(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】選択的に制御可能な流体流路を備えた密閉装置アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20220930BHJP
【FI】
A61M25/00
(21)【出願番号】P 2020513864
(86)(22)【出願日】2018-08-21
(86)【国際出願番号】 US2018047292
(87)【国際公開番号】W WO2019050673
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-06-11
(32)【優先日】2017-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エス.レイ アイザックソン
(72)【発明者】
【氏名】マーク ハンター
(72)【発明者】
【氏名】ポール ウォーカー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ オブライアン
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05201712(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0016124(US,A1)
【文献】国際公開第2005/023336(WO,A2)
【文献】特表2014-518748(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0069855(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉装置アセンブリであって、
中央通路を形成するハブと、
末端部および反対側の基端部を有するカテーテルであって、前記カテーテルは、前記ハブに結合された前記基端部に小口径コネクタを含み、前記カテーテルは前記カテーテルの前記末端部と前記基端部との間に延びるルーメンを形成し、前記ルーメンは前記中央通路と流体接続している、カテーテルと、
前記ルーメン内に移動可能に配置された密閉装置であって、前記密閉装置は、第1位置と第2位置との間で移動可能であり、前記密閉装置は、先端部を有する末端部を含む、密閉装置と、を備え
前記密閉装置が第1位置にある状態で、前記末端部が前記ルーメンを通る流体の流れを制限し、前記密閉装置が第2位置にある状態で、前記末端部がルーメンを通る流体流路を提供
し、
前記ハブに操作可能に連結されたロックカラーをさらに備え、前記ロックカラーは、ロック構成で前記ルーメン内の前記密閉装置の移動を防止し、およびロック解除構成で前記ルーメン内の前記密閉装置の移動を可能にするように構成可能であり、
前記ロック構成において、前記ロックカラーは、前記密閉装置が前記第1位置および前記第2位置のいずれの状態でも、前記ルーメン内の前記密閉装置の移動を防止するように構成されている、密閉装置アセンブリ。
【請求項2】
前記密閉装置は、前記カテーテルの前記末端部に関して末端方向または前記カテーテルの前記末端部に関して基端方向の一方に、前記第1位置から前記第2位置へ移動可能である、請求項1に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項3】
前記ロックカラーが前記ロック構成にある状態で、前記ロックカラーが前記密閉装置に形成された凹部と干渉するように構成されたタブを備える、請求項
1に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項4】
前記ロックカラーは、前記密閉装置が前記第1位置または前記第2位置の一方にある状態で、前記ロック構成に向けて付勢されている、請求項
1に記載
の密閉装置アセンブリ。
【請求項5】
前記密閉装置は、前記密閉装置の前記末端部と前記基端部との間に延びる中心軸を有し、前記末端部の少なくとも一部は、前記中心軸に関して対称なプロファイルまたは前記中心軸に関して非対称なプロファイルの一方を有する、請求項1に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項6】
前記ハブが、前記ハブをチューブに連結するように構成された小口径コネクタを備える、請求項1
、2、5のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項7】
前記密閉装置が第1位置にある状態で、前記先端
部が前記ルーメン内に配置されて前記ルーメンへの流体の流れを防止し、前記密閉装置が前記第2位置にある状態で、前記先端
部が前記カテーテルから末端方向に延びて前記ルーメン内への流体の流れを可能にする、請求項1
、2、
5、6のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項8】
前記密閉装置が第1位置にある状態で、前記先端
部が前記ルーメン内に配置されて前記ルーメン内への流体の流れを防止し、前記密閉装置が前記第2位置にある状態で、前記先端
部は、基端方向に前記カテーテルの前記ルーメン内に延びて前記ルーメン内への流体の流れを可能にする、請求項1
、2、5から7のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項9】
前記密閉装置の前記基端部は、前記ルーメンと流体接続するチャネルを形成し、前記密閉装置アセンブリは、前記密閉装置の前記基端部の外周の周りに配置されて前記カテーテルの前記基端部の小口径コネクタの内面に接触するシールを更に備える、請求項1
、2、5から8のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項10】
前記シールは、前記小口径コネクタの前記内面に形成された環状スロット内に配置されたOリングシールを備える、請求項
9に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項11】
