタフェースが可能なので、接触および非接触通信が可能なコンビ(Combi)COB(Chip on board)チップ200が挿着されることによりコンビカードとして使用することができる。
【0026】
一実施形態として、木製カード100は、木製シート層110と、木製シート層110を中心として下部に積層され、インレイコアシート上にアンテナコイルがインレイされたアンテナインレイ層120と、木製シート層110の上部に順次積層されるコア層170、第1の印刷層130および第1のオーバーレイ層150と、アンテナインレイ層120の下部に順次積層される第2の印刷層140及び第2のオーバーレイ層160と、を含む。
【0027】
ここで、第2のオーバーレイ層160は、磁気ストライプがオーバーレイされる磁気ストライプオーバーレイ(MS O/L:Magnetic stripe Overlay)層であってもよい。
【0028】
また、同図では上述した構成要素のみを示したが、本発明の木製カードはこれらに限定されるものではなく、木製カードを実現するために、コーティング層、ホログラム層、接着層などの他の構成要素をさらに含み得、付加機能のために、ディスプレイ部、生体センサ部などをさらに含み得る。
【0029】
また、本発明の木製カード100は、予め定義された基準に基づいた規格のサイズ及び厚さに合わせて製造されてもよく、各シートのサイズ及び厚さが、木製カードの動作と有線接続及び無線通信感度などに適した最適の値として決定されて結合されるように実現されてもよい。
【0030】
さらに、本発明の木製カード100を構成する各シートは、1つのカードを製造するためのシートではなく、大量生産が可能なように複数枚のカードを含むサイズの大型シートにより構成されてもよい。
【0031】
そして、まず、木製シート層110は、本発明の実施形態による木製カード特有の材質と木目、表面の質感及び自然美を生み出すコアシートであって、原木の材質から形成されてもよい。
【0032】
木製シート層110を構成する木材(木の素材)は、木材の特性を表現しながらも、自然で伐採した原木を所定の大きさに切断して直方体の角材状に加工して得られてもよい。また、前記角材を蒸気で蒸し茹でて木材の組織を軟化させ、殺菌処理を行うと、切断操作がより容易になる。また、好ましくは、茹でた木材を乾燥させて含水率20~25%にすると、加工が容易になる。
【0033】
例えば、木製シート層110は、乾燥した角材を幅広の刃で薄く切って厚さ0.1~0.8mmの木製シート状に成形して得られてもよく、角材の切断にはスライス(slice)方式を採用してもよい。角材を年輪に対して垂直に切って、木材の板目に加えられるストレスを減らし、柾目がよく出ている木目模様を形成することができる。
【0034】
また、本発明の実施形態に係る木製シートの積層及び上下層の接着において、水性接着剤としては、非毒性で環境にやさしい素材である木工用接着剤用合成樹脂エマルジョンを使用してもよいが、他の各種接着剤を使用してもよいので、本発明は、水性接着剤の種類に限定されるものではない。また、水性接着剤が硬化したとき、上下のシート層の120、130、140、150、160、170を全体的に加熱及び圧着してラミネートすることにより、原木の木が含まれた木製カード本体を最初に製造してもよい。
【0035】
一方、図2に示すように、本発明の実施形態に係るアンテナインレイ層120は、合成樹脂素材のインレイ層にアンテナコイル線を形成して製造することができ、インレイ層にアンテナコイルを熱接着して配線することができる。例えば、前記アンテナコイルは、前記インレイ層上に銅線を高周波接合機により加熱しながら配線することができる。
【0036】
したがって、アンテナインレイ層120は、無線周波数(RF:Radio Frequen-cy)アンテナコイルを含むシートであり得、アンテナコイルの場合、RF通信(例えば、NFC(近距離無線通信)、RFID(無線周波数識別))感度試験を通じて最適な感度を示すために、コイルのターン(Turn)数を決定し得る。また、本発明のアンテナコイルは、収容溝115を介して、木製シート層110の上部に取り付けられるCOBチップ200と直接的に接続することができる。
【0037】
