(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】光素子搭載用パッケージ、電子装置及び電子モジュール
(51)【国際特許分類】
H01S 5/024 20060101AFI20220930BHJP
H01S 5/02255 20210101ALI20220930BHJP
H01S 5/042 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
H01S5/024
H01S5/02255
H01S5/042 612
(21)【出願番号】P 2020553357
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(86)【国際出願番号】 JP2019041184
(87)【国際公開番号】W WO2020080539
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】P 2018197507
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018203476
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】北川 明彦
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 将
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-243744(JP,A)
【文献】特開2018-117088(JP,A)
【文献】特開2013-161841(JP,A)
【文献】特開2017-098494(JP,A)
【文献】特開2006-339559(JP,A)
【文献】特開2018-101692(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0121683(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
H01L 33/00 - 33/64
H01L 23/28 - 23/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光素子が搭載可能な第1搭載部並びに光学部品が搭載可能な第2搭載部を含んだ凹部を有する基体を備え、
前記基体は、
前記第1搭載部を挟んで前記第2搭載部の反対側に位置する放熱部と、
蓋体が接続される封止部と、
前記放熱部
の外面に、平面視で前記凹部及び前記封止部と重ならないよう配置された配線導体と、
を有し、
前記配線導体は、前記光素子と前記凹部内の電極を介して電気的に接続され、あるいは、電流を流さないダミー配線導体であり、
平面視において前記第2搭載部は前記第1搭載部と前記配線導体との間を交差しない光素子搭載用パッケージ。
【請求項2】
平面視において前記放熱部は前記封止部よりも外方に位置する、
請求項1記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項3】
前記凹部の開口側を上方として、
前記配線導体は、前記放熱部の上面上に配置されている、
請求項1又は請求項2に記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項4】
前記放熱部と前記基体における前記放熱部以外の部分との間に段差を有する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項5】
前記凹部の開口側を上方として、
前記凹部は、
前記第1搭載部を挟んで前記第2搭載部の反対側に位置し、前記第1搭載部よりも高い段部を含む、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項6】
前記光素子と電気的に接続される電極を備え、
前記電極が前記段部上に配置される、
請求項5記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項7】
前記凹部の開口側を上方として、
前記配線導体は、前記放熱部の底面に配置されている、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項8】
前記配線導体は、前記放熱部の前記凹部とは反対側の面上に配置されている、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項9】
前記凹部の開口側を上方として、
前記放熱部の下部が金属であり、
前記放熱部の上部が絶縁体である、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項10】
前記第2搭載部が前記封止部に対して傾斜している、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項11】
記凹部の側壁のうち前記第1搭載部を挟んで前記第2搭載部の反対側に位置する第1側壁部の内面から前記放熱部の突出側の面までの最大の厚みは、前記凹部の側壁のうち前記第1側壁部を除く部分の最小の壁厚の2倍以上である、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項12】
前記基体は、第1主面を有し、
前記凹部は、前記第1主面に開口しかつ前記光素子と電気的に接続される電極を更に含み、
前記凹部は、
第1内底面と、
前記第1内底面よりも前記第1主面の高さに近い第1段部と、
前記放熱部に含まれ、前記第1段部よりも前記第1主面の高さに近く、前記第1段部を挟んで前記第1内底面の反対側に位置しかつ前記凹部の内側面に接続する第2段部と、
を有し、
前記第2搭載部が前記第1内底面上に位置し、
前記第1搭載部が前記第1段部上に位置し、
前記電極が前記第2段部上に位置する、
請求項1記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項13】
前記基体は、前記第1主面の反対側に位置する第2主面を有し、
前記光素子搭載用パッケージは、更に、前記電極と電気的に接続されかつ前記第2主面に配置された第1配線導体を備え、
前記第1配線導体は、前記配線導体とは別の配線導体であり、
平面視において前記第1配線導体と前記第2段部と前記電極とが重なる、
請求項12記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項14】
前記基体は、前記第1主面の反対側に位置する第2主面を有し、
前記光素子搭載用パッケージは、更に、前記電極と電気的に接続されかつ前記第2主面に配置された第2配線導体を備え、
前記第2配線導体は、前記配線導体とは別の配線導体であり、
前記凹部は、前記第1段部上に位置し、前記光素子と前記第1搭載部との間に介在されるサブマウントが搭載される第3搭載部を更に含み、
平面視において前記第2配線導体と前記第3搭載部とが重なる、
請求項12に記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項15】
前記基体の第1外側面に配置された第3配線導体を更に備え、
前記第1外側面は、前記第2段部を挟んで前記第1段部の反対側に位置する、
請求項12に記載の光素子搭載用パッケージ。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載された光素子搭載用パッケージと、
前記第1搭載部に搭載された光素子と、
前記第2搭載部に搭載された光学部品と、
前記光素子搭載用パッケージに接合される蓋体と、
を備える電子装置。
【請求項17】
請求項16に記載の電子装置と、
前記電子装置が搭載されたモジュール用基板と、
を備えることを特徴とする電子モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光素子搭載用パッケージ、電子装置及び電子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
以前より、TO(Transistor Outline)-CAN型の半導体レーザー装置がある(例えば特開平6-275920号公報を参照)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の光素子搭載用パッケージは、
光素子が搭載可能な第1搭載部並びに光学部品が搭載可能な第2搭載部を含んだ凹部を有する基体を備え、
前記基体は、
前記第1搭載部を挟んで前記第2搭載部の反対側に位置する放熱部と、
蓋体が接続される封止部と、
前記放熱部の外面に、平面視で前記封止部及び前記凹部と重ならないよう配置された配線導体と、
を有し、
前記配線導体は、前記光素子と前記凹部内の電極を介して電気的に接続され、あるいは、電流を流さないダミー配線導体であり、
平面視において前記第2搭載部は前記第1搭載部と前記配線導体との間を交差しない。
【0004】
本開示の電子装置は、上記の光素子搭載用パッケージと、
前記第1搭載部に搭載された光素子と、
前記第2搭載部に搭載された光学部品と、
前記光素子搭載用パッケージに接合された蓋体と、
を備える構成が採用される。
【0005】
本開示の電子モジュールは、上記の電子装置と、
前記電子装置が搭載されたモジュール用基板と、
を備える構成が採用される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、光素子から光学部品に加わる発熱の影響を低減できる光素子搭載用パッケージ、電子装置及び電子モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】実施形態1に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す縦断面図である。
【
