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特許7149361構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 17/00 20060101AFI20220929BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20220929BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G01N17/00
G01M99/00 Z
G01N21/88 Z
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021032153
(22)【出願日】2021-03-01
(62)【分割の表示】P 2017074105の分割
【原出願日】2017-04-04
(65)【公開番号】P2021119342
(43)【公開日】2021-08-12
【審査請求日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】62/325,567
(32)【優先日】2016-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/218,451
(32)【優先日】2016-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シアオシー
(72)【発明者】
【氏名】メンテル, ジェフリー シー.
(72)【発明者】
【氏名】シュ, シュイン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ, スティーヴン ピー.
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-012249(JP,A)
【文献】特開2015-225037(JP,A)
【文献】国際公開第2014/195078(WO,A1)
【文献】特開2002-350325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 17/00
G01M 99/00
G01N 21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物における気泡形成の可能性を評価するための方法であって、
前記構造物を内包する環境試験チャンバの中の複数の初期環境条件を設定することと、
所定の時間間隔で前記構造物の画像を捕捉することと、
前記構造物における気泡形成を検出することと、
前記構造物における前記気泡形成を検出することに応じて、前記気泡形成を評価することとを含み、
前記複数の初期環境条件を設定することは、
前記環境試験チャンバの中の温度を設定することと、
前記環境試験チャンバの中の湿度を設定することと、
前記環境試験チャンバの中の圧力又は真空度を設定することとを含む、方法。
【請求項2】
最新の複数の環境条件で、気泡形成が検出されないこと、又は、前記最新の複数の環境条件から変更される少なくとも1つの環境条件で、前記構造物に追加の試験を実施することの、一方に応じて、前記環境試験チャンバの中の前記少なくとも1つの環境条件を変更することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構造物の画像を捕捉することは、検出器が約1/32インチ以上の寸法又は直径を有する気泡を検出するために前記画像を捕捉することを可能にする、試験対象の前記構造物への照明レベルを提供するよう、前記構造物を照明することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記構造物の画像を捕捉することは、前記構造物の表面の平面に対して約0度の角度と約90度の角度の間で、前記構造物の画像を捕捉することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
所定の時間間隔で前記構造物の画像を捕捉することは、前記構造物の画像を捕捉する検出器に対して、前記構造物を動かすこと、及び/又は、前記構造物に対して前記検出器を動かすこと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記構造物の画像を捕捉することは、前記構造物の少なくとも前側及び後側の1以上の画像を捕捉することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、構造物を試験すること及び評価することに関し、より詳細には、構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
材料の装飾層であって、別の層材料の表面に付けられた材料の装飾層を含みうる積層構造物などの、構造物における気泡の形成は、例えば建築業界、航空業界、自動車業界、海洋業界、列車業界、レクリエーション業界、及び印刷業界を含む多数の業界で繰り返されている問題である。個々の応用によるが、気泡形成は多くの場合、予測不能であり、排除することが困難であるかかる構造物の装飾面における気泡の出現は、相当の期間(例えば数日、又は数か月であることすらある)を経た後にのみ、ある種の環境条件の結果として、起こりうる。気泡形成が起こると、装飾積層は除去されなくてはならず、その下の表面は洗浄される。装飾積層は次いで、再度付着させられる。このプロセスは、典型的には、起泡が再発しないといういかなる保証もない、時間集約型で労働集約型の手順である。したがって、種々の構造物における気泡の形成の可能性を予測又は評価すること、起泡低減手段を評価すること、及び、気泡のない構造物の開発を可能にすることが、必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
