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特許7149803印刷データ作成装置、印刷システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】印刷データ作成装置、印刷システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220930BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
G06F3/12 343
G06F3/12 303
G06F3/12 353
B41J29/38
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018199916
(22)【出願日】2018-10-24
(65)【公開番号】P2020067804
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】水野 幸民
(72)【発明者】
【氏名】北脇 崇也
(72)【発明者】
【氏名】日吉 唯
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-019058(JP,U)
【文献】特開2017-087572(JP,A)
【文献】特開2012-140005(JP,A)
【文献】特開2016-081076(JP,A)
【文献】特開2017-151734(JP,A)
【文献】特開平11-102406(JP,A)
【文献】特開2018-120109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷内容の指示入力を受ける入力部と、
非消色記録材で印刷する第1の画像を決定し、前記第1の画像及び前記指示入力に基づき、消色記録材で印刷する第2の画像を決定する決定部と、
前記非消色記録材で前記第1の画像を印刷し、前記消色記録材で前記第2の画像を印刷するように指定するデータを出力する出力部と、を備え
前記入力部は、前記指示入力として、文字列の入力を受け、
前記決定部は、前記文字列の文字数に応じた枠を含む画像を前記第2の画像として決定する、
刷データ作成装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記指示入力に基づき、前記第2の画像に含まれる言語を決定する、請求項1に記載の印刷データ作成装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記指示入力に基づき、非消色記録材で印刷する前記第1の画像を決定する、請求項1又は請求項2に記載の印刷データ作成装置。
【請求項4】
印刷内容の指示入力を受ける入力部と、
非消色記録材で印刷する第1の画像を決定し、前記第1の画像及び前記指示入力に基づき、消色記録材で印刷する第2の画像を決定する決定部と、
前記非消色記録材で前記第1の画像を印刷し、前記消色記録材で前記第2の画像を印刷するように指定するデータを出力する出力部と、
前記データに基づき、前記非消色記録材で前記第1の画像を印刷し、前記消色記録材で前記第2の画像を印刷する印刷部と、を備え
前記入力部は、前記指示入力として、文字列の入力を受け、
前記決定部は、前記文字列の文字数に応じた枠を含む画像を前記第2の画像として決定する、
刷システム。
【請求項5】
印刷データ作成装置が備えるプロセッサーを、
非消色記録材で印刷する第1の画像を決定し、前記第1の画像及び印刷内容の指示入力に基づき、消色記録材で印刷する第2の画像を決定する決定部と、
前記非消色記録材で前記第1の画像を印刷し、前記消色記録材で前記第2の画像を印刷するように指定するデータを出力する出力部と、して機能させるためのプログラムであって、
前記決定部は、前記指示入力として入力された文字列の文字数に応じた枠を含む画像を前記第2の画像として決定する、
プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、印刷データ作成装置、印刷システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種申請書などにおいて、記入の仕方などの説明事項などを余白に印刷したものがある。このような申請書などは、記入者によって必要な説明の内容が異なる場合がある。これに対応するために、説明事項が異なる複数の申請書などを用意する場合がある。しかしながら、説明事項が異なる複数の申請書などを用意することで、申請書などの在庫の量が増加することとなる。また、申請書などの種類が増えることで、申請書などの保管に必要なスペースが増え、申請書などの管理の手間も増えることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-282121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、利便性の高い印刷物を作成可能にする印刷データ作成装置、印刷システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の印刷データ作成装置は、入力部、決定部及び出力部を含む。