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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】位置情報システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 27/00 20060101AFI20220930BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
G08B27/00 B
G08B17/00 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018123785
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020004140
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】河村 一利
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀規
(72)【発明者】
【氏名】工藤 彰久
(72)【発明者】
【氏名】中村 颯月
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-225426(JP,A)
【文献】特開2017-075968(JP,A)
【文献】特開2009-037438(JP,A)
【文献】特開2017-068685(JP,A)
【文献】特開2000-137879(JP,A)
【文献】特開2017-037516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内のエリアであって火災感知器が設置されているエリアである所定エリアに設置された発信端末からの信号を受信して、当該発信端末の識別情報を含む発信端末情報を送信可能な携帯端末と、
前記携帯端末により送信された発信端末情報に基づいて、当該携帯端末の現在位置が示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯端末に送信可能なサーバと、を備えた位置情報システムであって、
前記火災感知器からの火災検出信号を受信可能な受信機と、
前記建物内に設置されている設備・機器のうち、通常時には前記マップ画像に示すが火災時には前記マップ画像に示さない所定の表示不要設備・機器に関する情報を記憶する表示不要設備・機器情報記憶手段と、を備え、
前記サーバは、前記受信機により送信された火災の発生場所情報を含む火災情報と、前記表示不要設備・機器情報記憶手段に記憶されている情報とに基づいて、前記携帯端末の現在位置と、火災の発生位置とが示されたマップ画像であって、前記所定の表示不要設備・機器を表す記号が当該所定の表示不要設備・機器の設置位置に示されていない、あるいは前記所定の表示不要設備・機器を表す記号が通常時とは異なる表示態様で当該所定の表示不要設備・機器の設置位置に示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯端末に送信可能であり、
前記所定の表示不要設備・機器には、エレベータを含む複数の種類があり、
前記所定の表示不要設備・機器を表す記号は、当該所定の表示不要設備・機器の種類を判別可能な記号であることを特徴とする位置情報システム。
【請求項2】
前記所定の表示不要設備・機器の種類には、
前記火災時のうち、前記建物内における火災が発生しているフロアと前記携帯端末が位置しているフロアとが同フロアである場合に、前記マップ画像に示さない種類と、
前記火災時のうち、前記建物内における火災が発生しているフロアと前記携帯端末が位置しているフロアとが別フロアである場合に、前記マップ画像に示さない種類と、があることを特徴とする請求項1に記載の位置情報システム。
【請求項3】
前記建物内に設置されている設備・機器のうち、通常時には前記マップ画像に示さないが火災時には前記マップ画像に示す所定の表示必要設備・機器に関する情報を記憶する表示必要設備・機器情報記憶手段を備え、
前記サーバは、前記火災情報と、前記表示不要設備・機器情報記憶手段に記憶されている情報と、前記表示必要設備・機器情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて、前記携帯端末の現在位置と、火災の発生位置とが示されたマップ画像であって、前記所定の表示必要設備・機器を表す記号が当該所定の表示必要設備・機器の設置位置に示されているとともに、前記所定の表示不要設備・機器を表す記号が当該所定の表示不要設備・機器の設置位置に示されていない、あるいは前記所定の表示不要設備・機器を表す記号が通常時とは異なる表示態様で当該所定の表示不要設備・機器の設置位置に示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯端末に送信可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置情報システム。
【請求項4】
