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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】分岐管の撤去方法及び撤去用具。
(51)【国際特許分類】
   F16L 41/06 20060101AFI20220930BHJP
   F16L 55/00 20060101ALI20220930BHJP
   E03B 7/00 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
F16L41/06
F16L55/00 C
E03B7/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018244006
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020106069
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】591197633
【氏名又は名称】明和工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000201593
【氏名又は名称】前澤給装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084102
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 彰
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 恵介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直也
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-168163(JP,A)
【文献】特開2009-115296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 41/06
F16L 55/00
E03B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本管から分岐した管分岐口に仕切弁機構を介して分岐管を連結した分岐管路において、
管分岐口の内周面に外方側の周壁面より内方へ突出した螺条を形成しておき、
仕切弁機構を閉弁状態で分岐管を分離した後、
先方を前記螺条に螺合する螺子部を形成し、基方に外方側周壁面に密挿するシール部を設けた密栓体に挿入体を付設し、
仕切弁機構の外方に装着する蓋容器体に前記密栓体を外周に間隙を有するように内置すると共に、挿入体を前記蓋容器体の外方に突出させて密栓体及び挿入体を移動阻止状態とし、
前記密栓体及び挿入体と一体とした蓋容器体を分岐管に変えて装着して水封状態で密栓体を仕切弁機構外方に組み込み、
仕切弁機構を開弁し、密栓体及び挿入体の移動阻止状態を解除して挿入体で密栓体を管分岐口に進入させ、
密栓体を螺合装着することで密栓体のシール部を前記外方側周壁面内に押し込んで管分岐口を密閉し、
然る後蓋容器体、仕切弁機構、挿入体を取り外してなる分岐管の撤去方法。
【請求項2】
分岐管路の分岐構成を、本管外周面を覆うように装着される分岐口を備えたサドル部材と、前記サドル部材とで本管を挟持する支持部材で構成してなる請求項1記載の分岐管の撤去方法。
【請求項3】
本管から分岐した管分岐口に仕切弁機構を介して分岐管を連結すると共に、管分岐口の内周面に外方側周壁面より内方へ突出した螺条を形成した分岐管路における分岐管の撤去用具で、
密栓体と挿入体と蓋容器体で構成され、
密栓体は、管分岐口の密閉栓となる形状で、先方に前記螺条に螺合する螺子部に形成すると共に、基方に前記螺条との螺合時に外方側周壁面に密挿するシール部を設けてなり、
挿入体は、先端を密栓体の上面に回転操作可能で且つ着脱自在に設けた操作軸と、基方に設けた操作ハンドルを備えてなり、