入力部は、印刷内容の指示入力を受ける。決定部は、非消色記録材で印刷する第1の画像を決定し、前記第1の画像及び前記指示入力に基づき、消色記録材で印刷する第2の画像を決定する。出力部は、前記非消色記録材で前記第1の画像を印刷し、前記消色記録材で前記第2の画像を印刷するように指定するデータを出力する。入力部は、前記指示入力として、文字列の入力を受ける。決定部は、前記文字列の文字数に応じた枠を含む画像を前記第2の画像として決定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る印刷システム及び当該印刷システムに含まれる構成要素についての要部回路構成の一例を示すブロック図。
図2図1中の端末装置が備える補助記憶デバイスに記憶される書類データベースのデータ構造の一例を示す図。
図3図1中の端末装置が備える補助記憶デバイスに記憶される書類画像の一例を示す図。
図4図1中の端末装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図5図1中の画像形成装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図6図1中の端末装置によって生成される消色画像の一例を示す図。
図7】書類画像と消色画像を重ねた画像の一例を示す図。
図8図1中の端末装置によって生成される消色画像の一例を示す図。
図9】書類画像と消色画像を重ねた画像の一例を示す図。
図10】記入済みの書類の一例を示す図。
図11】記入済みの書類に対して消色動作が行われたものの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態に係る印刷システムについて図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。
図1は、実施形態に係る印刷システム1及び印刷システム1に含まれる構成要素についての要部回路構成の一例を示すブロック図である。印刷システム1は、書類の記入者(以下、単に「記入者」という。)に応じた書類などを印刷するシステムである。印刷システム1は、一例として、端末装置10及び画像形成装置20を含む。
【0008】
端末装置10及び画像形成装置20は、ネットワークNWに接続する。ネットワークNWは、典型的にはイントラネットなどのプライベートネットワークを含む通信網である。ネットワークNWは、典型的にはLAN(local area network)を含む通信網である。ネットワークNWは、インターネットを含む通信網であっても良い。ネットワークNWは、WAN(wide area network)を含む通信網であっても良い。
【0009】
端末装置10は、例えば、PC(personal computer)、タブレットPC又はデジタルサイネージなどのような、操作入力が可能なコンピューターである。端末装置10は、一例として、プロセッサー11、ROM(read-only memory)12、RAM(random-access memory)13、補助記憶デバイス14、通信インターフェース15、表示デバイス16及び入力デバイス17を含む。そして、これら各部がバス18などによって接続される。端末装置10は、印刷データ作成装置の一例である。
【0010】
プロセッサー11は、端末装置10の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分に相当する。プロセッサー11は、ROM12又は補助記憶デバイス14などに記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、端末装置10の各種の機能を実現するべく各部を制御する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー11の回路内に組み込まれていても良い。プロセッサー11は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー11は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0011】
ROM12は、プロセッサー11を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。ROM12は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM12は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM12は、プロセッサー11が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0012】
