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特許7149773低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置
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  • 特許-低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置 図1
  • 特許-低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置 図2
  • 特許-低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置 図3
  • 特許-低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置 図4
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  • 特許-低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置 図11
  • 特許-低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置 図12
  • 特許-低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置 図13
  • 特許-低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置 図14
  • 特許-低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置 図15
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/30 20060101AFI20220930BHJP
   H02B 1/20 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
H02B1/30 F
H02B1/20 B
H02B1/20 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018163448
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2019050721
(43)【公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-05-13
(31)【優先権主張番号】17190422.0
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508161584
【氏名又は名称】エービービー・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】ABB S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Vittor Pisani, 16, I-20124, MILANO, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルセッキ ダヴィデ
(72)【発明者】
【氏名】ナヴァ ジュゼッペ
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/064617(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2014/315401(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/30
H02B 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直支柱と水平横桟を有する支持構造を備え、上下方向に延びる一対の長辺およびバスバーの上端と下端に配置される一対の短辺を有する長方形の1つ以上のバスバーと1つ以上の電気装置を収容する低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置であって、
前記コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置は、前記バスバーの1つ以上と結合するように構成された第1表面と、前記電気装置の1つ以上と結合するように構成された第2表面とを有する長方形の絶縁本体を備え、
前記第1表面および第2表面は、互いに平行で低電圧配電盤の支持構造の垂直支柱又は水平横桟の一方に結合するように構成された第1対向面および第2対向面と、互いに平行で第1対向面および第2対向面に直交し第3対向面および第4対向面に対応して複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を垂直に積み重ねるように構成された第3対向面および第4対向面とによって範囲が定められ、
前記第1表面は、互いに対向してバスバー用の保持スペースを形成する第1保持手段および第2保持手段の複数の保持対を備え、
ある特定のバスバー用の保持対は前記第1対向面および第2対向面に平行な方向に整列され、別のバスバー用の保持対は第3対向面および第4対向面に平行な方向に間隔を有し、
前記第2表面は前記電気装置と前記バスバーとの間に接続手段を、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を介して挿入できるように構成された複数の開口を備え、
前記絶縁本体の複数の保持対はバスバーの上下方向に延びる一対の長辺を保持可能であり、
前記絶縁本体は前記支持構造の上下に配置された各水平横桟に固定可能であり、
前記支持構造の下側の水平横桟に固定された状態の前記絶縁本体は複数の保持対によってバスバーの下側の短辺を保持可能であり、
