(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】LED取付マウント、前記LED取付マウントを含む調整機構及び前記調整機構を含むレッドドットサイト
(51)【国際特許分類】
F41G 1/387 20060101AFI20220929BHJP
F41G 1/34 20060101ALI20220929BHJP
F41G 3/26 20060101ALI20220929BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20220929BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220929BHJP
【FI】
F41G1/387
F41G1/34
F41G3/26 A
F21V19/00 110
F21V19/00 130
F21V19/00 170
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020571557
(86)(22)【出願日】2019-03-16
(86)【国際出願番号】 CN2019078395
(87)【国際公開番号】W WO2020001079
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-12-21
(31)【優先権主張番号】201810664345.5
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520421994
【氏名又は名称】西安華科光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUANIC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】孫建華
(72)【発明者】
【氏名】程学文
(72)【発明者】
【氏名】趙耀鋒
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107782199(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41G 1/387
F41G 1/34
F41G 3/26
F21V 19/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レッドドットサイトのLED取付マウントであって、
スライダーベース(1)と、
前端面にLEDチップ(20)が取り付けられるベース(2)と、
前記スライダーベース(1)の上面に垂直な垂直調整用ネジ(13)と、
前記ベース(2)の他端(202)に対向する水平ネジ(14)と、を含み、
前記ベース(2)は、前記スライダーベース(1)の前端面に
設置される係合機構に挿入され、
前記ベース(2)は、前記水平ネジ(14)により前記係合機構
内で前記スライダーベース(1)の長手方向(L)に沿って往復移動
し、
前記スライダーベース(1)は、前記垂直調整用ネジ(13)により前記長手方向(L)に垂直な方向に沿って移動する
ことを特徴とするLED取付マウント。
【請求項2】
前記係合機構は、前記スライダーベース(1)の前端面に設置されるとともに、前記スライダーベース(1)の長手方向に平行なシュート(3)であり、
前記シュート(3)は、一端が閉塞端であり、他端が開放端であり、
前記ベース(2)を前記シュート(3)に配置すると、前記ベース(2)の前端面が前記スライダーベース(1)の前端面と面一をなす
ことを特徴とする請求項1に記載のLED取付マウント。
【請求項3】
前記ベース(2)の一端(201)と前記閉塞端との間には、復帰コイルバネ(10)が設置される
ことを特徴とする請求項2に記載のLED取付マウント。
【請求項4】
前記シュート(3)の内端面(3-0)には、前記シュート(3)の長手方向に沿って均一に設けられる少なくとも2つのブラインドホール(4)が設置され、
前記ブラインドホール(4)内には、押圧機構I(T1)が取り付けられ、
前記押圧機構I(T1)は、内側から外側に向って前記ブラインドホール(4)に順次に取り付けられるコイルバネ(5)と、中空の係止キャップ(6)と、前記中空の係止キャップ(6)の前端の出口の内径よりも大きい直径を有するスチールボール(7)と、を含み、
前記スチールボール(7)は、前記中空の係止キャップ(6)の後端から前記中空の係止キャップ(6)に入った後、前記コイルバネ(5)により前記中空の係止キャップ(6)の前端の出口に当接し、
前記スチールボール(7)の球面の一部が前記中空の係止キャップ(6)の前端の出口の外側に露出されることによって、前記ベース(2)の後端面に当接するようになり、
前記ベース(2)の上面には、前記ベース(2)の長手方向に沿って均一に設けられる少なくとも2つの凹溝(8)が設置され、
前記凹溝(8)には、前記押圧機構I(T1)と同一の構造を有する押圧機構II(T2)が取り付けられ、
