(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20220930BHJP
G16Y 10/50 20200101ALI20220930BHJP
【FI】
G06Q20/40
G16Y10/50
(21)【出願番号】P 2020112717
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2020-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【氏名又は名称】畑添 隆人
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100216367
【氏名又は名称】水谷 梨絵
(72)【発明者】
【氏名】土家 恒生
(72)【発明者】
【氏名】福島 祥子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 七聖
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-124839(JP,A)
【文献】特開2020-030773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16Y 10/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の処理を実行する第一処理サーバと、第二の処理を実行する第二処理サーバとを備える情報処理システムであって、
前記第一処理サーバは、
前記第二の処理の前に実行される前記第一の処理のための情報を要求されたユーザのユーザ端末から店舗端末によって取得されたユーザ識別情報を受信する識別情報受信手段と、
前記第一の処理のためにユーザから提示されて前記識別情報受信手段によって受信されたユーザ識別情報が、前記第一の処理に用いられる第一のユーザ識別情報であるか、又は前記第二の処理に用いられる第二のユーザ識別情報であるかを判定する判定手段と、
前記第一の処理のためにユーザから提示されて前記識別情報受信手段によって受信された前記ユーザ識別情報が前記第二のユーザ識別情報であると判定された場合に、該第二のユーザ識別情報を用いて前記第二処理サーバに問い合わせることで、前記受信されたユーザ識別情報に対応する第一のユーザ識別情報を特定するユーザ特定手段と、
前記第一のユーザ識別情報に基づいて前記第一の処理を行う第一処理手段とを備え
、
前記第二処理サーバは、前記第一の処理の後、前記第二の処理を行う第二処理手段を備える、
情報処理システム。
【請求項2】
前記第二処理サーバは、
前記第二のユーザ識別情報に基づいて前記第二の処理を行う旨の指示を受信する指示受信手段
を更に備え、
前記第二処理手段は、受信された前記ユーザ識別情報が前記第二のユーザ識別情報であると判定され、且つ前記第二のユーザ識別情報に基づいて前記第二の処理を行う旨の指示が受け付けられた場合に、該第二のユーザ識別情報に基づいて、前記第二の処理を行
う、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第一処理手段は、前記識別情報受信手段によって受信された第一のユーザ識別情報に係るユーザ、又は前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザについて、前記第一の処理を行う、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第一処理サーバは、
ユーザ端末からの要求に応じて前記第一の処理のための第一のユーザ識別情報を生成する第一生成手段と、
生成された前記第一のユーザ識別情報を、前記ユーザ端末のユーザに関連づけて記憶する第一記憶手段と、を更に備え、
前記第一処理手段は、前記識別情報受信手段によって受信された第一のユーザ識別情報を用いて前記第一記憶手段を検索することで、前記第一の処理の対象となるユーザを特定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第二処理サーバは、
ユーザ端末からの要求に応じて前記第二の処理のための第二のユーザ識別情報を生成する第二生成手段と、
生成された前記第二のユーザ識別情報を、前記ユーザ端末のユーザに関連づけて記憶する第二記憶手段と、を更に備え、
前記第二処理手段は、前記識別情報受信手段によって受信された第二のユーザ識別情報を用いて前記第二記憶手段を検索することで、前記第二の処理の対象となるユーザを特定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記ユーザ特定手段は、前記第二処理手段に、受信された前記第二のユーザ識別情報を用いて前記第二記憶手段を検索させることで、前記第一の処理の対象となるユーザを特定する、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第二の処理は、前記ユーザのために行われる決済処理であり、
前記第二のユーザ識別情報は、前記ユーザの決済手段にアクセスするための識別情報である、
請求項1から6の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第一の処理は、前記ユーザのアカウントに関連づけられた所定の種類のバリューの使用可能な残高を取得する処理、該バリューの使用可能な残高を前記ユーザ識別情報の送信元に通知する処理、及び該バリューを前記
ユーザのために行われる決済の一部又は全部に充当する処理、の少なくとも何れかであり、
前記第一のユーザ識別情報は、前記ユーザのアカウントにアクセスするための識別情報である、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
第一処理サーバによって実行される第一の処理のための情報を要求されたユーザから提示されたユーザ識別情報を読み取る識別情報読取手段と、
前記第一の処理のためにユーザから提示されて前記識別情報読取手段によって読み取られた前記ユーザ識別情報が、前記第一の処理に用いられる第一のユーザ識別情報であるか、又は第二処理サーバによって実行される第二の処理に用いられる第二のユーザ識別情報であるかにかかわらず、該ユーザ識別情報を、前記第一処理サーバへ送信する第一送信手段と、
前記識別情報読取手段によって読み取られた前記ユーザ識別情報が前記第二のユーザ識別情報である場合に、前記第一の処理の後、該第二のユーザ識別情報を、前記第二処理サーバへ送信する第二送信手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項10】
前記第二の処理は、前記ユーザのために行われる決済処理であり、
前記第二のユーザ識別情報は、前記ユーザの決済手段にアクセスするための識別情報である、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第一の処理は、前記ユーザのアカウントに関連づけられた所定の種類のバリューの使用可能な残高を取得する処理、該バリューの使用可能な残高を前記ユーザ識別情報の送信元に通知する処理、及び該バリューを前記
