(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ダルマギク抽出物を含む筋肉疾患の予防、改善又は治療用、又は筋機能改善用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 36/28 20060101AFI20220930BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20220930BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20220930BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20220930BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20220930BHJP
A61Q 90/00 20090101ALI20220930BHJP
A23K 20/10 20160101ALI20220930BHJP
A23K 50/10 20160101ALI20220930BHJP
A23K 50/20 20160101ALI20220930BHJP
A23K 50/30 20160101ALI20220930BHJP
A23K 50/75 20160101ALI20220930BHJP
【FI】
A61K36/28
A61P21/00
A61P21/04
A23L33/105
A61K8/9789
A61Q90/00
A23K20/10
A23K50/10
A23K50/20
A23K50/30
A23K50/75
(21)【出願番号】P 2021517167
(86)(22)【出願日】2019-05-20
(86)【国際出願番号】 KR2019006030
(87)【国際公開番号】W WO2019231150
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】10-2018-0060713
(32)【優先日】2018-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520466412
【氏名又は名称】ニューツリー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NEWTREE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】(SKn Techno Park,Sangdaewon-dong)#1109,124,Sagimakgol-ro,Jungwon-Gu,Seongnam-Si Gyeonggi-do 13207,Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】321009306
【氏名又は名称】チョン,ウ チャン
【氏名又は名称原語表記】JUNG,Woo Chang
【住所又は居所原語表記】(Imun Samsung Raemian Apt.,Imun-dong)#204-1503,17,Cheonjangsan-ro 11-gil,Dongdaemun-Gu Seoul 02448,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ウ チャン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ド オン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ヒ チョル
【審査官】参鍋 祐子
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-533196(JP,A)
【文献】国際公開第2016/190682(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/190683(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/192013(WO,A1)
【文献】特表2017-522372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00
A23K 20/00
A23K 50/00
A23L 33/00
A61K 8/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物であって、筋肉疾患が、緊張減退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質及び筋肉減少症からなる群から選択される1つ以上のものであることを特徴とする、前記薬学的組成物。
【請求項2】
ダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用食品組成物であって、筋肉疾患が、緊張減退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質及び筋肉減少症からなる群から選択される1つ以上のものであることを特徴とする、前記食品組成物。
【請求項3】
ダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患に関連する筋機能改善用化粧品組成物であって、筋肉疾患が、緊張減退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質及び筋肉減少症からなる群から選択される1つ以上のものであることを特徴とする、前記化粧品組成物。
【請求項4】
ダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患予防または改善用家畜飼料用組成物であって、筋肉疾患が、緊張減退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質及び筋肉減少症からなる群から選択される1つ以上のものであることを特徴とする、前記家畜飼料用組成物。
【請求項5】
家畜が、ウシ、ブタ、トリ、アヒル、ヤギ、ヒツジ及びウマからなる群から選択される1種の家畜であることを特徴とする、請求項
4に記載の家畜飼料用組成物。
【請求項6】
ダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患に関連する筋機能改善用家畜飼料用組成物であって、筋肉疾患が、緊張減退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質及び筋肉減少症からなる群から選択される1つ以上のものであることを特徴とする、前記家畜飼料用組成物。
【請求項7】
筋肉疾患予防または治療用製剤を製造するためのダルマギク抽出物の使用であって、筋肉疾患が、緊張減退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質及び筋肉減少症からなる群から選択される1つ以上のものであることを特徴とする、前記使用。
【請求項8】
ダルマギク抽出物を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体(ヒトを除く)に投与する工程を含む筋肉疾患治療方法であって、筋肉疾患が、緊張減退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質及び筋肉減少症からなる群から選択される1つ以上のものであることを特徴とする、前記方法。
【請求項9】
