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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】振動歯ブラシ及び偏心軸
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/22 20060101AFI20220930BHJP
   A61C 17/34 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
A61C17/22 C
A61C17/34 K
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020547177
(86)(22)【出願日】2018-04-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 KR2018004805
(87)【国際公開番号】W WO2019208846
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ヨン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・フン・イ
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-080099(JP,A)
【文献】特許第5477050(JP,B2)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0057620(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/22~17/40
A46B 13/00~13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯ブラシ毛が植毛されたヘッド部と、前記ヘッド部が着脱されるヘッド結合部が突出する把持部とを有する歯ブラシにおいて、
前記把持部内に収容され、回転力を発生させる電動モータと、
前記電動モータに連結されて回転し、少なくとも一部分が偏心されて振動を発生させ、前記ヘッド結合部に振動を伝達する偏心軸と、
を含み、
前記偏心軸は、
前記電動モータに連結されるモータ固定部と、
前記電動モータの回転中心からずれている偏心錘と、
前記モータ固定部と前記偏心錘を連結する金属材質の回転軸と、
を含み、前記回転軸は、その両側にそれぞれ衝撃吸収部を備えており、前記衝撃吸収部は外部衝撃を吸収することを特徴とする振動歯ブラシ。
【請求項2】
前記回転軸は0.4~1.0mmの直径を有することを特徴とする請求項1に記載の振動歯ブラシ。
【請求項3】
前記偏心錘の中心線は、前記電動モータの回転中心とずれた距離が2mm以内であることを特徴とする請求項1に記載の振動歯ブラシ。
【請求項4】
前記偏心軸は、前記偏心錘と前記回転軸を連結する錘固定部をさらに含み、
前記回転軸は、弾性力と復元力を有するように金属材料で構成されているとともに、前記モータ固定部、前記偏心錘、および前記錘固定部のそれぞれの直径よりも相対的に小さい直径を有しており、
前記衝撃吸収部は、前記回転軸の両側に対称的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の振動歯ブラシ。
【請求項5】
前記衝撃吸収部のうちの一つは前記モータ固定部と前記回転軸を連結し、かつ他の前記衝撃吸収部は前記錘固定部と前記回転軸を連結することを特徴とする請求項4に記載の振動歯ブラシ。
【請求項6】
前記衝撃吸収部のそれぞれは、
前記回転軸から前記モータ固定部または前記錘固定部に行くほど断面が拡大される形状であることを特徴とする請求項5に記載の振動歯ブラシ。
【請求項7】
前記回転軸は、直接連結されていないが、前記錘固定部と前記他の衝撃吸収部により前記偏心錘に間接的に連結されていることを特徴とする請求項5に記載の振動歯ブラシ。
【請求項8】
前記モータ固定部は、前記電動モータのモータ軸に連結されており、
前記回転軸は、前記モータ軸の厚さよりも薄い厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の振動歯ブラシ。
【請求項9】
前記衝撃吸収部のそれぞれは、