RAM13は、プロセッサー11を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。RAM13は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM13は、プロセッサー11が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0013】
補助記憶デバイス14は、プロセッサー11を中枢とするコンピューターの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス14は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)又はeMMC(embedded MultiMediaCard)などである。補助記憶デバイス14は、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス14は、プロセッサー11が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー11での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。なお、端末装置10は、補助記憶デバイス14として、メモリカード、USB(universal serial bus)メモリ又は光学ディスクなどの記憶媒体を挿入可能なインターフェースを備えていてもよい。当該インターフェースは、当該記憶媒体に情報を読み書きする。
【0014】
また、補助記憶デバイス14は、書類データベースを記憶する。書類データベースは、印刷システム1が印刷する各書類に関する情報などを記憶及び管理するデータベースである。書類データベースは、例えば、図2に示すよう書類テーブルT1を含む。図2は、補助記憶デバイス14に記憶される書類データベースのデータ構造の一例を示す図である。書類テーブルT1は、書類の種類ごとに、それぞれの書類の種類に関する情報を記憶する。書類テーブルT1は、書類ID(identifier)に、書類名、書類画像、入力情報及び生成情報などを関連付ける。なお、書類IDは、書類の種類ごとにユニークに付与される識別情報である。書類名は、書類の種類を示す名称である。書類画像は、非消色記録材で印刷する画像である。書類画像は、一例として、図3に示すような画像IM1である。図3は、補助記憶デバイス14に記憶される書類画像の一例を示す図である。画像IM1は、氏名、住所、電話番号及び生年月日を記入する記入欄を含む。なお、入力情報及び生成情報については、後述する。
【0015】
ROM12又は補助記憶デバイス14に記憶されるプログラムは、後述する処理を実行するためのプログラムを含む。一例として、端末装置10は、当該プログラムがROM12又は補助記憶デバイス14に記憶された状態で端末装置10の管理者などへと譲渡される。しかしながら、端末装置10は、当該プログラムがROM12又は補助記憶デバイス14に記憶されない状態で当該管理者などに譲渡されても良い。また、端末装置10は、当該プログラムとは別のプログラムがROM12又は補助記憶デバイス14に記憶された状態で当該管理者などに譲渡されても良い。そして、後述する処理を実行するためのプログラムが別途に当該管理者などへと譲渡され、当該管理者又はサービスマンなどによる操作の下にROM12又は補助記憶デバイス14へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはネットワークなどを介したダウンロードにより実現できる。
【0016】
通信インターフェース15は、端末装置10がネットワークNWなどを介して通信するためのインターフェースである。
【0017】
表示デバイス16は、端末装置10の操作者(以下、単に「操作者」という。)に各種情報を通知するための画面を表示する。表示デバイス16は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイである。なお、操作者は、例えば、記入者又は書類を記入者に渡す係員などである。
【0018】
入力デバイス17は、操作者による操作を受け付ける。入力デバイス17は、例えば、キーボード、キーパッド、タッチパッド又はマウスなどである。また、表示デバイス16及び入力デバイス17としては、タッチパネルを用いることもできる。すなわち、タッチパネルが備える表示パネルを表示デバイス16として用いることができる。そして、タッチパネルが備える、タッチ入力によるポインティングデバイスを入力デバイス17として用いることができる。
【0019】
バス18は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、端末装置10の各部で授受される信号を伝送する。
【0020】