筋肉疾患に関連する筋機能改善用製剤を製造するためのダルマギク抽出物の使用であって、筋肉疾患が、緊張減退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質及び筋肉減少症からなる群から選択される1つ以上のものであることを特徴とする、前記使用。
【請求項10】
ダルマギク抽出物を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体(ヒトを除く)に投与する工程を含む筋肉疾患に関連する筋機能改善方法であって、筋肉疾患が、緊張減退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質及び筋肉減少症からなる群から選択される1つ以上のものであることを特徴とする、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2018年5月28日に出願された大韓民国特許出願第10-2018-0060713号を優先権主張し、前記明細書全体は本出願の参考文献である。
【0002】
本発明はダルマギク抽出物を含む筋肉疾患の予防、改善又は治療用、又は筋機能改善用組成物に関するもので、より詳しくは筋肉疾患の予防又は治療用薬学的組成物、予防又は改善用食品組成物、予防又は個人用家畜飼料用組成物と、筋機能改善用組成物及び筋機能改善用家畜飼料用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0003】
骨格筋は人体から最も大きい部分を占める機関で、総体重の40~50%を占め、エネルギーの恒常性及び熱生成などを及ぶ体内の様々な代謝機能にも重要な役割をする。筋肉の大きさ(muscle size)は、筋肉内から行われる同化作用(anabolism)や異化作用(catabolism)を誘導する細胞内信号伝達過程(signaling pathways)により調整される。
【0004】
一方、筋萎縮(Muscle atrophy)とは、筋肉量の持続的な減少により発生し、筋肉の弱化及び退行を意味する。筋萎縮は活動減少、酸化的ストレス、慢性炎症により誘導され、筋肉の機能と運動能力を弱化させる。筋萎縮は蛋白質合成より分解がさらに起こるときに発生する。
【0005】
筋蛋白質合成に関与する代表的因子のmTORはmRNA translationを開示する2つの因子、4E-binding protein(4EBP1)とphosphorylated 70-kDa ribosomal S6 kinase(p70S6K)を活性化させることで筋蛋白質合成を誘導し、筋肉量増加に寄与する。筋蛋白質分解に関わる代表的因子はE3ユビキチンリガーゼ因子であるatrogin-1とMuRF-1があり、活動減少のときその発現が大幅増加する。それらの発現量が増加すると筋肉内の蛋白質分解が促進され、筋肉量が減少する。従って、mTORの活性促進とatrogin-1とMuRF-1の発現抑制は、筋肉蛋白質の量を増加させ、筋肉量を増加させる。
【0006】
現在筋萎縮の治療法としてはミトコンドリアの生成増加、筋肉蛋白質分解抑制剤、抗炎症薬などが提示されているが、明らかな治療薬は無い実情にある。
【0007】
ダルマギク(Aster spathulifolius)は菊科(Asteraceae)に属する植物である。ダルマギクは抗肥満(Nutr Res, 36(7):671-8, 2016)、抗インフルエンザウイルス(J Microbiol Biotechnol, 23(1):125-30, 2013)、抗癌(J Nat Prod, 68(10):1471-4, 2005)の活性を有するものとして報告されている。
しかし、本発明の以前にはダルマギク抽出物の筋肉疾患の予防及び治療又は筋機能改善効果に関しては、周知されたものが無かった。
【発明の概要】
【0008】
発明の詳細な説明
技術的課題
これに本発明の発明者は優秀な筋機能調整活性を有し、安全に適用できる天然物質を探索した結果、ダルマギク抽出物が筋蛋白質の合成又は分解に関与する因子の発現に影響を及ぼし、筋萎縮による筋肉組織の重さ及び筋繊維の断面的減少を緩和する効果があることを確認して本発明を完成した。
【0009】
したがって、本発明の目的はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防又は治療用薬学的組成物を提供することである。
また、有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患予防又は治療用薬学的組成物を提供することである。
また、本質的に有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患予防又は治療用薬学的組成物を提供することである。
【0010】
また、本発明の他の目的はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防又は改善用食品組成物を提供することである。
また、有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患の予防又は改善用食品組成物を提供することである。
また、本質的に有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患の予防又は改善用食品組成物を提供することである。
【0011】
また、本発明のさらに他の目的はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋機能改善用化粧品組成物を提供することである。
また、有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋機能改善用化粧品組成物を提供することである。
また、本質的に有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋機能改善用化粧品組成物を提供することである。
【0012】
また、本発明の他の目的はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患予防又は改善用家畜飼料用組成物を提供することである。
また、有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患予防又は改善用家畜飼料用組成物を提供することである。
また、本質的に有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患予防又は改善用家畜飼料用組成物を提供することである。
【0013】
また、本発明の他の目的はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋機能改善用家畜飼料用組成物を提供することである。
また、有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋機能改善用家畜飼料用組成物を提供することである。
また、本質的に有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋機能改善用家畜飼料用組成物を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は筋肉疾患の予防又は治療用製剤を製造するためのダルマギク抽出物の使用を提供することである。
本発明の他の目的はダルマギク抽出物を有効成分として含む組成物の有効量をそれを必要とする個体に投与する工程を含む筋肉疾患治療方法を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は筋機能改善用製剤を製造するためのダルマギク抽出物の使用を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的はダルマギク抽出物を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与する工程を含む筋機能改善方法を提供することである。