前記押圧機構II(T2)は、前記ベース(2)の上面に対向するシュート(3)の内側の上面に当接されて押圧するためのものである
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のLED取付マウント。
【請求項5】
前記シュート(3)の長手方向には、内側凹部(17)が設置され、
前記内側凹部(17)は、前記スライダーベース(1)の上面から下側に向いて前記スライダーベース(1)の底面まで延び、
前記ベース(2)の底面には、長手方向に沿って配列される2つの位置決めピン(18)が設置され、
前記位置決めピン(18)は、下側に向いて前記内側凹部(17)の下側エッジまで延びることによって、前記ベース(2)が前記シュート(3)内において左右に移動する距離を制限する
ことを特徴とする請求項4に記載のLED取付マウント。
【請求項6】
前記係合機構は、前記スライダーベース(1)の前端面に設置されるとともに、前記スライダーベース(1)の長手方向に平行なベース用ブラインドホール(21)であり、
前記ベース用ブラインドホール(21)の前端面には、前記ベース用ブラインドホール(21)に挿入される前記ベース(2)の前端面にLEDチップを取り付けるための切欠部(22)が設置される
ことを特徴とする請求項1に記載のLED取付マウント。
【請求項7】
前記ベース(2)の一端と前記ベース用ブラインドホール(21)の末端との間には、復帰コイルバネ(10)が設置される
ことを特徴とする請求項6に記載のLED取付マウント。
【請求項8】
前記ベース(2)の後端面には、前記後端面に垂直な円柱ピン(23)が設置され、
前記円柱ピン(23)に対応する前記ベース用ブラインドホール(21)の内側壁には、前記円柱ピン(23)を往復移動させるための溝部(24)が設置される
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のLED取付マウント。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のLED取付マウントを含む調整機構であって、
前記スライダーベース(1)の上面には、接続線により矩形をなす4つの位置規制ブラインドホール(11)及び前記矩形の中心に設置されるネジ穴(12)が設置され、
前
記垂直調整用ネジ(13)がネジ穴(12)にネジ接続され、
前記位置規制ブラインドホール(11)内には、前記スライダーベース(1)の上面に平行な端面を有する垂直コイルバネ(111)が設置され、
前記ベース(2)の他端(202)には、水平調整部材が設置され、
前記水平調整部材は、
前記水平ネジ(14)と、前記水平ネジ(14)にネジ接続される上部ブロック(15)と、を含み、
前記上部ブロック(15)は、前記ベース(2)の他端(202)と前記水平ネジ(14)との間に配置され、
前記水平ネジ(14)のスクリューは、前記ベース(2)の他端(202)に垂直になる
ことを特徴とする調整機構。
【請求項10】
前記垂直調整用ネジ(13)のネジの末端の円周方向の側壁には、環状凹溝が設置され、
U字型位置規制シート(
130)を前記環状凹溝に係合させることにより、前記スライダーベース(1)に対する係止を実現する
ことを特徴とする請求項9に記載の調整機構。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の調整機構を含むレッドドットサイトであって、
前記レッドドットサイトは、サポートベース(16)を含み、
前記調整機構は、前記サポートベース(16)の後端に設けられるチャンバー(19)に取り付けられ、
前記ベース(2)の前端面は、押圧機構I(T1)によって前記チャンバー(19)の前端面に当接し、
前記水平ネジ(14)は、前記チャンバー(19)の一側の外側から前記チャンバー(19)内まで延びるとともに、前記チャンバー(19)に配置される上部ブロック(15)にネジ接続され、
前記垂直調整用ネジ(13)は、前記チャンバー(19)の上部の外側から内側に向いて前記チャンバー(19)内まで延びるとともに、前記ネジ穴(12)にネジ接続される
ことを特徴とするレッドドットサイト。
【請求項12】
サポートベース(16)と、前記サポートベース(16)の後端に設けられるチャンバー(19)に取り付けられる
請求項1~8のいずれか1項に記載のLED取付マウントとを含むレッドドットサイトであって、
前記LED取付マウントは、スライダーベース(1)と、前端面にLEDチップ(20)が取り付けられるベース(2)とを含み、
前記チャンバー(19)の末端の左右の角部のそれぞれには、ネジ穴(240)が設置され、
前記ネジ穴(240)内には、ボルト(25)が取り付けられ、
前記ボルト(25)のボルトヘッドには、前記ボルト(25)と同軸である接続ネジ穴(26)が設置され、
前記ボルト(25)のボルトヘッドのエッジが前記スライダーベース(1)の底面の内側まで延びることにより、前記スライダーベース(1)に対する係止を実現する
