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特許7150112フルデジタルのモノリシックなフレーム平均化レシーバに関する非結像SPADアーキテクチャの集約
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  • 特許-フルデジタルのモノリシックなフレーム平均化レシーバに関する非結像SPADアーキテクチャの集約 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】フルデジタルのモノリシックなフレーム平均化レシーバに関する非結像SPADアーキテクチャの集約
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/374 20110101AFI20220930BHJP
   G01S 7/4863 20200101ALI20220930BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20220930BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20220930BHJP
   H04N 5/33 20060101ALI20220930BHJP
   H04N 5/378 20110101ALI20220930BHJP
【FI】
H04N5/374
G01S7/4863
H01L27/146 A
H01L27/144 K
H04N5/33
H04N5/378
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021131584
(22)【出願日】2021-08-12
(62)【分割の表示】P 2020506149の分割
【原出願日】2018-08-02
(65)【公開番号】P2021192518
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】15/670,082
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】オナル,ケイナー
(72)【発明者】
【氏名】ドロズ,ピエール-イヴ
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0176082(US,A1)
【文献】国際公開第2009/079789(WO,A1)
【文献】特開2010-091377(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0050324(KR,A)
【文献】特開2011-71958(JP,A)
【文献】国際公開第2014/097857(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48-51
H01L 27/14-148
H04N 5/30-378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
複数のマクロピクセルであって、前記複数のマクロピクセルの各マクロピクセルが単一光子アバランシェダイオード(SPAD)のアレイを備え、各SPADが、前記システムの外部環境から光を検出すると、それぞれの光信号を提供するように構成されている、複数のマクロピクセルと、
メモリおよび少なくとも1つのプロセッサを備えた制御装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサが、動作を行うように前記メモリに格納された命令を実行し、前記動作が、
聴取期間の間に、前記複数のマクロピクセルのそれぞれの部分からそれぞれの光信号を受信することと、
前記複数のマクロピクセルの前記それぞれの部分からの前記それぞれの光信号に基づいて出力を提供することであって、前記出力が一連のフレームを備え、前記一連のフレームの各フレームが、所与の聴取期間の間にそれぞれの光信号を提供した、前記複数のマクロピクセルの前記それぞれの部分のSPADの平均数を含むことと、を含む、制御装置と、を備える、システム。
【請求項2】
前記複数のマクロピクセルおよび前記制御装置が、モノリシックな単一チップレシーバを提供するように、基板上に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のマクロピクセルが、2N個のマクロピクセルを含み、Nが少なくとも10である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
フレーム集約ブロックをさらに備え、前記動作が、前記フレーム集約ブロックに前記一連のフレームを集約させることをさらに含み、前記フレーム集約ブロックが、加算器回路およびデジタルバッファ回路を備え、集約されたフレームの最大数が少なくとも2Fであり、Fが少なくとも6である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記メモリが、少なくとも5キロバイト*(N+F)を含む静的ランダムアクセスメモリブロックを備え、Fが少なくとも6である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記フレーム集約ブロックに通信可能に結合されたパルス処理ブロックをさらに備え、前記動作が、前記一連のフレームに基づいて、前記パルス処理ブロックに、パルス到着時刻またはパルス強度のうちの少なくとも1つを判定させること、をさらに含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記パルス処理ブロックが、少なくとも200,000個の抵抗トランジスタ論理(RTL)ゲートを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