前記タブは、前記ロックカラーが前記ロック構成と前記ロック解除構成との間を移動できるように作動可能である、請求項3に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項12】
前記タブは、前記ロックカラーが前記ロック構成から前記ロック解除構成に移動できるように押し下げられて、前記密閉装置が前記第1位置と前記第2位置との間で移動することを可能にするように構成されている、請求項3に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項13】
前記タブは、ばねまたは付勢部材を使用して、前記第1位置および前記第2位置の一方のロック構成に向けて付勢されるように構成されている、請求項3に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項14】
密閉装置アセンブリが、
装置のルーメン内に移動可能に配置された密閉装置であって、前記密閉装置は、第1位置と第2位置との間で移動可能であり、前記密閉装置は末端先端部分を備え、前記密閉装置が前記第1位置にある状態で、前記末端先端部分は前記ルーメンを通る流体接続を制限し、前記密閉装置が前記第2位置にある状態で、前記末端先端部分は前記ルーメンを通る流体接続を提供する、密閉装置を備え
前記ルーメンと流体接続する中央通路を形成するハブと、
前記ハブ上のカラーであって、前記カラーは、ロック構成で前記ルーメン内での前記密閉装置の移動を防止し、ロック解除構成で前記ルーメン内での前記密閉装置の移動を可能にするように構成されている、カラーと、をさらに含み、
前記ロック構成において、前記カラーは、前記密閉装置が前記第1位置および前記第2位置のいずれの状態でも、前記ルーメン内の前記密閉装置の移動を防止するように構成されている、密閉装置アセンブリ。
【請求項15】
前記密閉装置は、前記装置の末端部に関する末端方向、または前記装置の前記末端部に関する基端方向の少なくとも一方において、前記第1位置から前記第2位置に移動可能である、請求項
14に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項16】
前記カラーは、前記密閉装置が前記第1位置または前記第2位置の一方にある状態で、前記ロック構成に向けて付勢されている、請求項
14に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項17】
前記密閉装置は、前記密閉装置の前記末端
先端部
分および反対側の基端部
の間に延びる中心軸を有し、前記末端
先端部
分の少なくとも一部は、前記中心軸に関して対称なプロファイルまたは前記中心軸に対して非対称なプロファイルの一方を有する、請求項
14に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項18】
前記密閉装置は
、流体が前記ルーメンを通って前記末端方向に流れて前記流体が前記ルーメンから放出されることを可能にする圧力に応じて、前記第2位置に向けて末端方向に自動的に移動するように構成されている、請求項
15に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項19】
前記圧力が除去された状態で、前記密閉装置は、前記第1位置に向けて自動的に移動するように構成されておる、請求項
18に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項20】
前記カラーが前記ロック構成にある状態で、前記カラーが前記密閉装置に形成された凹部と干渉するように構成されたタブを備える、請求項14~19のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項21】
前記タブは、前記カラーが前記ロック構成と前記ロック解除構成との間を移動できるように作動可能である、請求項20に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項22】
前記タブは、前記カラーが前記ロック構成から前記ロック解除構成に移動できるように押し下げられて、前記密閉装置が前記第1位置と前記第2位置との間で移動することを可能にしている、請求項20に記載の密閉装置アセンブリ。
【請求項23】
前記タブは、ばねまたは付勢部材を使用して、前記第1位置および前記第2位置の一方のロック構成に向けて付勢され得るように構成されている、請求項20に記載の密閉装置アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、密閉装置アセンブリに関する。より具体的には、本出願は、カテーテルを通る流体の流れを選択的に制御するために、カテーテル内に移動可能に配置された密閉装置を有する密閉装置アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、従来のIVカテーテルは、生理食塩水または別の適切な洗浄液または液体でIVカテーテルを定期的に洗い流すことにより、耐用期間中に凝固閉塞を避けている。フラッシングプロセス中、流体はカテーテル内を移動して、カテーテル内に含まれる血栓形成凝固物質を洗い流す。あるいは、いくつかの従来のIVカテーテルは、密閉装置を使用してIVカテーテルルーメン内の空間を物理的に占有することにより、凝固閉塞を避けている。密閉装置法は、最末端、無菌外環境に曝された可能性のある密閉装置をカテーテルのルーメンに配置する必要があるため、医師または看護師に広く受け入れられていない。この方法は、密閉装置が患者の血流に接触するように密閉装置をカテーテルに直接配置することにより、患者への感染のリスクを高める可能性がある。さらに、IVカテーテルを治療環境で使用する場合、密閉装置を取り外して廃棄する必要があり、交換密閉装置が必要である。
【0003】