前記携帯端末の画面に表示されている前記マップ画像において前記所定の表示必要設備・機器が選択された場合には、当該選択された設備・機器に関する情報が当該画面に表示されることを特徴とする請求項に記載の位置情報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末の位置を報知可能な位置情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器固有の識別情報を位置検出用の情報として無線により発信する発信部や当該発信部に電力を供給する電池などを備えたビーコン等の発信端末が取り付けられた火災感知器が知られている(例えば特許文献1参照)。このような位置情報システムでは、複数の発信端末の各識別情報と各設置箇所とを対応付けたマップ情報が予め用意され、携帯端末に与えられる。そして、携帯端末のユーザが当該携帯端末を保有して移動する際に、携帯端末が建物内において発信端末からの識別情報を受信することで、受信した識別情報とマップ情報とから建物内で位置を把握するのに利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-072965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の位置情報システムでは、建物内での携帯端末の位置は把握できるものの、建物内での火災の発生位置までは把握できない。建物内で火災が発生した場合には地区ベル等が鳴動するため、当該鳴動によって火災の発生は把握できるが、火災の発生位置までは把握できない。火災の発生位置を把握できれば、適切な避難や消火作業が可能となり、確実に火災初動動作が行える利点がある。
本発明の目的は、携帯端末の位置だけでなく火災の発生位置も報知可能な位置情報システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
建物内のエリアであって火災感知器が設置されているエリアである所定エリアに設置された発信端末からの信号を受信して、当該発信端末の識別情報を含む発信端末情報を送信可能な携帯端末と、
前記携帯端末により送信された発信端末情報に基づいて、当該携帯端末の現在位置が示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯端末に送信可能なサーバと、を備えた位置情報システムであって、
前記火災感知器からの火災検出信号を受信可能な受信機と、
前記建物内に設置されている設備・機器のうち、通常時には前記マップ画像に示すが火災時には前記マップ画像に示さない所定の表示不要設備・機器に関する情報を記憶する表示不要設備・機器情報記憶手段と、を備え、
前記サーバは、前記受信機により送信された火災の発生場所情報を含む火災情報と、前記表示不要設備・機器情報記憶手段に記憶されている情報とに基づいて、前記携帯端末の現在位置と、火災の発生位置とが示されたマップ画像であって、前記所定の表示不要設備・機器を表す記号が当該所定の表示不要設備・機器の設置位置に示されていない、あるいは前記所定の表示不要設備・機器を表す記号が通常時とは異なる表示態様で当該所定の表示不要設備・機器の設置位置に示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯端末に送信可能であり、
前記所定の表示不要設備・機器には、エレベータを含む複数の種類があり、
前記所定の表示不要設備・機器を表す記号は、当該所定の表示不要設備・機器の種類を判別可能な記号であるように構成したものである。
上記のような構成を有する位置情報システムによれば、火災が発生した場合には、携帯端末の位置だけでなく当該火災の発生位置も報知することができる。また、火災が発生した場合には、所定の設備・機器(例えば火災時に使用すべきでない設備・機器)を表す記号がマップ上から消去される、あるいは当該所定の設備・機器を表す記号が通常時とは異なる表示態様でマップ上に表示されるため、携帯端末のユーザは火災時に適切な対応を行うことが可能となる。
ここで、望ましくは、
前記所定の表示不要設備・機器の種類には、
前記火災時のうち、前記建物内における火災が発生しているフロアと前記携帯端末が位置しているフロアとが同フロアである場合に、前記マップ画像に示さない種類と、
前記火災時のうち、前記建物内における火災が発生しているフロアと前記携帯端末が位置しているフロアとが別フロアである場合に、前記マップ画像に示さない種類と、があるように構成する。
かかる構成によれば、携帯端末のユーザは火災時に適切な対応を行うことが可能となる。
【0006】
また、望ましくは、
前記建物内に設置されている設備・機器のうち、通常時には前記マップ画像に示さないが火災時には前記マップ画像に示す所定の表示必要設備・機器に関する情報を記憶する表示必要設備・機器情報記憶手段を備え、
前記サーバは、前記火災情報と、前記表示不要設備・機器情報記憶手段に記憶されている情報と、前記表示必要設備・機器情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて、前記携帯端末の現在位置と、火災の発生位置とが示されたマップ画像であって、前記所定の表示必要設備・機器を表す記号が当該所定の表示必要設備・機器の設置位置に示されているとともに、前記所定の表示不要設備・機器を表す記号が当該所定の表示不要設備・機器の設置位置に示されていない、あるいは前記所定の表示不要設備・機器を表す記号が通常時とは異なる表示態様で当該所定の表示不要設備・機器の設置位置に示されたマップ画像を当該携帯端末に表示させるためのマップ情報を当該携帯端末に送信可能であるように構成する。