一例により、構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステムは、環境試験チャンバと、環境チャンバの中の複数の環境条件を制御するための環境コントローラとを含む。加えてシステムは、試験対象の構造物の画像を捕捉するための検出器と、試験対象の構造物への照明を制御するための照明源とを含む。環境試験チャンバの中の環境条件を設定し、調整するために、ユーザインターフェースが環境コントローラに連結される。ユーザインターフェースは、構造物への照明を設定し、調整するために、照明源にも連結され、かつ、捕捉された画像を受信し、捕捉された画像に基づいて試験対象の構造物における気泡形成の可能性を評価するために、検出器に連結される。
【0004】
別の例により、構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステムは、環境試験チャンバと、環境試験チャンバの中の温度を制御するための温度コントローラと、環境試験チャンバの中の湿度を制御するための湿度コントローラと、環境試験チャンバの中の空気圧又は真空度を制御するための圧力コントローラとを、含む。システムは、試験対象の構造物の画像を捕捉するための検出器と、試験対象の構造物への照明を制御するための照明源も含む。加えてシステムは、環境試験チャンバの中の環境条件を設定し、調整するために、温度コントローラ、湿度コントローラ、及び圧力コントローラに連結された、ユーザインターフェースを含む。ユーザインターフェースは、試験対象の構造物への照明を設定し、調整するために、照明源にも連結される。ユーザインターフェースは、試験対象の構造物の捕捉された画像を受信するために、検出器にも連結される。
【0005】
更なる例により、構造物における気泡形成の可能性を評価するための方法は、構造物を内包する環境試験チャンバの中の、複数の環境条件を設定することを含む。方法は、所定の時間間隔で構造物の画像を捕捉することも含む。加えて方法は、構造物における気泡形成を検出することと、構造物における気泡形成を検出することに応じて、気泡形成を評価することとを含む。
【0006】
別の例又は前述のいずれかの例により、検出器及び照明源は環境試験チャンバに内包される。
【0007】
別の例又は前述のいずれかの例により、検出器は環境試験チャンバの外部にある。
【0008】
別の例又は前述のいずれかの例により、環境試験チャンバは可搬式環境試験チャンバである。
【0009】
別の例又は前述のいずれかの例により、ユーザインターフェースは、環境試験チャンバから地理的に離れた場所にある。
【0010】
別の例又は前述のいずれかの例により、システムは、試験対象の構造物を保持するためのサンプルホルダを含み、このサンプルホルダは、試験対象の構造物を検出器に対して種々の角度に位置付けるための機構を含む。
【0011】
別の例又は前述のいずれかの例により、ユーザインターフェースは、コンピュータシステムと、このコンピュータシステム上で実行されるアルゴリズムであって、環境試験チャンバの中の環境条件に基づいて試験対象の構造物の気泡形成の可能性を判定するために、検出器からの画像を評価するよう構成されている、アルゴリズムとを含む。
【0012】
別の例又は前述のいずれかの例により、システムは、環境試験チャンバの中の放射レベルを検出するための放射レベルセンサ、環境試験チャンバの中の粒子のレベルを検出するための粒子レベルセンサ、環境試験チャンバの中に細菌があればそれを検出するための細菌センサ、及び、試験対象の構造物への照明量を検出するための照明センサ、のうちの少なくとも1つも含みうる。
【0013】
別の例又は前述のいずれかの例により、システムは、環境試験チャンバの中の放射レベル、環境試験チャンバの中の粒子レベル、及び、環境試験チャンバの中の細菌、のうちの少なくとも1つを制御するための、少なくとも1つの他の環境コントローラも、含みうる。
【0014】
別の例又は前述のいずれかの例により、システムは、複数の構造物を保持して気泡形成の可能性を同時に評価するための、一サンプルホルダと、各構造物の少なくとも前面と背面の画像を捕捉するための、複数の検出器とを、含みうる。
【0015】
別の例又は前述のいずれかの例により、サンプルホルダは、検出器に対して構造物を動かすよう構成されうる。
【0016】
別の例又は前述のいずれかの例により、システムは、構造物に対して検出器を動かすための、検出器に関連付けられた位置付け機構を更に含みうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の一例による、構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステムの一例の、概略的なブロック図である。
図2】本開示の別の例による、構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステムの一例の、概略的なブロック図である。
図3】本開示の更なる例による、構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステムの一例の、概略的なブロック図である。