多くの従来の密閉装置は、閉塞防止を提供するためにカテーテル内に配置され、その後、流体吸引および/または注入療法を提供するために取り外される。使用済みの密閉装置は、使用するたびに廃棄する必要がある。IVカテーテルにアクセスするたびに、このプロセスを繰り返す必要がある。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの例示的な実施形態の簡単な要約
一態様では、密閉装置アセンブリは、中央通路を形成するハブを含む。カテーテルには、末端部と反対側の基端部がある。カテーテルは、ハブに結合された基端部に小口径コネクタを含む。カテーテルは、カテーテルの末端部と基端部との間に延びるルーメンを形成する。ルーメンは中央通路と流体接続している。密閉装置は、ルーメン内に移動可能に配置される。密閉装置は、第1位置と第2位置との間で移動可能である。密閉装置は、先端部分を有する末端部を含む。密閉装置が第1位置にあると、末端部はルーメンを通る流体の流れを制限し、密閉装置が第2位置にあると、末端部はルーメンを通る流体流路を提供する。
【0005】
別の態様では、密閉装置は、装置のルーメン内に配置可能であり、ルーメン内で第1位置と第2位置との間で移動可能である。密閉装置は、末端先端部分を含む。密閉装置が第1位置にあると、末端先端部分は、装置のルーメンを通る流体接続を制限し、密閉装置が第2位置にあると、末端先端部分は、装置のルーメンを通る流体接続を提供する。
【0006】
さらに別の態様では、密閉装置アセンブリ内の流体の流れを選択可能に制御する方法が提供される。密閉装置アセンブリは、カテーテルなどの装置のルーメン内に配置された密閉装置を含む。密閉装置は、ルーメン内で第1位置と第2位置との間で移動可能である。この方法は、密閉装置の基端部を押して、密閉装置をカテーテルの末端部に関して末端方向または基端方向のいずれかでルーメン内の第1方向に動かして、ルーメンを通る流体流路を提供することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態による、閉鎖された流体流路構成の例示的な密閉装置アセンブリの斜視側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示される例示的な密閉装置アセンブリの部分斜視側面図である。
【
図3】
図3は、例示的な実施形態による、開放された流体流路構成の例示的な密閉装置アセンブリの斜視側面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示される例示的な密閉装置アセンブリの部分斜視側面図である。
【
図5】
図5は、別の例示的な密閉装置末端部を備えた
図3に示される例示的な密閉装置アセンブリの部分斜視側面図である。
【
図6】
図6は、例示的な実施形態による、ロックされて閉鎖された流体流路構成の例示的な密閉装置アセンブリの概略側面図である。
【
図7】
図7は、例示的な実施形態による、ロック解除されて開放された流体流路構成の例示的な密閉装置アセンブリの概略側面図である。
【
図8】
図8は、例示的な実施形態による、ロックされて開放された流体流路構成における例示的な密閉装置アセンブリの概略側面図である。
【
図9】
図9は、例示的な密閉装置の末端部を備えた代替の例示的な密閉装置アセンブリの部分斜視側面図である。
【
図10】
図10は、例示的な実施形態による開放された流体流路構成での
図9の例示的な密閉装置アセンブリの斜視側面図である。
【
図11】
図11は、例示的な実施形態による、完全に開放されて流体流路構成における代替の例示的な密閉装置末端部を備えた代替の例示的な密閉装置アセンブリの部分斜視側面図である。
【
図12】
図12は、例示的な実施形態による、部分的に開放された流体流路構成の
図11の例示的な密閉装置アセンブリの斜視側面図である。
【
図13】
図13は、例示的な実施形態による、例示的な密閉装置アセンブリを操作するための例示的な方法のステップを示す。
【0008】
詳細な説明
様々な実施形態が図面を参照して以下に説明され、そこで同様の要素は概して同様の数字で参照される。実施形態の様々な要素の関係および機能は、以下の詳細な説明を参照することにより、よりよく理解され得る。しかし、実施形態は、図面に示されたものに限定されない。図面は必ずしも縮尺通りではなく、場合によっては、たとえば従来の製造およびアセンブリなど、ここで開示される実施形態の理解に必要ではない詳細が省略されている場合があることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、特許請求の範囲によって定義され、多くの異なる形態で実施することができ、ここに記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的かつ完全であり、実施可能な開示を当業者に完全に伝えるように提供されている。この明細書でおよび特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。ここでの業界標準(ASTM、ANSI、IEEE、ISO標準など)への言及は、ここで明示的に他の定義がなされていない限り、これらの標準によって通知されるユニット、測定、およびテスト基準に関する本開示の最初の提出日時点で現在公開されている標準に準拠していると定義されている。本契約で明示的に定義されている。用語「基端」および「末端」は、装置または関連物体のハンドル/医者側端部および装置または関連物体のツール/患者側端部をそれぞれ指す一般的な使用の意味で使用される。「約」、「実質的に」、「一般に」という用語、およびその他の程度の用語は、体積、寸法、割合、または他の定量的または定性的な値を参照して使用される場合、当業者(この分野での経験を持つ医療機器エンジニアと同等)によって理解される標準パラメータ内で有限及び無限の値を伝えることが意図され、少なくとも法的に同等のもの、マイナーではあるが機能的に重要ではない変更物、標準的な製造公差を含むと理解されるべきであり、少なくとも数学的に有意な数値を含む(ただし、その最大範囲ほど広い必要はない)。
【0010】
