(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】移動可能な継手を備える骨プレート
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20220930BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
A61B17/80
A61B17/86
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019174240
(22)【出願日】2019-09-25
(62)【分割の表示】P 2017500035の分割
【原出願日】2015-07-06
【審査請求日】2019-10-25
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-04
(32)【優先日】2014-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505026479
【氏名又は名称】アキュームド・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラリー・ダブリュー・エームケ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・アール・コンリー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ダブリュー・セイコラ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・ディー・ハットン
(72)【発明者】
【氏名】ブリオン・モールス
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】村上 聡
【審判官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/172519(WO,A1)
【文献】米国特許第6340362(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B17/80
A61B17/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨を固定するための骨プレートであって、
第1のプレート部材と第2のプレート部材を含み、
前記第1のプレート部材と前記第2のプレート部材は、それぞれ第1の開口部および第2の開口部を画定し、前記各プレート部材は、前記プレート部材を骨に取り付けるための1つ以上の留め具を受け入れるように構成される1つ以上の貫通するスルーホールも画定し、
前記第1のプレート部材
は複数の第1の嵌合特徴部を含み、前記第2のプレート部材は
複数の第2の嵌合特徴部を含み、
前記複数の第1の嵌合特徴部及び前記複数の第2の嵌合特徴部は、前記第1
の開口部および前記第2の開口部を通って延在するピボット軸の周りの回転のため
に前記プレート部材を互いに接続しており、
前記複数の第1の嵌合特徴部は、前記ピボット軸に対して直交する平面内でアーチ形である第1の端部領域を含み、前記複数の第2の嵌合特徴部は、前記ピボット軸に対して直交する平面内でアーチ形である第2の端部領域を含み、
前記複数の第1の嵌合特徴部は、前記第2の端部領域を受け入れる第1の軌道を画定し、前記複数の第2の嵌合特徴部は、前記第1の端部領域を受け入れる第2の軌道を画定し、前記第1の軌道及び前記第2の軌道は、前記ピボット軸に対して直交する平面内でアーチ形であり、
前記ピボット軸に平行な前記プレート部材の相互の並進分離を制限
するように、前記第1の軌道と前記第2の端部領域とが相補的なアンダーカット形状を有すると共に、前記第2の軌道と前記第1の端部領域とが相補的なアンダーカット形状を有する、
骨を固定するための骨プレート。
【請求項2】
前記複数の第1の嵌合特徴部および前記複数の第2の嵌合特徴部
のうちの一方の嵌合特徴部は、
前記第1の端部領域と前記第2の端部領域の中間に間隔を空けて配置され
た陥凹部を含み、前記第1の端部領域と前記第2の端部領域のうちの他方の嵌合特徴部は、
前記陥凹部に受けられる突起
を含み、
前記
陥凹部及び前記突起は、前記ピボット軸に直交する前記プレート部材における相互の並進分離を制限する、
請求項
1に記載の骨プレート。
【請求項3】
前記陥凹部及び前記突起は、前記ピボット軸
と同軸である、請求項
2に記載の骨プレート。
【請求項4】
前記ピボット軸の周りで互いに対する前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材の向きを固定するように構成された
係止ネジをさらに備える、請求項1~
3のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項5】
前記
係止ネジは、前記骨プレートの底面から突出し、下にある骨に入るように構成される、請求項
4に記載の骨プレート。
【請求項6】
前記第1のプレート部材が一体部材であ
り、且つ、前記第2のプレート部材も一体部材である、請求項1~
5のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項7】
前記ピボット軸に配置され、前記プレート部材の少なくとも1つに接続され、前記ピボット軸の周りで前記第1のプレート部材と前記第2のプレート部材の互いに対する向きを固定するように構成された
係止ネジをさらに備え、
前記第1のプレート部材と前記第2のプレート部材は、前記
係止ネジとは無関係に互いに永久に接続される、請求項1~
6のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項8】
前記プレート部材の一方に取り付けられ、前記プレート部材の他方によって画定されたスロット内に延在するピンをさらに備え、
前記ピンおよび前記スロットは、前記ピボット軸の周りの前記プレート部材の相対的な回転を許容する範囲を画定する、請求項1~
7のいずれか一項に記載の骨プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先出願の相互参照
本出願は、2014年7月3日に出願した米国仮特許出願第62/020,691号、および2015年1月30日に出願した米国仮特許出願第62/110,220号に基づくものであり、その利益を米国特許法第119条(e)項の下で主張するものである。これらの優先権出願の各々は、すべての目的に関して全体として参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
人間の骨格は、支持、移動、保護、鉱物の貯蔵、および血液細胞の形成を含む、様々な重要な機能を実行する206本の個別の骨からなる。これらの骨は、2つのカテゴリ、すなわち、軸骨格と付属肢骨格とにグループ分けされ得る。軸骨格は、身体の重心を構成する80本の骨からなり、付属肢骨格は、身体の付属肢を構成する126本の骨からなる。軸骨格は、とりわけ、頭蓋骨、脊柱、肋骨、および胸骨を含み、付属肢骨格は、上肢および下肢の長骨、ならびにとりわけこれらの長骨を軸骨格に結合する鎖骨および他の骨を含む。
【0003】
骨格がその重要な機能を果たし、痛みおよび骨格変形を低減する能力を保持することを確実にするため、骨折骨は速やかに、適切に修復されるべきである。典型的には、骨折骨は、骨を補強し、治癒過程において骨片を整列状態に保つ固定デバイスを使用して処置される。固定デバイスは、とりわけ、外固定用のギプスおよび内固定用の骨プレートを含む、様々な形態をとり得る。骨プレートは、骨折部に架け渡されるプレートとともに骨に装着され得る植え込み型デバイスである。骨プレートを使用して骨折骨を修復するために、外科医は、(1)適切なプレートを選択し、(2)骨折を整復し(接ぎ)、(3)プレートを骨ネジなどの好適な留め具を使用して骨折部の反対側に結合し、骨の断片が互いに関して固定されるようにする。
【0004】
骨プレートは、多くの場合、一体品として一体形成され、次いで、骨プレートを被験者の骨に特別に適合させるため外科医によって手術中に曲げられる。しかしながら、単一の骨プレートを曲げることには、様々な欠点がある。たとえば、曲げる操作は時間がかかり、骨プレートを弱らせる可能性があり、プレート形状に対する小さな変化を制御する上で難しい場合があり、および/またはプレートが一般的に変形に対して最も抵抗する骨プレートの平面内変形に対して特に困難であり得る。
【0005】
少なくとも1つの継手によって互いに接続される2つまたはそれ以上の個別のプレートセグメント(discrete plate segment)を有する骨プレートが知られている。これらの継手接合骨プレートは、一体品骨プレートによって課される様々な問題を解決する。しかしながら、継手接合骨プレートは、単一骨プレートの単純さおよび扱いやすさに効果的に太刀打ちするためには、改善される必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、骨を固定するための、方法およびデバイスを含む、システムを実現する。システムは、1つまたは複数の移動可能継手により互いに接続されている2つまたはそれ以上のプレート部材を有する骨プレートを備え得る。各継手は、単一平面または2つもしくはそれ以上の非平行平面内でプレート部材の配向を相対的に調整することを可能にし得る。継手は、移動可能構成と固定構成とを有し得る。骨プレートを作製する方法も提示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一対のプレート部材を接続し、骨折骨に結合される移動可能継手を有する例示的な骨プレートを示し、本開示の継手によって可能にされる例示的なプレート部材の移動を示す概略図である。
【
図2】本開示のいくつかの態様による、鎖骨を固定するための例示的な骨プレートであって、互いから骨プレートに沿って隔てて並ぶ一対の回転可能継手を有し、骨プレートの縦方向形状の調整を可能にするように各継手は骨プレートによって画定される平面に対して横断する方向に配置構成された回転軸の周りに移動可能であるヒンジ継手である、例示的な骨プレートを示す平面図である。
【
図4】全体的に
図3の直線4-4に沿って見たときの、
図2の骨プレートの端部を示す部分底面図である。
【
図5】ヒンジ継手によって互いに結合されている骨プレートの3つのセグメント(プレート部材)を示す
図2の骨プレートを示す分解図である。
【
図6】本開示の態様による、継手の軸体が軸体上の骨プレートの別のプレート部材を捕らえるように変形される前(パネルA)および後(パネルB)の骨プレートのヒンジ継手のうちの1つを通る全体的に
図2の直線6-6に沿って見たときの、
図2の骨プレートを示す概略断面図である。
【
図7】本開示の態様による、ヒンジ継手のピボット軸から隔てて並ぶ位置に配置されている係止部材で係止可能であるヒンジ継手を有する例示的な骨プレートを示す部分平面図である。
【
図8】ヒンジ継手および係止部材を通る全体的に
図7の直線8-8に沿って見たときの、
図7の骨プレートを示す縦方向断面図である。
【
図9】ヒンジ継手が異なる係止部材で係止されている
図8と同様に見たときの縦方向断面図である。
【
図10】骨プレートのプレート部材がヒンジ継手のピボット軸を中心とし、ピボット軸を囲む一対のアーチ形の補完的な嵌合領域を介して嵌め合わされている、コネクタで係止されるヒンジ継手を有する例示的な骨プレートを示す部分平面図である。
【
図11】全体的に
図10の直線11-11に沿って見たときの、
図10の骨プレートを示す縦方向断面図である。
【
図12】コレット拡張の前の係止されていない構成で示されている、拡張可能コレットで係止可能であるヒンジ継手を有する例示的な骨プレートを示す縦方向断面図である。
【
図13】ヒンジ継手を係止するために留め具とともにコレットを拡張した後の
図12と同様に見たときの、
図12の骨プレートを示す図である。
【
図14A】骨プレートはヒンジ継手を含むセグメント化されたシャフトを有している、橈骨遠位端の固定のための例示的な骨プレートを示す平面図である。
【
図14B】ヒンジ継手を通る全体的に
図14の直線14B-14Bに沿って見たときの、
図14Aの骨プレートを示す断面図である。
【
図15A】本開示の態様による、継手を固定構成にする前および後の継手を通して見たときの、多軸継手を有する例示的な骨プレートを示し、突起部、空隙、および変形可能な要素の様々な配置構成および相互作用を例示する、概略部分断面図である。
【
図15B】本開示の態様による、継手を固定構成にする前および後の継手を通して見たときの、多軸継手を有する例示的な骨プレートを示し、突起部、空隙、および変形可能な要素の様々な配置構成および相互作用を例示する、概略部分断面図である。
【
図15C】本開示の態様による、継手を固定構成にする前および後の継手を通して見たときの、多軸継手を有する例示的な骨プレートを示し、突起部、空隙、および変形可能な要素の様々な配置構成および相互作用を例示する、概略部分断面図である。
【
図15D】本開示の態様による、継手を固定構成にする前および後の継手を通して見たときの、多軸継手を有する例示的な骨プレートを示し、突起部、空隙、および変形可能な要素の様々な配置構成および相互作用を例示する、概略部分断面図である。
【
図15E】本開示の態様による、継手を固定構成にする前および後の継手を通して見たときの、多軸継手を有する例示的な骨プレートを示し、突起部、空隙、および変形可能な要素の様々な配置構成および相互作用を例示する、概略部分断面図である。
【
図16】骨プレートがヘッドを骨プレートのシャフトに接続する多軸継手を有しており、多軸継手は一対の変形可能な要素および継手がコネクタの操作によって係止されるときに変形可能な要素を変形させる一組の歯を有している、橈骨遠位端の固定のための別の例示的な骨プレートを示す分解図である。
【
図17】骨プレートが組み立てられた状態で見たときの、
図16の骨プレートを示す平面図である。
【
図18】全体的に骨プレートが組み立てられた状態で多軸継手の周りで見たときの、
図16の骨プレートを示す部分底面図である。
【
図19】全体的に多軸継手を通して中心で
図17の直線19-19に沿って見たときの、
図16の骨プレートを示す縦方向部分断面図である。
【
図20】全体的に多軸継手を通して側方に
図17の直線20-20に沿って見たときの、
図16の骨プレートを示す別の縦方向部分断面図である。
【
図21】全体的に多軸継手を通して中心で
図17の直線21-21に沿って見たときの、
図16の骨プレートを示す部分横断面図である。
【
図22】骨プレートは全体的に
図16のような多軸継手を有するが、コネクタは
図16の骨プレートに関して反転している、橈骨遠位端の固定のための別の例示的な骨プレートを示す平面図である。
【
図24】プレート部材の一対の変形可能な要素が存在する場合と骨プレートのヘッドプレート部材が存在しない場合に見たときの、
図23の骨プレートのシャフトプレート部材を示す部分底面図である。
【
図25】シャフトプレート部材および
図24の変形可能な要素がない状態で見たときの、
図23の骨プレートのヘッドプレート部材を示す平面図である。
【
図26】全体的に多軸継手の中心を通して
図22の直線26-26に沿って見たときの、
図22の骨プレートを示す縦方向部分断面図である。
【
図26A】全体的に多軸継手を通して側方に
図22の直線26A-26Aに沿って見たときの、
図22の骨プレートを示す縦方向部分断面図である。
【
図27】多軸継手が
図26の骨プレートに関して逆数となる曲率を有している、全体的に
図26と同様に見たときの、多軸継手を有する別の例示的な骨プレートを示す縦方向部分断面図である。
【
図28】本開示の態様による、骨プレートは骨プレートのヘッドプレート部材とシャフトプレート部材との間の接合面に形成された多軸継手を有し、運動の範囲は三角形停止領域によって支配される継手によって許容される、橈骨遠位端の固定のためのさらに別の例示的な骨プレートを示す簡略化された平面図である。
【
図29】本開示の態様による、継手のコネクタが存在していない場合に見たときの、橈骨遠位端の固定のための、多軸継手を有する、さらに別の例示的な骨プレートの選択された態様を示す平面図である。
【
図30】全体的に多軸継手の周りの直線30-30に沿って見たときの、継手の表面に形成された空隙によって作られる例示的なパターンを示す、
図29の骨プレートのシャフトプレート部材を示す部分断面図である。
【
図31】全体的に
図30と同様に見たときの、継手の表面に形成された空隙によって作られる別の例示的なパターンを示す、
図29の骨プレートの別の例示的なシャフトプレート部材を示す部分断面図である。
【
図32】全体的に
図31と同様に見たときの、継手の表面に形成された空隙によって作られるさらに別の例示的なパターンを示す、
図29の骨プレートのさらに別の例示的なシャフトプレート部材を示す部分断面図である。
【
図33】ヘッドプレート部材が
図29に関して全体的に反転している全体的に多軸継手の周りで見たときの、
図30~
図32の継手表面のどれかと接触するための突起部を備える例示的な継手表面を示す、
図29の骨プレートのヘッドプレート部材を示す部分断面図である。
【
図34】
図33と同様に見たときの、
図30~
図32の継手表面のどれかと接触するための突起部を備える他の例示的な継手表面を示す、
図29の骨プレートの他の例示的なヘッドプレート部材を示す部分断面図である。
【
図35】
図33と同様に見たときの、
図30~
図32の継手表面のどれかと接触するための突起部を備える他の例示的な継手表面を示す、
図29の骨プレートの他の例示的なヘッドプレート部材を示す部分断面図である。
【
図36】本開示の態様による、骨プレートが多軸継手を介して相対的に移動可能である一対の横方向に配置構成されているヘッド領域を持つヘッド部分を有する、継手のコネクタが存在していない場合に見たときの、橈骨遠位端の固定のための、多軸継手を有する、なおもさらに別の例示的な骨プレートの選択された態様を示す平面図である。
【
図37】本開示の態様による、少なくとも一般的に骨プレートの長軸に平行であり、骨プレートによって画定された平面を横断する(たとえば、直交する)平面内で骨プレートのヘッドプレート部材およびシャフトプレート部材の相対的な配向を変化させることを可能にする一般的に円筒形の継手を有する例示的な骨プレートを示す平面図である。
【
図38】全体的に
図37の直線38-38に沿って見たときの、シャフトプレート部材に関するヘッドプレート部材の移動を想像線で示している、
図37の骨プレートを示す側面図である。
【
図39】全体的に円筒形継手を通して
図37の直線39-39に沿って見たときの、
図37の骨プレートを示す部分断面図である。
【
図40】継手の曲率が
図37の骨プレートに関して反転し、継手のコネクタが取り除かれている状態の、骨プレートの上から見たときの、一般的に円筒形の継手を有する別の例示的な骨プレートを示す図である。
【
図41】一般的に円筒形の継手の周りで見たときの、プレート部材がプレート部材の両方の継手表面が見えるように相対的に回転した状態の、
図40の骨プレートを示す部分分解図である。
【
図42】配向が補完的な表面特徴部の異なる位置合わせで継手表面同士を嵌め合わせることによって得られる、一般的に円筒形の継手のコネクタが存在している場合に全体的に
図40の直線42-42に沿って見たときの、パネルAおよびB内のプレート部材の2つの異なる配向を示す、
図40の骨プレートを示す一対の部分断面図である。
【
図43】本開示の態様による、継手が歯の代わりに変形可能な要素を利用して継手の固定構成におけるプレート部材の相対的な移動を防ぐ、全体的に
図41と同様に見たときの、一般的に円筒形の継手を有するさらに別の例示的な骨プレートを示す部分分解図である。
【
図44】全体的に
図42と同様に見たときの、補完的な表面特徴部の異なる位置合わせで継手表面同士を嵌め合わせることによって得られるパネルAおよびB内のプレート部材の2つの異なる位置を示す、プレート部材の相対的な位置の並進運動調整を可能にする一般的に平面状の継手を有する例示的な骨プレートを示す一対の部分断面図である。
【
図45】本開示の態様による、ヒンジ継手が変形可能な要素を備えている、骨プレートによって画定される平面を横断するように配置構成されている回転軸を有する係止可能なヒンジ継手を備える例示的な骨プレートを示す分解図である。
【
図46】全体的にヒンジ継手の周りで見たときの、パネルAおよびB内の骨プレートのプレート部材の2つの異なる配向を示す、
図45の骨プレートを示す一対の部分平面図である。
【
図47】全体的に
図46の直線47-47に沿って見たときの、
図45の骨プレートを示す断面図である。
【
図48】本開示の態様による、骨プレートによって画定された長軸に少なくとも一般的に平行に配置構成されている回転軸を有する一般的に円筒形の継手を備える例示的な骨プレートを示す平面図である。
【
図49】全体的に
図48の直線49-49に沿って見たときの、回転軸の周りのプレートの個片の相対的な移動を想像線で示している、
図48の骨プレートを示す端面図である。
【
図50】全体的に円筒形継手の周りで見たときの、
図48の骨プレートを示す部分底面図である。
【
図51】ヘッドプレート部材が骨プレートのシャフトプレート部材に関して反転している全体的に円筒形継手の周りで見たときの、
図48の骨プレートを示す部分分解図である。
【
図52】全体的に円筒形継手を通して
図50の直線52-52に沿って見たときの、
図48の骨プレートを示す断面図である。
【
図53】本開示の態様による、円筒形継手が一対の継手表面によって画定され、複数の個別の位置合わせで嵌め合わせるように構成されている補完的な表面特徴部を有する、全体的に
図48の骨プレートと同様に配向されている一般的に円筒形の(単一軸の)継手を有する別の例示的な骨プレートを示す断面図である。
【
図54】本開示の態様による、骨プレートは留め具(骨ネジなど)で結合する前に鎖骨の側部領域上に位置決めされ、2つの端プレート部材の平面内回転運動が想像線で示されている、閉じた(カニューレ挿入されない)ヒンジ継手および3つのプレート部材を端と端を接して互いに接続する開いた(カニューレ挿入される)ヒンジ継手を有する例示的な骨プレートを示す平面図である。
【
図55】鎖骨がない状態で見たときの、
図54の骨プレートを示す底面図である。
【
図56】骨プレートの端部領域を通して全体的に
図55の直線56-56に沿って見たときの、端部領域の平面外変形を可能にするように骨プレートの底面内に形成された刻み目を示す、
図54の骨プレートの部分断面図である。
【
図57】本開示の態様による、骨プレートは留め具で結合する前に鎖骨の縦方向中心領域上に位置決めされ、2つの端プレート部材の枢動が想像線で示されている、各ヒンジ継手が一対の隣接するプレート部材の一体部分によってのみ形成されている、3つのプレート部材を端と端を接して互いに接続する一対の開いたヒンジ継手を有する例示的な骨プレートを示す平面図である。
【
図58】全体的にヒンジ継手のうちの1つを通して
図57の直線58-58に沿って見たときの、
図57の骨プレートを示す部分断面図である。
【
図59】全体的にヒンジ継手のうちの1つの方へ
図58の直線59-59に沿って見たときの、
図57の骨プレートを示す部分底面図である。
【
図60】本開示の態様による、ヒンジ継手を通して全体的に
図58と同様に見たときの、
図58の開いたヒンジ継手の閉じた対応物を有する骨プレートを示す部分断面図である。
【
図61】本開示の態様による、各ヒンジ継手が雄ネジを有するコネクタを備えている、3つのプレート部材を端を接して接続する一対の閉じたヒンジ継手を有する例示的な骨プレートを示す平面図である。
【
図62】全体的にヒンジ継手のうちの1つを通して
図61の直線62-62に沿って見たときの、
図61の骨プレートを示す部分断面図である。
【
図63】本開示の態様による、各ヒンジ継手が雄ネジを有し、下にある骨の中に貫入する留め具を受け入れるようにスルーホールを画定するカニューレ挿入コネクタを備える、3つのプレート部材を端を接して接続する一対の開いたヒンジ継手を有する別の例示的な骨プレートを示す平面図である。
【
図64】全体的にヒンジ継手のうちの1つを通して
図63の直線64-64に沿って見たときの、
図63の骨プレートを示す部分断面図である。
【
図65】全体的に
図63の「65」に示されている領域の周りで見たときの、
図63の骨プレートを示す部分平面図である。
【
図66】本開示の態様による、枢動の範囲がプレート部材が互いに永久に接続されるようにヒンジ継手の嵌合プレート部材の回転分解を防ぐ範囲である、スロット内に受け入れられたピンによって決定される枢動の範囲を持つヒンジ継手を有する骨プレートを示す部分底面図である。
【
図67】本開示の態様による、プレート部材によって画定される一対の位置合わせされた開口内にコネクタを取り付けた後の全体的に継手を通る
図66の直線67-67に沿って見たときの、
図66の骨プレートを示す部分断面図である。
【
図68】本開示の態様による、柔軟な係止タブを有するコネクタがスナップ式結合によって適所に保持される開いているヒンジ継手を有する例示的な骨プレートを示す部分平面図である。
【
図69】全体的に
図68の直線69-69に沿って見たときの、
図68の骨プレートを示す部分断面図である。
【
図70】全体的に
図69の直線70-70に沿って見たときの、
図68の骨プレートを示す部分底面図である。
【
図71】本開示の態様による、ヒンジ継手の一方の反対側に位置決めされている一対の用具によって係合され、用具はトルクを加えてプレート部材を相対的に回転させてプレート部材の配向を調整するために使用される、
図57の骨プレートを示す図である。
【
図72】本開示の態様による、骨プレートはヘッドプレート部材を骨プレートのシャフトプレート部材に接続する多軸継手を有し、シャフトプレート部材は継手の継手表面のうちの1つの部分を形成し、シャフトプレート部材の本体部に結合された一対の変形可能な要素を有する、橈骨遠位端の固定のための例示的な骨プレートを示す図である。
【
図73】骨プレートの下から見たときの、
図72の骨プレートを示す分解側面図である。
【
図74】骨プレートの上から見たときの、
図72の骨プレートを示す別の分解側面図である。
【
図75】3つの異なる配向が骨プレートの長さをどのように変えるかを示すために骨プレートのシャフトプレート部材が静止している状態にある、多軸継手によって許され、シャフトプレート部材の長軸に平行であり、シャフトプレート部材によって画定された平面に垂直である平面内でヘッドプレート部材を移動させることによって達成される、3つの異なる配向にある骨プレートのヘッドプレート部材の状態で見たときの、