ユーザのために行われる決済の一部又は全部に充当する処理、の少なくとも何れかであり、
前記第一のユーザ識別情報は、前記ユーザのアカウントにアクセスするための識別情報である、
請求項9又は10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
第一の処理を実行する第一処理サーバと、第二の処理を実行する第二処理サーバとを備える情報処理システムにおいて、
前記第一処理サーバが、
前記第二の処理の前に実行される前記第一の処理のための情報を要求されたユーザのユーザ端末から店舗端末によって取得されたユーザ識別情報を受信する識別情報受信ステップと、
前記第一の処理のためにユーザから提示されて前記識別情報受信
ステップで受信されたユーザ識別情報が、前記第一の処理に用いられる第一のユーザ識別情報であるか、又は前記第二の処理に用いられる第二のユーザ識別情報であるかを判定する判定ステップと、
前記第一の処理のためにユーザから提示されて前記識別情報受信
ステップで受信された前記ユーザ識別情報が前記第二のユーザ識別情報であると判定された場合に、該第二のユーザ識別情報を用いて前記第二処理サーバに問い合わせることで、前記受信されたユーザ識別情報に対応する第一のユーザ識別情報を特定するユーザ特定ステップと、
前記第一のユーザ識別情報に基づいて前記第一の処理を行う第一処理ステップと、
を実行する方法。
【請求項13】
第一の処理を実行する第一処理サーバと、第二の処理を実行する第二処理サーバとを備える情報処理システムにおいて、
前記第一処理サーバを、
前記第二の処理の前に実行される前記第一の処理のための情報を要求されたユーザのユーザ端末から店舗端末によって取得されたユーザ識別情報を受信する識別情報受信手段と、
前記第一の処理のためにユーザから提示されて前記識別情報受信手段によって受信されたユーザ識別情報が、前記第一の処理に用いられる第一のユーザ識別情報であるか、又は前記第二の処理に用いられる第二のユーザ識別情報であるかを判定する判定手段と、
前記第一の処理のためにユーザから提示されて前記識別情報受信手段によって受信された前記ユーザ識別情報が前記第二のユーザ識別情報であると判定された場合に、該第二のユーザ識別情報を用いて前記第二処理サーバに問い合わせることで、前記受信されたユーザ識別情報に対応する第一のユーザ識別情報を特定するユーザ特定手段と、
前記第一のユーザ識別情報に基づいて前記第一の処理を行う第一処理手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータが、
第一処理サーバによって実行される第一の処理のための情報を要求されたユーザから提示されたユーザ識別情報を読み取る識別情報読取ステップと、
前記第一の処理のためにユーザから提示されて前記識別情報読取ステップで読み取られた前記ユーザ識別情報が、前記第一の処理に用いられる第一のユーザ識別情報であるか、又は第二処理サーバによって実行される第二の処理に用いられる第二のユーザ識別情報であるかにかかわらず、該ユーザ識別情報を、前記第一処理サーバへ送信する第一送信ステップと、
前記識別情報読取ステップで読み取られた前記ユーザ識別情報が前記第二のユーザ識別情報である場合に、前記第一の処理の後、該第二のユーザ識別情報を、前記第二処理サーバへ送信する第二送信ステップと、
を実行する方法。
【請求項15】
コンピュータを、
第一処理サーバによって実行される第一の処理のための情報を要求されたユーザから提示されたユーザ識別情報を読み取る識別情報読取手段と、
前記第一の処理のためにユーザから提示されて前記識別情報読取手段によって読み取られた前記ユーザ識別情報が、前記第一の処理に用いられる第一のユーザ識別情報であるか、又は第二処理サーバによって実行される第二の処理に用いられる第二のユーザ識別情報であるかにかかわらず、該ユーザ識別情報を、前記第一処理サーバへ送信する第一送信手段と、
前記識別情報読取手段によって読み取られた前記ユーザ識別情報が前記第二のユーザ識別情報である場合に、前記第一の処理の後、該第二のユーザ識別情報を、前記第二処理サーバへ送信する第二送信手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザ識別情報を用いてユーザを識別し、サービスを提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、処理の種類に応じて異なるユーザ識別情報が用いられるシステムが種々用いられている(非特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】楽天株式会社「楽天PointClub:楽天ポイントガイド」、[2020年6月21日検索]、インターネット<URL:https://point.rakuten.co.jp/guidance/?l-id=point_header_guidance2>
【文献】楽天ペイメント株式会社「楽天ペイ - 街もネットも簡単お支払い!期間限定ポイント使える!」[2020年6月21日検索]、インターネット<URL:https://pay.rakuten.co.jp/?l-id=header_nav_top>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、複数の種類の処理を実行可能であり、且つ処理の種類に応じて異なるユーザ識別情報が用いられるシステムが種々存在する。しかし、このようなシステムでは、同一のユーザについて種類の異なる処理を順に実行する場合でも、処理の種類毎にユーザ識別情報が異なるため、処理の都度、ユーザに対してユーザ識別情報の提示を求め、ユーザ識別情報を取得する作業が行われる。
【0005】
本開示は、上記した問題に鑑み、複数の種類の処理を実行可能であり、且つ処理の種類に応じて異なるユーザ識別情報が用いられるシステムにおいて、ユーザ識別情報を取得する作業の手間を軽減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例は、第二の処理の前に実行される第一の処理のためにユーザから提示されたユーザ識別情報を受信する識別情報受信手段と、受信されたユーザ識別情報が、前記第一の処理のための第一のユーザ識別情報であるか、又は前記第二の処理のための第二のユーザ識別情報であるかを判定する判定手段と、受信された前記ユーザ識別情報が前記第二のユーザ識別情報であると判定された場合に、該第二のユーザ識別情報に基づいて、前記第一の処理の後、前記第二の処理を行う第二処理手段と、を備える情報処理システムである。
【0007】