かかる構成によれば、火災が発生した場合には、携帯端末の現在位置や火災の発生位置だけでなく、所定の設備・機器(例えば、消火作業の際に使用する消火作業関連機器や、避難の際に使用する非常口など)の位置もマップ上に表示されるため、携帯端末のユーザは火災時に適切な対応を行うことが可能となる。
【0007】
また、望ましくは、
前記携帯端末の画面に表示されている前記マップ画像において前記所定の表示必要設備・機器が選択された場合には、当該選択された設備・機器に関する情報が当該画面に表示されるように構成する。
かかる構成によれば、設備・機器の使い方を熟知していない人であっても、適切な消火作業を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、火災が発生した場合には、携帯端末の位置だけでなく当該火災の発生位置も報知することができるので、火災初動動作が確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の位置情報システムの一例を示すブロック図である。
図2】(a)は表示/非表示テーブルの一例を示す図であり、(b)は通常時に表示されるマップ画像(フロア図画像)の一例を示す図である。
図3】火災時に表示されるマップ画像(フロア図画像)の一例を示す図である。
図4】火災時に表示されるマップ画像(フロア図画像)の変形例を示す図である。
図5】実施形態の位置情報システムを構成する携帯端末及び火災情報サーバにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6】実施形態の位置情報システムを構成する位置情報サーバにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を適用した位置情報システムの実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の位置情報システム1の概略構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態の位置情報システム1は、例えば図1に示すように、建物内部の所定エリア内の複数の箇所に配設されているビーコン(発信端末)10からの信号(電波)を受信可能な携帯端末20と、携帯電話基地局30及びインターネット等の通信ネットワークNを介して携帯端末20との間でデータ通信を行う位置情報サーバ40と、建物内部の所定エリア内の複数の箇所に配設されている火災感知器50からの火災検出信号を受信可能な火災受信機60と、ゲートウェイ(中継器)70及びインターネット等の通信ネットワークNを介して火災受信機60との間でデータ通信を行う火災情報サーバ80などから構成されている。
【0012】
なお、携帯端末20へ無線信号(機器IDや設備情報などの固有情報)を発信するビーコン10の通信方式としては、例えばBluetooth(登録商標)通信やIEEE 802.11規格に従ったWiFi等の無線LAN、赤外線通信など公知の通信方式を利用することができる。ビーコン10を配置する間隔は特に限定されないが、以下の説明では、隣接するそれぞれのビーコン10の通信範囲が互いに重なるような距離をおいて配置されているものとする。
【0013】
具体的には、もともと建物内には所定の間隔をおいて火災感知器50やスプリンクラーヘッドが設置されているので、それらの機器に内蔵もしくは付加する形態で取り付けたビーコン10、あるいは、それらの機器の近傍に設置する形態で取り付けたビーコン10を利用することができる。
ビーコン10は、電源に関する情報(内蔵電池情報又は外部電源情報)と自己の識別情報とを無線信号に乗せて定期的に周囲に発信する発信部を備える。ビーコン10が無線で発信する信号(ビーコン信号)には、少なくとも当該ビーコン10の識別情報が含まれていれば良く、さらに、設置されているエリアに関する情報が含まれても良い。
【0014】
携帯端末20は、ビーコン10からの信号を受信する受信機能と、無線通信機能とを備えるスマートフォン等の機器である。携帯端末20には、定期的にビーコン10から無線で発信されるビーコン信号を受信して、当該ビーコン信号に含まれる識別情報(識別コード)等を抽出するとともに当該ビーコン信号の受信電波強度を検出し、識別情報等と受信電波強度とを含むビーコン情報を、携帯電話基地局30及び通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40へ送信する処理と、通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して位置情報サーバ40から送信されたフロア図情報に基づくフロア図画像を画面に表示する処理とを実行するアプリケーション・プログラム(位置情報表示アプリ)が格納されている。携帯端末20は、複数のビーコン10(通信範囲が互いに重なるビーコン10)から発信されるビーコン信号を受信した場合には、それぞれのビーコン情報を位置情報サーバ40へ送信する。
【0015】