【0017】
課題を解決するための手段
前記のような目的を達成するために、本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は本質的に有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0018】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患予防または改善用食品組成物を提供する。
また、本発明は有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患予防または改善用食品組成物を提供する。
また、本発明は本質的に有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患予防または改善用食品組成物を提供する。
【0019】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋機能改善用化粧品組成物を提供する。
また、本発明は有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋機能改善用化粧品組成物を提供する。
また、本発明は本質的に有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋機能改善用化粧品組成物を提供する。
【0020】
本発明の他の目的を達成するために、本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患予防又は改善用家畜飼料用組成物を提供する。
また、本発明は有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患予防又は改善用家畜飼料用組成物を提供する。
また、本発明は本質的に有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋肉疾患予防又は改善用家畜飼料用組成物を提供する。
【0021】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋機能改善用家畜飼料用組成物を提供する。
また、有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋機能改善用家畜飼料用組成物を提供する。
また、本質的に有効成分としてのダルマギク抽出物からなる筋機能改善用家畜飼料用組成物を提供する。
【0022】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は筋肉疾患の予防又は治療用製剤を製造するためのダルマギク抽出物の使用を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与する工程を含む筋肉疾患治療方法を提供する。
【0023】
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は筋機能改善用製剤を製造するためのダルマギク抽出物の使用を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与する工程を含む筋機能改善方法を提供する。
以下、本発明についてより詳しく説明する。
【0024】
本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0025】
本発明の前記薬学的組成物はダルマギク抽出物を有効成分として含む組成物でもあり、有効成分としてのダルマギク抽出物からなる組成物でもあり、または本質的に有効成分としてのダルマギク抽出物からなる組成物でもある。
【0026】
本明細書からの用語「~を含む(comprising)」とは、「含有する(including)」または「特徴とする(characterized by)」と同じ意味として使われ、本発明による組成物及び方法において、具体的に言及されない追加的構成成分又は方法の工程等を排除しない。また、用語「~からなる(consisting of)」とは、別途記載されて無い追加的要素、工程または成分等を除外することを意味する。用語「本質的に~からなる(consisting essentially of)」とは、組成物又は方法の範囲において、記載された物質または工程と共にこの基本的特性に実質的影響を及ぼさない物質または工程等を含めるものを意味する。
【0027】
本発明の「ダルマギク(Aster spathulifolius Maximowicz)」は、菊科の植物で、海辺で育つ多年生草本植物である。特に日差しが良く入る岩辺や傾斜があるところで育ち、高さは30~60cmで、両面に絨毛が多く、上から見ると集まったように展開され、葉と葉の間には間隔がほぼ無い葉を有する。冬にも上端の葉は枯死せずに残っている半常録状態だ。花は薄い紫色で枝の末に一つずつ咲かれ、直径は3.5~4cmである。現在抗肥満、抗インフルエンザウイルス、抗癌の活性を有するものであると報告されている。
【0028】
本明細書から、「筋」は筋、筋肉、腱を包括的に指し、「筋機能」とは筋肉の収縮により力を発揮する能力を意味し、筋肉が抵抗から抗うために最大限の収縮力を発揮できる能力である筋力、与えられた重量に筋肉がどれだけ長くあるいは、何回まで収縮と弛緩を反復できるかを示す能力である筋持久力、短期間内に強い力を発揮する能力である瞬発力を含む。このような筋能力は肝が主管し、筋肉量に比例する。前記用語「筋機能改善」は、筋機能をより肯定的な方向に向上させることを意味する。
【0029】
本発明の「筋肉疾患」は、筋肉消耗または退化による疾患を意味する。前記疾患の例としては、筋肉減少症(sarcopenia)、緊張減退症(atony)、筋萎縮症(muscular atrophy)、筋異栄養症(muscular dystrophy)、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症及び悪液質(cachexia)がある。筋肉消耗は筋肉量の漸進的損失、筋肉、特に骨格筋または随意筋及び心臓筋肉の弱化及び退行を特徴とする。筋肉消耗及び退化は遺伝的要因、後天的要因、老化などが原因で発生する。本発明のダルマギク抽出物は筋肉分解因子発現抑制、筋肉合成因子発見増加及び筋肉断面的減少緩和効果を有し、前記筋肉はその種類に限らない。本発明による組成物の投与と伴い、肉体的運動及び持久力の向上で筋肉量を増加することができ、筋肉増加効果を有する物質を体内に投与する方法で筋肉量を増加させ、筋肉疾患を改善または治療することができる。
【0030】
本発明の筋肉疾患予防または治療用薬学的組成物は本発明によるダルマギク抽出物と類似な機能を示す有効成分を1種以上含有できる。追加的な成分を含むと本発明による組成物の筋肉疾患治療効果が更に増進できるはずである。前記成分を追加する場合には、複合使用による皮膚安全性、製剤化の容易性、有効成分等の安定性を考慮できる。
【0031】
本発明のダルマギク抽出物は、抽出物を製造するときの抽出効率を増大させるために前記原料に対する乾燥過程などの前処理過程を含むことができる。
【0032】
本発明のダルマギク抽出物は公知の天然物抽出方法により抽出できる。好ましくは、水、炭素数1~6個の有機溶媒及び亜臨界または超臨界流体からなる群から選択される1つ以上の溶媒で抽出されうる。前記炭素数1~6個の有機溶媒は炭素数1~6個のアルコール(alcohol)、アセトン(acetone)、エーテル(ether)、ベンゼン(benzene)、クロロホルム(chloroform)、エチルアセテート(ethyl acetate)、メチレンクロライド(methylene chloride)、ヘキサン(hexane)、シクロヘキサン(cyclohexane)及び石油エーテル(petroleum ether)からなる群から選択されるものもあるが、これに限らない。
