(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】二段燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23C 99/00 20060101AFI20220930BHJP
F23D 14/48 20060101ALI20220930BHJP
F23D 14/22 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
F23C99/00 324
F23D14/48 B
F23D14/22 E
F23C99/00 330
(21)【出願番号】P 2021106740
(22)【出願日】2021-06-28
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】516047175
【氏名又は名称】三菱重工パワーインダストリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】津村 俊一
(72)【発明者】
【氏名】高嶋 洋平
(72)【発明者】
【氏名】冠木 豊
(72)【発明者】
【氏名】上妻 富明
(72)【発明者】
【氏名】田口 雄三
【審査官】宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-111591(JP,A)
【文献】特開2019-045083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 99/00
F23D 14/48
F23D 14/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素を含むガス燃料が流通するノズルと、
前記ノズルから噴出する前記ガス燃料に混合させる一次空気が流通する一次空気流路と、
前記一次空気が混合され
て燃焼した前記ガス燃料に混合させる二次空気が流通する二次空気流路、を備え、
前記ノズルから噴出する前記ガス燃料に対する前記一次空気の空気比は、前記ノズルから噴出する前記ガス燃料に対する前記二次空気の空気比よりも低く、
前記ノズル内を流通する前記ガス燃料のガス圧は、300kPa以上である二段燃焼装置。
【請求項2】
前記ノズルは、少なくとも1つの主孔と、前記主孔より孔径が小さい、少なくとも1つの副孔と、を含む請求項1に記載の二段燃焼装置。
【請求項3】
前記主孔は、前記ノズルの中心軸に対して25度以上45度以下の噴出角度で前記ガス燃料を噴出するように構成され、
前記副孔は、前記ノズルの前記中心軸に対して35度以上55度以下の噴出角度で前記ガス燃料を噴出するように構成され、
前記主孔の噴出角度は、前記副孔の噴出角度より小さい請求項2に記載の二段燃焼装置。
【請求項4】
前記主孔は、前記ノズルの中心軸に対して25度以上35度以下の噴出角度で前記ガス燃料を噴出するように構成され、
前記副孔は、前記ノズルの前記中心軸に対して35度以上45度以下の噴出角度で前記ガス燃料を噴出するように構成され、
前記主孔の噴出角度は、前記副孔の噴出角度より小さい請求項3に記載の二段燃焼装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの主孔は、前記ノズル
の中心軸の周りに前記ノズルの前記中心軸を挟んで互いに対称となるように、前記ノズルの先端部に複数形成されている請求項2から4の何れか一項に記載の二段燃焼装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの副孔は、前記ノズル
の中心軸の周りに前記ノズルの前記中心軸を挟んで互いに対称となるように、前記ノズルの先端部に複数形成されている請求項2から5の何れか一項に記載の二段燃焼装置。
【請求項7】
複数の前記主孔の開口面積の合計をA1、複数の前記副孔の開口面積の合計をA2とした場合に、比率A1:A2は80:20~90:10の間である請求項2から6の何れか一項に記載の二段燃焼装置。
【請求項8】
前記ノズルと前記一次空気流路とが設けられるガスバーナと、前記ガスバーナより火炉の上方の壁面に設けられ、前記二次空気流路からの二次空気を火炉内に噴出する二次空気噴出口と、を備える請求項1から7の何れか一項に記載の二段燃焼装置。
【請求項9】