図1B】実施形態1に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
【
図2】実施形態1に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置の放熱作用を説明する図である。
【
図3A】実施形態2に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す断面図である。
【
図3B】実施形態2に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
【
図4A】実施形態3に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す縦断面図である。
【
図4B】実施形態3に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
【
図5】実施形態3に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置の放熱作用を説明する図である。
【
図6A】実施形態4に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す縦断面図である。
【
図6B】実施形態4に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
【
図7A】実施形態5に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す縦断面図である。
【
図7B】実施形態5に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
【
図8A】実施形態6に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す縦断面図である。
【
図8B】実施形態6に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
【
図9】実施形態7に係る光素子搭載用パッケージ、電子装置及び電子モジュールを示す縦断面図である。
【
図10】実施形態8に係る光素子搭載用パッケージ、電子装置及び電子モジュールを示す縦断面図である。
【
図11】実施形態に係る電子モジュールの第1例を示す縦断面図である。
【
図12A】実施形態に係る電子モジュールの第2例の縦断面図である。
【
図12B】実施形態に係る電子モジュールの第2例の光素子搭載用パッケージの下面図である。
【
図13A】実施形態に係る電子モジュールの第3例の縦断面図である。
【
図13B】実施形態に係る電子モジュールの第3例の光素子搭載用パッケージの左側面図である。
【
図14A】実施形態9に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す縦断面図である。
【
図14B】実施形態9に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
【
図15】実施形態9に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置の放熱作用を説明する図である。
【
図16A】実施形態10に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す縦断面図である。
【
図16B】実施形態10に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
【
図17】実施形態10の光素子搭載用パッケージ及び電子装置の変形例を示す平面図である。
【
図18A】実施形態11に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す縦断面図である。
【
図18B】実施形態11に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
【
図19】実施形態11の光素子搭載用パッケージ及び電子装置の変形例を示す平面図である。
【
図20A】実施形態12に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す縦断面図である。
【
図20B】実施形態12に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
【
図21】実施形態の電子モジュールの第1例を示す縦断面である。
【
図22】実施形態の電子モジュールの第2例を示す縦断面である。
【
図23】実施形態の電子モジュールの第3例を示す縦断面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
(実施形態1)
図1A及び
図1Bは、実施形態1に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示し、
図1Aは縦断面図、
図1Bは平面図である。以下、図面に示したXYZの直交三軸の方向を用いて光素子搭載用パッケージ101の各方向を表わすときがある。Z方向は、光素子搭載用パッケージ101に設けられた凹部111の深さ方向に相当する。また、Z方向を下方、Z方向の逆方を上方、X軸に沿った方向を前後方向、Y軸に沿った方向を左右方向として、上下、高低、前後及び左右を表わす場合がある。明細書で言う前後左右上下は、電子装置が電子モジュールに組み込まれたときの前後左右上下とは異なっていてもよい。
【0010】
<光素子搭載用パッケージ>
実施形態1の光素子搭載用パッケージ101は、表面実装型のパッケージであり、凹部111及び放熱部120を有する基体110と、外部と電気的に接続される配線導体130a、130bとを備える。
【0011】
基体110は、上面(第1面)110aと、その反対側の下面(第2面)110bと、上面110aに開口した凹部111とを有する。基体110の上面110aには、蓋体105が接続可能な封止部116が含まれる。基体110は、セラミックなどの絶縁体であり、その内部に、凹部111内の電極114a、114bと、外面の配線導体130a、130bとを電気的に結ぶ配線を有してもよい。
【0012】
凹部111は、側壁の内面と、内底面とに囲まれ、上方が開口している。側壁には、X方向の一方と他方に配置される前側壁部112a及び後側壁部112cと、Y方向の一方と他方に配置される左側壁部112b及び右側壁部112dとが含まれる。内底面には、電気的に駆動される光素子(レーザーダイオードなど)102が搭載される第1搭載部113aと、光学部品(ミラーなど)103が搭載される第2搭載部113bと、電極部113cとが含まれる。第1搭載部113aと第2搭載部113bとは、Z方向に見たときにY方向の位置が互いに異なる。電極部113cは、特に限定されないが、第1搭載部113aを挟んで第2搭載部113bの反対側に位置する。電極部113cには、光素子102と電気的に接続される電極114a、114bが設けられる。
【0013】
基体110は、第1搭載部113aを挟んで第2搭載部113bの反対側の位置に放熱部120を有する。ここで、放熱部120とは、
図1Aに示すような断面において、第1搭載部113a側の側壁において、第1搭載部113a側の内壁から第2搭載部113b側の右側壁部112dの厚み(Y方向の長さ)を超える部分のことである。
図1Aにおいては、第1搭載部113a側の側壁において、右側壁部112dの厚みに相当する部分を左側壁部112bとして示し、右側壁部112dの厚みを超える部分を、放熱部120と示している。
【0014】
封止部116は、基体110の上面110aの一部の領域であり、凹部111の開口の周りを環状に囲む。封止部116には、蓋体105の周縁部が例えば接合剤を介して接合される。実施形態1において、封止部116の左端は、放熱部120の上面に重なっていてもよい。
【0015】
放熱部120は、第1搭載部113aの熱を基体110の外側へ導くことができ、放熱部120を有さない構成と比較して、第1搭載部113aから第2搭載部113bへ伝導される熱が軽減される。放熱部120は、第1搭載部113aを挟んで第2搭載部113bの反対側の部位において、第2搭載部113bから第1搭載部113aを向く方向(Y方向)に、基体110の左側壁部112bから突出していると言える。そのため、以下の記載においては、放熱部120を突出体120と記載する場合がある。
【0016】
突出体120は、より詳細には、基体110の左側壁部(第1側壁部に相当)112bと一体化され、左側壁部112bから左方に突出している。左側壁部112bは、凹部111の左内側面から、規定の壁厚と、壁厚の設計バラツキとを加えた厚み(例えば規定の壁厚+120%)の部分に相当する。凹部111の左内側面から、左側壁部112bの壁厚以上に左方に張り出した部分が突出体120である。上記の規定の壁厚とは、例えば光素子搭載用パッケージ101に要求される耐荷重まで屈しない最低限の厚みに、余裕分の厚みが付加された厚みであってもよい。規定の壁厚は、前側壁部112a、後側壁部112c及び右側壁部112dにおいて、外界との仕切りとしてのみ機能する部分のうち、最も厚みの小さい壁厚と見なしてもよい。
【0017】
突出体120は、次の突出量を有する。すなわち、突出体120及び左側壁部112bを合せた部分の最大の厚みL1(
図1B)が、側壁のうち最も厚みの小さい壁厚L2(
図1B)の2倍以上となる突出量である。言い換えれば、左側壁部112bの内面から突出体120の突出側の面までの最大の厚みL1は、前側壁部112a、後側壁部112c及び右側壁部112dのうち最小の壁厚L2の2倍以上である。
【0018】
配線導体130a、130bは、特に限定されないが、基体110の下面110bに設けられ、凹部111内の電極114a、114bと電気的に接続されている。配線導体130a、130bの全部又は一部が突出体120の下面に位置してもよい。
