(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】燃料電池スタック、燃料電池スタックを製造するための方法および燃料電池スタックを作動させるための方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/249 20160101AFI20220930BHJP
H01M 8/248 20160101ALI20220930BHJP
H01M 8/2465 20160101ALI20220930BHJP
H01M 8/2404 20160101ALI20220930BHJP
【FI】
H01M8/249
H01M8/248
H01M8/2465
H01M8/2404
(21)【出願番号】P 2021501307
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(86)【国際出願番号】 EP2019070456
(87)【国際公開番号】W WO2020025597
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】102018212715.8
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】シュマイサー,ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー,ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】レイラー,ウド
(72)【発明者】
【氏名】ヴェスナー,ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】クノル,フロリアン アレクサンダー
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-062702(JP,A)
【文献】特開2007-273113(JP,A)
【文献】特開平01-281681(JP,A)
【文献】特開2005-183358(JP,A)
【文献】特開平10-241719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-それぞれ少なくとも2つの個別電池(5)を備えた少なくとも2つの燃料電池モジュール(58)であって、各燃料電池モジュール(58)が両電池積層体外面(66)にモジュール端部板(70)を有している前記燃料電池モジュール(58)と、
-互いに積層されている前記燃料電池モジュール(58)を締め付け固定して燃料電池スタック(10)を形成させている燃料電池スタック圧縮手段(82)と、
を含んでい
て、
各燃料電池モジュール(58)の前記個別電池(5)を前記モジュール端部板(70)の間で締め付け固定させているモジュール圧縮手段(74)が設けられていて、
前記モジュール圧縮手段(74)が締め付けバンドである燃料電池スタック(10)。
【請求項2】
各燃料電池モジュール(58)が5個~8個の締め付けバンドを有していることを特徴とする、請求項
1に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項3】
前記締め付けバンド(74)が、前記個別電池(5)の側部接触面の領域でのみ電気的に絶縁されていることを特徴とする、請求項
1または2に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項4】
各燃料電池モジュール(58)が
、1つのモジュール端部板(70)に配置されている電流接続部(71)を有していることを特徴とする、請求項1~
3のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項5】
各燃料電池モジュール(58)が、固有の電圧チェックを有していることを特徴とする、請求項1~
4のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項6】
1つまたは複数のモジュール端部板(70)が冷却配分域(73)を有していることを特徴とする、請求項1~
5のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項7】
1つまたは複数のモジュール端部板(70)が閉鎖可能なポート貫通部(72)を有していることを特徴とする、請求項1~
6のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項8】
個々の燃料電池モジュール(58)が、電気スイッチ(80)を用いて前記燃料電池スタック(10)の電気回路(12)から切り離し可能であることを特徴とする、請求項1~
7のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項9】
前記電気回路(12)から切り離し可能な前記燃料電池モジュール(58)の前記個別電池(5)が、変更したデザインを有していることを特徴とする、請求項