このため、アンテナコイル端部127をCOBチップ200の接点210と接続することができる。図2(A)は、木製シート層110に収容されるCOBチップ200の上端パッド部分を除いた内部構造を示すものであり、COBチップ200下端には、上部パッドを支持するモールド層220と、電気的に接続するための1つ以上の接点210とが備えられてもよく、アンテナコイルの1つ以上の端部127を、前記接点210にそれぞれ電気的に接続することができる。
【0038】
ここで、本発明の実施形態に係る木製カードでは、アンテナインレイ層120の上部に前記木製シート層110をラミネートし、その上部にカードの全体形状を支持するコア層170をラミネートすることで、全シートを貼り合わせて1つのカード本体(card body)を形成した状態で、前記木製シート層110の上部に、前記チップ200に対応する領域をミーリング(例えば、チップ挿入空間を形成するためのCNC(コンピュータ数値制御)加工)してCOBチップ収容溝115を形成することができる。そして、前記収容溝115は、木製シート層110を貫通することなく、木製シート層110の厚さよりも薄い残層が形成されるように加工される。
【0039】
前記残層は、木製シートにCOBチップ収容溝115を加工する際、その表面の質感と木目及び残渣が原因で発生するさまざまな誤差を事前に防止するための保護層として機能することができる。特に、過度の深さにミーリングされてアンテナインレイ層120のアンテナコイルが切れないように保護する役割も果たすことができる。
【0040】
本発明の実施形態に係る木製シート層110がアンテナインレイ層120の上部に積層されるので、このような特徴は、より必要な構造であり得る。視覚的な観点から見ると、木製シート層110は、アンテナインレイ層120を前面から遮るので、より自然で高品質な木製カードを提供することができる。これに対し、木製シート層110がアンテナインレイ層120の下部に位置すれば、前面から見てアンテナが木製シートの上に露出されて、視覚的に邪魔になる場合がある。
【0041】
また、前記アンテナインレイ層120には、前記収容溝115の形成時に下端残層の下に位置するアンテナコイル端部127を保護するための離型スクリーン層125をさらに含み得る。木製シート層110は、基本的に木目により表面の一部または全部に凹凸が生じる可能性があり、収容溝115の加工時に残層を残したとしても、場合によっては、ミーリング誤差や屑および接着に起因してアンテナインレイ層120のアンテナコイルが切れる場合が発生する可能性がある。
【0042】
そこで、本発明の実施形態によるアンテナインレイ層120には、COBチップ収容溝115に対応する領域にアンテナコイル端部127を保護する離型スクリーン層125をさらに積層する。その次に、収容溝115を加工することにより、残層の下部に位置する離型スクリーン層125が、木製シート残渣の接着などに起因してアンテナ接続工程中に線(コイル)が切れてしまうことを事前に防止できるようにする。
【0043】
その後、前記電気的接続は、木製シート層110の収容溝115の下端残層および前記離型スクリーン層125を貫通して引き出したアンテナコイル端部127と、COBチップ200の接点210とをスポット溶接により接続することで行われる。
【0044】
一方、コア層170は、合成樹脂材からなるので、全体的なカード形状及びボディを支持することができ、ポリ塩化ビニル (Polyvinyl chloride:PVC)などの透明な素材からなるので、木製シート層110の質感を上部に投影することができる。また、本発明の実施形態によれば、コア層170は、環境汚染を防止しながらも耐熱性、透明性および耐化学性を有する環境にやさしい素材から形成されてもよい。例えば、インレイコアシートは、ビスフェノールAを含まないバイオ合成コポリエステル(Copolyester)素材から形成されてもよく、これにより、従来のプラスチック素材よりも二酸化炭素の生成を低減することができる。
【0045】
また、第1の印刷層130及び第2の印刷層140は、それぞれカードの情報をプリントして表示したり、カードの情報や柄、文様などのイメージをプリントして表示したりするシートであって、カード前面及び背面に接着することができる。
【0046】
さらに、第1のオーバーレイ層150及び第2のオーバーレイ層160は、木製カードの上下部をそれぞれコーティングして保護する合成樹脂製のコーティング層であってもよい。特に、第2のオーバーレイ層160は磁気ストライプをさらに含み、磁気カードによる商品決済などに利用することができる。
