IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セプトン テクノロジーズ,インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ライダシステム用の走査装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20220930BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20220930BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
G01S17/89
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019534692
(86)(22)【出願日】2017-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 US2017066419
(87)【国際公開番号】W WO2018118645
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-14
(31)【優先権主張番号】62/438,735
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518379544
【氏名又は名称】セプトン テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ペイ,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】マッコード,マーク
(72)【発明者】
【氏名】イエ,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】クイ,ユペン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,リーチュイン
(72)【発明者】
【氏名】リジャリ,ダリューシ
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-032300(JP,A)
【文献】特開2007-101342(JP,A)
【文献】特開2004-085225(JP,A)
【文献】特開2012-036924(JP,A)
【文献】特開2010-080624(JP,A)
【文献】特開平06-222835(JP,A)
【文献】特開2008-191098(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0107865(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 - G01S 7/51
G01S 17/00 - G01S 17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査ライダシステムであって、
外部フレームと、
防振マウントによって前記外部フレームに取り付けられた内部フレームであって、電気光学アセンブリのハウジングである、内部フレームと、
レーザ源および光検出器を備える前記電気光学アセンブリであって、前記電気光学アセンブリは、前記内部フレームに移動可能に取り付けられ、前記走査ライダシステムの走査動作中に前記内部フレームに対して二次元で並進するように構成され、前記防振マウントは、前記電気光学アセンブリが前記内部フレームに対して並進している間、前記電気光学アセンブリの運動から前記外部フレームを隔離するように構成されている、電気光学アセンブリと
を備える、走査ライダシステム。
【請求項2】
第1のプラットフォームに取り付けられた第1のレンズおよび第2のレンズを含むレンズアセンブリをさらに備え、前記電気光学アセンブリが、第2のプラットフォームに取り付けられた第1のレーザ源および第1の光検出器を含み、前記第2のプラットフォームが、前記第1のプラットフォームから分離され、それにより前記第1のレーザ源が、前記第1のレンズの焦点面に実質的にあり、前記第1の光検出器が、前記第2のレンズの焦点面に実質的にあり、前記第1のレーザ源と前記第1の光検出器とが、互いに対して光学的に共役になるように前記第2のプラットフォームで互いに離間している、請求項1に記載の走査ライダシステム。
【請求項3】
前記内部フレームの運動量を測定するために前記内部フレームに結合された第1のセンサと、
前記内部フレームを前記外部フレームに対して移動させるために前記内部フレームに機械的に結合された駆動機構と、
前記第1のセンサおよび前記駆動機構に通信可能に結合され、前記第1のセンサによって測定された前記内部フレームの前記運動量に基づいて前記駆動機構を介して前記内部フレームの配向を補正するように構成されたコントローラと
をさらに備える、請求項1に記載の走査ライダシステム。
【請求項4】
前記第1のセンサが、第1の軸に沿った前記内部フレームの第1の運動量、および前記第1の軸に実質的に直交する第2の軸に沿った前記内部フレームの第2の運動量を測定するように構成される、請求項3に記載の走査ライダシステム。
【請求項5】
前記外部フレームの運動量を測定するために前記外部フレームに結合された第2のセンサをさらに備え、前記コントローラが、前記第2のセンサに通信可能にさらに結合され、前記コントローラが、前記第2のセンサによって測定された前記外部フレームの前記運動量に基づいて前記内部フレームの前記配向を補正するようにさらに構成される、請求項3に記載の走査ライダシステム。
【請求項6】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの各々が、1つまたは複数の加速度計を備える、請求項5に記載の走査ライダシステム。
【請求項7】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの各々が、エンコーダ、容量センサ、またはホールセンサから選択される変位センサを備える、請求項5に記載の走査ライダシステム。
【請求項8】
前記外部フレームの運動量を測定するために前記外部フレームに結合された第1のセンサと、
前記内部フレームを前記外部フレームに対して移動させるために前記内部フレームに機械的に結合された駆動機構と、
前記第1のセンサおよび前記駆動機構に通信可能に結合され、前記第1のセンサによって測定された前記外部フレームの前記運動量に基づいて前記駆動機構を介して前記内部フレームの配向を補正するように構成されたコントローラと
をさらに備える、請求項1に記載の走査ライダシステム。
【請求項9】
前記第1のセンサが、第1の軸に沿った前記外部フレームの第1の運動量、および前記第1の軸に実質的に直交する第2の軸に沿った前記外部フレームの第2の運動量を測定するように構成される、請求項8に記載の走査ライダシステム。
【請求項10】
前記駆動機構が、前記内部フレームを前記第1の軸に沿って移動させるための第1のアクチュエータと、前記内部フレームを前記第2の軸に沿って移動させるための第2のアクチュエータとを備え、前記コントローラが、
前記内部フレームを、前記外部フレームの前記第1の運動量に基づいて前記第1のアクチュエータを介して前記外部フレームに対して前記第1の軸に沿って移動させ、
前記内部フレームを、前記外部フレームの前記第2の運動量に基づいて前記第2のアクチュエータを介して前記外部フレームに対して前記第2の軸に沿って移動させる
ように構成される、請求項9に記載の走査ライダシステム。
【請求項11】
走査ライダシステムであって、
外部フレームと、
防振マウントによって前記外部フレームに取り付けられた内部フレームであって、電気光学アセンブリのハウジングである、内部フレームと、
レーザ源および光検出器を備える前記電気光学アセンブリであって、前記電気光学アセンブリは、前記内部フレームに移動可能に取り付けられ、前記走査ライダシステムの走査動作中に前記内部フレームに対して並進するように構成され、前記防振マウントは、前記電気光学アセンブリが並進している間、前記電気光学アセンブリの運動から前記外部フレームを隔離するように構成される、電気光学アセンブリと、
前記内部フレームに移動可能に取り付けられたカウンタウェイトと、
前記カウンタウェイトに機械的に結合された駆動機構と、
前記内部フレームの運動量を測定するために前記内部フレームに結合された第1のセンサと、
前記第1のセンサおよび前記駆動機構に結合され、カウンタウェイトの惰力が前記電気光学アセンブリの惰力と実質的に釣り合うように、前記走査ライダシステムの走査動作中に前記第1のセンサによって測定された前記内部フレームの前記運動量に基づいて前記内部フレームに対する前記カウンタウェイトの運動を引き起こすように構成されたコントローラと
を備える、走査ライダシステム。
【請求項12】
第1のプラットフォームに取り付けられた第1のレンズおよび第2のレンズを含むレンズアセンブリをさらに備え、前記電気光学アセンブリが、第2のプラットフォームに取り付けられた第1のレーザ源および第1の光検出器を含み、前記第2のプラットフォームが、前記第1のプラットフォームから分離され、それにより前記第1のレーザ源が、前記第1のレンズの焦点面に実質的にあり、前記第1の光検出器が、前記第2のレンズの焦点面に実質的にあり、前記第1のレーザ源と前記第1の光検出器とが、互いに対して光学的に共役になるように前記第2のプラットフォームで互いに離間している、請求項11に記載の走査ライダシステム。
【請求項13】
前記第1のセンサが、第1の軸に沿った前記内部フレームの第1の運動量、および前記第1の軸に実質的に直交する第2の軸に沿った前記内部フレームの第2の運動量を測定するように構成される、請求項11に記載の走査ライダシステム。
【請求項14】
前記外部フレームの運動量を測定するために前記外部フレームに結合された第2のセンサをさらに備え、前記コントローラが、前記第2のセンサに通信可能にさらに結合され、前記コントローラが、前記第2のセンサによって測定された前記外部フレームの前記運動量に基づいて前記内部フレームの配向を補正するようにさらに構成される、請求項11に記載の走査ライダシステム。
