(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ブラインド装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/264 20060101AFI20220930BHJP
E06B 5/00 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
E06B9/264 B
E06B5/00 A
(21)【出願番号】P 2019089778
(22)【出願日】2019-05-10
【審査請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】501475550
【氏名又は名称】株式会社オーエスエム
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】奥村 正之
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-179914(JP,A)
【文献】特開2008-7934(JP,A)
【文献】特開2012-4008(JP,A)
【文献】特開2001-82058(JP,A)
【文献】特開2020-90804(JP,A)
【文献】特開平1-256687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
E06B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池と、当該太陽電池において発電された電力を一時的に蓄える二次電池とが設けられた複数枚のスラットと、
前記二次電池から供給された電力を蓄える主電池と、を備え、
前記各スラットは、前記二次電池と前記主電池とを断続可能に接続する接続部を有し、
相隣接する前記各スラットにおける前記接続部が、互いに離間した導通遮断状態と、互いに接触した導通接続状態との間で変化する、ブラインド装置。
【請求項2】
前記各スラットを離間させた使用位置と、前記各スラットを互いに近接させた格納位置とに変位させる格納駆動部を、さらに備え、
前記各スラットの前記使用位置において前記接続部が前記導通遮断状態となり、前記各スラットの前記格納位置において前記接続部が前記導通接続状態となる、請求項1に記載のブラインド装置。
【請求項3】
前記各スラットの設置角度を変化させることにより、一のスラットの一側辺部と、これに隣接する他のスラットの他側辺部とを、互いに離間させた透光位置と、互いに近接させた遮光位置とに変位させるチルト駆動部を、さらに備え、
前記各スラットの前記透光位置において前記接続部が前記導通遮断状態となり、前記各スラットの前記遮光位置において前記接続部が前記導通接続状態となる、請求項1又は2に記載のブラインド装置。
【請求項4】
前記各スラットには、前記接続部を前記導通接続状態に保持する磁石が設けられる、請求項1~3の何れか1項に記載のブラインド装置。
【請求項5】
前記各スラットは、前記二次電池が一端部側に配設された第一スラットと、前記二次電池が他端部側に配設された第二スラットとを有し、
前記第一スラットと前記第二スラットとが交互に配設される、請求項1~4の何れか1項に記載のブラインド装置。
【請求項6】
前記主電池に蓄電された電力を外部に供給する電力供給部を、さらに備える、請求項1~5の何れか1項に記載のブラインド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓際等に設置されて発電を行う太陽電池を備えたブラインド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数枚のスラット(遮光板)が厚み方向に並べて配置され、薄膜の太陽電池モジュールが取り付けられたスラットを具備するブラインド装置(太陽光発電装置)において、太陽電池モジュールにより発電された電力を商用電力系統に供給することが行われている(例えば特許文献1参照)。このようなブラインド装置によれば、各スラットの表面に設けられた太陽電池モジュールに照射される太陽光のエネルギーを電力に変換して、これを有効に利用することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のブラインド装置では、各スラットに取り付けられた太陽電池モジュールを互いに接続して、各太陽電池モジュールにより発電された電力を商用電力系統に供給するために設けられた接続ケーブル(電源線)が、各スラットの傾斜角度を変化させる角度調節用ワイヤ等とは別の位置において露出した状態となり、ブラインド装置の外観が損なわれることが避けられない。
