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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】余長保持具
(51)【国際特許分類】
   H02G 7/00 20060101AFI20221003BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20221003BHJP
   G02B 6/48 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
H02G7/00
H02G1/02
G02B6/48
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020165112
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057048
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】591080678
【氏名又は名称】株式会社中電工
(73)【特許権者】
【識別番号】390003517
【氏名又は名称】株式会社電研社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 洋介
(72)【発明者】
【氏名】山根 浩一
(72)【発明者】
【氏名】畑邉 健一
(72)【発明者】
【氏名】實平 高志
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-302418(JP,A)
【文献】特開2010-14916(JP,A)
【文献】特開2007-110821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 7/00
H02G 1/02
G02B 6/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
架設された吊線においてケーブルの余長を保持する余長保持具であって、
一部が開放された開放部を有し、ケーブルの余長が巻き付けられる円環状の余長巻回部と、
前記余長巻回部の一方の開放端部から延びる第1腕部と、
前記余長巻回部の他方の開放端部から延びる第2腕部と、を備え、
前記第1腕部および前記第2腕部は、それぞれ前記開放部から互いに離れる方向へ延びるとともに、略同一線上に延び、該第1腕部および該第2腕部の少なくとも一方は、該第1腕部および該第2腕部が延びる方向と平行な軸を中心とするらせん状の保持部を有し、該保持部を吊線に対して巻き付け可能であることを特徴とする余長保持具。
【請求項2】
請求項1に記載の余長保持具において、
前記第1腕部は、前記第2腕部よりも長く延びるらせん状の前記保持部を有し、
前記第2腕部は、吊線に固定可能な固定部を有することを特徴とする余長保持具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の余長保持具において、
1本の線材が折り曲げられて一体的に形成されたものであることを特徴とする余長保持具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の余長保持具において、
前記余長巻回部の直径は、取付け対象である吊線と、同じ支持物に架設された他の配線との離隔距離よりも小さいことを特徴とする余長保持具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の余長保持具において、
前記一方の開放端部と前記第1腕部との間、および、前記他方の開放端部と前記第2腕部との間には、それぞれ前記余長巻回部から離れる方向へ延びる首部を備えることを特徴とする余長保持具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の余長保持具において、
前記余長巻回部、前記第1腕部および前記第2腕部は、略同一平面上に位置するように形成されていることを特徴とする余長保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ケーブル等のケーブルの余長を保持する余長保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電柱等の支持物間に架設された吊線に沿って、光ケーブル等のケーブルを配線する場合、将来的な線路移設や通信障害発生時の復旧等を考慮して、ケーブルの長さは余裕を持たせてある。この余長部分は、ループ状に巻回された状態で束ねられ、保持具等を用いて支持物に固定されていた。
【0003】
このような保持具として、例えば特許文献1には、円弧状の支持部材に沿ってケーブルが巻回され、支持部材に取り付けられた基体を介して電柱に取り付け可能なケーブル余長支持具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-139507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のケーブル余長支持具は、電柱に取り付けられるものである。多数の配線が密集する電柱付近にケーブル余長支持具を設置する場合、他線との接触や昇柱ルートに配慮する必要があり、作業性に影響を及ぼすおそれがある。