本開示は、情報処理装置、システム、コンピュータによって実行される方法又はコンピュータに実行させるプログラムとして把握することが可能である。また、本開示は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものとしても把握できる。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、複数の種類の処理を実行可能であり、且つ処理の種類に応じて異なるユーザ識別情報が用いられるシステムにおいて、ユーザ識別情報を取得する作業の手間を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成を示す概略図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成の概略を示す図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。
【
図4】実施形態に係る決済フローの概要を示すフローチャート及び通信シーケンス(1)である。
【
図5】実施形態に係る決済フローの概要を示すフローチャート及び通信シーケンス(2)である。
【
図6】実施形態に係る決済フローの概要を示すフローチャート及び通信シーケンス(3)である。
【
図7】実施形態に係る決済フローの概要を示すフローチャート及び通信シーケンス(4)である。
【
図8】実施形態において作成されるポイント付与ファイルの概要を示す図である。
【
図9】実施形態において決済ユーザ識別情報記憶部(第二記憶部)によって記憶されるデータの概要を示す図である。
【
図10】実施形態に係るポイント付与フローの概要を示すフローチャート及び通信シーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る情報処理システム、情報処理装置、方法及びプログラムの実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する実施の形態は、実施形態を例示するものであって、本開示に係る情報処理システム、情報処理装置、方法及びプログラムを以下に説明する具体的構成に限定するものではない。実施にあたっては、実施の態様に応じた具体的構成が適宜採用され、また、種々の改良や変形が行われてよい。
【0011】
本実施形態では、本開示に係る情報処理システム、情報処理装置、方法及びプログラムを、決済システムにおいて実施した場合の実施の形態について説明する。但し、本開示に係る情報処理システム、情報処理装置、方法及びプログラムは、ユーザ識別情報に基づいてユーザに対してサービスを提供するための技術について広く用いることが可能であり、本開示の適用対象は、実施形態において示した例に限定されない。
【0012】
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係るシステムの構成を示す概略図である。本実施形態に係るシステムは、ネットワークに接続されることで互いに通信可能なポイント処理サーバ1と、決済処理サーバ3と、1又は複数のPOS(point of sale)端末5と、1又は複数のユーザ端末9とを備える。なお、本実施形態では、ポイント処理と決済処理とが異なるサーバにおいて処理される構成を例に挙げて説明するが、ネットワークや装置の構成は、本実施形態における例示に限定されない。例えば、ポイント処理と決済処理とは単一のサーバによって処理されてもよいし、また、ポイント処理及び決済処理の夫々は、更に複数のサーバに分散して処理されてもよい。
【0013】
本実施形態に係るシステムは、第一の処理、第二の処理、及び第三の処理を実行可能なシステムである。本実施形態において、第一の処理は、ユーザのアカウントに関連づけられた所定の種類のバリューの使用可能な残高を取得する処理、当該バリューの使用可能な残高をユーザ識別情報の送信元(本実施形態では、POS端末)に通知する処理、及び当該バリューを決済の一部又は全部に充当する処理、の少なくとも何れかであり、対象ユーザに係る第二の処理(本実施形態では、決済処理)の前に、後述する第一処理部によって処理される。また、本実施形態において、第二の処理は、ユーザのために行われる決済処理であり、後述する第二処理部によって処理される。また、本実施形態において、第三の処理は、決済処理された額に応じて、ユーザのアカウントに関連づけられた所定のバリューの残高を加算する処理(本実施形態では、ポイント付与処理)であり、対象ユーザに係る第二の処理の後に、後述する第三処理部によって実行される。
【0014】
但し、本実施形態において説明する第一の処理、第二の処理、及び第三の処理の具体的な内容は、本開示に係る技術を適用する場合の例示であり、本実施形態に開示された具体例に限定されない。例えば、第一の処理は、ポイントを用いない割引処理(クーポンコード割引等)であってもよいし、第二の処理は、一般的な通貨以外のバリュー(ポイントやマイル等)を用いる決済処理であってもよい。その他、本開示に係る技術は、処理の種類に応じて異なるユーザ識別情報が用いられる様々なシステムに適用可能である。
【0015】
図2は、本実施形態に係るシステムのハードウェア構成の概略を示す図である。ポイント処理サーバ1は、ユーザに対してポイントサービスを提供するためのサーバである。ポイント処理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置14、NIC(Network Interface Card)等の通信ユニット15、等を備えるコンピュータである。但し、ポイント処理サーバ1の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、ポイント処理サーバ1は、単一の筐体からなる装置に限定されない。ポイント処理サーバ1は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
【0016】
決済処理サーバ3は、ユーザに対して決済サービスを提供するためのサーバである。決済処理サーバ3は、ポイント処理サーバ1同様、CPU31、ROM32、RAM33、記憶装置34、通信ユニット35等を備えるコンピュータである。但し、決済処理サーバ3の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、決済処理サーバ3は、単一の筐体からなる装置に限定されない。決済処理サーバ3は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
【0017】
POS端末5は、店舗等の、ユーザが商品やサービスを購入する場所に設定されて、商品/サービスが購入される際の決済等を行うための端末装置である。POS端末5は、CPU51、ROM52、RAM53、記憶装置54、通信ユニット55、入力装置56、出力装置57等を備えるコンピュータである。ここで、POS端末5は、入力装置36として、キーボードやタッチパネルの他に、光学コードリーダやRFIDリーダ等の、ユーザ識別情報を読み取るための装置を備える。但し、POS端末5の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。例えば、POS端末5として、従来のPOSレジスター端末に代えて、入出力装置としてタッチパネルディスプレイを備え、ユーザが所望のアプリケーションをインストールし実行可能な所謂スマートフォンが用いられてもよく、POS端末5として用いることができる機器の種類は限定されない。また、POS端末5は、単一の筐体からなる装置に限定されない。POS端末5は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