蓋容器体は、密栓体の外周に間隙を有するように収納し、操作軸を水封状態で外方に突出させ、密栓体を内方に組み込んだ状態で仕切弁機構に装着可能に形成すると共に、前記操作軸の突出箇所に操作軸の移動を阻止する挿入体保持機構を付設してなることを特徴とする分岐管の撤去用具。
【請求項4】
挿入体保持機構を、蓋容器体における操作軸の突出部分をガイド筒部に形成すると共に、前記ガイド筒部の外周面にネジ部を設け、ガイド筒部の頂面を内側へ傾斜する傾斜押圧面に形成し、前記傾斜押圧面上に止着用の弾性シールリングを載置し、
前記ガイド筒部に被冠し且つ上面に操作軸の挿通孔を設けると共に、内周面に前記ネジ部と螺合する内ネジ部を設けたキャップ体に、操作レバーを突設した止着操作部材を、ガイド筒部に装着して構成した請求項3記載の分岐管の撤去用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として不断水工法を採用する際に形成される分岐管を撤去する方法及び前記方法に使用する撤去用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既設水道管の交換工事においては、水道利用者に不便を与えないように上流側で止水することなく不断水の状態を維持したまま施工するために分岐管を設けてバイパス路を形成し、また一時的な水道利用のための分岐管が構築される。このような分岐管は、本管と一体に形成された管分岐口に仕切弁機構を連結し、仕切弁機構に分岐管を連結して構成される。
【0003】
分岐管が不必要となった場合には当該分岐管を撤去するが、仕切弁機構を残存させると水道管から当該部分が突出することになり、将来における再度の掘削作業時の邪魔になるので、仕切弁機構も除去する必要がある。
【0004】
そこで管分岐口の密閉手段として、仕切弁を閉じた状態で密栓体を仕切弁の流路外方位置に水密状態で配置できる合フランジを採用し、合フランジに栓体を先端に装着した挿入体(特許文献1では挿入冶具、特許文献2では操作軸)を挿着して仕切弁機構に連結し、仕切弁体を開口して栓体を管分岐部内に差し入れ、管分岐部に装着して密閉し、その後密栓体を分離した挿入体及び合フランジ並びに仕切弁機構を取り外すようにしている。
【0005】
また前記特許文献1の密栓体と管分岐口の連結は、管分岐口内周面に一部を切欠した通過箇所(切欠部)を設けた係合突起を設け、密栓体には基方(管路外方)にシール部を設け、先端箇所に前記切欠部を通過できる張出部を設けてなり、密栓体を管分岐口内に挿入して張出部を係止突起の下方(管路内方)に位置させて装着するようにしたものである。
【0006】
また特許文献2の密栓体と管分岐口の連結は、管分岐口内周面(周壁面)に通過部を設けたバヨネット溝を備えた係合壁に形成し、密栓体には先方(管路内方)にシール部を設け、基方に通過部を通過できる突起を設けてなり、密栓体を管分岐口内に挿入して通過部をバヨネット溝内に位置させて装着するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009-168163号公報。
【文献】特開2010-117029号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
不断水状態で管分岐口内にシール機能を備えた密栓体を装着するには、密栓体が受ける水道本管からの水圧を考慮する必要がある。
【0009】
その対策として特許文献1で開示されている手段は、密栓体を回動するための芯軸と、密栓体を管分岐口内に圧挿入するために水道本管との間に介装したジャッキを連結する外軸の二重軸構成を採用し、外軸を介してジャッキ力を作用させてシール部を備えた密栓体の圧挿入を実現している。
【0010】
また特許文献2に開示されている手段は、ジャッキを採用せずに、密栓体のシール部の構成を、管分岐口の内径を小さい状態で組み込み、密栓体を水圧の抵抗を受けずに管分岐口内で挿入して装着後、密栓体の先端部材でシールを圧して外周方向膨出させてシール機能を発揮する構成を採用したもので、そのために挿入体に二重軸を採用し、外軸は密栓体装着のための回動操作軸とし、内軸を先端部材の螺合回転のための回転操作軸としているものである。
【0011】