図4】本開示の別の例による、複数の構造物すなわち試験サンプルを同時に評価するための構成の一例の、概略的なブロック図である。
図5】本開示の更なる例による、複数の構造物すなわち試験サンプルを同時に評価するための構成の一例の、概略的なブロック図である。
図6】本開示の一例による、構造物における気泡形成の可能性を評価するための方法の一例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
例についての下記の詳細説明は添付図面を参照するものであり、これらの図面は本開示の具体例を示している。種々の構造及び工程を有する他の例も、本開示の範囲から逸脱するわけではない。同様の参照番号は、種々の図面において同一の要素又は構成要素を表すことがある。本開示は宇宙関連のスラスタ(thruster)のためのものであるが、本開示の使用が宇宙船に限定されるわけではない。
【0019】
本書では、ある種の用語は便宜的にのみ使用されており、説明されている例に限定されると解釈すべきではない。例えば、「近位(proximal)」、「遠位(distal)」、「上部(top)」「底部(bottom)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「左(left)」、「右(right)」、「水平の(horizontal)」、「垂直の(vertical)」、「上向き(upward)」、「下向き(downward)」などといった語句は単に、図に示す構成、又は、説明対象の図の配向に言及して使用される相対位置を、説明しているに過ぎない。例の構成要素はいくつかの異なる配向で位置付けられうることから、方向を示す用語は、図示のために使用されているのであって、決して限定的なものではない。本開示の範囲を逸脱することなく、他の例も利用可能であり、構造的又は論理的な変更が行われうることを、本書の開示に基づいて、理解されたい。したがって、後述の詳細説明は限定的な意味に解釈すべきではなく、本開示の範囲は付随する特許請求の範囲によって画定される。
【0020】
一例により、積層構造物すなわち試験サンプルにおける気泡形成の可能性を評価するための、可搬式の試験装置又はシステム、及び方法が提供される。システム及び方法は、積層構造物すなわち試験サンプルの表面に気泡形成を誘発するために、多種多様な環境条件をシミュレーションするよう構成される。分析又は評価のために、気泡形成の誘発についてデータが収集される。収集されるデータは、多種多様な環境条件下での積層構造物すなわち試験サンプルの画像を捕捉することを含む。多種多様な環境条件下での気泡形成を検出するために、捕捉された画像が評価される。検出された気泡形成は、構造物の通常の又は現実的な応用又は使用のもとでの試験対象の積層構造物の気泡形成の可能性を判定するために、評価される。
【0021】
図1は、本開示の一例による、構造物102すなわち試験サンプルにおける気泡形成の可能性を評価するためのシステム100の一例の、概略的なブロック図である。システム100は、環境試験チャンバ104を含む。環境試験チャンバ104のサイズによるが、1を上回る数の構造物102すなわち試験サンプルが、一度に評価されうる。構造物102すなわち試験サンプルは、積層構造物である。この積層構造物は、上方又は外側の材料の層であって、下方又は下側の別の材料の層の上に配置されている、材料の層を含みうる。上方又は外側の材料の層は、装飾材料の層でありうる。外側の材料の層を下側の他の材料の層に確実に固定するために、外側の材料の層は、接着剤、結合剤、又は他の機構によって、この下側の材料の層の表面に付けられうるか、又は接着されうる。外側の材料の層は、下側の材料の層と比較して、ずっと薄くしなやかなものでありうる。下側の材料の層は、構造的支持を提供するために、剛性でより強度が高い材料でありうる。例えば、構造物102すなわち積層構造物は、航空機又は他のビークルの内装に使用される、パネル又はそれ以外の構成要素でありうる。
【0022】
システム100は、環境試験チャンバ104の中の複数の環境条件を制御するための、一又は複数の環境コントローラ105も含む。一又は複数の環境コントローラ105は、環境試験チャンバ104の中の温度を制御するための温度コントローラ106と、環境試験チャンバ104の中の湿度を制御するための湿度コントローラ108と、環境試験チャンバ104の中の空気圧又は真空度を制御するための圧力コントローラ112とを含む(ただし、必ずしもそれらに限定されない)。一又は複数の環境コントローラ105は、環境試験チャンバ104の中の環境条件を個別に制御しうる。一例により、温度コントローラ106は熱源110を含む。温度コントローラ106、湿度コントローラ108、及び圧力コントローラ112は、図1の例に示しているように、環境試験チャンバ104の中にある。別の例では、温度コントローラ106、湿度コントローラ108、及び圧力コントローラ112は環境試験チャンバ104の外部にあり、環境試験チャンバ104の中の温度、湿度、及び圧力を修正又は調整するための要素が、環境試験チャンバ104の中に存在するか、或いは、環境試験チャンバ104に関連付けられる。
【0023】
環境試験チャンバ104の中の複数のセンサ114~116が、環境試験チャンバ104の中の環境条件を検出又は感知する。複数のセンサ114~116は、温度センサ、湿度センサ、及び圧力センサを含むが、必ずしもそれらに限定されない。環境試験チャンバ104の中の環境条件を制御するために、温度センサ、湿度センサ、圧力センサはそれぞれ、温度コントローラ106、湿度コントローラ108、圧力コントローラ112に関連付けられる。