【0033】
また、本発明のダルマギク抽出物はダルマギクを食品加工に適合した精製水、エタノール及び亜臨界水または超臨界二酸化炭素を利用して抽出、精製して得られるか、またはダルマギクを直接圧着して得られるオイルから分離精製して得られる。例えば、100Mpa以上の超高圧条件でダルマギクを抽出して抽出物を収得することができる。好ましくは100Mpa~1000Mpaの超高圧条件である場合もあるが、これに限らない。
【0034】
本発明の一実施例によると、ダルマギクの地上部位を粉末化してから、水と酒精(エチルアルコール、ethyl alcohol)を混合した溶媒を加えてから、還流冷却方法で抽出した抽出液を使用した。
【0035】
本発明の抽出物は、ろ過及び/または濃縮して液状で使用することができて、噴霧乾燥または凍結乾燥などの通常の乾燥工程を通って固形化して使用することができる。前記乾燥工程では噴霧乾燥または凍結乾燥前のデキストリン等を混合して乾燥することができる。
【0036】
本発明の筋肉疾患予防及び治療用薬学的組成物は薬学的に許容可能な担体をさらに含むことが出来る。
【0037】
薬学的に許容可能な担体としては、例えば、経口投与用担体または非経口投与用担体を加えて含むこともある。投与用担体はラクトース、澱粉、セルロース誘導体、マグネシウムステアレート、ステアリン酸などを含むことができる。また、非経口投与用担体は、水、適したオイル、食塩水、水性グルコース及びグリコール等を含むことができる。また、安定化剤及び保存剤を加えて含むことができる。適した安定化剤としては亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸のような抗酸化剤がある。適した保存剤としてはベンズアルコニウムクロライド、メチル-またはプロピル-パラベン及びクロロブタノールがある。それ以外にも、薬学的に許容可能な担体としては同業界に公知されていることを参考にできる。
【0038】
本発明の薬学的組成物はヒトを及ぶ哺乳動物にどんな方法でも投与することができる。例えば、経口または非経口で投与することもできて、非経口的な投与方法としてはこれに限らないが、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、硬膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下または直腸内投与もある。
【0039】
本発明の薬学的組成物は前述のように投与経路により経口投与用または非経口投与用製剤として製剤化することができる。製剤化の場合には、1つ以上の緩衝材(例えば、食塩水またはPBS)、抗酸化剤、静菌剤、キレート化剤(例えば、EDTAまたはグルタチオン)、充填剤、増量剤、結合剤、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、懸濁剤、濃厚剤湿潤剤、崩解剤または界面活性剤、希釈剤、または賦形剤を使用して調製することができる。
【0040】
経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、液剤、ゲル化剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液またはカプセル剤などが含まれ、これらの固形製剤は、本発明の薬学的組成物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉(玉蜀黍澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ジャガイモ澱粉等を含む)、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)、ラクトース(lactose)、デクストロース(dextrose)、ソルビトール(sorbitol)、マンニトール(mannitol)、キシリトール(xylitol)、エリスリトールマルチトール(Erythritol maltitol)、セルロース(cellulose)、メチルセルロース(methyl cellulose)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(sodium carboxymethyl cellulose)、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropyl methylcellulose)、またはゼラチンなどを混ぜて調剤することができる。例えば、活性成分を固体の賦形剤と配合した後にこれを粉砕して、適した補助剤を添加してから、顆粒混合物で加工することで製剤または糖の精製を収得することができる。
【0041】
単純な賦形剤以外にもマグネシウムスティレートタルクのような潤滑剤も使われる。経口のための液状製剤としては懸濁剤、内用液剤、乳剤またはシロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水またはリキッドパラフィン以外に様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、または保存剤などが含まれることができる。
また、場合によって架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはナトリウムアルギネートなどを崩解剤に添加することができ、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、および防腐剤などをさらに含むことができる。
【0042】
非経口的に投与する場合、本発明の薬学的組成物は、適した非経口用担体と共に、注射剤、経皮投与剤及び鼻腔吸入剤の形態に当業界に公知された方法により製剤化できる。前記注射剤の場合には必ず滅菌されるべきであり、細菌及び真菌のような微生物の汚染から保護されるべきである。注射剤の場合には適した担体の例としてはこれに限らないが、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)、これらの混合物及び/もしくは植物油を含む溶媒または分散媒質でもある。より好ましくは、適した担体としてはハンクス溶液、リンガー溶液、トリエタノールアミンが含有されたPBS(phosphate buffered saline)または注射用滅菌水、10%エタノール、40%プロピレングリコール(propylene glycol)及び5%デクストロースのような等張溶液 などを使用することができる。前記注射剤を微生物汚染から保護するためには、パラベン(paraben)、クロロブタノール(Chlorobutanol)、フェノール(phenol)、ソルビン酸(Sorbic acid)、チメロサール(thimerosal)など、さまざまな抗菌剤および抗真菌剤をさらに含むことができる。また、前記注射剤は多くの場合、糖またはナトリウムクロライドのような等張化剤をさらに含むことができる。
【0043】
経皮投与剤の場合には、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル化剤、外用液剤、パスタ剤、リニメント剤、エアロール剤などの形態が含まれる。前記の「経皮投与」は、薬学的組成物を局所的に皮膚に塗布して薬学的組成物に含有された有効な量の活性成分が皮膚内に伝達されることを意味する。
【0044】