8に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項10】
前記電気回路(12)から切り離し可能な前記燃料電池モジュール(58)の前記個別電池(5)が、比較的低い触媒負荷を有していることを特徴とする、請求項
9に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項11】
各燃料電池モジュール(58)が固有の水素センサを有していることを特徴とする、請求項1~
10のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)を製造するための方法において、前記方法
が
-前記燃料電池スタック(10)の少なくとも2つの個別電池(5)を互いに積層するステップと、
-互いに積層されている前記個別電池(5)の両電池積層体外面(66)にモジュール端部板(70)を配置するステップと、
-1つの燃料電池モジュール(58)を形成するためにモジュール圧縮手段(74)を用いて前記モジュール端部板(70)の間で前記個別電池(5)を締め付け固定するステップと、
-前記燃料電池モジュール(58)を正確性および/または密封性に関し検査するステップと、
-このようにして製造した少なくとも2つの燃料電池モジュール(58)を互いに積層するステップと、
-互いに積層されている前記燃料電池モジュール(58)を燃料電池スタック圧縮手段(82)により締め付け固定するステップと、
を含んでいる方法。
【請求項13】
前記モジュール圧縮手段(74)を、互いに積層されている前記燃料電池モジュール(58)の締め付け固定後に除去することを特徴とする、請求項
12に記載の燃料電池スタック(10)を製造するための方法。
【請求項14】
前記燃料電池モジュール(58)を積層する前に前記個別電池(5)をコンディショニングすることを特徴とする、請求項
12または
13に記載の燃料電池スタック(10)を製造するための方法。
【請求項15】
請求項1~
11のいずれか一項に記載の燃料電池スタック(10)を低負荷範囲で作動させるための方法であって、1つまたは複数のモジュール端部板(70)が閉鎖可能なポート貫通部(72)を有し、個々の燃料電池モジュール(58)が電気スイッチ(80)を用いて前記燃料電池スタック(10)の電気回路(12)から切り離し可能である前記方法において、前記方法
が
-前記閉鎖可能なポート貫通部(72)を用いて、1つの燃料電池モジュール(58)をガス供給から切り離すステップと、
-同じ燃料電池モジュール(58)を、少なくとも1つのスイッチ(80)を用いて前記電気回路(12)から切り離すステップと、
を含んでいる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタック、燃料電池スタックを製造するための方法および燃料電池スタックを作動させるための方法に関するものである。
【0002】
燃料電池システムでは、通常、酸化剤である周囲大気の酸素が利用され、燃料電池内で水素と反応させて水を形成させ、したがって電気化学的変換によって電気出力を提供する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1から、多数の燃料電池ユニットセルまたは個別電池の層によって事前に形成された複数の燃料電池モジュールの層によって組み立てられる燃料電池スタックを形成することが知られている。
【0004】
この発明の背景は、燃料電池スタックの場合、スタックを製造する際の欠陥に対する最大のリスクは電池内の密封個所に由来しているという点にある。個々の電池それぞれはそれ自体で密封個所に対し高い信頼性を有しているにもかかわらず、1つのスタックにつき全部で数千個の密封個所がある場合の総欠陥リスクは著しく高くなり、その結果、とにかく燃料電池スタックの完成後に、10%の範囲で、欠陥のある燃料電池スタックの比較的高い不良率が生じることがある。これにより、欠陥のある燃料電池スタックの高い不良率が欠陥のない燃料電池スタックの価格を引き上げる。さらに、複数の燃料電池モジュールを備えた構成によって、作動中の密封性または水素漏れをより好適に監視できることも背景にある。
【0005】
前記発明の更なる観点は、燃料電池スタックをモジュール構造で有利に構成および適用すると、結果的に劣化が比較的少なくなるような電圧で個別電池を作動でき、しかもたとえば最適な触媒負荷に関し、異なる燃料電池モジュールの個別電池を異なる最適化で構成することができることにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許出願公開第2869376A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故、本発明の課題は、欠陥のある燃料電池スタックの不良率が低減され、その結果燃料電池スタックの経済的製造が可能である燃料電池スタックと、このような燃料電池スタックを製造するための方法と、したがってさらに、最適化された個別電池、低減された劣化と、向上した寿命とを有する燃料電池スタックとを提示することである。さらに、低減された劣化と向上した寿命とを得ることができるこのような燃料電池スタックを作動させるための方法を提示することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1に記載の構成を備えた燃料電池スタックによって解決される。このような燃料電池スタックを製造するための方法に関しては、請求項13を指摘する。このような燃料電池スタックを作動させる方法に関しては、請求項15を指摘する。それぞれに従属する従属請求項は、本発明の有利な更なる構成を示している。
