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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】防水マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20221003BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021039753
(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公開番号】P2022111014
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】P 2021005424
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594056100
【氏名又は名称】フットマーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】小林 智也
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3215539(JP,U)
【文献】登録実用新案第3227929(JP,U)
【文献】登録実用新案第3226518(JP,U)
【文献】特開2017-101374(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0166929(US,A1)
【文献】実開平05-076453(JP,U)
【文献】登録実用新案第3226830(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プールにおいて使用される防水マスクであって、
伸縮性のある経編素材とシリコン素材を貼り合わせた素材によって成形され、着用者の鼻と口を覆うことができるマスク本体と、
前記マスク本体の左右両端部に連結され、前記マスク本体の端部から耳の下を通って首の後ろに達し、前記マスク本体の位置を維持する伸縮性の固定紐と、
前記マスク本体の端部に設けられ、前記マスク本体よりも剛性の高いポリウレタン、ポリオレフィン又はシリコン製のシート又はプレートからなり、当該マスク本体のねじれを防止するねじれ防止部材と、を備え、
前記ねじれ防止部材は、前記マスク本体の端部を表裏両側から挟む又は包むように設けられ、
マスクを着用した状態では、前記マスク本体の中央上端部が着用者の鼻頂部に掛かり、着用者を側方から見た時に前記マスク本体は鼻頂部から斜め下方に概ね直線的に延び、着用者の口から顎にかけて空間が確保されるように構成されたことを特徴とする防水マスク。
【請求項2】
前記固定紐及び前記マスク本体の上縁部は、後方に向かって水平に対して20°~30°下方向に傾斜して、着用者の首の後ろに達するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の防水マスク。
【請求項3】
前記固定紐は、スパイラルコードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の防水マスク。
【請求項4】
前記マスク本体を着用者の鼻及び口から下に外した状態では、前記マスク本体が着用者の顎の下で首に接するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の防水マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プール等の水気の多い場所での使用に最適な防水マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
マスクは、ウィルス感染症予防や花粉症対策として広く普及している。マスクには、不織布で作られた使い捨てタイプのものや、綿や絹等の布で作られた繰り返し使用可能なものが知られている。
【0003】
新型コロナウィルス、インフルエンザ等の感染症を予防する観点から、人との会話の際にはマスクを着用することが好ましい。
【0004】
しかしながら、現在普及しているマスクは防水性がないため、水分を含んでしまい、プール、海、浴場等で使用することが困難であった。水泳レッスン時において待ち時間、指導者の話を聞いている時間(泳いでいない時間)がレッスン総時間の2/3を占めており、その時間は人と十分な距離を取れないため、感染リスクは高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであり、水気の多い場所でも使用可能な防水マスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するために、本発明に係る防水マスクは、伸縮性のある経編素材とシリコン素材を貼り合わせた素材によって成形されるマスク本体と;前記マスク本体の左右両端部に連結され、前記マスク本体の位置を維持する伸縮性の固定紐とを備えている。
【0007】
シリコン素材は、防水性を有するため、プール等の水気の多い場所でも使用することができる。
【0008】
前記固定紐は、スパイラルコードとすることができる。
【0009】
前記固定紐は、前記マスク本体の端部から耳の下を通って首の後ろに達するように構成することができる。
【0010】
また、前記固定紐及び前記マスク本体の上縁部は、後方に向かって水平に対して20°~30°下方向に傾斜して、着用者の首の後ろに達するように構成することができる。
【0011】
マスクを着用した状態では、前記マスク本体の中央上端部が着用者の鼻頂部に掛かり、当該マスク本体の他の部分と着用者の口との間には空間を確保することが好ましい。
【0012】
前記マスク本体を着用者の鼻及び口から下に外した状態では、前記マスク本体が着用者の顎の下で首に接するように構成することができる。これにより、例えば、マスクを口から外して水泳する場合にも、マスクが邪魔になることがない。
【0013】
前記マスク本体の端部には、前記マスク本体よりも剛性の高い素材からなり、当該マスク本体のねじれを防止する部材を設けることができる。また、前記ねじれ防止部材としては、ポリウレタン、ポリオレフィン又はシリコン製のシート又はプレートを採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明に係る防水マスクの構造を示す平面図である。