【0047】
図3は、本発明の実施形態により製造された木製カードの断面図である。図4図8は、図3の点線部の部分拡大図であり、本発明の実施形態に係る木製カードの製造方法を説明するための工程別断面図である。
【0048】
まず、図3は、全体各シート110、120、130、140、150、160、170を積層した後、ラミネートにより単一のカード本体を形成するために、加工された木のカード100の収容溝115にCOBチップ200を搭載した状態を示す。
【0049】
カード本体(card body)は、熱と圧力によるラミネート工程により1つのプレートとして実現でき、このような状態で、CNCミーリング加工により、残層を有する収容溝115を形成し、形成された収容溝115の残層を貫通して、COBチップ200の接点210と下部アンテナインレイ層120のアンテナコイルとをスポット溶接(Spot Welding)により電気的に接続した後、COBチップ200を搭載することができる。
【0050】
具体的には、まず、図4に示すように、木目模様を有する木製シート層110を加工し、アンテナインレイ層120を形成した後、木製シート層110の下部にアンテナインレイ層120を積層し、上部にはコア層170、第1の印刷層130及び第1のオーバーレイ層150を順次積層し、下部には第2の印刷層140及び第2のオーバーレイ層160を順次積層することができる。
【0051】
ここで、アンテナインレイ層120は、インレイコアシートの表面にアンテナコイルを積層して形成されてもよく、アンテナコイルの両端は、COBチップ200の接点210とそれぞれ接続できるようにアンテナ接点接続部121、122に位置してもよい。
【0052】
また、前述したようなコア層170と、アンテナインレイ層120のインレイコアシートとは、PVCなどの合成樹脂材から形成されてもよいが、本発明の実施形態によれば、環境汚染を防止しながらも耐熱性、透明性及び耐化学性を有する環境にやさしい素材から形成されてもよい。例えば、インレイコアシートは、ビスフェノールAを含まないバイオ合成コポリエステル(Copolyester)素材から形成されてもよく、これにより、従来のプラスチック素材よりも二酸化炭素の生成を低減することができる。
【0053】
一方、図5に示すように、全体各層110、120、130、140、150、160、170が積層された全体の積層構造を含むカード本体を、熱と圧力によるラミネート工程により1つのプレートとして形成することができる。
【0054】
ここで、ラミネートのためのプレス温度は、コア層170及びアンテナインレイ層120の素材に応じて変更できる。例えば、コア層170及びアンテナインレイ層120のコアがPVCなどの合成樹脂である場合には、150度に設定可能であり、コアが環境にやさしいバイオ合成コポリエステル素材である場合には、115度に設定可能である。
【0055】
そして、図6に示すように、本発明の実施形態に係るCOBチップ収容溝115に対応して、木製シート層110の深さD1までカットするが、D1よりも浅い深さD2を有する残層117を残すようにカットすることができる。このような1次ミーリング加工により、幅はCOBチップ200のパッド幅に対応し、第1のオーバーレイ層150、第1の印刷層130及びD1を加算して深さが形成される凹状の収容溝115を1次的に形成することができる。ここで、前記1次ミーリングされた収容溝115の上部からの深さは、COBチップ200のパッド部分に対応して0.330~0.350mmであることが好ましい。
【0056】
また、図7に示すように、本発明の実施形態に係るCOBチップ収容溝115に対して、COBチップ200背面のモールド層220を収容できるようにモールド層220の幅に対応する2次ミーリングを行ってもよい。これにより、残層117からインレイ層120の一部までの深さD3のモールド層220収容部を前記COBチップ収容溝115に形成することができる。ここで、COBチップ収容溝115に前記2次ミーリングされたモールド層220収容部の深さは、上部から0.550mm~0.570mmであり得、したがって、深さD3は、好ましくは0.220mmであり得る。ただし、これは、例示的なもので、収容溝115の形状は、COBチップ背面のモールド層220の存在の有無、大きさ、形状および模様に応じて様々に変更されてもよい。例えば、上部から順次に、上部第1のオーバーレイ層150は0.04mm、上部第1の印刷層160は0.10mm、コア層170は0.12mm、木製シート層110は、0.14mm、アンテナインレイ層120は0.20mm、下部第2の印刷層は0.10mm、下部第2のオーバーレイ層160は0.06mmで積層された状態において、好ましくは、前記1次ミーリング深さD1は0.33mm~0.35mm、残層117の深さは0.02mm~0.03mm、2次ミーリング深さD3は0.220mmに設定されてもよい。