このように従前の密栓体の装着には水道本管からの水圧対応として二重軸構造を採用している。このため合フランジと挿入体の水密構造の他に内外二重軸の水密構造も必要となり構造の複雑化は免れられない。更にジャッキを付設するための構造や密栓体の構造が複雑になり、使用機材の構造が煩瑣となる問題がある。
【0012】
そこで本発明は、使用機材の簡素化による新規に管分岐口の密閉方法及び密閉装置を提案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の請求項1記載に係る分岐管撤去方法は、本管から分岐した管分岐口に仕切弁機構を介して分岐管を連結した分岐管路において、管分岐口の内周面に外方側の周壁面より内方へ突出した螺条を形成しておき、仕切弁機構を閉弁状態で分岐管を分離した後、先方を前記螺条に螺合する螺子部を形成し、基方に外方側周壁面に密挿するシール部を設けた密栓体に挿入体を付設し、仕切弁機構の外方に装着する蓋容器体に前記密栓体を外周に間隙を有するように内置すると共に、挿入体を前記蓋容器体の外方に突出させて密栓体及び挿入体を移動阻止状態とし、前記密栓体及び挿入体と一体とした蓋容器体を分岐管に変えて装着して水封状態で密栓体を仕切弁機構外方に組み込み、仕切弁機構を開弁し、密栓体及び挿入体の移動阻止状態を解除して挿入体で密栓体を管分岐口に進入させ、密栓体を螺合装着することで密栓体のシール部を前記外方側周壁面内に押し込んで管分岐口を密閉し、然る後蓋容器体、仕切弁機構、挿入体を取り外してなるものである。
【0014】
また本発明の請求項記載に係る分岐管の撤去用具は、本管から分岐した管分岐口に仕切弁機構を介して分岐管を連結すると共に、管分岐口の内周面に外方側周壁面より内方へ突出した螺条を形成した分岐管路における分岐管の撤去用具で、密栓体と挿入体と蓋容器体で構成され、密栓体は、管分岐口の密閉栓となる形状で、先方に前記螺条に螺合する螺子部に形成すると共に、基方に前記螺条との螺合時に外方側周壁面に密挿するシール部を設けてなり、挿入体は、先端を密栓体の上面に回転操作可能で且つ着脱自在に設けた操作軸と、基方に設けた操作ハンドルを備えてなり、蓋容器体は、密栓体の外周に間隙を有するように収納し、操作軸を水封状態で外方に突出させ、密栓体を内方に組み込んだ状態で仕切弁機構に装着可能に形成すると共に、前記操作軸の突出箇所に操作軸の移動を阻止する挿入体保持機構を付設してなることを特徴とするものである。
【0015】
而して分岐管を除去した仕切弁機構(閉弁状態)に、密栓体及び挿入体を組み込んだ蓋容器体を装着して仕切弁機構を開弁すると、密栓体の管分岐口への進出が可能となる。そこで挿入体を外部から操作して密栓体を管分岐口の位置まで押し込む。この押し込み操作においては密栓体下方に滞留する水は密栓体の外周間隙を通じて密栓体の上方に移動すると共に、押し込み反発力となる水圧は、操作軸の断面分の少ない面積に相当分の力しか加わらないので、人力で容易に押し込むことができる。そして密栓体の螺子部が螺条位置まで達して、挿入体による密栓体の回動に螺合操作が開始され、前記螺合操作途中でシール部が外方側周壁の位置に達すると密栓体の進出に対して本管の水圧が加わることになるが、螺合操作によって前記水圧に抗しての密栓体の進出が可能となり、密栓体全体が管分岐口内に納まると、管分岐口は密栓体で水封される。然る後各用具を取り外すものである。
【0016】
また本発明の分岐管の撤去方法は、仕切弁機構開弁前に密栓体の移動を阻止した状態とし、当該阻止状態で開弁した後に阻止状態を解除してなるものであり、また本発明の分岐管の撤去用具は、蓋容器体に、内方に組み込んだ密栓体の移動を阻止する挿入体保持機構を付設してなるもので、開弁操作に際して密栓体と動作する弁体との接触を防止して、仕切弁機構が損傷することが無いようにしたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の構成は上記のとおりで、分岐管の撤去が予測される分岐管路における管分岐口と、分岐管撤去後の管分岐口を密封する密栓体の連結に螺合構造を採用したもので、これによって水圧の抵抗を受ける管分岐口内への密栓体の進出を容易にして、ジャッキ力による外部力による押し込み構造や密栓体のシール膨出構造を不要にし、且つ挿入体に二軸構造を採用することなく、分岐管の撤去作業の用具の簡素化を実現したものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明(第一実施形態)の撤去用具の説明図。