画像形成装置20は、例えば、MFP(multifunction peripheral)、コピー機、プリンター又はファクシミリなどである。画像形成装置20は、一例として、プロセッサー21、ROM22、RAM23、補助記憶デバイス24、通信インターフェース25、画像形成部26、消色部27及び操作パネル28を含む。そして、これら各部がバス29などによって接続される。
【0021】
プロセッサー21は、画像形成装置20の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分に相当する。プロセッサー21は、ROM22又は補助記憶デバイス24などに記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、画像形成装置20の各種の機能を実現するべく各部を制御する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー21の回路内に組み込まれていても良い。プロセッサー21は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー21は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0022】
ROM22は、プロセッサー21を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。ROM22は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM22は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM22は、プロセッサー21が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0023】
RAM23は、プロセッサー21を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。RAM23は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM23は、プロセッサー21が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0024】
補助記憶デバイス24は、プロセッサー21を中枢とするコンピューターの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス24は、例えばEEPROM、HDD、SSD又はeMMCなどである。補助記憶デバイス24は、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス24は、プロセッサー21が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー21での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。なお、画像形成装置20は、補助記憶デバイス24として、メモリカード又はUSB(universal serial bus)メモリなどの記憶媒体を挿入可能なインターフェースを備えていてもよい。当該インターフェースは、当該記憶媒体に情報を読み書きする。
【0025】
ROM22又は補助記憶デバイス24に記憶されるプログラムは、後述する処理を実行するためのプログラムを含む。一例として、画像形成装置20は、当該プログラムがROM22又は補助記憶デバイス24に記憶された状態で画像形成装置20の管理者などへと譲渡される。しかしながら、画像形成装置20は、当該プログラムがROM22又は補助記憶デバイス24に記憶されない状態で当該管理者などに譲渡されても良い。また、画像形成装置20は、当該プログラムとは別のプログラムがROM22又は補助記憶デバイス24に記憶された状態で当該管理者などに譲渡されても良い。そして、後述する処理を実行するためのプログラムが別途に当該管理者などへと譲渡され、当該管理者又はサービスマンなどによる操作の下にROM22又は補助記憶デバイス24へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはネットワークなどを介したダウンロードにより実現できる。
【0026】
通信インターフェース25は、画像形成装置20がネットワークNWなどを介して通信するためのインターフェースである。
【0027】
画像形成部26は、記録材を用いて画像を形成することで、画像形成媒体に画像を印刷するプリンターである。画像形成媒体は、例えば、シート状の紙などである。
画像形成部26は、消色可能な記録材(以下「消色記録材」という。)を用いた印刷が可能である。消色記録材は、所定の温度よりも高い温度で消色して不可視の状態となる記録材である。
また、画像形成部26は、消色可能ではない通常の記録材(以下「非消色記録材」という。)を用いた印刷も可能である。さらに、画像形成部26は、消色記録材と非消色記録材の両方を用いた印刷も可能である。
画像形成部26は、印刷部の一例である。
【0028】