【0009】
本発明による燃料電池スタックは、それぞれ少なくとも2つの個別電池を備えた少なくとも2つの燃料電池モジュールであって、各燃料電池モジュールが両電池積層体外面にモジュール端部板を有している燃料電池モジュールと、互いに積層されている前記燃料電池モジュールを締め付け固定して燃料電池スタックを形成させている燃料電池スタック圧縮手段とを含んでいる。
【0010】
本発明は、燃料電池スタック(10)およびこのような燃料電池スタック(10)を製造するための方法に関する。この場合、燃料電池スタック(10)は、それぞれ少なくとも2つの個別電池(5)を備えた少なくとも2つの燃料電池モジュール(58)であって、各燃料電池モジュール(58)が両電池積層体外面(66)にモジュール端部板(70)を有している燃料電池モジュール(58)と、互いに積層されている燃料電池モジュール(58)を締め付け固定して燃料電池スタック(10)を形成させている燃料電池スタック圧縮手段(82)とを有している。
【0011】
この場合、本発明の意味での個別電池としては、カソードバイポーラ板とアノードバイポーラ板との間に触媒被覆したダイヤフラムを備えるガス拡散層の通常の配置と解される。なお、電池積層体外面とは、電池積層体の燃料流れ方向に対し直角に位置している、電池積層体のカソードバイポーラ板またはアノードバイポーラ板の自由側面である。これに対応して、モジュール積層体外面とは、モジュール積層体の、同じ面内に延びている自由側面である。燃料電池スタック圧縮手段とは、好ましくは2つの積層体端部板と機械的に結合され、その結果それらの間でモジュール積層体全体を締め付け可能であるような手段である。
【0012】
燃料電池スタックの本発明による構成には、各燃料電池モジュールは互いに積層する前にモジュール端部板を介して検査でき、特に媒体密封性に関して検査できるという利点がある。それ故、すべての電池を組み立てて燃料電池スタックが完成した後に初めて検査が可能なのではない。これにより、検査してその都度欠陥があると判明した燃料電池モジュール内に互いに積層されている個別電池のみが不良品である。これにより、不良品に対するコストが著しく低減される。加えて、完全に組み立てられた燃料電池スタックの故障確率が著しく低減される。これにより、このような燃料電池スタックの製造の経済性が著しく向上する。
【0013】
本発明の有利な実施態様では、燃料電池スタックは、各燃料電池モジュールの個別電池をモジュール端部板の間で締め付け固定させているモジュール圧縮手段を有している。本発明の意味でのモジュール圧縮手段とは、好ましくは両モジュール端部板と機械的に結合され、その結果それらの間で電池積層体全体を締め付け可能であるような手段と解される。これにより、互いに積層されている個別電池が互いに対して変位することが回避され、その結果これによって他の可能なエラー原因が回避される。これにより、燃料電池スタックの故障確率がさらに低減する。
【0014】
本発明の更なる有利な実施態様では、モジュール圧縮手段は締め付けバンドである。締め付けバンドにより、燃料電池モジュールの良好な締め付け固定を得ることができる。この場合特に有利には、1つの燃料電池モジュールにつき5個~8個の締め付けバンドが使用される。
【0015】
本発明の有利な構成では、モジュール端部板は金属から成る。この場合、この金属は特に有利には優れた導電性を有している。金属には、優れた機械的安定性を有するという利点があり、その結果これに対応してモジュール端部板を比較的薄く形成させることができる。加えて、金属は高い可用性と優れた加工性とを有する。
【0016】
択一的に、モジュール端部板はグラファイトから成る。グラファイトには、導電性があって、材料コストが少ないという利点がある。加えて、グラファイトは比較的軽量であり、その結果グラファイトから成るモジュール端部板を設けることにより、このような燃料電池スタックの総重量は、従来製造されている燃料電池スタックに比べてわずかしか高くない。
【0017】
他の択一的構成では、モジュール端部板は導電性プラスチックから製造されている。プラスチックには、大量に、しかも異なる数量で使用可能であるという利点がある。加えて、プラスチックは低コストであり、たとえば射出成形法という手段で簡単に加工できる。これにより、燃料電池スタックをより経済的に製造できる。加えて、プラスチックは比較的軽量であり、その結果プラスチックから成るモジュール端部板を設けることにより、このような燃料電池スタックの総重量は、従来製造されている燃料電池スタックに比べてわずかしか高くない。
【0018】