図2図2は、本発明に係る防水マスクの本体部の構造を示す断面図である。
図3図3は、本発明に係る防水マスクを着用した様子を示す側面図である。
図4図4は、本発明に係る防水マスクを外した様子を示す斜視図である。
図5図5(A),(B)は、本発明に係る防水マスクの着用手順を示す正面図である。
図6図6(A),(B)は、本発明に係る防水マスクの着用手順を示す斜視図である。
図7図7は、本発明の他の態様に係る防水マスクを着用した様子を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る防水マスクの構造を示す平面図である。図2は、本発明に係る防水マスクの本体部の構造を示す断面図である。図3は、本発明に係る防水マスクを着用した様子を示す側面図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、本発明に係る防水マスク10は、伸縮性のある経編素材22とシリコン素材24を貼り合わせた素材によって成形されるマスク本体12と;マスク本体12の左右両端部12bに連結され、着用者の首の後ろを通って延びる伸縮性の固定紐として使用されるスパイラルコード14とを備えている。なお、図1において、符号12aはマスク本体12の下端中央部を示し、符号12cは上端中央部を示す。
【0017】
図1に示すように、マスク本体12の上部のカッティングは鼻頂部を頂点として左右に緩やかに下がる傾斜になっており、着用時の鼻部の圧迫感を軽減するとともに、顔の形状にフィットしやすい設計となっている。また、マスク本体12の中心上部が着用者の鼻頂部に引っ掛かり、斜め下方(後方)に延びる。
【0018】
図2に示すように、マスク本体12を構成する2層(22,24)は、用途に応じて表裏を替えて使用することができる。マスク本体12に採用される素材のシリコン層24により、マスクとして防水性を有すると共に、ウイルスなどがマスク本体12を通過することを防止できる。また、マスク10の使用後は、マスク本体12の表裏両面又は片面に除菌スプレー噴射することで除菌、ウイルス除去をすることができる。
【0019】
スパイラルコード14は、例えば、ポリウレタンやEVA資材の紐状部材を螺旋状(スプリング状)に成形することで、素材本来の伸縮性よりも遙かに大きな伸縮性を得ることができるコードである。スパイラルコード14は、マスク本体12の端部12bから耳の下を通って首の後ろに達するように構成されている。マスク本体12の伸縮性とスパイラルコード14により、規格サイズの300%の伸縮性を得ることができ、幼稚園児でも一人で簡単にマスクの着脱をすることが可能となる。
【0020】
なお、マスク本体12の一方の端部12bには、スパイラルコード14に連結され、引っ張り危険防止パーツ(図示せず)を設けることができる。危険防止パーツにより、例えば、パーツ部分に4kgの加重(負荷)がかかると、パーツが外れる仕様とすることができる。
【0021】
図3に示すように、マスク本体12の上縁部とスパイラルコード14は、マスク本体12の端部12bから水平に対して概ね20°~30°下に向かって傾斜して、着用者の首の後ろに達するように構成されている。スパイラルコード14が耳の下と通るように装着することで、着用者の口元に空間が形成され、呼吸を妨げないようになっている。なお、図3において、便宜上、スパイラルコード14は直線で示すものとする。
【0022】
マスク本体12の端部12bには、マスク本体12よりも剛性の高い素材からなり、当該マスク本体12のねじれを防止するねじれ防止部材15が設けられている。ねじれ防止部材15としては、ポリウレタン、ポリオレフィン又はシリコン製のシート又はプレートを採用することができる。また、ねじれ防止部材15は、マスク本体12の端部12bを表裏両側から挟む又は包むように設けることができる。
【0023】
図4は、本発明に係る防水マスク10を外した様子を示す斜視図である。図4に示すように、マスク10を鼻口から外した状態では、首に緩やかにフィットするようにし、例えば、プールで泳いでいる時に首から動く心配もなく水泳を妨げにくい構造になっている。
【0024】
図5(A),(B)、図6(A),(B)は、本発明に係る防水マスク10の着用手順を示す正面図及び斜視図である。
図5(A)に示すように、スイミングキャップやゴーグルを装着する前に、予めマスク10を首に掛けておくことが好ましい。
【0025】
次に、図5(B)、図6(A),(B)に示すように、両サイドのねじれ防止プレート15を持ち、前方に軽く引張りながら目視でねじれていないかを確認して、マスク本体12をゆっくりと上に引き上げ、マスクが鼻頂部に引っ掛けるように装着する。
このとき、スパイラルコード14は耳の下を通るようにし、鼻より下の部分に空間が形成されるようにする(図3参照)。
【0026】
マスク10を外す際は、左右両側のねじれ防止部材15を持ち、マスク本体12を下に移動させ、図4に示すように首に装着された状態とする。
【0027】
図7は、本発明の他の態様に係る防水マスクを着用した様子を示す正面図である。 図7において、符号126は、マスク本体112の表面上部に形成されたシリコン樹脂プリントであり、当該プリント126の凹凸から触感でマスク本体112の上下が確認でき、装着動作を容易にする工夫がなされている。
【0028】
以上説明したように、本発明に係る防水マスク10によれば、プールやお風呂等で使用しても水を含みにくく重くならない。また、マスク本体12にシリコン素材を貼り合わせた素材を使用しているため、飛沫拡散防止性能が高くなる。また、図3に示すように、鼻口に着用時には、マスク本体12の上縁部が鼻頂部から概ね一直線に20~30°下がった傾斜になり、マスク本体12の下端12aがあごから離れやすくなり、口との空間が確保され呼吸がしやすくなる。
【0029】
更に、本発明に係るマスク10をスイミングプールで使用する際には、泳いでいる時、休んでいる時、待っている時の時々に応じて簡単に付け外しが可能となり、利便性が高い。
【0030】
本発明について実施例に基づいて説明したが、本発明は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の思想に基づいて適宜変更可能なものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7