火災感知器50は、例えば、熱、煙、炎、有害ガスなどの異常現象の発生を検出すると、火災検出信号を、感知器回線51を介して火災受信機60に送信する。火災感知器50は、火災検出信号に自己の設置アドレスを付加するタイプの感知器であっても良いし、火災検出信号に自身の設置アドレスを付加しないタイプの感知器であっても良い。
【0016】
火災受信機60は、火災感知器50からの火災検出信号を受信した場合に、表示部に火災報知表示を行うとともに、地区ベル鳴動や防排煙連動などの制御を行う。さらに、火災受信機60は、火災の発生場所情報や発生時刻情報などを含む火災情報を、ゲートウェイ70及び通信ネットワークNを介して火災情報サーバ80に送信する。
なお、火災受信機60は、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されている場合には、当該設置アドレスに基づいて火災の発生場所を特定する。一方、火災検出信号に火災感知器50の設置アドレスが付加されていない場合には、当該火災検出信号を伝送した感知器回線51(警戒区域)に基づいて火災の発生場所を特定する。
【0017】
火災情報サーバ80は、例えば図1に示すように、当該火災情報サーバ80が管理する各建物の設備・機器情報等を格納するデータベース81を備えている。ここで、建物の設備・機器情報とは、当該建物の各フロアに設置されている設備・機器等のアイテムをフロア図上に表示するか否かに関する表示/非表示テーブルや、当該建物の各フロアに設置されている設備・機器等のアイテムの設置位置情報などを含む情報である。
【0018】
表示/非表示テーブルには、例えば図2(a)に示すように、間仕切り、部屋名、出入り口、扉、各種フロア間移動用設備(例えば、階段、エレベータ、エスカレータ)、各種防災関連設備・機器(例えば、非常口、火災報知機器(地区ベル等の発信機など)、消火設備(消火器、消火栓など)、非常電話、防排煙機器(防火戸、防火シャッター、排煙口など))等のアイテムを、火災時ではない通常時に表示するか否かと、同フロアで火災が発生している時に表示するか否かと、別フロアで火災が発生している時に表示するか否かとが記憶されている。
図2(a)には、火災情報サーバ80が管理する各建物の表示/非表示テーブルのうち、建物Zの表示/非表示テーブルを示している。建物Zのフロア図画像として、通常時に表示されるフロア図画像には、間仕切り、部屋名、階段、エレベータ及び発信機を表す記号や文字など(以下、単に「記号等」という)が表示されるようになっている。また、建物Zには、防災関連設備・機器として、少なくとも発信機、非常口、消火器、消火栓、非常電話及び防火戸が設置されている。
【0019】
火災情報サーバ80は、火災感知器50からの火災情報を受信すると、当該火災情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する処理を実行可能である。
さらに、火災情報サーバ80は、当該火災情報に基づいて火災が発生している建物を特定し、特定した建物の設備・機器情報をデータベース81から取得する。そして、取得した設備・機器情報に基づいて、通常時に表示するが火災時に表示しないアイテムを指定する火災時表示不要アイテム情報と、通常時に表示しないが火災時に表示するアイテムを指定する火災時表示必要アイテム情報を生成し、生成したこれらの情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する処理を実行可能である。
【0020】
例えば、図2(a)に示す例のように、建物Zにおいて、通常時に表示するが同フロアでの火災時に表示しないアイテム(以下「同フロア火災時表示不要アイテム」という)は、エレベータであり、通常時に表示するが別フロアでの火災時に表示しないアイテム(以下「別フロア火災時表示不要アイテム」という)は、エレベータ及び発信機である。よって、火災情報サーバ80は、建物Zで火災が発生している場合には、同フロア火災時表示不要アイテムとしてエレベータを指定する情報と、同フロア(火災が発生しているフロア)におけるエレベータの設置位置情報と、別フロア火災時表示不要アイテムとしてエレベータ及び発信機を指定する情報と、別フロア(火災が発生していないフロア)におけるエレベータ及び発信機の設置位置情報とを含む火災時表示不要アイテム情報を生成する。
なお、同フロア火災時表示不要アイテム及び別フロア火災時表示不要アイテムは、例えば、火災時に使用すべきでない設備・機器や火災初動動作を行う上で表示すると紛らわしい機器などであることが好ましい。
【0021】
また、図2(a)に示す例のように、建物Zにおいて、通常時に表示しないが同フロアでの火災時に表示するアイテム(以下「同フロア火災時表示必要アイテム」という)は、非常口、消火器、消火栓、非常電話及び防火戸であり、通常時に表示しないが別フロアでの火災時に表示するアイテム(以下「別フロア火災時表示必要アイテム」という)は、非常口及び防火戸である。よって、火災情報サーバ80は、建物Zで火災が発生している場合には、同フロア火災時表示必要アイテムとして非常口、消火器、消火栓、非常電話及び防火戸を指定する情報と、同フロア(火災が発生しているフロア)における非常口、消火器、消火栓、非常電話及び防火戸の設置位置情報と、別フロア火災時表示必要アイテムとして非常口及び防火戸を指定する情報と、別フロア(火災が発生していないフロア)における非常口及び防火戸の設置位置情報とを含む火災時表示必要アイテム情報を生成する。