【0019】
<電子装置>
実施形態1の電子装置100は、
図1に示すように、光素子搭載用パッケージ101と、光素子102と、光学部品103と、蓋体105と、サブマウント106とを有する。
【0020】
光素子102は、例えばレーザーダイオードであり、サブマウント106を介して、基体110の第1搭載部113aに搭載される。サブマウント106は、光素子102と第1搭載部113aとの間に介在する台であり、省略されてもよい。サブマウント106は、光素子102で発生した熱を拡散させる作用、光素子102の光軸の高さを上げる作用、並びに、光素子102と基体110との熱膨張の差に起因して光素子102に生じる応力を緩和する作用を及ぼす。さらに、サブマウント106は、光素子102の電極と基体110の電極114aとの間の電気配線を有する。光素子102は、右方の光学部品103に向けてレーザー光を出射する向きに搭載される。光素子102の2つの電極は、それぞれボンディングワイヤ等の接続部材W1、W2を介して電極114a、114bにそれぞれ電気的に接続されている。
【0021】
光学部品103は、例えばミラーであり、基体110の第2搭載部113bに搭載され、基体110の上面110aに対して傾斜した反射面103aを有する。光学部品103は、光素子102から右方へ出射されたレーザー光を、反射面103aにより上方へ反射する。光学部品103は、例えばガラス、樹脂又は金属板に反射膜が形成されて構成される。光学部品103は、熱により特性が変化する性質を有していていもよい。
【0022】
蓋体105は、透光性を有する板状の部材であり、その周縁部が接合剤を介して基体110の封止部116に接合される。蓋体105は、凹部111を封止する。蓋体105は、熱により特性が変化する性質を有していてもよい。実施形態1において、蓋体105は突出体120の上方まで張り出してもよいし、突出体120の上面と蓋体105の一部とが接合剤を介して接合されてもよい。
【0023】
<動作説明>
図2は、実施形態1に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置の放熱作用を説明する図である。
【0024】
電子装置100の配線導体130a、130bを介して光素子102に電圧が入力されると、光素子102が駆動する。光素子102が駆動されると、光素子からレーザー光が出射され、光学部品103で反射されかつ蓋体105を通過し、電子装置100の外部へ出射される。
【0025】
光素子102が駆動すると、光素子102が発熱し、熱の大部分は、サブマウント106を介して(サブマウント106が省略していれば直接に)第1搭載部113aから基体110の底部に拡散される。また、熱の一部は、接続部材W1、W2と電極部113cとを介して基体110の底部に拡散される。
【0026】
光素子搭載用パッケージ101は、突出体120があることで、第1搭載部113aの左方に大きな熱容量が確保される。このため、第1搭載部113aから基体110の底部に拡散された熱は、
図2に矢印で示すように、突出体120の方へ多く拡散し、拡散後、突出体120から電子装置100の外部へ放出される。つまり、突出体120が無い場合と比較して、熱が、基体110の底部から第2搭載部113bを介して光学部品103に伝導されてしまうことが抑制される。
【0027】
以上のように、実施形態1の光素子搭載用パッケージ101及び電子装置100によれば、基体110に光素子102と光学部品103とが搭載される凹部111が設けられることで、表面実装型のパッケージ及び電子装置100が実現される。表面実装型の光素子搭載用パッケージ101及び電子装置100によれば、これらの外面がモジュール用基板と面同士で接合されることから、小型でも高い放熱性が実現される。さらに、実施形態1の光素子搭載用パッケージ101及び電子装置100によれば、第1搭載部113aの左方に突出体120があることで、上述したように、光素子102の熱が光学部品103に伝導されてしまうことを抑制できる。したがって、光素子102からの発熱量が増大しても、光素子102の熱が速やかに放出されて、熱により光素子102自体の光学的な特性が劣化するといったことが抑制される。さらに、光素子102から光学部品103に熱が伝わって光学部品103が変形し、電子装置100の光学的な特性が劣化することを抑制できる。これらにより、安定した光学的な特性を維持できる。
【0028】
(実施形態2)
図3A及び
図3Bは、実施形態2に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示し、
図3Aは縦断面図、
図3Bは平面図である。
【0029】
実施形態2の光素子搭載用パッケージ101A及び電子装置100Aは、主に、蓋体105が搭載される封止部116Aと突出体120との位置関係が、実施形態1と異なる。同様の構成要素については、実施形態1と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0030】
光素子搭載用パッケージ101Aは、凹部111と封止部116Aと突出体120とを有する基体110を備える。
【0031】
封止部116Aは、突出体120の上方に張り出すことなく、基体110の上面110aに位置する。封止部116Aは、接合剤又は蓋体105が載せられる範囲にメッキがなされることで、あるいは、マーキングがされることで、その位置が識別されてもよい。あるいは、封止部116Aは、仕様書等に、接合剤又は蓋体105が載せられる範囲が示されることで、その位置が識別されてもよい。
【0032】
突出体120は、実施形態1と同様に、左側壁部112bから左方に突出している。突出体120は、平面視において(Z方向に見て)、封止部116Aの外方に位置する。実施形態2の突出体120は、実施形態1の突出体120の突出量の条件を満たしていてもよいし、満たしていなくてもよい。
【0033】
電子装置100Aは、光素子搭載用パッケージ101Aと、光素子102と、光学部品103と、蓋体105と、サブマウント106とを備える。蓋体105は封止部116Aに接合されている。Z方向に見たとき、蓋体105と突出体120とは離間している。
【0034】
以上のように、実施形態2の光素子搭載用パッケージ101A及び電子装置100Aによれば、実施形態1と同様に、高い放熱性と、光素子102から光学部品103へ伝わる熱量を低減できるという効果が得られる。さらに、実施形態2では、蓋体105が突出体120から離間しているので、光素子102の熱が、突出体120を介して蓋体105に伝導されてしまうことを低減できる。よって、蓋体105が熱の影響を受けて、光学的な特性が劣化してしまうことを抑制できる。
【0035】
(実施形態3)
図4A及び
図4Bは、実施形態3に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示し、
図4Aは縦断面図、
図4Bは平面図である。
【0036】
実施形態3の光素子搭載用パッケージ101B及び電子装置100Bは、主に、電極部113Bcの構成が、実施形態1、2と異なる。実施形態1、2と同様の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0037】
光素子搭載用パッケージ101Bは、凹部111、封止部116A及び突出体120を有する基体110Bと、配線導体130a、130aとを備える。
【0038】
凹部111には、第1搭載部113aを挟んで第2搭載部113bの反対側に位置する段部113dが含まれる。段部113dは、第1搭載部113aよりも高く、封止部116Aを含む上面110aより低い。段部113dの上面の領域が電極部113Bcに相当し、電極部113Bcに電極114a、114bが設けられている。
【0039】
実施形態3に係る電子装置100Bは、光素子搭載用パッケージ101Bと、光素子102と、光学部品103と、蓋体105と、サブマウント106とを備える。光素子102又はサブマウント106は、段部113dと、同程度の高さを有する。光素子102の電極は、ボンディングワイヤ等の接続部材W1、W2を介して段部113dの電極114a、114bと電気的に接続される。
【0040】
<動作説明>
図5は、実施形態3に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置の放熱作用を説明する図である。
【0041】
光素子102が発熱すると、熱の一部は、サブマウント106を介して(サブマウント106が省略していれば直接に)第1搭載部113aから基体110Bの底部に拡散される。また、熱の一部は、接続部材W1、W2と電極部113Bcとを介して基体110Bの段部113dに拡散される。一方、基体110Bは左側に熱容量の大きな突出体120を含むことで、段部113dと基体110Bの底部に拡散された熱は、突出体120へ多く伝導され、第2搭載部113bの方へ伝導する量が低減される。したがって、光素子102の熱が光学部品103に伝導させてしまうことが低減される。
【0042】
以上のように、実施形態3の光素子搭載用パッケージ101B及び電子装置100Bによれば、実施形態1と同様に、高い放熱性と、光素子102から光学部品103へ伝わる熱量を低減できるという効果が得られる。さらに、実施形態3では、接続部材W1、W1から熱が伝わる電極部113Bcが段部113dの上に設けられている。よって、電極部113Bcから第2搭載部113bへ熱が伝導してしまうことをより低減できる。したがって、光素子102の発熱量が大きくても、熱により光素子102及び光学部品103の光学的な特性が劣化するといったことをより抑制することができる。
【0043】
(実施形態4)
図6A及び
図6Bは、実施形態4に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示し、
図6Aは縦断面図、
図6Bは平面図である。