図72の骨プレートを示す部分平面図である。
【
図76】全体的に
図75の直線76-76に沿って見たときの、
図72の骨プレートを示す部分断面図である。
【
図77】本開示の態様による、骨プレートはヘッドプレート部材をシャフトプレート部材に接続する多軸継手を有し、ヘッドプレート部材はシャフトプレート部材の継手表面の一対の変形可能な要素と接触する一対の突起部を形成する継手表面を備える、橈骨遠位端の固定のためのなおも別の例示的な骨プレートのシャフトプレート部材を示す部分底面図である。
【
図78】本開示の態様による、骨プレートがヘッドプレート部材をシャフトプレート部材に接続する多軸継手を有しており、継手は第1の平面内で離散的な調整可能性を有し、第1の平面に非平行である第2の平面内で連続的な調整可能性を有する、橈骨遠位端の固定のためのさらに別の例示的な骨プレートを示す平面図である。
【
図79】シャフトプレート部材の上から見たときの、
図78の骨プレートのシャフトプレート部材を示す部分図である。
【
図80】
図78の骨プレートのヘッドプレート部材を示す部分底面図である。
【
図81】全体的に
図78の直線81-81に沿って見たときの、
図78の骨プレートを示す断面図である。
【
図82】本開示の態様による、骨プレートは上腕骨近位に結合され(留め具は図示せず)、ヘッドプレート部材を骨プレートのシャフトプレート部材に接続する多軸継手を有し、多軸継手が骨折整復を調整するためにどのように使用され得るかを示すためにヘッドプレート部材がシャフトプレート部材に関して様々な配向をとる、上腕骨近位の固定のための例示的な骨プレートを示す図である。
【
図83】本開示の態様による、骨プレートは上腕骨近位に結合され(留め具は図示せず)、ヘッドプレート部材を骨プレートのシャフトプレート部材に接続する多軸継手を有し、多軸継手が骨折整復を調整するためにどのように使用され得るかを示すためにヘッドプレート部材がシャフトプレート部材に関して様々な配向をとる、上腕骨近位の固定のための例示的な骨プレートを示す図である。
【
図84】本開示の態様による、骨プレートは上腕骨近位に結合され(留め具は図示せず)、ヘッドプレート部材を骨プレートのシャフトプレート部材に接続する多軸継手を有し、多軸継手が骨折整復を調整するためにどのように使用され得るかを示すためにヘッドプレート部材がシャフトプレート部材に関して様々な配向をとる、上腕骨近位の固定のための例示的な骨プレートを示す図である。
【
図85】本開示の態様による、骨プレートは上腕骨近位に結合され(留め具は図示せず)、ヘッドプレート部材を骨プレートのシャフトプレート部材に接続する多軸継手を有し、多軸継手が骨折整復を調整するためにどのように使用され得るかを示すためにヘッドプレート部材がシャフトプレート部材に関して様々な配向をとる、上腕骨近位の固定のための例示的な骨プレートを示す図である。
【
図86】本開示の態様による、骨プレートは上腕骨近位に結合され(留め具は図示せず)、ヘッドプレート部材を骨プレートのシャフトプレート部材に接続する多軸継手を有し、多軸継手が骨折整復を調整するためにどのように使用され得るかを示すためにヘッドプレート部材がシャフトプレート部材に関して様々な配向をとる、上腕骨近位の固定のための例示的な骨プレートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、骨を固定するための、方法およびデバイスを含む、システムを実現する。システムは、1つまたは複数の移動可能継手により互いに接続されている2つまたはそれ以上のプレート部材を有する骨プレートを備え得る。各継手は、単一平面または2つもしくはそれ以上の非平行平面内でプレート部材の配向を相対的に調整することを可能にし得る。継手は、移動可能構成と固定構成とを有し得る。骨プレートを作製する方法も提示される。
【0009】
各継手は、継手のところで互いに接続されている一対のプレート部材の平面内運動および/または平面外運動(たとえば、曲げおよび/または捻り)を可能にし得る。継手は、それ
に加えて、または代替的に、継手のところのプレート部材の相対的なずれを介して、骨プレートの長さの調整を可能にし得る。各継手は、個別のコネクタを備える継手に加えられる圧縮力によって、および/または継手から隔てて並ぶ1つまたは複数の位置に配設されている1つまたは複数の留め具の取り付け/調整を介するなどにより、プレート部材同士の剛体連結(固定構成)を形成するように係止可能である場合もない場合もある。
【0010】
いくつかの実施形態において、各継手は、ヒンジ継手であってよい。ヒンジ継手は、係止骨ネジを受け入れるように構成されている一対の係止スルーホールによって囲まれるものとしてよく、骨プレートは適宜少なくとも2つのヒンジ継手を備え、および/または骨折部との重なりのための軸方向ゾーンを指示するようにマークを付けられている。
【0011】
例示的な骨プレートが実現される。骨プレートは、ピボット軸を画定するヒンジ継手によって互いに接続される一対のプレート部材を備え得る。プレート部材は、ピボット軸の周りで平面内で相対的に回転可能であるものとしてよい。プレート部材は、互いに永久に接続されても接続されていなくてもよい。いくつかの実施形態において、プレート部材のうちの1つは、ヒンジ継手を作製するために他方のプレート部材の開口内に配設された一体形成された軸体を有する。軸体は、リテーナを作製するように軸体を変形させるか、またはとりわけリテーナを軸体に溶接することによって、プレート部材を永久に接続するために開口内に取り込まれ得る。ヒンジ継手は、移動可能構成と固定構成との間で骨から離れて調整可能ではあり得ず、トルクを加えてプレート部材を回転させるために少なくとも1つの用具を必要とし得る。いくつかの実施形態において、骨プレートは、ピボット軸と同軸であり、ヒンジ継手を骨に結合する留め具を受け入れるように構成されているスルーホールを画定し得る。スルーホールは、雌ネジを有していても、有していなくてもよい。いくつかの実施形態において、スロット内のピンは、ピボット軸の周りのプレート部材の回転の許容される範囲を決定する。いくつかの実施形態において、プレート部材は、接合面を作る補完的特徴部を有し得る。プレート部材のうちの1つの部分は、ピボット軸に平行な直線に沿って、接合面で他のプレート部材の一部の真下および真上に配置されるものとしてよく、これは、ヒンジ継手における骨プレートの曲げ強度を高め得る。いくつかの実施形態において、プレート部材は、個別のコネクタにより互いに接続され得る。コネクタは、プレート部材のうちの1つと螺合し、移動可能構成と固定構成との間でヒンジ継手を変化させるように操作され得る。コネクタは、シャフトの下にヘッドを有するものとしてよく、左巻き雄ネジを有し得る。コネクタの取り外しは、プレート部材のうちの1つのフランジによって妨げられ、それによって、プレート部材を互いに永久に接続することができる。いくつかの実施形態において、コネクタは、プレート部材とスナップ式に結合し得る。係止部材は、コネクタの開口部内に受け入れ、コネクタの領域を径方向に拡大してヒンジ継手を固定構成にするように調整され得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、骨プレートは、一対のプレート部材によって形成される継手表面を有する多軸継手を備え得る。プレート部材のうちの少なくとも1つは、本体部および個別の変形可能な要素を備え得る。変形可能な要素は、1つの継手表面の少なくとも一部を形成し得る。変形可能な要素は、継手が固定構成にされたときに、他の継手表面との接触によって変形され得る。いくつかの実施形態において、変形可能な要素は、継手が固定構成にされる前および/または後に、他の継手表面によって画定される空隙内に貫入し得る。いくつかの実施形態において、他の継手表面によって画定される突起部は、継手が固定構成にされたときに変形可能な要素を変形させ得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、骨プレートは、第1のプレート部材と第2のプレート部材とによって形成される継手表面を有する多軸継手を備え得る。第1のプレート部材の継手表面は、突起部を備えるものとしてよく、第2のプレート部材の継手表面は、1つまたは複数の空隙を画定するものとしてよい。各突起部は、継手が固定構成にされたときに第2の
プレート部材の継手表面を変形し、および/またはそれによって変形されるものとしてよく、突起部が少なくとも1つの空隙内に貫入するか、またはさらに深く入り込むものとしてよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、骨プレートは、一対のプレート部材を接続する多軸継手を備え得る。継手は、プレート部材の配向が第1の平面内で連続的に調整され、第1の平面を横断する(たとえば、直交する)第2の平面内で離散的に調整されることを可能にする移動可能構成を有し得る。継手は、補完的な、球面領域および歯止めを備えることができる。歯止めは、第2の平面内の2つの互いに対して反対の回転方向のうちの一方への回転を選択的に制限する場合も、制限しない場合もある。プレート部材のうちの1つは、タブを形成し得る。タブの移動は、他のプレート部材との接触によって停止させられ、第1の平面内の許容された回転の範囲を定めることができる。代替的に、またはそれに加えて、タブは、骨プレートの上から見えてもよく、第1の平面内のプレート部材の配向の指標であってよい。
【0015】
多軸継手を有する骨プレートの実施形態において、継手は、制限された運動範囲を有するものとしてよく、これは別のプレート部材によって画定された開口内に貫入する1つのプレート部材の突出部によって決定され得る。開口は、また、プレート部材を互いに接続するコネクタの一部を受け入れることができる。
【0016】
多軸継手を有する骨プレートの実施形態において、骨プレートは、プレート部材を互いに接続するコネクタを備え得る。コネクタは、シャフトの下にヘッドを有し得る。コネクタは、左雄ネジを備えるものとしてよい。シャフトは、コネクタを骨プレートの上から調整するために好適なドライバ用のドライバ接合面を形成し得る。
【0017】
固定システムのさらなる態様は、次の項、すなわち、(I)移動可能継手を備える骨プレートの概要、(II)単一軸継手を備える骨プレート、(III)多軸継手を備える骨プレート、(IV)平面外角度調整を行うための単一の継手を備える骨プレート、(V)並進運動オフセットを調整するための継手を備える骨プレート、(VI)骨固定の方法、および(VII)例で説明される。
【0018】
I.移動可能継手を備える骨プレートの概要
この項では、移動可能継手を備える骨プレートの概要を述べる。
図1参照。
【0019】
図1は、一対のプレート部材84、86を接続する移動可能継手82(移動可能接続部とも称される)を有する例示的な骨プレート80の概略図を示している。各プレート部材は、1つまたは複数の留め具90(骨ネジ、ピン、ワイヤ、リベットなど)を使用して骨88に装着され得る(たとえば、別々に装着され得る)。各留め具は、プレート部材によって画定されたスルーホール(開口部とも言い替えられ得る)内に受け入れられ得る。(プレート部材は、プレート、プレート片、または装着部材とも、言い替えられ得る。)骨88は、骨プレートが架け渡される、骨折部93または切断部などの、少なくとも1つの不連続部を有し得る。継手82は、ここに示されているように、不連続部と重なり合うものとしてよいか、または不連続部から骨に沿ってずらされ得る。骨プレート80は、固定デバイスまたは骨プレートアセンブリとも言い替えられ得る。
【0020】
移動可能継手82によって許容され得るプレート部材84、86の例示的な相対的移動は、想像線で例示されており、運動矢印94、96によって識別される。プレート部材は、少なくとも1つの平面内で、および/または回転矢印94によって指示されている、少なくとも1つ回転軸の周りで、相対的に移動可能であるものとしてよく、それにより、プレート部材の角度方向を相対的に変更することができる。回転は、骨プレートによって画定される平面に
関して平面内または平面外であってもよく、骨プレートおよび/またはプレート部材の長軸の周り、または別の軸の周りにあるものとしてよい。プレート部材は、それに加えて、または代替的に、変位矢印96によって指示されている、少なくとも1つも変位軸に沿って相対的に調整可能であるものとしてよい。変位軸は直線的でも直線的でなくてもよく、プレート部材の相対的な回転なしでまたは相対的な回転ありで純並進変位をもたらし得る。
【0021】
「平面内」にあるプレート部材の相対的な回転または移動は、プレート部材のうちの1つまたは複数によって画定される平面に少なくとも一般的に平行である平面内で生じる。平面内移動は、たとえば、プレート部材のうちの1つまたは複数によって画定される平面に完全に平行な状態から約20、10、5、2、または1度の範囲内にあるものとしてよい。単一軸継手(たとえば、ヒンジ継手)および多軸継手は、平面内回転を許容し得る。
【0022】
各回転軸(および/または回転が生じる平面)は、骨プレートに関して好適な位置および配向を有するものとしてよい。回転軸は、一方または両方のプレート部材に関して固定されるか、または可変であってよい。可変である場合、回転軸の位置は、プレート部材の回転前または回転中に変化し、その角度方向を変化させ得る。回転軸は、骨プレート80および/または継手82を通過する場合もしない場合もある。回転軸が骨プレートまたは継手を通過するかしないかに関係なく、回転軸は、平面(たとえば、長さ-幅平面)および/または骨プレートおよび/または少なくとも1つのプレート部材によって画定される長軸との間に好適な関係を有し得る。回転軸は、平面もしくは長軸を横断する(たとえば、実質的にもしくは少なくとも一般的に垂直である)か、または平面もしくは長軸に実質的にもしくは少なくとも一般的に平行であるものとしてよい。たとえば、回転軸は、完全に平行または完全に垂直な状態から約20、10、5、2、または1度の範囲内であってよい。
【0023】
各並進変位軸は、骨プレートに関する好適な配向を有するものとしてよい。変位軸は、骨プレートおよび/または少なくとも1つのプレート部材によって画定される平面および/または長軸に対して少なくとも一般的にもしくは実質的に平行であるか、横断する(たとえば、垂直である)か、または傾いているものとしてよい。したがって、変位軸に平行なプレート部材の相対的な純移動は、プレート部材の相対的な縦方向オフセットおよび/または横方向オフセットを変化させ得る。両方のオフセットは、変位軸が骨プレートまたはそのプレート部材によって画定される特徴的な直交軸の各々に対して傾いている場合に同時に変更され得る。いかなる場合も、横方向オフセットは、骨プレートおよび/または少なくとも1つのプレート部材によって画定される平面に少なくとも一般的にもしくは実質的に平行な平面内で、および/または骨プレートによって画定される平面に対して傾いているか、または少なくとも一般的にもしくは実質的に垂直である平面内で調整可能であるものとしてよい。
【0024】
骨プレートは、好適な数のプレート部材、および好適な数および位置の、プレート部材を互いに接続する(たとえば、プレート部材を端と端を接して接続する)移動可能な継手を有するものとしてよい。たとえば、骨プレートは、2つ、3つ、4つ、もしくはそれ以上のプレート部材および/または1つ、2つ、3つ、もしくはそれ以上の移動可能な継手を有し得る。いくつかの実施形態において、骨プレートは、N個のプレート部材およびN-1個の移動可能な継手を有し得る。骨プレートが、複数の移動可能な継手を有している場合、継手は、互いから骨プレートの長軸に沿って隔てて並ぶか、または長軸に対して傾いて、もしくは垂直に隔てて並ぶなど、好適な相対的位置を有し得る。各移動可能な継手は、継手によって互いに接続されている一対のプレート部材に関して好適な位置に配置され得る。継手は、プレート部材の各々の端部の近くに配置され得るか、またはプレート部材のうちの少なくとも1つの対向する端部から実質的に隔てて並び得る。
【0025】
プレート部材は、移動可能な継手のところで互いに永久に接続されても接続されていな
くてもよい。プレート部材の間の永久的な接続部は、骨プレートの製造時に作製されるものとしてよく、それにより、通常の取り扱いおよび取り付けの際にプレート部材は常に互いに接続されたままになる。互いに永久に接続されているプレート部材は、使用者によってうっかり分解されることが決してないように設計されている。プレート部材は、骨プレートを損傷させることなく(たとえば、骨プレートの一領域を切断する、壊す、塑性変形させる、溶融させる、または同様のことを行うことによる)、または骨プレートの取り付けまたは調整に無関係の1つまたは複数の用具を使用することなく、互いに完全に分離させることはできない。プレート部材がヒンジ継手のところで互いに永久に接続されている骨プレートは、外科手術時にヒンジ継手(たとえば、コネクタ)の個片を落としたり、または喪失したりする危険なしにヒンジ付き骨プレートの利点を提供する。
【0026】
各プレート部材は、好適な任意の形状を有し得る。プレート部材は、細長くても細長くなくてもよい。プレート部材は、内面(内側または底側と言い替えられる)に対向する外面(外側または頂側と言い替えられる)を有し得る。プレート部材は、骨プレートの外面(頂面と言い替えられる)および内面(底面と言い替えられる)を形成し得る。骨プレート(および各プレート部材)の内面および外面は、それぞれ、骨プレートが骨に結合されたときに、骨の方に向かう面、および骨から遠ざかる面である。内面は、骨と接触するように構成され得る。各プレート部材は、一体品であってよく、プレート部材を変形させることなく相対的に移動する部分はない。一体型プレート部材は、一体形成されるものとしてよく、プレート部材全体が連続している(モノリシック)。プレート部材は、長さ、幅、および厚さを有し、厚さは、長さおよび/または幅の50%、20%、または10%未満など、長さおよび幅よりも小さい。長さは、幅よりも一般的に大きいが、いくつかの実施形態において、長さおよび幅は等しくてもよい。
【0027】
各プレート部材は、好適な任意の構造および位置を有する少なくとも1つの開口部92を画定し得る。各開口部92は、プレート部材を通りその外面から内面に到達するスルーホール(開口と言い替えられる)であってよい。スルーホールは、閉じた周(周上を完全に囲まれている)または開いた周を有するものとしてよい。スルーホールまたは他の開口部は、プレート部材の平面に対して実質的に垂直であるか、または傾いている軸を画定し得る。各スルーホールまたは他の開口部は、プレート部材の平面内で細長くても、細長くなくてもよい。したがって、スルーホールは、円形でも円形でなくてもよい。スルーホールまたは他の開口部は、雄ネジを付けた留め具などの留め具がスルーホールのところでプレート部材に結合されることを可能にするその壁によって形成される結合構造を有していても有していなくてもよい。結合構造は、たとえば、雌ネジまたは少なくとも1つの直線状リップ部であってよい。
【0028】
プレート部材は、好適な数の開口部92を有し得る。プレート部材が2つまたはそれ以上の開口部を有する場合、開口部は、互いから骨プレートに沿った、および/または骨プレートを横切る方向に分配され得る。
【0029】
各移動可能な継手82は、好適な任意の構造を有し得る。継手は、一対のプレート部材の重なりの領域に形成されるものとしてよく、プレート部材は互いに重なり合い、プレート部材のそれぞれの継手表面は、互いに向かい合い、接触する。継手表面は、互いに少なくとも一般的に補完するものであってよく、一方の継手表面は凹面であり、他方の継手表面は凸面である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の継手表面は、継手表面の相対的な滑りに抵抗することによって係止された継手の安定性を改善する表面特徴部を備え得る。表面特徴部は、1つもしくは複数の突起部および/または1つもしくは複数の空隙を備えるものとしてよく、各々変形可能であっても変形可能でなくてもよい。いくつかの実施形態において、表面特徴部は、一方または両方の継手表面によって画定される一組の歯などの、突起部および/または陥凹部の均一な配列を備え得る。いくつかの実施形態に
おいて、一方の継手表面の表面特徴部は、他方の継手表面の表面特徴部のうちの1つまたは複数に対して補完的であってよく、継手表面は、滑りに抵抗するように互いに嵌合し得る。いくつかの実施形態において、継手表面は、継手表面のうちの少なくとも1つの表面特徴部の間隔によって互いからずらされる複数の個別の位置合わせ部に嵌合され得る。たとえば、継手表面の一方は、複数の歯を画定するものとしてよく、他方の継手表面は、少なくとも1つの歯を形成し得る。一方の継手表面の歯は、複数の異なる、個別の位置合わせ部で他方の継手表面の少なくとも1つの歯と嵌合し得る。歯の各々は、断面が対称的であるか、または非対称的であってよい。対称的である場合、歯は、継手の互いに対して反対の回転方向または並進変位方向の両方で継手表面の相対的な移動を許容し得る。非対称的である場合、継手表面の歯は、継手の2つの互いに対して反対の回転方向または変位方向のうちの一方のみの継手表面の移動を選択的に許容する歯止めを集合的に形成し得る。いくつかの実施形態において、継手表面は、互いに対して補完的でない表面特徴部を画定するものとしてよく、表面特徴部は、特に継手が圧縮されたときに変形し得る。
【0030】
継手の両方の継手表面のうちの一方は、プレート部材の一方の一体型本体部によって少なくとも部分的に形成され得る。本体部は、また、留め具を受け入れるように1つまたは複数のスルーホールを画定し得る。いくつかの実施形態において、継手表面は、プレート部材のうちの1つの本体部および本体部に関連付けられている少なくとも1つの変形可能な要素98(滑り防止要素とも称される)によって形成され得る。変形可能な要素は、両方のプレート部材の本体部よりも軟らかいものとしてよく、他方の継手表面との接触によって選択的に変形され得る。たとえば、変形可能な要素は、ポリマーと金属の各本体部とから形成され得るか、または変形可能な要素は、とりわけ、より軟らかい金属と、より硬い金属の各本体部とから形成され得る。いかなる場合も、変形可能な要素は、継手が圧縮されたときに変形し、プレート部材の相対的な滑りに抵抗するようにできる。継手表面のうちの少なくとも1つの表面特徴部は、変形可能な要素の変形を円滑にし得る。たとえば、表面特徴部のうちの1つまたは複数(たとえば、1つまたは複数の隆起部)は、継手が圧縮されたときに変形可能な要素内に1つまたは複数の凹みを形成するか、または深くし得る。変形可能な要素は、継手表面のうちの1つに形成された陥凹部内に少なくとも部分的に配設されるものとしてよく、陥凹部から他の継手表面の方へ突出して、それと接触するようにできる。変形可能な要素は、別々に形成され、次いで、プレート部材本体部のうちの1つに結合される挿入体であり得るか、または変形可能な要素は、材料を本体部にオーバーモールドするか、もしくは他の何らかの形で施して変形可能な要素を作製することなどによって、本体部のうちの1つと接触して形成され得る。変形可能な要素は、代替的に、プレート部材と明確に異なるものとして考えられ得る。したがって、変形可能な要素は、継手のプレート部材のうちの一方に堅固に結合され、継手の他方のプレート部材に関して移動可能であるものとしてよい。
【0031】
骨プレート80は、継手のところでプレート部材を互いに接続する個別のコネクタ100を備え得る。コネクタは、継手82が移動可能構成であるかまたは固定(係止された)構成であるかを制御する係止部材(いくつかの実施形態において、留め具および/または係止ネジと記述されることがある)として記述され得る。「移動可能」および「固定」という語は、相対語である。固定構成は、プレート部材を相対的に移動させるために、実質的により大きい力、とりわけ、その力の少なくとも約5倍、10倍、25倍、50倍、または100倍の力などを必要とする。固定構成では、骨プレートは、継手のところで剛性を有するものとしてよく、プレート部材は、互いに剛性結合され、骨プレートは、従来の(継手なしの)骨プレートのように機能し得る。コネクタは、プレート部材の継手表面を通して一方のプレート部材から別のプレート部材まで延在し得る。たとえば、コネクタは、継手のピボット軸を画定し得る(すなわち、ピボット軸と同軸であり得る)か、またはピボット軸からずらされ得る。各プレート部材は、コネクタの一部を受け入れるための開口を画定し得る。いくつかの実施形態において、コネクタは、コネクタをプレート部材の1つにその開口のところで
結合するための雄ネジを有し得る。コネクタは、継手のところでプレート部材の圧縮を調整するように回転可能であり、それによって継手が固定されているか、または移動可能であるかを決定し得る。いくつかの指示において、継手は、係止可能でない場合があり、たとえば、変形力は、鎖骨固定などのために、調整機能と異なる平面内で作用する。係止された継手での移動は、摩擦、閉塞、噛み合い、または同様のことの組合せを含む好適な任意の機構によって制限され得る。
【0032】
II.単一軸継手を備える骨プレート
この項では、プレート部材の相対的な平面内角度調整を許容するヒンジ継手を備える例示的な骨プレートについて説明する。
図2~
図14B参照(VII項の実施例1および3も参照)。
【0033】
図2~
図6は、骨プレートの長軸に沿って配置構成され、プレート部材124、126、および128を互いに永久に接続する一対のヒンジ継手122a、122bを有する例示的な骨プレート120を示している。(プレート部材126は、中心プレート部材であり、プレート部材124および128は、端プレート部材である。)各ヒンジ継手は、骨プレート、および/またはヒンジ継手の少なくとも1つのプレート部材によって画定される平面を横断する(たとえば、直交する)ように配置構成されている単一ピボット軸の周りの、
図2において130で指示されている、移動を許容しながら平面外の曲げおよび捻りの力に抵抗する。この枢動は、プレート部材の平面内運動による骨プレートの縦方向形状の調整を許容し、これにより、外科医は被験者の骨の縦方向形状に合わせて骨プレートをカスタマイズすることができる。いくつかの実施形態において、骨プレート120は、単一ヒンジ継手によって接続された2つのプレート部材(または3つもしくはそれ以上の継手によって接続された4つもしくはそれ以上のプレート部材)のみを有し得る。骨プレート120は、鎖骨、または大腿骨、脛骨、腓骨、橈骨、尺骨、上腕骨、肋骨、もしくは同様の骨(VI項も参照)などの、他の好適な骨を固定するために使用され得る。