【請求項15】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの各々が、1つまたは複数の加速度計を備える、請求項14に記載の走査ライダシステム。
【請求項16】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの各々が、エンコーダ、容量センサ、またはホールセンサから選択される変位センサを備える、請求項14に記載の走査ライダシステム。
【請求項17】
走査ライダシステムであって、
外部フレームと、
防振マウントによって前記外部フレームに取り付けられた内部フレームであって、電気光学アセンブリのハウジングである、内部フレームと、
レーザ源および光検出器を備える前記電気光学アセンブリであって、前記電気光学アセンブリは、前記内部フレームに移動可能に取り付けられ、前記走査ライダシステムの走査動作中に前記内部フレームに対して並進するように構成され、前記防振マウントは、前記電気光学アセンブリが並進している間、前記電気光学アセンブリの運動から前記外部フレームを隔離するように構成されている、電気光学アセンブリと、
前記内部フレームに移動可能に取り付けられたカウンタウェイトと、
前記カウンタウェイトに機械的に結合された駆動機構と、
前記外部フレームの運動量を測定するために前記外部フレームに結合された第1のセンサと、
前記第1のセンサおよび前記駆動機構に結合され、前記第1のセンサによって測定された前記外部フレームの前記運動量に基づいて前記内部フレームに対する前記カウンタウェイトの運動を引き起こすように構成されたコントローラと
を備える、走査ライダシステム。
【請求項18】
前記第1のセンサが、第1の軸に沿った前記外部フレームの第1の運動量、および前記第1の軸に実質的に直交する第2の軸に沿った前記外部フレームの第2の運動量を測定するように構成される、請求項17に記載の走査ライダシステム。
【請求項19】
前記第1のセンサが、1つまたは複数の加速度計を備える、請求項17に記載の走査ライダシステム。
【請求項20】
前記第1のセンサが、エンコーダ、容量センサ、またはホールセンサから選択される変位センサを備える、請求項17に記載の走査ライダシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2016年12月23日に出願された米国仮特許出願第62/438,735号の利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]以下の3つの米国特許出願(本出願を含む)は、同時に出願したものであり、他方の出願の開示全体があらゆる目的のために参照により本出願に組み込まれる:
2017年12月13日に出願された、「SCANNING APPARATUSES AND METHODS FOR A LIDAR SYSTEM」と題する出願番号第15/_号(代理人整理番号第101658-000510US-1066222号)、
2017年12月13日に出願された、「SYSTEMS FOR VIBRATION CANCELLATION IN A LIDAR SYSTEM」と題する出願番号第15/_号(代理人整理番号第101658-000520US-1066224号)、および
2017年12月13日に出願された、「MOUNTING APPARATUSES FOR OPTICAL COMPONENTS IN A SCANNING LIDAR SYSTEM」と題する出願番号第15/_号(代理人整理番号第101658-000530US-1066245号)。
【背景技術】
【0003】
[0003]三次元センサは、自律走行車両、無人機、ロボット工学、セキュリティ用途などに適用することができる。走査ライダセンサは、手頃なコストでそのような用途に適した高い角度分解能を達成することができる。しかしながら、走査ライダセンサは、内部振動源だけでなく外部振動源にも敏感であり得る。例えば、自律走行車両に適用されるとき、走査ライダセンサは、不均一な道路からの外部振動、道路騒音、およびエンジン騒音にさらされる可能性がある。走査機構からの内部騒音もまた、ライダを走査する動作を妨げる可能性がある。したがって、振動を軽減するためのシステムおよび能動的振動管理システムを走査ライダセンサに含めることが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]本発明のいくつかの実施形態によれば、走査ライダシステムは、固定フレームと、固定フレームに柔軟に取り付けられた第1のプラットフォームと、レンズアセンブリとを含む。レンズアセンブリは、第1のプラットフォームに装着された第1のレンズおよび第2のレンズを含む。第1のレンズは、第1の方向の第1の光軸と第1の焦点面とを画定する。第2のレンズは、第1の光軸に実質的に平行な第2の光軸と第2の焦点面とを画定する。第1のプラットフォームは、第1の方向に実質的に垂直な第1の平面内で並進するように構成される。走査ライダシステムは、固定フレームに柔軟に取り付けられ、第1の方向に沿って第1のプラットフォームから分離された第2のプラットフォームをさらに含む。走査ライダシステムは、第2のプラットフォームに装着された第1のレーザ源および第1の光検出器を含む電気光学アセンブリをさらに含む。第2のプラットフォームは、第1の方向に実質的に垂直な第2の平面内で並進するように構成される。第1のレーザ源は、第1のレンズの焦点面に実質的にあり、第1の光検出器は、第2のレンズの焦点面に実質的にある。第1のレーザ源と第1の光検出器とは、互いに対して光学的に共役になるように第2のプラットフォームで互いに離間している。走査ライダシステムは、第1のプラットフォームおよび第2のプラットフォームに機械的に結合され、第1のプラットフォームおよび第2のプラットフォームを固定フレームに対して並進させるように構成された駆動機構をさらに含む。走査ライダシステムは、駆動機構に結合されたコントローラをさらに含む。コントローラは、第2のプラットフォームの運動が第1のプラットフォームの運動と実質的に反対であるように、第1のプラットフォームを駆動機構を介して第1の平面内の複数の第1の位置に並進させ、第2のプラットフォームを駆動機構を介して第2の平面内の複数の第2の位置に並進させるように構成される。各それぞれの第2の位置は、それぞれの第1の位置に対応する。
【0005】
[0005]本発明のいくつかの他の実施形態によれば、走査ライダシステムを使用する三次元撮像の方法は、レンズアセンブリを複数の第1の位置に並進させることを含む。レンズアセンブリは、第1の方向の第1の光軸と第1の焦点面とを画定する第1のレンズと、第1の光軸に実質的に平行な第2の光軸と第2の焦点面とを画定する第2のレンズとを含む。方法は、電気光学アセンブリを複数の第2の位置に並進させることをさらに含んでもよい。電気光学アセンブリは、レンズアセンブリの運動と実質的に反対の方向に移動する。各それぞれの第2の位置は、レンズアセンブリのそれぞれの第1の位置に対応する。電気光学アセンブリは、第1のレンズの第1の焦点面に実質的に配置された第1のレーザ源と、第2のレンズの第2の焦点面に実質的に配置された第1の光検出器とを含んでもよい。第1のレーザ源と第1の光検出器とは、互いに対して光学的に共役になるように互いに離間していてもよい。方法は、複数の第2の位置の各々において、第1のレーザ源を使用して、レーザパルスを発光することと、第1のレンズを使用して、レーザパルスを1つまたは複数の物体に向けてコリメートして向けることとをさらに含んでもよい。レーザパルスの一部は、1つまたは複数の物体から反射されてもよい。方法は、第2のレンズを使用して、1つまたは複数の物体から反射されたレーザパルスの一部を第1の光検出器に受光して集束することと、第1の光検出器を使用して、レーザパルスの一部を検出することと、プロセッサを使用して、レーザパルスを発光することとレーザパルスの一部を検出することとの間の飛行時間を決定することとをさらに含んでもよい。方法は、決定された飛行時間に基づいて1つまたは複数の物体の三次元画像を構築することをさらに含んでもよい。
【0006】
[0006]本発明のいくつかの実施形態によれば、走査ライダシステムは、外部フレームと、防振マウントによって外部フレームに取り付けられた内部フレームと、内部フレームに移動可能に取り付けられ、走査ライダシステムの走査動作中に内部フレームに対して並進するように構成された電気光学アセンブリとを含む。
【0007】
[0007]本発明のいくつかの他の実施形態によれば、走査ライダシステムは、外部フレームと、防振マウントによって外部フレームに取り付けられた内部フレームと、内部フレームに移動可能に取り付けられ、走査ライダシステムの走査動作中に内部フレームに対して並進するように構成された電気光学アセンブリと、内部フレームに移動可能に取り付けられたカウンタウェイトと、カウンタウェイトに機械的に結合された駆動機構と、内部フレームの運動量を測定するために内部フレームに結合された第1のセンサと、第1のセンサおよび駆動機構に結合されたコントローラとを含む。コントローラは、第1のセンサによって測定された内部フレームの運動量に基づいて内部フレームに対するカウンタウェイトの運動を引き起こすように構成される。
【0008】
[0008]本発明のいくつかの実施形態によれば、走査ライダシステムは、外部フレームと、防振マウントによって外部フレームに取り付けられた内部フレームと、内部フレームに移動可能に取り付けられ、走査ライダシステムの走査動作中に内部フレームに対して並進するように構成された電気光学アセンブリと、内部フレームに移動可能に取り付けられたカウンタウェイトと、カウンタウェイトに機械的に結合された駆動機構と、外部フレームの運動量を測定するために外部フレームに結合された第1のセンサと、第1のセンサおよび駆動機構に結合されたコントローラとを含む。コントローラは、第1のセンサによって測定された外部フレームの運動量に基づいて内部フレームに対するカウンタウェイトの運動を引き起こすように構成される。
【0009】