【0044】
実施形態4の光素子搭載用パッケージ101C及び電子装置100Cは、主に、配線導体130Ca、130Cbの配置が、実施形態3と異なる。実施形態3と同様の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0045】
光素子搭載用パッケージ101Cは、凹部111、封止部116A及び突出体120を有する基体110Bと、配線導体130Ca、130Caとを備える。
【0046】
配線導体130Ca、130Cbは、面状又は板状の導体であり、突出体120の上面に設けられている。配線導体130Ca、130Cbは、凹部111内の電極114a、114bと電気的に接続された導体であってもよいし、電流を流さないダミーの配線導体であってもよい。配線導体130Ca、130Cbがダミーの配線導体の場合、基体110Bの他の部位の外面に、別の配線導体が設けられ、これらに凹部111内の電極114a、114bが電気的に接続されていてもよい。
【0047】
封止部116Aは、配線導体130Ca、130Cbよりも右方に設けられ、配線導体130Ca、130Cbと重ならない。
【0048】
電子装置100Cは、光素子搭載用パッケージ101Cと、光素子102と、光学部品103と、蓋体105と、サブマウント106とを備える。蓋体105は封止部116Aに接合されている。Z方向に見たとき、蓋体105と配線導体130Ca、130Cbとは重ならない。
【0049】
以上のように、実施形態4の光素子搭載用パッケージ101C及び電子装置100Cによれば、実施形態1と同様に、高い放熱性と、光素子102から光学部品103へ伝わる熱量を低減できるという効果が得られる。さらに、実施形態4では、突出体120に配線導体130Ca、130Cbが設けられていることで、突出体120に伝導された熱を、配線導体130Ca、130Cbから外部へ効率的に放出でき、突出体120に熱が蓄積されてしまうことを抑制できる。例えば、配線導体130Ca、130Cbがモジュール用基板の接続パッドに接合されれば、モジュール用基板へ熱を放出でき、配線導体130Ca、130Cbにヒートシンクが接合されれば、ヒートシンクへ熱を放出できる。また、配線導体130Ca、130Cbに何も接続されなくても、放射等により熱を効率的に放出できる。よって、光素子102及び光学部品103に対する光素子102の発熱の影響がより低減され、電子装置100Cの光学的な特性をより安定的に維持できる。
【0050】
(実施形態5)
図7A及び
図7Bは、実施形態5に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示し、
図7Aは縦断面図、
図7Bは平面図である。
【0051】
実施形態5の光素子搭載用パッケージ101D及び電子装置100Dは、基体110D及び基体110Dに含まれる突出体120Dの一部の素材を変更したところが、実施形態3と異なる。実施形態3と同様の構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0052】
光素子搭載用パッケージ101Dは、凹部111、封止部116A及び突出体120Dを有する基体110Dと、配線導体130Ca、130Caとを備える。
【0053】
基体110Dは、高放熱材料である例えば銅、アルミなどの金属もしくはこれらを主成分とする合金から構成される金属部110Da、120Daと、セラミックなどの絶縁体から構成される絶縁部110Db、120Dbとを有する。金属部110Da、120Daは、基体110D及び基体110Dに含まれる突出体120Dの下部を占める。金属部110Da、120Daより上方を絶縁部110Db、120Dbが占める。金属部110Da、120Daは凹部111の内底面の高さから下方を占め、第1搭載部113a及び第2搭載部113bは、搭載面に金属部分が露出していてもよく、更に表面がめっきされていてもよい。基体110Dのその他の形態は、実施形態3と同様である。
【0054】
電子装置100Dは、光素子搭載用パッケージ101Dと、光素子102と、光学部品103と、蓋体105と、サブマウント106とを有する。光素子102は、サブマウント106を介して、金属部分が露出した第1搭載部113aに搭載される。光学部品103は、金属部分が露出した第2搭載部113bに搭載される。なお、第1搭載部113a及び第2搭載部113bの表面にめっきを有していてもよい。
【0055】
以上のように、実施形態5の光素子搭載用パッケージ101D及び電子装置100Dによれば、実施形態1と同様に、高い放熱性と、光素子102から光学部品103へ伝わる熱量を低減できるという効果が得られる。さらに、実施形態5では、金属部110Da、120Daによって、基体110D及び基体110Dに含まれる突出体120Dの熱容量と放熱量が増す。したがって、光素子102の発熱に起因する、電子装置100Dの全体の温度上昇が抑制される。よって、光素子102及び光学部品103に対する光素子102の発熱の影響がより低減され、光学的な特性をより安定的に維持できる。
【0056】
(実施形態6)
図8A及び
図8Bは、実施形態6に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示し、
図8Aは縦断面図、
図8Bは平面図である。
【0057】
実施形態6の光素子搭載用パッケージ101E及び電子装置100Eは、第2搭載部113Ebの形態と、基体110E及び基体110Eに含まれる突出体120Eの一部の素材を変更したところが、実施形態3と異なる。同様の構成要素については、実施形態3と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0058】
光素子搭載用パッケージ101Eは、凹部111、封止部116A及び突出体120Eを有する基体110Eと、配線導体130Ca、130Cbとを備える。凹部111には、光学部品103Eが搭載される第2搭載部113Ebが含まれる。第2搭載部113Ebは、第1搭載部113aより離れるほど、基体110Eの上面110aに近づくように傾斜している。
【0059】
基体110Eは、高放熱材料である例えば銅、アルミなどの金属もしくはこれらを主成分とする合金から構成される金属部110Ea、120Eaと、セラミックなどの絶縁体から構成される絶縁部110Eb、120Ebとを有する。金属部110Ea、120Eaは、基体110E及び基体110Eに含まれる突出体120Eの下部を占める。金属部110Ea、120Eaより上方を絶縁部110Eb、120Ebが占める。金属部110Ea、120Eaは、第2搭載部113Ebの傾斜の上端で、かつ、段部113dの上面より低い位置から、下方の部分を占める。
【0060】
電子装置100Eは、光素子搭載用パッケージ101Eと、光素子102と、光学部品103Eと、蓋体105と、サブマウント106とを有する。光学部品103Eは、板状のミラーであり、光素子102から右方に出射されたレーザー光を上方に反射する。光学部品103Eは、例えばガラス、樹脂又は金属板に反射膜が形成されて構成される。光素子102は、サブマウント106を介して、金属部分が露出した第1搭載部113aに搭載される。光学部品103Eは、金属部分が露出した第2搭載部113Ebに搭載される。なお、第1搭載部113a及び第2搭載部113Ebの表面にめっきを有していてもよい。
【0061】
以上のように、実施形態6の光素子搭載用パッケージ101E及び電子装置100Eによれば、実施形態1と同様に、高い放熱性と、光素子102から光学部品103Eへ伝わる熱量を低減できるという効果が得られる。さらに、実施形態6では、光学部品103Eを小型化し、電子装置100EのY方向の寸法の縮小を図れるという効果が得られる。光学部品103Eを小型化した場合、光学部品103Eへの熱の拡散量が比較的に少なくても、光学部品103Eの温度変化は大きくなる。しかし、実施形態6の構成によれば、金属部110Ea、120Eaによって、基体110E及び基体110Eに含まれる突出体120Eの熱容量と放熱量が増す。よって、光素子102の発熱に起因した電子装置100Eの全体の温度上昇が抑制され、光学部品103Eへの熱の拡散量をより低減できる。したがって、光学部品103Eを小型化しても、光学的な特性を安定的に維持できる。
【0062】
(実施形態7)
図9は、実施形態7に係る光素子搭載用パッケージ、電子装置及び電子モジュールを示す縦断面図である。
【0063】
実施形態7の光素子搭載用パッケージ101F及び電子装置100Fは、突出体120Fの形態が異なるところが、主に実施形態3と異なる。同一の構成要素については、実施形態3と同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0064】
光素子搭載用パッケージ101Fは、凹部111、封止部116A及び突出体120Fを有する基体110Bと、配線導体130Ca、130Cbとを備える。突出体120Fは、左側壁部112bから左方に突出している。突出体120Fと左側壁部112bとの間には、段差D1が設けられている。段差D1は、基体101Bの上面110aに位置し、突出体120Fの上面が、突出体120F以外の部分の上面よりも低い。なお、突出体120Fの前面と基体110Bの突出体120F以外の部分の前面との間、突出体120Fの後面と基体110Bの突出体120F以外の部分の後面との間にも、同様の段差が設けられていてもよい。
【0065】
配線導体130Ca、130Cbは、段差D1だけ低い突出体120Fの上面に設けられている。
【0066】
電子装置100Fは、光素子搭載用パッケージ101Fと、光素子102と、光学部品103と、蓋体105と、サブマウント106とを有する。
【0067】
実施形態7の光素子搭載用パッケージ101F及び電子装置100Fによれば、実施形態3の作用効果に加えて、モジュール用基板210に電子装置100Fを実装する際、段差D1を利用して、蓋体から出射される光を遮蔽しないように、電子装置100Fを容易に位置決めできるという利点がある。
