(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】宅配ロッカー
(51)【国際特許分類】
A47G 29/122 20060101AFI20220930BHJP
【FI】
A47G29/122 Z
(21)【出願番号】P 2018054737
(22)【出願日】2018-03-22
【審査請求日】2021-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝政
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-115133(JP,A)
【文献】特開平10-295532(JP,A)
【文献】実開昭60-191232(JP,U)
【文献】特開2014-094113(JP,A)
【文献】実公昭50-017546(JP,Y1)
【文献】実公昭50-017547(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/12-29/30
A47B 47/00-47/05
A47B 55/00-55/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方体箱状に形成され、荷物を収容可能な収容空間を内部に有するとともに、その前面に開口部を有し、鉛直方向へ積層して配置される複数の内側パネルと、
前記内側パネルの鉛直方向への積層に際して、上下
で隣り合う前記内側パネルの
左側板同士を連結する
左側連結部材、及び上下で隣り合う前記内側パネルの右側板同士を連結する右側連結部材の2つの連結部材
を1組として、上下で隣り合う前記内側パネル同士の連結毎に用いられる少なくとも1組以上の前記連結部材と、
前記内側パネルの開口部に配置され、前記開口部を開閉する扉部材と、
鉛直方向へ延びる柱体で、前記内側パネルの積層体の四隅に対応して配されており、複数の前記内側パネルが連結されて前記積層体を支持する4つの柱部材と、
背板部、左側板部、右側板部、天板部、及び底板部を有し、前記積層体の表面から所定間隔離した状態で、前記積層体の外側を覆うように前記柱部材に組み付けられる外側パネルと、
を備えており、
前記外側パネルと前記積層体の表面との間に形成される空間が、前記外側パネルの外部から前記空間内へ浸入した水を前記外側パネルの底部側へ排水するための排水空間とされているとともに、
前記底板部と、前記左側板部と、前記右側板部と、前記背板部との少なくとも何れか1つに、前記空間から外部に貫通する排水孔が設けられている
宅配ロッカー。
【請求項2】
前記
外側パネルに、前記空間に存在する空気を外部に排出するための空気排出口が設けられているとともに、
前記空気排出口に、前記空気を外部に送風する送風装置が備えられている
請求項1に記載の宅配ロッカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、荷物を収容可能な宅配ロッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載の宅配ロッカーがある。特許文献1に記載の宅配ロッカーは、ボックス本体と、扉とを備えている。ボックス本体の内部には、ボックス本体の内部空間を相互に独立した2つの収容空間に仕切る棚板が形成されている。扉は、2つの収容空間の全面の開口部に対して個々に開閉可能に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、宅配ロッカーでは、使用者の要求に応じて収容空間の大きさを変更する必要がある。この点、特許文献1に記載の宅配ロッカーにおいて収容空間の大きさを変更する場合、ボックス本体全体の形状を変更しなければならない。すなわち、複数の使用者に対応した宅配ロッカーを製造する際には、使用者毎にボックス本体の設計を行う必要がある。これが、宅配ロッカーの製造コストを悪化させる要因の一つとなっている。
【0005】
本開示は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、収容性を容易に変更することの可能な宅配ロッカーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する宅配ロッカーは、方体箱状に形成され、荷物を収容可能な収容空間を内部に有するとともに、その前面に開口部を有し、鉛直方向へ積層して配置される複数の内側パネルと、内側パネルの鉛直方向への積層に際して、上下で隣り合う内側パネルの左側板同士を連結する左側連結部材、及び上下で隣り合う内側パネルの右側板同士を連結する右側連結部材の2つの連結部材を1組として、上下で隣り合う内側パネル同士の連結毎に用いられる少なくとも1組以上の連結部材と、内側パネルの開口部に配置され、開口部を開閉する扉部材と、鉛直方向へ延びる柱体で、内側パネルの積層体の四隅に対応して配されており、複数の内側パネルが連結されて積層体を支持する4つの柱部材と、背板部、左側板部、右側板部、天板部、及び底板部を有し、積層体の表面から所定間隔離した状態で、積層体の外側を覆うように柱部材に組み付けられる外側パネルと、を備えており、外側パネルと積層体の表面との間に形成される空間が、外側パネルの外部から空間内へ浸入した水を外側パネルの底部側へ排水するための排水空間とされているとともに、底板部と、左側板部と、右側板部と、背板部との少なくとも何れか1つに、空間から外部に貫通する排水孔が設けられている。