なお、同フロア火災時表示必要アイテムは、例えば、避難、消火作業、火災通報などの火災の初動動作に必要な設備・機器であることが好ましい。また、別フロア火災時表示必要アイテムは、例えば、避難に必要な設備・機器であることが好ましい。
【0022】
位置情報サーバ40は、例えば図1に示すように、当該位置情報サーバ40が管理する各建物のマップ情報等を格納するデータベース41を備えている。ここで、建物のマップ情報とは、当該建物の各フロア(各階)のフロア図や、当該建物の各フロアに設置されているビーコン10の識別情報及び設置位置情報などを含む情報である。
【0023】
位置情報サーバ40は、携帯端末20からのビーコン情報を受信すると、受信したビーコン情報とデータベース41に記憶されている情報に基づいて当該携帯端末20の現在位置を算出する。そして、データベース41から当該携帯端末20が位置しているフロアのフロア図を抽出し、抽出したフロア図に当該携帯端末20の現在位置をプロットしてフロア図情報を生成し、生成したフロア図情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して当該携帯端末20に送信する処理を実行可能である。これにより、当該携帯端末20には、当該携帯端末20の現在位置を示すフロア図画像が表示される。
【0024】
具体的には、携帯端末20が位置している建物が建物Zであり、当該携帯端末20が位置しているフロアが10階である場合には、当該携帯端末20の画面に、例えば図2(b)に示すようなフロア図画像が表示される。図2(b)に示す例では、店舗Fと店舗Jの間に当該携帯端末20の現在位置を示す記号等が付加されている。
また、図2(a)に示すように、建物Zにおいては、火災が発生していない通常時に表示するアイテムとして、間仕切りと部屋名と階段とエレベータと発信機とが設定されているため、図2(b)に示す例では、これらのアイテムを示す記号等も付加されている。なお、本実施形態では、通常時に表示するアイテムを示す記号等が予め付加されたフロア図がデータベース41に格納されていることとする。
【0025】
さらに、位置情報サーバ40は、火災情報サーバ80からの火災情報(火災の発生場所情報を含む情報)と火災時表示必要アイテム情報と火災時表示不要アイテム情報とを受信した場合には、これらの情報を反映させたフロア図情報を生成し、生成したフロア図情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して当該携帯端末20に送信する処理を実行可能である。これにより、当該携帯端末20には、当該携帯端末20の現在位置を示すフロア図画像であって、火災情報と火災時表示必要アイテム情報と火災時表示不要アイテム情報とが反映されたフロア図画像が表示される。
【0026】
具体的には、建物Zの10階の店舗Bで火災が発生している場合であって、携帯端末20が位置している建物が建物Zであり、当該携帯端末20が位置しているフロアが同フロア(すなわち10階)である場合には、当該携帯端末20の画面に、例えば図3(a)に示すようなフロア図画像が表示される。図3(a)に示す例では、店舗Fと店舗Jの間に当該携帯端末20の現在位置を示す記号等が付加されているとともに、店舗Bに火災の発生位置を示す記号等が付加されている。
【0027】
また、図2(a)に示すように、建物Zにおいて同フロア火災時表示必要アイテムは非常口、消火器、消火栓、非常電話及び防火戸であるため、図3(a)に示す例では、これらのアイテムを示す記号等が付加されている。これにより、防災関連設備・機器の位置を報知できるため、迅速な避難、消火作業、火災通報が可能となる。
また、図2(a)に示すように、建物Zにおいて同フロア火災時表示不要アイテムはエレベータであるため、図3(a)に示す例では、エレベータを示す記号等が消去されている。これにより、火災時に使用すべきでないエレベータの使用を回避することができる。
さらに、図2(a)に示すように、建物Zにおいて、通常時にも同フロアでの火災時にも表示する防災関連設備・機器は、発信機であり、図3(a)に示す例では、この発信機を示す記号等が、同フロア火災時表示必要アイテムを示す記号等に類似したものに変化している。すなわち、発信機を示す記号等が、太枠を含まない記号等(図2(b)参照)から太枠を含む記号等(図3(a)参照)に変化している。
【0028】
一方、建物Zの10階の店舗Bで火災が発生している場合であって、携帯端末20が位置している建物が建物Zであり、当該携帯端末20が位置しているフロアが別フロア(例えば9階)である場合には、当該携帯端末20の画面に、例えば図3(b)に示すようなフロア図画像が表示される。図3(b)に示す例では、店舗Rと店舗Vの間に当該携帯端末20の現在位置を示す記号等が付加されている。
また、図2(a)に示すように、建物Zにおいて別フロア火災時表示必要アイテムは非常口及び防火戸であるため、図3(b)に示す例では、これらのアイテムを示す記号等が付加されている。さらに、図2(a)に示すように、建物Zにおいて別フロア火災時表示不要アイテムはエレベータ及び発信機であるため、図3(b)に示す例では、これらアイテムを示す記号等が消去されている。これらのより、迅速かつ適切な避難が可能となる。