消色部27は、画像形成媒体を加熱することで、画像形成媒体上に消色記録材で形成された画像を消色する。消色部27は、画像形成媒体を加熱する加熱装置を含んでいる。加熱装置は、例えば、ヒートローラー又は赤外線ヒーターなどである。あるいは、加熱装置は、摩擦によって画像形成媒体を加熱するものであってもよい。なお、画像形成装置20は、消色用トレイを備える。消色用トレイは、消色の対象とする画像形成媒体を収容する。画像形成装置20は、当該トレイに収容された画像形成媒体を消色部27に搬送することで消色を行う。
【0029】
操作パネル28は、画像形成装置20と画像形成装置20の操作者との間で入出力を行うマンマシンインターフェースなどを備える。操作パネル28は、例えば、当該操作者が操作するためのボタン及びタッチパネルなどを備える。当該タッチパネルは、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどのディスプレイとタッチ入力によるポインティングデバイスとが積層されたものである。したがって、当該ボタン及びタッチパネルは、当該操作者による操作を受け付ける入力デバイスとして機能する。また、当該タッチパネルが備えるディスプレイは、当該操作者に各種情報を通知する表示デバイスとして機能する。
【0030】
バス29は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、画像形成装置20の各部で授受される信号を伝送する。
【0031】
以下、実施形態に係る印刷システム1の動作を図4及び図5などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。図4は、端末装置10のプロセッサー11による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー11は、例えば、ROM12又は補助記憶デバイス14などに記憶されたプログラムに基づいてこの処理を実行する。図5は、画像形成装置20のプロセッサー21による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー21は、例えば、ROM22又は補助記憶デバイス24などに記憶されたプログラムに基づいてこの処理を実行する。
【0032】
図4のAct11において端末装置10のプロセッサー11は、印刷する書類の種類を選択するための画面である選択画面に対応した画像を生成する。そして、プロセッサー11は、生成したこの画像を表示するように表示デバイス16に対して指示する。この指示を受けて表示デバイス16は、選択画面を表示する。
操作者は、入力デバイス17を操作して、選択画面から印刷したい書類を選択する。
【0033】
Act12においてプロセッサー11は、書類を選択する操作が行われるのを待ち受ける。プロセッサー11は、書類を選択する操作が行われたならば、Act12においてYesと判定してAct13へと進む。
【0034】
Act13においてプロセッサー11は、選択画面において選択された書類の種類に対応する書類IDをRAM13に記憶する。なお、ここでRAM13に記憶された書類IDを、以下「記憶ID」というものとする。
【0035】
Act14においてプロセッサー11は、入力画面に対応した画像を生成する。そして、プロセッサー11は、生成したこの画像を表示するように表示デバイス16に対して指示する。この指示を受けて表示デバイス16は、入力画面を表示する。
【0036】
入力画面は、必要事項などの各種事項の入力を行うための画面である。入力画面は、各種入力欄及び完了ボタンを含む。
【0037】
入力欄は、各種事項などの入力を行うための欄である。入力欄は、選択された書類に応じたものが表示される。プロセッサー11は、記憶IDに関連付けられた入力情報に基づき、入力画面に表示する入力欄を決定する。入力情報は、書類ごとにどのような入力欄を入力画面に表示するかを規定する。また、入力情報は、書類ごとにどのような各種事項を入力可能であるかを定める。
完了ボタンは、各種事項の入力が終わった場合に操作者が操作するためのボタンである。
【0038】
入力画面において入力された内容は、印刷内容を指示する入力の一例である。したがって、入力デバイス17は、印刷内容の指示入力を受ける入力部の一例である。
【0039】
操作者は、入力デバイス17を操作して各種入力欄に各種事項の入力を行う。各種事項は、例えば、記入者が使用する言語、及び記入者の個人情報などである。言語は日本語の他、例えば、英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語などである。当該個人情報は、例えば、氏名及び住所などである。ここで入力される氏名及び住所などは、後で記入者が書類に記入する氏名及び住所と同一である。操作者は、各種事項の入力が終わったならば、完了ボタンを操作する。
【0040】