図2】同分岐管撤去作業の工程説明図(分岐管の除去)。
図3】同図(用具の装着)。
図4】同図(密栓体の装着)。
図5】同図(ハンドルと蓋容器体の取外し)。
図6】同図(仕切弁機構と操作軸の取外し)。
図7】同図(終了状態)。
図8】同第二実施形態の挿入体保持機構の説明図。
図9】同分岐管撤去作業の工程説明図(用具装着状態)。
図10】同挿入体保持機構の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に本発明の実施形態について説明する。実施形態として示した分岐管の撤去の対象管路は、水道本管Aに分岐管Bを設ける際に、水道本管Aの外周面を覆うように二分割されたサドル部材1及び支持部材2を装着し、適宜な連結ボルト3で水道本管Aに挟圧固定し、管分岐口11を備えたサドル部材1に仕切弁機構Cを装着し、仕切弁機構Cを介在させて公知の穿孔装置を装着して水道本管Aに通水孔aを穿設し、穿孔終了後に前記穿孔装置を外して分岐管Bを連結し、分岐管路を構築しているものである。尚サドル部材1、仕切弁機構C、分岐管Bはフランジで連結されている。
【0020】
特に本発明は、前記のサドル部材1における管分岐口11の内周面に外方側の周壁面12より水道本管A側の径が小さくなるように、内方へ突出した螺条13を形成しておくものである。
【0021】
本発明の分岐管の撤去用具は、密栓体4と挿入体5と蓋容器体6と蓋板7で構成される。
【0022】
密栓体4は、管分岐口11の密閉栓となるもので、先方に螺条13に螺合する螺子部41に形成し、基方に外方側周壁面との間を水封するシール部材を装着したシール部42を設けてなる。
【0023】
特に外方側周壁面12、螺条13、螺子部41及びシール部42の各形成位置は、螺子部41を螺条13に螺合している途中からシール部42が外方側周壁面12で囲繞された空間に進出するようしてなるものである。また上面には挿入体5との連結部(螺孔)43を設ける。
【0024】
挿入体5は、適宜長さの操作軸51と密栓体連結部52と操作ハンドル53で構成され、密栓体連結部52は、操作軸先端に固定した連結板52aと連結板52aを密栓体4の上面に位置させて螺孔43に螺着する止着ボルト52bからなる。操作ハンドル53は操作軸51の基端に、着脱自在に連結したもので、操作軸51の軸方向操作及び回転操作を行うものである。
【0025】
蓋容器体6は、下方が開口し上面が塞がれた密栓体4を収納する空間を備えた本体部61と、本体部61の上面に操作軸51のガイド筒部62を突設し、ガイド筒部62内にOリング63を装着してなる。更に本体部61上方外周に持ち手64を突設し、下縁にはフランジ65を周設してなる。
【0026】
また蓋板7は、各フランジ形状と一致する板体である。
【0027】
次に上記の撤去用具を使用して、分岐管Bの撤去手順ついて説明する。最初に仕切弁機構Cを操作して閉弁状態とし、分岐管Bを分離する(図2)。
【0028】
次に密栓体4に操作軸51を連結し、密栓体4を本体部61内に収納すると共に、操作軸51をガイド筒部62から突出させ、突出している操作軸51に操作ハンドル53を取り付けて撤去用具を組み上げる、この組み上げた撤去用具をフランジ65で仕切弁機構Cのフランジに装着する(図3)。
【0029】
次に仕切弁機構Cを開弁して、密栓体4の管分岐口11方向への進出を可能とし、操作ハンドル53で密栓体4を、管分岐口11の位置まで押し込む。この押し込み操作においては密栓体4の下方に滞留する水は密栓体4の外周間隙を通じて密栓体4の上方に移動すると共に、押し込み反発力となる水圧は、操作軸の断面分の少ない面積に相当分の力しか加わらないので、人力で容易に押し込むことができる。
【0030】
密栓体4の螺子部41が螺条13の位置まで達すると、操作ハンドル53を回転操作して密栓体4を螺条13に螺合させる。この螺合操作中にシール部42が外方側周壁面12の位置に達すると密栓体4の進出に対して水道本管Aの水圧が加わることになるが、螺合操作によって前記水圧に抗しての密栓体4の進出が可能であり、密栓体4全体を管分岐口11内に納めて管分岐口11を水封する(図4)。