【0029】
なお、図3(a),(b)に示す例では、火災時表示不要アイテム情報によって指定されるアイテム(同フロア火災時表示不要アイテム、別フロア火災時表示不要アイテム)を示す記号等を消去するようにしたが、これに限定されず、例えば、図4に示すように、火災時表示不要アイテム情報によって指定されるアイテムを示す記号等を、通常時とは異なる表示態様、具体的には通常時よりも淡い表示(点線表示やぼかし表示等)で表示するようにしても良い。図4に示す例では、同フロア火災時表示不要アイテムであるエレベータを示す記号等が、点線表示されている。なお、通常時とは異なる表示態様は、濃淡に限定されず、色、サイズ、形状、点滅の有無等であっても良い。
【0030】
また、防災関連設備・機器には、一般の人(建物の管理者や消防士などの特定の人以外の人)が火災時に操作可能な設備・機器(以下「操作可能設備・機器」という)が含まれる。よって、当該携帯端末20を携帯する一般の人に操作可能設備・機器の位置を報知するために、火災時表示必要アイテム情報によって指定されるアイテムを示す記号等のうち、操作可能設備・機器を示す記号等を識別可能に表示しても良い。図4に示す例では、操作可能設備・機器である非常電話、消火器及び消火栓を示す記号等に、強調表示として網掛けハッチングが施されている。
操作可能設備・機器は、非常電話、消火器及び消火栓に限定されない。建物Zでは、非常電話、消火器及び消火栓が一般の人も操作可能であり、防火戸は特定の人のみが操作可能であるため、図4に示す例では、非常電話、消火器及び消火栓が強調表示されているのに対し、防火戸は強調表示されていない。すなわち、一般の人が防火戸を操作可能な建物で火災が発生している場合には、当該建物のフロア図画像では防火戸を示す記号等が強調表示しても良い。
【0031】
また、一般の人と特定の人を区別して、同フロア火災時表示必要アイテム、別フロア火災時表示必要アイテム、同フロア火災時表示不要アイテム、及び別フロア火災時表示不要アイテムを設定しても良い。すなわち、例えば、位置情報表示アプリに当該アプリをダウンロードした携帯端末20のユーザが一般の人であるか特定の人であるかを設定しておき、位置情報サーバ40は、火災発生時、ユーザが一般の人であると設定された携帯端末20には、一般の人用の火災時表示必要アイテムを示す記号等が付加され、かつ、一般の人用の火災時表示不要アイテムを示す記号等が消去されたフロア図画像を表示させるためのフロア図情報を送信し、ユーザが特定の人であると設定された携帯端末20には、特定の人用の火災時表示必要アイテムを示す記号等が付加され、かつ、特定の人用の火災時表示不要アイテムを示す記号等が消去されたフロア図画像を表示させるためのフロア図情報を送信するようにしても良い。
また、一般の人と特定の人を区別して、操作可能設備・機器を設定しても良い。
【0032】
さらに、フロア図画像が表示されている携帯端末20の画面のうち、操作可能設備・機器を示す記号等(例えば強調表示が施された記号等)が表示されている部分に触れると、当該操作可能設備・機器に関する情報(例えば、操作可能設備・機器の機器情報や操作方法など)が表示されるようにしても良い。すなわち、携帯端末20の画面に表示されているマップ画像(フロア図画像)において所定の表示必要設備・機器(同フロア火災時表示必要アイテム、別フロア火災時表示必要アイテム)のいずれかが選択された場合には、当該選択された設備・機器に関する情報が当該画面に表示されるよう構成しても良い。これにより、操作可能設備・機器の使い方を熟知していない一般の人であっても、適切な消火作業を行うことができるようになるため、延焼を防止することが可能となる。
【0033】
次に、本実施形態の位置情報システム1を構成する携帯端末20、火災情報サーバ80及び位置情報サーバ40による処理手順を、図5及び図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0034】
<携帯端末>
携帯端末20は、位置情報表示アプリが起動されると、例えば図5(a)に示すように、まず、ビーコン10から発信されるビーコン信号を受信したかを判定する(ステップS11)。そして、ビーコン信号を受信した場合(ステップS11;Yes)には、当該ビーコン信号に含まれるビーコン10の識別情報等と当該ビーコン信号の受信電波強度とを含むビーコン情報を、携帯電話基地局30及び通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40へ送信する(ステップS12)。
次いで、位置情報サーバ40から送信されるフロア図情報を受信したかを判定する(ステップS13)。そして、フロア図情報を受信した場合(ステップS13;Yes)には、当該フロア図情報に基づくフロア図画像を画面に表示する(ステップS14)。これにより、位置情報表示アプリの起動後最初のステップS14では、最新のフロア図画像が携帯端末20の画面に表示されることとなり、位置情報表示アプリの起動後、2回目以降のステップS14では、画面に表示中のフロア図画像が最新のフロア図画像に更新されることとなる。
【0035】
<火災情報サーバ>