[0009]本発明のいくつかの実施形態によれば、走査ライダシステムは、第1のレンズ中心を有し、第1の光軸および第1の最良焦点面によって特徴付けられる第1のレンズと、第2のレンズ中心を有し、第1の光軸に実質的に平行な第2の光軸によって特徴付けられる第2のレンズとを含む。走査ライダシステムは、第1の光軸に沿って第1のレンズおよび第2のレンズから分離されたプラットフォームと、プラットフォームに装着されたレーザ源アレイとをさらに含む。レーザ源アレイの各レーザ源は、第1のレンズの第1の最良焦点面に実質的にあり、それぞれのレーザ位置に配置された発光面を有する。走査ライダシステムは、プラットフォームに装着された光検出器アレイをさらに含む。光検出器アレイの各光検出器は、対応するレーザ源のそれぞれのレーザ位置と光学的に共役であるそれぞれの光検出器位置に配置される。
【0010】
[0010]本発明のいくつかの実施形態によれば、走査ライダシステムは、レンズ中心を有し、第1の光軸および第1の最良焦点面によって特徴付けられる第1のレンズと、第1の光軸に沿って第1のレンズから分離されたプラットフォームと、プラットフォームに装着されたレーザ源アレイとを含む。レーザ源アレイの各レーザ源は、第1のレンズの第1の最良焦点面に実質的にあり、それぞれのレーザ位置に配置された発光面を有する。走査ライダシステムは、プラットフォームに装着された光検出器アレイをさらに含む。光検出器アレイの各光検出器は、対応するレーザ源のそれぞれのレーザ位置と光学的に共役であるそれぞれの光検出器位置に配置される。
【0011】
[0011]本発明のいくつかの実施形態によれば、走査ライダシステムは、レンズ中心および光軸によって特徴付けられるレンズと、光軸に沿ってレンズから分離されたプラットフォームと、プラットフォームに装着されたレーザ源アレイとを含む。レーザ源アレイの各レーザ源は、それぞれのレーザ位置に配置され、各レーザ源の発光面の法線は、レンズ中心を実質的に向く。走査ライダシステムは、プラットフォームに装着された光検出器アレイをさらに含む。光検出器アレイの各光検出器は、対応するレーザ源のそれぞれのレーザ位置と光学的に共役であるそれぞれの光検出器位置に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のいくつかの実施形態による、三次元撮像用のライダセンサを概略的に示す図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態による、ライダセンサの1つまたは複数のレーザ源および1つまたは複数の光検出器を走査するための撓み機構を概略的に示す図である。
図3】本発明のいくつかの実施形態による、走査ライダシステムの概略断面図である。
図4】本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムの概略断面図である。
図5】本発明のいくつかのさらなる実施形態による、走査ライダシステムの概略断面図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態による、走査ライダシステムを使用した三次元撮像の方法を示す簡易フローチャートである。
図7】本発明のいくつかの実施形態による、走査ライダセンサにおける振動管理のためのシステムを概略的に示す図である。
図8】本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダセンサにおける振動管理のためのシステムを概略的に示す図である。
図9】本発明のいくつかの実施形態による、走査ライダセンサにおける振動管理のためのシステムを概略的に示す図である。
図10】本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダセンサにおける振動管理のためのシステムを概略的に示す図である。
図11】本発明のいくつかの実施形態による、レンズ像面湾曲を考慮に入れることができる走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。
図12】本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。
図13】本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。
図14】本発明のいくつかのさらなる実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。
図15】本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。
図16】本発明のいくつかの実施形態に従って利用することができる、レーザ源1600の概略断面図である。
図17】本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。
図18A】本発明のいくつかの実施形態に従って利用することができる、いくつかの例示的なレーザ源の概略断面図である。
図18B】本発明のいくつかの実施形態に従って利用することができる、いくつかの例示的なレーザ源の概略断面図である。
図19】本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。
図20】本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。
図21】本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。
図22】本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略上面図である。
図23図22に示すように、複数のレーザ源および複数の光検出器が装着されたプラットフォームの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0035]図1は、本発明のいくつかの実施形態による、三次元撮像用のライダセンサ100を概略的に示す図である。ライダセンサ100は、共に固定された発光レンズ130および受光レンズ140を含む。ライダセンサ100は、発光レンズ130の後焦点面に実質的に配置されたレーザ源110aを含む。レーザ源110aは、発光レンズ130の後焦点面内のそれぞれの発光場所からレーザパルス120を発光するように動作する。発光レンズ130は、レーザパルス120をライダセンサ100の前方に位置する物体150に向けてコリメートして向ける。レーザ源110aの所与の発光場所に対して、コリメートされたレーザパルス120’は、対応する角度で物体150に向けられる。
【0014】
[0036]レーザパルス120の一部122は、物体150から受光レンズ140に向かって反射される。受光レンズ140は、物体150から反射されたレーザパルス120の一部122を受光レンズ140の焦点面内の対応する検出場所に集束させるように構成される。ライダセンサ100は、受光レンズ140の焦点面に実質的に配置された光検出器160aをさらに含む。光検出器160aは、対応する検出場所において物体から反射されたレーザパルス120の一部122を受光して検出するように構成される。光検出器160aの対応する検出場所は、レーザ源110aのそれぞれの発光場所と共役である。
【0015】
[0037]レーザパルス120は、持続時間が短くてもよく、例えば、100nsのパルス幅であってもよい。ライダセンサ100は、レーザ源110aおよび光検出器160aに結合されたプロセッサ190をさらに含む。プロセッサ190は、発光から検出までのレーザパルス120の飛行時間(TOF)を決定するように構成される。レーザパルス120は光速で進行するので、ライダセンサ100と物体150との間の距離は、決定された飛行時間に基づいて決定されてもよい。
【0016】
[0038]いくつかの実施形態によれば、レーザ源110aは、発光レンズ130の後焦点面内の複数の発光場所にラスタ走査されてもよく、複数の発光場所で複数のレーザパルスを発光するように構成される。それぞれの発光場所で発光された各レーザパルスは、発光レンズ130によってコリメートされてそれぞれの角度で物体150に向けられ、物体150の面の対応する点に入射する。したがって、レーザ源110aが発光レンズ130の後焦点面内の特定の領域内でラスタ走査されると、物体150の対応する物体領域が走査される。光検出器160aは、受光レンズ140の焦点面内の複数の対応する検出場所にラスタ走査される。光検出器160aの走査は、レーザ源110aの走査と同期して行われるので、光検出器160aとレーザ源110aとは常に所与の時間に互いに共役である。
【0017】
[0039]それぞれの発光場所で発光された各レーザパルスの飛行時間を決定することによって、ライダセンサ100から物体150の面の各対応する点までの距離が決定され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ190は、各発光場所におけるレーザ源110aの位置を検出する位置エンコーダと結合される。発光場所に基づいて、コリメートされたレーザパルス120’の角度を決定することができる。物体150の面の対応する点のX-Y座標は、角度およびライダセンサ100までの距離に基づいて決定されてもよい。したがって、物体150の三次元画像は、ライダセンサ100から物体150の面の様々な点までの測定距離に基づいて構築することができる。いくつかの実施形態では、三次元画像は、点群、すなわち、物体150の面の点の一組のX、Y、およびZ座標として表すことができる。
【0018】
[0040]いくつかの実施形態では、検出器の飽和を防ぎ、目の安全性を改善し、または全体の出力消費を減らすために、戻りレーザパルスの強度を測定し、同じ発光点からの後続のレーザパルスの出力を調整するために使用する。レーザパルスの出力は、レーザパルスの持続時間、レーザに適用される電圧もしくは電流、またはレーザに出力を供給するために使用されるコンデンサに蓄積された電荷を変えることによって変えることができる。後者の場合、コンデンサに蓄積された電荷は、コンデンサへの充電時間、充電電圧、または充電電流を変えることによって変えることができる。いくつかの実施形態では、強度はまた、別の寸法を画像に追加するために使用されてもよい。例えば、画像は、反射率(または明るさ)と同様に、X、Y、およびZ座標を含み得る。