【0034】
骨プレート120は、固定されるべき骨の骨折または切断部分の上に載るべき骨プレートの縦方向領域(「骨折」ゾーン)を画定するために1つまたは複数の表面マーキング132でマークされ得る(
図2および
図3参照)。表面マーキングは、マークされるべき領域で骨プレートをエッチングし、機械加工し、成形し、コーティングし、電解するなどして領域またはその境界を目視で識別できるようにすることによって形成され得る。いくつかの実施形態において、マークされた領域は、骨プレートの他の部分と異なる色を有し得る。いかなる場合も、中心プレート部材126は、骨の骨折または切断部分に縦方向に架け渡されるように骨上に位置決めされ得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、骨プレート120は、骨の骨折部位が端プレート部材124もしくは128、ヒンジ継手122aもしくは122bのうちの1つ、および/または骨プレートのマークされた領域の外の中心プレート部材126の一領域に重なり合う骨折骨上に位置決めされ得る。
【0035】
図示されている実施形態において、各ヒンジ継手は、ピボット軸に沿って調整可能に圧縮され、移動可能構成と固定構成との間でヒンジ継手を変更する能力を欠いている。その代わりに、各継手における回転運動は、骨プレートを骨の折れていない(連続的な)部分に固定し、一対の留め具が各ヒンジ継手の対向する側の折れていない部分内に入れられ、折れていない部分がその対の留め具のうちの一方から他方の留め具まで延在するようにすることによって制限され得る。いくつかの実施形態において、ヒンジ継手は、留め具のための結合構造(雌ネジなど)を有する一対のスルーホール134a、134bの間に配置され、それにより、各留め具を骨プレートに剛性結合することができる。いかなる場合も、骨プレート120は、少なくとも2つまたは3つの留め具が骨折ゾーンの各側の折れていない骨に入れられることを許容し得る。
【0036】
ヒンジ継手は、移動可能な相欠き継手として形成され得る。
図3~
図6参照。中心プレー
ト部材126は、端部の各々のところに厚さを減らしたタブ136を形成するものとしてよい。軸体138(突起部または支柱と言い替えられる)は、タブから直交する方向に突出し得る。各端プレート部材124、128は、その端部のうちの1つで下を切り取った領域140を画定し得る。端プレート部材は、軸体を受け入れるサイズの(たとえば、軸体よりも直径がわずかに大きいサイズの)開口142を画定するものとしてよく、下を切り取った領域140は、骨プレートの厚さを増すことなくタブ136を受け入れるサイズにできる。軸体138の端部は、変形され(たとえば、スウェージ加工され)(
図6のパネルAおよびB参照)、端プレート部材のうちの1つを軸体上に捕らえるリテーナまたはヘッド144を形成し、骨プレートを損傷させることなくプレート部材が互いから切断されるのを防ぐことができる。リテーナ144は、開口142の広げられた領域145を占有し得る。いくつかの実施形態において、タブ136、広げられた領域145を除く開口142、および広げられた領域145の各々の高さは、ヒンジ継手のところの骨プレートの全高(厚さ)の約1/3であるものとしてよい。リテーナ144は、プレート部材の頂面から突き出るものとしてよいか、または頂面に関して同一平面上にあるか、もしくは陥凹していてもよい。いくつかの例では、リテーナ144は、軸体に溶接され得る。いくつかの例において、骨プレート全体(ヒンジ継手を含む)は、3Dプリンティングによって形成され、適宜その後に、ヒンジ継手のところで(たとえば、リテーナのところで)変形され、プレート部材の回転に対する摩擦抵抗を高めるものとしてよい。いくつかの例において、リテーナ144は、軸体の中でもとりわけ、ネジ付きの軸体に結合されるナットなどの、個別の要素によって形成され得る。いくつかの例では、ヒンジ継手の態様は反転させることができる。たとえば、中心プレート部材126は、ヒンジ継手のところの端プレート部材によって形成されるタブの上に載る下を切り取った領域を形成するものとしてよく、および/または端プレート部材は、軸体を備え得る。
【0037】
軸体は、好適な任意の特性を有し得る。軸体は、ピボット軸に沿って細長くても細長くなくてもよい。軸体は、円筒形であり得るか、または少なくとも他のプレート部材の開口内に配設された円筒形部分を有し得る。軸体は、軸体が開口内に入れられる前に予形成されているスルーホールを有し得るか、またはスルーホールは、とりわけ、リテーナが作製された後に形成され得る。いくつかの実施形態において、スルーホールは、リテーナが作製された後に予形成され、次いで修正され得る。スルーホールの修正は、スルーホール内に雌ネジを形成するステップ、および/またはリテーナが作製されるときに場合によっては生じる歪みを取り除くためにスルーホールを手直しするステップを含み得る。
【0038】
各ヒンジ継手122a、122bは、使用者(たとえば、外科医)によって継手のところで調整可能でない摩擦抵抗を有し得る。言い替えれば、ヒンジ継手は、以下のVII項の実施例3において詳しく説明されているように、移動可能構成と固定構成との間で骨から離れて調整可能であるように構成されていない。摩擦抵抗は、開口142の壁領域および/またはプレート部材の外面などの、プレート部材のうちの1つとリテーナ144をぴったり係合させることによって骨プレートの製造時に設定され得る。明確に異なる移動可能構成および固定構成を欠いている(および、適宜、個別のコネクタを有しない)ヒンジ継手を有する骨プレートは、その取り付けを容易に、かつ迅速にし、機械的な誤動作または故障(たとえば、個別のコネクタが時間の経過とともに緩んでくることによって引き起こされる)が生じる可能性を低くし、うっかり分解してしまう事態に陥らせにくくすることができる。
【0039】
各ヒンジ継手の運動範囲は、停止領域146と148(
図2および
図5参照)および/または停止領域150と152(
図4参照)の間の接触によって決定されるものとしてよく、これは中心プレート部材126および端プレート部材124または128の垂直壁によって形成され得る。ヒンジ継手は、少なくとも約5または10度、および/またはとりわけ、約45度、30度、または20度未満などの、好適な角運動範囲を有するものとしてよい。
【0040】
図7および
図8は、骨から離れて係止され得るヒンジ継手122bを有する骨プレート120の
一バージョンである骨プレート160を示している。中心プレート部材126および端プレート部材128の重なり合う領域は、係止部材166として機能する留め具を受け入れるための一対の整列された開口162、164を画定し得る。係止部材は、止めネジであってよい。上側開口162は、骨プレートの長軸を横断するように細長く(また骨プレートの平面内で細長く)、スロットを形成し得る。下側開口164は、雌ネジ168を有し得る。係止部材166は、下側開口164で係止部材をプレート部材126に結合するために雄ネジ170を有し得る。係止部材のヘッド172は、上側開口162のより広い頂部領域内に配設されるものとしてよく、骨プレートのプレート部材がヒンジ継手122bのところで相対的に枢動するときに上側開口162の長軸に沿って移動する。ヘッド172の下側は、上側開口162の壁領域174にぴったり当接して、プレート部材128をプレート部材126とぴったり係合するよう付勢し、選択された回転位置でプレート部材の相対的な角度方向を固定するものとしてよい。係止部材166は、骨の中に貫入する、骨ネジ178などの、留め具を受け入れるための中心スルーホール176を画定し得る。
【0041】
図9は、カニューレ挿入されず、骨プレートの下をくぐって骨に貫入するように構成されている異なる係止部材182で係止される骨プレート160を示している。他の実施形態では、カニューレ挿入されない係止部材182は、骨プレートの内面の実質的下に延在し得ない。
【0042】
図10および
図11は、コネクタ204で係止されたヒンジ継手202を有する例示的な骨プレート200を示している。骨プレートのプレート部材206、208は、ヒンジ継手202のピボット軸214を中心とし、ピボット軸214を囲む一対のアーチ形の補完的な嵌合領域210、212を介して嵌め合わされる。
【0043】
各補完的な領域210、212は、嵌合特徴部を備える。たとえば、補完的な領域は、アーチ形通路とし画定される軌道216と、軌道(
図11参照)に嵌り込み、軌道と補完的である、フランジ218などの、端部領域とを備え得る。各軌道216は、軌道内にフランジを保持し、ピボット軸214に平行な互いに対して反対方向に互いからプレート部材206、208が移動して分離することに抵抗する下を切り取られた領域220を有し得る。より一般的に、補完的な嵌合特徴部は、嵌合したプレート部材の並進分解を防ぐ。しかしながら、各フランジ218は、プレート部材206、208がピボット軸214の周りで相対的に枢動するときに軌道内で平面内摺動し得る。プレート部材は、対応する軌道内に各フランジ218を入れることによって最初に互いに嵌合することができ、プレート部材は互いに傾いて配置構成される(たとえば、とりわけ、互いに対して同軸から少なくとも約20、40、または60度の角度で)。次いで、プレート部材は、プレート部材を枢動させて互いに同軸整列に向かうようにすることによって互いに回転可能に嵌合され得る。プレート部材は、各フランジをその対応する軌道から取り除くために整列状態から十分遠くまで枢動されない限りこの嵌合構成で互いに接続されたままである。いくつかの実施形態において、ヒンジ継手は、ただ1つのフランジと、ピボット軸214の一方の側にのみ形成される1つの軌道とを有し得る。いくつかの実施形態において、ヒンジ継手のところのプレート部材のうちの1つは、ピボット軸の両側にフランジを形成するものとしてよく、他方のプレート部材は、両方のフランジを受け入れるために両方の軌道を画定し得る。
【0044】
プレート部材206、208は、コネクタ204を受け入れるための一対の整列された開口222、224を画定し得る。コネクタは、螺合によって下側開口224に結合され、それにより、プレート部材が互いからうっかり切断されないことを確実にすることができる。コネクタは、また、ラグネジとしても機能することができ、ヒンジ継手を選択された位置に係止するためにプレート部材同士が互いに堅く係合するようにヒンジ継手の近くで上側プレート部材にぴったり当接できるヘッドを備えている。コネクタ204は、適宜、骨プレートの下に突出して下にある骨の中に入るように構成されているネジ山付き先端領域226を備え得る。
【0045】
図12および
図13は、コネクタ234で係止可能であるヒンジ継手232を有する骨プレート230を示している。骨プレートは、ヒンジ継手のところで重なり合う一対のプレート部材236、238を備える。下側プレート部材236は、上で説明されているように、突出する軸体240が出て来るタブを画定し得る(たとえば、
図2~
図6参照)。軸体は、ヒンジ継手の上側開口242内に受け入れられるものとしてよく、またこれをスウェージ加工および機械加工して、拡大可能なヘッドまたはコレット244を形成することができる。コレットは、248の矢印で指示されているようにコレットのセクションが径方向に拡大することを可能にする刻み目246を画定し得る。コネクタ234は、下側プレート部材236内にねじ込まれるものとしてよく、コネクタのテーパ付きヘッド250は、軸体240のコレット244内に送り込まれるものとしてよく、これはコレット244を拡大して、開口242のテーパ付き壁領域252と拡大されたコレットとの係合による摩擦係止をもたらす。
【0046】
図14Aおよび
図14Bは、橈骨遠位端の固定のための例示的な骨プレート260を示している。骨プレートは、その掌側で橈骨の遠位端に装着するためのヘッド部分262、およびヘッド部分から延在するシャフト部分264を有する。シャフト部分264は、幹部分とも称され、ヘッド部分の近位の橈骨のシャフトに装着されるものとしてよく、シャフト部分は橈骨の長軸に少なくとも一般的に平行に延在する。
【0047】
シャフト部分264は、骨プレートの平面内調整を許容するヒンジ継手266によって接続される少なくとも2つのセグメントによって形成され得る。シャフト部分の遠位セグメントは、ヘッド部分262も形成する遠位プレート部材268によって形成され得る。近位プレート部材270は、シャフトの近位セグメントを形成し得る。シャフト部分の遠位および近位セグメントは、ほぼ等しい長さまたは異なる長さ(たとえば、遠位セグメントが近位セグメントよりも長い、もしくは短い)などの、好適な任意の相対的な長さを有し得る。いくつかの実施形態において、骨プレートは、異なる長さの2つまたはそれ以上の近位プレート部材を有するキットによって用意されてよく、各々ヒンジ継手を介して遠位プレート部材に交換可能に結合できる。外科医には、近位プレート部材270なしで遠位プレート部材を取り付ける選択肢もあるものとしてよい。
【0048】
ヒンジ継手266は、他のプレート部材の端部領域内に入れ子になっているプレート部材のうちの1つの端部領域を含み得る。たとえば、図示されている実施形態において、近位プレート部材270は、遠位プレート部材268の端部領域274を受け入れた受け入れ空間272を画定する。近位プレート部材は、遠位プレート部材の端部領域を受け入れ空間内に捕らえることができる。たとえば、受け入れ空間は、ヒンジ継手のピボット軸に平行な方向にプレート部材が互いから分離するのを防ぐプレート部材270の一対のリップ部276によって一部画定され得る。リップ部の間の距離は、また、受け入れ空間の進入端の方へ減少してシャフト部分264の長軸に平行な方向にプレート部材が互いから分離するのを防ぐようにもできる。たとえば、リップ部は、プレート部材が互いに嵌合した後に、プレート部材268の端部領域274の横方向に凹んでいる領域278のところで一般的に互いの方へ変形されるものとしてよく、これにより、コネクタ279が取り付けられているかどうかに関係なく、プレート部材の軸方向分離を防ぐ。コネクタ279(たとえば、係止ネジ)は、プレート部材268、270の整列された開口の間に延在するものとしてよく、ヒンジ継手を係止し、プレート部材の相対的な配向を固定するように調整可能であるものとしてよい。コネクタは、ヒンジ継手のピボット軸と同軸である。いくつかの実施形態において、骨プレートのヘッド部分およびシャフト部分は、また、多軸継手などの、移動可能な継手によって互いに接続され得る(たとえば、III項、およびVII項の実施例4参照)。
【0049】
III.多軸継手を備える骨プレート
この項では、互いに非平行である2つまたはそれ以上の平面のうちの各々において一対
のプレート部材の相対的な角度方向を調整することを許容する多軸継手を備える例示的な骨プレートを説明する。
図15A~
図15Eおよび
図16~
図36参照。多軸継手を備える骨プレートのさらなる態様は、VII項など、本明細書の別のところで説明されている(たとえば、実施例4)。
【0050】
多軸継手を有する骨プレートが知られている。しかしながら、多軸継手は、継手が係止されるときに継手表面の移動を防ぐために摩擦に頼る。骨プレートを取り付けた後に継手が装填されると、継手表面の相対的な滑りが生じ得る。滑りに対する抵抗力が大きい多軸継手が必要である。
【0051】
とりわけ、この項、およびVII項の実施例4において開示されている多軸継手は、継手をより確実に係止するように構成され、継手は滑ることなくより大きい荷重に耐えられる。継手は、材料変形、および/または補完的な嵌合特徴部の噛み合いを利用して、滑りを防ぐことができる。
【0052】
図15A~
図15Eは、各々、変形可能な多軸継手を有する骨プレート280の継手領域を示している。骨プレート280の各実施形態は、個別のコネクタ(たとえば、係止ネジ)で互いに接続される一対のプレート部材281、282を有する。コネクタを操作して、継手を移動可能構成(左側)から固定構成(右側)に、またその逆に変更することができる。移動可能構成では、プレート部材281、282の相対的な配向は、2つまたはそれ以上の非平行な平面の各々において、湾曲運動矢印283によって示されているように、調整され得る。固定構成では、多軸継手は係止され、プレート部材の配向は、調整され得ない。固定構成は、コネクタを介してプレート部材に加えられる圧縮力によって生成されるものとしてよく、これは284(
図15A参照)のところの一対の運動矢印によって指示されている、継手のところでプレート部材の継手表面283a、283bを互いの方へ付勢する。
【0053】
継手表面283a、283bは、互いに重なり合い、向かい合う。以下でさらに説明されているように、一方または両方の継手表面は、継手が固定構成にされたときに一方または両方の継手表面の変形を促す1つまたは複数の表面特徴部(すなわち、1つまたは複数の突起部もしくは空隙)を有するものとしてよい。それに加えて、または代替的に、一方または両方の継手表面は、非一体的に形成されるものとしてよく、これは、継手表面のうちの少なくとも1つの、硬さなどの、材料特性が継手表面上で変化することを可能にする。
【0054】
圧縮力は、継手が係止される前に移動可能構成で継手表面283a、283bが互いに接触する接合面285に向けられるものとしてよい(
図15A参照)。接合面は、継手表面の面積の数分の一(たとえば、面積の50、25、または10%未満)にすぎず、接合面における単位面積当たりの力を増し、接合面での変形を促進し得る。プレート部材の一方または両方は、接合面で変形され得る。この変形は、プレート部材が相対的な移動283を局部的に遮ることを引き起こし、継手を摩擦に比べてかなり効果的に、安定的に係止することができる。互いに遮るプレート部材の剪断力は、継手のところの移動を防ぐのに重要なものとなる。
【0055】
継手表面283a、283bは、互いに補完的であるそれぞれの継手表面領域286、287を含み得る。表面領域は、各々、同じ曲率半径を持つ球状であってよく、完全な球体の好適な任意の連続的または非連続的な部分を形成し得る。上に載る表面領域286は、図示されているように凸状であるか、または凹状であり得る。下にある表面領域287は、図示されているように凹状であるか、または凸状であり得る。さらに、プレート部材の相対的位置(下にある/上に載る)は、切り替えられ得る。
【0056】
継手表面283aは、継手が固定構成にされたときに継手表面283bを変形させ、および/または継手表面283bによって変形されるように構成されている少なくとも1つの突起部288を
形成する。変形は、塑性変形、弾性変形、またはこれらの組合せであってよい。各突起部288は、図示されているように、表面領域286に関して盛り上がっており(高くなっており)、表面領域から突出し得る。1つまたは複数の突起部は、表面領域286から分離しているか(
図15A~
図15C参照)、または表面領域と一体になっている(
図15Dおよび
図15E参照)ものとしてよい。したがって、表面領域286を形成する(および留め具を受け入れるように1つまたは複数のスルーホールを画定する)プレート部材の本体部289は、分離しているか、または突起部288と一体であってよい。各突起部は、表面領域286を越えてプレート部材282および継手表面283bの方へ突出する。突起部は、たとえば、表面領域286の周の内側、または外側の位置から突出し得る。例示的な突起部は、隆起部、植え込みボルト、または同様のものを含む。
【0057】
突起部288は、継手表面283aの面積の1/2未満を構成するものとしてよい。たとえば、突起部は、突起部のところに圧縮力を集中させるために面積の25%未満または10%を構成し得る。
【0058】
継手表面283bは、表面領域287に関して陥凹している1つまたは複数の空隙290を画定し得る。各空隙は、表面領域287から好適な距離だけプレート部材282内に貫入するものとしてよく、表面領域に沿って、またはこれを横断するようにして細長い場合も細長くない場合もある。空隙は、継手が固定構成にされたときに各突起部288の少なくとも一部を受け入れるように構成される。突起部は、継手が固定構成にされた後(
図15A、
図15D、および
図15E)、またはその前と後の両方(
図15B)に空隙のうちの少なくとも1つに配設され、および/または貫入する。いかなる場合も、各突起部の少なくとも一部は、少なくとも1つの空隙によって形成される空間内に入り(空隙の変形あり、またはなしで)、突起部は、継手が固定構成にされたときに少なくとも1つの空隙内に貫入するか、またはより奥深くまで貫入する。空隙および表面領域287は、互いに一体形成され得るか(
図15A、
図15D、および
図15E)、または少なくとも一部は個別の要素で形成され得る(
図15B)。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の空隙は、互いから表面領域287の領域291を絶縁することができる(
図15A)。たとえば、継手表面283aは、領域291を囲み、互いから領域291を絶縁する交差する表面通路を画定し得る。他の実施形態において、表面領域287は連続的であってよい。
【0059】
空隙は、各突起部288の高さ(h)との好適な任意の関係を持つ深さ(d)を有し得る。たとえば、深さは、高さの少なくとも10、25、50、または100%であってよい。空隙の例示的な深さ(d)および/または突起部の高さ(h)は、とりわけ、少なくとも0.1、0.2、0.5、または1ミリメートルを含む。いくつかの実施形態において、深さは、高さよりも大きくてよく、表面領域286が表面領域287と係合する「底入れ」を促す(
図15Dおよび
図15E参照)。表面領域286、287同士の係合は、係止された継手の安定性を高め得る。
【0060】
プレート部材の一方または両方は、プレート部材の本体部289から分離している少なくとも1つの変形可能な要素292を含み得る。変形可能な要素は、本体部289に対して隔てて並ぶ関係で形成され、次いで、本体部に関連付けられ得るか、または変形可能な要素は、材料を本体部に加えることなど(たとえば、オーバーモールド、噴霧など)によって、本体部上に作製され得る。変形可能な要素は、とりわけ、いずれかの本体部289、いずれかの表面領域286もしくは287、他のプレート部材、またはこれらの組合せよりも(塑性的におよび/または弾性的に)変形性が高いものとしてよい。各変形可能な要素は、本体部289と異なる材料(たとえば、より軟らかい材料)から形成され得るか、より多孔質であり得るか、または同様のものであってよい。変形可能な要素は、本体部289によって画定される陥凹部293内に配設されてよく、陥凹部から突出して突起部288を形成し得る(
図15A参照)。変形可能な要素は、変形可能な要素が陥凹部内に配設されているかいないかに関係なく、本体部に結合され得る。結合は、プレス嵌め、ボンディング、接着剤、本体部への変形可
能な要素の作製、または同様の方法によって達成され得る。いくつかの実施形態において、変形可能な要素は、継手表面283a(プレート部材281の)の突起部288と接触し、突起部288によって変形され得る継手表面283b(プレート部材282の)の突起部294を形成し得る(
図15C参照)。
【0061】
図15Aは、プレート部材282の継手表面283bによって変形可能な要素292が変形されていることを示しており、変形可能な部材は、表面領域287を越えてプレート部材282内に貫入する。図示されている実施形態において、空隙290は、継手が固定構成にされたときに実質的に変形されることはない。いくつかの実施形態において、空隙はより大きく(たとえば、より広く)てもよく、突起部全体は、単一の空隙内に受け入れられるものとしてよく、表面領域286、287は互いに係合し得る。
【0062】
図15Bは、突起部288がプレート部材282の表面領域287を越えて、本体部289および変形可能な要素292によってまとめて画定される空隙290内に貫入するのを示している。突起部は、継手の移動可能構成において変形可能な要素の表面に沿って摺動するものとしてよく、継手の固定構成において変形可能な要素内に貫入する。突起部は、移動可能構成および固定構成の両方において表面領域287を越えてプレート部材282内に貫入するが、固定構成ではさらに延在する。
【0063】
図15Cは、プレート部材282の変形可能な突起部294と摺動可能に接触しているプレート部材281の突起部288を示している。突起部288は、継手が固定構成にされたときに変形可能な要素292内に貫入する。突起部288の基部に形成された凹み295は、変形可能な要素292の一部を受け入れる。
【0064】
図15Dおよび
図15Eは、個別の変形可能な要素292を有しない骨プレート280を示している。突起部288は、表面領域286と一体となるように形成され、空隙290は、表面領域287と一体となるように形成される。
図15Dにおいて、プレート部材はほぼ同じ硬さを有する。したがって、突起部288および少なくとも1つの空隙290は、変形される。
図15Eにおいて、プレート部材282は、プレート部材281よりも軟らかい。プレート部材282がもっぱら変形される。一体形成された継手表面を有する他の実施形態では、プレート部材281(および特に各突起部288)がもっぱら変形される。
【0065】
図16~
図21は、橈骨遠位端の固定のための例示的な骨プレート300を示している。骨プレート300は、骨プレートのヘッドプレート部材304をシャフトプレート部材306に移動可能に接続する多軸継手302を有する。図示されている実施形態(および橈骨遠位端について本明細書において開示されている他の実施形態)の多軸継手は、シャフトプレート部材に関するヘッドプレート部材の連続的な背腹調整可能性および連続的な橈骨-尺骨調整可能性を許容する。ヘッドプレート部材304は、プレート部材の継手表面の突起部を形成する一対の変形可能な要素308(滑り防止要素)を備える(
図15Aも参照)。シャフトプレート部材306は、継手が圧縮されコネクタ312(係止ネジであってよい)によって係止されるときに各変形可能な要素の一部を受け入れる通路の形態の空隙310を画定する継手表面を有する。
【0066】
プレート部材304、306の継手表面は、骨プレート300の重なり317の領域内において互いに向かい合うそれぞれの補完的な継手表面領域314、316(同じ曲率半径を有する球面領域など)を備える。ヘッド表面領域314は、凹状であってよく、シャフト表面領域316は、凸状であってよい(またはその逆であってもよい)。また、ヘッド表面領域は、シャフト表面領域の上、または下にあってよい。
【0067】
多軸継手は、2つまたはそれ以上の非平行な平面内においてプレート部材の相対的な配向の調整を許容し得る。配向は、コネクタ312の中心軸318の周りで平面内で調整され得る
