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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】情報処理システム及び無線端末
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20220929BHJP
【FI】
H04N7/15
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021123624
(22)【出願日】2021-07-28
(62)【分割の表示】P 2020173772の分割
【原出願日】2015-11-24
(65)【公開番号】P2021170841
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松原 孝志
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-523781(JP,A)
【文献】特表2013-533526(JP,A)
【文献】特開2014-195183(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0030749(US,A1)
【文献】特表2015-501576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/14 - 7/56
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の機器とネットワーク経由で通信する第1および第2の移動通信端末と、
前記第1の移動通信端末と通信し、さらに前記他の機器とネットワーク経由で通信する映像情報装置と、を含む映像情報処理システムであって、
前記第1の移動通信端末は、
接続要求情報を送信して前記他の機器へ前記ネットワーク経由で接続し、
前記第1の移動通信端末のカメラで撮像した映像情報と前記第1の移動通信端末のマイクで集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で前記他の機器へ送信し、
前記他の機器は、
前記第1の移動通信端末から前記第1の移動通信端末のカメラで撮像した映像情報と前記第1の移動通信端末のマイクで集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で受信し、
前記第2の移動通信端末から前記第2の移動通信端末のカメラで撮像した映像情報と前記第2の移動通信端末のマイクで集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で受信し、
前記第2の移動通信端末から受信した映像情報と音声情報とを前記ネットワーク経由で前記第1の移動通信端末に送信し、
さらに、前記第1の移動通信端末は、
前記映像情報装置を利用するか否かを選択する操作入力を受け付ける操作ボタンを表示部に表示し、
前記操作ボタンを介して前記映像情報装置を利用することを選択する操作入力が入力された場合、前記他の機器にネットワーク経由で接続するために必要な情報を前記映像情報装置へ送信し、
前記映像情報装置は、
前記第1の移動通信端末から受信した前記他の機器に前記ネットワーク経由で接続するために必要な情報に基づいて前記ネットワーク経由で前記他の機器へ接続し、
前記映像情報装置のカメラで撮像した映像情報と前記映像情報装置のマイクで集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で前記他の機器へ送信し、
前記他の機器は、
前記映像情報装置から、前記映像情報装置のカメラで撮像した映像情報と前記映像情報装置のマイクで集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で受信し、
前記第2の移動通信端末から受信した映像情報と音声情報とを前記ネットワーク経由で前記映像情報装置に送信する
ことを特徴とする映像情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の映像情報処理システムであって、
前記他の機器は、テレビ会議サーバであることを特徴とする映像情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の映像情報処理システムであって、
前記接続要求情報にはテレビ会議の参加情報が含まれることを特徴とする映像情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の映像情報処理システムであって、
前記映像情報装置は、映像を表示するディスプレイと、音声を出力するスピーカと、映像を撮像するカメラと、音声を集音するマイクとを備えたパソコンまたはタブレット端末であることを特徴とする映像情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の映像情報処理システムであって、
前記映像情報装置は、映像を外部ディスプレイに出力する出力端子と、音声を外部スピーカに出力する出力端子と、外部カメラで撮像した映像を入力する映像入力端子と、外部マイクで集音した音声を入力する音声入力端子とを備え、
前記各々の端子に前記外部ディスプレイ、前記外部スピーカ、前記外部カメラ、および前記外部マイクが接続された構成であることを特徴とする映像情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の映像情報処理システムであって、
前記他の機器にネットワーク経由で接続するために必要な情報にはURLまたはIPアドレスで表される前記他の機器の接続先情報が含まれる
ことを特徴とする映像情報処理システム。
【請求項7】
映像情報及び音声情報を受信する映像情報装置と通信し、他の機器とネットワーク経由で通信する移動通信端末であって、
接続要求情報を送信して前記他の機器へ前記ネットワーク経由で接続し、
前記移動通信端末のカメラで撮像した映像情報と前記移動通信端末のマイクで集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で前記他の機器へ送信し、
前記移動通信端末とは異なる他の移動通信端末から送信された映像情報と音声情報とを前記ネットワーク経由で前記他の機器から受信し、