ことを特徴とするレッドドットサイト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED取付マウント、前記LED取付マウントを含む調整機構及び前記調整機構を含むレッドドットサイト(Red Dot Sight)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレッドドットサイトにおけるLEDチップは、サポートベースの後端に位置するチャンバー内に取り付けられており、垂直又は水平調整用ネジを利用してLEDチップの取付マウントの位置に対する調整を実現するが、調整過程において、バネ同士の相互干渉によって単一方向に調整する時に取付マウントが歪むので、調整の精度及び効率が低下してしまう場合が多い。
【0003】
上記の欠陥は、LEDチップの位置調整ユニットが複数の部材から構成され、垂直と水平方向における位置に対する調整が復帰バネからの干渉を受けることが主な要因である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来のレッドドットサイトに存在する光源の出射方向に対する調整の効率が低く、精度が悪く、信頼性が低いという問題を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の目的を達成するために、スライダーベースと、前端面にLEDチップが取り付けられるベースとを含むLED取付マウントを提供する。前記ベースは、スライダーベースの前端面に配置され、且つ、係合機構により前記ベースを前記スライダーベースの長手方向に沿って往復移動させる。
【0006】
前記係合機構は、前記スライダーベースの前端面に設置されるとともに、前記スライダーベースの長手方向に平行なシュートであり、且つ、前記シュートは、一端が閉塞端であり、他端が開放端である。
【0007】
前記ベースを前記シュートに配置する場合、前記ベースの前端面と前記スライダーベースの前端面が面一をなす。
前記ベースの一端と前記閉塞端との間には、復帰コイルバネが設置される。
【0008】
前記シュートの内端面には、シュートの長手方向に沿って均一に設けられる少なくとも2つのブラインドホールが設置され、前記ブラインドホールには、押圧機構I(T1)が取り付けられている。
【0009】
前記押圧機構I(T1)は、ブラインドホールの内側から外側に向って順次にブラインドホールに取り付けられるコイルバネと、中空の係止キャップと、前記中空の係止キャップの前端の出口の内径よりも大きい直径を有するスチールボールと、を含む。前記スチールボールは、中空の係止キャップの後端から前記中空の係止キャップ内に入った後、コイルバネにより前記中空の係止キャップの前端の出口に当接し、且つ、前記スチールボールの球面の一部が前記中空の係止キャップの前端の出口の外側に露出されることによって、前記ベースの後端面に当接される。
【0010】
前記ベースの上面には、ベースの長手方向に沿って均一に配置される少なくとも2つの凹溝が設置され、前記凹溝内には、前記押圧機構I(T1)と同一の構造を有する押圧機構II(T2)が取り付けられており、前記押圧機構II(T2)は、前記ベースの上面に対向するシュートの内側の上面に当接されて押圧するためのものである。
【0011】
前記シュートの長手方向には、内側凹部が設置され、且つ、前記内側凹部は、スライダーベースの上面から下側に向いて前記スライダーベースの底面まで延びる。
前記ベースの底面には、長手方向に沿って配列される2つの位置決めピンが設置され、且つ、前記位置決めピンは、下側に向いて前記内側凹部の下側エッジまで延びることによって、シュート内において左右に移動する前記ベースの距離を制限する。
【0012】
前記係合機構は、前記スライダーベースの前端面に設置されるとともに、前記スライダーベースの長手方向に平行なベース用ブラインドホールであり、また、前記ベース用ブラインドホールの前端面には、前記ベース用ブラインドホールに挿入される前記ベースの前端面にLEDチップを容易に取り付けるための切欠部が設置される。
【0013】
前記ベースの一端と前記ベース用ブラインドホールの末端との間には、復帰コイルバネが設置される。
前記ベースの後端面には、前記後端面に垂直な円柱ピンが設置され、前記円柱ピンに対応する前記ベース用ブラインドホールの内側壁には、前記円柱ピンを往復移動させるための溝部が設置される。
【0014】
上記のLED取付マウントを含む調整機構を提供する。スライダーベースの上面には、接続線により矩形をなす4つの位置規制ブラインドホールと、前記矩形の中心に設置されるネジ穴と、が設置され、前記スライダーベースの上面に垂直な調整用ネジが前記ネジ穴にネジ接続される。
【0015】
位置規制ブラインドホールには、前記スライダーベースの上面に平行な端面を有する垂直コイルバネが設置される。
