(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び該バッテリーパックを含む自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 10/658 20140101AFI20220930BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220930BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20220930BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20220930BHJP
H01M 10/6555 20140101ALI20220930BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20220930BHJP
【FI】
H01M10/658
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6555
H01M50/20
(21)【出願番号】P 2020559356
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 KR2019002746
(87)【国際公開番号】W WO2019245128
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2020-07-15
(31)【優先権主張番号】10-2018-0071025
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン-キュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ソ-ハン・キム
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-033723(JP,A)
【文献】特開2013-062023(JP,A)
【文献】特開2006-253149(JP,A)
【文献】国際公開第2017/106524(WO,A1)
【文献】特開2006-012847(JP,A)
【文献】特開2006-253144(JP,A)
【文献】特開2006-310309(JP,A)
【文献】特開2015-204209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/52-10/667
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーモジュールであって、
少なくとも一側にヒートシンクが取り付けられるモジュールケースと、
前記モジュールケースの内部に収容され、電気的に相互接続できるように積層される複数のバッテリーセルとを含み、
前記複数のバッテリーセルのうち対面するバッテリーセルの間には、熱伝達を遅らせるための複数の空隙が形成され、
前記対面するバッテリーセルのうち少なくとも一つのバッテリーセルの表面には、隣接するバッテリーセルの表面と点接触して前記複数の空隙を形成する複数の凹凸部が設けられ、
前記少なくとも一つのバッテリーセルの表面に備えられ、一面に前記複数の凹凸部を備え、他面が前記少なくとも一つのバッテリーセルの表面に接触する扁平な面である、
一体のシート部材をさらに含み、
前記シート部材は、内部空間を有しない構造である、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記複数の凹凸部は、前記対面するバッテリーセルの表面の全部に備えられる、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記複数の凹凸部は、相互対向する構造で配置されて前記複数の空隙を形成する、請求項1または2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記複数のバッテリーセルは、前記モジュールケースの水平方向に沿って積層され、
前記ヒートシンクは、前記複数のバッテリーセルのエッジ部分に対向する前記モジュールケースの上側または下側に取り付けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の少なくとも一つのバッテリーモジュールと、
前記少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするパックケースとを含む、バッテリーパック。
【請求項6】
請求項5に記載の少なくとも一つのバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び該バッテリーパックを含む自動車に関する。
【0002】
本出願は、2018年6月20日出願の韓国特許出願第10-2018-0071025号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群毎の適用性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV;Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点で環境にやさしく、エネルギー効率向上のための新たなエネルギー源として注目されている。
【0004】
現在、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの二次電池が広く使用されている。このような単位二次電池セル、すなわち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数のバッテリーセルを直列で連結してバッテリーパックを構成することがある。また、バッテリーパックに求められる充放電容量に合わせて、複数のバッテリーセルを並列で連結してバッテリーパックを構成することもある。したがって、前記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの個数は求められる出力電圧または充放電容量によって多様に設定され得る。