【0018】
ユーザ端末9は、ユーザによって使用される端末装置である。ユーザ端末9は、CPU、ROM、RAM、記憶装置、通信ユニット、入力装置、出力装置等(図示は省略する)を備えるコンピュータである。また、ユーザ端末9は、単一の筐体からなる装置に限定されない。ユーザ端末9は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。ユーザは、これらのユーザ端末9を介してポイント処理サーバ1及び決済処理サーバ3によって提供される各種サービスを利用する。
【0019】
図3は、本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。POS端末5は、記憶装置54に記録されているプログラムが、RAM53に読み出され、CPU51によって実行されて、POS端末5に備えられた各ハードウェアが制御されることで、識別情報読取部61、第一送信部62及び第二送信部63を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、POS端末5の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU51によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
【0020】
識別情報読取部61は、ポイント残高取得/通知/使用処理(第一の処理)のためにユーザから提示されたユーザ識別情報を読み取る。
【0021】
第一送信部62は、識別情報読取部61によって読み取られたユーザ識別情報が、ポイント残高取得/通知/使用処理(第一の処理)のためのポイントユーザ識別情報(第一のユーザ識別情報)であるか、又は決済処理(第二の処理)のための決済ユーザ識別情報(第二のユーザ識別情報)であるかにかかわらず、当該ユーザ識別情報を、ポイント残高取得/通知/使用処理を行うポイント処理サーバ(第一処理サーバ)1へ送信する。
【0022】
第二送信部63は、識別情報読取部61によって読み取られたユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報(第二のユーザ識別情報)である場合に、ポイント残高取得/通知/使用処理(第一の処理)の後、当該決済ユーザ識別情報を、決済処理(第二の処理)を行う決済処理サーバ(第二処理サーバ)3へ送信する。
【0023】
ポイント処理サーバ1は、記憶装置14に記録されているプログラムが、RAM13に読み出され、CPU11によって実行されて、ポイント処理サーバ1に備えられた各ハードウェアが制御されることで、ポイントユーザ識別情報生成部(第一生成部)21、ポイントユーザ識別情報記憶部(第一記憶部)22、識別情報受信部23、判定部24、ユーザ特定部25、ポイント処理部(第一処理部)26及びポイント付与部(第三処理部)27を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、ポイント処理サーバ1の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
【0024】
ポイントユーザ識別情報生成部(第一生成部)21は、ユーザ端末9からの要求に応じてポイント残高取得/通知/使用処理(第一の処理)及び/又はポイント付与処理(第三の処理)のためのポイントユーザ識別情報(第一のユーザ識別情報)を生成する。本実施形態において、ポイントユーザ識別情報は、ユーザのアカウントにアクセスするための識別情報である。なお、本実施形態では、ポイントユーザ識別情報として、生成の都度異なる値が生成され、所定の条件に従って無効化されるベンダーユーザ識別情報が用いられる例について説明するが、ポイントユーザ識別情報には、その他の態様が採用されてもよい。例えば、ポイントユーザ識別情報は、一時的なものではなく、固定された情報であってもよい。この際、固定されたユーザ識別情報は、ポイントサービス用のアプリケーションに表示されてもよいし、カード媒体に記録されたものであってもよい。
【0025】
ポイントユーザ識別情報記憶部(第一記憶部)22は、生成されたポイントユーザ識別情報(第一のユーザ識別情報)を、ユーザ端末9のユーザに関連づけて記憶する。
【0026】
識別情報受信部23は、ポイント残高取得/通知/使用処理(第一の処理)のためにユーザから提示されたユーザ識別情報を受信する。更に、識別情報受信部23は、ポイント付与処理(第三の処理)を実行するために、決済処理(第二の処理)の完了後に、ポイント残高取得/通知/使用処理又は決済処理のためにユーザから提示されたユーザ識別情報を受信する。
【0027】
判定部24は、受信されたユーザ識別情報が、ユーザに係るポイント残高取得/通知/使用処理(第一の処理)のためのポイントユーザ識別情報(第一のユーザ識別情報)であるか、又はポイント残高取得/通知/使用処理の後に実行される決済処理(第二の処理)のための決済ユーザ識別情報(第二のユーザ識別情報)であるかを判定する。
【0028】
ユーザ特定部25は、受信されたユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報(第二のユーザ識別情報)であると判定された場合に、決済処理サーバ3の決済処理部(第二処理部)44に、受信された決済ユーザ識別情報を用いて決済ユーザ識別情報記憶部(第二記憶部)42を検索させることで、ポイント残高取得/通知/使用処理(第一の処理)及び/又はポイント付与処理(第三の処理)の対象となるユーザを特定する。
【0029】
ポイント処理部(第一処理部)26は、識別情報受信部23によって受信されたポイントユーザ識別情報(第一のユーザ識別情報)に係るユーザ、又はユーザ特定部25によって特定されたユーザについて、ポイント残高取得/通知/使用処理(第一の処理)を行う。この際、ポイント処理部(第一処理部)26は、識別情報受信部23によって受信されたポイントユーザ識別情報を用いてポイントユーザ識別情報記憶部(第一記憶部)22を検索することで、ポイント残高取得/通知/使用処理の対象となるユーザを特定する。
【0030】
ポイント付与部(第三処理部)27は、識別情報受信部23によって受信されたポイントユーザ識別情報(第一のユーザ識別情報)に係るユーザ、又はユーザ特定部25によって特定されたユーザについて、決済処理(第二の処理)の後に実行されるポイント付与処理(第三の処理)を行う。
【0031】