他の択一的構成では、モジュール端部板は、個別電池のバイポーラ板と同じ材料から製造されている。これにより、1つのスタックを製造するために必要な材料の数量を減らすことができる。したがって、このような他の材料の保管が不要であり、その結果スタックをより経済的に製造可能である。
【0019】
好ましくは、モジュール端部板は5mm~15mmの厚さを有する。この場合、本発明の意味での厚さとは、モジュール端部板の、積層方向にある厚みまたは拡がりと解される。この範囲で、モジュール端部板の十分な安定性を保証することができる。特に有利には、モジュール端部板の厚さは5mm~20mmの範囲にある。
【0020】
有利には、燃料電池スタックは出力に依存して80個~450個の個別電池から成る。燃料電池スタックの特に有利な実施態様は、有利にはそれぞれ20個~50個の個別電池を備えた6個~12個の燃料電池モジュールを含んでいる。その際、個別電池の数量は個々の燃料電池モジュールに対し異なっていてもよい。このような燃料電池スタックには、十分な出力が提供されるという利点がある。加えて、このような燃料電池スタックはほとんどの適用例に対し使用できる。特に有利には、燃料電池スタックは420個~450個の個別電池から成る。このような燃料電池スタックを用いれば、高い出力を提供可能である。
【0021】
有利な更なる構成では、モジュール圧縮手段は、特に締め付けバンドとして実施されていれば、個別電池の側部接触面の領域でのみ電気的に絶縁されている。これにより電気絶縁材の体積が減少し、これによって材料コストが低減する。
【0022】
有利な実施態様では、各燃料電池モジュールは、有利には1つのモジュール端部板に配置されている固有の電流接続部を有している。これにより、スイッチオフの際に燃料電池モジュールを短絡させることができ、或いは、作動中も個々に消費装置(たとえばバッテリー)に接続させることができる。この場合、この実施態様は燃料電池スタックの有利な作動方法に対しても使用することができる。
【0023】
有利には、各燃料電池モジュールは、固有の電圧チェックを有している。したがって、個々の燃料電池モジュールの電圧チェックを互いに独立に配置することができる。
【0024】
有利には、各燃料電池モジュールは固有の水素センサを有している。これにより、燃料電池スタックの内部での水素の内部漏れが生じても、その早期の堅固な検出が得られる。
【0025】
有利な更なる構成では、1つまたは複数のモジュール端部板は冷却配分域を有している。比較的厚いモジュール端部板を冷却循環路内へ取り込むことにより、燃料電池モジュールの冷却が非常に効果的に実施されている。
【0026】
特に有利には、1つまたは複数のモジュール端部板は閉鎖可能なポート貫通部を有している。これにより、燃料電池モジュールまたは次の燃料電池モジュールへの媒体供給を中断または停止することができる。これは、特に、低負荷範囲に対しすべての燃料電池モジュールを消費装置に接続しない場合に有利である。
【0027】
有利な実施態様では、個々の燃料電池モジュールは、電気スイッチを用いて燃料電池スタックの電気回路から切り離し可能である。これにより、これら燃料電池モジュールはもはや消費装置に接続されておらず、このことは、特に閉鎖可能なポート開口部との組み合わせで低負荷範囲に対し有利な実施態様である。したがって、本発明は燃料電池スタックを低負荷範囲で作動させるための対応する方法にも関する。
【0028】
有利な更なる構成では、電気回路から切り離し可能な燃料電池モジュールの個別電池は変更したデザイン、たとえば比較的低い触媒負荷を有している。この場合、これらの個別電池はピーク負荷の際にだけ消費装置に接続される。
【0029】
本発明は、さらに、燃料電池スタックを、特に本発明による燃料電池スタックを製造するための方法を含んでいる。この場合この方法は、燃料電池スタックの少なくとも2つの個別電池を互いに積層するステップと、互いに積層されている前記個別電池の両電池積層体外面にモジュール端部板を配置するステップと、1つの燃料電池モジュールを形成するためにモジュール圧縮手段を用いて前記モジュール端部板の間で前記個別電池を締め付け固定するステップと、前記燃料電池モジュールを正確性および/または密封性に関し検査するステップと、このようにして製造した少なくとも2つの燃料電池モジュールを互いに積層するステップと、互いに積層されている前記燃料電池モジュールを燃料電池スタック圧縮手段により締め付け固定するステップとを含んでいる。この場合、燃料電池モジュールを積層体端部板の間に配置してよい。
【0030】
燃料電池スタックを製造するためのこの方法には、前述した燃料電池スタックと同じ利点がある。特に、この方法により、燃料電池モジュールは、互いに積層する前に正確性に関して、特に密封性に関しても検査可能である。さらに、燃料電池モジュールは個別にもコンディショニングすることができる。なお、コンディショニングとは、まず第1に燃料電池モジュールを組み立てた後のダイヤフラムの加湿であり、また、触媒の活性化も考えられる。ここでも、これをすでに、すなわち互いに積層する前に、個々の燃料電池モジュールに対し実施することは特に有利である。というのは、コンディショニングは潜在的にエラーを孕んでいるからであり、その結果最も不都合な事例でも、欠陥のあるコンディショニングのために1つの燃料電池モジュールだけを交換すればよく、燃料電池スタック全体を交換する必要はない。