さらに、
前記映像情報装置を利用するか否かを選択する操作入力を受け付ける操作ボタンを表示部に表示し、前記操作ボタンを介して前記映像情報装置を利用することを選択する操作入力が入力された場合、
前記他の機器にネットワーク経由で接続するために必要な情報を前記映像情報装置へ送信し、
前記移動通信端末のカメラで撮像した映像情報と前記移動通信端末のマイクで集音した音声情報を前記ネットワーク経由で前記他の機器へ送信することを停止する、
ことを特徴とする移動通信端末。
【請求項8】
請求項7に記載の移動通信端末であって、
前記他の機器は、テレビ会議サーバであることを特徴とする移動通信端末。
【請求項9】
請求項8に記載の移動通信端末であって、
前記接続要求情報にはテレビ会議の参加情報が含まれることを特徴とする移動通信端末。
【請求項10】
請求項7に記載の移動通信端末であって、
前記他の機器にネットワーク経由で接続するために必要な情報にはURLまたはIPアドレスで表される前記他の機器の接続先情報が含まれることを特徴とする移動通信端末。
【請求項11】
他の機器とネットワーク経由で通信する第1および第2の移動通信端末と、
前記第1の移動通信端末と通信し、さらに前記他の機器とネットワーク経由で通信する映像情報装置と、を含む映像情報処理システムにおける映像情報処理方法であって、
前記第1の移動通信端末は、
接続要求情報を送信して前記他の機器へ前記ネットワーク経由で接続し、
前記第1の移動通信端末のカメラで撮像した映像情報と前記第1の移動通信端末のマイクで集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で前記他の機器へ送信し、
前記他の機器は、
前記第1の移動通信端末から前記第1の移動通信端末のカメラで撮像した映像情報と前記第1の移動通信端末のマイクで集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で受信し、
前記第2の移動通信端末から前記第2の移動通信端末のカメラで撮像した映像情報と前記第2の移動通信端末のマイクで集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で受信し、
前記第2の移動通信端末から受信した映像情報と音声情報とを前記ネットワーク経由で前記第1の移動通信端末に送信し、
さらに、前記第1の移動通信端末は、
前記映像情報装置を利用するか否かを選択する操作入力を受け付ける操作ボタンを表示部に表示し、
前記操作ボタンを介して前記映像情報装置を利用することを選択する操作入力が入力された場合、前記他の機器にネットワーク経由で接続するために必要な情報を前記映像情報装置へ送信し、
前記映像情報装置は、
前記第1の移動通信端末から受信した前記他の機器に前記ネットワーク経由で接続するために必要な情報に基づいて前記ネットワーク経由で前記他の機器へ接続し、
前記映像情報装置のカメラで撮像した映像情報と前記映像情報装置のマイクで集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で前記他の機器へ送信し、
前記他の機器は、
前記映像情報装置から、前記映像情報装置のカメラで撮像した映像情報と前記映像情報装置のマイクで集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で受信し、
前記第2の移動通信端末から受信した映像情報と音声情報とを前記ネットワーク経由で前記映像情報装置に送信する
ことを特徴とする映像情報処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の映像情報処理方法であって、
前記他の機器は、テレビ会議サーバであることを特徴とする映像情報処理方法。
【請求項13】
請求項12に記載の映像情報処理方法であって、
前記接続要求情報にはテレビ会議の参加情報が含まれることを特徴とする映像情報処理方法。
【請求項14】
請求項11に記載の映像情報処理方法であって、
前記映像情報装置は、映像を表示するディスプレイと、音声を出力するスピーカと、映像を撮像するカメラと、音声を集音するマイクとを備えたパソコンまたはタブレット端末であることを特徴とする映像情報処理方法。
【請求項15】
請求項11に記載の映像情報処理方法であって、
前記映像情報装置は、映像を外部ディスプレイに出力する出力端子と、音声を外部スピーカに出力する出力端子と、外部カメラで撮像した映像を入力する映像入力端子と、外部マイクで集音した音声を入力する音声入力端子とを備え、
前記各々の端子に前記外部ディスプレイ、前記外部スピーカ、前記外部カメラ、および前記外部マイクが接続された構成であることを特徴とする映像情報処理方法。
【請求項16】
請求項11に記載の映像情報処理方法であって、
前記他の機器にネットワーク経由で接続するために必要な情報にはURLまたはIPアドレスで表される前記他の機器の接続先情報が含まれる
ことを特徴とする映像情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び無線端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として特許文献1には、「ユーザが、ネットワーク上で行われる
テレビ会議や遠隔プレゼンテーションに適宜参加したり、これを適宜閲覧することができ
るプロジェクタを提供」することを目的とし、その目的を達成する手段として「ネットワ
ークを介して、1以上のプロジェクタと接続されたプロジェクタであって、映像信号の入
力を受ける入力手段と、入力手段における映像信号の入力の有無を判定する判定手段と、
映像信号に基づいて、画像を投射する投射手段と、判定手段の判定結果に基づき、サーバ
モード、クライアントモードを選択するモード選択手段と、クライアントモードを選択し
た場合、ネットワーク上のサーバモードのプロジェクタから、このプロジェクタが投影す
る映像データを受信して、受信した映像データを投射手段に出力し、サーバモードを選択
した場合、ネットワーク上のクライアントモードのプロジェクタに対して、投射手段が投