出力ブロックをさらに備え、前記出力ブロックが前記パルス処理ブロックに通信可能に結合されており、前記出力ブロックが高速シリアルインターフェースを備え、前記動作が、前記処理された一連のフレームに基づいて、前記出力ブロックに、シリアル出力を提供させること、をさらに含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記高速シリアルインターフェースが、車両制御装置または無線通信インターフェースのうちの少なくとも1つに通信可能に結合された、周辺構成要素相互接続エクスプレス(PCIe)バスを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
クロック信号を提供するように構成されたクロックをさらに備え、前記複数のマクロピクセル、前記フレーム集約ブロック、前記パルス処理ブロック、および前記出力ブロックのうちの少なくともいくつかの動作が、前記クロック信号に基づく、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
各SPADが、1550nmまたは780nmのうちの少なくとも1つの波長を備えた光を検出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
各マクロピクセルの光子検出効率が、所与のマクロピクセルにおけるSPADフィルファクタを乗じた所与のSPADの光子検出確率(PDP)を含み、各マクロピクセルの前記光子検出効率が少なくとも8%である、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記聴取期間が、300ピコ秒以上、500ピコ秒以下の範囲内にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
各マクロピクセルに結合された、マイクロレンズアレイをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
各マクロピクセルが、1024個または2048個のうちの少なくとも1つの個数のSPADを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のマクロピクセルが、16個、32個、または64個のうちの少なくとも1つの個数のマクロピクセルを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
聴取期間の間に、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分からそれぞれの光信号を受信することであって、前記複数のマクロピクセルの各マクロピクセルが単一光子アバランシェダイオード(SPAD)のアレイを備え、各SPADが、外部環境から光を検出すると、それぞれの光信号を提供するように構成されていることと、
前記複数のマクロピクセルの前記それぞれの部分からの前記それぞれの光信号に基づいて出力を提供することであって、前記出力が一連のフレームを備え、前記一連のフレームの各フレームが、所与の聴取期間の間にそれぞれの光信号を提供した、前記複数のマクロピクセルの前記それぞれの部分のSPADの平均数を含むことと、を含む、方法。
【請求項18】
フレーム集約ブロックに、前記一連のフレームを集約させること、をさらに含み、前記フレーム集約ブロックが、加算器回路およびデジタルバッファ回路を備え、集約されたフレームの最大数が少なくとも2Fであり、Fが少なくとも6である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記一連のフレームに基づいて、パルス処理ブロックに、パルス到着時刻またはパルス強度のうちの少なくとも1つを判定させること、をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記処理された一連のフレームに基づいて、出力ブロックに、シリアル出力を提供させること、をさらに含む、請求項19に記載の方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が、本明細書に参照によって援用される、2017年8月7日出願された米国特許出願第15/670,082号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において別段の指示がない限り、本セクションで記載される事項は、本出願の請求項に対する先行技術ではなく、かつ、本セクションに含めることにより先行技術として認められるものでもない。
【0003】
光検出および測距(LIDAR)装置は、所与の環境における対象物までの距離を推測することができる。例えば、LIDARシステムのエミッタサブシステムは、システムの環境において、対象物と相互作用することができる近赤外光パルスを放射することができる。光パルスの少なくとも一部は、(例えば、反射または散乱により)LIDARの方へ戻され、かつレシーバサブシステムによって検出され得る。従来のレシーバサブシステムは、複数の検出器および、それぞれの光パルスの到着時刻を、高時間分解能(例えば、約400ps)で判定するように構成された対応する制御装置を含み得る。LIDARシステムと所与の対象物との間の距離は、所与の対象物と相互作用する、対応する光パルスの飛行時間に基づいて判定され得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、モノリシックな、単一チップレシーバを含むシステムおよび方法に関する。単一チップレシーバは、全デジタル「オンチップLIDARエンジン」として、動作可能であり得る。このようなアーキテクチャを利用する例示的なシステムおよび方法は、フロントエンド組み込みアナログ回路を含む必要がない。代わりに、モノリシックなLIDARレシーバは、SPADアレイからデジタルまたはデジタル的信号を受信するように動作可能であり、かつ、デジタル領域における範囲および強度を計算するために、すべての他の信号処理および信号分析を実行し得る。
【0005】