前記モータ固定部と前記錘固定部の間の長さ対比で35%以内の高さを有することを特徴とする請求項4に記載の振動歯ブラシ。
【請求項10】
前記衝撃吸収部のうちの一つは、前記他の衝撃吸収部の高さよりも相対的に低い高さを有することを特徴とする請求項5に記載の振動歯ブラシ。
【請求項11】
前記回転軸は、前記衝撃吸収部のうちの一つにより前記モータ固定部に間接的に連結されているとともに、前記他の前記衝撃吸収部により前記錘固定部に間接的に連結されていることを特徴とする請求項5に記載の振動歯ブラシ。
【請求項12】
前記衝撃吸収部のそれぞれは、前記回転軸が前記モータ固定部または前記錘固定部に直接連結される一端または他端を取り囲むように設けられることを特徴とする請求項4に記載の振動歯ブラシ。
【請求項13】
前記偏心軸は、前記回転軸を除き、合成樹脂の材質からなり、
前記錘固定部と前記偏心錘は一体で設けられ、
前記回転軸は、一端が前記錘固定部に結合され、他端が前記モータ固定部に結合されることで、前記モータ固定部と前記偏心錘を連結することを特徴とする請求項4に記載の振動歯ブラシ。
【請求項14】
前記偏心錘は、前記ヘッド結合部に隣接して、または前記ヘッド結合部内に設けられることを特徴とする請求項1に記載の振動歯ブラシ。
【請求項15】
前記偏心軸は、前記偏心錘から突出し、前記ヘッド結合部内に設けられるベアリングに回転可能に結合されるベアリング固定部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の振動歯ブラシ。
【請求項16】
前記ベアリング固定部は、前記回転軸より相対的に大きい断面を有し、前記モータ固定部または錘固定部より相対的に小さい断面を有することを特徴とする請求項15に記載の振動歯ブラシ。
【請求項17】
電動モータを内蔵し、歯ブラシ毛に振動を与える振動歯ブラシに使用される偏心軸において、
前記電動モータに連結されるモータ固定部と、
前記電動モータの回転中心からずれている偏心錘と、
前記モータ固定部と前記偏心錘を連結する金属材質の回転軸と、
を含み、
前記回転軸は、その両側にそれぞれ衝撃吸収部を備えており、前記衝撃吸収部は外部衝撃を吸収することを特徴とする偏心軸。
【請求項18】
前記偏心錘と前記回転軸を連結する錘固定部をさらに含み、
前記衝撃吸収部のうちの一つは前記モータ固定部と前記回転軸の間に設けられており、かつ他の前記衝撃吸収部は前記錘固定部と前記回転軸の間に設けられており、
前記回転軸は、弾性力と復元力を有するように金属材料で構成されているとともに、前記モータ固定部、前記偏心錘、および前記錘固定部のそれぞれの直径よりも相対的に小さい直径を有しており、
前記衝撃吸収部は、前記回転軸の両側に対称的に設けられていることを特徴とする請求項17に記載の偏心軸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は振動歯ブラシ及び偏心軸に関し、振動を発生させる偏心軸を強固に製作することができる振動歯ブラシ及び偏心軸に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、歯ブラシはプラスチック材質からなり、歯ブラシ毛が植毛されたヘッド部と、ヘッド部から延長されて使用者が把持できるようにする把持部とで構成される。このとき、使用者は、手で把持部を握り、ヘッド部に植毛された歯ブラシ毛が歯の表面や歯間、歯茎などに刺激を与えて異物や歯石などを除去する機能で使用した。
【0003】
歯磨きの効果を最大化するために、2分~3分程度の歯磨きが推奨されるが、この推奨時間の歯磨きは人の手首に負担がかかったり、腕に疲労感を与えることがあり、ヘッド部を動かす力の調節が不安定になって歯茎や口腔内を傷をつける場合が発生した。
【0004】
このような弊害を無くし、使用者の利便性を上げるために、電動モータが電池や蓄電池の動力の印加を受けて回転することで歯ブラシ毛を回転させるか、電動モータによる回転力を振動に変換するか、超音波振動を発生させる歯ブラシ製品が開発されており、当該製品は、歯ブラシ毛の回転または歯ブラシ毛の振動によって歯や口腔内の異物を除去するのに効果的に使用された。
【0005】
従来開発された製品のうち電動モータを利用して振動を発生させる製品の場合、電動モータに連結される偏心軸を利用して偏心軸の回転時に発生する振動をヘッド部に伝達する。
【0006】