図1~12を参照すると、例示的な実施形態において、密閉装置アセンブリは、末端部および反対側の基端部を有するカテーテルを含む。カテーテルは、カテーテルの末端部と基端部との間に延びるルーメンを形成する。密閉装置は、第1位置と第2位置との間でルーメン内に移動可能に配置される。密閉装置は、末端先端部分を含む。密閉装置が第1位置にある状態で、末端先端部分は、ルーメンを通る流体接続および/または流体の流れを防止または制限する。逆に、密閉装置が第2位置にある状態で、末端先端部分は、ルーメンを通る流体接続および/または流体の流れを提供する。密閉装置は、第1位置または第2位置でロックされまたは固定され得る。密閉装置は、第1位置から第2位置まで、カテーテルの末端部に対する末端方向、またはカテーテルの末端部に関して基端方向の少なくとも一方に移動可能である。ハブは、カテーテルに連結されたハブとルーメンと流体接続する中央通路を形成する。カラーがハブに操作可能に連結され、ロック構成でルーメン内での密閉装置の移動を防止し、ロック解除構成でルーメン内での密閉装置の移動を可能にするように構成される。ロック構成では、カラーは、密閉装置が第1位置または第2位置にある状態で、ルーメン内の密閉装置の移動を防止するように構成される。カラーは、密閉装置が第1位置または第2位置にある状態で、ロック構成に向けて付勢されてもよい。例示的な実施形態では、密閉装置の末端部の少なくとも一部、例えば、先端部の少なくとも一部は、密閉装置の中心軸に関して対称なプロファイルまたは中心軸に対して非対称なプロファイルを有する。
【0011】
ここに記載された例示的な実施形態は、治療前に除去されることを必要とされないカテーテルの閉塞を防止するための密閉装置を提供する。むしろ、複数状態の密閉装置がいくつかの状態で配置され得る。例えば、第1状態または閉鎖状態では、密閉装置は、例えば、閉塞および/または望ましくない逆血流を防止するために、カテーテルのルーメンを閉鎖または遮断するように構成される。第2状態では、密閉装置は、ルーメン内で末端方向および/または反対の基端方向に移動され得る。さらに、密閉装置は、特定の実施形態では、小さい外径を有することができ、密閉装置が前進すると密閉装置が血液流路または流体開口部を提供して血液の戻りまたは輸液を可能にするようになっている。その結果、密閉装置をカテーテルルーメンから取り外す必要はなく、こうして感染のリスクを減らし、信頼性の高い閉塞防止メカニズムを提供する。特定の実施形態では、密閉装置は適切な半透明材料で形成され、例えば、ルーメン内空間のバイオバーデンを低減するのに使用される光ベースの消毒技術のための導管として機能する。ここで説明されるように、例示的な多状態密閉装置は、除去される必要なくカテーテルを通る流体の流れを防止または可能にするために選択的に制御可能である。密閉装置アセンブリは、治療期間中は取り付けたままで、閉塞防止メカニズムと注入機能の両方を提供できる。
【0012】
例示的な実施形態では、密閉装置アセンブリは、カテーテルなどの装置のルーメン内に配置可能な密閉装置を含む。密閉装置は、第1位置と第2位置との間で移動可能である。密閉装置は末端先端部を有し、密閉装置が第1位置にある状態で、末端先端部は装置のルーメンを通る流体接続を制限し、密閉装置が第2位置にある状態で、末端先端部は装置のルーメンを通る流体接続を提供または可能にする。密閉装置は、流体がカテーテルルーメンを通って末端方向に流れて流体がルーメンの末端開口部から出る圧力に応じて、カテーテルなどの装置に対して第2位置または開放位置に向けて末端方向に自動的に移動するように構成される。圧力が低下または除去されると、密閉装置は自動的に第1位置または閉鎖位置に向けて移動するように構成される。例えば、密閉装置アセンブリに操作可能に結合された適切なポンプは、密閉装置アセンブリの基端部に流体を押し込むために反復してもよい。特定の実施形態において、密閉装置は、ばね密閉装置を閉鎖位置に向けて付勢するばねまたは別の適切な付勢部材を含む。密閉装置は、装置、例えばカテーテルから末端方向に自動的に延びて、流体が密閉装置アセンブリの反対側の末端部でカテーテルルーメンから出ることを可能にするように構成される。流体がルーメンを通過してルーメン内の流体圧力が低下すると、例えば取り除かれると、密閉装置は、第1位置または閉鎖位置に向けて自動的に移動してカテーテルの末端開口部を密閉するように構成される。特定の実施形態では、ポンプは、流体をポンプで送り次にそのぜん動状態を逆転させて、移動可能な密閉装置と共に使用するときに密閉装置を閉鎖位置でより完全に再着座するように構成され得る。
【0013】
ここで図を参照し、最初に
図1~5を参照すると、例示的な密閉装置アセンブリ10は、
図1および3に示されるように中央通路14を形成するハブ12を含む。例示的な実施形態では、中央通路14は、ハブ12の末端部16と反対側の基端部18との間に延びている。ここで使用される「末端」および「末端に」という用語は、ハブから離れた配置、位置、および/または方向、すなわち原点または接続点を指し、一方、「基端」および「基端に」という用語は「ハブ、つまり原点または接続点に向けた配置、位置、および/または方向を指す。ハブ12の基端部18は、任意の適切な医療機器またはコンポーネント、例えば標準的な医療用チューブに取り外し可能に結合するように構成される。
図1および
図3に示されるように、例えば、適切なアダプタ20が基端部18に形成または結合されて、ハブ12を医療装置またはチューブに結合するのを容易にしている。特定の実施形態では、ハブ12は、ハブ12を医療機器またはチューブに結合するように構成された小口径コネクタを含んでいる。医療装置またはチューブは、例えば、ハブ12への医療機器またはチューブの連結を容易にするための、小口径コネクタロックのような、
図3に示される協働要素21を含んでもよい。
【0014】
カテーテル22は、ハブ12に操作可能に結合されている。例示的な実施形態では、カテーテル22は、末端部24および反対側の基端部26を有する。特定の例示的な実施形態では、カテーテル22は、カテーテル22の末端部24から対向する基端部26に向けて延びるカニューレを含むことができる。基端部26において、カテーテル22は、例えば、