前記ノズルの外周部に前記一次空気流路が設けられ、該一次空気流路の外周部に前記二次空気流路が設けられるガスバーナを備える請求項1から7の何れか一項に記載の二段燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水素ガスを燃料として用いる二段燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、水素ガスを燃料として用いるガスバーナが開示されている。この特許文献1には、NOx(窒素酸化物)の発生を抑制するために、水素ガスと酸素ガスとを同じ方向に旋回させるとともに、旋回しながら噴出するそれぞれのガスの流速が同程度となるようにして、遠心力によって水素ガスと酸素ガスとの必要以上の混合を抑制する技術が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、ガスノズルの先端部にガスバーナの中心軸に対して35°~45°の噴射角度でガスを噴射する主孔と、ガスバーナの中心軸に対して45°~55°の噴射角度でガスを噴射する副孔と、が設けられ燃焼振動を抑えつつNOxの発生を抑制するガスバーナについて、又二段燃焼について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-045083号公報
【文献】特許第4600850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように特許文献1には、水素ガスを燃料として用いるガスバーナにおいて、NOx(窒素酸化物)の発生を抑制する技術が示されている。係る技術によってある程度は抑制されるとしても、十分抑制することができない虞がある。
【0006】
水素は火炎温度が高いため高NOxになる課題を有しており、水素ガスを燃料として用いるガスバーナにおいても、燃焼振動を抑えつつNOxの発生を抑制することが望まれている。
【0007】
一方、特許文献2には、燃焼振動を抑えつつNOxの発生を抑制するガスバーナについて、又二段燃焼について示されているが、水素ガスを燃料として用いることについては開示されていない。
【0008】
本開示は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、燃焼振動を抑えつつNOxの発生を抑制することができる水素ガスを燃料として用いる二段燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本開示に係る二段燃焼装置は、水素を含むガス燃料が流通するノズルと、前記ノズルから噴出する前記ガス燃料に混合させる一次空気が流通する一次空気流路と、前記一次空気が混合された前記ガス燃料に混合させる二次空気が流通する二次空気流路と、を備え、前記ノズルから噴出する前記ガス燃料に対する前記一次空気の空気比は、前記ノズルから噴出する前記ガス燃料に対する前記二次空気の空気比よりも低く、前記ノズル内を流通する前記ガス燃料のガス圧は、300kPa以上である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、燃焼振動を抑制しつつNOxの発生を抑制することができる水素ガスを燃料として用いる二段燃焼装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る二段燃焼装置の一部断面を示す概略側断面図、及びガスバーナへのガス燃料供給システムを示す概略構成図である。
【
図2】ガスバーナへのガス燃料供給システムの他の例を示す概略構成図である。
【
図3】ガスノズルの側断面図である(
図4のA-A線断面矢視図)。
【
図4】ガスノズルの先端部を火炉内側から見た正面図である。
【
図5】ガスバーナ入口圧力とNOxとの関係を示す試験結果のグラフである。
【
図6】さらに他の実施形態に係る小型ボイラのシステム概要図である。
【
図7】さらに他の実施形態に係る中・大型ボイラのシステム概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、実施形態として記載されている、または図面に示されている構成部品の相対的配置等は、本発明の範囲をこれらに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0013】
<一実施形態>
図1には、本発明の一実施形態の二段燃焼装置1Aの一部断面の概略側断面図を示す。火炉3Aの壁面のバーナスロート部5にガスバーナ2が設けられている。ガスバーナ2は、ガスバーナ2の中心軸Cの部分に配置されるガスノズル7と、該ガスノズル7の外周部に燃焼用の空気を導入する一次空気流路9と、該一次空気流路9の外周部に設けられる二次空気流路11の三重構造からなっている。
【0014】
ガスノズル7と一次空気流路9は円筒状の一次スリーブ13の内部に設けられ、二次空気流路11は一次スリーブ13の外周側に設けられた円筒状の二次スリーブ15の内部に形成される。
【0015】
そして、水素を含むガス燃料が、ガスノズル7の先端部分に形成される主孔25と副孔27から火炉3A内に噴出される構造となっている。なお、二次空気流路11の外周部に三次空気流路(図示せず)を設けても良い。このように、ガスバーナ2自体で二段燃焼装置1Aを構成でき、二段燃焼装置1Aをコンパクトに構成できる。バーナ3からの微粉炭を高温の火炉2内に向けて噴出するために炉壁1に開口され、かつ耐火材20によりスロート状に形成された開口部4に、その耐火材20の表面に向けて空気等の冷却体を噴出する噴出口23を設ける。