Act15においてプロセッサー11は、各種事項の入力が行われるのを待ち受ける。プロセッサー11は、完了ボタンが操作されたことに応じて各種事項の入力が行われたと判定する。プロセッサー11は、各種事項の入力が行われたと判定するならば、Act15においてYesと判定してAct16へと進む。対して、プロセッサー11は、各種事項の入力が行われないと判定するならば、Act15においてNoと判定してAct15の処理を繰り返す。
【0041】
Act16においてプロセッサー11は、各種事項の入力内容に不備が無いか否かを判定する。プロセッサー11は、各種事項の入力内容に不備があると判定するならば、Act16においてNoと判定してAct14へと戻る。対して、プロセッサー11は、各種事項の入力内容に不備が無いと判定するならば、Act16においてYesと判定してAct17へと進む。
【0042】
Act17においてプロセッサー11は、Act13で記憶した書類IDに関連付けられた生成情報に基づき、当該書類IDに関連付けられた書類画像に重ねる画像を生成する。ここでプロセッサー11が生成する画像は、消色記録材によって印刷される画像である。なお、ここでプロセッサー11が生成する、消色記録材によって印刷される画像を以下「消色画像」というものとする。生成情報は、書類ごとの消色画像を生成するために必要な情報である。消色画像は、一例として、図6に示す画像IM2のようなものである。図6は、端末装置10によって生成される消色画像の一例を示す図である。図3に示す画像IM1と図6に示す画像IM2とを重ねることで、当該画像形成媒体には図7に示すような画像IM3が得られる。図7では単色で画像IM3を示しているが、画像IM3のうち、図3に示す画像IM1と同一の部分は非消色記録材で印刷される。また、図7に示す画像IM3のうち、図6に示す画像IM2と同一の部分は消色記録材で印刷される。したがって、説明書きなどが消色記録材によって印刷されることとなる。図7は、書類画像と消色画像を重ねた画像の一例を示す図である。なお、図6及び図7は、記入者の使用する言語として日本語が選択された場合のものを示している。したがって、図6の画像IM2及び図7の画像IM3は、日本語による文字列を含む。記入者が使用する言語として他の言語が選択されている場合には、画像IM2及び画像IM3には、例えば、日本語による説明書きなどの文字列に代えて、選択された言語に応じた当該言語による文字列が含まれることとなる。
【0043】
あるいは、プロセッサー11は、消色画像の一例として、図8に示すような画像IM4を生成しても良い。図8は、端末装置10によって生成される消色画像の一例を示す図である。図3に示す画像IM1と、図8に示す画像IM4とを重ねると図9に示す画像IM5のようになる。図9は、書類画像と消色画像を重ねた画像の一例を示す図である。画像IM5のうち、図3に示す画像IM1と同一の部分は非消色記録材で印刷される。そして、図9に示す画像IM5のうち、図8に示す画像IM4と同一の部分は消色記録材で印刷される。画像IM4は、複数の枠線を含む。当該複数の枠線のそれぞれは、内側に文字を1文字記入するためのものである。画像IM4は、氏名を書く欄用の複数の枠線と、住所を書く欄用の複数の枠線を含む。枠線の数は、入力画面において入力された内容の文字数に応じた数である。ここでは、枠線の数は、記入者の個人情報の文字数に応じた数である。好ましくは、枠線の数は、入力画面において入力された記入者の個人情報の文字数と同一の数である。例えば、入力画面において入力された姓がn1文字で、入力画面において入力された名がn2文字であるとする(ここで、n1及びn2は、自然数であるとする。)。この場合、プロセッサー11は、姓を記入する欄内の枠線の数をn1個、名を記入する欄内の枠線の数をn2個と決定する。また、例えば、入力画面において入力された住所の文字数がn3文字であるとする(ここで、n3は、自然数であるとする。)。この場合、プロセッサー11は、住所を書く欄の枠線の数をn3個と決定する。また、プロセッサー11は、枠線の個数に応じて、枠線を何行に分けるかを決定する。画像IM4には、枠線を2行に分けている場合の例を示している。
【0044】
なお、プロセッサー11は、枠線の数を、入力画面において入力された文字数に応じた数入力された文字数と異なる文字数としても良い。例えば、プロセッサー11は、入力された文字数に一定の数を足した数又は一定の数をかけた数を枠線の数として決定する。このようにすることで、印刷された書類が、入力内容に間違いがあった場合などにおいても記入しやすいものとなる。
【0045】
図4のAct18においてプロセッサー11は、印刷用の画像データを生成する。当該画像データは、図7に示す画像IM3又は図9に示す画像IM5のような画像が印刷できるようなデータである。すなわち、当該画像データは、消色記録材で印刷する画像と非消色記録材で印刷する画像とを含むデータである。当該画像データは、消色画像を消色記録材で印刷し、書類画像を非消色記録材で印刷するように指定するデータである。プロセッサー11は、Act13で記憶した書類IDに関連付けられた書類画像を非消色記録材で印刷する画像とし、Act17で生成した消色画像を消色記録材で印刷する画像とした画像データを生成する。