【0031】
密栓体4を管分岐口11に装着した後には、操作ハンドル53を操作軸51から取り外し、蓋容器体6を操作軸51に沿って引き抜き分離する(図5)。
【0032】
更に開弁状態の仕切弁機構Cを取り外す。仕切弁機構Cを除去すると管分岐口11に装着された密栓体4と密栓体4に連結した操作軸51が残るので、止着ボルト52bの螺孔43との螺合を解除して操作軸51を取り外す(図6)。
【0033】
全ての部材(サドル部材1及び支持部材2以外)を取り外した後に、密栓体を装着した管分岐口11の上面に蓋板7を取り付けて分岐管撤去作業を終了する(図7)。
【0034】
次に蓋容器体6に挿入体保持機構を付設した第二実施形態につて説明する。挿入体保持機構は、上述した第一実施形態の蓋容器体6において、ガイド筒部62の外周面にネジ部621を設けると共に、頂面に内側に傾斜する傾斜押圧面622を形成しておき、前記傾斜押圧面622上に止着用の弾性シールリング623を載置し、止着操作部材66を装着してなるものである(図8)。
【0035】
止着操作部材66は、ガイド筒部62に被冠するキャップ体661に操作レバー662を突設したもので、特にキャップ体661は、上面に操作軸51の挿通孔663を設け、内周面にネジ部621と螺合する内ネジ部664を設けたものである。
【0036】
而して蓋容器体6のガイド筒部62に止着操作部材66を螺合装着し、第一実施形態と同様の手順で撤去用具を使用して分岐管の撤去作業を行うものである。
【0037】
最初に仕切弁機構Cを操作して閉弁状態とし、分岐管Bを分離し、撤去用具を装着するもので、装着に際して特に操作軸51を連結した密栓体4を蓋容器体6の本体部61内に収納して、操作軸51をガイド筒部62から突出させておく。
【0038】
この操作軸51の突出に際し、はじめは止着操作部材66を緩やかな螺合状態としておくことで操作軸51はガイド筒部62及び挿通孔663内を自由に移動できるが(図10イ)、操作レバー662で止着操作部材66を螺合緊締すると、弾性シールリング623が傾斜押圧面622とキャップ体661の内面の間で加圧され偏平状態となって操作軸51を圧することになり、操作軸51が移動できない状態(保持状態・図10ロ)となる。
【0039】
従って、密栓体4が蓋容器体6の本体部61内の所定位置(密栓体4が蓋容器体6より下方に突出していない状態)で、止着操作部材66を操作して挿入体5(操作軸51)を保持状態とし、蓋容器体6をフランジ65で仕切弁機構Cのフランジに装着する(図9)。
【0040】
然る後仕切弁機構Cを開弁し、止着操作部材66を操作して挿入体5の保持状態を解除し、第一実施形態と同様に密栓体4で管分岐口11を水封するものである。
【0041】
以上のように第二実施形態は特に蓋容器体6に、本体部61内に組み込んだ密栓体4の移動を阻止する挿入体保持機構を付設したものであるから、開弁操作に際して密栓体4と動作する弁体との接触が防止され、仕切弁機構を損傷させることがないようにしたものである。
【0042】
尚前記両実施形態は新たに分岐管Bを連結するのにサドル部材1及び支持部材2を使用した例を示したが、本管に管分岐口を予め形成したT字管を採用する場合には、管分岐口に所定の螺条を形成した管分岐口をそなえたものを採用することで本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 サドル部材
11 管分岐口
12 外方側周壁面
13 螺条
2 支持部材
3 連結ボルト
4 密栓体
41 螺子部
42 シール部
43 連結部(螺孔)
5 挿入体
51 操作軸
52 密栓体連結部
52a 連結板
52b 止着ボルト
53 操作ハンドル
6 蓋容器体
61 本体部
62 ガイド筒部
621 ネジ部
622 傾斜押圧面
623 弾性シールリング
63 Oリング
64 持ち手
65 フランジ
66 止着操作部材
661 キャップ体
662 操作レバー
663 挿通孔
664 内ネジ部
7 蓋板
A 水道本管
B 分岐管
C 仕切弁機構
a 通水孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10