(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】ロボットシステム及びその運転方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20220930BHJP
B25J 9/22 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/22 Z
(21)【出願番号】P 2018215044
(22)【出願日】2018-11-15
【審査請求日】2021-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中矢 敦史
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-201556(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103292(WO,A1)
【文献】特開昭61-160110(JP,A)
【文献】特開昭61-231611(JP,A)
【文献】特開2009-152575(JP,A)
【文献】特開2001-300400(JP,A)
【文献】特開2009-160679(JP,A)
【文献】国際公開第2017/150551(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを保持し、回転軸が鉛直方向に延びるように構成されているロボットと、
予め設定されている所定の位置に配置されている、2以上の基準部材と、
前記ロボットの姿勢を検出する姿勢検出器と、
予め設定されている基準位置が記憶されている記憶器と有する制御装置と、を備え、
前記基準部材は、鉛直方向に延びるように、かつ、水平方向の断面が下方に向かうにつれて大きくなるように形成されている第1部分と、前記ワークが載置される第2部分と、を有し、
前記制御装置は、保持している前記ワークを前記基準位置に搬送するように前記ロボットを動作させる(A)と、
制御ループゲインを予め設定されている所定の値よりも低くした状態で、前記ワークを前記基準部材の第2部分に載置するように、前記ロボットを動作させる(B)と、
前記(B)において、前記姿勢検出器が検出した前記ロボットの姿勢情報に基づいて、前記ワークが前記基準部材の第1部分と接触することによる、前記ロボットの水平方向における移動方向を算出する(C)と、
前記基準位置に前記(C)により算出した移動方向に予め設定されている第1閾値を加算して、前記基準位置を補正する(D)と、を実行するように構成されている、ロボットシステム。
【請求項2】
ワークを保持し、回転軸が鉛直方向に延びるように構成されているロボットと、
予め設定されている所定の位置に配置されている、2以上の基準部材と、
前記ロボットの姿勢を検出する姿勢検出器と、
予め設定されている基準位置が記憶されている記憶器と有する制御装置と、を備え、
前記基準部材は、鉛直方向に延びるように、かつ、水平方向の断面が下方に向かうにつれて大きくなるように形成されている第1部分と、前記ワークが載置される第2部分と、を有し、
前記ロボットは、前記回転軸を回転させるモータを有し、
前記制御装置は、保持している前記ワークを前記基準位置に搬送するように前記ロボットを動作させる(A)と、
前記モータの回転を制御する電流値を予め設定されている所定の値よりも低くした状態で、前記ワークを前記基準部材の第2部分に載置するように、前記ロボットを動作させる(B1)と、
前記(B1)において、前記姿勢検出器が検出した前記ロボットの姿勢情報に基づいて、前記ワークが前記基準部材の第1部分と接触することによる、前記ロボットの水平方向における移動方向を算出する(C)と、
前記基準位置に前記(C)により算出した移動方向に予め設定されている第1閾値を加算して、前記基準位置を補正する(D)と、を実行するように構成されている、ロボットシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記(D)により補正した基準位置に基づいて、前記ワークを搬送するように前記ロボットを動作させる(E)をさらに実行するように構成されている、請求項1又は2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記第1閾値は、前記基準位置に前記ワークを正確に搬送した場合に、前記ワークと前記基準部材の第1部分の基端部との間の距離である、請求項1~3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項5】
ロボットシステムの運転方法であって、
前記ロボットシステムは、
ワークを保持し、回転軸が鉛直方向に延びるように構成されているロボットと、
予め設定されている所定の位置に配置されている、2以上の基準部材と、
前記ロボットの姿勢を検出する姿勢検出器と、
予め設定されている基準位置が記憶されている記憶器と有する制御装置と、を備え、
前記基準部材は、鉛直方向に延びるように、かつ、水平方向の断面が下方に向かうにつれて大きくなるように形成されている第1部分と、前記ワークが載置される第2部分と、を有し、
前記制御装置は、保持している前記ワークを前記基準位置に搬送するように前記ロボットを動作させる(A)と、