【0024】
他の例により、システム100は、一又は複数の別の種類の環境コントローラ118も含む。例えば、システム100は、環境試験チャンバ104の中の放射レベル、環境試験チャンバ104の中の粒子レベル、環境試験チャンバ104の中の細菌レベル、及び、試験対象の一又は複数の構造物102の輝度又は一又は複数の構造物102に対する照明のレベルのうちの、少なくとも1つを制御するためのコントローラを含む。
【0025】
複数のセンサ114~116は、放射レベルセンサ、粒子レベルセンサ、細菌センサ又は細菌レベルセンサ、及び、試験対象の一又は複数の構造物102への照明量を検出するための光センサも、含みうる。
【0026】
加えてシステム100は、試験対象の構造物102の画像を捕捉するための一又は複数の検出器120又はカメラと、試験対象の一又は複数の構造物102への照明を制御するための一又は複数の照明源122又は光源とを含む。一例により、一又は複数の検出器120は、事前設定された時間間隔(例えば約5分ごとなど)で写真を撮ることが可能な時間経過(time elapsing)機能を有する、デジタル一眼レフ(DSLR)カメラである。別の例では、一又は複数の検出器120は、画像が所定の頻度で抽出されることを可能にするコマ速を有する、ビデオカメラである。一又は複数の検出器120の動作パラメータは、気泡形成が、正確に捕捉されるか、又は、気泡を検出するのに十分な解像度で捕捉されるように、明確な接写画像を実現するよう設定される。
【0027】
一又は複数の照明源122は、全可視色での発光を可能にする、調整可能な波長特性を含む。気泡形成の画像の捕捉における最良の可視性を得るために、照明源122の光学波長は、試験対象の基板の色又は構造物102の表面の色によって決まる。一例により、一又は複数の照明源122は、試験対象の構造物102から約1インチから約10フィートまでの距離、離れている。照明源122は、試験対象の構造物102の照明レベル及びコントラストであって、一又は複数の検出器120が、ある種の照明設定及びコントラスト設定において、約1/32インチの大きさしかないか、又はそれ以上の寸法又は直径を有する気泡を検出するために画像を捕捉しうる、照明レベル及びコントラストを提供するよう制御可能である。
【0028】
他の例により、一又は複数の検出器120及び照明源122は、他のスペクトル(ガンマ線、X線、紫外線、赤外線、マイクロ波、又はこれら以外の形態の放射又は照明を含むが、必ずしもそれらに限定されない)で可視の光又は光エネルギーを発し、検出する、デバイス又は検出システムを含む。他の例では、レーザ発光・検出用のデバイス又はシステムが使用される。ピエゾ抵抗体などといった半導体歪みゲージも、気泡形成を検出するために利用されうる。
【0029】
一例により、試験対象の各構造物102を保持するために、サンプルホルダ124が提供される。他の例では、単一のサンプルホルダが、試験対象の複数の構造物102を保持する。サンプルホルダ124は、検出器120のレンズ126又は受信器に対して種々の角度に、試験対象の構造物102を位置付けるための機構を含む。この機構は、検出器120のレンズ126又は受信器に対して約0度の角度と約90度の角度の間で、試験対象の構造物102の表面を動かすか、又は枢動させる。サンプルホルダ124の例は、クランプオンデバイス、真空デバイス、又は電磁デバイスを含むが、必ずしもそれらに限定されない。別の例では、構造物102の表面の平面に対して約0度から約90度までの種々の角度で試験対象の一又は複数の構造物102を視認するために、複数の検出器120が使用される。
【0030】
システム100は、環境試験チャンバ104に連結されたーザインターフェース128を更に含む。ユーザインターフェース128は、図3を参照して説明されるものに類似した、遠隔ユーザインターフェースでありうる。ユーザインターフェース128は、環境試験チャンバ104の中の環境条件を設定し、調整するために、温度コントローラ106、湿度コントローラ108、及び圧力コントローラ112に連結される。ユーザインターフェース128は、試験対象の一又は複数の構造物102への照明を設定し、調整するために、一又は複数の照明源122にも連結される。ユーザインターフェース128は、環境チャンバ104の中の環境条件を修正するために、コントローラ106、108、112、及び118を一緒に、若しくは個別に、制御するよう構成される。ユーザインターフェース128は、これらのコントローラと共に、又は別個に、一又は複数の照明源122による一又は複数の構造物102への照明を制御するようにも、構成される。ユーザインターフェース128は、試験対象の一又は複数の構造物102の捕捉された画像を受信して、気泡を検出するために、一又は複数の検出器120にも連結される。
【0031】