【0005】
本発明の目的は、ブラインド装置の外観を損なうことなく、太陽電池により発電された電力を有効に利用することができるブラインド装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るブラインド装置は、太陽電池と、当該太陽電池において発電された電力を一時的に蓄える二次電池とが設けられた複数枚のスラットと、前記二次電池から供給された電力を蓄える主電池とを備え、前記各スラットは、前記二次電池と前記主電池とを断続可能に接続する接続部を有し、相隣接する前記各スラットにおける前記接続部が、互いに離間した導通遮断状態と、互いに接触した導通接続状態との間で変化するものである。
【0007】
この構成によれば、二次電池と主電池との導通遮断状態において、太陽電池により発電された電力を二次電池に供給して一時的に蓄えることができる。そして、各スラットに設けられた二次電池と主電池とを接続する接続ケーブルを、ブラインド装置の目立った位置に設けることなく、必要に応じて二次電池と主電池とを導通接続状態に変化させることにより、各スラットの二次電池に蓄えられた電力を主電池に供給して、これを有効に利用することができる。
【0008】
また、前記各スラットを離間させた使用位置と、前記各スラットを互いに近接させた格納位置とに変位させる格納駆動部を、さらに備え、前記各スラットの前記使用位置において前記接続部が前記導通遮断状態となり、前記各スラットの前記格納位置において前記接続部が前記導通接続状態となるものであることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、格納駆動部により各スラットが互いに離間した使用位置に操作された際に、二次電池と主電池とが導通遮断状態となり、各スラットに照射される太陽光のエネルギーが太陽電池により効率よく電力に変換されて、二次電池に蓄えられる。一方、格納駆動部により各スラットが互いに近接した格納位置に操作された際には、二次電池と主電池とが導通接続状態となり、各スラットの二次電池に蓄えられた電力が、主電池に供給されて有効に利用される。
【0010】
さらに、前記各スラットの設置角度を変化させることにより、一のスラットの一側辺部と、これに隣接する他のスラットの他側辺部とを、互いに離間させた透光位置と、互いに近接させた遮光位置とに変位させるチルト駆動部を、さらに備え、前記各スラットの前記透光位置において前記接続部が前記導通遮断状態となり、前記各スラットの前記遮光位置において前記接続部が前記導通接続状態となるものとしてもよい。
【0011】
この構成によれば、太陽電池に照射される太陽光のエネルギーが比較的少ないと考えられる各スラットの透光位置では、二次電池と主電池とが導通遮断状態となって、太陽電池により発電された電力が、二次電池に供給されて一時的に蓄えられる。そして、各スラットの透光位置に比べて太陽電池に照射される太陽光のエネルギーが極めて多いと考えられる遮光位置に各スラットの設置角度を変化させる操作が、チルト駆動部により行われた際には、二次電池と主電池とが導通接続状態となって、二次電池に蓄えられた電力が主電池に供給される。これにより、二次電池に蓄えられる電力が過大となることが防止されるとともに、必要に応じて主電池に供給された電力を有効に利用することが可能となる。
【0012】
さらにまた、前記各スラットには、前記接続部を前記導通接続状態に保持する磁石が設けられたものであることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、各スラットが互いに近接した格納位置等において、各スラットに設けられた接続部の導通接続状態が、磁石の磁力により安定して保持され、各スラットの二次電池に蓄えられた電力が、主電池に供給されて有効に利用される。
【0014】
また、前記各スラットは、前記二次電池が一端部側に配設された第一スラットと、前記二次電池が他端部側に配設された第二スラットとを有し、前記第一スラットと前記第二スラットとが交互に配設されたものであってもよい。