【0019】
[0041]ライダセンサ100の視野角(AFOV)は、レーザ源110aの走査範囲および発光レンズ130の焦点距離に基づいて、以下のように推定することができる、
【数1】

式中、hは、レーザ源110aのある方向に沿った走査範囲であり、fは、発光レンズ130の焦点距離である。所与の走査範囲hに対して、より短い焦点距離は、より広いAFOVをもたらす。所与の焦点距離fに対して、より広い走査範囲は、より広いAFOVをもたらす。いくつかの実施形態では、ライダセンサ100は、発光レンズ130の後焦点面にアレイとして配置された複数のレーザ源を含むことができ、それによって各個々のレーザ源の走査範囲を比較的小さく保ちながらより大きい全AFOVを達成することができる。したがって、ライダセンサ100は、受光レンズ140の焦点面にアレイとして配置された複数の光検出器を含むことができ、各光検出器は、それぞれのレーザ源と共役である。例えば、ライダセンサ100は、図1に示すように、第2のレーザ源110bと、第2の光検出器160bとを含むことができる。他の実施形態では、ライダセンサ100は、4つのレーザ源と4つの光検出器、または8つのレーザ源と8つの光検出器を含んでもよい。一実施形態では、ライダセンサ100は、4×2アレイとして配置された8つのレーザ源と、4×2アレイとして配置された8つの光検出器とを含むことができ、それによりライダセンサ100は垂直方向のそのAFOVよりも広い水平方向のAFOVを有することができる。様々な実施形態によれば、ライダセンサ100の全AFOVは、発光レンズの焦点距離、各レーザ源の走査範囲、およびレーザ源の数に応じて、約5°~約15°、または約15°~約45°、または約45°~約90°の範囲であり得る。
【0020】
[0042]レーザ源110aは、紫外、可視、または近赤外波長範囲のレーザパルスを発光するように構成されてもよい。各レーザパルスのエネルギーは、マイクロジュールのオーダーであり得、これは通常、KHz範囲の繰り返し率に対して目に安全であると考えられる。約1500nmを超える波長で動作するレーザ源の場合、目がそれらの波長に焦点を合わせないので、エネルギーレベルはより高くなり得る。光検出器160aは、シリコンアバランシェフォトダイオード、光電子増倍管、PINダイオード、または他の半導体センサを備えてもよい。
【0021】
[0043]ライダセンサ100の角度分解能は、回折限界に効果的にすることができ、以下のように推定することができる、
θ=1.22λ/D、
式中、λは、レーザパルスの波長であり、Dは、レンズ口径である。角度分解能はまた、レーザ源110aの発光領域のサイズならびにレンズ130および140の収差にも依存し得る。様々な実施形態によれば、ライダセンサ100の角度分解能は、レンズの種類に応じて、約1mrad~約20mrad(約0.05~1.0°)の範囲であり得る。
【0022】
[0044]いくつかの実施形態では、レーザ源および光検出器は、以下に説明するように、比較的低コストの撓み機構を使用して走査することができる。
【0023】
[0045]図2は、本発明のいくつかの実施形態による、図1に示すライダセンサ100の1つまたは複数のレーザ源110a~110dおよび1つまたは複数の光検出器160a~160dを走査するために使用することができる撓み機構200を概略的に示す図である。この例では、4つのレーザ源110a~110dおよび4つの光検出器160a~160dは、同じ剛性プラットフォーム230に装着される。レーザ源110a~110dおよび光検出器160a~160dの位置は、各レーザ源110a、110b、110c、または110dが対応する光検出器160a、160b、160c、または160dと空間的に共役になるように配置される。プラットフォーム230は、2つの撓み要素220aおよび220bを備える第1の撓み部によって第1のベースプレート210に結合される。撓み要素220aおよび220bは、図2に示すようなボイスコイル250および永久磁石260などの単一のアクチュエータを使用することによって、または圧電アクチュエータなどによって左または右に偏向させることができる。一実施形態では、第1のベースプレート210は、2つの撓み要素270aおよび270bを備える第2の撓み部によって第2のベースプレート212に結合されてもよい。撓み要素270aおよび270bは、図2に示すようなボイスコイル252および永久磁石262などの単一のアクチュエータを使用することによって、または圧電アクチュエータなどによって前方または後方に偏向させることができる。
【0024】
[0046]したがって、レーザ源110a~110dおよび光検出器160a~160dは、撓み要素220aおよび220bの左右の移動によって、ならびに撓み要素270aおよび270bの前後の移動によってそれぞれ発光レンズ130および受光レンズ140の焦点面において二次元で走査され得る。レーザ源110a~110dおよび光検出器160a~160dが同じ剛性プラットフォーム230に装着されるので、各レーザ-光検出器対の間の共役空間の関係は、発光レンズ130および受光レンズ140のレンズ処方が本質的に同一である限りそれらが走査されても維持される。4つのレーザ源110a~110dおよび4つの光検出器160a~160dが図2に例として示されているが、より少ないまたはより多くのレーザ源およびより少ないまたはより多くの光検出器が単一のプラットフォーム230に装着されてもよいことを理解されたい。例えば、本発明の様々な実施形態に従って、1つのレーザ源および1つの光検出器、または2つのレーザ源および2つの光検出器、または8つのレーザ源および8つの光検出器を単一のプラットフォーム230に装着することができる。一実施形態では、8つのレーザ源を4×2アレイとして配置することができ、8つの光検出器を4×2アレイとして配置することができ、それらすべてが同じ剛性プラットフォーム230に装着される。
【0025】
[0047]いくつかの実施形態では、第1の位置エンコーダ240は、左右方向におけるレーザ源110a~110dの座標(すなわち、x座標)を検出するためにプラットフォーム230に隣接して配置することができ、第2の位置エンコーダ242は、前後方向におけるレーザ源110a~110dの座標(すなわち、y座標)を検出するために第1のベースプレート210に隣接して配置することができる。第1の位置エンコーダ240および第2の位置エンコーダ242は、レーザ源110a~110dのx-y座標をプロセッサ190に入力し、物体150の三次元画像を構築するために使用することができる。
【0026】
[0048]他の実施形態では、他の種類の撓み機構を走査ライダセンサに使用することができる。走査ライダセンサに関するさらなる説明は、2016年9月16日に出願された米国特許出願第15/267,558号に提供されており、その開示全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、レーザパルスをコリメートおよび集束するために屈折レンズを使用する代わりに、レーザパルスをコリメートおよび集束するために反射レンズまたはミラーを使用することができる。当業者は、多くの変形、代替、および修正を認識するであろう。
I.ライダシステム用の走査装置および方法
【0027】
[0049]図1および図2に関連して上述したような走査ライダは、走査機構によって引き起こされる振動に敏感であり得る。例えば、図2に示す走査ライダシステムでは、プラットフォーム230の左右方向または前後方向への往復走査運動によって、ライダシステム全体が振動することがある。このような振動は、ライダシステムの性能を損なう可能性がある。例えば、ライダシステムによって取得された三次元画像は、そのような振動のために不安定であり得る。したがって、本発明の実施形態は、振動を軽減するために走査ライダシステムにおいてカウンタバランス技術を用いることができる。
【0028】
[0050]図3は、本発明のいくつかの実施形態による、走査ライダシステム300の概略断面図である。ライダシステム300は、固定フレーム310と、固定フレーム310に柔軟に取り付けられた第1のプラットフォーム320と、固定フレーム310に柔軟に取り付けられた第2のプラットフォーム350とを含むことができる。ライダシステム300は、第1のプラットフォーム320に取り付けられたレンズアセンブリをさらに含んでもよい。レンズアセンブリは、レンズマウント330に装着された第1のレンズ342および第2のレンズ344を含むことができる。第1のレンズ342および第2のレンズ344の各々は、単一のレンズ要素、または図3に示すように複数のレンズ要素を含むことができる。第1のレンズ342は、第1の方向(例えば、Z軸の方向)の第1の光軸と(例えば、X-Y平面内の)第1の焦点面とを画定し得る。第2のレンズ344は、第1の光軸に実質的に平行な第2の光軸と(例えば、X-Y平面内の)第2の焦点面とを画定し得る。いくつかの実施形態では、第1のレンズ342および第2のレンズ344は、実質的に同じ焦点距離を有することができ、それにより第1の焦点面および第2の焦点面が実質的に同一平面上にあってもよい。
【0029】
[0051]ライダシステム300は、第2のプラットフォーム350に取り付けられた電気光学アセンブリをさらに含んでもよい。電気光学アセンブリは、第2のプラットフォーム350に装着された1つまたは複数のレーザ源360および1つまたは複数の光検出器370を含むことができる。第2のプラットフォーム350は、例えば、1つまたは複数のレーザ源360および1つまたは複数の光検出器370を駆動するための電気回路を含むプリント回路基板とすることができる。第2のプラットフォーム350は、固定フレーム310に柔軟に取り付けられ、第1の光軸または第2の光軸の方向(例えば、Z方向)に第1のプラットフォーム320から離れて配置されてもよく、それにより1つまたは複数のレーザ源360が第1のレンズ342の第1の焦点面に実質的にあり、1つまたは複数の光検出器370が第2のレンズ344の第2の焦点面に実質的にある。各光検出器370は、上述のように、互いに対して光学的に共役になるように第2のプラットフォーム350の対応するレーザ源360から離して配置することができる。