決済処理サーバ3は、記憶装置34に記録されているプログラムが、RAM33に読み出され、CPU31によって実行されて、決済処理サーバ3に備えられた各ハードウェアが制御されることで、決済ユーザ識別情報生成部(第二生成部)41、決済ユーザ識別情報記憶部(第二記憶部)42、指示受信部43及び決済処理部(第二処理部)44を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、決済処理サーバ3の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU31によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
【0032】
決済ユーザ識別情報生成部(第二生成部)41は、ユーザ端末9からの要求に応じて決済処理(第二の処理)のための決済ユーザ識別情報(第二のユーザ識別情報)を生成する。本実施形態において、決済ユーザ識別情報は、ユーザの決済手段にアクセスするための識別情報である。なお、本実施形態では、決済ユーザ識別情報として、生成の都度異なる値が生成され、一回使用されることで無効化されるワンタイムユーザ識別情報が用いられる例について説明するが、決済ユーザ識別情報には、その他の態様が採用されてもよい。例えば、決済ユーザ識別情報は、可変ではなく、固定された情報であってもよい。この際、固定されたユーザ識別情報は、決済サービス用のアプリケーションに表示されてもよいし、カード媒体に記録されたものであってもよい。
【0033】
決済ユーザ識別情報記憶部(第二記憶部)42は、生成された決済ユーザ識別情報(第二のユーザ識別情報)を、ユーザ端末9のユーザに関連づけて記憶する。
【0034】
指示受信部43は、決済ユーザ識別情報(第二のユーザ識別情報)に基づいて決済処理(第二の処理)を行う旨の指示を受信する。
【0035】
決済処理部(第二処理部)44は、受信されたユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報(第二のユーザ識別情報)であると判定され、且つ決済ユーザ識別情報に基づいて決済処理(第二の処理)を行う旨の指示が受け付けられた場合に、当該決済ユーザ識別情報に基づいて、決済処理を行う。この際、決済処理部(第二処理部)44は、識別情報受信部23によって受信された決済ユーザ識別情報を用いて決済ユーザ識別情報記憶部(第二記憶部)42を検索することで、決済処理の対象となるユーザを特定する。
【0036】
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係る情報処理システムによって実行される処理の流れを説明する。なお、以下に説明する処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0037】
図4から
図7は、本実施形態に係る決済フローの概要を示すフローチャート及び通信シーケンスである。本フローチャートに示された処理は、POS端末5において、商品やサービスに付されたバーコードがスキャンされたり、店員(オペレータ)によって商品/サービスの価格が入力されたりした後で、顧客(ユーザ)による決済額を確定するための操作(例えば、「小計」ボタンの押下等)が行われたことを契機として実行される。
【0038】
ステップS101からステップS107では、ユーザの決済額が確定され、ポイントサービスの利用有無が判定される。POS端末5は、オペレータによる決済額確定操作を受け付けると、ユーザによる決済額を確定し(ステップS101)、ポイントサービスの利用有無をユーザに確認するための入力受付画面(例えば、オペレータやユーザに利用有無の指示操作を受け付けるための画面や、ユーザ識別情報読取の待機画面)を出力する(ステップS102)。この際、オペレータはユーザに対してポイントサービスの利用有無を訊ね、ポイントサービスを利用するためのユーザ識別情報(本実施形態では、ポイントユーザ識別情報)を提示するよう要求する。ユーザは、ポイントサービスの利用を希望する場合、オペレータに対してその旨を伝え、ユーザ識別情報を読み取らせるための媒体(コードが表示されたユーザ端末や、コードが印刷されたカード、コードが記録されたRFIDタグ等)を提示する。ここで、ユーザ識別情報を示すコードは、一次元コード(所謂バーコード)や二次元コード(所謂二次元バーコード)の形式を有してよい。
【0039】
本実施形態では、ポイントユーザ識別情報として、ポイント処理サーバ1によって生成されたベンダーユーザ識別情報が用いられる。ポイント処理サーバ1のポイントユーザ識別情報生成部(第一生成部)21は、ユーザが使用するスマートフォン等のユーザ端末9において起動されたポイントサービス用のアプリケーションによって送信(ステップS103)されたポイントユーザ識別情報の発行要求を、インターネットを介して受信し、ポイント処理用のポイントユーザ識別情報を生成し、発行する(ステップS104)。ここで生成されるポイントユーザ識別情報は、ポイント処理サーバ1のポイントユーザ識別情報記憶部(第一記憶部)22において、ユーザIDと関連づけられて記録される。
【0040】
但し、この際、ユーザがポイントユーザ識別情報以外のユーザ識別情報を提示する場合がある。本実施形態では、ユーザが、ポイント処理にも使用できることを知って、又は誤って、決済処理用のユーザ識別情報を提示する例について説明する。本実施形態では、決済ユーザ識別情報として、決済処理サーバ3によって生成されたワンタイムユーザ識別情報(一回のみ利用可能なユーザ識別情報であり、一度使用されると無効化されるユーザ識別情報)が用いられる。決済処理サーバ3の決済ユーザ識別情報生成部(第二生成部)41は、ユーザが使用するスマートフォン等のユーザ端末9において起動された決済処理用のアプリケーション(上記説明したポイントサービス用のアプリケーションと同一のアプリケーションとして実装されてよい)によって送信(ステップS103)された決済ユーザ識別情報の発行要求を、インターネットを介して受信し、決済処理用の決済ユーザ識別情報を生成し、発行する(ステップS105)。ここで生成される決済ユーザ識別情報は、決済処理サーバ3の決済ユーザ識別情報記憶部(第二記憶部)42において、ユーザIDと関連づけられて記録される。
【0041】
ここで、ユーザIDは、ポイント処理サーバ1と決済処理サーバ3との双方からアクセス可能なユーザ管理システム(図示は省略する)によって管理されるIDである。このため、本実施形態では、ポイント処理サーバ1及び決済処理サーバ3は、当該ユーザ管理システムによって管理されるユーザIDを介して、異なるユーザ識別情報が付されたユーザの同一性を確認出来る。
【0042】
なお、ユーザ端末9において実行されるポイントサービス用のアプリケーションと決済処理用のアプリケーションとは、両方の機能を有する一のアプリケーションとして実装されてよい。以下、当該アプリケーションを、まとめてポイント/決済処理用アプリケーションと称する。ユーザ端末9のポイント/決済処理用アプリケーションは、発行されたポイントユーザ識別情報又は決済ユーザ識別情報を受信し、受信されたユーザ識別情報に基づくコード(一次元/二次元コード)をユーザ端末9のディスプレイに表示させる(ステップS106)。ユーザは、表示されたコードをオペレータに提示し、オペレータは、POS端末5のコードリーダを用いて、表示されたコードからユーザ識別情報を読み取る。