【0005】
一方、複数のバッテリーセルを直列/並列で連結してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールをまず構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールを用いて、さらにバッテリーモジュールを制御するための電子部品などのその他の構成要素を付け加えることで、バッテリーパックを構成する方法が一般的である。
【0006】
このような従来のバッテリーモジュールの場合、長期間使用する際は、温度による急激な寿命短縮を防止するため、発熱量及び使用温度に基づいて冷却システムを設計するが、近年、バッテリーモジュールのモジュールケースの下側にヒートシンクを取り付けて冷却するエッジクーリング方式が広く用いられている。
【0007】
このようなエッジクーリング方式の場合、モジュールケースの内部に配置される複数のバッテリーセル同士は面接触を通じて密着して接触するようになる。エッジクーリング方式のバッテリーモジュールの場合、バッテリーセルから発生する熱をモジュールケース下側のヒートシンクに伝達して冷却させるようになる。ここで、モジュールケースの内部で隣接しているバッテリーセル同士の熱伝達は、冷却の面では大きい影響を及ぼさない。
【0008】
しかし、従来のバッテリーモジュールの場合、複数のバッテリーセルのうちいずれか一つのバッテリーセルで異常発熱が生じる場合、相互密着して接触するバッテリーセルの配置によって、異常発熱が生じたバッテリーセルで発生した熱が隣接したバッテリーセルへと急速に伝達される問題がある。
【0009】
このような異常発熱が生じたバッテリーセルによる隣接バッテリーセルへの急速な熱伝達は、ユーザの安全を脅かし得るバッテリーモジュール全体の発火や爆発などの発生を早めるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、複数のバッテリーセルのうちいずれか一つのバッテリーセルで異常発熱が生じたとき、隣接したバッテリーセルへの熱伝達を遅らせて安全性を確保することができるバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び該バッテリーパックを含む自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明は、少なくとも一側にヒートシンクが取り付けられるモジュールケースと、前記モジュールケースの内部に収容され、電気的に相互接続できるように積層される複数のバッテリーセルとを含み、前記複数のバッテリーセルのうち対面するバッテリーセルの間には、熱伝達を遅らせるための複数の空隙が形成されることを特徴とするバッテリーモジュールを提供する。
【0012】
前記対面するバッテリーセルのうち少なくとも一つのバッテリーセルの表面には、隣接するバッテリーセルの表面と点接触して前記複数の空隙を形成する複数の凹凸部が設けられ得る。
【0013】
前記複数の凹凸部は、前記対面するバッテリーセルの表面の全部に備えられ得る。
【0014】
前記複数の凹凸部は、所定の表面粗さを有し、前記少なくとも一つのバッテリーセルの表面にコーティングされるコーティング物質からなり得る。
【0015】
前記コーティング物質は、絶縁性を有するエアロゲルからなり得る。
【0016】
前記バッテリーモジュールは、前記対面するバッテリーセルの間に備えられ、前記複数の凹凸部を備えるシート部材をさらに含み得る。
【0017】
前記複数の凹凸部は、前記シート部材の少なくとも一面に設けられ得る。
【0018】
前記複数の凹凸部は、前記シート部材の両面にそれぞれ設けられ得る。
【0019】
前記複数の凹凸部は、相互対向する構造で配置されて前記複数の空隙を形成し、前記シート部材の前記バッテリーセルと接触する部分は扁平に形成され得る。
【0020】
前記複数のバッテリーセルは、前記モジュールケースの水平方向に沿って積層され、前記ヒートシンクは、前記複数のバッテリーセルのエッジ部分に対向する前記モジュールケースの上側または下側に取り付けられ得る。
【0021】
そして、本発明は、上述した実施形態による少なくとも一つのバッテリーモジュールと、前記少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするパックケースとを含むことを特徴とするバッテリーパックを提供する。
【0022】
さらに、本発明は、上述した実施形態による少なくとも一つのバッテリーパックを含むことを特徴とする自動車を提供する。
【発明の効果】
【0023】
以上のような多様な実施形態によって、複数のバッテリーセルのうちいずれか一つのバッテリーセルで異常発熱が生じたとき、隣接したバッテリーセルへの熱伝達を遅らせて安全性を確保することができるバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び該バッテリーパックを含む自動車を提供することができる。
【0024】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを説明するための断面図である。
【
図2】
図1のバッテリーモジュールの主要部を説明するための図である。
【
図3】
図1のバッテリーモジュールにおいて、バッテリーセルの複数の凹凸部を形成する工程を説明するための図である。
【
図4】
図1のバッテリーモジュールにおいて、バッテリーセル間の熱伝達遅延を説明するための図である。
【
図5】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
【
図6】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
【
図7】本発明のさらに他の実施形態によるシート部材を説明するための図である。
【