【0016】
なお、「水素を含むガス燃料」には、水素と他の燃料を含むもの(混焼)と、水素のみ(専焼)とがあり、さらに、水素と他の燃料を含むものでも、水素が主たる燃料(水素の体積割合が50%以上)、他の燃料が主たる燃料(水素の体積割合が50%未満)に区分できる。「水素を含むガス燃料」とは、これらの場合をすべて含む。
【0017】
入口を形成する開口部21から流入し、一次空気流路9を流れる中心空気である一次空気F1は直進流であるが、ガスノズル7の出口部分、すなわち、一次空気流路9の出口部分に設けられたスワラ(保炎器)17によって、一次空気F1のうちの一部に旋回力が与えられ、スワラ17の後流側の火炉3A内の領域に淀み領域19が形成され、この淀み領域19にガス燃料が取りこまれることで、火炎の安定保持が可能となる。
【0018】
また、二次空気流路11の入口部には、エアレジスタ23が設置されて、エアレジスタタイプの旋回装置によって二次空気流路11に流入する二次空気F2に旋回力が与えられる。
【0019】
また、火炉3Aの壁面に形成されたガスバーナ2用の開口部分であるバーナスロート部5の外周部には、開口部の周囲を冷却するように水管6が開口部を囲うように設置されている。
【0020】
なお、ガスノズル7から噴出する水素を含むガス燃料に対する一次空気F1の空気比は、ガスノズル7から噴出するガス燃料に対する二次空気F2の空気比よりも低く、さらに、一次空気F1は、噴出するガス燃料に対する空気比が1未満になるように設定されている。空気比とはガス燃料を完全燃焼させるのに必要な空気量を1としたときの空気量の比率をいう。
【0021】
図3、
図4に示すように、ガスノズル7の先端部分には、4つの主孔25と、4つの副孔27が設けられている。そして、全主孔を流れるガス燃料は、全ガス燃料流量の80~90%、全副孔を流れるガス燃料は、全ガス燃料流量の20~10%流れる構成になっている。すなわち、副孔27は、主孔25より孔径が小さく形成され、複数の主孔25の開口面積の合計をA1、複数の副孔27の開口面積の合計をA2とした場合に、比率A1:A2は80:20~90:10の間である。
【0022】
このように、副孔27から噴出される燃料量を主孔25から噴出される燃料量より少なくして、全副孔を流れるガス燃料が、全ガス燃料流量の20~10%流れる構成にすることで、副孔27から噴出される燃料を一次空気の一部に旋回力を与えるスワラ(保炎器)17の後流側に形成される淀み領域19に取りこまれやすくして、火炎の安定保持を図り燃焼振動の抑制が可能になる。
【0023】
さらに、副孔27から20%を超えるような燃料が噴出されると、一次空気の一部に旋回力を与えるスワラ(保炎器)17に焼損を与える虞れがあるため、全副孔を流れるガス燃料は、全ガス燃料流量の20~10%流れる構成が好ましい。
【0024】
また、
図3、
図4に示すように、ガスノズル7の先端部分の各主孔25は、ガスノズル7の中心軸C(ガスバーナ2の中心軸Cでもある)を挟んで対称的に中心軸Cの周りに複数(4つ)配置され、中心軸Cを挟んで所定の噴出角度範囲に設定されている。以下、主孔25の中心軸Cに対する仰角を主孔噴出角度θ1という。
【0025】
また、各副孔27は、中心軸Cを挟んで対称的に中心軸Cの周りに複数(4つ)配置され、中心軸Cを挟んで所定の噴出角度範囲に設定されている。以下、副孔27の中心軸Cに対する仰角を副孔噴出角度θ2という。そして、副孔噴出角度θ2は、主孔噴出角度θ1より大きい噴出角度でガス燃料を噴出するように構成されている。
【0026】
4つの主孔25と4つの副孔27はそれぞれ、中心軸Cの周りに主孔25と副孔27とが交互に均等に配置されている。すなわち、中心軸Cの周りにピッチ角度αが等しく45度の間隔となっている。このように、主孔25は、中心軸Cの周りに中心軸Cを挟んで互いに対称となるように、ガスノズル7の先端部に複数形成されているので、主孔25から噴出されるガス燃料は、ガスバーナ2の中心に対して偏りなく均等に噴出される。
【0027】
また、副孔27についても、中心軸Cの周りに中心軸Cを挟んで互いに対称となるように、ガスノズル7の先端部に複数形成されているので、副孔27から噴出されるガス燃料は、ガスバーナ2の中心に対して偏りなく均等に噴出される。
【0028】
なお、
図4示す正面図で、主孔25の開口の中心位置25aと、副孔27の開口の中心位置27aは、ガスノズル7の中心軸Cから距離が同一となるように設けられている。また、主孔25及び副孔27の断面形状は円形形状となっている。
【0029】
次に、