影する映像データを送信する」プロジェクタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-239968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術を用いれば、テレビ会議に適宜参加することはできる。し
かしながら、テレビ会議へ参加するために、プロジェクタのような装置がテレビ会議サー
バへ接続して認証情報を送信等するため使い勝手が悪かった。また、スマートフォンによ
るテレビ電話、テレビ会議もあり、このための認証等も既にあるが、スマートフォンとプ
ロジェクタとの連携に関しては考慮されていなかった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ユーザの使い勝手をよくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、その一例を挙げるならば、映像を表示する映像装置と、前記映像装置と通信
し、他の機器とネットワーク経由で通信する無線端末と、を含む情報処理システムであっ
て、
前記映像装置は、
映像出力指示情報を前記無線端末から受信したことを検出した後に、前記映像装置のカメ
ラと前記映像装置のマイクと前記映像装置のスピーカとが利用可能であることを前記無線
端末へ通知し、前記無線端末から、前記他の機器へ前記ネットワーク経由で接続するため
に必要な情報を受信した場合に、前記ネットワーク経由で前記他の機器へ接続し、
前記無線端末は、
認証情報を送信して前記他の機器へ前記ネットワーク経由で接続し、
前記無線端末の表示部に、前記映像装置の前記カメラと前記映像装置の前記マイクとを利
用するか否かを選択する操作入力を受け付けるメニュー画面を表示し、
前記メニュー画面を介して、前記映像装置の前記カメラと前記映像装置の前記マイクとを
利用することを選択する操作入力が入力された場合に、前記他の機器へ前記ネットワーク
経由で接続するために必要な情報を前記映像装置へ送信し、
前記メニュー画面を介して、前記映像装置の前記カメラと前記映像装置の前記マイクとを
利用しないことを選択する操作入力が入力された場合に、前記無線端末のカメラで撮像し
た映像情報と前記無線端末のマイクで集音した音声情報とを前記他の機器へ前記ネットワ
ーク経由で送信し、
前記他の機器は、
前記無線端末から、前記無線端末のカメラで撮像した映像情報と前記無線端末のマイクで
集音した音声情報とを前記ネットワーク経由で受信し、前記無線端末で表示するための映
像の情報と前記無線端末のスピーカで出力するための音声の情報とを前記ネットワーク経
由で前記無線端末に送信するものであり、
前記無線端末から前記映像装置へ送信される、前記他の機器へ前記ネットワーク経由で接
続するために必要な情報には、URLまたはIPアドレスで表される前記他の機器の接続先情
報が含まれる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの使い勝手をよくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係るシステム構成の一例を示す図である。
図2】テレビ会議の一例を示す図である。
図3】プロジェクタの構成の一例を示す図である。
図4】スマートフォンの構成の一例を示す図である。
図5】実施例1に係る第一のテレビ会議開始の動作の一例を示すシーケンス図である。
図6A】スマートフォンの第一の画面表示の一例を示す図である。
図6B】スマートフォンの第二の画面表示の一例を示す図である。
図6C】スマートフォンの第三の画面表示の一例を示す図である。
図7】実施例1に係る第二のテレビ会議開始の動作の一例を示すシーケンス図である。
図8】実施例2に係るシステム構成の一例を示す図である。
図9】実施例2に係る第一のテレビ会議開始の動作の一例を示すシーケンス図である。
図10】実施例2に係る第二のテレビ会議開始の動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施例について、図面を参照しながら説明する。以下の各実施
例では、カメラで撮像した映像やマイクで集音した音声を、ネットワークを介して遠隔の
端末間で相互に送受信するシステム(以下、テレビ会議システムと呼ぶ)に利用する場合
を例として説明するが、テレビ会議システムとして以下の実施例に限定されるものではな
い。また、システムは、テレビ会議システムに限定されるものでもない。
【実施例1】
【0010】
実施例1では、スマートフォン(無線端末)のテレビ会議アプリケーションを用いて遠
隔地とのテレビ会議を行う際に、スマートフォンがプロジェクタに内蔵された複数人での
利用に適したテレビ会議用のカメラ、マイク、スピーカによる映像と音声を用いてテレビ
会議を行う構成について説明する。
【0011】
図1は本実施例に係るテレビ会議システムの構成の一例を示す図である。本実施例のテ
レビ会議システムは、例えば、プロジェクタ100、スマートフォン110、ネットワー
ク120、テレビ会議サーバ130から構成される。また、プロジェクタ100は、映像
を投写して多人数で見ることができるようにする装置であり、プロジェクタ100には、
テレビ会議用のカメラ101とマイク102とスピーカ112が内蔵される。
【0012】
なお、図1の例ではカメラ101とマイク102とスピーカ112はプロジェクタ10
0に内蔵されているが、必要に応じてカメラ101とマイク102とスピーカ112がプ
ロジェクタ100の外付けであってもよく、カメラ101やマイク102やスピーカ11
2を複数備えてもよい。
【0013】
プロジェクタ100とスマートフォン110は、それぞれに内蔵された所定の機器間通
信手段を介して通信を行う。機器間通信手段は、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN
(Local Area Network)により通信するものでもよいし、有線LANで
通信するものであってもよい。また、USBやBluetooth(登録商標)、IrD
A(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等、他の
有線あるいは無線の通信であってもよい。
【0014】
ここで、Wi-Fiは、IEEE(米国電気電子学会)の規格で策定された無線LAN
の標準規格である。USBは、USB-IF(USB Implementers For