【0031】
この方法の有利な実施態様では、モジュール圧縮手段を、互いに積層されている燃料電池モジュールの締め付け固定後に除去する。これにより、モジュール圧縮手段の重量を節減できる。その結果として、モジュール圧縮手段を燃料電池スタックの寿命に合わせて構成する必要もない。
【0032】
本発明は、さらに、燃料電池スタックを、特に本発明による燃料電池スタックを低負荷範囲で作動させるための方法を含み、この場合この方法は、
-特に閉鎖可能なポート貫通部を用いて、1つの燃料電池モジュールをガス供給から切り離すステップと、
-同じ燃料電池モジュールを、少なくとも1つのスイッチを用いて電気回路から切り離すステップと、
を含んでいる。
【0033】
すなわち、1つまたは複数の燃料電池モジュールは、低負荷範囲に対し還元剤(有利には水素)および酸化剤(有利には酸素)の供給から切り離され、かつ消費装置から電気的に切り離される。これにより、電気回路内に残っている(切り離されていない)個別電池を最適な電圧範囲で作動させることができる。有利な実施態様では、個別電池のデザインは対応的に適合されている。たとえば、低負荷範囲で作動していない個別電池の触媒負荷を低減させることができる。
【0034】
本発明は、さらに、本発明による燃料電池スタックを備えた自動車を含んでいる。この自動車は、燃料電池スタックに対し取り上げた同じ利点を有する。加えて、このような自動車の故障は燃料電池スタックの事後的故障によって低減される。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態が図面に図示されており、以下の説明で詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明による燃料電池スタックの個別電池の1実施形態の断面図であり、主要領域のみを示したものである。
【
図2】本発明による燃料電池スタックの第1実施形態の断面図であり、主要領域のみを示したものである。
【
図3】本発明による燃料電池スタックの燃料電池モジュールの側面図であり、主要領域のみを示したものである。
【
図4】本発明による燃料電池スタックの他の実施形態の断面図であり、主要領域のみを示したものである。
【
図5】モジュール端部板の実施形態を横断面図と平面図で示し、主要領域のみを示したものである。
【
図6】モジュール端部板の他の実施形態を概略平面図で示したものである。
【
図8】さらに他の燃料電池スタックの概略図である。
【
図9】個別電池の特性曲線をU-Iグラフで示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明による燃料電池スタック10(
図2および
図3を参照)の個別電池5の1実施形態の断面図である。個別電池5は、ビーディング14を有するカソードバイポーラ板18から形成されている。カソードバイポーラ板18に対し鏡対称にアノードバイポーラ板22が配置され、その結果ビーディング14は両バイポーラ板18,22に対向している。これにより、カソードバイポーラ板18とアノードバイポーラ板22との間に複数の通路26が形成されている。複数の通路26の内部には層構造30が配置されている。この層構造30は1つの通路26において例示されている。この場合、層構造30はダイヤフラム42を介して仕切られている第1および第2のガス拡散層34,38から成る。第1のガス拡散層34とカソードバイポーラ板18との間では、酸化のために必要とされる酸素46が流れる。第2のガス拡散層38とアノードバイポーラ板22との間では、燃料として主に使用される水素50が流れる。
【0038】
通常、1つの個別電池5のアノードバイポーラ板22は隣接する個別電池5のカソードバイポーラ板18と統合されて1つのバイポーラ板を形成する。
【0039】
ビーディング14がカソードバイポーラ板18とアノードバイポーラ板22とに対向している個所には、ダイヤフラム42とバイポーラ板18,22との間にパッキン材54が設けられている。これらの個所には、すでに前述したようにほとんどの欠陥が発生する。
【0040】
図2には、本発明による燃料電池スタック10の第1実施形態の断面図が示されている。この実施形態では、たとえば3つの燃料電池モジュール58が互いに積層されている。この場合、各燃料電池モジュール58は複数の、ここではたとえば4つの図示した個別電池5を含んでいる。その際、各個別電池5は
図1に対応して構成されている。これらの個別電池5は互いに積層され、このように形成された電池積層体62には、電池積層体外面66にモジュール端部板70が配置されている。両モジュール端部板70と機械的に結合されているモジュール圧縮手段74を介して、互いに積層されている個別電池5は互いに締め付け固定されている。
【0041】
燃料電池スタック10の有利な実施形態は6個~12個の燃料電池モジュール58を含み、これら燃料電池モジュールのそれぞれは有利には20個~50個の個別電池5を備えている。なお、個別電池5の数量は個々の燃料電池モジュール58ごとに異なっていてもよい。