図1を参照してガスバーナ2に水素を含むガス燃料を供給するシステム構成について説明する。水素を含むガス燃料が貯蔵される水素ガスタンク29の出口には、入口弁31が設けられ水素ガスタンク29からのガス燃料の供給及び遮断が制御され、入口弁31の出口側に減圧弁33が設けられ所定の圧力に減圧される。
【0030】
減圧弁33の下流側には
図1に示すように順に、流量計35、温度計37、遮断弁39、圧力計41、流量調整弁43、遮断弁45、バーナ入口圧力計47、バーナ入口弁49が設けられている。バーナ入口弁49を開弁することで、ガスバーナ2のガスノズル7にガス燃料が供給される。
【0031】
従って、主孔25及び副孔27からのガス燃料の噴出圧力は、ガスノズル7内を流通するガス燃料のガス圧であり、ガスバーナ2の入口圧力であり、バーナ入口圧力計47で計測される。水素ガスタンク29には、300kPaを超える高圧(例えば15MPa)の水素を含むガス燃料が加圧されて貯蔵されており、減圧弁33等によって減圧されて使用される300kPa以上の目標ガス圧に減圧されてガスバーナ2に供給される。
【0032】
また、工場で生成される副生水素51を適用する場合は、供給圧力が3~50KPaと低いので、
図2に示すように、高圧化するためにブースタ53を適用して、使用される300kPa以上の目標ガス圧に上昇してガスバーナ2に供給される。
【0033】
図5に、水素を含むガス燃料のガスバーナ2の入口圧力(主孔25及び副孔27からの噴出圧力)とNOxとの関係を示す試験結果のグラフを示す。試験条件は表1に示すとおりである。
【0034】
【0035】
また、試験は、ガスバーナ2の入口圧力を、80KPa(比較ベース)、300KPa、500KPa、900KPaの4条件について確認した。噴出圧力の変更は、ガスバーナ2の構造は変えずに、燃料量を一定にしてガスノズル7の先端部に形成される主孔25及び副孔27の孔径を変更することで試験した。例えば、表2に示すような孔径に変更した。また、燃焼試験時の主孔25及び副孔27の噴出角度は、主孔噴出角度θ1が40°、副孔噴出角度θ2が45°である。
【0036】
【0037】
一般的に、都市ガスやLPG等を燃料とするボイラバーナでは、最大130KPa程度で適用され、水素を燃料とする場合でも最大80KPa程度であるため、80KPaを基準として比較した。
図5の試験結果のグラフに示すように、300KPa、500KPa、900KPaと低減することが確認された。900KPaでは約30%のNOx低減効果が見られた。従って、NOx低減効果が認められた300KPa以上を高圧化の設定圧力とした。さらに望ましくは、500KPa以上に設定するとよい。
【0038】
以上のように構成された一実施形態によれば、二段燃焼と、水素を含むガス燃料と、水素を含むガス燃料のガス圧を300kPa以上に高圧化することによって、燃焼振動を抑制しつつ、NOxの発生を抑制することができる。次に、この一実施形態の作用効果について下記(A)~(D)に詳述する。
【0039】
(A)水素を含むガス燃料は一次空気F1と混合して燃焼してから、二次空気F2と混合して燃焼するので、NOxの発生を抑制することができる。すなわち、二段燃焼を行うことでNOxの発生を抑制するように構成されている。
【0040】
燃料が燃焼する領域の温度が低ければ、NOxの発生は抑制される。従って、一次空気F1の空気比は二次空気F2の空気比よりも低いので、ガス燃料と一次空気F1とが混合して燃焼した領域(第1領域)の燃焼温度は、ガス燃料と二次空気F2とが混合して燃焼した領域(第2領域)の燃焼温度と比較して低くなっている。従って、二段燃焼によって、NOxの発生を抑制することができる。
【0041】
(B)水素を含むガス燃料のガス圧を300kPa以上に高圧化することで、ガス燃料と一次空気との混合を促進させ、ガス燃料を第2領域よりも温度の低い第1領域で燃焼させる割合が相対的に増加する。また、水素は圧縮性流体であり、高圧化する程噴射孔出口で一気に拡散するため、空気との混合が促進され、低空気比で燃焼する割合が相対的に増加する。これらによって、水素を含むガス燃料を高圧化することで低NOx化が達成される。
【0042】
(C)さらに、従来のガスバーナでは、燃焼振動の発生を抑制するため、ノズルから噴出されるガス燃料の噴出圧が300kPa未満となるように構成されていることが多い。例えば、都市ガスやLPG等を燃料とするボイラバーナでは、最大130KPa程度で適用され、水素を燃料とする場合でも最大80KPa程度である。
【0043】
本出願の発明者らの知見によれば、水素を含むガス燃料であれば、噴出圧を300kPa以上に高圧化しても、燃焼振動が抑制されていることを見出した。
【0044】