一例により、ユーザインターフェース128は、一又は複数の検出器120によって捕捉された画像に基づいて、試験対象の一又は複数の構造物102の評価を実施するための、コンピュータシステム又は他の電子デバイスを含む。システム100は、このコンピュータシステム上で実行されるアルゴリズム130又はモジュールを更に含む。アルゴリズム130は、環境試験チャンバ104の中の環境条件に基づいて、試験対象の一又は複数の構造物102の気泡形成の可能性を判定するよう、構成される。アルゴリズム130は、一又は複数の検出器120からの画像を評価し、画像の評価から気泡形成を検出する。一例により、アルゴリズム130は、構造物102の気泡形成の可能性を評価するために、データベース132を使用する。データベース132は、環境試験チャンバ104の中の極端な環境条件から、通常環境条件又は現実的な環境条件(構造物がその耐用年数及び/又は通常の意図された用途において曝されうる環境条件)までの、種々の構造物の性能関連性を内包する。データベース132は、環境試験チャンバ104内で試験されうる複数の異なる構造物についての、性能関連性を内包する。環境試験チャンバ104の中での構造物102の試験に使用される極端な環境条件は、構造物102の通常の又は現実的な応用又は使用のもとに構造物102が曝されることになる環境条件と比較して、構造物102の気泡形成又は経時劣化のプロセスを加速することを意図している。通常の又は現実的な環境条件下での構造物102における気泡形成の可能性は、環境試験チャンバ104内で極端な環境条件を適用して気泡形成を引き起こすことによって、ずっと短い時間内に、アルゴリズム130によりデータベース132中の性能関連性から判定可能である。
【0032】
図2を参照するに、図2は、本開示の別の例による、構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステム200の一例の、概略的なブロック図である。図1に示す例では、検出器120及び照明源122は、環境試験チャンバ104に内包されている。図2に示す例では、システム200の検出器120は環境試験チャンバ104の外部にある。照明源122も、図2の例に示しているように、環境試験チャンバ104の外部にある。別の例では、照明源122は、図1に示すものと同様に、環境試験チャンバ104の内部にあり、検出器120は環境試験チャンバ104の外部にある。検出器120が環境試験チャンバ104の外部にある場合、環境試験チャンバ104は、視認ウインドウ202であって、それを通じて、気泡形成の可能性に関する評価の実施中に検出器120が試験対象の構造物102の画像を捕捉しうる、視認ウインドウ202を含む。
【0033】
図3を参照するに、図3は、本開示の更なる例による、構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステム300の一例の、概略的なブロック図である。ユーザインターフェース128は遠隔ユーザインターフェースであり、つまり、遠隔ユーザインターフェース128は、環境試験チャンバ104から地理的に離れた場所にある。一例により、環境試験チャンバ104は可搬式環境試験チャンバである。可搬式環境試験チャンバ104は、種々の積層構造物構成の試験又は評価のために、システム100の所有者によって構造物102の製造者又は供給者に転置される。遠隔ユーザインターフェース128は、製造者又は供給者の事業所とは地理的に異なる場所にある、所有者の所在地又は事業所にある。遠隔ユーザインターフェース128は、ネットワーク302又は他の通信リンクを介して、環境試験チャンバ104に連結される。ネットワーク302は、インターネット、固有ネットワーク、又は、それ以外の種類の、安全なネットワークでありうる。コントローラ106、108、112、及び118と、検出器120と、照明源122は、ネットワーク302を介して、遠隔ユーザインターフェース128によって制御される。検出器120によって捕捉された複数の画像は、一緒に、若しくは個別に、ネットワーク302を介して遠隔ユーザインターフェース128に折り返し送信される。一例により、システム300は、環境試験チャンバ104に関連付けられたネットワークインターフェース304であって、それを通じて、コントローラ106、108、112、及び118と、検出器120と、照明源122が、ネットワーク302に連結され、かつ、ネットワーク302によって遠隔ユーザインターフェース128に連結される、ネットワークインターフェース304を含む。
【0034】
図4は、本開示の別の例による、複数の構造物402a~402fすなわち試験サンプルを同時に評価するための構成400の一例の、概略的なブロック図である。構成400は、図1から図3を参照して説明しているシステム100、200、又は300のいずれかに関連して、使用されうる。構成400は、複数の構造物402a~402fを保持するよう構成された、単一のサンプルホルダ又は複数のサンプルホルダ404を含む。この構成は、一又は複数の検出器120a及び120b又はカメラも含む。図4に示す例では、構成400は、少なくとも2つの検出器120a及び120bを含む。
【0035】
複数の構造物402a~402fは、構造物402a~402fの各々の第1表面406a~406fすなわち前面の画像を捕捉して、構造物402a~402fにおける気泡形成の可能性を評価するために、少なくとも第1検出器120aの周囲に、サンプルホルダ404によって配置される。したがって、第1検出器120aは構造物402a~402fの中心に位置付けられ、構造物402a~402fは、第1検出器120aを囲む円又は他の幾何形状を画定する。少なくとも第2の検出器120bが、構造物402a~402fの外部に、又は、構造物402a~402fの第1検出器120aとは反対の側に、位置付けられる。第2検出器120bは、構造物402a~402fの各々の第2表面408a~408fすなわち背面の画像を捕捉して、構造物402a~402fにおける気泡形成の可能性を評価するよう、位置付けられる。
【0036】
他の例により、構成400は、第1検出器120a又は複数の検出器120aのみを含み、複数の構造物402a~402fがこの一又は複数の検出器120aを囲んでいるか、或いは、構成400は、構造物402a~402fの外部に位置付けられた第2検出器120b又は複数の検出器120bのみを含む。