【0068】
(実施形態8)
図10は、実施形態8に係る光素子搭載用パッケージ、電子装置及び電子モジュールを示す縦断面図である。
【0069】
実施形態8の光素子搭載用パッケージ101G及び電子装置100Gは、突出体120Gの形態が異なるところが、主に実施形態3と異なる。同一の構成要素については、実施形態3と同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0070】
光素子搭載用パッケージ101Gは、凹部111、封止部116A及び突出体120Gを有する基体110Bと、配線導体130Ca、130Cbとを備える。突出体120Gは、左側壁部112bから左方に突出している。突出体120Gと左側壁部112bとの接続部には、段差D2が設けられている。段差D2は、基体110Bの上面110aに位置し、突出体120Gの上面が、突出体120G以外の部分の上面よりも高い。なお、突出体120Gの前面と基体110Bの突出体120G以外の部分の前面との間、突出体120Gの後面と基体110Bの突出体120G以外の部分の後面との間にも、同様の段差が設けられていてもよい。
【0071】
配線導体130Ca、130Cbは、段差D2だけ高い突出体120Gの上面に設けられている。
【0072】
電子装置100Gは、光素子搭載用パッケージ101Gと、光素子102と、光学部品103と、蓋体105と、サブマウント106とを有する。
【0073】
実施形態8の光素子搭載用パッケージ101G及び電子装置100Gによれば、実施形態3の作用効果に加えて、モジュール用基板210に電子装置100Gを実装する際、段差D2を利用して、基板面と電子装置100Gとの間隔を広げることができる。よって、例えば、蓋体105が基板面に接触してしまうことを防止して、電子装置100Gの実装の信頼性を高めることができる。
【0074】
(電子モジュール)
<第1例>
図11は、実施形態に係る電子モジュールの第1例を示す縦断面図である。
【0075】
図11の電子モジュール200は、実施形態4の電子装置100Cと、モジュール用基板210とを備える。モジュール用基板210には、電子装置100C以外の電子装置、電子素子、電気素子などが実装されていてもよい。
【0076】
電子装置100Cは、その上面がモジュール用基板210の板面に対向する向きで、モジュール用基板210に実装される。モジュール用基板210は、光を出力する貫通孔212を有し、貫通孔212に蓋体105の上面部が位置する。配線導体130Ca、130Cbは、モジュール用基板210の接続パッド215a、215bに半田等の接合材220を介して接合される。
【0077】
図11の電子装置100Cは、さらに、下面にダミーの配線導体131が設けられている。電子モジュール200は、さらに、配線導体131に半田等の接合材222を介して接続されたヒートシンク230を有する。
【0078】
第1例の電子モジュール200において電子装置100Cは、突出体120D~120Gの上面上にダミーでない配線導体130Ca、130Cbが設けられた実施形態5~7の電子装置100D~100Gに変更可能である。
【0079】
実施形態5、6の電子装置100D、100Eが適用された場合、下部が金属なので、下面にはダミーの配線導体131を設けず、基体110D、110E及び基体110D、110Eに含まれる突出体120D、120Eの下面に接合材222を介してヒートシンク230が接合されてもよい。
【0080】
実施形態7の電子装置100Fが適用された場合、
図9に示したように、モジュール用基板210の貫通孔212には、蓋体105及び基体110Bの上端部が位置する。この構成によれば、電子装置100Fを実装する際、電子装置100Fの上部を貫通孔212に挿入して、電子装置100Fを容易に位置決めできるという効果が奏される。
【0081】
実施形態8の電子装置100Gが適用された場合、
図10に示したように、モジュール用基板210の貫通孔212に、蓋体105が進入しない高さで、電子装置100Gが実装される。この構成によれば、蓋体105がモジュール用基板210と接触することを抑制でき、実装の信頼性を向上できる。また、貫通孔212を蓋体105より小さくすることができる。
【0082】
【0083】
図12Aの電子モジュール200Lは、実施形態3の電子装置100Bと、モジュール用基板210Lとを備える。
【0084】
電子装置100Bは、下面がモジュール用基板210Lの板面に対向する向きで、モジュール用基板210Lに実装される。電子装置100Bの配線導体130a、130bは、モジュール用基板210Lの接続パッド215a、215bに半田等の接合材224を介して接合されている。
【0085】
電子装置100Bは、
図12Bに示すように、下面に、更に、ダミーの配線導体130cが設けられていてもよい。そして、ダミーの配線導体130cは、モジュール用基板210Lのグラウンド等の接続パッド215cに半田等の接合材224を介して接合されていてもよい。
【0086】
第2例の電子モジュール200Lにおいて電子装置100Bは、配線導体130a、130bを下面に有する実施形態1、2の電子装置100、100Aに変更可能である。また、実施形態4、7、8の電子装置100C、100F、100Gにおいても、突出体120、120F、120Gの上面の配線導体130Ca、130Cbがダミーであるなど、光素子102に電気的に接続された配線導体130a、130bが下面にあれば、電子装置100Bに替えて適用可能である。
【0087】
【0088】
図13Aの電子モジュール200Mは、実施形態3の電子装置100Bと、モジュール用基板210Mとを備える。ただし、
図13Bに示すように、電子装置100Bにおいて、光素子102と電気的に接続される配線導体130a、130bは、突出体120の左端面に設けられている。
【0089】
電子装置100Bは、突出体120の左端面がモジュール用基板210Mの板面に対向する向きで、モジュール用基板210Mに実装される。電子装置100Bの配線導体130a、130bは、モジュール用基板210Mの接続パッド215a、215bに半田等の接合材224を介して接合されている。
【0090】
第3例の電子モジュール200Mにおいて電子装置100Bは、実施形態1、2、4~8の電子装置100、100A、100C~100Gに変更可能である。ただし、実施形態1、2、4~8の電子装置100、100A、100C~100Gにおいても、光素子102と電気的に接続された配線導体130a、130bが、左端面に設けられている構成に限られる。
【0091】
以上のような電子モジュール200、200L、200Mによれば、光学的な特性の安定した光モジュールを提供できる。
【0092】
<光素子搭載用パッケージの製造方法1>
以下、実施形態1の光素子搭載用パッケージ101についての製造方法を示す。実施形態2~4、7、8の光素子搭載用パッケージ101A~101C、101F、101Gについても、同様の製造方法を適用できる。
【0093】
突出体120を含む基体110は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体又はガラスセラミックス焼結体等のセラミックスを用いることができる。基体110の主成分が酸化アルミニウム(Al2O3)である酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、Al2O3の粉末に焼結助材としてシリカ(SiO2)、マグネシア(MgO)、カルシア(CaO)等の粉末を添加し、さらに適当なバインダー、溶剤及び可塑剤を添加し、次にこれらの混合物を混錬してスラリー状となす。その後、従来周知のドクターブレード法等の成形方法によって多数個取り用のセラミックグリーンシートを得る。
【0094】
このセラミックグリーンシートを用いて、以下の[1]~[5]の工程により光素子搭載用パッケージ101が作製される。
【0095】
[1]凹部111となる部位の打ち抜き金型を用いた打ち抜き工程。なお、封止部116を含む基体110の上面110aは、セラミックグリーンシートに治具等を押し当てることにより形成してもよい。
【0096】
[2]基体110に電極114a、114b、配線導体130a、130bをそれぞれ形成するための導体ペーストの印刷塗布及び充填工程。
【0097】
[3]各絶縁層となるセラミックグリーンシートを積層してセラミックグリーンシート積層体を作製する工程、又は[1]の工程を省き、凹部111及び突出体120を有する基体110の形状に成形可能な金型を用いてセラミックグリーンシートを加圧し、成型体を作製する工程。
【0098】
[4]このセラミックグリーンシート積層体を約1500~1800℃の温度で焼成して、電極114a、114b、配線導体130a、130bを含む基体110が複数配列された多数個取り基板を得る工程。
【0099】
[5]焼成して得られた多数個取り基板に光素子搭載用パッケージ101の外縁となる箇所に沿って分割溝を形成しておき、この分割溝に沿って破断させて分割する、又はスライシング法等により光素子搭載用パッケージ101の外縁となる箇所に沿って切断する工程。
【0100】
なお、分割溝は、焼成後にスライシング装置により多数個取り基板の厚みより小さく切り込むことによって形成することができるが、多数個取り基板用のセラミックグリーンシート積層体にカッター刃を押し当てたり、スライシング装置によりセラミックグリーンシート積層体の厚みより小さく切り込んだりすることにより形成してもよい。
【0101】