【0046】
以上より、書類画像は、非消色記録材で印刷する第1の画像の一例である。また、消色画像は、消色記録材で印刷する第2の画像の一例である。また、プロセッサー11は、画像データを生成することで、画像データを出力する出力部の一例として機能する。
また、以上より、プロセッサー11は、第1の画像を決定し、第1の画像及び入力画面において入力された内容に基づき第2の画像を決定する決定部の一例として機能する。
【0047】
Act19においてプロセッサー11は、Act18で生成した画像データを画像形成装置20に送信するように通信インターフェース15に対して指示する。この指示を受けて通信インターフェース15は、当該画像データを画像形成装置20に送信する。送信された当該画像データは、画像形成装置20の通信インターフェース25によって受信される。プロセッサー11は、Act19の処理の後、Act11へと戻る。プロセッサー11は、通信インターフェース15と協働して、画像データを送信することで、画像データを出力する出力部の一例として機能する。
【0048】
一方、図5のAct31において画像形成装置20のプロセッサー21は、通信インターフェース25によって画像データが受信されたか否かを判定する。プロセッサー21は、画像データが受信されないならば、Act31においてNoと判定してAct32へと進む。
【0049】
Act32においてプロセッサー21は、消色動作を実行するように指示する操作が行われたか否かを判定する。プロセッサー21は、消色動作を実行するように指示する操作が行われないならば、Act32においてNoと判定してAct31へと戻る。かくして、プロセッサー21は、画像データが受信されるか、消色動作を実行するように指示する操作が行われるまでAct31及びAct32を繰り返す。
【0050】
プロセッサー21は、Act31及びAct32の待受状態にあるときに画像データが受信されたならば、Act31においてYesと判定してAct33へと進む。
【0051】
Act33においてプロセッサー21は、画像形成部26を制御して、Act31で受信された画像データに基づく印刷を行う。これにより、画像形成媒体に、図7に示す画像IM3又は図9に示す画像IM5のような画像が印刷される。プロセッサー21は、Act33の処理の後、Act31へと戻る。
【0052】
記入者は、図7に示す画像IM3又は図9に示す画像IM5のような画像が印刷された画像形成媒体に、必要な内容を記入する。このとき、記入者は、非消色記録材で印刷された説明書きなどを見ながら書類に記入することができる。これにより、記入者は、説明書きが無い場合に比べて、書類に何を記入するか、どのように記入するかが分かりやすい。また、非消色記録材で印刷される内容は、記入者に応じて異なるものである。例えば、非消色記録材で印刷される内容は、記入者が日本語を用いる場合には日本語で、他の言語を用いる場合には当該言語で印刷される。したがって、記入者は、書類に何を記入するか、どのように記入するかが分かりやすい。
【0053】
また、実施形態の印刷システム1は、書類を必要に応じて印刷可能である。換言すると、実施形態の印刷システム1は、書類をオンデマンドで印刷可能である。このため、書類を用意する者は、説明書きなどが異なる書類を予め複数種類保管しておく必要がない。したがって、実施形態の印刷システム1は、未記入の書類を保管するスペースを削減することができる。また、実施形態の印刷システム1は、未記入の書類の管理をする手間を低減することができる。
以上のように、実施形態の印刷システム1によって生成された画像データに基づき印刷される印刷物は、従来には無い特徴を備え、利便性が高い。
【0054】
なお、記入者によって記入が行われた書類の一例を図10に画像IM6として示す。図10は、記入が行われた書類の一例を示す図である。なお、画像IM6は、図9に示す画像IM5に対して記入が行われたものを示す。図10に示すように、氏名及び住所が枠線の数と一致しているので、記入者は、字間など気にせずに氏名及び住所などを記入することができる。
【0055】
記入者は、必要な内容を書類に記入した後、例えば、担当の係員などに記入した書類を渡す。当該係員などは、画像形成装置20が備える消色用トレイに当該書類をセットする。その後、当該係員は、画像形成装置20を操作して、消色動作を実行するように指示する操作を行う。
プロセッサー21は、図5のAct31及びAct32の待受状態にあるときに消色動作を実行するように指示する操作が行われたならば、Act32においてYesと判定してAct34へと進む。
【0056】
Act34においてプロセッサー21は、消色部27を制御して、消色用トレイにセットされた書類を対象として消色動作を実行する。これにより、当該書類は、消色記録材で印刷された部分が不可視の状態となる。対して、非消色記録材で印刷された部分及び記入された部分は可視状態のままである。例えば、図10に示すような記入済みの書類に対して消色動作が実行された場合、当該書類は、図11に示す画像IM7のような状態となる。図11は、記入済みの書類に対して消色動作が行われたものの一例を示す図である。図11に示すように、消色記録材で印刷された部分が不可視の状態となるので、担当の係員などが書類に記入された内容を見やすくなる。