図1および3に示す小口径コネクタ28などのアダプタまたは本体を含み、カテーテル22の基端部26をハブ12の末端部16に結合する。特定の実施形態では、小口径コネクタ28は、ヘルスケア用途の液体および気体用のISO80369に準拠した6%テーパー流体接続を有する小口径コネクタである。例示的な実施形態では、カテーテル22は、カテーテル22の末端部24と基端部26との間に延びるルーメン30を形成または画定する。
図1および3に示される例示的な実施形態では、ルーメン30は、中央通路14と流体接続していて、密閉装置アセンブリ10を通る流体流路を提供する。例示的な実施形態では、ルーメン30および中央通路14の各々は、密閉装置アセンブリ10を通る流体の流れを容易にするために、適切な直径または適切な断面寸法を有する。より具体的には、特定の実施形態では、密閉装置が開放位置または構成にある状態で、流体は、以下に説明される密閉装置40のような密閉装置の末端部の周りを流れ、これはカテーテル22のルーメン30内に、およびルーメン30内へおよびこれを通って、移動可能に位置付けられている。
【0015】
さらに
図1~5を参照すると、密閉装置アセンブリ10は、ルーメン30内に移動可能に配置される密閉装置40を含む。密閉装置40は、
図1に示される閉鎖位置などの第1位置と、
図3に示される開放位置などの第2位置との間で移動可能である。密閉装置40は、末端部42および反対側の基端部44を有する。特定の実施形態では、密閉装置40は、末端部42に先端部分46を含む。先端部46は、密閉装置40の中央部で本体48に移行し、本体48は密閉装置40の基端部44で基部50に移行する。
図6~8に示されるような特定の例示的な実施形態では、本体48および/または基部50は、ルーメン30と中央通路14との間の流体接続を提供するチャネル52を形成または画定する。例示的な実施形態では、密閉装置40が第1位置にある状態で、末端部42、特定の実施形態では先端部46は、ルーメン30を通る流体接続および流体の流れを防止または制限する。密閉装置40が第2位置にある状態で、末端部42、および特定の実施形態で先端部分46は、流体接続を提供し、流体がルーメン30を通って中央通路14内にチャネル52を通って流れることができるようになっている。特定の実施形態では、密閉装置40は適切な半透明材料で作られていて、例えばルーメン内空間の生物負荷を低減する際に使用される光ベースの消毒技術のための導管として作用する。
【0016】
例示的な実施形態では、密閉装置40が第1位置にある状態で、末端部42、例えば、先端部46の少なくとも一部は、ルーメン30内に配置され、ルーメン30内への流体の流れを防止し、密閉装置40が第2位置にある状態で、末端部42、例えば、先端部46の少なくとも一部は、カテーテル22から末端方向に延びて、流体がルーメン30に流れ込むことを可能にする。代替的に、特定の実施形態では、密閉装置40が第2位置にある状態で、末端部42、例えば先端部46の少なくとも一部は、カテーテル22のルーメン30内に基端方向に延びて、流体がルーメン30に流れ込むことを可能にする。ここに記載される例示的な実施形態では、密閉装置40は、カテーテル22の末端部24に関して末端方向に第1位置から第2位置に、すなわちハブ12から離れて移動可能であり、末端部24を越えて延びて、例えば
図4および5に示すような流体流路54を提供する。流体流路54は、ルーメン30と、血管内に形成されたルーメン、例えば、密閉装置アセンブリ10が配置される患者の動脈または静脈との間の流体接続を提供する。
図1~5を参照すると、例示的な実施形態では、密閉装置40は、密閉装置アセンブリ10および/またはカテーテル22の他の構成要素から独立して使用され得るか、または密閉装置アセンブリ10および/またはカテーテル22の1または複数の構成要素の任意の適切な組み合わせとともに使用され得る。
【0017】
図6~8を参照すると、例示的な実施形態では、例えば少なくともルーメン30を通る密閉装置アセンブリ10内の流体の流れは、選択的に制御可能である。例えば、特定の例示的な実施形態において、末端部42、例えば先端部46の少なくとも一部がカテーテル22のルーメン30から末端に延びて
図7および8に示されるようなカテーテル22のルーメン30を通る流体流路54を提供するまで、密閉装置40は、例えば基端部44で基部50および/またはハブ12を押すことにより促され、密閉装置40をルーメン30内で第1方向にカテーテル22の末端部24に関して末端方向に移動させる。逆に、これらの実施形態では、末端部42、例えば先端部分46の少なくとも一部が、
図6に示されるように、ルーメン30内に少なくとも部分的に配置されて流体流路54を閉鎖するまで、密閉装置40は、例えば基端部44で基部50および/またはハブ12を引っ張ることにより促され、密閉装置40を第1方向とは反対の第2方向にルーメン30内で移動させる。特定の実施形態において、密閉装置40は、ポンプまたは別の適切な装置を使用して、末端方向および基端方向に自動的に移動され得る。代替の例示的な実施形態では、密閉装置40は、カテーテル22の末端部24に関して基端方向に、すなわちハブ12に向けて第1位置から第2位置に移動可能であり、流体の流れを提供するのに適した距離でルーメン30内に延びる(図示せず)。流体流路は、ルーメン30と患者の血管内に形成されたルーメンとの間の流体接続を提供する。
【0018】
密閉装置アセンブリ10は、1または複数のスリーブシール、成形プラスチックシール、Oリングシール、または当業者に公知の任意の適切なシールなどの1または複数のシールを含む。特定の実施形態では、1または複数のOリングシール56または他の適切なシールまたはガスケットは、密閉装置40の基端部44の外周58の周りに配置され、カテーテル22の基端部26で小孔コネクタ28の内面60に接触する。特定の実施形態では、各Oリングシール56は、小孔コネクタ28の内面60に形成されたそれぞれの環状スロット62内に配置され、密閉装置40の基端部44の周りおよび密閉装置40とカテーテル22の間に配置されたOリングシール56を適切に維持して、密閉装置アセンブリ10内に液密シールを提供する。