また、上述の[2]の工程において、配線導体130a、130bは、基体110用のセラミックグリーンシートに導体ペーストをスクリーン印刷法等によって所定形状で印刷して、基体110用のセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって、複数の基体110のそれぞれの所定位置に形成される。セラミックグリーンシートを厚み方向に貫通する内部の配線は、導体ペーストを印刷することによってセラミックグリーンシートに形成した貫通孔を充填しておけばよい。このような導体ペーストは、タングステン、モリブデン、マンガン、銀又は銅等の金属粉末に適当な溶剤及びバインダーを加えて混練することによって、適度な粘度に調整して作製される。なお、導体ペーストは、基体110との接合強度を高めるために、ガラス、セラミックスを含んでいても構わない。
【0102】
また、電極114a、114b及び配線導体130a、130bの露出した表面に、厚さ0.5~5μmのニッケルめっき層及び厚さ0.1~3μmの金めっき層を順次被着させるか、又は厚さ1~10μmのニッケルめっき層及び0.1~1μmの銀めっき層を順次被着させるのがよい。これによって、電極114a、114b及び配線導体130a、130bが腐食することを効果的に抑制できるとともに、電極114a、114bと接続部材W1、W2との接合、並びに、配線導体130a、130bとモジュール用基板210の接続パッド215a、215bとの接合を強固にできる。
【0103】
<光素子搭載用パッケージの製造方法2>
次に、実施形態5、6の光素子搭載用パッケージ101D、101Eについての製造方法を示す。この製造方法は、突出体120D、120Eを含む基体110D、110Eに金属部110Da、110Ea、120Da、120Eaが含まれるところが、上記製造方法と異なる。
【0104】
基体110D、110Eの絶縁部110Db、110Eb、120Db、120Ebは、上述した製造方法1と同様の方法で作製する。
【0105】
一方、基体110D、110Eの金属部110Da、110Ea、120Da、120Eaは、高放熱材料である銅又はアルミもしくはこれらを主成分とする合金をプレス成形等の周知の技術で作製する。
【0106】
これらの後、絶縁部110Db、110Eb、120Db、120Ebと、金属部110Da、110Ea、120Da、120Eaとを、ロウ付け等により接合することで、光素子搭載用パッケージ101D、101Eが製造される。
【0107】
(実施形態9)
図14A及び
図14Aは、実施形態9に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示し、
図14Aは縦断面図、
図14Bは平面図である。以下、図面に示したXYZの直交三軸の方向を用いて光素子搭載用パッケージ301の各方向を表わすときがある。Z方向は、光素子搭載用パッケージ301に設けられた凹部311の深さ方向に相当する。また、Z方向を下方、Z方向の逆方を上方、X軸に沿った方向を前後方向、Y軸に沿った方向を左右方向として、上下、高低、前後及び左右を表わす場合がある。明細書で言う前後左右上下は、電子装置が電子モジュールに組み込まれたときの前後左右上下とは異なっていてもよい。
【0108】
<光素子搭載用パッケージ>
実施形態9の光素子搭載用パッケージ301は、表面実装型のパッケージであり、凹部311を有する基体310と、基体310の外面に設けられた配線導体330a、330bとを備える。
【0109】
基体310は、上側の第1主面310aと、その反対側の第2主面310bと、第1主面310aに開口した凹部311とを有する。第1主面310aの全部又は一部は、蓋体305が接合される封止面として機能する。基体310は、セラミックなどの絶縁体であり、その内部には、凹部311内の電極314a、314bと、外面の配線導体330a、330bとを電気的に結ぶ導体を有してもよい。
【0110】
凹部311は、側壁の内面と、内底面とに囲まれ、上方が開口している。凹部311の内底面には、第1内底面316aと、第1内底面316aよりも高い第1段部316bと、第1段部316bよりも高い第2段部316cとが含まれる。第1内底面316a、第1段部316b及び第2段部316cは、この順でY軸方向に並ぶ。すなわち、第2段部316cは、第1段部316bを挟んで第1内底面316aの反対側に位置する。凹部311の開口と、第1内底面316a、第1段部316b及び第2段部316cとに交差する縦断面(例えばY-Z平面に沿った断面)において、第2段部316cは凹部311の内側面に接続(「連続」と言い換えてもよい)する。
【0111】
凹部311は、さらに、光素子(レーザーダイオードなど)302が搭載される第1搭載部313aと、光学部品(ミラーなど)303が搭載される第2搭載部313bと、サブマウント306が搭載される第3搭載部313cと、光素子302と電気的に接続される電極314a、314bとを有する。
【0112】
基体310において、第2段部316cを含めて第2段部316cから左方の部分(
図14A及び
図14Bの一点鎖線より左方の部分)が放熱部320である。放熱部320は、第1搭載部313aの熱を基体310の外側へ効率的に導くことができ、第1搭載部313aから第2搭載部313bへ伝導される熱を軽減する。
【0113】
第2搭載部313bは、第1内底面316a上に位置する。第1搭載部313a及び第3搭載部313cは、第1段部316b上に位置する。第3搭載部313cには、第1搭載部313aが含まれ、第1搭載部313aよりも第2段部316cに近くまで延びた広がりを有する。光素子302と第1搭載部313aとの間にはサブマウント306が介在され、光素子302はサブマウント306を介して第1搭載部313aに搭載される。なお、光素子302が直接に第1搭載部313aに搭載されてもよい。第1搭載部313aは、光素子302をZ方向に沿って凹部311の内底面に投影させた領域に相当する。電極314a、314bは、第2段部316c上に配置及び固定される。
【0114】
配線導体330a、330bは、面状又は板状の導体であり、本実施形態では特に限定されないが、基体310の第2主面310bに設けられている。配線導体330a、330bは、基体310内部に通された導体を介して、凹部311内の電極314a、314bと電気的に接続されている。
図14Aの例では、紙面の手前側と奥側とに2つの配線導体330a、330bが配置されている。
【0115】
<電子装置>
実施形態9の電子装置300は、
図14に示すように、光素子搭載用パッケージ301と、光素子302と、光学部品303と、蓋体305と、サブマウント306とを有する。
【0116】
光素子302は、レーザーダイオード等であり、例えば電気的に駆動されて発熱する性質を有していてもよい。光素子302は、サブマウント306を介して、基体310の第1搭載部313aに搭載される。光素子302は、レーザー光の出射部を右方に向けて搭載され、光学部品303にレーザー光を出射する。光素子302の2つの電極は、それぞれボンディングワイヤ等の接続部材W1、W2を介して電極314a、314bにそれぞれ電気的に接続されている。接続部材W1、W2の一方(
図14では接続部材W1)又は両方は、サブマウント306に設けられた電気配線を介して、光素子302の一方の電極に電気的に接続されてもよい。
【0117】
サブマウント306は、光素子302と第1搭載部313aとの間に介在する台であり、第3搭載部313cに搭載される。サブマウント306は省略されてもよい。サブマウント306は、光素子302で発生した熱を拡散させる作用、光素子302の光軸の高さを上げる作用、並びに、光素子302と基体310との熱膨張の差に起因して光素子302に生じる応力を緩和する作用を及ぼす。さらに、サブマウント306は、光素子302の電極(例えば接地電極)と電気的に接続される電気配線を有していてもよい。
【0118】
光学部品303は、例えばミラーであり、基体310の第2搭載部313bに搭載され、基体310の第1主面310aに対して傾斜した反射面303aを有する。光学部品303は、光素子302から右方へ出射されたレーザー光を、反射面303aにより上方へ反射する。光学部品303は、例えばガラス、樹脂又は金属板に反射膜が形成されて構成される。光学部品303は、熱により特性が変化する性質を有していていもよい。
【0119】
蓋体305は、透光性を有する板状の部材であり、その周縁部が接合剤を介して基体310の第1主面310aに接合される。蓋体305は、凹部311の開口の周囲の全周にわたって接合され、凹部311を封止する。
【0120】
<動作説明>
図15は、実施形態9に係る光素子搭載用バッケージ及び電子装置の放熱作用を説明する図である。
図15中、実線の矢印で熱の流れを示す。
【0121】
電子装置300が駆動されると、電子装置300の配線導体330a、330bを介して光素子302に電圧が入力され、光素子302が駆動する。光素子302が駆動されると、光素子からレーザー光が出射され、出射されたレーザー光が光学部品303で反射されかつ蓋体305を通過し、電子装置300の外部へ出射される。
【0122】
光素子302が駆動すると、光素子302が発熱し、熱の一部は、サブマウント306を介して第3搭載部313cから(サブマウント306が省略されていれば直接に第1搭載部313aから)第1段部316bに拡散される。また、熱の一部は、接続部材W1、W2と電極314a、314bとを介して基体310の第2段部316cに拡散される。
【0123】
基体310の底部において、第1搭載部313a、第3搭載部313c及び電極314a、314bの下方は、第1段部316b及び第2段部316cの厚みがある分、第2搭載部313bの下方よりも、熱容量が大きい。このため、第1段部316bと第2段部316cに拡散された熱は、
図15に矢印で示すように、左方へ多く拡散する。すなわち、第1段部316b及び第2段部316cが無い場合と比較して、熱が右方へ拡散し、第2搭載部313bを介して光学部品303に伝導されてしまうことが低減される。
【0124】
<実施形態効果>