【0042】
このように形成された燃料電池モジュール58は、モジュール端部板70を用いて互いに当接するように互いに積層されている。このように形成されたモジュール積層体76には、両モジュール積層体外面77に、すなわち最後のモジュール端部板70に、積層体端部板78が配置されている。積層体端部板78と機械的に結合されている燃料電池スタック圧縮手段82を介して、互いに積層されている燃料電池モジュール58が締め付け固定されて、1つの燃料電池スタック10を形成する。
【0043】
これにより、各燃料電池モジュール58はモジュール積層体76内に取り込む前に正確性に関し検査可能である。したがって、もはや燃料電池スタック10を完全に製造するまで検査を待つ必要はない。これらの燃料電池モジュール58は、特殊な装置で1回の事前組み立てステップで構築することができ、且つ著しく向上した位置決め精度で(すべての個別電池5を積層方向に正確に指向させるという主旨で)指向させることができる。したがって、隣接しあっているバイポーラ板18,22とその間にあるダイヤフラム・電極ユニット(ダイヤフラム42と、アノード側電極と、カソード側電極と、両ガス拡散層34,38とから成る)との間での積層方向における力伝達は、燃料電池スタック10全体のすべてのバイポーラ板18,22とダイヤフラム・電極ユニットとを交互に積層するようにした、すべての電池構成要素の従来の組み立ての場合よりも、はるかに正確に行われる。
【0044】
バイポーラ板18,22への移行部におけるダイヤフラム・電極ユニットの縁領域での部分的な圧潰は、十分に回避される。バイポーラ板18,22相互のより正確な位置決めにより、バイポーラ板18,22のそれぞれに対するダイヤフラム・電極ユニットのより正確な位置決めも自動化によって可能である(ロボットによるダイヤフラム・電極ユニットの自動載置における公差低減)。有利には、1つの燃料電池モジュール58の個別電池5を所望の目標値へプレスする(たとえば、1つの個別電池につき60μmだけ経路制御し、または、15バールへ動力制御する)。続いて、各燃料電池モジュール58をモジュール圧縮手段74を用いて暫定的に固定し、有利には金属製の締め付けバンドを用いて固定し、択一的には極端に荷重可能なプラスチックから成る締め付けバンドを用いて固定してもよい。これによって、独立して密封性を検査でき、続いてプレコンディショニングできる比較的小さなスタック、すなわち燃料電池モジュール58が提供されている。
【0045】
図3は、2つのモジュール端部板70の間でモジュール圧縮手段74により締め付け固定されている複数の個別電池5を備えた燃料電池モジュール58の側面図である。この場合、モジュール圧縮手段74は締め付けバンドとして実施されている。有利な実施形態では、ほぼ200×300mm
2の面積の個別電池5を含んでいる1つの燃料電池モジュール58は、それぞれ約30mmの幅の8つの締め付けバンドを有している。
【0046】
有利には、バイポーラ板間の短絡を回避するため、締め付けバンド74は個別電池5の側部接触面の領域でのみ絶縁されている。
【0047】
有利な態様では、燃料電池モジュール58の両モジュール端部板70のうちの一方は電流接続部71を有している。これにより、これら燃料電池モジュール58のそれぞれは、電圧を取り出すための固有の、切換え可能な電気接触部を有し、その結果これら切換え可能な接触部を介して、燃料電池モジュール58のそれぞれは、または、所定数/所望数の燃料電池モジュール58は、その分担量(1つの個別電池5につき約0.6V~1V)を外部の電気回路へ出力する。
【0048】
有利には、欠陥のある個別電池5を早期に識別できるようにするため、燃料電池モジュール58のそれぞれは固有の電圧チェックを有している。理想的には、電圧チェックは同様に電流接続部71を用いて行われる。複数の燃料電池モジュール58を備えたモジュール状デザインにより、個々の燃料電池モジュール58は、欠陥がある場合に(または、密封性が不足している場合も)、非常に簡単に交換することができる。これにより、燃料電池スタック10全体の中で個別電池5のそれぞれを互いに分解する必要がないので、または、1つの個別電池5だけに欠陥があるために燃料電池スタック10全体を交換する必要がないので、高コストを節約することができる。故障している個別電池5を探す検査コストと、故障している場合に必要な後作業とが減るので、燃料電池スタック10のための組み立てコストが削減される。
【0049】
さらに、有利には、それぞれの燃料電池モジュール58は固有の水素センサを有している。これにより、燃料電池モジュール58の内部漏れを早期に検知することができる。このような漏れは、たとえばダイヤフラム42内部の損傷によって生じ、燃料電池モジュール58または燃料電池スタック10の早期の故障に至ることがある。
【0050】