ところが、従来の偏心軸は、プラスチックのような合成樹脂からなるため、強い回転時に偏心軸が折れる問題が発生した。また、折れる問題を防止するために厚さを厚くすると、弾性が確保されないため、振動がきちんと伝達されず、騒音が大きくなる問題が発生し、弾性力が足りないと、外部の衝撃によって偏心軸の回転が強制的に停止する深刻な問題まで発生した。
【0007】
このように、従来の振動歯ブラシは材質や形状などから耐久性と弾性力を同時に確保できないという問題を抱えており、振動歯ブラシに対する消費者の需要が次第に増加しているため、上記問題を解決するための技術開発の必要性が増大している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】大韓民国登録特許公報第10-0886164号(2009.02.23登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は従来技術を改善するために創出されたものであり、本発明の目的は、少なくとも部分的に金属からなる偏心軸を使用することにより、耐久性を確保しながらも弾性力と復元力を保障することができる振動歯ブラシ及び偏心軸を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例による振動歯ブラシは、歯ブラシ毛が植毛されたヘッド部と、上記ヘッド部が着脱されるヘッド結合部が突出する把持部を有する歯ブラシにおいて、上記把持部内に収容され、回転力を発生させる電動モータと、上記電動モータに連結されて回転し、少なくとも一部分が偏心されて振動を発生させ、上記ヘッド結合部に振動を伝達する偏心軸と、を含み、上記偏心軸は、上記電動モータに連結されるモータ固定部と、上記電動モータの回転中心からずれている偏心錘と、上記モータ固定部と上記偏心錘を連結する金属材質の回転軸と、を含むことを特徴とする。
【0011】
具体的に、上記回転軸は0.4~1.0mmの直径を有してもよい。
【0012】
具体的に、上記偏心錘の中心線は、上記電動モータの回転中心とずれた距離が2.0mm以内であってもよい。
【0013】
具体的に、上記偏心軸は上記偏心錘と上記回転軸を連結する錘固定部をさらに含み、上記モータ固定部及び上記錘固定部は上記回転軸より相対的に大きい断面を有してもよい。
【0014】
具体的に、上記偏心軸は、上記モータ固定部と上記回転軸の間または上記錘固定部と上記回転軸の間に設けられる衝撃吸収部をさらに含んでもよい。
【0015】
具体的に、上記衝撃吸収部は、上記回転軸から上記モータ固定部または上記錘固定部に行くほど断面が拡大される形状であってもよい。
【0016】
具体的に、上記衝撃吸収部は、表面に少なくとも1つ以上の溝を有してもよい。
【0017】
具体的に、上記溝は、上記回転軸から上記モータ固定部または上記錘固定部に行くほど相対的に大きくなってもよい。
【0018】
具体的に、上記衝撃吸収部は、上記モータ固定部と上記錘固定部の間の長さ対比で35%以内の高さを有してもよい。
【0019】
具体的に、上記モータ固定部と上記回転軸の間に設けられる上記衝撃吸収部は、上記回転軸と上記錘固定部の間に設けられる上記衝撃吸収部より相対的に小さい高さであってもよい。
【0020】
具体的に、上記回転軸は、上記衝撃吸収部により上記モータ固定部または上記錘固定部に間接的に連結されてもよい。
【0021】
具体的に、上記衝撃吸収部は、上記回転軸が上記モータ固定部または上記錘固定部に直接連結される一端または他端を取り囲むように設けられてもよい。
【0022】
具体的に、上記偏心軸は、上記回転軸を除き、合成樹脂の材質からなり、上記錘固定部と上記偏心錘は一体で設けられ、上記回転軸は、一端が上記錘固定部に結合され、他端が上記モータ固定部に結合されることで、上記モータ固定部と上記偏心錘を連結してもよい。
【0023】
具体的に、上記偏心錘は、上記ヘッド結合部に隣接して、または上記ヘッド結合部内に設けられてもよい。
【0024】
具体的に、上記偏心軸は、上記偏心錘から突出し、上記ヘッド結合部内に設けられるベアリングに回転可能に結合されるベアリング固定部をさらに含んでもよい。
【0025】
具体的に、上記ベアリング固定部は、上記回転軸より相対的に大きい断面を有し、上記モータ固定部または上記錘固定部より相対的に小さい断面を有してもよい。
【0026】