以上のように、実施形態9の光素子搭載用パッケージ301及び電子装置300によれば、凹部311を有する基体310を備え、凹部311は、光素子302が搭載される第1搭載部313aと、光学部品303が搭載される第2搭載部313bとを含む。この構成により、表面実装型の光素子搭載用パッケージ301及び電子装置300が実現される。表面実装型の光素子搭載用パッケージ301及び電子装置300は、その外面がモジュール用基板と面同士で接合されることから、小型でも高い放熱性が実現される。
【0125】
さらに、実施形態9の光素子搭載用パッケージ301及び電子装置300によれば、凹部311は、光学部品303が搭載される(第2搭載部313bが位置する)第1内底面316aを有する。加えて、凹部311は、第1内底面316aよりも高くかつ光素子302が搭載される(第1搭載部313aが位置する)第1段部316bと、第1段部316bよりも高くかつ電極314a、314bが配置される第2段部316cとを含む。そして、
図14Aに示したような縦断面において、第2段部316cは第1段部316bを挟んで第1内底面316aの反対側に位置しかつ第2段部316cは凹部311の内側面に接続されている。そして、この構成により、前述したように、光素子302で発生された熱が光学部品303に伝わることを低減できる。したがって、光素子302からの発熱量が増大しても、光素子302からの熱によって光学部品303に例えば熱変形などの劣化が生じることを抑制でき、光学部品303の安定した光学的特性が得られる。よって、安定的に光学的な特性を維持できる。
【0126】
(実施形態10)
図16A及び
図16Aは、実施形態10に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示し、
図16Aは縦断面図、
図16Bは平面図である。実施形態10の光素子搭載用パッケージ301Aは、表面実装型のパッケージであり、凹部311を有する基体310と、基体310の外面に設けられた配線導体330Aa、330Ab及び実装導体330Acとを備える。実施形態10の電子装置300Aは、光素子搭載用パッケージ301Aと、これに搭載された光素子302及び光学部品303と、凹部311を封止する蓋体305とを備える。
【0127】
実施形態10は、主に、配線導体330Aa、330Ab及び実装導体330Acの構成が、主に、実施形態9と異なる。実施形態9と同様の構成要素については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0128】
配線導体330Aa、330Ab及び実装導体330Acは、面状又は板状の導体であり、基体310の第2主面310bに設けられている。配線導体330Aa、330Abは、凹部311内の電極314a、314bと電気的に接続されている。実装導体330Acは、電子装置300Aがモジュール用基板に実装される際に、モジュール用基板のグラウンドの接続パッドなどに接合され、電子装置300Aの接合強度及び接合の安定性を向上させる。実装導体330Acは、ダミーの配線導体と呼んでもよい。実装導体330Acは、電極314a、314bの何れかと電気的に接続されていなくてもよいし、電極314a、314bのうちのグラウンド電極と電気的に接続されていてもよい。
【0129】
2つの配線導体330Aa、330Abは、X方向に配列され、2つの配線導体330Aa、330Abをひとまとめに見たときのX方向の幅は、凹部311の幅よりも大きいが、これに限定されず、凹部311の幅よりも小さくてもよい。実装導体330Acは、X方向において、凹部311の幅よりも広い幅を有しているが、これに限定されず凹部311の幅よりも小さくてもよい。
【0130】
<配線導体及び実装導体の配置>
配線導体330Aa、330Abは、
図16Bに示すように、Z方向に見た透視平面において、第2段部316cの一部(全部であってもよい)、及び、電極314a、314bの一部(全部であってもよい)と重なっている。
【0131】
実装導体330Acは、配線導体330Aa、330Abと離間し、配線導体330Aa、330Abよりも右方に配置されている。実装導体330Acは、
図16Bに示すように、Z方向に見た透視平面において、第1内底面316a及び第2搭載部313bの全部(一部でもよい)、並びに、第1段部316b、第1搭載部313a及び第3搭載部313cの一部(全部でもよい)と重なっている。
【0132】
<実施形態効果>
以上のように、実施形態10の光素子搭載用パッケージ301A及び電子装置300Aによれば、実施形態9と同様の構成により、光素子302で発生した熱が、光学部品303に伝わること低減できる。よって、光素子302からの熱の影響で光学的な特性が劣化することを抑制できる。
【0133】
さらに、実施形態10では、Z方向に見た透視平面で、配線導体330Aa、330Abが、第2段部316c及び電極314a、314bと重なっている。したがって、電極314a、314bから配線導体330Aa、330Abまでの熱の伝導経路が短くなる。光素子302から接続部材W1、W2を介して第2段部316cに伝わった熱は、基体310の底部で拡散される。しかし、配線導体330Aa、330Abまでの経路が短いことで、拡散された熱の多くを配線導体330Aa、330Abに伝導させ、パッケージ外部へ放出することができる。したがって、光素子302で発生された熱が、光学部品303に伝わることがより低減され、光素子302で発生された熱の影響で光学的な特性が劣化することをより抑制できる。
【0134】
さらに、実施形態10では、実装導体330Acが、Z方向に見た透視平面で、第1内底面316a及び第2搭載部313bと重なっている。このため、光素子302から基体310の底部を伝わって第1内底面316aの下に拡散された熱は、その一部が実装導体330Acを介してパッケージ外部へ放出される。よって、光学部品303へ伝導される熱をより低減できる。したがって、光素子302で発生された熱の影響で光学的な特性が劣化することをより抑制できる。
【0135】
<変形例>
なお、配線導体330Aa、330Ab及び実装導体330Acの各配置は、
図16Bの具体的な例に限定されない。例えば、配線導体330Aa、330Abは、Z方向に見た透視平面において、第1段部316b、第1搭載部313a、第3搭載部313c、第1内底面316a及び第2搭載部313bの一部と重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。このような配置であっても、上述した実施形態10と同様の作用効果が奏される。
【0136】
図17は、実施形態10の変形例に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
図16Bの配線導体330Aa、330Ab及び実装導体330Acは、
図17の配線導体330Ba、330Bb及び実装導体330Bcに置き換えてもよい。
【0137】
図17の光素子搭載用パッケージ301B及び電子装置300Bは、2つの配線導体330Ba、330BbがY方向に配列された一例である。この配列において、一方の配線導体330Baは、Z方向に見た透視平面において、第2段部316cの全部(一部であってもよい)と、電極314a、314bの全部(一部であってもよい)と重なっている。配線導体330Ba、330Bbの各々は、X方向において、凹部311の幅よりも広い幅を有しているが、これに限定されず、凹部311の幅よりも小さくてもよい。実装導体330Bcは、2つの配線導体330Ba、330Bbの間に設けられている。実装導体330Bcは、Z方向に見た透視平面において、第1内底面316a及び第2搭載部313bの一部(全部でもよい)と重なっている。さらに、実装導体330Bcは、同透視平面において、第1段部316b、第1搭載部313a及び第3搭載部313cの一部(全部でもよい)と重なっている。
図17の構成においても、上述した実施形態10と同様の作用効果が奏される。
【0138】
さらに、
図17の構成においても、一方の配線導体330Baは、Z方向に見た透視平面において、第1段部316b、第1搭載部313a、第3搭載部313c、第1内底面316a及び第2搭載部313bの一部と重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。他方の配線導体330Bbは、同透視平面において、第1段部316b、第1搭載部313a、第3搭載部313c、第1内底面316a及び第2搭載部313bの一部と重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。実装導体330Bcは、同透視平面において、第1段部316b、第1搭載部313a及び第3搭載部313cと重なっていなくてもよい。このような、配置においても、上述した実施形態10と同様の作用効果が奏される。
【0139】
(実施形態11)
図18A及び
図18Aは、実施形態11に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示し、
図18Aは縦断面図、
図18Bは平面図である。実施形態11の光素子搭載用パッケージ301Cは、表面実装型のパッケージであり、凹部311を有する基体310と、基体310の第2主面310bに設けられた配線導体330Ca、330Cb及び実装導体330Ccとを備える。実施形態11の電子装置300Cは、光素子搭載用パッケージ301Cと、これに搭載された光素子302及び光学部品303と、凹部311を封止する蓋体305とを備える。
【0140】
実施形態11は、主に、配線導体330Ca、330Cb及び実装導体330Ccとの配置が実施形態10と異なる。実施形態10と同様の構成要素については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。配線導体330Ca、330Cb及び実装導体330Ccは、Y方向における配置以外の構成は、実施形態10の配線導体330Aa、330Ab及び実装導体330Acと同様である。