【0037】
一例により、一又は複数のサンプルホルダ404は、本書に記載の気泡形成の可能性の評価中に、第1検出器120a及び第2検出器120bに対して構造物402a~402fを位置付けて、構造物402a~402fの表面の画像を捕捉するために、四軸に対して動くよう構成される。例えば、一又は複数のサンプルホルダ404は、第1検出器120aの周囲で構造物402a~402fを回転させ、かつ、構造物402a~402fの各々を、検出器120a及び120bの各々のレンズ126又は放射受信器に対してX軸、Y軸、及びZ軸の方向に動かす。第1検出器120a及び第2検出器120bは、位置が静止した、又は固定されたままでありうる。一例により、構造物402a~402fの表面の画像を捕捉するために構造物402a~402fの各々が検出器120a及び120bの正面で動かされるように、構造物402a~402fは同時に動かされる。別の例では、構造物402a~402bは、一又は複数のサンプルホルダ404によって断続的に動かされ、構造物402a~402bが静止している時に画像が捕捉される。更なる例では、構造物402a~402bは、一又は複数のサンプルホルダ404によって連続的に動かされる。検出器の設定は、動いている構造物402a~402bの明確な画像を捕捉するよう調整される。
【0038】
図5は、本開示の更なる例による、複数の構造物402a~402fすなわち試験サンプルを同時に評価するための構成500の一例の、概略的なブロック図である。構成500は、図1から図3を参照して説明しているシステム100、200、又は300のいずれかに関連して、使用されうる。構成500は、構造物402a~402fにおける気泡形成の可能性の評価中に、単一のサンプルホルダ又は複数のサンプルホルダ504の位置が静止した又は固定されたままであること、及び、検出器120a及び/又は120bが、構造物402a~402fの各々の表面406a~406fと408a~408fの両方の画像を捕捉するために構造物402a~402fに対して動かされることを除いて、図4の構成400に類似していることがある。位置付け機構510a及び510bが、検出器120aと120bの各々を動かすために、検出器120aと120bの各々に関連付けられる。位置付け機構510aと510bの各々は、関連する検出器120aと120bの各々を構造物402a~402fに対してそれぞれ位置付けるための四軸運動で、検出器120a又は120bを動かすよう構成される。例えば、位置付け機構510aは、構造物402a~402fの各々の第1表面406a~406fすなわち前面の画像を捕捉するために、ページから出ている軸の周囲で第1検出器120aを回転させる。位置付け機構510aは、検出器120aを、構造物402a~402fの各々に対してX軸、Y軸、及びZ軸の方向にも動かす。
【0039】
同様に、位置付け機構510bは、構造物402a-402fにおける気泡形成の可能性の評価中に、構造物402a-402fの各々の第2表面408a-408fすなわち背面の画像を捕捉するために、第2検出器120bを、構造物402a-402fの周囲で円周方向に動かす。位置付け機構510bは、構造物402a-402fにおける気泡形成の可能性の評価中に、第2表面408a-408fの画像を捕捉するために、第2検出器120bを、構造物402a-402bの各々に対してX軸、Y軸、及びZ軸の方向にも動かす。第1検出器120aと第2検出器120bは、一つずつ、又は同時に、動かされうる。通常、第1検出器120aと第2検出器120bは、第1表面406a~406fと第2表面408a-408fの画像が同時に捕捉されるように、同時に動かされる。しかし、検出器120aと120bとは、異なるスピード及び頻度で動かされうる。検出器120a及び120bは、断続的又は連続的にも動かされうる。検出器120a及び120bは画像を捕捉している時に静止するか、又は、検出器の設定が、検出器120a又は120bが動いている間に明確な画像を捕捉するよう調整される。
【0040】
別の例では、構造物402a-402f又は検出器120a及び120bを互いに対して位置付けて、本書に記載されているように構造物402a-402fの気泡形成の可能性を評価するために、サンプルホルダ504は、本書に記載の第1検出器120a及び第2検出器120bと同じく可動である。サンプルホルダ504は、図4を参照して説明しているサンプルホルダ404に類似していることがある。
【0041】
図6は、本開示の一例による、構造物すなわち試験サンプルにおける気泡形成の可能性を評価するための方法600の一例のフロー図である。方法600は、図1図2、及び図3にそれぞれ示すシステム100、200、及び300のいずれかにおいて具現化され、これらのシステムのいずれかによって実施されうる。ブロック602において、構造物すなわち試験サンプルは環境試験チャンバの中に載置される。構造物は、環境試験チャンバの中でサンプルホルダによって保持されうる。
【0042】
ブロック604において、構造物を内包する環境試験チャンバの中に、複数の初期環境条件が設定される。環境試験チャンバの中に設定される複数の環境条件の例は、温度、湿度、及び、圧力又は真空度を含むが、必ずしもそれらに限定されない。それ以外の、設定されうるか、検出されうる環境条件は、放射の種類及びレベル、粒子の種類及び濃度、照明レベル又は輝度、及び、細菌の種類及び濃度を含みうる。