【0006】
また、特許文献1のケーブル余長支持具の取付手段を電柱へ取り付ける際には、腕金等の他部材を必要とする。そのため、作業に取り掛かる際は、まず電柱へ腕金を固定し、さらにケーブル余長支持具を固定する必要があるが、高所作業において多数の部品を扱うことは安全面において好ましくなく、作業の手間や部品点数の増加によるコストもかかってしまう。さらに、そのような取付手段は汎用性が低いことも問題であった。
【0007】
さらに、特許文献1のケーブル余長支持具は、巻回されたケーブルの略半周部分が支えのない状態である。ケーブルには様々な太さのものがあるが、細くコシのないタイプのケーブルは力が加わると断線しやすい。細くコシのないケーブルを特許文献1のケーブル余長支持具に適用させた場合、ケーブルの支えられていない部分が風の影響を受けて振動するなどして負担が掛かり、ケーブルが断線しやすくなるおそれがある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、作業性および汎用性の高い余長保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、架設された吊線においてケーブルの余長を保持する余長保持具であって、一部が開放された開放部を有し、ケーブルの余長が巻き付けられる円環状の余長巻回部と、前記余長巻回部の一方の開放端部から延びる第1腕部と、前記余長巻回部の他方の開放端部から延びる第2腕部と、を備え、前記第1腕部および前記第2腕部は、それぞれ前記開放部から互いに離れる方向へ延びるとともに、略同一線上に延び、該第1腕部および該第2腕部の少なくとも一方は、該第1腕部および該第2腕部が延びる方向と平行な軸を中心とするらせん状の保持部を有し、該保持部を吊線に対して巻き付け可能であることを特徴とする。
【0010】
上記の構成によると、輪状に巻回したケーブルの大部分を余長巻回部に添わせることができるので、コシの弱いケーブルであっても安定して保持することが可能である。そして、第1腕部および第2腕部の少なくとも一方を吊線に巻き付けることで余長保持具を取り付けることができるため、電柱等の支持物から離れた任意の位置に余長保持具を配置することが可能となる。作業者は、従来のように他線との接触や昇柱ルートに配慮する必要がなくなり、工具を使わず手で簡単に吊線へ巻き付けることが可能となるため、作業性が向上できる。また、余長保持具を取り付けるために別途部材を必要とせず、部品点数が少ないため、従来よりも大幅にコストを削減でき、高所作業における安全性も確保できる。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、前記第1腕部は、前記第2腕部よりも長く延びるらせん状の前記保持部を有し、前記第2腕部は、吊線に固定可能な固定部を有することを特徴とする。
【0012】
上記の構成によると、第1腕部を第2腕部より長くし、第1腕部の保持部において吊線へ巻き付けるとともに、第2腕部の固定部において吊線に固定することによって、風の影響を受けて余長保持具が吊線周りに回転したり、吊線から脱落したりすることを防ぎ、より安定した状態でケーブルを保持することができる。例えば、光ケーブルの中でも細くコシのない多芯型ドロップケーブルは、風によって圧力や振動等の負担がかかると断線しやすいが、このような多芯型ドロップケーブルを前記ケーブルとして用いた場合であっても、安定した状態で保持可能であり、断線を防止することができる。
【0013】
第3の発明では、第1または第2の発明において、1本の線材が折り曲げられて一体的に形成されたものであることを特徴とする。
【0014】
上記の構成によると、1本の線材によって形成されたものであることで、製造コストの大幅な削減となり、作業現場や資材置き場においてコンパクトに収納可能となる。高所作業では、作業者は高所作業用のゴンドラ内の狭い空間で作業しなければならないが、そのような狭い空間内でも、余長保持具の置き場を広く確保する必要がないので作業性を向上できる。
【0015】
第4の発明では、第1から第3のいずれかの発明において、前記余長巻回部の直径は、取付け対象である吊線と、同じ支持物に架設された他の配線との離隔距離よりも小さいことを特徴とする。
【0016】
上記の構成によると、余長保持具を離隔距離よりも小さくコンパクトにすることで他の配線との接触を防ぐことができる。また、余長巻回部の直径を、他の配線との離隔距離を確認する際の目安にできるため、作業性を向上できる。
【0017】
第5の発明では、第1から第4のいずれかの発明において、前記一方の開放端部と前記第1腕部との間、および、前記他方の開放端部と前記第2腕部との間には、それぞれ前記余長巻回部から離れる方向へ延びる首部を備えることを特徴とする。
【0018】
上記の構成によると、首部によって余長巻回部と吊線との間に空間ができるため、余長巻回部にスパイラルスリーブを巻き付ける際に作業性が良い。また、架設するケーブルを吊線へ添わせるためにらせん状の保持具を使用した場合も、保持具と余長巻回部との間が離隔するため、保持具が余長巻回部に接触して負担をかけるおそれがない。また、首部余長巻回部に沿って巻回させたケーブルの輪状部分と、吊線に沿って延びるケーブルの直線部分との間に余裕ができ、ケーブルが無理なく保持され、ケーブルに負担が掛からない。さらに、首部において巻回されたケーブルを結び留めることにより、ケーブルが余長保持具からずれにくくなり、安定して固定することができる。