【0057】
残層117の深さは、木製シート層110の全厚に比べて薄くてもよく、木製シート層110の木目などによって生じた突起部分をカバーする程度の薄い繊維層で前記残層117を構成してもよい。
【0058】
これにより、図8に示すように、アンテナコイル両端のアンテナ接点接続部121、122から上方に引き出したアンテナコイルと、COBチップ200の接点210とを接続することができる。
【0059】
具体的には、ミーリングされた収容溝115の内部残層117は、薄い木質繊維材からなるので、上方から見たとき、その下部に位置するアンテナコイル端部127の形状及び位置を視覚的または光学的に露出させる可能性がある。
【0060】
したがって、視覚的または光学的に露出されたアンテナコイル端部127を見つけて残層117の上部から引き出すと、アンテナコイルは、残層117を貫通して外部に露出され、スポット溶接によりCOBチップ200の接点210と接続でき、これにより、木製シート層110の収容溝115には、電気的に接続されたCOBチップ200が搭載固定される。
【0061】
COBチップ200が搭載されると、収容溝115の2次ミーリングされた収容部にCOBチップ背面のモールド層220を収容することもできる。このとき、COBチップ200の背面モールド層220と収容溝115とが接する領域に接着剤を塗布してCOBチップ200を固定することができる。
【0062】
一実施形態として、COBチップ200の挿入(Inserting)工程は、カードの前面部のプリンティング及びコーティング工程の完了後に実施されてもよい。同図では、収容溝115を四角形状で示しているが、これに限定されるものではなく、COBチップ背面の突出部を構成するモールド層の形状に対応して、アンテナ接続に必要なスペース外の余白を最小限に抑えるように、ミーリング工程により設けることができる。
【0063】
また、同図では、各々シートを説明するために、実際の層よりも厚く示しているが、実際のシートは非常に薄い形状であり得る。
【0064】
図9図14は、本発明の他の実施形態に係る木製カードの製造方法を説明するための工程別断面図である。
【0065】
図9図14に示すように、本発明の実施形態によるアンテナインレイ層120のアンテナ接点接続部121、122の上部には、前記アンテナ接点接続部121、122を保護する離型スクリーン層125をラミネート処理前に形成してもよい。
【0066】
まず、図9に示すように、離型スクリーンインクを塗布することで離型スクリーン層125を予め形成してもよい。前記離型スクリーンインクは、白色スクリーンインキまたはオフホワイトスクリーンインキであってもよく、下部に位置するアンテナ接点接続部121、122が視覚的に露出されるように薄く塗布してもよい。
【0067】
例えば、離型スクリーンインキの塗布領域は、アンテナインレイ層120の輪郭線を基準として、上面から見たとき、左側から8.6mm、上側から25.6mm離れた箇所から横13mm、縦9mmである。塗布された層の厚さは、木製シート層110の残層117に対応して、0.015mm~0.02mmであることが好ましい。
【0068】
このような離型スクリーン層125は、アンテナ接点接続部121、122に位置するアンテナコイル端部127を上方に引き出す過程で、残層117により発生する原木の木の残渣がアンテナと粘着または結合するため、アンテナを引き出す工程を妨害し、その結果、アンテナコイルが切れてしまう問題を防止するために形成するスクリーン層である。前記離型スクリーン層125は、COBチップ搭載領域のアンテナインレイ層120と木製シート層110との間を離型分離することで、ラミネートによる残層117とアンテナ間の粘着を事前に防止し、ラミネート後の上部残層117を除去したり貫通させてアンテナを引き出したりする工程を円滑に行う。