前記支持構造の上側の水平横桟に固定された状態の前記絶縁本体は複数の保持対によってバスバーの上側の短辺を保持可能であることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1対向面および第2対向面に平行な方向に沿って間隔を有する複数の保持対を、特定のバスバーのために備えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記保持対の前記第1保持手段および第2保持手段は、それぞれ、互いに対向する第1保持面および第2保持面を有する第1および第2保持歯を備え、バスバー用の前記保持スペースを形成することを特徴とする請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
前記第1保持面および第2保持面は、前記第1保持面および第2保持面と、前記バスバーの表面との間の機械的な干渉によって、対応するバスバーを適所に支持して保持するように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記バスバー間に絶縁分離体を固定する複数の固定手段を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
前記固定手段は、前記第1対向面および第2対向面に平行な方向に沿って間隔を有する複数の固定歯を備えることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の開口の少なくともいくつかは、前記絶縁本体の前記第2表面から突出する隆起エッジを備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
前記絶縁本体の前記第1対向面および第2対向面は、前記低電圧配電盤の前記支持構造の前記垂直支柱又は水平横桟の一方と結合する結合手段を備えることを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の装置。
【請求項9】
前記瞬結合手段は、前記低電圧配電盤の前記支持構造の前記垂直支柱又は水平横桟の一方の対応スロットに係合するように構成された形状を有する突出部を備えることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記絶縁本体は、前記絶縁本体の前記第3対向面沿って間隔を有し、かつ、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置が前記低電圧配電盤の頂上部又は底部に搭載されるときに対応バスバーを保護するように構成された複数の保護タブを備えることを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載の装置。
【請求項11】
垂直支柱と水平横桟とを有し、1つ以上のバスバーと1つ以上の電気装置とを収容するように構成された支持構造を備える低電圧配電盤であって、請求項1~10のいずれか1つに記載の1つ以上の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を備えることを特徴とする低電圧配電盤。
【請求項12】
互いに垂直に積み重ねられた請求項1~10のいずれか1つに記載の複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置から作られた連続仕切り壁によって分離されたバスバーコンパートメントと装置コンパートメントを備えることを特徴とする請求項11記載の低電圧配電盤。
【請求項13】
前記低電圧配電盤の頂上部又は底部にそれぞれ設置される請求項1~10のいずれか1つに記載の少なくとも第1の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置および第2の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を備えることを特徴とする請求項11又は12に記載の低電圧配電盤。
【請求項14】
請求項1~10のいずれか1つに記載の複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を、垂直方向に間隔を開けて有する壁を備えることを特徴とする請求項11~13のいずれか1つに記載の低電圧配電盤。
【請求項15】
前記バスバーコンパートメントは、前記連続仕切り壁に対向する裏壁を備え、前記裏壁は、請求項1~10のいずれか1つに記載の複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を垂直方向に間隔を有して備えることを特徴とする請求項12に記載の低電圧配電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配電盤用、特に低電圧配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置に関し、前記装置は改良された機能と特性を有する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、低電圧配電盤用のキャビネットは、配電盤を構成する部品の機能的な要求及び設置上の要求に合うように設計され、製作される。実際に知られていることであるが、配電盤は互いに平行な金属バーのシステムを使用し、そのバーの各々は電源システムの対応する極性や位相に接続される。キャビネットの内部では、それらのバーは、配電盤に用いられる装置、例えば、サーキットブレーカー、スイッチ、押しボタン、制御装置、及び類似の装置に電気的に接続されると共に、適当な絶縁体と支持装置に幾何学的に結合される。バーと装置との間の接続部は、例えば、プレートのような、装置のタイプ応じて適当に成形された適切な導電体によって形成される。
【0003】
バスバー支持装置は、バーを互いに電気的に絶縁することに加えて、バーをキャビネットの構造体に接続させる。この方法においては、バーにおいて電流の流れによって生じる動電気力のストレスはすべて、キャビネットの構造体に放出に放出されるので、その構造体は十分な構造的強度特性を備えなければならない。さらに、電気機器は1つ以上の固定ガイド上に配置され、その固定ガイドはキャビネットのフレームに、直接又は追加の接続部品を用いて接続される。
【0004】