ベースの他端には、水平調整部材が設置され、前記水平調整部材は、水平ネジと、前記水平ネジにネジ接続される上部ブロックと、から構成され、前記上部ブロックは、前記ベースの他端と前記水平ネジとの間に配置され、水平ネジのスクリューが前記ベースの他端に垂直になる。
【0016】
上記の調整機構を含むレッドドットサイトを提供する。前記レッドドットサイトは、サポートベースを含み、前記調整機構は、前記サポートベースの後端に位置するチャンバー内に取り付けられる。
【0017】
ベースの前端面は、押圧機構I(T1)によってチャンバーの前端面に当接し、水平ネジは、前記チャンバーの一側の外側から前記チャンバー内まで延びるとともに、前記チャンバー内に配置された上部ブロックにネジ接続される。
【0018】
垂直調整用ネジは、前記チャンバーの上部の外側から内側に向いて前記チャンバー内まで延びるとともに、ネジ穴にネジ接続される。
サポートベースと、前記サポートベースの後端に位置するチャンバーに取り付けられるLED取付マウントとを含むレッドドットサイトを提供する。前記LED取付マウントは、スライダーベースと、前端面にLEDチップが取り付けられるベースと、を含む。
【0019】
前記チャンバーの末端の左右の角部のそれぞれには、ネジ穴が設置され、前記ネジ穴内には、ボルトが取り付けられ、且つ、前記ボルトのボルトヘッドには、前記ボルトと同軸である接続ネジ穴が設置される。
【0020】
前記ボルトのボルトヘッドのエッジが前記スライダーベースの底面の内側まで延びることにより、スライダーベースに対する係止を実現する。
前記垂直調整用ネジのネジの末端の円周方向の側壁には、環状凹溝が設置され、U字型位置規制シートを前記環状凹溝に係合させることにより、スライダーベースに対する係止を実現する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の利点は、以下の通りである。LED取付マウントは、部材の数が少なく、モジュール化設計をでき、よりコンパクトになり、部品の隙間による影響が小さくなる。調整機構全体の構造が簡単になり、バネの干渉からの影響が解消され、歪み現象が存在しないので、精度が高く、組立て速度が速くなり、信頼性が向上される。レッドドットサイトの光の出射方向が正確になり、調整が速く、精度が高い。上下及び左右の二次元方向において調整する時に発生する合力を単一方向に分解させることができる。異なる方向に生成されたバネの弾性力の合力による摩擦力の増加を除去し、そして、公差の伝達による部品間の隙間が調整機構の精度や干渉現象や信頼性へ及ぼす影響を除去することができる。2つの方向において調整する時に起きる歪み及び係合いによる停滞現象が存在しない。また、調整の限界位置に位置規制装置を追加することによって、過度な調整による部品の損傷を防ぐことができる。これにより、レッドドットサイトのLED調整機構の位置決め精度及び信頼性を向上させるとともに、部品加工の難しさを低下させ、生産効率を向上させることができる。
【0022】
以下、図面及び実施例を併せて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】係合機構がベース用ブラインドホールであるLED取付マウント用調整機構の構造の分解模式図である。
【
図2】係合機構がシュートであるLED取付マウント用調整機構の構造
の模式図である。
【
図3】隙間除去機構を含むLED取付マウント用調整機構の構造を示す模式図である。
【
図4】LED取付マウント用調整機構の
内側凹部の設置を示す模式図である。
【
図5】ベースの他端に設置される位置規制ピン及び復帰コイルバネを示す模式図である。
【
図6】係合機構がシュートであるLED取付マウント用調整機構が組み立てられた後の模式図である。
【
図7】レッドドットサイトの構造を示す模式図である。
【
図8】U字型位置規制シートの設置を示す模式図である。
【
図9】LED取付マウントの底部の固定を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施例は、従来のレッドドットサイトに存在する光源の出射方向に対する調整の効率が低く、精度が悪く、信頼性が低いという問題を克服するために、LED取付マウントを提供する。具体的に、
図1を参照すると、前記LED取付マウントは、スライダーベース1と、前端面にLEDチップ20が取り付けられるベース2(ネジを介してLEDチップ20をベース2に取り付け、そして、ネジを利用してLEDチップ20に対する微調整を実現する。これにより、LEDチップ20の取付精度を確保することができる。)と、を含む。また、前記ベース2は、スライダーベース1の前端面に配置される。また、係合機構によって、前記ベース2をスライダーベース1の長手方向
Lに沿って往復移動させる。
【0025】
図1から分かるように、係合機構は、スライダーベース1の前端面に設置されるとともに、前記スライダーベース1の長手方向