本発明の一実施例による偏心軸は、電動モータを内蔵し、歯ブラシ毛に振動を与える振動歯ブラシに使用される偏心軸において、上記電動モータに連結されるモータ固定部と、上記電動モータの回転中心からずれている偏心錘と、上記モータ固定部と上記偏心錘を連結する金属材質の回転軸と、を含むことを特徴とする。
【0027】
具体的に、上記偏心錘と上記回転軸を連結する錘固定部と、上記モータ固定部と上記回転軸の間または上記錘固定部と上記回転軸の間に設けられ、表面に少なくとも1つ以上の溝を有する衝撃吸収部をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明による振動歯ブラシ及び偏心軸は、ニッケルチタンなどの金属材質を用いて偏心軸の一部分を形成することにより、弾性力と引張力を確保することができ、偏心軸において金属からなる部分の厚さを最適化するとともに、偏心錘の中心線と偏心軸の回転中心との間隔を限定して騒音の発生を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施例による振動歯ブラシの分解図である。
図2】本発明の一実施例による振動歯ブラシの断面図である。
図3】本発明の一実施例による振動歯ブラシの偏心軸の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付の図面と関わる以下の詳細な説明と好ましい実施例により更に明らかになるだろう。本明細書では、各図面の構成要素に参照番号を付加するにおいて、同じ構成要素に限ってはたとえ他の図面上に表示されていても可能な限り同じ番号を付したことに留意すべきである。また、本発明を説明するに当たり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0031】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0032】
参考までに、以下において、一端は振動歯ブラシを基準としてヘッド部が設けられる方向であり、他端はカバーが設けられる方向であってもよいが、必ずしもこれに限定されない。
【0033】
図1は本発明の一実施例による振動歯ブラシの分解部であり、図2は本発明の一実施例による振動歯ブラシの断面図であり、図3は本発明の一実施例による振動歯ブラシの偏心軸の斜視図である。
【0034】
図1図3を参照すると、本発明の一実施例による振動歯ブラシ1は、ヘッド部10と、把持部20と、電源部30と、電動モータ40と、偏心軸50とを含む。
【0035】
ヘッド部10には歯ブラシ毛11が植毛される。ヘッド部10は、後述する把持部20のヘッド結合部21に差し込まれて、ヘッド結合部21から伝達される振動が歯ブラシ毛11を通じて歯に伝達されるようにすることができる。
【0036】
歯ブラシ毛11はヘッド部10の一面に設けられてもよいが、一面を含む反対面にも設けることができる。即ち、歯ブラシ毛11が設けられる位置は特に限定されない。また、歯ブラシ毛11は、ヘッド部10の一面に複数個の植毛穴(符号不図示)が形成される場合、1つの植毛穴毎に複数個のブラシが固定されて設けられてもよく、1つの植毛穴に合成樹脂で製作された1つのブラシが挿入されて固定されて設けられてもよい。
【0037】
また、ヘッド部10の一面における歯ブラシ毛11の配置は、特に限定されない。即ち、縦及び横に配置される歯ブラシ毛11の数や大きさなどは多様に決まってもよく、また、ヘッド部10において歯ブラシ毛11が植毛される一面の大きさも限定されない。
【0038】
ヘッド部10の歯ブラシ毛11には、後述する偏心軸50の回転により発生した振動を伝達することができる。従って、使用者は、把持部20を把持した状態で、ヘッド部10の歯ブラシ毛11を歯または歯間などに摩擦させながら歯磨きをすることができる。この場合、ヘッド部10は、振動のない従来の歯ブラシと比べると、振動によって異物を歯または歯間から容易に脱離させて歯磨きの効率を向上させることができる。
【0039】
ヘッド部10にはヘッド結合部21が挿入されるように穴(符号不図示)が設けられてもよく、使用者は、ヘッド結合部21にヘッド部10を差し込んでヘッド部10を把持部20に連結させることができる。
【0040】