それぞれの燃料電池モジュール58に水素センサが割り当てられていれば、燃料電池スタック10全体に対し1つの水素センサのみが設けられている場合よりも、より優れた空間分解能および漏れの原因になっている場所の特定が可能である。そのうえ、水素濃度が高くなっている場所の十分近くに装着されていない1つの水素センサは、多数の個別電池5の平均値信号のみを検出することしかできない。水素含有量が特にほぼ0.5%の時の信号検出下限値と、ほぼ4%(局所的に見て)の時の空気中の水素の着火限界値との間には、比較的狭いパスがある。1つの水素センサを個々のそれぞれの燃料電池モジュール58に対し割り当てることにより、燃料電池スタック10の内部における水素の内部漏れの早期の、または適時の、安定した検出を達成できる。
【0051】
図4には、本発明による燃料電池スタック10の他の実施形態の断面図が示されている。この燃料電池スタック10が
図2および
図3の燃料電池スタック10と実質的に異なっているのは、この燃料電池スタック10にはモジュール圧縮手段74が設けられていない点である。この実施形態では、モジュール圧縮手段74は互いに積層されている燃料電池モジュール58を締め付け固定した後に除去される。
【0052】
燃料電池スタック10をいくつかの燃料電池モジュール58に分割することにより、燃料電池モジュール58の最終組み立ての際に、位置決め精度は主にこれら互いに重なり合っている燃料電池モジュール58相互の位置決め誤差によって与えられており、それぞれ最上位の燃料電池モジュール58を適当にずらすことによる最終組み立て中の修正は、多数の個別電池5を積層する場合よりもかなり容易に行うことができる。同じことは燃料電池スタック10の密度に対しても言える。すなわち密度は、実質的に、互いに重なり合っているモジュール端部板70によって決定される。というのは、その密度はまだ検査できなかったからであり、個々の燃料電池モジュール58自体の密度はすでに最終組み立て前に検査することができて、その後場合によっては修正できるからである。
【0053】
同時に、燃料電池モジュール58の組み立ておよび検査により、燃料電池スタック10全体に対する検査コストが総じて減少することが達成され、その結果最終検査における完成した燃料電池スタック10のエラーリスクが減少する。よって、総じて、燃料電池スタック10に対するコスト上の利点が達成される。すなわち、検査でエラーになった燃料電池モジュール58を他の燃料電池モジュールと簡単に交換でき、しかも特別な実験のためにも(たとえば種々のプラチナ負荷による反応、または、燃料電池スタック10の予想される寿命の終了時に)組み合わせることができるので有利である。最後に組み立てステップで、すべての燃料電池モジュール58を一緒に目標値へ圧縮させ、個々の燃料電池モジュール58のモジュール圧縮手段74を、事前固定のために切断して燃料電池スタック10から除去する。このため、モジュール端部板70は有利には適当な凹部(ほぼ0.5mmの厚さ)を有している。
【0054】
図5は、モジュール端部板70の有利な実施形態を横断面図と平面図とで示している。モジュール端部板70は、(バイポーラ板18,22と同様に)燃料電池モジュール58または個別電池5への媒体供給のためのポート貫通部72を有している。有利な実施形態では、燃料電池スタック10の1つまたは複数のモジュール端部板70は冷却配分域73を有し、冷却配分域は、冷却媒体のためのポート貫通部72から分岐して、面x-y(個別電池5の作用面に対応する面内)にわたって延在している。
【0055】
これにより、モジュール端部板70は一体化された、冷却配分域73の集積冷却水通路を有する。このようなモジュール端部板70を冷却循環路内へ取り込むことは、1つの有利な実施形態である。
【0056】
オプションで、モジュール端部板70は有利には可撓性の公差補償要素75を含んでいてよい。
図5の実施形態では、これは板状に構成されて、モジュール端部板70の2つのx-y面のうちの一方に配置されている。交差補償要素75は、燃料電池モジュール58相互の締め付け固定精度を効果的に改善させ、面圧を均一化させることができる。
【0057】
図6は、他のモジュール端部板70の平面図である。このモジュール端部板70は閉鎖可能なポート貫通部72を有し、その結果必要な場合には流体の流れを中断させることができ、これによって弁板70として実施されている。これによって、燃料電池スタック10の個々の燃料電池モジュール58を選択的に流体供給から(特に空気と水素の供給から)切り離すことができる。これは、モジュール端部板70に設けたスライダを介して行うことができ、または、個々の燃料電池モジュール58へ通じる適当な弁回路を介して行うこともできる。
【0058】
図7は、このための、2つの(オプションではより多くてもよい)燃料電池モジュール58を備えた燃料電池スタック10を概略的に示している。両燃料電池モジュール58は、弁板として実施されたモジュール端部板70によって切り離されている。いま、弁板70のポート貫通部72を閉じると、(例としてガスに対し図示したように)ガス流動は下部燃料電池モジュール58内でのみ行われ、上部燃料電池モジュール58はガス供給から切り離されている。
【0059】
図8は、燃料電池モジュール58がそれぞれ電気スイッチ80を備えている燃料電池スタック10を概略的に示している。燃料電池スタック10は、消費装置11を備えた電気回路12を有している。有利には、スイッチ80は燃料電池モジュール58の対応する電流接続部71と接触している。消費装置11は、たとえばバッテリーであってよい。
