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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】折畳み天板
(51)【国際特許分類】
   A47B 3/10 20060101AFI20221003BHJP
   A47B 3/083 20060101ALI20221003BHJP
   A47B 3/00 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
A47B3/10 A
A47B3/083 Z
A47B3/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019121602
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2021007484
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000111867
【氏名又は名称】パール金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084102
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 彰
(72)【発明者】
【氏名】高波 文雄
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0204770(US,A1)
【文献】米国特許第06234089(US,B1)
【文献】中国実用新案第2566689(CN,Y)
【文献】実開昭60-077424(JP,U)
【文献】実公昭43-026732(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00-41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に並列状態で平板状となる複数の分割天板と、連結突出部及び連結突出部に設けた嵌合受部を備え、並列状態の左右端に配置される保持板と、両端に前記嵌合受部に対応する嵌入部を設け、並列状態の分割天板と対応した長さの支持杆体とで構成し、
前記分割天板と保持板とを、分割天板が平板状となり且つ嵌合受部が分割天板の下面側に位置するようにして、一方の保持板の連結突出部の突出方向となる下面を始点とし、並列する分割天板を貫通し他方保持板の下面で折り返して始点面で止着する紐体で連結し、支持杆体の嵌入部を嵌合受部に嵌合して左右保持板を連結してなるものであって、
保持板の紐体の通路を、保持板の上下面貫通する上下通路孔と、前記上下通路孔の分割天板側の側面を上面から適宜位置まで開口した側面通路で形成したことを特徴とする折畳み天板。
【請求項2】
保持板を分割天板の前後幅員に対応する長さに形成すると共に、連結突出部を前後端に設けてなる請求項1記載の折畳み天板。
【請求項3】
支持杆体に折り畳み可能な簡易脚体を付設してなる請求項2記載の折畳み天板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル用天板や運搬車などの天板に使用する折畳み天板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の分割天板が並列状態に連結され、使用状態で平板状とし、非使用状態で束ね或いは折畳む構造で、平板状を維持する構造を備えた脚部材を連結して折畳テーブルを形成している。
【0003】
前記天板の折畳み自在とした連結構造としては、柔軟シート体に分割天板を貼付してなる構造(特許文献1)、紐体またゴム紐体で並列した分割天板を貫通してなる構造(特許文献2)、隣接する分割天板の端部に、両端に軸装着部を設けた可動連結体を装着して連結してなる構造(特許文献3)などが知られている。
【0004】
また分割天板を平板状に保持する手段は、両側端若しくは両側端近傍の分割天板の裏面に所定の連結構造を備えた係止部材を設けると共に、前記係止部材の連結構造に対応した連結構造を備えた支持杆体を、平板形状とした並列状態の分割天板の裏面に装着してなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-262738号公報。
【文献】特開平11-196939号公報。
【文献】特開2001-137051号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従前の並列状態に連結された分割天板の平板状維持手段は、前記のとおり係止部材を所定の分割天板の裏面に設けているものであり、分割天板のうち、特定の分割天板に係止部材を設ける必要があり、分割天板を連結構造に組み上げるに際して、係止部材を備えた分割天板を所定位置に設定する煩雑さがある。或いは連結構造に組み上げ後に、係止部材を所定位置に設ける作業が必要となる。
【0007】
また分割天板に係止部材を設けていると、分割天板を折畳み或いは束ねた場合に、係止部材が突出状態となり、折畳みの邪魔になる。
【0008】
そこで本発明は同一構造の分割天板のみで天板を構成する新規な平板維持構造を備えた折畳み天板を提案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1記載に係る折畳み天板は、左右に並列状態で平板状となる複数の分割天板と、連結突出部及び連結突出部に設けた嵌合受部を備え、並列状態の左右端に配置される保持板と、両端に前記嵌合受部に対応する嵌入部を設け、並列状態の分割天板と対応した長さの支持杆体とで構成し、前記分割天板と保持板とを、分割天板が平板状となり且つ嵌合受部が分割天板の下面側に位置するようにして、一方の保持板の連結突出部の突出方向となる下面を始点とし、並列する分割天板を貫通し他方保持板の下面で折り返して始点面で止着する紐体で連結し、支持杆体の嵌入部を嵌合受部に嵌合して左右保持板を連結してなるものであって、保持板の紐体の通路を、保持板の上下面貫通する上下通路孔と、前記上下通路孔の分割天板側の側面を上面から適宜位置まで開口した側面通路で形成したことを特徴とするものである。
【0010】