ヘッド部10に植毛された歯ブラシ毛11が古くなった場合、使用者はヘッド結合部21からヘッド部10を分離した後、新しいヘッド部10を差し込んで使用してもよく、または、異なる配列を有する歯ブラシ毛11が設けられる異なるヘッド部10を交互にヘッド結合部21に差し込んで使用してもよい。
【0041】
把持部20にはヘッド部10が着脱されるヘッド結合部21が突出して形成される。把持部20の一端にはヘッド結合部21が棒状に突出してもよく、使用者はヘッド結合部21にヘッド部10を連結することにより、歯ブラシ毛11に把持部20から発生した振動が伝達されるようにすることができる。
【0042】
ヘッド結合部21の一端はヘッド部10の結合のために自由端であってもよく、他端には、把持部20の内部で発生した振動がヘッド結合部21を通じてヘッド部10に伝達される際に使用者が把持部20を握った部分に振動が戻ってくることを防止するための振動減衰部材(不図示)が設けられてもよい。
【0043】
即ち、ヘッド結合部21の根端には振動減衰部材が巻かれており、ヘッド結合部21が振動しても、使用者が把持部20を把持する部分には振動が戻ってこないか、戻ってくる振動が最小化されることができる。
【0044】
このとき、振動減衰部材はスプリングのような弾性部材であってもよいが、ヘッド結合部21の根端を通じて水などが把持部20の内部に滲むことを防止するために、振動減衰部材はシーリングの役割を兼ねることができるゴムなどの部材が使用されてもよい。
【0045】
ヘッド結合部21には突起211が設けられてもよい。ヘッド結合部21は棒状に設けられてもよく、ヘッド部10にはヘッド結合部21の形状に対応する穴が設けられてヘッド部10がヘッド結合部21に差し込まれることができるが、このとき、突起211は、ヘッド部10の結合方向を限定するために設けられることができる。
【0046】
ヘッド結合部21の断面が円形でなければ、突起211がなくてもヘッド部10がヘッド結合部21に結合される方向が限定されることができるため、この場合は突起211が省略されてもよい。
【0047】
把持部20の内部には電源部30と電動モータ40、偏心軸50などが設けられるが、このとき、偏心軸50は少なくとも一部がヘッド結合部21の内側に位置することができ、特に偏心軸50に含まれる偏心錘52はヘッド結合部21の内側に設けられることができる。従って、偏心錘52によって振動が発生すると、振動は効果的にヘッド結合部21を通じてヘッド部10に伝達することができる。
【0048】
このとき、ヘッド結合部21の内側の一端にはベアリング212が設けられてもよい。ベアリング212は、ヘッド結合部21に設けられる偏心軸50が安定的に回転できるように偏心軸50の一端を回転可能な状態で支持するための構成であり、ベアリング212には後述する偏心軸50のベアリング固定部56が結合されてもよい。
【0049】
把持部20においてヘッド結合部21が設けられる一面の反対側である他端には、カバー(符号不図示)が設けられてもよい。カバーは把持部20の内部を開閉する構成であってもよく、把持部20の内部に収容された電源部30などが交換できるようにすることができる。
【0050】
また、カバーは電源部30に電力を供給する構成であってもよい。例えば、カバーは外部から電力の供給を受けて電源部30に伝達することができる構造であってもよい。このとき、カバーの構造は、必ずしも金属である必要はなく、広く使用される非接触充電のための構造であってもよい。
【0051】
把持部20にはスイッチ22が設けられる。スイッチ22は振動のオン/オフを制御する構成であり、電動モータ40に連結されることができる。使用者が把持部20を把持した状態でスイッチ22を押すと、電動モータ40の作動により偏心軸50が回転し、偏心錘52が振動を発生させて歯ブラシ毛11に振動が付与される。
【0052】
このとき、スイッチ22は単にオン/オフを制御するものであってもよく、これに加えて振動パターンを制御する構成であってもよい。即ち、本実施例は、2つ以上の振動パターンを保存しておき、スイッチ22を繰り返して押す度に振動パターンが変わるようにすることができる。このとき、振動パターンとは振動の周期、強弱、時間などを意味する。
【0053】
勿論、スイッチ22は複数個であってもよく、何れか1つのスイッチ22はオン/オフを制御し、他の1つのスイッチ22は振動パターンを選択するものであってもよい。また、スイッチ22の近くまたは把持部20の一定位置には、LEDなどの照明(不図示)が付着されてもよく、照明は振動のオン/オフ有無または振動パターン、電源部30の状態などを表すことができる。