配電盤のキャビネットの内部では、バーが意図的に設計された装置に幾何学的に結合されるが、その装置はバーを支持し、バーを互いに絶縁し、キャビネットの耐久性のあるフレームにバーを接続することができる。この方法では、通常の構造的な支持体に加えて前記の装置も、バーの電流によって生じる動電気力のストレスがフレーム上に放出されるようにできる。
【0005】
前記の装置が収容される配電盤の前側の容積からバスバーを安全上の理由で分離しておくために、通常、配電盤内に絶縁性の仕切りが設けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
技術の現状では、既知のタイプの支持装置を用いることは、バスバーを支持し、バスバーコンパートメントと装置コンパートメント間の絶縁性仕切りを造るために必要な構成部品の数と種類を考慮すると、いくつかの欠点を有する。
【0007】
実際、図1を参照すると、従来の配電盤100は通常、垂直支柱103によって構造的に接続される基部101と頂上部102を有する支持構造201を備える。多くのプレート104が、配電盤100の前側に設置されたバスバーコンパートメントと装置コンパートメント105間の仕切りを造るために配電盤100内に設けられている。
【0008】
図2を参照すると、種々のバスバー106が、前方搭載ブラケット108に固定された多数の前方支持体107と、後方搭載ブラケット110に固定された多数の後方支持体109とによって、種々の高さに支持されている。後方支持体109が通常、前方支持体107に対して異なる形状と寸法を有することは、注目に値する。
【0009】
プレート104、前方搭載ブラケット108、及び後方搭載ブラケット110は、多数のねじ111によって配電盤100の支持構造に固定されている。
【0010】
現状の対応策は、それが固定用のねじ手段を必要とする非常に多数の構造的構成部品(例えば、プレート104、前方支持体107、対応する前方搭載ブラケット108、後方支持体109、及び対応する後方搭載ブラケット110)の使用を含む限りでは、製造コストや製造時間、さらに組み立ての時間と困難性が結果的に増大することと共に、明らかに不利益であるということは、上記から明白である。
【0011】
その上、バスバー106の先端と底端を固定して絶縁するためのさらなる装置が必要とされ、それによって構造的な構成部品の数がさらに増加し、結果的に構造的な複雑性と、製造および組み立てコストと時間による欠点につながる。
【0012】
バスバー106が垂直方向に沿った不連続点においてのみ(つまり、連続的でなく)前方支持体107と後方支持体109によって支持され、それによって、バスバー106が動電気力のストレス、特に短絡状態におけるストレスに耐えることが難しくなるという事実によって、さらなる問題が生じる。そのような問題は、バスバー106の垂直方向に沿って互いに狭い間隔を有する多数の前方支持体107と後方支持体109を用いることによって部分的にのみ解決できるが、そのような解決策はさらに構成部品の数を増大させ、配電盤100へのバスバー106の組み立て作業を複雑にする。
【0013】
従って、この発明は、配電盤、特に低電圧配電盤用のキャビネット内でコンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を提供して、上述の欠点の少なくともいくつかを克服することを目的とする。
【0014】
特に、この発明は、配電盤内にバスバーアセンブリを固定するために必要な構成部品の数を減らすことが可能な、配電盤用の、特に低電圧配電盤用のキャビネット内でコンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を提供することを目的とする。
【0015】
さらに、この発明は、低電圧配電盤におけるバスバーコンパートメントと装置コンパートメント間の必要な絶縁と仕切りを維持することが可能な、配電盤用の、特に低電圧配電盤用のキャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を提供することを目的とする。
【0016】
それに加えて、この発明は、短絡状態及び/又は内部電弧(アーク)状態においてでさえも、バスバーアセンブリが動電気力のストレスに耐えることが可能な、配電盤用の、特に低電圧配電盤用のキャビネット内でコンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、この発明は、信頼性があり、競争力のある価格で製造することが比較的容易である、配電盤用の、特に低電圧配電盤用のキャビネット内でコンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
従って、この発明は、垂直支柱と水平横桟を有する支持構造を備え、1つ以上のバスバーと1つ以上の電気機器を収容する低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置に関する。この発明の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置は、前記バスバーの1つ以上と結合するように構成された第1表面と、前記電気装置の1つ以上と結合するように構成された第2表面とを有する長方形の絶縁本体を備え、前記第1表面および第2表面は、互いに平行で低電圧配電盤の支持構造の垂直支柱又は水平横桟の一方に結合するように構成された第1対向面および第2対向面と、互いに平行で第1対向面および第2対向面に直交し第3対向面および第4対向面に対応して複数のコンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を垂直に積み重ねるように構成された第3対向面および第4対向面とによって範囲が定められ、前記第1表面は、互いに対向してバスバー用の保持スペースを形成する第1保持手段および第2保持手段の複数の保持対を備え、特定のバスバー用の保持対は前記第1対向面および第2対向面に平行な方向に整列され、別のバスバー用の保持対は第3対向面および第4対向面に平行な方向に間隔を有し、前記第2表面は前記電気装置と前記バスバーとの間に接続手段を、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を介して挿入できるように構成された複数の開口を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