【0069】
また、離型スクリーン層125は、アンテナ接点接続部121、122や周辺のアンテナコイル部分を保護することができる。しかも、前述の方法による残層117のミーリング工程に起因する加工誤差や、木製シート層110の突起や、副産物などによりアンテナが押されて切れる問題が発生することをさらに防止することができる。
【0070】
これにより、図10に示すように、離型スクリーン層125が塗布形成された状態で、熱と圧力によるラミネートが行われ、離型スクリーン層125は、木製シート層110の木目のような凹凸突起により変形されるが、下部のアンテナ接点接続部121、122は、変形された離型スクリーン層125により、残層117の木製シート残渣と粘着または結合しない。このため、貫通、分離及び引き出し工程が容易となり、その弾力性及び伸縮性により、ミーリングおよび収容溝115の加工工程中にも保護される。したがって、前記離型スクリーンインキ層は、アンテナ接点接続部121、122と残層117との間を分離しやすくする一定の厚さに形成されてもよい。
【0071】
図11は、離型スクリーン層125を含むカード本体の収容溝115の1次ミーリング工程の状態を示すものであり、図11に示すように、残層117の下部には、離型スクリーン層125が変形状態で残される可能性がある。したがって、1次ミーリング工程において、残層117の厚さは、離型スクリーン層125の厚さよりも厚くに設定されてもよい。
【0072】
一方、図12は、前記1次ミーリングにより、前記残層117の下部に前記残層117の形状に合わせて保護変形された前記離型スクリーンインキ層125を分離貫通して、前記アンテナの一方の端部を引き出すことを示すものである。
【0073】
また、図13は、COBチップ200背面のモールド層220を結合するための2次ミーリング工程を示すものである。前述したように、COBチップ200背面のモールド層220の幅に対応し、深さD3を有する2次ミーリング工程を、前記アンテナ両端の間で行うことができる。
【0074】
一方、図14は、前記露出されたアンテナの一方の端部と前記COBチップ200の接点210とをスポット溶接により接続することを示すものであり、アンテナの接続後に、前記COBチップ200は、収容溝115に接合されて搭載される。
【0075】
このように、離型スクリーン層125の存在により、スポット溶接後に残された残層117の残量などを取り除きやすくなり、これにより、より精度で生産的かつ効率的な木製カードの加工が可能になる。
【0076】
図15は、本発明の実施形態に係る木製カードの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0077】
図15に示すように、本発明の実施形態に係る木製カードの製造方法は、まず、原木を切断及びスライスして木製シート状に加工するステップを含む(S101)。
【0078】
ここで、木製シートを用いて木製シート層110を構成してもよい。前述のような角材の乾燥、軟化、殺菌処理及び再乾燥を経て木製シート状に加工することができ、スライス処理によって柾目がよく出ている木目模様を形成することができる。
【0079】
そして、アンテナを有するアンテナインレイ層120における、COBチップ200搭載領域に対応するアンテナ接点接続部121、122上には、アンテナを保護するための離型スクリーン層を形成する(S103)。
【0080】
次に、離型スクリーン層が形成されたアンテナインレイ層120を、木製シート層110を構成する木製シート下部に積層し、その上下部にコア層、オーバーレイ層及び印刷層120、130、150、160、170をそれぞれ積層した後、ラミネート処理を行う(S105)。
【0081】
ラミネート工程により全体的な木製カードのボディプレートが形成されると、COBチップ200を搭載するために、ボディプレート上部から木製シート層110までの深さD1をミーリングしてCOBチップ収容溝115を1次形成し、木製シート層110の全厚よりも薄い深さD2を有する残層117を形成する。
【0082】
ここで、残層117の厚さは、例えば、木製シート層110の全厚の約1/10程度と薄く形成されてもよく、木目材質による上下凹凸を有する繊維層として形成されてもよい。
【0083】
また、前記残層117の下部には、ラミネートによって残層117の凹凸形状に合わせて保護変形された離型スクリーン層125が存在する。