【0054】
電源部30は、把持部20内に収容されて電動モータ40に電力を供給する。電源部30は交換可能なバッテリーの形態であってもよく、この場合、把持部20のカバーを開放して電源部30を交換することができる。
【0055】
また、電源部30は交換が不可能なバッテリーであってもよく、把持部20のカバーなどを利用して充電が行われてもよい。電源部30は交換が可能であるとともに把持部20内に収容された状態で充電できる構成であってもよいことは言うまでもない。
【0056】
電源部30の電力貯蔵量は上述した照明によって使用者に表示することができ、その他にも電源部30の電力が足りないと判断される場合、歯磨きのための振動パターンとは異なる振動パターンに基づいて振動が付与されて使用者に識別されてもよい。
【0057】
電源部30は電気的に電動モータ40に連結できる状態を保持することができ、電力供給有無はスイッチ22によって操作されてもよい。電源部30は把持部20内で電動モータ40に近接して設けることができる。
【0058】
電動モータ40は把持部20内に収容され回転力を発生させる。電動モータ40は電源部30により電力の供給を受けて稼働されてもよく、スイッチ22により稼動有無及び回転状態が調整されてもよい。
【0059】
電動モータ40にはモータ軸41が設けられ、モータ軸41には偏心軸50の他端が結合される。即ち、偏心軸50は、一端がヘッド結合部21内に設けられるベアリング212に回転可能に結合され、他端がモータ軸41と一体で回転されるようにモータ軸41に連結されてもよい。
【0060】
本実施例の場合、偏心軸50の回転軸53が金属からなるため、偏心軸50の耐久性と弾性力を保障しながらも振動力を確保するために回転軸53の長さが十分に伸びることができ、この場合、電動モータ40のサイズを小型化することができる。即ち、本実施例における電動モータ40は、従来使用されたモータと比べてサイズの面で50%以上縮小することができ、その場合でも、本実施例は、回転軸53がニッケルチタンなどの金属からなり、偏心軸50の全長が十分に確保されることにより振動の伝達効率は保障することができる。
【0061】
偏心軸50は電動モータ40に連結されて回転し、少なくとも一部が偏心されて振動を発生させ、ヘッド結合部21に振動を伝達する。偏心軸50によって発生する振動は、ヘッド結合部21を経てヘッド部10に伝達されるが、上述したようにヘッド結合部21の他端には振動減衰部材が設けられるため、偏心軸50による振動が使用者の手に伝達されることを抑制することができる。
【0062】
偏心軸50は、モータ固定部51と、偏心錘52と、回転軸53と、錘固定部54と、衝撃吸収部55a、55bと、ベアリング固定部56とを含む。
【0063】
モータ固定部51は電動モータ40に連結される。モータ固定部51は電動モータ40のモータ軸41を取り囲む構成で、モータ軸41に堅固に結合されてモータ軸41の回転時に偏心軸50が全体的に一緒に回転されるようにすることができる。
【0064】
モータ固定部51がモータ軸41を取り囲みながらモータ軸41を基準として空回りしないようにするために、モータ軸41やモータ軸41が挿入されるモータ固定部51の穴は円形ではない断面を有してもよい。
【0065】
また、モータ軸41には上述した突起(不図示)と類似する構成が設けられることで、モータ軸41にモータ固定部51が差し込まれた場合、モータ軸41とモータ固定部51が一体で回転するようにすることができる。
【0066】
偏心錘52は、ヘッド結合部21に隣接して、またはヘッド結合部21内に設けられてもよく、電動モータ40の回転中心からずれて設けられ、偏心軸50が回転する際に中心線が偏心軸50の回転中心からずれた状態で回転するようになるため、偏心錘52によって振動が発生することができる。このとき、偏心錘52の中心線とは、長さ方向に重心を貫通する線を意味することができる。
【0067】
偏心錘52の中心線は、例えば、電動モータ40の回転中心と2.0mm以内にずれた距離であってもよい。これは偏心錘52の中心線が電動モータ40の回転中心と離れすぎると、偏心軸50によって発生する振動が大きくなって使用者に不便を与えることがあり、また、偏心軸50が回転するに伴って偏心錘52が次第に偏心軸50の回転中心から遠ざかるように偏ることによってヘッド結合部21の内面を打撃し、騒音が発生するおそれがあるためである。勿論、偏心錘52の中心線と電動モータ40の回転中心との間隔は上記に限定されない。