次の記述においてさらに詳しく説明するように、この発明の配電盤用キャビネット内の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の特定の構造によって、上述の問題点が回避でき、全システムは融通性を有し、操作が容易になる。
【0020】
実際、この発明の装置は、バスバーを支持する機能とコンパートメントを仕切る機能の両方を、1つの同じ本体内で結合し、それによって、配電盤内にバスバーアセンブリを支持するために必要な、そして、バスバーコンパートメントと装置コンパートメント間に仕切りを造るために必要な構成部品の数を著しく減少させる。
【0021】
次の記述において、さらに詳しく説明するように、絶縁本体の第1表面に設けられた第1および第2保持手段の複数の保持対は、短絡状態及び/又は内部電弧(アーク)状態による強い動電気力のストレスが存在しても、バスバーアセンブリを適所に支持して保持することができる。
【0022】
さらに、この発明による複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を、適当に垂直に積み重ねることによって、低電圧配電盤内でバスバーコンパートメントと装置コンパートメント間に、効果的な絶縁性の仕切り壁を造ることができる。
【0023】
低電圧配電盤の垂直支柱又は水平横桟の一方によって絶縁本体の第1および第2対向面を結合することにより、ねじ手段のような比較的扱いにくく時間のかかる固定手段の使用を避けることができる。
【0024】
さらなる利点として、この発明の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置は、垂直方向のみならず水平方向においても、バスバーを支持してバスバーコンパートメントの範囲を定めるために使用できるが、それは、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置が、低電圧配電盤の頂上部及び/又は底部に対応して水平に設置されて、バスバーコンパートメントのバスバー用の、支持して絶縁する「屋根」と「床」を形成できるからである。
【0025】
好ましくは、この発明による、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置は、所定のバスバー用に、第1および第2対向面に平行な方向に沿って間隔を有する複数の保持対を都合よく備える。この方法では、与えられたバスバーの頂上部から底部まで連続する支持部材に関して、バスバーの効果的な支持機能を、材料と関連コスト著しく節約して実現できる。
【0026】
例えば、前記保持対の第1および第2保持手段はそれぞれ、バスバー用の保持スペースを形成するように互いに対向する第1および第2保持面を有する第1および第2保持歯を備えることができる。
【0027】
そのような場合、この発明による、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の好ましい実施形態において、前記第1および第2保持面は、前記第1および第2保持面とバスバーとの機械的な衝突によって、対応するバスバーを適所に支持して保持するように構成されている。
【0028】
換言すれば、この実施形態によると、第1および第2保持歯の第1および第2保持面は、その間に挿入されるバスバーの表面と保持面との間に、バスバーを適所に支持して保持するに十分な機械的摩擦力を生じるように成形される。さらに、第1および第2保持歯の第1および第2保持面は、種々の寸法のバスバーを収容できるように成形でき、それによって、この発明の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の適用の融通性が増大する。
【0029】
この発明による、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の特に好ましい実施形態において、絶縁本体の第1表面は、バスバー間に絶縁分離体を固定する複数の固定手段を備える。この方法では、位相間の絶縁性を改良し、配電盤が内部の電弧(アーク)現象に耐え得るようにさせることができる。
【0030】
そのような場合には、例えば、前記固定手段は第1および第2対向面に平行な方向に沿って間隔を有する複数の固定歯を都合よく備える。この方法では、異なる位相間に、つまり、異なるバスバー間に絶縁材料の分離壁を造ることができる。
【0031】
この発明による、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の極めて好ましい実施形態において、前記複数の開口の少なくともいくつか、好ましくは、全ては、絶縁本体の第2表面から突出する隆起エッジを備える。この方法では、電気機器とバスバーを接続する手段、例えばクランプ、を引き抜く時に位相間の空気間隙を増大することと、配電盤の電気的に生きている部品間のIP20保護を達成することが可能である。
【0032】
前述のように、この発明による、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の利点の1つは、先行技術の色々な装置に通常用いられる大量のねじを必要としないという事実によって与えられる。従って、この発明による、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の極めて好ましい実施形態において、絶縁本体の第1および第2対向面は、低電圧配電盤の支持構造の垂直支柱又は水平横桟を有する瞬時結合手段を、都合よく備える。
【0033】
例えば、前記瞬時結合手段は、成形された突出部を都合よく備えることができるが、その突出部は、低電圧配電盤の支持構造の垂直支柱又は水平横桟の一方の対応スロットに係合するように構成され、それによって、その装置を適当な垂直又は水平位置に迅速に固定する。
【0034】
この発明による、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の代表的な実施形態において、絶縁本体は複数の保護タブを備えるが、それらの保護タブは、絶縁本体の第3側面に沿って間隔を有し、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置が低電圧配電盤の頂上部又は底部に搭載されるとき、対応するバスバーを保護するように構成されている。