【0060】
有利には、少なくとも1つのモジュール端部板70が閉鎖可能なポート貫通部72を有し、その結果対応する燃料電池モジュール58または次の燃料電池モジュール58への流体供給を中断させることができる。
【0061】
通常は、1つの燃料電池スタック10内に400個以下の個別電池5が互いに重設されている。典型的には、これらの個別電池5には、消費装置11の負荷点に依存して、整合させたガス(空気と水素)体積流が溢流し、このことは、パワーが少ない場合、個別電池5の作用領域において非常に緩速なガス速度を生じさせる。さらに、400個のすべての個別電池5の全作用面が常に使用されるので、比電流密度が非常に小さく、これによって、電池エージングを加速させ、これに対応して燃料電池スタック10全体の寿命を短くさせるような非常に高い電池電圧が個別電池5内に達成される。
図7および
図8に図示した実施形態を統合させている本発明による燃料電池スタック10による負荷変調の主要な利点は、燃料電池スタック10の完全負荷範囲においても低負荷範囲においてもほぼ最適な電圧が個別電池5に印加される点にある。
【0062】
低負荷範囲に対し燃料電池モジュール58の一部分のみを使用することにより(閉鎖可能なポート貫通部72を閉じることによって燃料電池モジュール58の一部分にのみガスを供給することにより)、負荷のもとにある個別電池5での電圧を、危険な第1の状態1から無害の第2の状態2へ低下させることができる(
図9を参照)。このために、
図8の図示では、下部スイッチ80を閉じ、上部スイッチ80を開き、その結果下部燃料電池モジュール58のみが電気回路12内に配置される。
【0063】
危険ゾーン3は、低い電流密度を備えた個別電池5での高電圧を表しており、高電圧は個別電池5内部に劣化を生じさせる。燃料電池スタック10の全作用面が効果的に比較的小さいことにより、
図9に示したように、負荷が小さい場合、U-I特性曲線上での作動点がより低い電池電圧へシフトするので有利であり、その際速度が高くなり、このことは物質移動制限に対しポジティブな影響を与える。
【0064】
完全負荷範囲に対しては、すべての燃料電池モジュール58に水素と酸素とを供給し、その結果消費装置11に対する電気出力が高くなる。このために、
図8の図示では、下部スイッチ80を開き、上部スイッチ80を閉じ、その結果両燃料電池モジュール58が電気回路12内に配置される。
【0065】
有利には、完全負荷範囲でも、第2の状態2にある個別電池5を作動させる。すなわち、これにより、燃料電池スタック10はその全作用面が負荷点に適合されるように負荷点に関し変調される。このために、個々の燃料電池モジュール58へのガス供給(
図7を参照)を、スイッチ80の対応する切換え位置(
図8を参照)と同期させる。
【0066】
すなわち、それぞれの燃料電池モジュール58からの電流の取り出しを、電流の切換えを介して制御する。有利には、比較的少数の個別電池5を使用する場合には、付加的なDC/DCコンバータを中間接続してよい。
【0067】
有利な実施形態では、異なる燃料電池モジュール58の個別電池5は異なるデザインを有している。その際個別電池5は、燃料電池モジュール58ごとにたとえばガス拡散層34,38の点で、アノード側電極の点で、カソード側電極の点で、ダイヤフラム42の点で、および/または、バイポーラ板18,22の点で異なっていてよい。その際特に有利には、個別電池5はアノード側電極の点でおよびカソード側電極の点で異なるように構成されている。
【0068】
低負荷範囲に対してもガスまたは媒体の供給を受ける燃料電池モジュール58の個別電池5に対しては、有利には以下の最適化された構成要件が適用される。
-特に高い(0.75~1V)、頻繁に交替するポテンシャルに適合されているアノード側電極および/またはカソード側電極での比較的高い触媒負荷。
-アノード側電極および/またはカソード側電極および/またはガス拡散層34,38は、低い交替性湿度に適合されている。
-ダイヤフラム42および/またはガス拡散層34,38は、付加的なラジカル捕獲剤または高成分のラジカル捕獲剤を有している。
【0069】
低負荷範囲に対しガスまたは媒体の供給から切り離される燃料電池モジュール58の個別電池5に対しては、有利には、高負荷に適合されている以下の最適化された構成要件が適用される。
-特に平均的な、安定なポテンシャル(0.6~0.75V)に適合されているアノード側電極および/またはカソード側電極での比較的低い触媒負荷。
-アノード側電極および/またはカソード側電極および/またはガス拡散層34,38は、高い湿度に適合され、有利には特にカソード側で液体の水にも適合されている。
【符号の説明】
【0070】
5 個別電池
10 燃料電池スタック
12 電気回路
58 燃料電池モジュール
66 電池積層体外面
70 モジュール端部板
71 電流接続部
72 ポート貫通部
73 冷却配分域
74 締め付けバンド(モジュール圧縮手段)
80 電気スイッチ
82 燃料電池スタック圧縮手段