すなわち、一般に、燃焼振動は、バーナとボイラなどの火炉との組合せで発生するので、バーナと火炉とのマッチングが悪いと燃焼振動が発生することになる。燃焼振動はバーナでのガス燃料の燃焼音が火炉内で共鳴するために生じるが、この現象は音圧によってガスバーナの空気量もしくは燃料量が変化し、発熱変動が発生し、これが音圧変動へと連鎖的に変化して生じるものである。
【0045】
そして、これらの変動はフィードバックループであることから、ループを形成している何かの要因を取り除いてやれば燃焼振動は発生しない。そして発熱変動の主たる原因は着火不良によるため、ガスバーナの保炎を強化すれば、火炉内からの音圧変動を受けても大きな発熱変動に繋がらないので燃焼振動が発生しない。
【0046】
水素は、都市ガスやLPGに比較して燃焼速度が速く燃焼性が良いため、保炎性すなわち燃焼の安定性が強化され、燃焼振動のポテンシャルは都市ガスやLPGより低減できると考えられる。従って、水素を含むガス燃料のガス圧を300kPa以上に高圧化しても、燃焼振動は発生しにくいため、燃焼振動を抑制しつつNOxの発生を抑制することができる。
【0047】
(D)さらに、ガスノズル7内を流通する水素を含むガス燃料のガス圧を300kPa以上に高圧化することで、配管径やガスバーナを大型化することなくより大量の水素を含むガス燃料を燃焼することができる。
【0048】
すなわち、水素は都市ガスやLPGに比較して発熱量が小さく必要とするボリュームが大きくなるが、高圧化によって、配管径やガスバーナ2を、大型化をすることなく対応が可能となる。さらに、小型化が可能になるメリットも有している。
【0049】
なお、上述した一実施形態は、ガスバーナ2に、水素を含むガス燃料が流通するガスノズル7と、ガス燃料に混合させる一次空気が流通する一次空気流路9と、一次空気が混合されたガス燃料に混合させる二次空気流路11と、を備えて、ガスバーナ2自体で二段燃焼装置1Aを構成するが、ガスバーナ2内の二次空気流路11だけでは、ガスバーナ2や火炉3Aのサイズ等によっては、二次空気量が十分確保できない場合があるため、二次空気量を確保するために、ガスバーナ2より火炉3Aの上方の壁面に、二次空気を追加的に火炉3A内に噴出する追加二次空気噴出口(追加二次空気アフターエアポート)(不図示)を設けてもよい。
【0050】
<他の実施形態>
他の実施形態では、主孔25は、ガスノズル7の中心軸Cを挟んで50度~90度の範囲に設定され、ガスノズル7の中心軸Cに対して25度以上45度以下の主孔噴出角度θ1でガス燃料を噴出するように構成されている。
【0051】
また、副孔27は、ガスノズル7の中心軸Cを挟んで70度~110度の範囲に設定され、ガスノズル7の中心軸Cに対して35度以上55度以下の副孔噴出角度θ2でガス燃料を噴出するように構成されている。そして、既に説明したように主孔噴出角度θ1は、副孔噴出角度θ2より小さい。
【0052】
以上の他の実施形態の構成によれば、主孔噴出角度θ1が45度を超えると火炉3A内の圧力変動による燃焼振動のポテンシャルが大きくなる。また、主孔噴出角度θ1が25度未満になると、長炎化が過剰となりボイラの熱吸収特性に影響を与える。従って、主孔噴出角度θ1を25度から45度とすることにより、火炎の安定化と長炎化が両立されることから、燃焼振動を抑制できると共に、長炎化による緩慢燃焼で火炎温度が低減し低NOx化を達成できる。
【0053】
さらに、水素は、都市ガスやLPGに比較して燃焼速度が速く、相対的に短炎となるため、主孔噴出角度θ1を都市ガスやLPGのガス燃料の場合に比較して25度から35度のように狭角度に設定してもボイラの熱吸収特性への影響は問題ない。
【0054】
また、副孔27については、副孔噴出角度θ2が35度未満であると保炎効果が弱くなり振動ポテンシャルが上昇する。また、副孔噴射角度θ2が55度を超えると、スワラ17近傍での保炎性が強くなり過ぎるため、スワラ17の焼損ポテンシャルが大きくなると共に、NOxの上昇が懸念される。従って、副孔噴出角度θ2は35度から55度が適正範囲である。
【0055】
さらに、水素は、都市ガスやLPGに比較して燃焼速度が速く、保炎性が良いため、副孔噴出角度θ2を都市ガスやLPGのガス燃料の場合に比較して35度から45度のように狭角度に設定しても燃焼振動への影響は問題ない。
【0056】
従って、水素を含むガス燃料の噴出圧力を300KPa以上に高圧化するとともに、主孔噴出角度θ1を25度から45度とし、副孔噴出角度θ2を35度から55度に設定することにより、燃焼振動を抑制できると共に、NOxの発生量を低減することができる。
【0057】
さらに、噴出角度を狭角度側に設定して主孔噴出角度θ1を25度から35度とし、副孔噴出角度θ2を35度から45度に設定することが好ましい。このように噴出角度を狭角度側に設定することによって、より低NOx化を達成できる。
【0058】
<さらなる他の実施形態>