【0019】
密閉装置40は、
図2、4、および5に示される密閉装置40の末端部42と基端部44との間に延在する中心軸70を有する。例示的な実施形態では、末端部42の少なくとも一部、例えば、先端部46の少なくとも一部は、
図2および
図4に示されるような中心軸70に関して非対称のプロファイル、または
図5に示されるように中心軸70に関して対称プロファイルを有する。末端部42、例えば、先端部分46の少なくとも一部は、流体流路54を通る所望の流体の流れを提供する任意の適切なプロファイルを有し得る。特定の従来の密閉装置アセンブリでは、患者の血液が密閉装置の末端部を超えて協働するカテーテルのルーメンに引き込まれると、赤血球に加えられるせん断力が赤血球に損傷を与え、赤血球を破裂または破裂させる可能性があり、これが赤血球の破壊と解離を引き起こし、しばしば「溶血」とも呼ばれる。従来の密閉装置の末端部とは異なり、末端部42、および特に先端部46の少なくとも一部は、患者へのまたは患者からの血液などの流体の投与または吸引を容易にしつつ、例えば、液体材料の損傷と破壊、溶血の発生を予防または制限する滑らかな移行プロファイルを有する。
【0020】
例示的な実施形態では、流体流路54を通る流体の流れの量(すなわち、流体の体積)は、密閉装置40の外面とルーメン30を形成するカテーテル22の内壁との間に形成される開口部の断面積を調整することにより最適化され得る。例えば、密閉装置40の外径および/またはカテーテル22の末端部でのカテーテル22の内径は、溶血を減少させて採血適用中に所望の血液サンプルを提供するように調整され得る。例えば、
図4を参照すると、比較的大きい流体流路54は、採血中の血球への損傷を減少させまたは排除し得る。逆に、
図5に示されるように、より小さな断面積を流れる同量の流体の流れは、流れが密閉装置40の末端部の周りで均等に分割されるため、注入性能の向上となる場合がある。
【0021】
図1、3、および6~8に示すように、例示的な実施形態では、密閉装置アセンブリ10は、ハブ12に操作可能に連結されたロックカラー72などのカラーを含む。ロックカラー72は、
図6および
図8に示されるように、ロック構成でルーメン30内の密閉装置40の移動を防止し、
図7に示されるように、ロック解除構成でルーメン30内での密閉装置40の末端方向および/または反対の基端方向の移動を可能にするように構成可能である。ロック構成において、ロックカラー72は、密閉装置40を選択された位置、例えば、第1位置または第2位置に保持するように構成される。
図6において、ロックカラー72は、ロック構成で密閉装置40を第1位置、例えば、ルーメン30を通る流体の流れを防止する閉鎖位置に保持し、密閉装置が第1位置から例えば第2位置に移動するのを防止する。
図7において、ロックカラー72は、ロック解除構成で密閉装置40がカテーテル22に関して末端方向または反対の基端方向に移動することを可能にする。
図7に示すように、ロックカラー72がロック解除構成にある状態で、密閉装置40は第2位置、例えば、流体流路54を形成する開放位置に移動されて、流体がルーメン30内に流れ込むことができる。
図8において、ロックカラー72がロック構成にある状態で、密閉装置40は第2位置、例えば流体流路54を形成する開放位置に保持され、第2位置から例えば第1位置への移動が防止される。
【0022】
特定の実施形態では、ロックカラー72は、ロックカラー72がロック構成にある状態で、密閉装置40内に形成された凹部76内に位置決め可能または干渉するように構成されたタブ74を含む。タブ74は、ロックカラー72がロック構成とロック解除構成との間を移動できるように作動可能である。例えば、例示的な実施形態において、タブ74は、ロックカラー72がロック構成からロック解除構成に移動できるように押し下げられ、これは密閉装置40が第1位置と第2位置との間で移動することを可能にする。特定の例示的な実施形態では、ロックカラー72は、第1位置および第2位置の一方でロック構成に向けて付勢される。より具体的には、タブ74は、ばねまたは他の適切な付勢部材(図示せず)を使用して、第1位置および第2位置の一方のロック構成に向けて付勢され得る。
【0023】
図9~12を参照すると、代替の例示的実施形態では、1または複数のディフューザ開口部80がカテーテル22を通して形成され、ルーメン30と血管、例えば密閉装置アセンブリ10が配置される患者の動脈または静脈に形成されるルーメンとの間の流体接続を提供する。これらの実施形態では、末端部42の少なくとも一部、例えば、先端部46の少なくとも一部は、
図9および
図10に示されるように、中心軸70に関して非対称のプロファイルを有し、または
図11および12に示されるように、中心軸70に関して対称なプロファイルを有する。末端部42、例えば、先端部46の少なくとも一部は、中心軸70に沿って適切な長さを有し、密閉装置40が閉鎖位置にある状態で、末端部42がルーメン30内に延びてルーメン30への末端開口部を封止し、カテーテル22に形成された各分散開口部80をシールして、
図9に示すように、ルーメン30を通る流体の流れを防止または制限する。
図10および
図11に示されるように、密閉装置40が完全に開放位置にある状態で、流体は、ルーメン30の末端開口部ならびに1または複数のディフューザ開口部80を通って流れることができる。図に示されていない特定の実施形態において、非対称のプロファイルを有する密閉装置40は、1または複数のディフューザ開口部80を密閉し、密閉されたディフューザ開口部80を通る流体の流れを防止する一方で、密閉装置40の非対称の側面に最も近いディフューザ開口部を通る流体の流れを可能にすることができる。密閉装置アセンブリ10の用途に応じて、流体は、ルーメン30の末端開口部およびディフューザ開口部80を通ってルーメン30に流入(例えば、流体注入)および/またはそこから流出(例えば、流体/血液の吸引)される。ただし、