プロセッサー21は、Act34の処理の後、Act31へと戻る。
【0057】
実施形態の端末装置10は、複数種類の書類を記憶している。そして、端末装置10は、選択画面において、書類の種類を選択する操作入力を受け付ける。このため、操作者は、複数の種類の書類の中から所望の書類を選択することが可能である。
【0058】
また、実施形態の端末装置10は、書類の種類と、入力画面において入力された内容及び書類に関連付けられた生成情報に基づき、消色画像を生成する。これにより、操作者は、入力された内容に応じた書類が得られる。
【0059】
上記の実施形態は以下のような変形も可能である。
上記の実施形態では、端末装置10は、複数種類の書類についてのデータを記憶している。そして、操作者は、複数の種類の書類から所望の書類を選択する。しかしながら、端末装置10が記憶している書類の種類は1種類であっても良い。この場合、操作者は、書類の種類を選択するには及ばない。端末装置10のプロセッサー11は、自動的に、当該1種類の書類に対応する書類画像を非消色記録材で印刷する画像として決定する。
【0060】
上記の実施形態では、印刷システム1は、書類を例に、画像データの生成、及び当該画像データに基づく印刷などについて説明した。しかしながら、印刷システム1は、書類以外のものを扱うことができても良い。
例えば、印刷システム1は、塗り絵の画像データの生成及び印刷などを行う。例えば、端末装置10は、塗り絵の主線を非消色記録材で印刷し、塗り方の指示及び塗る色の指示などを消色記録材で印刷するような画像データを生成する。操作者は、例えば、入力画面において塗り絵の難易度を選択する。プロセッサー11は、塗り絵の難易度選択に応じて指示の内容を難易度別に異なるものとする。また例えば、操作者は、塗り方の指示及び塗る色の指示のそれぞれについて必要であるか不要であるかを選択する。プロセッサー11は、当該選択に応じて塗り方の指示及び塗る色の指示のそれぞれについて画像データに含めるかを決定する。そして、プロセッサー11は、当該決定に基づき画像データを生成する。
【0061】
また例えば、印刷システム1は、書道の習作用の半紙の画像データの生成及び印刷などを行う。例えば、端末装置10は、何の文字を書くかを指示する部分を非消色記録材で印刷し、当該文字を描く上で注意する内容を示すガイドを消色記録材で印刷する。操作者は、例えば、入力画面において必要なガイドと不要なガイドを選択する。プロセッサー11は、当該選択に応じて、それぞれのガイドを画像データに含めるか決定する。そして、プロセッサー11は、当該決定に基づき画像データを生成する。
【0062】
端末装置10から画像形成装置20への画像データの受け渡しは、光ディスク、USBメモリ又はメモリカードなどのリムーバブルな記憶媒体を介したものであっても良い。
【0063】
上記の実施形態では、1台の画像形成装置20が非消色記録材を用いた印刷と消色記録材を用いた印刷を行う。しかしながら、実施形態の印刷システムは、非消色記録材を用いた印刷を行う第1の画像形成装置と消色記録材を用いた印刷を行う第2の画像形成装置との2台の画像形成装置を用いる態様であっても良い。すなわち、実施形態の印刷システムは、第1の画像形成装置又は第2の画像形成装置で画像形成媒体に印刷した後に、もう一方の画像形成装置で当該画像形成媒体に印刷する。なお、一方の画像形成装置からもう一方の画像形成装置への画像形成媒体の搬送は、例えば搬送用の機械が行う。あるいは、一方の画像形成装置からもう一方の画像形成装置への画像形成媒体の搬送は、人力であっても良い。
【0064】
上記の実施形態では、端末装置10と画像形成装置20とは、ネットワークNWを介して接続されている。しかしながら、端末装置10と画像形成装置20とは、ネットワークを介さずに接続されていても良い。当該接続は有線であっても無線であっても良い。一例として、端末装置10と画像形成装置20とは、USBケーブルなどによって接続される。
【0065】
印刷システム1は、端末装置10と画像形成装置20とが一体となった装置であっても良い。
【0066】
プロセッサー11及びプロセッサー21は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1……印刷システム、10……端末装置、11,21……プロセッサー、12,22……ROM、13,23……RAM、14,24……補助記憶デバイス、15,25……通信インターフェース、16……表示デバイス、17……入力デバイス、18,29……バス、20……画像形成装置、26……画像形成部、27……消色部、28……操作パネル
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