吸入投与剤の場合、本発明のダルマギク抽出物を適切な推進剤、例えば、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切な気体を使用して、加圧パックまたは煙霧器からエアロゾルスプレーの形態で便利に渡すことができる。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は、計量された量を伝達する弁を提供して決定することができる。例えば、吸入器または吹込器に使用されるゼラチンカプセル及びカートリッジは、化合物、およびラクトース(lactose)または澱粉のような適切な粉末基剤の粉末混合物を含有するように製剤化することができる。非経口投与用剤形は全ての製薬化学に一般的に公知されている。
【0045】
本発明の筋肉疾患予防及び治療用薬学的組成物は、ダルマギク抽出物を有効量として含むときに好ましい筋肉疾患予防及び治療効果を提供することができる。本明細書から、「有効量」とは陰性対照群に比べてそれ以上の反応を示す量を意味し、好ましくは筋萎縮を緩和させるか、筋機能を向上させるに十分な量を意味する。本発明の薬学的組成物にダルマギク抽出物が0.01~99.99%含まれることができて、残りの量は薬学的に許容可能な担体が占めることもある。本発明の薬学的組成物に含まれるダルマギク抽出物の有効量は組成物が製品化される形態などにより変わることもある。
【0046】
本明細書から「治療」とは、治療される個体または細胞の自然的過程を変形させようとする臨床的施術を意味して、臨床的病理の予防のためにも、遂行されることもある。治療の好ましい効果は疾病の発生または再発抑制、症状の緩和、疾病の任意の直接または間接的な病理学的結果の減少、疾病進行速度の減少、疾病状態の改善、好転、緩和、または改善された予後などを含む。また、用語「予防」は、疾病の発病を抑制させるか、進行を抑制させる全ての行為を意味する。
【0047】
本発明の薬学的組成物の全ての有効量は単一投与量(single dose)で患者に投与されることもできて、多重投与量(multiple dose)で長時間投与される分割治療方法(tractionated treatment protocol)により投与されることもできる。本発明の薬学的組成物は疾患の程度により有効成分の含量を異にすることができる。非経口投与時にはダルマギク抽出物を基準として1日に体重1kg当たり好ましくは0.01~50mg、より好ましくは0.1~30mgの量で投与されるよう、そして経口投与時にはダルマギク抽出物を基準として1日に体重1kg当たり望ましくは0.01mg~100mg、さらに好ましくは0.01~10mgの量で投与できるように1乃至数回に分けて投与することができる。しかし、前記ダルマギク抽出物の容量は薬学的組成物の投与経路及び治療回数だけでなく、患者の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、 食餌及び排泄率など様々な要因を考慮して患者に対する有効投与量が決定されることであるため、このような点を考慮する場合、当分野の通常的な知識を有する者であれば、前記ダルマギク抽出物を筋肉疾患の予防及び治療のための特定な用途による適切な有効投与量を決定できるはずである。本発明による薬学的組成物は本発明の効果を示す限り、その剤形、投与経路及び投与方法に特に制限されない。
【0048】
本発明の筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物は単独にまたは手術、放射線治療、化学治療または生物学的反応調節剤を使用する方法と併用して用いられる。
【0049】
本発明の筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物はまた、ダルマギク抽出物を有効成分として含む外用剤の剤形として提供することができる。
【0050】
本発明の筋肉疾患の予防または治療用の薬学的組成物は皮膚外用剤として使う場合、さらに脂肪物質、有機溶媒、溶解剤、濃縮剤及びゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁化剤、安定化剤、発泡剤(foaming agent)、芳香剤、界面活性剤、水、イオン型乳化剤、非イオン型乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、キレート化剤、保存剤、ビタミン、遮断薬、湿潤化剤、エッセンシャルオイル、染料、顔料、親水性活性剤、親油性活性剤または脂質小胞などの皮膚外用剤に通常用いられる任意の違う成分のような皮膚科学分野から通常用いられる補助剤を含有することができる。また、前記成分は皮膚科学分野から一般に用いられる量で導入されることもできる。
【0051】
本発明の筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物が皮膚外用材として提供される場合、これに制限されるのではないが、軟膏、パッチ、ゲル、クリーム及び噴霧剤の剤形でもある。
【0052】
また、本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用食品組成物を提供する。
【0053】
本発明による食品組成物は、筋肉消耗または退化による筋肉疾患の予防または改善に使われることができる。筋肉の消耗及び退化は遺伝的要因、後天的要因、老化などが原因で発生し、筋肉の消耗は筋肉量の漸進的損失、筋肉、特に骨格筋または随意筋及び心臓筋肉の弱化及び退行を特徴とする。これに関する疾患の例としては筋肉減少症、緊張減退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症及び悪液質などがある。本発明の組成物は筋肉減少の緩和効果があり、前記筋肉はその種類を制限しない。
【0054】
本発明の食品組成物は機能性食品(functional food)、栄養補助剤(nutritional supplement)、健康食品(health food)、食品添加剤(food additives)などの全ての形態を含み、ヒトまたは家畜を含む動物を対象として飲食をさせる。前記のタイプの食品組成物は当業界に公知された通常の方法により様々な形態で製造することができる。
【0055】
前記のタイプの食品組成物は当業界に公知された通常の方法により様々な形態に製造することができる。一般食品としてはそれに限らないが、飲料(アルコール性飲料を含む)、果実及びその加工食品(例:果実缶詰、瓶詰め、ジャム、マーマレード等)、魚類、肉類及びその加工食品(例:ハム、ソーセージコンビーフ等)、パン類及び麺類(例:うどん、そば、ラーメン、スパゲッティ、マカロニ等)、果汁、各種ドリンク、クッキー、飴、乳製品(例:バター、チーズ等)、食用植物油脂、マーガリン、植物性蛋白質、レトルト食品、冷凍食品、各種調味料(例:味噌、醤油、ソース等)などに前記ダルマギク抽出物を添加して製造することができる。また、栄養補助剤としてはこれに限らないが、カプセル、タブレット、丸などにダルマギク抽出物を添加して製造することができる。また、健康機能食品としてはこれに限らないが、例えば、前記ダルマギク抽出物自体を、お茶、ジュース及びドリンクの形で製造して飲用(健康飲料)できるよう液状化、顆粒化、カプセル化及び粉末化して摂取することができる。また、前記ダルマギク抽出物を食品添加剤の形で使うためには、粉末または濃縮液の形で製造して使用することができる。また、ダルマギク抽出物と筋肉疾患及び筋機能改善効果があると知られている公知の活性成分と共に混合して組成物の形で製造することができる。
【0056】