um)で策定された標準規格である。BluetoothはBluetooth SIG
(Bluetooth Special Interest Group)で策定された標
準規格である。
【0015】
ネットワーク120は、インターネットや社内ネットワーク等の遠隔地あるいは社内の
機器間で通信ができるネットワークである。ネットワーク120の一部または全てに、W
i-Fi等の無線LANが含まれてもよいし、有線LANが含まれてもよい。また、ネッ
トワーク120に携帯電話等に用いられる移動体通信網が含まれてもよい。
【0016】
テレビ会議サーバ130は、スマートフォン110等のネットワーク120に接続して
いる端末からテレビ会議開始の要求を受け、同じテレビ会議に参加する複数の端末間で映
像や音声等を送受信できるようにするため、端末間の接続の管理や各端末から送られてく
る映像や音声等のデータの転送を行う。また、テレビ会議サーバ130は、テレビ会議で
配布する資料の映像情報を蓄積し、同じテレビ会議に参加する複数の端末へ配信してもよ
い。配布する資料の情報に音声が含まれてもよい。
【0017】
図2はテレビ会議システムをユーザが利用する様子の一例を示す図である。図2の例で
は、複数人で囲む会議テーブルにプロジェクタ100に置き、スマートフォン110のテ
レビ会議アプリケーションを用いてテレビ会議を行っている様子を示している。スマート
フォン110はプロジェクタ100に映像と音声を送信しており、プロジェクタ100に
送信された映像として、プロジェクタ100の投写映像201にはテレビ会議の相手先の
カメラ映像が映し出されている。また、プロジェクタ100に送信された音声として、プ
ロジェクタ100のスピーカ112からはテレビ会議の相手先のマイクで収集された音声
が出力される。
【0018】
図2の例では、投写映像201に相手先のカメラ映像が映し出されているが、これに限
定されるものではなく、テレビ会議サーバ130に蓄積された資料の映像が映し出されて
もよく、図示を省略したスイッチにより切り替え可能であってもよい。また、投写映像2
01が2分割されて、相手先のカメラ映像と資料の映像とが同時に映し出されてもよい。
【0019】
プロジェクタ100が内蔵するカメラ101で撮像された映像とマイク102で集音さ
れた音声は、スマートフォン110に送信され、スマートフォン110のテレビ会議アプ
リケーションに入力される。カメラ101はテレビ会議の参加者を対象とした撮像範囲2
02を撮像してもよく、多くの参加者の一部ずつを撮像するように撮像範囲202が複数
であってもよい。
【0020】
また、カメラ101は、投写映像201を含む撮像範囲203を撮像してもよい。投写
映像201に資料の映像が映し出されて、参加者がその資料の特定の部分を指し示して説
明したり、その資料の一部を上書き等したりすることにより、テレビ会議の相手先へ説明
の内容が伝わりやすくなる。カメラ101の撮像範囲202と撮像範囲203は、図示を
書略したスイッチにより切り替え可能であってもよいし、カメラ101が物理的に可動で
あってもよいし、撮像範囲202と撮像範囲203の両方を同時に撮像可能であってもよ
い。
【0021】
さらに、カメラ101は、会議テーブルの上に置かれた紙の資料やサンプル品等を撮像
範囲として撮像してもよい。
【0022】
図3は、プロジェクタ100の構成の一例を示す図である。プロジェクタ100は、例
えば、カメラ101、マイク102、映像音声入力部103、制御部104、メモリ10
5、映像復号・出力部107、表示部109、音声復号・出力部111、スピーカ112
、通信部113、アンテナ114、操作入力部115、映像入力・符号化部116、音声
入力・符号化部117、入力端子118等を有し、各部は図3に示すようにバスを介して
接続される。
【0023】
制御部104は、例えばプロセッサを含み、メモリ105に格納された各種プログラム
106を実行することにより、操作入力部115を介してユーザの入力操作の情報を受け
取り、プロジェクタ100のバスに接続された各部を制御する。例えば、制御部104は
、各種プログラム106の中のプログラムをメモリ105から読み出し、読み出したプロ
グラムにしたがって、映像入力・符号化部116と通信部113を制御し、カメラ101
で撮像した映像を映像入力・符号化部116が入力して符号化し、通信部113から送信
するように制御する。
【0024】
また、制御部104は、SoC(System-on-a-Chip)であって、プロ
セッサ以外に、映像音声入力部103から入力された映像や音声の情報を音声情報と映像
情報に分離し、音声復号・出力部111と映像復号・出力部107にそれぞれ出力する回
路を有してもよい。各種プログラム106を実行することによる制御部104のプロジェ
クタ100の各部の制御の説明の詳細は省略し、図5、7を用いてプロジェクタ100の
動作として説明する。
【0025】
メモリ105は、制御部104で実行される各種プログラム106や制御部104によ
り書き込まれて読み出されるデータ等が格納される。プロジェクタ100の設定情報と映
像データと音声データが格納されてもよい。メモリ105に格納される各種プログラム1
06は、プロジェクタ100が出荷時点で予めメモリ105に格納されていてもよいし、
半導体メモリ等の記録媒体に格納されて、図示を省略した媒体接続部を介してメモリ10
5に格納され、インストールされてもよい。
【0026】
また、各種プログラム106は、通信部113を介して外部ネットワークからダウンロ
ードされてメモリ105に格納され、インストールされてもよい。なお、各種プログラム
106を制御部104が実行することによる動作は、同じ動作をする回路としてハードウ
ェアで実現されてもよい。
【0027】
通信部113は、予め定められた規格やプロトコルに準じてスマートフォン110とア
ンテナ114経由で通信を行う。通信部113の使用する規格は、Wi-Fi等の無線L
ANや有線LANであってもよい。また、USBやBluetooth、IrDA、NF
C等、他の有線あるいは無線の通信であってもよく、ネットワーク120を介さずに直接
通信するように構成されてもよい。さらに、通信部113は、異なる規格の通信をサポー
トするチップが複数実装されてもよいし、複数の規格の通信をサポートする1つのチップ
が実装されてもよい。
【0028】