【0030】
[0052]いくつかの実施形態では、第1のプラットフォーム320は、第1のアクチュエータ382を使用して第1のプラットフォーム320が第1の平面(例えば、X-Y平面)内で並進することができるように、第1の撓み部322を介して固定フレーム310に柔軟に取り付けることができる。第2のプラットフォーム350は、第2のアクチュエータ384を使用して第2のプラットフォーム350が第2の平面(例えば、X-Y平面)内で並進することができるように、第2の撓み部352を介して固定フレーム310に柔軟に取り付けることができる。第1のアクチュエータ382および第2のアクチュエータ384の各々は、ボイスコイルおよび磁石、ピエゾモータなどを備えることができる。
【0031】
[0053]ライダシステム300は、第1のアクチュエータ382および第2のアクチュエータ384に結合されたコントローラ390をさらに含んでもよい。コントローラは、第1のプラットフォーム320を第1のアクチュエータ382を介して第1の平面内の複数の第1の位置に並進させ、第2のプラットフォーム350を第2のアクチュエータ384を介して第2の平面内の複数の第2の位置に並進させるように構成することができる。第2のプラットフォーム350の各それぞれの第2の位置は、第1のプラットフォーム320のそれぞれの第1の位置に対応し得る。いくつかの実施形態では、第2のプラットフォーム350の運動は、図3の矢印によって示すように、第1のプラットフォーム320の運動と実質的に反対であり得る。このようにして、レンズアセンブリの運動によって引き起こされるあらゆる振動は、電気光学アセンブリの運動によって引き起こされるあらゆる振動をある程度相殺することができる。したがって、ライダシステム300が外部フレームに与える正味の振動は、最小となり得る。
【0032】
[0054]いくつかの実施形態では、第1のプラットフォーム320および第2のプラットフォーム350は、レンズアセンブリの惰力と電気光学アセンブリの惰力とが互いに実質的に相殺するように互いに対して並進する。例えば、第1のプラットフォーム320の運動量は、レンズアセンブリの質量に反比例し得、第2のプラットフォーム350の運動量は、電気光学アセンブリの質量に反比例し得る。このようにして、ライダシステム300が外部フレームに与える正味の振動は、ごくわずかになり得る。
【0033】
[0055]図4は、本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダシステム400の概略断面図である。ライダシステム400は、図3に示すライダシステム300と同様であるが、固定フレーム310に取り付けられたポスト410と、ポスト410に取り付けられた連結部材420とをさらに含んでもよい。連結部材420は、第1のプラットフォーム320と第2のプラットフォーム350との間の往復運動を容易にするように、第1の撓み部322と第2の撓み部352とを互いに機械的に結合することができる。いくつかの実施形態では、単一のアクチュエータ384は、第1のプラットフォーム320の運動と第2のプラットフォーム350の運動の両方を連結部材420を介して制御するために第1のプラットフォーム320または第2のプラットフォーム350に結合することができる。
【0034】
[0056]連結部材420は、第1のプラットフォーム320および第2のプラットフォーム350を反対方向に移動させるように構成されてもよい。例えば、連結部材420は、図4に示すように、枢動点424でポスト410に取り付けられたアーム422を含むことができる。第2のプラットフォーム350がアクチュエータ384を使用して第2の撓み部352を介して並進すると、アーム422は、枢動点424を中心に回転することができ、それにより次に第1のプラットフォーム320を、第1の撓み部322を介して第2のプラットフォーム350の運動に対して反対方向に移動させることができる。連結部材420は、ベアリングまたは撓みアタッチメントによって枢動点424を中心に枢動することができ、摩擦損失を加えることなく枢動運動が可能となり得る。連結部材420のアーム422はまた、ベアリングまたは撓み部によって第1のプラットフォーム320および第2のプラットフォーム350に取り付けられてもよい。アクチュエータ384は、図4では第2のプラットフォーム350に取り付けられているように示されているが、アクチュエータ384は、いくつかの他の実施形態では、第1のプラットフォーム320の運動が連結部材420を介して第2のプラットフォーム350の往復運動を引き起こし得るように、第1のプラットフォーム320に取り付けられてもよいことに留意されたい。
【0035】
[0057]いくつかの実施形態では、連結部材は、第1のプラットフォーム320の運動速度がレンズアセンブリの質量に実質的に反比例し、第2のプラットフォーム350の運動速度が電気光学アセンブリの質量に実質的に反比例するように構成され得、その結果、レンズアセンブリの惰力と電気光学アセンブリの惰力とは、互いに実質的に相殺する。したがって、ライダシステム300が外部フレームに与える正味の振動は、ごくわずかになり得る。例えば、図4に示すように、枢動点424は、枢動点424から第1の撓み部322に取り付けられるアーム422の端部までの距離aと、枢動点424から第2の撓み部352に取り付けられるアーム422の他の端部までの距離bとの比がレンズアセンブリの質量と電気光学アセンブリの質量との比に反比例し得るように配置され得る。
【0036】
[0058]図5は、本発明のいくつかのさらなる実施形態による、走査ライダシステム500の概略断面図である。ライダシステム500は、図3に示すライダシステム300と同様であるが、ここでは、第1のプラットフォーム320と第2のプラットフォーム350とは、アクチュエータ382を介して互いに結合される。アクチュエータ382は、第1のプラットフォーム320および第2のプラットフォーム350を反対方向に移動させるように構成されてもよい。例えば、アクチュエータ382は、ボイスコイルと、第1の撓み部322に取り付けられた第1の磁石と、第2の撓み部352に取り付けられた第2の磁石510とを含むことができる。ボイスコイルを作動させると、図5の矢印によって示すように、第1のプラットフォーム320を一方向に移動させ、第2のプラットフォーム350を反対方向に移動させることができる。
【0037】
[0059]図6は、本発明のいくつかの実施形態による、走査ライダシステムを使用した三次元撮像の方法600を示す簡易フローチャートである。方法600は、602において、レンズアセンブリを複数の第1の位置に並進させることを含むことができる。レンズアセンブリは、第1の方向の第1の光軸と第1の焦点面とを画定する第1のレンズと、第1の光軸に実質的に平行な第2の光軸と第2の焦点面とを画定する第2のレンズとを含むことができる。
【0038】
[0060]方法600は、604において、電気光学アセンブリを複数の第2の位置に並進させることをさらに含んでもよく、電気光学アセンブリは、レンズアセンブリの運動と実質的に反対の方向に移動する。各それぞれの第2の位置は、レンズアセンブリのそれぞれの第1の位置に対応する。電気光学アセンブリは、第1のレンズの第1の焦点面に実質的に配置された第1のレーザ源と、第2のレンズの第2の焦点面に実質的に配置された第1の光検出器とを含んでもよい。第1のレーザ源と第1の光検出器とは、互いに対して光学的に共役になるように互いに離間している。
【0039】
[0061]方法600は、606において、複数の第2の位置の各々において、第1のレーザ源を使用して、レーザパルスを発光することと、608において、第1のレンズを使用して、レーザパルスを1つまたは複数の物体に向けてコリメートして向けることとをさらに含んでもよい。レーザパルスの一部は、1つまたは複数の物体から反射されてもよい。方法600は、610において、方法は、第2のレンズを使用して、1つまたは複数の物体から反射されたレーザパルスの一部を第1の光検出器に受光して集束することと、612において、第1の光検出器を使用して、レーザパルスの一部を検出することと、614において、プロセッサを使用して、レーザパルスを発光することとレーザパルスの一部を検出することとの間の飛行時間を決定することとをさらに含む。方法600は、616において、決定された飛行時間に基づいて1つまたは複数の物体の三次元画像を構築することをさらに含んでもよい。
【0040】
[0062]いくつかの実施形態では、レンズアセンブリおよび電気光学アセンブリは、レンズアセンブリの惰力と電気光学アセンブリの惰力とが互いに実質的に相殺するように互いに対して並進することができる。いくつかの実施形態では、レンズアセンブリと電気光学アセンブリとは、レンズアセンブリと電気光学アセンブリとの間の往復運動を容易にするように連結部材を介して互いに機械的に結合することができ、レンズアセンブリを並進させることおよび電気光学アセンブリを並進させることは、レンズアセンブリまたは電気光学アセンブリのうちの1つに結合されたアクチュエータを介して行われる。いくつかの他の実施形態では、レンズアセンブリと電気光学アセンブリとは、アクチュエータを介して互いに機械的に結合することができ、レンズアセンブリを並進させることおよび電気光学アセンブリを並進させることは、アクチュエータを介して行われる。
【0041】
[0063]いくつかの実施形態では、レンズアセンブリを並進させることは、レンズアセンブリを一次元でラスタ走査することを含むことができ、電気光学アセンブリを並進させることは、電気光学アセンブリを一次元でラスタ走査することを含むことができる。いくつかの他の実施形態では、レンズアセンブリを並進させることは、レンズアセンブリを二次元でラスタ走査することを含むことができ、電気光学アセンブリを並進させることは、電気光学アセンブリを二次元でラスタ走査することを含むことができる。
【0042】