【0035】
換言すれば、この発明の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置が配電盤の頂上部又は底部に対応して水平に搭載されるとき、前記タブはそれぞれ、対応するバスバーの先端の上方又は基端の下方へ突出し、それによって、それが不要に接触することを防止する。
【0036】
別の観点から、この発明はまた、支持構造、垂直支柱、及び水平横桟を備え、1つ以上のバスバーと1つ以上の電気機器を収容するように構成された低電圧配電盤に関し、その低電圧配電盤は以下に詳述するような1つ以上の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を備えることを特徴とする。
【0037】
一般的に、この発明による低電圧配電盤は、バスバーコンパートメント(通常、複数の垂直に配列されたバスバーを収容する)と、装置コンパートメント(通常、サーキットブレーカー、スイッチ、押しボタン、制御装置、及び類似の装置のような1つ以上の電気機器を収容する)とを備える。バスバーコンパートメントと装置コンパートメントとは、連続する仕切り壁によって分離されるが、その仕切り壁は、この明細書で述べるように、互いに垂直に積み重ねられた複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置、から作られる。
【0038】
さらに、この発明による低電圧配電盤は、以下にのべる少なくとも第1と第2の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を、都合よく備えることができ、それら第1と第2の装置は各々、低電圧配電盤の頂上部又は底部に設置され、バスバーの上端と下端を適所に支持して保持する。
【0039】
好ましくは、この発明による低電圧配電盤は、以下に述べるように、垂直方向に間隔を開けた複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置、を有する壁、通常はバスバーコンパートメントの裏壁を、都合よく備える。実際、バスバーコンパートメントの裏壁は、バスバーコンパートメントと装置コンパートメント間の仕切り壁のように、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置、によって完全に閉じられずに部分的に開いており、そのような裏壁に使用される、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の数は、配電盤の定格Icwに依存する。
【0040】
実際、この発明による低電圧配電盤の代表的な実施形態において、バスバーコンパートメントは、互いにぴったりと積み重ねられた複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置、から作られた連続する仕切り壁と、前記連続する仕切り壁に対向する裏壁とを備え、前記裏壁は複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を、垂直方向に間隔を有して備える。
【0041】
この発明のさらなる特徴と利点は、添付図面に実例によって示された、この発明による、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の、及び複数のそのような装置を備える低電圧配電盤の、好ましいが排他的でない実施形態の記載から、さらに明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】先行技術による低電圧配電盤の斜視図である。
図2】先行技術による支持装置及び仕切り板の構成部品の分解斜視図である。
図3】この発明による低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の第1実施形態の第1斜視図である。
図4】この発明による低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の第1実施形態の第2斜視図である。
図5】この発明による低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の第2実施形態の第1斜視図である。
図6】この発明による低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の第2実施形態の第2斜視図である。
図7図3と4に示された、この発明による低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の第1実施形態に装備された第1バスバーアセンブリの第1斜視図である。
図8図3と4に示された、この発明による低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の第1実施形態に装備された第1バスバーアセンブリの第2斜視図である。
図9図7と8に示される第1バスバーアセンブリの頂上部分の詳細斜視図である。
図10図7と8に示される第1バスバーアセンブリの底部分の詳細斜視図である。
図11図3と4に示された、この発明による低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の第1実施形態に装備された第2バスバーアセンブリの第1斜視図である。
図12図3と4に示された、この発明による低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の第1実施形態に装備された第2バスバーアセンブリの第2斜視図である。
図13図3と4に示された、この発明による低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の第1実施形態に装備された低電圧配電盤の、前扉を除去した斜視図である。
図14図3と4に示された、この発明による低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の第1実施形態に装備された低電圧配電盤の、前扉を備えた斜視図である。