【0084】
これにより、アンテナインレイ層120におけるアンテナコイル端部127を、残層117及び離型スクリーン層125を貫通して引き出すことができる(S109)。
【0085】
そして、COBチップ背面のモールド層220の幅に対応して、収容溝115のアンテナ両端の間を深さD3に2次ミーリングすることができる(S110)。
【0086】
ここで、前記ステップS110は、前記ステップS109の次の順番に限定されるものではなく、ステップS109の前に行われてもよい。例えば、深さD3に2次ミーリングする工程を先に行った後、前記アンテナコイル端部127を引き出す工程を行ってもよい。
【0087】
前記アンテナコイル端部127とCOBチップ200の接点210とは、スポット溶接により電気的に接続されてもよい。
【0088】
また、アンテナコイルの両端部とCOBチップ200の両接点とをすべて接続した後、前記2次ミーリングされた収容溝115の領域にCOBチップ200を搭載することができる(S111)。
【0089】
図16図18は、木製カードを製造するための大面積シートにおけるカードシートの配置及び結合過程を説明するための図である。
【0090】
図16図18に示すように、本発明の木製シート層110は、複数枚のカードを含む大型のシートで構成することができる。複数のシートを貼り合わせて熱と圧力を加えて一つのシートにするラミネート(Laminate)工程を経た後、切削加工により複数枚のカードを生産することができる。このような複数枚のカードに含む木製シートの切削加工作業には、木材(木の素材)の特性に応じて特殊な加工材、冷却剤、切削工具を使用することができる。
【0091】
特に、図16に示すように、アンテナインレイシートを構成する場合、各アンテナコイルは、RF通信感度試験により最適な感度を示すようにアンテナコイルの巻き数が決定され、コアシート(PVCまたは環境にやさしいバイオポリエステル素材)上に積層形成される。この場合、各アンテナの一方の端部127は、COBチップ200と接続するためにアンテナ接点接続部121、122の周りに配置される。
【0092】
なお、図17に示すように、アンテナ接点接続部121,122上に離型スクリーン層125を各カード別に塗布することができる。
【0093】
その後、図18に示すように、それぞれのシートを貼り合わせ、熱と圧力によりラミネートしてカード本体を形成することができる。
【0094】
具体的には、ラミネート工程は、積層シートを所定時間加熱・加圧し、同じ圧力を保ちながら冷却をすることで実現できる。一実施形態では、ラミネート工程の時間、温度及び圧力などの工程条件は、接着性、木製シートの厚さ、PVCの収縮程度、コア層及びインレイコアシートの素材(バイオコポリエステルなど)などを考慮して決定することができる。例えば、ラミネート工程時の素材の変形(収縮または膨張)の程度を考慮して、ラミネート時間と温度を決定することができる。
【0095】
その後、1つの統合シートとして実現された大型シートは、CNC切削工具などで切削して、個々のカードに分離することができる。また、COBチップ200を挿入するために、残層117を含む収容溝115を形成するためのミーリングを行う工程は、個々のカードに分離した後に行ってもよく、貼り合わせられた状態で行ってもよい。
【0096】
以上、本発明の好適な実施形態について図示及び説明したが、本発明は、上述した特定の実施形態に何ら限定されるものではなく、請求範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により様々な変形実施が可能なのはいうまでもなく、このような変形実施は、本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0097】
100 木製カード
110 木製シート層
120 アンテナインレイ層
130 第1の印刷層
140 第2の印刷層
150 第1のオーバーレイ層
160 第2のオーバーレイ層
170 コア層
115 COBチップ収容溝
125 離型スクリーン層
127 アンテナコイル端部
121、122 アンテナ接点接続部
200 COBチップ
210 接点
220 モールド層
117 残層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18