Lに平行なベース用ブラインドホール21である。また、前記ベース用ブラインドホール21の前端面には、切欠部22が設置される。前記切欠部22は、前記ベース用ブラインドホール21に挿入される前記ベース2の前端面にLEDチップ20を容易に取り付けるためのものである。ベース2の一端
201とベース用ブラインドホール21の末端との間には、復帰コイルバネ10が設置される。
【0026】
ベース2の後端面には、当該後端面に垂直な円柱ピン23が設置されている。円柱ピン23に対応する前記ベース用ブラインドホール21の内側壁には、前記円柱ピン23を往復移動させるための溝部24が設置されている。
【0027】
図2、
図3から分かるように、係合機構は、スライダーベース1の前端面に設置されるとともに、スライダーベース1の長手方向
Lに平行なシュート3である。また、前記シュート3の一端が閉塞端であり、他端が開放端である。ベース2をシュート3に配置させると、前記ベース2の前端面とスライダーベース1の前端面が面一をなす。ベース2の一端
201とシュート3の閉塞端との間には、復帰コイルバネ10が設置される。これにより、このような取付マウントの部品の数が大幅に削減され、且つ、シュート3によりベース2とスライダーベース1との組立を実現することによって、ベース2が左右に移動する時、他の外力からの干渉を受けないことを確保するので、調整の安定性、信頼性及び精度を向上させることができる。
【0028】
同時に、組立隙間をさらに低減するために、本実施例におけるシュート3は、
図3に示すように、その内端面3-0には、シュート3の長手方向に沿って均一に設置される少なくとも2つのブラインドホール4が設置される。前記ブラインドホール4には、押圧機構I
(T1)が取り付けられる。前記押圧機構I
(T1)は、
図3に示すように、内側から外側に向ってブラインドホール4に順次に取り付けられるコイルバネ5と、中空の係止キャップ6と、前記中空の係止キャップ6の前端の出口の内径よりも大きい
直径を有するスチールボール7とを含む。前記スチールボール7は、中空の係止キャップ6の後端から前記中空の係止キャップ6に入った後、コイルバネ5により前記中空の係止キャップ6の前端の出口に当接される。そして、前記スチールボール7の球面の一部が前記中空の係止キャップ6の前端の出口の外部に露出されることによって、ベース2の後端面に当接することができる。これにより、ベース2が常に当接力を受けることを確保するので、
図5に示す押圧コイルバネによってベース2の前端面をチャンバー19の前端面に当接させることができる。したがって、従来技術のバネの垂直方向における干渉によってLED取付マウントがずれて、調整の精度及び信頼性に影響を与えるという問題を効果的に克服することができる。
【0029】
図3を参照すると、ベース2の上面には、ベース2の長手方向に沿って均一に配置される少なくとも2つの凹溝8が設置されている。前記凹溝8には、押圧機構I
(T1)と同じ構造を有する押圧機構II
(T2)が取り付けられている。前記押圧機構II
(T2)は、ベース2の上面に対向するシュート3の内側上面に当接されて押圧するためのものである。このようにして、ベース2を左右に調整する過程において常に下側に向く圧力を受けることを確保するので、隙間の影響による調整偏差を効果的に回避するとともに、調整の安定性、信頼性及び精度を向上させることができる。
【0030】
ベース2の一端
201の端面には、当該端面から突出される位置規制ピン9(
図5から明確に分かる。)が設置されている。ベース2の一端
201と閉塞端との間には、復帰コイルバネ10が設置される。前記復帰コイルバネ10は、一端が閉塞端の内側面に当接されて押圧し、他端が位置規制ピン9に外嵌されるとともに、ベース2の一端
201の端面に当接される。前記復帰コイルバネ10によって、LEDの取付位置の水平調整に寄与し、組立隙間を効果的に解消することを実現することができる。
【0031】
本実施例において、ベース2の水平方向における左右位置に対する調整を効果的に限定するために、
図4に示す内側凹部17がシュート3の長手方向に沿って設置されている。また、前記内側凹部17は、スライダーベース1の上面から下側に向いて前記スライダーベース1の底面まで延びる。ベース2の底面には、
図7に示すように、長手方向に沿って配列される2つの位置決めピン18が設置されている。また、前記位置決めピン18は、下側に向いて内側凹部17の下側エッジまで延びることによって、ベース2がシュート3内において左右に移動する距離を制限することができる。
【0032】
本実施例は、
図1、
図2、
図3、
図4、
図6に示すように、上記の様々なLED取付マウントを含む調整機構を提供する。スライダーベース1の上面には、接続線により矩形をなす4つの位置規制ブラインドホール11及び前記矩形の中心部に設置される1つのネジ穴12が設置されている(接続線は、位置規制ブラインドホール11の中心を接続した線である。)。前記スライダーベース1の上面に垂直な垂直調整用ネジ13がネジ穴12にネジ接続される。