。(言い替えれば、配向は、中心軸318に直交する平面内で調整され得る。)コネクタは、それぞれのプレート部材によって画定される一対の整列された開口320、322(開口部とも称される)内に受け入れられる(また軸318が貫通する)。
図18は、平面内運動の後のシャフトプレート部材306に対する調整済み位置を想像線で例示している。配向は、互いに、また中心軸318を横断する(たとえば、実質的に直交する)一対の軸324、326の各々の周りでも調整され得る(
図16参照)。(言い替えれば、配向は、軸324および326にそれぞれ直交する一対の平面において調整され得る。)軸324および326は、図示されているように、骨プレートの内面(底面)から隔てて並び、その下に配設され得る。代替的に、軸324および326は、骨プレートの外面(頂面)から隔てて並び、その上に配設され得る(以下参照)か、またはとりわけ、骨プレートと交差し得る。
【0068】
継手302によって許容される運動の範囲は、(a)コネクタ312のヘッド328と上側開口320によって形成される陥凹領域332の側壁330との間(たとえば、
図16、
図19、および
図20参照)、(b)コネクタ312のシャフト334と細長い上側開口320の下側側壁領域336との間(たとえば、
図16および
図19参照)、ならびに(c)シャフトプレート部材306の周囲壁領域338と継手表面領域314の近くの側壁領域340との間(たとえば、
図16および
図18参照)の接触の好適な組合せによって決定され得る。例示的な実施形態において、継手は、とりわけ、約10~20度のシャフトプレート部材(軸324の周り)に関するヘッドプレート部材の掌傾斜の調整の範囲、およびとりわけ、約6~10度の軸318の周りの橈骨-尺骨傾斜の調整の範囲を許容する。
【0069】
変形可能な要素308は、上側継手表面領域314の周内に画定され得る、しわなどの、陥凹部342内に配設され得る(
図18、
図20、および
図21参照)。各変形可能な要素は、陥凹部342のうちの1つにおいてプレート部材304に結合され得る。各陥凹部342およびその中に配設される変形可能な要素308は、細長く、空隙310を横断するものとしてよく、空隙310および変形可能な要素308は、相対的に交差するように配向される。各変形可能な要素308は、対応する陥凹部342から突き出て、表面領域314に関して盛り上がっている突起部344を形成し得る(
図20および
図21参照)。言い替えれば、突起部は、表面領域314を越えて他の表面領域316の方へ延在する。コネクタ312が締め付けられて継手を圧縮するときに、各変形可能な要素308は、変形可能な要素の一部(および突起部344の一部)が少なくとも1つの空隙310内に入るように変形され得る。
【0070】
変形可能な要素308は、継手のところでプレート部材の互いに対する連続的な(非離散的な)調整のため2つの金属表面の間に押し込まれている材料の剪断強度を利用することができる。このアプローチは、滑りの影響を受けやすい、摩擦係止の使用、または補完的な歯の集まりの位置合わせが変わるときに継手のところで上下するために一般的にプレート部材のうちの1つ(および特にその継手表面)を必要とする、潜在的に扱いにくい噛み合う歯の使用よりも効果的であり得る。各変形可能な要素308は、たとえば、金属、またはとりわけ、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはカーボンファイバPEEK複合材料などの、好適なポリマーから形成され得る。変形可能な要素の変形の量は、継手の保持強度を決定するのに役立ち得る。
【0071】
図22~
図26および
図26Aは、橈骨遠位端の固定のための別の例示的な骨プレート360を示している。骨プレート360は、骨プレート280および300に対して一般的に上で説明されているように製作されるものとしてよく(
図15Aおよび
図16~
図21参照)、骨プレート280および300ならびに本開示の他の骨プレートについて説明されている特徴部の好適な組合せを有するものとしてよい。
【0072】
骨プレート360は、ヘッドプレート部材364およびシャフトプレート部材366の重なりの領域のところに形成された多軸継手362を有する。プレート部材364および366は、それぞ
れ、骨プレートの下に中心部370を有する球体369上に配置構成されている継手の表面領域367、368を形成する(
図26参照)。シャフトプレート部材366は、骨プレート300のようにヘッドプレート部材の下にあるのではなく継手のヘッドプレート部材364の上に載るものとしてよい(
図22および
図26と
図16および
図19とを比較せよ)。
【0073】
多軸継手362は、プレート部材の継手表面領域367、368の上ではなく、下に配設されているヘッド374を有するコネクタ372(たとえば、係止ネジ)によって係止され得る(固定構成にされ得る)(
図26参照)。しかしながら、コネクタのシャフト376の端部は、コネクタのヘッドの代わりに、ドライバ接合面378(たとえば、とりわけ、ヘキサゴンソケット)を画定し得る。したがって、継手は、骨プレートが骨上に置かれ、および/または骨に結合された後に骨プレート360の外側から係止され、解放され得る。
【0074】
コネクタ372は、骨プレートを骨に固定するために使用される他の留め具のネジ山に関して逆巻きのネジ山を有するものとしてよく、したがって、コネクタの操作が外科医にとってより直観的なものとなっている。たとえば、骨プレートが、右ネジを有する骨ネジで骨に固定される場合、コネクタは、左ネジを有するものとしてよく、外科医は骨ネジとコネクタとを同じ方向に((上から見て)時計回りに)回して、骨ネジを骨プレートに当接させて締め付け、継手を係止する。
【0075】
多軸継手362によって許容される運動の範囲は、シャフトプレート部材366の盛り上がった部材または突出部380(突起とも称される)と、ヘッドプレート部材364によって画定される開口382とによって連携するように形成される停止領域によって決定され得る(
図24~
図26参照)。開口382は、突出部380およびコネクタ372を受け入れる。開口は、継手表面および/または部材の継手表面領域367の中心に画定され得る。突出部380の周壁と開口382の周壁との間の接触は、継手によって許容される調整の各平面内のプレート部材の相対的な運動の範囲を確定することができる。継手362の運動の範囲を決定するために骨プレート360の内側に位置決めされる突出部380の使用は、運動の範囲が骨プレートの外部幾何学的形状に影響を及ぼすことなく画定され得るので有利である。したがって、骨プレートの外部形状は、最適な性能および固定構成をとる継手との従属的な適合性に合わせて設計され得る。
【0076】
開口382およびシャフトプレート部材366によって画定される整列された開口384は、コネクタ372のシャフト376の一部を受け入れる(
図26参照)。開口384は、シャフトの雄(左)ネジを介してシャフト376に結合するように雌ネジを切られている。開口384は、突出部380を貫通し、突出部380は、開口384にセンタリングされ得る。
【0077】
開口382は、ヘッドプレート部材364の内面と外面との間に配置構成されている2つまたはそれ以上の明確に異なる領域を有し得る(
図25および
図26参照)。開口は、ヘッドが開口382を通過するのを防ぐために、コネクタのヘッド374の直径よりも狭い最小幅領域386を有する。開口382は、また、突出部380の受容部388を形成するために、最小幅領域386とヘッドプレート部材364の外面との間により広い領域を有する。開口382は、また、コネクタのヘッド374を受け入れるための空間389を形成するために、最小幅領域386からヘッドプレート部材の内面まで進むにつれて広くなり得る。
【0078】
変形可能な要素308は、骨プレート280および300について上で説明されているように、継手が圧縮されたときに対向する継手表面との接触によって、変形されるように配置構成され得る(
図24、
図25、および
図26A参照、また
図15A、
図16、および
図20も参照)。
【0079】
図27および
図27Aは、橈骨遠位端の固定のためのさらに別の例示的な骨プレート390を示している。骨プレート390は、骨プレートの下ではなく上に回転中心392を位置決めするた
めに、継手表面が下方(骨の方に)ではなく上方(骨から離れる方に)に湾曲していることを除き骨プレート360に類似している(
図26と
図27、および
図26Aと
図27Aとを比較せよ)。各平面内の運動の範囲を確定するための構造は、骨プレート360と同じ参照番号を振られている。
【0080】
図28は、橈骨遠位端の固定のための別の例示的な骨プレート410を示している。(各プレート部材の留め具受け入れスルーホールは、提示を簡略化するために省かれている。)骨プレート410は、多軸継手416によってシャフトプレート部材414に接続されているヘッドプレート部材412を有する。継手を一緒に保持するために逆係止ネジ418および三角ナット420が螺合によって互いに結合される。ナット420は、プレート部材のうちの1つによって画定され、ナットに関してオーバーサイズである三角形の開口422内に受け入れられ得る。ナットと開口とのサイズの違いは、各平面内のプレート部材の運動の範囲を決定する。プレート部材の配向は、ナットの壁と開口の周との間の接触が、その平面内のさらなる移動をブロックするまで与えられた平面内で調整され得る。他の実施形態では、ナットは、プレート部材のうちの1つによって一体形成され得る。
【0081】
図29は、橈骨遠位端の固定のためのなおも別の例示的な骨プレート440を示している。骨プレート440は、多軸継手446のところで互いに接続されているヘッドプレート部材442およびシャフトプレート部材444を有する。ヘッドプレート部材442によって画定される上側開口448を貫通し、シャフトプレート部材444によって画定される雌ネジを切られている下側開口450内にねじ込まれるコネクタは、提示を簡略化するために省かれている。ヘッドプレート部材442およびシャフトプレート部材444は、継手のところで互いに向かい合うそれぞれの補完的な凸状および凹状の継手表面領域452、454を形成する継手表面を有するものとしてよい。コネクタは、継手に圧縮力を加え、継手表面を付勢して互いに当接させ、継手表面のうちの少なくとも1つを変形させ、継手を選択された位置に係止する。継手表面は、
図15Dおよび
図15Eの骨プレート280について上で説明されているような構造を有するものとしてよい。
【0082】
継手表面は、継手のところでプレート部材のうちの一方または両方の変形を円滑にする1つまたは複数の表面特徴部を画定し得る。いくつかの実施形態において、表面特徴部は、パターンを作製し得る、特徴のない前駆体表面から材料を取り除く(または材料を加える)ことによって作製され得る。
【0083】
図30は、継手表面領域454および継手表面領域454に関して陥凹している空隙456からなる、プレート部材444の継手表面を示している。空隙は、連続的な球状前駆体表面から材料を取り除くことによって形成されるものとしてよく、球面領域454に関して陥凹している通路の格子を作製するものとしてよい。通路の格子は、継手表面領域454が不連続であり、離れている表面領域からなるように前駆体表面内に不連続部を作る。
【0084】
図31および
図32は、シャフトプレート部材444に対する継手表面の他の例を示している。継手表面は、同心円の溝(
図31)または平行な溝(
図32)として構造化されている継手表面領域454および空隙456からなるものとしてよく、これは球状前駆体表面に形成され得る。さらに他の例では、溝は、たとえば、径方向に配置構成され得るか、または互いに交差し得る。
【0085】
空隙および/または表面領域454は、ミリング、放電加工、ビーズまたは他の粒子の焼結、フォトエッチング、3Dプリンティングなどの好適な任意のプロセスによって製造され得る。このプロセスは、継手が圧縮されて継手を固定構成にするときに継手のところの変形可能な材料が入り得る空隙を作製する。
【0086】
図33~
図35は、
図30~
図32の継手表面および/または継手表面領域454のどれかと接触するように、ヘッドプレート部材442の継手表面領域452に関して盛り上がっている1つまたは複数の突起部462に対する例示的な構造を示している。各突起部は、継手表面領域452と一体に形成され得る。代替的に、突起部は、別々に形成され(たとえば、変形可能な要素として。
図15A参照)、次いで、表面領域452の近くのプレート部材に結合され得る(たとえば、表面領域の周内、および/または表面領域から突出している突起部を備える)。
図33は、変形可能なリング状突起部462を示す。リング状突起部は、ヘッドプレート部材442の本体部466によって画定される溝464から突き出るか、または本体部と一体的に形成され得る。
図34は、プレート部材442の本体部466によって画定される開口448の周りに配置構成されている突起として形成された複数の個別の突起部462を示している。突起は、本体部466によって画定されるそれぞれの溝472からの盛り上がった位置まで突き出るものとしてよいか、または本体部と一体的に形成され得る。
図35は、平行な隆起部としての構造を有する複数の突起部462を示している。
【0087】
図36は、橈骨遠位端の固定のためのなおも別の例示的な骨プレート490を示している。骨プレート490は、骨プレート440について上で説明されているように構造化され、係止され得る多軸継手492を有する。しかしながら、骨プレート490は、継手492のところで互いに接続されている一対のプレート部材496、498によってまとめて形成されているヘッド部分494を有することによって骨プレート440と異なるものになる。主プレート部材496は、ヘッド部分494のシャフト部分500および尺骨セクション502(または橈骨セクション504)を形成し得る。ブランチプレート部材498は、シャフト部分500および尺骨セクション502の中間にある主プレート部材に沿った位置で主プレート部材496と関節で連結する。ブランチプレート部材は、ヘッド部分494の橈骨セクション504(または尺骨セクション)を形成する。尺骨セクション502および橈骨セクション504は、隣り合うように配置構成され、これらのセクションは互いから直線に沿って配置構成され、直線は骨プレートの長軸を横断する。
【0088】
多軸調整を許容する継手を有する骨プレートは、その掌側など、橈骨遠位端上で使用するように例示されている。しかしながら、他の実施形態では、骨プレートのどれかは、長い骨などの、他の好適な骨での使用に合わせた形状およびサイズを有するものとしてよい。また、骨プレートは、長い骨の端部のより近くに配置するためのヘッド部分と、長い骨の端部からさらに遠くに配置するためのシャフト部分とを有するように構成され得るが、いくつかの実施形態において、骨プレートは、ヘッド部分を有し得ない。
【0089】
IV.平面外角度調整のための単一軸継手を備える骨プレート
この項では、適宜1つの平面でのみ、プレート部材の相対的な平面外角度調整を許容する継手を備える例示的な骨プレートについて説明する。
図37~
図43参照。
【0090】
この項の骨プレートは、好適な任意の骨を固定するために使用され得る。例示的な実施形態において、骨プレートは、とりわけ、脛骨(たとえば、近位)、大腿骨(たとえば、遠位)、または上腕骨(たとえば、近位)を固定することができる。骨プレートは、たとえば、骨の端部の近くで内反/外反調整を行うものとしてよい。各骨プレートによって許容される調整は、離散的であるか、または連続的であってよい。
【0091】
図37~
図39は、ヘッドプレート部材524が逆係止ネジ528でシャフトプレート部材526に接続される一般的に円筒形の継手522を有する例示的な骨プレート520を示している。継手522は、骨プレートの下にあり、骨プレートおよび/またはそのプレート部材によって画定される平面に対して少なくとも一般的に平行である(および適宜、骨プレートの幅軸に少なくとも一般的に平行である)回転軸の周りのプレート部材524および526の相対的な移動を許容する。別の言い方をすると、継手522は、骨プレートの長軸に対して少なくとも一
般的に平行であり、骨プレートまたはそのプレート部材のうちの少なくとも1つによって画定される平面を横断する(たとえば、直交する)平面内でプレート部材の相対的な移動を許容する。
【0092】
ヘッドプレート部材524は、プレート部材の端部領域およびその内側において受け入れ空間530を画定し、シャフトプレート部材526の端部領域を受け入れるものとしてよい(
図39参照)。端部領域の各々は、各々一般的に円筒形である補完的な継手表面532、534を画定し得る。継手表面は、複数の異なる位置合わせで嵌め合わせる歯536、538の補完的なセットなどの、表面特徴部を画定し得る。各位置合わせは、継手の回転軸の周りのプレート部材の互いに対する異なる離散的な角度調整を表す。継手が移動可能構成にあるときに、継手のところでプレート部材の相対的な横断方向運動は、シャフトプレート部材の端部領域を囲むヘッドプレート部材の一対のフランジ540、542によって制限され得る(またはその逆)(
図37および
図39参照)。
【0093】
図40~
図42は、別の骨プレート560が一般的に円筒形の継手562を有することを示している。骨プレート560は、継手562が骨プレート520の継手522から反対の方向に湾曲していることを除き骨プレート520に類似している。骨プレート520の要素および特徴部に対応する骨プレート560の要素および特徴部は、骨プレート520に使用されるのと同じ参照番号を振られている。
【0094】
図43は、ヘッドプレート部材584がネジ山付きコネクタ(図示せず)によってシャフトプレート部材586に接続される一般的に円筒形の継手582を有する骨プレート580を示している。プレート部材は、骨プレート520および560について上で説明されているように一般的に製作され得る(
図37~
図42参照)。しかしながら、継手582は、離散的に調整可能でなく、むしろ連続的に調整可能であるものとしてよい。継手は、継手表面のうちの少なくとも1つの変形に頼って係止継手の滑りを防ぐことができ、多軸継手について上のIII項で説明されている特徴部のうちのどれかを有し得る。したがって、骨プレート520および560の継手内に存在する歯は、1つまたは複数の変形可能な要素(滑り防止要素)によって置き換えられるものとしてよく、これは継手が係止されたときに、プレート部材584の継手表面によって画定される空隙590内に突き出るものとしてよい。
【0095】
V.並進オフセットを調整するための継手を備える骨プレート
この項では、相対的な配向を実質的に変更することなく平面614内でプレート部材が相対的に変位されることを許容する継手612を有する例示的な骨プレート610を説明する。
【0096】
骨プレート610は、シャフトプレート部材618に接続されているヘッドプレート部材616などの、一対のプレート部材を有し得る。継手612は、継手のところでプレート部材の離散的な調整を可能にする補完的な歯を備え得る。骨プレート610は、本開示の他の骨プレートの特徴部のうちのどれかを有するものとしてよく、骨プレート560に最も類似しているが(
図40~
図42参照)、一般的に円筒形の継手ではなく、一般的に平面状の継手を有するように修正され得る。
【0097】
VI.骨固定の方法
この項では、本明細書で開示されている骨プレートのうちのどれかを使用して骨を固定する例示的な方法を説明する。この項に提示されているステップは、好適な順序および組合せで実行されるものとしてよく、本明細書の別のところで開示されている他の手順および特徴部のうちのどれかによって修正されるか、またはそれと組み合わされ得る。
【0098】
固定されるべき少なくとも1つの骨が選択され得る。骨は、腕骨(たとえば、上腕骨、尺骨、もしくは橈骨)、下肢骨(たとえば、大腿骨、脛骨、もしくは腓骨)、手/手根骨(たと
えば、手根骨、中手骨、もしくは指骨)、足/距骨(たとえば、足根骨、中足骨、踵骨、もしくは指骨)、肋骨、胸骨、肩甲骨、鎖骨、骨盤、頭蓋骨、顔面骨、椎骨、または同様の骨、または隣接する骨のそれらの組合せなどの、脊椎動物種の好適な任意の骨であってよい。骨は、少なくとも1つの骨折、少なくとも1つの切断、骨折癒着不能部、または同様のものなどの好適な任意の不連続部もしくは構造的脆弱部を有し得るか、または2つもしくはそれ以上の隣接する骨は、互いに癒合されるように選択され得る。
【0099】
選択された少なくとも1つの骨にアクセスするために上にある軟組織を通じて切開が行われ得る。選択された骨は、骨折を接ぐなどのために、骨片を再配置する(たとえば、骨片の相対的解剖学的配置に近づける)ように操作され得る。骨片(または2つもしくはそれ以上選択された骨)の操作は、切開が行われる前または後に実行され得る。
【0100】
骨プレートは、選択された骨を安定化させるために選択され得る。骨プレートは、本明細書で開示されているように少なくとも1つの移動可能な継手によって接続された少なくとも2つのプレート部材を有するものとしてよい。
【0101】
骨プレートは、切開部を通して、選択された骨上に留置され得る。切開部は、少なくとも骨プレートと同程度の長さか、または短いものとしてよい。
【0102】
骨プレートは、各プレート部材の1つまたは複数のスルーホール内に入れられ、骨内に貫入する、骨ネジなどの留め具で骨に結合され得る。
【0103】
プレート部材の相対的な回転および/または並進位置は、骨プレートが骨に結合される前および/または後に調整され得る。調整は、プレート部材の相対的な移動を許容する移動可能構成で骨プレートの継手により実行され得る。骨プレートは、調整の後に固定構成にされ、プレート部材の相対的な位置を固定するものとしてよい。次いで、切開部が閉じられ得る。
【0104】
単一軸継手または多軸継手を備える骨プレートは、骨固定手順中に異なる時点で調整され得る。1つまたは複数のヒンジ継手を有するヒンジ付き骨プレートの縦方向形状は、骨プレートが骨に結合される前、または少なくとも各プレート部材が骨に結合される前に完全に調整され得る。いくつかの場合において、ヒンジ継手によって接続されている第1および第2のプレート部材の配向は、第1のプレート部材を骨に結合してから、第2のプレート部材を骨に結合するまでに調整され得る。第2のプレート部材は、第1のプレート部材に関して、所望の配向になるまで回転させることができ、次いで、第2のプレート部材は、骨に結合され得る。ヒンジ付き骨プレートが3つまたはそれ以上のプレート部材を有する場合に、このプロセスは、プレート部材が骨に結合される前に各追加のプレート部材について再び実行され得る。言い替えれば、ヒンジ付き骨プレートのプレート部材は、連続的に骨と整列され、次いで結合され得る。多軸継手を有する骨プレートのプレート部材の配向は、プレート部材が骨の異なる片に結合された後に調整され、それにより骨の片の配向を変更する(たとえば、骨折整復を改善する)ことができる。
【0105】
VII.実施例
次の実施例では、移動可能な継手を備える骨プレートに関係する本開示の選択された態様および実施形態を説明する。これらの実施例は、例示のために含まれており、本開示の範囲全体を制限または定義することは意図されていない。
【0106】
(実施例)
(実施例1)
変形可能な要素を有するヒンジ継手を備える例示的な骨プレート
この実施例では、継手を係止することを円滑にするために変形可能な要素634を有するヒンジ継手632を備える例示的な骨プレート630を説明している。
【0107】
骨プレート630は、係止ネジ640によってシャフトプレート部材638に接続されているヘッドプレート部材636を有し得る。ヒンジ継手632は、係止ネジ640と同軸であるピボット軸642の周りで調整可能であるものとしてよい。
【0108】
変形可能な要素634は、係止ネジ640の調整によって圧縮されるように位置決めされ得る。変形可能な要素は、シャフトプレート部材638によって画定される陥凹部644内に配設され得る。係止ネジのヘッド648と変形可能な要素634の頂部側との間にワッシャ646が配置され得る。ワッシャは、変形可能な要素の頂部側と接触する放射状の歯650を有するものとしてよい。係止ネジが締め付けられると、歯は、変形可能な要素に食い込み、プレート部材の角度位置を固定し得る。
【0109】
ヒンジ継手および変形可能な要素のさらなる態様は、とりわけ、II項およびIII項ならびに実施例3および4などの、本開示の別のところで説明されている。
【0110】
(実施例2)
縦方向回転軸を備える例示的な骨プレート
この実施例では、骨プレートの長軸に少なくとも一般的に平行である軸の周りのプレート部材の相対的な角度調整を許容する一般的に円筒形の継手を備える例示的な骨プレートを説明している。
【0111】
図48~
図52は、骨プレートによって画定された長軸に少なくとも一般的に平行に(たとえば、とりわけ、平行から約20、10、または5度の範囲内で)配置構成されている回転軸663を備える一般的に円筒形の継手662を有する例示的な骨プレート660を示している。骨プレート660は、継手が移動可能構成であるか、または固定構成であるかを決定するコネクタ668によってシャフトプレート部材666に接続されているヘッドプレート部材664を有する。継手662は、プレート部材の配向が骨プレートの長軸を横断する平面内で連続的に調整可能であることを許容する。
【0112】
図49は、シャフトプレート部材666に関するヘッドプレート部材664の移動を想像線で例示している骨プレート660の端面図である。ヘッドプレート部材は、672の矢印で指示されている、いずれかの回転方向に移動可能である。
【0113】
図51および
図52は、継手662のさらなる態様を示している。少なくとも1つの変形可能な要素674は、ヘッドプレート部材664によって画定された陥凹部内に配置され、ヘッドプレート部材の継手表面の一部を形成し得る。変形可能な要素は、陥凹部からシャフトプレート部材666の継手表面の方へ突出する。変形可能な要素は、継手がコネクタ668を回すことによって係止されるときに変形され、シャフトプレート部材666の継手表面によって画定される空隙676内に入る(
図52参照)。変形可能な要素674、陥凹部、および/または空隙676は、プレート部材が回転する平面に平行な平面内で配置構成され得る。骨プレート660は、とりわけ上のIII項および以下の実施例4などの、本明細書の別のところで説明されている特徴部の組合せを有し得る。
【0114】