【0043】
POS端末5において、ポイントサービスの利用をユーザが希望しないことを示す操作が受け付けられると(ステップS107のNO)、ポイントサービスの利用に係る処理はスキップされ、処理はステップS123へ進む。一方、POS端末5の識別情報読取部61が、オペレータの操作によってユーザ識別情報を読み取ると(ステップS107のYES)、処理はステップS109へ進む。
【0044】
ステップS109からステップS110では、ポイント残高の照会要求と、それに伴うユーザ識別情報が送受信される。POS端末5の第一送信部62は、オペレータの操作によってユーザが提示したコードからユーザ識別情報が読み取られると、ユーザによってポイントサービスの利用が希望されたと判断し(ステップS107のYES)、コードから読み取られたユーザ識別情報(本実施形態では、ポイントユーザ識別情報又は決済ユーザ識別情報)を、ポイント処理サーバ1に送信する(ステップS109)。ポイント処理サーバ1の識別情報受信部23は、POS端末5から送信されたユーザ識別情報を受信する(ステップS110)。その後、処理はステップS111へ進む。
【0045】
ステップS111からステップS116では、受信されたユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報である場合に、決済ユーザ識別情報に基づいて対象ユーザが特定される。判定部24は、受信されたユーザ識別情報が、ポイントユーザ識別情報であるか、又は決済ユーザ識別情報であるかを判定する(ステップS111)。ポイントユーザ識別情報であるか、又は決済ユーザ識別情報であるかの判定の方法については、
図8の説明において後述する。ここで、受信されたユーザ識別情報がポイントユーザ識別情報であると判定された場合、ステップS112からステップS116の処理はスキップされ、処理はステップS117へ進む。
【0046】
一方、受信されたユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報であると判定された場合、ポイント処理サーバ1内では、対象ユーザを特定できない。このため、ポイント処理サーバ1のユーザ特定部25は、決済処理サーバ3に対して決済ユーザ識別情報を送信することで、対象ユーザを問い合わせる(ステップS112)。決済処理サーバ3の決済処理部(第二処理部)44は、問い合わせを受信すると、受信された決済ユーザ識別情報を検索キーとして、ステップS105で生成されて記録された決済ユーザ識別情報記憶部(第二記憶部)42を検索することで、対応するユーザIDを抽出し(ステップS113)、ポイント処理サーバ1へ回答する(ステップS114)。ポイント処理サーバ1のユーザ特定部25は、決済処理サーバ3から受信されたユーザIDに基づいて、対象ユーザを特定する(ステップS115)。対象ユーザが特定されると、ポイント処理サーバ1のポイントユーザ識別情報生成部(第一生成部)21は、対象ユーザに対してポイントユーザ識別情報を発行し、発行されたポイントユーザ識別情報で、POS端末5から受信された決済ユーザ識別情報を置換する(ステップS116)。その後、処理はステップS117へ進む。
【0047】
ステップS117及びステップS118では、ポイント残高が取得され、通知される。ポイント処理サーバ1のポイント処理部(第一処理部)26は、ユーザID又はポイントユーザ識別情報に基づいて、対象ユーザアカウントのポイント残高を取得し(ステップS117)、対象ユーザのポイントユーザ識別情報及びポイント残高を、POS端末5に対して送信する(ステップS118)。送信された情報はPOS端末5によって受信され、その後、処理はステップS119へ進む。
【0048】
ステップS119からステップS122では、ユーザの要求に応じてポイントが使用される。POS端末5は、ステップS118で受信された、対象ユーザアカウントのポイント残高を表示し、これらのポイントの全部又は一部について、今回の決済に充当するか否かの指示を受け付けるための画面を表示する(ステップS119)。ポイントを決済に充当しないとの指示が受け付けられた場合(ステップS120のNO)、ポイント使用処理はスキップされ、処理はステップS123へ進む。一方、ポイントを使用する(決済に充当する)との指示、及び使用するポイントの量を指定する指示が受け付けられた場合(ステップS120のYES)、POS端末5は、受けつけられたポイント使用指示及び使用ポイント量をポイント処理サーバ1に送信する。ポイント処理サーバ1は、POS端末5から送信された情報を受信し、ポイント処理サーバ1のポイント処理部(第一処理部)26は、指定された量のポイントを、対象ユーザアカウントのポイント残高から減らすことで、ポイント残高を更新する。ポイント処理サーバ1によってポイント使用が受け付けられたことが確認されると、POS端末5は、決済額から使用されたポイントに相当する額を減じることで、ポイントを決済の一部又は全部に充当し、決済額を変更する(ステップS121及びステップS122)。その後、処理はステップS123へ進む。
【0049】
ステップS123からステップS126では、決済方法が選択され、選択に応じた決済処理が実行される。POS端末5は、ユーザが希望する決済手段を受け付けるための画面を表示し、決済手段の選択(宣言キーの押下による確定操作)を受け付ける(ステップS123)。ここで、現金等、決済処理サーバ3による決済手段以外の決済手段(以下、「対象外決済手段」と称する)を利用するとの指示が受け付けられた場合、POS端末5は、指示された決済手段を用いて決済処理を実行し(ステップS124)、決済を完了させる(ステップS134)。対象外決済手段による処理の詳細については、説明を省略する。一方、決済処理サーバ3による決済手段(以下、「対象決済手段」と称する)を利用するとの指示が受け付けられた場合、POS端末5は、ステップS107で読み取られたユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報であるか否かを判定する(ステップS125)。ステップS107で読み取られたユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報であると判定された場合(ステップS125のYES)、処理はステップS128へ進む。
【0050】
一方、ステップS107で読み取られたユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報でないと判定された場合(ステップS125のNO)、対象決済手段のための決済ユーザ識別情報は未取得であるため、オペレータはユーザに対して対象決済手段を利用するための決済ユーザ識別情報(本実施形態では、決済ユーザ識別情報)を提示するよう要求し、POS端末5の識別情報読取部61は、表示されたコードから決済ユーザ識別情報を読み取る(ステップS126)。その後、処理はステップS128へ進む。