第1の態様において、システムが提供される。本システムは、複数のマクロピクセルを含む。複数のマクロピクセルの各マクロピクセルは、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)のアレイを含む。各SPADは、システムの外部環境から光を検出することに応じてトリガされるときに、それぞれの光信号を提供するように構成されている。本システムはまた、複数のパイプライン加算器を含む。複数のパイプライン加算器の各パイプライン加算器は、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分に通信可能に結合されている。本システムは、メモリおよび少なくとも1つのプロセッサを有する制御装置をさらに含む。少なくとも1つのプロセッサは、動作を行うように、メモリに格納された命令を実行する。動作は、聴取期間の間に、複数のパイプライン加算器の各パイプライン加算器において、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分からそれぞれの光信号を受信することを含む。動作はまた、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分からのそれぞれの光信号に基づいて、複数のパイプライン加算器の各パイプライン加算器に出力を提供させることを含む。出力は、一連のフレームを含む。一連のフレームの各フレームは、所与の聴取期間の間にトリガされた、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分のSPAD装置の平均数を含む。
【0006】
第2の態様において、方法が提供される。本方法は、聴取期間の間に、複数のパイプライン加算器の各パイプライン加算器において、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分からそれぞれの光信号を受信することを含む。複数のマクロピクセルの各マクロピクセルは、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)のアレイを含む。各SPADは、外部環境から光を検出することに応じてトリガされるときに、それぞれの光信号を提供するように構成されている。複数のパイプライン加算器の各パイプライン加算器は、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分に通信可能に結合されている。本方法はまた、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分からのそれぞれの光信号に基づいて、複数のパイプライン加算器の各パイプライン加算器に、出力を提供させることを含む。出力は一連のフレームを含み、一連のフレームの各フレームは、所与の聴取期間の間にトリガされた、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分のSPAD装置の平均数を含む。
【0007】
他の態様、実施形態、および実装は、必要に応じて添付の図面を参照しながら以下の発明を実施するための形態を読むことにより、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】例示的な実施形態による、システムを示す。
図1B】例示的な実施形態による、SPADブロックを示す。
図2】例示的な実施形態による、システムを示す。
図3】例示的な実施形態による、いくつかのグラフを示す。
図4】例示的な実施形態による、方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例示的な方法、装置、およびシステムについて、本明細書において説明する。「例」および「例示的な」の語は、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味するために本明細書で使用されることを理解すべきである。本明細書において、「例」または「例示的な」として説明されるあらゆる実施形態または特徴は、必ずしも、他の実施形態または特徴よりも、好ましいか、または有利であるとして解釈されるべきではない。本明細書において提示される主題の範囲から逸脱せずに、他の実施形態を利用し、また、他の変更を行うことができる。
【0010】
このように、本明細書において説明される例示的な実施形態は、限定を意味しない。本開示の態様は、本明細書において全般的に記載されるように、また図面に示されるように、広範囲にわたる様々な構成に配置し、置換し、組み合わせ、分割し、および設計することができ、それらのすべてが本明細書で想到されている。
【0011】
さらに、文脈によって別段に示唆されない限り、図のそれぞれに示される特徴は、互いに組み合わせて使用されてもよい。このように、示される特徴のすべてが各実施形態に必要なわけではないことを理解したうえで、図面は、全般的に、1つ以上の包括的な実施形態の構成要素の態様として見なされるべきである。
I.概要
【0012】
単一光子アバランシェダイオード(SPAD)は、一次元または二次元アレイ形式で製造され得る。光検出および測距(LIDAR)システム周辺の環境に関する情報を得るために、このようなSPAD検出器アレイがLIDARシステムと共に利用され得る。場合によっては、本明細書において説明されるLIDARシステムは、自律または半自律車両と動作可能であってもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、各SPADアレイは、数千個のセル素子(例えば、1024個、2048個、またはそれ以上のセル素子)を含み得る。このようなシナリオにおいて、SPADアレイの出力は、任意の所与の「聴取期間」(例えば、2マイクロ秒)および、各セル素子がトリガされるタイムスタンプにおいてトリガされたアレイのSPADセル素子の数を示す情報を含み得るデジタルまたは擬似デジタル(例えば、アナログ階段信号)波形を含んでもよい。したがって、SPADアレイの出力信号は、全デジタル処理に適し得る。
【0014】