図53は、一般的に円筒形の継手692を有する別の例示的な骨プレート690を示している。骨プレート690は、継手692が複数の異なる位置合わせで嵌め合わされ、それらの各々がプレート部材の相対的な配向の離散的な角度変化を生じさせる、補完的な表面特徴部(図示されている実施形態における歯)の嵌合を通じて離散的に調整可能であることを除き、
図48~
図52の骨プレート660と同じ構造を有するものとしてよい。
【0115】
(実施例3)
例示的なヒンジ継手および関連付けられているプレート構造
この実施例では、2つまたはそれ以上のプレート部材を接続する1つまたは複数のヒンジ継手を各々備える例示的な骨プレートを説明している。
図54~
図71参照。この実施例において説明されている骨プレートおよびヒンジ継手の特徴部は、互いに、および/またはとりわけI項およびII項ならびにこの項の他の実施例などの、本開示における別のところで説明されている要素および特徴部のどれかと組み合わされ得る。
【0116】
図54~
図56は、閉じた(非カニューレ挿入)ヒンジ継手702ならびに3つのプレート部材706、708、および710を互いに端と端とを接して接続する開いている(カニューレ挿入)ヒンジ継手704を有する例示的な骨プレート700を示している。
図54において、骨プレート700は、骨プレートの円形および長円のスルーホール716から鎖骨内に貫入する留め具(骨ネジなど)で骨プレートを鎖骨に結合する前に、少なくとも1つの骨折部714を有する鎖骨712上に位置決めされる。スルーホールは、ワイヤまたはピンを受け入れるためのより小さい穴(たとえば、最も外側のプレート部材706)および骨ネジを受け入れるためのより大きいスルーホールなど、異なるサイズを有し得る。スルーホールのうちの1つは、開いたヒンジ継手704のピボット軸と同軸である。(閉じたヒンジ継手702は、骨内に貫入する留め具を受け入れることはできない。)プレート部材706および710の各々は、
図54における回転矢印718によって指示されている、中心プレート部材708に関して平面内で回転可能であり、これにより、鎖骨(または他の細長い骨)に追随するように骨プレートの縦方向形状をカスタマイズする。
【0117】
鎖骨712は、左側に肩峰端(外側端)を、右側に胸骨関節面(内側端)を有するように図示されている。骨プレートは、図示されている実施形態における鎖骨の外側端の近くなど、鎖骨に沿った好適な任意の配置に位置決めされ得る。
【0118】
図55および
図56は、骨プレート700のそれぞれの底面図および断面図を示している。一方または両方の端プレート部材706および710は、プレート部材の底面に形成された陥凹部722によって少なくとも一部は作製された選択可能に変形可能な領域720を有し得る。陥凹部は、プレート部材の両方の縁からプレート部材の横断方向中点の方へ進むにつれ先細りになり、中心刻み目724を形成し得る。陥凹部は、プレート部材の両方の縁によって画定される整列された凹みによって作製されるプレート部材の狭められた領域726のところに形成され得る。変形可能な領域720は、プレート部材が平面外で選択的に変形され(曲げられ、および/または捻られ)得る部位を設け、プレート部材は下にある骨の輪郭をより正確に辿る。
【0119】
図57~
図59は、3つのプレート部材734、736、および738を互いに端と端とを接して接続する一対の開いているヒンジ継手732を有する例示的な骨プレート730を示している。
図57において、骨プレートは、鎖骨712に沿って
図54の骨プレート700よりも中心側にあるように位置決めされる。中心プレート部材736に関するプレート部材734および738の回転運動は、718の運動矢印で指示されている想像線で示されている。
【0120】
骨プレート730は、
図2~
図6の骨プレート120に類似しており、とりわけ、骨プレート120について上で説明されている特徴部の組合せを有し得る(II項参照)。たとえば、各ヒンジ継手732の枢動に対する抵抗は、移動可能であり、骨(または1つの骨)から離れて固定されている構成の間で調整可能でないなど、ヒンジ継手で使用者調整可能でないものとして構成され得る。その代わりに、各ヒンジ継手732は、骨プレートが操作され、取り付けられるときに実質的に変化しないように構成されている枢動に対して内因性抵抗(たとえば、摩擦抵抗)を有し得る。
【0121】
ヒンジ継手732は、プレート738の開口742内に取り込まれるプレート部材736の軸体740によって形成される。軸体740は、プレート部材736の本体部744と一体に形成され、本体部は、プレート部材の互いの重なり748の領域の外側で1つまたは複数のスルーホール746を画定する(
図57~
図59参照)。軸体740用のリテーナ750(保持部分とも称される)は、開口742の最小直径よりも大きい直径を有し、軸体が開口から取り出されるのを防ぎ、プレート部材を互いに永久に接続する。リテーナは、軸体と一体に形成され、溶接によって軸体に融着され、接続構成において両方のプレート部材を一緒に3Dプリンティングすることによって作製され、または同様のことが行われ得る。
【0122】
軸体742とプレート部材738との間の摩擦は、プレート部材が相対的に自由に回転するのを防ぐ。相対的に自由に回転できないプレート部材は、回転を生じさせるために重力によって発生するトルクよりも大きい力を加えることを必要とする。重力によって発生するトルクは、両方とも水平であるピボット軸および骨プレートの長軸、ならびに静止状態に保たれるより小さい質量のプレート部材で決定される。
【0123】
回転に対する摩擦抵抗は、たとえば、軸体740を開口742の壁とぴったり係合させることによって引き起こされ得る。たとえば、より広いリテーナ750は、骨プレートの製造時に、スウェージ加工などによって、開口742の端部領域752の壁とぴったり係合され得る。端部領域752は、開口742の最小直径よりも大きい直径(たとえば、最小または平均直径)を有し得る。ここで、端部領域752は、円錐形のテーパなどのテーパを付けられるが、とりわけ、円筒形であってよい。他の実施形態では、軸体740の円筒形の領域754は、回転に対する摩擦抵抗の大半をもたらすように開口742の壁領域756と係合し得る。
【0124】
各ヒンジ継手における回転に対する抵抗(たとえば、摩擦抵抗)は、リテーナ750が作製されるときなど、骨プレートの製造時に設定され得る。いくつかの実施形態において、抵抗は、軸体の変形によって決定され得る。抵抗は、プレート部材を相対的に回転させるために、少なくとも約1、2、または5インチ・ポンド、またはとりわけ、少なくとも約1、2、5、または10フィート・ポンドのトルクを必要とし得る。いくつかの実施形態において、抵抗は、骨プレートが骨から離れている、および/または骨に接している間に、プレート部材(以下参照)を回転させる機械的利点をもたらすのに1つまたは複数の用具が有利であり、および/または必要であるように設定され得る。言い替えれば、プレート部材は、少なくとも1つの用具を使用しない限り手で回転可能ではあり得ない。
【0125】
ヒンジ継手732は、軸体740によって画定されるピボット軸760に沿って延在するスルーホール758を画定する開いている継手である。スルーホール758は、骨ネジなどの留め具をスルーホールの壁に結合するための雌ネジ762を有し得る(または有し得ない)。他の実施例では、留め具は、スルーホールの壁に結合することなくスルーホール758から骨に入れられるものとしてよい。スルーホールは、留め具のヘッドを受け入れるように入口端部に形成される、座ぐり穴764などの、より広い領域を有するものとしてよい。継手のピボット軸上に配置構成されたスルーホールの存在は、様々な利点をもたらす。たとえば、骨プレートは、骨に、より確実に結合され得る。また、骨プレートに沿ったスルーホール(したがって取り付けられている留め具)の間隔は、より均一なものとなり得る。
【0126】
図59は、さらなる回転をブロックする互いとの接触を通じてプレート部材に対する運動の角度範囲を決定する継手732のそれぞれの凹状および凸状の壁766、768を示している。各壁は、円形の領域770、および円形の領域の両端から接線方向に延在する一対の直線状領域772を有する。円形領域は、同じ曲率半径を有するものとしてよい。しかしながら、プレート部材738によって形成される凸状の壁768の円形領域は、プレート部材736によって形成される凹状の壁766の円形領域よりも長い。プレート部材は、円形領域の一方の端
部の直線状壁領域が互いに当接するまでいずれかの回転方向に回転させられ得る。プレート部材がそれぞれ回転の回転範囲の両端の2つの停止位置の中間または2つの停止位置にあるときに円形領域の一方のみの端部または両方の端部の直線領域の間に形成される。図示されている実施形態において、プレート部材738は、776の矢印で示されている、円形の領域の一端の直線状の壁領域に当接する停止位置まで反時計回りに回転している(および/またはプレート部材736は時計回りに)。各プレート部材は、少なくとも約5、10、15、または20度、および/またはとりわけ、約60、40、または30度未満などの、好適な運動範囲を有するものとしてよい。
【0127】
図60は、閉じたヒンジ継手782を有する骨プレート780を示している。ヒンジ継手782は、スルーホール758およびリテーナ750に対する突起形状のないことを除き、骨プレート730(
図58参照)の開いているヒンジ継手732に類似している(
図58参照)。
【0128】
図61は、3つのプレート部材794、796、および798を端と端とを接して接続する一対の閉じたヒンジ継手792を有する例示的な骨プレート790を示している。各ヒンジ継手は、プレート部材同士が重なり合う重なりの領域内で一対のプレート部材を互いに接続するコネクタ800を備える。
【0129】
図62は、ヒンジ継手のうちの1つを通して見たときの骨プレート790の断面図を示している。コネクタ800は、骨プレートが下向きの骨プレート(
図62のような)の内側の骨接触表面806により配向されるときの、ヘッド802がシャフト804の下にある、反転構成を有するネジ山付き部材(ネジ)である。言い替えれば、ヘッド802は、内面806に近く、シャフト804は、骨プレートの外面808に近い。
【0130】
コネクタは、プレート部材796、798の一対の整列された開口810、812に受け入れられる。シャフト804は、プレート部材796の開口810内の雌ネジに結合される雄ネジ814を有する。ヘッドは、開口812のより広い領域(座ぐり穴)内に受け入れられ、開口によって画定される段部816に当接する。
【0131】
コネクタ800は、ドライバの補完的な作業端と嵌合するための、開口部818などのドライバ接合面を有する。開口部は、シャフト内にその端部から貫入する。開口部818は、骨プレートの上からアクセス可能であり、ドライバがコネクタを回し、移動可能構成と固定構成との間で継手を調整することを可能にする。コネクタ800は反転するので、雄ネジ814は、左巻きであり、ネジ山付き部材を締めたり緩めたりするのに従来の回転方向をもたらし得る。言い替えると、骨プレートの上の外科医の視点からは、コネクタを時計回りに回転させると、プレート部材は継手の移動可能構成から圧縮されて固定構成を生じさせ、コネクタを継手の固定構成から反時計回りに回転させると、プレート部材の圧縮が少なくなり、継手の移動可能構成を生じさせる。他の実施形態では、開口部818は、とりわけ、小面などの、外部ドライバ接合面によって置き換えられ得る。
【0132】
プレート部材798は、プレート部材の外面から離れる方向に、プレート部材の内面から(たとえば、直交する方向に)突出するフランジ820により作製される。フランジは、最初に、開口812内に貫入すること、および/または整列された開口810、812内へのコネクタ800の留置を妨げることをしない。しかしながら、ヒンジ継手が組み立てられた後、フランジ820は、822において想像線で示されている、径方向内向きにフランジを転がすことによって、ピボット軸760に沿った開口812からのコネクタのヘッド802の移動を妨げる構成に変形され得る。フランジがコネクタ800が外れるのを防いでいる状態で、プレート部材796および798は、互いに永久に接続されるが、それは、コネクタ800がヒンジ継手792から(骨プレート790を損傷させることなく)取り外せないからである。フランジは、コネクタ(およびしたがってヒンジ継手)がどれだけ緩められ得るかを制限するストッパーを構成し得る
。したがって、ストッパーは、外科医が継手を骨プレートが過剰に柔軟になる自由に移動可能な構成にするのを回避するのに役立つ。多軸継手を備える骨プレートを含む、本明細書で開示されている骨プレートのうちのどれかは、プレート部材の外面または内面の近く、またはそこでフランジ822を備えるものとしてよく、骨プレートからコネクタが外れるのを妨げ、プレート部材が互いに永久に接続されるようにできる。
【0133】
プレート部材796および798は、半重ね構成で互いに重なり合う。したがって、図示されている実施形態では、プレート部材は、嵌合特徴部(たとえば、他方のプレート部材によって形成される軌道内に受け入れられる一方のプレート部材の端部領域またはフランジ)を通して互いに嵌合しない。コネクタ800は、この並進分離を防ぐ。他の実施形態では、以下で説明されているように、プレート部材は、(a)プレート部材を互いに嵌合させる、(b)プレート部材の一対の開口を整列させる、(c)コネクタが取り付けられる前にプレート部材を互いに隣接するように保持する、および/または(d)継手のところの骨プレートの曲げ強度を高めることを円滑にする補完的な嵌合特徴部を備え得る。
【0134】
ヒンジ継手792、または本明細書で開示されている他のヒンジ継手は、一対の円形のスルーホール824の間に、スルーホールの各々に隣接して配置され得る(
図61および
図62参照)。スルーホール824のうちの一方または両方は、雌ネジ826を有するものとしてよい。いくつかの実施形態において、一方または両方のスルーホール824は、スロット828によって置き換えられてよく、これはスロットを画定するプレート部材の長軸に平行に細長いものとしてよい(
図61参照)。
【0135】
図63~
図65は、3つのプレート部材834、836、838を端と端とを接して接続する一対のヒンジ継手832を有する例示的な骨プレート830を示している。骨プレート830は、各ヒンジ継手832が閉じているのではなく開いているという点を除き、骨プレート790に類似しており、骨プレート790について説明されている特徴部の任意の組合せを有し得る。また、プレート部材は、以下で説明されているように、下を切り取った嵌合特徴部を有する。
【0136】
ヒンジ継手832は、開いていると考えられるが、それは、継手がコネクタによって画定されているピボット軸760に沿って留置されているネジ山付き留め具(たとえば、骨ネジまたはペグ)などの、留め具を受け入れるようにスルーホール842を画定するコネクタ840を備えるからである。スルーホール842は、好適なドライバの作業端に対して補完的なドライバ接合面を画定し、これにより、ドライバでコネクタを回すことを可能にする。図示されている実施形態において、スルーホール842は、ドライバの対応する軸方向隆起部を受け入れるように複数の軸方向通路846(ピボット軸760に平行)を画定する。スルーホール842は、留め具と螺合するための雌ネジ848と、留め具のヘッドを受け入れるための座ぐり穴850とを有する。雌ネジ848は、右巻きであってよく、コネクタ840の雄ネジ852は、左巻きであってよい。軸方向通路846は、雌ネジを横断する方向に延在し、その一部を取り除く。他の実施形態では、スルーホールは、雌ネジを欠いていてもよい。
【0137】
コネクタ840は、骨プレート790について上で説明されているように、プレート部材834の変形されたフランジ822によって取り外されることが防止される(
図62参照)。したがって、一対のプレート部材は、各ヒンジ継手のところで互いに永久に接続される。
【0138】
図64は、重なりの領域でプレート部材834、836によって形成される補完的な嵌合特徴部854を示している。これらの嵌合特徴部は、応力分布を散らすことによって、半重ね構成(
図62参照)に関する、継手のところの骨プレートの曲げ強度を高めることができる。嵌合特徴部は、部分的蟻継ぎ構成を有し得る。(別の構成については
図10および
図11参照。)各嵌合特徴部は、プレート部材のうちの1つの内面および外面に関して下を切り取られ得る。より詳細には、プレート部材834は、プレート部材836の端部領域858を受け入れる軌道8
56(たとえば、アーチ形通路)を画定する。軌道856は、プレート部材834の内面および外面に関して下を切り取られ、端部領域858は、プレート部材836の内面および外面に関して下を切り取られる。また、プレート部材836は、プレート部材834の端部領域862を受け入れる軌道860(たとえば、アーチ形通路)を画定する。軌道および端部領域860、862は、それぞれ、プレート部材836および834の内面および外面に関して下を切り取られる。各軌道および端部領域は、ピボット軸に対して直交する平面内でアーチ形であってよく、軌道856および端部領域858は軌道860および端部領域862の曲率と反対の曲率を有する。各軌道および各端部領域によって画定される曲率線は、ピボット軸760に関して凹であり、ピボット軸上に曲率中心を有し得る。
【0139】
図66および
図67は、一対のプレート部材874、876およびコネクタ878によって形成されるヒンジ継手872を有する別の例示的な骨プレート870を示している。(コネクタ878は、
図67にのみ存在している。)骨プレートは、本開示の特徴部の好適な任意の組合せを有し得る。
【0140】
プレート部材874、876は、コネクタ878が取り付けられるかどうかに関係なく、ピン880で互いに永久に接続される。ピン880は、プレート部材のうちの1つに結合され(たとえば、プレート部材874に剛性結合され)、他方のプレート部材(たとえば、プレート部材876)によって画定されるアーチ形スロット882内に貫入する。ピンは、プレート部材がピボット軸760の周りで相対的に枢動するときにスロットに沿って移動し、スロットの対向端部によって停止し、ピボット軸の周りのプレート部材の回転の範囲を定める。ピンは、骨プレートの内面(または外面)の近くの位置から骨プレート内に貫入し得る。
【0141】
ピン880は、ヘッド886およびシャフト888を有する。ピンは、ヘッド886を介してプレート部材874に結合されるものとしてよく、シャフト888は、スロット882内に貫入するものとしてよい。いくつかの実施形態において、ピンは、プレート部材874によって画定される開口部890内にプレス嵌めされ、ピンをプレート部材に結合することができる。
【0142】
プレート部材は、様々な嵌合特徴部を有し得る。嵌合特徴部は、骨プレート830について上で説明されているように、ヒンジ継手872のところのプレート部材874および876によって形成される補完的な回転する嵌合特徴部854を備え得る(
図64参照)。嵌合特徴部は、それに加えて、または代替的に、プレート部材を互いに永久に接続するようにピン880と連携する補完的な嵌合特徴部892を備え得る。嵌合特徴部892は、補完的な陥凹部896内に受け入れられる、突起894などの、突起部を備える。突起および陥凹部は両方とも、ピボット軸760と同軸であってよい。
【0143】
プレート部材は、以下のように互いに組み合わされ得る。プレート部材は、突起894を陥凹部896内に入れることによってピボット軸760に沿って互いに並進運動で嵌合し得る。並進運動嵌合は、補完的な嵌合特徴部854が互いにまだ嵌合していない互いに対する角度でプレート部材874および876に対して実行され得る。言い替えれば、嵌合特徴部854は、それらが互いから回転可能にずらされるのでまだ重なり合っていない。角度は、たとえば、プレート部材の互いとの同軸整列から少なくとも30または45度であるものとしてよい。
【0144】
次いで、プレート部材は、同軸整列に向かってピボット軸760の周りでプレート部材を相対的に回転させることによって互いに回転可能に嵌合し、その結果、補完的な嵌合特徴部854は、互いに嵌合する。嵌合特徴部854は、各雄領域の少なくとも一部が各対応する軌道内に受け入れられているときに嵌合しているとみなされる(骨プレート830(
図64)についての上の説明も参照)。
【0145】
プレート部材は、残りが嵌合している間に、回転可能に調整されるものとしてよく、開
口部890は、スロット882と整列される。次いで、ピン880は、開口部890内に入れられ、ピンをプレート部材874に結合するものとしてよく、ピンのシャフトはプレート部材876のスロット882内に貫入する。プレート部材は、ここで、互いに永久に接続され、スロット内のピンによって決定された回転の範囲全体を通してピボット軸760の周りで枢動可能である。この配置構成は、個別のコネクタ(ピンに加えて)がプレート部材を接続されているままにする必要がなく、また運動範囲が、骨プレートの外部幾何学的形状に影響を及ぼすことなく骨プレートの内側で決定され得るので、有利である。
【0146】
コネクタ878は、好適な任意の時刻においてプレート部材によって画定される整列された開口898、900内に取り付けられ得る。コネクタは、ピン880が取り付けられる前または取り付けられた後に、開口898内に通され、開口900と螺合され得る。コネクタ878は、本明細書の別のところで説明されているように、移動可能構成と固定構成との間でヒンジ継手872を調整するために操作され得る。いくつかの実施形態において、骨プレート870は使用者(たとえば、外科医)に提供され、コネクタ878はすでに取り付けられており、適宜、ヒンジ継手872は固定構成をとっている(たとえば、プレート部材は互いに同軸上で整列されている)。プレート部材の相対的な配向は、ヒンジ継手(移動可能構成において)を介して調整されるものとしてよく、プレート部材は、留め具で骨に結合され得る。コネクタ878は、コネクタよりも長いシャフトを有し、骨プレートが骨に付けられ、および/または結合された後に骨内に貫入するように構成されている対応する留め具902で置き換えられ得る。留め具902は、プレート部材874と螺合するように配設され、ヒンジ継手を固定構成にするように調整可能であり、留め具は骨内に貫入する。他の実施形態では、コネクタ878はカニューレ挿入され、雌ネジあり、または雌ネジなしのスルーホールを画定し得る。これらの実施例において、留め具は、コネクタ878がプレート部材874に結合されたままである間に、ピボット軸760に沿ってスルーホールから骨に入れられるものとしてよい。
【0147】
図68~
図70は、開いているヒンジ継手912を有する例示的な骨プレート910を示している。ヒンジ継手は、一対のプレート部材914、916およびプレート部材を互いに永久に接続するスナップ式コネクタ918によって作製される。プレート部材914、916は、上で説明されているように、補完的な嵌合特徴部854を有し、コネクタ918を受け入れるための一対の整列された開口920、922を画定する。
【0148】
コネクタ918は、ヘッド924およびシャフト926を有する。シャフト926は、シャフトの先端部領域を複数の軸セクション930(タブとも称される)に分割する複数の刻み目928(スロットとも称される)を画定する。セクション930のうちの1つまたは複数は、整列されている開口920、922内にスナップ式に嵌め込まれた後にコネクタの外れを防ぐ係止タブを作製するため係止特徴部932を有する。係止特徴部は、径方向外向きに突出し、開口920によって画定された段部934と係合し、ヘッド924は、開口922によって画定されている段部936と係合し、ピボット軸760に沿ったいずれかの方向への移動を防ぐ。セクション930は、コネクタ918が開口920、922内に入れられているときに径方向内向きに曲がるように十分な柔軟性を有し、また段部934が取り除かれた後に再び径方向外向きに移動するように十分な弾性を有する。
【0149】
コネクタ918は、スルーホール938を画定するものとしてよく、これは雌ネジ940を有し得る。コネクタは、ピボット軸760の周りでプレート部材914に対して回転することができないものとしてよく、これは係止ネジをスルーホール938に螺合させるのを円滑にする。コネクタ918の回転は、コネクタの非円形領域(たとえば、平坦部942)および開口922の対応する非円形領域によって防がれ得る(
図69および
図70参照)。係止ネジは、ネジがスルーホール938内に送り込まれるにつれセクション930を径方向外向きに付勢し、継手を固定構成にするテーパ付きヘッドを有し得る。
【0150】
図71は、ヒンジ継手732の一方の両側に位置決めされている一対の用具950a、950bによって係合されている
図57の骨プレート730を示している。用具950a、950bは、矢印952によって指示されている、プレート部材734、736を相対的に回転させるトルクを加えるために使用されており、これによりプレート部材の配向を調整する。用具は、手による直接のプレート部材の操作に勝る機械的利点をもたらし、手だけの場合よりも大きいトルクを加えることを可能にする。用具は、器具とも称され、互いのコピーである場合もコピーでない場合もある。
【0151】
他の実施形態では、用具950a、950bは、トルクを加えるための単一の用具で置き換えられ得る。たとえば、用具950a、950bは互いにヒンジで連結され、単一の用具を作製することができる。
【0152】
各用具は、骨プレートの好適な部分と係合し得る。図示されている実施形態において、各用具は、トルクが加えられたときに骨プレートの両側の縁と係合している。他の実施形態では、用具は、代替的に、またはそれに加えて、骨プレートの1つまたは複数の開口部(たとえば、スルーホール)と係合し得る。
【0153】
各用具は、骨プレートにトルクを加えるための好適な長さのレバーアームを設けることができる。いくつかの実施形態において、レバーアームは、相対的に回転している一方または両方のプレート部材よりも長いものとしてよい。
【0154】
用具は、ここに示されているように、骨プレートが骨から外れているときに骨プレートと係合するように構成され得る。代替的に、用具は、骨プレートが骨から外れているか、または骨に結合されているかに関係なく、骨プレートと係合するように構成され得る。
【0155】
(実施例4)
例示的な多軸継手および関連付けられているプレート構造
この実施例では、一対のプレート部材を接続する移動可能な継手を各々備え、継手は少なくとも2つの非平行な調整可能平面を有する多軸継手である、例示的な骨プレートを説明している。
図72~