上述した一実施形態及び他の実施形態では、ガスバーナ2に、水素を含むガス燃料が流通するガスノズル7と、ガス燃料に混合させる一次空気が流通する一次空気流路9と、一次空気が混合されたガス燃料に混合させる二次空気流路11と、を備え、一次空気の空気比は、二次空気の空気比よりも低く、ノズル内を流通するガス燃料のガス圧は、300kPa以上とする構成である。すなわち、ガスバーナ2自体で二段燃焼装置1Aを構成する。
【0059】
これに対して、さらなる他の実施形態は、
図6、
図7に示すように、水素を含むガス燃料60が流通するガスノズル61、91と一次空気F1が流通する一次空気流路63、93とが設けられるガスバーナ65、95と、このガスバーナ65、95より火炉3B、3Cの上方の壁面73、90に設けられ、二次空気流路67、97からの二次空気F2を火炉3B、3C内に噴出する二次空気アフターエアポート(二次空気噴出口)69、99と、を備え、一次空気の空気比は、二次空気の空気比よりも低く、ガスノズル61、91内を流通するガス燃料のガス圧は、300kPa以上として二段燃焼装置1B、1Cを構成する。
【0060】
図6は、小型ボイラのシステム概要図である。ボイラの火炉3Bの底部にガスバーナ65が設置され、上方に向かってガス燃料及び一次空気F1が噴出される。このガスバーナ65より上方の火炉3Bの壁面73に二次空気アフターエアポート69が設けられ、火炉3B内に向かって二次空気F2が噴出されるようになっている。また、ボイラからは、蒸気が発生されると共に、排出される排ガスは節炭器75を通って煙突77から外部に排出される。
【0061】
ガスバーナ65のガスノズル61には、水素を含むガス燃料が供給される。この水素を含むガス燃料の供給システムは、
図1、
図2で説明したガス燃料供給システムと同様である。また、一次空気流路63と二次空気流路67への一次空気F1と二次空気F2は、押込通風機79から押し込まれる空気を、流量調整弁81、83を介して所定の空気比になるように調整して供給される。
【0062】
図7は、中・大型ボイラのシステム概要図である。ボイラの火炉3Cの壁面90にガスバーナ95が設置され、火炉3C内に向かってガス燃料及び一次空気F1が噴出される。このガスバーナ95より上方の火炉3Cの壁面90に二次空気アフターエアポート99が設けられ、火炉3C内に向かって二次空気F2が噴出されるようになっている。また、ボイラからは、蒸気が発生されると共に、排出される排ガスは節炭器105、誘引通風機106を通って煙突107から排出される。
【0063】
ガスバーナ95のガスノズル91には、水素を含むガス燃料が供給される。この水素を含むガス燃料の供給システムは、
図1、
図2で説明したガス燃料供給システムと同様である。また、一次空気流路93と二次空気流路97への一次空気F1と二次空気F2は、押込通風機109から押し込まれる空気を、流量調整弁111、113を介して所定の空気比になるように調整して供給される。
【0064】
以上の
図6、
図7に示す実施形態においては、ガスバーナ65、95と、火炉3B、3Cの壁面73、90に設けた二次空気アフターエアポート69、99と、を備えて、二段燃焼装置1B、1Cを構成できる。そして、係る二段燃焼装置1B、1Cによっても、既に一実施形態において説明した二段燃焼装置1Aと同様の作用効果を奏する。
【0065】
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態に適宜組み合わせてもよい。
【0066】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0067】
(1)一の態様に係る二段燃焼装置は、水素を含むガス燃料が流通するノズル(一実施形態記載のガスノズル7、さらなる他の実施形態記載のガスノズル61、91)と、前記ノズルから噴出する前記ガス燃料に混合させる一次空気が流通する一次空気流路(一実施形態記載の一次空気流路9、さらなる他の実施形態記載の一次空気流路63、93)と、前記一次空気が混合された前記ガス燃料に混合させる二次空気が流通する二次空気流路(一実施形態記載の二次空気流路11、さらなる他の実施形態記載の二次空気流路67、97)と、を備え、前記ノズルから噴出する前記ガス燃料に対する前記一次空気の空気比は、前記ノズルから噴出する前記ガス燃料に対する前記二次空気の空気比よりも低く、前記ノズル内を流通する前記ガス燃料のガス圧は、300kPa以上である。
【0068】
本開示に係る二段燃焼装置によれば、水素を含むガス燃料は一次空気と混合して燃焼してから、二次空気と混合して燃焼するので、NOxの発生を抑制することができる。すなわち、二段燃焼を行うことでNOxの発生を抑制するように構成されている。
【0069】