通信部113は、アンテナ114で受信した映像と音声の情報を映像音声入力部103
へ出力し、映像入力・符号化部116と音声入力・符号化部117から入力した映像と音
声の情報をアンテナ114から送信する。アンテナ114で受信した映像と音声の情報を
バスへ出力してもよい。
【0029】
映像音声入力部103は、入力端子118からプロジェクタ100で投写する映像や音
声の情報を入力する。これは、テレビ会議としての利用ではなく、プロジェクタ100の
入力映像を投写するという本来の利用のためのものであってもよいし、テレビ会議で参照
される資料をパソコン等から入力するためのもととして利用されてもよい。このために、
映像音声入力部103は映像や音声の情報を制御部104へ出力する以外にバスへ出力し
てもよい。
【0030】
入力端子118は、例えば、コンポジット端子、S端子、D端子、コンポーネント端子
、VGA端子、DVI端子、HDMI端子等である。入力端子118からの入力がアナロ
グ信号の場合、映像音声入力部103はアナログ信号をデジタル信号に変換してもよい。
また、映像音声入力部103は、入力端子118からの入力と通信部113からの入力を
選択してもよいし、合成してもよい。
【0031】
映像音声入力部103は映像や音声の情報をバスへ出力する場合、通信部113はバス
経由で入力してアンテナ114から送信してもよい。このとき、映像の情報か音声の情報
かが選択されてもよく、例えば、映像音声入力部103から資料の映像情報が通信部11
3へ転送されるとともに、マイク102から音声入力・符号化部117を介して会議参加
者の音声の情報が通信部113へ転送されてもよい。
【0032】
映像復号・出力部107は、制御部104から入力された映像情報を、必要に応じて復
号し、表示部109へ出力する。例えば、通信部113により受信された映像情報は、圧
縮/符号化されていて復号して出力し、入力端子118から入力された映像情報は、圧縮
/符号化されておらず、そのまま出力してもよい。復号するか否かは制御部104により
制御されてもよい。なお、映像復号・出力部107の出力する映像情報の一部は、各種プ
ログラム106の実行により制御部104が生成した映像情報であってもよい。
【0033】
表示部109は、例えば液晶パネル、光学レンズ等によって構成され、スクリーン等に
映像を投写する。映像投写の構造は、DLP(登録商標:Digital Light
Processing)、レーザ光源等であってもよく、他の映像投写構造であってもよ
い。また、表示部109は、映像を投写しない液晶パネル等を含んでもよい。
【0034】
音声復号・出力部111は、制御部104から入力された音声情報を、必要に応じて復
号し、スピーカ112へ出力する。例えば、通信部113により受信された音声情報は、
圧縮/符号化されていて復号して出力し、入力端子118から入力された音声情報は、圧
縮/符号化されておらず、そのまま出力してもよい。復号するか否かは制御部104によ
り制御されてもよい。なお、音声復号・出力部111が出力する音声情報は、スピーカ1
12の代わりに図示を省略した外部機器へ出力されてもよい。
【0035】
スピーカ112は、無指向性であって会議に十分な音量の音を発生するものが望ましい
。マイク102は、無指向性であって会議テーブルの参加者の音声を集音する感度のもの
が望ましい。スピーカ112とマイク102は、音声の周波数帯域に重点のおかれたもの
であってもよい。また、スピーカ112とマイク102は、無指向性等にするために複数
備えられてもよい。音声入力・符号化部117は、マイク102が電気信号に変換した音
声情報を入力し、情報量を圧縮するために符号化し、通信部113へバスを介して出力す
る。
【0036】
カメラ101は、撮像範囲202、203を撮像し、撮像した映像を電気信号に変換し
て、映像入力・符号化部116へ入力する。撮像範囲202、203等に応じてカメラ1
01は複数備えられ、映像入力・符号化部116に複数のカメラ101が接続されてもよ
い。また、カメラ101は、物理的に可動な構造でプロジェクタ100に装着されてもよ
い。
【0037】
映像入力・符号化部116は、カメラ101が電気信号に変換した映像情報を入力し、
情報量を圧縮するために符号化し、通信部113へバスを介して出力する。映像入力・符
号化部116は、複数のカメラ101に接続され、複数のカメラ101のそれぞれから映
像情報を入力する場合、複数のカメラ101の入力を選択してもよいし、合成してもよい
【0038】
操作入力部115は、ユーザからのプロジェクタ100に対する入力操作を受け付ける
入力デバイスであり、例えば、リモコン、キーボード、マウスやタッチパネル等のポイン
ティングデバイス等である。
【0039】
なお、図3の例では、プロジェクタ100の構造を説明したが、表示部109として映
像を投写する代わりに映像表示のディスプレイを用い、テレビ受信機やディスプレイ装置
図3を用いて説明した各構造を備えてもよい。すなわち、図2に示した投写映像201
がテレビ受信機であり、プロジェクタ100がテレビ受信機に含まれる構成であってもよ
い。このテレビ受信機の構成では、撮像範囲202を撮像するカメラ101を備え、撮像
範囲203を撮像するカメラ101を備えなくてもよいし、撮像範囲203を撮像するカ
メラ101の代わりにテレビ受信機にタッチパネル等を備えてもよい。
【0040】
また、図3に示した構成から表示部109とスピーカ112を取り除いて、代わりにそ
れぞれ出力端子を備え、映像の表示や音声の出力を直接行わないSTB(セットトップボ
ックス)やレコーダー等で構成してもよい。さらに、プロジェクタ100の代わりに、図
3に示した各構成を備えたパソコン、モニター装置、タブレット端末等であってもよい。
【0041】
図4は、スマートフォン110の構成の一例を示す図である。スマートフォン110は
、例えば、カメラ405、マイク406、制御部400、メモリ403、表示部401、
操作入力部402、通信部407、通信アンテナ408、移動体通信部409、移動体通
信アンテナ410等有し、図4に示すように各部がバスを介して接続される。
【0042】
制御部400は、プロセッサを含み、メモリ403に格納された各種プログラム412
を読み出して実行し、スマートフォン110の各部をハス経由で制御する。制御部400