【0051】
ここで、ユーザ端末9からの決済ユーザ識別情報の発行要求を受けた決済処理サーバ3が、決済ユーザ識別情報を生成及び発行し、ユーザ端末9が、発行された決済ユーザ識別情報を受信して表示し、POS端末5が決済ユーザ識別情報をコードから読み取る処理の流れについては、ステップS105からステップS107における処理の流れと概略同様であるため、説明を省略する。
【0052】
ステップS128及びステップS129では、対象決済手段による決済の指示が送受信される。ステップS125において、ステップS107で読み取られたユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報であると判定された場合(ステップS125のYES)、又は、ステップS126において、決済ユーザ識別情報が読み取られた場合、POS端末5の第二送信部63は、対象決済手段による決済処理の指示及び決済ユーザ識別情報を、決済額(ポイントが使用された場合、変更後の決済額)を含む決済情報と併せて、決済処理サーバ3に送信する(ステップS128)。即ち、本実施形態において、POS端末5は、ステップS109で決済ユーザ識別情報をポイント処理サーバ1に対して送信していた場合、ポイント処理の後にこれを決済処理サーバ3に対しても送信することで、一度読み取った決済ユーザ識別情報を再利用する。決済処理サーバ3の指示受信部43が、POS端末5から送信された決済処理の指示、決済ユーザ識別情報及び決済情報を受信すると(ステップS129)、処理はステップS131へ進む。
【0053】
ステップS131からステップS136では、決済額に対する決済及び情報の記録が行われる。決済処理サーバ3の決済処理部(第二処理部)44は、POS端末5から送信されて受信された決済ユーザ識別情報が、決済処理サーバ3において過去に発行されて現在有効である決済ユーザ識別情報と一致することを確認することで、決済の認可(オーソライズ)を行う(ステップS131)。決済が認可されると、決済処理部(第二処理部)44は、ステップS129で受信された決済処理の指示に係る決済額を決済し(ステップS132)、決済完了をPOS端末5及びユーザ端末9のポイント/決済処理用アプリケーションに対して通知する(ステップS133)。POS端末5は、決済処理サーバ3から決済完了の通知を受信し、決済を完了させる(ステップS134)。
【0054】
なお、本実施形態では、サーバ型電子マネーを内包するバーコード決済手段が採用されているため、決済処理サーバ3は、当該サーバによって管理されている対象ユーザの電子マネー残高を決済額相当分減ずることで、決済を行う。但し、ここで実行される決済処理の具体的な内容は、決済手段に応じて異なる処理内容が採用されてよく、決済処理の処理内容は、本開示において説明された例に限定されない。
【0055】
従来、ユーザが実店舗での決済をする際に、ユーザが所有する携帯端末等を用いる方法がある。より具体的には、携帯端末に専用のアプリケーションをダウンロードし、当該アプリケーション上に表示されるコードを提示し、店舗側が当該コードを読み取ることで決済情報を受信する方法や、ユーザがレジ横などに提示されている店舗を示す識別子を含むコードをスキャンし、読み取った店舗識別子と決済金額などの情報をあわせて決済サーバに送る方法などがある。また、決済の際に、決済金額やキャンペーン等に応じたポイントを付与するサービスがある。
【0056】
しかし、実際のオペレーションにおいて、店舗では決済より前にポイントカードの読み取りを必須とすることが殆どである。これは、POS端末5上で決済操作(預り金額を入力する操作)が終わると、取引が完了となるからである。また、ポイント処理には、単にユーザ識別情報をトランザクションデータにセットする処理のみではなく、例えば現在ポイントから一部を支払に回す処理や今回購入分に対する付与ポイントの計算処理など、取引完了前に必要な処理が含まれる。
【0057】
上記説明した決済フローによれば、現状のオペレーションフローを変更することなく、ポイント付与・充当のためにユーザが提示したコードを再利用して、決済を実現することが可能となる。
【0058】
決済が完了すると、POS端末5は、今回の決済においてユーザ端末9から読み取られたポイントユーザ識別情報及び/又は決済ユーザ識別情報を、対象ユーザの決済額(ポイントが使用された場合、変更後の決済額)及び決済日時情報と関連づけて、ポイント付与ファイルに蓄積する(ステップS135)。ここで、ポイント付与ファイルは、予め設定された蓄積期間毎に生成され、蓄積期間が経過すると送信されてバッチ処理されるファイルである。但し、ポイント付与ファイルの蓄積期間及びバッチ処理の周期は、本実施形態において例示される1日単位に限定されない。また、決済が完了すると、決済処理サーバ3の決済ユーザ識別情報記憶部(第二記憶部)42は、決済に用いられた決済ユーザ識別情報、対象ユーザのユーザID、決済日時、及び決済金額を互いに関連づけて記憶する(ステップS136)。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0059】
図8は、本実施形態において作成されるポイント付与ファイルの概要を示す図である。ポイント付与ファイルには、レコード番号毎に、ユーザ識別情報、決済日時、及び決済金額が関連づけられて記録される。ここで、ポイント付与ファイルには、ポイントユーザ識別情報と決済ユーザ識別情報とが混在して記録されるが、ポイントユーザ識別情報と決済ユーザ識別情報とは、所定のルールに従って判別可能である。例えば、ポイントユーザ識別情報と決済ユーザ識別情報とが同じ16桁の10進数であったとしても、ポイント処理サーバ1と決済処理サーバ3との間で予めユーザ識別情報として生成される数値の範囲や判別用のビットを定めておき、それを参照することで、当該ユーザ識別番号がポイント処理用であるか決済処理用であるかを判別することが出来る。なお、本実施形態では、ポイントユーザ識別情報は「1111」から始まる16桁の10進数であり、決済ユーザ識別情報は「1212」から始まる16桁の10進数であるため、ポイント処理サーバ1、決済処理サーバ3、及びPOS端末5等、本システムにおける処理主体は、ユーザ識別番号の先頭4桁を参照することで、当該ユーザ識別番号がポイント処理用であるか決済処理用であるかを判別することが出来る。
【0060】
図9は、本実施形態において決済処理サーバ3の決済ユーザ識別情報記憶部(第二記憶部)42によって記憶されるデータの概要を示す図である。決済ユーザ識別情報記憶部42には、レコード番号毎に、「1212」から始まる決済ユーザ識別情報、ユーザID、決済日時、及び決済金額が関連づけられて記録される。
【0061】