【0015】
この構成によれば、各スラットの重量バランス及び厚みが左右不均一になるのを効果的に防止できるという利点がある。
【0016】
さらに、主電池に蓄電された電力を外部に供給する電力供給部を、さらに備えたものとしてもよい。
【0017】
この構成によれば、主電池に蓄電された電力が、電力供給部から外部の電気機器等に供給されることにより、その有効利用を図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るブラインド装置によれば、目立つ位置に露出した接続ケーブルを設けることなく、各スラットに設けられた二次電池とブライド装置の主電池とを接続することが可能であり、ブラインド装置の外観を損なうことなく、太陽電池により発電された電力を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係るブラインド装置の実施形態を示す斜視図である。
【
図2】各スラットを透光位置に設置した状態を示す側面図である。
【
図3】各スラットを遮光位置に設置した状態を示す側面図である。
【
図4】各スラットを格納位置に設置した状態を示す側面図である。
【
図6】各スラットに設けられた接続部の導通遮断状態を示す断面図である。
【
図7】各スラットに設けられた接続部の導通接続状態を示す断面図である。
【
図8】ブラインド装置の電気配線を示す回路図である。
【
図9】ブラインド装置の別の実施形態を示す回路図である。
【
図10】ブラインド装置のさらに別の実施形態を示すスラットの断面図である。
【
図11】ブラインド装置のさらに別の実施形態を示すスラットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0021】
図1乃至
図4に示すように、ブラインド装置1は、窓際等に設置されるヘッドボックス2と、このヘッドボックス2に吊架されるとともに所定間隔を置いて横長状態で設置される複数枚のスラット3と、その下方に配設されたボトムレール4と、各フラット3に設けられた後述の二次電池から供給された電力を蓄える主電池5とを備えている。この主電池5は、逆流防止用のダイオード16とともに、例えばヘッドボックス2の内部等に配置される。
【0022】
ブラインド装置1には、各スラット3を昇降操作する操作コード等6を備えた従来周知の格納駆動部7が設けられている。この格納駆動部7は、
図2及び
図3に示すように、各スラット3を上下に展開した使用位置と、
図4に示すように、各スラット3を互いに近接させた格納位置とに変位させる機能を有している。
【0023】
図1に示すように、ブラインド装置1には、各スラット3の設置角度を変化させる操作ポール8を備えた従来周知のチルト駆動部9が設けられている。このチルト駆動部9は、一のスラット3の一側辺部31と、これに隣接する他のスラット3の他側辺部32とを、
図2に示すように互いに離間させた透光位置と、
図3に示すように互いに近接させた遮光位置とに変位させる機能を有している
【0024】
図3に示す遮光位置において室外側に位置するスラット3の表面には、
図5に示すように、アモルファスシリコン等からなるシート状の太陽電池10が貼着される等により取り付けられている。また、各スラット3の長手方向の一側端部側には、太陽電池10において発電された電力を一時的に蓄える二次電池11と、この二次電池11の電力が太陽電池10側に逆流するのを防止する逆流防止用のダイオード12と、後述のように相隣接するスラット3間を断続可能に接続する電極18とが設けられている。
【0025】
二次電池11としては、酸化銀電池、アルカリ電池又はリチウム電池等からなる種々の電池が使用可能であるが、コンパクトなボタン型電池が好適に使用される。二次電池11は、例えば
図6及び
図7に示すように、プラス極がスラット3a…の表面側に露出するとともに、マイナス極がスラット3a…の背面側に露出した状態で、各スラット3a…に固定されている。また、電極18は、その上面及び下面がスラット3a…の表面側及び背面側に露出した状態で、各スラット3a…に固定されている。そして、後述するように二次電池11のプラス極及びマイナス極と、電極18の上面及び下面とにより、二次電池11と主電池5とを断続可能に接続する接続部が構成されている。
【0026】