火災情報サーバ80は、例えば図5(b)に示すように、まず、火災受信機60から送信される火災情報(火災の発生場所情報や発生時刻情報などを含む情報)を受信したかを判定する(ステップS21)。そして、火災情報を受信した場合(ステップS21;Yes)には、当該火災情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する(ステップS22)。
【0036】
次いで、当該火災情報に基づいて火災が発生している建物を特定し、特定した建物の設備・機器情報をデータベース81から取得し、取得した設備・機器情報に基づいて火災時表示必要アイテム情報を生成し、生成した火災時表示必要アイテム情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する(ステップS23)。次いで、取得した設備・機器情報に基づいて火災時表示不要アイテム情報を生成し、生成した火災時表示不要アイテム情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ40に送信する(ステップS24)。
なお、火災が発生している建物に、同フロア火災時表示必要アイテム及び別フロア火災時表示必要アイテムがない場合には、ステップS23の処理は省略される。また、火災が発生している建物に、同フロア火災時表示不要アイテム及び別フロア火災時表示不要アイテムがない場合には、ステップS24の処理は省略される。
【0037】
<位置情報サーバ>
位置情報サーバ40は、例えば図6に示すように、まず、携帯端末20から送信されるビーコン情報を受信したかを判定する(ステップS31)。そして、ビーコン情報を受信した場合(ステップS31;Yes)には、受信したビーコン情報とデータベース41に記憶されている情報とに基づいて当該携帯端末20の現在位置を算出し(ステップS32)、データベース41から当該携帯端末20が位置しているフロアのフロア図を抽出し、抽出したフロア図に当該携帯端末20の現在位置をプロットしてフロア図情報を生成する(ステップS33)。すなわち、ステップS33では、当該携帯端末20の現在位置を示す記号等が付加されたフロア図画像を表示させるためのフロア図情報が生成される。
【0038】
次いで、当該携帯端末20が位置している建物で火災が発生しているかを判定する(ステップS34)。位置情報サーバ40は、例えば、通信ネットワークNを介して火災情報サーバ80に問い合わせることによって、当該携帯端末20が位置している建物で火災が発生しているかを判定する。あるいは、火災情報サーバ80から送信される火災情報であって、当該携帯端末20が位置している建物に関する火災情報を受信した場合に、当該携帯端末20が位置している建物で火災が発生していると判定する。
そして、当該携帯端末20が位置している建物で火災が発生していない場合(ステップS34;No)には、ステップS33で生成したフロア図情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して当該携帯端末20に送信する(ステップS42)。これにより、例えば図2(b)に示すようなフロア図画像が当該携帯端末20の画面に表示されることとなる。
【0039】
一方、当該携帯端末20が位置している建物で火災が発生している場合(ステップS34;Yes)には、当該携帯端末20が位置している建物に関する火災関係情報(火災情報、火災時表示必要アイテム情報、火災時表示不要アイテム情報)を受信したかを判定する(ステップS35)。そして、当該携帯端末20が位置している建物に関する火災関係情報を受信した場合(ステップS35;Yes)には、当該火災関係情報に基づいて火災の発生位置を特定し、当該携帯端末20が位置しているフロアで火災が発生しているかを判定する(ステップS36)。
【0040】
当該携帯端末20が位置しているフロアで火災が発生している場合(ステップS36;Yes)には、当該携帯端末20の現在位置がプロットされたフロア図に、火災の発生位置をプロットして(ステップS37)、同フロア火災時表示必要アイテムの設置位置をプロットする(ステップS38)。次いで、当該携帯端末20の現在位置と火災の発生位置と同フロア火災時表示必要アイテムの設置位置とがプロットされたフロア図から、同フロア火災時表示不要アイテムを消去する(ステップS39)。すなわち、ステップS37~S39では、ステップS33で生成したフロア図情報を用いて、火災の発生位置を示す記号等と同フロア火災時表示必要アイテムを示す記号等とが付加され、かつ、同フロア火災時表示不要アイテムを示す記号等が消去されたフロア図画像を表示させるためのフロア図情報が生成される。
【0041】
そして、ステップS37~S39で生成したフロア図情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して当該携帯端末20に送信する(ステップS42)。これにより、例えば図3(a)に示すようなフロア図画像が当該携帯端末20の画面に表示されることとなる。
なお、火災関係情報として、火災時表示必要アイテム情報を受信しなかった場合には、ステップS38の処理は省略される。また、火災関連情報として、火災時表示不要アイテム情報を受信しなかった場合には、ステップS39の処理は省略される。
【0042】