図86参照。この実施例において説明されている骨プレートおよび多軸継手の特徴部は、互いに、および/またはとりわけI項およびIII項ならびにこの項の他の実施例などの、本開示における別のところで説明されている要素および特徴部のどれかと組み合わされ得る。
【0156】
図72~
図76は、橈骨遠位端の固定のための例示的な骨プレート960を示している。骨プレートは、ヘッドプレート部材964をシャフトプレート部材966に接続する多軸継手962を有する。コネクタ968(たとえば、ネジ)は、プレート部材によって画定される一対の整列された開口970、972内に配設される。コネクタは、移動可能構成と固定構成との間で継手を変更するように調整可能である。コネクタは、骨プレートの内面(底面)が下を向いているときに、コネクタのヘッドがシャフトの下に来る、反転構成を有するものとしてよい。コネクタのシャフトは、好適なドライバの作業端を受け入れるためのドライバ接合面を画定し得る。たとえば、シャフトは、コネクタのヘッドの反対側のシャフトの端部からシャフト内に貫入するソケット974を画定し得る。したがって、コネクタは、左巻きの雄ネジを有するものとしてよい。
【0157】
プレート部材964、966は、骨プレートの重なり980の領域に補完的であり、その領域内で互いに向き合うそれぞれのヘッド表面領域およびシャフト表面領域976、978を有する。表面領域の各々は、球面であってよい(すなわち、球またはその一部を画定し、および/または対応する)。表面領域は、継手の固定構成において互いに接触していても、または接触していなくてもよい。
【0158】
各プレート部材964、966は、また、1つまたは複数の突起部982(
図73、
図74、および
図76参照)を備え、および/または1つまたは複数の空隙984(
図74および
図76参照)を画定する継手表面も有し得る。関連付けられている表面領域976または978に関して、各突起部は、高くなっており、各空隙は、凹んでいる。図示されていい実施形態では、突起部982は、シャフトプレート部材966の表面領域978から突出し、それに関して盛り上がっている。また、空隙984は、ヘッドプレート部材964の表面領域976に関して陥凹している。各突起部および空隙は、以下でさらに説明されているように、継手962が固定構成のときにプレート部材の相対的な移動を防ぐ働きをし得る。突起部または空隙は、プレート部材の表面領域の周内におよび/またはとりわけ、周の近くに(たとえば、隣接して)配設され得る。
【0159】
シャフトプレート部材966は、本体部986と、重なり980の領域内で本体部に結合されている一対の変形可能な要素988とを有する(
図76参照)。本体部986は、シャフトプレート部材966の大半を形成し、たとえば、シャフトプレート部材の3つの特徴寸法(長さ、幅、および厚さ)のうちの少なくとも1つ、2つ、または各々を決定する。本体部986は、また、留め具を受け入れるために、重なり980の領域の外側にスルーホール990も画定し、開口970を画定し得る(
図72および
図74参照)。さらに、本体部986は、変形可能な要素988を受け入れるための少なくとも1つの陥凹部992を画定し得る(
図76参照)。陥凹部992は、変形可能な要素988の高さよりも小さい深さを有するものとしてよく、変形可能な要素は、陥凹部から突出し、突起部982を形成する。変形可能な要素988は、陥凹部992のところで本体部986に結合され得る。
【0160】
空隙984は、ヘッドプレート部材964の本体部994によって継手表面の継手表面領域976と一体に形成され得る。各本体部986および994は、変形可能な要素988よりも硬いものとしてよい。したがって、変形可能な要素(および突起部982)の変形は、継手が固定構成にされるときに表面領域976および/または空隙984の変形に優越し得る。
【0161】
骨プレート960は、また、継手962のところでプレート部材の運動範囲を定めるために開口972内に受け入れられているプレート部材966の突出部996も備え得る(
図73および
図74参照)。突出部996および開口972は、骨プレート360の突出部380および開口382に類似している(
図24~
図26参照)。
【0162】
図75は、シャフトプレート部材の長軸に平行であり、シャフトプレート部材によって画定される平面に対して垂直である平面998内でシャフトプレート部材966に関するヘッドプレート部材の移動によって許容される3つの異なる掌配向にあるヘッドプレート部材964を備える骨プレート960を示している。3つの異なる配向は、中立(任意に0°の掌として割り当てられる)、5°の掌、および10°の掌としてラベル付けされる。ヘッドプレート部材がより大きい掌側傾斜に移動すると、骨プレートの長さは大きくなり、これは直線1002および1004によって示されている。空隙984に関する変形可能な要素988の移動が図示されており、空隙は、ヘッドプレート部材がより大きい掌側傾きになると遠位に移動する。
【0163】
図77は、橈骨遠位端の固定のための別の例示的な骨プレート1020の選択された位置を示している。特に、骨プレート1020のシャフトプレート部材1022の近位端領域の底部側のみが図示されている。シャフトプレート部材は、多軸継手の継手表面領域1024を含む。骨は、開口970および突出部996などの、骨プレート960(
図72~
図76参照)について説明されている特徴部のうちのどれかを有し得る。しかしながら、変形可能な要素および空隙の位置は、骨プレート960とは異なる。
【0164】
シャフトプレート部材1022は、多軸継手の継手表面をもたらす。継手表面は、表面領域1024と、その周内の表面領域からヘッドプレート部材の隣りからの継手表面の方へ突出し
ている一対の突起部1026とからなる。突起部1026は、シャフトプレート部材1022の本体部1028と一体に形成され、本体部は表面領域1024を形成する。突起部は、ヘッドプレート部材の継手表面の一対の下にある変形可能な要素1030(想像線で示されている)と重なり合い、接触する。変形可能な要素は、ヘッドプレート部材の本体部によって画定される陥凹部内に配設され得る。陥凹部は、ヘッドプレート部材の継手表面領域に関して陥凹している。各変形可能な要素1030は、陥凹部のうちの1つから突き出て、突起部1026のうちの1つと接触し、それによって変形される変形可能な突起部を形成し得る(
図15Cも参照)。代替的に、各変形可能な要素1030は、ヘッドプレート部材の継手表面領域に関して同一平面上にあるか、または陥凹しているものとしてよい(
図15Bも参照)。陥凹している場合、変形可能な要素は、変形可能な要素が配置されている陥凹部の一部と連携して空隙を画定し得る。空隙は、継手が係止される前に少なくとも突起部1026の一部を受け入れるものとしてよく、継手が固定構成にされたときに変型され得る。
【0165】
図78~
図81は、離散的および連続的な調整可能性の組合せを備える多軸継手1042を有する骨プレート1040を示している。骨プレートは、図示されている実施形態において、橈骨遠位端を固定するように構成されているが、好適な任意の骨で構成されるか、または使用され得る。骨プレート1040は、コネクタ1048を備える継手1042のところでシャフトプレート部材1046に接続されているヘッドプレート部材1044を有する(たとえば、ネジなどの、雄ネジを切られた部材)。コネクタは、一対の整列された開口1050、1052内に配設され、螺合により開口1052に結合する(
図79および
図80参照)。コネクタは、移動可能構成と固定構成との間で継手を調整することを可能にする。いくつかの実施形態において、コネクタは、本明細書の別のところで説明されているように、反転構成を有するものとしてよく、コネクタのヘッドはシャフトの下に配設される。
【0166】
継手1042は、球面である補完的な継手表面1054、1056を備える(
図79および
図80参照)。継手表面1054、1056は互いに向かい合い、継手の移動可能構成および固定構成と接触するものとしてよい。継手表面は、継手の各運動平面内で連続的な調整可能性を許容する。開口1050、1052は、それぞれ、継手表面1054および1056を貫通する。
【0167】
継手1042は、また、継手の球面部分に隣接して位置決めされている歯止め1058も備える(
図78および
図81参照)。歯止めは、シャフトプレート部材1046の一連の歯1060と、歯と嵌合するヘッドプレート部材1044の縁1062とによって形成される(
図79~
図81参照)。縁1062は、代替的に、歯と歯の間に形成されている複数の補完的な刻み目1064(陥凹部とも称される)の各々の中に受け入れられ、これにより歯止めによって画定される平面1066に直交する平面内でプレート部材の配向を離散的にインクリメンタルに調整する。歯1060、縁1062、および刻み目1064は、各々、平面1066に平行な平面内でアーチ形であってよく、各々、開口1052と同軸である円形経路の一部に追随するものとしてよい。図示されている実施形態において、歯止めは、離散的なインクリメンタルな背腹調整可能性をもたらし、連続的な橈骨-尺骨調整可能性を許容する。
【0168】
歯止めは、平面1068(
図78参照)などの、連続的な一組の垂直平面のうちの各平面内で離散的な調整可能性をもたらし、その一方で、少なくとも一般的に水平の平面1066(たとえば、完全水平から20、10、または5度の範囲内)で連続的な調整可能性を許容する(
図81参照)。(骨プレート1040に関する垂直および水平は、骨プレートの外面が上を向き、内面が下を向くように定められる。)縁1062を継手表面1056により近い各連続する刻み目1064に置くことで、少なくとも一般的に垂直の平面(たとえば、完全垂直から20、10、または5°の範囲内)でシャフトプレート部材に関するヘッドプレート部材のインクリメンタルな回転を生じさせる(
図79および81参照)。
【0169】
歯止めは、少なくともまたは正確に2、3、4、5、またはそれ以上などの、骨プレートに
対する調整の好適な数の離散的な配向をもたらし得る。図示されている実施形態では、縁1062は代替的に4つの刻み目1064のうちの各々の中に受け入れられるものとしてよく、それにより、ヘッドプレート部材の掌傾きをインクリメンタルに変更することができる。連続する刻み目は、とりわけ少なくともまたは約1、2、3、4、または5度などの、好適な量だけプレート部材のそれぞれの平面の間に画定される角度を変更することができる。
【0170】
歯止めは、互いに対して反対の回転方向で離散的な調整を選択的に許容し、制限し得る。図示されている実施形態では、歯止めは、継手表面1056に向かう縁1062のインクリメンタルな移動を許容し、その一方で、継手表面1056から遠ざかる縁のインクリメンタルな移動を選択的に制限する。歯1060は非対称的であり、調整の方向に対してこの片寄りを生じさせるものとしてよい。好ましい回転方向は、プレート部材によって画定されるそれぞれの平面の間の角度オフセットを増加させ(または減少させ)得る。たとえば、図示されている実施形態において、好ましい回転方向は、ヘッドプレート部材の傾きの掌角度をインクリメンタルに増大させる。他の実施形態では、歯止めは、両方の回転方向で片寄りのないインクリメンタルな調整を許容するように構成され得る。
【0171】
平面1066内のプレート部材の相対的な運動の範囲は、制限され得る。図示されている実施形態において、ヘッドプレート部材1044のタブ1070がシャフトプレート部材1046のスロット1072内に受け入れられる。タブとスロット1072の壁との間の接触は、刻み目1064との縁1062の個別の嵌合構成の各々において、両方の回転方向で平面1066内の回転に対して制限を課す。スロット1072は、歯1060と刻み目1064とを遮断する。
【0172】
タブ1070は、平面1066内のプレート部材の配向に対する指標となる。スロット1072に関するタブ1070の配向は、平面1066内のシャフトプレート部材に関するヘッドプレート部材の配向に対応する。タブは、骨プレートの上から見えており、これは、外科医がタブを見ることによって平面1066内のヘッドプレート部材の配向を決定することを可能にする。いくつかの実施形態において、シャフトプレート部材は、タブの近くに横断方向に配列されている参照マークを備えるものとしてよく、これにより外科医はタブの配向をより正確に読み取ることができる。
【0173】
骨プレート1040は、本明細書において開示されている他の継手の好適な特徴部を有し得る。たとえば、一方または両方の継手表面1054、1056は、継手が固定構成にされたときに変形するように構成され得る。各継手表面は、III項で説明されているように、変形を促すための1つもしくは複数の突起部および/または1つもしくは複数の空隙を備えるものとしてよい(たとえば、
図15A~
図15E参照)。継手表面のうちの少なくとも1つは、少なくとも一部は個別の変形可能な要素によって形成され得る(または形成され得ない)。それに加えて、または代替的に、コネクタ1048は、本明細書の別のところで開示されている特徴部のうちのどれかを有し得る。たとえば、コネクタは、反転し、シャフトの下にヘッドを有するものとしてよく、左ネジを有し得る。それに加えて、または代替的に、コネクタの取り外しは、(たとえば、プレート部材のうちの1つのフランジによって(
図62参照))妨げられるものとしてよく、プレート部材は互いに永久に接続される。
【0174】
図82~
図86は、上腕骨近位1082の固定のための骨プレート1080の一連の図面である。骨プレートは、ヘッドプレート部材1084と、本開示の多軸継手のうちのどれかなどの、多軸継手1088(
図82参照)によって互いに接続されているシャフトプレート部材1086とを有する。継手は、コネクタ1090の操作によって係止可能である(
図84参照)。上腕骨1082は、骨を近位骨片と遠位骨片とに分ける、骨折部1092を維持している(または横方向に切断されている)。各プレート部材は、骨ネジで骨片のうちの1つに固定されるが、ネジは、表現を簡略化するためここには示されていない。
図82および
図83は、例示的な内反-外反調整を示している。
図84~
図86は、例示的な屈曲-伸長調整を示している。
【0175】
(実施例5)
選択された実施形態I
次の選択された実施形態は、一連の番号を振られた項として提示されており、例示を目的としており、本開示の範囲全体を制限すべきものではない。
【0176】
1.骨を固定するためのデバイスであって、ヒンジ継手を介して互いに接続される一対のプレート部材を備え、各プレート部材は一対のプレートの各々を骨に固定する留め具を受け入れるための1つまたは複数の開口を画定する、デバイス。
【0177】
2.ヒンジ継手は、プレート部材の相対的な位置の平面内調整を許容する、項1に記載のデバイス。
【0178】
3.一対のプレート部材は、ヒンジ継手を囲む一対の係止開口を画定する、項1または項2に記載のデバイス。
【0179】
4.ヒンジ継手は、一対のプレート部材のうちの一方と一体であり、一対のプレート部材のうちの他方の穴に受け入れられる、項1から3のいずれかに記載のデバイス。
【0180】
5.穴から外れるのを防ぐように突起部の端部がスウェージ加工される、項4に記載のデバイス。
【0181】
6.一対のプレート部材は、少なくともプレートが互いに軸方向に整列されるときに、プレートが互いから分離され得ないように互いに嵌合する、項1から5のいずれかに記載のデバイス。
【0182】
7.プレート部材のうちの一方は、空洞を画定し、プレート部材のうちの他方は、空洞内に受け入れられる端部を有する、項6に記載のデバイス。
【0183】
8.プレート部材は、蟻継ぎ構成で嵌合する、項6または項7に記載のデバイス。
【0184】
9.一対のプレート部材は、第1のプレート部材および第2のプレート部材であり、別のヒンジ継手を介して第2のプレート部材に接続されている第3のプレート部材をさらに備える、項1から8のいずれかに記載のデバイス。
【0185】
10.プレート部材のうちの一方は、骨の各骨折部が配置されるべき軸方向ゾーンを指示するマークを付けられる、項1から9のいずれかに記載のデバイス。
【0186】
11.一対のプレート部材は、一対の整列された開口を画定し、(a)ヒンジ継手によって画定されたピボット軸から隔てて並ぶ軸上の一対の整列された開口内に受け入れられ、(b)一対の整列された開口のうちの開口の少なくとも1つに結合するように構成されている留め具をさらに備える、項1から10のいずれかに記載のデバイス。
【0187】
12.骨を固定するためのデバイスであって、回転可能な継手のところで互いに接続される一対のプレート部材を備え、各プレート部材は一対のプレート部材の各々を骨に固定する留め具を受け入れるための1つまたは複数の開口を画定する、デバイス。
【0188】
13.回転可能な継手は、一対のプレート部材の間に配設されている変形可能な材料を含む、項12に記載のデバイス。
【0189】
14.変形可能な材料は、ポリマーを含む、項13に記載のデバイス。
【0190】
15.ポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む、項14に記載のデバイス。
【0191】
16.一対のプレート部材のうちの各プレート部材は、金属から形成される、項12から15のいずれかに記載のデバイス。
【0192】
17.各プレート部材は、回転可能な継手の継手表面を設け、継手表面のうちの少なくとも1つは、複数の凹面を画定する、項12から16のいずれかに記載のデバイス。
【0193】
18.一対のプレート部材の少なくとも1つは、回転可能な継手が係止される前に変形可能な材料の少なくとも一部が配設される1つまたは複数の凹面を画定する、項13から17のいずれかに記載のデバイス。
【0194】
19.一対のプレート部材の少なくとも1つは、回転可能な継手の圧縮によって変形可能な材料が変形されるときに変形可能な材料の少なくとも一部を受け入れるように構成されている複数の凹面を画定する、項13から18のいずれかに記載のデバイス。
【0195】
20.凹面は、1つまたは複数の溝を備える、項18または項19に記載のデバイス。
【0196】
21.1つまたは複数の凹面は、格子によって形成される、項18から20のいずれかに記載のデバイス。
【0197】
22.凹面のうちの少なくとも1つは、機械加工、成形、エッチング、プラズマコーディング、焼結粒子、またはこれらの組合せによって形成される、項18から21のいずれかに記載のデバイス。
【0198】
23.一対のプレート部材の継手表面は、互いに接触し、継手表面のうちの少なくとも1つは、回転可能な継手が係止されたときに変形するように構成される、項12から22のいずれかに記載のデバイス。
【0199】
24.回転可能な継手は、一対のプレート部材が平面内および平面外で相対的に枢動することを許容する、項12から23のいずれかに記載のデバイス。
【0200】
25.回転可能な継手は、デバイスの頂部/外側の上に配設されている回転中心を有する、項12から24のいずれかに記載のデバイス。
【0201】
26.回転可能な継手は、デバイスの底部/内側の下に配設されている回転中心を有する、項12から24のいずれかに記載のデバイス。
【0202】
27.一対のプレート部材の一方のプレート部材から他方のプレート部材まで延在し、回転可能な継手を係止するように調整可能である留め具をさらに備える、項12から26のいずれかに記載のデバイス。
【0203】
28.留め具は、ヘッドおよびシャフトを有する、項27に記載のデバイス。
【0204】
29.シャフトは、ヘッドからデバイスの底部/内側の方へ延在する、項28に記載のデバイス。
【0205】
30.ヘッドは、回転可能な継手を係止するためにコレットと係合する、項28または項29
に記載のデバイス。
【0206】
31.コレットは、一対のプレート部材のうちのプレート部材によって一体形成される、項30に記載のデバイス。
【0207】
32.ヘッドは、シャフトの方に向かって円錐状であるか、または少なくとも先細りになっている、項30または項31に記載のデバイス。
【0208】
33.シャフトは、ヘッドからデバイスの頂部/外側の方へ延在する、項28および30から32のいずれかに記載のデバイス。
【0209】
34.ネジ山がシャフト上に形成され、ネジ山は、骨プレートを骨に結合する各留め具上に形成されているネジ山に関して逆巻き(たとえば、左巻き)である、項33に記載のデバイス。
【0210】
35.回転可能な継手は、一対のプレート部材の相対的な運動の範囲を制限する非係止構成を有する、項12から34のいずれかに記載のデバイス。
【0211】
36.プレート部材のうちの一方が突起を画定し、プレート部材のうちの他方が、突起を受け入れる開口部を画定し、適宜、突起の壁が開口部の壁と接触して、運動範囲を制限し、適宜、運動範囲は、回転可能な継手の回転の少なくとも2つの非平行な平面内で制限される、項35に記載のデバイス。
【0212】
37.開口部の壁および/または突起の壁は、少なくとも一般的に互いに面する一対の平行な壁領域を備える、項36に記載のデバイス。
【0213】
38.骨固定の方法であって、(A)項1から37のいずれかに記載のデバイスを選択するステップと、(B)骨ネジなどの、1つまたは複数の留め具でデバイスを少なくとも1つの骨に固定するステップとを含む、方法。
【0214】
39.少なくとも1つの骨は、とりわけ、橈骨遠位端、鎖骨、上腕骨近位、または大腿遠位である、項38に記載の方法。
【0215】
40.固定するステップの前および/または後に一対のプレート部材の相対的な位置を調整するステップと、調整のステップの後に継手を係止するステップとをさらに含む、項38または項39に記載の方法。
【0216】
41.調整するステップは、プレート部材の少なくとも1つと係合している1つまたは複数の用具を使用して実行される、項40に記載の方法。
【0217】
42.骨内に貫入する少なくとも1つの留め具でプレート部材の相対的な移動を防ぐステップをさらに含む、項38から41のいずれかに記載の方法。
【0218】
43.移動を防ぐステップは、骨ネジを回転可能な継手の両側の一対のプレート部材のうちの各プレート部材に係止するステップを含む、項42に記載の方法。
【0219】
44.互いに面するプレート部材の継手表面の下に配設されているヘッドを有する留め具で継手を係止するステップをさらに含む、項38から41のいずれかに記載の方法。
【0220】
45.継手が係止されるとともに継手の材料および/または表面を変形させるステップをさ
らに含む、項38から41のいずれかに記載の方法。
【0221】
(実施例6)
選択された実施形態II
次の選択された実施形態は、一連の番号を振られた項として提示されており、例示を目的としており、本開示の範囲全体を制限すべきものではない。これらの実施形態は、ヒンジ継手を有する骨プレートに関する。
【0222】
1.骨を固定するための骨プレートであって、ピボット軸の周りのプレート部材の相対的な回転を許容するヒンジ継手により重なりの領域内で互いに重なり合い、接続される一対のプレート部材を備え、各プレート部材はプレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れるように重なりの領域の外側で1つまたは複数のスルーホールを画定する、骨プレート。
【0223】
2.重なりの領域内でプレート部材を互いに接続し、ヒンジ継手を形成するコネクタをさらに備え、ヒンジ継手は、コネクタによって画定された単一のピボット軸の周りのプレート部材の相対的な平面内回転を許容する、項1に記載の骨プレート。
【0224】
3.ヒンジ継手は、コネクタの操作によって移動可能構成と固定構成との間で調整可能である、項2に記載の骨プレート。
【0225】
4.骨プレートは、ピボット軸と同軸であり、ヒンジ継手を骨に結合する留め具を受け入れるように構成されているスルーホールを画定し、適宜、スルーホールは、雌ネジを有し、適宜、スルーホールは、プレート部材を互いに接続するコネクタによって形成される、項1から3のいずれかに記載の骨プレート。
【0226】
5.一対のプレート部材の間の接触は、ピボット軸の周りの両方の回転方向における枢動に対し制限を課す項1から4のいずれかに記載の骨プレート。
【0227】
6.各プレート部材は、他方のプレート部材に関して20、30、40、または50度以下の枢動の範囲を有する、項1から5のいずれかに記載の骨プレート。
【0228】
7.骨プレートは、第3のプレート部材を備え、一対のプレート部材のうちのプレート部材の一方は、第3のプレート部材と重なり合い、接続され、別のピボット軸の周りの一方のプレート部材および第3のプレート部材の相対的な回転を許容する枢動可能な接続部を形成する、項1から6のいずれかに記載の骨プレート。
【0229】
8.ピボット軸は、互いに平行である、項7に記載の骨プレート。
【0230】
9.ピボット軸は、互いに平行でない、項7に記載の骨プレート。
【0231】
10.骨プレートおよび/またはプレート部材のうちの1つは、平面を画定し、各プレート部材は、プレート部材がピボット軸の周りで回転するときに平面内に留まる、項1から9のいずれかに記載の骨プレート。
【0232】
11.骨プレートは、鎖骨に結合されるように構成される、項1から10のいずれかに記載の骨プレート。
【0233】
12.項1から11のいずれかに記載の骨プレートを備え、各プレート部材によって画定される1つまたは複数のスルーホールの各々を占有し、ピボット軸と同軸である追加のスルー
ホールを占有するように複数の骨ネジをさらに備える、システム。
【0234】
13.ヒンジ継手は、ピボット軸の周りのプレート部材の相対的な回転への抵抗を生じさせ、抵抗は、骨から離れて調整可能ではない、項1から12のいずれかに記載の骨プレート。
【0235】
14.プレート部材のうちの一方は、他方のプレート部材によって画定される開口内に貫入する軸体を備え、軸体は、ピボット軸を画定する、項1および4から13のいずれかに記載の骨プレート。
【0236】
15.開口内に軸体を捕らえるリテーナをさらに備える、項14に記載の骨プレート。
【0237】
16.プレート部材は、雄ネジを有するコネクタによって互いに接続される、項1から12のいずれかに記載の骨プレート。
【0238】
17.コネクタは、シャフトの下にヘッドを有する、項16に記載の骨プレート。
【0239】
18.雄ネジは、左巻きである、項16または項17に記載の骨プレート。
【0240】
19.コネクタは、取り外し可能でない、項16に記載の骨プレート。
【0241】
20.プレート部材のうちの1つは、ピボット軸に沿った両方の方向のコネクタのヘッドの移動を妨げる、項19に記載の骨プレート。
【0242】