各スラット3に配設された太陽電池10、二次電池11及びダイオード12は、
図8に示すように、接続ケーブル14により電気的に接続されている。これにより、太陽電池10の発電電力が、ダイオード12を介して二次電池11に供給されて一時的に蓄えられるようになっている。
【0027】
図8の最上部に位置するスラット3aに配設された二次電池11のプラス極からなる接続部15aは、接続ライン17を介して主電池5のプラス極側に接続されている。この接続ライン17には、主電池5からスラット3aの二次電池11側に電流が流れるのを阻止する逆流防止用のダイオード16が配設されている。また、最上部のスラット3aに配設された電極18からなる接続部18aは、接続ライン19を介して主電池5のマイナス極側に接続されている。
【0028】
そして、
図2に示すように、相隣接するスラット3が互いに離間した格納位置では、
図6に示すように、最上部のスラット3aに配設された二次電池11のマイナス極からなる接続部20aと、上から二段目のスラット3bに配設された二次電池11のプラス極からなる接続部15bとが互いに離間した導通遮断状態となる。この結果、
図8の破線Hで示すように、各スラット3a,3b…に配設された二次電池11と主電池5との接続が遮断される。
【0029】
一方、
図4に示すように、相隣接するスラット3が互いに近接した格納位置では、
図7で示すように、最上部のスラット3aに配設された二次電池11のマイナス極からなる接続部20aと、上から二段目のスラット3bに配設された二次電池11のプラス極からなるスラット3bの接続部15bとが互いに接触して導通接続状態となる。
【0030】
また、各スラット3が、
図2に示す使用位置から
図4に示す格納位置に変位するのに応じ、
図6に示すように、最上部のスラット3aに配設された電極15の下面からなる接続部18aと、二段目のスラット3bに配設された電極15の上面からなる接続部18bとが互いに離間した導通遮断状態から、
図7に示すように、両接続部18a,18bが互いに接触した導通接続状態に変化する。
【0031】
同様にして、上から二段目のスラット3bに配設された二次電池11のマイナス極からなる接続部20bと、上から三段目のスラット3に配設された二次電池11のプラス極からなる接続部15cとが、
図6に示すように互いに離間した導通遮断状態と、
図7に示すように互いに接触した導通接続状態との間で変化する。また、上から二段目のスラット3bに配設された電極15の下面からなる接続部18bと、上から三段目のスラット3cに配設された電極15の上面からなる接続部18cとが、
図6に示す導通遮断状態と、
図7に示す導通接続状態との間で変化する。
【0032】
なお、
図8に示すように、最下部に位置するスラット3zに配設された接続部18zは、接続ケーブル21を介して二次電池11のマイナス極からなる接続部20aと接続されている。これにより、各スラット3a,3b…3zの格納位置では、各スラット3a,3b…3zに配設された各二次電池11と、主電池5とが、
図8の破線H,Iで示す接続ラインを介してそれぞれ直列に接続され、各二次電池11に蓄えられた電力が主電池5に供給されて蓄電されるようになっている。
【0033】
主電池5に蓄えられた電力は、例えばブラインド装置1に設けられた電気駆動部等に供給されて使用される。また、主電池5のプラス極側及びマイナス極側に設けられたコネクタからなる電力供給部13を介して外部の電気機器等に電力が供給されることにより、主電池5に蓄電された電力が有効に利用される。
【0034】
上述のように太陽電池10と、この太陽電池10において発電された電力を一時的に蓄える二次電池11とが設けられた複数枚のスラット3と、各スラット3の二次電池11から供給された電力を蓄える主電池5とを備えたブラインド装置1において、二次電池11と主電池5とを断続可能に接続する二次電池11のプラス極とマイナス極等からなる接続部が各スラット3に設けられ、この接続部が、互いに離間した導通遮断状態と、互いに接触した導通接続状態との間で変化する構成によれば、ブラインド装置1の外観を悪化させることなく、必要に応じて二次電池11に蓄えられた電力を主電池5に供給して、これを有効に利用することができる。
【0035】