燃料が燃焼する領域の温度が低ければ、NOxの発生は抑制される。一次空気の空気比は二次空気の空気比よりも低いので、ガス燃料と一次空気とが混合して燃焼した領域(第1領域)の燃焼温度は、ガス燃料と二次空気とが混合して燃焼した領域(第2領域)の燃焼温度と比較して低くなっていることが多い。そして、ノズル内を流通する水素を含むガス燃料のガス圧を300kPa以上とすることで、ガス燃料と一次空気との混合を促進させ、ガス燃料を第2領域よりも温度の低い第1領域で燃焼させる割合が相対的に増加する。これによって、NOxの発生を抑制することができる。
【0070】
また、水素は圧縮性流体であり、高圧化する程噴射孔出口で一気に拡散するため、空気との混合が促進され、低空気比で燃焼する割合が相対的に増加することで低NOx化が達成される。
【0071】
また、従来では、燃焼振動の発生を抑制するため、ノズルから噴出されるガス燃料の噴出圧が300kPa未満となるように構成されていることが多い。例えば、都市ガスやLPG(液化石油ガス)等を燃料とするボイラバーナでは、最大130KPa程度で適用され、水素を燃料とする場合でも最大80KPa程度である。
【0072】
本出願の発明者らの知見によれば、水素を含むガス燃料であれば、噴出圧を300kPa以上に高圧化しても、燃焼振動が抑制されていることを見出した。
【0073】
すなわち、本開示に係る二段燃焼装置によれば、水素は、都市ガスやLPGに比較して燃焼速度が速く燃焼性が良いため、保炎性すなわち燃焼の安定性が強化され、燃焼振動のポテンシャルは都市ガスやLPGより低減できると考えられる。従って、水素を含むガス燃料のガス圧を300kPa以上に高圧化しても、燃焼振動は発生しにくいため、燃焼振動を抑制しつつNOxの発生を抑制することができる。
【0074】
また、ノズル内を流通する水素を含むガス燃料のガス圧を300kPa以上に高圧化することで、配管径やガスバーナを大型化することなくより大量の水素を含むガス燃料を燃焼することができる。
【0075】
水素は都市ガスやLPGに比較して発熱量が小さく必要とするボリュームが大きくなるが、高圧化によって、配管径やガスバーナを、大型化をすることなく対応が可能となる。さらに、小型化が可能になるメリットも有している。
【0076】
(2)別の態様に係る二段燃焼装置は、(1)に記載の二段燃焼装置であって、前記ノズルは、少なくとも1つの主孔(一実施形態記載の主孔25)と、前記主孔より孔径が小さい、少なくとも1つの副孔(一実施形態記載の副孔27)と、を含む。
【0077】
このような構成(2)によれば、副孔から噴出される燃料量を主孔から噴出される燃料量より少なくして、副孔から噴出される適正量の保炎用燃料を一次空気の一部に旋回力を与えるスワラ(保炎器)の後流側に形成される保炎に適した低流速の淀み領域に取りこまれやすくして、スワラ近傍の火炎の安定保持を図り燃焼振動の抑制が可能になる。
【0078】
(3)さらに別の態様に係る二段燃焼装置は、(2)に記載の二段燃焼装置であって、前記主孔は、前記ノズルの中心軸(一実施形態記載のガスノズルの中心軸C)に対して25度以上45度以下の噴出角度(他の実施形態記載の主孔噴出角度θ1)で前記ガス燃料を噴出するように構成され、前記副孔は、前記ノズルの前記中心軸に対して35度以上55度以下の噴出角度(他の実施形態記載の副孔噴出角度θ2)で前記ガス燃料を噴出するように構成され、前記主孔の噴出角度は、前記副孔の噴出角度より小さい。
【0079】
このような構成(3)によれば、主孔からのガス燃料の噴出角度(ノズルの中心軸Cに対する仰角)を45度より小さくすることで、火炎の長炎化による緩慢燃焼を促進させることができる。45度を超えると火炉内の圧力変動による燃焼振動のポテンシャルが大きくなる。主孔の噴出角度が25度未満になると、長炎化が過剰となりボイラの熱吸収特性に影響を与える。従って、主孔の噴出角度を25度以上45度以下とすることにより、火炎の安定化と長炎化が両立されることから、燃焼振動を抑制できると共に、長炎化による緩慢燃焼で火炎温度が低減し低NOx化を達成できる。
【0080】
副孔については、副孔の噴出角度を55度より小さくしていくことで、NOxの発生量を低減できる。副孔の噴出角度が55度を超えると、バーナのスワラ近傍での保炎が強くなり過ぎて焼損ポテンシャルが大きくなると共に、NOxの上昇が懸念される。副孔の噴出角度が35度未満であると保炎効果が弱くなり振動ポテンシャルが上昇する。従って、副孔の噴出角度を35度以上55度以下とすることで、燃焼振動を抑制できると共に、NOxの発生量を低減することができる。
【0081】
(4)さらに別の態様に係る二段燃焼装置は、(3)に記載の二段燃焼装置であって、前記主孔は、前記ノズルの中心軸に対して25度以上35度以下の噴出角度で前記ガス燃料を噴出するように構成され、前記副孔は、前記ノズルの前記中心軸に対して35度以上45度以下の噴出角度で前記ガス燃料を噴出するように構成され、前記主孔の噴出角度は、前記副孔の噴出角度より小さい。
【0082】