【0068】
特に、本実施例は、1.0kgfの外部の圧力が加わる場合であっても、回転する偏心軸50の偏心錘52によって騒音の発生を抑制することができる。このとき、外部の圧力や衝撃にも関わらず、騒音の発生は偏心錘52の中心線と電動モータ40の回転中心との間隔、回転軸53の材質、及び/または衝撃吸収部55a、55bなどによって抑制することができる。
【0069】
回転軸53はモータ固定部51と偏心錘52を連結する。回転軸53は、一端が偏心錘52に連結され、他端がモータ固定部51に連結されることができるが、回転軸53の一端は錘固定部54を通じて偏心錘52に連結されてもよい。
【0070】
回転軸53はモータ固定部51と偏心錘52を連結し、金属材質からなってもよい。このとき、回転軸53はニッケルチタンなどからなり、ニッケルチタンは偏心軸50の基本的な機能を具現するために弾性力、復元力、耐久性を最も十分に確保することができる材質である。
【0071】
即ち、合成樹脂ではないニッケルチタンからなる回転軸53は、外部の衝撃が加わっても弾性力及び回復力によって偏心錘52とヘッド結合部21の内面が衝突して騒音を発生させることを効果的に抑制することができるとともに、耐久性を確保するため、折れることを防止することができる。
【0072】
但し、回転軸53は、復元力と弾性力などを上げるために、0.4~1.0mmの直径であってもよく、0.7~0.8mmの直径であることが好ましい。このような直径を有する回転軸53は、直径が小さすぎる場合に偏心錘52の振動幅が大きくなって偏心錘52がヘッド結合部21などと衝突する問題を解消することができるとともに、直径が大きすぎる場合に復元力が低下する問題を解消することができる。
【0073】
即ち、本実施例は、回転軸53をニッケルチタンなどの金属で製作することで、偏心軸50が回転するとき回転軸53により復元力と弾性力が保障されるため偏心錘52による騒音発生を抑制することができるとともに、耐久性を確保して偏心軸50の折れを防止することができる。
【0074】
錘固定部54は偏心錘52と回転軸53を連結する。回転軸53に偏心錘52を直接連結すると、回転軸53と偏心錘52の間に発生し得る段差によって回転軸53と偏心錘52の連結部分に応力が集中されて脆弱になる可能性があるため、回転軸53と偏心錘52の間に錘固定部54を置いて脆弱地点を補うことができる。
【0075】
このとき、錘固定部54は、モータ固定部51と同様に、回転軸53より相対的に大きい断面を有することができる。錘固定部54とモータ固定部51の直径は同一または異なってもよいが、例えば、錘固定部54は回転軸53と偏心錘52の間を連結するための構成であるため、回転軸53の直径よりは大きく、偏心錘52の最大直径よりは小さい直径であってもよい。即ち、モータ固定部51の直径が偏心錘52の最大直径と同じである場合、錘固定部54の直径はモータ固定部51の直径より小さくてもよい。
【0076】
衝撃吸収部55a、55bは、モータ固定部51と回転軸53の間、及び/または錘固定部54と回転軸53の間に設けられる。衝撃吸収部55a、55bは、回転軸53からモータ固定部51または錘固定部54に行くほど断面が拡大される形状であってもよく、例えば、円錐台などの形状であってもよい。
【0077】
衝撃吸収部55a、55bは、前の錘固定部54で説明したように、偏心軸50において断面が急に拡大される部分が脆弱になることを防止するために設けることができる。
【0078】
このとき、衝撃吸収部55a、55bは、モータ固定部51と錘固定部54の間の長さ対比で35%以内の高さを有することができ、これは弾性力及び回復力を確保するために最適化された数値である。
【0079】
モータ固定部51と回転軸53の間に設けられる衝撃吸収部55aは、回転軸53と錘固定部54の間に設けられる衝撃吸収部55bより相対的に小さい高さであってもよい。また、モータ固定部51と回転軸53の間に設けられる衝撃吸収部55aは、回転軸53と錘固定部54の間に設けられる衝撃吸収部55bと同一または異なる最大断面を有してもよい。勿論、両衝撃吸収部55a、55bの大きさは上記に限定されない。