図15】この発明による低電圧配電盤用キャビネットのための、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の第1実施形態に装備された低電圧配電盤のいくつかの構成部品の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
添付図を参照すると、この発明のコンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2(図3~6)は、低電圧配電盤200(図13)用のキャビネットに用いられるように構成され、低電圧配電盤200は垂直支柱202(図13,15)と水平横桟203(図15)を有し、かつ、1つ以上のバスバー204(図10,12,15)と1つ以上の電気装置205(図13)を収容する支持構造201(図13)を備える。
【0044】
図3~6を参照して、さらに全般的に説明すると、この発明のコンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2は、ほぼ長方形の形状を有する絶縁本体3,4(図3,5)を備える。図3と4の実施形態において、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1は、50mmの間隔を有するバスバーと共に用いられるようになっており、一方、図5と6の実施形態においては、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置2は、185mmの間隔を有するバスバーと共に用いられるようになっている。いずれの場合も、本質的な技術的特徴は同じであり、この2つの実施形態は共に以下に詳述される。
【0045】
コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2の絶縁本体3,4は、第1表面11,21と第2表面12,22とを備え、第1表面11,21は低電圧配電盤200内の1つ以上の垂直に搭載されたバスバー204に結合するように構成され、第2表面12,22は低電圧配電盤200内に収容された1つ以上の電気装置205に結合するように構成されている。
【0046】
絶縁本体3,4の第1表面11,21および第2表面12,22は、第1対向面31,41および第2対向面32,42によって範囲が定められるが、以下に詳述するように、第1対向面31,41および第2対向面32,42は互いにほぼ平行で、低電圧配電盤200の支持構造201の垂直支柱202又は水平横桟203の一方に結合するように構成されている。
【0047】
絶縁本体3,4の第1表面11,21および第2表面12,22もまた、第3対向面33,43および第4対向面34,44によって範囲が定められるが、第3対向面33,43および第4対向面34,44は互いにほぼ平行で、第1対向面31,41および第2対向面32,42に直交している。第3対向面33,43および第4対向面34,44は、第3対向面33,43および第4対向面34,44に対応して、複数のコンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2を垂直に積み重ねることができるように構成されている。換言すれば、複数の絶縁本体3,4は、以下に詳述するように、第3対向面33,43および第4対向面34,44に対応して互いに積み重ねられて連続した壁を造ることができる。
【0048】
この発明のコンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2の他の特徴の1つは、第1表面11,21が互いに対向してバスバー204用の保持スペース53,63を形成する第1保持手段51,61および第2保持手段52,62の複数の保持対5,6を備えるという事実によって与えられる。
【0049】
添付図に明確に示すように、特定のバスバー204用の保持対5は第1対向面31,41および第2対向面32,42に平行な方向に整列され、別のバスバー204用の保持対5,6は第3対向面33,43および第4対向面34,44に平行な方向に間隔を有する。実際、図4と6を参照すると、保持対5は第1バスバーを支持するように設計され、一方、隣接する保持対6は第1バスバーに隣接する第2バスバーを支持するように設計されている。同じ構造が、さらに隣接するバスバーに対して繰り返される。
【0050】
図3と5を参照すると、この発明の、コンパートメントを仕切りバスバーを支持する装置1,2のさらに別の特徴が、次の事実によって与えられる。それは、第2表面12,22が、電気装置205とバスバー204との間に、コンパートメントを仕切りバスバーを支持する装置1,2を介して接続手段、例えば、クランプを挿入できるように構成された複数の開口7を備えるということである。開口7の形状と寸法は、必要に応じて、例えば、固定クランプの形状、寸法、及び数に応じて変えることができる。
【0051】
実際には、絶縁本体3,4の第1表面11,21が配電盤のバスバーコンパートメントの方を向き、第2表面12,22が配電盤の装置コンパートメントの方を向いているので、この発明のコンパートメントを仕切りバスバーを支持する装置1,2は、バスバー204を(保持対5,6を介して)支持し、かつ、低電圧配電盤200のバスバーコンパートメントと装置コンパートメントとの間に効果的な絶縁仕切り壁を形成するという2つの機能を有する。
添付図に示すように、この発明の、コンパートメントを仕切りバスバーを支持する装置1,2の好ましい実施形態において、絶縁本体3,4の第1表面11,21は、特定のバスバー204のために複数の保持対5,6を備えるが、それらは第1対向面31,41と第2対向面32,42に平行な方向に沿って間隔を有する。実際には、第1対向面31,41および第2対向面32,42に平行な第1表面11,21に沿って延びる連続的な保持対を有する代わりに、間隔を有する多数の保持対を有して、それによってバスバーの別々の点で効果的な支持機能を発揮することが好ましい。そのような対応策は、所定のバスバーの上端から下端までの連続する支持手段に対して、材料と関連費用の著しい節約を可能にする。
【0052】