【0043】
ブロック606において、環境試験チャンバが初期環境条件又は新たな環境条件にいつ到達したかの判定が行われる。ブロック608において、環境試験チャンバが初期環境条件に到達したことに応じて、環境条件が記録される。環境試験チャンバが初期環境条件に到達した後に、所定の時間間隔で構造物の画像が捕捉される。別の例では、構造物の画像は、環境試験チャンバが初期環境条件に到達しつつある間、又は、少なくとも1つの新たな環境試験条件に変化しつつある間にも、捕捉される。
【0044】
構造物は、好ましくは、検出器が、画像であって、その画像から約1/32インチの大きさしかないか、又はそれ以上の直径又は寸法を有する気泡が検出されうる画像を捕捉することを可能にする、所定の照明レベル又は輝度に、照明される。構造物の画像を捕捉することは、構造物の表面の平面に対して約0度の角度と約90度の角度の間で、構造物の画像を捕捉することを含む。
【0045】
ブロック610において、構造物内に気泡形成が検出されるか否かの判定が行われる。所定の時間間隔の満了後に気泡形成が検出されなかった場合、方法600はブロック612に進む。ブロック612において、環境試験チャンバの中で、最新の複数の環境条件から、少なくとも1つの環境条件が変更され、方法600は、環境試験チャンバがこの新たな環境条件に到達したか否かの判定が行われるブロック606に戻る。方法600は次いで、前述の方法と同様に継続して、一又は複数の新たな環境条件で構造物に追加の試験を実施する。
【0046】
ブロック610で気泡形成が検出されると、方法600は、ブロック614に進む。ブロック614において、気泡形成が評価される。一例により、構造物すなわち試験サンプルの気泡形成の可能性を評価するために、気泡のサイズ及び数が測定又は判定される。気泡が少ないこと及び/又は小さいことは、環境試験条件のある種の設定のもとでは気泡形成の可能性が低いということになる。
【0047】
方法600は、616で終了する。構造物は交換されてよく、方法600は、ブロック602において再び開始しうる。
【0048】
図におけるフロー図及びブロック図は、本開示の様々な例によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の、実現可能な実行形態のアーキテクチャ、機能、及び動作を示している。この際、フロー図又はブロック図の各ブロックは、特定の論理機能(複数可)を実装するための一又は複数の実行可能指令を含む、指令のモジュール、セグメント、又は部分を表わしうる。一部の代替的実行形態においては、ブロック内に記載された機能は、図に記載の順序から外れて発現しうる。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、関連機能に応じて、実質的に同時に実行されうるか、又は、時に逆順に実行されうる。ブロック図及び/又はフロー図の各ブロック、並びに、ブロック図及び/又はフロー図のブロックの組み合わせは、特定の機能又は作用を実施する特殊用途ハードウェアベースのシステムによって実装されうるか、或いは、特殊用途ハードウェアとコンピュータ指令との組み合わせによって実行されうることにも、留意されたい。
【0049】
本書で使用される用語は、単に特定の例を説明するためのものであり、本開示の例を限定することは意図していない。本書において、単数形「1つの(a、an)」及び「この、その、前記(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。更に、「備える(comprises及び/又はcomprising)」という用語は、この明細書中で使用される場合、記載されている特徴、実体、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、それら以外の一又は複数の特徴、実体、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの、存在又は追加を排除するわけではないことが、理解されよう。
【0050】
更に、本開示は以下の条項による例を含む。
【0051】
1.構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステムであって、環境試験チャンバと、環境試験チャンバの中の複数の環境条件を制御するための環境コントローラと、試験対象の構造物の画像を捕捉するための検出器と、試験対象の構造物への照明を制御するための照明源と、環境試験チャンバの中の環境条件を調整するために環境コントローラに連結された、ユーザインターフェースであって、試験対象の構造物への照明を設定し、調整するために、照明源に連結され、かつ、捕捉された画像を受信し、捕捉された画像に基づいて試験対象の構造物における気泡形成の可能性を評価するために、検出器に連結されている、ユーザインターフェースとを備える、システム。
【0052】
2.照明源及び検出器は、環境試験チャンバに内包される、条項1に記載のシステム。
【0053】
3.少なくとも検出器は、環境試験チャンバの外部にある、条項1に記載のシステム。
【0054】
4.環境コントローラは、
環境試験チャンバの中の温度を制御するための温度コントローラと、
環境試験チャンバの中の湿度を制御するための湿度コントローラと、
環境試験チャンバの中の空気圧を制御するための圧力コントローラとを備える、条項1に記載のシステム。
【0055】
5.環境試験チャンバは可搬式環境試験チャンバを含む、条項1に記載のシステム。
【0056】