本発明の食品組成物が健康飲料組成物として利用される場合、前記健康飲料組成物は通常の飲料のように様々な香味剤または天然炭水化物等を追加成分として含有することができる。前述の天然炭水化物はブドウ糖、果糖のようなモノサッカライド(monosaccharide);マルトース、スクロースのようなジサッカライド(disaccharide);デキストリン(dextrin)、サイクロデキストリン(cyclodextrin)のようなポリサッカライド(polysaccharide);キシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールである。 甘味剤はタウマチン(thaumatin)、ステビア(stevia)抽出物のような天然甘味剤;サッカリン、アスパルタム(aspartame)などの合成甘味剤を使うことができる。前記天然炭水化物の比率は本発明の組成物100ml当たりで一般に凡そ0.01~0.04g、好ましくは凡そ0.02~0.03gである。
【0057】
本発明によるダルマギク抽出物が筋肉疾患予防または改善用食品組成物の有効成分として含有される場合、その量は筋肉疾患及び筋機能改善作用を達成するに有用な量で特に限られないが、全体組成物の総重量に対し0.01~100重量%であることが好ましい。本発明の食品組成物はダルマギク抽出物と共に筋肉疾患及び筋機能改善効果があることと知らされているほかの活性成分と共に混合して製造されうる。
前記以外に本発明の食品組成物が健康食品として利用される場合、様々な栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸、ぺクチネート、アルギン酸、アルギン酸の塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール又は炭酸化剤等を含有することができる。
その他に本発明の健康食品は天然の果物ジュース、果物ジュース飲料または野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。このような成分は独立的にまたは混合して使用することができる。このような添加剤の比率はあまりにも重要ではないが、本発明の組成物100重量部当たり0.01~0.1重量部の範囲で選択されるのが一般的である。
【0058】
また、本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋機能改善用化粧品組成物を提供する。
【0059】
本発明の化粧品組成物はダルマギク抽出物を有効成分として含有し、皮膚額的に許容可能な賦形剤と一緒に基礎化粧品組成物(化粧水、クリーム、エッセンス、クレンジングフォーム、およびクレンジングウォーターのような洗顔料、パック、ボディオイル)、色調化粧品組成物(ファンデーション、口紅、マスカラ、メイクアップベース)、頭髪製品組成物(シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、ヘアジェル)および石鹸などの形態で製造することができる。
前記賦形剤としてはこれに限らないが、例えば、皮膚軟化剤、皮膚浸透増強剤、着色剤、芳香剤、乳化剤、 濃化剤と溶媒を含むことができる。また、香料、色素、殺菌剤、酸化防止剤、防腐剤、および保湿剤などをさらに含むことができ、物性改善を目的として漸増剤、無機塩類、合成高分子物質などを含むことができる。例えば、本発明の化粧品組成物で洗顔料や石鹸を製造する場合には、通常の洗顔料と石鹸ベースに前記ダルマギク抽出物を添加して容易に製造することができる。クリームを製造する場合には、一般的な水中油型(O/W)のクリームベースにダルマギクエキスまたはこの塩を添加して製造することができる。ここで香料、キレート剤、色素、酸化防止剤、防腐剤などの物性改善を目的とした蛋白質、ミネラル、ビタミンなどの合成または天然素材を追加で添加することができる。本発明の化粧品組成物に含有されるダルマギク抽出物の含有量は、これに限定されないが、全体組成物の総重量に対して、0.001~10重量%であることが好ましく、0.01~5重量%であることがより好ましい。上記含有量が0.001重量%未満では、目的とする抗老化またはシワ改善効果を期待することができず、10重量%超過では、安全性又は剤形上の製造に困難がある可能性がある。
【0060】
また、本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用家畜飼料用組成物を提供する。
さらに、本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む筋機能改善用家畜飼料用組成物を提供する。
【0061】
本発明による家畜飼料用組成物は家畜の筋肉消耗または退化による筋肉疾患の予防、または改善及び筋機能改善のため使われる。筋肉消耗及び退化は遺伝的要因、後天的要因、老化などが原因で発生し、筋肉消耗は筋肉量の漸進的損失、筋肉、特に骨格筋、または随意筋と心臓筋肉の弱化及び退行を特徴とする。これに関する疾患の例としては、筋肉減少症、緊張減退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋硬直、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症及び悪液質などがある。前記家畜はウシ、ブタ、トリ、アヒル、ヤギ、ヒツジ及びウマからなる群から選択される1種の可能性がある。
前記飼料用組成物は飼料添加剤を含む可能性がある。本発明の飼料添加剤は飼料管理法上の補助飼料に該当する。
本発明で用語「飼料」は動物が食べて、摂取して、消化するためのまたはそれに適した任意の天然または人工規定食、一食など、前記一食の成分を意味することもある。
【0062】
前記飼料の種類は特に限られないが、当該技術分野で通常使われる飼料を使用することができる。前記飼料の非制限的例としては、穀物類、堅果類、食品加工副産物類、鳥類、繊維類、製薬副産物類、油脂類、澱粉類、瓠類または穀物副産物類などの植物性飼料;蛋白質類、無機物流、油脂類、鉱物性類、油脂類、単細胞蛋白質類、動物性プランクトン類または食物などの動物性飼料が挙げられる。これらを単独で使用したり、2種以上を混合して使用することができる。
また、前記飼料添加剤はさらに単位動物に許容される団体を含有することができる。本発明において、前記飼料添加剤をそのまま又は公知の担体、安定剤等を加えられ、必要によってビタミン、アミノ酸類、ミネラルなどの各種養分、抗酸化剤及び他の添加剤等を加えることができ、その形状としては粉体、顆粒、ペレット、懸濁液等が適当な状態である場合がある。本発明の飼料添加剤を供給する場合には単位動物に対して単独で又は飼料に混合して供給することがある。
【0063】
本発明は筋肉疾患の予防又は治療用製剤を製造するためのダルマギク抽出物の使用を提供する。
本発明のダルマギク抽出物を有効成分として含む組成物の有効量をこれを必要とする個体に投与する工程を含む筋肉疾患治療方法を提供する。
本発明は筋機能改善用製剤を製造するためのダルマギク抽出物の使用を提供する。
本発明はダルマギク抽出物を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与する工程を含む筋機能改善方法を提供する。
【0064】
本発明の前記「有効量」とは個体に投与する場合、筋肉疾患又は筋機能の改善、治療、予防、検出、診断又は筋肉疾患の抑制又は減少効果、筋機能の改善効果を示す量を示し、前記「個体」とは動物、好ましくは哺乳動物、特にヒトを含む動物の可能性があり、動物から由来した細胞、組織、器官などでもあり得る。前記抗体は前記効果が必要な患者(patient)でもあり得る。
本発明の前記「治療」は筋肉疾患または筋機能減少、または筋肉疾患又は筋機能減少の症状を改善させることを包括的に示し、これは筋肉疾患又は筋機能減少を治癒させたり、実質的に予防したり、又は状態を改善させることを含むことがあり、筋肉疾患又は筋機能減少から及んだ1つの症状又は大体の症状を緩和させたり、治癒したり予防することを含むが、それに限らない。