は、SoCであって、映像や音声の処理に関する回路を含んでもよい。表示部401は液
晶パネルや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等でもよ
く、操作入力部402のタッチパネルと一体化されていてもよい。カメラ405は、スマ
ートフォン110の特定の方向を撮像し、マイク406はスマートフォン110の周囲の
音声を集音し、スピーカ411は音声を出力する。
【0043】
通信部407は、予め定められた規格やプロトコルに準じてプロジェクタ100と通信
アンテナ408経由で通信を行う。通信の規格は、プロジェクタ100と通信できる規格
である。移動体通信部409は、移動体通信アンテナ410と図示を省略した移動体通信
用の基地局等を介してネットワーク120と通信を行うため、3G,4G,LTE等のモ
バイル通信用の規格に準じた通信を行ってもよい。
【0044】
また、移動体通信部409は、移動体通信アンテナ410と図示を省略したアクセスポ
イント等を介してネットワーク120と通信を行うため、Wi-Fi等の無線LANの規
格に準じた通信を行ってもよい。さらに、移動体通信部409は、移動体通信アンテナ4
10の代わりに図示を省略した端子を介して、有線LANでネットワーク120と通信を
行ってもよく、異なる規格の通信をサポートするチップが複数実装されてもよいし、複数
の規格の通信をサポートする1つのチップが実装されてもよい。
【0045】
メモリ403に格納された各種プログラム412には、テレビ会議アプリケーションが
含まれる。テレビ会議アプリケーションは、テレビ電話(ビデオ電話)等のプログラムで
あってもよく、表示部401とカメラ405とマイク406等を使用する電話のアプリケ
ーションプログラムであってもよい。また、各種プログラム412には、OS(Oper
ating System)やプレゼンテーション用アプリケーションが含まれてもよい
【0046】
以下、スマートフォン110を用いてテレビ会議を開始し、プロジェクタ100のカメ
ラ101とマイク102とスピーカ112をテレビ会議に利用する際の動作例について、
図5及び図6を用いて説明する。
【0047】
図5は、実施例1に係るテレビ会議開始の動作の一例を示すシーケンス図である。テレ
ビ会議開始の動作とは、スマートフォン110のテレビ会議アプリケーションを用いて、
テレビ会議サーバ130を介したテレビ会議を開始し、テレビ会議サーバ130から受信
する映像と音声にプロジェクタ100の表示部109とスピーカ112を用い、テレビ会
議サーバ130へ送信する映像と音声にプロジェクタ100のカメラ101とマイク10
2を用いるまでのシーケンスである。
【0048】
また、図6A図6B図6Cは、それぞれスマートフォン110の画面表示の一例を
示す図である。図5を用いて説明するシーケンスの中でスマートフォン110は図6A
図6B図6Cを用いて説明する画面を表示する。なお、図6A図6B図6Cにおけ
るカメラ405とマイク406と表示部401は、図4を用いて説明したとおりであり、
操作入力部402は表示部401と一体化されて、表示部401の表示がタッチされるこ
とにより操作が入力される。
【0049】
ステップ500:スマートフォン110は、図6Aに示すように複数のアイコンを表示
部401に表示し、ユーザによりテレビ会議アプリのアイコン601が選択(タッチ)さ
れたことを検出して、テレビ会議アプリケーションを起動する。
【0050】
ステップ501:スマートフォン110は、参加するテレビ会議のための会議IDやア
カウント・パスワード(認証情報)等の入力を促す画面を表示部401に表示し、ユーザ
により会議IDやアカウント・パスワード等が入力されて、入力された会議IDやアカウ
ント・パスワード等をテレビ会議サーバ130へ送信し、テレビ会議への接続を要求する
【0051】
ステップ502:テレビ会議サーバ130は、スマートフォン110からの要求を受信
し、受信した会議IDやアカウント・パスワード等に基づいて、同じテレビ会議に参加す
る端末との接続処理を開始する。
ステップ503:テレビ会議サーバ130は、スマートフォン110の要求したテレビ会
議と同じテレビ会議に参加する端末との接続を確立し、接続が確立したことをスマートフ
ォン110に通知する。
【0052】
ステップ504:スマートフォン110は、スマートフォン110のカメラ405とマ
イク406とスピーカ411を用いたテレビ会議の処理を開始する。
ステップ505:スマートフォン110は、カメラ405で撮像された映像とマイク40
6で集音された音声をテレビ会議サーバ130へ送信する。また、テレビ会議サーバ13
0から送られてくる他の端末の映像と音声の受信し、映像を表示部401に表示して音声
をスピーカ411で出力する。
【0053】
ステップ506:テレビ会議サーバ130は、スマートフォン110から受信した映像
と音声を同じ会議に参加する端末に転送する。また、同じ会議に参加した端末から受信し
た映像と音声をスマートフォン110に転送する。
ステップ507:スマートフォン110は、図6Bに示すように映像出力先設定メニュー
602を表示部401に表示し、ユーザにより「プロジェクタ」が選択(タッチ)された
ことを検出して、通信部407でプロジェクタ100に表示画面の送信を開始する。映像
出力先設定メニュー602は、テレビ会議アプリケーションが起動されると表示されても
よいし、テレビ会議アプリケーションの特定のメニューが選択されると表示されてもよい
【0054】
ステップ508:プロジェクタ100は、通信部113でスマートフォン110からの
表示画面の受信を検出すると、受信した表示画面の表示を開始してステップ509へ進む

ステップ509:プロジェクタ100は、プロジェクタ100のカメラ101とマイク1
02とスピーカ112が利用可能であることを、通信部113でスマートフォン110に
通知する。
【0055】
ステップ510:スマートフォン110は、プロジェクタ100からステップ509の
通知を受けると、図6Cに示すようにカメラ・マイク・スピーカ利用確認メニュー603
を表示部401に表示し、ユーザにより「はい」が選択(タッチ)されたことを検出する
とステップ511へ進み、「いいえ」が選択(タッチ)されたことを検出すると、テレビ
会議の開始動作としては終了する。