例示的な実施形態において、LIDARシステムは、複数の光エミッタ(例えば、近赤外レーザ)および複数のSPADアレイを含み得る。各SPADアレイは、それぞれの光エミッタに対応し得る。このようなシナリオにおいて、各光エミッタは、外部環境に光パルスを放射するように構成されてもよい。環境において対象物と相互作用する際に、少なくとも光パルスの一部が、LIDARシステムおよび対応するSPADアレイに向けて戻るように反射されるか、または散乱され得る。対応するSPADアレイは、反射された光パルスの少なくとも一部を検出するように構成され得る。
【0015】
例示的なシステムおよび方法は、全デジタル「チップ上のLIDARエンジン」として動作可能であり得るモノリシックな、単一チップレシーバを含む。このようなアーキテクチャを利用する例示的なシステムおよび方法は、アナログ回路を有するフロントエンドなしに機能し得る。代わりに、モノリシックなLIDARレシーバは、SPADアレイからデジタルまたはデジタル的信号を受信し、デジタル領域における範囲および強度を計算するための他の信号処理および信号分析を実行するように動作可能であり得る。
【0016】
例示的な実施形態において、複数のSPADアレイ(例えば、16個、32個、64個、またはそれ以上のアレイ)は、デジタルまたはデジタル的信号を1つ以上の加算段、バッファ、およびデータパイプラインに提供し得る。データパイプラインは、SRAMブロックなどの高速メモリに結合されてもよい。このようなシナリオにおいて、加算器段およびパイプラインは、メモリに直列式または並列式に、平均化されたフレームを提供してもよい。いくつかの実施形態において、各フレームは、2つ以上の聴取期間にわたって、SPADアレイごとにトリガされるSPADセル素子の平均数を含み得る。他の実施形態において、各フレームは、SPADアレイごとに、聴取期間(例えば、2マイクロ秒)の各時間位置(例えば、400ピコ秒)の間に、トリガされるSPADセル素子の数を含み得る。
【0017】
メモリは、平均化されたフレームを、処理のためのパルス処理ブロックに提供し得る。例えば、パルス処理ブロックは、パルス到着時刻(例えば、範囲を判定するためのタイムスタンプ)、強度、第1のモーメント(例えば、質量中心)、および/または第2のモーメントを判定するために、フレームを処理するように構成することができ、これは、「混合された」画素(光パルスが対象物の縁に当たる場所)の判定に役立ち得る。いくつかの実装形態において、パルス処理ブロックは、およそ200,000個の抵抗トランジスタ論理(RTL)ゲートを含み得るが、本明細書において異なる数および種類のデジタル論理ゲートが可能であり、想到される。
【0018】
例示的な実施形態において、パルス処理ブロックは、フレームごとのデジタル信号を、SPADアレイごとの、振幅および範囲信号に変換し得る。本明細書において説明されるシステムのパルス処理ブロックおよび他の素子は、システムクロック信号に基づいて、同期的に動作してもよい。一例として、システムクロック信号は400ピコ秒(ps)のクロック期間を含み得るが、他の期間も可能である。いくつかの例において、システムクロック信号は、送信ブロックの対応するクロックに一致する、かつ/または同期するように調整可能であり得る可変クロックに基づいてもよい。他の実施形態において、送信ブロックおよびパルス処理ブロックは、同じクロック信号/ソースを共有してもよい。
【0019】
パルス処理後、(システム周辺の環境の部分的または360度ポイントクラウドを含み得る)パルス処理ブロックの出力は、周辺構成要素相互接続エクスプレス(PCIe)バスなどの高速シリアルインターフェースに提供され得る。PCIeバスは、車両制御装置、無線通信インターフェースなどにローカル通信リンクを提供し得る。
【0020】
任意には、第2のSPADアレイの対応するセルに近接する第1のSPADアレイのSPADセルを含み得る隙間セルは、SPADアレイ間のクロストークを回避するために無効化されるか、または無視され得る。さらに、SPADアレイは、パイプライン、メモリ、デジタル論理、および/または高速シリアルインターフェースと同じウエハ/チップ上で統合されてもよい。追加的にまたは代替的に、SPADアレイは、バンプ接着、ウエハ接着、および貫通ウエハビア(例えば、貫通シリコンビア(TSV))などの、しかしそれらに限定されない、任意の数の三次元チップまたはウエハスケールハイブリダイゼーション技術または背面製造技術によって、システムの他の素子の内の1つ以上に結合されてもよい。
II.例示的なシステム
【0021】
図1Aおよび図1Bは、例示的な実施形態による、システム100の様々な部分を示す。いくつかの実施形態において、システム100は、光検出および測距(LIDAR)システムに関するレシーバサブシステムを含み得る。このようなLIDARシステムは、所与の環境における1つ以上の対象物(例えば、場所、形状など)に関する情報(例えば、ポイントクラウドデータ)を提供するように構成され得る。例示的な実施形態において、LIDARシステムは、ポイントクラウド情報、対象物情報、マッピング情報、または他の情報を車両に提供し得る。車両は、半自立または完全自律車両であり得る。例えば、車両は、自動運転自動車、自律型ドローン飛行機、自律型トラック、または自律型ロボットであり得る。他の種類の車両およびLIDARシステムが、本明細書において想到される。
【0022】
図1Aに示されるように、システム100の素子の一部または全部は、基板102上に配置され得る。基板102は、半導体ウエハ基板(例えば、シリコンウエハ)を含み得るが、他の材料および基板種類も可能である。
【0023】
いくつかの実施形態において、基板102は、第1の表面を含み得る。このようなシナリオにおいて、第1の表面は、基板102の主面に沿って配置され得、システム100の素子の一部または全部は、基板102の第1の表面に沿って配置され得る。
【0024】