【0007】
この構成によれば、柱部材により支持される内側パネルの形状を変更するだけで、収容空間の数や大きさを変更することができる。よって、収容空間の数や大きさを変更する際に全体構造の設計変更が必要な従来の宅配ロッカーと比較すると、一部の構成部品である内側パネルの形状変更のみで収容空間の数や大きさを変更することができるため、収容性を容易に変更することが可能である。
【0008】
この構成によれば、仮に外側パネルの外部から内部に雨水等が侵入した場合に、内側パネルと外側パネルとの間に隙間を雨水等が流れるため、内側パネルの収容空間に雨水等が侵入し難くなる。したがって、収容空間に収容された荷物が被水し難くなる。
【0009】
この構成によれば、内側パネルと外側パネルとの間の隙間に進入した雨水等が貫通孔を通じて外部に流出されるため、収容空間に収容された荷物が更に被水し難くなる。
【0010】
この構成によれば、排水性を向上させることができる。
【0011】
この構成によれば、内側パネルの積層体が複数並べて配置されている場合でも、排水性を確保することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、外側パネルに、空間に存在する空気を外部に排出するための空気排出口が設けられているとともに、空気排出口に、空気を外部に送風する送風装置が備えられているため、外側パネルから内側パネルに熱が伝達され難くなる。このような断熱効果により、収容空間に収容された荷物の温度上昇を抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、収容性を容易に変更することの可能な宅配ロッカーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、第1実施形態の宅配ロッカーの斜視構造を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態のロッカー部の断面斜視構造を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態のロッカー部の断面構造を示す断面図である。
【
図4】
図4は、
図3のIV-IV線に沿った断面構造を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の変形例の宅配ロッカーの断面斜視構造を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の変形例の宅配ロッカーの断面構造を示す断面図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態の宅配ロッカーの側面構造を示す側面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態の宅配ロッカーの背面構造を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、宅配ロッカーの一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
はじめに、
図1~
図4を参照して、第1実施形態の宅配ロッカー10について説明する。
図1に示される本実施形態の宅配ロッカー10は、例えばマンションの内部や、企業の屋外の敷地内に配置される。宅配ロッカー10は、本体部20と、操作部30とを備えている。
【0017】
本体部20は、3つのロッカー部21~23をX軸方向に連結した構造からなる。各ロッカー部21~23は、Z軸方向に延びるように直方体状に形成されている。Z軸方向は、鉛直方向に相当する。また、Z軸方向のうちの一方向であるZ1軸方向は、鉛直方向上方に相当し、Z2軸方向は、鉛直方向下方に相当する。以下では、X軸方向及びZ軸方向の両方に直交する方向をY軸方向と称する。
【0018】
各ロッカー部21~23の内部には、荷物を収容可能な複数の収容空間がZ軸方向に並べて形成されている。各ロッカー部21~23は、複数の収容空間のそれぞれの開口部に扉部材40を有している。扉部材40は、ロッカー部21~23の各収容空間を開閉する。操作部30は、タッチパネル等を備えており、宅配業者、又は荷物の受取人であるユーザが宅配ロッカー10を操作する部分である。
【0019】
この宅配ロッカー10では、例えば宅配業者が荷物を配達した際に、受取人であるユーザが不在であった場合、宅配業者は、操作部30を操作することにより、一つ又は複数の扉部材40を開けることができる。これにより、宅配業者は、開状態になった扉部材40に対応する収容空間に荷物を収容することができる。その後、ユーザは、都合の良い時期に操作部30を操作することで荷物を受け取ることが可能である。