図8】本発明のさらに他の実施形態によるシート部材を説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施形態による自動車を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明することで本発明をより明確にする。後述する実施形態は発明の理解を助けるため例示的に示されるものであり、本発明が後述する実施形態から多様に変形されて実施できることを理解せねばならない。また、発明の理解を助けるため、添付された図面は、実際の縮尺ではなく、一部構成要素の寸法が誇張して示され得る。
【0027】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを説明するための断面図であり、
図2は
図1のバッテリーモジュールの主要部を説明するための図であり、
図3は
図1のバッテリーモジュールにおいてバッテリーセルの複数の凹凸部を形成する工程を説明するための図であり、
図4は
図1のバッテリーモジュールにおいてバッテリーセル間の熱伝達遅延を説明するための図である。
【0028】
図1~
図4を参照すれば、バッテリーモジュール10は、モジュールケース100、ヒートシンク200、熱接着剤300、緩衝パッド400及びバッテリーセル500を含むことができる。
【0029】
前記モジュールケース100は、前記バッテリーモジュール10の外観を形成し、後述するバッテリーセル500を収容することができる。そのため、前記モジュールケース100には、後述するバッテリーセル500を収容するための収容空間が設けられ得る。前記モジュールケース100は、金属またはプラスチック材質からなり得る。
【0030】
前記ヒートシンク200は、後述するバッテリーセル500の冷却のためのものであって、前記モジュールケース100の一側に取り付けられ得る。前記ヒートシンク200は、エッジクーリング方式であって、後述する複数のバッテリーセル500のエッジ部分に対向する前記モジュールケース100の上側または下側に取り付けられ得る。本実施形態の場合、前記ヒートシンク200は、前記モジュールケース100の下側に取り付けられる。前記ヒートシンク200は、気相または液相の冷媒が流動可能な空間を備え、前記空間を定義する金属材質の外壁を有し得る。
【0031】
前記熱接着剤300は、前記モジュールケース100の底部の内側に備えられ、後述する複数のバッテリーセル500のエッジ部分を前記モジュールケース100の底部の内側により安定的に固定することができる。
【0032】
前記熱接着剤300は、後述する複数のバッテリーセル500から発生する熱を前記ヒートシンク200側により円滑に伝達できる熱伝導性物質からなり得る。例えば、前記熱伝導性物質はシリコーン、エポキシまたはポリウレタンなどを含み得る。
【0033】
前記緩衝パッド400は、前記モジュールケース100の内部で後述する複数のバッテリーセル500をより安定的に支持することができる。前記緩衝パッド400は、一対で備えられ得る。前記緩衝パッド400は、シリコーンパッドのように弾性のある材質からなり得る。
【0034】
前記一対の緩衝パッド400は、前記モジュールケース100内壁の両側にそれぞれ配置され、後述する複数のバッテリーセル500の最外郭の両側を支持することができる。
【0035】
前記バッテリーセル500は、二次電池であって、パウチ型二次電池であり得る。具体的に、前記バッテリーセル500は、パウチ型のリチウムポリマー電池であり得る。
【0036】
前記バッテリーセル500は複数個備えられ、前記複数のバッテリーセル500は、電気的に相互接続できるように、前記モジュールケース100の内部で積層され得る。具体的に、前記複数のバッテリーセル500は、前記モジュールケース100の内部で前記モジュールケース100の水平方向に沿って積層され得る。ここで、水平方向とは、図面における幅方向に該当する。
【0037】
前記複数のバッテリーセル500のうち対面するバッテリーセル500の間には、熱伝達を遅らせるための複数の空隙Gが形成され得る。
【0038】
このような複数の空隙Gは、前記複数のバッテリーセル500のうち少なくとも一つのバッテリーセル500の表面505に形成される複数の凹凸部550によって形成され得る。
【0039】
以下、このような複数の凹凸部550について詳しく説明する。
【0040】
対面するバッテリーセル500のうち少なくとも一つのバッテリーセル500の表面505には、隣接するバッテリーセル500の表面505と点接触して前記複数の空隙Gを形成する前記複数の凹凸部550が設けられ得る。
【0041】
前記複数の凹凸部550は、前記対面するバッテリーセル500の少なくとも一つの表面505に備えられ得る。望ましくは、前記複数の凹凸部550は、前記対面するバッテリーセル500の表面505の全部に備えられ得る。
【0042】
前記複数の凹凸部550は、所定の表面粗さを有し、望ましくは、デコボコした凹凸が形成可能な高い表面粗さを有し、前記少なくとも一つのバッテリーセル500の表面505にコーティングされるコーティング物質Cからなり得る。
【0043】
前記コーティング物質Cは、絶縁性を有するエアロゲルからなり得る。このようなエアロゲルは、シリカエアロゲルであり得る。前記コーティング物質Cは、前記バッテリーセル500の製造工程で、スプレー装置Sなどによって前記バッテリーセル500の表面505に噴射されて塗布され、前記複数の凹凸部550を形成し得る。
【0044】
本実施形態の場合、前記複数の凹凸部550によって、積層されるバッテリーセル500の隣接するバッテリーセル500同士が点接触するように配置されるため、一つのバッテリーセル500が異常発熱したとき、隣接するバッテリーセル500側への熱伝達Hの速度を遅らせることができる。
【0045】
すなわち、本実施形態の場合、前記複数の凹凸部550を介した隣接するバッテリーセル500の点接触配置を通じて、ある一つのバッテリーセル500で異常発熱しても、バッテリーセル500が相互面接触して配置されている場合と比べて、隣接した周辺のバッテリーセル500側への熱伝達を最大限に遅らせることができるため、全体バッテリーモジュール10の発火や爆発なども遅らせることができる。
【0046】
したがって、本実施形態の場合、一つのバッテリーセル500で生じ得る内部短絡などによる異常発熱などのとき、前記複数の凹凸部550によって全体バッテリーモジュール10の発火や爆発などを遅らせて、ユーザが待避する時間などを確保することができ、ユーザ安全性を効果的に確保することができる。