すなわち、特許文献1に示される従来装置では、相隣接する各スラットに設けられた太陽電池の発電電力を商用電力系統に供給する接続ケーブルがスラットの側辺部等に設けられている。この接続ケーブルは、各スラットが使用位置及び格納位置の何れの状態にある場合においても、各スラットの導通接続状態が維持されるように余裕をもって配線する必要がある。このため、各スラットが互いに近接した格納位置にある場合には、接続ケ-ブルが弛んだ状態となって外観が顕著に悪化することが避けられない。
【0036】
これに対して上述の実施形態では、相隣接するスラット3を、
図2に示すように互いに離間させた使用位置から、
図4に示すように互いに近接させた格納位置に変位させることにより、各スラット3に設けられた二次電池11のプラス極及びマイナス極等からなる接続部を、互いに離間させた導通遮断状態と、互いに接触させた導通接続状態との間で変化させるように構成している。このため、ブラインド装置1の外観を悪化させる要因となる接続ケーブルを設けることなく、各スラット3に配設された各二次電池11と主電池5とを導通遮断状態から、導通接続状態に切り替えることができる。したがって、ブラインド装置1の外観を良好に維持しつつ、二次電池11に蓄えられた太陽電池10の電力を、必要に応じて主電池5に供給することにより、有効に利用することができる。
【0037】
しかも、従来装置のように相隣接する各スラットを電気的に接続する接続ケーブルを設けた場合には、ブラインド装置を清掃する際に、外部に露出した接続ケーブルに清掃工具等が引っ掛かって、接続ケーブが破断される虞がある。これに対して、上述のように外部に露出した接続ケーブルを設けることなく、各スラット3の二次電池11と主電池5とを断続可能に接続可能とした場合には、接続ケーブが破断される等の問題が生じることもない。
【0038】
なお、上述の実施形態では、
図8に示すように、各スラット3に配設された各二次電池11と主電池5とを、それぞれ直列に接続可能とした例について説明したが、各二次電池11を主電池5に対して並列に接続可能に構成してもよい。すなわち、
図9の破線Jで示すように、各スラット3a,3b…3zに配設された各二次電池11のプラス極に位置する接続部22a,22b…22zを断続可能に接続するとともに、
図9の破線Kで示すように、各二次電池11のマイナス極に位置する接続部23a,23b…23zを断続可能に接続することにより、各二次電池11をそれぞれ主電池5に対して並列に接続するように構成してもよい。
【0039】
また、上述の実施形態では、格納駆動部7の操作に応じ、各スラット3に設けられた接続部が、導通遮断状態と導通遮断状態とに切り替えられるように構成している。このため、各スラット3が互いに離間した使用位置おいて、各スラット3に設けられた接続部を互いに離間させた導通遮断状態とすることにより、各スラット3の太陽電池10に照射される太陽光のエネルギーを有効に活用して、二次電池11に蓄えることができる。一方、太陽電池10による発電を行うことが困難な各スラット3の格納位置では、各スラット3に設けられた接続部を互いに接触させた導通接続状態に変化させることにより、二次電池11に蓄えられた電力を主電池5に供給して、これを有効に活用することができる。
【0040】
なお、格納駆動部7の操作に応じ、各スラット3に設けられた接続部を、導通遮断状態と導通遮断状態に切り替えるように構成した上述に実施形態に代え、あるいはこの構成とともに、各スラット3の設置角度を変化させるチルト駆動部9の操作に応じ、相隣接する各スラット3に設けられた接続部を、互いに離間させた導通遮断状態と、互いに接触させた導通接続状態とに変化させるようにしてもよい。
【0041】
すなわち、
図2に示すように、一のスラット3の一側辺部31と、これに隣接する他のスラット3の他側辺部32とが互いに離間した透光位置において、各スラット3に設けられた接続部(図示せず)が互いに離間した導通遮断状態から、チルト駆動部9により各スラット3の設置角度を変化させる操作が行われて、
図3に示すように、一のスラット3の一側辺部31と、これに隣接する他のスラット3の他側辺部32とが、互いに近接した遮光位置に変位した際に、上述の接続部が互いに接触して導通接続状態となるように構成してもよい。
【0042】