【0020】
なお、宅配ロッカー10は、ユーザが荷物を特定者に送りたい場合にも利用可能である。この場合、ユーザは、操作部30を操作することにより、送りたい荷物を宅配ロッカー10の収容空間に収容する。その後、宅配業者が操作部30を操作して荷物を集荷することにより、宅配業者が荷物を特定者に配達する。
【0021】
このように、宅配ロッカー10は、ユーザと宅配業者との間での荷物の受け取りを代行する装置である。
次に、
図2~
図4を参照して、ロッカー部21~23の構造について詳しく説明する。なお、各ロッカー部21~23の基本構造は同一であるため、以下では、ロッカー部21の構造について代表して説明する。
【0022】
図2及び
図3に示されるように、ロッカー部21は、扉部材40と、内側パネル50と、柱部材60~63と、外側パネル70と、架台部80とを備えている。
内側パネル50は、それぞれ平板状に形成された底板部51、左側板部52、右側板部53、及び背板部54をボルトやリベット等により箱状に組み合わせた構造を有している。内側パネル50は、底板部51、側板部52,53、及び背板部54の配置されていない前面及び上部において開口している。内側パネル50は、金属材料等により形成されている。
【0023】
図4に示されるように、ロッカー部21の内部では、複数の内側パネル50がZ軸方向に積層して配置されている。Z軸方向に隣り合う内側パネル50のうち、上方に配置された内側パネル50の底板部51により、下方に配置された内側パネル50の上部の開口部分が閉塞されている。内側パネル50の底板部51、側板部52,53、背板部54、並びに隣り合う内側パネルの底板部51によって囲まれる空間により、荷物を収容可能な収容空間S1が形成されている。
【0024】
図4に示されるように、内側パネル50の左側板部52は、その上方に位置する内側パネル50の左側板部52と左側連結部材55を介して連結されている。また、内側パネル50の右側板部53は、その上方に位置する内側パネル50の右側板部53と右側連結部材56を介して連結されている。これらの連結部材55,56により、隣り合う内側パネル50,50がZ軸方向に互いに連結されている。ロッカー部21では、各連結部材55,56が複数用いられることにより、複数の内側パネル50がZ軸方向に互いに連結されている。
【0025】
以下では、このようなZ軸方向に積層して配置された複数の内側パネル50をまとめて「内側パネル50の積層体」とも称する。また、
図2及び
図3に示されるように、内側パネル50の積層体においてZ軸方向に平行な4辺を符号L1~L4で表す。
図2及び
図3に示されるように、複数の柱部材60~63は、内側パネル50の積層体の4つの辺L1~L4に沿ってそれぞれ配置されている。柱部材60~63は、Z軸方向に延びるように形成された四角筒状の金属部材からなる。
【0026】
柱部材60~63のうち、内側パネル50の積層体の左後方の辺L1に沿って配置される左後方柱部材60は、内側パネル50の積層体の左側面に対して平行に延びる第1突出部600と、内側パネル50の積層体の背面に対して平行に延びる第2突出部601とを有している。
【0027】
同様に、内側パネル50の積層体の右後方の辺L2に沿って配置される右後方柱部材61は、内側パネル50の積層体の右側面に対して平行に延びる第1突出部610と、内側パネル50の積層体の背面に対して平行に延びる第2突出部611とを有している。
また、内側パネル50の積層体の左前方の辺L3に沿って配置される左前方柱部材62は、内側パネル50の積層体の左側面に対して平行に延びる第1突出部620と、内側パネル50の積層体の前面に対して平行に延びる第2突出部621とを有している。
【0028】
同様に、内側パネル50の積層体の右前方の辺L4に沿って配置される右前方柱部材63は、内側パネル50の積層体の右側面に対して平行に延びる第1突出部630と、内側パネル50の積層体の前面に対して平行に延びる第2突出部631とを有している。
図3に示されるように、左後方柱部材60の第1突出部600及び左前方柱部材62の第1突出部620には、左側連結部材55がボルトやナット等により連結されている。また、右後方柱部材61の第1突出部610及び右前方柱部材63の第1突出部630には、右側連結部材56がボルトやナット等により連結されている。よって、内側パネル50の積層体は、左側連結部材55及び右側連結部材56を介して柱部材60~63により支持されている。
【0029】
左後方柱部材60の第2突出部601及び右後方柱部材61の第2突出部611には、平板状の背板部71がボルトやナット等により組み付けられている。
図2に示されるように、背板部71は、内側パネル50の積層体の背面と所定の隙間を有して対向配置されている。
【0030】