図10は、本実施形態に係るポイント付与フローの概要を示すフローチャート及び通信シーケンスである。本フローチャートに示された処理は、予め設定された所定時間毎(例えば、1日毎)に実行されるバッチ処理である。但し、ポイント付与ファイルの蓄積期間及びバッチ処理の周期は、本実施形態において例示される1日単位に限定されない。例えば、ポイント付与フローは、ポイント付与ファイルに所定件数のレコードが蓄積されたことを契機として実行されてもよい。
【0062】
ステップS201及びステップS202では、ポイント付与ファイルが送受信される。POS端末5は、所定期間(本実施形態の例では、1日)に亘って情報が蓄積されたポイント付与ファイルを、ポイント処理サーバ1に送信し(ステップS201)、ポイント処理サーバ1の識別情報受信部23は、POS端末5から送信されたポイント付与ファイルを受信する(ステップS202)。その後、処理はステップS203へ進む。
【0063】
ステップS203及びステップS204では、ポイント付与ファイル内のユーザ識別情報の種類が判定される。上述の通り、ポイント付与ファイルには、決済においてユーザ端末9から読み取られたポイントユーザ識別情報及び/又は決済ユーザ識別情報が、対象ユーザの決済額(ポイントが使用された場合、変更後の決済額)及び決済日時情報に関連づけられて、蓄積されている。このため、ポイント付与ファイルを受信したポイント処理サーバ1の判定部24は、ポイント付与ファイルに蓄積された未処理のユーザ識別情報を読み出し(ステップS203)、読み出されたユーザ識別情報が、ポイントユーザ識別情報であるか、又は決済ユーザ識別情報であるかを判定する(ステップS204)。判定の具体的な方法については、
図8を参照して説明した通りであるため、説明を省略する。ここで、読み出されたユーザ識別情報がポイントユーザ識別情報であると判定された場合、処理はステップS205へ進む。一方、読み出されたユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報であると判定された場合、処理はステップS206へ進む。
【0064】
ステップS205では、ポイント処理用のユーザ識別情報に基づいてユーザが特定される。ユーザ識別情報がポイントユーザ識別情報であると判定された場合、ポイント処理サーバ1のポイント付与部(第三処理部)27は、読み出されたユーザ識別情報を検索キーとして、決済フローのステップS104で生成されて記録されたポイントユーザ識別情報記憶部(第一記憶部)22を検索することで、対応するユーザIDを抽出し、ポイントが付与されるユーザを特定する。その後、処理はステップS210へ進む。
【0065】
ステップS206からステップS209では、決済処理用のユーザ識別情報に基づいてユーザが特定される。ユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報であると判定された場合、ポイント処理サーバ1のユーザ特定部25は、当該決済ユーザ識別情報を決済処理サーバ3に送信することで、対応するユーザを問い合わせる(ステップS206)。決済処理サーバ3の決済処理部(第二処理部)44は、問い合わせを受信すると、受信された決済ユーザ識別情報を検索キーとして、決済フローで記録された決済ユーザ識別情報記憶部(第二記憶部)42を検索することで、対応するユーザIDを抽出し(ステップS207)、ポイント処理サーバ1へ回答する(ステップS208)。ポイント処理サーバ1のユーザ特定部25は、決済処理サーバ3から回答されたユーザIDに基づいて、ポイントが付与されるユーザを特定する(ステップS209)。その後、処理はステップS210へ進む。
【0066】
ステップS210では、特定されたユーザに対してポイントが付与される。ポイント処理サーバ1のポイント付与部(第三処理部)27は、入手したユーザIDに基づいて特定されたユーザアカウントのポイント残高に、決済額に応じて算出されたポイント(例えば、決済額の1%のポイント)、又は、キャンペーン等で予め設定されている所定のポイントを加算する。その後、処理はステップS211へ進む。
【0067】
ステップS211では、ポイント付与ファイルに含まれる全てのユーザ識別情報について処理が完了したか否かが確認される。ポイント処理サーバ1は、受信されたポイント付与ファイルに含まれる全てのユーザ識別情報について、ステップ203からステップS210の処理が完了したか否かを確認する。ポイント付与ファイルに未処理のユーザ識別情報が残っている場合、処理はステップS203へ進む。即ち、本フローチャートに示された処理は、ポイント付与ファイルに含まれる全てのユーザ識別情報について処理が完了するまで、繰り返し実行される。一方、ポイント付与ファイルに未処理のユーザ識別情報が残っていない場合、即ち、ポイント付与ファイルに含まれる全てのユーザ識別情報について処理完了となった場合、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0068】
既述の通り、従来、決済の際に、決済金額やキャンペーン等に応じたポイントを付与するサービスがある。しかし、決済を行うために使われるコードと、ポイント付与のために使われるコードとは夫々独立して存在している。そのため、ユーザは、決済とポイント付与のために複数のコードを店舗に提示する必要があり、煩雑であった。また、一部のユーザにとっては、これらのコードが別々になっていることが明確ではなく、ポイント獲得の機会を損失している場合もあった。
【0069】
上記説明したポイント付与フローによれば、例えば、
図4から
図7に示された決済フローにおいて、ユーザがポイントサービスの利用を希望せず(ステップS107のNO)、対象決済手段のみが利用(ステップS123で対象決済手段を選択)された場合のような、決済処理用のユーザ識別情報しか取得できなかった場合であっても、決済時にユーザが提示したコードを用いて、ポイントも付与する仕組みを実現することが可能となる。また、上記説明したポイント付与フローは、
図4から
図7に示された本実施形態に係る決済フローが採用されたシステムに限らず、決済処理用のユーザ識別情報を用いたポイント処理が行われない従来のシステムにも適用可能である。
【0070】
<バリエーション>
上記実施形態では、決済手段の選択(宣言キーの押下による確定操作)がなされたことを受けて(ステップS123)、決済処理サーバ3へ決済の指示が送信される(ステップS128)例について説明した。但し、決済処理サーバ3へ決済の指示は、ステップS107で読み取られたユーザ識別情報が決済ユーザ識別情報であることをPOS端末5が自動判定で確認できた場合には、省略されてもよい。このようにすることで、ポイント処理及び決済処理におけるユーザ及びオペレータの手間を更に軽減させることが出来る。
【0071】
また、上記実施形態では、ユーザ識別情報を取得する手段として、一次元/二次元コードと光学コードリーダを主に説明したが、ユーザ識別情報の取得手段には、本実施形態において説明したもの以外の手段(例えば、RFIDとICリーダや、文字列とOCR等)が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 ポイント処理サーバ
3 決済処理サーバ
5 POS端末
9 ユーザ端末