【0141】
<配線導体及び実装導体の配置>
配線導体330Ca、330Cbは、
図18Bに示すように、Z方向に見た透視平面において、第1段部316bの一部(全部であってもよい)及び第3搭載部313cの一部(全部であってもよい)と重なっている。さらに、配線導体330Ca、330Cbは、同透視平面において、第2段部316cの一部(全部であってもよい)及び電極314a、314bの一部(全部であってもよい)と重なっている。
【0142】
実装導体330Ccは、
図18Bに示すように、Z方向に見た透視平面において、第1内底面316aの一部(全部であってもよい)及び第2搭載部313bの一部(全部であってもよい)と重なっている。
【0143】
<実施形態効果>
以上のように、実施形態11の光素子搭載用パッケージ301C及び電子装置300Cによれば、実施形態9と同様の構成により、光素子302で発生した熱が、光学部品303に伝わることを低減でき、よって、熱の影響で光学的な特性が劣化することを抑制できる。
【0144】
さらに、実施形態11では、Z方向に見た透視平面で、配線導体330Ca、330Cbが、第1段部316b及び第3搭載部313cと重なっている。したがって、第3搭載部313cから配線導体330Ca、330Cbまでの経路が短くなる。光素子302からサブマウント306を介して第1段部316bに伝わった熱は、基体310の底部で拡散される。しかし、配線導体330Ca、330Cbまでの経路が短いことで、拡散された熱の多くを配線導体330Ca、330Cbに伝導させ、パッケージ外部へ放出することができる。したがって、光素子302で発生された熱が、光学部品303に伝わることがより低減され、光素子302で発生された熱の影響で光学的な特性が劣化することをより抑制できる。
【0145】
さらに、実施形態11では、実装導体330Ccが、Z方向に見た透視平面で、第1内底面316a及び第2搭載部313bと重なっている。このため、光素子302から基体310の底部を伝わって第1内底面316aの下に拡散された熱は、その一部が実装導体330Ccを介してパッケージ外部へ放出される。よって、光学部品303へ伝導される熱をより低減できる。したがって、光素子302で発生された熱の影響で光学的な特性が劣化することをより抑制できる。
【0146】
<変形例>
なお、配線導体330Ca、330Cb及び実装導体330Ccの各配置は、
図18Bの具体的な例に限定されない。例えば、配線導体330Ca、330Cbは、Z方向に見た透視平面において、第2段部316c及び電極314a、314bと重なっていなくてもよい。配線導体330Ca、330Cbは、同透視平面において、第1内底面316a及び第2搭載部313bの一部と重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。実装導体330Ccは、第1段部316b、第1搭載部313a及び第3搭載部313cの一部と重なっていてもよい。このような配置であっても、上述した実施形態11と同様の作用効果が奏される。
【0147】
図19は、実施形態11の変形例に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示す平面図である。
図18Bの配線導体330Ca、330Cb及び実装導体330Ccは、
図19の配線導体330Da、330Db及び実装導体330Dcに置き換えてもよい。
【0148】
図19の光素子搭載用パッケージ301D及び電子装置300Dは、2つの配線導体330Da、330DbがY方向に配列された一例である。この配列において、一方の配線導体330Daは、Z方向に見た透視平面において、第1段部316b及び第3搭載部313cの一部(全部であってもよい)と重なっている。配線導体330Daは、同透視平面において、第2段部316cの全部(一部であってもよい)及び電極314a、314bの全部(一部であってもよい)と重なっている。実装導体330Dcは、2つの配線導体330Da、330Dbの間に設けられている。実装導体330Dcは、Z方向に見た透視平面において、同透視平面において、第1内底面316aの一部(全部であってもよい)及び第2搭載部313bの全部(一部でもよい)と重なっている。
図19の構成においても、上述した実施形態11と同様の作用効果が奏される。
【0149】
さらに、
図19の構成においても、配線導体330Da、330Dbは、Z方向に見た透視平面において、第2段部316c及び電極314a、314bと重なっていなくてもよい。実装導体330Dcは、第1段部316b、第1搭載部313a及び第3搭載部313cと重なっていなくてもよい。このような配置であっても、上述した実施形態11と同様の作用効果が奏される。
【0150】
(実施形態12)
図20A及び
図20Aは、実施形態12に係る光素子搭載用パッケージ及び電子装置を示し、
図20Aは縦断面図、
図20Bは平面図である。実施形態12の光素子搭載用パッケージ301Eは、表面実装型のパッケージであり、凹部311を有する基体310と、基体310の側面310cに設けられた配線導体330Ea、330Ebとを備える。実施形態11の電子装置300Eは、光素子搭載用パッケージ301Eと、これに搭載された光素子302及び光学部品303と、凹部311を封止する蓋体305とを備える。実施形態12において実施形態10、11と同様の構成要素については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0151】
実施形態12は、主に、配線導体330Ea、330Ebが基体310の側面310cに設けられているところが、実施形態10、11と異なる。配線導体330Ea、330Ebは、面状又は板状の導体である。側面310cは、本発明に係る第1外側面の一例に相当する。側面310cは、第2段部316cを挟んで第1段部316bの反対側に位置する。なお、実施形態12の電子装置300Eにおいても、第2主面310bに実装導体を有していてもよい。側面310cの配線導体を実装導体とし、第2主面310bに配線導体又はこれらと実装導体を有していてもよい。実装導体はヒートシンクと接合されてもよい。
【0152】
実施形態12の光素子搭載用パッケージ301E及び電子装置300Eによれば、光素子302で発生し、第1段部316b及び第2段部316cを介して左方に拡散した熱を、側面310cの配線導体330Ea、330Ebからパッケージ外部へ効率的に放出できる。したがって、光素子302から光学部品303へ伝導される熱をより低減でき、光素子302で発生された熱の影響で光学的な特性が劣化することをより抑制できる。
【0153】
(電子モジュール)
図21は、実施形態に係る電子モジュールの第1例を示す縦断面である。
図22は、実施形態に係る電子モジュールの第2例を示す縦断面である。
図23は、実施形態に係る電子モジュールの第3例を示す縦断面である。
図21及び
図22は、実施形態10の電子装置300Aを採用した例を示し、
図23は、実施形態12の電子装置300Eを採用した例を示す。
【0154】
本実施形態の電子モジュール500は、電子装置300(又は電子装置300A~300E)と、モジュール用基板510とを備える。モジュール用基板510は接続パッド515a、515bを有する。接続パッド515a、515bには、電子装置300(又は電子装置300A~300E)の配線導体330a、330b(330Aa~330Ea、330Ab~330Eb)が半田等の接合材520を介して接合される。
図21において、紙面の手前側と奥側とに2つの接続パッド515a、515bが配置されている。
【0155】
実装導体330Ac~330Dcを有する電子装置300A~300Dであれば、
図21に示すように、実装導体330Ac~330Dcは、モジュール用基板510の接続パッド515cに接合材520を介して接合されてもよい。あるいは、
図22に示すように、実装導体330Ac~330Dcは、モジュール用基板510の金属基板部510cに接合材520を介して接合されてもよい。
【0156】
側面310cに配線導体330Ea、330Ebを有する電子装置300Eであれば、
図23に示すように、側面310cが基板面に対向する向きで、電子装置300Eがモジュール用基板510に実装されてもよい。すなわち、配線導体330Ea、330Ebが半田等の接合材520を介してモジュール用基板510の接続パッド515a、515bに接合される。このような実装方法によれば、電子装置300Eから基板面に沿った方向に光出力を行うことができる。
【0157】
本実施形態の電子モジュール500によれば、光素子302からの発熱量が増大しても、光素子302から光学部品303に伝わる熱量を低減でき、安定的に光学的な特性を維持できる
【0158】
上記実施形態の光素子搭載用パッケージ301、301A~301Eは、上述した光素子搭載用パッケージの製造方法1と同様の方法で製造できる。
【0159】
以上、本開示の実施形態について説明した。しかし、上記の各実施形態は一例に過ぎない。例えば、上記実施形態では、光素子としてレーザーダイオードを適用し、光学部品としてミラーを適用した構成を一例にとって説明した。しかし、光素子としては、例えば発光部と共振器とが別体にされた半導体レーザー素子、半導体以外のレーザー素子、発光ダイオードのようなレーザー以外の光を出射する素子など、様々に変更可能である。また、光学部品としては、ミラーに限定されず、様々な光学部品が適用されてもよい。本実施形態の説明は、全ての局面において例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。本開示は、相互に矛盾しない限り、適宜、組み合わせ、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本開示は光素子搭載用パッケージ、電子装置及び電子モジュールに利用できる。