一方、当該携帯端末20が位置しているフロアで火災が発生していない場合(ステップS36;No)には、当該携帯端末20の現在位置がプロットされたフロア図に、別フロア火災時表示必要アイテムの設置位置をプロットする(ステップS40)。次いで、当該携帯端末20の現在位置と別フロア火災時表示必要アイテムの設置位置とがプロットされたフロア図から、別フロア火災時表示不要アイテムを消去する(ステップS41)。すなわち、ステップS40~S41では、ステップS33で生成したフロア図情報を用いて、別フロア火災時表示必要アイテムを示す記号等が付加され、かつ、別フロア火災時表示不要アイテムを示す記号等が消去されたフロア図画像を表示させるためのフロア図情報が生成される。
【0043】
そして、ステップS40~S41で生成したフロア図情報を通信ネットワークN及び携帯電話基地局30を介して当該携帯端末20に送信する(ステップS41)。これにより、例えば図3(b)に示すようなフロア図画像が当該携帯端末20の画面に表示されることとなる。
なお、火災関係情報として、火災時表示必要アイテム情報を受信しなかった場合には、ステップS40の処理は省略される。また、火災関連情報として、火災時表示不要アイテム情報を受信しなかった場合には、ステップS41の処理は省略される。
【0044】
このように、本実施形態の位置情報システム1において、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、受信機(火災受信機60)により送信された火災情報(火災の発生場所情報を含む情報)に基づいて、携帯端末20の現在位置と、火災の発生位置とが示されたマップ画像(フロア図画像)を当該携帯端末20に表示させるためのマップ情報(フロア図情報)を当該携帯端末20に送信可能である。
また、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、表示必要設備・機器情報記憶手段(データベース81)に記憶されている情報に基づいて、携帯端末20の現在位置と、火災の発生位置と、所定の表示必要設備・機器(同フロア火災時表示必要アイテム、別フロア火災時表示必要アイテム)とが示されたマップ画像(フロア図画像)を当該携帯端末20に表示させるためのマップ情報(フロア図情報)を当該携帯端末20に送信可能である。
【0045】
さらに、サーバ(位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80)は、表示不要設備・機器情報記憶手段(データベース81)に記憶されている情報に基づいて、携帯端末20の現在位置と、火災の発生位置とが示されたマップ画像(フロア図画像)であって、所定の表示不要設備・機器(同フロア火災時表示不要アイテム、別フロア火災時表示不要アイテム)が示されていない、あるいは所定の表示不要設備・機器(同フロア火災時表示不要アイテム、別フロア火災時表示不要アイテム)が通常時とは異なる表示態様(濃淡、色、サイズ、形状、点滅の有無等)で示されたマップ画像を当該携帯端末20に表示させるためのマップ情報(フロア図情報)を当該携帯端末20に送信可能である。
したがって、本実施形態の位置情報システム1によれば、火災が発生した場合には、当該火災の発生位置や携帯端末の位置と、消火作業関連機器の位置、非常口の位置等も報知することができるので、火災初動動作が確実に行える。
【0046】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、位置情報サーバ40及び火災情報サーバ80は、別体ではなく、一体的に構成されていても良い。
また、上記実施形態では、ビーコンからの信号を携帯端末によって受信し受信した情報を無線通信で位置情報サーバへ送信すると説明したが、監視対象エリアがオフィスのような空間である場合には、オフィス内の机に設置されているパソコンにビーコンからの信号を受信可能な機器を接続して、当該機器が受信した情報をパソコンがLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して位置情報サーバへ送信するようにしても良い。
【0047】
また、上記実施形態では、ビーコンは情報を送信する機能のみ有していると説明したが、ビーコンが携帯端末からの無線信号を受信する機能さらには受信した情報をサーバへ送信する機能を有していても良い。
また、上記実施形態では、位置情報システムとして、ビーコンによる測位を利用したシステムを例示したが、これに限定されず、位置情報システムは、例えば、IMES(Indoor MEssaging System)等のその他の方式による測位を利用したシステムであっても良い。すなわち、発信端末は、ビーコン10に限定されず、例えば、IMES送信機等であっても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 位置情報システム
10 ビーコン(発信端末)
20 携帯端末
40 位置情報サーバ(サーバ)
50 火災感知器
60 火災受信機(受信機)
80 火災情報サーバ(サーバ)
81 データベース(表示必要設備・機器情報記憶手段、表示不要設備・機器情報記憶手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6