制御ループゲインを予め設定されている所定の値よりも低くした状態で、前記ワークを前記基準部材の第2部分に載置するように、前記ロボットを動作させる(B)と、
前記(B)において、前記姿勢検出器が検出した前記ロボットの姿勢情報に基づいて、前記ワークが前記基準部材の第1部分と接触することによる、前記ロボットの水平方向における移動方向を算出する(C)と、
前記基準位置に前記(C)により算出した移動方向に予め設定されている第1閾値を加算して、前記基準位置を補正する(D)と、を実行するように構成されている、ロボットシステムの運転方法。
【請求項6】
ロボットシステムの運転方法であって、
前記ロボットシステムは、
ワークを保持し、回転軸が鉛直方向に延びるように構成されているロボットと、
予め設定されている所定の位置に配置されている、2以上の基準部材と、
前記ロボットの姿勢を検出する姿勢検出器と、
予め設定されている基準位置が記憶されている記憶器と有する制御装置と、を備え、
前記基準部材は、鉛直方向に延びるように、かつ、水平方向の断面が下方に向かうにつれて大きくなるように形成されている第1部分と、前記ワークが載置される第2部分と、を有し、
前記ロボットは、前記回転軸を回転させるモータを有し、
前記制御装置は、保持している前記ワークを前記基準位置に搬送するように前記ロボットを動作させる(A)と、
前記モータの回転を制御する電流値を予め設定されている所定の値よりも低くした状態で、前記ワークを前記基準部材の第2部分に載置するように、前記ロボットを動作させる(B1)と、
前記(B1)において、前記姿勢検出器が検出した前記ロボットの姿勢情報に基づいて、前記ワークが前記基準部材の第1部分と接触することによる、前記ロボットの水平方向における移動方向を算出する(C)と、
前記基準位置に前記(C)により算出した移動方向に予め設定されている第1閾値を加算して、前記基準位置を補正する(D)と、を実行するように構成されている、ロボットシステムの運転方法。
【請求項7】
前記制御装置は、前記(D)により補正した基準位置に基づいて、前記ワークを搬送するように前記ロボットを動作させる(E)をさらに実行するように構成されている、請求項5又は6に記載のロボットシステムの運転方法。
【請求項8】
前記第1閾値は、前記基準位置に前記ワークを正確に搬送した場合に、前記ワークと前記基準部材の第1部分の基端部との間の距離である、請求項5~7のいずれか1項に記載のロボットシステムの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットシステム及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ(半導体基板;以下、単にウエハ又は基板ということもある)は、クリーンルーム内で複数の処理がなされて、製造される。また、半導体ウエハは、各処理間をクリーンルーム内に配置されているロボットにより搬送される。
【0003】
そして、クリーンルーム内に配置されているロボットに、半導体ウエハの搬送する位置(基板ステーション位置)を自動教示する、自動教示システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に開示されている自動教示システムでは、制御装置が、エンドエフェクタ上に支持される基板を基板ステーション特徴部に対して付勢し、基板とエンドエフェクタとの間の偏心に変化を生じさせるように、ロボット(基板搬送部)を移動させる。次いで、制御装置は、その偏心における変化を基に、基板ステーション位置を算出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、本発明者等は、特許文献1に開示されている自動教示システムとは異なる、基板の搬送位置を自動教示することができる、ロボットシステム及びその運転方法を見出した。
【0007】
本発明は、新規な基板の搬送位置を自動教示することができる、ロボットシステム及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来の課題を解決するために、本発明に係るロボットシステムは、ワークを保持し、回転軸が鉛直方向に延びるように構成されているロボットと、予め設定されている所定の位置に配置されている、2以上の基準部材と、前記ロボットの姿勢を検出する姿勢検出器と、予め設定されている基準位置が記憶されている記憶器と有する制御装置と、を備え、前記基準部材は、鉛直方向に延びるように、かつ、水平方向の断面が下方に向かうにつれて大きくなるように形成されている第1部分と、前記ワークが載置される第2部分と、を有し、前記制御装置は、保持している前記ワークを前記基準位置に搬送するように前記ロボットを動作させる(A)と、制御ループゲインを予め設定されている所定の値よりも低くした状態で、前記ワークを前記基準部材の第2部分に載置するように、前記ロボットを動作させる(B)と、前記(B)において、前記姿勢検出器が検出した前記ロボットの姿勢情報に基づいて、前記ワークが前記基準部材の第1部分と接触することにより、前記ロボットの水平方向における移動方向を算出する(C)と、前記基準位置に前記(C)により算出した移動方向に予め設定されている第1閾値を加算して、前記基準位置を補正する(D)と、を実行するように構成されている。
【0009】