【0019】
第6の発明では、第1から第5のいずれかの発明において、前記余長巻回部、前記第1腕部および前記第2腕部は、略同一平面上に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0020】
上記の構成によると、多数の余長保持具を束ねても嵩張らないため、コンパクトに収納可能であり、作業性をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
作業性および汎用性の高い余長保持具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る余長保持具を吊線に取り付けた状態で示す図である。
図2図1の要部拡大図である。
図3】本発明の実施形態に係る余長保持具の正面図である。
図4】本発明の実施形態に係る余長保持具の右側面図である。
図5】本発明の実施形態に係る余長保持具の左側面図である。
図6】本発明の実施形態に係る余長保持具の平面図である。
図7】本発明の実施形態に係る余長保持具の底面図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る余長保持具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0024】
(実施形態)
図1から図3に示すように、本発明の実施形態に係る余長保持具1は、支持物としての電柱W等の間に架設された吊線Xに沿って配線される光ケーブルY等のケーブルの余長を、巻回させた状態で該吊線Xにおいて保持するためのものである。
【0025】
余長保持具1は、光ケーブルYの余長が巻き付けられる円環状の余長巻回部2と、余長巻回部2の一方の開放端部2aから延びる第1腕部3aと、余長巻回部2の他方の開放端部2bから延びる第2腕部3bと、を備える。
【0026】
余長巻回部2は、具体的には、円環状の上方の一部が開された開放部20を有し、開放部20は、一方の開放端部2aと他方の開放端部2bの間に形成されている。この余長巻回部2に沿って光ケーブルYを巻回する。余長巻回部2の大きさは限定されないが、光ケーブルYに無理な力が加わらないよう、余長巻回部2の半径は、使用する光ケーブルYの許容曲げ半径よりも大きいものであることが望ましい。また、余長巻回部2の直径は、取付け対象である吊線Xと、同じ電柱Wに架設された他の配線Zとの離隔距離よりも小さいことが望ましい。
【0027】
使用する光ケーブルYの種類は限定されないが、例えば、光ケーブルYとして許容曲げ半径が100mm多芯型ドロップケーブル(住友電工製、24SM(PAPB)-DZ-E、標準外径5.5mm×3.3mm)を使用する際、余長巻回部2の直径は200mm±30である。このような光ケーブルYを用いると、約10mを余長巻回部2に沿って巻回することが可能であり、他の配線Zとの離隔距離は300mmとなる。一般的に、光ケーブルとしては、さまざまな太さのものがあるが、それらと比較して、多芯型ドロップケーブルは細くコシのないケーブルである。このような多芯型ドロップケーブルは、従来電柱付近において単に輪状に巻回されて保持されていたため、風の影響で圧力や振動による負担が掛かり断線しやすかった。
【0028】
なお、離隔距離とは、電線や通信線等の配線が互いに交差や接近して架設される場合に、接触するなどして損傷や火災等が発生することのないよう一定の間隔を確保するために定められた距離であり、「電気設備に関する技術基準を定める省令」および「有線電気通信法施行規則」に規定されている。
【0029】
余長巻回部2は、開放部20が大きく開いたJ字状、U字状または弧状であってもよいが、本実施形態の余長巻回部2のように、一部に開放部20を有する略円環状であることが最も好ましく、このような形状により、輪状に巻回した光ケーブルYの大部分を余長巻回部2に添わせることができるので、コシがなく断線しやすい細いケーブルであっても安定して保持することが可能となる。
【0030】
なお、余長巻回部2に沿って巻回させた光ケーブルYは余長巻回部2とともにスパイラルスリーブ等で保護することが好ましい。なお、本実施形態では、余長巻回部2および巻回させた光ケーブルYの外周にスパイラルスリーブを巻き付けて保護するが、説明の便宜のため、図1および図2においてスパイラルスリーブの図示を省略した。
【0031】
第1腕部3aおよび第2腕部3bは、それぞれ開放部20から互いに離れる方向へ延びている。具体的には、図1から図3に示すように、第1腕部3aは右方向へ延び、第2腕部3bは左方向へ延びている。なお、一方の開放端部2aと第1腕部3aとの間、および、他方の開放端部2bと第2腕部3bとの間には、それぞれ余長巻回部2から離れる方向へ延びる首部30a,30bを備えることが好ましい。
【0032】
具体的には、2つの首部30a,30bは、それぞれ一方の開放端部2aおよび他方の開放端部2bから屈折し、上方に向かって延びている。この首部30a,30bによって余長巻回部2と吊線Xとの間に空間ができるため、余長巻回部2にスパイラルスリーブを巻き付ける際に作業性が良い。また、架設する光ケーブルYを吊線Xに添わせるためのらせん状の保持具として、例えば、電研社製のラセンハンガー(図示しない)を使用した場合、ラセンハンガーと余長巻回部2との間が離隔するため、ラセンハンガーが余長巻回部2に接触して光ケーブルYに負担をかけるおそれがない。さらに、首部30a,30bにおいて巻回された光ケーブルYを結び留めることにより、光ケーブルYが余長保持具1からずれにくく安定して固定することができるので、より確実に断線を防止することができる。