【0056】
ステップ511:カメラ・マイク・スピーカ利用確認メニュー603において「はい」
が選択されているので、スマートフォン110は、プロジェクタ100にカメラ101と
マイク102とスピーカ112の利用を通信部407で通知する。
ステップ512:プロジェクタ100は、スマートフォン110からステップ511の通
知を通信部113で受けると、プロジェクタ100のカメラ101とマイク102を利用
した撮像と集音を開始する。
【0057】
ステップ513:プロジェクタ100は、通信部113でスマートフォン110にプロ
ジェクタ100のカメラ101とマイク102で撮像した映像と集音した音声の送信を開
始し、スマートフォン110からの音声の受信を開始してスピーカ112で出力できるよ
うにする。
ステップ514:スマートフォン110は、通信部407でプロジェクタ100から映像
と音声の受信を開始し、プロジェクタ100へ音声の送信を開始する。
【0058】
ステップ515:スマートフォン110は、テレビ会議サーバ130に送信する映像と
音声を、スマートフォン110のカメラ405とマイク406で得られるのものから、プ
ロジェクタ100から受信した映像と音声に切替え、テレビ会議サーバ130から受信す
る音声を、スマートフォン110のスピーカ411の出力から、プロジェクタ100への
音声の送信に切替える。
【0059】
以上で説明したように、スマートフォン110で利用しているアプリケーションを用い
てテレビ会議を開始し、スマートフォン110がプロジェクタ100へ映像出力すること
をきっかけにして、プロジェクタ100がプロジェクタのカメラ101とマイク102と
スピーカ112が利用可能なことをスマートフォン110に通知し、簡単に連携できる。
【0060】
そして、スマートフォン110がプロジェクタ100のカメラ101とマイク102で
得られる映像と音声をテレビ会議に用い、テレビ会議の音声にスピーカ112を用いるこ
とにより、ユーザが日常的に利用しているスマートフォン110とそのアプリケーション
を用いて、テレビ会議に適したカメラとマイクとスピーカを利用できるようになり、ユー
ザの利便性を高めることができる。
【0061】
また、テレビ会議に参加するための情報(認証情報、パスワード等)として、スマート
フォン110の情報を利用できるため、情報の入力が容易であるとともに、特別で専用の
情報が不要となり、普及している参加の手順を利用しやすくなる。
【0062】
図5に示したシーケンスの例では、スマートフォン110でテレビ会議を開始(ステッ
プ504)した後に、プロジェクタ100への映像出力とプロジェクタ100のカメラ1
01とマイク102とスピーカ112の利用を始めたが、このシーケンスに限定されるも
のではない。
【0063】
例えば、図7に示すように、スマートフォン110でテレビ会議を開始(ステップ71
4)する前に、スマートフォン110からプロジェクタ100への映像出力をし(ステッ
プ701)、テレビ会議アプリケーションが起動(ステップ705)された時点では、プ
ロジェクタ100のカメラ101とマイク102とスピーカ112が利用可能とされても
よい。
【0064】
図7のステップ701からステップ703は、図5のステップ507からステップ50
9に対応し、スマートフォン110は、ステップ704にて通知を受信する。その後、ス
テップ705にてスマートフォン110のテレビ会議アプリケーションが起動されると、
スマートフォン110は、ステップ704で予め受信した通知をもとにステップ706を
実行する。ステップ707からステップ710は、ステップ511からステップ514に
対応し、ステップ711からステップ714は、ステップ501からステップ504に対
応する。
【0065】
ステップ715からステップ716は、ステップ505からステップ506に対応する
が、ステップ505ではスマートフォン110のカメラ405等が用いられるのに対し、
ステップ715では既にステップ710が実行されていると、プロジェクタ100のカメ
ラ101等が用いられる。
【0066】
また、スマートフォン110がプレゼンテーション用アプリケーション等のカメラとマ
イクとスピーカの利用が不要なアプリケーションの画面をプロジェクタ100に出力して
いる際には、図6Cに示すようなカメラ・マイク・スピーカ利用確認メニュー603が表
示されず、テレビ会議アプリケーション等のカメラとマイクの利用が必要となるアプリケ
ーションを起動したときのみ、カメラ・マイク・スピーカ利用確認メニュー603が表示
されるため、メニュー表示の煩わしさがなくユーザの利便性を高めることができる。
【0067】
なお、プロジェクタ100の通信部113とスマートフォン110の通信部407とは
、例えばBluetoothのペアリングあるいはこれに相当する動作により、予め通信
可能となっていてもよい。また、スマートフォン110からプロジェクタ100への映像
出力は、スマートフォン110のOSの実行による映像出力であってもよい。
【0068】
ステップ701において、OSの実行により出力できる映像であれば、どのような映像
であるかは限定されるものではないが、例えばスマートフォン110の表示部401に表
示された映像と同じ映像の出力であってもよい。このため、スマートフォン110の表示
部401のミラー画像が、プロジェクタ100により投写されてもよい。
【0069】
テレビ会議システムとして、テレビ会議サーバ130と通信することによりテレビ会議
に参加する構成を説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、テレビ会議
サーバ130が存在せず、スマートフォン110はテレビ会議に参加する端末とネットワ
ーク120を介して直接に通信するP2P(ポイント・ツー・ポイント)接続による通信
であってもよい。
【実施例2】
【0070】
以下、本発明に係る実施例2を、図8から図10を用いて説明する。実施例1ではスマ
ートフォン110を経由してプロジェクタ100が映像と音声を送信したが、実施例2で
はテレビ会議の参加にスマートフォン110を利用し、スマートフォン110を経由せず
にプロジェクタ100が映像と音声を送信する。実施例1と同じ構成は詳細な説明を省略
し、特に異なる構成について説明する。
【0071】