システム100は、SPADブロック110を含む。SPADブロック110は、SPADアレイ112を含む。SPADアレイ112は、二次元アレイ形式(例えば、正方形アレイ、長方形アレイ、六方最密充填構造アレイ、または不規則アレイ)で配置された複数のSPAD装置114を含む。複数のSPAD装置114の各SPADは、システム100の外部環境から光を検出することに応じてトリガされるときに、それぞれの光信号を提供するように構成されている。例えば、各SPADは、1550nmまたは780nmのうちの少なくとも1つの波長を備える光を検出するように構成されてもよい。本明細書において、他の波長が可能であり、想到されることが理解されるであろう。さらに、SPAD装置について本開示において具体的に説明するが、他の種類の光検出器も可能である。
【0025】
例示的な実施形態において、SPADアレイ112は、2N個のSPAD装置を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、Nは、10または11であり得る。すなわち、SPADアレイ112は、1024個または2048個のSPAD装置114を含み得る。Nより大きい値、またはNより小さい値および、SPAD装置114の対応する数より大きい数、またはそれより小さい数が可能であり、想到されることが理解されるであろう。
【0026】
SPADアレイ112におけるSPAD装置は、共有された視野から光を検出するように構成されている。例示的な実施形態において、システム100は、結像光学系184を含み得る。このようなシナリオにおいて、SPADアレイ112は、結像光学系184を介して、共有された視野から光を検出するように動作可能であってもよい。
【0027】
図1Bを参照すると、SPADブロック110は、例示的な実施形態による、複数のマクロピクセル118に区分けされ、区別され、または他の方法で分離され得るSPADアレイ112を含み得る。このようなシナリオにおいて、複数のマクロピクセル118の各マクロピクセル(例えば、マクロピクセルA118a、マクロピクセルB118b、マクロピクセルC118c、およびマクロピクセルD118d)は、SPAD装置のアレイを含む。すなわち、SPADアレイ112は、各々がSPADアレイ112のそれぞれの部分を構成する複数のマクロピクセル118に分割されてもよい。
【0028】
さらに、図1Aを参照して示され、説明されるように、複数のパイプライン加算器116が、マクロピクセル118に通信可能に結合され得る。例えば、各パイプライン加算器(例えば、Nビットのパイプライン加算器116a~d)は、それぞれのマクロピクセル118a~dに通信可能に結合されてもよい。
【0029】
例示的な実施形態において、各マクロピクセル(例えば、マクロピクセル118a~d)は、少なくとも8%の光子検出効率を有し得る。所与のマクロピクセルに関する光子検出効率は、SPADフィルファクタ(例えば、アクティブSPAD面積/総面積)を乗じた所与のマクロピクセルのSPADの光子検出確率(PDP)とすることができる。
【0030】
図1Aに戻ると、システム100は、複数のNビットのパイプライン加算器116を含む。Nビットのパイプライン加算器116は、SPADアレイ112のそれぞれの部分に結合されている。すなわち、複数のSPAD装置114のそれぞれの部分が、それぞれのNビットのパイプライン加算器116に通信可能に結合され得る。例示的な実施形態において、各パイプライン加算器116は、10ビットのパイプライン加算器または11ビットのパイプライン加算器であり得る。他のビットの精度加算器も可能であり、想到される。
【0031】
本システム100はまた、フレーム集約ブロック130を含む。フレーム集約ブロック130は、複数のNビットのパイプライン加算器116に通信可能に結合されている。フレーム集約ブロック130は、後続のデータフレームを集約し、かつ/またはバッファするように構成された装置を含み得る。フレーム集約ブロック130は、Fが少なくとも6である場合に、少なくとも2F個の後続のデータフレームをバッファするように構成された、加算器回路および/またはデジタルバッファ回路を含み得る。Fは6を上回るか、または下回ってもよいことが理解されよう。
【0032】
加算器回路は複数の(N+F)ビットの加算器132を含んでもよく、デジタルバッファ回路は、複数の(N+F)ビットのバッファ134を含んでもよい。例示的な実施形態において、フレーム集約ブロック130は、最大2F個のデータフレーム数を集約するように構成されてもよい。
【0033】
システム100は、メモリ154および少なくとも1つのプロセッサ152を有する制御装置150を含む。例示的な実施形態において、メモリ154は、Fが少なくとも6である場合に、少なくとも5キロバイト*(N+F)を含む静的ランダムアクセスメモリブロックを備える。少なくとも1つのプロセッサ152は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含んでもよい。ソフトウェアの命令を実行するように構成された他の種類のプロセッサ、コンピュータ、または装置が、本明細書において想到される。メモリ154は、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電子的に消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(例えば、フラッシュメモリ)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、読み取り/書き込み(R/W)CD、R/W DVDなどの、しかしそれらに限定されない、非一時的コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0034】
制御装置150は、車両、外部コンピュータ、または、スマートフォン、タブレット装置、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル装置などのモバイルコンピューティングプラットフォーム上に配置されたコンピュータを含んでもよい。追加的にまたは代替的に、制御装置150は、クラウドサーバなどのリモートに位置するコンピュータシステムを含むか、または、それに接続されてもよい。例示的な実施形態において、制御装置150は、本明細書において説明される、一部または全部の方法ブロックまたはステップを実行するように構成され得る。
【0035】