この構成によれば、太陽電池10に照射される太陽光のエネルギーが、遮光位置に比べて少ないと考えられる各スラット3の透光位置では、二次電池11と主電池5とが導通遮断状態なって、太陽電池10の発電電力が二次電池11に一時的に蓄えられる。そして、各スラット3の透光位置に比べて太陽電池10に照射される太陽光のエネルギーが多い場合に、チルト駆動部9により各スラット3を遮光位置に変化させる操作が行われると、各スラット3に設けられた接続部が導通接続状態に変化し、二次電池11に蓄えられた電力が主電池5に供給される。この結果、二次電池11に蓄えられる電力が過大となるとなることが防止されるとともに、必要に応じて主電池5に供給された電力を有効に利用することが可能となる。
【0043】
また、
図10に示すように、各スラット3a,3b…3zに配設された接続部を導通接続状態に保持する磁石24を設けた構成としてもよい。例えば各スラット3a,3b…3zに設けられた鉄製のボタン電池等からなる二次電池11の下方に、円板形の永久磁性体等からなる磁石24をそれぞれ配設した構成としてもよい。なお、最下段に位置するスラット3zに配設された二次電池11のマイナス極と電極15とは、接続ケーブル21を介して接続されている。
【0044】
そして、各フラット3a,3b…3zが互いに近接した格納位置において、上方に位置するスラット3aに設けられた磁石24の磁力に応じ、その下面と、下方に位置するスラット3bに設けられた二次電池11の上面とを吸着させる等により、各スラット3a,3b…3zを格納位置に保持するともに、磁石24を介して各スラット3a,3b…3zに設けられた二次電池11のプラス極及びマイナス極からなる接続部と、電極15の上面及び下面からなる接続部とを導通接続状態に保持するようにしてもよい。
【0045】
この構成によれば、各スラット3a,3b…3zが互いに近接した格納位置では、磁石24の吸着力により各スラット3a,3b…3zに設けられた接続部の導通接続状態を安定して保持することができる。また、各スラット3a,3b…3zを格納位置から使用位置に変位させる際には、磁石24による吸着力に抗して上述の接続部を導通遮断状態とすることができる。
【0046】
なお、各スラット3a,3b…3zに設けられた二次電池11の下方に磁石24をそれぞれ配設してなる上述の実施形態に代え、磁石24と二次電池11とを各スラット3の離れた位置に配設した構成としてもよい。そして、一のスラット3に設けられた磁石のS極と、これに隣接した他のスラット3に設けられた磁石のN極とを吸着させることにより、各スラット3を互いに近接させた格納位置に保持するとともに、二次電池11のプラス極及びマイナス極等からなる接続部を導通接続状態に保持するようにしてもよい。
【0047】
また、各スラット3の長手方向の一端部側に二次電池11をそれぞれ配設してなる上述の実施形態に代え、
図11に示すように、二次電池11が長手方向の一端部側に配設された第一スラット3Aと、二次電池11が長手方向の他端部側に配設された第二スラット3Bとを交互に配設してもよい。そして、第一スラット3A,3Aの一端部側に配設された二次電池11,11を、第二スラット3Bの一端部側に配設された電極25からなる接続部を介して断続可能に接続するとともに、第二スラット3B,3Bの他端部側に配設された二次電池11,11を、第一スラット3Aの他端部側に配設された電極25からなる接続部を介して断続可能に接続するように構成してもよい。この構成によれば、各スラット3A,3Bの重量バランス及び厚みが左右不均一になるのを効果的に防止することができる。
【0048】
さらに、主電池5のプラス極側及びマイナス極側に接続されたコネクタからなる電力供給部13(
図8及び
図9参照)を備え、この電力供給部13を介してブラインド装置1と外部の電気機器等とを接続可能に構成した場合には、主電池5に蓄電された電力を、外部の電気機器等に供給することにより、その有効利用を図ることができる。
【0049】
なお、本発明に係るブラインド装置1は、上述ように薄板状の各スラット3が所定間隔を置いて横長状態で設置されてなる横型ブラインドに限られず、各スラット3が所定間隔を置いて縦長状態で垂下された状態で使用される縦型ブラインドについても適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 ブラインド装置 3 スラット
5 主電池 7 格納駆動部
9 チルト駆動部 10 太陽電池
11 二次電池 13 電力供給部
15a~15z 接続部 18a~18z 接続部
20a~20z 接続部 22a~22z 接続部
24 磁石