[0064]図6に示す特定のステップは、本発明の一実施形態によるライダシステムを使用して三次元撮像を行う特定の方法を提供することを理解されたい。他の一連のステップもまた、代替の実施形態に従って行われ得る。例えば、本発明の代替の実施形態は、上で概説したステップを異なる順番で行うことができる。さらに、図6に示す個々のステップは、個々のステップに適切であるように様々な順序で行われ得る複数のサブステップを含むことができる。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加することができ、いくつかのステップを削除することができる。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
II.ライダシステムにおける振動相殺用のシステム
【0043】
[0065]上述のように、走査ライダシステムは、内部振動だけでなく外部振動にも敏感であり得る。本発明のいくつかの実施形態によれば、ライダシステムは、振動の影響を軽減するために防振マウントおよび能動的振動管理システムを利用することができる。
【0044】
[0066]図7は、本発明のいくつかの実施形態による、走査ライダセンサにおける振動管理のためのシステム700を概略的に示す図である。システム700は、外部フレーム710と、内部フレーム720とを含むことができる。ライダセンサ730は、内部フレーム720に取り付けられてもよい。ライダセンサ730は、走査用の移動部を含むことができる。例えば、ライダセンサ730は、レンズアセンブリと、電気光学アセンブリとを含むことができ、それらの一方または両方は、図1図5に示すライダセンサと同様に、内部フレーム720に対して並進され得る。内部フレーム720は、ライダセンサ用のハウジングとなり得る。外部フレーム710は、ライダセンサが三次元検知に利用される車両、無人機などであり得る。例えば、自律走行車両では、外部フレーム710は、ライダセンサ730の内部フレーム720が装着される車両のフロントバンパであり得る。外部フレーム710は、内部フレーム720よりも大きいサイズのハウジングであってもよい。いくつかの実施形態では、内部フレーム720は、防振マウント742および744を使用して外部フレーム710に取り付けることができる。防振マウント742および744は、ゴム製ダンパ、ばね、または他の種類の衝撃吸収材を含むことができる。
【0045】
[0067]システム700は、能動的振動管理機構をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、システム700は、外部振動によって引き起こされる内部フレーム720の残留運動を測定するために内部フレーム720に結合された第1のセンサ752を含むことができる。第1のセンサ752はまた、ライダセンサ730の内部走査機構から生じる運動および振動を測定するために使用されてもよい。第1のセンサ752は、内部センサと呼ばれることがある。第1のセンサ752は、1軸、2軸、または3軸に沿って(例えば、X、Y、および/またはZ軸に沿って)運動を測定することができる加速度計を備えることができる。いくつかの他の実施形態では、第1のセンサ752は、エンコーダ、容量センサ、ホールセンサなどの変位センサを備えてもよい。
【0046】
[0068]システム700は、内部フレーム720を外部フレーム710に対して移動させるために内部フレーム720に結合された1つまたは複数のアクチュエータ762および764をさらに含んでもよい。例えば、図7に示すように、第1のアクチュエータ762は、内部フレーム720を外部フレーム710に対して上下に(例えば、Z軸に沿って)移動させるように構成されてもよく、第2のアクチュエータ764は、内部フレーム720を外部フレーム710に対して前後に(例えば、X軸に沿って)移動させるように構成されてもよい。同様に、第3のアクチュエータ(図7には図示せず)は、内部フレーム720を外部フレーム710に対して左右に(例えば、Y軸に沿って)移動させるように構成されてもよい。第1のアクチュエータ762および第2のアクチュエータ764の各々は、ボイスコイルモータ、ピエゾモータなどを備えることができる。
【0047】
[0069]システム700は、第1のセンサ752、第1のアクチュエータ762、および第2のアクチュエータ764に結合されたコントローラ790をさらに含んでもよい。コントローラ790は、外部または内部振動によって引き起こされる内部フレーム720の残留運動に対して「フィードバック」補償を行うように構成され得る。例えば、コントローラ790は、第1のセンサ752によって測定された内部フレーム720の運動量に基づいて、内部フレーム720を、第1のアクチュエータ762を介して上下に(例えば、Z軸に沿って)並進させるか、または第2のアクチュエータ764を介して前後に(例えば、X軸に沿って)並進させることができる。
【0048】
[0070]システム700は、運動が防振マウント742および744によって減衰される前に外部フレーム710の振動運動を測定するように外部フレーム710に結合された第2のセンサ754をさらに含んでもよい。第2のセンサ754は、外部センサと呼ばれることがある。例えば、自律走行車両に適用されると、外部フレーム710の振動運動は、不均一な道路、道路騒音、エンジン騒音など、ならびにライダシステムの走査機構からの内部騒音に起因し得る。第2のセンサ754は、1軸、2軸、または3軸に沿って(例えば、X、Y、および/またはZ軸に沿って)運動を測定することができる加速度計を備えることができる。いくつかの他の実施形態では、第2のセンサ754は、エンコーダ、容量センサ、ホールセンサなどの変位センサを備えてもよい。
【0049】
[0071]いくつかの実施形態では、コントローラ790はまた、第2のセンサ754に結合され、第2のセンサ754によって測定された外部フレーム710の運動量に基づいて「フィードフォワード」補償を行うように構成され得る。外部振動および共振に対するシステム応答のモデル化は、フィードフォワード補正を制御するために使用され得る。フィードフォワード補正は先を見越しているため、反応性のフィードバック補正と比較してより早く応答し得る。
【0050】
[0072]場合によっては、内部フレーム720の並進運動は、外部フレーム710の振動によって引き起こされる大きな運動を適切に補償しないことがある。例えば、自動車が大きなポットホールにぶつかると、自動車は、そのピッチ内で大きな揺動運動(例えば、Y軸を中心とした回転)を行うことがある。補償されないままでいると、この揺動運動により、ライダは自動車の前方を向くのではなく空に向かって上向きに、または地面に向かって下向きになり得る。したがって、いくつかの実施形態では、内部フレーム720は、外部フレーム710のそのような傾斜運動を補償するために上下(および/または左右)に傾斜させることができる。例えば、第1のアクチュエータ762が防振マウント742および744の間で偏心して配置される場合、内部フレーム720は、第1のアクチュエータ762を介してY軸を中心に上下に傾斜してもよい。
【0051】
[0073]いくつかの実施形態では、第1のセンサ752および/または第2のセンサ754からの信号は、機械的にまたはデジタル的に、画像安定化のために使用され得る。大部分の機械的画像安定化は、上述したように振動相殺によって達成することができる。しかしながら、機械的振動モードの複雑さにより、コントローラ790は、画像安定化をより効果的に提供するためにそのフィードバック制御に対してモデルまたは経験的アプローチを利用し得る。さらに、第1のセンサ752(および利用可能であれば第2のセンサ754)からの信号は、ライダセンサ730用の画像処理ユニットに送信することができる。第1のセンサ752および/または第2のセンサ754によって検出された残留誤差は、画像をデジタル的にシフトさせるために画像処理ユニットによって使用することができ、したがってデジタル画像安定化機能を提供する。
【0052】
[0074]図8は、本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダセンサにおける振動管理のためのシステム800を概略的に示す図である。システム800は、図7に示すシステム700と同様であるが、第1のアクチュエータ762から離れて配置された第3のアクチュエータ766をさらに含んでもよい。コントローラは、第3のアクチュエータ766にさらに結合され、第1のアクチュエータ762によって初めに内部フレーム720を押し、第3のアクチュエータ766によって内部フレーム720を引くことによって、またはその逆によって、外部フレーム710のピッチ運動(例えば、Y軸を中心とした回転)を補償するように構成され得る。同様に、システム800は、外部フレーム710のヨー運動(例えば、Z軸を中心とした回転)を補償するために、第2のアクチュエータ764から(例えば、Y軸に沿って)離れて配置された第4のアクチュエータ(図8には図示せず)をさらに含んでもよい。
【0053】
[0075]本発明のいくつかの他の実施形態によれば、反対方向に移動する質量を能動的振動管理に使用することができる。図9は、本発明のいくつかの実施形態による、走査ライダセンサにおける振動管理のためのシステム900を概略的に示す図である。システム900は、内部フレーム720に移動可能に取り付けられたカウンタマス910を含むことができる。システム900は、カウンタマス910をZ軸に沿って(例えば、上下に)移動させるためにカウンタマス910に機械的に結合された第1のアクチュエータ922をさらに含んでもよい。第1のアクチュエータ922は、ボイスコイルモータ、ピエゾモータなどを備えることができる。
【0054】
[0076]コントローラ990は、第1のセンサ752および第1のアクチュエータ922に結合され、第1のセンサ752によって測定された内部フレーム720の運動量に基づいて第1のアクチュエータ922を制御するように構成されてもよい。例えば、第1のセンサ752が内部フレーム720の(例えば、正のZ方向に沿った)上向きの運動を検知したことに応答して、コントローラ990は、カウンタマス910を内部フレーム720に対して下向きに(例えば、負のZ方向に沿って)移動させることができ、その結果、内部フレーム720の正味の移動が実質的にゼロになり得る。いくつかの実施形態では、カウンタマス910は、ライダセンサ730の質量および他の関連部分を含む内部フレーム720の質量中心付近に配置されるのが好ましい。