【0065】
発明の効果
従って、本発明はダルマギク抽出物が筋肉分解関連因子の発現の抑制、筋肉合成関連因子の発現を増加させるだけでなく、筋肉組織の重さ及び筋繊維の断面的減少緩和効果を有することを確認したもので、前記ダルマギク抽出物は筋萎縮症を含む筋肉疾患の予防、改善または治療に有用な活用ができるだけでなく、筋機能改善用組成物として有用に使われる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】
図1は筋肉萎縮マウスモデルから、ダルマギク抽出物の投与による筋肉組織の重さをそれぞれのマウスの重さで割った結果で、ダルマギク抽出物の筋肉重量損失緩和効果を確認した結果である。
【
図2】
図2は筋肉萎縮マウスモデルから、ダルマギク抽出物の投与によるふくらはぎ筋のヘマトキシリン&エオシン(H&E staining)染色を撮影した結果と筋繊維の断面積を測定した結果で、ダルマギク抽出物の筋繊維の大きさの減少の緩和効果を確認した結果である。
【
図3】
図3は筋肉萎縮マウスモデルから、ダルマギク抽出物の投与による大腿四頭筋のヘマトキシリン&エオシン(H&E staining)染色を撮影した結果と筋繊維の断面積を測定した結果で、ダルマギク抽出物の筋繊維の大きさの減少の緩和効果を確認した結果である。
【
図4】
図4は筋肉萎縮マウスモデルから、ダルマギク抽出物の投与による筋肉組織からの筋肉分解関連因子のmRNA発現変化を測定した結果である。
【
図5】
図5は筋肉萎縮マウスモデルから、ダルマギク抽出物の投与による筋肉組織からの筋肉分解関連因子及び筋肉合成関連因子の発現変化を測定した結果である。
【0067】
発明の実施のための形態
以下、本発明の理解を手伝うために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるだけであって、これにより本発明の内容が限定されるのではない。
【0068】
実施例1:ダルマギク抽出物の製造
1-1.水を利用するダルマギク地上部位の洗浄
ダルマギクは大韓民国の済州島から10月乃至12月頃に採取したもので、ダルマギクの地上部位を室温で乾燥して粉末化し、4号体(#4 sieve)を通過した粉末を使用した。ダルマギク地上部位粉末10kgに精製水100Lを加えて、室温で循環洗浄と脱水をしてから洗浄液を捨てた。前記洗浄と脱水過程を2回更に繰り返して、このときに最後の洗浄液の内の塩素イオン濃度は10ppm以下になるようにした。
【0069】
1-2.ダルマギク地上部位抽出物の製造
前記洗浄されたダルマギク地上部位粉末に1:10の混合比(v/v)を有する水と酒精の混合溶媒100Lを加え、約85℃乃至100℃で2~5時間還流冷却方法で抽出し、抽出液をろ過用紙を通ってろ過させた。前記抽出過程を更に2回繰り返したあと、ろ過液を減圧濃縮させてから乾燥させ、オイル状態のダルマギク地上部位抽出物(AE-B)503gを収得した。
【0070】
実施例2:筋肉萎縮誘発マウスモデル確立及び筋肉組織の重量測定
ダルマギク抽出物が筋肉萎縮マウスモデルから筋肉萎縮を改善させるかを確認するために動物実験を進行した。5週齢の雄C57BL/6マウスを1週間動物実験室環境に適応させてから、実験条件に従い、5つの群に分けて筋肉萎縮を誘導するための足固定(immobilization)及びサンプル経口投与を2週間進行した。具体的に、実験群は無処置実験群(正常群、Cont)、筋萎縮誘導群(誘導群、IM)、筋萎縮誘導及びベータハイドロキシベータメチルブチレート(beta-hydroxy beta-methlybutyrate, HMB)を投与した(370mg/kg)陽性対照群(HMB 投与群、HMB370)、 筋萎縮誘導及びダルマギク抽出物低容量(100mg/kg)投与群(ダルマギク高容量投与群、AS100)、筋萎縮誘導及びダルマギク抽出物高容量(200mg/kg)投与群(ダルマギク高容量投与群、AS200)で区切った。足固定(immobilization)は参考文献(Disease models & mechanisms, 8(9), 1059-1069, 2015)のように1.5mlマイクロヒューズチューブ(microfuge tube)、クリップ、ベルクロ(登録商標)テープを用いて制作した固定器具をマウスの後ろ足一本に適用して行った。
【0071】
全てのサンプルは0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)に溶解させ、足の固定適用の当日から14日間経口で1日1回投与した。足固定及びサンプル経口投与を2週間進行したあと、後ろ足1本のふくらはぎ筋(Gastrocnemius)、大腿四頭筋(quadriceps)を摘出して、重さを測定し、体重と比例して標準化させてから、比較して
図1に表した。その結果、正常群(Cont)に比べ、誘導群(IM)は筋萎縮が誘発され、体重に比例してふくらはぎ筋は凡そ40%、大腿四頭筋は凡そ33%の重量減少が発生した。陽性対照群であるHMB投与群(HMB370)ではふくらはぎ筋は凡そ24%、大腿四頭筋は凡そ17%減少し、それぞれ凡そ16%、16%の筋萎縮保護能力を示した。その一方、ダルマギク低容量(AS100)は、ふくらはぎ筋が凡そ27%、大腿四頭筋は凡そ22%減少し、ダルマギク高容量(AS200)は、ふくらはぎ筋が凡そ25%、大腿四頭筋は凡そ18%減少した。これにより、ダルマギク低容量(AS100)はそれぞれ凡そ13%と11%、ダルマギク高容量(AS200)ではそれぞれ凡そ15%、15%の筋萎縮保護能力を示した。即ち、容量を考慮した場合、ダルマギク抽出物(100、200mg/kg)が陽性対照群(HMB370)であるハイドロキシメチルブチルレート(370mg/kg)よりさらに足の固定による筋肉重量の損失を大幅緩和させることを確認した。
【0072】
実施例3:ダルマギク抽出物投与による筋繊維の断面的減少の緩和効果の確認
ダルマギク抽出物が筋肉萎縮マウスモデルから筋繊維の断面積の減少を改善させるかを確認するために組織学的分析を行った。前記実施例2から摘出したふくらはぎ筋と大腿四頭筋組織を4%パラホルムアルデヒド(paraformaldehyde)で固定した後、ヘマトキシリン&エオシン(H&E staining)染色を行ってから、image J softwareを通して染色された筋繊維の筋繊維単面積の定量化を進行し、その結果を
図2及び
図3に示した。
その結果、2つの筋肉組織全て正常群(Cont)に比べ、誘導群(IM)は筋萎縮が誘発されて筋繊維が大幅減少されていて、陽性対照群(HMB370)とダルマギク抽出物低容量(AS100)及び高容量(AS200)からではこのような筋繊維の大きさの減少が緩和されたことを確認した。
【0073】
それぞれの筋繊維単面積の定量化を行った結果、ふくらはぎ筋では正常群(Cont)に比べ誘導群(IM)が凡そ50%減少して、陽性対照群(HMB370)、ダルマギク低容量(AS100)、ダルマギク高容量(AS200)ではそれぞれ凡そ33%、45%、30%減少した。大腿四頭筋では正常群(Cont)に比べ誘導群(IM)が凡そ47%減少して、陽性対照群(HMB370)、ダルマギク低容量(AS100)、ダルマギク高容量(AS200)ではそれぞれ28%、45%、25%減少した。
【0074】
即ち、ふくらはぎ筋と大腿四頭筋からの筋繊維単面積に対する保護能力は、それぞれ陽性対照群(HMB370)17%、19%、ダルマギク低容量(AS100)5%、2%、ダルマギク高容量(AS200)20%、22%として確認された。結論的に、筋肉萎縮マウスモデルからダルマギク抽出物は容量依存的な筋繊維断面的減少に対する保護能力を示し、容量を考慮した場合、陽性対照群(HMB370)であるHMBよりさらに優秀な効能を確認した。