【0033】
図8を参照すると、本実施例は、垂直調整用ネジ13がネジ穴12を介してスライダーベース1に強固に接続されることを確保するために、垂直調整用ネジ13のネジの末端、即ちネジ穴12を介してスライダーベース1の底面にねじ込まれる一端の円周方向の側壁には、環状凹溝が設置されている。U字型位置規制シート
130を前記環状凹溝に挿入することにより、垂直調整用ネジ13の位置に対する規制を実現することができる。つまり、垂直調整用ネジ13の長手方向に沿う引張力を発生させる。この引張力がネジの回転方向に垂直になるので、ネジが回転すると、この引張力によってネジのねじ込み摩擦力を増加させることができる。これにより、ネジの回転を効果的に阻止し、垂直調整用ネジ13の位置を効果的に緩く規制することを実現する。
【0034】
本実施例は、スライダーベース1に対する調整の安定性をさらに向上させるとともに、スライダーベース1の位置を垂直又は水平方向において調整する時の安定性を確保するために、
図9に示す位置規制取付構造を提供する。即ち、レッドドットサイトの後端にスライダーベース1を取り付けるための取付用チャンバー、即ちチャンバー19の末端の左右の角部のそれぞれには、ネジ穴24
0が設置されている。前記ネジ穴24
0には、ボルト25が取り付けられる。また、前記ボルト25のボルトヘッドには、前記ボルト25と同軸である接続ネジ穴26が設置されている。前記接続ネジ穴26を下部カバー27における接続ネジ28とネジ接続することにより、下部に対する遮蔽を実現する。このようにして、ボルト25のボルトヘッドのエッジがスライダーベース1の底面の内側まで延びることにより、スライダーベース1に対する係止及び位置規制を実現する。
【0035】
位置規制ブラインドホール11内には、スライダーベース1の上面に平行な端面を有する垂直コイルバネ111が設置される。ベース2の他端202には、水平調整部材が設置される。前記水平調整部材は、水平ネジ14と、前記水平ネジ14にネジ接続される上部ブロック15とを含む。前記上部ブロック15は、ベース2の他端202と水平ネジ14との間に設置される。水平ネジ14のスクリューは、ベース2の他端202に垂直になる。
【0036】
同時に、
図7に示す上記の調整機構を含むレッドドットサイトを提供する。前記レッドドットサイトは、
図7に示すサポートベース16を含む。調整機構がサポートベース16の後端に位置するチャンバー19に取り付けられる。ベース2の前端面は、押圧機構I
(T1)によってチャンバー19の前端面に当接する。水平ネジ14は、チャンバー19の一側の外側から内側に向いて前記チャンバー19内まで延びるとともに、前記チャンバー19に配置された上部ブロック15にネジ接続される。垂直調整用ネジ13は、チャンバー19の上部の外側から内側に向いてチャンバー19内までに延びるとともに、ネジ穴12にネジ接続される。シュート3の長手方向には、内側凹部17が設置される。また、前記内側凹部17は、スライダーベース1の上面から下側に向いて前記スライダーベース1の底面まで延びる。ベース2の底面には、長手方向に沿って配列される2つの位置決めピン18が設置される。また、前記位置決めピン18は、下側に向いて内側凹部17の下側エッジまで延びることによって、ベース2がシュート3内において左右に移動する距離を制限することができる。
【0037】
上記の各実施例に係るLED取付マウント及び調整機構により、サポートベースにおけるチャンバーと組み立てることができる。LED取付マウントに対して単一方向における位置調整を行う過程において、垂直調整用ネジ13又は水平ネジ14を回転させることのみによって、スライダーベース1又はベース2の垂直方向又は水平方向における位置に対する変更を実現することができる。当該過程において、ベース2がシュート3を介してスライダーベース1に結合し、そして、押圧機構I(T1)及び押圧機構II(T2)によって常にシュート3と緊密に接触するとともに、チャンバー19の前端面に緊密に接触するので、調整過程において、ベース2が歪むことなく直線に沿って移動することを確保し、従来技術における調整用バネからの干渉を効果的に回避し、調整の精度、信頼性及び安定性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0038】
1、スライダーベース;2、ベース;3、シュート;4、ブラインドホール;5、コイルバネ;6、中空の係止キャップ;7、スチールボール;8、凹溝;9、位置規制ピン;10、復帰コイルバネ;11、位置規制ブラインドホール;12、ネジ穴;13、垂直調整用ネジ;14、水平ネジ;15、上部ブロック;16、サポートベース;17、内側凹部;18、位置決めピン;19、チャンバー;20、LEDチップ;21、ベース用ブラインドホール;22、切欠部;23、円柱ピン;24、溝部;25、ボルト;26、接続ネジ穴;27、下部カバー;28、ネジ;111、垂直コイルバネ;130、U字型位置規制シート;240、ネジ穴。