これにより、簡易な構成により、ワークの搬送位置(基準位置)を自動教示することができ得る。
【0010】
また、本発明に係るロボットシステムは、ワークを保持し、回転軸が鉛直方向に延びるように構成されているロボットと、予め設定されている所定の位置に配置されている、2以上の基準部材と、前記ロボットの姿勢を検出する姿勢検出器と、予め設定されている基準位置が記憶されている記憶器と有する制御装置と、を備え、前記基準部材は、鉛直方向に延びるように、かつ、水平方向の断面が下方に向かうにつれて大きくなるように形成されている第1部分と、前記ワークが載置される第2部分と、を有し、前記ロボットは、前記回転軸を回転させるモータを有し、前記制御装置は、保持している前記ワークを前記基準位置に搬送するように前記ロボットを動作させる(A)と、前記モータの回転を制御する電流値を予め設定されている所定の値よりも低くした状態で、前記ワークを前記基準部材の第2部分に載置するように、前記ロボットを動作させる(B1)と、前記(B1)において、前記姿勢検出器が検出した前記ロボットの姿勢情報に基づいて、前記ワークが前記基準部材の第1部分と接触することによる、前記ロボットの水平方向における移動方向を算出する(C)と、前記基準位置に前記(C)により算出した移動方向に予め設定されている第1閾値を加算して、前記基準位置を補正する(D)と、を実行するように構成されている。
【0011】
これにより、簡易な構成により、ワークの搬送位置(基準位置)を自動教示することができ得る。
【0012】
また、本発明に係るロボットシステムの運転方法は、ロボットシステムが、ワークを保持し、回転軸が鉛直方向に延びるように構成されているロボットと、予め設定されている所定の位置に配置されている、2以上の基準部材と、前記ロボットの姿勢を検出する姿勢検出器と、予め設定されている基準位置が記憶されている記憶器と有する制御装置と、を備え、前記基準部材は、鉛直方向に延びるように、かつ、水平方向の断面が下方に向かうにつれて大きくなるように形成されている第1部分と、前記ワークが載置される第2部分と、を有し、前記制御装置は、保持している前記ワークを前記基準位置に搬送するように前記ロボットを動作させる(A)と、制御ループゲインを予め設定されている所定の値よりも低くした状態で、前記ワークを前記基準部材の第2部分に載置するように、前記ロボットを動作させる(B)と、前記(B)において、前記姿勢検出器が検出した前記ロボットの姿勢情報に基づいて、前記ワークが前記基準部材の第1部分と接触することにより、前記ロボットの水平方向における移動方向を算出する(C)と、前記基準位置に前記(C)により算出した移動方向に予め設定されている第1閾値を加算して、前記基準位置を補正する(D)と、を実行するように構成されている。
【0013】
これにより、簡易な構成により、ワークの搬送位置(基準位置)を自動教示することができ得る。
【0014】
さらに、本発明に係るロボットシステムの運転方法は、ロボットシステムが、ワークを保持し、回転軸が鉛直方向に延びるように構成されているロボットと、予め設定されている所定の位置に配置されている、2以上の基準部材と、前記ロボットの姿勢を検出する姿勢検出器と、予め設定されている基準位置が記憶されている記憶器と有する制御装置と、を備え、前記基準部材は、鉛直方向に延びるように、かつ、水平方向の断面が下方に向かうにつれて大きくなるように形成されている第1部分と、前記ワークが載置される第2部分と、を有し、前記ロボットは、前記回転軸を回転させるモータを有し、前記制御装置は、保持している前記ワークを前記基準位置に搬送するように前記ロボットを動作させる(A)と、前記モータの回転を制御する電流値を予め設定されている所定の値よりも低くした状態で、前記ワークを前記基準部材の第2部分に載置するように、前記ロボットを動作させる(B1)と、前記(B1)において、前記姿勢検出器が検出した前記ロボットの姿勢情報に基づいて、前記ワークが前記基準部材の第1部分と接触することによる、前記ロボットの水平方向における移動方向を算出する(C)と、前記基準位置に前記(C)により算出した移動方向に予め設定されている第1閾値を加算して、前記基準位置を補正する(D)と、を実行するように構成されている。
【0015】
これにより、簡易な構成により、ワークの搬送位置(基準位置)を自動教示することができ得る。
【0016】
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施形態の詳細な説明から明らかにされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るロボットシステム及びその運転方法によれば、ワークの搬送位置(基準位置)を自動教示することができ得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本実施の形態1に係るロボットシステムの概略構成を模式的に示す上面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すロボットシステムにおける基準部材の概略構成を模式的に示す側面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すロボットシステムにおけるロボットの概略構成を模式的に示す側面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すロボットシステムにおける制御系を模式的に示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態1に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図5に示すフローチャートに沿って、ロボットシステムが動作しているときのワークの状態を示す模式図である。