21.プレート部材のうちの一方は、スロットを画定し、他方のプレート部材は、スロット内に貫入するピンに結合され、ピンおよびスロットは、ピボット軸の周りのプレート部材の回転範囲を連携して画定する、項1から20のいずれかに記載の骨プレート。
【0243】
22.プレート部材のうちの一方は、軌道を形成し、他方のプレート部材は、軌道内に受け入れられる端部領域を有する、項1から21のいずれかに記載の骨プレート。
【0244】
23.軌道は、ピボット軸に直交する平面内のアーチ形経路を辿る、項22に記載の骨プレート。
【0245】
24.アーチ形経路は、ピボット軸上に曲率中心を有する、項23に記載の骨プレート。
【0246】
25.端部領域および軌道は、プレート部材がピボット軸の周りで回転させられるときにアーチ形経路に沿って相対的に摺動する、項22または項23に記載の骨プレート。
【0247】
26.軌道は、通路である、項22から25のいずれかに記載の骨プレート。
【0248】
27.軌道は、第1の軌道であり、端部領域は、第1の端部領域であり、プレート部材は、第2の軌道と軌道内に受け入れられる第2の端部領域とを形成し、第2の軌道および第2の端部領域は、第1の軌道および第1の端部領域から隔てて並ぶ、項22に記載の骨プレート。
【0249】
28.ピボット軸は、第1の軌道と第2の軌道との間の骨プレートを貫通する、項27に記載の骨プレート。
【0250】
29.他方のプレート部材は、第2の軌道を形成する、項27または項28に記載の骨プレート。
【0251】
30.各軌道および各端部領域は、ピボット軸に直交する平面内でアーチ形である、項27から29のいずれかに記載の骨プレート。
【0252】
31.骨固定のためのデバイスを製作する方法であって、任意の順序で、(A)第1のプレート部材を第2のプレート部材と嵌合させるステップであって、プレート部材は、嵌合したプレート部材がプレート部材の嵌合が外されるまでピボット軸の周りで相対的に回転することができ、ピボット軸に平行な相対的移動によって、嵌合している間に、分離させられるのを防がれるような補完的な特徴部を有する、ステップと、(B)プレート部材に対する回転範囲を設定し、プレート部材が互いに回転して嵌合から外れるのを防ぐピンを取り付けるステップとを含む、方法。
【0253】
32.骨を固定する方法であって、任意の順序で、(A)骨プレートを一体として骨上に留置するステップであって、骨プレートはピボット軸の周りのプレート部材の相対的な回転を許容する枢動可能な接続部を形成するために重なりの領域において互いに重なり合い、事前に接続される一対のプレート部材を備える、ステップと、(B)重なりの領域の外側でプレート部材によって画定される1つまたは複数のスルーホールから骨内に貫入する1つまたは複数の留め具で各プレート部材を骨に結合するステップと、(C)重なりの領域からピボット軸に沿って骨内に貫入するネジ山付き留め具で骨プレートの重なりの領域を骨に結合するステップとを含む、方法。
【0254】
33.各プレート部材を骨に結合するステップの前、後、または前と後の両方でプレート部材の相対的な配向を調整するステップをさらに含む、項32に記載の方法。
【0255】
34.プレート部材の配向を調整するステップは、少なくとも部分的に骨プレートを骨上に留置するステップの後に実行される、項33に記載の方法。
【0256】
35.配向を調整するステップは、少なくとも部分的に骨から外れて実行される、項34に記載の方法。
【0257】
36.重なりの領域を結合するステップは、ネジ山付き留め具を骨プレートと螺合させるステップを含む、項32から35のいずれかに記載の方法。
【0258】
37.ネジ山付き留め具を留置するステップは、ネジ山付き留め具をプレート部材のうちの1つの一体部分と螺合させるステップを含む、項36に記載の方法。
【0259】
38.ネジ山付き留め具のテーパ付き部分で骨プレートの領域を拡大することによってヒンジ継手を係止構成にするステップをさらに含む、項37に記載の方法。
【0260】
39.骨プレートは、プレート部材の各々から分離しており、重なりの領域においてプレート部材を互いに接続するコネクタを備え、ネジ山付き留め具を留置するステップは、ネジ山付き留め具をコネクタと螺合させるステップを含む、項36から38のいずれかに記載の方法。
【0261】
40.ヒンジ継手をプレート部材の相対的な枢動を防ぐ固定構成にするステップをさらに含む、項32から39のいずれかに記載の方法。
【0262】
41.結合するステップは、ヒンジ継手を固定構成にするステップの後に実行される、項40に記載の方法。
【0263】
42.ヒンジ継手を固定構成にするステップは、プレート部材を互いに事前接続するコネクタを回すステップを含む、項40または項41に記載の方法。
【0264】
43.骨は、鎖骨である、項32から42のいずれかに記載の方法。
【0265】
44.骨プレートは、少なくとも3つのプレート部材と、少なくとも3つのプレート部材が互いに永久に事前接続されている少なくとも2つのヒンジ継手とを備える、項32から43のいずれかに記載の方法。
【0266】
45.骨固定のためのデバイスを製作する方法であって、任意の順序で、(A)第1のプレート部材の一体形成された突起部を第2のプレート部材の開口部内に入れるステップであって、各プレート部材はプレート部材を骨に結合するために留め具を受け入れるように1つまたは複数のスルーホールを画定する、ステップと、(B)突起部が開口部から外れるのを防ぎ、ピボット軸の周りのプレート部材の相対的な回転を許容する枢動可能な接続部を形成するように、突起部を変形させるステップとを含む、方法。
【0267】
46.骨固定のためのデバイスを製作する方法であって、任意の順序で、(A)第1のプレート部材を第2のプレート部材に接続するステップであって、プレート部材は、重なりの領域において互いに重なり合い、コネクタにより重なりの領域において互いに接続され、ピボット軸の周りのプレート部材の相対的な回転を許容する枢動可能な接続部を形成するようにする、ステップと、(B)コネクタの取り外しが防がれるようにプレート部材のうちの1つを変形させるステップとを含む、方法。
【0268】
47.プレート部材のうちの1つは、フランジを形成し、変形させるステップは、フランジを変形させるステップを含む、項46に記載の方法。
【0269】
48.コネクタは、ヘッドを備え、フランジを変形させるステップは、フランジが1つのプレート部材からのヘッドの移動を妨げるようにする、項47に記載の方法。
【0270】
49.骨固定のためのデバイスを製作する方法であって、任意の順序で、(A)コネクタの変形可能な領域を第1のプレート部材の開口部に通し、第2のプレート部材の開口部内に入れて、ピボット軸の周りのプレート部材の相対的な回転を許容する枢動可能な接続部を形成する、ステップを含み、変形可能な領域は、変形可能な領域が第2のプレート部材の開口部内に入るときに径方向内向きに変形され、次いで径方向外向きに拡大して第2のプレート部材の開口部からコネクタが外れるのを防ぐ、方法。
【0271】
50.変形可能な領域は、径方向外向きに突出する領域を各々有する複数のタブを備える、項49に記載の方法。
【0272】
(実施例7)
選択された実施形態III
次の選択された実施形態は、一連の番号を振られた項として提示されており、例示を目的としており、本開示の範囲全体を制限すべきものではない。項
【0273】
1.骨プレートを製造する方法であって、任意の順序で、(A)第1のプレート部材および第2のプレート部材の各々に1つまたは複数のスルーホールを形成するステップであって、1つまたは複数のスルーホールは各プレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れるように構成される、ステップと、(B)第1のプレート部材によって画定される開口内に第2のプレート部材の軸体を配設するステップと、(C)軸体が開口内に留まっている間に軸体に対するリテーナを作製するステップとを含み、リテーナを作製するステ
ップは、軸体によって画定されるピボット軸の周りのプレート部材の相対的な平面内回転を許容する構成においてプレート部材を互いに永久に接続する、方法。
【0274】
2.リテーナを作製するステップは、領域が開口を通過するのを防ぐために軸体の領域を塑性変形させるステップを含む、項1に記載の方法。
【0275】
3.リテーナを作製するステップは、リテーナを軸体に溶接するステップを含む、項1に記載の方法。
【0276】
4.リテーナを作製するステップは、第1のプレート部材をリテーナとぴったり係合させるステップを含む、項1から3のいずれかに記載の方法。
【0277】
5.ぴったり係合させるステップは、使用者の手で骨プレートにトルクが直接加えられたときにプレート部材がピボット軸の周りの相対的な回転に抵抗するようにする、項4に記載の方法。
【0278】
6.第2のプレート部材は、一体形成される、項1から5のいずれかに記載の方法。
【0279】
7.軸体を配設するステップは、1つまたは複数のスルーホールを形成するステップの後に実行される、項1から6のいずれかに記載の方法。
【0280】
8.軸体およびリテーナを貫通するスルーホールを作製するステップをさらに含む、項1から7のいずれかに記載の方法。
【0281】
9.スルーホールを作製するステップは、雌ネジを有するスルーホールを作製するステップを含む、項8に記載の方法。
【0282】
10.軸体を配設するステップは、事前形成されたスルーホールを有する軸体を配設するステップを含み、適宜、スルーホールを作製するステップは、リテーナを作製するステップの後に事前形成されたスルーホールを修正するステップを含み、適宜、事前形成されたスルーホールを修正するステップは、事前形成されたスルーホール内に雌ネジを切るステップを含む、項8または9に記載の方法。
【0283】
11.骨を固定するための骨プレートであって、(A)開口を画定する第1のプレート部材と、(B)軸体を有する第2のプレート部材とを備え、各プレート部材は、プレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れるように1つまたは複数のスルーホールを画定し、軸体は、第1および第2のプレート部材が互いに永久に接続され、軸体によって画定されるピボット軸の周りのプレート部材の相対的な平面内回転を許容するヒンジ継手を形成するように開口内に捕らえられる、骨プレート。
【0284】
12.第2のプレート部材は、1つまたは複数のスルーホールを画定する本体部を備え、軸体は、本体部から開口内に突出し、第2のプレート部材は、本体部に対向する軸体と連続しているか、または融合されるリテーナを備え、リテーナは、開口を通過することができず、ヒンジ継手が自由に動くのを防ぐように第1のプレート部材とぴったり係合される、項11に記載の骨プレート。
【0285】
13.リテーナおよび軸体は、互いに一体に形成される、項11または12に記載の骨プレート。
【0286】
14.リテーナは、軸体に溶接される、項11または12に記載の骨プレート。
【0287】
15.骨プレートは、ピボット軸と同軸であり、ヒンジ継手を骨に結合するために留め具を受け入れるように構成されているスルーホールを画定する、項11から14のいずれかに記載の骨プレート。
【0288】
16.ピボット軸と同軸であるスルーホールは、雌ネジを有する、項15に記載の骨プレート。
【0289】
17.ヒンジ継手は、プレート部材の相対的な枢動への内因性抵抗を有し、内因性抵抗は、骨から離れて調整可能ではないように構成される、項11から16のいずれかに記載の骨プレート。
【0290】
18.ピボット軸の周りでプレート部材を相対的に枢動させるための少なくとも1つの用具をさらに備え、少なくとも1つの用具は、プレート部材のうちの少なくとも1つよりも長い、項11に記載の骨プレートを備えるシステム。
【0291】
19.プレート部材のうちの1つは、細長く、その表面のところに、固定されるべき骨の各骨折部との重なりに対する1つのプレート部材の骨折ゾーンを示すマークを付けられ、骨折ゾーンは、1つのプレート部材の長さの一部のみに沿って延在する、項11から17のいずれかに記載の骨プレート。
【0292】
20.骨を固定する方法であって、任意の順序で、(A)開口を画定する第1のプレート部材と開口内に捕らえられる軸体を有する第2のプレート部材とを備える骨プレートを選択するステップであって、第1および第2のプレート部材が互いに永久に接続され、軸体によって画定されるピボット軸の周りのプレート部材の相対的な平面内回転を許容するヒンジ継手を形成するようにする、ステップと、(B)ピボット軸の周りでプレート部材を相対的に回転させるステップと、(C)各プレート部材を骨に結合するステップであって、1つまたは複数の留め具が骨内に貫入する、ステップとを含む、方法。
【0293】
21.プレート部材を回転させるステップは、プレート部材の両方が骨に結合される前に実行される、項20に記載の方法。
【0294】
22.各プレート部材を結合するステップは、各プレート部材を鎖骨に結合するステップを含む、項20または21に記載の方法。
【0295】
23.少なくとも一部は軸体によって画定されるスルーホールからピボット軸に沿って骨内に貫入する留め具でヒンジ継手を骨に結合するステップをさらに含む、項20から22のいずれかに記載の方法。
【0296】
24.プレート部材を回転させるステップは、プレート部材と係合されている1つまたは複数の用具でトルクを加えることによって実行される、項20から23のいずれかに記載の方法。
【0297】
25.プレート部材を回転させるステップは、プレート部材のうちの少なくとも1つよりも長いレバーアームでトルクを加えるステップを含む、項24に記載の方法。
【0298】
26.骨の上の軟組織において切開を行うステップと、骨プレートを骨上に留置するステップと、プレート部材を回転させ、各プレート部材を結合するステップの後に切開部を閉じるステップとをさらに含み、骨プレートを留置するステップは、切開を介して実行され、ピボット軸の周りのプレート部材の回転に対するヒンジ継手の抵抗は、プレート部材を
回転させるステップの後、および切開部を閉じるステップの前に、調整されない、項20から25のいずれかに記載の方法。
【0299】
27.骨を固定するための骨プレートであって、(A)重なりの領域のところで互いに重なり合う一対のプレート部材であって、各プレート部材はプレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れるように重なりの領域の外側で1つまたは複数のスルーホールを画定する、一対のプレート部材と、(B)重なりの領域内でプレート部材を互いに接続するコネクタであって、コネクタによって画定されるピボット軸の周りのプレート部材の相対的な平面内回転を許容するヒンジ継手を形成する、コネクタとを備え、ヒンジ継手は、コネクタの操作によって移動可能構成と固定構成との間で調整可能であり、コネクタは、ピボット軸と同軸であり、重なりの領域を骨に結合する留め具を受け入れるように構成されているスルーホールを画定する、骨プレート。
【0300】
28.ピボット軸と同軸であるスルーホールは、雌ネジを有する、項27に記載の骨プレート。
【0301】
29.プレート部材は、互いに永久に接続される、項27に記載の骨プレート。
【0302】
30.コネクタは、ヘッドとシャフトとを有し、プレート部材のうちの1つは、シャフトから遠ざかる方向に骨プレートからのヘッドの軸方向移動を妨げるフランジを形成する、項27から29のいずれかに記載の骨プレート。
【0303】
31.コネクタによって画定されるスルーホールは、重なりの領域の外側に画定されるスルーホールのうちの少なくとも1つと同じ内径を有する、項27から30のいずれかに記載の骨プレート。
【0304】
32.骨プレートは、骨と接触するように構成されている内面を有し、コネクタは、ヘッドとシャフトとを有し、ヘッドは、内面が下向きのときにシャフトの下にある、項27から31のいずれかに記載の骨プレート。
【0305】
33.シャフトは、左巻きの雄ネジを有する、項32に記載の骨プレート。
【0306】
34.1つまたは複数のスルーホールのうちの少なくとも1つは、右巻きである雌ネジを有する、項33に記載の骨プレート。
【0307】
35.コネクタは、移動可能構成においてプレート部材のうちの1つに関して回転可能に固定される、項27から34のいずれかに記載の骨プレート。
【0308】
36.コネクタは、複数の刻み目を画定するシャフトを有する、項27から35のいずれかに記載の骨プレート。
【0309】
37.刻み目は、シャフトの端部領域を複数のセクションに分割し、セクションのうちの1つまたは複数は、ピボット軸に沿って一方向にコネクタが外れるのを防ぐ係止特徴部を備える、項36に記載の骨プレート。
【0310】
38.コネクタは、プレート部材のうちの1つへのスナップ式接続部を有する、項27から37のいずれかに記載の骨プレート。
【0311】
39.プレート部材の各々は、一体形成される、項27から38のいずれかに記載の骨プレート。
【0312】
40.プレート部材のうちの一方は、軌道を形成し、他方のプレート部材の端部領域は、軌道内に受け入れられる、項27から39のいずれかに記載の骨プレート。
【0313】
41.骨を固定する方法であって、任意の順序で、(A)重なりの領域で互いに重なり合う一対のプレート部材およびコネクタによって画定されたピボット軸を有するヒンジ継手を形成するために重なりの領域内でプレート部材を互いに接続するコネクタを備える骨プレートを選択するステップと、(B)プレート部材を平面内でピボット軸の周りで相対的に回転させるステップと、(C)重なりの領域の外側でプレート部材によって画定される1つまたは複数のスルーホールから骨内に貫入する1つまたは複数の留め具で各プレート部材を骨に結合するステップと、(D)コネクタによって画定されたスルーホールから骨内に貫入する留め具でヒンジ継手を骨に結合するステップとを含む、方法。
【0314】
42.プレート部材を回転させてプレート部材の相対的な配向を固定するステップの後にコネクタを操作するステップをさらに含む、項41に記載の方法。
【0315】
43.コネクタは、雄ネジを備え、コネクタを操作するステップは、ピボット軸の周りでコネクタを回すステップを含む、項41または42に記載の方法。
【0316】
44.骨は、鎖骨である、項41から43のいずれかに記載の方法。
【0317】
45.ヒンジ継手を結合するステップは、留め具をコネクタと螺合させるステップを含む、項41から44のいずれかに記載の方法。
【0318】
46.コネクタと螺合している留め具は、右巻き雄ネジを有し、コネクタは、左巻き雄ネジを有する、項45に記載の方法。
【0319】
47.プレート部材を回転させるステップは、プレート部材の少なくとも1つが骨に結合される前に実行される、項41から46のいずれかに記載の方法。
【0320】
48.ヒンジ継手を固定構成にするステップをさらに含み、プレート部材を回転させるステップおよびヒンジ継手を固定構成にするステップは、プレート部材が骨から離れている状態で実行される、項41から47のいずれかに記載の方法。
【0321】
49.骨を固定するための骨プレートであって、(A)補完的な嵌合特徴部を介して互いに嵌合する一対のプレート部材であって、補完的な嵌合特徴部は(a)プレート部材が嵌合したままである間にピボット軸の周りのプレート部材の相対的な平面内回転を可能にし、(b)嵌合しているプレート部材の並進分解を防ぎ、各プレート部材がプレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れる1つまたは複数のスルーホールを画定する、一対のプレート部材と、(B)プレート部材のうちの一方に結合され、他方のプレート部材によって画定されるスロット内に貫入するピンとを備え、ピンおよびスロットは、ピボット軸の周りのプレート部材の相対的な回転の許容される範囲を定め、回転の許容される範囲は、嵌合したプレート部材の回転分解を防ぐ、骨プレート。
【0322】
50.プレート部材のうちの1つに結合し、ピボット軸の周りのプレート部材の相対的な回転を防ぐように調整可能であるネジ山付き部材をさらに備える、項49に記載の骨プレート。
【0323】
51.プレート部材は、互いに永久に接続される、項49または50に記載の骨プレート。
【0324】
52.骨プレートを作製する方法であって、任意の順序で、(A)一対のプレート部材を互いに嵌合させるステップであって、プレート部材は、嵌合したプレート部材が(i)プレート部材が互いに嵌合したままである間にピボット軸の周りで相対的に回転可能であり、(ii)並進分解を防がれるような補完的な特徴部を有する、ステップと、(B)ピンをプレート部材のうちの一方に結合し、ピンが他方のプレート部材によって画定されるスロット内に貫入して嵌合しているプレート部材の回転分解を防ぐプレート部材に対する回転の範囲を確定する、ステップとを含む、方法。
【0325】
53.嵌合するステップは、プレート部材を互いに回転可能に嵌合させるステップを含む、項52に記載の方法。
【0326】
54.ピンを結合するステップは、1つのプレート部材によって画定される開口部内にピンをプレス嵌めするステップを含む、項52に記載の方法。
【0327】
55.嵌合するステップは、プレート部材のうちの一方の突起を他方のプレート部材によって画定される陥凹部内に入れるステップを含み、突起および陥凹部は、嵌合するステップの後に各々ピボット軸に対して同軸である、項52に記載の方法。
【0328】
56.嵌合するステップは、突起を入れるステップの後にプレート部材をピボット軸の周りで相対的に回転させるステップを含み、これにより、プレート部材のうちの一方の軌道は、他方のプレート部材の端部領域と嵌合し、端部領域と嵌合している軌道は、ピボット軸に平行な両方の方向でプレート部材が互いから分解するのを防ぐ、項55に記載の方法。
【0329】
57.軌道および端部領域の各々は、ピボット軸に直交する平面内でアーチ形である、項56に記載の方法。
【0330】
58.プレート部材を回転させるステップは、第1の軌道を第1の端部領域と、第2の軌道を第2の端部領域と嵌合させるステップを含み、ピボット軸は、プレート部材を回転させるステップの後に第1の軌道および端部領域と第2の軌道および端部領域との間に配設される、項56に記載の方法。
【0331】
59.各軌道は、ピボット軸上に曲率中心を有する、項58に記載の方法。
【0332】
60.骨を固定するための骨プレートであって、(A)重なりの領域のところで互いに重なり合う一対のプレート部材であって、各プレート部材はプレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れるように重なりの領域の外側で1つまたは複数のスルーホールを画定する、一対のプレート部材と、(B)重なりの領域内でプレート部材のうちの1つに結合されているコネクタであって、コネクタによって画定されるピボット軸の周りのプレート部材の相対的な平面内回転を許容するヒンジ継手を形成する、コネクタとを備え、ヒンジ継手は、コネクタの操作によって移動可能構成と固定構成との間で調整可能であり、コネクタは、ヘッドとシャフトとを有し、プレート部材のうちの1つは、ピボット軸に沿った両方の方向の骨プレートからのヘッドの移動を妨げる、骨プレート。
【0333】
61.プレート部材は、互いに永久に接続される、項60に記載の骨プレート。
【0334】
62.骨プレートは、骨と接触するように構成されている内面を有し、ヘッドは、内面が下向きのときにシャフトの下にある、項60に記載の骨プレート。
【0335】
63.1つのプレート部材は、シャフトから遠ざかる方向にピボット軸に沿ったヘッドの移動を妨げるフランジを有する、項60に記載の骨プレート。
【0336】
64.骨を固定するための骨プレートであって、(A)重なりの領域のところで互いに重なり合う一対のプレート部材であって、各プレート部材はプレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れるように重なりの領域の外側で1つまたは複数のスルーホールを画定する、一対のプレート部材と、(B)重なりの領域内でプレート部材のうちの1つに結合されているコネクタであって、コネクタによって画定されるピボット軸の周りのプレート部材の相対的な平面内回転を許容するヒンジ継手を形成する、コネクタとを備え、ヒンジ継手は、コネクタの操作によって移動可能構成と固定構成との間で調整可能であり、コネクタは、取り外し可能でないように構成され、プレート部材は互いに永久に接続される、骨プレート。
【0337】
65.骨プレートを製造する方法であって、任意の順序で、(A)一対のプレート部材をコネクタで互いに接続して、コネクタによって画定されるピボット軸の周りの平面内でプレート部材が相対的に回転するのを許容するヒンジ継手を形成する、ステップであって、ヒンジ継手は、コネクタの操作によって移動可能構成と固定構成との間で調整可能である、ステップと、(B)1つまたは複数のスルーホールを各プレート部材内に、各プレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れるように作製するステップと、(C)コネクタが外れるのを防ぐためにプレート部材のうちの1つの領域を変形させて、プレート部材が互いに永久に接続されるようにする、ステップとを含む、方法。
【0338】
66.1つのプレート部材は、変形させるステップの前に1つのプレート部材の外面または内面から突出しているフランジを有し、変形させるステップは、フランジを変形させるステップを含む、項65に記載の方法。
【0339】
67.変形させるステップは、フランジの少なくとも一部をピボット軸の方へ変形させるステップを含む、項66に記載の方法。
【0340】
68.コネクタは、ヘッドとシャフトとを有し、変形させるステップは、シャフトから遠ざかる方向にピボット軸に沿った骨プレートからのヘッドの移動を妨げる、項66または67に記載の方法。
【0341】
69.1つまたは複数のスルーホールを作製するステップは、接続するステップの前に実行される、項65から68のいずれかに記載の方法。
【0342】