図12に示すように、密閉装置40が中間位置または部分的な開放位置にある状態で、末端部42、例えば先端部46の少なくとも一部は、ルーメン30内に延びてルーメン30への末端開口を封止するが、カテーテル22に形成されたディフューザ開口部80を通る流体接続を提供するかまたは流体の流れを可能にする。再び、密閉装置アセンブリ10の用途に応じて、密閉装置が部分的に開放位置にある状態で、流体がディフューザ開口部80を通ってルーメン30に流入および/またはそこから流出することができる。これらの代替実施形態では、密閉装置40は、ルーメン30の末端開口部と同様にディフューザ孔80を閉塞するように構成される。これは、カテーテル22の末端部24およびディフューザ開口部80の中または周囲での閉塞を防止するという更なる利点を提供する。ディフューザ開口部80はまた、ディフューザ開口部80を通して追加の吸引を提供することにより溶血を更に低減して採血に更なる利点を提供し、高圧注入にも利用され得る。
【0024】
図13は、密閉装置アセンブリ内の流体の流れを選択的に制御するための例示的な方法100を示している。例示的な実施形態では、密閉装置アセンブリは、ルーメンを形成するカテーテルと、ルーメン内に配置され、第1位置と第2位置との間で移動可能な密閉装置とを含む。この方法は、カテーテルの末端部に関して末端方向および基端方向の一方でルーメン内の第1方向に密閉装置を移動102させてルーメンを通る流体流路を提供することを含む。移動102は、密閉装置の基端部を付勢して、カテーテルの末端部に関して末端方向及び基端方向の一方にルーメン内の第1方向に密閉装置を移動させ、例えば、ルーメンを通る流体流路を提供することを含む。必要に応じて、この方法は、密閉装置の末端部、例えば先端部の少なくとも一部が少なくとも部分的にルーメン内に位置して流体流路を閉鎖するまで、密閉装置をルーメン内の第1方向とは反対の第2方向に移動104させることも含む。移動104は、密閉装置の末端部、例えば先端部の少なくとも一部がルーメン内に少なくとも部分的に配置されて流体流路を閉鎖するまで、密閉装置の基端部を促してルーメン内で第1方向と反対の第2方向に密閉装置を移動させることを含み得る。
【0025】
ロックカラーなどのカラーは、密閉装置アセンブリのハブに操作可能に結合されている。例示的な実施形態では、方法は、ロック構成でルーメン内の密閉装置の移動を防止し、またはロック解除構成でルーメン内での密閉装置の末端方向および/または反対の基端方向の移動を可能にするようにカラーを構成106することを含む。ロック構成において、カラーは、密閉装置を選択された位置、たとえば第1位置または第2位置に保持するように構成されている。例えば、カラーがロック構成に配置されて、密閉装置を第1位置、例えばルーメンを通る流体の流れを防止する閉鎖位置に保持し、密閉装置が第1位置から、例えば第2位置に移動するのを防止することができる。またカラーがロック構成に配置されて、密閉装置を第2位置、例えば、流体流路を形成する開放位置に保持し、密閉装置が第2位置、例えば、第1位置から移動するのを防止することができる。またカラーがロック解除構成に配置されて、密閉装置がカテーテルに関して末端方向または反対の基端方向に移動することを可能にすることができる。カラーがロック解除構成にある状態で、密閉装置はたとえば第1位置と第2位置の間を移動され得る。特定の例示的な実施形態では、カラーは、第1位置および第2位置の一方でロック構成に向けて付勢される。より具体的には、カラーのタブは、ばねまたは他の適切な付勢部材を使用して、第1位置および第2位置の一方のロック構成に向けて付勢され得る。
【0026】
本開示の実施形態は、以下の項を考慮して説明することができる:
1.密閉装置アセンブリであって、
中央通路を形成するハブと、
末端部および反対側の基端部を有するカテーテルであって、前記カテーテルは、前記ハブに結合された前記基端部で小口径コネクタを含み、前記カテーテルは前記カテーテルの前記末端部と前記基端部との間に延びるルーメンを形成し、前記ルーメンは前記中央通路と流体接続する、カテーテルと、
前記ルーメン内に移動可能に配置された密閉装置であって、前記密閉装置は第1位置と第2位置との間で移動可能であり、前記密閉装置は先端部を有する末端部を含む、密閉装置と、を備え、
前記密閉装置が前記第1位置にある状態で、前記末端部は前記ルーメンを通る流体の流れを制限し、前記密閉装置が前記第2位置にある状態で、前記末端部は前記ルーメンを通る流体流路を提供する、密閉装置アセンブリ。
2.前記密閉装置は、前記カテーテルの前記末端部に関して末端方向にまたは前記カテーテルの前記末端部に関して基端方向の一方に、前記第1位置から前記第2位置に移動可能である、項1に記載の密閉装置アセンブリ。
3.前記ハブに操作可能に結合されたロックカラーをさらに備え、前記ロックカラーは、ロック構成で前記ルーメン内での前記密閉装置の移動を防止し、ロック解除構成で前記ルーメン内での前記密閉装置の移動を可能にするように構成可能である、項1または2に記載の密閉装置アセンブリ。
4.前記ロック構成において、前記ロックカラーは、前記密閉装置が前記第1位置または前記第2位置にある状態で、前記ルーメン内での前記密閉装置の移動を防止するように構成されている、項3に記載の密閉装置アセンブリ。
5.前記ロックカラーが、前記ロックカラーが前記ロック構成にある状態で前記密閉装置に形成された凹部と干渉するように構成されたタブを備える、項3に記載の密閉装置アセンブリ。
6.前記ロックカラーは、前記密閉装置が前記第1位置または前記第2位置の一方にある状態で、前記ロック構成に向けて付勢されている、項3に記載の密閉装置アセンブリ。
7.前記密閉装置が、前記密閉装置の前記末端部と前記基端部との間に延びる中心軸を有し、前記末端部の少なくとも一部が、前記中心軸に関して対称なプロファイルまたは前記中心軸に関して非対称なプロファイルの一方を有する、項1~3のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