【
図7A】
図7Aは、本実施の形態1における変形例1のロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7B】
図7Bは、本実施の形態1における変形例1のロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0020】
本実施の形態1に係るロボットシステムは、ワークを保持し、回転軸が鉛直方向に延びるように構成されているロボットと、予め設定されている所定の位置に配置されている、2以上の基準部材と、ロボットの姿勢を検出する姿勢検出器と、予め設定されている基準位置が記憶されている記憶器と有する制御装置と、を備え、基準部材は、鉛直方向に延びるように、かつ、水平方向の断面が下方に向かうにつれて大きくなるように形成されている第1部分と、ワークが載置される第2部分と、を有し、制御装置は、保持しているワークを基準位置に搬送するようにロボットを動作させる(A)と、制御ループゲインを予め設定されている所定の値よりも低くした状態で、ワークを基準部材の第2部分に載置するように、ロボットを動作させる(B)と、(B)において、姿勢検出器が検出したロボットの姿勢情報に基づいて、ワークが基準部材の第1部分と接触することにより、ロボットの水平方向における移動方向を算出する(C)と、基準位置に(C)により算出した移動方向に予め設定されている第1閾値を加算して、基準位置を補正する(D)と、を実行するように構成されている。
【0021】
また、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、制御装置は、(B)において、モータの回転を制御する電流値を予め設定されている所定の値よりも低くした状態で、ワークを基準部材の第2部分に載置するように、ロボットを動作させてもよい。
【0022】
また、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、制御装置は、(D)により補正した基準位置に基づいて、ワークを搬送するようにロボットを動作させる(E)をさらに実行するように構成されていてもよい。
【0023】
さらに、本実施の形態1に係るロボットシステムでは、第1閾値は、基準位置にワークを正確に搬送した場合に、ワークと基準部材の第1部分の基端部との間の距離であってもよい。
【0024】
また、本実施の形態1に係るロボットシステムは、ワークを保持し、回転軸が鉛直方向に延びるように構成されているロボットと、予め設定されている所定の位置に配置されている、2以上の基準部材と、ロボットの姿勢を検出する姿勢検出器と、予め設定されている基準位置が記憶されている記憶器と有する制御装置と、を備え、基準部材は、鉛直方向に延びるように、かつ、水平方向の断面が下方に向かうにつれて大きくなるように形成されている第1部分と、ワークが載置される第2部分と、を有し、ロボットは、回転軸を回転させるモータを有し、制御装置は、保持しているワークを基準位置に搬送するようにロボットを動作させる(A)と、モータの回転を制御する電流値を予め設定されている所定の値よりも低くした状態で、ワークを基準部材の第2部分に載置するように、ロボットを動作させる(B1)と、(B1)において、姿勢検出器が検出したロボットの姿勢情報に基づいて、ワークが基準部材の第1部分と接触することによる、ロボットの水平方向における移動方向を算出する(C)と、基準位置に(C)により算出した移動方向に予め設定されている第1閾値を加算して、基準位置を補正する(D)と、を実行するように構成されている。
【0025】
以下、本実施の形態1に係るロボットシステムの一例について、
図1~
図6を参照しながら説明する。
【0026】
[ロボットシステムの構成]
図1は、本実施の形態1に係るロボットシステムの概略構成を模式的に示す上面図である。なお、
図1においては、ワークが、基準位置からずれて搬送された状態を一点鎖線で示している。
【0027】
図1に示すように、本実施の形態1に係るロボットシステム100は、作業空間内に設置されていて、ロボット10と、複数(ここでは、4つ)の基準部材40と、姿勢検出器50と、制御装置60と、を備えていて、制御装置60が、ロボット10に対して、ワーク1の搬送位置(基準位置110)を自動教示するように構成されている。
【0028】
ワーク1は、ここでは、例えば、基板又はダミー基板で構成されている。基板としては、例えば、半導体基板及びガラス基板等の半導体デバイスの基板の材料となる円形の薄板であってもよい。また、ダミー基板は、基板と同じ大きさの板材であれば、どのようなものであってもよい。
【0029】