また、左後方柱部材60の第1突出部600及び左前方柱部材62の第1突出部620には、平板状の左側板部72がボルトやナット等により組み付けられている。左側板部72は、内側パネル50の積層体の左側面と所定の隙間を有して対向配置されている。
同様に、右後方柱部材61の第1突出部610及び右前方柱部材63の第1突出部630には、平板状の右側板部73がボルトやナット等により組み付けられている。右側板部73は、内側パネル50の積層体の右側面と所定の隙間を有して対向配置されている。
【0031】
図4に示されるように、各柱部材60~63の上端部には、天板部74がボルトやナット等により組み付けられている。天板部74は、内側パネル50の積層体の上面に対向するように配置されている。また、
図1に示されるように、各柱部材60~63の下端部には、底板部75がボルトやナット等により組み付けられている。底板部75は、内側パネル50の積層体の底面に対向するように配置されている。
【0032】
これらの背板部71、左側板部72、右側板部73、天板部74、及び底板部75により外側パネル70が構成されている。すなわち、外側パネル70は、内側パネル50の積層体の周囲を囲うように配置されており、内側パネル50の積層体を外部環境から保護している。また、
図2~
図3に示されるように、外側パネル70の背板部71と内側パネル50の積層体との間、外側パネル70の左側板部72と内側パネル50の積層体との間、及び外側パネル70の右側板部73と内側パネル50の積層体との間には隙間がそれぞれ形成されている。すなわち、宅配ロッカー10は二重構造となっている。以下では、外側パネル70と内側パネル50の積層体との間に形成されている空間を「内部空間S2」と称する。
【0033】
図1に示されるように、底板部75の底面は、ボルトやナット等により架台部80に組み付けられている。架台部80は、アンカー等により地面や土台に固定されている。これにより、底板部75を地面や土台から離間させて配置することが可能となっている。
図3に示されるように、底板部75には、宅配ロッカー10の内部空間S2から架台部80の内部に貫通する貫通孔750が形成されている。これにより、例えば天板部74と側板部72,73との間に形成される隙間から雨水等が侵入した場合、この雨水は、内部空間S2から貫通孔750を通じて外部に排出される。そのため、雨水が内側パネル50の収容空間S1内に侵入し難くなっている。
【0034】
図2に示されるように、左前方柱部材62の第2突出部621及び右前方柱部材63の第2突出部631には、X軸方向に延びるように形成された仕切り部材90がボルトやナット等により組み付けられている。
図1に示されるように、仕切り部材90は、Z軸方向における複数の内側パネル50のそれぞれの境界部分に対応するように配置されている。
【0035】
図3に示されるように、扉部材40の右端部は、軸部91により回転可能に支持されている。軸部91は、仕切り部材90に固定されている。扉部材40の左端部には、錠装置100に係合する爪部41が形成されている。錠装置100は、内側パネル50の左側板部52の外面及び左前方柱部材62の第1突出部620にボルトやナット等により固定されている。錠装置100に爪部41が係合することにより、扉部材40が閉状態に保持されている。宅配業者やユーザは、操作部30を操作することにより、錠装置100に対する爪部41の係合を解除して扉部材40を開けることができる。これにより、宅配業者やユーザは、内側パネル50の収容空間S1に荷物を収容したり、収容空間S1内の荷物を取り出したりすることができる。
【0036】
図1に示されるように、ロッカー部22,23は、ロッカー部21と略同一の構造を有している。但し、ロッカー部22は、複数の内側パネル50に代えて操作部30が設けられている点でロッカー部21と異なる。また、ロッカー部23は、ロッカー部21に用いられる扉部材40及び内側パネル50よりも大きい扉部材40及び内側パネル50を用いている点でロッカー部21と異なる。これらのロッカー部21~23がX軸方向に連結されることにより宅配ロッカー10が構成されている。
【0037】
以上説明した本実施形態の宅配ロッカー10によれば、以下の(1)~(3)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)柱部材60~63に支持されている内側パネル50の形状を変更するだけで、任意の数や大きさを変更することができる。例えば
図1に示されるロッカー部23のように、ロッカー部21に用いられる内側パネル50よりも大きい収容空間S1を有する内側パネルを用いれば、より大きい荷物を収容することが可能となる。このように、本実施形態の宅配ロッカー10では、収容空間の数や大きさを変更する際に全体構造の設計変更が必要な従来の宅配ロッカーと比較すると、一部の構成部品である内側パネル50の形状変更のみで収容空間の数や大きさを変更することができるため、収容性を容易に変更することが可能である。
【0038】