【0055】
[0077]いくつかの実施形態では、システム900はまた、カウンタマス910をX軸に沿って(例えば、前後に)移動させるためにカウンタマス910に機械的に結合された第2のアクチュエータ924をさらに含んでもよい。コントローラ990は、第2のアクチュエータ924にさらに結合され、第1のセンサ752によって測定された内部フレーム720のX軸に沿った運動量に基づいてカウンタマス910をX軸に沿って移動させるように構成され得、その結果、X軸に沿った内部フレーム720の正味の運動がほぼゼロになる。同様に、システム900はまた、カウンタマス910をY軸に沿って移動させるための第3のアクチュエータ(図9には図示せず)を含むことができる。
【0056】
[0078]いくつかの実施形態では、コントローラ990はまた、第2のセンサ754(すなわち、外部センサ)に結合され、したがって第2のセンサ754によって測定された外部フレーム710の運動量に基づいてカウンタマス910を移動させることによって外部振動の「フィードフォワード」補償を行うように構成されてもよい。上述したように、フィードフォワード補正は、フィードバック補正よりも早く応答し得る。
【0057】
[0079]いくつかの実施形態では、能動的振動管理のために複数のカウンタマスを展開することができる。図10は、本発明のいくつかの他の実施形態による、走査ライダセンサにおける振動管理のためのシステム1000を概略的に示す図である。図9に示すシステム900と同様に、システム1000は、内部フレーム720に移動可能に取り付けられた第1のカウンタマス910と、第1のカウンタマス910をZ軸に沿って移動させるために第1のカウンタマス910に機械的に結合された第1のアクチュエータ922と、第1のカウンタマス910をX軸に沿って移動させるために第1のカウンタマス910に機械的に結合された第2のアクチュエータ924とを含むことができる。加えて、システム1000は、内部フレーム720に移動可能に取り付けられた第2のカウンタマス912と、第2のカウンタマス912をZ軸に沿って移動させるために第2のカウンタマス912に機械的に結合された第3のアクチュエータ936と、第2のカウンタマス912をX軸に沿って移動させるために第2のカウンタマス912に機械的に結合された第4のアクチュエータ938とを含むことができる。システム1000は、単一のアクチュエータが内部フレーム720の質量中心と一致して作動しないかもしれないという事実を考慮することが可能である。また、第1のカウンタマス910と第2のカウンタマス912の互いに対する相対移動は、ねじれ振動を補償するように、内部フレーム720のY軸を中心とした回転(すなわち、ピッチ運動)またはX軸を中心とした回転(すなわち、ロール運動)などの内部フレーム720のねじれ運動を引き起こし得る。
III.走査ライダシステムにおける光学部品用の装着装置
【0058】
[0080]本発明のいくつかの実施形態によれば、複数のレーザ源および/または複数の光検出器を、レンズの像面湾曲を考慮した構成でプラットフォームに装着することができる。「像面の湾曲」または「ペッツバールの像面湾曲」としても知られている像面湾曲は、光軸に垂直な平坦な物体を、平坦な像面上に適切に焦点を合わせることができない光学収差を表す。すべての平面波面がレンズから距離fの点に集束する単一要素レンズシステムを考える。fは、レンズの焦点距離である。このレンズを平坦な画像センサから距離fだけ離して載置すると、光軸近くの像点は完全に焦点が合っているかもしれないが、軸から外れる光線は画像センサの前に焦点が合ってくる可能性がある。撮像面が球面状であるとき、これはそれほど問題ではないかもしれない。現代のレンズ設計、例えば複数のレンズ要素を利用するレンズ設計はある程度像面湾曲を最小化する(または「視野を平坦化する」)ことができるかもしれないが、いくらかの残留像面湾曲が依然として存在する可能性がある。
【0059】
[0081]レンズの像面湾曲が存在するとき、複数のレーザ源110a~110dが図2に示すように平面上に装着される場合、光軸から外れて配置されたレーザ源によって発光されたレーザパルスは、発光レンズ130の像面湾曲のために発光レンズ130によって完全にコリメートされない可能性がある。同様に、複数の光検出器160a~160dが図2に示すように平面上に装着される場合、物体から反射されたレーザパルスは、受光レンズ140の像面湾曲のために光軸から外れて配置された光検出器において、受光レンズ140によって完全に集束されない可能性がある。
【0060】
[0082]図11は、いくつかの実施形態による、レンズ像面湾曲を考慮に入れることができる走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。レンズ1110は、レンズホルダ1120に装着することができる。レンズ1110は、レンズ中心1114を通過する光軸1112、およびレンズ1110からの距離fにおける最良焦点面1116によって特徴付けられ得、fは、レンズ1110の焦点距離である。最良焦点面1116は、上述したように像面湾曲により湾曲し得、レンズ1110の湾曲した「焦点面」と呼ばれることがある。複数のレーザ源1130は、光軸1112に沿ってレンズ1110からほぼ距離fのところに配置されたプラットフォーム1140の面1142に装着することができる。いくつかの実施形態では、プラットフォーム1140の面1142は、レンズ1110の最良焦点面1116と実質的に一致する湾曲形状を有することができ、その結果、複数のレーザ源1130の各々の発光面1132は、レンズ1110の最良焦点面1116にほぼあり得る。複数のレーザ源1130をこの構成に装着することによって、各レーザ源1130によって発光されたレーザパルスは、レーザ源1130が光軸1112から外れて配置されていてもレンズ1110によってほぼ完全にコリメートされ得る。
【0061】
[0083]例えば、レンズ1110の最良焦点面1116が球面形状を有すると仮定すると、プラットフォーム1140の面1142は、球面形状を有するように構成されてもよく、その結果、各レーザ源1130の発光面1132は、レンズ1110の最良焦点面1116に実質的にあり得る。レンズ1110の最良焦点面1116が楕円形、円錐形、または波形状などの球面状以外の湾曲形状を有する場合、プラットフォーム1140の面1142は、それに応じて成形されてもよい。
【0062】
[0084]同様に、図11に示す複数のレーザ源1130は、複数の光検出器に置き換えてもよく、それにより複数の光検出器1130の各々の検出面1132は、レンズ1110の最良焦点面1116に実質的にあることができる。この構成では、物体から反射されたレーザパルスは、光検出器1130がレンズ1110の光軸1112から外れて配置されていても各光検出器1130の検出面1132でレンズ1110によってほぼ完全に集束され得る。
【0063】
[0085]いくつかの実施形態では、複数のレーザ源と複数の光検出器が、同じレンズを共有してもよい。光検出器は、それらの対応するレーザにごく近接して載置されてもよく、その結果、いくらかの戻り光が光検出器によって遮られる。側面、レーザの前方、またはレーザの後方のいずれかの配置が可能である。レーザビームが典型的には狭い角度分布を有し、レンズの中心部分のみを利用するので、球面収差などの特定のレンズ収差は、出射するレーザビームの焦点特性を過度に乱すことなく、レンズの外側部分から光検出器にいくらかの戻り光を向けるために有利に用いることができる。代替の設計では、ビームスプリッタを利用して、出射するビームと入射するビームを分離することができる。これにより、レーザと検出器が空間において物理的に重ならずにレンズの共役点を共有することが可能になる。
【0064】
[0086]図12は、いくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。ここで、プラットフォーム1240は、平面1242を有することができ、複数のレーザ源(または光検出器)1130は、プラットフォーム1240の平面1242に装着することができる。複数のレーザ源1130は、レンズ1110の光軸1112に対するそれらの位置に応じて様々な高さhを有することができ、その結果、各それぞれのレーザ源1130の発光面1132は、レンズ1110の最良焦点面1116に実質的にあることができる。例えば、最良焦点面1116の球面形状に対して、光軸1112からより遠いレーザ源1130は、最良焦点面1116の曲率を考慮するように、図12に示すように光軸1112に近いレーザ源1130よりも高い高さを有することができる。一例として、各レーザ源1130(または光検出器ダイ)は、ダイをパッケージの底部よりも上のそれぞれの高さhに載置するそれぞれの面実装パッケージに載置することができる。それぞれの高さhは、光軸1112に対するレーザ源1130(または光検出器ダイ)の位置に応じて変わり得る。パッケージはその後、各ダイがレンズ1110の像点に正しく位置するように載置および配置されたプリント回路基板にはんだ付けされる。
【0065】
[0087]図13は、いくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。ここで、複数のレーザ源(または光検出器)1130は、実質的に同じ高さhを有し得る。しかし、プラットフォーム1340は、各それぞれのレーザ源1130の発光面1132がレンズ1110の最良焦点面1116に実質的にあることができるように、段差状の輪郭を有する面1342を有することができる。
【0066】