8.前記ハブが、前記ハブをチューブに結合するように構成された小口径コネクタを備える、項1~3または7のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
9.前記密閉装置が前記第1位置にある状態で、前記先端部分が前記ルーメン内に配置されて前記ルーメン内への流体の流れを防止し、前記密閉装置が前記第2位置にある状態で、前記先端部分は、前記カテーテルから末端方向に延びて前記ルーメンへの流体の流れを可能にする、項1~3、7、または8のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
10.前記密閉装置が前記第1位置にある状態で、前記先端部分が前記ルーメン内に配置されて前記ルーメンへの流体の流れを防止し、前記密閉装置が第2位置にある状態で、前記先端部分が前記カテーテルの前記ルーメン内に基端方向に延びていて前記ルーメン内への流体の流れを可能にする、項1~3または7~9のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
11.前記密閉装置の前記基端部が前記ルーメンと流体接続するチャネルを形成し、前記密閉装置アセンブリが、前記密閉装置の前記基端部の外周の周りに配置されたシールを更に備え、前記カテーテルの前記基端部で前記小口径コネクタの内面に接触する、項1~3または7~10のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
12.前記シールは、前記小口径コネクタの前記内面に形成された環状スロット内に配置されたOリングシールを備える、項11に記載の密閉装置アセンブリ。
13.密閉装置アセンブリが、
装置のルーメン内に移動可能に配置された密閉装置であって、前記密閉装置が第1位置と第2位置との間で移動可能であり、前記密閉装置が末端先端部分を備える、密閉装置を備え、前記密閉装置が前記第1位置にある状態で、前記末端先端部分は、前記ルーメンを通る流体接続を制限し、前記密閉装置が前記第2位置にある状態で、前記末端先端部分は、前記ルーメンを通る流体接続を提供する、密閉装置アセンブリ。
14.前記密閉装置は、前記装置の末端部に関して末端方向または前記装置の前記末端部に関して基端方向の少なくとも一方において、前記第1位置から前記第2位置に移動可能である、項13に記載の密閉装置アセンブリ。
15.前記ルーメンと流体接続する中央通路を形成するハブと、
前記ハブ上のカラーであって、前記カラーが、ロック構成で前記ルーメン内での前記密閉装置の移動を防止し、ロック解除構成で前記ルーメン内での前記密閉装置の移動を可能にするように構成可能である、カラーを更に備える、項13または14に記載の密閉装置アセンブリ。
16.前記ロック構成において、前記カラーは、前記密閉装置が前記第1位置または前記第2位置にある状態で前記ルーメン内の前記密閉装置の移動を防止するように構成されている、項15に記載の密閉装置アセンブリ。
17.前記カラーは、前記密閉装置が前記第1位置または前記第2位置の一方にある状態で、前記ロック構成に向けて付勢されている、項15に記載の密閉装置アセンブリ。
18.前記密閉装置が、前記密閉装置の前記末端部と前記基端部との間に延びる中心軸を有し、前記末端部の少なくとも一部が、前記中心軸に関して対称なプロファイルまたは前記中心軸に関して非対称なプロファイルの一方を有する、項13~15のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
19.前記流体がルーメンを通って末端方向に流れて前記流体が前記ルーメンから出ることを可能にする圧力に応じて、前記密閉装置が前記第2位置に向けて前記末端方向に自動的に移動するように構成されている、項13~15または18のいずれかに記載の密閉装置アセンブリ。
20.前記圧力が除去された状態で、前記密閉装置は、前記第1位置に向けて自動的に移動するように構成されている、項19に記載の密閉装置アセンブリ。
21.密閉装置アセンブリ内の流体の流れを選択可能に制御する方法であって、前記密閉装置アセンブリは、カテーテルのルーメン内に配置可能な密閉装置を備え、前記密閉装置は、第1位置と第2位置との間で前記ルーメン内で移動可能であり、前記方法が、
前記密閉装置の基端部を促して、前記密閉装置を前記ルーメン内の第1方向に前記カテーテルの末端部に関して末端方向または基端方向の一方に移動させて、前記ルーメンを通る流体流路を提供することを含む、方法。
22.前記密閉装置の前記基端部を付勢して、前記密閉装置の前記末端先端部分が前記ルーメン内に少なくとも部分的に配置されて前記流体流路を閉鎖するまで、前記密閉装置を前記ルーメン内で前記第1方向と反対の第2方向に移動させることをさらに含む、項21に記載の方法。
【0027】
当業者は、ここに明示的に例示されていない実施形態が、特許請求の範囲内にで、異なる実施形態についてここに記載された特徴が互いにおよび/または現在知られているまたは将来開発される技術と組み合わされ得ることを含み、特許請求の範囲内で実施され得ることを理解するであろう。ここでは特定の用語が使用されているが、これらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、文脈、使用法、またはその他の明示的な指定によって特に定義されていない限り、限定の目的ではない。したがって、前記の詳細な説明は、限定ではなく例示と見なされることを意図している。そして、すべての同等物を含む以下の特許請求の範囲は、本発明の精神および範囲を定義することを意図していることを理解されたい。さらに、上記の利点は、必ずしも本発明の唯一の利点ではなく、記載された利点のすべてがすべての実施形態で達成されるとは必ずしも予期されるものではない。参照により組み込まれた文書と矛盾する本出願からの矛盾する開示または定義の場合、ここでの開示または定義が優先するとみなされるものとする。