このような構成(4)によれば、水素は、都市ガスやLPGに比較して燃焼速度が速く、相対的に短炎となるため、主孔からの噴出角度を構成(3)に比較して25度から35度のように狭角度に設定してもボイラの熱吸収特性への影響は問題なく、長炎化による緩慢燃焼で火炎温度の低減によって、より低NOx化を達成できる。
【0083】
また、副孔についても、水素は、都市ガスやLPGに比較して燃焼速度が速く、保炎性が良いため、副孔からの噴出角度を構成(3)に比較して35度から45度のように狭角度に設定しても燃焼振動への影響は問題なく、より低NOx化を達成できる。
【0084】
(5)さらに別の態様に係る二段燃焼装置は、(2)から(4)の何れかに記載の二段燃焼装置であって、前記少なくとも1つの主孔は、前記ノズルの前記中心軸の周りに前記ノズルの前記中心軸を挟んで互いに対称となるように、前記ノズルの先端部に複数形成されている。
【0085】
このような構成(5)によれば、主孔から噴出され水素を含むガス燃料は、ノズルの中心に対して偏りなく均等に噴出できるので長炎による緩慢燃焼化を滞りなく対応できる。
【0086】
(6)さらに別の態様に係る二段燃焼装置は、(2)から(5)の何れかに記載の二段燃焼装置であって、前記少なくとも1つの副孔は、前記ノズルの前記中心軸の周りに前記ノズルの前記中心軸を挟んで互いに対称となるように、前記ノズルの先端部に複数形成されている。
【0087】
このような構成(6)によれば、副孔からの噴出される水素を含むガス燃料は、ノズルの中心に対して偏りなく均等に噴出できるので、スワラ廻りの保炎領域を均等に形成し、燃焼振動のポテンシャルを低減可能。
【0088】
(7)さらに別の態様に係る二段燃焼装置は、(2)から(6)の何れかに記載の二段燃焼装置であって、複数の前記主孔の開口面積の合計をA1、複数の前記副孔の開口面積の合計をA2とした場合に、比率A1:A2は80:20~90:10の間である。
【0089】
このような構成(7)によれば、副孔から噴出される燃料を一次空気の一部に旋回力を与えるスワラ(保炎器)の後流側に形成される淀み領域に取りこまれやすくして火炎の安定保持を図り燃焼振動の抑制が可能になるとともに、副孔から20%を超えるような燃料が噴出されると、一次空気の一部に旋回力を与えるスワラ(保炎器)に焼損を与える虞れがあるため、このような虞れを防止できる。
【0090】
(8)さらに別の態様に係る二段燃焼装置は、(1)から(7)の何れかに記載の二段燃焼装置であって、前記ノズルと前記一次空気流路とが設けられるガスバーナ(さらなる他の実施形態記載のガスバーナ65、95)と、前記ガスバーナより火炉の上方の壁面に設けられ、前記二次空気流路からの二次空気を火炉内に噴出する二次空気噴出口(さらなる他の実施形態記載の二次空気アフターエアポート69、99)と、を備える。
【0091】
このような構成(8)によれば、ノズルと一次空気流路とが設けられたガスバーナと、二次空気噴出口と、を備えて二段燃焼装置を構成できる。
【0092】
(9)さらに、別の態様に係る二段燃焼装置は、(1)から(7)の何れかに記載の二段燃焼装置であって、前記ノズルの外周部に前記一次空気流路が設けられ、該一次空気流路の外周部に前記二次空気流路が設けられるガスバーナ(一実施形態記載のガスバーナ2)を備える。
【0093】
このような構成(9)によれば、ガスバーナ自体で二段燃焼装置を構成でき、二段燃焼装置をコンパクトに構成できる。
【符号の説明】
【0094】
1A、1B、1C 二段燃焼装置
2、65、95 ガスバーナ
3A、3B、3C 火炉
5 バーナスロート部
6 水管
7、61、91 ガスノズル(ノズル)
9、63、93 一次空気流路
11、67、97 二次空気流路
13 一次スリーブ
15 二次スリーブ
17 スワラ(保炎器)
19 淀み領域
21 開口部
23 エアレジスタ
25 主孔
27 副孔
29 水素ガスタンク
31 入口弁
33 減圧弁
35 流量計
37 温度計
39、45 遮断弁
41 圧力計
43 流量調整弁
47 バーナ入口圧力計
49 バーナ入口弁
51 副生水素
53 ブースタ
69、99 二次空気アフターエアポート(二次空気噴出口)
C ガスバーナ及びガスノズルの中心軸
F1 一次空気
F2 二次空気
θ1 主孔噴出角度
θ2 副孔噴出角度
【要約】
【課題】燃焼振動を抑えつつNOxの発生を抑制することができる水素ガスを燃料として用いる二段燃焼装置を提供すること。
【解決手段】水素を含むガス燃料が流通するノズルと、ノズルから噴出する前記ガス燃料に混合させる一次空気が流通する一次空気流路と、一次空気が混合されたガス燃料に混合させる二次空気が流通する二次空気流路と、を備え、ノズルから噴出するガス燃料に対する一次空気の空気比は、ノズルから噴出するガス燃料に対する二次空気の空気比よりも低く、ノズル内を流通するガス燃料のガス圧は、300kPa以上である。
【選択図】
図1