一例として、少なくとも1つのプロセッサ152は、特定の動作を実行するように、メモリ154に格納された命令を実行することができる。動作は、本明細書において説明される、機能、ブロック、またはステップの一部または全部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、異なるコンピューティング装置または制御装置は、本明細書において説明される、様々な機能、ブロック、またはステップを様々な組み合わせで実行してもよい。
【0036】
例えば、動作は、聴取期間の間に、複数のNビットのパイプライン加算器116の各パイプライン加算器において、複数のSPADアレイ112またはマクロピクセル118a~dのそれぞれの部分からそれぞれの光信号を受信すること、を含み得る。4つのマクロピクセルが図1Bに示されているが、より多いか、またはより少ないマクロピクセルが本明細書において可能であり、想到されることが理解される。例えば、いくつかの実施形態において、複数のマクロピクセル118は、16個、32個、または64個のマクロピクセルのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、各マクロピクセル(例えば、マクロピクセル118a~d)は、1024個または2048個のSPADを含み得る。他の実施形態は、より多いか、またはより少ないSPAD素子を含むマクロピクセルを含み得ることが理解されよう。マクロピクセルごとのSPAD素子の数は、他の可能性の中でも特に、所望の動的範囲、所望の背景照明耐性、所望の信号対雑音比(SNR)、現在のまたは予期される結像シナリオ、および/またはLIDARシステムの他のシステムレベルの考慮事項に基づき得る。
【0038】
例示的な実施形態において、各マクロピクセルは、個別のLIDARチャンネルに対応し得る。例えば、LIDARシステムは、16個、32個、または256個以上の光エミッタ/検出器の対を含んでもよい。各光エミッタ/検出器の対は、このようなLIDARシステムの単一のチャンネルと見なされ得る。このようなシナリオにおいて、マクロピクセルは、LIDARチャンネルごとに低レベルの光感知能力に構成されてもよい。すなわち、それぞれのマクロピクセルは、飛行時間測距機能の評価を支援するために、非結像、光集約に基づいて、動作するように構成されてもよい。
【0039】
動作は、複数のマクロピクセル118のそれぞれの部分からのそれぞれの光信号に基づいて、複数のパイプライン加算器116の各パイプライン加算器(例えば、Nビットのパイプライン加算器116a~d)に、出力を提供させること、を含む。出力は、一連のフレームを含む。このようなシナリオにおいて、一連のフレームの各フレームは、所与の聴取期間の間にトリガされた複数のマクロピクセル118のそれぞれの部分のSPAD装置の平均数を含んでもよい。
【0040】
例示的な実施形態において、聴取期間は、300ピコ秒以上、500ピコ秒以下の範囲内にあってもよい。聴取期間は、別の持続時間または持続時間の範囲を含み得ることが理解されよう。このような他の実施形態が、本明細書においてすべて想到される。
【0041】
例示的な実施形態において、複数のマクロピクセル118、複数のパイプライン加算器116、および制御装置150は、モノリシックな単一チップレシーバを提供するように基板102上に配置されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、本システム100は、フレーム集約ブロック130に通信可能に結合されたパルス処理ブロック160をさらに含んでもよい。このようなシナリオにおいて、制御装置150は、一連のフレームに基づいて、パルス処理ブロック160に、パルス到着時刻またはパルス強度の内の少なくとも1つを判定させることなどの追加的な動作を実行するように構成され得る。いくつかの例において、パルス処理ブロック160は、少なくとも200,000個の抵抗トランジスタ論理(RTL)ゲートを含んでもよい。より多いか、またはより少ないRTLゲートが本明細書において可能であり、想到されることが理解されよう。
【0043】
いくつかの例示的な実施形態において、システム100はまた、出力ブロック170を含む。出力ブロック170は、パルス処理ブロック160に通信可能に結合されてもよい。出力ブロック170は、高速シリアルインターフェース172を含む。このようなシナリオにおいて、処理された一連のフレームに基づいて、制御装置150は、出力ブロック170に、シリアル出力を提供させることなどのさらなる動作を実行するように構成されてもよい。シリアル出力は、例えば、対象物認識ブロック、ナビゲーションブロック、または別の種類の車両の存在の把握/動作処理もしくはアルゴリズムに提供され得る。
【0044】
例示的な実施形態において、高速シリアルインターフェース172は、車両制御装置または無線通信インターフェース(例えば、通信インターフェース180)のうちの少なくとも1つに通信可能に結合された周辺構成要素相互接続エクスプレス(PCIe)バスを含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、システム100は、クロック182を含む。クロック182は、単数以上のローカルおよび/またはグローバルのクロック信号を提供するように構成されてもよい。複数のマクロピクセル118、複数のパイプライン加算器116、フレーム集約ブロック130、パルス処理ブロック160、および出力ブロック170に関連する少なくともいくつかの動作は、クロック信号に基づく。
【0046】
システム100は、通信インターフェース180を含み得る。通信インターフェース180は、制御装置150、SPADブロック110、フレーム集約ブロック130、パルス処理ブロック160、出力ブロック170、結像光学系184、クロック182、1つ以上のコンピューティングネットワーク、および/または他の車両などのシステム100の様々な素子間の通信リンクを提供するように構成され得る。
【0047】