図8は、実施例2に係るテレビ会議システムの一例を示す図である。実施例1と異なる
点は、プロジェクタ100がネットワーク120と直接通信できることである。これによ
り、プロジェクタ100はカメラ101で撮像した映像やマイク102で集音した音声を
、ネットワーク120を介してテレビ会議サーバ130に送信する。
【0072】
プロジェクタ100の構成は図3を用いて説明したとおりであるが、プロジェクタ10
0の通信部113は、スマートフォン110の通信部407と通信する以外にアクセスポ
イント等を介してネットワーク120と通信してもよい。また、プロジェクタ100は、
図示を省略した移動体通信部あるいは有線通信部を備えてネットワーク120と通信して
もよい。スマートフォン110の構成は図4を用いて説明したとおりである。
【0073】
図9は、実施例2に係るテレビ会議開始の動作の一例を示すシーケンス図である。図9
のステップ900からステップ910は、図5のステップ500からステップ510に対
応する。以下、図5のシーケンス図と動作が異なるステップ911以降を説明する。
【0074】
ステップ911:カメラ・マイク利用確認のメニューにおいて「はい」が選択されてい
るので、スマートフォン110は、テレビ会議サーバ130に送信中のスマートフォン1
10のカメラ405とマイク406を用いた映像と音声の送信を中断する。また、この中
断にともない、テレビ会議サーバ130におけるスマートフォン110から受信する映像
と音声の他の端末への転送が中断される。
【0075】
ステップ912:スマートフォン110は、プロジェクタ100にテレビ会議サーバ1
30の接続先と会議IDやアカウント・パスワード(認証情報)等のテレビ会議への接続
に必要な情報を送信し、映像と音声をテレビ会議サーバ130に送信するように指示する
。なお、テレビ会議サーバ130の接続先は、IPアドレスやURL等で表される情報で
あってもよい。
【0076】
ステップ913:プロジェクタ100は、テレビ会議サーバ130の接続先と会議ID
やアカウント・パスワード等のテレビ会議への接続に必要な情報を受信し、プロジェクタ
100のカメラ101とマイク102を利用した撮像と集音を開始する。
【0077】
ステップ914:プロジェクタ100は、スマートフォン110から受信したテレビ会
議サーバ130の接続先と会議IDやアカウント・パスワード等のテレビ会議への接続に
必要な情報を用いて、テレビ会議サーバ130に接続し、プロジェクタ100のカメラ1
01とマイク102で撮像した映像と集音した音声の送信を開始する。
ステップ915:テレビ会議サーバ130は、プロジェクタ100から受信した映像と音
声を用いて、同じ会議に参加する他の端末に対して、映像と音声の転送を再開する。
【0078】
以上で説明したように、スマートフォン110等で利用しているアプリケーションを用
いてテレビ会議を開始し、スマートフォン110がプロジェクタ100に映像出力するこ
とをきっかけにして、プロジェクタ100がプロジェクタ100のカメラ101とマイク
102が利用可能なことをスマートフォン110に通知し、簡単に連携できる。
【0079】
そして、スマートフォン110がプロジェクタ100のカメラ101とマイク102で
得られる映像と音声をテレビ会議サーバ130に送信するようにプロジェクタ100に指
示することにより、ユーザが日常的に利用しているスマートフォン110とそのアプリケ
ーションを用いて、テレビ会議に適したカメラ101とマイク102を利用できるように
なり、ユーザの利便性を高めることができる。
【0080】
また、テレビ会議中の映像と音声をプロジェクタ100からテレビ会議サーバ130に
直接送信することにより、スマートフォン110のモバイル通信網を介した通信データ量
を削減できる等、ユーザの利便性を高めることができる。
【0081】
図9に示したシーケンスの例では、スマートフォン110でテレビ会議を開始(ステッ
プ904)した後に、プロジェクタ100への映像出力とプロジェクタ100のカメラ1
01とマイク102の利用を始めたが、このシーケンスに限定されるものではない。
【0082】
例えば、図10に示すように、スマートフォン110でテレビ会議を開始(ステップ1
009)する前に、スマートフォン110からプロジェクタ100への映像出力をし(ス
テップ1001)、テレビ会議アプリケーションが起動(ステップ1005)された時点
では、プロジェクタ100のカメラ101とマイク102が利用可能とされてもよい。
【0083】
図10のステップ1001からステップ1003は、図9のステップ907からステッ
プ909に対応し、スマートフォン110は、ステップ1004にて通知を受信する。そ
の後、ステップ1005にてスマートフォン110のテレビ会議アプリケーションが起動
される。ステップ1006からステップ1009は、ステップ901からステップ904
に対応し、スマートフォン110は、ステップ1004で予め受信した通知をもとにステ
ップ1010を実行する。
【0084】
ステップ1011からステップ1014は、ステップ912からステップ915に対応
する。また、ステップ1015はステップ905に対応し、スマートフォン110は、ス
マートフォン110のカメラ405とマイク406を用いる。
【0085】
また、スマートフォン110がプレゼンテーション用アプリケーション等、カメラとマ
イクの利用が不要なアプリケーションの画面をプロジェクタ100に出力している際には
図6Cに示すようなカメラ・マイク利用確認のメニューが表示されず、テレビ会議アプ
リケーション等のカメラとマイクの利用が必要となるアプリケーションを起動したときの
み、カメラ・マイク利用確認のメニューが表示されるため、メニュー表示の煩わしさがな
くユーザの利便性を高めることができる。
【0086】
なお、以上で説明した各実施例の構成の一部を削除したり、他の実施例の構成の一部で
置き換えたりしてもよく、各実施例の構成へ他の実施例の構成の一部を追加したりしても
よい。
【符号の説明】
【0087】
100 プロジェクタ
101 カメラ
102 マイク
110 スマートフォン
112 スピーカ
120 ネットワーク
130 テレビ会議サーバ
405 カメラ
406 マイク
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10