[0088]いくつかの実施形態では、レーザ源および光検出器は、レンズの起こり得る歪みおよび口径食も考慮に入れた構成で装着することができる。図14は、いくつかのさらなる実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。図11に示す装着構成と同様に、複数のレーザ源(または光検出器)1130は、各レーザ源1130の発光面1132がレンズ1110の最良焦点面1116に実質的にあるようにプラットフォーム1140の湾曲面1142に装着されてもよい。加えて、複数のレーザ源1130は、各レーザ源1130の発光面1132の法線がレンズ中心1114を実質的に向くように、様々な角度で傾斜される。この構成では、光軸1112から外れて配置されたレーザ源1130によって発光されたレーザパルスは、最小限の歪みおよび口径食でレンズ1110によってコリメートされてもよい。「レンズ中心」という用語は、レンズ1110の光学中心を指すことがあることを理解されたい。レンズ中心1114は、レンズ1110が薄いレンズとして特徴付けられ得る場合にレンズ1110の幾何学的中心であり得る。一部の複合レンズは、部分的にテレセントリックであり得、その場合、レーザ発光または検出器面に対する法線の好ましい配向は、レンズの幾何学的中心ではなくレンズの光学中心を向くことがあり、典型的には、レンズの光軸により近い角度にある。
【0067】
[0089]いくつかの実施形態では、複数の光検出器をプラットフォーム1140の平面上に装着することができる。いくつかの他の実施形態では、複数の光検出器は、各光検出器の検出面がレンズ中心1114を実質的に向くように、プラットフォーム1140の湾曲面1142に装着することができる。したがって、画像光線は、光検出器の検出面に実質的に垂直に光検出器に衝突することができ、それによって最適な検出効率が達成され得る。
【0068】
[0090]図15は、いくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。ここで、プラットフォーム1540は、各ファセット1544の法線がレンズ1110のレンズ中心1114を実質的に向くように、配向が異なる複数のファセットを含む面1542を有することができる。複数のレーザ源の各々は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)などの面発光レーザ、またはその光がパッケージに対して垂直に発光されるような配向でパッケージに装着された側面発光レーザを含むことができる。
【0069】
[0091]図16は、いくつかの実施形態に従って利用することができる、レーザ源1600の概略断面図である。レーザ源1600は、平らな面1622を有するチップベース1620に装着された面発光レーザチップ1610を含むことができる。レーザ源1600は、透明カバー1604で覆われてもよく、チップベース1620にはんだパッド1606および1608を含むことができる。レーザ源1600は、例えば、プリント回路基板の面にはんだ付けされるように設計されたパッケージとすることができる。
【0070】
[0092]図17は、いくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。ここで、複数のレーザ源1730は、平面1742を有するプラットフォーム1740に装着される。複数のレーザ源1730は、光軸1112に対する各それぞれのレーザ源1730の位置に応じて様々な高さhおよび様々な面勾配角度を有することができ、それにより各それぞれのレーザ源1730の発光面1732の法線がレンズ中心1114を実質的に向く。
【0071】
[0093]図18Aおよび図18Bは、いくつかの実施形態に従って利用することができる、いくつかの例示的なレーザ源1810および1820の概略断面図である。レーザ源1810および1820の各々は、勾配面1814または1824を有するチップベース1812または1822に面実装された面発光レーザチップ1802を含むことができる。面勾配角度αおよびベース高さhは、上述のように光軸に対するレーザ源の位置に応じて変わり得る。例えば、光軸1112の近くに配置されたレーザ源は、図18Aに示すように比較的小さい勾配角度αを有してもよく、光軸1112からより遠くに配置されたレーザ源は、図18Bに示すように比較的大きい勾配角度αを有してもよい。レーザ源1810または1820は、透明カバー1804で覆われてもよく、チップベース1812または1822にはんだパッド1806および1808を含むことができる。レーザ源1810または1820は、例えば、プリント回路基板の面にはんだ付けされるように設計されたパッケージとすることができる。いくつかの他の実施形態では、側面発光レーザチップも使用することができ、その場合、レーザチップは、その光が面1814または1824に垂直に発光されるようにパッケージ内で配向することができる。
【0072】
[0094]図19は、いくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。ここで、複数のレーザ源1930は、実質的な平面1942を有するプラットフォーム1940に装着される。複数のレーザ源1930は、実質的に同じ高さhを有するが、レンズの光軸1112に対する各それぞれのレーザ源1930の位置に応じて様々な面勾配角度を有することができ、それにより各それぞれのレーザ源1930の発光面1132の法線がレンズ中心1114を実質的に向く。図示のように、各それぞれのレーザ源1930の発光面1932は、レンズ1110の焦点面1916に実質的にあり得る。
【0073】
[0095]図20は、いくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。ここで、複数のレーザ源2030は、実質的な平面1942を有するプラットフォーム1940に装着される。複数のレーザ源2030の各々は、各それぞれのレーザ源2030の発光面2032の法線がレンズ中心1114を実質的に向くように、それぞれの傾斜角度で傾斜させることができる。図示のように、各それぞれのレーザ源2030の発光面2032は、レンズ1110の焦点面1916に実質的にあり得る。
【0074】
[0096]図21は、いくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略断面図である。ライダシステムは、第1のレンズ2110および第2のレンズ2120を含むことができる。第1のレンズ2110は、レンズ中心2114を有し、第1の方向に沿った第1の光軸2112および第1の最良焦点面2116によって特徴付けられる。第2のレンズ2120は、レンズ中心2124を有し、第1の光軸2112に実質的に平行な第2の光軸2122および第2の最良焦点面2126によって特徴付けられる。
【0075】
[0097]ライダシステムは、プラットフォーム2150に装着された複数の面発光レーザ源2130および複数の光検出器2140をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、プラットフォーム2150は、プリント回路基板である。プラットフォーム2150は、第1の方向に沿って第1のレンズ2110および第2のレンズ2120から離間している。いくつかの実施形態では、プラットフォーム2150は、複数の第1のファセット2154を含む面2152(用紙に垂直な方向、すなわち、Z方向に実質的に延びる)を有することができる。各面発光レーザ源2130は、それぞれの第1のファセット2154に装着することができる。複数の第1のファセット2154は、各それぞれのレーザ源2130の発光面2132が第1のレンズ2110の第1の最良焦点面2116に実質的にあり、その法線が第1のレンズ2110のレンズ中心2114を実質的に向くように配置および配向されてもよい。プラットフォーム2150の面2152は、複数の第2のファセット2156をさらに含んでもよい。各光検出器2140は、それぞれの第2のファセット2156に装着することができる。複数の第2のファセット2156は、各それぞれの光検出器2140の検出面2142が、対応するレーザ源2130のそれぞれの位置と光学的に共役である第2のレンズ2120の第2の最良焦点面2126のそれぞれの位置にあるように配置されてもよい。複数の第2のファセット2156は、検出面2142の法線が第2のレンズ2120のレンズ中心2124を実質的に向くことができるように配向されてもよい。
【0076】
[0098]図22は、いくつかの他の実施形態による、走査ライダシステムにおける光学部品の装着構成の概略上面図である。ここで、プラットフォーム2250(例えば、プリント回路基板)は、X-Y平面内(すなわち、用紙の平面内)の平面2252と、Z方向(すなわち、用紙に垂直な方向)に延びる縁面2254とを有することができる。図23は、図22に示すように、複数のレーザ源2130および複数の光検出器2140が装着されたプラットフォーム2250の概略斜視図である。複数の縁発光レーザ源2230の各々は、縁発光レーザ源を備えることができる。複数のレーザ源2230は、円弧に沿ってアレイとしてプラットフォーム2250の平面2252上に配置することができ、それにより各それぞれのレーザ源2230の発光面2232が第1のレンズ2110の最良焦点面2116に実質的にあり、その法線が第1のレンズ2110のレンズ中心2114を実質的に向く。プラットフォーム2250の縁面2254は、複数のファセット2256を含むことができる。各光検出器2140は、縁面2254のそれぞれのファセット2256に装着することができる。複数のファセット2256は、各それぞれの光検出器2140の検出面2142が、対応するレーザ源2230のそれぞれの位置と共役である第2のレンズ2120の最良焦点面2126のそれぞれの位置にあるように配置されてもよい。複数の第2のファセット2256は、検出面2142の法線が第2のレンズ2120のレンズ中心2124を実質的に向くことができるように配向されてもよい。
【0077】
[0099]本明細書に記載の例および実施形態は例示を目的としたものにすぎず、それを考慮した様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることもまた理解される。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23