通信インターフェース180は、例えば、直接または通信ネットワークを介して、本明細書において説明される、1つ以上の他の車両、センサ、または他の素子間に有線または無線通信を提供するように構成されたシステムであり得る。このために、通信インターフェース180は、直接または通信ネットワークを介して、他の車両、センサ、サーバ、または他のエンティティと通信するためのアンテナおよびチップセットを含んでもよい。チップセットまたは通信インターフェース180は全般的に、他の可能性の中でも特に、BLUETOOTH、BLUETOOTH LOW ENERGY(BLE)、IEEE 802.11(IEEE 802.11のあらゆる改訂を含む)に記載の通信プロトコル、セルラ技術(GSM、CDMA、UMTS、EV-DO、WiMAX、またはLTEなど)、ZIGBEE、専用狭域通信(DSRC)、および無線周波数識別(RFID)通信などの1つ以上の種類の無線通信(例えば、プロトコル)にしたがって通信するように配置され得る。通信インターフェース180は、同様に他の形式を取ってもよい。
【0048】
図2Aは、例示的な実施形態による、システム200を示す。本システム200は、本明細書において説明されるように、SPAD装置の可能な配置を示す。いくつかの実施形態において、本システム200は、図1Aを参照して示され、説明されたようなSPADブロック110またはSPADアレイ112に類似するか、または同一であってもよい。
【0049】
本システム200は、基板202、第1のマクロピクセル210、および第2のマクロピクセル220を含み得る。第1のマクロピクセル210は、第1の複数のSPAD装置212を含み、第2のマクロピクセル220は第2の複数のSPAD装置222を含み得る。いくつかの実施形態において、SPAD装置212および222は、正方形アレイまたは長方形アレイで、基板202の表面に沿って配置され得る。六方最密充填構造アレイまたは不規則アレイなどの他の配置も可能である。2つのマクロピクセル210および220が図2に示されるが、より多いか、またはより少ないマクロピクセルが本開示の文脈内で想到されることが理解されよう。
【0050】
いくつかの実施形態において、SPAD装置212および222は、それぞれのマイクロレンズ213および223に光学的に結合され得る。すなわち、いくつかの例において、マイクロレンズアレイは、各マクロピクセルに結合され得る。マイクロレンズ213および223は、屈折または回折光学系を含み得る。他の種類の光学装置も可能である。例えば、光学装置は、集光するか、光を平行にするか、光を発散するか、または他の方法で、外部環境とそれぞれのSPAD装置212および22との間の光路を調整するように構成され得る。
【0051】
本明細書においては示されないが、いくつかの例示的な実施形態において、複数のSPAD装置114のそれぞれのSPADは、例えば、貫通ウエハビアおよび/またはバンプ接着のそれぞれのアレイによって、第2の基板上の光検出器出力回路(例えば、読み出し集積回路(ROIC))に結合され得る。検出器/回路ハイブリダイゼーションを伴う他の実施形態が、本明細書において想到される。
【0052】
図3は、例示的な実施形態による、グラフ300およびグラフ310を示す。グラフ300は、それぞれの時間位置の間にトリガされるSPADセル素子の整数を含む。いくつかの実施形態において、時間位置はそれぞれ、400ピコ秒の持続時間であり得るが、他の持続時間も可能であり、想到される。グラフ300に示されるように、データは、局所的ピーク302および304などの特定の特長を含み得る。トレンドライン306は、経時的にトリガされるSPADセル素子の転回平均数を示し得る。トレンドライン306は、デジタルまたは擬似デジタル(例えば、アナログ階段信号)波形を含み得る。
【0053】
グラフ310は、時間位置ごとにトリガされるSPADセル素子の平均数を含み得る。具体的には、グラフ310は、1つ以上の聴取期間にわたってトリガされるSPAD素子の平均数を含むトレンドライン316を含み得る。例示的な実施形態において、聴取期間は、2マイクロ秒であり得る。しかし、より長い、またはより短い聴取期間が想到される。示されるように、グラフ310は、図3を参照して示され、説明されるようなトレンドライン306の時間圧縮されたバージョンを含んでもよい。すなわち、グラフ300からの局所的ピーク302および304は、グラフ310において局所的ピーク312および314として表され得る。異なるシーンは(例えば、外部環境の視野における様々なまたは変化する対象物により)、異なるトレンドライン形状および値を提供し得ることが理解されよう。
【0054】
本明細書において他の場所で説明するように、トレンドライン306およびトレンドライン316の様々な特徴が、例えば、外部環境における所与の対象までの距離を判定するために使用され得る。さらに、トレンドライン306および/またはトレンドライン316は、図1において示され、説明されるようなシステム100のパルス処理ブロック160または、別の素子によって、少なくとも部分的に処理され得る。例えば、パルス処理ブロック160は、1つ以上のパルス到着時刻または飛行時間測定値を判定するために、1つ以上のフレーム(例えば、1つ以上の聴取期間からの情報)を処理するように構成され得る。追加的にまたは代替的に、パルス処理ブロック160は、トレンドライン306またはトレンドライン316に基づいて、強度、第1のモーメント(例えば、質量中心)、または第2のモーメント(例えば、分散)を判定し得る。他の種類の処理は、外部環境(例えば、ポイントクラウド)における対象物に関する情報を提供するために、パルス処理ブロック160によって実行され得る。
III.例示的な方法
【0055】
図4は、例示的な実施形態による、方法400を示す。本方法400は、図1A図1Bおよび図2を参照して示され、説明されたように、システム100、SPADブロック110、制御装置150、またはシステム200によって、全体として、または部分的に実行されてもよい。本方法400は、図1A図1Bおよび図2を参照して示され、説明されたものと類似であるか、または同一である素子を含んでもよい。本方法400は、本明細書において明示的に開示されるものよりも少ないか、または多いステップまたはブロックを含んでもよいことが理解されよう。さらに、本方法400のそれぞれのステップまたはブロックは任意の順序で実行されてもよく、各ステップまたはブロックは、1回以上実行されてもよい。