【0075】
実施例4:ダルマギク抽出物投与による筋萎縮関連因子の発現調節確認
ダルマギク抽出物が、筋肉萎縮マウスモデルから筋肉萎縮に関する因子であるMuRF-1(Muscle ring finger-1)とアストロジンー1(Atrogin-1)のmRNA発現程度を改善させるかを確認するために、qRT-PCR(quantitative real-time PCR)を進行した。murf-1とatrogin-1は筋肉特異的E3ユビキチンリガーゼ(muscle specific E3 ubiquitin ligases)での足固定の条件でその発現が増加すると報告されている代表的な筋肉分解関連因子である。murf-1とatrogin-1の増加はプロテアソーム-依存的蛋白質分解(proteasome-dependent proteolysis)の増加と関わっていて、これを通して、蛋白質分解の増加が誘起されることで筋肉萎縮に寄与すると示されている。前記実施例2から摘出したふくらはぎ筋から、iNtRON Biotechnology, Inc.(京畿道城南)のRNA REDを使い、製品説明書に従ってmRNAを抽出した。抽出したmRNAをTaKaRa社(日本、東京)のcDNA synthesis Kitを利用してcDNAに合成して、Applied Biosystems社(米国、フォスター・シティ)のABI Step One Plus(商標)Real-Time PCR Systemを利用してqRT-PCRを行った。
【0076】
その結果、
図4のmurf-1の遺伝子発現結果を見ると、正常群(Cont)に比べて誘導群(IM)から凡そ3倍程度で確認された。陽性対照群(HMB370)、ダルマギク低容量(AS100)、ダルマギク高容量(AS200)はそれぞれ凡そ1.7倍、1.2倍、0.9倍程度で確認された。併せて、atrogin-1遺伝子発現結果からでも正常群(Cont)に比べて誘導群(IM)から凡そ3倍程度で確認された。陽性対照群(HMB370)、ダルマギク低容量(AS100)、ダルマギク高容量(AS200)はそれぞれ凡そ1.3倍、1.4倍、0.9倍程度で確認された。
結論的に筋肉萎縮マウスモデルでダルマギク抽出物は濃度依存的な筋肉分解関連因子の遺伝子の発現増加に対する保護能力を示し、陽性対照群(HMB370)であるHMBより優秀な効能を確認した。
【0077】
実施例5:ダルマギク抽出物投与による筋萎縮及び合成関連因子の発現調節確認
ダルマギク抽出物が、筋肉萎縮マウスモデルにおいて、筋肉萎縮と関連する因子であるMuRF-1とAtrogin-1、そして筋肉合成と関連する因子であるp-mTOR(Phosphorylated Mechanistic Target of Rapamycin)の蛋白質発現程度を改善させるのかを確認するためにウエスタンブロットを行った。mTORは蛋白質翻訳(translation)開始調節に関わる重要な因子であり、筋肉における蛋白質合成調節に関わる代表的な因子である。mTORはリン酸化された形態(p-mTOR)が活性化された形態であり、継続的な固定(Immobilization)条件ではその発現はそれほど変わらないものの、活性化が増加すると筋肉萎縮を緩和することが知られている。mTORは、mRNA translationを開始する二つの因子、4E-binding protein (4EBP1)とphosphorylated 70-kDa ribosomal S6 kinase (p70S6K)を活性化させることにより、筋蛋白質合成を誘導し、筋肉量増加に寄与する(The Korea Journal of Sports Science, 20(3):1551-1561,2011; The International Journal of Biochemistry and Cell Biology, 43(9): 1267-1276, 2011)。Atrogin-1とMuRF-1は、上記実施例4で述べたとおり、蛋白質分解を増加させ、筋肉萎縮に寄与すると知らされている因子である。
【0078】
上記実施例2で摘出したふくらはぎ筋から、Roche Diagnostics社(米国、インディアナポリス)のcOmplete TMプロテアーゼインヒビターカクテルタブレット(protease inhibitor cocktail tablets)を含む溶解緩衝液(lysis buffer)を用いて蛋白質を抽出した。抽出した蛋白質は、Thermo Fisher Scientific社(米国、ロックフォード)のPierce(商標)BCA蛋白質分析キット(Protein Assay Kit)を利用して、製品説明書に従って蛋白質濃度を確認した後、一定の蛋白質濃度に調整した。同量の蛋白質を7.5%ソジウムドデシルサルフェイト-ポリアクリルアミドゲル(Sodium Dodecyl Sulfate(SDS)-polyacrylamide gel)で電気泳動を行った後、エレクトロブロッティング(electroblotting)を利用してポリビニルイジン・フルオライド(Polyvinylidene fluoride, PVDF)膜に移動(transfer)させた。上記膜を5%脱脂乳(skim milk)を利用して常温で1時間ブロッキング(blocking)した後、4℃で1次抗体と一晩中インキュベーションした。その翌日に、上記膜をHRP(horseradish peroxidase)と結合した2次抗体と2時間インキュベーションした後に、富士フイルム社(日本、東京)のLAS3000発光イメージ分析器を用いて現像した。MuRF-1、Atrogin-1、2次抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社(Santa Cruz Biotechnology、米国、サンタクルーズ)から購入し、p-mTOR抗体はセルシグナリング社(Cell Signaling Technology、米国、ダンバス)から購入した。
【0079】
図5のp-mTOR蛋白質発現結果を見ると、正常群(Cont)と誘導群(IM)は大きな違いは示さなかったが、陽性対照群(HMB370)から大きな増加を示し、ダルマギク抽出物投与群(AS100、AS200)からにも容量依存的な増加を示した。Atrogin-1とMuRF-1蛋白質発現結果を見ると、正常群(Cont)に比べて誘導群(IM)からその発現が大幅増加されたことが確認された。ダルマギク抽出物は容量依存的な減少を示し、陽性対照群(HMB370)は、ダルマギク抽出物低容量(AS100)とほぼ同じ程度の発現を示した。
【0080】
結論的に筋肉萎縮マウスモデルからダルマギク抽出物は濃度依存的筋肉再生成及び分解関連因子の蛋白質発現変化に対する保護能力を示し、筋肉分解関連因子の増加を減少させることにより優秀な効能を示した。
【0081】
前述した本発明の説明は例示のためのものであって、本発明が属する技術分野の通常の技術を有する者は、本発明の技術的思想や必須的特徴を変形せず、他の具体的な形で容易に変形が可能であることを理解できるはずである。そのため、上に技術した実施例たちは全ての面から例示的なものであり、限定的ではないことと理解するべきである。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上、前記の通り、本発明によるダルマギク抽出物は筋肉分解関連因子の発現抑制、筋肉合成関連因子の発現を増加させるだけでなく、筋肉組織の重さ及び筋繊維の断面積減少緩和効果を示すため、本発明のダルマギク抽出物は筋萎縮症を含む筋肉疾患の予防、改善又は治療に有用に活用できるだけでなく、筋機能改善用組成物として有用に利用されることができる。