半導体基板としては、例えば、シリコン基板、サファイヤ(単結晶アルミナ)基板、その他の各種の基板等であってもよい。ガラス基板としては、例えば、FPD(Flat Panel Display)用ガラス基板、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)用ガラス基板等であってもよい。
【0030】
基準位置110は、予め設定されているワーク1が搬送される位置であり、
図1においては、「×」の中心部分である。基準位置110の具体的な位置座標は、3次元CAD等から得られ、後述する制御装置60の記憶器62に予め記憶されている。
【0031】
基準部材40は、ここでは、基準部材40A~40Dで構成されていて、基準位置110を囲むように配置されている。なお、以下の説明においては、基準部材40A~40Dを区別しない場合には、基準部材40と記載する。
【0032】
ここで、
図2を参照しながら、基準部材40の構成について、詳細に説明する。
【0033】
図2は、
図1に示すロボットシステムにおける基準部材の概略構成を模式的に示す側面図である。なお、
図2においては、基準部材40(ロボットシステム100)における上下方向を図における上下方向として表している。
【0034】
図1及び
図2に示すように、基準部材40は、略柱状(より正確には、円柱状)に形成されていて、第1部分41、第2部分42、及び柱部分43を有している。第1部分41は、鉛直方向に延びるように、かつ、水平方向の断面が下方に向かうにつれて大きくなるように形成されている。具体的には、第1部分41は、円錐台状に形成されている。第2部分42も同様に、円錐台状に形成されている。柱部分43は、円柱状に形成されている。
【0035】
第1部分41は、基準部材40の上端部分を構成し、第2部分42は、基準部材40の下端部分を構成する。また、柱部分43は、第1部分41と第2部分42の間に配置されている。第2部分42には、ワーク1が載置される。
【0036】
また、
図1に示すように、基準部材40A~40Dは、それぞれ、基準位置110にワーク1が正確に搬送(配置)された場合に、ワーク1の外周と、第1部分41の下端部(基端部)との間の距離が、予め設定されている所定の第1閾値となるように、配置されている。第1閾値としては、ワーク1と基準部材40との接触を抑制する観点から、例えば、0.5mm以下であってもよく、基準位置110の自動教示をより正確にする観点から、0.25mm以下であってもよく、0.2mm以上であってもよい。
【0037】
なお、基準位置110にワーク1が正確に搬送(配置)された場合とは、上方から見て、ワーク1の中心1Aが、基準位置110と一致する状態をいう。
【0038】
次に、
図1及び
図3を参照しながら、ロボット10の構成について、詳細に説明する。
【0039】
図3は、
図1に示すロボットシステムにおけるロボットの概略構成を模式的に示す側面図である。なお、
図3においては、ロボット10(ロボットシステム100)における上下方向を図における上下方向として表している。
【0040】
図1及び
図3に示すように、ロボット10は、ハンド20と、マニピュレータ30と、回転センサ50A~50Cと、を備えていて、ハンド20により、ワーク1を保持して、搬送するように構成されている。なお、本実施の形態1においては、回転センサ50A~50Cが、姿勢検出器50を構成する。
【0041】
マニピュレータ30は、基台31、複数のアーム(ここでは、第1アーム32及び第2アーム33)、支持軸34、第1接続部35、及び第2接続部36を備えている。
【0042】
基台31には、支持軸34が設けられている。支持軸34は、例えば、ボールネジ機構、駆動モータ80A、駆動モータ80Aの回転位置を検出し、制御装置60に出力する回転センサ50A、及び駆動モータ80Aの回転を制御する電流を検出する電流センサ90A(
図4参照)等を有していて、上下方向に伸縮し、かつ、回動するように構成されている。
【0043】
なお、駆動モータ80A等は、支持軸34内に配置されていてもよい。また、駆動モータ80Aは、例えば、制御装置60によってサーボ制御されるサーボモータであってもよい。さらに、回転センサ50Aは、例えば、エンコーダであってもよい。
【0044】
支持軸34には、当該支持軸34の軸心を通る回転軸L1回りに回動可能に第1アーム32の基端部が接続されている。第1アーム32の先端部には、第1接続部35を介して、回転軸L2回りに回転可能に第2アーム33の基端部が接続されている。
【0045】
第1アーム32には、例えば、駆動モータ80B、駆動モータ80Bの回転位置を検出する回転センサ50B、及び駆動モータ80Bの回転を制御する電流を検出する電流センサ(図示せず)等が配置されている。第1接続部35は、駆動モータ80Bが駆動することにより、第2アーム33を回動(揺動)するように構成されている。
【0046】
なお、駆動モータ80B等は、第1接続部35に配置されていてもよい。また、駆動モータ80Bとしては、制御装置60によってサーボ制御されるサーボモータを用いてもよい。さらに、回転センサ50Bは、例えば、エンコーダであってもよい。
【0047】
また、第2アーム33の先端部には、第2接続部36を介して、回転軸L3回りに回転可能にハンド20が接続されている。第2アーム33には、例えば、駆動モータ80C、駆動モータ80Cの回転位置を検出する回転センサ50C、及び駆動モータ80Cの回転を制御する電流を検出する電流センサ(図示せず)等が配置されている。第2接続部36は、駆動モータ80Cが駆動することにより、ハンド20を回動(揺動)するように構成されている。