【0033】
図4に示すように、第1腕部3aは第2腕部3bよりも長く延びる保持部31を有する。保持部31は、第1腕部3aが延びる方向と平行な軸を中心とするらせん状である。また、第2腕部3bは、吊線Xに固定可能な固定部32を有する。保持部31および固定部32は、図6に示すように、平面視すると略同一線上に延びているため、吊線Xに沿うことができる。第1腕部3aの長さは限定されるものではなく、巻き付ける吊線Xの太さによって適宜変更可能であり、吊線Xに3回程度巻き付けられるほどの長さがあれば良い。
【0034】
吊線Xの種類は限定されるものではないが、例えば、直径6.9mmの吊線X(30sq)を用いる場合、第1腕部3aの長さは吊線Xに3回程度巻き付けた状態で約60mm、第2腕部3bの長さは約16mmである。
【0035】
作業者は、保持部31のらせん形状によって吊線Xを巻き付けるようにすることで、工具を使わずに手で吊線Xに対して巻き付け可能である。また、固定部32は、固定具4を用いて吊線Xへ固定することができる。固定具4は特に限定されないが、例えば、吊線Xと固定部32とを把持する把持具41と、その把持具41を締結するネジ等の締結具42から構成されるものである。固定部32によって、吊線Xを軸とした余長保持具1の回転が規制されるため、光ケーブルYを安定して保持することが可能となる。
【0036】
余長保持具1は、1本の線材が折り曲げられて一体的に形成されたものであることが望ましい。線材の材質や太さは、限定されるものではないが、例えば、直径0.6mmの硬鋼線である。また、余長巻回部2、第1腕部3aおよび第2腕部3bは、図4から図7に示すように、略同一平面上に位置するように形成されていることが望ましい。
【0037】
以上のように構成した本実施形態に係る余長保持具1は、第1腕部3aを吊線Xに巻き付けることで取り付けることができるため、電柱W等の支持物から離れた任意の位置に配置することが可能となる。作業者は、従来のように他線との接触や昇柱ルートに配慮する必要がなくなり、工具を使わず手で簡単に第1腕部3aを吊線Xへ巻き付けることが可能となるため、作業性が向上できる。また、余長保持具1を取り付けるために別途部材を必要とせず、部品点数が少ないため、従来よりも大幅にコストを削減でき、高所作業における安全性も確保できる。
【0038】
また、第1腕部3aを第2腕部3bよりも長くし、第1腕部3aの保持部31において吊線Xへ巻き付けるとともに、第2腕部3bの固定部32において吊線Xに固定することによって、風の影響を受けて余長保持具1が吊線X周りに回転したり、吊線Xから脱落したりすることを防ぐことができる。そのため、例えば多芯型ドロップケーブルのように、一般的な光ケーブルの中でも特に細くてコシがなく断線しやすいケーブルを用いた場合であっても、安定した状態で保持することが可能となり、断線を防止することができる。
【0039】
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態を図8に基づいて説明する。この実施形態において、余長保持具10は、第2腕部3cの形状が上記実施形態とは異なる。以下の説明において、上記実施形態と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0040】
本実施形態の余長保持具10は、上記実施形態と略同様に、光ケーブルYの余長が巻き付けられる円環状の余長巻回部2と、余長巻回部2の一方の開放端部2aから延びる第1腕部3aと、首部30aとを備える。
【0041】
他方の開放端部2bからは、上記実施形態と同様に首部30bが延び、首部30bの上方端部には、第1腕部3aから離れるように延びる第2腕部3cが設けられている。この第2腕部3cは、第2腕部3cが延びる方向と平行な軸を中心とするらせん状の保持部31を有している。第2腕部3cは、同様にらせん状の保持部31を有する第1腕部3aと比較して長さが略等しい。
【0042】
本実施形態において、第2腕部3cは第1腕部3aと同様に保持部31のらせん形状によって吊線Xを巻き付けるようにすることで、工具を使わずに手で吊線Xに対して巻き付け可能である。第1腕部3aおよび第2腕部3cの両方を吊線Xに対して巻き付けることで、吊線Xに余長保持具10を取り付けることができる。
【0043】
なお、このような実施形態において、吊線Xに対して余長保持具10が回転することを防ぐために、任意の箇所に固定具4を取り付け、吊線Xに対して固定しても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 余長保持具
2 余長巻回部
2a 一方の開放端部
2b 他方の開放端部
20 開放部
3a 第1腕部
3b 第2腕部
30a 首部
30b 首部
31 保持部
32 固定部
4 固定具
41 把持具
42 締結具
5 腕部(他の実施形態)
W 電柱
X 吊線
Y 光ケーブル
Z 配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8