(2)宅配ロッカー10は、内側パネル50の外周面と所定の間隔を有して対向するように配置される外側パネル70を備えている。外側パネル70は、柱部材60~63に組み付けられている。このような構成によれば、仮に外側パネル70の外部から内部に雨水等が侵入した場合に、内側パネル50と外側パネル70との間の隙間、すなわち内部空間S2に雨水等が流れるため、内側パネル50の収容空間S1に雨水等が侵入し難くなる。したがって、収容空間S1に収容された荷物が被水し難くなる。
【0039】
(3)外側パネル70の底板部75には、内部空間S2から外部に貫通する貫通孔750が形成されている。これにより、内部空間S2に侵入した雨水等が貫通孔750を通じて外部に排出されるため、排水性を向上させることができる。
(変形例)
次に、第1実施形態の宅配ロッカー10の変形例について説明する。
【0040】
図5及び
図6に示されるように、本実施形態の宅配ロッカー10では、ロッカー部21とロッカー部22との間に配置されるそれぞれの外側パネルの側板部、具体的にはロッカー部21の外側パネル70の右側板部73及びロッカー部22の外側パネル70の左側板部72が排除されている。同様に、ロッカー部22とロッカー部23との間に配置されるそれぞれの外側パネルの側板部、具体的にはロッカー部22の外側パネル70の右側板部73及びロッカー部23の外側パネル70の左側板部72が排除されている。
【0041】
この宅配ロッカーでは、ロッカー部21の右後方柱部材61とロッカー部22の左後方柱部材60とがボルトやリベット等により連結され、且つロッカー部21の右前方柱部材63とロッカー部22の左前方柱部材62とがボルトやリベット等により連結されることにより、ロッカー部21とロッカー部22とが連結されている。また、ロッカー部22の右後方柱部材61とロッカー部23の左後方柱部材60とがボルトやリベット等により連結され、且つロッカー部22の右前方柱部材63とロッカー部23の左前方柱部材62とがボルトやリベット等により連結されることにより、ロッカー部22とロッカー部23とが連結されている。
【0042】
このような構成によれば、各ロッカー部21~23に対応する内部空間S11~S13が連通されているため、ロッカー部21~23を並べて配置した場合でも、内部空間S11~S13の排水性を確保することができる。
<第2実施形態>
次に、宅配ロッカー10の第2実施形態について説明する。以下、
図5及び
図6に示される宅配ロッカー10との相違点を中心に説明する。
【0043】
図7に示されるように、本実施形態のロッカー部23の外側パネル70の右側板部73の下方部分には、外部の空気をロッカー部23の内部空間S13に取り込むための空気取り込み口110が形成されている。空気取り込み口110には、外部からの雨水やごみ等の侵入を抑制するためのルーバ111が設けられている。
【0044】
図8に示されるように、ロッカー部22の外側パネル70の背板部71の上方部分には、空気排出口120が設けられている。空気排出口120には、ルーバ121と送風装置122とが設けられている。送風装置122は、電力の供給に基づき回転することにより、ロッカー部21~23の内部空間S11~S13の空気を外部に送風する。
【0045】
以上説明した本実施形態の宅配ロッカー10によれば、以下の(4)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(4)宅配ロッカー10が屋外に設置されている場合、各ロッカー部21~23の外側パネル70に日光が照射されることにより、各ロッカー部21~23の外側パネル70の温度が上昇する可能性がある。この外側パネル70の熱が、各ロッカー部21~23の内部空間S11~S13に存在する空気を介して内側パネル50に伝達されると、内側パネル50の温度が上昇する。これにより、内側パネル50の収容空間S1に収容された荷物の温度が上昇すると、その種類によっては、荷物に悪影響を与えるおそれがある。この点、本実施形態の宅配ロッカー10では、各ロッカー部21~23の内部空間S11~S13に存在する空気が送風装置122によって外部に送風されるため、各ロッカー部21~23の外側パネル70から内側パネル50に熱が伝達され難くなる。このような断熱効果により、収容空間S1に収容された荷物の温度上昇を抑制することができる。
【0046】
<他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・排水のための貫通孔750は、外側パネル70の底板部75に限らず、例えば外側パネル70の背板部71や側板部72,73等に形成されていてもよい。
【0047】
・第2実施形態の空気取り込み口110及び空気排出口120のそれぞれの位置や形状は任意に変更可能である。また、空気取り込み口110及び空気排出口120は、ロッカー部21~23のそれぞれに個別に設けられていてもよい。
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0048】
S1:収容空間
10:宅配ロッカー
40:扉部材
50:内側パネル
60~63:柱部材
70:外側パネル
75:底板部
122:送風装置
750:貫通孔