【0048】
なお、駆動モータ80C等は、第2接続部36に配置されていてもよい。また、駆動モータ80Cとしては、制御装置60によってサーボ制御されるサーボモータを用いてもよい。さらに、回転センサ50Cは、例えば、エンコーダであってもよい。
【0049】
ハンド20は、本体部21及び爪部22を有している。本体部21は、上方から見て、略Y字状に形成されていて、その先端部と基端部に、爪部22が設けられている。爪部22は、水平方向から見て、L字状に形成(鉛直方向の断面がL字状に形成)されていて、その底部にワーク1が載置されるように構成されている。
【0050】
なお、ハンド20は、エッジグリップハンド又は吸着ハンドのように、ハンド20とワーク1が相対変位しない構造としてもよい。
【0051】
制御装置60は、マイクロプロセッサ、CPU等の演算器61と、ROM、RAM等の記憶器62と、サーボ制御器63と、を備えている。記憶器62には、基本プログラム、各種固定データ等の情報が記憶されている。演算器61は、記憶器に記憶された基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、ロボットシステム100の各種動作を制御する。
【0052】
サーボ制御器63は、演算器61により生成された制御指令に基づいて、ロボット10のハンド20、第1アーム32、及び第2アーム33を揺動する駆動モータ80A~80Cの駆動を制御するように構成されている。
【0053】
なお、制御装置60は、集中制御する単独の制御装置60によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置60によって構成されていてもよい。また、制御装置60は、マイクロコンピュータで構成されていてもよく、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等によって構成されていてもよい。
【0054】
次に、
図4を参照しながら、制御装置について、より詳細に説明する。
【0055】
図4は、
図1に示すロボットシステムにおける制御系を模式的に示すブロック図である。なお、
図4においては、駆動モータ80Aについての制御系を示すが、駆動モータ80B及び駆動モータ80Cについても、駆動モータ80Aと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0056】
図4に示すように、サーボ制御器63は、減算器64~66、位置制御器67、微分器68、速度制御器69、及び電流制御器70を備えている。
【0057】
減算器64は、演算器61から入力された位置指令値から、回転センサ50Aで検出された位置現在値を減算して、角度偏差を生成する。減算器64は、生成した角度偏差を位置制御器67に出力する。
【0058】
位置制御器67は、予め定められた伝達関数、又は比例係数に基づいた演算処理により、減算器64から入力された角度偏差から速度指令値を生成する。位置制御器67は、生成した速度指令値を減算器65に出力する。
【0059】
微分器68は、回転センサ50Aで検出された位置現在値情報を微分して、駆動モータ80Aの回転角度の単位時間あたりの変化量、すなわち速度現在値を生成する。微分器68は、生成した速度現在値を減算器65に出力する。
【0060】
減算器65は、位置制御器67から入力された速度指令値から、微分器68から入力された速度現在値を減算して、速度偏差を生成する。減算器65は、生成した速度偏差を速度制御器69に出力する。
【0061】
速度制御器69は、予め定められた伝達関数、又は比例係数に基づいた演算処理により、減算器65から入力された速度偏差から電流指令値を生成する。速度制御器69は、生成した電流指令値を減算器66に出力する。
【0062】
減算器66は、速度制御器69から入力された電流指令値から、電流センサ90Aで検出された電流現在値を減算して、電流偏差を生成する。減算器66は、生成した電流偏差を電流制御器70に出力する。
【0063】
電流制御器70は、減算器66から入力された電流偏差に基づいて、駆動モータ80Aに出力する電流値を制御する。そして、駆動モータ80Aは、電流制御器70から出力された電流値に基づいて、駆動する。
【0064】
また、演算器61は、位置制御器67、速度制御器69、及び電流制御器70のうち、少なくとも1つの制御器に対して、ゲイン切換指令信号を出力するように構成されている。
【0065】
具体的には、演算器61は、位置制御器67、速度制御器69、及び電流制御器70のうち、少なくとも1つの制御器に対して、ゲインを予め設定されている所定の値よりも低くする信号を出力するように構成されている。より詳細には、演算器61は、位置制御器67、速度制御器69、及び電流制御器70のうち、少なくとも1つの制御器に対して、ゲインを実質的にゼロする信号を出力するように構成されている。換言すると、演算器61は、位置ループゲイン、速度ループゲイン、及び電流ループゲインのうち、少なくとも1つのループゲイン(制御ループゲイン)を実質的にゼロにする信号を出力するように構成されている。
【0066】