【0080】
衝撃吸収部55a、55bは、回転軸53をモータ固定部51及び錘固定部54に間接的に連結させるために用いられてもよい。即ち、回転軸53は、衝撃吸収部55a、55bに固定されるだけで、モータ固定部51及び錘固定部54と直接連結されなくてもよい。
【0081】
勿論、衝撃吸収部55a、55bは、回転軸53が錘固定部54またはモータ固定部51に直接連結される一端または他端を取り囲むように設けられてもよい。即ち、回転軸53は、一端または他端が錘固定部54またはモータ固定部51に直接的または間接的に連結されてもよく、衝撃吸収部55a、55bは連結部分を取り囲むように設けられてもよい。
【0082】
衝撃吸収部55a、55bには溝551が設けられてもよい。溝551は表面に少なくとも1つ以上形成され、本実施例は、溝551を形成することにより、弾性力を増大させて衝撃を吸収することができる。このとき、溝551は、回転軸53からモータ固定部51または錘固定部54に行くほど相対的に大きくなる形状であってもよいが、溝551の形状や大きさまたは配置などは上記に限定されない。
【0083】
ベアリング固定部56は偏心錘52から突出し、ヘッド結合部21内に設けられるベアリング212に回転可能に結合される。ベアリング固定部56は、モータ軸41を取り囲んでモータ軸41と一体で回転するモータ固定部51とは異なり、ベアリング212に固定されるが、ヘッド結合部21とは分離されて回転するように設けられる。
【0084】
即ち、電動モータ40によって偏心軸50が回転すると、偏心軸50の一端をなすベアリング固定部56はベアリング212によって支持されるため、偏心軸50は安定的に回転し続けることができる。このとき、ベアリング固定部56は、回転軸53より相対的に大きい断面であるが、モータ固定部51または錘固定部54よりは相対的に小さい断面であってもよい。
【0085】
偏心軸50は、金属材質からなる回転軸53を除き、金属ではない材質(例えば、合成樹脂の材質)からなってもよい。このとき、錘固定部54と偏心錘52及びベアリング固定部56は、一体で設けられてもよく、モータ固定部51は別途で設けられてもよい。
【0086】
従って、回転軸53は、一端が錘固定部54に直接的または間接的に結合され、他端がモータ固定部51に直接的または間接的に結合されることで、モータ固定部51と偏心錘52を連結する。即ち、偏心軸50は、回転軸53、モータ固定部51、錘固定部54と偏心錘52、及びベアリング固定部56からなる部品を用意した後、回転軸53を挟んでモータ固定部51と上記部品を連結する方法によって製造されることができる。
【0087】
錘固定部54などを全て金属材質にするのであれば、偏心軸50は一体で製作することができるが、この場合は、振動が酷くなり、復元力が低下するおそれがあるため、本実施例では、回転軸53だけを金属材質にし、偏心軸50をなす残りの構成は合成樹脂などの材質にし、組立工程を通じて偏心軸50を完成することができる。
【0088】
このように、本実施例は、偏心軸50の回転軸53を金属材質で構成して弾性力と回復力を確保するとともに、耐久性も保障できるようにすることで、騒音の発生を抑制し、使用寿命を増やして消費者の満足度を最大化することができる。
【0089】
本発明は、上記で説明した実施例に限定されず、上記実施例の組み合わせまたは上記実施例のうち少なくとも何れか1つと公知技術の組み合わせをさらに他の実施例として含むことができる。
【0090】
以上、本発明を具体的な実施例を通じて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者によってその変形や改良が可能であることは明らかである。
【0091】
本発明の単純な変形ないし変更は全て本発明の領域に属し、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲によって明確になるだろう。
【符号の説明】
【0092】
1 振動歯ブラシ
10 ヘッド部
11 歯ブラシ毛
20 把持部
21 ヘッド結合部
211 突起
212 ベアリング
22 スイッチ
30 電源部
40 電動モータ
41 モータ軸
50 偏心軸
51 モータ固定部
52 偏心錘
53 回転軸
54 錘固定部
55a、55b 衝撃吸収部
551 溝
56 ベアリング固定部
図1
図2
図3