6.ユーザインターフェースは、環境試験チャンバから地理的に離れた場所にある、条項1に記載のシステム。
【0057】
7.試験対象の構造物を保持するためのサンプルホルダを更に含み、サンプルホルダは、試験対象の構造物を検出器に対して種々の角度に位置付けるための機構を備える、条項1に記載のシステム。
【0058】
8.ユーザインターフェースはコンピュータシステムを含み、システムは、このコンピュータシステム上で実行されるアルゴリズムであって、環境試験チャンバの中の環境条件に基づいて試験対象の構造物の気泡形成の可能性を判定するために、検出器からの画像を評価するよう構成されている、アルゴリズムを更に含む、条項1に記載のシステム。
【0059】
9.環境試験チャンバの中の放射レベル、環境試験チャンバの中の粒子レベル、及び、環境試験チャンバの中の細菌、のうちの少なくとも1つを制御するための、少なくとも1つの他の環境コントローラを更に備える、条項1に記載のシステム。
【0060】
10.試験対象の構造物は、材料の装飾層であって、別の材料の表面に付けられた材料の装飾層を備える積層構造物である、条項1に記載のシステム。
【0061】
11.照明源は、検出器が、約1/32インチ以上の寸法又は直径を有する気泡を検出するために画像を捕捉することを可能にする、試験対象の構造物への照明レベルを提供するよう制御可能である、条項1に記載のシステム。
【0062】
12.複数の構造物を保持して気泡形成の可能性を同時に評価するための、一サンプルホルダと、各構造物の少なくとも前面と背面の画像を捕捉するための、複数の検出器とを更に備える、条項1に記載のシステム。
【0063】
13.サンプルホルダは、検出器に対して構造物を動かすよう構成される、条項12に記載のシステム。
【0064】
14.構造物に対して検出器を動かすための、検出器に関連付けられた位置付け機構を更に備える、条項12に記載のシステム。
【0065】
15.構造物における気泡形成の可能性を評価するためのシステムであって、環境試験チャンバと、環境試験チャンバの中の温度を制御するための温度コントローラと、環境試験チャンバの中の湿度を制御するための湿度コントローラと、環境試験チャンバの中の空気圧を制御するための圧力コントローラと試験対象の構造物の画像を捕捉するための検出器と、試験対象の構造物への照明を制御するための照明源と、環境試験チャンバの中の環境条件を設定し、調整するために、温度コントローラ、湿度コントローラ、及び圧力コントローラに連結された、ユーザインターフェースであって、試験対象の構造物への照明を設定し、調整するために、照明源にも連結されており、試験対象の構造物の捕捉された画像を受信するために、検出器にも連結されている、ユーザインターフェースとを備える、システム。
【0066】
16.構造物における気泡形成の可能性を評価するための方法であって、構造物を内包する環境試験チャンバの中の複数の初期環境条件を設定することと、所定の時間間隔で構造物の画像を捕捉することと、構造物における気泡形成を検出することと、構造物における気泡形成を検出することに応じて、気泡形成を評価することとを含む、方法。
【0067】
17.複数の初期環境条件を設定することは、環境試験チャンバの中の温度を設定することと、環境試験チャンバの中の湿度を設定することと、環境試験チャンバの中の圧力又は真空度を設定することとを含む、条項16に記載の方法。
【0068】
18.最新の複数の環境条件で、気泡形成が検出されないこと、又は、最新の複数の環境条件から変更される少なくとも1つの環境条件で、構造物に追加の試験を実施することの、一方に応じて、環境試験チャンバの中の少なくとも1つの環境条件を変更することを更に含む、条項16に記載の方法。
【0069】
19.構造物の画像を捕捉することは、検出器が、約1/32インチ以上の寸法又は直径を有する気泡を検出するために画像を捕捉することを可能にする、試験対象の構造物への照明レベルを提供するよう、構造物を照明することを含む、条項16に記載の方法。
【0070】
20.構造物の画像を捕捉することは、構造物の表面の平面に対して約0度の角度と約90度の角度の間で、構造物の画像を捕捉することを含む、条項16に記載の方法。
【0071】
すべての手段又はステップの対応する構造、材料、作用、及び均等物、並びに、下記の特許請求の範囲における機能要素は、具体的に請求されている、その他の請求されている要素と組み合わされて機能を果たすためのいかなる構造、材料、又は作用をも含むことが、意図されている。本開示の説明は例示及び説明を目的として提示されており、網羅的であること、又は、開示された形態に本開示の例を限定することを、意図してはいない。当業者には、本開示の例の範囲及び本質から逸脱することなく、多くの修正例及び変更例が自明となろう。例は、本開示の例の原理及び実際の応用を最良に解説するため、並びに、想定される特定の用途に適する様々な修正例を伴う様々な例に関する本開示の例を、他の当業者が理解することを可能にするために、選ばれ、かつ説明されている。
【0072】
本書では特定の例を例示し説明したが、当業者には、示されている特定の例は、同じ目的を達成するように企図されている任意の構成で代替しうること、及び、本開示の例は他の環境においては別の応用を有することが、認識されよう。この出願は、本開示のいかなる改変例または変形例をも対象とすることが意図されている。以下の特許請求の範囲は、本開示の例の範囲を本書に記載の特定の例に限定することを、全く意図するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6