ここで、「ゲインを予め設定されている所定の値よりも低くする」とは、ワーク1を保持して搬送するときのゲイン(所定の値)に比して、低い値にすることをいう。また、「ゲインを実質的にゼロにする(ループゲインを実質的にゼロにする)」とは、ゲインをゼロ、又はゼロに限りなく近い小さな値にすることにより、ワーク1と基準部材40とが接触した場合に、接触による反力に対して、駆動モータ80A~80Cの回転角度が自由に変位し得る状態にすることをいう。なお、「ループゲインを実質的にゼロにする」には、ループゲインを切ってゼロにする場合も含まれる。
【0067】
なお、演算器61は、ゲインを低くすることに代えて、位置偏差、速度偏差、及び電流偏差を低くしてもよく、又はゼロにする信号を出力してもよい。また、演算器61は、駆動モータ80A~80Cに出力される電流値を低くしてもよく、又はゼロにしてもよい。さらに、演算器61は、速度制御器69から出力される電流指令値を小さくする指示信号を出力してもよく、速度制御器69から出力される電流指令値をゼロにする指示信号を出力してもよい。
【0068】
[ロボットシステムの動作及びその作用効果]
次に、本実施の形態1に係るロボットシステム100の動作及びその作用効果について、
図1~
図6を参照しながら説明する。なお、以下の動作は、制御装置60の演算器61が、記憶器62に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0069】
図5は、本実施の形態1に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
図6は、
図5に示すフローチャートに沿って、ロボットシステムが動作しているときのワークの状態を示す模式図である。
【0070】
まず、作業者(操作者)が、入力器(図示せず)を操作して、ワーク1の基準位置を自動教示する指令を入力したとする。すると、制御装置60の演算器61は、所定の位置に載置されているワーク1をハンド20で保持して、基準位置110に搬送するように、ロボット10を動作させる(ステップS101)。
【0071】
具体的には、制御装置60の演算器61は、予め記憶器62に記憶されている、基準位置110の位置座標を読み出す。ついで、制御装置60の演算器61は、ワーク1の中心1Aが、読み出した基準位置110の位置座標に位置するように、ロボット10を動作させる。このとき、制御装置60の演算器61は、ワーク1が基準部材40の上方に位置するように、ロボット10を動作させる。
【0072】
次に、制御装置60の演算器61は、位置制御器67、速度制御器69、及び電流制御器70のうち、少なくとも1つの制御器に対して、ゲインを予め設定されている所定の値よりも低くする信号を出力する(ステップS102)。これにより、接触による反力に対して、駆動モータ80A~80Cの回転角度は自由に変位することができる。
【0073】
次に、制御装置60の演算器61は、ワーク1を基準部材40の第2部分42に載置するように、ロボット10を動作させる(ステップS103)。具体的には、制御装置60の演算器61は、ロボット10が保持しているワーク1を下降させるように、ロボット10を動作させる。
【0074】
このとき、ロボット10の公差等により、ワーク1を基準位置110に正確に搬送できなかった場合には、複数の基準部材40のうち、少なくとも1つの基準部材40における第1部分41とワーク1とが接触するおそれがある(
図1の破線、
図2、
図6(A)参照)。
【0075】
ここで、上述したように、制御装置60の演算器61は、ゲインを予め設定されている所定の値よりも低くする信号を出力している(ステップS102)。これにより、ワーク1と基準部材40の第1部分41とが接触すると、ロボット10は、駆動モータ80A~80Cの回転角度が自由に変位することができるので、ワーク1を基準部材40の周面(側壁面)に沿って移動させることができる(
図2及び
図5(B)参照)。
【0076】
このため、制御装置60の演算器61は、回転センサ50A~50Cが検出した回転位置情報を取得する(ステップS104)ことにより、ワーク1を基準位置110に正確に搬送できたか否かを判定することができる。
【0077】
次に、制御装置60の演算器61は、ステップS104で取得した、回転位置情報を基に、ロボット10(ハンド20)の移動方向(水平方向の移動方向;ベクトル)を算出する(ステップS105)。ついで、制御装置60の演算器61は、ステップS105で算出したロボット10の移動方向があるか否かを判定する(ステップS106)。
【0078】
制御装置60の演算器61は、ステップS105で算出したロボット10の移動方向がないと判定した場合(ステップS106でNo)には、本プログラムを終了する。これは、ワーク1を基準位置110に対して、第1閾値以内の範囲で搬送できたものと判断できるためである。
【0079】
一方、制御装置60の演算器61は、ステップS105で算出したロボット10の移動方向があると判定した場合(ステップS106でYes)には、基準位置110の位置座標を補正する(ステップS107)。具体的には、制御装置60の演算器61は、ステップS105で算出したロボット10の移動方向に第1閾値を加算して、基準位置110の位置座標を補正し(
図5(C)参照)、本プログラムを終了する。
【0080】