70.骨を固定するための骨プレートであって、(A)重なりの領域のところで互いに重なり合う第1のプレート部材および第2のプレート部材であって、各プレート部材はプレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れるように重なりの領域の外側で1つまたは複数のスルーホールを画定する、第1のプレート部材および第2のプレート部材と、(B)重なりの領域内でプレート部材を互いに接続するコネクタであって、(i)少なくとも2つの非平行な平面の各々におけるプレート部材の相対的な配向を変更することを許容する移動可能構成および(ii)プレート部材の配向が固定されている固定構成を有する継手を形成する、コネクタとを備え、第1および第2のプレート部材は、互いに補完的であり、互いに向かい合うそれぞれの第1および第2の表面領域を有し、第1のプレート部材は、第1の表面領域に関して盛り上がっている1つまたは複数の突起部を画定し、第2のプレート部材は、第2の表面領域に関して陥凹している1つまたは複数の空隙を画定し、1つまたは複数の突起部は、継手が固定構成にされているときに第2のプレート部材を変形させ、および/または第2のプレート部材によって変形されるように構成され、それにより、各突起部の少なくとも一部は、第2の表面領域を越えて1つまたは複数の空隙のうちの少なくとも1つの中に貫入する、骨プレート。
【0343】
71.第1のプレート部材は、第1の表面領域を形成する本体部を有し、1つまたは複数の突起部は、本体部から分離している、項70に記載の骨プレート。
【0344】
72.本体部は、1つまたは複数の陥凹部を画定し、第1のプレート部材は、1つまたは複数の陥凹部内に配設され、そこから突出して1つまたは複数の突起部を形成する1つまたは複数の変形可能な要素を備え、1つまたは複数の変形可能な要素は、継手が固定構成にされたときに変形される、項71に記載の骨プレート。
【0345】
73.1つまたは複数の変形可能な要素の変形は、継手が固定構成にされたときに第2のプレート部材の変形に対して優越する、項72に記載の骨プレート。
【0346】
74.1つまたは複数の突起部は、ポリマーから形成され、第1の表面領域は、金属から形成される、項71から73のいずれかに記載の骨プレート。
【0347】
75.1つまたは複数の突起部および第1の表面領域は、各々金属から形成される、項71から73のいずれかに記載の骨プレート。
【0348】
76.第2のプレート部材は、第2の表面領域を形成する本体部を有し、第2のプレート部材は、本体部から分離し、本体部に結合されている1つまたは複数の変形可能な要素を備え、1つまたは複数の変形可能な要素は、継手が固定構成にされたときに1つまたは複数の突起部との接触によって変形される、項70から75のいずれかに記載の骨プレート。
【0349】
77.1つまたは複数の変形可能な要素は、第2の表面領域に関して陥凹し、1つまたは複数の空隙の各々の少なくとも一部を画定する、項76に記載の骨プレート。
【0350】
78.1つまたは複数の突起部および第2の表面領域は、1つまたは複数の変形可能な要素よりも硬く、それにより、1つまたは複数の変形可能な要素の変形は、継手が固定構成にされたときに1つまたは複数の突起部および第2の表面領域の変形に優越する、項76に記載の骨プレート。
【0351】
79.1つまたは複数の突起部および第1の表面領域は、互いに一体に形成される、項76から78のいずれかに記載の骨プレート。
【0352】
80.1つまたは複数の突起部および第1の表面領域は、互いに一体に形成される、項70に記載の骨プレート。
【0353】
81.1つまたは複数の突起部および少なくとも1つの空隙は、継手が固定構成にされたときに各々変形される、項80に記載の骨プレート。
【0354】
82.第2のプレート部材は、1つまたは複数の空隙の各々を画定し、第2の表面領域を形成する同じ連続的な表面を備える、項70から75のいずれかに記載の骨プレート。
【0355】
83.第1および第2の表面領域は、継手の固定構成において互いに係合される、項70から82のいずれかに記載の骨プレート。
【0356】
84.1つまたは複数の空隙は、深さを有し、1つまたは複数の突起部は、高さを有し、深さは、高さの少なくとも1/4である、項70から82のいずれかに記載の骨プレート。
【0357】
85.深さは、高さ以上である、項84に記載の骨プレート。
【0358】
86.1つまたは複数の突起部の各々は、少なくとも0.2ミリメートルの高さを有する、項70から85のいずれかに記載の骨プレート。
【0359】
87.1つまたは複数の空隙の各々は、少なくとも0.2ミリメートルの深さを有する、項70から86のいずれかに記載の骨プレート。
【0360】
88.1つまたは複数の空隙は、パターンを形成する、項70から87のいずれかに記載の骨プレート。
【0361】
89.第1の表面領域および1つまたは複数の突起部は、領域をまとめて画定し、第1の表面領域は、領域の大半、および適宜、領域の少なくとも70、80、または90%を構成する、項70から88のいずれかに記載の骨プレート。
【0362】
90.第2の表面領域は、1つまたは複数の空隙によって互いから絶縁されている複数の表面領域からなる、項70から89のいずれかに記載の骨プレート。
【0363】
91.各突起部は、移動可能構成において第2の表面領域を越えて第2のプレート部材内に貫入し、各突起部は、移動可能構成よりも固定構成において第2のプレート部材内に深く貫入する、項70から90のいずれかに記載の骨プレート。
【0364】
92.1つまたは複数の突起部は、移動可能構成において第1の表面領域と第2の表面領域との間の接触を減らすか、または防ぐ、項70から91のいずれかに記載の骨プレート。
【0365】
93.1つまたは複数の突起部は、第1の表面領域よりも硬い、項70に記載の骨プレート。
【0366】
94.プレート部材のうちの1つは、継手が固定構成にされたときに変形される変形可能な要素を備え、変形可能な要素は、1つのプレート部材の第1または第2の表面領域の周の内側に配設される、項70から93のいずれかに記載の骨プレート。
【0367】
95.第2の表面領域および1つまたは複数の空隙は、領域をまとめて画定し、1つまたは複数の空隙は、領域の大半を構成する、項70から94のいずれかに記載の骨プレート。
【0368】
96.各突起部の少なくとも一部は、継手が移動可能構成から固定構成にされたときに少なくとも1つの空隙内に入る、項70から95のいずれかに記載の骨プレート。
【0369】
97.1つまたは複数の空隙は、ミリング、鋸引き、焼結、フォトエッチング、または放電加工によって形成される、項70から96のいずれかに記載の骨プレート。
【0370】
98.第1および第2の表面領域の各々は、同じ曲率半径を有する球面を画定する、項70から97のいずれかに記載の骨プレート。
【0371】
99.第1および第2の表面領域のうちの少なくとも1つは、連続していない、項70から98のいずれかに記載の骨プレート。
【0372】
100.少なくとも1つの表面領域は、1つもしくは複数の突起部または1つもしくは複数の空隙によって互いから絶縁されている複数の表面領域からなる、項99に記載の骨プレート。
【0373】
101.空隙は、規則正しい間隔で隔てられている、項70から100のいずれかに記載の骨プレート。
【0374】
102.空隙は、互いに交差して格子を形成する、項70から101のいずれかに記載の骨プレート。
【0375】
103.骨を固定するための骨プレートであって、(A)重なりの領域のところで互いに重なり合う第1のプレート部材および第2のプレート部材であって、各プレート部材はプレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れるように重なりの領域の外側で1つまたは複数のスルーホールを画定する、第1のプレート部材および第2のプレート部材と、(B)重なりの領域内でプレート部材を互いに接続するコネクタであって、(a)少なくとも2つの非平行な平面におけるプレート部材の相対的な配向を変更することを許容する移動可能構成および(b)プレート部材の配向が固定されている固定構成を有する継手を形成する、コネクタとを備え、第1のプレート部材は、1つまたは複数のスルーホールを画定する本体部を備え、重なりの領域において本体部と第2のプレート部材との間に配設されている1つまたは複数の個別の変形可能な要素も備え、各変形可能な要素は、継手が固定構成にされたときに第1のプレート部材および第2のプレート部材の本体部によって変形可能な要素に加えられる圧縮力によって変形されるように構成される、骨プレート。
【0376】
104.本体部は、1つまたは複数の陥凹部を画定し、各変形可能な要素は、陥凹部のうちの少なくとも1つの中に配設される、項103に記載の骨プレート。
【0377】
105.各変形可能な要素は、少なくとも1つの陥凹部から突出し、突起部を形成する、項104に記載の骨プレート。
【0378】
106.第1および第2のプレート部材は、重なりの領域内で互いに補完的であり、互いに向かい合うそれぞれの第1および第2の表面領域を有し、各変形可能な要素は、第1の表面領域から突出して、突起部のうちの1つを形成する、項103から105のいずれかに記載の骨プレート。
【0379】
107.プレート部材は、コネクタによって画定された軸の周りで移動可能構成において相対的に回転可能である、項103から106のいずれかに記載の骨プレート。
【0380】
108.コネクタは、雄ネジを有する、項103から107のいずれかに記載の骨プレート。
【0381】
109.骨プレートは、骨と接触するように構成されている内面を有し、コネクタは、ヘッドとシャフトとを有し、ヘッドは、内面が下向きのときにシャフトの下にある、項103から108に記載の骨プレート。
【0382】
110.雄ネジは、左巻きである、項109に記載の骨プレート。
【0383】
111.プレート部材は、互いに直交する一対の平面内で移動可能構成において相対的に回転可能である、項103から110のいずれかに記載の骨プレート。
【0384】
112.第1のプレート部材および第2のプレート部材は、互いに補完的であるそれぞれの第1および第2の表面領域を有し、第2のプレート部材は、第2の表面領域に関して陥凹している1つまたは複数の空隙を画定する、項103から111のいずれかに記載の骨プレート。
【0385】
113.各変形可能な要素の少なくとも一部は、継手の固定構成において1つまたは複数の空隙のうちの少なくとも1つに貫入する、項112に記載の骨プレート。
【0386】
114.第1のプレート部材および第2のプレート部材は、互いに補完的であるそれぞれの第
1および第2の表面領域を有し、第2のプレート部材は、第2の表面領域に関して盛り上がっている1つまたは複数の突起部を画定し、1つまたは複数の突起部の各々は、継手が固定構成にされたときに変形可能な要素のうちの少なくとも1つを変形させる、項103から113のいずれかに記載の骨プレート。
【0387】
115.1つまたは複数の突起部は、少なくとも1つの隆起部を備える、項114に記載の骨プレート。
【0388】
116.1つまたは複数の変形可能な要素の各々は、ポリマーから形成され、本体部は、金属から形成される、項103から115のいずれかに記載の骨プレート。
【0389】
117.骨プレートは、橈骨遠位端に結合されるように構成される、項103から116のいずれかに記載の骨プレート。
【0390】
118.骨プレートの長さは、継手が移動可能構成にあるときに調整可能である、項103から117のいずれかに記載の骨プレート。
【0391】
119.骨を固定する方法であって、任意の順序で、(A)スルーホール内に配設されている留め具で項103の骨プレートを骨に結合するステップと、(B)継手が移動可能構成にある場合にプレート部材の相対的な配向を変更するステップと、(C)継手を固定構成にするステップとを含む、方法。
【0392】
120.変更するステップは、結合するステップの後に実行され、適宜、変更するステップは、骨プレートと係合している1つまたは複数の用具で骨プレートにトルクを加えるステップを含む、項119に記載の方法。
【0393】
121.骨プレートを結合するステップは、骨プレートを橈骨の遠位部分に結合するステップを含む、項119または120に記載の方法。
【0394】
122.骨は、不連続部を有し、結合するステップは、不連続部に重なる継手で実行され、適宜、不連続部は、骨折部である、項119から121のいずれかに記載の方法。
【0395】
123.骨を固定するための骨プレートであって、(A)重なりの領域のところで互いに重なり合う第1のプレート部材および第2のプレート部材であって、各プレート部材はプレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れるように重なりの領域の外側で1つまたは複数のスルーホールを画定する、第1のプレート部材および第2のプレート部材と、(B)重なりの領域内で一対のプレート部材を互いに接続するコネクタであって、(i)少なくとも2つの非平行な平面におけるプレート部材の相対的な配向を変更することを許容する移動可能構成および(ii)プレート部材の配向が固定されている固定構成を有する継手を形成する、コネクタとを備え、第1および第2のプレート部材は、重なりの領域内でそれぞれの第1および第2の開口を画定し、コネクタは、第1の開口から第2の開口まで延在し、第1のプレート部材は、第2の開口内に受け入れられる突出部を画定し、突出部および第2の開口は、非平行な平面の各々において配向に対する範囲をまとめて画定する、骨プレート。
【0396】
124.第1の開口は、突出部を貫通する、項123に記載の骨プレート。
【0397】
125.突出部は、第1の開口にセンタリングされる、項123または124に記載の骨プレート。
【0398】
126.コネクタは、ヘッドとシャフトとを有し、シャフトの一部分は、第1の開口および第2の開口内に配設される、項123から125のいずれかに記載の骨プレート。
【0399】
127.第2の開口は、コネクタの雄ネジと螺合するための雌ネジを有する、項123から126のいずれかに記載の骨プレート。
【0400】
128.第1のプレート部材は、第2のプレート部材に面する内面または外面を有し、第1の開口は、コネクタのヘッドが第1の開口を通過するのを防ぐ最小幅の領域を有し、第1の開口は、最小幅の領域から内面または外面まで進むにつれ広がり、突出部のための受容部を形成する、項123から127のいずれかに記載の骨プレート。
【0401】
129.第1のプレート部材の外面は、第2のプレート部材に面し、コネクタのヘッドは、外面が上を向いているときに最小幅の領域の下に配設される、項128に記載の骨プレート。
【0402】
130.コネクタは、左巻きの雄ネジを備えるシャフトを有する、項123から129のいずれかに記載の骨プレート。
【0403】
131.コネクタは、軸を画定し、受容部および突出部の各々は、軸に対する平行から30度以内である周壁を有する、項128から130のいずれかに記載の骨プレート。
【0404】
132.第1の開口の壁は、継手の移動可能構成にあるコネクタによって画定される軸の周りの突出部の回転を制限する、項123から131のいずれかに記載の骨プレート。
【0405】
133.突出部は、コネクタによって画定される軸の周りの60、45、または30度未満の角運動の範囲を有する、項132に記載の骨プレート。
【0406】
134.骨を固定するための骨プレートであって、(A)重なりの領域のところで互いに重なり合う一対のプレート部材であって、各プレート部材はプレート部材を骨に結合するために1つまたは複数の留め具を受け入れるように重なりの領域の外側で1つまたは複数のスルーホールを画定する、一対のプレート部材と、(B)重なりの領域内で一対のプレート部材を互いに接続するコネクタであって、(i)第1の平面内で連続的に、また第1の平面を横断する第2の平面内で離散的な増分により、プレート部材の相対的な配向を変更することを許容する移動可能構成および(ii)プレート部材の配向が固定されている固定構成を有する継手を形成する、コネクタとを備える、骨プレート。
【0407】
135.プレート部材のうちの一方は、一連の開口部を備え、他方のプレート部材は、第2の平面内で配向が変更される離散的な増分を与えるために開口部の各々に交換可能に受け入れられるように構成されている縁領域を備える、項134に記載の骨プレート。
【0408】
136.プレート部材のうちの一方は、一連の歯を備え、他方のプレート部材は、第2の平面内で配向が変更される離散的な増分を与えるために歯の連続する対の間に交換可能に受け入れられるように構成されている縁領域を備える、項134または135に記載の骨プレート。
【0409】
137.縁領域は、1つのプレート部材の周の一部を形成する、項135または136に記載の骨プレート。
【0410】
138.縁領域は、第1の平面内でアーチ形である、項135から137のいずれかに記載の骨プレート。
【0411】
139.各開口部は、第1の平面内でアーチ形である、項135、137、および138のいずれかに記載の骨プレート。
【0412】
140.プレート部材のうちの1つは、第1の平面内でプレート部材の相対的な運動の範囲を定めるのに役立つタブを備える、項134から139のいずれかに記載の骨プレート。
【0413】
141.タブは、骨プレートの上から見えており、第1の平面内の配向を指示している、項140に記載の骨プレート。
【0414】
142.タブは、他方のプレート部材によって画定されるスロット内に受け入れられ、タブとスロットの壁との接触は、第1の平面内の運動範囲を定める、項140または141に記載の骨プレート。
【0415】
143.骨プレートは、配向が離散的な増分で変更されるのを許容する歯止めを備える、項134から142のいずれかに記載の骨プレート。
【0416】
144.骨を固定するための骨プレートであって、(A)1つまたは複数の突起部を画定する第1の継手表面を形成する第1のプレート部材と、(B)1つまたは複数の空隙を画定する第2のプレート部材と、(C)継手表面が互いに面している状態でプレート部材を互いに接続するコネクタであって、(i)少なくとも2つの非平行な平面の各々におけるプレート部材の相対的な配向を変更することを許容する移動可能構成および(ii)プレート部材の配向が固定されている固定構成を有する継手を形成する、コネクタとを備え、1つまたは複数の突起部は、継手が固定構成にされたときに第2の継手表面を変形させ、および/または第2の継手表面によって変形されるように構成され、それにより、各突起部の少なくとも一部は、空隙のうちの少なくとも1つに入る、骨プレート。
【0417】
上で述べた開示は、ほかに依存しない有用性を有する複数の異なる発明を包含することができる。これらの発明のそれぞれは、好ましい形態で開示されているが、本明細書で開示され、例示されているようなその特定の実施形態は、多くの変形形態が可能であるため、限定的に考えるべきではない。発明の主題は、本明細書で開示されている様々な要素、特徴、機能、および/または特性のすべての新規性のある、また非自明である、組合せおよび部分的な組合せを含む。以下の請求項では、新規性があり、非自明であるものとみなされるいくつかの組合せおよび部分的な組合せを特に指摘する。特徴、機能、要素、および/または特性の他の組合せおよび部分的な組合せで具現化される発明は、本出願、または関連出願からの優先権を主張する出願において請求され得る。このような請求項も、異なる発明を対象としようと、同じ発明を対象としようと、また元の請求項への範囲が広かろうと、狭かろうと、等しかろうと、異なろうと、本開示の発明の主題の範囲内に含まれるものとみなされる。さらに、識別された要素に対する第1、第2、または第3などの序数は、要素同士を区別するために使用され、特に断りのない限りそのような要素の特定の位置または順序を示すものではない。
【符号の説明】
【0418】
80 骨プレート
82 移動可能継手
84、86 プレート部材
88 骨
90 留め具
92 開口部
94、96 運動矢印
100 コネクタ
120 骨プレート
122a、122b ヒンジ継手
124、126、128 プレート部材
132 表面マーキング
134a、134b スルーホール
136 タブ
138 軸体
140 下を切り取った領域
142 開口
144 リテーナまたはヘッド
145 広げられた領域
146、148 停止領域
150、152 停止領域
160 骨プレート
162、164 開口
166 係止部材
168 雌ネジ
170 雄ネジ
172 ヘッド
174 壁領域
176 中心スルーホール
178 骨ネジ
182 係止部材
200 骨プレート
202 ヒンジ継手
204 コネクタ
206、208 プレート部材
210、212 アーチ形の補完的な嵌合領域
214 ピボット軸
216 軌道
218 フランジ
220 下を切り取られた領域
222、224 開口
226 ネジ付き先端領域
230 骨プレート
232 ヒンジ継手
234 コネクタ
236、238 プレート部材
240 軸体
242 上側開口
244 ヘッドまたはコレット
246 刻み目
250 テーパ付きヘッド
252 テーパ付き壁領域
260 骨プレート
262 ヘッド部分
264 シャフト部分
266 ヒンジ継手
268 遠位プレート部材
270 近位プレート部材
272 受け入れ空間
274 端部領域
276 リップ部
278 横方向に凹んでいる領域
279 コネクタ
280 骨プレート
281、282 プレート部材
283 湾曲運動矢印
283a、283b 継手表面
286、287 継手表面領域
288 突起部
289 本体部
290 空隙
291 領域
292 変形可能な要素
293 陥凹部
294 突起部
300 骨プレート
302 多軸継手
304 ヘッドプレート部材
306 シャフトプレート部材
308 変形可能な要素
310 空隙
312 コネクタ
314、316 継手表面領域
317 重なり
318 中心軸
320、322 開口
324、326 軸
328 ヘッド
332 陥凹領域
334 シャフト
336 下側側壁領域
338 周囲壁領域
340 側壁領域
342 陥凹部
344 突起部
360 骨プレート
362 多軸継手
364 ヘッドプレート部材
366 シャフトプレート部材
367、368 表面領域
369 球体
370 中心部
372 コネクタ
374 ヘッド
376 シャフト
378 ドライバ接合面
380 突出部
382 開口
384 開口
386 最小幅の領域
388 受容部
389 空間
390 骨プレート
410 骨プレート
412 ヘッドプレート部材
414 シャフトプレート部材
416 多軸継手
418 逆係止ネジ
420 三角ナット
422 三角形の開口
440 骨プレート
442 ヘッドプレート部材
444 シャフトプレート部材
446 多軸継手
448 上側開口
450 下側開口
452、454 継手表面領域
456 空隙
462 突起部
490 骨プレート
492 多軸継手
494 ヘッド部分
496、498 プレート部材
500 シャフト部分
502 尺骨セクション
504 橈骨セクション
520 骨プレート
522 継手
524 ヘッドプレート部材
526 シャフトプレート部材
528 逆係止ネジ
530 受け入れ空間
532、534 継手表面
540、542 フランジ
560 骨プレート
562 継手
580 骨プレート
582 継手
584 ヘッドプレート部材
586 シャフトプレート部材
590 空隙
610 骨プレート
612 継手
614 平面
616 ヘッドプレート部材
618 シャフトプレート部材
630 骨プレート
632 ヒンジ継手
634 変形可能な要素
636 ヘッドプレート部材
638 シャフトプレート部材
640 係止ネジ
642 ピボット軸
644 陥凹部
646 ワッシャ
648 ヘッド
650 放射状の歯
660 骨プレート
662 継手
663 回転軸
664 ヘッドプレート部材
666 シャフトプレート部材
668 コネクタ
674 変形可能な要素
676 空隙
690 骨プレート
692 継手
700 骨プレート
702 ヒンジ継手
704 ヒンジ継手
706、708、710 プレート部材
712 鎖骨
714 骨折部
716 円形および長円のスルーホール
718 回転矢印
720 選択可能に変形可能な領域
722 陥凹部
724 中心刻み目
726 狭められた領域
730 骨プレート
732 ヒンジ継手
734、736、738 プレート部材
740 軸体
742 開口
744 本体部
746 スルーホール
748 重なり
750 リテーナ
752 端部領域
754 円筒形の領域
756 壁領域
758 スルーホール
760 ピボット軸
762 雌ネジ
764 座ぐり穴
766、768 壁
770 円形の領域
772 直線状領域
780 骨プレート
782 閉じたヒンジ継手
790 骨プレート
792 閉じたヒンジ継手
794、796、798 プレート部材
800 コネクタ
802 ヘッド
804 シャフト
806 骨接触表面
808 外面
810、812 開口
814 雄ネジ
816 段部
818 開口部
820 フランジ
824 円形のスルーホール
826 雌ネジ
830 骨プレート
832 閉じたヒンジ継手
834、836、838 プレート部材
840 コネクタ
842 スルーホール
846 軸方向通路
848 雌ネジ
850 座ぐり穴
854 嵌合特徴部
856 軌道
858 端部領域
860 軌道
862 端部領域
870 骨プレート
872 ヒンジ継手
874、876 プレート部材
878 コネクタ
880 ピン
882 アーチ形スロット
886 ヘッド
888 シャフト
890 開口部
892 嵌合特徴部
894 突起
896 陥凹部
898、900 開口
902 留め具
910 骨プレート
912 開いているヒンジ継手
914、916 プレート部材
918 スナップ式コネクタ
920、922 開口
924 ヘッド
926 シャフト
928 刻み目
930 軸セクション
932 係止特徴部
934 段部
938 スルーホール
940 雌ネジ
950a、950b 用具
960 骨プレート
962 多軸継手
964 ヘッドプレート部材
966 シャフトプレート部材
968 コネクタ
970、972 開口
974 ソケット
980 重なり
976 ヘッド表面領域
978 シャフト表面領域
980 重なり
982 突起部
984 空隙
986 本体部
988 変形可能な要素
990 スルーホール
992 陥凹部
994 本体部
996 突出部
998 平面
1002、1004 直線
1020 骨プレート
1022 シャフトプレート部材
1024 継手表面領域
1026 突起部
1028 本体部
1030 変形可能な要素
1040 骨プレート
1042 多軸継手
1044 ヘッドプレート部材
1046 シャフトプレート部材
1048 コネクタ
1050、1052 開口
1054、1056 継手表面
1060 歯
1062 縁
1064 刻み目
1066 平面
1068 平面
1070 タブ
1072 スロット
1080 骨プレート
1082 上腕骨近位
1084 ヘッドプレート部材
1086 シャフトプレート部材
1088 多軸継手