【0047】
図5及び
図6は、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールを説明するための図であり、
図7及び
図8は、本発明のさらに他の実施形態によるシート部材を説明するための図である。
【0048】
本実施形態によるバッテリーモジュール20は、上述した実施形態の前記バッテリーモジュール10と類似するため、以下、上述した実施形態と同じ構成は重複する説明を省略し、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0049】
図5及び
図6を参照すれば、前記バッテリーモジュール20は、対面するバッテリーセル500の間に備えられる少なくとも一つのシート部材600をさらに含むことができる。
【0050】
前記シート部材600は、対面するバッテリーセル500の間毎に備えられ、複数の凹凸部650を備え得る。
【0051】
前記複数の凹凸部650は、前記シート部材600の少なくとも一面に設けられ得る。前記複数の凹凸部650は、対向するバッテリーセル500の表面に点接触して複数の空隙Gを形成することができる。このように、前記複数の凹凸部650は、コーティング物質を塗布する代りに、別途のシート部材600に設けられる方式によっても備えられ得る。
【0052】
図7に示されたように、複数の空隙Gを形成する複数の凹凸部650、670はシート部材600の両面にそれぞれ設けられてもよい。また、
図8に示されたように、対面するバッテリーセル500の間に複数のシート部材700、800が備えられ、前記複数のシート部材700、800のそれぞれに複数の凹凸部750、850が形成されてもよい。
【0053】
このように、隣接するバッテリーセル500間の熱伝達を遅らせるために前記複数の空隙Gを形成する前記複数の凹凸部650、670、750、850は、上述した実施形態のようにコーティング物質Cを塗布する方式の外に、別途のシート部材600、700、800を通じても備えられ得る。ここで、前記別途のシート部材600、700、800は、高い表面粗さを有するシートフィルムであり得る。
【0054】
一方、
図8に示されたように、前記複数のシート部材700、800のそれぞれに複数の凹凸部750、850が形成される場合、対面するバッテリーセル500にポイント圧力(point pressure)が印加されることを効果的に防止することができる。そのため、前記複数のシート部材700、800はそれぞれ弾性を有する材質からなり、凹凸部750、850の端部は、尖らずに、鈍った形状に形成され得る。もし、バッテリーセル500にポイント圧力が印加される場合、該当部位の発熱量が増加して内部短絡などが発生するおそれがある。本実施形態の場合、前記複数のシート部材700、800を備えることで、相互対向する凹凸部750、850によって凹凸部750、850の間に前記複数の空隙Gを形成することができ、それぞれの凹凸部750、850の反対側の扁平な面が前記バッテリーセル500に接触するため、バッテリーセル500の間で発生し得るポイント圧力が印加されることを効果的に防止することができる。
【0055】
図9は本発明の一実施形態によるバッテリーパックを説明するための図であり、
図10は本発明の一実施形態による自動車を説明するための図である。
【0056】
図9及び
図10を参照すれば、バッテリーパック1は、上述した実施形態による少なくとも一つのバッテリーモジュール10及び前記少なくとも一つのバッテリーモジュール10をパッケージングするパックケース50を含むことができる。
【0057】
前記少なくとも一つのバッテリーモジュールは、上述した実施形態のバッテリーモジュール20であり得、複数個が備えられてもよい。複数個が備えられる場合、上述した実施形態のバッテリーモジュール10とバッテリーモジュール20との集合体として設けられてもよい。
【0058】
このような前記バッテリーパック1は、自動車Vの燃料源として、自動車Vに備えられ得る。例えば、前記バッテリーパック1は、電気自動車、ハイブリッド自動車及びその他バッテリーパック1を燃料源として使用可能なその他の方式で自動車Vに備えられ得る。
【0059】
また、前記バッテリーパック1は、前記自動車Vの外にも、二次電池を用いる電力貯蔵装置(Energy Storage System)などのその他の装置や器具及び設備などにも備えられることは言うまでもない。
【0060】
このように、本実施形態による前記バッテリーパック1、及び前記自動車Vのような前記バッテリーパック1を備える装置や器具及び設備は、上述した前記バッテリーモジュール10を含むため、上述したバッテリーモジュール10による長所をすべて有するバッテリーパック1及び前記バッテリーパック1を備える自動車Vなどのような装置や器具及び設備などを具現することができる。
【0061】
以上のような多様な実施形態によって、複数のバッテリーセル500のうちいずれか一つのバッテリーセル500で異常発熱が生じたとき、隣接したバッテリーセル500への熱伝達を遅らせて安全性を確保することができるバッテリーモジュール10、20、このようなバッテリーモジュール10、20を含むバッテリーパック1、及びこのようなバッテリーパック1を含む自動車Vを提供することができる。
【0062】
以上、本発明の望ましい実施形態を図示し説明したが、本発明が上述した特定の実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者によって多様な変形実施が可能であり、このような変形実施は本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0063】
1 バッテリーパック
10 バッテリーモジュール
20 バッテリーモジュール
50 パックケース
100 モジュールケース
200 ヒートシンク
300 熱接着剤
400 緩衝パッド
500 バッテリーセル
505 表面
550 凹凸部
600 シート部材
650 凹凸部
670 凹凸部
700 シート部材
750 凹凸部
800 シート部材
850 凹凸部