【0056】
ブロック402は、聴取期間の間に、複数のパイプライン加算器の各パイプライン加算器において、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分からそれぞれの光信号を受信すること、を含む。複数のマクロピクセルの各マクロピクセルは、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)のアレイを含む。各SPADは、外部環境から光を検出することに応じてトリガされるときに、それぞれの光信号を提供するように構成されている。複数のパイプライン加算器の各パイプライン加算器は、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分に通信可能に結合されている。
【0057】
LIDARシステムの送信ブロックを含む実施形態において、光源は、外部環境における対象物と相互作用し得る光パルスを放射することができる。光源はレシーバブロックに近位に配置されるか、または、別の場所に配置されてもよい。例示的な実施形態において、光源は、近赤外光パルスを放射するように構成された1つ以上のレーザを含み得る。放射された光パルスの少なくともの一部は、外部環境における対象物によって、SPAD装置に戻るように反射されるか、または散乱され得る。このようなシナリオにおいて、SPAD装置は、外部環境における対象物を示し得る、反射光、または散乱光を受信する場合がある。
【0058】
ブロック404は、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分からのそれぞれの光信号に基づいて、複数のパイプライン加算器の各パイプライン加算器に、出力を提供させること、を含む。出力は一連のフレームを含み、一連のフレームの各フレームは、所与の聴取期間の間にトリガされた、複数のマクロピクセルのそれぞれの部分のSPAD装置の平均数を含む。いくつかの実施形態において、出力は、図3に示され、説明されるようなグラフ300および310の出力と類似する場合がある。
【0059】
本方法400は、任意には、一連のフレームを集約することを、フレーム集約ブロックに行わせることを含んでもよい。このようなシナリオにおいて、フレーム集約ブロックは、加算器回路およびデジタルバッファ回路を含み、Fが少なくとも6である場合に、集約されたフレームの最大数は少なくとも2Fである。
【0060】
追加的にまたは代替的に、本方法400は、一連のフレームに基づいて、パルス到着時刻またはパルス強度のうちの少なくとも1つを判定することを、パルス処理ブロックに行わせること、を含んでもよい。このようなシナリオにおいて、本方法400は、任意には、処理された一連のフレームに基づいて、シリアル出力を提供することを出力ブロックに行わせること、を含んでもよい。
【0061】
図に示される特定の配置は限定するものとして見なされるべきではない。他の実施形態は、所与の図において示される各素子をより多く、またはより少なく含み得ることを理解すべきである。さらに、示される素子のうちのいくつかが組み合わせられるか、または省略されてもよい。さらに、示される実施形態は、図には示されない素子を含んでもよい。
【0062】
情報の処理を表すステップまたはブロックは、本明細書に記載の方法または技術の具体的な論理機能を実行するように構成され得る、回路に対応し得る。代替的に、または追加的に、情報の処理を表すステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、物理コンピュータ(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC))、または(関連データを含む)プログラムコードの一部に相当し得る。プログラムコードは、本方法または技術における具体的な論理機能または動作を実装するためのプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含み得る。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスク、ハードドライブ、または他の記憶媒体を含む記憶装置などの任意の種類のコンピュータ可読媒体上に格納され得る。
【0063】
コンピュータ可読媒体はまた、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)などの、短期間の間データを格納するコンピュータ可読媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体はまた、より長い期間の間、プログラムコードおよび/またはデータを格納する非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。このように、コンピュータ可読媒体は、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光学または磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)などの二次的または永続的な長期間の記憶装置を含んでもよい。コンピュータ可読媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムであり得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、または、有形記憶装置と見なされ得る。
【0064】
様々な例および実施形態が開示されてきたが、他の例および実施形態も当業者にとっては明らかであろう。様々な開示例および実施形態は例示の目的であり、以下の特許請求の範囲によって示される真の範囲によって、限定されることを意図しない。
図1A
図1B
図2
図3
図4