この発明のコンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2の代表的な実施形態において、保持対5,6の第1保持手段51,61と第2保持手段52,62は、互いに対向してバスバー204用の保持スペース53,63を形成する第1保持面511,611と第2保持面521,621を有する第1および第2保持歯を、それぞれ備える。
【0053】
第1保持手段51,61および第2保持手段52,62の支持および保持動作は、種々の方法で実行可能である。
【0054】
この発明の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2の単純であるが有力な実施形態において、第1保持面511,611および第2保持面521,621は、第1保持面511,611および第2保持面521,621とバスバー204の表面との間の機械的な干渉(衝突)によって、対応するバスバー204を適所に支持して保持するように構成可能である。実際、第1保持面511,611と第2保持面521,621とを適当な形にすることにより、システムが種々の寸法(例えば、0,80,100,120mm)のバスバーを使用できるようになり、それによって、この発明の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2の使用上の融通性が増大する。バスバーの形状と寸法に依存して、バスバーを有するこの発明の装置1,2の他の結合システム(例えば、クリップやスナップ嵌合など)は、必要に応じて工夫することができる。
【0055】
この発明の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2の特定の実施形態において、絶縁本体3,4の第1表面11,21は、バスバー204間の絶縁分離体210用の複数の固定手段8を備えることができる。そのような対応策は、位相間の絶縁を改良させ、配電盤が内部の電弧(アーク)現象に耐えられるようにすることができる。
【0056】
代表的な実施形態として、固定手段8は、複数の固定歯81,82を都合よく備えるが、それらは第1対向面31,41と第2対向面32,42に平行な方向に沿って間隔を有する。固定手段のための他の対応策も、必要に応じて可能である。
【0057】
この発明の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2のさらに好ましい実施形態において、複数の開口7のいくつか、好ましくは、全ては、絶縁本体3,4の第2表面12,22から突出し開口7を囲む隆起エッジ71を備える。隆起エッジ71の存在によって電気装置とバスバーとの間の接触領域が保護され、位相間の空間距離(空隙)が増大し、予期せぬ電弧(アーク)の発生が回避される。
【0058】
この発明の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2のさらに好ましい実施形態において、絶縁本体3,4の第1対向面31,41と第2対向面32,42は、瞬時結合手段9を備えるが、瞬時結合手段9は、低電圧配電盤200の支持構造201の垂直支柱202又は水平横桟203の一方に装置1,2を迅速かつ容易に接続させ、それによって低電圧配電盤200において、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2を迅速かつ容易に組み立てることができる。
【0059】
代表的な実施形態として、瞬時結合手段9は、成形された突出部を都合よく備えることができるが、その突出部は低電圧配電盤200の支持構造201の垂直支柱202又は水平横桟203の一方の対応スロット91に係合するように構成されている。
【0060】
前述のように、この発明の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2の顕著な特徴の1つは、バスバーコンパートメントと装置コンパートメントとの間に垂直な仕切りと支持壁を造るためにのみならず、バスバーの上端と下端を支持するために装置1,2を配電盤の頂上部と底部に水平に搭載するためにそれを使用できることである。
【0061】
そのような場合に、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2の絶縁本体3,4は、都合よく複数の保護タブ10を備えるが、保護タブ10は絶縁本体3,4の第3対向面33,43に沿って間隔を有する。保護タブ10は、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1a,1b,2a,2bが低電圧配電盤200の頂上部又は底部に搭載されるとき、対応するバスバー204を保護するように都合よく構成される。
【0062】
図7~14を参照すると、この発明の低電圧配電盤200における完全なバスバーのアセンブリ(図7~12)は、この発明の複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1から作られた仕切り壁206を都合よく備えるが、それらの装置1は互いに垂直に積み重ねられ、低電圧配電盤200の前側でバスバー204と電気機器205との間に垂直な絶縁壁を形成する。
【0063】
仕切り壁206は、複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1を、低電圧配電盤200の支持構造201の垂直支柱202に固定することにより、例えば、絶縁本体3,4の第1対向面31,41および第2対向面32,42上に設置された突出部9を、垂直支柱202の対応スロット91に係合させることにより、都合よく実現される。
【0064】
従って、図13に示すように、この発明による低電圧配電盤200は、バスバー204のコンパートメントと電気装置205のコンパートメントとを備えるが、それらのコンパートメントは、互いに垂直に積み重ねられた、複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1から全体的に作られた連続する仕切り壁206によって分離されている。それ故、連続する仕切り壁206は、バスバー204を支持することと、2つのコンパートメントを分離することの2つの目的を有するが、同時に、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2の開口7を介してバスバー204に電気装置205を接続することができる。