而して前記の折畳み天板は、紐体を緩めた場合は分割天板及び保持板を束ねておくことができ、紐体を緊締すると隣接する分割天板の左右端面が対面して密着し(介在物を存在する場合も含む)、分割天板が並列状態で平板状となり、分割天板の下面側に突出している嵌合受部(嵌合孔若しくは嵌合溝)に嵌入部を嵌合して保持板間に支持杆体を架設して、分割天板の平面維持をなすものである。
【0012】
更に保持板の上下面を分割天板の上下面と一致させて支持杆体を使用して分割天板の平面維持を行う場合の他、保持板の左右側面を分割天板の上下面と一致させて平板状として、撓み天板として使用し、或いは分割天板の左右端面に連結構造を付加しておくと、支持杆体使用せずに平面維持した天板として使用することができる。
【0013】
また本発明の請求項2記載に係るテーブル天板は、特に分割天板を、軸装着部を備えた押し出し材で形成してなるもので、分割天板形成時に天板連結部を同時に形成できる。
【0014】
また請求項3記載に係る折畳み天板は、支持杆体に折り畳み可能な簡易脚体を付設してなるもので、簡易テーブルとして使用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の構成は上記のとおり分割天板の下面支持杆体の係止部材を分割天板に設ける必要が無いので、折畳み時に係止部材による突出が無くコンパクトに折畳める(束ねる)ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態の天板の全体斜視図。
図2】同使用部材の全体斜視図。
図3】同使用状態の斜視図。
図4】同折畳み状態の斜視図。
図5】同使用状態の別例の説明図。
図6】同支持杆体の説明図。
図7】同分割天板と支持杆体の連結状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明の実施形態につて説明する。実施形態に示した折畳み天板は、分割天板1と、保持板2と、分割天板1及び保持板2を連結して一体化する紐体3と、支持杆体4で構成される。
【0018】
分割天板1は、左右方向に複数並列して天板を構成するもので、前後端近傍に紐体3の左右側面を貫通する紐体用の貫通孔11を貫通形成してなる。
【0019】
保持板2a,2bは、分割天板1の前後幅員に対応する長さに形成すると共に、下面21の前後端に上面22を分割天板1の上面と面一とした際に、分割天板1の下面より下方に突出する連結突出部23を前後端に設けると共に、前記連結突出部23に透孔或いは外周に開口した溝形状の嵌合受部24を設ける。
【0020】
また保持板2a,2bには紐体の貫通孔11と対応する前後位置に紐体3の通路を設けたもので前記通路は、保持板2の上下面21,22を貫通する上下通路孔25と、前記上下通路孔25の分割天板1側の側面に上面22から貫通孔11の位置まで開口した側面通路26で構成する。
【0021】
紐体3は、通常の組紐でも伸縮性のあるゴム紐でもよく、並列した分割天板1の左右に保持板2a,2bを配置し、保持板2aの下面21を始点(31)とし、並列する分割天板1の貫通孔11を通し、他方保持板2bの下面21で折り返し、始点面で紐体3に止着部材32を付設して止着可能としたものである。
【0022】
尚紐体3が所定の機能(分割天板の折畳み)を発揮する構成であれば良く、前記実施形態に限定されず任意の構造を採用することができる。例えば前記の実施形態のように紐体3を折返しとせずに、一方の保持板2aを始点とし、他方の保持板2bを終点(止着点)としても良く、更に止着部材32を採用せずに、紐体3の終点部分を紐体3の始点部分と結着したり、或いは保持板2a,2bに何らかの止着箇所を設けても良いし、単なる結び目を設ける手段でも良い。
【0023】
支持杆体4は、並列状態の分割天板1の左右幅と同様の長さを備え、両端に前記嵌合受部24に対応する嵌入部41を突設し、折り畳み可能な簡易脚体5を付設したものである。
【0024】
前記の簡易脚体5は、両端(左右端)近傍に枢結軸51で枢結すると共に、脚体5に止着孔52を設けてなり、支持杆体4の所定位置(止着孔52の回動軌跡上)に係止孔42a,42bを設けて、脚体5を支持杆体4に添わせた位置及び脚として起立させた位置で、止着孔52に挿着した係止ピン53を係止孔42a,42bに挿入することで、脚体5を所望位置に係止できるようにしたものである。勿論係止ピン53に替えて任意の係止構造を採用しても良いことは言うまでもない。
【0025】
前記の折畳み天板は、紐体3を緩めた場合は図4に例示するように、分割天板1及び保持板2a,2bは束ねられ、コンパクトな携帯状態や収納状態となる。
【0026】
紐体3を緊締すると隣接する分割天板の左右端面が対面して密着し(介在物を存在する場合も含む)、分割天板1が並列状態で平板状となる。この紐体3の緊締に際して、保持板2a,2bの左右側面が分割天板1の上下面と一致させ、保持板2a,2bを含む全体を平板状とすると、図7(ロ)に示すように、紐体3は上下通路孔25のみを通過することになり、分割天板1の側面に特別な連結構造を採用していない場合は、撓む可能性があるが、1枚の板として使用することができる(図1)。
【0027】
また紐体3を緊締に際して、保持板2a,2bを各保持板の上面22を分割天板1の上面と一致させると共に、支持杆体4の嵌合受部24に嵌入部41を嵌合すると、保持板2a,2bと、4間に架設された支持杆体4とで、分割天板の下枠を形成することになり、分割天板1の平面維持がなされる(図3イ)。
【0028】
前記の分割天板1の平板維持がなされたものは、例えば運搬車Aの蓋体として使用した場合、保持板2a,2bと支持杆体4が蓋下枠となり、被覆対象開口部の外周を囲繞して当該開口部の不測開口を防止し、また図5(ロ)に示すように連結突出部23と支持杆体4が被覆対象開口部の両側外周に位置することで、蓋体として両側方向においてずれ落ちることが防止される。
【0029】
更には図3(ロ)に示すように、簡易脚体5を起立状態とし、係止ピン53を装着して係止することで、テーブルとして使用することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 分割天板
11 貫通孔
2a,2b 保持板
21 下面
22 上面
23 連結突出部
24 嵌合受部
25 上下通路孔
26 側面通路
3 紐体
31 始点
32 止着部材
4 支持杆体
41 嵌入部
42a,42b 係止孔
5 簡易脚体
51 枢結軸
52 止着孔
53 係止ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7