このように構成された、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、制御装置60が、ロボット10の移動方向に第1閾値を加算して、基準位置110の位置座標を補正するように構成されている。これにより、ワーク1と基準部材40との接触を抑制することができるため、より正確に、基準位置を自動教示することができる。
【0081】
なお、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、回転センサ50A~50Cを姿勢検出器50とする形態を採用したが、これに限定されない。例えば、ワーク1、ロボット10、及び基準部材40等を上方から撮影するカメラを姿勢検出器50とする形態を採用してもよい。この場合、カメラで撮影した映像情報を解析することで、ロボット10の姿勢を検出することができる。
【0082】
[変形例1]
次に、本実施の形態1に係るロボットシステム100の変形例について、
図7を参照しながら説明する。なお、本実施の形態1における変形例1のロボットシステム100の構成は、実施の形態1に係るロボットシステム100と同じであるため、その詳細な説明を省略する。
【0083】
図7A及び
図7Bは、本実施の形態1における変形例1のロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0084】
図7A及び
図7Bに示すように、本変形例1のロボットシステム100における動作は、実施の形態1に係るロボットシステム100の動作と基本的には同じであるが、制御装置60の演算器61が、ステップS105で算出したロボット10の移動方向がないと判定した場合(ステップS106でNo)の動作(処理)が異なる。
【0085】
具体的には、制御装置60の演算器61は、ステップS105で算出したロボット10の移動方向がないと判定した場合(ステップS106でNo)、ワーク1を基準部材40の上方に位置するように、ロボット10を動作させる(ステップS108)。
【0086】
次に、制御装置60の演算器61は、ワーク1を水平方向の任意の方向に移動させるように、ロボット10を動作させる(ステップS109)。
【0087】
このとき、制御装置60の演算器61は、ワーク1が第1閾値の距離を移動するように、ロボット10を動作させてもよく、第1閾値よりも小さい閾値である第2閾値の距離を移動するように、ロボット10を動作させてもよい。
【0088】
なお、ワーク1(ロボット10)の動作方向は、水平方向への移動が含まれていればよく、上下方向(鉛直方向)へ移動しながら、水平方向へ移動してもよい。
【0089】
次に、制御装置60の演算器61は、ステップS103に戻り、ステップS103~ステップS106の処理を再度実行する。そして、制御装置60の演算器61は、ステップS105で算出したロボット10の移動方向がないと判定した場合(ステップS106でNo)には、再び、ステップS108及びステップS109の処理を実行する。このとき、制御装置60の演算器61は、前回のステップS109の処理時とは異なる方向に、ワーク1を移動させてもよく、ワーク1の移動距離を変更してもよい。
【0090】
一方、制御装置60の演算器61は、ステップS105で算出したロボット10の移動方向があると判定した場合(ステップS106でYes)には、基準位置を補正して(ステップS107)、本プログラムを終了する。
【0091】
このように構成された、本変形例1のロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
【0092】
また、本変形例1のロボットシステム100では、ワーク1が、基準部材40の第1部分41と接触するまで、ステップS103~ステップS106、ステップS108、及びステップS109の処理を実行するので、回転センサ50A~50Cの故障により、回転位置情報を取得できないのか、否かを判定することができる。
【0093】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良又は他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の形態を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明のロボットシステム及びその運転方法は、簡易な構成により、ワークの搬送位置(基準位置)を自動教示することができ得るため、有用である。
【符号の説明】
【0095】
1 ワーク
1A 中心
10 ロボット
20 ハンド
21 本体部
22 爪部
30 マニピュレータ
31 基台
32 第1アーム
33 第2アーム
34 支持軸
35 第1接続部
36 第2接続部
40 基準部材
40A 基準部材
40D 基準部材
41 第1部分
42 第2部分
43 柱部分
50 姿勢検出器
50A 回転センサ
50B 回転センサ
50C 回転センサ
60 制御装置
61 演算器
62 記憶器
63 サーボ制御器
64 減算器
65 減算器
66 減算器
67 位置制御器
68 微分器
69 速度制御器
70 電流制御器
80A 駆動モータ
80B 駆動モータ
80C 駆動モータ
90A 電流センサ
100 ロボットシステム
110 基準位置
L1 回転軸
L2 回転軸
L3 回転軸