【0065】
バスバーアセンブリは、低電圧配電盤200の頂上部に設置された少なくとも第1の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1a,2aと、低電圧配電盤200の底部に設置された少なくとも第2の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1b,2bとを、さらに備える。
【0066】
頂上部と底部の支持閉鎖部材は、低電圧配電盤200の支持構造201の頂上部に設置された水平横桟203上に少なくとも第1の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1a,2aを固定し、低電圧配電盤200の支持構造201の底部に設置された水平横桟203上に少なくとも第2の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1b,2bを固定することによって都合よく実現できる。
【0067】
第1と第2の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1a,2a,1b,2bの固定は、例えば、絶縁本体の第1対向面31,41と第2対向面32,42上に設置された突出部9を水平横桟203の対応スロットに係合することによって行うことができる。
【0068】
さらに、低電圧配電盤200のバスバーアセンブリは、この発明による複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1,2を有する壁207をさらに備えるが、その装置1,2は低電圧配電盤200の垂直方向に沿って間隔を有する。仕切り壁206と違って、バスバーコンパートメントの裏壁207は、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1によって完全には閉じられず、部分的に開放され、そのような裏壁207に用いられる、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1の数は、その必要性に依存する。
【0069】
仕切り壁206に対して、裏壁207も、複数の、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1を、低電圧配電盤200の支持構造201の垂直支柱202に固定することにより、例えば、絶縁本体3,4の第1対向面31,41および第2対向面32,42上に設置された突出部9を、垂直支柱202の対応スロット91に係合させることにより、都合よく実現される。
【0070】
図11と12を参照すると、ここに開示される、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置1によって得ることができる更なる利点は、既に引用した図に明示されるように、同じ列内に2つの垂直配電システムを搭載する可能性によって与えられる。
【0071】
ここに開示された、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置が、低電圧配電盤と同様に、意図された目的を十分に達成し、上記で強調された既存の装置や配電盤の問題点を解決するということは、上記の記載から明らかである。
【0072】
実際、この発明による、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置は、必要な構成部品の数を、著しく減少させるが、それは、バスバーコンパートメントの全側面においてコンパートメントを仕切る機能とバスバーを支持する機能とを1つの同じ装置で達成し、同時に、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置の開口を介して電気装置をバスバーに瞬時に接続する可能性を維持することができるからである。これは、図2と15とを比較することによって容易に理解することができる。
【0073】
既に指摘したように、組み立て処理は、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を配電盤の支持機構に固定するために瞬時結合手段が使用されるので、非常に単純化される。
【0074】
さらに、そのシステムは、種々の寸法(60,80,100,120mm)及び/又は種々の間隔を有するバスバーを用いることができるので、非常に融通性がある。
【0075】
コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置に対してだけでなく、そのような、コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置を備える低電圧配電盤に対しても同様に、いくつかの変形を作ることができるが、その全ては、添付された特許請求の範囲の範囲内に収まる。実際には、使用される材料及び付随する寸法と形状は、要求と技術の状態により、どのようにでもすることができる。
【符号の説明】
【0076】
1a,1b,2a,2b コンパートメントを仕切ってバスバーを支持する装置
3,4 絶縁本体
5,6 保持対
7 開口
8 固定手段
9 瞬時結合手段、突出部
10 保護タブ
11,21 第1表面
12,22 第2表面
31,41 第1対向面
32,42 第2対向面
33,43 第3対向面
34,44 第4対向面
51 第1保持手段
52 第2保持手段
53 保持スペース
61 第1保持手段
62 第2保持手段
63 保持スペース
71 隆起エッジ
81,82 固定歯
91 対応スロット
100 配電盤
101 基部
102 頂上部
103 支柱
104 プレート
105 コンパートメント
106 バスバー
107 前方支持体
108 前方搭載ブラケット
109 後方支持体
110 後方搭載ブラケット
111 ねじ
200 低電圧配電盤
201 支持構造
202 支柱
203 横桟
204 バスバー
205 電気装置
206 仕切り壁
207 壁、裏壁
210 絶縁分離体
511,611 第1保持面
521,621 第2保持面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15